(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141544
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041910
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
(72)【発明者】
【氏名】大野 治隆
(72)【発明者】
【氏名】小澤 祐士
(72)【発明者】
【氏名】繁藤 友之
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA11
2C088AA42
2C333AA11
2C333CA27
2C333CA29
2C333CA47
2C333CA49
2C333CA76
2C333CA77
2C333CA78
(57)【要約】
【課題】演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、当否判定の結果を報知する図柄態様で特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出において、演出表示画面の所定領域に変動中図柄を表示する弾球遊技機にあって、変動中図柄を用いた演出により、従来よりも疑似特別演出の興趣を向上させる。
【解決手段】疑似特別演出において、変動中図柄113を非表示として、演出表示画面6aの、変動中図柄113が表示される所定領域133を含む領域で演出画像を表示する特定リーチ演出を実行し、その後、特別演出図柄101a~101cを仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出を実行する場合に、再変動演出中に変動中図柄113を前記所定領域133に表示して、当該変動中図柄113の表示態様によって、当否判定の結果が所定の当選である期待度を報知する。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動口と、
特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置と、
前記始動口への遊技球入球に起因して、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数による保留記憶を所定の上限数まで記憶する保留記憶生成手段と、
前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、
前記保留記憶の消化に基づいて、前記特別図柄表示装置で特別図柄を変動させ、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示させる特別図柄制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行し、前記当否判定手段による当否判定の結果が時短当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、前記特別図柄制御手段が前記特別図柄を変動させる平均時間が通常よりも短くなる時短状態に制御する遊技制御手段と、
演出表示画面を具備する演出図柄表示装置と、
前記演出図柄表示装置を制御する演出表示制御手段と
を備え、
前記演出表示制御手段は、
所定の演出条件の充足を契機として、前記演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、前記当否判定の結果を報知する図柄態様で前記特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出を実行させるとともに、
前記疑似特別演出中に、前記演出表示画面の所定領域に前記特別演出図柄とは異なる変動中図柄を表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果を示唆するものであり、
前記疑似特別演出は、
前記変動中図柄を非表示として、前記演出表示画面の、前記所定領域を含めた領域に演出画像を表示する特定リーチ演出と、
前記特別演出図柄を仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出とを含み、
前記演出表示制御手段は、前記疑似特別演出において、前記特定リーチ演出の後に、前記再変動演出を実行する場合には、前記再変動演出中に前記変動中図柄を前記所定領域に表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果について前記時短当りの当選の期待度を報知することを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、当否判定の結果を報知する図柄態様で特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出を実行する弾球遊技機に関する。
【0002】
一般的な弾球遊技機は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置を備え、始動口への入球を契機として該特別図柄を変動させ、該特別図柄の停止図柄態様によって当否判定の結果を報知する。また、遊技領域の略中央には、演出表示画面を具備する演出図柄表示装置が配設されており、演出表示画面では、特別図柄の変動に合わせて特別演出図柄を変動表示した後に停止させ、確定停止した特別演出図柄の図柄態様によって当否判定の結果を報知する疑似特別演出が実行される。
【0003】
疑似特別演出では、特別演出図柄の確定停止表示前に、興趣に富んだ演出が表示されることから、一般的に、遊技者は疑似特別演出を注視しながら遊技を行っている。具体的には、疑似特別演出では、大当り等を期待させるリーチ演出が時折実行される。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出が含まれる。スーパーリーチ演出では、キャラクタ等を含む演出画像を演出表示画面の広範囲に表示するなどして、ノーマルリーチ演出よりも盛大な演出が行われる。また、一般的に、スーパーリーチ演出の実行時には、ノーマルリーチ演出よりも当否判定結果が大当りとなりやすくなっている。
【0004】
また、疑似特別演出において、ハズレを報知する図柄態様で特別演出図柄を仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出を実行する機種が存在する(例えば、特許文献1)。かかる再変動演出では、特別演出図柄のハズレ図柄態様での仮停止表示によって、遊技者を落胆させた後に、再変動によって、大当り等の希望が生じることとなるため、遊技者の感情に起伏を生じさせて遊技の興趣を向上させることができる。
【0005】
また、従来の弾球遊技機の中には、疑似特別演出の開始時に、演出表示画面の所定領域に変動中図柄を表示して、特別演出図柄が確定停止表示される前に、変動中図柄の表示態様によって当否判定の結果を示唆する構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-058529号公報
【特許文献2】特開2019-055099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、疑似特別演出中に変動中図柄を表示する従来の弾球遊技機では、スーパーリーチ演出を実行する際に変動中図柄を消去して、変動中図柄が表示される領域も使用して、スーパーリーチ演出用の演出画像を演出表示画面の広範囲に表示している。そして、従来の弾球遊技機では、スーパーリーチ演出の実行により変動中図柄が消去されると、次の疑似特別演出が開始されるまで変動中図柄が表示されることはない。
【0008】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、変動中図柄を表示する弾球遊技機にあって、変動中図柄を用いて従来よりも興趣に富んだ演出を実行し得る構成の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る参考発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動口と、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置と、前記始動口への遊技球入球に起因して、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数による保留記憶を所定の上限数まで記憶する保留記憶生成手段と、前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、前記保留記憶の消化に基づいて、前記特別図柄表示装置で特別図柄を変動させ、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示させる特別図柄制御手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行する遊技制御手段と、演出表示画面を具備する演出図柄表示装置と、前記演出図柄表示装置を制御する演出表示制御手段とを備え、前記演出表示制御手段は、所定の演出条件の充足を契機として、前記演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、前記当否判定の結果を報知する図柄態様で前記特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出を実行させるとともに、前記疑似特別演出中に、前記演出表示画面の所定領域に前記特別演出図柄とは異なる変動中図柄を表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果を示唆するものであり、前記疑似特別演出は、前記変動中図柄を非表示として、前記演出表示画面の、前記所定領域を含めた領域に演出画像を表示する特定リーチ演出と、前記特別演出図柄を仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出とを含み、前記演出表示制御手段は、前記疑似特別演出において、前記特定リーチ演出の後に、前記再変動演出を実行する場合には、前記再変動演出中に前記変動中図柄を前記所定領域に表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果について前記大当りの当選の期待度を報知することを特徴とする弾球遊技機である。
【0010】
かかる構成にあっては、疑似特別演出においてスーパーリーチ演出等の特定リーチ演出が実行されて、変動中図柄が非表示となったとしても、スーパーリーチ演出の実行後に変動中図柄が再表示されて、再表示された変動中図柄の表示態様によって大当りの期待度が示唆される場合があるため、変動中図柄の表示によって、従来構成に比べて疑似特別演出の興趣を向上させることが可能となる。
【0011】
ここで、「確定停止表示」は、特別演出図柄を一の図柄態様で少なくとも一定時間表示するものであればよい。「仮停止表示」は、「確定停止表示」とは明確に区別可能な態様(揺らし表示など)で、特別演出図柄を一の図柄態様で一時的に停止表示するものであればよい。
また、本発明にあって、保留記憶生成手段が記憶する保留記憶の数を報知する保留図柄を、演出表示画面の特定領域に表示する構成である場合には、本発明に係る変動中図柄を、疑似特別演出の開始時に当該特定領域から除去される保留図柄に替えて前記所定領域に表示されるものとすることが好ましい。かかる構成とすれば、遊技者は、変動中図柄を保留記憶と視覚的に関連付け易くなるため、変動中図柄の表示態様が保留記憶の当否判定結果を示唆していることを直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、疑似特別演出における再変動演出中に変動中図柄の表示態様によって報知される大当りの当選期待度は、当該疑似特別演出における特定リーチ演出の開始前に変動中図柄の表示態様によって報知される大当りの当選期待度と異なる場合があることが好ましい。かかる構成とすれば、再変動演出中に表示される変動中図柄によって、特定リーチ演出前に報知されていない新たな情報が報知され得るため、再変動演出時の変動中図柄によって疑似特別演出の興趣を一層向上させることができる。
また、本発明にあって、再変動演出中に表示される変動中図柄は、少なくとも特別演出図柄の仮停止表示中(変動再開前)に、当否判定結果を示唆する態様で表示することが好ましい。仮停止表示中は特別演出図柄が変動を再開するか否かが未確定の不安定な状態であるため、変動中図柄によって仮停止表示中に当否判定結果を示唆すれば遊技者の期待感を効率的に刺激できる。また、かかる構成では、特別演出図柄の仮停止表示中に、変動中図柄を、当否判定結果を示唆しない(大当りの期待度の最も低い)通常の態様で表示開始することが好ましい。かかる構成とすれば、仮停止表示中の不安定な状態において、変動中図柄が通常の表示態様から大当りの期待度の高い表示態様に変化するかどうかで、遊技者の期待感を強く煽ることが可能となる。
また、本発明にあって、演出表示画面に表示する保留図柄が、その表示態様によって当該保留図柄に対応する保留記憶に係る当否判定結果を示唆するものである場合には、保留図柄と変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、保留図柄が特定態様で表示された場合と、変動中図柄が当該特定態様で表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が特定態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、特定リーチ演出の開始前に表示され得る変動中図柄の表示態様と、再変動演出中に表示され得る変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、当該共通化された表示態様の変動中図柄が、特定リーチ演出の開始前に表示された場合と、再変動演出中に表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が当該共通化された態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果や、その期待度を直感的に理解し易くなる。
【0012】
本発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動口と、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置と、前記始動口への遊技球入球に起因して、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数による保留記憶を所定の上限数まで記憶する保留記憶生成手段と、前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、前記保留記憶の消化に基づいて、前記特別図柄表示装置で特別図柄を変動させ、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示させる特別図柄制御手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行し、前記当否判定手段による当否判定の結果が時短当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、前記特別図柄制御手段が前記特別図柄を変動させる平均時間が通常よりも短くなる時短状態に制御する遊技制御手段と、演出表示画面を具備する演出図柄表示装置と、前記演出図柄表示装置を制御する演出表示制御手段とを備え、前記演出表示制御手段は、所定の演出条件の充足を契機として、前記演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、前記当否判定の結果を報知する図柄態様で前記特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出を実行させるとともに、前記疑似特別演出中に、前記演出表示画面の所定領域に前記特別演出図柄とは異なる変動中図柄を表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果を示唆するものであり、前記疑似特別演出は、前記変動中図柄を非表示として、前記演出表示画面の、前記所定領域を含めた領域に演出画像を表示する特定リーチ演出と、前記特別演出図柄を仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出とを含み、前記演出表示制御手段は、前記疑似特別演出において、前記特定リーチ演出の後に、前記再変動演出を実行する場合には、前記再変動演出中に前記変動中図柄を前記所定領域に表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果について前記時短当りの当選の期待度を報知することを特徴とする弾球遊技機である。
【0013】
かかる構成にあっては、変動中図柄を非表示としてスーパーリーチ演出等の特定リーチ演出を実行した後にも、変動中図柄が再表示されて、当該変動中図柄によって時短当りの期待度が再度示唆され得るため、変動中図柄によって、従来構成に比べて疑似特別演出の興趣を向上させることが可能となる。
【0014】
ここで、「確定停止表示」は、特別演出図柄を一の図柄態様で少なくとも一定時間表示するものであり、「仮停止表示」は、「確定停止表示」とは明確に区別可能な態様(揺らし表示など)で、特別演出図柄を一の図柄態様で表示するものであればよい。
また、本発明にあって、保留記憶生成手段が記憶する保留記憶の数を報知する保留図柄を、演出表示画面の特定領域に表示する構成である場合には、本発明に係る変動中図柄を、疑似特別演出の開始時に当該特定領域から除去される保留図柄に替えて前記所定領域に表示されるものとすることが好ましい。かかる構成とすれば、遊技者は、変動中図柄を保留記憶と視覚的に関連付け易くなるため、変動中図柄の表示態様が保留記憶の当否判定結果を示唆していることを直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、疑似特別演出における再変動演出中に変動中図柄の表示態様によって報知される時短当りの当選期待度は、当該疑似特別演出において特定リーチ演出の開始前に変動中図柄の表示態様によって報知される時短当りの当選期待度と異なる場合があることが好ましい。かかる構成とすれば、再変動演出中に表示される変動中図柄によって、特定リーチ演出前に報知されていない新たな情報が報知され得るため、再変動演出時の変動中図柄によって疑似特別演出を一層向上させることができる。
また、本発明にあって、再変動演出中に表示される変動中図柄は、少なくとも特別演出図柄の仮停止表示中(変動再開前)に、当否判定結果を示唆する態様で表示することが好ましい。仮停止表示中は特別演出図柄が変動を再開するか否かが未確定の不安定な状態であるため、仮停止表示中に変動中図柄によって当否判定結果を示唆すれば遊技者の期待感を刺激し易くなる。また、かかる構成では、特別演出図柄の仮停止表示中に、変動中図柄を、当否判定結果を示唆しない(時短当りの期待度の最も低い)通常の態様で表示開始することが好ましい。かかる構成とすれば、仮停止表示中の不安定な状態において、変動中図柄が通常の表示態様から時短当りの期待度の高い表示態様に変化するかどうかで、遊技者の期待感を強く煽ることが可能となる。
また、本発明にあって、演出表示画面に表示する保留図柄が、その表示態様によって当該保留図柄に対応する保留記憶に係る当否判定結果を示唆するものである場合には、保留図柄と変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、保留図柄が特定態様で表示された場合と、変動中図柄が当該特定態様で表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が特定態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、特定リーチ演出の開始前に表示され得る変動中図柄の表示態様と、再変動演出中に表示され得る変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、変動中図柄が当該共通化された態様で特定リーチ演出の開始前に表示された場合と、当該共通化された態様で再変動演出中に表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が当該共通化された態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解し易くなる。
【0015】
本発明に係る別の参考発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動口と、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置と、前記始動口への遊技球入球に起因して、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数による保留記憶を所定の上限数まで記憶する保留記憶生成手段と、前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、前記保留記憶の消化に基づいて、前記特別図柄表示装置で特別図柄を変動させ、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示させる特別図柄制御手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行し、前記当否判定手段による当否判定の結果が時短当りの当選である場合に、前記特別図柄の停止表示後に、前記特別図柄制御手段が前記特別図柄を変動させる平均時間が通常よりも短くなる時短状態に制御する遊技制御手段と、演出表示画面を具備する演出図柄表示装置と、前記演出図柄表示装置を制御する演出表示制御手段とを備え、前記演出表示制御手段は、所定の演出条件の充足を契機として、前記演出表示画面で特別演出図柄を変動させた後に、前記当否判定の結果を報知する図柄態様で前記特別演出図柄を確定停止表示する疑似特別演出を実行させるとともに、前記疑似特別演出中に、前記演出表示画面の所定領域に前記特別演出図柄とは異なる変動中図柄を表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果を示唆するものであり、前記疑似特別演出は、前記変動中図柄を非表示として、前記演出表示画面の、前記所定領域を含めた領域に演出画像を表示する特定リーチ演出と、前記特別演出図柄を仮停止表示した後に、変動を再開させる再変動演出とを含み、前記演出表示制御手段は、前記疑似特別演出において、前記特定リーチ演出の後に、前記再変動演出を実行する場合には、前記再変動演出中に前記変動中図柄を前記所定領域に表示して、当該変動中図柄の表示態様によって、前記当否判定の結果について、前記大当り又は前記時短当りのいずれかの当選である期待度を報知することを特徴とする弾球遊技機である。
【0016】
かかる構成にあっては、変動中図柄を非表示としてスーパーリーチ演出等の特定リーチ演出を実行した後にも、変動中図柄が再表示されて、当該変動中図柄によって大当り又は時短当りのいずれかの当選となる期待度が再度示唆され得るため、変動中図柄によって、従来構成に比べて疑似特別演出の興趣を向上させることが可能となる。
【0017】
ここで、「確定停止表示」は、特別演出図柄を一の図柄態様で少なくとも一定時間表示するものであり、「仮停止表示」は、「確定停止表示」とは明確に区別可能な態様(揺らし表示など)で、特別演出図柄を一の図柄態様で表示するものであればよい。
また、本発明にあって、保留記憶生成手段が記憶する保留記憶の数を報知する保留図柄を、演出表示画面の特定領域に表示する構成である場合には、本発明に係る変動中図柄を、疑似特別演出の開始時に当該特定領域から除去される保留図柄に替えて前記所定領域に表示されるものとすることが好ましい。かかる構成とすれば、遊技者は、変動中図柄を保留記憶と視覚的に関連付け易くなるため、変動中図柄の表示態様が保留記憶の当否判定結果を示唆していることを直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、疑似特別演出における再変動演出中に変動中図柄の表示態様によって報知される大当りと時短当りの当選期待度は、当該疑似特別演出において特定リーチ演出の開始前に変動中図柄の表示態様によって報知される大当りと時短当りの当選期待度と異なる場合があることが好ましい。かかる構成とすれば、再変動演出中に表示される変動中図柄によって、特定リーチ演出前に報知されていない新たな情報が報知され得るため、再変動演出時の変動中図柄によって疑似特別演出を一層向上させることができる。
また、本発明にあって、再変動演出中に表示される変動中図柄は、少なくとも特別演出図柄の仮停止表示中(変動再開前)に、当否判定結果を示唆する態様で表示することが好ましい。仮停止表示中は特別演出図柄が変動を再開するか否かが未確定の不安定な状態であるため、仮停止表示中に変動中図柄によって当否判定結果を示唆すれば遊技者の期待感を刺激し易くなる。また、かかる構成では、特別演出図柄の仮停止表示中に、変動中図柄を、当否判定結果を示唆しない(大当りや時短当りの期待度の最も低い)通常の態様で表示開始することが好ましい。かかる構成とすれば、仮停止表示中の不安定な状態において、変動中図柄が通常の表示態様から、大当りや時短当りの期待度の高い表示態様に変化するかどうかで、遊技者の期待感を強く煽ることが可能となる。
また、本発明にあって、演出表示画面に表示する保留図柄が、その表示態様によって当該保留図柄に対応する保留記憶に係る当否判定結果を示唆するものである場合には、保留図柄と変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、保留図柄が特定態様で表示された場合と、変動中図柄が当該特定態様で表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が特定態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解し易くなる。
また、本発明にあって、特定リーチ演出の開始前に表示され得る変動中図柄の表示態様と、再変動演出中に表示され得る変動中図柄の表示態様の一部又は全部を共通化して、変動中図柄が当該共通化された態様で特定リーチ演出の開始前に表示された場合と、当該共通化された態様で再変動演出中に表示された場合とで、同じ当否判定結果を、同程度の期待度で示唆するようにすることが好ましい。かかる構成とすれば、変動中図柄が当該共通化された態様で表示された際に、遊技者は当該表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】メインルーチンの概要を示すフローチャートである。
【
図7】当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図8】当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図9】当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図10】当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図11】大当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図12】大当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図13】大当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図14】疑似特別演出中の演出表示画面6aの表示例であり、(a)は特別演出図柄101a~101cの変動中の表示例であり、(b)はリーチ演出中(ノーマルリーチ演出中)の表示例であり、(c)は特別演出図柄101a~101cの確定停止表示中の表示例である。
【
図15】保留図柄111,112及び変動中図柄113の各表示態様が示唆する当否判定の内容とを示す図表である。
【
図16】疑似特別演出中の演出表示画面6aの表示例であり、(a)は先の疑似特別演出の終了時の表示例であり、(b)は後の疑似特別演出の開始時の表示例であり、(c)は後の疑似特別演出の開始後の表示例である。
【
図17】スーパーリーチ演出に係る演出表示画面6aの表示例である。
【
図18】再変動演出に係る演出表示画面6aの表示例であり、(a)は特別演出図柄101a~101cの仮停止表示の開始直後の表示例であり、(b)は当該仮停止表示の終了直前の表示例であり、(c)は当該仮停止表示の終了直後の表示例である。
【
図19】疑似演出制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明に係る実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
【0020】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0021】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を高めたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0022】
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0023】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣設されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59を有する精算表示装置94(
図3参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69が設けられている。
【0024】
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、遊技球が流下する略円形の遊技領域3がガイドレール2a,2bによって区画形成されており、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6が配設されている。演出図柄表示装置6は、正面側に演出表示画面6aを具備するLCDであり、演出表示画面6aがパチンコ機1の前方から視認可能となるように配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0025】
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、遊技領域3を流下する遊技球が常時入球可能に構成されている一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能となる構成である。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球が常時通過可能に構成されている。
【0026】
さらに、センターケース5の右下方(普通電動役物13の下方)には、大入賞口14が配設されている。大入賞口14は特別電動役物15により構成されており、該特別電動役物15は、大入賞口14を閉鎖する起立位置と該起立位置から前方へ傾動して開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球可能な開放状態とする。こうした特別電動役物15は、前記開閉片を開閉作動させる大入賞口ソレノイド14b(
図3参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することによって大入賞口14を前記閉鎖状態と開放状態とに夫々変換制御できる。
【0027】
また、第一始動口11の左方には、四個の一般入賞口31が配設されている。これら一般入賞口31は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
【0028】
遊技盤2の右下部には、普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置7、第一特別図柄を変動表示可能なる第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄を変動表示可能な第二特別図柄表示装置10が配設される。普通図柄表示装置7は複数個のLEDからなり、第一特別図柄表示装置9及び第二特別図柄表示装置10は7セグメント表示装置からなる。また、遊技盤2の右下部には、複数のLEDからなる、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19が配設される。
【0029】
図3は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
【0030】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ31a等からの検出信号が入力される。
【0031】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板75を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bおよび普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで大入賞口14を開閉制御し、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
【0032】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0033】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0034】
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置94とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置94に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0035】
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0036】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置としての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
【0037】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
【0038】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンドに基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0039】
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けても良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0040】
[動作の説明]
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
遊技領域3に発射された遊技球が第一始動口11に入球(
図3の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第一特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、後述するように、第一始動口11への入球に伴って抽出された乱数により、第一保留記憶が生成されて記憶される。この第一保留記憶は最大四個まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数(以下、第一保留記憶数という)は、第一特別図柄保留数表示装置18の点灯数により表される。こうして記憶された第一保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第一特別図柄の変動とが実行される。尚、第一保留記憶数は、後述する当否判定処理により消化されていない第一保留記憶の未消化数を示している。
【0041】
一方、遊技領域3に発射された遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過(
図3の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物13の翼片が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入球可能となる。ここで、普通電動役物13の翼片は、一回の普通図柄の当りによって、後述の非開放延長モードで0.2秒間の開放を一回実行し、後述の開放延長モードで1秒間の開放を三回実行する。
【0042】
第二始動口12に遊技球が入球(
図3の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、後述するように、第二始動口12への入球に伴って抽出された乱数により、第二保留記憶が生成されて記憶される。この第二保留記憶は最大四個まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数(以下、第二保留記憶数という)は、第二特別図柄保留数表示装置19の点灯数により表される。こうして記憶された第二保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第二特別図柄の変動とが実行される。尚、第二保留記憶数は、後述する当否判定処理により消化されていない第二保留記憶の未消化数を示している。
また、本実施例にあって、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口11と第二始動口12への入球順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。すなわち、未消化の第二保留記憶がある場合(第二保留記憶数が1個以上の場合)、未消化の第一保留記憶の有無に関係無く、該第二保留記憶が消化されて第二特別図柄の変動が開始される。そして、未消化の第二保留記憶が無い状態でのみ、第一保留記憶が消化されて第一特別図柄の変動が開始される。
【0043】
第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6の演出表示画面6aで、各特別図柄の変動に連動するように特別演出図柄101a~101c(
図14参照)が変動し、各特別図柄の停止表示と連動するように、特別演出図柄101a~101cが変動を停止する疑似特別演出が実行される。かかる疑似特別演出では、特別演出図柄101a~101cは、各特別図柄の停止表示態様が示す当否判定の結果を報知し得る態様で停止表示される。すなわち、演出図柄表示装置6での疑似特別演出によって、遊技者は各特別図柄の変動や当否判定の結果(大当り、時短当り、又はハズレ)を知得できる。
【0044】
前記第一保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、疑似特別演出において特別演出図柄を大当り図柄態様で確定停止表示させる。これにより、大当りが確定する。一方、前記第二保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当りが確定する。
【0045】
このように第一特別図柄と第二特別図柄とで大当りが確定すると、大入賞口14を開放する大当り遊技を実行する。この大当り遊技では、大入賞口14を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行する。
【0046】
本実施例のパチンコ機1は、確率変動機として構成されている。すなわち、本構成による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と該大入賞口14を開放する上記の大当り遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常遊技状態という)と、該通常遊技状態に比べて特別図柄の当選確率が高くなる高確率状態(以下、確変遊技状態という)とが設定されており、大当り遊技の終了後に、該通常遊技状態と確変遊技状態とのいずれかに移行する。ここで、確変遊技状態は、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示態様が所定の確率変動図柄であった場合に、大当り遊技終了後に実行され、通常遊技状態は、各特別図柄の当り態様が所定の非確率変動図柄による態様であった場合に、大当り遊技終了後に実行される。
【0047】
本実施例にあって、前記特別図柄の当選確率(特別図柄が大当り態様で停止する確率)が相互に異なる通常モードと確変モードとを備えており、前記通常遊技状態で通常モードが有効となり、確変遊技状態で確変モードが有効となる。ここで、通常モードにおける特別図柄の当選確率が1/300に設定されており、確変モードにおける特別図柄の当選確率が1/30に設定されている(
図4参照)。
確変遊技状態では、特別図柄の当選確率を確変モードとすると共に、特別図柄および普通図柄の平均変動時間を前記通常遊技状態に比して短縮し且つ普通電動役物の開放時間を該通常遊技状態に比して延長する開放延長モードとする。一方、前記の通常遊技状態では、前記通常モードおよび非開放延長モードとする。
こうした確変遊技状態は、特別図柄が大当りとなること、又は特別図柄の変動回数が規定回数(例えば、100回)に達することによって終了する。
【0048】
さらに、第一保留記憶の消化による当否判定結果が時短当りであると、第一特別図柄を所定の時短当り図柄態様で停止させると共に、疑似特別演出において特別演出図柄を時短当り図柄態様で確定停止表示させる。これにより、時短当りが確定する。本実施例では、上記通常モードにおける第一保留記憶の消化時の当否判定にのみ時短当りが設定され、第二保留記憶の消化時の当否判定や上記確変モードでの当否判定で時短当りとなることはない(
図4参照)。第一特別図柄が時短当りで確定すると、通常遊技状態や確変遊技状態と異なる時短状態に制御される。時短状態では、確変遊技状態と同様に、特別図柄および普通図柄の平均変動時間を前記通常遊技状態に比して短縮し且つ普通電動役物の開放時間を該通常遊技状態に比して延長する開放延長モードとし、一方で、特別図柄の当選確率は通常遊技状態と同様に通常モードとする。時短状態は、特別図柄が大当りとなること、又は特別図柄の変動回数が規定回数(50回)に達することによって終了する。
【0049】
また、各始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口31に遊技球が入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、
図4に示すように、第一始動口11への入球毎に3個の賞球が、第二始動口12への入球毎に5個の賞球が、大入賞口14への入球毎に13個の賞球が、一般入賞口31への入球毎に5個の賞球が払い出される。
【0050】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
(1)メインルーチンについて
図5に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0051】
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、時短当り図柄判定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
【0052】
(2)始動入賞処理について
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図6のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、上述のメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。
【0053】
S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、時短当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。S110の後に、S115に進む。
【0054】
S115では、先読み判定処理を実行する。先読み判定処理では、S110で抽出した第一大当り決定用乱数が大当りや時短当りであるか否かを判定する。さらに、S110で抽出したリーチ判定用乱数を判定してリーチ演出の発生か否かを判定する。ここで、先読み判定処理では、後述する当否判定処理と同様に、確変フラグ=1の場合には、確変テーブルを有効として、第一大当り決定用乱数が大当りであるか否かを判定する。一方、確変フラグ=0の場合には、通常テーブルを有効として、第一大当り決定用乱数が大当りや時短当りであるか否かを判定する。S115の後に、S120に進む。
【0055】
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。
【0056】
S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。S130の後に、S135に進む。
【0057】
S135では、前記S115と同様の先読み判定処理を実行する。すなわち、S130で抽出した第二大当り決定用乱数が大当りか否かを判定すると共に、S130で抽出したリーチ判定用乱数を判定してリーチ演出の発生か否かを判定する。ここで、S135の先読み判定処理でも、確変フラグ=1の場合には確変テーブルを有効とし、確変フラグ=0の場合には通常テーブルを有効とし、第一大当り決定用乱数が大当りか否かを判定する。S135の後に、S140に進む。
【0058】
S140では、始動入賞コマンド送信処理を実行する。この始動入賞コマンド送信処理では、前記S110により生成された第一保留記憶の情報、前記S115による先読み判定結果(大当りか否か、時短当りか否か、リーチ演出の発生か否か)を示す情報、前記S130により生成された第二保留記憶の情報、および前記S135による先読み判定結果(大当りか否か、リーチ演出の発生か否か)の情報を含む始動入賞コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
【0059】
(3)当否判定処理について
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図7~10のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、上述のメインルーチンから実行される処理である。
【0060】
当否判定処理では、
図7に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図9のS280に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一特別図柄または第二特別図柄の確定停止表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図10のS300に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0061】
S165では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S175に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第二保留記憶(最も先に生成された未消化の第二保留記憶)を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第二保留記憶を消化する。
【0062】
S175では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、当否判定処理を終了する。S180では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶(最も先に生成された未消化の第一保留記憶)を選択して、当該第一保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第一保留記憶を消化する。
尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、未消化の第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
【0063】
S185では、確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S185:Yes)、S190に進み、否定判定の場合には(S185:No)、S195に進む。ここで、確変フラグ=1は、上述の確変遊技状態(「確変モード/開放延長モード」)であることを示し、該確変フラグ=0は、上述の通常遊技状態(「通常モード/非開放延長モード」)であることを示す。
【0064】
S190では、確変モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。このS190の処理後に、
図8のS200に進む。
【0065】
一方、S195では、通常モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、第一保留記憶を消化した場合には、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、時短当りか否かも判定する。このS195の処理後に、
図8のS200に進む。
【0066】
図8のS200では、S190又はS195の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。
【0067】
続くS210の変動パターン決定処理では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定用乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定用乱数等)と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。
詳述すると、確変フラグに応じて、選定可能な特別図柄の変動時間が予め定められており、上述の変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等に従って特別図柄の変動時間が決定される。すなわち、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非開放延長モードであることから、非開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、消化した保留記憶の変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により特別図柄の変動時間を決定する。一方、確変フラグ=1の場合(確変遊技状態)には、特別図柄の変動時間を短縮する開放延長モードであることから、開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により変動時間を決定する。尚、リーチ判定乱数は、予め定められた各種リーチ演出を実行するか否かを決定するために用いられる。
【0068】
続くS215では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S250に進む。
【0069】
一方、S200の否定判定から続くS220では、S195の判定結果に基づいて、時短当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S220:Yes)、S225に進み、否定判定の場合には(S220:No)、S240に進む。尚、本実施例にあっては、前述したように、通常モードで第一保留記憶を消化した場合にのみ、時短当りか否かを判定することから、第二保留記憶を消化した場合や確変モードの場合には、S220で否定判定する(S240に進む)。
【0070】
S225では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき時短当り図柄を決定し、S230に進む。
S230では、上記したS210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。このS230の後に、S235に進む。S235では、時短当り遊技に係る演出時間、および時短当り遊技の演出態様などを設定し、S250に進む。
【0071】
さらに、S220の否定判定から続くS240では、前記S210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間と変動パターンとを決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS240の後に、S245に進み、ハズレにかかる処理を行う。そして、S250に進む。尚、本実施例では、S240でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S240の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0072】
S250では、前記S170およびS180でデクリメントした後における第一保留記憶数と第二保留記憶数とを示す保留数コマンドと、前記S190およびS195で判定された当否判定結果の情報(大当り、時短当り、又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S205で決定した大当り遊技内容や特別図柄の変動時間や特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶か第二保留記憶かを示す情報と、各種リーチ演出を実行するか否かの情報と、確変フラグの情報とを含む。さらに、消化された保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置9または第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第一特別図柄または第二特別図柄を変動開始させ、当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第一保留記憶数および第二保留記憶数、特別図柄の変動時間、各種リーチ演出の有無、当否判定結果、特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、演出表示画面6aで疑似特別演出を開始する。
【0073】
上述のS155の肯定判定から続く
図9のS280では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に進み、否定判定の場合には(S280:No)、当否判定処理を終了する。S285では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205で決定した大当り図柄、S225で決定した時短当り図柄、又はS240で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、特別演出図柄を確定停止表示させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0074】
また、上記したS160の肯定判定から続く
図10のS300では、特別図柄の停止表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、当否判定処理を終了する。S305では、特別図柄の停止表示を終了し、S310に進む。S310では、確変遊技状態であることを示す確変フラグを参照し、確変フラグ=1である場合には(S310:Yes)、確変モード中に実行可能な当否判定の残り回数(特図変動回数の残数)を参照する(S315)。そして、特図変動回数の残数=0である場合には(S315:Yes)、確変フラグをクリアし(S320)、S345に進む。一方、S315で否定判定の場合には(S315:No)、S345に進む。
【0075】
前記S310で否定判定の場合には(S310:No)、S330に進み、時短状態であることを示す時短フラグを参照し、時短フラグ=1である場合には(S330:Yes)、時短状態で実行可能な当否判定の残り回数(特図変動回数の残数)を参照する(S335)。そして、特図変動回数の残数=0である場合には(S335:Yes)、時短フラグをクリアし(S340)、S345に進む。一方、S335の否定判定の場合には(S335:No)、S345に進む。また、前記S330で否定判定の場合には(S330:No)、そのままS345に進む。
【0076】
S345では、確定停止表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S345:Yes)、S350に進み、否定判定の場合には(S345:No)、S370に進む。S350では、確変フラグと時短フラグをクリアする。その後、条件装置作動開始処理(S355)、役物連続作動装置作動開始処理(S360)、大当り開始演出処理(S365)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、S385に進む。
【0077】
一方前記S345の否定判定から続くS370では、停止表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S370:Yes)、確変フラグをクリアするとともに、時短フラグをセットし(S375)、さらに、時短状態で実行可能な当否判定の残り回数(特図変動回数の残数)に50回をセットして(S380)、S385に進む。一方、前記S370で否定判定の場合は(S370:No)、そのままS385に進む。
【0078】
S385では、状態指定コマンド送信処理を実行して、当否判定処理を終了する。本実施例の状態指定コマンド送信処理(S385)では、確変フラグや時短フラグがセット・クリアされた場合に、確変遊技状態や時短遊技状態の開始・終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0079】
(4)大当り遊技処理について
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図11~13のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される処理である。
【0080】
大当り遊技処理では、
図11に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0081】
S505では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図12のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。
【0082】
S510では、大当り遊技における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図12のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図13のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
【0083】
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0084】
S525では、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、大入賞口14の開放開始と同期して、開放ラウンドにおける大入賞口14の最大開放時間として予め設定された開放時間(例えば、30秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
【0085】
前記S505の肯定判定から続く
図12のS550では、大入賞口14に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間(30秒)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口閉鎖処理を実行し、大入賞口14を閉鎖させる(開放ラウンドを終了する)。続くS565では、大当り遊技の各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0086】
前記S510の肯定判定から続く
図12のS570では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。
S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行する。このS580の後に、大当り遊技処理を終了する。
S585では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、上述のS525と同様の処理を行い、大入賞口14を開放させると共に、開放時間(30秒)の時間消化を開始する。
【0087】
また、S515の肯定判定から続く
図13のS600では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、大当り遊技後に前記確変遊技状態に移行するか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S615:Yes)、確変遊技状態中に実行可能な当否判定の回数(特図変動回数の上限数値)を設定し(S620)、確変フラグ=1とする(S625)。そして、S640に進む。一方、前記S615で否定判定の場合には(S615:No)、S640に進む。
【0088】
S640とS645とでは、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。ここで、状態指定コマンド送信処理(S645)では、大当り遊技後の遊技状態(通常遊技状態または確変遊技状態)を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0089】
[要部の説明]
次に、本発明の要部について説明する。
(1)疑似特別演出について
上述のように、演出図柄表示装置6の演出表示画面6aでは、各特別図柄の変動に連動するように3つの特別演出図柄101a~101c(
図14参照)を変動させ、各特別図柄の停止表示と連動するように、3つの特別演出図柄101a~101cを停止させて、確定停止表示した当該特別演出図柄101a~101cの図柄態様により、特別図柄の停止図柄態様が示す当否判定結果を報知する疑似特別演出が実行される。
【0090】
図14は、疑似特別演出における演出表示画面6aの一般的な表示例であり、
図14(a)は特別演出図柄101a~101cの変動中(非リーチ演出中)を示し、
図14(b)はリーチ演出中(ノーマル演出中)の表示例を示し、
図14(c)は特別演出図柄101a~101cの確定停止表示中を示している。
図14に示すように、通常は、演出表示画面6aの中段に設けられた特別演出図柄表示領域130に、3つの特別演出図柄101a~101cが横並びに表示される。各特別演出図柄101a~101cは、「1」~「9」までの9種類の図柄からなり、疑似特別演出が開始されると、
図14(a)に示すように、各特別演出図柄101a~101cが9種類の図柄で代わる代わる表示されることにより変動する。そして、
図14(c)に示すように、疑似特別演出の終了時には、全ての特別演出図柄101a~101cを一定時間以上、静的に停止表示する確定停止表示が実行される。そして、確定停止表示された3つの特別演出図柄101a~101cの停止図柄の組合せにより当否判定結果が報知される。ここで、3つの特別演出図柄101a~101cが同じ停止図柄となる組合せが、大当りを示す図柄態様であり、3つの特別演出図柄101a~101cの停止図柄が所定の並びとなる組合せ(「1」,「2」,「3」の組合せなど)が、時短当りを示す図柄態様であり、これ以外の組合せが、ハズレを示す図柄態様である。
【0091】
(2)保留図柄について
また、
図14に示すように、疑似特別演出では、通常は、演出表示画面6aに上述の第一保留記憶数を示す第一保留図柄111と、第二保留記憶数を示す第二保留図柄112が表示される。第二保留図柄112は、演出表示画面6aの右下部に設けられた第二保留図柄表示領域132に表示される。第一保留図柄表示領域131では、第一保留記憶数と同数の第一保留図柄111が右詰めで横並びに表示され、第二保留図柄表示領域132では、第二保留記憶数と同数の第二保留図柄112が左詰めで横並びに表示される。すなわち、第一保留図柄表示領域131では、第一保留記憶の増加毎に右詰めで第一保留図柄111が表示される一方、第一保留記憶の消化毎に、最右位置の第一保留図柄111が除去され且つ残りの第一保留図柄111が一つ右位置へ移動されるシフト表示が行われる。同様に、第二保留図柄表示領域132では、第二保留記憶112の増加毎に左詰めで第二保留図柄112が表示される一方、第二保留記憶112の消化毎に、最右位置の第二保留図柄112の表示が除去され且つ残りの第二保留図柄112が一つ左位置へ移動されるシフト表示が行われる。こうしたことから、第一保留図柄表示領域131では、最も右位置に表示される第一保留図柄111が、未消化の第一保留記憶のなかで一番目に消化される第一保留記憶(最も先に記憶された第一保留記憶)に対応し、右から二番目の第一保留図柄111が、二番目に消化される第一保留記憶に対応し、右から三番目の第一保留図柄111が、三番目に消化される第一保留記憶に対応し、最も左位置の第一保留図柄111が、四番目に消化される第一保留記憶に対応する。同様に、第二保留図柄表示領域132に表示される第二保留図柄112は、最も左位置から右方に向けて列なる順番で、消化順の第二保留記憶に夫々対応する。
【0092】
第一保留図柄111と第二保留図柄112は、第一保留記憶数や第二保留記憶数を報知するだけでなく、その表示態様によって、各保留記憶の当否判定結果を示唆するよう構成されている。具体的には、第一保留図柄111と第二保留図柄112は、上述の先読み判定処理(
図6:S115)の結果に基づいて、対応する保留記憶の当否判定結果が大当りや時短当りとなる期待度を示唆する。
図15は、各保留図柄111,112の表示態様と、各表示態様が示唆する内容を示したものである。なお、図中で、各保留図柄111,112の中に表示される文字は、各保留図柄111,112の表示色を示している。
図15に示すように、保留図柄111,112は、通常表示態様と12種類の特殊表示態様で表示され得る。通常表示態様は白色の円形状であり、特殊表示態様は、白色以外の色で表示される、円形状、四角形状又は三角形状である。特殊表示態様の保留図柄111,112は、通常表示態様の保留図柄111,112に比べて、対応する保留記憶の当否判定結果が大当りや時短当りとなる期待度が高いことを示唆する。
図15に示すように、特殊表示態様の保留図柄111,112は、その形状によって示唆する対象の当りが変化する。具体的には、特殊表示態様が円形状である場合は、大当りの期待度が高いことを示し、四角形状で表示ある場合は、時短当りの期待度が高いことを示し、三角形状である場合は、大当りと時短当りの少なくともいずれかに当選する期待度を示す。なお、第二保留記憶の消化時には時短当りに当選しないため、第二保留図柄112が四角形状や三角形状の特殊表示態様で表示されることはない。また、
図15に示すように、特殊表示態様の保留図柄111,112は、その色によって示唆する期待度が変化する。具体的には、「青色」→「黄色」→「赤色」→「虹色(7色表示)」の順番で報知する期待度が高くなり、「虹色」で表示された場合は、示唆する対象の当りに100%当選することを示す。
【0093】
保留図柄111,112の表示態様は、新たな第一保留記憶と第二保留記憶とが生成(記憶)された場合に、所定の選択確率に従って選択されて、選択された態様で、第一保留図柄表示領域131又は第二保留図柄表示領域132に表示される。ここで、前記選択確率は、上述の始動入賞処理の先読み判定処理の判定結果に応じて変動するよう構成される。具体的には、前記先読み判定処理により大当りや時短当りと判定された場合には、通常表示態様の選択確率が低くなり、また、期待度の高い色の選択確率が高くなる。一方、ハズレ判定された場合には、通常表示態様の選択確率が高くなり、また、特殊表示態様が選択される場合でも、期待度の低い色の選択確率が高くなる。また、先読み判定処理によりリーチ演出の実行が判定された場合には、リーチ演出の実行が判定されなかった場合に比べて、通常表示態様の選択確率が低くなり、期待度の低い色の選択確率が高くなる。このように保留図柄111,112の表示態様の選択確率を、先読み判定処理による判定結果(大当り、時短当り、リーチ演出の有無)に応じて変動させることによって、保留図柄111,112の表示態様によって、大当りや時短当りの期待度を報知可能となっている。
【0094】
(3)変動中図柄について
また、
図14(a)に示すように、疑似特別演出では、通常は、演出表示画面6aに、当該疑似特別演出で報知する当否判定の結果を示唆する変動中図柄113が表示される。変動中図柄113は、演出表示画面6aの下部中央に設けられた変動中図柄表示領域133に1つだけ表示される。変動中図柄113は、疑似特別演出の開始時に、保留図柄表示領域131,132から除去される保留図柄111,112に替えて表示されるものである。
図16(a)は先の疑似特別演出の終了時(確定停止時)の演出表示画面6aの表示例を示し、
図16(c)は、次の疑似特別演出の開始後(変動開始後)の演出表示画面6aの表示例である。
図16(a)→16(c)に示すように、疑似特別演出が開始されると、第一保留図柄表示領域131の第一保留図柄111が一つ除去されるとともに、変動中図柄表示領域133に変動中図柄113が出現する。このように、疑似特別演出の開始時に、保留図柄111が除去されるタイミングで変動中図柄113を出現させることで、除去される保留図柄111と、出現する変動中図柄113は、当否判定結果を示唆する対象の保留記憶が同じであることを、遊技者に直感的に理解させることができる。特に、本実施例では、除去される保留図柄111と出現する変動中図柄113の対応関係を強調するため、
図16(b)の「1」→「2」→「3」に示すように、疑似特別演出の開始直後に、右端の第一保留図柄111から飛び出した第一保留図柄表示領域131が、変動中図柄表示領域133に飛び込んで、飛び込んだ図柄が変動中図柄表示領域133で拡大して変動中図柄113に変化するよう表示される。
【0095】
本実施例では、変動中図柄113は、その表示態様によって、当該疑似特別演出で報知する当否判定の結果を、特別演出図柄101a~101cの確定停止表示前に示唆する。変動中図柄113は、保留図柄111,112と同様に、1種類の通常表示態様と12種類の特殊表示態様で表示可能となっており(
図15参照)、各表示態様が示唆する当落判定結果の内容は、保留図柄111,112の各表示態様が示唆する内容と同じである。すなわち、疑似特別演出の開始時に特殊表示態様で表示された変動中図柄113は、通常表示態様で表示された場合に比べて、当該疑似特別演出において大当り等の当選期待度が高いことを示す。また、特殊表示態様の変動中図柄113は、その形状によって期待度を報知する対象の当りを示し、また、その色によって報知する期待度の高さを示す。変動中図柄113は、通常は、特別演出図柄101a~101cが確定停止表示される直前まで、疑似特別演出の開始時に出現した表示態様で変動中図柄表示領域133に表示され、特別演出図柄101a~101cが確定停止表示されるタイミングで消去される。
【0096】
疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄111,112と、当該疑似特別演出で表示される変動中図柄113は、当否判定結果を示唆する対象が同じである。このため、疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄111,112が特殊表示態様(例えば赤色円形状)である場合は、疑似特別演出の開始時に、変動中図柄113は当該保留図柄111,112と同じ態様(赤色円形状)で変動中図柄表示領域133に表示される。一方、疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄111,112が通常表示態様(白色円形状)である場合は、疑似特別演出の開始時に所定の選択確率に従って変動中図柄113の表示態様を選択し、選択された態様で変動中図柄表示領域133に表示開始される。ここで、選択確率は、疑似特別演出の開始時に実行される当否判定処理(
図7~10参照)の結果に応じて変動するよう構成される。
【0097】
(4)リーチ演出について
疑似特別演出について詳述すると、疑似特別演出は、リーチ演出が実行される演出と、リーチ演出が実行されない演出に大別される。
図14(b)は、一般的なリーチ演出における演出表示画面6aの表示例である。リーチ演出では、
図14(a)→14(b)に示すように、変動していた3つの特別演出図柄101a~101cのうち2つを、大当りを示す図柄組合せとなり得る図柄で先に停止させる。そして、残りの1つの図柄を比較的長く変動させつつ、画像や音声による演出を行って、遊技者の大当りへの期待感を刺激する。リーチ演出を伴わない疑似特別演出では、
図14(a)に示す状態から、3つの特別演出図柄101a~101cが立て続けに変動を停止して確定停止表示される。リーチ演出が実行される疑似特別演出では、リーチ演出が実行されない疑似特別演出よりも大当りの期待度が高くなるよう設定される。
【0098】
リーチ演出には、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出が含まれる。ノーマルリーチ演出は、
図14(b)に示すように、3つの特別演出図柄101a~101cを演出表示画面6aの中段の特別演出図柄表示領域130に大きく表示した状態(通常表示モード)で変動表示させる演出である。これに対して、スーパーリーチ演出は、
図17(a)に示すように、3つの特別演出図柄101a~101cを、演出表示画面6aの右上部に設けられた縮小表示領域134で、通常よりも小さく表示した状態(特殊表示モード)で変動表示させて、特別演出図柄表示領域130を含む、演出表示画面6aの広範囲にキャラクター等の演出画像120を表示する演出である。また、ノーマルリーチ演出では、保留図柄111,112や変動中図柄113を表示するのに対して(
図14(a)参照)、スーパーリーチ演出では、保留図柄111,112や変動中図柄113を非表示状態にして、保留図柄表示領域131,132や変動中図柄表示領域133にも演出画像120を表示する。このように、スーパーリーチ演出は、特別演出図柄101a~101cを縮小表示したり、保留図柄111,112や変動中図柄113を非表示にたりして、特別演出図柄101a~101cや保留図柄111,112,変動中図柄113が表示されていた領域で演出画像120を大きく表示することで、ノーマルリーチ演出よりも遊技者に強いインパクトを与えることができる。本実施例では、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出から発展するタイプの演出として実行される。すなわち、リーチ演出は、スーパーリーチ演出に発展する演出と、発展しない演出とに大別される。スーパーリーチ演出に発展する疑似特別演出は、スーパーリーチ演出に発展しない疑似特別演出よりも大当りの期待度が高くなるよう設定される。このため、ノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展する場合には、大当りを期待する遊技者の感情をさらに高揚させ、かつスーパーリーチ演出中も高揚感を持続させることができる。
【0099】
リーチ演出がスーパーリーチ演出に発展しない場合には、
図14(b)に示すノーマルリーチ演出の状態のまま残り1つの特別演出図柄101bが変動を停止して、特別演出図柄101a~101cが大当り図柄態様又はハズレ図柄態様で確定停止表示される。リーチ演出がスーパーリーチ演出を伴う場合には、
図14(b)→
図17(a)に示すように、ノーマルリーチ演出の通常表示モードから、スーパーリーチ演出の特殊表示モードに切り替わり、特別演出図柄101a~101cが縮小表示領域134に表示されるとともに、保留図柄111,112及び変動中図柄113が非表示となり、キャラクタ画像を含む演出画像120が演出表示画面6aに大きく表示される。ここで、スーパーリーチ演出は、前記特殊表示モードにより表示されることから、このように表示モードが切り替わることにより、スーパーリーチ演出の開始をより明確に報知でき、大当りを期待する遊技者の感情を効果的に刺激できる。
【0100】
本実施例に係るスーパーリーチ演出の演出画像120は、
図17(a)→17(b)に示すように、空手家のキャラクタが岩石の破壊に挑戦する動画であり、キャラクタが岩石を殴る・蹴る動画が所定時間表示された後に、破壊に成功した成功演出画像120a(
図17(c)参照)と、破壊に失敗した失敗演出画像120b(17(e))のいずれかが表示されて、スーパーリーチ演出が終了する。ここで、成功演出画像120aが表示された場合は大当り確定となり、スーパーリーチ演出の終了後、
図17(d)に示すように特別演出図柄101a~101cの表示が通常表示モードに復帰して、特別演出図柄101a~101cが大当りを報知する大当り図柄態様で確定停止表示される。これに対して、スーパーリーチ演出の終了時に失敗演出画像120bが表示されると、多くの場合は、スーパーリーチ演出の終了後、
図17(f)に示すように、特別演出図柄101a~101cの表示が通常表示モードに復帰して、特別演出図柄101a~101cがハズレを報知するハズレ図柄態様で確定停止表示される。また、本実施例では、スーパーリーチ演出で失敗演出画像120bが表示された後に、特別演出図柄101a~101cがハズレ図柄態様で確定停止表示せず、スーパーリーチ演出の終了後に、再変動演出や再変動失敗演出が実行される場合がある。
【0101】
(5)再変動演出について
再変動演出は、特別演出図柄101a~101cをハズレの図柄組合せで一時的に仮停止表示して、その後、特別演出図柄101a~101cの変動を再開させる演出である。ここで、「仮停止表示」とは、全ての特別演出図柄101a~101cがいずれか1つの図柄で停止表示されているが、図柄が小刻みに振動した状態で表示される所謂揺れ表示であり、特別演出図柄101a~101cが一定時間以上静的に停止表示される確定停止表示とは明確に区別し得る表示状態である。具体的には、スーパーリーチ演出終了後に再変動演出が実行される場合は、失敗演出画像120b(
図17(e)参照)の表示後に、
図18(a)に示すように特別演出図柄101a~101cの表示が通常表示モードに復帰して、通常表示モードにおいて、特別演出図柄101a~101cがハズレの図柄組合せで一時的に仮停止表示される。そして、仮停止表示が数秒間継続した後に、
図18(c)に示すように、特別演出図柄101a~101cの変動が再開する。
図18(c)では、特別演出図柄101a~101cが1つだけ変動を再開するが、全ての特別演出図柄101a~101cが変動を再開する場合もある。そして、変動を再開させた特別演出図柄101a~101cは、その後、大当り、時短当り、又はハズレのいずれかを示す図柄態様で確定停止表示される。このように、スーパーリーチ演出で失敗演出画像120bが表示された後に、再変動演出が実行された場合には、失敗演出画像120bの表示によって落胆した遊技者の気持ちを高揚させることができるため、遊技者の感情に比較的大きな起伏を生じさせることができる。
【0102】
(6)再変動失敗演出について
再変動失敗演出は、特別演出図柄101a~101cをハズレの図柄組合せで一時的に仮停止表示して、その後、特別演出図柄101a~101cを再変動させることなく当該ハズレの図柄組合せで確定停止表示させる演出である。すなわち、スーパーリーチ演出終了後に再変動失敗演出が実行される場合は、失敗演出画像120b(
図17(e)参照)の表示後に、
図18(a)に示すように特別演出図柄101a~101cの表示が通常表示モードに復帰して、通常表示モードにおいて、特別演出図柄101a~101cがハズレの図柄組合せで一時的に仮停止表示される。そして、仮停止表示が数秒間継続した後に、
図17(f)に示すように、特別演出図柄101a~101cが仮停止表示されていたハズレ図柄態様で確定停止表示される。かかる再変動失敗演出は、特別演出図柄101a~101cがハズレ図柄態様で仮停止表示された時点では、再変動演出と見分けがつかないため、再変動演出と再変動失敗演出とを選択的に実行することにより、特別演出図柄101a~101cがハズレ図柄態様で仮停止表示中に、遊技者に期待と不安が入り交じったドキドキ感を感じさせることができる。
【0103】
(7)再変動演出中の変動中図柄表示について
また、スーパーリーチ演出に続いて、再変動演出や再変動失敗演出が実行される場合には、
図18(a)に示すように、スーパーリーチ演出中に非表示であった保留図柄111,112や変動中図柄113が、演出表示画面6aの保留図柄表示領域131,132や変動中図柄表示領域133に再表示される。そして、再変動演出においては、再表示された変動中図柄113の表示態様によって、大当り等の期待度が報知される。具体的には、再変動演出及び再変動失敗演出の開始直後は、
図18(a)に示すように、変動中図柄113は通常表示態様(白色円形状)であるものの、疑似特別演出の開始時とは異なる点滅状態で表示される。そして、再変動演出においては、特別演出図柄101a~101cの仮停止表示が終了する直前に、
図18(b)に示すように、変動中図柄113が点滅を停止するとともに、点滅停止時にその表示態様を変化させる。そして、
図18(c)に示すように、特別演出図柄101a~101cが変動を再開して確定停止表示するまで、変動中図柄113は当該表示態様で表示される。
図18(b)の表示例では、変動中図柄113は点滅停止時に赤色円形状に表示態様を変化させるが、変動中図柄113は、点滅停止時に、
図15に示す全種類の表示態様に変化し得る。そして、変化した変動中図柄113の表示態様によって、大当りの当選や、時短当りの当選、大当り又は時短当りに当選する期待度が報知される。すなわち、再変動演出において変動中図柄113が表示され得る態様は、保留図柄111,112や、疑似特別演出の開始時の変動中図柄113の表示態様と共通であり、また、再変動演出中に変動中図柄113の各表示態様が示唆する当否判定結果の内容も、同じ表示態様の保留図柄111,112や、疑似特別演出の開始時の変動中図柄113が示唆する内容と同じである(
図15参照)。このように、本実施例では、保留図柄111,112と変動中図柄113が表示され得る態様と、各表示態様が示唆する当否判定結果の内容が共通化されているため、変動中図柄113が特殊表示態様で表示された際に、遊技者は当該特殊表示態様が示唆する当否判定結果を直感的に理解できるという利点がある。
再変動演出における変動中図柄113の表示態様は、スーパーリーチ演出開始前の表示態様とは独立した抽選によって決定される。このため、変動中図柄113の表示態様は、スーパーリーチ演出開始前と再変動演出時とで相違する場合がある。なお、再変動失敗演出の場合は、変動中図柄113は、特別演出図柄101a~101cの仮停止表示が終了するまで通常表示態様(白色円形状)の点滅状態で表示され、特別演出図柄101a~101cの確定停止表示に伴って非表示となる。
【0104】
(8)疑似特別演出の制御について
以下に、疑似特別演出に係る制御処理について具体的に説明する。
疑似特別演出に係る制御処理は、主にサブ統合制御装置83により実行される。サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される変動開始コマンドに従って、疑似特別演出の表示内容を制御する。すなわち、サブ統合制御装置83は、変動開始コマンドを受信すると、該変動開始コマンドに含まれる情報に基づいて、特別演出図柄の変動開始から確定停止表示に至る一連の疑似特別演出を表示するための疑似演出表示パターンを決定し、該疑似演出表示パターンに従って演出図柄表示装置6で疑似特別演出を表示制御する。
【0105】
本実施例にあって、こうした疑似特別演出の表示制御は、
図19に示す疑似演出制御処理により行う。この疑似演出制御処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に夫々実行される処理である。
【0106】
疑似演出制御処理は、
図19に示すように、S1000で、主制御装置80から始動入賞コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1000:Yes)、S1005へ進み、否定判定の場合には(S1000:No)、S1015へ進む。
【0107】
S1005では、保留図柄決定処理を実行する。保留図柄決定処理では、前記始動入賞コマンドに含まれる先読み判定結果(大当りや時短当りか否かとリーチ演出の発生か否かなど)を示す情報と、所定の選択確率とに従って、
図15に示す表示態様のなかから一を選定し、該選定した図柄を保留図柄111,112として表示することを決定する。尚、こうした保留図柄111,112の決定には、サブ統合制御装置83が始動入賞コマンドを受信する毎に抽出する所定乱数を用いる。この乱数は、所定個数(例えば、100個)の整数値をとり、定期的(前記のタイマ割り込み処理毎)に昇順に作成される。
【0108】
前記S1005から続くS1010では、保留態様更新処理を実行し、S1015へ進む。この保留態様更新処理では、上述の第一保留図柄表示領域131または第二保留図柄表示領域132で表示されている保留図柄に加えて、前記S1005で決定した保留図柄を表示させる保留図柄表示パターンを生成し、当該保留図柄表示パターンの情報を含む表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。詳述すると、第一保留図柄表示領域131で第一保留図柄111を表示している場合には、この第一保留図柄111を継続して表示させ、かつ第一保留図柄表示領域131で表示されている最左の第一保留図柄の左横位置に、前記S1005で決定した態様で第一保留図柄111を追加表示させる保留図柄表示パターンを生成する。また、第一保留図柄表示領域131に第一保留図柄111が表示されていない場合には、該第一保留図柄表示領域131の最右位置に、前記S1005で決定した態様で第一保留図柄111を表示させる保留図柄表示パターンを生成する。一方、第二保留図柄表示領域132で第二保留図柄112を表示している場合には、この第二保留図柄112を継続して表示させ、かつ第二保留図柄表示領域132で表示されている最右の第二保留図柄の右横位置に、前記S1005で決定した態様で第二保留図柄112を表示させる保留図柄表示パターンを生成する。また、第二保留図柄表示領域132に第二保留図柄112が表示されていない場合には、該第二保留図柄表示領域132の最右位置に、前記S1005で決定した態様で第二保留図柄112を表示させる保留図柄表示パターンを生成する。
【0109】
S1015では、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1000:Yes)、S1020へ進み、否定判定の場合には(S1000:No)、疑似演出制御処理を終了する。
【0110】
S1020では、上述の疑似演出表示パターンを決定する処理を行う。この処理では、変動開始コマンドに含まれる当否判定結果の情報、リーチに関する情報、変動パターンの情報、および変動時間の情報等を確認し、これら各情報に従って、特別演出図柄の変動開始から変動終了までの一連の変動態様と、該特別演出図柄を確定停止表示する態様とを決定すると共に、リーチを行う場合にはリーチ演出の演出態様も決定する。また、当該疑似特別演出の開始時に表示される変動中図柄113の表示態様も、かかる処理で決定する。上述のように、疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄111,112が特殊表示態様である場合は、変動中図柄113の表示態様は当該保留図柄111,112と同じ態様に決定される。一方、疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄111,112が通常表示態様である場合は、所定の選択確率に従って変動中図柄113の表示態様を決定する。
【0111】
ここで、上述のように、リーチ演出には、スーパーリーチ演出に発展する場合と、発展しない場合(ノーマルリーチ演出のみ)が設けられており、リーチ演出を行う場合に少なくとも一方が選択され、該選択されたリーチ演出の演出態様を決定する。 具体的には、当否判定結果がハズレの場合に、ノーマルリーチ演出のみの演出が高確率で選択され、当否判定結果が大当りの場合に、スーパーリーチ演出に発展する演出が高確率で選択される。そのため、スーパーリーチ演出は、特別演出図柄が大当りを示す停止態様で確定する期待度が高いリーチ演出となり、ノーマルリーチ演出は、スーパーリーチ演出に比して該期待度が低いリーチ演出となる。
【0112】
また、S1020の処理では、上述の変動開始コマンドの情報に基づいて、再変動演出や再変動失敗演出の表示有無を決定し、再変動演出の表示を決定した場合には、当該再変動演出中の表示態様等を決定する。すなわち、再変動演出中の変動中図柄113の表示態様に関しては、かかる処理で決定される。上述のように、本実施例では、スーパーリーチ演出の実行後にのみ再変動演出及び再変動失敗演出が表示され得る。すなわち、リーチ演出として、スーパーリーチ演出に発展する演出が選択された場合に、再変動演出や再変動失敗演出の表示の有無とその表示態様を決定する。ここで、再変動演出中の変動中図柄113の表示態様は、スーパーリーチ演出開始前の表示態様とは独立して、変動開始コマンドの情報に基づいて所定の選択確率で決定される。
【0113】
このようにS1020で決定された特別演出図柄の変動態様と停止態様、リーチ演出の表示態様、再変動演出の表示態様、および変動中図柄の表示態様の組合せにより、疑似演出表示パターンを構成する。すなわち、疑似特別演出の開始から再変動演出までの変動中図柄113の一連の表示態様は、S1020において疑似演出表示パターンの一部として決定される。
【0114】
続くS1025では、疑似演出表示処理を実行する。この疑似演出表示処理では、前記S1020の処理で決定した疑似演出表示パターンの情報を含む表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。この表示コマンドの送信により、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で疑似演出表示パターンに従う疑似特別演出を表示制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から前記表示コマンドを受信すると、該表示コマンドに含まれる疑似演出表示パターンの情報に従って、該疑似演出表示パターンを表示するための動画データを生成する。すなわち、演出図柄制御装置82には、前記動画データの生成に用いられる多数のデータが予め記憶されており、該多数のデータの中から、前記表示コマンドに基づいて疑似演出表示パターンの構成に必要な複数のデータを選択して、この選択した複数のデータを組合わせることによって前記動画データを生成する。そして、演出図柄表示装置6を駆動制御して、この動画データを再生することにより、前記疑似演出表示パターン決定処理(S1005)で決定した疑似演出表示パターンによる疑似特別演出を演出表示画面6aに表示する。
【0115】
前記S1025から続くS1030では、保留態様更新処理を実行し、疑似演出制御処理を終了する。この保留態様更新処理では、消化される保留記憶に対応する保留図柄111,112を第一保留図柄表示領域131または第二保留図柄表示領域132から除去する保留図柄表示パターンを生成し、当該保留図柄表示パターンの情報を含む表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。詳述すると、第一保留図柄111を除去する場合は、当該第一保留図柄111を第一保留図柄表示領域131から変動中図柄表示領域133に移動させて、他にも第一保留図柄111を表示している場合には、残りの第一保留図柄111を右側にシフトさせる保留図柄表示パターンを生成する。一方、第二保留図柄112を除去する場合は、当該第二保留図柄112を第二保留図柄表示領域132から変動中図柄表示領域133に移動させて、他にも第二保留図柄112を表示している場合には、残りの第二保留図柄112を左側にシフトさせる保留図柄表示パターンを生成する。
【0116】
[実施例の特徴]
以上のように、本実施例では、疑似特別演出において、変動中図柄113を非表示とするスーパーリーチ演出が実行された後にも、変動中図柄113が再表示されて、当該変動中図柄113によって大当りの当選や時短当りの当選などの期待度が再度示唆され得るため、変動中図柄113によって疑似特別演出の興趣を向上させることが可能となる。
特に、本実施例では、再変動演出中に変動中図柄113の表示態様によって報知される大当りの当選期待度は、当該疑似特別演出においてスーパーリーチ演出の開始前に変動中図柄113の表示態様によって報知される大当りの当選期待度と異なる場合があるため、再変動演出中に表示される変動中図柄113によって、スーパーリーチ演出前に報知されていない新たな情報を報知することができる。したがって、かかる構成より、疑似特別演出の興趣を一層向上させることができる。
また、本実施例では、変動中図柄113は、再変動演出における特別演出図柄101a~101cの仮停止表示中に、当否判定結果を示唆する態様で表示される。特別演出図柄101a~101cの仮停止表示中は、特別演出図柄101a~101cがハズレ図柄態様で確定停止するか(再変動失敗演出の場合)、否か(再変動演出の場合)の分かれ目であり、成り行きを確認するために遊技者が演出表示画面6aを注視するタイミングであるため、かかる仮停止表示中に変動中図柄によって当否判定結果を示唆すれば、遊技者の期待感を効果的に刺激できる。
特に、本実施例では、変動中図柄113は、再変動演出における特別演出図柄101a~101cの仮停止表示中に、当否判定結果を示唆しない(当りの期待度が最も低い)通常表示態様で表示開始され、当該仮停止表示中に、当否判定結果を示唆する(通常表示態様よりも当りの期待度が高い)特殊表示態様に変化するため、当該仮停止表示中に、変動中図柄113が通常表示態様から特殊表示態様に変化するか否かや、どの特殊表示態様に変化するかによって、遊技者の期待感を強く煽ることができるという利点がある。
【0117】
[特許請求の範囲との対応]
以下に、上記実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。
パチンコ機1が、本発明に係る弾球遊技機の一例に相当する。
第一始動口11と第二始動口12とが、本発明に係る始動口の一例に相当する。
第一保留記憶と第二保留記憶とが、本発明に係る保留記憶の一例に相当する。
第一特別図柄と第二特別図柄とが、本発明に係る特別図柄の一例に相当する。
第一特別図柄表示装置9と第二特別図柄表示装置10とが、本発明に係る特別図柄表示装置の一例に相当する。
始動入賞処理のS100~S110とS120~S130とが、本発明に係る保留記憶生成手段の一例に相当する。
当否判定処理のS165~S200,S220が、本発明に係る当否判定手段の一例に相当する。
当否判定処理のS205~S215,S225~S285が、本発明に係る特別図柄制御手段の一例に相当する。
当否判定処理のS300~S385と大当り遊技処理が、本発明に係る遊技制御手段の一例に相当する。
疑似演出制御処理が、本発明に係る演出表示制御手段の一例に相当する。
変動中図柄表示領域133が、本発明に係る演出表示画面の所定領域の一例に相当する。
スーパーリーチ演出が、本発明に係る特定リーチ演出の一例に相当する。
サブ統合制御装置83の変動開始コマンドの受信が、本発明に係る所定の演出条件の充足の一例に相当する。
【0118】
以下に、上記実施例の別例について説明する。
【0119】
上記実施例のパチンコ機は、大当りと時短当りを備えているが、変動中図柄の表示態様が時短当りの当選期待度を報知しない構成とする場合には、時短当りを備えていないパチンコ機にも本発明を適用可能である。また、上記実施例のパチンコ機は、二種類の特別図柄(第一特別図柄,第二特別図柄)を具備しているが、本発明は、特別図柄を1種類だけ備えるものにも適用可能である。また、本発明は、時短状態や確変遊技状態を具備しないパチンコ機にも適用可能である。
【0120】
上記実施例では、変動中図柄の表示態様によって大当り全般の当選期待度を示しているが、本発明に係る変動中図柄は、特定の大当りの当選期待度を示すものであってもよい。特定の大当りとしては、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する大当りや、特定回数以上の開放ラウンドを伴う大当りなどが挙げられる。
【0121】
上記実施例では、保留図柄及び変動中図柄の表示態様によって、大当りや時短当りの当選期待度を報知する構成であるが、大当りや時短当りの期待度を示す表示態様は、実施例の構成に限られず適宜変更可能である。また、上記実施例では、大当りや時短当りの期待度を示す表示態様は、保留図柄と変動中図柄で共通しているが(
図15参照)、本発明にあって、大当りや時短当りの期待度を示す表示態様は、保留図柄と変動中図柄で相違していても構わない。また、本発明は、保留図柄が大当りや時短当りの当選期待度を報知しない構成であってもよい。また、変動中図柄の表示態様を、疑似特別演出の開始時と、再変動演出時で相違させても構わない。具体的には、再変動演出時は、疑似特別演出の開始時には表示され得ない専用の表示態様で変動中図柄を表示してもよい。
【0122】
また、上記実施例では、変動中図柄は、再変動演出以外では疑似特別演出の開始時に表示された態様で表示されるが、ノーマルリーチ演出中などに変動中図柄の表示態様を変化させるようにしても良い。また、上記実施例では、変動中図柄は、再変動演出の開始時に通常表示態様で表示され、特別演出図柄の仮停止表示中に特殊表示態様に変化し得るよう構成されているが、再変動演出中に変動中図柄を特殊表示態様で出現させるようにしても良いし、特別演出図柄が再変動を開始した後に、変動中図柄の表示態様を通常表示態様から変化させるようにしても良い。
【0123】
また、上記実施例では、変動中図柄は、特別演出図柄の変動開始時と、再変動演出時のいずれにおいても、大当り及び時短当りの当選期待度を示すよう構成されているが、変動中図柄が当選期待度を示す対象を、変動開始時と再変動演出時で相違させても構わない。例えば、疑似特別演出の開始時には、変動中図柄の表示態様により大当りの当選期待度を示し、再変動演出時には、変動中図柄の表示態様によって時短当りの期待度や、大当りと時短当りのいずれかに当選する期待度を示すようにしてもよい。
【0124】
また、上記実施例では、第一保留記憶及び第二保留記憶の消化時に係る疑似特別演出において再変動演出が実行され得るが、本発明は、一方の保留記憶の消化時に係る疑似特別演出においてのみ、再変動演出が実行され得るような構成にも適用可能である。
【0125】
また、上記実施例では、再変動演出時の変動中図柄の表示態様は、疑似特別演出の開始時に表示された態様とは無関係に選択されるが、疑似特別演出の開始時の表示態様に応じて、再変動演出時の表示態様を選択するようにしてもよい。例えば、疑似特別演出の開始時に、期待度「大」を示す表示態様であった場合は、再変動演出時に期待度「大」以上(「大」又は「当確」)の表示態様のみを選択するようにしたり、疑似特別演出の開始時に、期待度「当確」を示す表示態様であった場合は、再変動演出時に当該当りの内容(開放ラウンド数や確変遊技状態への移行)を示唆する表示態様を選択するようにしたりすることが挙げられる。
【0126】
また、上記実施例に係る再変動演出では、特別演出図柄の再変動後にハズレが報知され得るが、本発明に係る再変動演出は、特別演出図柄が再変動した時点で大当り等の当選が確定するものであってもよい。かかる構成の場合、特別演出図柄の仮停止表示中に表示される変動中図柄は、特別演出図柄が再変動する期待度を示すものとなるため、疑似特別演出の開始時とは異なる専用の表示態様で表示するようにしてもよい。
【0127】
また、上記実施例に係る再変動演出では、全ての特別演出図柄を揺れ表示することにより特別演出図柄を仮停止表示させているが、特別演出図柄の仮停止表示はかかる態様に限られず、確定停止表示と明確に区別可能な態様で停止表示されるものであればよい。例えば、仮停止表示中に、一部の特別演出図柄だけを揺れ表示するようにしてもよいし、揺れ表示に替えて又は加えて、特別演出図柄を点滅表示したり、拡縮したりしてもよい。
【0128】
また、上記実施例では、疑似特別演出の開始時に、保留図柄表示領域から除去される保留図柄が変動中図柄表示領域に飛び込んで変動中図柄となるよう表示されるが、本発明に係る変動中図柄は、このように保留図柄が変化して生じるものに限られず、疑似特別演出の開始時に除去される保留図柄と入れ替わるように保留図柄表示領域に表示されるものであればよい。
【0129】
また、本発明に係る特定リーチ演出は、上記実施例のスーパーリーチ演出の内容に限定されず、演出表示画面において、変動中図柄を非表示として、変動中図柄が表示される領域を含めて演出画像を表示するものであればよい。例えば、上記実施例のスーパーリーチ演出では、特別演出図柄を演出表示画面で縮小表示するが、本発明に係る特定リーチ演出は、特別演出図柄を通常表示するものや、特別演出図柄を非表示とするものを含む。また、上記実施例では、スーパーリーチ演出が終了して、特別演出図柄の表示が特殊表示モードから通常表示モードに切り替わった時点で特別演出図柄の仮停止表示が開始されるが、特別演出図柄の仮停止表示は、スーパーリーチ演出の終了時から開始しても構わない。具体的には、
図17(e)の失敗演出画像120bが表示された時点で、縮小表示領域134で特別演出図柄101a~101cの仮停止表示を開始して、通常表示モードに切り替わった後も、当該仮停止表示を継続するようにしてもよい。また、スーパーリーチ演出を、ノーマルリーチ演出を経ずに実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0130】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
6 演出図柄表示装置
6a 演出表示画面
9 第一特別図柄表示装置
10 第二特別図柄表示装置
11 第一始動口
12 第二始動口
14 大入賞口
101a,101b,101c 特別演出図柄
111 第一保留図柄
112 第二保留図柄
113 変動中図柄
120 演出画像
130 特別演出図柄表示領域
131 第一保留図柄表示領域
132 第二保留図柄表示領域
133 変動中図柄表示領域
134 縮小表示領域