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特開2022-141744道路の曲率データ無しでの進行レーン識別
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141744
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】道路の曲率データ無しでの進行レーン識別
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220921BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220921BHJP
   B60W 30/16 20200101ALI20220921BHJP
   B60W 30/12 20200101ALI20220921BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W60/00
B60W30/16
B60W30/12
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108921
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2018171293の分割
【原出願日】2018-09-13
(31)【優先権主張番号】15/724,630
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-マイケル マクニュー
(72)【発明者】
【氏名】マイルズ ジェイ.ジョンソン
(57)【要約】
【課題】従来の道路上の左右レーンマーカを検出して現在の進行レーンを識別する方法では、3本超のレーンがある道路や、レーンマーカが存在しなかったり、決定不能な道路部分がある時には、現在の進行レーンを識別することができない。これを解決する進行レーン識別方法を提供する。
【解決手段】1つ以上の動的先行物体を、ビークルの外部環境内で検出する1210。動的先行物体を、経時的に位置データを獲得することによって追跡する1220。自ビークルの現位置が先行する時点における動的先行物体の1つと実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを動的先行物体の獲得した位置データに基づいて判別すると、自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを決定する1235、1250。横方向オフセットは、自ビークルの現進行レーンを識別し、レーン横断を決定し、進行レーン確率分布を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、
前記自ビークルの外部環境内の動的先行物体を検出することと、
経時的に前記動的先行物体の位置データを獲得することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記動的先行物体の獲得された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーン識別が行なわれる、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自ビークルの現基準座標系を決定することと、
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することと、
をさらに含み、
前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の前記横方向オフセットを決定することが、変換された、獲得された前記位置データを用いて行なわれる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定することが、
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記自ビークルの前記現位置の近くの前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平均化することであって、平均が加重平均であり、前記自ビークルの前記現位置のより近くに位置設定された、獲得された位置データが、前記自ビークルの前記現位置からより遠くに位置設定された、獲得された位置データよりも、重く重み付けされる、前記位置データを平均化すること、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記道路の各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される確率を決定することをさらに含み、前記決定することが、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の決定された前記横方向オフセットに基づいて前記自ビークルが各進行レーン内に位置設定される尤度に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
距離因子を用いて各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される前記尤度を調整することをさらに含み、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値未満であると、前記距離因子は前記尤度に対しより大きな影響を及ぼし、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値を超えていると、前記距離因子は前記尤度に対しより小さな影響を及ぼす、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記自ビークルが前記道路の各進行レーン内に位置設定されていることについての決定された前記確率に少なくとも部分的に基づいて警報を決定することと、
前記自ビークルのドライバに対し前記警報を提示することと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
道路上の自ビークルについての現進行レーンを識別するためのシステムにおいて、
センサシステムであって、
前記自ビークルの外部環境のセンサデータを獲得し、
経時的に前記外部環境内の動的先行物体の位置データを獲得する、
ように構成された1又は複数のセンサを含むセンサシステムと、
前記センサシステムに対し作動的に接続されたプロセッサであって、
前記自ビークルの外部環境内で動的先行物体を検出することと、
経時的に獲得された前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記動的先行物体の進路を追跡することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記動的先行物体の獲得された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む実行可能な動作を開始させるようにプログラミングされているプロセッサと、
を含むシステム。
【請求項13】
前記センサシステムはさらに、
前記自ビークルの現基準座標系を決定する
ように構成されており、
前記実行可能な動作はさらに、前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することを含み、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の前記横方向オフセットを決定することが、変換された、獲得された前記位置データを用いて行なわれる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記実行可能な動作が、さらに、
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定することが、
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記自ビークルの前記現位置の近くの前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平均化することであって、平均が加重平均であり、前記自ビークルの前記現位置のより近くに位置設定された、獲得された位置データが、前記自ビークルの前記現位置からより遠くに位置設定された、獲得された位置データよりも、重く重み付けされる、前記位置データを平均化すること、
を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記実行可能な動作がさらに、
前記道路の各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される確率を決定することを含み、前記決定することが、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の決定された前記横方向オフセットに基づいて前記自ビークルが各進行レーン内に位置設定される尤度に基づいている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
距離因子を用いて各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される前記尤度を調整することをさらに含み、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値未満であると、前記距離因子は前記尤度に対しより大きな影響を及ぼし、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値を超えていると、前記距離因子は前記尤度に対しより小さな影響を及ぼす、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、
経時的に前記自ビークルの外部環境内の動的周辺物体の位置データを獲得することと、
前記動的周辺物体の獲得された前記位置データに少なくとも部分的に基づいて、前記自ビークルの現位置が、前記動的周辺物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的周辺物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的周辺物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む方法。
【請求項22】
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーンの識別が行なわれる、ことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、全体が前記自ビークル上で行なわれるもの、全体が前記自ビークルから遠隔のサーバ上で行なわれるもの、および、一部が前記自ビークル上で一部が前記サーバ上で行なわれるもの、のうちの少なくとも1つである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記動的周辺物体が動的先行物体である、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示中に記載の主題は、概して、ビークル(車両、乗り物、輸送体)に関し、より詳細にはビークルのための進行レーン(走行車線)識別に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
複数の進行レーンを有する道路上で動作している場合、一部のビークルは、ビークルの左側および右側にレーンマーカを検出することによって、自ビークルが現在どのレーン内に位置設定されているかを識別することができる。例えば、ビークルが最右レーン内にある場合、ビークルの右側には実線のレーンマーカが、そしてビークルの左側には破線のレーンマーカが存在する。この情報に基づいて、ビークルは、自らが道路の最右レーン内に位置設定されていることを決定することができると考えられる。しかしながら、道路上に3本超のレーンが存在する場合には、ビークルの左側および右側の両方に破線のレーンマーカが存在することから、ビークルは、中央レーンのいずれかにあるとき、どのレーン内に自ビークルが位置設定されているかを決定することができない。さらに、一部の事例において、レーンマーカが存在しないかまたは他の形で決定不能な道路部分が存在する場合もある。結果として、ビークルはその現在のレーンを識別することができない。
【発明の概要】
【0003】
概要
一つの観点において、本開示中で提示されている主題は、自ビークルのための現進行レーンを識別する方法に向けられている。該方法は、自ビークルの外部環境内にある動的先行物体を検出することを含むことができる。該方法は、経時的に動的先行物体の位置データを獲得することを含むことができる。該方法は、自ビークルの現位置を決定することを含むことができる。該方法は、動的先行物体の獲得された位置データに基づいて、自ビークルの現位置が、動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別ないし決定することを含むことができる。該方法は、自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを決定することを含むことができる。決定された横方向オフセットを、例えば自ビークルの現進行レーンを識別すること、自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別すること、および/または、自ビークルが特定の進行レーン内に位置設定されている確率を決定すること、を含めたさまざまな目的のために使用することができる。
【0004】
別の観点では、本開示中に提示されている主題は、システムに向けられる。該システムは、センサシステムを含むことができる。該センサシステムは、自ビークルの外部環境の少なくとも1つの前方部分のセンサデータを獲得するように構成された1又は複数(1つ以上)のセンサを含むことができる。該センサシステムは、経時的に動的先行物体の位置データを獲得するように構成された1又は複数のセンサを含むことができる。該センサシステムは、自ビークルの現位置を決定するように構成された1又は複数のセンサを含むことができる。該システムは、センサシステムに対し作動的に接続されたプロセッサを含むことができる。プロセッサは実行可能な動作を開始するようにプログラミングされ得る。該実行可能な動作は、自ビークルの外部環境内で動的先行物体を検出することを含むことができる。該実行可能な動作は、経時的に獲得された動的先行物体の獲得された位置データを用いて動的先行物体の進路を追跡することを含むことができる。実行可能な動作は、動的先行物体の獲得した位置データに基づいて、自ビークルの現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することを含むことができる。実行可能な動作は、自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、自ビークルの現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することを含むことができる。決定された横方向オフセットは、例えば自ビークルの現進行レーンを識別すること、自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別すること、および/または、自ビークルが特定の進行レーン内に位置設定されている確率を決定すること、を含めたさまざまな目的のために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】自ビークルの一例である。
【0006】
図2】自ビークルの基準座標系の変化を示す、一定の時間期間にわたり道路上を進行する自ビークルの一例を示す。
【0007】
図3A】自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にある場合の自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを自ビークルが決定する一連の時間にわたる運転シナリオを示す。
図3B】自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にある場合の自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを自ビークルが決定する一連の時間にわたる運転シナリオを示す。
図3C】自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にある場合の自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを自ビークルが決定する一連の時間にわたる運転シナリオを示す。
図3D】自ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にある場合の自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを自ビークルが決定する一連の時間にわたる運転シナリオを示す。
【0008】
図4】レーン横断が発生しなかった例を示す、経時的な自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットの一例である。
【0009】
図5】レーン横断が発生した例を示す、経時的な自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットの一例である。
【0010】
図6】レーン横断が発生したか否かを判別できない例を示す、自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットの一例である。
【0011】
図7】自ビークルが現道路の各進行レーン内に位置設定されている確率分布の一例である。
【0012】
図8】自ビークルと周辺ビークルの間の横方向オフセットデータに基づいて、現道路の各進行レーン内に自ビークルが位置設定されている尤度の決定済み分布の一例である。
【0013】
図9】自ビークルと周辺ビークルの間の横方向オフセットデータに基づいて現道路の各進行レーン内に自ビークルが位置設定されている決定済み尤度に基づいて調整された、現道路の各進行レーン内に自ビークルが位置設定されている更新済み確率分布の一例である。
【0014】
図10】自ビークルと周辺ビークルの間の横方向オフセットデータが、自ビークルが現在位置設定されている道路の進行レーンを明らかにしている運転シナリオの一例である。
【0015】
図11】道路データソースに通信可能にリンクされた自ビークルの一例である。
【0016】
図12】自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを決定する方法の一例である。
【0017】
図13】少なくとも部分的に自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを使用してレーン横断を検出する方法の一例である。
【0018】
図14】自ビークルのためのレーン確率分布を決定する方法の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
この「詳細な説明」は、道路の曲率情報を使用することのない、ビークルのための進行レーン識別に関する。この説明を容易にするため、このような形で進行レーンを識別するように構成されたビークルを「自ビークル」(自車)と呼ぶ。進行レーンは、周辺の物体、より詳細には周辺のビークル(例えば1台以上の先行ビークル)についての情報を使用することによって識別され得る。本開示中で使用される「周辺ビークル」または「周辺物体」なる用語は、自ビークルのセンサレンジ内に位置設定されるビークルまたは物体を意味する。「先行ビークル」または「先行物体」は、自ビークルの進行方向で自ビークルの基準点の前方に位置設定されるビークルまたは物体を意味する。基準点は、自ビークルの任意の好適な部分によって定義され得る。基準点の一例は、自ビークルの最前方点、自ビークルの最後尾点、自ビークルのフロントアクスル、自ビークルのリヤアクスル、自ビークルのフロントバンパ、自ビークルのリヤバンパ、自ビークルの中央点、または自ビークルの1つ以上のセンサの場所、であり得る。
【0020】
1つ以上の動的先行物体が、自ビークルの外部環境内で検出可能である。「動的物体」とは、1つ以上の方向に移動している物体を意味する。動的先行物体(1又は複数)の位置データは、経時的に獲得可能である。動的先行物体の獲得された位置データに基づいて、自ビークルの現位置が動的先行物体の1つの前位置(従前の位置)と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することが可能である。ビークルの現位置が動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、自ビークルの現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを決定することができる。横方向オフセットは、自ビークルの現進行レーンを識別し、レーン横断を決定し、かつ/または進行レーン確率分布を決定するために使用することができる。
【0021】
本開示中では詳細な実施形態が開示されているが、開示されている実施形態は単なる一例として意図されたものであるということを理解すべきである。したがって、本開示中で開示されている具体的な構造的および機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきものではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、および事実上任意の適切に詳述された構造において本開示中の態様をさまざまな形で利用するように当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきものである。さらに、本開示中で使用される用語および言い回しは、限定的なものとしてではなく、むしろ考えられる実装の理解可能な説明を提供するものとして意図されている。図1~14にはさまざまな実施形態が示されているが、実施形態は、例示されている構造または利用分野に限定されない。
【0022】
例示を簡略かつ明確なものにするため、該当する場合には、対応するまたは類似の要素を標示するために、異なる図の間で適切な参照番号が繰返し使用されていることが認識される。さらに、多くの具体的詳細が、本開示中に記載の実施形態を完全に理解できるようにする目的で明記されている。しかしながら、当業者であれば、本開示中に記載の実施形態が、これらの具体的詳細無しでも実践可能であることを理解するものである。
【0023】
図1を参照すると、自ビークル100の一例が示されている。本開示中で使用される「ビークル」なる用語は、任意の形態の動力式輸送機関を意味する。1つ以上の実装において、自ビークル100は、自動車であり得る。本開示中では、自動車に関して配設が説明されているものの、実施形態が自動車に限定されるものではないということが理解される。一部の実装においては、自ビークル100は、船舶、航空機または他の任意の形の動力式輸送機関であってよい。自ビークル100は、前端部101および後端部102を有することができる。
【0024】
自ビークル100は、自ビークル100の中心軸であり得る付随する長手方向軸103を有することができる。自ビークル100は付随する長手方向104を有することができる。「長手方向」とは、長手方向軸103に対して実質的に平行でありかつ/または長手方向軸103と共線的である任意の方向を意味する。自ビークル100は、長手方向軸103に対して実質的に直交し得る付随する横方向軸105を有することができる。本開示中で使用される「実質的に」なる用語には、正確にそれが修飾する用語およびそこからのわずかな変動が含まれる。したがって、「実質的に直交する」なる用語は、正確に直交する、およびそこからのわずかな変動を意味する。この特定の例において、そこからのわずかな変動には、通常の製造許容誤差内、すなわち約10度以内、約5度以内、約4度以内、約3度以内、約2度以内または約1度以内が含まれ得る。このようなわずかな変動は、他の用語に対しても適宜適用され得る。自ビークル100は、付随する横方向106を有し得る。「横方向」は、横方向軸105に対して実質的に平行および/または共線的である任意の方向を意味する。
【0025】
自ビークル100は、付随する基準座標系107を有し得る。「基準座標系」または基準系は、少なくとも1つの2次元座標系により画定される空間である。基準座標系107は、x軸108およびy軸109を含むことができる。x軸108は、自ビークル100の長手方向104に対応してよく、y軸109は、自ビークル100の横方向106に対応することができる。基準座標系107の原点Oは、自ビークル100の任意の好適な点であり得る。例えば、原点Oは、自ビークルのセンサの場所、前端部、後端部、中心点、最前方点、最後尾点、フロントアクスル、リヤアクスル、フロントバンパ、リヤバンパ、中央点など、または自ビークル100の1つ以上のセンサの場所に対応し得る。原点Oは、ビークルメーカーまた他の一部のエンティティにより設定され得る。1つ以上の配設において、基準座標系または基準系は、専ら自ビークル100自体との関係において画定され得るということを指摘しておくべきである。このような場合、基準座標系または基準系は、自ビークル100の周りの環境や、あるいは大域座標系に基づいて画定されることはない。
【0026】
基準座標系107は、自ビークル100の配向の変化に基づいて経時的に変化し得る。図2は、道路200上を定行する自ビークル100の一例を示す。自ビークル100は、時間T1、T2、T3、T4における異なる瞬間での道路200上の異なる4つの場所で示されている。自ビークル100の基準座標系は、これらの異なる時間的瞬間の各々において示されている。T1で、基準座標系107aは、初期基準座標系である。T2では、自ビークル100は、道路200上を前方に移動しており、自ビークル100の配向は変化していない。したがって、基準座標系107bは、基準座標系107aと同一である。T3では、自ビークル100は、道路200が右にカーブし始めるにつれて、方向転換し始めている。したがって、時間T3における基準座標系107cは、自ビークル100の配向変化に対応して時計回りに回転している。T4では、自ビークル100は、道路内の曲率と共に右に向かって方向転換し続ける。したがって、時間T4における基準座標系107dは、時計回り方向にさらに回転している。
【0027】
図1を参照すると、自ビークル100は、自ビークル100のナビゲーションおよび/または操縦の全てまたは大部分が人間のドライバによって行なわれる手動動作モードを有することができる。1つ以上の配設において、自ビークル100は、手動モードでのみ動作するように構成された従来のビークルであり得る。
【0028】
1つ以上の配設において、自ビークル100は、自律的ビークルであり得る。本開示中で使用される「自律的ビークル」とは、自律的動作モードで動作するように構成されたビークルを意味する。「自律的動作モード」とは、人間のドライバからの入力が最小限または無い状態で進行ルートに沿ってビークルをナビゲートおよび/または操縦するために1つ以上のコンピューティングシステムが使用されることを意味する。1つ以上の配設において、自ビークル100は、高レベルで自動化されるかまたは完全に自動化され得る。
【0029】
自ビークル100は、進行ルートに沿ったビークルのナビゲーションおよび/または操縦の一部分が1つ以上のコンピューティングシステムによって行なわれ、進行ルートに沿ったビークルのナビゲーションおよび/または操縦の一部分が人間のドライバによって行なわれる1つ以上の半自律的動作モードを有することができる。半自律的動作モードの例としては、アダプティブクルーズコントロールおよび/またはレーン維持が起動された場合がある。
【0030】
自ビークル100は、上述の動作モードのいずれかの間を含めた、さまざまな動作モード間で切換えられるように構成され得る。このような切換えは、現在公知のまたは後日開発される任意の好適な方法で実装され得る。切換えは、自動的に、選択的に行なうことができ、あるいは、手動入力または要求の受信に応答して行なうこともできる。
【0031】
自ビークル100は、さまざまな要素を含むことができる。自ビークル100の考えられる要素のいくつかが図1に示されており、これらについて次に説明する。自ビークル100が図1に示されているかまたは本開示中に記載されている要素の全てを有する必要はないということが理解される。自ビークル100は、図1に示されているさまざまな要素の任意の組み合わせを有することができる。さらに、自ビークル100は、図1に示されているものに対する追加の要素を有することができる。一部の配設において、自ビークル100は、図1に示されている要素の1つ以上を含まなくてよい。さらに、図1において、さまざまな要素が自ビークル100の内部に位置設定されているものとして示されているものの、これらの要素の1つ以上は、自ビークル100の外部に位置設定され得ることが理解される。さらに、図示された要素は、大きい距離だけ物理的に分離されていてよい。
【0032】
自ビークル100は、1つ以上のプロセッサ110を含むことができる。「プロセッサ」とは、本開示中に記載のプロセスのいずれかまたは、このようなプロセスを実施するまたはこのようなプロセスを行なわせるための任意の形態の命令を実行するように構成された任意のコンポーネントまたはコンポーネント群を意味する。プロセッサ(1又は複数)110は、1つ以上の汎用および/または1つ以上の特殊用途向けのプロセッサと共に実装され得る。好適なプロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサおよびソフトウェアを実行できる他の回路が含まれる。好適なプロセッサのさらなる例としては、中央処理ユニット(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路およびコントローラが含まれるが、これらに限定されない。プロセッサ(1又は複数)110は、プログラムコード内に格納された命令を実施するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば集積回路)を含むことができる。複数のプロセッサ110が存在する配設においては、これらのプロセッサは、互いに独立して機能することができ、または1つ以上のプロセッサが互いに組み合わさって機能することもできる。1つ以上の配設において、プロセッサ(1又は複数)110は、自ビークル100の主プロセッサであり得る。例えば、プロセッサ(1又は複数)110は、電子制御ユニット(ECU)であり得る。
【0033】
自ビークル100は、1つ以上のタイプのデータを記憶するための1つ以上のデータストア115を含むことができる。データストア115は、揮発性および/または不揮発性メモリを含むことができる。好適なデータストア115の例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または任意の他の好適な記憶媒体またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。データストア115は、プロセッサ(1又は複数)のコンポーネントであってよく、またはデータストア115は、プロセッサ(1又は複数)110に対して作動的に接続されてそれにより使用され得る。本記述全体を通して使用されている「作動的に接続される」なる用語は、直接的な物理的接触のない接続を含めた、直接的または間接的な接続を含むことができる。一部の事例において、1つ以上のデータストア115は、自ビークル100の車上に位置設定され得る。一部の事例において、1つ以上のデータストア115は、自ビークル100から遠隔に位置設定され得る。例えば、データストア115の1つ以上を、遠隔サーバ上に位置設定することができる。遠隔サーバは、1つ以上の通信ネットワークを通して自ビークル100に対し通信的にリンクされ得る。
【0034】
1つ以上の配設において、1つ以上のデータストア115は地図データ116を含むことができる。地図データ116は、1つ以上の地理的エリアの地図を含むことができる。一部の事例において、地図データ116は、1つ以上の地理的エリア内の道路、交通規制装置、道路標識、構造物、特徴部および/またはランドマークについての情報またはデータを含むことができる。地図データ116は、任意の好適な形態をとることができる。一部の事例において、地図データ116は、1つのエリアの空中写真を含むことができる。一部の事例において、地図データ116は、360度の地上写真を含めた、1つのエリアの地上写真を含むことができる。地図データ116は、地図データ116内に含まれた1つ以上のアイテムについてのおよび/または地図データ116内に含まれた他のアイテムに関係する測定値、寸法、距離および/または情報を含むことができる。地図データ116は、道路の幾何形状についての情報を伴うデジタル地図を含むことができる。地図データ116は、高品質のおよび/または非常に精細なものであり得る。しかしながら、一部の事例において、1つ以上のデータストア115はいかなる地図データも有していなくてよい。さらに、本開示中に記載された配設が、高品質のおよび/または非常に精細な地図を必要とせず、あるいはいかなる地図も必要とせずに、現進行レーンを識別するように構成されているということを指摘しておくべきである。一部の事例において、地図データ116は、特定の道路についての進行レーンの数を含むことができる。一部の事例において、地図データ116は同様に、道路トポロジ情報も含むことができる。道路トポロジ情報は、レーンがどのように接続されているか、レーンの追加および/または削除、およびこのような追加または削除されたレーンが道路のどちらの側に位置設定されているかを記述することができる。一部の事例において、地図データ116は、特定の道路についてのレーン幅データを含むことができる。
【0035】
1つ以上のデータストア115は、周辺ビークルデータ117を含むことができる。周辺ビークルデータ117は、経時的にセンサシステム120の1つ以上のセンサが獲得する周辺ビークル(1又は複数)に関するデータを含むことができる。周辺ビークルデータ117は、周辺ビークル(1又は複数)のセンサシステム120が獲得し、精査、処理、分析、修正および/または変換されたデータを含むことができる。周辺ビークルデータ117は、周辺ビークル(1又は複数)の場所/位置を含むことができる。周辺ビークルデータ117は、自ビークル100の原初の基準座標系(周辺ビークルが最初に検出されたときの自ビークル100の基準座標系)内の周辺ビークル(1又は複数)までの長手方向距離および/または横方向距離を含むことができる。長手方向および/または横方向での周辺ビークル(1又は複数)の位置データを、「ブレッドクラム」と呼ぶことができる。周辺ビークルデータ117は、周辺ビークルデータ117獲得時の時間データを含むことができる。
【0036】
周辺ビークルデータ117は、自ビークル100の現基準座標系(周辺ビークルが最初に検出されたときの自ビークル100の基準座標系)内の周辺ビークル(1又は複数)までの長手方向距離および/または横方向の距離を含むことができる。周辺ビークルデータ117は、センサが獲得するデータに対しセンサが割当てる任意の識別子を含むことができる。周辺ビークルデータ117は、2つの周辺物体が同じ一意的IDを含むように、獲得センサデータに割当てられた一意的オブジェクト識別子を含むことができる。周辺ビークルデータ117は同様に、特定のセンサ読取りの有効性の標示も含むことができる。例えば、エラーが検出された場合には、このようなエラーが検出されたときにセンサが獲得したあらゆるデータを、フラグ付けすることができる。本開示中に記載されるように、自ビークル100と周辺ビークル(1又は複数)の間の横方向オフセットを決定することができる。この横方向オフセットは経時的に追跡され得る。周辺ビークルデータ117は、横方向オフセットを含むことができる。
【0037】
データストア(1又は複数)115は、1つ以上の通信ネットワークを通して自ビークル100の1つ以上の要素に通信的にリンクされ得る。本開示中で使用される「通信的にリンクされる」なる用語は、通信チャネルまたは進路または別のコンポーネントまたはシステムを通した直接的または間接的接続を含むことができる。「通信ネットワーク」は、1つのソースから別のソースまで情報を伝送および/または受信するように設計された1つ以上のコンポーネントを意味する。データストア(1又は複数)115および/または自ビークル100の要素のうちの1つ以上は、さまざまな要素が通信ネットワークを通して互いに通信し本開示中に開示されている機能を行なうことができるようにする好適な通信ソフトウェアを含みかつ/またはこれを実行することができる。
【0038】
1つ以上の通信ネットワークは、非限定的に、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、公衆交換電話網(PSTN)、無線ネットワーク、移動体ネットワーク、仮想私設ネットワーク(VPN)、インターネット、および/または1つ以上のイントラネットとして実装されるか、またはこれらを含むことができる。通信ネットワークはさらに、短距離(例えば、Bluetooth(登録商標) またはIEEE802無線通信プロトコル、例えば802.11a/b/g/i、802.15、802.16、802.20、Wi-Fi Protected Access(WPA)、またはWPA2の1つを用いて構築されたローカル無線ネットワーク)かまたは長距離(例えば、移動体、セルラー、および/または衛星無線ネットワーク;GSM(登録商標)、TDMA、CDMA、WCDMA(登録商標)ネットワークなど)のいずれであれ、1つ以上の無線ネットワークとして実装されるかまたはこれらを含むことができる。通信ネットワークは、有線通信リンクおよび/または無線通信リンクを含むことができる。通信ネットワークは、上述のネットワークおよび/または他のタイプのネットワークの任意の組み合わせを含むことができる。
【0039】
以上で指摘した通り、自ビークル100はセンサシステムを含むことができる。センサシステム120は1つ以上のセンサを含むことができる。「センサ」とは、何かを検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することのできるあらゆるデバイス、コンポーネントおよび/またはシステムを意味する。1つ以上のセンサは、実時間で検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知を行なうことができる。本開示中で使用される「実時間」なる用語は、特定のプロセスまたは決定を行なうのに充分即時であるものとしてユーザまたはシステムが検知する、または、プロセッサがいくつかの外部プロセスに遅れることなく追従することができるようにする処理応答性レベルを意味する。
【0040】
センサシステム120が複数のセンサを含む配設において、センサは、互いに独立して機能することができる。代替的には、センサの2つ以上が互いに組み合わせた形で機能することもできる。このような場合、2つ以上のセンサは、センサネットワークを形成することができる。センサシステム120および/または1つ以上のセンサは、プロセッサ(1又は複数)110、データストア(1又は複数)115および/または自ビークル100の他の要素100(図1に示された要素のいずれかを含む)に対して作動的に接続され得る。センサシステム120は、自ビークル100の外部環境の少なくとも一部分のデータを獲得することができる。
【0041】
センサシステム120は、任意の好適なタイプのセンサを含むことができる。本開示中では、異なるタイプのセンサのさまざまな実施例が説明される。しかしながら、実施形態は説明された特定のセンサに限定されないということが理解されるものとする。
【0042】
センサシステム120は、1つ以上のビークルセンサ121を含むことができる。ビークルセンサ(1又は複数)121は、自ビークル100自体についての情報(例えば位置、配向、速度など)を検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することができる。代替的に、または付加的に、センサシステム120は、運転環境データを獲得、検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知するように構成された1つ以上の環境センサ123を含むことができる。「運転環境データ」は、ビークルが位置設定されている外部環境またはその1つ以上の部分についてのデータまたは情報を含む。例えば、1つ以上の環境センサ123は、自ビークル100の外部環境の少なくとも一部分の中の障害物および/またはこのような障害物についての情報/データを検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することができる。このような障害物は、静止物体および/または動的物体であり得る。1つ以上の環境センサ123は、自ビークル100の外部環境内の他の物、例えばレーンマーカ、標識、信号機、交通標識、レーン境界線、横断歩道、自ビークル100近傍の縁石、一般道路外の物体などを検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することができる。1つ以上の配設において、1つ以上の環境センサ123は、全地球的航法衛星システム(GNSS)、全地球測位システム(GPS)、ナビゲーションシステム(これは以下で説明するナビゲーションシステム147であり得る)、および/または他の好適なセンサを含むことができる。
【0043】
センサシステム120は、例えば慣性加速度に基づいて、自ビークル100の位置および配向の変化を検出、決定査定、監視、測定、定量化および/または検知するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。1つ以上の配設において、センサシステム120は、加速度計、ジャイロスコープおよび/または他の好適なセンサを含むことができる。センサシステム120は、自ビークル100の1つ以上の特性を検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することができる。1つ以上の配設において、センサシステム120は、速度計(図示せず)を含むことができる。速度計は、自ビークル100の現在の速度を決定することができ、そうでなければ速度計により獲得したデータを用いて自ビークル100の現在の速度を決定することができる。1つ以上の配設において、自ビークル100は、ヨーレートセンサ122を有することができる。
【0044】
センサシステム120は、自ビークル100の外部環境またはその一部分を検知するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、センサシステム120は、自動化された自ビークル100の外部環境の少なくとも一部分のデータを獲得するように構成され得る。センサシステム120は、自動化された自ビークル100の外部環境の少なくとも前方部分のデータを獲得するように構成され得る。「前方部分」とは、ビークルの進行方向におけるビークルのいくつかの基準点の前方に位置設定される外部環境の部分を意味する。基準点は、本開示中に記載のもののいずれかを含めた任意の基準点であり得る。このような環境センサは、自ビークル100の外部環境の少なくとも一部分の中の物体および/またはこのような物体についての情報/データを検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知するように構成され得る。本開示中では、このようなセンサのさまざまな実施例が説明される。しかしながら、実施形態は説明された特定のセンサに限定されないということが理解されるものとする。
【0045】
1つ以上の配設において、センサシステム120は、1つ以上の測距センサを含むことができる。「測距センサ」は、一定の距離から物体を検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知できしかも物体との物理的接触を必要としないセンサを含む。本開示中では、測距センサのさまざまな実施例が説明される。
【0046】
本開示中では、センサシステム120のセンサのさまざまな実施例が説明される。例示的センサは、1つ以上の環境センサ123および/または1つ以上のビークルセンサ121の一部であってよい。しかしながら、実施形態は説明されている特定のセンサに限定されないことが理解されるものとする。
【0047】
一例として、1つ以上の配設において、センサシステム120は、1つ以上のレーザセンサ124、1つ以上のライダセンサ125、1つ以上のソナーセンサ126、1つ以上のカメラ127、および/または1つ以上の測距センサ128を含むことができる。このようなセンサは、自ビークル100の外部環境内の1つ以上の障害物の存在、検出された各障害物の自ビークル100との関係における位置または場所、検出された各障害物とビークル100の間の1つ以上の方向(例えば長手方向、横方向および/または他の方向(1又は複数))における距離、検出された各障害物の高度、検出された各障害物の速度および/または検出された各障害物の運動を、直接的または間接的に検出、決定、査定、監視、測定、定量化および/または検知することができる。
【0048】
センサシステム120、プロセッサ(1又は複数)110および/または自ビークル100の1つ以上の他の要素は、センサシステム120のセンサのうちの1つ以上の運動を制御するように動作可能であり得る。本開示中に説明されているセンサのいずれかを、自ビークル100との関係において任意の好適な場所に具備することができるということを指摘しておくべきである。例えば、1つ以上のセンサを自ビークル100内部に位置設定することができ、1つ以上のセンサを自ビークル100の外部に位置設定することができ、かつ/または1つ以上のセンサを自ビークル100の外部に露出した状態になるように位置設定することができる。
【0049】
自ビークル100は、入力システム130を含むことができる。「入力システム」は、情報/データを機械に入力することのできる任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素または配設またはその群を含む。入力システム130は、ビークルの乗員(例えばドライバまたは同乗者)からの入力を受信することができる。例えばキーパッド、ディスプレー、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイクロホンおよび/またはそれらの組み合わせを含めた、任意の好適な入力システム130を使用することができる。
【0050】
自ビークル100は、出力システム135を含むことができる。「出力システム」は、情報/データをビークルの乗員(例えば人、ビークルの乗員など)に対して提示できるようにする任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素または配設またはそれらの群を含む。出力システム135は、ビークルの乗員に対して、情報/データを提示することができる。代替的にまたは付加的に、出力システム135は、イヤホンおよび/またはスピーカを含んでいてよい。自ビークル100の一部のコンポーネントは、入力システム130のコンポーネントと出力システム135のコンポーネントの両方として役立ち得る。
【0051】
自ビークル100は、1つ以上のモジュールを含むことができ、そのうちの少なくともいくつかが本開示中で説明される。モジュールは、プロセッサにより実行された時点で本開示中に記載のさまざまなプロセスの1つ以上を実装するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。モジュールのうちの1つ以上がプロセッサ(1又は複数)110のコンポーネントであってよく、そうでなければ、モジュールの1つ以上を、プロセッサ(1又は複数)110が作動的に接続されている他の処理システム上で実行させることおよび/またはこれらの処理システムの間で分散させることができる。モジュールは、1つ以上のプロセッサ(1又は複数)110により実行可能な命令(例えばプログラム論理)を含むことができる。代替的にまたは付加的に、1つ以上のデータストア115が、このような命令を格納し得る。
【0052】
1つ以上の配設において、本開示中に記載のモジュールの1つ以上は、人工知能またはコンピュータ知能要素、例えばニューラルネットワーク、ファジー論理または他の機械学習アルゴリズムを含むことができる。さらに、1つ以上の配設において、モジュールの1つ以上は、本開示中に記載の複数のモジュールの間で分散され得る。1つ以上の配設においては、本開示中に記載のモジュールの2つ以上を単一のモジュールに組み合わせることができる。
【0053】
1つ以上の配設において、自ビークル100は、1つ以上の物体検出モジュール137を含むことができる。物体検出モジュール(1又は複数)137は、動的先行物体を含めた自ビークル100の運転環境内の物体を検出するように構成され得る。動的先行物体の検出は、任意の好適な方法で行なうことができる。例えば、センサシステム120の1つ以上のセンサが獲得したデータを用いて、検出を行なうことができる。現在公知のまたは後日開発される任意の好適な物体検出技術を使用することができる。
【0054】
動的先行物体が検出された場合、物体検出モジュール(1又は複数)137および/または他のモジュール(1又は複数)は、1つ以上の配設において、検出された動的先行物体のタイプ、性質および/またはアイデンティティを分類しようと試みることができる。例えば、物体検出モジュール(1又は複数)137は、検出された動的先行物体が、考えられるいくつかの例を挙げると、例えば自動車、トラック、オートバイ、歩行者または動物のいずれであるかを分類することができる。しかしながら、一部の事例において、検出された物体の分類が1つ以上の理由で不可能である場合もあるということが認識される。一部の事例において、物体検出モジュール(1又は複数)137は、ビークルとして決定されない動的先行物体をフィルタリングまたは無視するように構成され得る。
【0055】
物体検出モジュール(1又は複数)137は、任意の好適な方法で動的先行物体を分類するよう試みることができる。例えば、1つ以上の配設において、物体検出モジュール(1又は複数)137は、物体画像データベースを含むおよび/またはこのデータベースにアクセスすることができる。物体画像データベースはビークルを含めた複数の異なる物体の1つ以上の画像を含むことができる。画像は、複数の異なる物体の少なくとも一部分の外部の1つ以上の部分の画像であってよい。例えば画像は、物体の少なくとも一部分の画像であり得る。物体検出モジュール(1又は複数)137は同様に、任意の好適な物体認識ソフトウェアも含むことができる。物体認識ソフトウェアは、センサシステム120によって捕捉されたセンサデータを分析することができる。物体認識ソフトウェアは、適合の可能性について、物体画像データベースに問合せることができる。例えば、カメラ(1又は複数)127が捕捉した画像を、適合の可能性について物体画像データベース内の画像と、比較することができる。代替的にまたは付加的に、カメラ(1又は複数)127が捕捉した画像の測定値または他の側面を、物体画像データベース内の任意の画像の測定値または他の側面と比較することができる。物体検出モジュール(1又は複数)137は、捕捉された画像と物体データベース内の画像の間に適合が存在する場合、検出された物体を、特定の物体タイプとして分類することができる。「適合(1又は複数)」は、センサシステムにより収集された画像または他の情報と物体画像データベース内の画像の1つ以上が実質的に同一であることを意味する。例えば、センサシステムによって収集された画像または他の情報および物体画像データベース内の画像の1つ以上は、既定の確率(例えば少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上)または信頼性水準内で適合することができる。
【0056】
センサシステム120は、自ビークル100の外部環境内の物体の速度データを獲得するように構成され得る、ということを指摘しておくべきである。速度データは、自ビークル100との関係における物体の相対的速度であり得る。例えば、RADARセンサ(1又は複数)124は、経時的な自ビークル100の外部環境内の物体の相対速度データを獲得することができる。相対速度データはさまざまな目的に使用することができる。例えば、上述のように物体を分類するときの考慮から経時的に移動しなかった物体をフィルタリングまたは無視するために、相対速度データを使用することができる。
【0057】
1つ以上の配設において、自ビークル100は、1つ以上の物体追跡モジュール(1又は複数)138を含むことができる。物体追跡モジュール(1又は複数)138は、複数回のセンサ観察にわたり物体の運動をフォローし、観察し、見張りかつ/または追跡するように構成され得る。「センサ観察」とは、センサシステムの1つ以上のセンサが、ビークルの外部環境の少なくとも一部分のセンサデータを獲得するために使用される時間的瞬間または時間的期間を意味する。
【0058】
自ビークル100は、1つ以上のレーン横断プリプロセッサモジュール140を含むことができる。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現位置を同じ道路上の先行ビークルの前位置と比較するように構成され得る。以下でより詳細に説明するように、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現場所と、道路に沿った同じ長手方向位置にあった時点の先行ビークルの前場所との間の横方向オフセットを決定するように構成され得る。このような情報を用いて、非常に精細な地図を使用することなく自ビークル100がどの進行レーン内に位置設定されているかを決定することができる。
【0059】
レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、経時的な自ビークル100の位置および配向を監視するように構成され得る。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、センサシステム120(例えば1つ以上のビークルセンサ121、ヨーレートセンサ(1又は複数)122など)からの入力を用いてこのような監視を行なうことができる。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現基準座標系107を決定し、かつ/または経時的に基準座標系107の変化を監視するように構成され得る。自ビークル100には、世界座標系または他の絶対座標系との関係における独自の基準座標系についてのいかなる認識も無い場合があるということを指摘しておくべきである。自ビークル100は、レーンマーカとの関係における自らの横方向位置の全体的認識および/または道路上の位置の全体的認識を有するかもしれないが、自ビークルは自らがカーブ上にあるか否かを知らない。本開示中に記載の配設によると、自ビークル100の基準系との関係において動作することによって、正確なおよび/または非常に精細な地図は必要とされない。
【0060】
レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、経時的に、検出された先行物体(例えばビークル)の進路を監視することができる。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、先行物体(1又は複数)の位置データを獲得するかまたは先行物体(1又は複数)の位置データを獲得させるように構成され得る。最低でも、位置データは、自ビークル100の原初の基準座標系107内での自ビークル100から先行物体までの長手方向距離を含むことができ、位置データは、自ビークル100の原初の基準座標系107内での自ビークル100から先行物体までの横方向距離を含むことができる。「原初の基準座標系」とは、先行物体が最初に検出された時点でのビークルの基準座標系を意味する。先行物体の位置データは、センサシステム120の1つ以上の環境センサ(1又は複数)123によって獲得され得る。例えば、先行物体の位置データは、レーダセンサ(1又は複数)124、ライダセンサ(1又は複数)125、カメラ(1又は複数)127、またはこのようなセンサの任意の組み合わせの融合によって獲得され得る。先行物体の位置データは、先行物体が残した「ブレッドクラム」または軌跡であるとみなすことができる。先行物体の位置データは獲得可能である。
【0061】
先行物体の位置データは、追加の情報をも含むことができる。例えば、位置データは、先行物体の位置データが捕捉された時間を含み得る。位置データは、位置データを獲得したセンサ(1又は複数)により位置データに割当てられた非一意的識別子を含むことができる。位置データは、本開示中に記載のモジュールの1つ以上により先行物体に割当てられる一意的物体識別子を含むことができる。位置データは、先行物体が移動しているか否かについての指標を含むことができる。位置データは、測定の有効性を含むことができる。
【0062】
レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、監視されつつある各々の動的先行物体の履歴に対して新規位置データを追加することができる(例えば周辺ビークルデータ117)。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、無効な、不完全な、または他の理由で信頼できない位置データをフィルタリングすることができる。
【0063】
レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現位置を同じ道路上の先行ビークル(1又は複数)の前位置と比較するように構成され得る。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現位置が先行する時点における動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別するように構成され得る。自ビークル100の現場所は、ナビゲーションシステム175を用いて決定され得る。先行する時点における動的先行物体の位置は、動的先行物体の獲得された位置データに基づいて決定され得る。
【0064】
自ビークル100は、自ビークル100の現位置が先行する時点における動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを任意の好適な形で判別することができる。例えば、1つ以上の配設において、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現位置および/または基準座標系に基づいて動的先行物体の獲得された位置データを変換するように構成され得る。このような位置データの変換は、連続的に、周期的にまたは他の任意の好適な時点で行なわれ得る。位置データは、任意の好適な方法で変換され得る。例えば、変換することには、自ビークル100の現場所に基づいて動的先行物体の獲得された位置データを平行移動することが含まれる。「平行移動」とは、自ビークルのx-y位置の変更が動的先行物体の獲得された位置データから減算されることを意味する。さらに、変換することには、そのヨーの変化に基づいて自ビークル100の現基準座標系内へ動的先行物体の獲得された位置データを回転させることが含まれ得る。「回転」とは、動的先行物体の獲得された位置データを自ビークルの現基準座標系により画定される座標系へと変換することを意味する。
【0065】
動的先行物体の獲得された位置データを変換することにより、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、ビークルの現位置が、先行する時点における動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することができる。このような場合において、動的先行物体の前位置は、自ビークル100の現基準座標系内で長手方向にゼロまたはほぼゼロの値を有するはずである。
【0066】
自ビークル100の現位置が、先行時点における動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にあることが決定されたならば、自ビークル100の現位置と動的先行物体の前位置の間の横方向オフセットを決定することができる。横方向オフセットは、変換済み位置データに基づいて自ビークル100の横方向位置および動的先行物体の横方向位置の値を減算することによって決定され得る。横方向オフセットは、横方向オフセットの規模および横方向オフセットの方向を含むことができる。レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、動的先行物体が或る時点で自ビークル100の現場所と合致していたはずであると考えられることから、道路内のいかなる曲率とも無関係に自ビークル100が動的先行物体(例えば他のビークル)からの推定上の横方向オフセットを決定することができるようにすることができる、ということが認識される。
【0067】
一部の事例において、自ビークル100の現位置における検出された動的先行物体の位置データが存在していない可能性がある。このような場合には、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140は、自ビークル100の現位置またはその近くに位置設定されたときの動的先行物体の場所データを決定するように構成され得る。このような決定は、動的先行物体が自ビークル100の現位置の近くに位置設定されたときの動的先行物体の獲得された位置データを用いて、任意の好適な形で行なわれ得る。1つ以上の配設において、このような決定は、自ビークル100の現位置の前および/または後の獲得された位置データを含み得る、動的先行物体が自ビークル100の現位置の近くに位置設定された時点での動的先行物体の獲得された位置データを平均化することによって行なわれ得る。一部の事例において、平均は加重平均であり得る。このような場合、自ビークル100の現位置により近いところに位置設定されている獲得された位置データは、自ビークル100の現位置からより遠いところに位置設定されている獲得された位置データよりも重く重み付けされ得る。
【0068】
レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140の動作の一例をここで説明する。図3A~3Dを参照すると、一連の時間にわたる運転シナリオの一例が示されている。この実施例において、自ビークル100は道路300上を進行している可能性がある。道路300は、第1の進行レーン310、第2の進行レーン320および第3の進行レーン330を含む3本の進行レーンを含み得る。この実施例における各々の時間的瞬間において、自ビークル100は第2の進行レーン320内に位置設定され得る。この実施例において、自ビークル100は、道路300についての道路曲率データを有していない。先行ビークル340は、道路300の第1の進行レーン310内を進行している可能性がある。先行ビークル340は、自ビークル100の進行方向で自ビークル100の前方に位置設定されている。自ビークル100は、その現基準系、位置、ヨーレート、および/または自らに関する他の情報を連続的に、周期的に、不規則にまたはこの運転シナリオの行程全体にわたる任意の時点で、検出することができる。
【0069】
図3Aは、自ビークル100が先行ビークル340の存在を最初に検出する時間的瞬間を示す。先行ビークル340の最初のセンサデータ350は、先行ビークル340の位置データを含むことができる。位置データは、自ビークル100の原初の基準座標系内での自ビークル100から先行ビークル340までの長手方向距離を含むことができる。位置データは、自ビークル100の原初の基準座標系内の自ビークル100から先行ビークル340までの横方向距離を含むことができる。位置データは、先行ビークル340の位置データが捕捉された時点などの時間データを含むことができる。位置データは、位置データを獲得したセンサ(1又は複数)により位置データに割当てられた非一意的識別子(1又は複数)を含むことができる。位置データは本開示中に記載のモジュールの1つ以上により先行ビークル340に対して割当てられた一意的物体識別子を含むことができる。位置データは、先行ビークル340が移動中であるか否かに関する指標を含むことができる。位置データは、測定の有効性を含むことができる。
【0070】
図3Bは、自ビークル100および先行ビークル340が道路300の進行方向内を前方に移動した、後続の時間的瞬間を示す。自ビークル100および他のビークルはそのそれぞれのレーン内にとどまっている。自ビークル100は、実質的に線形的に移動した可能性がある。しかしながら、先行ビークル340の配向は、道路300内のカーブに達するにつれて変化し始めた。先行ビークル340が前方に移動した間に、自ビークル100は、経時的に、先行自ビークル100の位置データ370を獲得した。各々の時間ステップにおいて、先行ビークル340の位置データは、自ビークル100の現位置および/または現基準座標系について変換される。先行ビークル340の位置データを変換することは、自ビークル100の現位置に基づいて先行ビークル340の獲得された位置データを平行移動することを含むことができる。先行ビークル140の位置データを変換することは、獲得された位置データを自ビークル100の現基準座標系へと変換することを含むことができる。図3Bにおいて、自ビークル100の配向は、図3A中の配向から変化していない。したがって、獲得された位置データを自ビークル100の現基準座標系へと回転させる必要はないかもしれない。
【0071】
図3Bに示された瞬間において、自ビークル100の現位置は、先行ビークル340の獲得された位置データに基づいて、先行ビークル340の前位置と実質的に同じ長手方向位置にある。この特定の実施例において、先行ビークル340の前位置は、第1のセンサデータ350を獲得した時点である。自ビークル100の現位置が先行ビークル340の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することは、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって自ビークル100の現基準座標系内で行なわれる。自ビークル100の現位置が先行ビークル340の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあることの決定に応答して、自ビークル100の現位置と先行ビークル340の前位置の間の横方向オフセット360を決定することができる。
【0072】
図3Cは、自ビークル100および先行ビークル340が道路300の進行方向内を前方に移動した、後続の時間的瞬間を示す。自ビークル100および他のビークルはそのそれぞれのレーン内にとどまっている。自ビークル100の配向は今、道路300内のカーブに到達するにつれて変化し始めている。先行ビークル340の配向は、先行ビークルが道路300内のカーブを通って進行するにつれて変化し続ける。自ビークル100は、経時的に、先行自ビークル100の追加の位置データ375を獲得し続ける。各々の時間ステップにおいて、先行ビークル340の獲得された位置データは、自ビークル100の現位置および/または現基準座標系について変換される。図3Bにおいて、自ビークル100の配向は、図3B中の配向から変化している。その結果として、自ビークル100の基準系は変化し、先行ビークル340の獲得された位置データは、自ビークル100の現基準座標系へと変換され得る。
【0073】
図3Cに示された瞬間において、自ビークル100の現位置は、先行ビークル340の獲得された位置データに基づいて、先行ビークル340の前位置370’と実質的に同じ長手方向位置にある。自ビークル100は、自ビークル100の現位置と先行ビークル340の前位置の間の横方向オフセット380を決定することができる。
【0074】
図3Dは、自ビークル100および先行ビークル340が道路300の進行方向を前方に移動した、後続する時間的瞬間を示す。先行ビークル340はもはや、図3Dに示された道路300の部分の内部に位置設定されていない。自ビークル100および他のビークルは、そのそれぞれのレーン内にとどまる。自ビークル100の配向は、自ビークルが道路300内のカーブを通って進行するにつれて変化し続ける。結果として、自ビークル100の基準系は変化し、先行ビークル340の獲得された位置データは、自ビークル100の現基準座標系へと変換され得る。自ビークル100は、経時的に先行自ビークル100の追加の位置データを獲得し続ける。図3Dに示された瞬間において、自ビークル100の現位置は、先行ビークル340の獲得された位置データに基づいて、先行ビークル340の前位置375’と実質的に同じ長手方向位置にある。自ビークル100は、自ビークル100の現位置と先行ビークル340の前位置の間の横方向オフセット390を決定することができる。
【0075】
決定された横方向オフセットは、本開示中で説明する通り、さらなる使用のため、自ビークル100の1つ以上の他のコンポーネント、システムおよび/またはモジュールに出力され得る。図3A~3Dは4つの離散的な時間的瞬間を示しているものの、これらの離散的な時間的瞬間の間の時点で行なわれる追加の横方向オフセット決定および他の決定および/またはプロセスが存在し得るということが理解される。
【0076】
自ビークル100は、1つ以上のレーン横断検出モジュール145を含むことができる。レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、自ビークル100が進行レーンを横断した時点およびレーン横断の方向を識別するように構成され得る。本開示中で使用される「進行レーン」は、一列のビークルのみによって使用されるように指定されている道路の一部分および/または一ラインのビークルのみによって使用されている道路の一部分である。「レーン横断」とは、1つの進行レーンから別の進行レーンへの移動を意味する。レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン横断の発生を任意の好適な方法での識別することができる。例えば、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、周辺ビークルとの関係におけるおよび/またはレーンマーカとの関係におけるレーン横断の発生を識別することができる。
【0077】
レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、周辺ビークルとの関係における自ビークル100の相対的動きを監視することにより周辺ビークルとの関係におけるレーン横断の発生を識別することができる。このような形での自ビークル100のレーン横断の識別は、2台以上の周辺ビークルが存在する場合に行なうことができる。レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140によって決定されるように、自ビークル100と2台以上の周辺ビークルとの間の横方向オフセットを経時的に追跡することができる。
【0078】
レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、自ビークル100と周辺ビークルの間の横方向オフセットを受信することができる。不良オフセットを除去するため1つ以上の基準にしたがって横方向オフセットをフィルタリングすることができることから、横方向オフセット履歴は更新可能である。任意の好適な基準を使用することができる。例えば、横方向オフセットが、決定されたオフセット内のビークルの1つが車道上に位置設定されていないことを意味すると考えられる場合、この横方向オフセットをフィルタリングすることが可能である。このためには、地図データを使用することができる。しかしながら、このようなフィルタリングを行なうために、道路曲率データまたは高密度サンプリングを伴う非常に精細な地図は必要とされない。
【0079】
レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、経時的に自ビークル100と周辺ビークル(1又は複数)の間の横方向オフセットを分析することができる。横方向オフセットの変化または無変化に基づいて、レーン横断が発生したか否かに関する判別を行なうことができる。自ビークル100のオフセットが一レーンだけ変化する場合、自ビークル100は、自らがオフセット変化の方向にレーンを変更することを決定する。このような決定のさまざまな実施例について、図4~6を参照しながら以下で説明する。
【0080】
図4は、自ビークル100と第1の周辺ビークルの間の横方向オフセット410および自ビークル100と第2の周辺ビークルの間の横方向オフセットの経時的グラフ400である。図4は、時間0において、第1の周辺ビークルが自ビークル100の右側に位置設定されており、第2の周辺ビークルが自ビークル100の左側に位置設定されていた一実施例を示す。横方向オフセット410と横方向オフセット420の間の間隔は、およそ1レーン分の幅であり得る。図4に示された実施例において、横方向オフセット410および横方向オフセット420は、経時的に実質的に変化しない。この実施例において、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、いかなるレーン横断も発生しなかったことを決定すると考えられる。
【0081】
ビークルと2台以上の周辺ビークルの間の横方向オフセットの大きな変化は、レーン横断の指標となり得る。横方向オフセットの大きな変化は、少なくともおよそ1レーン幅分といった任意の好適な閾値との関係において発生し得る。代替的にまたは付加的に、周辺ビークルに結び付けられた横方向オフセットの大部分または全てが自ビークル100との関係において同じ方向に移動する場合には、それは、自ビークル100が反対方向に移動していることを表わし得る。例えば、周辺ビークルの全ての横方向オフセットが自ビークル100の右へと移動する場合には、それは、周辺ビークルの全てが同じレーン内にとどまる一方で自ビークル100が左に移動したことの指標であり得る。このようなシナリオの一実施例が図5に示されている。図5は、自ビークル100と第1の周辺ビークルの間の横方向オフセット510および自ビークル100と第2の周辺ビークルの間の横方向オフセット520の経時的グラフを提示する。時間0において、第1の周辺ビークルは、自ビークル100の右側に位置設定されており、第2の周辺ビークルは、自ビークル100が現在位置設定されている同じ進行レーン内に位置設定されていた。経時的に、両方の横方向オフセット510、520は共に同じ方向に(右に)およそ1進行レーン幅だけシフトする。このような場合、左への自ビークル100のレーン横断が存在したと判別することができる。
【0082】
しかしながら、一部の事例において、横方向オフセットデータ単独からレーン横断が存在したか否かを判別することは不可能であるかもしれない。図6は、このようなシナリオの一例を示す。図6は、自ビークル100と第1の周辺ビークルの間の横方向オフセット610および自ビークル100と第2の周辺ビークルの間の横方向オフセット620の経時的グラフ600を提示する。時間0において、第1の周辺ビークルは、ビークルが現在位置設定されているのと同じ進行レーン内に位置設定され、第2の周辺ビークルは、自ビークル100の現進行レーンの1進行レーンだけ左側に位置設定されていた。経時的に、横方向オフセット510は、およそ1進行レーン幅だけ右にシフトするが、横方向オフセット520は1進行レーン幅未満だけ右にシフトする。このような場合、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、自ビークル100のレーン横断が存在したか否かを判別することができない。このような事例では、レーン横断が発生したか否かを判別するために、追加の情報を使用することができる。非限定的な他の情報の例としては、自ビークル100および/または周辺ビークル(1又は複数)の方向指示信号の起動が(例えば方向指示信号検出モジュール(1又は複数)155によって)検出されているか否か、自ビークル100および/または周辺ビークル(1又は複数)のヨーレート(例えばヨーレートセンサ(1又は複数)122および/またはセンサシステム120の他のセンサ(1又は複数)による)、および/または自ビークル100および/または周辺ビークルのGPSデータ(例えばナビゲーションシステム175および/またはセンサシステム120の他のセンサ(1又は複数)による)、または道路標識などの固定した車道上の点との関係における動き、が含まれる。横方向オフセットと組み合わせてこのような追加情報を分析することにより、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン横断があったか否かを判別することができる。
【0083】
一部の配設においては、自ビークル100と周辺ビークル(1又は複数)の間の横方向オフセットを使用することに加えて、レーン横断検出器モジュールは、現道路上のレーンマーカとの関係における自ビークル100の動きを監視することができる。例えば、自ビークル100は、自ビークル100の外部環境の視覚データを捕捉するために、センサシステム120の1つ以上のセンサ(例えば1つ以上のカメラ127)を使用することができる。視覚データ中のレーンマーカの検出および分析は、現在公知のまたは後日開発される任意の好適な技術を用いて行なうことができる。例えば、レーン横断を検出するためのレーンマーカの使用は、全体が参照により本開示に組込まれている米国特許第9,460,624号に記載されている。周辺ビークル(1又は複数)に対する自ビークル100の横方向オフセットおよびレーンマーカの両方を使用することは、マーカ品質が低いこと、レーンマーカが存在しないこと、太陽の角度が低いことなどに起因して横方向オフセットが利用不能であるか信頼できない場合に、有利であり得る。このような場合でも、本開示中に記載の配設はなお、レーン横断を識別できる可能性がある。
【0084】
レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン横断が見落されるかもしれない時間を識別することができる。例えば、横方向オフセットが利用不能であり周辺ビークルが存在しない場合などである。この情報は、レーン識別信頼性の確信を決定するとき、および/またはレーン識別の決断を再確認しなければならないときに、使用され得る。
【0085】
1つ以上の配設においては、周辺ビークルの全てが自ビークル100との関係において同じ方向に移動していることを横方向オフセット履歴が標示している場合には、自ビークル100と各々の周辺ビークルの間の横方向オフセットのより大きな変動度での変化が、レーン横断の存在決定に関して許容可能であり得るように、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145を構成することができる。こうして、全ての周辺ビークルの横方向オフセットの変化は、正確に1レーン幅だけ移動しなくてよい。1つ以上の配設においては、周辺ビークルの全てではないものの大部分が自ビークル100との関係において同じ方向に移動していることを横方向オフセット履歴が標示している場合には、自ビークル100と各周辺ビークルの間の横方向オフセットのより小さい変動度での変化が、レーン横断の存在決定に関して許容可能であり得るように、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145を構成することができる。このような場合、移動した周辺ビークルの横方向オフセットの変化は、1レーン幅により近いものでなければならない。
【0086】
レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、自らが決定するあらゆる情報を、任意の目的で自ビークル100の任意のコンポーネント、システム、および/またはモジュールに対して出力することができる。1つ以上の配設において、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン識別フィルタモジュール150に対し情報を出力することができる。
【0087】
自ビークル100は、1つ以上のレーン識別フィルタモジュール150を含むことができる。レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、自ビークル100が現在進行している道路上の全ての進行レーンにわたり自ビークル100の現進行レーンに関する確率分布を決定することができる。自ビークル100と周辺ビークル(1又は複数)の間の横方向オフセットは、道路上、特にレーンマーカが破線パターンである複数の中央レーンを伴う道路上での正確なレーンレベル局在確認を可能にすることができる。
【0088】
決定を確かめるために、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、1つ以上の入力を使用することができる。このような入力(1又は複数)には、例えば、自ビークル100と周辺ビークルの間の横方向オフセットが含まれ得る。このような情報は、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140から受信され得る。このような入力(1又は複数)の別の例としては、現道路の進行レーンの数が含まれ得る。このような情報は、獲得センサデータおよび/または地図データ116から得ることができる。このような入力(1又は複数)の別の例には、レーン横断情報が含まれ得る。レーン横断情報は、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145から受信することができる。このような入力の別の例としては、センサシステム120の1つ以上のセンサにより検出されるような、周辺レーンマーカのパターンが含まれ得る。このような入力(1又は複数)の別の例は、道路標識またはフェンスなどの道路上の公知の固定場所までの横方向距離であり得る。
【0089】
自ビークル100が現道路の各進行レーン内に位置設定されている確率の分布は、現道路のレーン数全体にわたる均等分布に初期化され得る。この初期分布はその後、上述の入力のうちの1つ以上に基づき経時的に更新され得る。図7は、自ビークル100がそのレーン内に位置設定されている確率の、現道路の各進行レーンについての確率分布を表示するグラフ700の一例である。この例において、道路は4つの進行レーン、つまりレーン0、1、2、および3を有する。図7に示されている瞬間において、該ビークルが位置設定されている確率が最も高い進行レーンは、レーン2であり、該ビークルが位置設定されている確率が最も低い進行レーンはレーン0である。
【0090】
各々の情報入力について、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、現道路の各進行レーン内にビークルが位置設定されている尤度を決定することができる。このような決定は、自ビークル100と周辺ビークルの間の横方向オフセットデータの入力に基づいて行なうことができる。図8は、横方向オフセットデータに基づいた現道路の各進行レーン内に自ビークル100が位置設定されている尤度のグラフ800の一例を提示する。この特定の例において、ビークルがレーン0、1および2に位置設定されている尤度は、横方向オフセットデータに基づいて実質的に等しい。しかしながら、横方向オフセットデータは、自ビークル100がレーン3内に位置設定されている尤度が比較的低いことを明らかにしている。
【0091】
一部の事例において、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度は極めて低いと決定することも可能であり得る。このような場合には、自ビークル100がその進行レーン内に位置設定される尤度はゼロかまたは非常に低い尤度に設定され得る。このような状況の一例が、図10に示されている。図10は、自ビークル100がレーン0、1、2、3および4を含めた5レーン道路上で運転されている例示的運転環境1000を提示する。明確さのため、図10のシナリオは、図8内に提示された尤度分布に対応していない。参照番号1010は、第1の動的先行物体の前場所を意味し、参照番号は第2の動的先行物体の前場所を意味する。自ビークル100と第1の動的先行物体1010の間の横方向オフセットは、おおよそ-2レーン幅であり得る。自ビークル100と第2の動的先行物体1020の間の横方向オフセットは、おおよそ+2レーン幅であり得る。自ビークル100をレーン0、1.3または4内に位置設定すると、第1の動的先行物体1010または第2の動的先行物体1020が道路外に出る結果となるため、これは不可能である。したがって、対応する尤度分布において、レーン2は高い尤度を有し、レーン0、1.3および4は非常に低い尤度を有することになる。このレーン識別尤度でレーン識別確率を更新することにより、自ビークル100についてのレーン識別確率は最終的にレーン2に収束する。
【0092】
本開示中に記載の配設によると、たとえ自ビークル100が、自ビークル100の各側の破線レーンマーカしか検出しない場合でさえ、またはいかなるレーンマーカも存在しないかまたは検出できない場合でさえ、尤度分布を決定することができるということが認識される。したがって、照明レベルおよび道路条件が低い場合の両方に対処するために、レーン識別にロバスト性レベルを追加することができる。ここでもまた、これらの決定は、道路の曲率についての明示的な知識がなくとも行うことができる。
【0093】
1つ以上の配設において、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、距離因子を用いて、各進行レーン内にビークルが位置設定されている尤度を調整することができる。距離因子は、周辺ビークルが最初に検出された時点または横方向オフセットを決定するのに使用された位置データが当初獲得された時点における自ビークル100と周辺ビークルの間の距離に基づくものであり得る。概して、自ビークル100と周辺ビークルの間の距離が小さくなればなるほど、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対し横方向オフセットが及ぼす効果は大きくなる。自ビークル100と周辺ビークルの間の距離が大きくなればなるほど、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対して横方向オフセットが及ぼす効果を小さくなり得る。
【0094】
1つ以上の配設において、自ビークル100と周辺物体の間の距離を、1つ以上の閾値と比較することができる。1つ以上の配設において、距離を第1の閾値と比較することができる。第1の閾値は、約80メートルないし約100メートルであり得る。代替的には、第1の閾値は、考えられるいくつかの例を挙げると、約70メートル、約75メートル、約80メートル、約85メートル、約90メートル、約95メートルまたは約100メートルであり得る。1つ以上の配設において、距離が第1の閾値を上回る場合には、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対する横方向オフセットの効果は小さくなり得る。
【0095】
代替的に、または付加的に、自ビークル100と周辺物体の間の距離を、1つ以上の配設において、第2の閾値に対して比較することができる。第2の閾値は、約10メートルから約30メートルであり得る。代替的には、考えられるいくつかの例を挙げると、約5メートル、約10メートル、約15メートル、約20メートル、約25メートルまたは約30メートルであり得る。1つ以上の配設において、距離が第2の閾値を下回る場合には、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対する横方向オフセットの効果を増大し得る。
【0096】
1つ以上の配設においては、距離を第1の閾値および第2の閾値に比較することができる。距離が第1の閾値を上回る場合には、特定の進行レーン内に自ビークル100が位置設定されている尤度に対する横方向オフセットの効果は小さくなり得る。距離が第2の閾値を下回る場合には、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対する横方向オフセットの効果は増大し得る。距離が第1の閾値より小さいが第2の閾値よりも大きい場合には、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度に対する横方向オフセットの効果の変化は存在しないかもしれない。
【0097】
図9は、自ビークルが現道路の各進行レーンに位置設定されている確率の更新された分布の一例である。図9は、図8に示された尤度分布によって調整された図7の確率分布の表現である。このような調整は、現在公知のまたは後日開発される任意の好適な統計技術を用いて行なうことができる。とりわけ、自ビークル100がレーン0、1または2に位置設定されている確率は増大し、一方自ビークル100がレーン3に位置設定されている確率は減少している。
【0098】
確率分布を更新する一つの実施例について、ここで、図7~9との関連において説明する。この実施例の場合、図7における確率分布は、レーン0、1、2、および3についてそれぞれ0.1、0.3、0.4および0.2であり得る。さらに、この実施例の場合、図8における尤度分布は、レーン0、1、2、および3についてそれぞれ1、1、1および0.6であり得る。更新済み確率は、任意の好適な方法で決定され得る。1つ以上の配設において、更新済み確率は、以下の式から決定できる:pp=(v*1)/sum(v*1)。なお式中、ppは更新済み確率、vは自ビークルがレーンn内に位置設定されている現在の確率であり、1は自ビークルがレーンn内に位置設定されている尤度であり、sum(v*1)は、道路の全ての進行レーンを横断したv*1の総和である。上述の値を使用すると、更新済み確率は、レーン0、1、2および3についてそれぞれ0.109、0.326、0.435および0.130となる。こうして、自ビークル100がレーン0、1または2内に位置設定されている更新済み確率は増大し、一方自ビークル100がレーン3内に位置設定されている更新済み確率は減少している。
【0099】
とりわけ、同じ尤度を有するレーンについては、それらの相対的関係が、更新済み確率において変化することはなかった。上述の実施例において、レーン0と1の間の先行する確率の相対的関係は1:3であり、レーン0と1の間の更新済み確率の相対的関係はなおも1:3である。これは、これらのレーンの各々に結び付けられる尤度が同じであったからである。しかしながら、レーンに割当てられた尤度が異なる場合には、それらの相対的関係は更新済み確率において変化する。以上の実施例において、レーン2と3の間の先行する確率の相対的関係は2:1であり、レーン2と3の間の更新済み確率の相対的関係は約3.38:1であるが、これは、これらのレーン各々に結び付けられた尤度が異なっていたからである。
【0100】
レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、確率分布の決定においてレーン横断を使用することができる。自ビークル100が(レーン横断検出モジュール(1又は複数)145によって検出された通りに)レーン横断を検出するとき、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150は、確率をシフトさせてレーン横断を反映させることができる。一例として、自ビークル100がレーン1からレーン2に変更する場合、これら2つのレーンの確率を切換えることができる。したがって、先にレーン1に割当てられた確率をレーン2に再割当てすることができ、先にレーン2に割当てられた確率をレーン1に再割当てすることができる。この点において、レーン横断が検出されるにつれて、確率は再計算されず、異なるレーンに再割当てされる。このようにして、計算時間を節約することができる。
【0101】
自ビークル100は、1つ以上の方向指示信号検出モジュール155を含むことができる。方向指示信号モジュール(1又は複数)155は、センサシステム120からのデータを分析することができる。例えば、方向指示信号モジュール(1又は複数)155は、自ビークル100の外部環境内の物体が左折または右折のいずれをシグナリングしているかを検出するため、センサシステム120の1つ以上のカメラ127を用いて獲得された視覚データを分析することができる。例えば、周辺環境内の別のビークルの方向指示信号が起動されたか否かを検出するため、獲得視覚データを方向指示信号モジュール(1又は複数)155および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって分析、査定および/または処理することができる。方向指示信号が起動されていることが検出された場合には、このような情報を用いて、自ビークル100のレーン横断および/または現進行レーンを決定することができる。
【0102】
レーン横断が検出された時点で、レーン識別フィルタモジュールが、レーン変更の方向において各レーン内の確率の全てまたは一部分を1レーン分だけシフトさせる機能によって、先行するレーン識別確率分布を更新することができる。例えば、左へのレーン変更がレーン横断検出モジュール(1又は複数)145によって検出された場合、各レーンの確率の80%(または他の百分率)を左にシフトさせることによって、[0.1、0.5、0.4]の先行するレーン識別確率分布を更新し、結果として[0.4、0.32、0.08]の新しいレーン識別確率分布を得ることができると考えられる。
【0103】
例えばレーンの増加または削減などの道路トポロジの変化に起因してレーンの付番が変化したことを地図データが標示した場合、各レーン内の確率の全てまたは一部をレーン変更の方向に1レーンだけシフトさせる機能によって、先行するレーン識別確率分布を更新することができると考えられる。例えば、レーンが左側に追加されることを地図データ116が標示した場合、各レーンの確率の80%(または他の百分率)を右にシフトさせることによって、[0.1、0.5、0.4]の先行するレーン識別確率分布が更新され、結果として[0.02、0.18、0.48、0.32]の新しいレーン識別確率分布を得ることができると考えられる。
【0104】
自ビークル100は、1つ以上の自律的運転モジュール160を含むことができる。自律的運転モジュール(1又は複数)160は、自ビークル100および/または自ビークル100の外部環境に関連する情報を捕捉することのできるセンサシステム120および/または任意の他のタイプのシステムからデータを受信することができる。1つ以上の配設において、自律的運転モジュール(1又は複数)160は、このようなデータを用いて、1つ以上の運転シーンモデルを生成することができる。自律的運転モジュール(1又は複数)160は、自ビークル100の位置および速度を決定することができる。自律的運転モジュール(1又は複数)160は、障害物または交通標識、樹木、低木、隣接ビークル、歩行者などを含めた他の環境特徴部の場所を決定することができる。
【0105】
自律的運転モジュール(1又は複数)160は、自ビークル100の位置および配向、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標内のビークルの位置、または自ビークル100の現在の状態を決定するためまたは地図を作成するかまたは地図データとの関係における自ビークル100の位置を決定する上で使用するための自ビークル100の環境との関係における自ビークル100の位置を決定するために使用され得る任意の他のデータおよび/または信号、を推測する目的で、プロセッサ(1又は複数)110および/または本開示中に記載のモジュールの1つ以上によって使用されるための自ビークル100の外部環境内部の障害物についての場所情報を受信、捕捉および/または決定することができる。
【0106】
自律的運転モジュール(1又は複数)160は、センサシステム120が獲得したデータ、運転シーンモデルおよび/または任意の他の好適なソース由来のデータに基づいて、進行進路(1又は複数)、自ビークル100の現在の自律的運転操作、将来の自律的運転操作および/または現在の自律的運転操作に対する修正を決定することができる。「運転操作」とは、ビークルの運動に影響を及ぼす1つ以上のアクションを意味する。運転操作の例としては、考えられるいくつかの例を挙げるだけでも、加速、減速、制動、方向転換、自ビークル100の横方向移動、進行レーンの変更、進行レーン内への合流、および/または後進、が含まれる。自律的運転モジュール(1又は複数)160は、直接的または間接的に、このような自律的運転操作を実装させることができる。本開示中で使用される「~させる(causeまたはcausing)」なる用語は、直接的または間接的に、1つの事象またはアクションが発生するまたは少なくともこのような事象またはアクションが発生し得る状態になるようにする、強制する、余儀なくさせる、指図する、指令する、命令するおよび/または可能にすることを意味する。自律的運転モジュール(1又は複数)160は、さまざまなビークルの機能を実行し、かつ/または、自ビークル100または1つ以上のそのシステム(例えばビークルシステム170の1つ以上)に対してデータを伝送する、そこからデータを受信する、それらと対話する、および/またはそれらを制御することができる。
【0107】
自ビークル100は、1つ以上の警報モジュール165を含むことができる。警報モジュール(1又は複数)165は、自ビークル100内部で、警報、メッセージ、警告および/または通知を提示させることができる。警報モジュール(1又は複数)165は、考えられるいくつかの例を挙げるだけでも;例えば視覚、聴覚および/または触覚警報を含めた任意の好適なタイプの警報、メッセージ、警告および/または通知を提示させることができる。警報モジュール(1又は複数)180は、1つ以上のビークルシステムおよび/またはコンポーネントに対して作動的に接続されて、警報を提示させることができる。
【0108】
自ビークル100は、1つ以上のビークルシステム170を含むことができる。1つ以上のビークルシステム170は推進システム、制動システム、操舵システム、スロットルシステム、トランスミッションシステム、シグナリングシステムおよび/またはナビゲーションシステム175を含むことができる。これらのシステムの各々は、現在公知のまたは後日開発される1つ以上の機構、デバイス、要素、コンポーネント、システムおよび/またはそれらの組み合わせを含むことができる。ビークルシステム170の上述の例は非限定的なものである。実際、ビークルシステム170がより多くの、より少ないまたは異なるビークルシステムを含むことができるということが理解される。特定のビークルシステムが別個に定義されているものの、システムまたはその一部分の各々またはいずれかは、自ビークル100の内部でハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して組み合わされるかまたは分離されてよいということを認識すべきである。
【0109】
ナビゲーションシステム175は、自ビークル100の地理的場所を決定しかつ/または自ビークル100の進行ルートを決定するように構成された、現在公知のまたは後日開発される1つ以上の機構、デバイス、要素、コンポーネント、システム、アプリケーションおよび/またはそれらの組み合わせを含むことができる。ナビゲーションシステム175は、自ビークル100の進行ルートを決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含むことができる。ナビゲーションシステム175は、全地球測位システム、局所測位システムまたは地理位置情報システムを含むことができる。
【0110】
プロセッサ(1又は複数)110および/またはモジュール(1又は複数)の1つ以上は、さまざまなビークルシステム170および/またはその個別のコンポーネントと通信するように、作動的に接続され得る。例えば、図1に戻ると、プロセッサ(1又は複数)110および/またはモジュール(1又は複数)の1つ以上は、自ビークル100の運動、速度、操作、進行方向、方向、場所、位置などを分析および/または制御するため、さまざまなビークルシステム170からの情報を送信および/または受信するように通信状態にあることができる。プロセッサ(1又は複数)110および/またはモジュール(1又は複数)の1つ以上は、ビークルシステム170のいくつかまたは全てを制御するように構成されてよく、こうして、部分的または完全に自律的であってよい。例えば、自律モードで動作しているとき、プロセッサ(1又は複数)110および/または自律的運転モジュール(1又は複数)160は、自ビークル100の方向および/または速度を制御することができる。プロセッサ(1又は複数)110および/または自律的運転モジュール(1又は複数)160は、自ビークル100に加速(例えばエンジンに提供される燃料供給を増大させることによる)、減速(例えばエンジンに対する燃料の供給を減少させることおよび/またはブレーキを適用することによる)および/または方向変更(例えば2つの前輪を方向転換させることによる)をさせることができる。
【0111】
自ビークル100は、プロセッサ(1又は複数)110および/またはモジュール(1又は複数)の1つ以上からの信号または他の入力の受信に応答してビークルシステム170またはそのコンポーネントの1つ以上を修正、調整および/または改変するための1つ以上のアクチュエータを含むことができる。1つ以上のアクチュエータは、考えられるいくつかの例を挙げるだけでも、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイドおよび/または圧電アクチュエータを含むことができる。
【0112】
自ビークル100は、このような情報またはデータの任意の好適なソースから道路情報またはデータを得るように構成され得る。例えば、図11を参照すると、自ビークル100および/または自ビークル100の1つ以上のコンポーネントは、1つ以上の通信ネットワーク1120を通して1つ以上の道路データソース1110に対して通信的にリンクされ得る。
【0113】
道路データソース1110は、道路関連情報またはデータの任意のソースであり得る。道路データソース1110は、例えば道路および/または交通サーバ、道路および/または交通条件データベース、道路および/または交通ニュースソース、オンライン道路および/または交通データベース(例えば道路および/または交通関連ウェブサイト)、1つ以上の公的機関(例えば国、州または現地の運輸官庁)、1つ以上の公的団体(例えばニュース報道機関)および/または1つ以上の民間団体から入手可能な刊行物、システムまたはソースであり得る。自ビークル100および/または自ビークル100の1つ以上のコンポーネントは、実時間で道路関連情報またはデータを決定するかまたは得るように構成され得る。
【0114】
自ビークル100および/または自ビークル100の1つ以上のコンポーネントが得ることのできる道路関連情報またはデータの例としては、交通、通行止め、封鎖、事故、渋滞、建設工事、現在の交通速度、現進行レーン情報、掲示速度制限、他の交通関連事象、道路条件、欠陥(例えば道にできた穴)が含まれ得る。道路関連情報またはデータは、道路および/または道路の1つ以上の個別の進行レーンに適用されてよく、かつ/またはこれらと結び付けることができる。1つ以上の配設において、自ビークル100および/または自ビークル100の1つ以上のコンポーネントは、所与の場所についての道路関連情報またはデータ履歴を得ることができる。
【0115】
自ビークル100のさまざまな潜在的システム、デバイス、要素および/またはコンポーネントについて説明してきたが、ここでさまざまな方法について説明する。このような方法の考えられるさまざまなステップをここで説明する。記載の方法は、図1~11に関連して上述した配設に対し適用可能であり得るが、該方法を他の好適なシステムおよび配設を用いて実施できることが理解される。その上、該方法は、ここでは示されていない他のステップを含んでいてよく、実際、該方法は示された全てのステップの包含に限定されない。ここで該方法の一部として例示されているブロックは、特定の発生順に限定されない。実際、ブロックのいくつかは、示されているものとは異なる順序で行なうことができ、かつ/または示されているブロックの少なくともいくつかは、同時に発生し得る。
【0116】
ここで図12を参照すると、自ビークルの現場所と動的先行物体の前場所の間の横方向オフセットを決定する方法1200の一例が示されている。ブロック1210において、ビークルの外部環境内で動的先行物体を検出することができる。検出は、センサシステム120の1つ以上のセンサが獲得した自ビークル100の外部環境の少なくとも一部分のセンサデータ(例えばライダデータ、レーダデータおよび/またはカメラデータ)を用いて、物体検出モジュール(1又は複数)137、プロセッサ(1又は複数)110および/またはセンサシステム120によって行なわれ得る。検出された動的先行物体は、自ビークル100の進行方向で自ビークル100の前方に位置設定され得る。動的先行物体が検出されない場合および/または自ビークル100の進行方向で自ビークル100の前方にいかなる物体も検出されない場合には、該方法1200は終了すること、ブロック1210に戻ること、または他のいずれかのブロックに進むことができる。動的先行物体が検出された場合、該方法1200は、ブロック1220に進むことができる。
【0117】
ブロック1220において、動的先行物体の進路を経時的に追跡することができる。例えば、動的先行物体の位置データを経時的に獲得することができる。位置データは、ビークルの現基準座標系内の動的先行物体のx-y座標データを含むことができる。位置データには、原初の基準座標系内のビークルまでの長手方向距離および横方向距離、時間データ(例えば場所データを獲得した時間)、現在のビークル基準座標系内のビークルまでの長手方向距離および横方向距離、場所データを獲得したセンサにより割当てられる任意の識別子、当該システムにより捕捉データに割当てられる任意の一意的識別子、運動状態(例えば現在移動中または過去に移動中であった)、および測定値が有効か無効か(例えばセンサの不具合、追跡の不具合または、物体が既定の範囲外にあることに起因する)、が含まれ得る。動的先行物体の位置データは、センサシステムの1つ以上のセンサによって獲得され得る。例えば、動的先行物体の位置データは、1つ以上のレーダセンサ、1つ以上のライダセンサ、および/または1つ以上のカメラにより獲得され得る。動的先行物体の位置データは、周期的、不規則的さらには無作為に獲得され得る。方法1200はブロック1230に進むことができる。
【0118】
ブロック1230において、自ビークル100の現位置を決定することができる。自ビークル100の前基準座標系において決定を行なうことができる。このような決定は、任意の好適な方法、例えばセンサシステム120の1つ以上のセンサおよび/またはナビゲーションシステム175などによって行なうことができる。自ビークル100の配向も同様に、例えばセンサシステム120の1つ以上のセンサ(例えばヨーレートセンサ122)によって決定され得る。自ビークル100の現位置の決定は、連続的に、周期的に、不規則的にさらには無作為に行なうことができる。該方法1200は、ブロック1235に進むことができる。
【0119】
ブロック1235において、自ビークル100の新位置を使用して、自ビークル100の新しい基準座標系へと動的先行物体の位置データを変換することができる。該方法1200は決断ブロック1240に進むことができる。
【0120】
決断ブロック1240においては、動的先行物体の変換済み位置データまでの長手方向距離を精査することにより、自ビークル100の現位置が、動的先行物体の獲得された位置データに基づいて先行する時点における動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することができる。比較を行なうため、動的先行物体の前の獲得された位置データを上述の通り自ビークル100の現基準座標系に変換することができる。決定ステップは、連続的、周期的、不規則的および/または無作為的に行なうことができる。決定ステップは、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140および/またはプロセッサ(1又は複数)110により行なわれ得る。
【0121】
自ビークル100の現位置が、動的先行物体の獲得された位置データに基づいて先行する時点での動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にない場合、方法1200は終了でき、あるいは方法1200はブロック1230または他のいずれかのブロックまで戻ることができる。しかしながら、自ビークル100の現位置が動的先行物体の獲得された位置データに基づいて先行する時点での動的先行物体と実質的に同じ長手方向位置にある場合には、方法1200はブロック1250に進むことができる。1250においては、自ビークルの現位置と動的先行物体の先行位置の間の横方向オフセットを決定することができる。このような決定は、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なわれ得る。決定された横方向オフセットは、本開示中に記載のさまざまな目的のため、自ビークル100によって使用され得る。
【0122】
方法1200は終了できる。代替的には、方法1200は、ブロック1210または他のいずれかのブロックまで戻ることができる。
【0123】
ここで図13を参照すると、少なくとも部分的にビークルの現位置と動的先行物体の前場所の間の横方向オフセットを使用してレーン横断を検出する方法1300の一例が示されている。ブロック1310において、レーン横断プリプロセッサモジュール(1又は複数)140によって決定される通りの決定された横方向オフセットを横方向オフセット履歴(例えば横方向オフセットデータ118)に追加することができる。横方向オフセット履歴は、各横方向オフセットが決定されるにつれて更新され得る。方法1300はブロック1320に進むことができる。
【0124】
ブロック1320において、存在する場合には「不良な横方向オフセット」を除去するために、横方向オフセット履歴をフィルタリングすることができる。「不良横方向オフセット」は、既定の基準を満たさない(例えば物体が、横方向オフセットのサイズに基づいて道路の任意の進行レーン内に入らない)および/または他の形で不良な横方向オフセットとして標示されている(例えばセンサの障害が検出されている、標的がセンサの許容可能範囲外にある、など)あらゆる横方向オフセットであり得る。決定された横方向オフセットは、それらが横方向オフセット履歴に追加される前または後にフィルタリングされ得る。横方向オフセットのフィルタリングは、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なわれ得る。方法1300は、決断ブロック1330に進むことができる。
【0125】
決断ブロック1330において、レーン横断が発生したか否かを判別することができる。決定は、経時的に、自ビークル100と2つ以上の周辺ビークルの間のフィルタリングされた横方向オフセットに基づいて行なうことができる。レーン横断が発生したか否かを判別するために、フィルタリングされた横方向オフセットの任意の好適な分析を行なうことができる。そのさまざまな実施例が以上で説明されている。決定は、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なうことができる。
【0126】
レーン横断が発生したことが決定された場合、方法1300はブロック1350に進むことができる。決定されたレーン横断方向をも含み得るレーン横断の決定は、自ビークル100の1つ以上の他のコンポーネント、システムまたはモジュールに出力され得る。一例として、決定されたレーン横断は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150に出力され得る。
【0127】
レーン横断が発生しなかったことが決定された場合には、方法1300はブロック1350に進むことができる。このような場合、レーン横断が発生しなかったことの決定は、自ビークル100の1つ以上の他のコンポーネント、システムまたはモジュールに出力され得る。一例として、レーン横断無しの決定は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150に出力され得る。
【0128】
レーン横断が発生したか否かについての判別を行なうことができない場合、方法1300は、ブロック1340に進むことができる。ブロック1340において、追加の情報を使用してレーン横断が発生したか否かを判別することができる。追加情報は、任意の好適なソースに由来し得る。一例として、追加情報は、横方向オフセット内の自ビークル100および/または周辺ビークルのいずれかが、起動された方向指示信号を有していたか否かについての情報を含むことができる。このような情報は、方向指示信号検出モジュール(1又は複数)155または他のソース(例えばセンサシステム120)から得ることができる。代替的にまたは付加的に、追加情報は、自ビークル100および/または周辺ビークルに関するGPSデータまたは他の位置データを含むことができる。このような情報は、ナビゲーションシステム175または他のソースから得ることができる。上述の実施例のいずれかに対して代替的にまたは付加的に、追加情報は、自ビークル100についてのヨーレート情報を含むことができる。このような情報は、センサシステム12から得ることができる。以上の実施例が非限定的なものであることが理解される。実際、追加情報は、上述の情報に追加のまたは上述の情報と異なる情報を含むことができ、追加情報の任意の組み合わせを含むことができる。追加情報に基づいて、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145および/またはプロセッサ(1又は複数)110は、レーン横断が発生したか否かを判別することができる。方法1300は、上述のようにブロック1350に進むことができる。
【0129】
方法1300は終了し得る。代替的には、方法1300はブロック1310または他のいずれかのブロックまで戻ることができる。
【0130】
ここで図14を参照すると、レーン確率分布を決定する方法1400の一例が示されている。ブロック1410では、自ビークル100の現道路の進行レーン数を決定することができる。このような決定は、地図データ116を用いて、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なうことができる。このような情報は、非常に精細なものではない(例えば道路曲率/幾何形状情報を含まない)地図データ116から得ることができる。方法1400は、ブロック1420に進むことができる。
【0131】
ブロック1420において、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている初期確率分布を、全ての進行レーンにわたり適用することができる。1つ以上の配設において、初期確率分布は、一定数の進行レーン間で同等に分割され得る。したがって、例えば4レーン道路においては、自ビークル100が各進行レーン内に位置設定されている初期確率分布は25%となる。初期確率分布の適用は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)によって行なわれ得る。方法1400は、ブロック1430に進むことができる。
【0132】
ブロック1430においては、道路トポロジのあらゆる変化を決定することができる。このような決定は、例えば地図データ116を使用することによって行なわれ得る。このような決定は、連続的、周期的、不規則的さらには無作為に行なうことができる。決定は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)により行なわれ得る。方法1400は、ブロック1440に進むことができる。
【0133】
ブロック1440では、レーン確率分布を、道路トポロジの変化に基づいて調整することができる。このような調整は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150、他のモジュール(1又は複数)、および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なうことができる。一例として、自ビークル100の現進行レーンの左側で進行レーンが追加または削除された場合、レーンは左から右に付番されているためレーンの追加を理由としてビークル下のレーンの付番が変化することから、レーン確率分布はシフトされる。しかしながら、自ビークル100の現進行レーンの右側で進行レーンが追加または削除された場合、レーン付番は変化しないことから、レーン確率分布をシフトさせる必要はない。方法1400はブロック1450に進むことができる。
【0134】
ブロック1450において、自ビークル100の任意のレーン横断を決定することができる。このような決定は、現在公知のまたは後日開発される任意の好適な方法で行なうことができる。このような決定は、連続的に、周期的に、不規則的に、さらには無作為に行なうことができる。決定は、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145および/またはプロセッサ(1又は複数)110によって行なわれ得る。方法1400はブロック1460に進むことができる。
【0135】
ブロック1460において、任意の決定されたレーン横断に基づいて、レーン確率分布を調整することができる。このような調整は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)110により行なわれ得る。方法1400は、ブロック1470に進むことができる。
【0136】
ブロック1470では、自ビークル100が現道路の各進行レーン内に位置設定されている尤度を決定することができる。このような決定は、周辺ビークルに関する情報を用いて行なうことができる。より詳細には、このような決定は、自ビークル100と周辺ビークル(1又は複数)間の横方向オフセットに基づくことができる。決定は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)によって行なわれ得る。方法1400は、ブロック1480に進むことができる。
【0137】
ブロック1480において、自ビークル100が現道路の特定の進行レーン内に位置設定されている確率の分布は、自ビークル100が各進行レーン内に位置設定されている決定された尤度に基づいて調整され得る。調整は、レーン識別フィルタモジュール(1又は複数)150および/またはプロセッサ(1又は複数)によって行なわれ得る。
【0138】
方法1400は、終了し得る、代替的には、方法1400は、ブロック1410または他のいずれかのブロック1420まで戻ることができる。自ビークル100が現道路上に留まっている間、方法1440はブロック1430に戻ることができる。
【0139】
横方向オフセット、レーン横断および/または進行レーン確率分布をさまざまな形で使用することができる。例えば、このような情報を用いて、ビークルの自動化を支持しかつ/またはビークルドライバに対し情報を提供することができる。一例として、自ビークル100は、前方に位置設定された別のビークルを追い越したい場合、別のビークルを追い越すために利用可能な進行レーンが存在することを知っていなければならない。本開示中に記載の配設は、自ビークル100がこのようなレーンの存在を識別する一助となることができる。さらに、本開示中に記載の配設にしたがって決定された情報を、自ビークル100のナビゲーションに関連して使用することができる。例えば自ビークル100の現在の進行ルートは、幾らかの距離だけ前方において自ビークル100が現道路を退出することを含むことができる。ビークルにどのような将来のアクションが求められるかを知ることにより、自ビークル100は、退出を計画するときに自ビークル100の現進行レーンを考慮に入れることができる。
【0140】
一部の事例において、自ビークル100は、進行前方におけるアクションについてドライバに警報を与えるため、警報モジュール(1又は複数)165を使用することなどによって、警報を提供してよい。警報は、本開示中で決定された情報に基づいて修正または調整することができる。例えば、ビークルの現在の進行計画の下で、ドライバは、現位置の前方7マイルのところで高速道路を退出しなければならないと想定する。通常、自ビークル100は、退出の警報が提供される標準的な距離または時間(例えば自ビークル100が出口から約2マイル離れたところに位置設定されている場合)を有し得る。しかしながら、本開示中に記載の配設により、自ビークル100が高速道路の最も左側のレーン内に位置設定されていることが決定された場合には、警報モジュール(1又は複数)165はこのような情報を考慮に入れ、ドライバに対しより早く(例えば3、4または5マイルのところで)警報を提示させてよい。このようにして、ドライバは、来たる出口に備えて準備するべく左に向かって移動し始めるために適切なアクションをとることができる。
【0141】
一部の配設において、自ビークル100は本開示中で決定された情報(例えば横方向オフセット、レーン横断および/または進行レーン確率分布)を道路のデータ(例えば道路データソース1110から得たもの)と共に使用して、進行前方の出口についてドライバに警報を与えるかまたは与えないことができる。例えば、自ビークル100は、4本の進行レーン(レーン0、1、2、3)を伴う道路上を進行することができる。道路データソース1110からの情報を使用して、自ビークル100は、レーン2内に大きな穴が存在することを決定することができる。しかしながら、本開示中に記載の配設に基づいて、自ビークル100は、自らがレーン0内に位置設定されていることを決定することができる。このような場合、現在の条件に基づくと自ビークルは道路にできた穴に遭遇しないことから、自ビークル100はドライバに警報を提示することを控えることができる。したがって、自ビークル100は、このような情報が不要であるため、道にできた穴についての警報を提供しない。しかしながら、ビークルが進行レーンを変更したことが決定され、レーン2内に位置設定された状態になった場合には、自ビークル100は、穴の存在に関する警報を提供することができる。
【0142】
情報は、自ビークル100が高度に自動化されている場合でさえ使用され得る。このような場合、自ビークル100は非常に精細な地図を使用し得るが、本開示中で決定される情報が有益であり得る一定の事例、例えば初期化中および機能停止中などの事例が存在する可能性がある。一例として、一部の事例において、自ビークル100のセンサシステム120は、レーンマーカまたは他の基準点に関して見通しが悪い状態(例えば防眩または道路不良条件)となり、ビークルに自らを局在確認する能力を失わせる場合もある。したがって、自ビークル100の自律的動作の一時的機能停止が存在し得る。自ビークル100の人間の乗員は、自ビークル100の動作を制御することができる。この時間中に、本開示中に記載の配設は、ビークルが位置設定されているのがどの進行レーンであるかを追跡し続けることができる。人間の乗員が自ビークル100に対し制御を戻した時点で、このような情報は、自ビークル100が完全自動化へと復旧する時間を最小限に抑えることができる。本開示中に記載の配設は同様に、高度に自動化されたビークルが、高速道路進入などの新しい運転環境に入るときにも有益であり得る。本開示中に記載の配設にしたがって決定された情報は、新しい運転環境内でビークル自身が初期化するのに必要な時間を最小限に抑えることができる。
【0143】
本開示中に記載の配設は、本開示中に言及されたメリットの1つ以上を含めた多くのメリットを提供できることが認識される。例えば、本開示中に記載の配設は、道路の曲率データを有するかまたは使用することなく、ビークルの現進行レーンを決定することができる。本開示中に記載の配設は、環境の高精度でかつ/または非常に精細な地図無しで、ビークルの現進行レーンを決定することができる。本開示中に記載の配設は、レーンマーカが見えないか存在しない場合でさえ、ビークルの現進行レーンを決定することができる。本開示中に記載の配設は、計算時間およびコストを削減することができる。本開示中に記載の配設は、ビークルの現進行レーンを識別する、よりロバスト性の高い方法を提供することができる。本開示中に記載の配設は、道路の湾曲部分内で発生するレーン横断を検出することができる。本開示中に記載の配設は、3本超のレーンが道路上に存在するシナリオにおけるビークルの現進行レーンを識別することができる。本開示中に記載の配設は、他のビークルとの直接的通信無く達成可能である。
【0144】
図中の流れ図およびブロック図は、さまざまな実施形態に係るシステム、方法およびコンピュータプログラムの考えられる実装のアーキテクチャ、機能性および動作を例示する。この点において、流れ図またはブロック図中の各ブロックは、規定された論理的機能(1又は複数)を実装するための1つ以上の実行可能な命令を含む、モジュール、セグメントまたはコード部分を表現し得る。一部の代替的実装において、ブロック中に指摘されている機能は、図中に記された順序外で発生し得るということにも留意すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてよく、または関与する機能性に応じて、ブロックを時として逆の順序で実行することも可能である。
【0145】
以上で説明されたシステム、コンポーネントおよび/またはプロセスは、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形で実現されてよく、1つの処理システム中に集中された形でまたは複数の相互接続された処理システムを横断して異なる要素が展開される分散した形で実現され得る。本開示中で説明されている方法を実施するように適応されたあらゆる種類の処理システムまたは他の装置が好適である。ハードウェアおよびソフトウェアの典型的な1つの組み合わせは、ロードされ実行されるとき、本開示中に記載の方法を実施するように処理システムを制御するコンピュータ可使プログラムコードを伴う処理システムであり得る。システム、コンポーネントおよび/またはプロセスは同様に、本開示中に記載の方法およびプロセスを行なうために機械により実行可能である命令プログラムを有形に具体化する機械によって読取り可能なコンピュータプログラムプロダクトまたは他のデータプログラム記憶デバイスなどのコンピュータ可読記憶装置中に埋め込まれ得る。これらの要素は同様に、本開示中に記載の方法の実装を可能にする全ての特徴部を含み。かつ処理システム内にロードされた時にこれらの方法を実施することのできるアプリケーションプロダクト中に埋込むことも可能である。
【0146】
その上、本開示中に記載の配設は、コンピュータ可読プログラムコードが具体化または埋め込まれた、例えば記憶された1つ以上のコンピュータ可読媒体中で具体化されたコンピュータプログラムプロダクトの形をとることができる。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってよい。「コンピュータ可読記憶媒体」なる言い回しは、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線または半導体システム、装置またはデバイス、またはこれらの好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)には、以下のものが含まれると考えられる:1本以上の線を有する電気接続、携帯式コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学式記憶デバイス、磁気記憶デバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせ。本開示に関連して、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによってまたはこれらと関連して使用されるためのプログラムを格納または記憶することのできる任意の有形媒体であってよい。
【0147】
コンピュータ可読媒体上に具体化されたプログラムコードは、非限定的に無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、またはこれらの好適な組み合わせを含む任意の適切な媒体を用いて伝送可能である。本配設の態様のための動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含めた1つ以上のプログラミング言語の1つ以上の任意の組み合わせで書かれてよい。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上でかつ部分的に遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔のコンピュータまたはサーバ上で、実行可能である。後者のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてよく、あるいは、接続を外部コンピュータに対して(例えばインタネットサービスプロバイダを用いてインターネットを通して)行なうことが可能である。
【0148】
本開示中で使用される「a」および「an」なる用語は、1つまたは2つ以上として定義される。本開示中で使用される「複数(plurality)」なる用語は、2つまたは3つ以上として定義される。本開示中で使用される「別の(another)」なる用語は、少なくとも第2以上のものとして定義される。本開示中で使用される「~を含む(including)」および/または「~を有する(having)」なる用語は、含む(comprising)(すなわちオープンランゲージ)として定義される。本開示中で使用される「...および...の少なくとも1つ(at least one of...and...)」なる言い回しは、結び付けられた列挙された項目の1つ以上のいずれかおよび全ての考えられる組み合わせを意味しかつ包含する。一例として、「A、BおよびCの少なくとも1つ」なる言い回しは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、またはそれらの任意の組み合わせ(例えばAB、AC、BCまたはABC)を含む。
【0149】
本開示中の態様は、これらの態様の精神または必須の属性から逸脱することなく他の形態で具体化され得る。したがって、本発明の範囲を標示するものとして、以上の明細書ではなくむしろ以下の特許請求の範囲の参照が指示されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
図3Cは、自ビークル100および先行ビークル340が道路300の進行方向内を前方に移動した、後続の時間的瞬間を示す。自ビークル100および他のビークルはそのそれぞれのレーン内にとどまっている。自ビークル100の配向は今、道路300内のカーブに到達するにつれて変化し始めている。先行ビークル340の配向は、先行ビークルが道路300内のカーブを通って進行するにつれて変化し続ける。自ビークル100は、経時的に、先行自ビークル100の追加の位置データ375を獲得し続ける。各々の時間ステップにおいて、先行ビークル340の獲得された位置データは、自ビークル100の現位置および/または現基準座標系について変換される。図3において、自ビークル100の配向は、図3B中の配向から変化している。その結果として、自ビークル100の基準系は変化し、先行ビークル340の獲得された位置データは、自ビークル100の現基準座標系へと変換され得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
しかしながら、一部の事例において、横方向オフセットデータ単独からレーン横断が存在したか否かを判別することは不可能であるかもしれない。図6は、このようなシナリオの一例を示す。図6は、自ビークル100と第1の周辺ビークルの間の横方向オフセット610および自ビークル100と第2の周辺ビークルの間の横方向オフセット620の経時的グラフ600を提示する。時間0において、第1の周辺ビークルは、ビークル100が現在位置設定されているのと同じ進行レーン内に位置設定され、第2の周辺ビークルは、自ビークル100の現進行レーンの1進行レーンだけ左側に位置設定されていた。経時的に、横方向オフセット610は、およそ1進行レーン幅だけ右にシフトするが、横方向オフセット620は1進行レーン幅未満だけ右にシフトする。このような場合、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、自ビークル100のレーン横断が存在したか否かを判別することができない。このような事例では、レーン横断が発生したか否かを判別するために、追加の情報を使用することができる。非限定的な他の情報の例としては、自ビークル100および/または周辺ビークル(1又は複数)の方向指示信号の起動が(例えば方向指示信号検出モジュール(1又は複数)155によって)検出されているか否か、自ビークル100および/または周辺ビークル(1又は複数)のヨーレート(例えばヨーレートセンサ(1又は複数)122および/またはセンサシステム120の他のセンサ(1又は複数)による)、および/または自ビークル100および/または周辺ビークルのGPSデータ(例えばナビゲーションシステム175および/またはセンサシステム120の他のセンサ(1又は複数)による)、または道路標識などの固定した車道上の点との関係における動き、が含まれる。横方向オフセットと組み合わせてこのような追加情報を分析することにより、レーン横断検出モジュール(1又は複数)145は、レーン横断があったか否かを判別することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
一部の事例において、自ビークル100が特定の進行レーン内に位置設定されている尤度は極めて低いと決定することも可能であり得る。このような場合には、自ビークル100がその進行レーン内に位置設定される尤度はゼロかまたは非常に低い尤度に設定され得る。このような状況の一例が、図10に示されている。図10は、自ビークル100がレーン0、1、2、3および4を含めた5レーン道路上で運転されている例示的運転環境1000を提示する。明確さのため、図10のシナリオは、図8内に提示された尤度分布に対応していない。参照番号1010は、第1の動的先行物体の前場所を意味し、参照番号1020は第2の動的先行物体の前場所を意味する。自ビークル100と第1の動的先行物体1010の間の横方向オフセットは、おおよそ-2レーン幅であり得る。自ビークル100と第2の動的先行物体1020の間の横方向オフセットは、おおよそ+2レーン幅であり得る。自ビークル100をレーン0、1.3または4内に位置設定すると、第1の動的先行物体1010または第2の動的先行物体1020が道路外に出る結果となるため、これは不可能である。したがって、対応する尤度分布において、レーン2は高い尤度を有し、レーン0、1.3および4は非常に低い尤度を有することになる。このレーン識別尤度でレーン識別確率を更新することにより、自ビークル100についてのレーン識別確率は最終的にレーン2に収束する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
一部の事例において、自ビークル100は、進行前方におけるアクションについてドライバに警報を与えるため、警報モジュール(1又は複数)165を使用することなどによって、警報を提供してよい。警報は、本開示中で決定された情報に基づいて修正または調整することができる。例えば、ビークルの現在の進行計画の下で、ドライバは、現位置の前方7マイルのところで高速道路を退出しなければならないと想定する。通常、自ビークル100は、退出の警報が提供される標準的な距離または時間(例えば自ビークル100が出口から約2マイル離れたところに位置設定されている場合)を有し得る。しかしながら、本開示中に記載の配設により、自ビークル100が高速道路の最も左側のレーン内に位置設定されていることが決定された場合には、警報モジュール(1又は複数)165はこのような情報を考慮に入れ、ドライバに対しより早く(例えば3、4または5マイルのところで)警報を提示させてよい。このようにして、ドライバは、来たる出口に備えて準備するべくに向かって移動し始めるために適切なアクションをとることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
本開示中の態様は、これらの態様の精神または必須の属性から逸脱することなく他の形態で具体化され得る。したがって、本発明の範囲を標示するものとして、以上の明細書ではなくむしろ以下の特許請求の範囲の参照が指示されるべきである。
[構成1]
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、
前記自ビークルの外部環境内の動的先行物体を検出することと、
経時的に前記動的先行物体の位置データを獲得することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記動的先行物体の獲得された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む方法。
[構成2]
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーン識別が行なわれる、ことをさらに含む、構成1に記載の方法。
[構成3]
前記自ビークルの現基準座標系を決定することと、
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することと、
をさらに含み、
前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の前記横方向オフセットを決定することが、変換された、獲得された前記位置データを用いて行なわれる、
構成1に記載の方法。
[構成4]
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、構成3に記載の方法。
[構成5]
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
をさらに含む、構成1に記載の方法。
[構成6]
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定することが、
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記自ビークルの前記現位置の近くの前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平均化することであって、平均が加重平均であり、前記自ビークルの前記現位置のより近くに位置設定された、獲得された位置データが、前記自ビークルの前記現位置からより遠くに位置設定された、獲得された位置データよりも、重く重み付けされる、前記位置データを平均化すること、
を含む、構成5に記載の方法。
[構成7]
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
をさらに含む、構成1に記載の方法。
[構成8]
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、構成7に記載の方法。
[構成9]
前記道路の各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される確率を決定することをさらに含み、前記決定することが、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の決定された前記横方向オフセットに基づいて前記自ビークルが各進行レーン内に位置設定される尤度に基づいている、構成1に記載の方法。
[構成10]
距離因子を用いて各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される前記尤度を調整することをさらに含み、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値未満であると、前記距離因子は前記尤度に対しより大きな影響を及ぼし、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値を超えていると、前記距離因子は前記尤度に対しより小さな影響を及ぼす、構成9に記載の方法。
[構成11]
前記自ビークルが前記道路の各進行レーン内に位置設定されていることについての決定された前記確率に少なくとも部分的に基づいて警報を決定することと、
前記自ビークルのドライバに対し前記警報を提示することと、
をさらに含む、構成9に記載の方法。
[構成12]
道路上の自ビークルについての現進行レーンを識別するためのシステムにおいて、
センサシステムであって、
前記自ビークルの外部環境のセンサデータを獲得し、
経時的に前記外部環境内の動的先行物体の位置データを獲得する、
ように構成された1又は複数のセンサを含むセンサシステムと、
前記センサシステムに対し作動的に接続されたプロセッサであって、
前記自ビークルの外部環境内で動的先行物体を検出することと、
経時的に獲得された前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記動的先行物体の進路を追跡することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記動的先行物体の獲得された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む実行可能な動作を開始させるようにプログラミングされているプロセッサと、
を含むシステム。
[構成13]
前記センサシステムはさらに、
前記自ビークルの現基準座標系を決定する
ように構成されており、
前記実行可能な動作はさらに、前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することを含み、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の前記横方向オフセットを決定することが、変換された、獲得された前記位置データを用いて行なわれる、構成12に記載のシステム。
[構成14]
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、構成13に記載のシステム。
[構成15]
前記実行可能な動作が、さらに、
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
を含む、構成12に記載のシステム。
[構成16]
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定することが、
前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記自ビークルの前記現位置の近くの前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平均化することであって、平均が加重平均であり、前記自ビークルの前記現位置のより近くに位置設定された、獲得された位置データが、前記自ビークルの前記現位置からより遠くに位置設定された、獲得された位置データよりも、重く重み付けされる、前記位置データを平均化すること、
を含む、構成15に記載のシステム。
[構成17]
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
を含む、構成12に記載のシステム。
[構成18]
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、構成17に記載のシステム。
[構成19]
前記実行可能な動作がさらに、
前記道路の各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される確率を決定することを含み、前記決定することが、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置との間の決定された前記横方向オフセットに基づいて前記自ビークルが各進行レーン内に位置設定される尤度に基づいている、構成18に記載のシステム。
[構成20]
距離因子を用いて各進行レーン内に前記自ビークルが位置設定される前記尤度を調整することをさらに含み、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値未満であると、前記距離因子は前記尤度に対しより大きな影響を及ぼし、前記動的先行物体の前記位置データが獲得された時点における前記動的先行物体と前記自ビークルの間の距離が閾値を超えていると、前記距離因子は前記尤度に対しより小さな影響を及ぼす、構成19に記載のシステム。
[構成21]
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、
経時的に前記自ビークルの外部環境内の動的周辺物体の位置データを獲得することと、
前記動的周辺物体の獲得された前記位置データに少なくとも部分的に基づいて、前記自ビークルの現位置が、前記動的周辺物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的周辺物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的周辺物体の前記前位置の間の横方向オフセットを決定することと、
を含む方法。
[構成22]
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーンの識別が行なわれる、ことをさらに含む、構成21に記載の方法。
[構成23]
前記方法が、全体が前記自ビークル上で行なわれるもの、全体が前記自ビークルから遠隔のサーバ上で行なわれるもの、および、一部が前記自ビークル上で一部が前記サーバ上で行なわれるもの、のうちの少なくとも1つである、構成21に記載の方法。
[構成24]
前記動的周辺物体が動的先行物体である、構成21に記載の方法。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、プロセッサが、
前記自ビークルの外部環境内の動的先行物体を検出することと、
経時的に前記動的先行物体の位置データを獲得することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記自ビークルの現基準座標系を決定することと、
前記自ビークルのヨーの変化、前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することと、
前記動的先行物体の変換された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを、前記変換された前記位置データを用いて決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーン識別が行なわれる、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルのヨーの変化に基づいて、前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを更に含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
道路上の自ビークルについての現進行レーンを識別するためのシステムにおいて、
センサシステムであって、
前記自ビークルの外部環境のセンサデータを獲得し、
経時的に前記外部環境内の動的先行物体の位置データを獲得する、
ように構成された1又は複数のセンサを含むセンサシステムと、
前記センサシステムに対し作動的に接続されたプロセッサであって、
前記自ビークルの外部環境内で動的先行物体を検出することと、
経時的に獲得された前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記動的先行物体の進路を追跡することと、
前記自ビークルの現位置を決定することと、
前記自ビークルの現基準座標系を決定することと、
前記自ビークルのヨーの変化、前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することと、
前記動的先行物体の変換された前記位置データに基づいて、前記自ビークルの前記現位置が、前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否かを判別することと、
前記自ビークルの前記現位置が前記動的先行物体の前位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記現位置と前記動的先行物体の前記前位置の間の横方向オフセットを、前記変換された前記位置データを用いて決定することと、
を含む実行可能な動作を開始させるようにプログラミングされているプロセッサと、
を含むシステム。
【請求項8】
前記自ビークルの前記現位置および前記現基準座標系に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記自ビークルの前記現位置に基づいて前記動的先行物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルのヨーの変化に基づいて、前記自ビークルの前記現基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記実行可能な動作が、さらに、
前記自ビークルの現位置における前記動的先行物体についての位置データが存在しないときに、前記動的先行物体が前記自ビークルの前記現位置の近くに位置設定された時点での前記動的先行物体の獲得された位置データを用いて前記自ビークルの前記現位置における前記動的先行物体についての位置データを決定すること、
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記実行可能な動作がさらに、
経時的に前記自ビークルと前記動的先行物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かが判別されないときに、少なくとも1つの追加の因子に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することを含み、前記少なくとも1つの追加の因子は、前記動的先行物体の検出された方向指示信号、前記自ビークルのGPSデータ、または前記自ビークルのヨーレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
道路上を進行する自ビークルについての現進行レーンを識別する方法において、プロセッサが、
経時的に前記自ビークルの外部環境内の動的周辺物体の位置データを獲得することと、
前記自ビークルの基準座標系を決定することと、
前記自ビークルのヨーの変化、第1の時期における前記自ビークルの位置および前記第1の時期における前記自ビークルの前記基準座標系に基づいて前記動的周辺物体の獲得された前記位置データを変換することと、
前記動的周辺物体の変換された前記位置データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時期における前記自ビークルの位置が、第2の時期における前記動的周辺物体の位置と実質的に同じ長手方向位置にあるか否か判別を行うことであって、前記第1の時期と前記第2の時期とは互いに異なっている、前記判別を行うことと、
第1の時期における前記自ビークルの前記位置が第2の時期における前記動的周辺物体の位置と実質的に同じ長手方向位置にあるとの判別に応答して、前記自ビークルの前記位置と前記動的周辺物体の前記位置の間の横方向オフセットを、前記変換された前記位置データを用いて決定することと、
を含む方法。
【請求項13】
決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルの現進行レーンを決定し、これにより、道路の曲率データ無しでレーンの識別が行なわれる、ことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、全体が前記自ビークル上で行なわれるもの、全体が前記自ビークルから遠隔のサーバ上で行なわれるもの、および、一部が前記自ビークル上で一部が前記サーバ上で行なわれるもの、のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記動的周辺物体が動的先行物体である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の時期における前記自ビークルの前記位置および前記第1の時期における前記自ビークルの前記基準座標系に基づいて前記動的周辺物体の獲得された前記位置データを変換することが、
前記第1の時期における前記自ビークルの前記位置に基づいて前記動的周辺物体の獲得された前記位置データを平行移動することと、
前記自ビークルのヨーの変化に基づいて、前記第1の時期における前記自ビークルの前記基準座標系内へ、獲得された前記位置データを回転させることと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
経時的に前記自ビークルと前記動的周辺物体の間の前記横方向オフセットを追跡することと、
経時的に前記自ビークルと前記動的周辺物体の間の決定された前記横方向オフセットに少なくとも部分的に基づいて前記自ビークルが進行レーンを横断したか否かを判別することと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】