(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141606
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】詰め物構造物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D06M 11/74 20060101AFI20220921BHJP
A47G 9/02 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
D06M11/74
A47G9/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022038781
(22)【出願日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】110109209
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521403557
【氏名又は名称】天辰創新材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Tianchen Innovative Materials Technology Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100226263
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 未来生
(72)【発明者】
【氏名】麥 ▲ユ▼紳
(72)【発明者】
【氏名】古 莞霖
(72)【発明者】
【氏名】李 克森
【テーマコード(参考)】
3B102
4L031
【Fターム(参考)】
3B102BA02
3B102BA04
3B102BA08
3B102BA11
4L031AA06
4L031AB01
4L031BA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】暖め能力及び熱エネルギー蓄積量を向上させる機能を持たせた詰め物構造物、および詰め物構造物の製造方法を提供する。
【解決手段】詰め物基材110とカーボン層120とを備える詰め物構造物100が提供される。カーボン層120は、詰め物基材110の表面に直接取り付けられている。カーボン層120は、不規則な形状をしており、このカーボン層120が、赤外線を放射するように構成されている。詰め物構造物の製造方法も提供される。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する詰め物基材と、
前記表面に直接取り付けられ、不規則な形状をしており、赤外線を放射するように構成されたカーボン層と
を備える詰め物構造物。
【請求項2】
前記詰め物基材は、羽毛、化学繊維、又は天然コットンを含み、
前記カーボン層は、グラフェン、カーボンナノチューブ、竹炭、又はグラファイトを含む請求項1に記載の詰め物構造物。
【請求項3】
前記詰め物基材は、羽毛であり、
前記カーボン層は、グラフェンである請求項2に記載の詰め物構造物。
【請求項4】
前記詰め物基材に対する前記カーボン層の重量比は、0.1%以上100%以下である請求項1に記載の詰め物構造物。
【請求項5】
樹脂材料層を有しない請求項1に記載の詰め物構造物。
【請求項6】
前記カーボン層は、少なくとも2つの部分を含み、
前記少なくとも2つの部分は、異なる大きさである請求項1に記載の詰め物構造物。
【請求項7】
前記少なくとも2つの部分は、異なる不規則な形状である請求項6に記載の詰め物構造物。
【請求項8】
前記カーボン層は、複数の部分を含み、
前記複数の部分は、前記表面に不規則に分布する請求項1に記載の詰め物構造物。
【請求項9】
前記複数の部分は、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を少なくとも含み、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の距離は、前記第2の部分と前記第3の部分との間の距離と異なる請求項8に記載の詰め物構造物。
【請求項10】
カーボン材料を含む第1の溶液を提供し、
前記第1の溶液に詰め物及び水を追加して第2の溶液を形成し、
前記第2の溶液を攪拌し、
前記第2の溶液の詰め物を乾燥させる、詰め物構造物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物及びその製造方法に関し、特に詰め物構造物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、製品には詰め物が使われることが多く、製品の求められる機能に応じて対応する詰め物が選択される。例えば、羽毛は、保温性を高めるために、寝具又は衣料品などの詰め物としてよく使われる。詰め物に対する改良は、製品の経済的価値を高めるために、更に行われている。このように、詰め物の改良と開発は、当業者にとって共通の目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製品には、様々な機能を果たすために詰め物が使われることが多く、結果として得られる製品の経済的価値に詰め物が影響を与え得る。
【0004】
本発明は、それが加工された結果として得られる製品の経済的価値を向上させる詰め物構造物及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の詰め物構造物は、詰め物基材とカーボン層とを備える。前記カーボン層は、前記詰め物基材の表面に直接取り付けられている。前記カーボン層は、不規則な形状をしており、このカーボン層が、赤外線(IR)を放射するように構成されている。
【0006】
本発明の一実施形態では、前記詰め物基材は、鳥の羽、ステープルファイバー、化学繊維、又は天然コットンを含み、前記カーボン層は、グラフェン、カーボンナノチューブ、竹炭、又はグラファイトを含む。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記詰め物基材は、羽毛であり、前記カーボン層は、グラフェンである。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記詰め物基材に対する前記カーボン層の重量比は、0.1%以上100%以下である。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記詰め物構造物は、樹脂材料層を有しない。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記カーボン層は、少なくとも2つの部分を含み、前記少なくとも2つの部分は、異なる大きさである。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも2つの部分は、異なる不規則な形状である。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記カーボン層は、複数の部分を含み、前記複数の部分は、前記表面に不規則に分布する。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記複数の部分は、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を少なくとも含む。前記第1の部分と前記第2の部分との間の距離は、前記第2の部分と前記第3の部分との間の距離と異なる。
【0014】
詰め物構造物の製造方法は、少なくとも以下の工程を含む。カーボン材料を含む第1の溶液を提供する。第2の溶液を形成するために、前記第1の溶液に詰め物及び水を追加する。前記第2の溶液を撹拌する。前記第2の溶液中の詰め物を乾燥させる。
【発明の効果】
【0015】
以上のことから、本発明の詰め物構造物は、詰め物基材の表面に赤外線を放射し得るカーボン層を構成する設計により、暖め能力及び熱エネルギー蓄積量を向上させる機能を詰め物構造物に持たせ得るものであり、これによって、詰め物構造物が加工された結果として得られる製品の経済的価値を高めることができる。
【0016】
上述したことをより理解しやすくするために、図面付きの幾つかの実施形態について、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の概略部分断面図である。
【
図1B】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【
図1C】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【
図1D】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物とカーボン層なしの詰め物構造物との、暖め能力及び熱エネルギー蓄積量のテストを受けたときの関係を示す図である。
【
図2A】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法の一部の概略図である。
【
図2B】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法の一部の概略図である。
【
図2C】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法の一部の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
なお、分かりやすくするために、
図1A、及び
図2Aから
図2Cの各構成要素は、正確な縮尺では描いていない。また、図面に示している内容は、実際の製品タイプではなく、概略的な図示にすぎない。
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するために参照番号を付し、説明には図面を添える。分かりやすくするために、不要な構成要素は可能な限り省略する。
【0020】
本明細書で使用されている方向を示す用語(例えば、上、下、右、左、前、後、頂、底)は、図面の参考用にすぎず、絶対的な向きを意味するものではない。
【0021】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の概略部分断面図である。
図1B及び
図1Cは、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図1Dは、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物とカーボン層なしの詰め物構造物との、暖め能力及び熱エネルギー蓄積量のテストを受けたときの関係を示す図である。
【0022】
図1Aから
図1Dに示すように、本実施形態の詰め物構造物100は、詰め物基材110と、詰め物基材110の表面110aに直接取り付けられたカーボン層120とを備える。さらに、カーボン層120は、不規則な形状をしており、このカーボン層120が、赤外線を放射するように構成されている。したがって、本実施形態の詰め物構造物100は、詰め物基材110の表面110aに赤外線を放射可能なカーボン層120を構成する設計により、熱エネルギー蓄積能力を詰め物構造物100に高めさせ得るものであり、これによって、詰め物構造物100が加工された結果として得られる製品の経済的価値を高めることができる。ここで、不規則な形状とは、例えば、円又は多角形などの規則的な形状でないことをいうが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
幾つかの実施形態において、詰め物基材110は、鳥の羽(例えば、ダウン及び羽毛を含む)、化学繊維(ステープルファイバー)、又は天然コットンを含んでいてもよく、カーボン層120は、グラフェン、カーボンナノチューブ、竹炭、又はグラファイトを含んでいてもよい。例えば、寝具又は衣料品において、詰め物基材110が羽毛であり、カーボン層120がグラフェンである場合、上述の材料(グラフェン)を含む詰め物構造物100は、遠赤外線を放射可能で、抗菌能力及びその他の特性を持つグラフェンにより、高い熱エネルギー蓄積能力(例えば、上述の材料(グラフェン)入りの詰め物構造物100は、量が0.1gから0.15gであれば、国立台湾技術研究開発センターの試験条件において、遠赤外線放射率が0.83に到達可能であるが、本発明はこれに限定されるものではない)と、抗菌機能とを持つことが可能となり、これによって、詰め物構造物100が加工された結果として得られる製品の経済的価値を更に高めることができる。
【0024】
さらに、
図1Dに示すように、本実施形態の詰め物構造物と、カーボン層なしの詰め物構造物とについて、共に周囲温度17℃、サンプル重量0.3g、光源照射距離30cm、光源ワット数400ワット、及び熱撮像装置とサンプルとの距離30cmの条件で、暖め能力及び熱エネルギー蓄積量のテストを実施している。カーボン層なしの詰め物構造物と比較すると、上述の材料(羽毛及びグラフェン)を含む詰め物構造物100は、その熱エネルギー蓄積能力を大幅に向上させ得る。例えば、10分間で少なくとも5℃温度を上昇させ得るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本発明は、詰め物基材110の材料及びカーボン層120の材料を限定するものではない。詰め物基材110の材料及びカーボン層120の材料は、実際の製品設計要件に応じて決定することができる。詰め物構造物が熱エネルギー蓄積能力を向上させる機能を有するように、カーボン層120の材料が赤外線を放射可能なものになっていれば、本発明の保護範囲に入る。
【0025】
幾つかの実施形態では、カーボン層120及び詰め物基材110は、一定の重量比を有していてよい。例えば、詰め物基材110に対するカーボン層120の重量比は、0.1%以上100%以下であってもよい。さらに、詰め物基材110に対するカーボン層120の重量比は、例えば、0.5%以上10%以下であるが、本発明はこれに限定されるものではない。詰め物基材110に対するカーボン層120の重量比は、実際の設計要件に応じて調整することができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、カーボン層120は、少なくとも2つの部分を含んでいてよく、当該少なくとも2つの部分は、異なる大きさである。例えば、
図1Aは、カーボン層120が、第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123を少なくとも含んでもよいことを概略的に示している。第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123は、それぞれ異なる大きさであるが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123のうち、2つの部分が同じ大きさであり、その大きさが残り1つの部分とは異なっていてもよい(図示なし)。
【0027】
幾つかの実施形態では、カーボン層120の少なくとも2つの部分は、異なる不規則な形状である。例えば、
図1Aに示すように、第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123は、全て不規則な形状であり、第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123は、異なる不規則な形状であるが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123のうち、2つの部分が同じ形状であり、その形状が残り1つの部分とは異なっていてもよい(図示なし)。
【0028】
幾つかの実施形態では、カーボン層120の複数の部分は、詰め物基材110の表面110aに不規則に分布していてもよい。例えば、
図1Aに示すように、第1の部分121、第2の部分122、及び第3の部分123は、詰め物基材110の表面110aに不規則に分布していてもよい。不規則な分布とは、例えば、第1の部分121と第2の部分122との間の距離d1と、第2の部分122と第3の部分123との間の距離d2とが異なっていてもよいことをいうが、本発明はこれに限定されるものではない。実際の設計要件に応じて、カーボン層120の複数の部分の不規則な分布の仕方を別のものにしてもよい。
【0029】
なお、本発明は上述の各態様を限定するものではなく、上記少なくとも2つの部分が異なる大きさ、異なる形状、又は不規則な分布の仕方になっている限り、それらは全て本発明の保護範囲に入る。
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の主なフローを図面付きで説明する。
図2Aから
図2Cは、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法の一部の概略図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る詰め物構造物の製造方法のフローチャートである。
【0031】
図2A及び
図3に示すように、カーボン材料Cを含む第1の溶液S1を提供する(ステップS100)。このとき、カーボン材料Cは、グラフェン、カーボンナノチューブ、竹炭、又はグラファイトであってよい。さらに、カーボン材料Cは、まず機械的な攪拌によって複数の不規則な部分を形成した後、水に分散させられて第1の溶液S1を形成してもよい。幾つかの実施形態では、カーボン材料Cは、原材料であってもよい。すなわち、カーボン材料Cは変形されていなくてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
一実施形態では、必須ではないが、その後に使用される詰め物Fが羽毛である場合、詰め物Fの有用性を向上させるために、第1の溶液S1に羽毛起毛剤溶液(羽毛起毛剤と水)をさらに混合してもよい。羽毛起毛剤は、当業者にとって既知の添加剤であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。また、第1の溶液S1は、羽毛起毛剤溶液と混合されなくてもよい。
【0033】
一実施形態では、第1の溶液S1と羽毛起毛剤溶液とを1対4の体積比で混合してよいが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の溶液S1と羽毛起毛剤溶液との混合比は、実際の設計要件に応じて調整することができる。
【0034】
なお、カーボン材料Cの添加量は、その後の詰め物Fの添加量に対応するように調整することができるので、本発明は、第1の溶液S1におけるカーボン材料Cの添加量を限定するものではない。
【0035】
次に、
図2B及び
図3に示すように、第2の溶液S2を形成するために、第1の溶液S1に詰め物F及び水を追加し(ステップS200)、第2の溶液S2を攪拌する(ステップS300)。詰め物Fは、鳥の羽(例えば、ダウン及び羽毛を含む)、化学繊維(ステープルファイバー)、又は天然コットンであってよい。さらに、第2の溶液S2の撹拌温度範囲は、例えば、25℃以上100℃以下である。例えば、第2の溶液S2は、室温(25℃など)で撹拌することができるため、追加の加熱設備は必要なく、製造コストを低減することができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。第2の溶液S2は、カーボン材料Cの付着能力を高めるために、高温(80℃など)で撹拌してもよい。ただし、本発明は撹拌温度を限定するものではなく、撹拌温度は、実際の設計要件に応じて調整することができる。
【0036】
また、第1の溶液S1も溶媒として水のみを使用する場合、加工に複数種類の有機溶媒(エタノールなど)を使用する他の詰め物構造物と比較して、本実施形態の詰め物構造物は環境保護も考慮したものになり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
一実施形態では、第2の溶液S2の撹拌時間は、15分以上8時間以下であるが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の溶液S2の撹拌時間は、実際の設計要件に応じて調整することができる。
【0038】
次に、
図2C及び
図3に示すように、第2の溶液S2の詰め物Fを乾燥させる(ステップS400)。例えば、第2の溶液S2の詰め物Fを濾過後に乾燥させてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。結果として、
図1Aに示されるような詰め物構造物100を形成することができる。さらに、本実施形態の製造プロセスでは、加圧溶射などの処理を用いていないため、詰め物構造物100は、樹脂材料層を有していない。つまり、詰め物構造物100は、材料の使用量を減らすことによって、その製造コストを低減することができる。
【0039】
一実施形態では、詰め物Fの乾燥温度は、80℃以上120℃以下であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
要約すれば、本発明の詰め物構造物は、詰め物基材の表面に赤外線を放射することができるカーボン層を構成する設計により、熱エネルギー貯蔵能力を向上させる機能を詰め物構造物に持たせ得るものであり、これによって、詰め物構造物が加工された結果として得られる製品の経済的価値を向上させることができる。例えば、寝具又は衣料品において、詰め物基材が羽毛であり、カーボン層がグラフェンである場合、上述の材料(グラフェン)を含む詰め物構造物は、遠赤外線を放射する能力及び抗菌能力などの特性を有するグラフェンにより、高い熱エネルギー蓄積能力と、抗菌機能とを持つことが可能となり、これによって、詰め物構造物が加工された結果として得られる製品の経済的価値を更に高めることができる。
【0041】
上述の実施形態を参考に本発明を説明したが、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、説明した実施形態に変更及び修正を加えることができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、別途示されていない限りは全ての用語が最も広い合理的な意味で用いられている添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の詰め物構造物は、詰め物基材の表面に赤外線を放射することができるカーボン層を構成することで、熱エネルギー蓄積能力を向上させることが可能となり、これによって、詰め物構造物が加工された結果として得られる製品の経済的価値を向上させることができる。本発明の詰め物構造物は、保温機能を有する製品群に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
100 詰め物構造物
110 詰め物基材
110a 表面
120 カーボン層
121,122,123 部分
C カーボン材料
d1,d2 距離
F 詰め物
S1,S2 溶液
S100,S200,S300,S400 ステップ
【外国語明細書】