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▶ 畑矢 茂光の特許一覧

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  • 特開-支柱から成る共振部材。 図1
  • 特開-支柱から成る共振部材。 図2
  • 特開-支柱から成る共振部材。 図3
  • 特開-支柱から成る共振部材。 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141556
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】支柱から成る共振部材。
(51)【国際特許分類】
   G10H 3/18 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
G10H3/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021076804
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】597110766
【氏名又は名称】畑矢 茂光
(72)【発明者】
【氏名】畑矢 茂光
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478NN03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯切れのよいアコースティック感と、ハウリングにも強く、より生音に近い音を実感できるピックアップ用センサー取り付け共振部材を提供する。
【解決手段】アコースティックギターなどの弦楽器の構造部であるブリッジ1に設けてあるサドル取り付け溝2の底部より本体表面板3を通し、本体内部に貫通する孔4を設け、孔よりサドル5に直接接触し本体内部に伸びる支柱6を設け、内部側支柱6に共振部材7を取り付ける。同部材7にピックアップ用センサーを取り付ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アコースティックギターなどの弦楽器の構造部であるブリッジ(1)に設けてあるサドル取り付け溝(2)の底部より本体表面板(3)を通し、本体内部に貫通する孔(4)を設け、該孔よりサドル(5)に接触し本体内部に伸びる支柱(6)を設け、該内部側支柱(6)に共振部材(7)を取り付けたことを特徴とした支柱から成る共振部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アコースティックギターなど弦楽器の本体振動を電気信号に変換するピックアップ用センサーの取り付けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アコースティックギターなどの弦楽器に圧電素子などを用いた貼り付け用ピックアップ用センサー(以下「ピックアップ用センサー」と表記する)を使用する場合、楽器本体の共鳴部所に直接貼り付けて使用していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、次のような弱点があった。
ピックアップ用センサーは、楽器本体の共鳴振動を直接拾って出力されているため、全体的なアコースティックは感じられるが、弦音とのバランス感が弱く、貼り付ける箇所により音感が変化し、好みの音作りが難しかった。
更に、共鳴部所に直接貼り付けているためハウリングに弱かった。
そこで、これらの問題点を解決するために、歯切れのよいアコースティック感と、ハウリングにも強く、より生音に近い音を実感できるピックアップ用センサー取り付け共振部材を提供するものである。
【課題を解決しようとする手段】
【0004】
上記の課題を解決するため
1.アコースティックギターなどの弦楽器の構造部であるブリッジ(1)に設けてあるサドル取り付け溝(2)の底部より本体表面板(3)を通し、本体内部に貫通する孔(4)を設ける。
2.孔よりサドル(5)に直接接触し本体内部に伸びる支柱(6)を設ける。
3.本体内部側支柱(6)に共振部材(7)を取り付ける。
4.共振部材(7)にピックアップ用センサーを取り付ける。
尚、共振部材(7)はピックアップ用センサー(8)の取り付け台の役割も担っている。
更に、共振部材(7)及び支柱(6)は材質、形状などを変える事により、音質調整機能の役割も兼ね備えている。
【0005】
また、▲1▼孔(4)の大きさ、形状は丸穴、角穴、多角穴と特段定めてはいない。
▲2▼支柱(6)は孔(4)の形状に合わせ、長さは音質、スペースとの兼ね合いで調整すればよい。
▲3▼共振部材(7)の形状はピックアップ用センサー(8)に合わせ、平板状、円板状、半球状と大きさ、形は自由に加工すればよい。
▲4▼支柱(6)と共振部材(7)は、材質は振動を伝えるものなら何でもよいが、楽器用材として使用されている、スプルース、ローズウッド、エボニーなどが適材であると感じるられる。
▲5▼ピックアップ用センサー(8)の取り付け方は、共振部材(7)からの振動を拾う事が目的なので、両面テープでの貼り付け、接着剤での固定など自由に取り付ける事が出来るため、特段定めてはいない。
▲6▼支柱(6)から成る共振部材(7)は一箇所でもよいが、複数箇所設けても構わない。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、次のような効果が生じた。
1.サドルからの弦振動と表面板の共鳴振動を共に拾うためアコースティック感と弦音とのバランス感が格段に向上した。
2.生音に通じるナチュラル感が更に向上した。
3.ハウリングにも強くなり、低コストでクオリティの高い音質を提供できる。
4.支柱及び共振部材の材質、形状などにより音作りの自由度が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態を図1~4の実施例に基づいて説明する。
1.ブリッジ(1)に設けてあるサドル取り付け溝(2)底部から本体表面板(3)を通し本体内部に貫通する直径3mmの孔(4)を設ける。(図2-a)
2.サドル(5)を正しく取り付けた状態で、長さ5cm、直径3mmの丸棒に加工した支柱(6)を内部側に貫通している孔(4)よりサドル底部に直接接触するように挿入し固定する。(図2-b-c)
3.本体内部側に出ている支柱(6)にピックアップ用センサー(8)の大きさに合わせた直径3cm厚さ3mmの円板状に加工した共振部材(7)を接着剤で圧着固定する。
図2-b-c)
4.共振部材(7)のピックアップ用センサー(8)取り付け面をなめらかに仕上げ、接着剤で圧着固定する。(図4
5.ピックアップ用センサー(8)はムラタ圧電振動板7BB-27-4LOを使用した。
6.支柱(6)から成る共振部材(7)の取り付け箇所は、音質調整の利便性を考慮し、3カ所設けた。(図3
7.材質は、支柱(6)にスプルース材、共振部材(7)にはローズウッド材を使用した。
【0008】
本発明は以上のような構造で次のような作用をしている。
一般的にピックアップ用センサー(8)は楽器本体に貼り付けて使用していますが、楽器本体の、どの箇所に貼り付けても共鳴している面振動を直接、ピックアップ用センサー(8)で受振する取付け方であり、それに対し本発明は、サドル(5)からの直接振動と本体表面板(3)からの面振動を支柱(6)を介し、縦軸振動として共振部材(7)に伝え、その振動を共振部材(7)に取り付けたピックアップ用センサー(8)で受振しているという所が大きな相違点となります
【0009】
これにより、出力される音響信号は前記載の通り著しく改善されます。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の断面個所を示す斜視図である。
図2】(a)は本発明の取り付け位置を示す上面図である。(b)は図1のA―B線の断面図である (c)は図1のC―D線の断面図である
図3】本発明の本体表面裏側からの実施図である
図4】ピックアップ用センサーの取り付け図である
【符号の説明】
【0011】
1.ブリッジ
2.サドル取り付け溝
3.本体表面板
4.孔
5.サドル
6.支柱
7.共振部材
8.ピックアップ用センサー
図1
図2
図3
図4