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特開2022-141551ローダーバケットに取り付け可能なスキッド装置、資材を移動させるためのローダーバケットアセンブリ、およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141551
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】ローダーバケットに取り付け可能なスキッド装置、資材を移動させるためのローダーバケットアセンブリ、およびその方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20220921BHJP
   E02F 3/40 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
E02F9/28 A
E02F9/28 B
E02F9/28 Z
E02F3/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021057880
(22)【出願日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】17/201,603
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年11月18日に、顧客であるクリス グレゴリーに郵送にてサンプル製品を販売した。 (2)令和3年3月20日に、https://r2manufacturing.com/products/bolt-on-tamerに掲載した。
(71)【出願人】
【識別番号】521134352
【氏名又は名称】アールツー マニュファクチャリング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ジー. ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ケイ. ヘニング
【テーマコード(参考)】
2D012
2D015
【Fターム(参考)】
2D012GB00
2D015JA06
2D015KA03
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】スキッド装置20およびローダーバケットアセンブリ30は、スキー形状のベースプレートを含むスキッド装置を含んでいる。このスキッド装置は、エッジプレートやトゥースバーなどのアクセサリをローダーバケットの底側にその前側で固定するための複数の装着穴を含むローダーバケット10の前端部に取り付け可能であり、アクセサリがローダーバケットに装着された状態でアクセサリの一部がローダーバケットのフロントエッジよりも前方に延在するようになっている。また、スキッド装置は、アクセサリが取り付けられていない状態でもローダーバケットに取り付け可能である。
【効果】ローディングバケットの前端部に2つ以上のスキッド装置を取り付けて、資材を地面上で移動させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローダーバケットに装着可能なスキッド装置であって、アクセサリが前記ローダーバケットに装着された状態で、前記アクセサリの一部が前記ローダーバケットのフロントエッジの前方に延在し、その前側で前記ローダーバケットの底側に前記アクセサリを固定するための複数の装着穴を含む前記スキッド装置は、ベースプレート及び停止部材を含み、
前記ベースプレートは、
前記ベースプレートの前後方向に延在するスロットを有する第1部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第2部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第3部と、を含み、前記第2および第3部は、前記第1部から前後方向に沿って反対方向に延在し、
前記停止部材は、前記第2又は第3部のうちの一方に隣接する前記第1部の上側に配置され、前記ローダーバケットの先端部に当接するように構成され、
前記スロットの幅は、留め具のねじ軸が貫通できるように寸法決めされ、前記ローダーバケット内の複数の装着穴のうち、前記第1部の底側から装着穴があり、一方で、前記ねじ軸の一端に配置され、前記ねじ軸よりも大きく寸法決めされた前記留め具のヘッドが前記スロットを完全に貫通することを防止し、
前記スロットの長さは、前記アクセサリが装着されているかどうかにかかわらず、前記スキッド装置をローダーバケットに装着可能にする前後調整機構を提供し、その結果、前記停止部材は、前記アクセサリが前記ローダーバケットに取り付けられていない状態では、前記ローダーバケットの前記フロントエッジ、または前記アクセサリが前記ローダーバケットに装着されている状態では、前記ローダーバケットの前記フロントエッジよりも前方に延在する前記アクセサリのフロントエッジである先端部に当接する、スキッド装置。
【請求項2】
前記アクセサリは、エッジプレートである、請求項1に記載のスキッド装置。
【請求項3】
前記ベースプレートは、モノリシックアルミニウムまたは鋼からなり、
前記第1部は、前記第2および前記第3部の各々よりも厚い、請求項2に記載のスキッド装置。
【請求項4】
前記第1部から上方に延在する補強部をさらに含む、請求項1に記載のスキッド装置。
【請求項5】
前記停止部材は、前記第1部または前記補強部から上方に延在する、請求項4に記載のスキッド装置。
【請求項6】
前記スロットは、前記ヘッドが前記第1部の底面と少なくとも同一平面になるように、前記留め具のヘッドの厚さよりも深く階段状または皿穴状になっている、請求項1に記載のスキッド装置。
【請求項7】
前記補強部は、前記第1部の前記スロットよりも狭いスロットを有し、前記留め具のねじ軸が通って延在することを可能にするが、前記留め具の前記ヘッドが貫通することを防止する、請求項4に記載のスキッド装置。
【請求項8】
前記ベースプレートの下側に取り外し可能に固定され、前記ベースプレートの構成と相補的に構成され、前記ベースプレートの底面を覆う摩耗部材をさらに備える、請求項1に記載のスキッド装置。
【請求項9】
前記スキッド装置は、前記第2または第3部のいずれかが前記ローダーバケットの前記先端部の前方に延在する状態で、前記ローダーバケットに装着可能である、請求項5に記載のスキッド装置。
【請求項10】
前記第1部および前記停止部材から延在するアクセサリマウントをさらに備え、
前記補助部材は、前記アクセサリマウントに取り外し可能に取り付け可能である、請求項1に記載のスキッド装置。
【請求項11】
前記アクセサリマウントは、前記補助部材が前記アクセサリマウントに取り付けられた状態において、上方に旋回するのを阻止する切り欠きを有するガゼットプレートを備える、請求項10に記載のスキッド装置。
【請求項12】
資材を移動させるためのローダーバケットアセンブリであって、前記バケットアセンブリは、
ローダーバケットの底側の前側にアクセサリを固定するための複数の装着穴を含むローダーバケットであり、前記アクセサリがローダーバケットに取り付けられた状態で、前記アクセサリの一部がローダーバケットのフロントエッジよりも前方に延在する前記ローダーバケットと、
前記ローダーバケット内の前記複数の装着穴のうち、1つの装着穴に留め具を介して前記ローダーバケットにそれぞれ装着された少なくとも2つのスキッド装置と、を備え、
前記2つのスキッド装置の各々は、ベースプレート及び停止部材を含み、
前記ベースプレートは、
前記ベースプレートの前後方向に延在するスロットを有する第1部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第2部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第3部と、を含み、前記第2および第3部は、前記第1部から前後方向に沿って反対方向に延在し、
前記停止部材は、第2または第3部のうちの1つに隣接する前記第1部の上側に配置され、前記ローダーバケットの先端部に当接するように構成され、
前記スロットの幅は、留め具のねじ軸が貫通できるように寸法決めされ、ローダーバケット内の複数の装着穴のうち、第1部の底側から装着穴があり、一方で、前記ねじ軸の一端に配置され、前記ねじ軸よりも大きく寸法決めされた留め具のヘッドがスロットを完全に貫通することを防止し、
前記スロットの長さは、アクセサリが装着されているかどうかにかかわらず前記スキッド装置をローダーバケットに装着することを可能にする前後調整機構を提供し、その結果、停止部材は、前記アクセサリがローダーバケットに取り付けられていない状態では、ローダーバケットのフロントエッジ、または前記アクセサリが前記ローダーバケットに装着されている状態では、前記ローダーバケットのフロントエッジよりも前方に延在する前記アクセサリの前記フロントエッジである先端部に当接する、資材を移動させるためのローダーバケットアセンブリ。
【請求項13】
前記アクセサリは、エッジプレートである、請求項12に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項14】
前記ベースプレートは、モノリシックアルミニウムまたは鋼からなり、
前記第1部は、前記第2および第3部の各々よりも厚い、請求項12に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項15】
前記第1部から上方に延在する補強部をさらに備える、請求項12に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項16】
前記停止部材は、前記第1部または前記補強部から上方に延在する、請求項15に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項17】
前記スロットは、前記ヘッドが前記第1部の底面と少なくとも同一平面になるように、前記留め具のヘッドの厚さよりも深く階段状または皿穴状になっている、請求項12に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項18】
前記補強部は、前記第1部の前記スロットよりも狭いスロットを有し、前記留め具のねじ軸がそれを通って延在することを可能にするが、前記留め具の前記ヘッドが貫通することを防止する、請求項15に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項19】
前記ベースプレートの下側に取り外し可能に固定され、前記ベースプレートの構成と相補的に構成され、前記ベースプレートの底面を覆う摩耗部材をさらに備える、請求項12に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項20】
スキッド装置は、前記ローダーバケットの前記先端部に延在する前記第2又は第3部を有する前記ローダーバケットに装着可能である、請求項16に記載のローダーバケットアセンブリ。
【請求項21】
アクセサリがローダーバケットに装着された状態で、アクセサリの一部がローダーバケットのフロントエッジの前方に延在し、ローダーバケットの底側の前側でアクセサリを固定するための複数の装着穴を含む、スキッド装置をローダーバケットに取り付ける方法であって、
前記方法は、スキッド装置が設けられることを含み、前記スキッド装置は、ベースプレート及び停止部材を含み、
前記ベースプレートは、
前記ベースプレートの前後方向に延在するスロットを有する第1部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第2部と、
前記第1部から外の方に延在し、上方に角度がつけられた第3部と、を含み、前記第2および第3部は、前記第1部から前後方向に沿って反対方向に延在し、
前記停止部材は、前記第2または第3部のうちの1つに隣接する前記第1部の上側に配置され、ローダーバケットの先端部に当接するように構成され、
スロットの幅は、留め具のねじ軸が貫通できるように寸法決めされ、前記ローダーバケットの複数の装着穴のうち、前記第1部の底側から装着穴があり、一方で、ねじ軸の一端に配置され、ねじ軸よりも大きく寸法決めされた留め具のヘッドがスロットを完全に貫通することを防止し、
前記スロットの長さは、アクセサリが装着されているかどうかにかかわらず前記スキッド装置をローダーバケットに装着可能にする前後調整機構を提供し、その結果、停止部材は、前記アクセサリがローダーバケットに取り付けられていない状態では、ローダーバケットのフロントエッジ、または前記アクセサリが前記ローダーバケットに装着されている状態では、前記ローダーバケットのフロントエッジよりも前方に延在する前記アクセサリの前記フロントエッジである先端部に当接するスキッド装置を提供し、
第1部がロードバケットの下にあり、前記停止部材がローダーバケットの先端部に近接または当接して配置されるように前記スキッド装置をロードバケットの下に配置し、
前記スロットを装着穴に位置合わせし、
前記留め具のねじ軸を、前記スロットを通して装着穴内に挿入し、
前記停止部材が先端部に当接した状態で、ナットをねじ軸に締め付けることによって前記スキッド装置をロードバケットに固定すること、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長い平坦なリーディングエッジを有するローダーバケットを用いて、砂利道上の雪や、芝生のマルチ(mulch)又は伐採した木材の持ち上げなどの資材を移動する場合、資材を持ち上げたり移動したりしようとすると、下部の地面に非常に容易に切り込んでしまう。これにより、これらを取り除こうとすると、芝生が傷んだり、砂利道の石が山積みになったりする可能性がある。
【0002】
本発明者らは、ローダーバケットに取り付け可能な独自のスキッド装置であるエッジテイマー(EDGE TAMER)を考案した。米国特許第9,133,599号を参照されたい。このスキッド装置は、端部がスキー形状を有しており、ローダーバケットを改造する必要とせず、留め具で簡単に取り付けることができる。スキッド装置はまた、改良された滑走性および寿命を改善するために交換可能な摩耗部材を含むことができる。この特許に開示されるスキッド装置は、下部の表面を保存することが優先される状況において、ローダーバケットを備えたトラクタ、スキッドローダ、または他の機械で、雪を押したり、芝生上のマルチまたは土を動かしたり、伐採した木材、または同様の資材を動かしたりするのに非常に有用である。例えば、雪を押すときに、車道に石を残し、杭またはマルチまたは伐採した木材を持ち上げるときには芝を損傷させず、または土や雪を取り除くときにはコンクリート表面の膨脹継ぎ目を損傷させないようにすることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エッジテイマーはローダーバケットを改造する必要なくローダーバケットに簡単に取り付けることができ、非常に便利であるが、エッジテイマーはスキッド装置をローダーバケットに固定するために張力を使用する。しかし、張力による固定は、ホイールローダーのような大きな用途にはあまり実用的ではない。より簡単でより経済的に製造できる改良されたスキッド装置の必要性はまだ残っている。本開発は、この必要性に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、アクセサリがローダーバケットに装着された場合に、アクセサリの一部がローダーバケットのフロントエッジの前方に延在し、その前側でローダーバケットの底側にアクセサリを固定するための複数の装着穴を含み、ローダーバケットに装着可能なスキッド装置である。アクセサリはエッジプレートとすることができる。
【0005】
スキッド装置は、第1部と、第2部と、第3部とを含むベースプレートを含む。第1部は、ベースプレートの前後方向に延在するスロットを含む。第2部は、第1部から外の方に、かつ上方に角度をつけて延在している。第3部は、第1部から外の方に、かつ上方に角度をつけて延在しており、第2および第3部は、第1部から前後方向に沿って反対方向に延在する。
【0006】
スロットの幅は、留め具のねじ軸が貫通できるように寸法決めされ、ローダーバケット内の複数の装着穴のうち、第1部の底側からの装着穴は、ねじ軸の一端に配置され、ねじ軸よりも大きく寸法決めされた留め具のヘッドがスロットを完全に貫通することを防止する。
【0007】
スキッド装置は、第2または第3部のうちの1つに隣接する第1部の上側に配置され、ローダーバケットの先端部に当接するように構成された停止部材をさらに含む。スキッド装置はローダーバケットに取り付けられる場合、停止部材は、ローダーバケットに取り付けられたアクセサリが装着されているかどうかにかかわらず、ローダーバケットの先端部に当接する。スキッド装置は、ローダーバケットの先端部の前方に延在する第2または第3部のいずれかを有するローダーバケットに取り付けることができる。
【0008】
スロットの長さは、アクセサリが装着されているかどうかにかかわらず、スキッド装置をローダーバケットに装着可能にする前後調整機構を提供し、その結果、停止部材は、アクセサリが装着されていない場合では、ローダーバケットのフロントエッジ、又はアクセサリがローダーバケットに装着された場合では、ローダーバケットのフロントエッジの前方に延在するアクセサリのフロントエッジである先端部に当接する。
【0009】
ベースプレートは、モノリシックアルミニウムまたは鋼から形成することができる。第1部は、第2および第3部の各々よりも厚い。あるいは、補強部は、第1部の上側から上方に延在することができる。補強部は、第1部のスロットよりも狭いスロットを有することができ、留め具のねじ軸がそれを通って延在することを可能にするが、留め具のヘッドが貫通することを防止することができる。スロットは、留め具のヘッドの厚さよりも深く段差をつけるか皿穴を設けることで、ヘッドが少なくとも第1部の底面と同一平面になるようにすることができる。停止部材は、第1部または補強部の上側から上方に延在することができる。
【0010】
スキッド装置は、ベースプレートの下側に取り外し可能に固定され、ベースプレートの構成に相補的に構成され、ベースプレートの底面を覆う摩耗部材を含むことができる。
【0011】
スキッド装置は、第1部および停止部材から延在するアクセサリマウントを含むことができる。補助部材は、アクセサリマウントに取り外し可能に取り付け可能である。アクセサリマウントは、補助部材がアクセサリマウントに取り付けられている状態で、補助部材が上方に旋回するのを防止する切り欠きを有するガゼットプレートを備えている。
【0012】
本開発の別の態様は、資材を移動させるためのローダーバケットアセンブリである。ローダーバケットアセンブリは、上述したローダーバケットと、ローダーバケットに装着された少なくとも2つのスキッド装置とを含む。各スキッド装置は、上述のように構成することができる。
【0013】
本開発の別の態様は、上述したスキッド装置を上述したローダーバケットに装着する方法である。該方法は、上述のスキッド装置を提供し、第1部がロードバケットの下にあり、停止部材がローダーバケットの先端部に近接または当接して配置されるように、スキッド装置をロードバケットの下に配置すること、スロットと装着穴とを位置合わせすること、留め具のねじ軸を、スロットを通して装着穴内に挿入すること、停止部材が先端部に当接した状態で、ナットをねじ軸に締め付けることによってスキッド装置をロードバケットに固定すること、とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、ローダーバケット内の既存の装着穴を通って延在するボルトを用いて、その裏側に取り付けられたエッジプレートの形態のアクセサリを含むローダーバケットの左側の近くに取り付けられた本開発の実施形態によるスキッド装置を含むローダーバケットアセンブリの斜視図である。
図2図2は、ローダーバケットアセンブリの別の斜視図であるが、図1に示すローダーバケットの異なる位置(右側により近い)に別のスキッド装置が設置された状態である。
図3図3は、図2に示すローダーバケットアセンブリのさらに別の斜視図である。
図4図4は、図1図3に示されたスキッド装置の斜視図である。
図5図5は、図1図3に示されたスキッド装置の別の斜視図である。
図6】スキッド装置の重なり合うスロットのサイズ間の関係をより良く示すためのスキッド装置の別の斜視図である。
図7図7は、交換可能な摩耗プレートを含むスキッド装置の別の実施形態である。
図8図8は、交換可能な摩耗プレートの別の実施形態である。
図9図9は、図8と同様の実施形態である。
図10図10は、先に述べた実施形態と同様のスキッド装置であって、アクセサリマウントを備える別の実施形態である。
図11図11は、図10の実施形態のスキッド装置に装着されるアクセサリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一般的に、ローダーバケットには、シングルカッティングエッジを持つタイプと、ダブルカッティングエッジを持つタイプの2つのタイプがある。シングルカッティングエッジのローダーバケットは、典型的には、容易に交換できない、工場で溶接されたカッティングエッジを備える(元のカッティングエッジを修理または交換するために溶接を必要とするだろう)。両面エッジを有するボルオンエッジプレートを備える両面カッティングエッジローダーバケットは、ローダーバケットに既に存在する貫通穴を通って延在しているボルトを用いてローダーバケットに取り付けられる。したがって、エッジプレート12は交換可能である。エッジプレートは、ローダーバケットの多くのアクセサリのうちの1つである。
【0016】
図1図3は、両面カッティングエッジローダーバケット10(以下、単に「ローダーバケット」という)と、それに取り付けられた少なくとも2つのスキッド装置20(各図には1つのみを示す)とを含むローダーバケットアセンブリ30を示す図である。ローダーバケット10は、エッジプレート12をローダーバケットの裏側に固定する留め具、即ちボルト12Bおよびナット12Nを受け入れるための装着穴が組み込まれたタイプのローダーバケットでありうる。本開発では、ローダーバケットの改造を必要とせずに、スキッド装置20を固定するために、既存の装着穴を利用しているが、穴を開けることによって又は既存の穴に対してスキッド装置20をシングルカッティングエッジローダーバケットに装着することができる。
【0017】
ローダーバケットは、通常、土、砂、岩、さらには雪のような緩い資材を保持するのに十分な内容積を有するように構成される。具体的には、図1図3を参照すると、ローダーバケット10は典型的には底部10a、左右の側部10b、10c(ドライバーから見て)、および後部10d(図3参照)を全て一体的に保持して、資材を保持するのに十分な内容積を有する剛性構造体を形成することができる。掘削機バケットは、エッジプレート12から突出する歯を有することさえでき、資材を破壊するように構成される。また、ローダーバケット10は、トラクタ等に取り付けるための連結機構(図示せず)を有している。この連結機構も従来のものである。
【0018】
図1を参照すると、ローダーバケットの底部10aは、典型的には平坦である。底部10aの裏側の前部は、アクセサリ(エッジプレート)12の上側に配置され、留め具、すなわちボルト12B及びナット12C(図1図3参照)を用いて、固定される部分である。エッジプレート12は、通常、平坦であり、2つのエッジ、すなわち、フロントエッジfeおよびバックエッジ12be(対称とすることができる)を含む。エッジプレート12のフロントエッジ12feは、ローダーバケット10のフロントエッジ10eを越えて延在している。図示の実施形態は、ベベル12bevを有するフロントエッジfeのみを示しているが、バックエッジ12beは対称的なベベルを含むこともでき、これにより、フロントエッジfeが磨耗したときに、ローダーバケットのフロントエッジ10eよりもバックエッジ12beを前向きにして、エッジプレート12を逆に装着することができる。
【0019】
さらに、図1を参照すると、ローダーバケットの前側は典型的にはより厚く形成されており、すなわち、強度および耐久性を高めるために補強されている。より厚い部分は、リップ部10fを形成するいくらかの厚さ(高さ)を有する裏側壁を残して、突然途切れてもよいし、次第に途切れてもよい。換言すれば、底部10aの裏側は、前端部の遠位側がリップ部10fの近位側より高くなるような階段状の構成を有する。
【0020】
図4図7は、エッジプレート12の有無に関わらず、ローダーバケット10に取り外し可能に取り付け可能であるスキッド装置20自体(エッジテイマーIIまたはボルトオンテイマーとして識別される)である。スキッド装置20は、エッジプレート12が取り付けられていなくてもローダーバケット10に有益に取り付けることができ、その結果、ローダーバケット10のフロントエッジ10eがリーディングエッジとなるようにすることができる。しかし、エッジプレート12がローダーバケット10に装着されている場合、エッジプレート12のエッジ12feまたは12beはローダーバケット10のリーディングエッジとなる。
【0021】
スキッド装置20には、ユニバーサルフィットメントが設けられている。具体的には、位置合わせされたスロット22s、24sは、既存のボルト穴、異なる寸法に適合するローダーバケットに設置されたエッジプレート12の有無にかかわらず、ローダーバケット10上で装置を前後方向FAに長手方向にスライドさせる柔軟性をオペレータに与えるために設けられる。米国特許第9,133,599号に開示されているユニバーサルフィットメントアレンジメントは、クランプタイプを用いているのに対し、本スキッド装置20は、よりシンプルなダイレクトボルトオンフィッティングを用いているので、米国特許第9,133,599号のスキッド装置に示すテンションフィットメントアレンジメントよりも、より確実かつ経済的に製造できる。
【0022】
本スキッド装置20は、改良されたアタッチメント機構を有する。具体的には、本スキッド装置20に含まれるユニバーサルフィットメントアレンジメントは、エッジプレート12のようなアクセサリを収容するために、フロントエッジに予め開けられた穴を有する任意のローダーバケットに設置することができ、また、トゥースバー(図示せず)の形態で構成することができる。具体的には、エッジプレート12がトゥースバーアセンブリを受け入れるか、または個々の歯をそれに固定することができる。本フィッティングアレンジメントは、様々なサイズの様々なエッジと同様に、アクセサリが設置されていないローダーバケットを収容するため、一次または二次エッジ装着装置として機能することができる。少なくとも2つのスキッド装置20をローダーバケット10の先端部に装着することにより、ローダーバケットが地面への妨害を最小限に抑えて資材を移動させることができる。各スキッド装置20は、エッジプレートが装着されていない場合はローダーバケットの先端部(フロントエッジ10e)、またはエッジプレート12が装着されている場合はエッジプレート12のフロントエッジ12fe(逆装着の場合はバックエッジ12be)の下をスライドすることが可能である。スキッド装置20を通過する延在するボルトを、ローダーバケットの前側に設けられた穴から上方に延在することによって、スキッド装置20は、留め具、すなわちボルトにねじ込まれたナットを用いて所定の位置に固定することができる。
【0023】
特に、図4図6を参照すると、スキッド装置20は、ベースプレート22と、補強プレート(部)24と、停止部材26とを備えている。
【0024】
図4を参照すると、ベースプレート22は、スキー形状の端部を有する細長い本体を有する。具体的には、ベースプレート22は、先端部(第2部)22aと、ベース部(第1部)22bと、後端部(第3部)22cとを含む。先端部22aおよび後端部22cの両方は、スキーの先端が持ち上げられる方法と同様に、20度などの任意の適切な角度で角度をつけるか、または曲げることができる。ただし、柔らかい地面には高い角度、硬い地面には低い角度というように、用途に応じて角度を変えることができる。すなわち、角度は、20度よりも小さくても大きくてもよい。さらに、先端部および後端部の角度および長さは、互いに異なっていてもよい。ベース部22bは、主要な耐荷重領域である。この点に関して、ベース部22bは、補強プレート24で補強することができ、補強プレート24は、中央部に固定された別個のプレートであってもよいし、ベース部22bと一体的またはモノリシックに形成されてもよい。
【0025】
地面に接するベース部22bは、鋼材、すなわち厚さ3/8インチの鋼材やステンレス鋼などの平らな単一の鋼板で作ることができる。ベースプレート22のサイズは、使用するローダーバケットのサイズに応じて変えることができる。一例として、ベースプレート22は、長さ約12インチ、および幅約3インチとすることができ、先端部22aおよび後端部22cの両方が、約20度で角度をつけられ、または折り曲げられている。なお、上記長さとは、先端部22aおよび後端部22cが上方に角度がつけられる/曲がる前の長さをいう。
【0026】
ベース部22bはボルト12Bを通過させるためのスロット22sを含み、このスロットは、典型的には直径1/2インチ、5/8インチ、3/4インチ、または1インチのサイズであり、スキッド装置20をローダーバケット10に固定または緩めるときに、ナットによってボルトに締め付けトルクまたは緩めトルクが加えられると、ボルトヘッドを着座させ、六角ボルトヘッドまたはプラウボルトヘッドが回転するのを防止するサイズである。例えば、スロットは、直径1/2インチのボルトを収容するための幅3/4インチで、中央に位置し(中央部22bの幅および長さの両方)、長手方向に前後に延在する。スロットは、2インチ~6インチの範囲の長さを有してもよい。スロットは、六角ボルトまたはプラウボルトのヘッドを受け入れるように寸法決めすることができ、ボルトをスライドさせてローダーバケットの裏側に適切に適合させることができる。ボルトは、取り外し可能なカッティングエッジに対応するエッジプレート12のようなアクセサリを保持するために用いられるローダーバケット内の穴の1つを通して挿入される。ベースプレート22は、前述のように、エッジプレートが設置されていない状態で、ローダーバケットの下に適合するように寸法決めされている。
【0027】
代替の実施形態では、先端部22aおよび後端部22cは、対称的な角度および長さを有することができ、スキッド装置をいずれかの端部に設置して、長時間使用した後に、スキッド装置を逆に取り付けることにより、耐用年数を延ばすことができる。この点に関し、停止部材26は、補強プレート24へボルトを使用するなどして、補強プレート24のいずれかの端部に対して取り外し可能に装着することができる。
【0028】
ベースプレートを補強するための補強プレート24、特に、地面に接触するベースプレート22のベース部22(平坦部)は、傾斜した端部の間に延在するベース部22bの上面に取り付けることができる。停止部材26は、ボルトを用いるか、または補強プレート24および/またはベース部22bに溶接することによって、補強プレート24の前端部または上側に取り付けることができる。例えば、補強プレート24は幅2インチ×長さ6インチ×厚さ3/8インチの鋼で作ることができる。また、補強プレート24は、ベース部22sのスロット22sと位置合わせされたスロット24sを含む。例えば、スロットは、スロット22sよりも狭い1/2インチ幅とすることで、ボルトの軸を通過させつつ、ヘッドの通過を防止することができる。補強プレート24および停止部材26は、金属ブロックからの鋳造、鍛造、または機械加工などを介して、ベースプレート22と一体に形成することができる。
【0029】
ベースプレート22と補強プレート24との組合せは、角度のついた先端部及び後端部22aおよび22c、停止部材26、所望の厚さを有するベース部22b、ボルトヘッドが静止する凹み面、すなわち、より広い底部開口部(例えば、3/4インチ)およびより狭い上部開口部(例えば、1/2インチ)を有する階段状のスロットを形成するために、より厚いプレートベースプレートをミリングすることによって達成することができることに留意されたい。この点において、スキッド装置は、鋼および/または高密度合成材料とすることができる摩耗プレートを備えた単一の鋼またはアルミニウムで形成することができる。図7を参照されたい。補強部とは、別個のプレートまたはベース部22bの一体的な厚みのある部分を指す。
【0030】
停止板26は、ボルトが緩んだときにスキッド装置20が後方に移動することに対する追加の安全のために、エッジ12のフロントエッジ12feまたはローダーバケット10のフロントエッジ10eに対して当接し、またバケット上でねじれることを防止することが可能である。停止部材26は、例えば、3/8インチ×3/8インチ×3インチのような鋼棒で形成することができ、補強板24の上側にボルトなどで固定されるか、補強板24の前面および/または上面に溶接されるか、補強板24と一体的に形成することができる。これは、ローダーバケット20のリーディングエッジ10e、12fe、または12beに対する圧力点として働く。
【0031】
使用時には、停止部材26は、ローダーバケットの前に対して静止し、ユニット全体がローダーバケットと整列したままであることを確実にし、動作中にオペレータが対象物に当たった場合にスキッド装置に対する保護として機能する。
【0032】
図7は、図1図6に示す実施形態と本質的に同一であるが、スキッド装置20のベースプレート22に装着された交換可能な摩耗部材またはシュー28(shoe28)を含む別の実施形態である。特に、摩耗プレート28は、ベースプレート22がアルミニウムのような耐久性の低い材料で作られている場合に特に望ましい。アルミニウム製のベースプレート22自体は、薄い鋼板またはシューで補強することができる。あるいは、摩耗部材28自身を鋼板で補強して強度と摩耗性を高めることもできる。
【0033】
摩耗部材28は交換可能であり、スロット22sを含むベースプレート22全体の露出した底面を覆うようにベースプレート22に相補的に成形され、従来の留め具28fを用いてそれに固定される。図示の実施形態では、ベースプレート22の各端部に2つの穴が開けられ、摩耗部材28を固定するためのねじ28fを受け入れられるようにねじ切りされている。摩耗部材28はローダーバケットが芝または舗装道路のような敏感な表面上を滑ることを可能にし、ベースプレート22の底部から塗料または錆が滑りおちることによるコンクリートまたは舗装された表面の潜在的な汚れを防止することができる。使用時には、ボルト12Bはスロット22s(複数可)、24sを通過して挿入し、次いで摩耗部材28がベースプレート22に固定されることになるだろう。これにより、ボルト12Bが所定の位置に固定されることになり、すなわち、ボルトヘッドはスロット22sに沿ってスライドできる間、ボルトが脱落することを防止することができるようになる。
【0034】
摩耗部材28は、超高分子量ポリエチレン(UHMWE)またはポリテトラフルオロエチレン(PPTFEまたはテフロン(登録商標)として知られている)など、そのような用途に従来使用されている任意の数の材料から製造することができる。摩耗部材は、ベースプレート22と同じ形状および寸法に切断して、形状適合させることができる。この点において、摩耗部材28は、付加的な保護のため、全長に沿ってベース部材の横方向の両サイドエッジ、並びにリーディングエッジおよびトレーリングエッジを覆うように構成することもできる。
【0035】
留め具28fは、先端部22aおよび後端部22cの近くの角度のついた部分に配置されている。摩耗部材28のそれぞれの端部に2つの穴を開けることができる。ベースプレート22の対応する部分は、ベースプレート22に貫通して穿孔され、摩耗部材28をそれに固定するためのねじ28fを受け入れるようにねじ込まれることができる。各々の留め具穴は、摩耗部材28に皿穴を開けることができるので、ステンレス鋼ねじなどの留め具は、付加的な保護のために摩耗部材と同一平面上にあるか、または摩耗部材のより深くに配置することができる。留め具28fを角度のついた先端部の近くに配置することにより、地面からのダメージを最小限に抑え、摩耗部材が摩耗した場合でも留め具を取り外すことができる。
【0036】
図8は、図7に示す摩耗部材28と同様の摩耗部材28’の他の実施形態を示す図である。図8の実施形態では、摩耗部材28’をベースプレート22に固定するための前後の装着ブラケット29fb、29rbを収容するために、摩耗部材28’は図7の摩耗部材28よりも幅広になっている。留め具28fがベースプレート28内のそれぞれのねじ穴に係合する代わりに、留め具28fはベースプレート22のそれぞれの領域、即ち、前端および後端、またはそれらの端部近傍において、前部および後部の装着ブラケット29fb、29rbのそれぞれに形成されたねじ穴29aに固定される。摩耗部材28’に固定された装着ブラケット29fb、29rbは、それらの間にベースプレート22を閉じ込めるか、または挟み込んでいる。特に、装着ブラケット29fbおよび後部装着ブラケット29rbの各々は、ベースプレート22のそれぞれの前部および後部に着座されて、前部および後部の装着ブラケットがベースプレート22の前部および後部を締め付けることを可能にするために、摩耗部材28’の厚さよりも小さいスロットまたは凹部を含む。前部および後部の装着ブラケット29fb、29rbの各々は、摩耗部材28’をベースプレートに固定した状態を維持できる、鋼又はアルミニウムなどの適切な強度の材料で形成することができる。この構成により、ベースプレート22に穴を開けることなく、摩耗部材28’をスキッドプレートに取り付けることができる。
【0037】
図9の実施形態は、装着ブラケット29fbの構成以外は、図8の実施形態と同じである。図9の実施形態では、摩耗部材28’は装着ブラケット29fb’、29rbを用いている。装着ブラケット29fb’は、例えば米国特許第9,133,599号に開示されているスキッドプレートを含む異なるスキッドプレートを収容するための切り欠き29cを含み、補助部材を装着するために補強ガゼットが設けられている。切り欠き29cは、ガゼットまたは同様の構造体を収容することができる。また、本スキッドプレート20は、図10図11に示すように、同様の補助部材50を装着するための同様のガゼット42を含むことができる。
【0038】
あるいは、摩耗部材28を固定する他の方法も考えられる。例えば、米国特許第9,133,599号に記載されているように、ベースプレート22の底部はダブテールの凹部または突起等を有することができ、摩耗部材28の上面は相補的なダブテールの突起または凹部を有することができ、これを横方向(前後方向FAに対して垂直)にスライドさせることによって、摩耗部材をベース部材に取り付けることができ、締まり嵌めで保持することができる。また、ねじを用いて、摩耗部材が横に滑らないようにすることもできる。
【0039】
図10図11の実施形態は、前述の実施形態を使用することができる。この実施形態は、米国特許第9,133,599号に開示されているのと同様に、補助部材として、スキッド装置20Aに取り付けられた延長棒またはアクセサリ部材50を使用することができる。具体的には、本実施形態におけるスキッド装置20Aは、停止部材26と同様に、先端部22aを補強するアクセサリマウント40を含む。アクセサリマウント40は、例えば厚さ3/8インチの金属プレートまたはガゼット42で形成することができる。しかし、厚さは、スキッド装置20Aのサイズに応じて変化させることができる。ガゼット42は、先端部22aおよび停止部材26に溶接されるか、またはベースプレート22および停止部材26と一体に形成されることができ、これもベースプレート22と一体にすることができる。ガゼット42は、スキッド装置を強化するだけでなく、先端部22aがベース部22bに対して相対的に曲がるのを防止する。
【0040】
図10を参照すると、ガゼット42は、ボルト50B(図11参照)などの留め具を挿入するための穴42aを含み、ガゼット42の上部には、アクセサリ部材50(図11参照)が上方に旋回するのを阻止するための停止部材として機能するガゼット42の頂部の切り欠き42bとを含む。具体的には、ガゼット42は直立壁42dに合致する傾斜壁42cを有し、交差点で切り欠き42bを形成している。また、直立壁42dは、ヨークのアーム部52a間に形成された壁に当接する停止部材として機能するものであり、以下でさらに説明する。
【0041】
バケットの幅よりも長い大きな物品、または大型パイプなどの穴を有する長い物品の支持体として機能することができる少なくとも1つの取り外し可能な補助部材50を、バケットに取り付けられたそれぞれのスキッド装置に取り付けることができ、米国特許第9,133,599号に記載されているのと同様に、その記載は引用により本明細書に組み込まれる。例えば、各補助部材50は、長さ12インチ、正方形1インチの棒などの鋼で形成することができる。補助部材50は、補強部材内に形成された穴を通って延在し、ナット(図示せず)で固定されたボルト50B等を介して接続することができる。この点において、補助部材の近位端は、アクセサリマウント40を跨ぐことができるヨーク構成52を有することができる。ヨーク構造は、その各アーム部52aに、ボルト50B等の留め具の挿入を可能にする穴を有する。図面では、補助部材50を棒状で図示しているが、棒状である必要はない。補助部材50は、ローダーバケットの用途を拡張する物品の運搬の目的に応じて、任意の所望の構成を有することができる。
【0042】
使用時には、少なくとも2つのスキッド装置20、20Aは、各スキッド装置をローダーバケットの先端部上にスライドさせ、ボルト12Bを各スキッド装置20、20Aの底部からスロット22sおよび24sを通して上方に挿入し、使用される場合にはエッジ12を通して、ローダーバケット10内の装着穴の1つを通して、ナット12Nで固定することによって、ローダーバケット10の先端部に沿って間隔を置いて設置される。スキッド装置20、20Aは、ローダーバケット上で緩められ、前後に調整されることにより、停止部材26がエッジプレート12のフロントエッジfeまたはローダーバケット10のフロントエッジ10eに対して確実に静止するようにできる。停止部材26は、バケットのリーディングエッジに対して正方形の位置合わせを確実にし、ナット12Nが緩んだ状態で、トラクタを前方に駆動して、オペレータが対象物に衝突した場合に、ローダーバケットが損傷する可能性を低減する。
【0043】
ローダーバケット10に設置された少なくとも2つのスキッド装置20、20Aを用いることにより、雪、マルチ、および他のそのような資材を、下地の地表をあまり乱さずに移動させることができる。例えば、本開発によって、砂利道路上の雪の移動、またはマルチや伐採した木材を芝生から持ち上げることができる。
【0044】
本開示を考慮すると、当業者であれば、本開発の範囲および精神の範囲内で他の実施形態および変形例が存在し得ることを理解するのであろう。したがって、本開示から本開発の範囲および精神の範囲内で、当業者によって達成可能なすべての変形例は、本開発のさらなる実施形態として含まれるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されるように定義されことになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】