(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141562
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】音楽タグ対話システム及びその対話方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20220921BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20220921BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20220921BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G06K7/10 100
H04B5/02
G06K7/00 004
G06K7/10 300
G06K19/07 240
G06K19/07 280
G06K19/07 090
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084940
(22)【出願日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】110109180
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514031983
【氏名又は名称】凌通科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Generalplus Technology Inc.
【住所又は居所原語表記】No.19,Industry E.Rd.IV,Hsinchu Science Park,Hsinchu City 30077,Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】羅立聲
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AB02
5K012AC01
5K012AC08
5K012AC10
(57)【要約】
【課題】音楽タグ対話システム及びその対話方法を提供する。
【解決手段】音楽タグ対話システムは2つの伝送チャンネルを備え、1つは磁場により識別コードを識別し、音楽タグを制御する磁場伝送チャンネルであり、もう1つは光線によりアナログオーディオ信号を対話型音楽タグ読み取り装置に伝送する光線伝送チャンネルである。本発明は声音チャンネル及び通信チャンネルを分離することで、全二重通信の目的を達成している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話型音楽タグと、
対話型音楽タグ読み取り装置と、を備え、
前記対話型音楽タグは、
第一端及び第二端を含むLC共振回路と、
前記LC共振回路の第一端及び第二端に接続されているマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに接続され、アナログ光信号を出力するために用いられている光出力回路と、を含み、
前記対話型音楽タグ読み取り装置は、
前記対話型音楽タグにワイヤレスエネルギーを提供し、前記対話型音楽タグから伝送された磁場信号を読み取るためのコイルと、
前記アナログ光信号を受信し、それをアナログ声音電気信号に変換するための光受信装置と、
前記コイル及び前記光受信装置に接続され、前記コイルが送信する前記ワイヤレスエネルギーの制御に用いられている制御回路と、を具備し、
前記対話型音楽タグが前記対話型音楽タグ読み取り装置に接近すると、前記LC共振回路が前記対話型音楽タグ読み取り装置から送信された前記ワイヤレスエネルギーを受信し、前記マイクロプロセッサを起動させ、
前記マイクロプロセッサは保存された声音データに基づいて、前記マイクロプロセッサから出力されるアナログオーディオ信号を前記光出力回路に送信し、前記光出力回路は前記アナログオーディオ信号の大きさに基づいて前記アナログ光信号の強度を決定し、且つ前記アナログオーディオ信号の周波数に基づいて前記アナログ光信号の周波数を決定し、
前記対話型音楽タグ読み取り装置は前記ワイヤレスエネルギー中に制御信号を挿入し、前記マイクロプロセッサは前記諧振電路の第一端または第二端のうちの一端により前記ワイヤレスエネルギーを受信し、前記制御信号を復号すると共に前記制御信号に基づいて前記アナログ光信号の出力状態を制御することを特徴とする音楽タグ対話システム。
【請求項2】
前記光出力回路は赤外線発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項3】
前記出力状態は再生、停止、早送り、早戻し、一時停止、及び2倍速再生を含むことを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項4】
前記LC共振回路は、
第一端及び第二端を含み、第一端は前記LC共振回路の第一端に接続され、
第二端は前記LC共振回路の第二端に接続されているインダクタンスと、第一端及び第二端を含み、第一端は前記LC共振回路の第一端に接続され、第二端は前記LC共振回路の第二端に接続されているキャパシタと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項5】
前記光受信装置は赤外線フォトダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項6】
前記音楽タグ対話システムは第二対話型音楽タグをさらに備え、前記第二対話型音楽タグは、
第一端及び第二端を含む第二LC共振回路と、
前記第二LC共振回路の第一端及び第二端に接続されている第二マイクロプロセッサと、
前記第二マイクロプロセッサに接続され、第二アナログ光信号を出力するための第二光出力回路と、を備え、
前記第二対話型音楽タグが前記対話型音楽タグ読み取り装置に接近すると、前記第二LC共振回路が前記対話型音楽タグ読み取り装置から送信された前記ワイヤレスエネルギーを受信し、前記第二マイクロプロセッサを起動させ、
その後、前記第二マイクロプロセッサが保存された声音データに基づいて前記第二マイクロプロセッサから出力されるアナログオーディオ信号を前記第二光出力回路に送信し、前記第二光出力回路は前記アナログオーディオ信号の大きさに基づいて前記第二アナログ光信号の強度を決定し、且つ前記アナログオーディオ信号の周波数に基づいて前記第二アナログ光信号の周波数を決定することを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項7】
前記対話型音楽タグ読み取り装置は、
前記第二アナログ光信号を受信するための第二光受信装置をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項8】
前記光受信装置は光学データ信号をさらに出力するために用いられ、前記対話型音楽タグ読み取り装置は、
前記光受信装置に接続され、帯域通過を行うためのバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタに接続され、前記光学データ信号を復号するためのデコーダーと、をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項9】
前記光学データ信号を復号化したデータはイベントデータ及びオーディオ状態を含むことを特徴とする請求項8に記載の音楽タグ対話システム。
【請求項10】
少なくとも1つの対話型音楽タグ及び対話型音楽タグ読み取り装置に適用する音楽タグ対話方法であって、
前記対話型音楽タグが前記対話型音楽タグ読み取り装置に接近すると、
ワイヤレスエネルギーを前記対話型音楽タグに出力し、前記対話型音楽タグを起動するステップと、
保存された声音データに基づいて前記対話型音楽タグ読み取り装置の光受信装置にアナログ光信号を出力し、アナログ光信号をアナログ声音電気信号に変換するステップと、
前記対話型音楽タグ読み取り装置が前記対話型音楽タグに対し出力制御を行った場合、前記ワイヤレスエネルギー中に制御信号を挿入するステップと、
前記対話型音楽タグ装置が前記対話型音楽タグのLC共振回路により前記ワイヤレスエネルギーを受信すると、
前記ワイヤレスエネルギーに対する復号化を行って前記制御信号を復号するステップと、
前記制御信号に基づいて前記アナログ光信号の出力状態を制御するステップと、を含むことを特徴とする音楽タグ対話方法。
【請求項11】
前記出力状態は再生、停止、早送り、早戻し、一時停止、及び2倍速再生を含むことを特徴とする請求項10に記載の音楽タグ対話方法。
【請求項12】
前記LC共振回路は、
第一端及び第二端を含み、前記インダクタンスの第一端は前記LC共振回路の第一端に接続され、前記インダクタンスの第二端は前記LC共振回路の第二端に接続されているインダクタンスと、
第一端及び第二端を含み、前記キャパシタの第一端は前記LC共振回路の第一端に接続され、前記キャパシタの第二端は前記LC共振回路の第二端に接続されているキャパシタと、を備えていることを特徴とする請求項10に記載の音楽タグ対話方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数の分野に関し、より詳しくは、音楽タグ対話システム及びその対話方法(interactive music tag system and an interactive method thereof)に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の無線周波数識別タグ回路を示す回路図である。
図1に示すように、コイルLrは外部の磁場を感知して振動を発生させ、ブリッジ整流によりマイクロプロセッサ100に電源を供給し、マイクロプロセッサ100が出力ポートDoutによりコイルLr及びキャパシタCrの共振回路に信号をロードし、相互誘導により読み取り装置にデータを返信する。
【0003】
コストの低下に伴ってより多くの無線周波数識別(Radio Frequency Identification、RFID)技術が消費及び玩具分野で使用されるようになっている。読み取り装置(Reader)のコスト及び量産を考慮し、玩具分野では125KHzの無線周波数識別技術がよく見受けられる。デジタルワイヤレス伝送の観点から見ると、音声データを伝送する場合、マルチタグ(Multi-Tag)操作も必要であり、基本的にはデータレート(Data Rate)が速くなければ伝送エラー、データの流失、通信コリジョン等の問題を処理できなかった。
【0004】
EM4100/4200 互換仕様では、データレート(Data Rate)は約125KHz/16 = 7.8125Kbpsであり、よって搬送波周波数が低く、データレートが上がりにくかった。このような速度ではオーディオデータ(Audio Data)を伝送するには不足であった。また、複数の無線周波数識別タグ(Tag)が存在する場合、通信コリジョン(Collision)問題を処理するために、有効データレートがさらに低下した。
【0005】
従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1にはワイヤレス音楽タグ技術が記載されている。特許文献1では、タグはアナログ音波のみを伝送し、声音を一方向に受信端に伝送することで上述のレート不足の問題を解決し、同時に複数の声音を伝送してミキシングを行っている。しかしながら、アナログ声音を持続的に間断なく伝送すると、ユーザーが上述の音楽タグから伝送された声音に対する制御を行えなくなった。
【0006】
同様に、例えば、下記特許文献2の音楽タグ対話システム及びその対話方法には、アナログ声音を伝送する対話型音楽タグという記載がある。この技術は磁場をチャンネルとして利用し、声音及び制御命令を伝送する。声音及び制御命令が磁場チャンネルを使用するため、同時に並行して伝送することができず、時分割多重化技術が必要であった。さらに広く応用するような場合、例えば、複数の音楽タグが同時に存在する場合、コリジョン問題がさらに存在し、通信が占める時間が増加し、声音の伝送時間がさらに短くなった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】台湾登録実用新案第542893号明細書
【特許文献2】台湾登録実用新案第108107753号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0009】
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、音楽タグ対話システム及びその対話方法を提供することを目的とする。換言すれば、音楽タグに光学伝送チャンネルを追加し、アナログ声音を光電効果により音楽タグ読み取り端に伝送する。制御部分と音楽部分のチャンネルを分離する。これにより、読み取り端が音楽タグ端に対し再生、一時停止、停止、連続再生、戻る、進む等の制御を行う。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の音楽タグ対話システムは、対話型音楽タグ及び対話型音楽タグ読み取り装置を備えている。対話型音楽タグはLC共振回路と、マイクロプロセッサと、光出力回路と、を含む。LC共振回路は第一端及び第二端を含む。マイクロプロセッサはLC共振回路の第一端及び第二端に接続されている。光出力回路はマイクロプロセッサに接続され、アナログ光信号を出力するために用いられている。対話型音楽タグ読み取り装置は、コイルと、光受信装置と、制御回路と、を備えている。コイルは前記対話型音楽タグにワイヤレスエネルギーを供給し、前記対話型音楽タグから伝送された信号を読み取るために用いられている。光受信装置は上述のアナログ光信号を受信し、アナログ声音電気信号に変換する。制御回路はコイル及び光受信装置に接続され、コイルから送信されるワイヤレスエネルギーの制御に用いられている。対話型音楽タグが対話型音楽タグ読み取り装置に接近すると、LC共振回路が対話型音楽タグ読み取り装置から送信されたワイヤレスエネルギーを受信し、マイクロプロセッサを起動させる。マイクロプロセッサは保存された声音データに基づいてアナログオーディオ信号を光出力回路に出力し、光出力回路はアナログオーディオ信号の大きさに基づいてアナログ光信号の強度を決定し、且つアナログオーディオ信号の周波数に基づいてアナログ光信号の周波数を決定する。対話型音楽タグ読み取り装置はワイヤレスエネルギー中に制御信号を挿入し、マイクロプロセッサは前記共振回路の第一端または第二端のうちの一端によりワイヤレスエネルギーを受信し、制御信号を復号し、且つ制御信号に基づいてアナログ光信号の出力状態を制御する。
【0011】
本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムにおいては、上述の光出力回路は赤外線発光ダイオードである。
【0012】
本発明の好適例において、上述の出力状態は再生、停止、早送り、早戻し、一時停止、及び2倍速再生を含む。
【0013】
本発明の好適例において、上述の光受信装置は赤外線フォトダイオードである。
【0014】
本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムにおいては、上述のLC共振回路はインダクタンス及びキャパシタを備えている。インダクタンスの第一端はLC共振回路の第一端に接続され、インダクタンスの第二端はLC共振回路の第二端に接続されている。キャパシタの第一端はLC共振回路の第一端に接続され、キャパシタの第二端はLC共振回路の第二端に接続されている。
【0015】
また、本発明の他の態様は音楽タグ対話方法である。前記方法は少なくとも1つの対話型音楽タグ及び対話型音楽タグ読み取り装置に適用し、前記音楽タグ対話方法は、前記対話型音楽タグが前記対話型音楽タグ読み取り装置に接近した場合、前記対話型音楽タグにワイヤレスエネルギーを出力して前記対話型音楽タグを起動するステップと、保存された声音データに基づいて前記対話型音楽タグ読み取り装置の光受信装置にアナログ光信号を出力し、アナログ光信号をアナログ声音電気信号に変換するステップと、前記対話型音楽タグ読み取り装置が前記対話型音楽タグに対して出力制御を行った場合、前記ワイヤレスエネルギー中に制御信号を挿入するステップと、前記対話型音楽タグ装置が前記対話型音楽タグのLC共振回路により前記ワイヤレスエネルギーを受信すると、前記ワイヤレスエネルギーに対し復号化を行って前記制御信号を復号するステップと、前記制御信号に基づいて前記アナログ光信号の出力状態を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の精神は、タグ中に光学チャンネルの伝送メカニズムを追加し、光学チャンネルによりアナログオーディオ信号を伝送し、タグ識別及び制御信号部分は磁場チャンネルにより伝送する。よって、読み取り端は音楽タグに命令を与え、音楽タグは復号化によって命令を獲得して出力するアナログ音楽信号に反映する。これにより、音楽タグ読み取り装置及び音楽タグの両者の操作を達成し、両者の対話性をさらに高める。
【0017】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来の無線周波数識別タグ回路の一実施形態を示す回路図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムを示す概略回路図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムの対話型音楽タグ20を示す概略回路図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムが複数の対話型音楽タグを具備する概略構成図である。
【
図5】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムが複数の対話型音楽タグを具備する概略構成図である。
【
図6】本発明の好ましい実施例に係るオーディオミキシング回路を示す回路図である。
【
図7】本発明の好ましい実施例に係るオーディオミキシング回路を示す回路図である。
【
図8】本発明の好ましい実施例に係る光チャネルを使用しマルチチャネル通信(Multi-channel communication)を行う概略回路図である。
【
図9】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話方法の対話型音楽タグ読み取り装置を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話方法の対話型音楽タグを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0020】
図2は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムを示す概略回路図である。この音楽タグ対話システムは対話型音楽タグ20及び対話型音楽タグ読み取り装置21を備えている。対話型音楽タグ読み取り装置21はコイル211と、光受信装置212と、制御回路213と、を含む。対話型音楽タグ20は信号を伝送する2つのチャンネルを有し、それぞれ磁場信号を伝送するための共振コイル201及びアナログオーディオ信号を伝送するための光出力回路202である。光出力回路202の好ましい実施方式は、赤外線発光ダイオード(IR LED)で実施することであることが分かる。本発明が属する技術分野で通常知識を有する者ならば、通常発光ダイオードを本発明の実施例とする。但し、好ましい本実施例では、赤外線は不可視であるため、一般的なユーザーに干渉することはない。よって、本発明はこれに限られない。同様に、この実施例において、光受信装置212の好ましい実施方式は、赤外線フォトダイオード受信機(IR Photo-Diode)で実施する。しかしながら、本発明が属する技術分野で通常知識を有する者ならば、通常はダイオード受信機を本発明の実施例とすることが可能であることが分かる。そこで、この発明が限定されるものではない。
【0021】
図3は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムの対話型音楽タグ20を示す概略回路図である。対話型音楽タグ20はLC共振回路300と、マイクロプロセッサ301と、光出力回路202と、を備えている。LC共振回路300は共振コイル201及び共振コンデンサ302で構成されている。マイクロプロセッサ301はLC共振回路300の両端に接続され、LC共振回路300からエネルギーを受信するために用いられている。光出力回路202はマイクロプロセッサ301に接続されている。
【0022】
図2と
図3を参照すれば、コイル211は対話型音楽タグ20にワイヤレスエネルギーを供給するために用いられている。対話型音楽タグ20が対話型音楽タグ読み取り装置21に接近すると、LC共振回路300が対話型音楽タグ読み取り装置から送信されたワイヤレスエネルギーを受信し、マイクロプロセッサ301を起動させる。マイクロプロセッサ301が起動された後、LC共振回路300の制御を開始し、磁場信号によりタグの識別コード(RFID)を送信する。対話型音楽タグ読み取り装置21は対話型音楽タグ20の識別コード(RFID)を受信した後、コイル211から出力されたワイヤレスエネルギー中に制御信号を挿入して対話型音楽タグ20に音楽を出力するように要求する。対話型音楽タグ20のマイクロプロセッサ301がLC共振回路300により受信したワイヤレスエネルギーから制御信号の命令を復号した場合、マイクロプロセッサ301はその内部に保存された声音データに基づいて、マイクロプロセッサ301の音楽出力ポート(AUDN)からアナログオーディオ信号を光出力回路(この実施例では赤外線発光ダイオード)202に出力し、光出力回路202はアナログオーディオ信号の大きさに基づいてアナログ光信号の強度を決定し、且つアナログオーディオ信号の周波数に基づいてアナログ光信号の周波数を決定する。
【0023】
この際、対話型音楽タグ読み取り装置21は光受信装置(この実施例では赤外線フォトダイオード受信機)212からアナログ光信号を受信し、光電効果によりアナログ光信号をアナログ声音電気信号に変換する。増幅器により増幅した後、制御回路213は声音再生装置214により増幅後のアナログ声音電気信号を再生する。
【0024】
対話型音楽タグ読み取り装置21から出力された制御信号は対話型音楽タグ20が出力するアナログ光信号のアナログ音楽を制御する以外、再生、停止、早送り、早戻し、一時停止、2倍速再生等を含む対話型音楽タグ20のアナログ光信号の出力状態をさらに制御する。音楽の再生制御は全てタグ上で行うため、対話型音楽タグ読み取り装置21は受信したアナログ音楽のアナログデジタル変換及び一時保存を行う必要がない。
【0025】
上述の実施例は単一の対話型音楽タグ20を例としているが、本発明が属する技術分野で通常知識を有する者ならば、本願は複数の対話型音楽タグ20の例にも適用可能であることが分かる。
図4は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムが複数の対話型音楽タグを具備する概略構成図である。本実施例では、各対話型音楽タグ401~403を全て1つの赤外線発光ダイオードとして示し、対話型音楽タグ読み取り装置21は赤外線フォトダイオード受信機404として示す。対話型音楽タグ401~403から出力されたアナログ光信号IR1~IR3は光線に直接重畳(ミキシング)するため、この実施例においては、対話型音楽タグ読み取り装置21は1組の増幅器により上述の3つの対話型音楽タグ401~403から出力されたアナログ光信号IR1~IR3をアナログオーディオ信号に変換し、別途ミキシングを行う必要がない。
【0026】
また、上述の実施例では、対話型音楽タグ401~403として1つの赤外線発光ダイオードのみ図示するが、本発明が属する技術分野で通常知識を有する者ならば、
図2及び
図3の実施例を参照した後、対話型音楽タグ401~403の回路及び動作が
図2及び
図3と同じまたは類似していることが分かるため、本発明はこれに制限しない。
【0027】
図5は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話システムが複数の対話型音楽タグを具備する概略構成図である。
図4と
図5を参照すれば、
図5と
図4との差異は、対話型音楽タグ読み取り装置21が3つの対話型音楽タグ401~403に対応している3つの赤外線フォトダイオード受信機501~503を備えている点である。よって、この実施例では、アナログ光信号IR1~IR3が3つのアナログオーディオ信号AUD1~AUD3に変換されている。このため、3つの赤外線フォトダイオード受信機501~503に対応する3つの増幅器が必要であり、且つ回路でミキシングを行わねばならない。ミキシングは通常のアナログ加算回路を使用してもよく(
図6参照)、
図6は本発明の好ましい実施例に係るオーディオミキシング回路を示す回路図である。この回路では1つの増幅器6に抵抗器R1~R6及びキャパシタC1を組み合わせて構成されている三方ミキシング回路を利用している。
【0028】
図7は本発明の好ましい実施例に係るオーディオミキシング回路を示す回路図である。本実施例では、2つのデュアルキャリアトランジスタQ1、Q2及び抵抗器R1~R6で構成されている増幅器OP1、OP2により赤外線フォトダイオード受信機701、702が受信した信号に対しそれぞれ増幅を行い、且つ増幅器OP1、OPの出力端は全てACIN端点に接続されている。これにより、赤外線フォトダイオード受信機701、702が受信した声音に対し回路でミキシングを行う。
【0029】
上述の実施例から分かるように、本願で採用する光信号は全てアナログ信号であり、アナログ信号を重畳することは、回路の処理としてはデジタル信号よりも簡単であり。
図4に示すように、同じ1つの赤外線フォトダイオード受信機またはフォトトランジスタを共用し、光線端を重畳した後、光電変換を行う。
図5に示すように、複数の赤外線フォトダイオード受信機またはフォトトランジスタを使用し、まず光電変換を行ってから電気信号を重畳してもよい。電気信号の重畳は
図6または
図7に示すように実施する。
【0030】
図8は本発明の好ましい実施例に係る光チャネルを使用しマルチチャネル通信(Multi-channel communication)を行う概略回路図である。先行技術では、無線周波数識別タグ(RFID)を使用する場合、通常複数組のタグが同時に存在する。従来の無線周波数識別タグ通信では、多くが振幅偏移変調(Amplitude Shift Keying、ASK)を採用し、通信コリジョンが発生した場合、ALOHA(Additive Link On-line HAwaii System)通信プロトコルのようなコリジョン防止対処メカニズムが必要である。しかしながら、この音楽タグの実施例では、第二の通信チャンネルである「光」により声音を伝送するため、元々あった磁場通信に加えて声音通信もさらに提供している。声音は異なる周波数により、複数組のチャンネルに分割して異なるタグに使用する。例えば、声音は16KHz以下の周波数帯を占め、通信は16KHz以上の周波数帯を使用し、受信端はBPFにより信号に必要な周波数帯を取り出し、復号化を行う。これにより、元々あった磁場周波数帯により共用信号を再生(broadcast)するほか、各声音周波数帯はイベント(event)、声音状態(audio status)等の前記タグの特有の信号を各自伝送する。
【0031】
図9は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話方法の対話型音楽タグ読み取り装置を示すフローチャートである。この音楽タグ対話方法は下記ステップを含む。
ステップS901:開始。
ステップS902:ワイヤレスエネルギーを前記対話型音楽タグに出力し、対話型音楽タグを起動する。
ステップS903:対話型音楽タグから伝送された無線周波数信号を受信する。
ステップS904:上述の無線周波数信号を復号し、対話型音楽タグのタグ識別コードを獲得する。
ステップS905:ユーザーが命令を入力したかどうかを判断し、一般的には、対話型音楽タグ読み取り装置に再生ボタン、一時停止ボタン、早送りボタン、早戻しボタン、停止ボタン、倍速再生ボタン等のボタンを配置する。
ステップS906:上述の入力された命令に基づいて、ワイヤレスエネルギー中に命令コードをロードする。
【0032】
図10は本発明の好ましい実施例に係る音楽タグ対話方法の対話型音楽タグを示すフローチャートである。この音楽タグ対話方法は下記ステップを含む。
ステップS1001:開始。
ステップS1002:ワイヤレスエネルギーを受信する。このワイヤレスエネルギーは一般的には対話型音楽タグ読み取り装置から伝送された電磁エネルギーである。
ステップS1003:アナログ光信号を前記対話型音楽タグ読み取り装置に出力する。
ステップS1004:ワイヤレスエネルギー中に制御信号があるかどうか判断する。制御信号が送信されていない場合、判断を継続する。制御信号が送信されている場合、ステップS1005を実行する。
ステップS1005:ワイヤレスエネルギーに対し復号化を行い、前記制御信号を復号する。
ステップS1006:前記制御信号に基づいて、前記アナログ光信号の出力状態を制御する。
【0033】
例えば、再生、一時停止、早送り、早戻し、停止、2倍速再生、3倍速再生等の命令である。一例を挙げると、「一時停止」命令を受けると、アナログ光信号の出力を一時停止する。また、「2倍速再生」命令を受けた場合、アナログ音楽の2倍の速度でアナログ光信号を出力する。これにより、録音テープを制御するように無線周波数識別音楽タグを制御し、音楽タグが出力する信号は全てアナログ信号であり、よって、受信端にはいかなる一時保存装置も必要なく、上述の命令を実行可能である。完了後にはステップS1004に戻って判断を継続する。
【0034】
上述のように、本発明の精神は、タグ中に光学チャンネルの伝送メカニズムを追加し、光学チャンネルによりアナログオーディオ信号を伝送し、タグ識別及び制御信号部分は磁場チャンネルにより伝送する。よって、読み取り端は音楽タグに命令を送信し、音楽タグは復号することで命令を獲得して出力されたアナログ音楽信号に反映する。これにより、音楽タグ読み取り装置及び音楽タグの両者の操作性を達成し、両者の対話性をさらに高める。
【0035】
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0036】
Lr コイル
100 マイクロプロセッサ
Dout 出力ポート
Cr キャパシタ
20 対話型音楽タグ
201 共振コイル
202 光出力回路
21 対話型音楽タグ読み取り装置
211 コイル
212 光受信装置
213 制御回路
215 増幅器
214 声音再生装置
300 LC共振回路
301 マイクロプロセッサ
302 共振コンデンサ
AUDN マイクロプロセッサ301の音楽出力ポート
OP1 増幅器
OP2 増幅器
401 対話型音楽タグ
402 対話型音楽タグ
403 対話型音楽タグ
404 赤外線フォトダイオード受信機
501 赤外線フォトダイオード受信機
502 赤外線フォトダイオード受信機
503 赤外線フォトダイオード受信機
IR1 アナログ光信号
IR2 アナログ光信号
IR3 アナログ光信号
AUD1 アナログオーディオ信号
AUD2 アナログオーディオ信号
AUD3 アナログオーディオ信号
60 増幅器
R1 抵抗器
R2 抵抗器
R3 抵抗器
R4 抵抗器
R5 抵抗器
R6 抵抗器
C1 キャパシタ
Q1、Q2 デュアルキャリアトランジスタ
ACIN 端点
S901 ステップ
S902 ステップ
S903 ステップ
S904 ステップ
S905 ステップ
S906 ステップ
S1001 ステップ
S1002 ステップ
S1003 ステップ
S1004 ステップ
S1005 ステップ
S1006 ステップ