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特開2022-141480接触解析システム、接触解析方法およびプログラム
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  • 特開-接触解析システム、接触解析方法およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141480
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】接触解析システム、接触解析方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220921BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041809
(22)【出願日】2021-03-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 義明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 啓一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる接触解析システム、接触解析方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】接触解析システム1のメインサーバ100は、対象物情報記憶部110と、ユーザ情報記憶部120と、判定結果記憶部130と、ユーザ位置情報取得部140と、接触判定部150と、指標算出部180と、属性特定部190とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと対象物との接触を解析する接触解析システムであって、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得部と、
前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶する対象物位置情報記憶部と、
前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザが前記対象物に接触したか否かを判定する接触判定部と
を備え、
前記接触判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とする接触解析システム。
【請求項2】
請求項1記載の接触解析システムにおいて、
前記接触判定部は、前記接触濃度として、前記対象物に対する前記ユーザの移動速度の向きが所定の角度判定である場合に濃厚接触と判定することを特徴とする接触解析システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の接触解析システムにおいて、
前記対象物が広告媒体であることを特徴とする接触解析システム。
【請求項4】
ユーザと対象物との接触を解析する接触解析方法であって
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得工程と、
前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定工程と
を実行し、
前記接触判定工程は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とする接触解析方法。
【請求項5】
ユーザと対象物との接触を解析するプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得させ、
取得したユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の接触解析システムは、ユーザと対象物との接触を解析するシステムである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の接触解析システムとしては、下記特許文献1に示すように、移動履歴として時系列でのユーザの座標を用いて、かかる移動履歴に基づいて広告に接する場所に進入した日時と場所から退去した日時との間の滞在期間を特定し、滞在期間と広告が表示される期間とに重なり合いがある場合に、ユーザが広告に接したと判定する情報処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6383838号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、かかる従来の情報処理装置では、広告に接する場所に進入した日時と場所から退去した日時がないと接触判定ができないという問題がある。
【0005】
そのため、ユーザが実際にはその広告に接触しているにもかかわらず、侵入または退去の日時が特定できないために、そのユーザは広告に接触していないと判定されてしまう虞がある。
【0006】
まして、かかる従来の情報処理装置では、広告に対してユーザがどのような接触の仕方をしたかを把握することは困難である。
【0007】
以上の事情に鑑みて、本発明は、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる接触解析システム、接触解析方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明の接触解析システムは、ユーザと対象物との接触を解析する接触解析システムであって、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得部と、
前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶する対象物位置情報記憶部と、
前記ユーザ位置情報取得部により取得されたユーザ位置情報と、前記対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、前記ユーザが前記対象物に接触したか否かを判定する接触判定部と
を備え、
前記接触判定部は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とする。
【0009】
第1発明の接触解析システムによれば、ユーザ位置情報と、対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、ユーザが対象物に接触したか否かを判定する際に、ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことで、ユーザが対象物にどのような近づき方、すなわちどのような接触の仕方をしたかを把握することができる。
【0010】
このように、第1発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる。
【0011】
第2発明接触解析システムは、第1発明において、
前記接触判定部は、前記接触濃度として、前記対象物に対する前記ユーザの移動速度の向きが所定の角度判定である場合に濃厚接触と判定することを特徴とする。
【0012】
第2発明接触解析システムによれば、ユーザが対象物にどのような近づき方をしたかは、
対象物に対するユーザの移動速度の向きの角度(対象物に対して正面向きか、正面からどの程度の角度範囲か)の影響が大きいところ、かかる対象物に対するユーザの移動速度の向きが所定の角度判定である場合に濃厚接触と判定することができる。
【0013】
このように、第2発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を具体的に判定することができる。
【0014】
第3発明の接触解析システムは、第1または2発明において、
前記対象物が広告媒体であることを特徴とする。
【0015】
第3発明の接触解析システムによれば、対象物が広告媒体である場合に、アンケート調査などを不要として、広告媒体とユーザとの接触判定を確実かつ簡易に行うことができ、好適である。
【0016】
このように、第3発明の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に広告媒体との接触および接触の仕方を判定することができる。
【0017】
第4発明の接触解析方法は、ユーザと対象物との接触を解析する接触解析方法であって
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得するユーザ位置情報取得工程と、
前記ユーザ位置情報取得工程により取得されたユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザと前記対象物との接触を判定する接触判定工程と
を実行し、
前記接触判定工程は、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とする。
【0018】
第4発明の接触解析方法によれば、ユーザ位置情報と、対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、ユーザが対象物に接触したか否かを判定する際に、ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことで、ユーザが対象物にどのような近づき方、すなわちどのような接触の仕方をしたかを把握することができる。
【0019】
このように、第4発明の接触解析方法によれば、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる。
【0020】
第5発明のプログラムは、ユーザと対象物との接触を解析するプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザが携帯するユーザ端末の位置情報を取得させ、
取得したユーザ位置情報から、前記対象物の設置位置に関する対象物位置情報を記憶した対象物位置情報記憶部の該対象物位置情報を参照して、前記ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことを特徴とする。
【0021】
第5発明のプログラムによれば、ユーザ位置情報と、対象物位置情報記憶部に記憶された対象物位置情報とから、ユーザが対象物に接触したか否かを判定する際に、ユーザの前記対象物への接近の移動速度により該ユーザと該対象物との接触濃度判定を行うことで、ユーザが対象物にどのような近づき方、すなわちどのような接触の仕方をしたかを把握することができる。
【0022】
このように、第5発明のプログラムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態の接触解析システムの概要を示すシステム構成図。
図2図1の接触解析システムにおける処理内容を示すフローチャート。
図3図1の接触解析システムにおける処理内容を示す説明図。
図4図1の接触解析システムにおける処理内容を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示すように、本実施形態の接触解析システム1は、主にメインサーバ100から構成され、ユーザ2と対象物3との接触および接触濃度を判定する。ユーザ端末200と対象物管理サーバ300(図2参照)を介して解析するシステムである。なおメインサーバ100とユーザ端末200と対象物管理サーバ300とはインターネットなどのネットワークNWを介してデータ通信可能に構成されている。
【0025】
ここでユーザ2は、例えば、ユーザ2が携帯するスマートフォンやタブレットなどのユーザ端末200にダウンロードされたアプリケーションを介して、ユーザ200の位置情報(後述するユーザスキャン情報、ユーザGPS情報など)をネットワークNW経由でメインサーバ100へ提供を許諾した者である。
【0026】
また、対象物3は、例えば、広告媒体(屋外広告や屋内広告であって紙媒体のような固定表示物のほかデジタルサイネージのような変更表示物のいずれであってもよい)、コンテンツ等が表示されるスクリーンや壁面、店舗、店舗内の特定商品(特定商品のコーナーを含む)等の対象物であって、主として、固定設置された固定対象物であるが、対象物自体が移動する移動対象物であってもよい。
【0027】
なお、対象物3は、図面上1つの対象物のみを表しているが、ユーザ2と同様に、実際には、異なる対象物3が複数の存在している。
【0028】
対象物管理サーバ300は、管理対象とする複数の対象物3に関連する情報を収取・管理・更新するサーバであって、例えば、対象物3が広告媒体である場合には、その位置情報である対象物位置情報(対象物スキャン情報・対象物GPS情報)のほか、その対象物3の内容(例えば、デジタルサイネージであればディスプレイにおける表示内容)およびその表示時間(本発明の特定期間に相当する。例えば、広告掲載期間)を収集・管理・更新する。
【0029】
なお、対象物管理サーバ300をメインサーバ100内(後述する対象物情報記憶部110)に構成して、対象物管理サーバ300を省略してもよい。
【0030】
メインサーバ100は、対象物情報記憶部110と、ユーザ情報記憶部120と、判定結果記憶部130と、ユーザ位置情報取得部140と、接触判定部150と、指標算出部180と、属性特定部190とを備える。
【0031】
対象物情報記憶部110は、例えば、広告媒体のような接触判定の対象となる対象物3の位置情報である対象物位置情報(対象物スキャン情報・対象物GPS情報)のほか、対象物内容情報である、その対象物3の内容(例えば、デジタルサイネージであればディスプレイにおける表示内容)およびその内容の保持期間(本発明の特定期間に相当する。例えば、広告掲載期間)を記憶保持する。なお、対象物情報記憶部110に記憶保持される対象物位置情報や対象物内容情報は、対象物管理サーバ300からの更新情報により適宜更新される。
【0032】
対象物3の対象物位置情報としては、その対象物3の設置位置およびその一定範囲内(対象物3が広告媒体の場合にはこれを視認できる、概ね対象物3を中心に、屋外であれば概ね半径20~50m、屋内であれば概ね半径10~15mの範囲。図1では仮想円X上の空間)のGPS情報(緯度経度情報)のほか、この一定範囲内においてアクセス可能な近距離通信機器を検出した対象物スキャン情報が含まれる。
【0033】
なお、対象物が広告媒体でこれを視認できる接触判定領域は、対象物3から一定範囲内とする代わりに、仮想判定境界領域(ジオフェンス)を設定してもよい。
【0034】
ここで、近距離通信機器としては、無線LANであるWiFiに対応した機器のほか、Bluetooth、Beacon、IrDA、ZigBeeなど近距離無線通信の一部または全部に対応した機器であってよい。対象物スキャン情報は、その計測位置でアクセス可能な近距離通信機器の一覧と各機器の電波強度のほか、これらの機器の近距離無線通信技術を利用した位置測位情報(屋内位置測位情報)が含まれる。
【0035】
なお、補足説明すると、スキャン情報は、正確には、WiFiでいうなら各WiFiルーターのSSID(Service Set Identifier)、BSSID(Basic Service Set Identifier)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、緯度経度である。
【0036】
対象物3の対象物内容情報としては、例えば、対象物となり得る広告媒体(屋外広告や屋内広告であって紙媒体のような固定表示物のほかデジタルサイネージのような変更表示物のいずれであってもよい)、コンテンツ等が表示されるスクリーンや壁面、店舗、店舗内の特定商品(特定商品のコーナーを含む)等の内容そのものであり、内容と併せてその内容の保持期間(特定期間)に関する情報が含まれる。
【0037】
なお、対象物3の対象物位置情報および対象物内容情報はその情報の鮮度が明確となるように更新日時が位置情報や内容物情報に併せて記録される。なお、対象物内容情報については、対象物情報記憶部110に記憶することなく、必要に応じて対象物管理サーバ300を参照するように構成してもよい。
【0038】
ユーザ情報記憶部120は、主として、ユーザの基本属性を記憶するデータベースであって、例えば、性別、生年月日および居住地の一部または全部のほか、ユーザ端末の固有IDであるADIDなども記憶される。
【0039】
判定結果記憶部130は、接触判定部150によるユーザ2と対象物3との接触の判定結果および接触濃度を記憶するデータベースである。
【0040】
ユーザ位置情報取得部140は、ユーザ2のGPS情報(緯度経度)と、ユーザ2が携帯するユーザ端末200がアクセス可能な近距離通信機器を検出したスキャン情報であるユーザスキャン情報(近距離機器の近距離無線通信技術を利用した位置測位情報(屋内位置測位情報)を含む)とのいずれか一方または両方をユーザ位置情報として取得する。
【0041】
ここで、ユーザ位置情報は、計測のタイミングの時間に紐づけされた(タイムスタンプが付された)位置情報となっている。
【0042】
接触判定部150は、ユーザ位置情報取得部140により取得したユーザ位置情報と、対象物情報記憶部110に記憶された対象物情報(対象物位置情報および対象物内容情報)とから、ユーザ2が対象物3との接触および接触濃度の判定を行う。
【0043】
指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された複数の判定結果に基づいて、対象物3に対する基本指標のほか拡張指標を算出する。
【0044】
例えば、指標算出部180は、基本指標として、複数のユーザ2と特定の対象物3との接触の判定結果に基づいて、その特定の対象物3との接触に関する接触人数、接触回数および平均接触時間の一部または全部を算出する。
【0045】
また、指標算出部180は、第1の拡張指標として、複数のユーザ2をサンプルとして、推計ロジックにより該複数のユーザ2を所望母集団に拡張した場合の日別平均接触率、リーチ、フリークエンシー、GRPおよびこれらの推計人数の一部または全部を算出する。
【0046】
さらに、指標算出部180は、第2の拡張指標として、複数のユーザ2をサンプルとして、他の指標データとのデータ融合により、該他の指標データの指標項目を生成し該指標項目の指標を算出する。
【0047】
属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触判定を行ったユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定する。
【0048】
例えば、属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触した(接触しなかった)ユーザ2の基本属性として、ユーザの性別、生年月日および居住地の一部または全部を特定する。
【0049】
なお、基本属性は、これらに限定されるものではなく、これらに代えてまたは加えて、事前にアンケートなどで収集したこれら以外の属性(例えば、年収、職業、家族構成等)ほか、人口統計学的変数、消費行動変数、心理的変数、メディア(コンテンツや広告)接触変数で区分される属性の一部または全部であってもよい。
【0050】
また、属性特定部190は、第1の拡張属性として、ユーザ2の基本属性と(予めデータ取得済みの)他の属性データとのデータ融合により、他の属性データが有する分析項目を生成し該分析項目の属性を付与する。
【0051】
さらに、属性特定部190は、第2の拡張属性として、ユーザの移動履歴から該移動履歴に関連する属性項目を生成し該属性項目の属性を付与する。
【0052】
なお、指標算出部180による指標算出処理および属性特定部190による属性特定処理の詳細については、後述する。
【0053】
以上が本実施形態の接触解析システム1の構成である。なお、以上の構成において、メインサーバ100(本発明のコンピュータに相当する)の各処理部110~190は、それぞれ例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアにより構成され、後述する各種処理を実行するプログラムをメモリ(不図示)に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、各種処理を実行するための演算装置(シーケンサ)として機能する。
【0054】
また、メインサーバ100を構成する各処理部110~190の一部または全部は、他のサーバ(外部サーバ)により構成し、分散処理により当該接触解析システム1を実現してもよい。
【0055】
次に、図2を参照して、以上のように構成された接触解析システム1の処理内容について説明する。
【0056】
前提として、対象物情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報は、予め収集・辞書化されると共に、随時更新される。
【0057】
特に、地下や屋内空間、店舗などでは、対象物GPS情報が取得できないか、取得できてもユーザGPS情報が取得できず、接触判定が不可能であるところ、対象物スキャン情報を利用した接触判定が有効であるが、スキャン情報であるWiFiなどの近距離通信機器はその新設・除去により変化するほか、遮蔽物の設置や除去によっても電波強度が変化し得る。そのため、特に、対象物スキャン情報については、定期・不定期で更新される。
【0058】
まず、対象物情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報の更新処理について、説明する。
【0059】
対象物管理サーバ300は、例えば、一定の周期で(月に1度または週に一度)、対象物位置情報(特に対象物スキャン情報)を再取得し、当該対象物管理サーバ300が管理する対象物位置情報を更新する(図2/SPEP310)。
【0060】
ここで、対象物位置情報の更新は、その位置情報と一体に更新日時を付与する形で行うことが望ましい。これにより、位置情報の情報鮮度を後述する接触判定に組み合わせることが可能となる。
【0061】
また、対象物管理サーバ300は、対象物の内容および対象物がその内容ある特定期間の情報を定期的に取得し、当該対象物管理サーバ300が管理する対象物内容情報を更新する(図2/STEP311)。
【0062】
ここで、対象物内容情報の更新は、その内容等の情報と一体に更新日時を付与する形で行うことが望ましい。これにより、内容等の情報の情報鮮度を後述する接触可能判定および接触判定に組み合わせることが可能となる。
【0063】
そして、対象物管理サーバ300は、定期的にまたは少なくとも対象物位置情報の更新があった場合に、更新された対象物位置情報および対象物内容情報をネットワークNWを介してメインサーバ100に送信する(図2/STEP312)。
【0064】
更新情報を受信したメインサーバ100は、対象物情報記憶部110に記憶される対象物位置情報および対象物内容情報を更新する(図2/STEP110)。
【0065】
例えば、更新された対象物位置情報(更新日時が一定に付与された対象物スキャン情報など)を対象物情報記憶部110に格納する。また、更新された対象物内容情報(例えば、向こう1週間の対象物3の内容および個々の内容が維持される特定時間など)を対象物情報記憶部110に格納する。
【0066】
以上が、対象物情報記憶部110に記憶される対象物3の位置情報の更新処理である。
【0067】
次に、ユーザ2と対象物3との接触判定処理および接触濃度判定処理について説明する。
【0068】
まず、ユーザ2は、ユーザ端末200を携帯した状態で、通勤、通学、ショッピングなどに出かけると、ユーザ端末200に前もってダウンロードされたアプリケーションを介して、ユーザ200の位置情報であるユーザ位置情報がユーザ端末200に記録される(図2/SEP240)。
【0069】
ここでユーザ位置情報は、GPS測位データ(ユーザGPS情報)およびスキャン情報(例えば、一定の周期でユーザ端末200を介して計測したアクセス可能な近距離通信機器一覧および各電波強度であるスキャンデータであるユーザスキャン情報(近距離機器の近距離無線通信技術を利用した位置測位情報(屋内位置測位情報)を含む)であって、これらのデータには、タイムスタンプが付与されている。
【0070】
そして、ユーザ端末200は、記録されたユーザ位置情報をネットワークNWを介してメインサーバ100に送信する(図2/STEP241)。ユーザ位置情報の送信は、当該アプリケーションでの処理により、所定の周期または一定のデータ量の蓄積毎に実行される。
【0071】
なお、ユーザ位置情報の送信は、リアルタイムに近い所定の周期(例えば、ミリ秒周期やマクロ秒周期)で行うことにより、後述する接触判定処理をリアルタイムに実行してもよく、蓄積されたユーザ位置情報を一定量蓄積(蓄積圧縮)して(例えば、キロ秒周期で)送信する場合には、事後的に接触判定処理を実行してもよい。
【0072】
ユーザ位置情報を受信したメインサーバ100は、対象物位置情報取得部140が取得し(図2/STEP140、本発明のユーザ位置情報取得工程に相当する)、取得したユーザ位置情報に基づいて、接触判定部150が接触判定処理を行う(図2/STEP150、本発明の接触判定工程に相当する)。
【0073】
ここで、接触判定部150は、取得したユーザ位置情報と対象物位置情報記憶部110に記憶された対象物位置情報との一致(一致の度合い)により、ユーザ2と対象物3とが接触したか否かを判定する(接触判定処理)。
【0074】
例えば、接触判定処理では、図1において、ユーザ2が対象物3の一定範囲内である接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)に入った場合は、(1)STEP140で取得したユーザ位置情報には、接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)において測定されたユーザスキャン情報が含まれる。
【0075】
一方、(2)対象物位置情報記憶部110には、対象物3およびの一定範囲内である接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)において複数計測された対象物スキャン情報が記憶されている。
【0076】
ユーザ特定部150は、(1)のユーザスキャン情報が(2)の対象物スキャン情報と一致するものがある場合に、当該ユーザ2は当該対象物3と接触したと判定する。
【0077】
ここで、一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合に、(1)のユーザスキャン情報が(2)の対象物スキャン情報と一致すると判定してもよい。スキャン情報は、アクセス可能なWiFi機器との間の電波の状況が微妙に変化することがあるところ、一致の度合いを示す尤度を用いて、尤度が閾値の範囲内である場合に、ユーザスキャン情報が対象物スキャン情報と一致すると判定することで、より実態に即した接触判定が可能となる。
【0078】
ここで、一致の度合いを示す尤度の閾値は変更可能であるため、閾値を厳しくすると、接触判定の正確性が向上し、接触者数は減少する。そのため、閾値を厳しくした場合には、実質的に、対象物3の一定範囲内である接触判定領域を仮想円Xからか仮想円Yに変更し、仮想円Y上の空間に基づいて接触判定を行ったのと同様の効果を得ることができる。
【0079】
一方、閾値を緩くすると、接触判定の正確性は低下し、接触者数は増加する。そのため、閾値を緩くした場合には、実質的に、対象物3の一定範囲内である接触判定領域を仮想円Xからか仮想円Zに変更し、仮想円Z上の空間に基づいて接触判定を行ったのと同様の効果を得ることができる。
【0080】
このように、一致の度合いを示す尤度の閾値を変更することで、改めて計測を行って対象物スキャン情報を取得し直すことなく、対象物3の一定範囲内である接触判定領域Xを実質的に変更することができる。
【0081】
なお、一致の度合いを示す尤度の算出は、例えば、スキャン情報のアクセス可能な近距離通信機器を電波強度の強いグループと電波強度の弱いグループに分け、電波強度の強いグループには尤度を相対的に高く、電波強度の弱いグループには尤度を相対的に低く設定し、これらの積算値を一致の度合いを示す尤度とするなど種々の方法が採用され得るが、推定統計学的手法(統計分布)により一致の度合いを示す尤度を算出してもよい。
【0082】
また、接触判定の手法は、上述のユーザスキャン情報と対象物スキャン情報との一致(一致の度合い)に限定されるものではない。例えば、ユーザGPS情報および対象物GPS情報から、対象物3の一定範囲内にユーザ2が入っているか否かに基づいて接触判定を行ってもよく、ユーザGPS情報および対象物GPS情報の代わりに、ユーザスキャン情報から特定されるユーザ位置(ユーザ位置測位情報)と、対象物スキャン情報から特定される対象物位置(対象物位置測位情報)に基づいて、対象物3の一定範囲内にユーザ2が入っているか否かに基づいて接触判定を行ってもよい。
【0083】
なお、スキャン情報に基づくユーザ位置および対象物位置の特定は、例えば、それぞれのスキャン情報に含まれる近距離通信機器の電波強度と、その近距離通信機器の設置位置とから、三点測位によって現在位置を推定することにより実現することができる。
【0084】
この場合、スキャン情報に基づくユーザ位置および対象物位置の特定処理は、送信されたスキャン情報に基づいてメインサーバ100により一括して行ってもよいが、分散処理により、ユーザ位置の特定はユーザ端末200により行う一方、対象物位置の特定は対象物管理サーバ200により行い、これらの特定された位置情報のみをメインサーバ100が取得して接触判定(接触濃度判定)を行うようにしてもよい。
【0085】
また、ユーザ特定部150は、接触判定処理と併せて、対象物3の一定範囲内である接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)の滞在時間である接触時間量を算出する。接触時間量は、主として、接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)において、ユーザスキャン情報が対象物スキャン情報と一致(一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合を含む)し続けた時間であるが、一定の時間の間に接触判定対象範囲(仮想円X上の空間)に出入りした場合も、一致(一致の度合いを示す尤度が閾値の範囲内である場合を含む)し続けた時間を接触時間量としてもよい。
【0086】
さらに、接触判定部150は、接触判定処理および接触時間量の算出処理に基づいて、対象物3が特定の内容であった特定期間に接触したかの判定を行ってもよい。例えば、対象物3の設置期間(対象物が広告媒体の場合には広告掲載期間)に接触したか否かの判定を行う。
【0087】
具体的には、接触判定部150は、上述のようにユーザ位置情報および対象物位置情報に基づいて接触したと判定された場合に、さらに、ユーザ位置情報付与されたタイムスタンプで特定される接触時刻が、対象物情報記憶部110に記憶された対象物内容情報で管理される対象物3の内容およびその内容である特定期間(対象物3が広告である場合には、その設置期間(広告掲載期間))と重複する場合には、ユーザ2はその内容の対象物3に接触したと判定する。
【0088】
一方、対象物情報記憶部110に記憶された対象物内容情報で管理される対象物3の内容およびその内容である特定期間(対象物3が広告である場合には、その設置期間(広告掲載期間))と重複しない場合には、ユーザ2はその内容の対象物3に接触しないと判定する。
【0089】
加えて、接触判定部150は、その接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)と、対象物3の内容およびその内容である特定期間(対象物3が広告である場合には、その設置期間(広告掲載期間))との重複時間から接触時間量を算出してもよい。すなわち、接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)のすべてが、対象物3の内容およびその内容である特定期間である場合には、接触時間を接触時間量とする一方、接触時間(接触開始時刻から接触終了時刻まで)の途中で、対象物3の内容およびその内容である特定期間が終了した場合には、接触開始時刻から特定期間が終了するまでの時間を接触時間量とするようにしてもよい。
【0090】
次に、接触判定部150は、ユーザ2と対象物3とが、接触していると判定される場合に、接触濃度を判定する(図2/STEP155、接触濃度判定処理)。なお、本実施形態では、接触判定と併せて接触濃度判定を行う場合について説明したが、接触判定を省略して、接触濃度判定のみを行うようにしてもよい。
【0091】
ここで、接触判定部150は、ユーザ位置情報(ユーザGPS情報またはユーザスキャン情報から特定されるユーザ位置(ユーザ位置測位情報))の変化から、ユーザ2の対象物3へ接近の仕方(移動速度)に応じて接触濃度判定する。
【0092】
具体的には、接触判定部150は、ユーザ2が接触判定領域Xに入った場合にその侵入時の移動速度を算出し、その移動速度から接触濃度を判定する。
【0093】
なお、移動速度の算出は、接触判定領域Xへの侵入時としているが、これに限定されるものではなく、他の任意の領域を設定しその侵入時としてもよく、また、これらの領域内での任意の位置としてもよい。
【0094】
まず、図3では、対象物3に比較的近い領域(例えば、対象物3から半径10mの範囲)を移動速度の算出トリガ領域として設定し、ユーザ2が当該算出トリガ領域に侵入したタイミングでの移動速度vを算出する。
【0095】
移動速度vは、侵入時の前後のユーザ2の位置情報からベクトル量(例えば、侵入時位置とその前後のサンプリング周期での位置との差)として求められる。
【0096】
図3では、徒歩で移動中のユーザ2の移動速度vが、侵入時位置とその1つ前のサンプリング周波数での位置との差としてのベクトル量(正確には、サンプリング周期を単位時間に換算したときのベクトル量)として算出される。
【0097】
そして、接触判定部150は、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ)に応じて接触濃度を判定する。
【0098】
例えば、接触濃度は、平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θが0°に近いほど濃く(なす角θが180°に近いほど薄く)なるように、連続的にまたは段階的に決定される。
【0099】
なお、接触判定部150による接触濃度の判定は、簡易的に、対象物3に対するユーザ2の移動速度の向きが所定の角度判定(例えば、なす角θが0°~30°)である場合に濃厚接触と判定することができる。
【0100】
さらに、濃厚接触か否かを判定する所定の角度範囲は、移動速度vの算出位置に応じて変更してもよい。例えば、移動速度vの算出位置が比較的離れている場合(接触判定領域Xへの侵入時の場合)には、所定の角度判定を、例えば、なす角θが0°~20°として真正面に近い場合のみ濃厚接触としてもよい。
【0101】
また、対象物の向き(広告看板の向き)を考慮して、なす角θを算出することが望ましい。具体的には、なす角θは、平面視ユーザ2の進行方向と対象物3の向き(広告看板面に垂直な方向)とのなす角θとして算出される。これにより、対象物3の向きを考慮した接触濃度の判定が可能となるためである。
【0102】
このようにして設定したなす角θを用いて、ユーザ2と対象物3とが対峙する角度範囲(ユーザ2が対象物3を例えば正面に見て確実に接触したとされる範囲)を設定し、その角度範囲により対象物3との濃厚接触の有無や濃厚接触時間を算出することができる。
【0103】
以上の平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θに応じた接触濃度判定に加えてまたは代えて、接触判定部150は、垂直方向におけるユーザ2の進行方向と対象物3方向との高さ方向の仰角φに応じて、接触濃度判定を行ってもよい。
【0104】
具体的には、仰角φが大きいほど対象物3が真上に見上げる形となるため、仰角φが90°に近いほど接触濃度を低くさせる。一方で、仰角φが小さいほど対象物3が水平面上正面に位置した視認等が可能となるため、仰角φが0°に近いほど接触濃度を濃くさせる。なお、仰角φに応じて、連続的にまたは段階的に接触濃度を決定してもよい。
【0105】
なお、接触判定部150は、ユーザ2の移動速度vの向き(平面視ユーザ2の進行方向と対象物3方向とのなす角θ、垂直方向におけるユーザ2の進行方向と対象物3方向との高さ方向の仰角φ)に応じて接触濃度を決定することに加えて、ユーザ2の移動速度vの速さ(=|v|)に応じて接触濃度を決定してもよい。
【0106】
例えば、図4に示すように、移動速度vの速さ(=|v|)が大きい場合には、対象物3が高速で移動しているため、濃厚接触と判定する角度範囲(なす角θおよび仰角φ)を小さくすることが好ましい。
【0107】
一方で、図3に示すように、移動速度vの速さ(=|v|)が小さい場合には、対象物3が徒歩で低速で移動しているため、濃厚接触と判定する角度範囲(なす角θおよび仰角φ)を比較的大きくすることが好ましい。
【0108】
また、これらの移動速度vの速さと角度(なす角θや仰角φ)を同時に考慮するように、移動速度vの平面視対象物方向成分V(=vCosθ)と対象物高さ方向成分V´(=vCosφ)とのいずれか一方または両方に基づいて接触濃度を決定してもよい。
【0109】
以上が、接触判定部150が行う接触判定処理および接触濃度判定処理であり、かかる処理内容(接触の有無およびその接触時間量、接触濃度の判定)は、判定結果記憶部130に記憶される。
【0110】
次に、指標算出部180による指標算出処理(図2/STEP180)について説明する。なお、指標算出処理は、図2のフローチャート上に記載しているが、任意のタイミングで実行される。
【0111】
指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された対象物3に接触したユーザ2の判定結果に基づいて、基本指標および拡張指標を算出する。
【0112】
具体的に、指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された判定結果から特定の対象物3の判定結果のみを抽出し、その特定の対象物3について、基本指標として、指定した期間における接触人数、接触回数および平均接触時間量の一部または全部を算出する。
【0113】
加えて、特定の対象物3を組みわせたセット対象物についても、基本指標として、指定した期間における接触人数、接触回数および平均接触時間量の一部または全部を算出することもできる。
【0114】
これにより、対象物3を変えて、複数の対象物3のそれぞれについて、全期間または任意の期間における基本指標(接触人数、接触回数および平均接触時間量)を算出することができる。
【0115】
さらに、指標算出部180は、判定結果記憶部130に記憶された判定対象となったユーザをサンプルとして、推計ロジックにより該サンプルを例えば一都三県の居住者全体に拡張した拡張基本指標を算出する。
【0116】
推計ロジックは、種々の手法が採用されるが、例えば、ユーザが一都三県の居住者の縮図となるように、後述するユーザの属性に基づく各種係数を基本指数にかけることで各対象物3について拡張基本指標を算出する。
【0117】
そして、かかる拡張基本指標を用いて、第1の拡張指標として、各対象物3について一都三県居住者全体での日別平均接触率(居住者全体に対して接触した人数の割合)、リーチ、フリークエンシー、GRPおよびこれらの推計人数の一部または全部を算出する。
【0118】
ここで、サンプルであるユーザは、各々個別のID等により把握されるため、これを拡大した拡張基本指標でも各対象物3への接触の実人数としてのリーチを算出することができると共にユーザの各対象物3への接触回数であるフリークエンシーを算出することができる。そして、これらリーチおよびフリークエンシーを掛け合わせることで、GRPも算出することができる。さらに、これらの推計人数も算出することができる。
【0119】
さらに、指標算出部180は、第2の拡張指標として、判定結果記憶部130に記憶された判定対象となったユーザをサンプルとして、他の指標データとのデータ融合により、該他の指標データの指標項目を生成し該指標項目の指標を算出する。
【0120】
例えば、別の広告媒体に対する視認者数(率)がアンケート調査等により他の指標データとして既に得られている場合に、かかる他の指標データの平均値を係数として利用することで、別の広告媒体の指標項目である視認者数(率)の指標を算出することができる。
【0121】
以上が、指標算出部180による指標算出処理(図2/STEP180)の詳細である。
【0122】
なお、本実施形態では、指標算出部180が、ユーザ情報記憶部120を参照して、対象物3に接触したユーザ2の基本指標および拡張指標を算出したが、対象物3への接触濃度が濃いまたは濃厚と判定されたユーザ2の基本指標および拡張指標を算出してもよい。
【0123】
次に、属性特定部190による属性特定処理(図2/STEP170)について説明する。なお、属性特定処理は、図2のフローチャート上に記載しているが、任意のタイミングで実行される。
【0124】
属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、接触判定処理を行ったユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定する。
【0125】
具体的に、属性特定部190は、ユーザ情報記憶部120を参照して、ユーザ2の基本属性(サンプルプロフィール)として、ユーザの性別、生年月日および居住地の一部または全部を特定する。
【0126】
さらに、属性特定部190は、第1の拡張属性として、当該基本属性と(予めデータ取得済みの)他の属性データとのデータ融合により、他の属性データが有する分析項目を生成し該分析項目の属性を付与する。
【0127】
例えば、詳細デモグラフィックデータや他のメディアとの接触・意識データなど、既に詳細に分類され項目分けされた他の属性データと基本属性とのデータ統合により、他の属性データの項目を生成して該項目に該当する属性を付与することができる。
【0128】
なお、ここでのデータ統合は、種々の手法が採用され得るが、例えば、推計モデルを用いて、他の属性データの項目を生成する方法や、データの共通項目の類似度に基づいてデータを統合した場合に当該項目に該当し得るかと判定することにより実行することができる。
【0129】
また、属性特定部190は、第2の拡張属性として、ユーザ2の位置情報から移動履歴を作成し、かかる移動履歴に基づく属性項目を生成し該属性項目の属性を付与する。
【0130】
具体的には、移動履歴から、平日に保育園への送迎を行っている場合には、子育て世代との属性を生成して付与することができる。さらに、基本属性と組み合わせることで、子育てパパという属性を生成して付与することができる。
【0131】
このように移動履歴に基づく属性項目を生成して付与することで、実際の移動履歴から様々なターゲットを選定した属性項目(野球好き/映画好きなど)を生成して付与することができる。
【0132】
なお、本実施形態では、属性特定部190がユーザ2の位置情報(ユーザスキャン情報および/またはユーザGPS情報)により移動履歴を作成しているが、これに限定されるものではなく、外部サーバから別途ユーザ2の位置情報や移動履歴を取得し、外部サーバからの情報に基づいて属性項目の生成と付与をするようにしてもよい。
【0133】
以上が属性特定部190による属性特定処理(図2/STEP190)の詳細である。
【0134】
なお、本実施形態では、属性特定部190が、ユーザ情報記憶部120を参照して、対象物3に接触したユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定したが、対象物3への接触濃度が濃いまたは濃厚と判定されたユーザ2の基本属性のほか拡張属性を特定してもよい。
【0135】
また、拡張指標や拡張属性としては、上述の指標や属性やその生成方法に限定されるものではなく、例えば、ユーザ情報記憶部120に記憶されているユーザ2のADIDやIDFAといった広告識別子やCookieをキーにデータに共通する要素によりテレビの視聴ログやWEBの接触データと連携することにより得られる指標を算出したり属性を生成し付与するようにしてもよい。
【0136】
以上詳しく説明したように、本実施形態の接触解析システムによれば、確実かつ簡易に対象物との接触および接触の仕方を判定することができる。
【0137】
なお、本実施形態では、対象物3との接触の判定対象範囲を仮想円X(Y,X)としてその上の空間としたが、これに限定されるものではなく、対象物が横長や複数面の場合には、判定対象範囲をその立体形状に合わせて変更してもよく、複数の対象判定範囲を繋げて一体化させるなどくくり方を変更してもよい。
【符号の説明】
【0138】
1…接触解析システム、2…ユーザ、3…対象物(広告媒体)、100…メインサーバ、110…対象物位置情報記憶部、120…ユーザ情報記憶部、130…判定結果記憶部、140…ユーザ位置情報取得部、150…接触判定部、180…指標算出部、190…属性特定部、NW…ネットワーク、X,Y,Z…接触判定領域。
図1
図2
図3
図4