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特開2022-141745副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)抗体およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141745
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20220921BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220921BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220921BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220921BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220921BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220921BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220921BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 5/20 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 31/06 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220921BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20220921BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220921BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61P5/20
A61P3/00
A61P35/00
A61P31/06
A61P35/04
A61P43/00 111
A61P3/02
A61K45/00
A61K39/395 N
A61K39/395 R
A61K39/395 T
A61K39/395 E
A61K39/395 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108930
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2019505146の分割
【原出願日】2017-08-01
(31)【優先権主張番号】62/432,338
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/479,637
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/369,745
(32)【優先日】2016-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514027908
【氏名又は名称】ゾーマ (ユーエス) リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】レビー ラファエル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】イッサフラス ハッサン
(72)【発明者】
【氏名】ホルメス アグネス ショパン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン カーク ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ミルザ アメール エム.
(72)【発明者】
【氏名】ベディンガー ダニエル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ハント レイチェル エイ.
(72)【発明者】
【氏名】タケウチ トシヒコ
(72)【発明者】
【氏名】アルワリア キランジット カウアー
(72)【発明者】
【氏名】コッター ロビン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供する。
【解決手段】2×10-8M以下の親和性Kで副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する、抗体を提供する。前記抗体は、PTH1RのN末端部分に結合してよく、副甲状腺ホルモン受容体2(PTH2R)に結合しなくてよく、細胞表面上のPTH1Rに結合してよく、PTH1Rにアロステリックに結合してよい。前記抗体は、負の調節因子抗体であり、任意で、PTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる。さらに、癌、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、または原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)および二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、ならびに悪液質の治療における前記抗体の使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2×10-8M以下の親和性Kで副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する、抗体。
【請求項2】
PTH1RのN末端部分に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
副甲状腺ホルモン受容体2(PTH2R)に結合しない、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
細胞表面上のPTH1Rに結合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
PTH1Rにアロステリックに結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
負の調節因子抗体であり、任意で、PTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項7】
副甲状腺ホルモン(PTH)または副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)による前記受容体の刺激に応答した細胞内のカルシウム流動を阻害する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項8】
PTHまたはPTHrP媒介環状アデノシン一リン酸(cAMP)蓄積を阻害する、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項9】
モノクローナル抗体である、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項10】
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、前記抗体。
【請求項11】
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と
を含む、前記抗体。
【請求項12】
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(b)配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される、独立して選択された重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(c)配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される、独立して選択された重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と
を含む、前記抗体。
【請求項13】
前記重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、請求項10~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項14】
前記重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列の3つが、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、請求項10~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項15】
配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項16】
配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項17】
重鎖可変領域中の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含む抗体であって、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、請求項10~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項18】
1つまたは複数の重鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されている、請求項10~17のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちのいずれか1つをさらに含む、請求項10~18のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項20】
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも2つを含む、請求項10~19のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項21】
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも3つを含む、請求項10~20のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項22】
(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、請求項10~18のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項23】
(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される、独立して選択された軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される、独立して選択された軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、請求項10~18のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項24】
軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載されている、請求項22または23に記載の抗体。
【請求項25】
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項19~24のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項26】
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、請求項25に記載の抗体。
【請求項27】
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、請求項25に記載の抗体。
【請求項28】
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む、請求項27に記載の抗体。
【請求項29】
軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含む抗体であって、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、配列番号131~208に記載されている、請求項22~24のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項30】
(i)軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列であって、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載されている、前記アミノ酸配列と、
(ii)重鎖可変領域の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列であって、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、前記アミノ酸配列と
を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項31】
軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
前記抗体。
【請求項32】
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
請求項31に記載の抗体。
【請求項33】
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
請求項31に記載の抗体。
【請求項34】
重鎖定常領域をさらに含む抗体であって、前記重鎖定常領域が、改変されたまたは改変されていないIgG、IgM、IgA、IgD、IgE、それらの断片、またはそれらの組み合わせである、請求項1~33のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項35】
1つまたは複数の軽鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されており、任意で前記フレームワークが、図21に示される変更のうちの1つまたは複数を含む、請求項22~34のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項36】
XPA.85.012、XPA.85.017、XPA.85.288、XPA.85.388、XPA.85.389、およびXPA.85.390からなる群から選択される、請求項10~12、22~23、または31のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項37】
前記軽鎖可変領域に結合したヒト軽鎖定常領域をさらに含む、請求項22~36のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項38】
前記軽鎖定常領域が、改変されたまたは改変されていないλ軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域、それらの断片、またはそれらの組み合わせである、請求項37に記載の抗体。
【請求項39】
10-6M以下の親和性Kdで副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する、請求項10~28のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項40】
請求項1~39のいずれか一項に記載の重鎖または軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項41】
発現制御配列に機能的に連結された請求項40に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【請求項42】
請求項41に記載のベクターまたは請求項38に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
【請求項43】
重鎖および軽鎖の可変領域をコードする核酸分子を含む宿主細胞であって、前記重鎖および軽鎖の核酸が、別個の核酸で、または同じ核酸で発現される、請求項42に記載の宿主細胞。
【請求項44】
抗体を産生するために請求項42または43に記載の宿主細胞を使用する方法であって、請求項42または43に記載の宿主細胞を適切な条件下で培養することと、抗体を回収することとを含む、前記方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法によって産生される抗体。
【請求項46】
請求項1~39および45のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、滅菌した薬学的組成物。
【請求項47】
副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する高カルシウム血症を治療するための方法であって、その必要がある対象に、請求項1~39のいずれか一項に記載の抗体または請求項46に記載の薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む、前記方法。
【請求項48】
副甲状腺ホルモン発現の増加、副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現または副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)発現の増加に関連する疾患、状態、または障害を治療するための方法であって、その必要がある対象に、請求項1~39のいずれか一項に記載の抗体または請求項46に記載の薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む、前記方法。
【請求項49】
前記疾患、状態、または障害が、癌、PTHまたはPTHrP誘導性高カルシウム血症、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、結核、サルコイドーシス、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記疾患がPHPTであり、かつ前記対象が非外科的患者または外科手術不成功の患者である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記疾患がSHPTであり、かつ前記対象が慢性腎疾患を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記投与が、前記対象における癌転移の発生率を、前記抗体を受けていない対象と比較して低下させる、請求項47または48に記載の方法。
【請求項53】
前記転移が、骨もしくは骨格組織、肝臓、肺、腎臓、または膵臓への転移を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記投与が、高カルシウム血症の1つまたは複数の症状を改善する、請求項47または48に記載の方法。
【請求項55】
前記投与が、高カルシウム血症および/または消耗症候群の軽減によりHHMの生存を延長する、請求項47または48に記載の方法。
【請求項56】
前記抗体が、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮内、または皮下に投与される、請求項47~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記抗体が、第2の薬剤と組み合わせて投与される、請求項47~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記抗体が、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、または3ヶ月に1回投与される、請求項47~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
副甲状腺ホルモン発現の増加または副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する状態または障害の治療に使用するための、請求項1~39のいずれか一項に記載の抗体または請求項46に記載の薬学的組成物を含む、組成物。
【請求項60】
高カルシウム血症に関連する状態または障害の治療に使用するための、請求項1~39のいずれか一項に記載の抗体または請求項46に記載の薬学的組成物を含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年8月1日に出願された米国仮特許出願第62/369,745号、2016年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/432,338号、および2017年3月31日に出願された米国仮特許出願第62/479,637号の優先権の利益を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子的に提出された資料の参照による組み込み
本明細書と同時に提出され、2017年7月28日作成されたファイル名:50986_SeqListing.txt、サイズ:108,540バイトとして特定されるコンピューター読み取り可能なヌクレオチド/アミノ酸配列表が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の分野
本開示は、概して、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)抗体、および副甲状腺ホルモン発現の増加、副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現またはPTH1R発現の増加に関連する状態を治療するための療法に関し、この療法は、その必要がある対象に治療有効量のPTH1R抗体を投与することを含む。
【背景技術】
【0004】
背景
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、細胞外リガンドからのシグナルを細胞内リレータンパク質、ヘテロ三量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質)中のシグナルに変換する原形質膜受容体の群である。GPCRは、哺乳動物ゲノムのうちの最大かつ最も多様なタンパク質ファミリーのうちの1つに相当する。(Hutchings et al.,2010 mAbs 2:6,594-606(非特許文献1)、Strader et al.,1994 Annual Review of Biochemistry 63:101-132(非特許文献2))。GPCRは、細胞外N末端、7回膜貫通スパニング(TM)ドメイン、および細胞内C末端を有することを特徴とする(Hutchings et al.,2010 mAbs 2:6,594-606(非特許文献1))。脊椎動物では、これらの受容体は、7TMドメイン、クラス1(ロドプシン様ファミリー)、クラス2(セクレチンおよび接着ファミリー)、クラス3(グルタミン酸ファミリー)、およびクラスF(フリッツルドファミリー)内のそれらの配列類似性に基づいたファミリーに分類できる(Hutchings et al.,2010 mAbs 2:6,594-606(非特許文献1);Fredriksson et al.,2003 Mol Pharmacol.63(6):1256-72(非特許文献3))。
【0005】
副甲状腺ホルモン受容体(PTHR)は、アデニリルシクラーゼ/cAMPシグナル伝達経路を活性化するクラス2のGPCRである。ペプチドホルモンを結合する全てのクラス2 GPCRと同様に、PTHRは、本明細書においてNドメインと呼ばれる比較的大きい(約160アミノ酸)N末端細胞外ドメインを有し、これはホルモン結合において主要な役割を果たす(Shimizu et al.,2004 J BiolChem.280(3):1797-807(非特許文献4))。2種類のPTHR、1型(PTH1R)および2型(PTH2R)が同定されている。PTH1Rは2つのポリペプチドリガンド、骨や腎臓に作用して血中のカルシウムや無機リン酸の濃度を調節する副甲状腺ホルモン(PTH)(内分泌ホルモン)と、骨および他の組織の成長における細胞分化および増殖プログラムを調節するPTH関連タンパク質(PTHrP)(パラクリン因子)との作用を媒介する(Gardella et al.,2015 Pharmacol Rev.67(2):310-337(非特許文献5))。骨リモデリングおよびカルシウムイオン恒常性の主な調節因子であるPTHは、PTHRを結合および活性化することによってその効果を発揮する(Shimizu et al.,2004 J BiolChem.280(3):1797-807(非特許文献4))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Hutchings et al.,2010 mAbs 2:6,594-606
【非特許文献2】Strader et al.,1994 Annual Review of Biochemistry 63:101-132
【非特許文献3】Fredriksson et al.,2003 Mol Pharmacol.63(6):1256-72
【非特許文献4】Shimizu et al.,2004 J BiolChem.280(3):1797-807
【非特許文献5】Gardella et al.,2015 Pharmacol Rev.67(2):310-337
【発明の概要】
【0007】
本発明は、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に対する抗体に関する材料、方法、および使用を提供する。本開示は、PTH1Rに結合する抗体を提供する。特に、本開示は、癌、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質の治療におけるそのような抗体の使用方法を提供する。
【0008】
様々な実施形態において、本開示は、10-6M以下の親和性Kを有するPTH1Rに特異的な抗体を提供する。様々な実施形態において、本開示は、2×10-6M以下の親和性Kを有するPTH1Rに特異的な抗体を提供する。例示的な実施形態において、本明細書において記載される抗PTH1R抗体は、少なくとも10-6M、10-7M、10-8M、10-9M以下の親和性で結合する。他の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、PTH2Rへの結合と比較して、少なくとも2~50倍、10~100倍、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、もしくは100倍、または20~50%、50~100%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%高い親和性(例えば、PTH1Rに優先的に結合する)でPTH1Rに結合する。特定の実施形態において、親和性は、表面プラズモン共鳴またはKinExAアッセイによって測定される。
【0009】
関連する態様において、抗体は、PTH1RのN末端部分に結合する。さらなる態様において、本開示は、副甲状腺ホルモン受容体2(PTH2R)に結合しない抗体を企図する。様々な態様において、抗体は、細胞表面のPTH1Rに結合する。特定の態様において、抗体は、PTH1Rにアロステリックに結合する。
【0010】
好ましい態様において、抗体は、負の調節因子抗体であり、任意で抗体がPTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる。他の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、PTHまたはPTHrP間の結合親和性を少なくとも2分の1~1000分の1、10分の1~100分の1、2分の1、5分の1、10分の1、25分の1、50分の1、100分の1、200分の1、300分の1、400分の1、500分の1、600分の1、700分の1、800分の1、900分の1、または1000分の1に低下させることができる。
【0011】
様々な実施形態において、抗体は、副甲状腺ホルモン(PTH)または副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)による受容体の刺激に応答した細胞内のカルシウム流動を阻害する。関連する実施形態において、抗体は、PTHまたはPTHrP媒介環状アデノシン一リン酸(cAMP)蓄積を阻害する。
【0012】
一実施形態において、PTH1R抗体は、モノクローナル抗体である。
【0013】
一態様において、本開示は、(a)図21、もしくは配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖相補性決定反復(CDR)1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供する。
【0014】
関連する態様において、本開示は、(a)図21、もしくは配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供する。
【0015】
さらなる態様において、本開示は、(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(b)図21、もしくは配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される、独立して選択された重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(c)図21、もしくは配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される、独立して選択された重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体に結合する抗体を企図する。
【0016】
特定の実施形態において、重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、図21または配列番号27~104に記載される。関連する実施形態において、重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列の3つが、図21または配列番号27~104に記載される。
【0017】
いくつかの実施形態において、本明細書において企図される抗体は、図21または配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、図21または配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む抗体である。
【0018】
さらに、本明細書において記載される抗体は、重鎖可変領域中の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含むことが企図され、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が図21または配列番号27~104に記載される。
【0019】
特定の実施形態において、本明細書において企図される抗体は、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されている、1つまたは複数の重鎖フレームワークアミノ酸を含む。
【0020】
一実施形態において、本明細書において企図される抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちのいずれか1つをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも2つを含む。他の実施形態において、抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも3つを含む。
【0021】
別の態様において、本明細書において記載される抗体は、(a)図21、もしくは配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列と、(b)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列と、(c)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列とを含む。
【0022】
代替実施形態において、本明細書において企図される抗体は、(a)図21、もしくは配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(b)図21、もしくは配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される、独立して選択された軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(c)図21、もしくは配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される、独立して選択された軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体とを含む。
【0023】
特定の実施形態において、軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、図21または配列番号131~208に記載される。
【0024】
さらに、本明細書おいて記載される抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むことが企図される。関連する実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
【0025】
さらなる実施形態において、本明細書において記載される抗体は、軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含み、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、図21または配列番号131~208に記載される。
【0026】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、(i)軽鎖可変領域の、3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、図21または配列番号131~208に記載される)と、(ii)重鎖可変領域の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が、図21、もしくは配列番号27~104に記載される)とを含む。
【0027】
別の態様において、本開示は、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供し、(a)軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または(b)重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
【0028】
関連する実施形態において、本明細書において記載される抗体は、(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む軽鎖可変領域、および/または(b)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む重鎖可変領域を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、本開示の抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、改変されたまたは改変されていないIgG、IgM、IgA、IgD、IgE、それらの断片、またはそれらの組み合わせである。
【0030】
特定の実施形態において、1つまたは複数の軽鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されている抗体が提供され、任意でフレームワークが図1Aおよび図1Bに示される変更のうちの1つまたは複数を含む。
【0031】
一態様において、本開示の抗体は、XPA.85.012、XPA.85.017、XPA.85.288、XPA.85.328、XPA.85.329、XPA.85.330、およびXPA.85.349からなる群から選択される。
【0032】
一実施形態において、本明細書において記載される抗体は、該軽鎖可変領域に結合したヒト軽鎖定常領域をさらに含む。いくつかの実施形態において、軽鎖定常領域は、改変されたもしくは改変されていないλ軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域、それらの断片、またはそれらの組み合わせである。
【0033】
別の態様において、本開示は、本明細書において記載される重鎖または軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供する。様々な実施形態において、抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列は、配列番号209~234(重鎖)および235~260(軽鎖)に示される。
【0034】
様々な実施形態において、核酸分子は、配列番号105~130のうちのいずれか1つの軽鎖可変領域アミノ酸配列またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号235~260のうちのいずれか1つの軽鎖可変領域ヌクレオチド配列またはその断片を含む。さらなる実施形態において、核酸分子は、配列番号1~26のうちのいずれか1つの重鎖可変領域アミノ酸配列またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号209~234のうちのいずれか1つの重鎖可変領域ヌクレオチド配列またはその断片を含む。本開示の核酸分子はさらに、配列番号209~260の配列と、本明細書において記載される抗体または本明細書において記載される任意のHCDRもしくはLCDRの重鎖ならびに軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号27~104および131~208に示されるようなCDRアミノ酸配列をコードする遺伝子コードの多様性に基づく縮重コドン、ならびに本明細書において記載され、配列番号1~26もしくは105~130に示される抗体、または本明細書において記載され、配列番号27~104もしくは131~208に示される任意のHCDRもしくはLCDRの重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載されるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸を含む核酸配列とを含む、全ての核酸配列を含む。
【0035】
いくつかの態様において、核酸分子は、配列番号105~130に記載されるVLアミノ酸配列と少なくとも60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%同一であるVLアミノ酸配列をコードする。関連する態様において、VLアミノ酸配列は、コンセンサス配列である。本開示の核酸分子は、配列番号105~130の軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載されるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか、あるいは配列番号235~260の軽鎖可変領域核酸配列を有する核酸が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号131~208に記載される該抗体の重鎖CDRのアミノ酸配列をコードする。
【0036】
本開示の核酸分子は、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVHアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはその断片を含むことが企図される。いくつかの態様において、核酸は、該抗体の重鎖および/または軽鎖CDRのアミノ酸配列をコードする。いくつかの実施形態において、該断片は、重鎖および/または軽鎖のCDR1~CDR3を含む連続した断片である。一実施形態において、該断片は、任意で異なるヒトまたはヒトコンセンサスフレームワークとともに、かつ任意でCDR中の1つ、または最大2つ、または最大3つの変異とともに、重鎖および/または軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3領域のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む。CDRアミノ酸配列は、配列番号27~104および131~208に示される。
【0037】
関連する態様において、核酸分子は、配列番号1~26の重鎖のうちの1つの重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはその断片を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号209~234に記載されるヌクレオチド配列を有する重鎖可変領域、またはその断片を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、核酸分子は、配列番号1~26に記載されるVHアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のVHアミノ酸配列をコードする。関連する態様において、VHアミノ酸配列は、コンセンサス配列である。本開示の核酸分子は、配列番号1~26の重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載されるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか、あるいは配列番号209~234のうちのいずれか1つの重鎖可変領域核酸配列を有する核酸をさらに含む。
【0039】
本開示の核酸が、図21に示される抗体から選択される抗体の全長軽鎖または重鎖をコードし得ることがさらに企図され、全長軽鎖または全長重鎖が、軽鎖定常領域または重鎖定常領域を含み、それぞれ、軽鎖定常領域が、任意で、改変されていないまたは改変されたκまたはλ領域を含み、重定常領域が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgD、もしくはIgEなどのクラスのうちのいずれかの改変されていないまたは改変された定常領域を含む。改変されたIgG4定常領域は、変異Ser228ProおよびLeu235Gluのうちの1つまたは複数を含む定常領域が含まれる(Angal et al.,(1993)Mol.Immunol.30:105-108、Reddy et al.,(2000)J.Immunol.164:1925-1933)。
【0040】
一態様において、全長可変軽鎖抗体は、配列番号105~130に示されるアミノ酸配列を含む。全長軽鎖をコードするヌクレオチド配列は、配列番号105~130に示されるアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号235~260に記載されるヌクレオチド配列を含むことがさらに企図される。
【0041】
一態様において、全長可変重鎖抗体は、配列番号1~26のうちのいずれか1つの配列を含む。さらに提供されるのは、配列番号1~26に示される全長重鎖可変領域アミノ酸配列をコードし、配列番号209~234のうちのいずれか1つに記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列である。
【0042】
さらなる態様において、本開示は、発現制御配列に機能的に連結された、本明細書において企図される核酸分子を含む、発現ベクターを提供する。本開示の発現ベクターまたは核酸分子を含む宿主細胞も企図される。特定の実施形態において、本開示は、重鎖および軽鎖の可変領域をコードする核酸分子を含む宿主細胞を提供し、重鎖および軽鎖の核酸は、別個の核酸で、あるいは同じ核酸で発現される。
【0043】
関連する態様において、本開示は、抗体を産生するために本明細書中において記載されるような宿主細胞を使用する方法を提供し、方法は、適切な条件下で宿主細胞を培養することと、抗体を回収することとを含む。本明細書に開示される方法によって産生される抗体も提供される。
【0044】
本開示は、本明細書において開示されるような抗体と薬学的に許容される担体とを含む、滅菌した薬学的組成物をさらに企図する。
【0045】
別の態様において、本開示は、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する高カルシウム血症を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
【0046】
別の態様において、本開示は、副甲状腺ホルモン発現の増加、副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加、またはPTH1R発現の増加に関連する疾患、状態、または障害を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
【0047】
別の態様において、本開示は、癌、PTHまたはPTHrP誘導性高カルシウム血症、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、結核、サルコイドーシス、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質からなる群から選択される疾患、状態、または障害を治療するための方法を提供する。
【0048】
様々な実施形態において、疾患はPHPTであり、対象が非外科的患者または外科手術不成功の患者である。様々な実施形態において、疾患はSHPTであり、対象が慢性腎疾患を有する。
【0049】
様々な実施形態において、本開示は、投与が、対象における癌転移の発生率を、抗体を受けていない対象と比較して低下させる、癌を治療するための方法を提供する。
【0050】
関連する態様において、本開示は、癌を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態において、癌は、骨癌、肺癌、肝細胞癌、膵臓癌、腎臓癌、線維性癌、乳癌、骨髄腫扁平上皮癌、結腸直腸癌、および前立腺癌からなる群から選択される。関連する態様において、癌は転移性である。関連する態様において、転移は、骨もしくは骨格組織、肝臓、肺、腎臓、または膵臓への転移を含む。
【0051】
様々な実施形態において、本明細書で企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を、その必要がある対象に投与することは、高カルシウム血症の1つまたは複数の症状を改善する。
【0052】
様々な実施形態において、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を、その必要がある対象に投与することは、PTHrP誘導性HHMの消耗症候群または悪液質の1つまたは複数の症状を改善する。
【0053】
様々な実施形態において、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を、その必要がある対象に投与することは、低カルシウム血症および/または消耗症候群の軽減によりHHM生存を延長する。
【0054】
様々な実施形態において、本明細書において開示される抗体は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮内、または皮下に投与される。関連する実施形態において、本明細書において開示される抗体は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。関連する実施形態において、本明細書において開示される抗体は、週に1回、2週間に1回、月に2回、月に1回、2ヶ月に1回、または3ヶ月に1回投与される。
【0055】
様々な実施形態において、抗体組成物は、1週間に2回、または1、2、もしくは4週間毎に、0.3~30mg/kgの投与量範囲で、静脈内、皮下、または筋肉内に投与され得る。様々な実施形態において、投与量は、0.3、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または30mg/kgであり得る。様々な実施形態において、抗体組成物は、1週間に2回、または1、2、もしくは4週間毎に、0.3~3mg/kg、1~6mg/kg、または2~6mg/kgの投与量範囲で、静脈内に投与され得る。あるいは、抗体組成物は、1週間に2回、または1、2、もしくは4週間毎に、0.5~5mg/kgの投与量範囲で、静脈内、皮下、または筋肉内に投与され得る。
【0056】
様々な実施形態において、本開示は、副甲状腺ホルモン発現の増加または副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する状態または障害の治療において、本明細書において開示される抗体または薬学的組成物を含む組成物を投与するための方法を提供する。
【0057】
様々な実施形態において、本開示は、高カルシウム血症に関連する状態または障害の治療において、本明細書において開示される抗体または薬学的組成物を含む組成物を投与するための方法を提供する。
【0058】
一態様において、PTH1R抗体は、複数の種からのPTH1Rと交差反応、検出、結合し、中和することができるモノクローナル抗体(またはその活性断片)である(例えば、本明細書において開示されるヒトPTH1R抗体は、マウスPTH1Rと交差反応、検出、結合し、中和することができる。本明細書において開示されるマウスPTH1R抗体は、ヒトPTH1Rと交差反応、検出、結合し、中和することができる)。
【0059】
本明細書において記載される各特徴もしくは実施形態、または組み合わせは、本発明の態様のいずれかの非限定的で例示的な例であり、したがって、本明細書において記載される他のあらゆる特徴もしくは実施形態、または組み合わせとも組み合わせることができることを意味することを理解されたい。例えば、特徴が「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」、「さらなる実施形態」、「特定の例示的実施形態」、および/または「別の実施形態」などの言語で説明される場合、これらの種類の実施形態のそれぞれは、あらゆる可能な組み合わせをも列挙する必要なしに、本明細書において記載される他のあらゆる特徴、または特徴の組み合わせとも、組み合わされることが意図される特徴の非限定的な例である。そのような特徴または特徴の組み合わせは、本発明の態様のうちのいずれにも当てはまる。範囲内に入る値の例が開示されている場合、これらの例のいずれもが可能な範囲の終点として企図され、そのような終点間のありとあらゆる数値が企図され、上限および下限のありとあらゆる組み合わせが想定される。
【0060】
本明細書中の見出しは、読者の便宜のためであり、限定することを意図しない。本発明のさらなる態様、実施形態、および変形は、詳細な説明および/または図面および/または特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[本発明1001]
2×10-8M以下の親和性Kで副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する、抗体。
[本発明1002]
PTH1RのN末端部分に結合する、本発明1001の抗体。
[本発明1003]
副甲状腺ホルモン受容体2(PTH2R)に結合しない、本発明1001の抗体。
[本発明1004]
細胞表面上のPTH1Rに結合する、本発明1001~1003のいずれかの抗体。
[本発明1005]
PTH1Rにアロステリックに結合する、本発明1001~1004のいずれかの抗体。
[本発明1006]
負の調節因子抗体であり、任意で、PTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1007]
副甲状腺ホルモン(PTH)または副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)による前記受容体の刺激に応答した細胞内のカルシウム流動を阻害する、本発明1001~1006のいずれかの抗体。
[本発明1008]
PTHまたはPTHrP媒介環状アデノシン一リン酸(cAMP)蓄積を阻害する、本発明1001~1007のいずれかの抗体。
[本発明1009]
モノクローナル抗体である、本発明1001~1008のいずれかの抗体。
[本発明1010]
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、前記抗体。
[本発明1011]
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と
を含む、前記抗体。
[本発明1012]
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(b)配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される、独立して選択された重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、
(c)配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される、独立して選択された重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と
を含む、前記抗体。
[本発明1013]
前記重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、本発明1010~1012のいずれかの抗体。
[本発明1014]
前記重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列の3つが、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、本発明1010~1012のいずれかの抗体。
[本発明1015]
配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1010~1014のいずれかの抗体。
[本発明1016]
配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1010~1015のいずれかの抗体。
[本発明1017]
重鎖可変領域中の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含む抗体であって、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が、配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、本発明1010~1012のいずれかの抗体。
[本発明1018]
1つまたは複数の重鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されている、本発明1010~1017のいずれかの抗体。
[本発明1019]
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちのいずれか1つをさらに含む、本発明1010~1018のいずれかの抗体。
[本発明1020]
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも2つを含む、本発明1010~1019のいずれかの抗体。
[本発明1021]
配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも3つを含む、本発明1010~1020のいずれかの抗体。
[本発明1022]
(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、本発明1010~1018のいずれかの抗体。
[本発明1023]
(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(b)配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される、独立して選択された軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、
(c)配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される、独立して選択された軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と
を含む、本発明1010~1018のいずれかの抗体。
[本発明1024]
軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載されている、本発明1022または1023の抗体。
[本発明1025]
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1019~1024のいずれかの抗体。
[本発明1026]
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1025の抗体。
[本発明1027]
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1025の抗体。
[本発明1028]
配列番号105~130のうちのいずれか1つに記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む、本発明1027の抗体。
[本発明1029]
軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含む抗体であって、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、配列番号131~208に記載されている、本発明1022~1024のいずれかの抗体。
[本発明1030]
(i)軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列であって、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が配列番号131~208のうちのいずれか1つに記載されている、前記アミノ酸配列と、
(ii)重鎖可変領域の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列であって、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が配列番号27~104のうちのいずれか1つに記載されている、前記アミノ酸配列と
を含む、本発明1022~1024のいずれかの抗体。
[本発明1031]
軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体であって、
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
前記抗体。
[本発明1032]
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
本発明1031の抗体。
[本発明1033]
(a)前記軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
本発明1031の抗体。
[本発明1034]
重鎖定常領域をさらに含む抗体であって、前記重鎖定常領域が、改変されたまたは改変されていないIgG、IgM、IgA、IgD、IgE、それらの断片、またはそれらの組み合わせである、本発明1001~1033のいずれかの抗体。
[本発明1035]
1つまたは複数の軽鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されており、任意で前記フレームワークが、図21に示される変更のうちの1つまたは複数を含む、本発明1022~1034のいずれかの抗体。
[本発明1036]
XPA.85.012、XPA.85.017、XPA.85.288、XPA.85.388、XPA.85.389、およびXPA.85.390からなる群から選択される、本発明1010~1012、1022~1023、または1031のいずれかの抗体。
[本発明1037]
前記軽鎖可変領域に結合したヒト軽鎖定常領域をさらに含む、本発明1022~1036のいずれかの抗体。
[本発明1038]
前記軽鎖定常領域が、改変されたまたは改変されていないλ軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域、それらの断片、またはそれらの組み合わせである、本発明1037の抗体。
[本発明1039]
10-6M以下の親和性Kdで副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する、本発明1010~1028のいずれかの抗体。
[本発明1040]
本発明1001~1039のいずれかの重鎖または軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
[本発明1041]
発現制御配列に機能的に連結された本発明1040の核酸分子を含む、発現ベクター。
[本発明1042]
本発明1041のベクターまたは本発明1038の核酸分子を含む、宿主細胞。
[本発明1043]
重鎖および軽鎖の可変領域をコードする核酸分子を含む宿主細胞であって、前記重鎖および軽鎖の核酸が、別個の核酸で、または同じ核酸で発現される、本発明1042の宿主細胞。
[本発明1044]
抗体を産生するために本発明1042または1043の宿主細胞を使用する方法であって、本発明1042または1043の宿主細胞を適切な条件下で培養することと、抗体を回収することとを含む、前記方法。
[本発明1045]
本発明1044の方法によって産生される抗体。
[本発明1046]
本発明1001~1039および1045のいずれかの抗体と、薬学的に許容される担体とを含む、滅菌した薬学的組成物。
[本発明1047]
副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する高カルシウム血症を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本発明1001~1039のいずれかの抗体または本発明1046の薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む、前記方法。
[本発明1048]
副甲状腺ホルモン発現の増加、副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現または副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)発現の増加に関連する疾患、状態、または障害を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本発明1001~1039のいずれかの抗体または本発明1046の薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む、前記方法。
[本発明1049]
前記疾患、状態、または障害が、癌、PTHまたはPTHrP誘導性高カルシウム血症、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、結核、サルコイドーシス、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質からなる群から選択される、本発明1048の方法。
[本発明1050]
前記疾患がPHPTであり、かつ前記対象が非外科的患者または外科手術不成功の患者である、本発明1049の方法。
[本発明1051]
前記疾患がSHPTであり、かつ前記対象が慢性腎疾患を有する、本発明1049の方法。
[本発明1052]
前記投与が、前記対象における癌転移の発生率を、前記抗体を受けていない対象と比較して低下させる、本発明1047または1048の方法。
[本発明1053]
前記転移が、骨もしくは骨格組織、肝臓、肺、腎臓、または膵臓への転移を含む、本発明1052の方法。
[本発明1054]
前記投与が、高カルシウム血症の1つまたは複数の症状を改善する、本発明1047または1048の方法。
[本発明1055]
前記投与が、高カルシウム血症および/または消耗症候群の軽減によりHHMの生存を延長する、本発明1047または1048の方法。
[本発明1056]
前記抗体が、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮内、または皮下に投与される、本発明1047~1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
前記抗体が、第2の薬剤と組み合わせて投与される、本発明1047~1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
前記抗体が、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、または3ヶ月に1回投与される、本発明1047~1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
副甲状腺ホルモン発現の増加または副甲状腺ホルモン関連タンパク質発現の増加に関連する状態または障害の治療に使用するための、本発明1001~1039のいずれかの抗体または本発明1046の薬学的組成物を含む、組成物。
[本発明1060]
高カルシウム血症に関連する状態または障害の治療に使用するための、本発明1001~1039のいずれかの抗体または本発明1046の薬学的組成物を含む、組成物。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1A】親配列に対して選択されたクローンの軽鎖の多重配列アラインメント。XPA.85.012に関するクローン(図1A)の、あるいはXPA.85.017に関するクローン(図1B)からの軽鎖アミノ酸の多重配列アラインメント(MSA)を、ClustalWアルゴリズムを用いて親配列に対して実施した。このアラインメントを使用し、CLCBio Sequence viewerソフトウェアを使用して系統ツリーを作成した。ツリーをNewick形式でエクスポートした。MSAをFASTA形式でエクスポートし、EMBOSSプログラムShowalignを実行し、アラインメントをドット識別形式に変換した。スクリプトを、R言語を使用して記述して、ツリーを、対応するドット識別アライメント配列(軽鎖ファミリーによって色分けされたもの)と結合した。支線形式はまた、軽鎖ファミリーにも対応し、白黒形式でも読みやすくする。表示されたアラインメントにおいて、親配列が完全に示される。他の配列が同一である場合、残基はドットとして示される。違いが表示される。IMGT番号付けシステムを使用して同定されたCDR領域は、アラインメント上のボックスによって呼び出される。親とのフレームワークの違いが識別される。これを、ソフトウェアプログラム(PHEnom、XOMA(US)LLC)を用いて親軽鎖を実行し、結果に表示された位置周波数マトリクスを見ることによって行った。配列内のフレームワークの変化が標準アミノ酸に向かった場合は、(+)として示され、標準配列から離れている場合(頻度に関して)は、(-)として示される。残基が頻度マトリクスに見られない場合、それはその位置では滅多に使用されないアミノ酸であり、それは(R)によって表示され、アミノ酸は角括弧で表示される。配列が親である異なるファミリーに属する場合、親に最も近い親メンバーが、このPHEnom分析の「種」として使用される。
図1B】親配列に対して選択されたクローンの軽鎖の多重配列アラインメント。XPA.85.012に関するクローン(図1A)の、あるいはXPA.85.017に関するクローン(図1B)からの軽鎖アミノ酸の多重配列アラインメント(MSA)を、ClustalWアルゴリズムを用いて親配列に対して実施した。このアラインメントを使用し、CLCBio Sequence viewerソフトウェアを使用して系統ツリーを作成した。ツリーをNewick形式でエクスポートした。MSAをFASTA形式でエクスポートし、EMBOSSプログラムShowalignを実行し、アラインメントをドット識別形式に変換した。スクリプトを、R言語を使用して記述して、ツリーを、対応するドット識別アライメント配列(軽鎖ファミリーによって色分けされたもの)と結合した。支線形式はまた、軽鎖ファミリーにも対応し、白黒形式でも読みやすくする。表示されたアラインメントにおいて、親配列が完全に示される。他の配列が同一である場合、残基はドットとして示される。違いが表示される。IMGT番号付けシステムを使用して同定されたCDR領域は、アラインメント上のボックスによって呼び出される。親とのフレームワークの違いが識別される。これを、ソフトウェアプログラム(PHEnom、XOMA(US)LLC)を用いて親軽鎖を実行し、結果に表示された位置周波数マトリクスを見ることによって行った。配列内のフレームワークの変化が標準アミノ酸に向かった場合は、(+)として示され、標準配列から離れている場合(頻度に関して)は、(-)として示される。残基が頻度マトリクスに見られない場合、それはその位置では滅多に使用されないアミノ酸であり、それは(R)によって表示され、アミノ酸は角括弧で表示される。配列が親である異なるファミリーに属する場合、親に最も近い親メンバーが、このPHEnom分析の「種」として使用される。
図2】親クローンXPA.85.012およびXPA.85.017を、それらのそれぞれの高親和性軽鎖変異体XPA.85.288およびXPA.85.287とそれぞれ比較した代表的なSPR由来の動力学データ。IgGを、Fc領域を介してセンサー表面に捕捉し、実施例の方法に記載されるように組み換えPTH1R N末端ECDを200、50、12.5、および3.125nMで注射した。
図3図3A~3B:CHOK1(白丸)およびCHOヒトPTH1R(黒四角形)細胞上のXPA.85.012およびXPA.85.017の結合曲線。XPA.85.012の結合曲線(図3A)。XPA.85.017の結合曲線(図3B)。両抗体は、CHOヒトPTH1R細胞上に発現されたPTH1Rに特異的に結合する。
図4図4A~4B:PTHまたはPTHrPの存在下でのXPA.85.012およびXPA.85.017結合。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、CHOヒトPTH1R細胞とともにインキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgG抗体単独(白丸)、2.5μM PTHを有する抗体(黒四角形)、および2.5μMPTHrPを有する抗体(黒菱形)を用いて検出した。XPA.85.012の結合曲線(図4A)。XPA.85.017の結合曲線(図4B)。両方の抗体が、PTHまたはPTHrPのいずれかの存在下でPTH1Rに結合したが、PTH1Rへの抗体結合はいずれかのリガンドの存在下で低下した。
図5図5A~5B:フローサイトメトリーによるXPA.85.012およびXPA.85.017のオン速度。漸増濃度の抗体を、CHOヒトPTH1R細胞とともに一定時間インキュベートした。抗体結合を抗ヒトIgG APCで検出した。XPA.85.012に比べて速度が遅いため、XPA.85.017のタイムコースを実行した(図5A)。グラフ中、インキュベーション時間が増加するにつれて、抗体結合曲線は左にシフトする。これは、抗体が平衡に達しておらず、抗体が結合するのに時間がかかることを示している。XPA.85.012はより速いオン速度を有する(図5B)。1時間での抗体結合(白丸)は、24時間のインキュベーション時点(黒六角形)と同様のEC50値を有する。XPA.85.012は1時間以内に結合平衡に達することができるが、XPA.85.017は結合平衡に達するのに24時間かかることがある。両方の抗体が平衡に達すると、それらは同様のEC50値を有する。
図6A】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。ヒトPTH1R±PTH(図6A)または±PTHrP(図6B)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6B】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。ヒトPTH1R±PTH(図6A)または±PTHrP(図6B)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6C】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。マウスPTH1R±PTH(図6C)または±PTHrP(図6D)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6D】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。マウスPTH1R±PTH(図6C)または±PTHrP(図6D)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図7図7A~7C:PTHおよびPTHrPの存在下または非存在下でSaos-2過剰発現ヒトPTH1Rに結合する抗体。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下でSaos-2ヒトPTH1R細胞とともにインキュベートした。XPA.85.328(図7A)、XPA.85.329(図7B)、XPA.85.330(図7C)。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。抗体単独(白丸)、1μMのPTHを有する抗体(黒四角形)、および3μMのPTHrPを有する抗体(黒菱形)。3つ全ての抗体は、PTHまたはPTHrPのいずれかの存在下でPTH1Rへの結合の減少を示した。
図8】抗PTH1R抗体は、PTH1Rに特異的に結合する。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、ヒトPTH2Rを過剰発現しているCHO細胞に添加し、4℃で1時間インキュベートした(図8)。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、抗体結合を抗ヒトIgG APCで検出した。試験した抗体はいずれも、ヒトPTH2Rを過剰発現しているCHO細胞への特異的結合を示さなかった。抗KLH.G2を結合への陰性対照として用いた。試験した抗体は、全てPTH1Rに特異的であった。
図9A】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9Aおよび9C)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路、図9Aおよび9B)を阻害した。
図9B】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTHrP(1-34)(図9Bおよび9D)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路、図9Aおよび9B)を阻害した。
図9C】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9Aおよび9C)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介カルシウム動員(Gq/PKC経路、図9Cおよび9D)を阻害した。
図9D】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTHrP(1-34)(図9Bおよび9D)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介カルシウム動員(Gq/PKC経路、図9Cおよび9D)を阻害した。
図10図10A~10D:軽鎖シャッフリングによるXPA.85.017(白丸)の親和性操作に続いて、ヒト(図10Aおよび10B)またはマウスPTH1R(図10Cおよび10D)のいずれかを安定的に過剰発現しているCHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)の変異体IgGとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて37℃で45分間、漸増濃度のPTH(1-34)で誘導した。変異体IgGは、ヒトおよびマウスPTH1Rを介してリガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路)の阻害の範囲を呈した。
図11図11A~11D:天然のヒトおよびラットのPTH1Rをそれぞれ内因的に発現するSaOS-2およびUMR106細胞を用いた、cAMPアッセイの変異体および親IgG活性の比較。IgG(267nMまたは40μg/ml)を37℃で30分間、細胞でプレインキュベートした後、37℃で45分間、PTH(1-34)またはPTHrP(1-34)によりcAMP蓄積を誘導した。データは平均+SEMとして提示され、一連(図11Aおよび11D)または二連(図11Bおよび11C)のウェルで測定されたRLUの平均を表す。軽鎖シャフリングによるXPA.85.017の親和性操作により、XPA.85.287が得られた。この変異体は、ヒトPTH1R(図11B)(白四角形)対親(黒四角形)に対する活性の顕著な改善を示し、ラットPTH1Rに対する活性の変化はほとんどなかった(図11C)。対照的に、XPA.85.012(黒三角形)の親和性操作は変異体XPA.85.288(白三角形)をもたらし、天然のヒトPTH1R(図11A)ならびに天然のラットPTH1R(図11C)の両方に対する活性の顕著な改善を示した。XPA.85.288はまた、天然のヒトPTH1R(図11D)を発現するSaOS-2細胞の、PTHrP誘導性cAMPを顕著に阻害することが見い出された。
図12図12A~12B:ヒトPTH1R CHOK1(図12A)およびマウスPTH1R CHOK1(図12B)細胞を用いたcAMPアッセイにおける、PTHrP(1~34)および漸増濃度のXPA.85.287(XPA.85.017の親和性操作変異体)の濃度応答曲線。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
図13図13A~13B:ヒトPTH1R CHOK1(図13A)およびマウスPTH1R CHOK1(図13B)細胞を用いたcAMPアッセイにおける、PTHrP(1-34)および漸増濃度のXPA.85.288(XPA.85.012の親和性変異体)の濃度応答曲線。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
図14図14A~14B:PTHでのPTH1R抗体の効果は、Saos-2細胞によってM-CSFの分泌を刺激した。集密後のSaos-2細胞を、40μg/mLの抗体の存在下で特定の濃度のPTH(1-34)ペプチドで48時間処理した。クローンXPA.85.017(三角形)が、軽鎖交換変異体XPA.85.287(黒丸)および陰性対照IgG(白丸)に沿って示される(図14A)。XPA.85.012重鎖を含有する5つの親和性強化軽鎖交換変異体が、PTH刺激M-CSF分泌を阻害することが示された(図14B)。対照IgG(白丸)、XPA.85.288(黒丸)、XPA.85.342(逆三角形)、XPA.85.346(白四角形)、XPA.85.331(白三角形)、およびXPA.85.327(黒四角形)。
図15図15A~15B:PTHrPでのPTH1R抗体の効果は、Saos-2細胞によってM-CSFの分泌を刺激した。集密後のSaos-2細胞を、40μg/mLの抗体の存在下で、特定の濃度のPTHrP(1-36)ペプチドで48時間処理した。陰性対照IgG(白丸)、XPA.85.328(逆三角形)、XPA.85.329(黒丸)、XPA.85.330(四角形)。XPA.85.012重鎖を有する親和性強化軽鎖交換変異体のうちの3つが、40μg/mLの固定抗体濃度でのPTHrP刺激M-CSF分泌を阻害することが示された(図15A)。12.5nMの固定PTHrP(1~36)濃度を、様々な濃度の抗体に対して試験した(図15B)。別の実験において、親クローンXPA.85.012およびXPA.85.017を、それらの親和性成熟変異体XPA.85.288およびXPA.85.287と、それぞれ40μg/mL比較した(図15C)。
図16図16A~16B:200nMの抗体の存在下での、ERK1/2の媒介リン酸化のPTH(図16A)およびhPTH1RのPTHrP(図16B)ペプチド刺激の濃度応答曲線。CHO-hPTH1R細胞を、抗体とともに37℃で10分間インキュベートし、続いて漸増濃度のペプチドリガンドとともに5分間インキュベートし、次いで細胞を溶解し、免疫アッセイによってERK1/2リン酸化の濃度を決定した。示されたデータ点は、平均値±SEMである。抗体:陰性対照IgG(白丸)、XPA.85.012(黒丸)、およびXPA.85.017(黒三角形)。
図17】甲状腺機能亢進症(TPTx)モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTH(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体能力。Sprague-Dawley(SD)雄ラット(n=5~6/群)に、PTH(1-34)注入開始の18時間前に、PTH1R抗体XPA.85.017(Ab017)、XPA.85.287(Ab287)、XPA.85.288(Ab288)、およびBM2、またはアイソタイプ対照を静脈内に投与した(15mg/kg)。血清カルシウムを、投与前(ベースライン)、注入前(T0)、注入開始から2、4、および6時間後に測定した。
図18図18A~18B:副甲状腺機能亢進症患者のPTH過剰分泌を模倣するために、持続注入モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTH(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体の能力。図18A、hPTH(1-34)を7日間、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に連続的に皮下注入して(Alzet mini pump、モデル2ML1、10μl/時、10μg/kg/日)、副甲状腺機能亢進症を有する患者のPTH過剰分泌を模倣した。カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=5/群)、BM2(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=2)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するために、バイオマーカーとして測定した。血清カルシウムを、ポンプ移植の前(投与前)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、120、144、および168時間後に測定した。図18B、抗体、Ab328、Ab329、およびAb330(2mg/kg IV)をAb288と一緒に、同様の研究で試験して、血清カルシウムをポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、および120時間後に測定した。全ての抗体は、投与の24時間後および注入の間中にカルシウム濃度を顕著に低下させ、Ab288およびAb328が最も劇的な低下をもたらした。
図19図19A~19B:副甲状腺機能亢進症を有する患者における高カルシウム血症を模倣するために、持続注入モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTHrP(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体の能力。PTHrP活性の阻害での抗PTH1R受容体抗体の効果は、hPTHrP(1-36)を6日間、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に連続的に皮下注入(Alzetミニポンプ、モデル2ML1、10μl/時、100μg/kg/日)して、副甲状腺機能亢進症を有する患者の高カルシウム血症を模倣することによって評価した。図19A、カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=4/群)、抗PTHrP抗体MCB1.1(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=3)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するために、バイオマーカーとして測定した。血清カルシウムを、ポンプ移植の前(投与前)、ポンプ移植の24、26(投与の2時間後)、48、72、96、120、および144時間後に測定した。図19B、体重を、ポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の26(投与の2時間後)、48、96、および144時間後に測定した。
図20A】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。全血清カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、PTH1R抗体XPA.85.349(2mg/kg、n=6~8/群または6mg/kg、n=5~8/群)、結合に対する抗KLH.G2陰性対照(6mg/kg、n=2~3)、非処理対照(n=5)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するためのバイオマーカーとして測定した(図20Aは平均血清全濃度±S.E.Mを示す)。
図20B】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。マウス体重(図20B)および腫瘍重量(図20C)を、経時的(投与の48時間前および投与の48、72、および120時間後)に測定した。
図20C】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。マウス体重(図20B)および腫瘍重量(図20C)を、経時的(投与の48時間前および投与の48、72、および120時間後)に測定した。
図20D】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。PTHrP(図20D)およびPTH1-84(図20E)の濃度もまた、2または6mg/kgのPTH1R抗体XPA.85.349、抗KLH.G2対照抗体を用いて、投与の24、48、72、および120時間後にマウスか、あるいは治療前に腫瘍のない動物の血清中で測定した。
図20E】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。PTHrP(図20D)およびPTH1-84(図20E)の濃度もまた、2または6mg/kgのPTH1R抗体XPA.85.349、抗KLH.G2対照抗体を用いて、投与の24、48、72、および120時間後にマウスか、あるいは治療前に腫瘍のない動物の血清中で測定した。
【発明を実施するための形態】
【0062】
詳細な説明
本発明は、PTH1Rに対するヒト抗体に関する材料、方法、および使用を提供する。特に、本開示は、高カルシウム血症、癌、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、および二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、ならびに悪液質の治療におけるそのような抗体の使用方法を提供する。
【0063】
本開示は、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)と相互作用し、例えば結合パートナー、PTH、およびPTHrPを介したシグナル伝達などの1つまたは複数の機能的効果を阻害または遮断する分子または薬剤を提供する。本開示は、高カルシウム血症、癌、悪性腫瘍の体液性悪性高カルシウム血症(HHM)、または原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質を治療するための治療薬を提供する。
【0064】
定義
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。
【0065】
本明細書において使用される「cAMP」は、環状アデノシン一リン酸を指す。
【0066】
本明細書において使用される「CHO」は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を指す。
【0067】
本明細書において使用される「CHOK1」は、成体チャイニーズハムスターの卵巣に由来する、親CHO細胞株のサブクローンを指す。
【0068】
本明細書において使用される「ERK1/2」は、細胞外シグナル調節キナーゼを指す。
【0069】
本明細書において使用される「FLAG」は、組み換えPTH1Rタンパク質に付加することができる、ポリペプチドタンパク質タグである。
【0070】
本明細書において使用される「HHM」は、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症を指す。
【0071】
本明細書において使用される「MAPK」は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼを指す。
【0072】
本明細書において使用される「PTH」は、副甲状腺ホルモンを指す。
【0073】
本明細書において使用される「PTH1R」は、副甲状腺ホルモン受容体1を指す。また、PTHR1としても知られる。
【0074】
本明細書において使用される「PHPT」は、原発性副甲状腺機能亢進症を指す。
【0075】
本明細書において使用される「PTHrP」は、副甲状腺ホルモン関連タンパク質を指し、また、副甲状腺ホルモン様タンパク質(PTHLP)または副甲状腺ホルモン様ホルモン(PTHLH)としても知られる。
【0076】
「免疫グロブリン」または「天然の抗体」は、四量体糖タンパク質である。天然発生の免疫グロブリンでは、各四量体は2つの同一の対のポリペプチド鎖からなり、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識に関与する約100~110以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主にエフェクター機能に関与する定常領域を画定する。ヒト軽鎖はカッパ(κ)およびラムダ(λ)軽鎖として分類される。重鎖は、ミュー(μ)、デルタ(Δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)、およびイプシロン(ε)として分類され、それぞれ抗体のアイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして画定する。軽鎖および重鎖内で、可変領域および定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって結合され、重鎖はまた、約10以上のアミノ酸の「D」領域も含む。一般的には、Fundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))(全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、無傷の免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
【0077】
各重鎖は一端に可変ドメイン(VH)を有し、その後にいくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を、かつ他端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは重鎖の最初の定常ドメインと整列しており、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている(Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917,1987)。
【0078】
免疫グロブリン可変ドメインは、3つの超可変領域またはCDRによって結合された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同一一般構造を呈する。N末端からC末端まで、軽鎖と重鎖の両方はドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat Sequences of Proteins of Immunological(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987 and 1991))、またはChothia & Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917,1987;Chothia et al.,Nature 342:878-883,1989の定義に従う。
【0079】
抗体の超可変領域は、抗原結合に関与する抗体のCDRアミノ酸残基を指す。超可変領域は、CDRからのアミノ酸残基[例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によって記載されるような、軽鎖可変ドメイン中の24~34位(L1)、50~56位(L2)、および89~97位(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の31~35位(H1)、50~65位(H2)、および95~102位(H3)の残基]かつ/または超可変ループからのそれらの残基(例えば、[Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)]によって記載されるような、軽鎖可変ドメイン中の26~32位(L1)、50~52位(L2)、および91~96位(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の26~32位(H1)、53~55位(H2)、および96~101位(H3)の残基を含む。CDRはまた、ImMunoGenTics(IMGT)番号付けに従って同定および番号付けされている(Lefranc,M.-P.et al.,The Immunologist,7,132-136(1999)、Lefranc,M.-P.et al.,Dev.Comp.Immunol.,27,55-77(2003)、軽鎖および重鎖可変ドメイン中のCDR位置を以下のように記載している:CDR1、およそ27~38位の残基、CDR2、およそ56~65位の残基、CDR3、およそ105~116位の残基(生殖細胞系列)または105~117位の残基(再編成)。一実施形態において、CDRが、本明細書において開示されるものとほぼ同様の長さの抗体重鎖または軽鎖の、軽鎖可変ドメイン中のおよそ26~31位(L1)、49~51位(L2)、および88~98位(L3)の残基、ならびに重鎖可変ドメイン中のおよそ26~33位(H1)、50~58位(H2)、および97~111位(H3)の残基に位置することが企図される。しかしながら、当業者は、特定の抗体の配列が同定された場合、CDR残基の実際の位置が上記の予想される残基とは異なり得ることを理解する。
【0080】
フレームワークまたはFR残基は、超可変領域残基以外の、その可変ドメイン残基である。
【0081】
本明細書において使用される「重鎖可変領域」は、該抗体重鎖可変ドメインの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む抗体分子の領域を指す。重鎖可変領域は、該抗体重鎖の1、2、または3つのCDRを含有し得る。
【0082】
本明細書において使用される「軽鎖可変領域」は、該抗体軽鎖可変ドメインの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む抗体分子の領域を指す。軽鎖可変領域は、該抗体軽鎖の1、2、または3つのCDRを含有し得、それは抗体に応じてκまたはλ軽鎖のいずれかであり得る。
【0083】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、完全に組み立てられた抗体、四量体抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗原に結合できる抗体断片(例えば、Fab’、F’(ab)2、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディ、Fcab)、および(それらが所望の生物学的活性を呈する限り)先述を含む組み換えペプチドを含む。「免疫グロブリン」または「四量体抗体」は、それぞれ可変領域および定常領域を含む2本の重鎖および2本の軽鎖からなる四量体糖タンパク質である。抗原結合部分は、組み換えDNA技術によってか、あるいは無傷の抗体の酵素的または化学的切断によって産生され得る。抗体断片または抗原結合部分としては、とりわけ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ドメイン抗体(dAb)、相補性決定領域(CDR)断片、CDR移植抗体、一本鎖抗体(scFv)、一本鎖抗体断片、キメラ抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、線状抗体、キレート化組み換え抗体、トリボディもしくはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小型モジュラー免疫医薬品(SMIP)、抗原結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、VHH含有抗体、またはそれらの変異体もしくは誘導体、および抗体が所望の生物学的活性を保持している限り、1、2、3、4、5、もしくは6つのCDR配列などの、ポリペプチドに結合する特異的抗原を付与するのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部を含有するポリペプチドが挙げられる。
【0084】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量存在し得る天然に発生する可能性のある変異を除いて同一である。
【0085】
本明細書において使用される「抗体変異体」は、参照抗体可変領域ドメインの可変領域に少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失、または挿入を含む、抗体ポリペプチド配列を指す。変異体は、非改変抗体と実質的に相同的または実質的に同一であり得る。
【0086】
本明細書において使用される「キメラ抗体」は、典型的には異なる種を起源とする2つの異なる抗体(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)由来の配列を含有する、抗体を指す。最も典型的には、キメラ抗体は、ヒトおよびげっ歯類の抗体断片、一般的にはヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。
【0087】
「中和抗体」は、それが結合する標的抗原の生物学的機能を排除するか、あるいは著しく低下させることができる抗体分子である。したがって、「中和」抗標的抗体は、酵素活性、リガンド結合、または細胞内シグナル伝達などの生物学的機能を、排除または有意に低下させることができる。
【0088】
「アロステリック抗体」または「アロステリックに結合する抗体」は、活性リガンド結合部位とは異なるPTH1Rの一部に結合する、すなわち、受容体に対して天然リガンドと競合しない抗体である。アロステリック抗体が、PTH、またはPTHrP、およびPTH1Rの結合親和性を2倍を超えてはっきりとは変えないことが企図される。様々な実施形態において、抗体は、場合によりPTH1Rにアロステリックに結合する負の調節因子であり、抗体が、PTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる。
【0089】
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され、分離され、回収されたものである。その自然環境の汚染成分は、抗体の診断上または治療上の使用を妨げる物質であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。好ましい実施形態において、抗体は、(1)ローリー法によって決定される抗体の95重量%超、最も好ましくは99重量%超へ、(2)スピニングカップシークエンテーターの使用によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、あるいは(3)SDS-PAGEにより還元条件下もしくは非還元条件下でクマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用して均一に、精製される。単離された抗体は、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しなくなるため、組み換え細胞内のインビボの抗体を含む。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
【0090】
本明細書において使用される「特異的に結合する」か、「標的特異的」であるか、標的「に特異的」であるか、あるいは標的抗原と「免疫反応性」である抗体は、同様の抗原より大きな親和性で標的抗原に結合する、抗体または抗体物質を指す。本開示の一態様において、標的結合ポリペプチドまたはその断片、変異体またはその誘導体は、他の、すなわち非ヒト種の標的への結合親和性と比較して、ヒト標的へはより大きい親和性で結合するが、標的のオーソログを認識し、結合する結合ポリペプチドは、提供される範囲内にある。
【0091】
例えば、その同族抗原に「特異的な」抗体またはその断片であるポリペプチドは、抗体の可変領域が検出可能な優先度で目的のポリペプチドを認識および結合することを示す(すなわち、目的のポリペプチドを、局在化配列の同一性、相同性、またはファミリーメンバー間の類似性の存在の可能性にもかかわらず、結合親和性における測定可能な差異のために、同じファミリーの他の既知のポリペプチドと区別できる)。特異的な抗体はまた、抗体の可変領域の外側の配列との相互作用を介して、特に、分枝の定常領域中、他のタンパク質(例えば、黄色ブドウ球菌プロテインAまたはELISA技術における他の抗体)と相互作用し得ることが理解されるであろう。本開示の方法において使用するための抗体の結合特異性を決定するためのスクリーニングアッセイは、当該技術分野において周知であり、日常的に実施されている。そのようなアッセイの包括的な考察については、Harlow et al.(Eds),Antibodies A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor,NY(1988),Chapter 6を参照されたい。本方法に使用するための抗体は、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して産生することができる。
【0092】
「エピトープ」という用語は、1つまたは複数の抗原結合領域で、選択的結合剤によって認識され、結合することのできる任意の分子のその部分を指す。エピトープは通常、アミノ酸または炭水化物側鎖などの分子の化学的に活性な表面群から構成され、特定の三次元構造特性ならびに特定の電荷特性を有する。本明細書において使用されるエピトープは、連続的または非連続的であり得る。さらには、エピトープは、それらが抗体を生産するために使用されるエピトープと、同一である三次元構造を含むが、抗体免疫応答を刺激するために使用された標的内に発見されたアミノ酸残基を、全く含まないか、または少しだけ含むという点で擬似体(ミモトープ)であり得る。本明細書において使用される場合、ミモトープは、選択的結合剤によって結合されるエピトープとは異なる抗原と見なされず、選択的結合剤がエピトープおよびミモトープの同じ三次元構造を認識する。
【0093】
本開示の抗体物質およびポリペプチドに関連して使用される場合の「誘導体」という用語は、ユビキチン化、治療薬または診断薬への結合、標識(例えば、放射性核種または様々な酵素を用いて)、PEG化(ポリエチレングリコールを用いた誘導体化)などの共有結合ポリマー付着、およびヒトのタンパク質では通常起こらない、オルニチンなどのアミノ酸の化学合成による挿入または置換などの技術によって化学的に改変されたポリペプチドを指す。誘導体は、本開示の非誘導体化分子の結合特性を保持する。
【0094】
「治療有効量」という用語は、本明細書において、治療される疾患の症状または徴候を改善または軽減するのに有効である、本開示の標的特異的組成物の量を示すために使用される。
【0095】
本明細書における方法に関して使用される「治療する」、「治療された」、「治療すること」、および「治療」という用語は、一時的または恒久的のいずれかで、部分的または完全のいずれかで、臨床症状、事象の兆候もしくは進行、病気もしくは状態を排除、軽減、抑制、または改善することを指す。そのような治療は絶対に有用である必要はない。
【0096】
本方法は、標的特異的抗体(本明細書において記載されるそれらの例示的な配列、断片、それらの変異体および誘導体、本明細書において列挙される標的特異的抗体を含む薬学的製剤を含み得る)の使用を提供する。それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMに割り当てることができ、サブクラスまたはアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および三次元配置は、周知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有し、例えば、IgG1およびIgG3アイソタイプはADCC活性を有する。本明細書において開示される抗体は、それが定常ドメインを含む場合、これらのサブクラスまたはアイソタイプの任意のものであり得る。
【0097】
本方法で使用される抗体は、約2×10-6M以下、約10-6M以下、または約10-7M以下、または約10-8M以下、または約10-9M、10-10M、10-11M、または10-12M以下のKの1つまたは複数のPTH1R抗原に対して、結合親和性を呈し得る。一実施形態において、抗体は少なくとも2×10MのKを有する。そのような親和性は、平衡透析、表面プラズモン共鳴(SPR)技術(例えば、製造業者によって概説された一般的な手順を使用するBIAcore 2000機器)の使用、125I標識標的抗原を使用したラジオイムノアッセイ、または以下の実施例に記載されているか、あるいは当業者に知られている別の方法、などによる従来の技術を使用して容易に決定することができる。親和性データは、例えば、Scatchard et al.の方法(Ann N.Y.Acad.Sci.,51:660,1949)によって分析することができる。
【0098】
KinExA動力学排除アッセイもまた、その抗原に対する抗体の親和性を測定するのに有用である。KinExA技術は、液相と固相の間の結合事象よりも、液相の結合事象を測定する。加えて、結合事象を測定するための多くの方法が、少なくとも1つの反応物を固定化または標識化を通して改変することを必要とするが、一方、KinExA方法は研究中の分子の改変を必要としない。KinExA方法は、現在利用可能な他の方法よりも広範囲の結合定数を測定することを可能にすると考えられている。KinExA装置および抗体の特徴付けのための操作についての追加の説明は、製造業者(アイダホ州、ボイズ、Sapidyne Instruments、Inc.)から入手可能であり、公開された文献、例えば、米国特許第6,664,114号およびDarling et al.,“Kinetic Exclusion Assay Technology:Characterization of Molecular Interactions.”Assay and Drug Development Technologies,2004,2:647-657に見出すことができる。
【0099】
副甲状腺ホルモン受容体1
副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)は、N末端細胞外ドメイン(N-ECD)、7つのTMヘリックス、3つのEC、3つの細胞内ループ(IC)、およびC末端細胞内ドメイン(C-ICD)から構成される(Thomas et al.,2008 J Bone Miner Res.24(5):925-934)。このタンパク質は、副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)のための受容体である。PTH1Rの活性は、アデニリルシクラーゼおよびホスファチジルイノシトールカルシウムセカンドメッセンジャー系もまた活性化するGタンパク質によって媒介される。PTH1Rは、骨、腎臓、および成長板において高度に発現され、他の組織においては、発達を通して様々な時点でより低い濃度で発現される(例えば、骨格、心臓、および乳腺)(Cheloha et al.,2015 Nature Reviews Endocrinology 11,712-724、Shimizu et al.,2004 JBC 280(3):1797-807)。PTHとPTHrPの両方の上昇は、高カルシウム血症を引き起こし、結石(腎臓結石)、骨量減少(骨吸収)、および精神病性オーバートーン(うつ病、不安、認識機能障害、不眠症、昏睡)の症状をもたらす。癌患者では、PTHrP濃度の上昇は、破骨細胞性骨吸収および高カルシウム血症の増加、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症として知られる状態に繋がる(Cheloha et al,2015 Nature Reviews Endocrinology 11,712-724)。
【0100】
悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症
悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)は、特定の腫瘍によるPTHrPの過剰産生に起因する(Hoare et al.,2002 Peptides 23:989-998)。HHMは、乳癌、および多発性骨髄腫、ならびに肺癌などの特定の癌の、非常に一般的な合併症である(Findlay et al.,1980 Cancer Research 40,1311-1317)。2012年には、米国の癌患者の2.7%がHHMを有した(固形腫瘍および血液悪性腫瘍)。
【0101】
原発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺の障害としては、副甲状腺機能亢進症および副甲状腺機能低下症が挙げられる。原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)は、原発性欠陥が副甲状腺自体にある場合に起こり、過剰なPTHの放出をもたらす(Shimizu et al.,2005 JBC 280(3):1797-807)。PHPTは、カルシウムの代謝異常を引き起こし、それによって高カルシウム血症、低リン血症、線維性骨炎、腎結石症、および高血圧などの障害を引き起こす場合がある。PHPTは、高カルシウム血症の最も一般的な原因でもある(Marcocci et al.,2011 NEJM 365:2389-2397)。副甲状腺機能亢進症の場合に起こるようなPTH、または悪性腫瘍による分泌のために癌で頻繁に起こるようなPTHrPの過度の循環濃度は、高カルシウム血症状態を生じ、ひどく衰弱させ、潜在的に致命的であり得る(Shimizu et al.,2005 JBC 280(3):1797-807)。
【0102】
副甲状腺機能亢進症の治療は、通常、原因となる副甲状腺組織の外科的切除を目的とする。HHMを有する患者は、通常外科的に治癒することはできず、通常は、様々な有効性とともに、骨吸収の抑制(ビスホスホネートまたはカルシトニン)または腎臓によるカルシウム排泄の促進(食塩利尿)を目的として医学的に管理される必要がある(Rosen et al.Calcif.Tissue Int.61,455-459)。
【0103】
PTH1R阻害剤
PTH1Rアンタゴニストは、HHMおよび副甲状腺機能亢進症の場合に有益であることが示されている(Dresner-Pollak et al.1996J.Bone Miner.Res.11,1061-1065;Cheloha et al.,2015 Nature Reviews Endocrinology 11,712-724)。アゴニストペプチドの作用を模倣する小分子リガンドの開発は、PTH1Rのための難しい目標であった。HHMおよびPHPTを治療するのに使用するためのPTH1Rのいくつかの阻害剤は、当該技術分野において既知である(US7,150,974、US7,985,835、US7,910,544)。
【0104】
PTH1R抗体
様々な実施形態において、本開示は、10-6M以下の親和性Kを有するPTH1Rに特異的な抗体を提供する。様々な実施形態において、本開示は、2×10-6M以下の親和性Kを有するPTH1Rに特異的な抗体を提供する。例示的な実施形態において、本明細書において記載される抗PTH1R抗体は、少なくとも10-6M、10-7M、10-8M、10-9M以下の親和性で結合する。他の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、PTH2Rへの結合と比較して、少なくとも2~50倍、10~100倍、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、もしくは100倍、または20~50%、50~100%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%高い親和性(例えば、PTH1Rに優先的に結合する)でPTH1Rに結合する。特定の実施形態において、親和性は、表面プラズモン共鳴またはKinExAアッセイによって測定される。
【0105】
関連する態様において、抗体は、PTH1RのN末端部分に結合する。さらなる態様において、本開示は、副甲状腺ホルモン受容体2(PTH2R)に結合しない抗体を企図する。様々な態様において、抗体は、細胞表面のPTH1Rに結合する。特定の態様において、抗体は、PTH1Rにアロステリックに結合する。
【0106】
好ましい態様において、抗体は、負の調節因子抗体であり、任意で抗体がPTHまたはPTHrPとPTH1Rとの間の結合親和性を少なくとも約2分の1に、任意で最大1000分の1に低下させることができる。他の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、PTHまたはPTHrP間の結合親和性を少なくとも2分の1~1000分の1、10分の1~100分の1、2分の1、5分の1、10分の1、25分の1、50分の1、100分の1、200分の1、300分の1、400分の1、500分の1、600分の1、700分の1、800分の1、900分の1、または1000分の1に低下させることができる。
【0107】
様々な実施形態において、抗体は、副甲状腺ホルモン(PTH)または副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)による受容体の刺激に応答した細胞内のカルシウム流動を阻害する。関連する実施形態において、抗体は、PTHまたはPTHrP媒介環状アデノシン一リン酸(cAMP)蓄積を阻害する。
【0108】
一実施形態において、PTH1R抗体は、モノクローナル抗体である。
【0109】
一態様において、本開示は、(a)図21もしくは配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖相補性決定反復(CDR)1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(b)図21もしくは(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、図21もしくは配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供する。
【0110】
関連する態様において、本開示は、(a)図21、もしくは配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(b)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(c)(a)と同じ重鎖可変領域に由来する、配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供する。
【0111】
さらなる態様において、本開示は、(a)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102に記載される重鎖CDR1アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(b)図21、もしくは配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103に記載される、独立して選択された重鎖CDR2アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体と、(c)図21、もしくは配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104に記載される、独立して選択された重鎖CDR3アミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%の同一性を有するその変異体とを含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体に結合する抗体を企図する。
【0112】
特定の実施形態において、重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、図21または配列番号27~104に記載される。関連する実施形態において、重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3アミノ酸配列の3つが、図21または配列番号27~104に記載される。
【0113】
いくつかの実施形態において、本明細書において企図される抗体は、図21または配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、図21または配列番号1~26に記載される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む抗体である。
【0114】
さらに、本明細書において記載される抗体は、重鎖可変領域中の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含むことが企図され、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が図21または配列番号27~104に記載される。
【0115】
別の実施形態において、図21の抗体配列の重鎖可変領域中の3つ全てのHCDR、または配列番号27~104に示されるCDRと、少なくとも約65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む抗体が提供される。
【0116】
関連する実施形態において、図21の抗体配列の軽鎖可変領域中の3つ全てのLCDR、または配列番号131~208に示されるCDRと、少なくとも約65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む抗体が提供される。
【0117】
さらなる実施形態において、図21の抗体配列の重鎖および軽鎖可変領域中の6つ全てのCDR、または配列番号27~104および131~208に示されるCDRと、少なくとも約65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む抗体が提供される。
【0118】
特定の実施形態において、本明細書において企図される抗体は、1つまたは複数の重鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されているものである。
【0119】
一実施形態において、本明細書において企図される抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちのいずれか1つをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも2つを含む。他の実施形態において、抗体は、図21または配列番号131~208に記載される軽鎖CDRアミノ酸配列のうちの少なくとも3つを含む。
【0120】
別の態様において、本明細書において記載される抗体は、(a)図21、もしくは配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列と、(b)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列と、(c)(a)と同じ軽鎖可変領域に由来する、図21、もしくは配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体、または図21に示されるそのコンセンサス配列とを含む。
【0121】
代替実施形態において、本明細書において企図される抗体は、(a)図21、もしくは配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206に記載される軽鎖CDR1アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(b)図21、もしくは配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207に記載される、独立して選択された軽鎖CDR2アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体と、(c)図21、もしくは配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208に記載される、独立して選択された軽鎖CDR3アミノ酸配列、または1つもしくは2つのアミノ酸が変更されているその変異体とを含む。
【0122】
特定の実施形態において、軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3アミノ酸配列のうちの少なくとも2つが、図21または配列番号131~208に記載される。
【0123】
さらに、本明細書おいて記載される抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むことが企図される。関連する実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態において、抗体は、図21または配列番号105~130に記載される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
【0124】
さらなる実施形態において、本明細書において記載される抗体は、軽鎖可変領域の3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含み、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、図21または配列番号131~208に記載される。
【0125】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、(i)軽鎖可変領域の、3つ全てのLCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3のアミノ酸配列が、図21または配列番号131~208に記載される)と、(ii)重鎖可変領域の3つ全てのHCDRにわたって少なくとも70%同一のアミノ酸配列(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3のアミノ酸配列が、図21もしくは配列番号27~104に記載される)とを含む。
【0126】
別の態様において、本開示は、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体を提供し、(a)軽鎖可変領域が、配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、および/または(b)重鎖可変領域が、配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR2、および/または配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも80%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
【0127】
関連する実施形態において、本明細書において記載される抗体は、(a)配列番号131、134、137、140、143、146、149、152、155、158、161、164、167、170、173、176、179、182、185、188、191、194、197、200、203、206、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号132、135、138、141、144、147、150、153、156、159、162、165、168、171、174、177、180、183、186、189、192、195、198、201、204、207、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号133、136、139、142、145、148、151、154、157、160、163、166、169、172、175、178、181、184、187、190、193、196、199、202、205、208、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む軽鎖可変領域、および/または(b)配列番号27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、90、93、96、99、102、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR1、配列番号28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、103、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR2、および配列番号29、32、35、38、41、44、47、50、53、56、59、62、65、68、71、74、77、80、83、86、89、92、95、98、101、104、もしくはそれらと少なくとも90%同一の配列から選択されるCDR3を少なくとも含む重鎖可変領域を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、本開示の抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、改変されたまたは改変されていないIgG、IgM、IgA、IgD、IgE、それらの断片、またはそれらの組み合わせである。
【0129】
特定の実施形態において、1つまたは複数の軽鎖フレームワークアミノ酸が、別のヒト抗体アミノ酸配列に由来する対応するアミノ酸と置換されている抗体が提供され、任意でフレームワークが図1Aおよび図1Bに示される変更のうちの1つまたは複数を含む。
【0130】
一態様において、本開示の抗体は、XPA.85.012、XPA.85.017、XPA.85.288、XPA.85.328、XPA.85.329、XPA.85.330、およびXPA.85.349からなる群から選択される。
【0131】
一実施形態において、本明細書において記載される抗体は、該軽鎖可変領域に結合したヒト軽鎖定常領域をさらに含む。いくつかの実施形態において、軽鎖定常領域は、改変されたもしくは改変されていないλ軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域、それらの断片、またはそれらの組み合わせである。
【0132】
別の態様において、本開示は、本明細書において記載される重鎖または軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供する。様々な実施形態において、抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列は、配列番号209~234(重鎖)および235~260(軽鎖)に示される。
【0133】
様々な実施形態において、核酸分子は、配列番号105~130のうちのいずれか1つの軽鎖可変領域アミノ酸配列またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号235~260のうちのいずれか1つの軽鎖可変領域ヌクレオチド配列またはその断片を含む。さらなる実施形態において、核酸分子は、配列番号1~26のうちのいずれか1つの重鎖可変領域アミノ酸配列またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号209~234のうちのいずれか1つの重鎖可変領域ヌクレオチド配列またはその断片を含む。本開示の核酸分子はさらに、配列番号209~260の配列を含む全ての核酸配列を含み、核酸配列は、本明細書において記載される抗体または本明細書において記載される任意のHCDRもしくはLCDRの重鎖ならびに軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号27~104および131~208に示されるようなCDRアミノ酸配列をコードする遺伝子コードの多様性に基づく縮重コドンと、ならびに本明細書において記載され、配列番号1~26もしくは105~130に示される抗体、または本明細書において記載され、配列番号27~104もしくは131~208に示される任意のHCDRもしくはLCDRの、重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載さるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸とを含む。
【0134】
いくつかの態様において、核酸分子は、配列番号105~130に記載されるVLアミノ酸配列と少なくとも60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%同一であるVLアミノ酸配列をコードする。関連する態様において、VLアミノ酸配列は、コンセンサス配列である。本開示の核酸分子は、配列番号105~130の軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載されるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか、あるいは配列番号235~260の軽鎖可変領域核酸配列を有する核酸が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号131~208に記載される該抗体の重鎖CDRのアミノ酸配列をコードする。
【0135】
本開示の核酸分子は、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つのVHアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはその断片を含むことが企図される。いくつかの態様において、核酸は、該抗体の重鎖および/または軽鎖CDRのアミノ酸配列をコードする。いくつかの実施形態において、該断片は、重鎖および/または軽鎖のCDR1~CDR3を含む連続した断片である。一実施形態において、該断片は、任意で異なるヒトまたはヒトコンセンサスフレームワークとともに、かつ任意でCDR中の1つ、または最大2つ、または最大3つの変異とともに、重鎖および/もしくは軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3領域うちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む。CDRアミノ酸配列は、配列番号27~104および131~208に示される。
【0136】
関連する態様において、核酸分子は、配列番号1~26の重鎖のうちの1つの重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはその断片を含む。一実施形態において、核酸分子は、配列番号209~234に記載されるヌクレオチド配列を有する重鎖可変領域、またはその断片を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、核酸分子は、配列番号1~26に記載されるVHアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のVHアミノ酸配列をコードする。関連する態様において、VHアミノ酸配列は、コンセンサス配列である。本開示の核酸分子は、配列番号1~26の重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列に、本明細書において記載されるものなどの高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか、あるいは配列番号209~234のうちのいずれか1つの重鎖可変領域核酸配列を有する核酸をさらに含む。
【0138】
本開示の核酸が、図21に示される抗体から選択される抗体の全長軽鎖または重鎖をコードし得ることがさらに企図され、全長軽鎖または全長重鎖が、軽鎖定常領域または重鎖定常領域を含み、それぞれ、軽鎖定常領域が、任意で、改変されていないもしくは改変されたκまたはλ領域を含み、重定常領域が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgD、またはIgEなどのクラスのうちのいずれかの改変されていないまたは改変された定常領域を含む。
【0139】
一態様において、全長可変軽鎖抗体は、配列番号105~130に示されるアミノ酸配列を含む。全長軽鎖をコードするヌクレオチド配列は、配列番号105~130に示されるアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号235~260に記載されるヌクレオチド配列を含むことがさらに企図される。
【0140】
一態様において、全長可変重鎖抗体は、配列番号1~26のうちのいずれか1つの配列を含む。さらに提供されるのは、配列番号1~26に示される全長重鎖可変領域アミノ酸配列をコードし、配列番号209~234のうちのいずれか1つに記載されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列である。
【0141】
本開示の抗体が、当該技術分野において周知であり、本明細書において記載される抗体より小さな抗原結合断片、ならびに本明細書において記載されるような誘導体および改変抗体として使用され得ることがさらに企図される。
【0142】
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指す。モノクローナル抗体は、一般的に非常に特異的であり、同一または異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、単一の抗原部位に対して向けられ得る。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが異なる特異性および特徴を有する他の免疫グロブリンによって汚染されていない均質培養によって合成されるという点で、有利である。
【0143】
以下に記載されるように、本明細書において記載されるモノクローナル抗体、ヒト化抗体、および本明細書において記載される他の抗体を含む、抗体は、典型的には組み換え的にまたは遺伝子コードをインビトロもしくはインビボで操作する他の方法により産生され、それゆえに必ずしも自然の中で見つかる特定の抗体を反映する必要はない。
【0144】
モノクローナル抗体は、Kohlerらによって最初に記載されるハイブリドーマ法(Nature,256:495-7,1975)(Harlow&Lane;Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press:Cold Spring Harbor,New York(1988)、Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986)によって作製することができるか、あるいは組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)によって作製することができる。モノクローナル抗体はまた、例えば、Clackson et al.,(Nature352:624-628,1991)およびMarks et al.,(J.Mol.Biol.222:581-597,1991)に記載される技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離することができる。モノクローナル抗体を産生するための追加の方法は、当業者に周知である。
【0145】
上記の方法によって産生されるものなどのモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA-セファロース、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、および/または親和性クロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって培地、腹水、または血清から適切に分離される。
【0146】
本開示の抗体は、当該技術分野で周知であり、本明細書中において記載される抗体の、より小さな抗原結合断片として使用され得ることがさらに企図される。
【0147】
抗体断片
抗体断片は、無傷の全長抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fcab;およびFv断片;ダイアボディ;線形抗体;一本鎖抗体分子(例えば、scFv);二重特異性抗体、三重特異性抗体などの多重特異性抗体断片、抗体(例えば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ);ミニボディ;キレート化組み換え抗体;トリボディまたはバイボディ;イントラボディ;ナノボディ;小モジュラー免疫医薬品(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質;ラクダ化抗体;VHH含有抗体;抗体断片から形成された他のポリペプチドが挙げられる。例えば、Holliger&Hudson,2005 Nat.Biotech.23:1126-36;Eyer&Hruska,Veterinarni Medicina 57:439-513,2012を参照されたい。
【0148】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、それぞれ単一の抗原結合部位を有するVL、VH、CL、およびCHドメインからなる一価の断片、ならびにその名称が容易に結晶化するその能力を反映している、残基「Fc」断片を産生する。ペプシン処理により、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む2価断片である、F(ab’)2断片が生じ、これは2つの「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片を有し、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、Fvが抗原結合のために所望の構造を形成することを可能にするVHおよびVLドメインの間のポリペプチドリンカーをさらに含み、その結果、VLおよびVH領域が対になり、それらを単一タンパク質鎖として作製することを可能にする合成リンカーを介して、一価分子を形成する一本鎖抗体(scFv)をもたらす(Bird et al.,Science 242:423-426,1988、およびHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883,1988)。scFvの概説については、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.l 13, Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。Fd断片は、VHドメインおよびCH1ドメインからなる。
【0149】
追加の抗体断片としては、VHドメインからなるドメイン抗体(dAb)断片(Ward et al.,Nature 341:544-546,1989)が挙げられる。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが単一ポリペプチド鎖上に発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用する二価抗体であり、したがってドメインに、別の鎖の相補性ドメインと対合するように強制し、2つの抗原結合部位を産生する(例えば、EP404,097、WO93/11161、Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448,1993、およびPoljaket al.,Structure 2:1121-1123,1994を参照されたい)ダイアボディは、二重特異性または単一特異性であり得る。
【0150】
軽鎖を欠く機能的重鎖抗体は、コモリザメ(Greenberg et al.,Nature 374:168-73,1995)、テンジクザメ(Nuttall et al.,Mol Immunol.38:313-26,2001)、ラクダ、ヒトコブラクダ、アルパカ、およびラマのようなラクダ科(Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-8,1993;Nguyen et al.,J.Mol.Biol.275:413,1998)内で、天然に発生する。これらの動物では、抗原結合部位は単一ドメイン、VHHドメインに減少している。これらの抗体は、重鎖可変領域のみを用いて抗原結合領域を形成する、すなわち、これらの機能的抗体は、構造H2L2のみを有する重鎖のホモ二量体である(「重鎖抗体」または「HCAb」と称される)。ラクダ科VHHは、ヒンジドメイン、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含有し、かつCH1ドメインを欠くIgG2およびIgG3定常領域と組み換えられると報告されている(Hamers-Casterman et al.、前出)。例えば、ラマIgG1は、VHがヒンジ、CH1、CH2、およびCH3ドメインを含有する定常領域と再結合する従来の(H2L2)抗体アイソタイプであり、ラマIgG2およびIgG3は、CH1ドメインを欠き、かつ軽鎖を含まない重鎖のみのアイソタイプである。ラクダ科VHHドメインは、抗原に高親和性で結合し(Desmyter et al.,J.Biol.Chem.276:26285-90,2001)、溶液中で高い安定性を保有する(Ewert et al.,Biochemistry 41:3628-36,2002)ことが見い出された。古典的なVHのみの断片は、可溶性形態で産生するのが困難であるが、フレームワーク残基がよりVHH様になるように変更される場合、溶解性および特異的結合における改善が得られ得る。(例えば、Reichman et al.,J Immunol Methods 1999,231:25-38を参照されたい)。ラクダ重鎖を有する抗体を産生する方法は、例えば、米国特許公開第20050136049号および同第20050037421号に記載される。
【0151】
わずか15kDaの分子量を有する、抗体重鎖、完全に機能的な抗原結合断片の可変ドメインは、ナノボディと称される(Cortez-Retamozo et al.,Cancer Research 64:2853-57,2004)。ナノボディーライブラリーは、Conrath et al.,(Antimicrob Agents Chemother 45:2807-12,2001)に記載されるように免疫化ヒトコブラクダから、あるいはRevets et al.,Expert Opin.Biol.Ther.5(1):111-24(2005)に記載されるような組み換え方法を使用して産生することができる。
【0152】
二重特異性Fab-scFv(「バイボディ」)および三重特異性Fab-(scFv)(2)(「トリボディ」)の産生は、Schoonjans et al.(J Immunol.165:7050-57,2000)およびWillems et al.(J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.786:161-76,2003)に記載されている。バイボディまたはトリボディについては、scFv分子をVL-CL(L)およびVH-CH1(Fd)鎖の一方または両方に融合させ、例えば、トリボディを作製するために、2つのscFvをFabのC末端に融合させ、一方で、バイボディにおいては1つのscFvを、FabのC末端に融合させる。追加のFab系二重特異性形式は、Wu et al.,mAbs 7:470-482,2015に記載される。
【0153】
ペプチドリンカー(ヒンジレス)を介して、あるいはIgGヒンジを介してCH3に融合したscFvからなる「ミニボディ」は、Olafsen et al.,Protein Eng Des Sel.17(4):315-23,2004に記載されている。
【0154】
細胞内抗体は、細胞内発現を実証し、細胞内タンパク質機能を操作することができる一本鎖抗体である(Biocca et al.,EMBOJ.9:101-108,1990;Colby et al.,Proc Natl Acad Sci USA.101:17616-21,2004)。細胞内領域に抗体構築物を保持する細胞シグナル配列を含む細胞内抗体は、Mhashilkar et al.(EMBO J 14:1542-51,1995)およびWheeler et al(FASEBJ.17:1733-5.2003)に記載されているように産生され得る。トランスボディは、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)が一本鎖可変断片(scFv)抗体と融合している細胞透過性抗体である、Heng et al.,(Med Hypotheses.64:1105-8、2005)。
【0155】
さらに意図されるのは、標的タンパク質に特異的なSMIPまたは結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である抗体である。これらの構築物は、抗体エフェクター機能を実行するのに必要な免疫グロブリンドメインに融合した抗原結合ドメインを含む、一本鎖ポリペプチドである。例えば、WO03/041600、米国特許公開第20030133939号、および米国特許公開第20030118592号を参照されたい。
【0156】
それをイムノアドヘシンにするために、共有結合的または非共有結合的のいずれかで1つまたは複数のCDRを分子に組み込むことができる。イムノアドヘシンは、CDRをより大きなポリペプチド鎖の一部として組み込むことができるか、CDRを別のポリペプチド鎖に共有結合させることができるか、あるいはCDRを非共有結合で組み込むことができる。CDRは、イムノアドヘシンが目的の特定の抗原に特異的に結合することを可能にする。
【0157】
したがって、抗体の重鎖可変領域または軽鎖可変領域の1、2、および/または3つのCDR(例えば、単一のCDR単独もしくはタンデム、2、3、または他の複数のCDRの反復、あるいは2つの組み合わせ、あるいは3つのCDRの単独、あるいはタンデム反復、任意で、CDR間または反復間のスペーサーアミノ酸配列とともに)を含む様々な組成物を、当該技術分野で既知の技術によって産生することができる。
【0158】
キメラ抗体およびヒト化抗体
キメラ抗体またはヒト化抗体は、親の非ヒト(例えば、マウス)モノクローナル抗体よりもヒト中で免疫原性が低いので、それらはアナフィラキシーの危険性がはるかに低いヒトの治療に使用することができる。
【0159】
非ヒト(例えば、マウス)モノクローナル抗体の可変Igドメインが、ヒト定常Igドメインに融合されているキメラモノクローナル抗体は、当該技術分野において既知の標準的な手順を用いて産生することができる(Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81,6841-6855(1984)、およびBoulianne et al.,Nature 312,643-646,(1984)を参照されたい)。
【0160】
ヒト化抗体は、例えば、(1)非ヒト相補性決定領域(CDR)のヒトフレームワークおよび定常領域への移植(当該技術分野において「CDR移植」によるヒト化と呼ばれるプロセス)、(2)非ヒト可変ドメイン全体を移植するが、しかし表面残基を置換することによってそれらをヒト様表面で「クローキング」すること(当該技術分野において「ベニア化(veneering)」と呼ばれるプロセス)、あるいは(3)抗原結合またはタンパク質フォールディングのいずれかに悪影響を及ぼす可能性は低いが、ヒト環境における免疫原性を減少させる可能性が高いと決定された位置でヒトアミノ酸を置換すること(例えば、HUMAN ENGINEERING(商標))を含む様々な方法によって達成することができる。本開示において、ヒト化抗体は、「ヒト化」抗体、「ベニア化」抗体、および「HUMAN ENGINEERED(商標)」抗体の両方を含むであろう。これらの方法は、例えば、Jones et al.,Nature 321:522 525(1986)、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,81:6851-6855(1984)、Morrison and Oi,Adv.Immunol.,44:65-92(1988)、Verhoeyer et al.,Science 239:1534-1536(1988)、Padlan,Molec.Immun.28:489-498(1991)、Padlan,Molec.Immunol.31:169-217(1994)、Studnickaらの米国特許第5,766,886号、Studnicka et al.,(Protein Engineering 7:805-814,1994、Co et al.,J.Immunol.152,2968-2976(1994)、Riechmann et al.,Nature 332:323-27(1988)、ならびにKettleborough et al.,Protein Eng.4:773-783(1991)において開示されており、それらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。CDRグラフト技術は当該技術分野で知られており、例えば、Riechmann et al.,1988 Nature 332:323-27を参照されたい。追加の抗体ヒト化方法は、Safdan et al.,Biotech.Gen.Eng.Rev.29:175-86,2013に概説される。
【0161】
トランスジェニック動物からのヒト抗体
標的タンパク質に対するヒト抗体はまた、内因性免疫グロブリン産生を有さず、かつヒト免疫グロブリン遺伝子座を含有するように操作されているトランスジェニック動物を使用して産生され得る。例えば、WO98/24893は、動物が内因性重鎖および軽鎖遺伝子座の不活性化に起因して機能的内因性免疫グロブリンを産生しないヒトIg遺伝子座を有する、トランスジェニック動物を開示する。WO96/00906はまた、免疫原に対する免疫応答を高めることができるトランスジェニック非霊長類哺乳動物宿主を開示し、抗体は霊長類定常および/または可変領域を有し、内因性免疫グロブリンコード遺伝子座は置換または不活性化される。WO96/30498および米国特許第6,091,001号は、哺乳動物において免疫グロブリン遺伝子座を改変するための、例えば、定常または可変領域の全部または一部を置換して、改変抗体分子を形成するためのCre/Loxシステムの使用を開示する。WO94/02602は、不活性化内因性Ig遺伝子座および機能性ヒトIg遺伝子座を有する非ヒト哺乳動物宿主を開示する。米国特許第5,939,598号は、マウスが内因性重鎖を欠き、1つまたは複数の異種の定常領域を含む外因性免疫グロブリン遺伝子座を発現する、トランスジェニックマウスを作製する方法を開示する。米国特許第6,114,598号、同第6,657,103号、および同第6,833,268号、Green LL,Curr Drug Discovery Technol.,11(1),74-84,2014、Lee EC et al.,Nature Biotechnology,32:356-363,2014、Lee EC and Owen M,Methods Mol Biol.,901:137-48,2012)もまた、参照されたい。
【0162】
上記のトランスジェニック動物を用いて、選択された抗原分子に免疫応答を生じさせることができ、抗体産生細胞を動物から取り出し、ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを産生するために使用することができる。免疫化プロトコル、アジュバントなどは当該技術分野において既知であり、例えば、WO96/33735に記載されるようなトランスジェニックマウスの免疫化で使用される。この公開は、IL-6、IL-8、TNFα、ヒトCD4、Lセレクチン、gp39、および破傷風毒素を含む様々な抗原分子に対するモノクローナル抗体を開示する。モノクローナル抗体は、対応するタンパク質の生物学的活性または生理学的効果を阻害または中和する能力について試験することができる。WO96/33735は、IL-8で免疫化したトランスジェニックマウスの免疫細胞由来のIL-8に対するモノクローナル抗体が、好中球のIL-8誘導性機能を遮断することを開示する。トランスジェニック動物を免疫化するのに使用される抗原に対して特異性を有するヒトモノクローナル抗体はまた、WO96/34096、および米国特許出願第20030194404号、および米国特許出願第20030031667号に開示される。
【0163】
モノクローナル抗体を作製するのに有用な追加のトランスジェニック動物としては、ヒト抗体の重鎖および軽鎖をコードする非再配列ヒト抗体遺伝子からの遺伝子配列を含む、Medarex HuMAb-MOUSE(登録商標)(米国特許第5,770,429号およびFishwild et al.(Nat.Biotechnol.14:845-851(1996))に記載される)が挙げられる。HuMAb-MOUSE(登録商標)の免疫化は、標的タンパク質に対する完全ヒトモノクローナル抗体の産生を可能にする。
【0164】
また、Ishida et al.(Cloning Stem Cells 4:91-102(2002))は、メガベースサイズセグメントのヒトDNAを含み、ヒト免疫グロブリン(hIg)遺伝子座全体を組み込むトランスクロモマウス(TCMOUSE(商標))を記載する。TCMOUSE(商標)は、IgG(IgG1-G4)の全てのサブクラスを含む、完全に多様なhIgのレパートリーを有する。様々なヒト抗原を有するTCMOUSE(商標)の免疫化は、ヒト抗体を含む抗体応答を生じる。
【0165】
Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature,362:255-258(1993)、Bruggermann et al.,Year in Immunol.,7:33(1993)、および米国特許第5,591,669号、米国特許第5,589,369号、米国特許第5,545,807号、および米国特許出願公開第20020199213号もまた、参照されたい。米国特許公開第20030092125号は、動物の免疫応答を所望のエピトープに偏らせるための方法を記載する。ヒト抗体はまた、インビトロで活性化されたB細胞によっても産生され得る(米国特許第5,567,610号および第5,229,275号を参照されたい)。
【0166】
ディスプレイ技術からのヒト抗体
組み換えヒト抗体遺伝子のレパートリーを作製するための技術の開発、および繊維状バクテリオファージの表面上のコードされた抗体断片のディスプレイは、ヒト抗体を直接作製するための手段を提供している。ファージ技術によって産生される抗体は、細菌中で抗原結合断片-通常はFvまたはFab断片-として産生され、したがってエフェクター機能を欠く。エフェクター機能は2つの戦略のうちの1つによって導入することができ、断片は、例えば、哺乳動物細胞中での発現のための完全な抗体へと、あるいはエフェクター機能を誘導することができる第2の結合部位を有する二重特異性抗体断片へと操作することができる。
【0167】
例として、ファージディスプレイ技術において使用するための抗体のライブラリーを調製するための1つの方法は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物を、標的抗原またはその抗原性部分で免疫化して免疫応答を生じさせる工程、免疫化動物由来の細胞を産生する抗体を抽出する工程、RNAを抽出された細胞から単離し、RNAを逆転写してcDNAを産生する工程、cDNAを、プライマーを使用して増幅する工程、およびファージ上で抗体が発現するようにcDNAをファージディスプレイベクターに挿入するステップを含む。本開示の組み換え標的特異的抗体は、この方法で得ることができる。
【0168】
別の例では、抗体産生細胞を免疫化されていない動物から抽出し、RNAを抽出した細胞から単離して、逆転写し、プライマーを用いて増幅されたcDNAを産生し、抗体がファージ上で発現するようにファージディスプレイベクターに挿入することができる。ファージディスプレイプロセスは、繊維状バクテリオファージの表面上の抗体レパートリーのディスプレイ、および選択された抗原へのそれらの結合による、その後のファージの選択を通して、免疫選択を模倣する。あるそのような技術が、WO99/10494に記載され、そのようなアプローチを用いたMPLおよびmsk受容体への高親和性および機能的アゴニスト抗体の単離を記載する。本開示の抗体は、ヒトリンパ球由来のmRNAから調製されたヒトVLおよびVH cDNAを使用して、調製された組み換えコンビナトリアル抗体ライブラリー、例えばscFvまたはFabファージディスプレイライブラリーのスクリーニングによって単離することができる。そのようなライブラリーを調製およびスクリーニングするための方法論は、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第5,969,108号を参照されたい。ファージディスプレイライブラリーを産生するための市販のキットがある(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27-9400-01、およびStratagene SurfZAP.TM.phage display kit、カタログ番号240612)。抗体ディスプレイライブラリーを産生およびスクリーニングするのに使用され得る他の方法および試薬もまた存在する(例えば、Ladnerら米国特許第5,223,409号、KangらPCT公開第WO92/18619号、DowerらPCT公開第WO91/17271号、WinterらPCT公開第WO92/20791号、MarklandらPCT公開第WO92/15679号、BreitlingらPCT公開第WO93/01288号、McCaffertyらPCT公開第WO92/01047号、GarrardらPCT公開第WO92/09690号、Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370-1372、Hay et al.(1992)Hum.Antibod.Hybridomas 3:81-85、Huse et al.(1989)Science 246:1275-1281、McCafferty et al.,Nature(1990)348:552-554、Griffiths et al.(1993)EMBO J 12:725-734、Hawkins et al.,(1992)J.Mol.Biol.226:889-896、Clackson et al.,(1991)Nature 352:624-628、Gram et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576-3580、Garrad et al.(1991)Bio/Technology 9:1373-1377、Hoogenboom et al.(1991)Nuc Acid Res 19:4133-4137、およびBarbas et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978-7982、およびOmidfar&Daneshpour,Exp.Op.Drug Disc.10:651-669,2015を参照されたい。
【0169】
一実施形態において、所望の特徴を有する標的抗原に特異的なヒト抗体を単離するために、ヒトVHおよびVLライブラリーをスクリーニングし、所望の特異性を有する抗体断片を選択する。この方法において使用される抗体ライブラリーは、本明細書および当該技術分野において記載されるように調製およびスクリーニングされたscFvライブラリーであり得る(McCaffertyらPCT公開第WO92/01047号、McCafferty et al.,(Nature 348:552-554(1990))、およびGriffiths et al.,(EMBO J 12:725-734(1993))。抗体ライブラリーは、好ましくは標的タンパク質を抗原として用いてスクリーニングされる。
【0170】
あるいは、抗体のFd断片(VH-CH1)および軽鎖(VL-CL)を、別々にPCRによってクローン化し、コンビナトリアルファージディスプレイライブラリー中でランダムに組み換え、次に特定の抗原への結合のために選択することができる。Fab断片はファージ表面上に発現され、すなわちそれらをコードする遺伝子に物理的に連結される。したがって、抗原結合によるFabの選択は、Fabをコードする配列のために同時選択し、続いて増幅され得る。数回の抗原結合および再増幅(パンニングと呼ばれる手順)を通して、抗原に特異的なFabが濃縮され、最後に単離される。
【0171】
1994年に、「ガイド選択(guided selection)」と呼ばれる抗体のヒト化のためのアプローチが、記載された。ガイド選択は、マウスモノクローナル抗体のヒト化のためのファージディスプレイ技術の力を利用する(Jespers,L.S.,et al.,Bio/Technology 12,899-903(1994))を参照されたい)。このために、マウスモノクローナル抗体のFd断片を、ヒト軽鎖ライブラリーと組み合わせて提示することができ、次いで得られたハイブリッドFabライブラリーを抗原で選択することができる。それにより、マウスFd断片は選択をガイドするためのテンプレートを提供する。続いて、選択されたヒト軽鎖を、ヒトFd断片ライブラリーと組み合わせる。得られたライブラリーの選択により、完全なヒトFabを生じる。
【0172】
ファージディスプレイライブラリーからヒト抗体を誘導するための様々な手順が記載されている(例えば、Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.,227:381(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol,222:581-597(1991)、米国特許第5,565,332号および同第5,573,905号、Clackson,T.,and Wells,J.A.,TIBTECH 12,173-184(1994)を参照されたい)。特に、ファージディスプレイライブラリー由来の抗体のインビトロでの選択および進化は、強力なツールとなっている(Burton,D.R.,and BarbasIII,C.F.,Adv.Immunol.57,191-280(1994)、Winter,G.,et al.,Annu.Rev.Immunol.12,433-455(1994)、米国特許公開第20020004215号およびWO92/01047、米国特許公開第20030190317号、ならびに米国特許第6,054,287号および同第5,877,293号を参照されたい。
【0173】
Fv断片は、ファージタンパク質融合物として発現される一本鎖と、可溶性断片として発現される相補性鎖と(例えば、M13遺伝子IIIと)の会合によって、ファージの表面に提示される。ファージは、クラスIファージ:fd、M13、f1、If1、Ike、ZJ/Z、Ffのうちの1つ、およびクラスIIファージXf、Pf1、およびPf3のうちの1つなどの繊維状ファージであり得ることが企図される。ファージは、M13、またはfd、またはその誘導体であり得る。
【0174】
最初のヒトVLおよびVHセグメントが選択されると、選択されたVLおよびVHセグメントの異なる対を標的結合のためにスクリーニングする「混合および適合」実験により、好ましいVL/VH対の組み合わせを選択する(例えば、Kang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.88:11120-11123,1991)。加えて、抗体の質をさらに向上させるために、天然の免疫応答の間の抗体の親和性成熟に関与するインビボ体細胞変異プロセスに類似したプロセスにおいて、好ましいVL/VH対のVLおよびVHセグメントを、好ましくはVHおよび/またはVLのCDR1、CDR2、またはCDR3領域のうちのいずれかの内でランダムに変異させることができる。このインビトロ親和性成熟は、それぞれ、VH CDR1、CDR2、およびCDR3、またはVL CDR1、CDR2、およびCDR3に相補的なPCRプライマーを用いて、VLおよびVH領域を増幅することによって達成することができ、ランダム変異がVHおよび/またはVLのCDR3領域に導入されているVLおよびVHセグメントを、得られたPCR産物がコードするように、プライマーが、特定の位置にある4つのヌクレオチド塩基のランダム混合で「スパイクされ」ている。これらのランダムに変異したVLおよびVHセグメントは、標的抗原への結合のために再スクリーニングされ得る。
【0175】
組み換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーからの標的特異的抗体のスクリーニングおよび単離に続いて、選択された抗体をコードする核酸を、ディスプレイパッケージから(例えば、ファージゲノムから)回収し、標準的な組み換えDNA技術によって他の発現ベクターにサブクローニングすることができる。望まれる場合、以下に記載されるように、核酸をさらに操作して、本開示の他の抗体形態を産生することができる。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングによって単離された組み換えヒト抗体を発現させるために、本明細書において記載されるように、抗体をコードするDNAを組み換え発現ベクターにクローニングし、哺乳動物宿主細胞に導入する。
【0176】
ファージディスプレイ法は、細菌のミューテーター株または宿主細胞において実施され得ることが企図される。ミューテーター株は、その中で複製されるDNAをその親DNAに関して変異させる遺伝的欠陥を有する、宿主細胞である。ミューテーター株の例は、NR9046mutD5およびNR9046 mut T1である。
【0177】
ファージディスプレイ方法が、ヘルパーファージを用いて実施され得ることもまた企図される。これは、欠損ファージゲノムを含有する細胞に感染させるために使用され、欠損を補完するために機能するファージである。欠損ファージゲノムは、ファージミド、または遺伝子配列をコードするいくつかの機能が除去されたファージであり得る。ヘルパーファージの例は、M13K07、M13K07遺伝子III番号3、およびキャプシドタンパク質に融合した結合分子を提示またはコードするファージである。
【0178】
H鎖またはL鎖クローンのいずれかを含有する個々のコロニーを使用して、他方の鎖(LまたはH)をコードするクローンの、完全なライブラリーを感染させる、WO92/01047に開示されているような、階層デュアルコンビナトリアルアプローチを使用するファージディスプレイスクリーニング方法を介して、抗体が産生され、得られた二本鎖特異性結合メンバーは、そこに記載されているものなどのファージディスプレイ技術に従って選択される。この技術はまた、Marks et al,(Bio/Technology,10:779-783(1992))にも開示される。
【0179】
酵母、微生物、および哺乳動物細胞の表面にペプチドを提示する方法もまた、抗原特異的抗体を同定するために使用されてきた。例えば、米国特許第5,348,867号、同第5,723,287号、同第6,699,658号、Wittrup,Curr Op.Biotech.12:395-99(2001)、Lee et al.,Trends in Biotech.21(1)45-52(2003)、Surgeeva et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.58:1622-54(2006)を参照されたい。抗体ライブラリーは、免疫系におけるB細胞による抗体の細胞表面ディスプレイを効果的に模倣して、凝集素などの酵母タンパク質に結合することができる。
【0180】
ファージディスプレイ法に加えて、抗体を、インビトロディスプレイ法、ならびにリボソームディスプレイおよびmRNAディスプレイを含む微生物細胞ディスプレイを用いて単離することができる(Amstutz et al.,Curr.Op.Biotech.12:400-05(2001))。リボソームディスプレイを用いたポリペプチドの選択は、Hanes et al.,(Proc.Natl Acad Sci USA,94:4937-4942(1997))、ならびにKawasakiに発行された米国特許第5,643,768号および同第5,658,754号に記載される。リボソームディスプレイはまた、抗体の迅速な大規模変異分析にも有用である。選択的変異誘発アプローチはまた、リボソームディスプレイ技術を用いて選択することができる改善された活性を有する抗体を、産生する方法を提供する。
【0181】
アミノ酸配列変異体
抗体の1、2、3、4、5、および/または6つのCDRを含む改変ポリペプチド組成物を生成することができ、CDRは標的分子に対する増加した特異性または親和性を提供するように変更される。抗体CDR内の部位は、典型的には、例えば、最初に保存的選択(例えば、同一でない疎水性アミノ酸に置換された疎水性アミノ酸)で置換し、次いでより異なる選択(例えば、荷電アミノ酸に置換された疎水性アミノ酸)で置換することによって連続的に改変され、次いで、標的部位に欠失または挿入を行うことができる。例えば、CDRを囲む保存されたフレームワーク配列を使用して、これらのコンセンサス配列に相補的なPCRプライマーを生成して、プライマー領域間に位置する抗原特異的CDR配列を増幅する。ヌクレオチドおよびポリペプチド配列をクローニングおよび発現するための技術は、当該技術分野で十分に確立されている[例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,New York(1989)を参照されたい]。増幅されたCDR配列を、適切なプラスミドに結紮する。1、2、3、4、5、および/または6つのクローン化CDRを含むプラスミドは任意で、CDRに結合した追加のポリペプチドコード領域を含有する。
【0182】
改変は、以下により詳細に記載される保存的または非保存的アミノ酸置換によって行うことができる。「挿入」または「欠失」は、好ましくは約1~20のアミノ酸、より好ましくは1~10のアミノ酸の範囲である。変異体は、組み換えDNA技術を用いて抗体ポリペプチド分子中のアミノ酸の置換を系統的に行い、活性のために得られた組み換え変異体をアッセイすることによって導入することができる。核酸変更は、異なる種からの核酸(可変位置)で、あるいは高度に保存された領域(定常領域)での異なる部位で行うことができる。本開示において有用な、抗体配列を変更し、抗体ポリペプチド組成物を発現させるための方法は、当該技術分野において記載される。例えば、米国特許第8,569,462号を参照されたい。
【0183】
本明細書中で使用される場合、「サルベージ受容体結合エピトープ」という用語は、IgG分子のインビボ血清半減期の増加に関与する、IgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。
【0184】
別の種類の変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、抗体分子中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、その位置に異なる残基が挿入されている。超可変領域、またはCDR領域、またはフレームワーク領域のうちの任意の領域内で置換変異誘発が企図される。保存的置換は、アミノ酸をそのクラスの別のメンバーと置き換えることを含む。非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと置き換えることを含む。
【0185】
保存的アミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性の類似性に基づいて行われる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン(Ala、A)、ロイシン(Leu、L)、イソロイシン(Ile、I)、バリン(Val、V)、プロリン(Pro、P)、フェニルアラニン(Phe、F)、トリプトファン(Trp、W)、およびメチオニン(Met、M)が挙げられ、極性中性アミノ酸としては、グリシン(Gly、G)、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)、システイン(Cys、C)、チロシン(Tyr、Y)、アスパラギン(Asn、N)、およびグルタミン(Gln、Q)が挙げられ、正荷電(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン(Arg、R)、リジン(Lys、K)、およびヒスチジン(His、H)が挙げられ、負荷電(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸(Asp、D)およびグルタミン酸(Glu、E)が挙げられる。
【0186】
抗体の適切な立体配座の維持に関与しない任意のシステイン残基もまた、一般にセリンで置換され、分子の酸化安定性を改善し、異常な架橋を防止することができる。逆に、システイン結合を抗体に付加し、その安定性を改善することができる(特に、抗体がFv断片などの抗体断片である場合)。
【0187】
変更されたグリコシル化
親抗体と比べて改変されたグリコシル化パターンを有する、例えば、抗体に見い出される1つまたは複数の炭水化物部分を削除し、かつ/あるいは抗体に存在しない1つまたは複数のグリコシル化部位を付加する、抗体変異体もまた産生することができる。
【0188】
抗体のグリコシル化は、典型的にはN結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-トレオニン(Xがプロリンを除く任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列である。ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列のいずれかが存在すると、潜在的なグリコシル化部位が生じる。したがって、N結合型グリコシル化部位は、それがこれらのトリペプチド配列のうちの1つまたは複数を含有するようにアミノ酸配列を変更することによって、抗体に付加され得る。O-結合型グリコシル化は、糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つをヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンに結合させることを指すが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンもまた使用され得る。O結合型グリコシル化部位は、元の抗体の配列に1つまたは複数のセリンまたはトレオニン残基を挿入または置換することによって抗体に付加され得る。
【0189】
Fcグリカンは、IgGのFc受容体およびC1qへの結合に影響し、したがってIgGエフェクター機能にとって重要である。改変Fcグリカンおよび変更されたエフェクター機能を有する抗体変異体を、産生することができる。例えば、シアル酸、コアフコース、二分N-アセチルグルコサミン、およびマンノース残基などの改変された末端糖を有する抗体は、FcγRIIIa受容体への変更された結合および変更されたADCC活性を有する可能性がある。さらなる例において、改変された末端ガラクトース残基を有する抗体は、C1qへの変更された結合および変更されたCDC活性を有する可能性がある(Raju,Curr.Opin.Immunol.20:471-78,2008)。
【0190】
本方法における使用のためにまた企図されるのは、ADCC活性の改善を呈する、フコシル化が存在しないか、あるいは減少した抗体分子である。これを達成するための様々な方法が、当該技術分野において既知である。例えば、ADCCエフェクター活性は、抗体分子のFcγRIII受容体への結合によって媒介され、CH2ドメインのAsn-297でのN-結合型グリコシル化の、炭水化物構造に依存することが示される。非フコシル化抗体はこの受容体に高い親和性で結合し、天然のフコシル化抗体よりも効率的にFcγRIII媒介エフェクター機能を誘導する。例えば、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素がノックアウトされているCHO細胞における非フコシル化抗体の組み換え生産は、100倍増加したADCC活性を有する抗体をもたらす(Yamane-Ohnuki et al.,Biotechnol Bioeng.87:614-22(2004))。フコシル化経路におけるこの酵素または他の酵素の活性を低下させることによって、例えば、siRNAまたはアンチセンスRNA処理、酵素をノックアウトするための細胞株の操作、または選択的グリコシル化阻害剤との培養を通して、同様の効果を達成できる(Rothman et al.,Mol Immunol.26:1113-23(1989))。いくつかの宿主細胞株、例えば、Lec13またはラットハイブリドーマYB2/0細胞株は、低いフコシル化レベルを有する抗体を天然に産生する。(Shields et al.,J BiolChem.277:26733-40(2002)、Shinkawa et al.,J BiolChem.278:3466-73(2003))。例えば、GnTIII酵素を過剰発現する細胞中で抗体を組み換え的に産生することによる、二分炭水化物の濃度の増加もまた、ADCC活性を増加させると決定されている(Umana et al.,Nat Biotechnol.17:176-80(1999))。2つのフコース残基のうちの1つのみしか存在しないことが、ADCC活性を増加させるのに十分であり得ると予測されている(Ferrara et al.,Biotechnol Bioeng.93:851-61(2006))。抗体のグリコシル化および方法は、Niewa and Satoh,J.Pharmaceutical Sciences 104:930-41,2015に概説される。
【0191】
変更されたエフェクター機能を有する変異体
該方法に使用するための抗体の他の改変が企図される。一態様において、例えば、癌の治療における抗体の有効性を高めるために、エフェクター機能に関して本明細書において使用される抗体を改変することが望ましい場合がある。エフェクター機能を改変するための1つの方法は、システイン残基がFc領域に導入され得、それによってこの領域内で鎖間ジスルフィド結合形成を可能にすることを教示する。このようにして産生されたホモ二量体抗体は、内在化能力の改善、および/または補体媒介性細胞死滅の増加、および抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有し得る。Caron et al.(J.Exp Med.176:1191-1195(1992))およびShopes,B.(J.Immunol.148:2918-2922(1992)).Wolff et al.,(Cancer Research 53:2560-2565(1993))に記載されているように、抗腫瘍活性が増強されたホモ二量体抗体を、ヘテロ二官能性架橋剤を用いて調製することもできる。あるいは、二重のFc領域を有し、それによって増強された補体溶解およびADCC能力を有し得る抗体を操作することができる。Stevenson et al.,(Anti-Cancer Drug Design 3:219-230(1989))を参照されたい。加えて、CDR内の配列が抗体をMHCクラスIIに結合させ、望まれないヘルパーT細胞応答を誘発し得ることが示されている。保存的置換は、抗体が結合活性を保持することを可能にし得るが、望まれないT細胞応答を誘発するその能力を失う。
【0192】
本開示の特定の実施形態において、例えば、治療効果を高めるために、無傷の抗体よりもむしろ抗体断片を使用することが望ましい場合がある。この場合、その血清半減期を増加させるために抗体断片を改変すること、例えば半減期を増加させるために、抗体断片に、多糖類ポリマーを含むPEGまたは他の水溶性ポリマーなどの分子を加えることが望ましい場合がある。
【0193】
サルベージ受容体結合エピトープは、好ましくは、Fcドメインの1つまたは2つのループからの任意の1つもしくは複数のアミノ酸残基が、抗体断片の類似の位置に転移されている領域を構成する。さらにより好ましくは、Fcドメインの1つまたは2つのループからの3つ以上の残基が転移される。さらにより好ましくは、エピトープは、(例えば、IgGの)Fc領域のCH2ドメインから取り出され、抗体のCH1、CH3、もしくはVH領域、または2つ以上のそのような領域に転移される。あるいは、エピトープは、Fc領域のCH2ドメインから取り出され、抗体断片のCL領域、もしくはVL領域、または両方に転移される。
【0194】
したがって、本開示の抗体は、ジスルフィド結合に関与するシステインが改変または除去され、かつ/あるいはメチオニンがN末端に付加されている、かつ/あるいは1つまたは複数のN末端の20個のアミノ酸が除去されている、かつ/あるいはC1q結合部位などの補体と相互作用する領域が除去されている、かつ/あるいはADCC部位が除去されている、変異体を含む、Fcサルベージ受容体と相互作用する能力を保持するヒトFc部分、ヒトコンセンサスFc部分、またはその変異体を含み得る[例えば、Sarmay et al.,Molec.Immunol.29:633-9(1992)を参照されたい]。
【0195】
Shieldsらは、全てのヒトFc受容体への結合に関与するIgG1残基がヒンジに近いCH2ドメインに位置し、以下のように2つのカテゴリーに分類されることを報告した:1)全てのFcRと直接相互作用する位置が、Leu234-Pro238、Ala327、およびPro329(ならびに場合によりAsp265)を含む、2)炭水化物の性質または位置に影響する位置が、Asp265およびAsn297を含む。Fc受容体IIへの結合に影響を及ぼした追加のIgG1残基は以下の通りである:(最大の効果)Arg255、Thr256、Glu258、Ser267、Asp270、Glu272、Asp280、Arg292、Ser298、および(より少ない効果)His268、Asn276、His285、Asn286、Lys290、Gln295、Arg301、Thr307、Leu309、Asn315、Lys322、Lys326、Pro331、Ser337、Ala339、Ala378、およびLys414。A327Q、A327S、P329A、D265A、およびD270Aは結合を減少させた。全てのFcRのために上記で同定された残基に加えて、Fc受容体IIIAへの結合を40%以上減少させた追加のIgG1残基は以下の通りである:Ser239、Ser267(Glyのみ)、His268、Glu293、Gln295、Tyr296、Arg301、Val303、Lys338、およびAsp376。FcRIIIAへの結合を改善した変異体は、T256A、K290A、S298A、E333A、K334A、およびA339Tを含む。Lys414は、FcRIIAおよびFcRIIBへの結合の40%の減少、Arg416は、FcRIIAおよびFcRIIIAに対して30%の減少、Gln419は、FcRIIAに対して30%の減少およびFcRIIBに対して40%の減少、Lys360は、FcRIIIAに対して23%の改善を示した。特異的Fcγ受容体(R)への結合のみを改善し、あるいは同時にある種類のFcγRへの結合を改善し、かつ別の種類への結合を減少させる、IgG1のFc領域中のいくつかの位置が見出されたことを記載した、Presta et al.,(Biochem.Soc.Trans.30:487-490,2001)(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)も参照されたい。次いで、FcγRIIIaへの結合が改善された選択されたIgG1変異体を、インビトロ抗体依存性細胞傷害(ADCC)アッセイで試験し、末梢血単核細胞またはナチュラルキラー細胞のいずれかを用いた場合もADCCの増強を示した。
【0196】
例えば、米国特許第6,194,551号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、アミノ酸位置329、331、または322(Kabat番号付けを使用)での(そのうちのいくつかはC1q結合またはCDC活性の低下を提示する)、ヒトIgGのFc領域内での変異を含む変更されたエフェクター機能を有する変異体を記載する。別の例として、米国特許第6,737,056号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、アミノ酸位置238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438、または439(Kabat番号付けを使用)での(そのうちのいくつかは、低下したADCCまたはCDC活性に関連する受容体結合プロファイルを提示する)、ヒトIgGのFc領域に変異を含む変更されたエフェクターまたはFcγ受容体結合を有する変異体を記載する。これらのうち、アミノ酸位置238、265、269、270、327または329での変異は、FcRIへの結合を低下させると述べられており、アミノ酸位置238、265、269、270、292、294、295、298、303、324、327、329、333、335、338、373、376、414、416、419、435、438、または439での変異は、FcRIIへの結合を低下させると述べられており、アミノ酸位置238、239、248、249、252、254、265、268、269、270、272、278、289、293、294、295、296、301、303、322、327、329、338、340、373、376、382、388、389、416、434、435、または437での変異は、FcRIIIへの結合を低下させると述べられている。
【0197】
米国特許第5,624,821号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、マウス抗体のC1q結合活性を、重鎖のアミノ酸の318、320、または322位の残基を変異させることによって変更することができ、297位の残基(Asn)を置き換えることが溶解活性の除去をもたらすことを報告する。
【0198】
米国特許公開第20040132101号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、アミノ酸位置240、244、245、247、262、263、266、299、313、325、328、もしくは332(Kabat番号付けを使用)、または位置234、235、239、240、241、243、244、245、247、262、263、264、265、266、267、269、296、297、298、299、313、325、327、328、329、330、もしくは332(Kabat番号付けを使用)に変異を有する変異体を記載する(そのうちの位置234、235、239、240、241、243、244、245、247、262、263、264、265、266、267、269、296、297、298、299、313、325、327、328、329、330、または332は、ADCC活性を低下させるか、またはFcγ受容体への結合を低下させ得る)。
【0199】
共有結合改変
共有結合改変を含む抗体もまた、本方法における使用のために企図される。適用可能であれば、それらは化学合成によって、または抗体の酵素的もしくは化学的開裂によって作製することができる。抗体の他の種類の共有結合改変は、抗体の標的アミノ酸残基を、選択された側鎖またはNもしくはC末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と、反応させることによって分子に導入される。
【0200】
システイニル残基は、最も一般的には、クロロ酢酸またはクロロアセトアミドなどのα-ハロアセテート(および対応するアミン)と反応して、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生じる。システイニル残基はまた、ブロモトリフルオロアセトン、α-ブロモ-β-(5-イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド、メチル2-ピリジルジスルフィド、p-クロロメルクリベンゾエート、2-クロロメルクリ-4-ニトロフェノール、またはクロロ-7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾールとの反応により誘導体化される。
【0201】
他の改変としては、プロリンおよびリジンのヒスチジル、リジニルアルギニル、チロシル、グルタミニル、およびアスパラギニルヒドロキシル化が含まれる。そのような改変を行うための方法は、米国特許第8,926,976号(参照により本明細書に組み込まれる)および当該技術分野に開示されている。
【0202】
カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)はカルボジイミド(R-N.dbd.C.dbd.N-R’)との反応により選択的に改変され、RおよびR’が、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル-4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3-(4-アゾニア-4,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドなどの異なるアルキル基である。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によりアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換される。
【0203】
他の改変としては、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco,pp.79-86(1983))、N末端アミンのアセチル化、および任意のC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。
【0204】
別の種類の共有結合改変は、グリコシドを抗体に化学的または酵素的に連結することに関与する。これらの手順は、それらがNまたはO結合型グリコシル化のためのグリコシル化能力を有する宿主細胞内の抗体の産生を必要としないという点で有利である。使用される連結モードに応じて、糖は(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)遊離システインのものなどの遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、スレオニン、もしくはヒドロキシプロリンなどの遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、もしくはトリプトファンのものなどの芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に結合され得る。これらの方法は、WO87/05330、ならびにAplin and Wriston,(CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259-306(1981))に記載される。
【0205】
抗体上に存在するあらゆる炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成され得る。化学的脱グリコシル化は、化合物トリフルオロメタンスルホン酸、または同等の化合物への抗体の曝露を必要とする。この処理は、抗体を無傷のままにしながら、結合糖(N-アセチルグルコサミンまたはN-アセチルガラクトサミン)以外のほとんどまたは全ての糖の切断をもたらす。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al.,(Arch.Biochem.Biophys.259:52(1987))およびEdge et al.,(Anal.Biochem.118:131(1981))によって記載される。抗体上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al.,(Meth.Enzymol.138:350(1987))によって記載されるように、種々のエンド-およびエキソ-グリコシダーゼの使用により達成することができる。
【0206】
抗体の別の種類の共有結合改変は、種々の非タンパク質ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール、ポリオキシアルキレン、またはデキストランなどの多糖類ポリマーのうちの1つに抗体を結合することを含む。そのような方法は当該技術分野において既知である。
【0207】
誘導体
上述のように、誘導体は、抗体物質およびポリペプチドと関連して使用される場合、ユビキチン化、治療薬または診断薬への結合、標識(例えば、放射性核種または種々の酵素による)、PEG化(ポリエチレングリコールを用いた誘導体化)などの共有ポリマー結合、およびオルニチンなどのアミノ酸の化学合成による挿入または置換などの技術によって化学的に改変されたポリペプチドを指す。本明細書に開示される抗体の誘導体もまた、治療薬として有用であり、本明細書の方法に使用することができる。
【0208】
コンジュゲート部分は、共有結合的に、あるいはイオン結合、ファンデルワールス結合、または水素結合、例えば、ストレプトアビジンによって認識される放射性ヌクレオチドもしくはビオチン化ヌクレオチドの組み込みを介してのいずれかで、抗体物質に組み込まれるか、あるいは結合され得る。
【0209】
ポリエチレングリコール(PEG)を抗体物質に結合させ、インビボでより長い半減期を提供することができる。PEG基は、任意の都合のよい分子量のものであり得、直鎖状または分岐状であり得る。PEGの平均分子量は、好ましくは約2キロダルトン(「kD」)~約100kDa、より好ましくは約5kDa~約50kDa、最も好ましくは約5kDa~約10kDaの範囲になるであろう。PEG基は、一般的に、PEG部分上の天然または操作反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、またはエステル基)から抗体物質(例えば、アルデヒド、アミノ、またはエステル基)上の反応基までの、アシル化または還元的アルキル化を介して本開示の抗体物質に結合する。抗体物質へのPEG部分の付加は、当該技術分野において周知の技術を用いて実施することができる。例えば、国際特許公開第WO96/11953号および米国特許第4,179,337号を参照されたい。
【0210】
抗体物質とPEGとの結紮は、通常水相で行われ、逆相分析HPLCにより容易にモニターすることができる。PEG化物質は分取HPLCにより精製され、分析用HPLC、アミノ酸分析、およびレーザー脱離質量分析によって特徴付けられる。
【0211】
抗体コンジュゲート
抗体は、その「裸の」または非コンジュゲート形態で投与することができ、あるいは他の治療薬または診断薬に直接コンジュゲートすることができ、あるいはそのような他の治療薬または診断薬を含む担体ポリマーに間接的にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態において、抗体は、化学療法剤、薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、もしくは動物由来の酵素活性毒素、またはそれらの断片)などの細胞傷害剤、あるいは放射性同位体(すなわち放射性コンジュゲート)にコンジュゲートされる。適切な化学療法剤としては、ダウノマイシン、ドキソルビシン、メトトレキサート、およびビンデシンが挙げられる(Rowland et al.,(1986)supra)。適切な毒素としては、ジフテリア毒素などの細菌毒素、リシンなどの植物毒素、ゲルダナマイシン(Mandler et al.,J.Natl.Cancer Inst.92(19):1573-81(2000)、Mandler et al.,Bioorg.Med.Chem.Letters 10:1025-1028(2000)、Mandler et al.,BioconjugateChem.13.786-91(2002))、メイタンシノイド(EP1391213、Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:8618-23(1996))、オーリスタチン(Doronina et al.,Nat.Biotech.21:778-84(2003)、およびカリケアミシン(Lode et al.,Cancer Res.58:2928(1998)、Hinman et al.,Cancer Res.53:3336-3342(1993))などの小分子毒素が挙げられる。抗体薬物コンジュゲートおよび方法は、Ducry L,mAbs.6(1),2014およびShen WC,AAPS.,17:3-7(2015)に概説される。
【0212】
抗体は、放射性同位体、親和性標識(ビオチン、アビジンなど)、酵素標識(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、蛍光標識または発光標識または生物発光標識(FITCもしくはローダミンなど)、常磁性原子などの使用を通して検出可能に標識できる。そのような標識を達成するための手順は当該技術分野において周知であり、例えば、(Sternberger,L.A.et al.,J.Histochem.Cytochem.18:315(1970)、Bayer,E.A. et al.,Meth.Enzym.62:308(1979)、Engval,E. et al.,Immunol.109:129(1972)、Goding,J.W.J.Immunol.Meth.13:215(1976))を参照されたい。
【0213】
抗体部分のコンジュゲーションは、米国特許第6,306,393号に記載される。一般的な技術はまた、Shih et al.,Int.J.Cancer 41:832-839(1988)、Shih et al.,Int.J.Cancer 46:1101-1106(1990)、およびShih et al.,米国特許第5,057,313号に記載される。この一般的な方法は、酸化炭水化物部分を有する抗体成分を、少なくとも1つの遊離アミン官能基を有し、複数の薬物、毒素、キレート剤、ホウ素添加物、または他の治療剤を担持する担体ポリマーと反応させることを含む。この反応は、最初のシッフ塩基(イミン)結合をもたらし、第二級アミンへの還元によって安定化されて最終的なコンジュゲートを形成することができる。
【0214】
担体ポリマーは、例えば、アミノデキストランまたは少なくとも50アミノ酸残基のポリペプチドであり得る。薬物または他の薬剤を担体ポリマーにコンジュゲートするための様々な技術が、当該技術分野において既知である。アミノデキストランの代わりにポリペプチド担体を使用することができるが、ポリペプチド担体は、鎖中に少なくとも50のアミノ酸残基、好ましくは100~5000のアミノ酸残基を有するべきである。少なくともいくつかのアミノ酸は、リジン残基、またはグルタメートもしくはアスパラギン酸残基であるべきである。リジン残基のペンダントアミン、ならびにグルタミンおよびアスパラギン酸のペンダントカルボキシレートは、薬物、毒素、免疫調節剤、キレート剤、ホウ素付加物、または他の治療薬を結合するのに便利である。適切なポリペプチド担体の例としては、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、それらのコポリマー、およびこれらのアミノ酸の混合ポリマー、ならびに他、例えば、得られる担持担体およびコンジュゲートに望ましい溶解特性を付与するためのセリンが挙げられる。抗体をコンジュゲートすることができる薬剤の例としては、本明細書において記載される細胞傷害剤または化学療法剤のいずれかが含まれる。
【0215】
あるいは、コンジュゲート抗体は、抗体成分を治療薬と直接コンジュゲートさせることによって調製することができる。一般的な手順は、治療薬を酸化抗体成分に直接結合させることを除いて、コンジュゲーションの間接的な方法に類似している。例えば、抗体の炭水化物部分は、半減期を延長するためにポリエチレングリコールに結合することができる。
【0216】
あるいは、治療薬は、ジスルフィド結合形成を介して、あるいはN-スクシニル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)などのヘテロ二官能性架橋剤を使用して、還元抗体成分のヒンジ領域に結合させることができる(Yu et al.,Int.J.Cancer 56:244(1994))。そのようなコンジュゲーションのための一般的な技術は、当該技術分野で周知である。例えば、Wong,Chemistry Of Protein Conjugation and Cross-Linking(CRC Press 1991)、Upeslacis et al.,“Modification of Antibodies by Chemical Methods,”in Monoclonal Antibodies:Principles and Applications、Birch et al.(eds.),pages187-230(Wiley-Liss,Inc.1995)、Price,“Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,”in Monoclonal Antibodies:Production,Engineering and Clinical Application、Ritter et al.(eds.),pages60-84(Cambridge University Press 1995)を参照されたい。N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCLなど)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレートなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トリエン2,6-ジイソシアネートなど)、およびビス活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)などの、様々な二官能性タンパク質カップリング剤が当該技術分野において既知である。
【0217】
抗体融合タンパク質
組み換え分子が1つまたは複数の抗体成分および毒素または化学療法剤を含む抗体毒素融合タンパク質を作製する方法もまた、当業者に既知である。例えば、抗体シュードモナス外毒素A融合タンパク質は、Chaudhary et al.,Nature 339:394(1989)、Brinkmann et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 88:8616(1991)、Batra et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 89:5867(1992),Friedman et al.,J.Immunol.150:3054(1993)、Wels et al.,Int.J.Can.60:137(1995)、Fominaya et al.,J.Biol.Chem.271:10560(1996)、Kuan et al.,Biochemistry 35:2872(1996)、およびSchmidt et al.,Int.J.Can.65:538(1996)に記載される。ジフテリア毒素部分を含有する抗体毒素融合タンパク質は、Kreitman et al.,Leukemia 7:553(1993)、Nicholls et al.,J.Biol.Chem.268:5302(1993)、Thompson et al.,J.Biol.Chem.270:28037(1995)、およびVallera et al.,Blood 88:2342(1996)に記載される。Deonarain et al.,Tumor Targeting 1:177(1995)は、RNase部分を有する抗体毒素融合タンパク質を記載しており、一方、Linardou et al.,(Cell Biophys.24-25:243(1994))は、DNase I成分を含む抗体毒素融合タンパク質を生成した。ゲロニンをWang et al.,Abstracts of the 209th ACS National Meeting,Anaheim,CA,Apr.2-6,1995,Part 1,BIOT005の抗体毒素融合タンパク質中の毒素部分として使用した。さらなる例として、Dohlsten et al.(Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 91:8945(1994))は、ブドウ球菌エンテロトキシンAを含む抗体毒素融合タンパク質を報告した。
【0218】
そのような融合タンパク質の調製に適切に用いられる毒素の例示は、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシンA、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリン毒素、シュードモナス外毒素、およびシュードモナス内毒素である。例えば、Pastan et al.,Cell 47:641(1986)、およびGoldenberg,CA--A Cancer Journal for Clinicians 44:43(1994)を参照されたい。他の適切な毒素は、当業者に既知である。
【0219】
本開示の抗体はまた、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤、WO81/01145を参照されたい)を活性抗癌薬に変換するプロドラッグ活性化酵素に、抗体をコンジュゲートすることによってADEPTで使用され得る。例えば、WO88/07378および米国特許第4,975,278号を参照されたい。
【0220】
ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分としては、プロドラッグをより活性なその細胞傷害性形態に変換するような方法で、プロドラッグに作用することができる任意の酵素を含む。
【0221】
本開示に有用な酵素としては、リン酸含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアルカリホスファターゼ、サルフェート含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアリールスルファターゼ、無毒の5-フルオロシトシンを抗癌剤に変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ、5-フルオロウラシル、ペプチド含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、ズブチリシン、カルボキシペプチダーゼ、ならびにカテプシン(カテプシンBおよびLなど)などのプロテアーゼ、D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグを変換するのに有用なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ、グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なα-ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼなどの炭水化物切断酵素、β-ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なβ-ラクタマーゼ、かつアミン窒素においてフェノキシアセチル基またはフェニルアセチル基でそれぞれ誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なペニシリンVアミダーゼまたはペニシリンGアミダーゼなどのペニシリンアミダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、当該技術分野ではアブザイムとしても知られている酵素活性を有する抗体を使用して、本開示のプロドラッグを遊離活性薬物に変換することができる(例えば、Massey,Nature 328:457-458(1987)を参照されたい。抗体アブザイムコンジュゲートは、アブザイムの腫瘍細胞集団への送達に関して本明細書において記載されるように調製することができる。
【0222】
上記の酵素は、上記のヘテロ二官能性架橋試薬の使用などの、当該技術分野において周知の技術によって抗体に共有結合させることができる。あるいは、本開示の酵素の少なくとも機能的に活性な部分に連結した、本開示の抗体の少なくとも抗原結合領域を含む融合タンパク質は、当該技術分野において周知の組み換えDNA技術を用いて構築することができる(例えば、Neuberger et al.,Nature 312:604-608(1984)を参照されたい)。
【0223】
抗体の組み換え生産
本明細書において記載される抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)単離および配列決定し得る。通常これは、抗体をコードするDNAまたは好ましくはmRNA(すなわちcDNA)のクローニングを必要とする。クローニングおよび配列決定は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの標準的な技術を使用して実施される(例えば、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Guide,Vols 1-3,Cold Spring Harbor Press;Ausubel et al.(Eds.),Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons(1994)を参照されたい)(参照により本明細書に組み込まれる)。
【0224】
配列決定は、標準的な技術を用いて行われる(例えば、Sambrook et al.,(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Guide,Vols1-3,Cold Spring Harbor Press,and Sanger,F. et al.(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463-5467を参照されたい(参照により本明細書に組み込まれる))。クローン化された核酸の配列を、ヒト免疫グロブリン遺伝子およびcDNAの公表されている配列と比較することによって、当業者は、配列決定された領域に応じて、(i)免疫グロブリンポリペプチドの生殖系列セグメントの使用(重鎖のアイソタイプを含む)、および(ii)重鎖および軽鎖可変領域の配列(N領域付加および体細胞変異のプロセスから生じる配列を含む)を容易に決定できる。免疫グロブリン遺伝子配列情報の1つの情報源は、メリーランド州ベセスダ、国立衛生研究所、国立医学図書館の国立生物光学情報センターである。
【0225】
単離されると、DNAを発現ベクターに入れ、次いでこれを大腸菌(E.coli)細胞、サルCOS細胞、ヒト胎児腎臓293細胞(例えば、293E細胞)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または免疫グロブリンタンパク質を他の方法で産生しないミエローマ細胞などの宿主細胞にトランスフェクトし、組み換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成することができる。抗体の組み換え産生は当該技術分野において周知である。
【0226】
代替の実施形態において、目的の免疫グロブリンのアミノ酸配列は、直接タンパク質配列決定によって決定され得る。適切なコードヌクレオチド配列は、ユニバーサルコドン表に従って設計することができる。
【0227】
抗体の組み換え生産のために、それをコードする核酸を単離し、さらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクターに挿入する。モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)容易に単離され配列決定される。多くのベクターが利用可能である。ベクター成分は、一般的に、以下のもののうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない:シグナル配列、複製起点、1つまたは複数の選択マーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列(当該技術分野において既知であり記載されている)。
【0228】
本明細書中のベクター中でDNAをクローニングまたは発現するための適切な宿主細胞は、上記の原核生物、酵母、または高等真核生物細胞である。この目的に適した原核生物としては、真正細菌、例えば、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、例えば腸内細菌科、例えば、エシェリキア属、例えば大腸菌、エンテロバクター属、エルウィニア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、例えばサルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア属、例えばセラチア・マルセッセンス(Serratia marcescans)、およびシゲラ属、ならびにバチルス属、例えば枯草菌(B.subtilis)およびB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開された、DD266,710に開示されるB.リケニフォルミス41頁)、シュードモナス属、例えば緑膿菌(P.aeruginosa)、ならびにストレプトミセス属が挙げられる。1つの好ましい大腸菌クローニング宿主は、大腸菌294(ATCC31,446)であるが、大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC31,537)、および大腸菌W3110(ATCC27,325)のような他の株も適している。これらの例は、限定的ではなく例示的である。
【0229】
原核生物に加えて、糸状菌または酵母菌などの真核微生物は、抗体をコードするベクターのための適切なクローニングまたは発現宿主である。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、または一般的なパン酵母は、低級真核宿主微生物の中で最も一般的に使用されている。しかしながら、多数の他の属、種、および株が本明細書において一般に入手可能であり、有用であり、例えば、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロミセス宿主、例えばK.ラクティス(K.lactis)、K.フラジリス(K.fragilis)(ATCC12,424)、K.ブルガリクス(K.bulgaricus)(ATCC16,045)、K.ウイッケルハミイ(K.wickeramii)(ATCC24,178)、K.ワルティイ(K.waltii)(ATCC56,500)、K.ドロソフィララム(K.drosophilarum)(ATCC36,906)、K.サーモトレランス(K.thermotolerans)、およびK.マルキシアナス(K.marxianus)、ヤロウィア(EP402,226)、ピキア・パストリス(Pichia pastors)(EP183,070)、カンジダ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesia)(EP244,234)、アカパンカビ(Neurospora crassa)、シュワニオミセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)などのシュワニオミセス(Schwanniomyces)、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラディウム(Tolypocladium)、ならびにA.ニデュランス(A.nidulans)およびA.ニガー(A.niger)などのアスペルギルス宿主などの糸状菌である。
【0230】
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物に由来する。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞および昆虫細胞が挙げられる。スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(幼虫)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(蚊)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(蚊)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、およびカイコ(Bombyx mori)などの宿主からの、多数のバキュロウイルス株および変異体ならびに対応する許容昆虫宿主細胞が同定されている。トランスフェクションのための様々なウイルス株、例えばキンウワバ(Autographa californica)NPVのL-1変異体およびカイコNPVのBm-5株、ならびにそのようなウイルスが、特にスポドプテラ・フルギペルダ細胞のトランスフェクションのために、本開示に従って、本明細書においてウイルスとして使用され得る。
【0231】
綿、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、ペチュニア、トマト、タバコ、レムナ、および他の植物細胞の植物細胞培養物も宿主として利用することができる。
【0232】
有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、CHOK1細胞(ATCC CCL61)、DXB-11、DG-44を含むチャイニーズハムスター卵巣細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、SV40(COS-7,ATCC CRL 1651)により形質転換されたサル腎臓CV1系、ヒト胎児腎臓系(懸濁培養中で増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞、(Graham et al.,J.Gen Virol.36:59,1977)、ベイビーハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL10)、マウスセルトリ細胞(TM4,Mather、(Biol.Reprod.23:243-251,1980)、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC CCL2)、イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL1442)、ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL75)、ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982))、MRC5細胞、FS4細胞、およびヒト肝細胞癌細胞株(Hep G2)である。
【0233】
宿主細胞を、抗体産生のために上記の発現またはクローニングベクターで形質転換またはトランスフェクトし、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅に適するように改変された従来の栄養培地中で培養する。加えて、選択マーカーによって分離された複数コピーの転写単位を有する新規ベクターおよびトランスフェクト細胞株は、標的に結合する抗体の発現に特に有用であり好ましい。
【0234】
組み換え技術を使用する場合、抗体は、細胞内で、ペリプラズム空間で産生されるか、あるいは微生物培養物を含む培地に直接分泌され得る。抗体が細胞内で産生される場合、第1工程として、宿主細胞または溶解断片のいずれかである粒状デブリが、例えば、遠心分離または限外濾過によって除去される。Better et al.,(Science 240:1041-43,1988;ICSU Short Reports 10:105(1990)、およびProc.Natl.Acad.Sci.USA 90:457-461(1993))は、大腸菌の周辺腔に分泌される抗体を単離する手順を記載している。また、(Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992))も参照されたい。
【0235】
あるいは、抗体を、原核生物または真核生物のインビトロ翻訳を用いて無細胞系で合成することができる(Stech and Kubick,Antibodies 4:12-33,2015を参照されたい)。
【0236】
抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーカチオンまたはトリ交換クロマトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製することができ、アフィニティークロマトグラフィーが好ましい精製技術である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体中に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種およびアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に基づく抗体を精製するために使用され得る(Lindmark et al.,J.Immunol.Meth.62:1-13,1983)。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプおよびヒトγ3に推奨される(Guss et al.,EMBOJ.5:15671575(1986))。親和性リガンドが結合しているマトリックスは、ほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。制御細孔ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスは、アガロースで達成され得るよりも速い流速および短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)は精製に有用である。イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(登録商標)上のクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラムなど)でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、および硫酸アンモニア沈殿などのタンパク質精製のための他の技術もまた、回収する抗体によっては利用可能である。
【0237】
スクリーニング方法
有効な治療法は、有意な毒性を欠く有効な薬剤の同定に依存する抗体は、当該技術分野で既知の方法によって結合親和性についてスクリーニングされ得る。例えば、ゲルシフトアッセイ、ウエスタンブロット、放射能標識競合アッセイ、クロマトグラフィーによる共分画、共沈、架橋、ELISA、表面プラズモン共鳴、KinExAなどを使用することができ、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(1999)John Wiley&Sons,NY(本明細書にその全体が参考として組み込まれる)に記載されている。
【0238】
抗PTH1R化合物の中和生物学的活性を評価するための方法は、当該技術分野で既知である。例えば、国際特許出願第WO2004/073587号、Haramoto et al.,2007 Oral Dis.13(1):23-31を参照されたい。
【0239】
PTH1Rの生物学的活性および中和を評価するための追加の方法(例えば、PTH1R抗体による)は当該技術分野において既知である。例えば、中和は、中和アッセイによって測定することができ、IC50値として表すことができる。IC50値は、第2の分子の最大の生物学的応答または細胞活性の半分の阻害を引き出すのに必要な分子の濃度を決定することによって、所与の分子について計算することができる。IC50が低いほど、所望のタンパク質活性を阻害する分子の効力が高い。
【0240】
併用療法
本開示のPTH1R抗体は、第2の薬剤とともに投与され得、組み合わせは、本明細書中において記載されるような疾患または障害を処置するために有用であり得る。PTH1Rに対する抗体を使用する場合、1つより多いPTH1R抗体がそれぞれの標的抗原への結合に有効である場合、抗体の組み合わせが、PTH1Rの阻害剤で治療される状態または障害に対して、なおさらに改善された有効性を提供するように、標的抗原の異なるエピトープに対する2つ以上の抗体を混合することが企図される。本発明の1つまたは複数の抗体を含む組成物は、標的ポリペプチドPTH1Rに関連する状態もしくは障害に罹患しているか、または罹患する傾向がある、あるいはPTHもしくはPTHrPの活性をPTH1Rによって遮断することによって改善されるであろう、人または哺乳動物に投与され得る。
【0241】
2つの治療剤の同時投与は、薬剤がそれらの治療効果を発揮している期間に重複がある限り、薬剤を同時にまたは同じ経路で投与する必要はない。異なる日数または週数での投与と同様に、同時または連続投与が考えられる。
【0242】
あるいは、第2の薬剤は、サイトカイン、成長因子、阻害剤および他の標的抗原に対する抗体などの他の治療剤であり得る。
【0243】
本開示の治療薬は、同じ製剤中で同時に与えられてもよいと企図される。薬剤は別々の製剤で投与され、同時に投与され、同時に30分以内に投与される薬剤を指すことがさらに企図される。第2の薬剤を同時に投与することができることがさらに企図される。
【0244】
別の態様において、PTH1Rに対する抗体は、他の組成物の投与前に投与される。事前投与とは、他の薬剤による治療の1週間前から他の薬剤の投与の最大30分前の範囲内の抗体の投与を指す。薬剤は、別の組成物または薬剤の投与に続いて投与されることがさらに企図される。その後の投与は、抗体治療後30分から抗体投与後最大1週間の投与を説明することを意味する。PTH1R抗体の投与の前または後に、第2の薬剤をこの様式で投与することができることがさらに企図される。
【0245】
適切な場合には、他の補助療法を施すことができるとさらに企図される。例えば、必要に応じて、患者に外科療法、化学療法、細胞傷害剤、光線力学療法または放射線療法を施すこともできる。
【0246】
本明細書の治療薬が第2の薬剤と組み合わせて投与される場合、例えば、第2の薬剤がサイトカインもしくは成長因子、または化学療法剤である場合、投与は放射線療法剤または放射線療法の使用も含むことがさらに企図される。抗体組成物と組み合わせて投与される放射線療法は、治療する内科医によって決定される通りに、癌の治療を受けている患者に典型的に与えられる線量で投与される。
【0247】
細胞傷害剤は、細胞の機能を阻害または防止し、かつ/あるいは細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射性同位体(例えば、I131、I125、Y90、およびRe186)、化学療法剤、ならびに細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素活性毒素などの毒素または合成毒素、あるいはそれらの断片を含むものとする。非細胞傷害性薬剤は、細胞の機能を阻害または防止しない、かつ/あるいは細胞の破壊を引き起こさない物質を指す。非細胞傷害性剤は、細胞傷害性になるように活性化され得る薬剤を含み得る。非細胞傷害剤は、ビーズ、リポソーム、マトリックスまたは粒子を含み得る(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許公開第2003/0028071号および同第2003/0032995号を参照されたい)。そのような薬剤は、本開示に従う抗体とコンジュゲート、結合、連結または会合していてもよい。
【0248】
一実施形態において、第2の薬剤はデノスマブ(Xgeva(登録商標)、Prolia(登録商標))である。他の実施形態において、第2の薬剤はビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)である。他の実施形態において、第2の薬剤はカルシトニンである。
【0249】
本開示の抗体とともに使用することが企図される化学療法剤および他の薬剤としては、表1に列挙されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0250】
(表1)
表1:本開示の抗体とともに使用することが企図される化学療法剤および他の薬剤
【0251】
障害の治療
別の実施形態において、本明細書において記載される任意の種類の抗体を方法に使用することができる。例示的な実施形態において、標的特異的抗体は、ヒト抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。別の例示的な実施形態において、標的はヒトであり、患者はヒト患者である。あるいは、患者は、特異的抗体が交差反応する標的タンパク質を発現する哺乳動物であり得る。抗体は、獣医学的目的のためにまたはヒト疾患の動物モデルとして、抗体が交差反応する標的タンパク質(例えば、霊長類)を発現する非ヒト哺乳動物に投与することができる。
【0252】
一実施形態において、本開示は、PTHまたはPTHrPタンパク質発現の増加に関連する高カルシウム血症を治療するための方法であって、その必要がある対象に、治療有効量のPTH1R抗体または本明細書において企図される薬学的組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0253】
別の実施形態において、本開示は、副甲状腺ホルモン発現の増加、副甲状腺ホルモン関連タンパク質の発現の増加、またはPTH1R発現の増加に関連する疾患、状態、または障害を治療するための方法であって、その必要がある対象に、本明細書において企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
【0254】
別の実施形態において、本開示は、癌、PTHまたはPTHrP誘導性高カルシウム血症、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、結核、サルコイドーシス、原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)、および悪液質からなる群から選択される疾患、状態、または障害を治療するための方法を提供する。
【0255】
様々な実施形態において、本明細書で企図される抗体または薬学的組成物の治療有効量を、その必要がある対象に投与することは、高カルシウム血症の1つまたは複数の症状を改善する。
【0256】
様々な実施形態において、治療有効量の抗体または本明細書において企図される薬学的組成物を、その必要がある対象に投与することは、PTHrP誘導性HHMにおける消耗症候群、低カルシウム血症によるHHM生存の延長および/または消耗症候群を含む1つまたは複数の症状を改善する。PTHrPおよびPTH1Rは、乳癌および胃癌の進行に関係している(Hoey et al.,2003 Br J Cancer.88(4):567-573、Ito et al.,1997 J Gastroenterol.32(3):396-400)。さらには、乳房腫瘍細胞におけるPTHrPおよびPTH1Rの過剰発現は、自己分泌様式でそれらの増殖を刺激することによって骨格転移におけるそのような細胞の増殖を促進することが示されている(Hoey et al.,2003 Br J Cancer.88(4):567-573)。
【0257】
一実施形態において、本開示は、癌を治療するまたは癌の再発を予防するための方法であって、その必要がある対象に、本明細書において企図される治療有効量のPTH1R抗体または薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0258】
本開示の抗体で治療することができる例示的な状態または障害は、骨癌、肺癌、肝細胞癌、膵臓癌、腎臓癌、線維性癌、乳癌、骨髄腫、扁平上皮癌、結腸直腸癌および前立腺癌からなる群から選択される癌などの癌を含む。関連する態様において、癌は転移性である。関連する態様において、転移は、骨もしくは骨格組織、肝臓、肺、腎臓、または膵臓への転移を含む。本明細書中の方法は、対象における腫瘍サイズまたは腫瘍量を減少させ、かつ/あるいは対象における転移を減少させると企図される。様々な実施形態において、本方法は腫瘍サイズを10%、20%、30%以上減少させる。様々な実施形態において、本方法は腫瘍サイズを10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%減少させる。
【0259】
一実施形態において、該治療を必要とする動物における癌の治療は、有効量のPTH1Rの抗体または本明細書において記載される抗体を含む組成物を動物に投与することを含む。
【0260】
本開示の方法によって治療可能な状態は、好ましくは哺乳動物に起こる。哺乳動物は、例えば、ヒトおよび他の霊長類、ならびにイヌおよびネコなどのペットまたはコンパニオン動物、ラット、マウス、およびウサギなどの実験動物、ならびにウマ、ブタ、ヒツジ、およびウシなどの家畜を含む。
【0261】
薬学的組成物の製剤
本開示の抗体をヒトまたは試験動物に投与するために、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含む組成物中に抗体を処方することが好ましい。「薬学的または薬理学的に許容される」という語句は、以下に記載されるように、当該技術分野において周知の経路を用いて投与された場合に、アレルギーまたは他の有害反応を引き起こさない分子実体および組成物を指す。「薬学的に許容される担体」は、ありとあらゆる臨床的に有用な溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。
【0262】
加えて、化合物は、水または一般的な有機溶媒で溶媒和物を形成してもよい。そのような溶媒和物もまた企図される。
【0263】
抗体は、非経口投与、皮下投与、腹腔内投与、肺内投与、および鼻腔内投与を含む任意の適切な手段によって、かつ局所治療のために望まれる場合には病巣内投与によって投与される。非経口注入としては、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮内投与または皮下投与が挙げられる。加えて、抗体は、特に抗体の投与量を減らしながら、パルス注入によって適切に投与され得る。好ましくは、投与は、投与が短時間であるか慢性であるかに部分的に依存して、注射、最も好ましくは静脈内、筋肉内または皮下注射によって与えられる。局所投与、特に経皮投与、経粘膜投与、直腸投与、経口投与、または例えば、所望の部位の近くに配置されたカテーテルを介した局所投与を含む、他の投与方法も企図される。
【0264】
本明細書において記載される抗体を有効成分として含有する本開示の薬学的組成物は、投与経路に応じて薬学的に許容される担体または添加剤を含有してもよい。このような担体または添加剤の例としては、水、薬学的に許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、薬学的に許容される界面活性剤などが挙げられる。使用される添加剤は、本開示の剤形に応じて、必要に応じて、上記またはそれらの組み合わせから選択されるが、これらに限定されない。
【0265】
薬学的組成物の製剤は、選択された投与経路(例えば、液剤、エマルジョン)に従って変わるであろう。投与される抗体を含む適切な組成物は、生理学的に許容されるビヒクルまたは担体中に投与することができる。溶液またはエマルジョンの場合、適切な担体には、例えば、水溶液またはアルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液(食塩水および緩衝媒体を含む)が含まれる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液または不揮発性油が挙げられ得る。静脈内ビヒクルとしては、種々の添加剤、保存剤、または流体、栄養素または電解質補給剤を挙げることができる。
【0266】
様々な水性担体、例えば、滅菌リン酸緩衝食塩水、静菌水、水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシンなど、かつ穏やかな化学的改変などを施した、アルブミン、リポタンパク質、グロブリンなどの安定性を高めるための他のタンパク質が挙げることができる。
【0267】
抗体の治療用製剤は、所望の純度を有する抗体を、凍結乾燥製剤または水溶液の形態の、任意の生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と混合することによって保存用に調製される。許容される担体、賦形剤、または安定化剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに無毒であり、ホスフェート、シトレート、および他の有機酸などの緩衝剤、アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤、防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェニル、ブチル、またはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾールなど)、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸、単糖類、二糖類、ならびにグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類、ナトリウムなどの塩形成対イオン、金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0268】
本明細書の製剤はまた、治療される特定の適応症に必要な場合には1つより多い活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有し得る。そのような分子は、意図する目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。
【0269】
活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、あるいは界面重合によって、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)において調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース、またはゼラチンマイクロカプセル、およびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルまたはマイクロエマルジョンに封入され得る。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示される。
【0270】
インビボ投与に使用される製剤は、無菌でなければならない。これは滅菌濾過膜を通して濾過することにより容易に達成される。
【0271】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性化合物を含有し得る。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、天然発生するホスファチド、例えば、レシチン、もしくはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチルエンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸から誘導された部分エステルと、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどのヘキシトルとの縮合生成物、またはエチレンオキシドと、脂肪酸から誘導された部分エステルと、ヘキシトル無水物との縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。水性懸濁液は、1つまたは複数の防腐剤、例えば、エチル、またはn-プロピル、p-ヒドロキシベンゾエートも含有し得る。
【0272】
本明細書においてに記載される抗体は、保存のために凍結乾燥され得、使用前に適切な担体中で再構成され得る。この技術は、従来の免疫グロブリンに有効であることが示されている。任意の適切な凍結乾燥および再構成技術が使用され得る。凍結乾燥および再構成が様々な程度の抗体活性の喪失をもたらし得ること、かつ使用レベルを補うために調整する必要があり得ることが当業者には理解されよう。
【0273】
本明細書において記載されるPTH1R抗体は、1つまたは複数の追加の抗体との共製剤として調製および投与することができる。一態様において、抗体のうちの少なくとも2つが、異なる抗原を認識し、結合する。別の態様において、複数の抗体のうちの少なくとも2つは、同じ抗原の異なるエピトープを特異的に認識して結合することができる。
【0274】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つまたは複数の防腐剤と混合した活性化合物を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上で述べたものによって例示されている。
【0275】
これらの製剤中の抗体の濃度は、例えば、約0.5重量%未満、通常約1重量%または少なくとも約1重量%~約15重量%または20重量%まで幅広く変動することができ、選択された特定の投与様式に従って、主に流体容量、粘度などに基づいて選択される。したがって、非経口注射用の典型的な薬学的組成物は、1mlの無菌緩衝水、および50mgの抗体を含有するように調製することができる。静脈内注入用の典型的な組成物は、250mlの滅菌リンゲル液、および150mgの抗体を含有するように調製することができる。非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に既知であるか、あるいは明らかであり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,15th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1980)により詳細に記載されている。抗体の有効投与量は、1回の投与につき体重1kgあたり0.01mg~1000mgの範囲内である。
【0276】
薬学的組成物は、無菌注射用水性、油性懸濁液、分散液、または無菌注射用溶液または分散液の即時調製用の無菌粉末の形態であり得る。懸濁液は、上記の適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、既知の技術に従って処方することができる。無菌注射剤調製は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、植物油、リンガー溶液、および塩化ナトリウム等張液を含有する溶媒または分散媒体であり得る。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製の用途を見出す。
【0277】
全ての場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注射針貫通が存在する程度に流動性でなければならない。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合には必要な粒径の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって維持され得る。これは、製造および保管条件下で安定していなければならず、細菌および真菌などの微生物の混入作用に対して保護されなければならない。微生物の作用の保護は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗細菌剤および抗真菌剤によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが望ましい。注射可能な組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤の組成物、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0278】
投与に有用な組成物は、それらの効力を増大させるために、取り込みまたは吸収促進剤とともに処方され得る。そのような促進剤としては、例えば、サリチレート、グリココール酸/リノール酸、グリコール酸、アプロチニン、バシトラシン、SDS、カプリン酸などが挙げられる。例えば、Fix(J.Pharm.Sci.,85:1282-1285(1996))およびOliyai and Stella(Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,32:521-544(1993))を参照されたい。
【0279】
標的のその同族の受容体またはリガンドへの結合、標的媒介シグナル伝達などを含む、標的活性を阻害するための使用が企図される抗体組成物。特に、組成物は、実質的に副作用がない濃度で阻害特性を示し、したがって長期治療プロトコルに有用である。例えば、抗体組成物と別のより毒性の強い細胞傷害性薬剤との同時投与は、治療されている状態または障害の有益な阻害を達成しながら、患者における毒性の副作用を効果的に軽減することができる。
【0280】
加えて、本開示での使用が企図される組成物の親水性および疎水性の特性は、バランスがとれており、それによってインビトロおよび特にインビボでの使用の両方でのそれらの有用性を促進するが、そのようなバランスを欠く他の組成物は実質的に有用性が低い。具体的には、本開示での使用が企図される組成物は、体内での吸収および生物学的利用能を可能にする水性媒体中で、溶解度の適切な程度を有し、一方で、化合物が細胞膜を作用の推定上の部位へと横断することを可能にする、脂質内での溶解度の程度を有する。したがって、企図される抗体組成物は、それらが標的抗原活性の部位に送達され得る場合に最も有効である。
【0281】
投与と投与法
一態様において、本開示の方法は、薬学的組成物を投与するステップを含む。特定の実施形態において、薬学的組成物は無菌組成物である。
【0282】
本開示の方法は、注射、経口摂取、鼻腔内、局所、経皮、非経口、吸入スプレー、膣内、または直腸内投与を含むがこれらに限定されない、治療薬を哺乳動物対象に直接または間接的に導入するための任意の医学的に許容される手段を用いて実施される。本明細書において使用される非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、および嚢内注射、ならびにカテーテルまたは注入技術を含む。特定の部位への皮内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後注射、肺内注射および/または外科的移植による投与も、同様に企図される。
【0283】
一実施形態において、投与は、その部位への直接注射によるか、または製剤を内部に送達することができる持続送達または持続放出機構を介して、治療を必要とする癌または罹患組織の部位で実施される。例えば、生分解性ミクロスフェア、またはカプセル、または組成物(例えば、可溶性ポリペプチド、抗体、または小分子)の持続送達が可能な他の生分解性ポリマー構成は、癌の近くまたは癌の部位に埋め込まれる本開示の製剤に含まれ得る。
【0284】
治療用組成物はまた、複数の部位で患者に送達され得る。複数回投与は、同時に行われてもよく、あるいはある期間にわたって投与されてもよい。ある場合には、治療用組成物の連続的な流れを提供することが有益である。追加の療法は、例えば、週に1回、2週間に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、または3ヶ月に1回、またはより長い間隔で投与することができる。
【0285】
所与の投与量中の抗体組成物の量は、治療が施されている個体のサイズ、ならびに治療されている障害の特徴によって異なり得る。例示的な治療では、約1mg/日、5mg/日、10mg/日、20mg/日、50mg/日、75mg/日、100mg/日、150mg/日、200mg/日、250mg/日、500mg/日、または1000mg/日を投与することが必要であり得る。これらの濃度は、単回剤形として、あるいは複数回投与として投与することができる。最初に動物モデルでの、次いで臨床試験での、標準的な投与量反応研究が、特定の病状と患者集団に最適な投与量を明らかにする。
【0286】
また本開示において企図されるように、所与の投与量中のPTH1R抗体の量は、治療が施されている個体のサイズ、ならびに治療されている障害の特徴に応じて変わり得る。抗体組成物は、疾患の進行または許容できない毒性が出るまで、1、2、または4週間毎に30~60分かけて静脈内注入として週に2回、0.1~15mgの投与量範囲で投与することができる。様々な実施形態において、抗体組成物は、1週間に2回、または1、2、もしくは4週間毎に、0.3~30mg/kgの投与量範囲で、静脈内、皮下、または筋肉内に投与され得る。様々な実施形態において、投与量は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または30mg/kgであり得る。様々な実施形態において、抗体組成物は、0.3~3mg/kg、1~6mg/kg、または2~6mg/kgの投与量範囲で、週に2回、または1、2、もしくは4週間毎に静脈内投与することができる。あるいは、抗体組成物は、1週間に2回、または1、2、もしくは4週間毎に、0.5~5mg/kgの投与量範囲で、静脈内、皮下、または筋肉内に投与され得る。
【0287】
追加の治療薬が本開示の治療薬と組み合わせて投与される場合、投与が変更され得ることもまた明らかであろう。
【0288】
キット
さらなる態様として、本開示は、本開示の方法を実施するためのそれらの使用を容易にする様式で、パッケージされた1つまたは複数の化合物または組成物を含むキットを含む。一実施形態において、そのようなキットは、密封された瓶または容器などの容器に、容器に貼付された、あるいはパッケージ内に含まれる(方法の実施における化合物または組成物の使用を説明する)ラベルでパッケージされ、本明細書において記載される化合物または組成物を含む。好ましくは、化合物または組成物は、単位剤形でパッケージされる。キットは、組成物を特定の投与経路に従って投与するのに、あるいはスクリーニングアッセイを実施するのに好適な装置をさらに含み得る。好ましくは、キットは抗体組成物の使用を説明するラベルを含む。
【0289】
本開示のさらなる態様および詳細は、限定的ではなく例示的であることが意図されている以下の実施例から明らかとなろう。
【実施例0290】
実施例1:PTH1Rに結合する抗体の発見
A.ファージパンニングおよび回収
PTH1Rに結合する抗体を同定するために、ナイーブscFvまたはFab抗体ファージライブラリー(Schwimmer et al.2013 J.Immun.Meth.391(1-2):60-71)を使用した3回の細胞パンニングを実施した。κおよびλ鎖ライブラリーを一緒にパンニングした。1回目のファージパンニングでは、約50×ライブラリー同等物を、FLAGペプチド(シグマアドリッチ)の存在下、5%のFCS/PBS中、室温で1時間遮断した。次いで、CHO-K1(親細胞)に対する非特異的結合剤を、PTH1R受容体を発現しなかった5×10CHO-K1細胞に対して選択解除した。続いて、選択解除された細胞を、37℃で2時間、FLAGペプチドの存在下で、全長ヒト受容体を発現する1.5×10CHO-PTH1R細胞に結合させた。次いで受容体結合ファージを、5%FCS-PBSで洗浄し、次いでPBSで洗浄した。選択の厳密性を高めるために、連続する各回のパンニングにおいて洗浄の期間を延長した。次に結合ファージを、100mMトリメチルアミン(TEA)溶出緩衝液(Merck-TX1200-5)の添加により溶出し、等容量の1Mトリス-HCl、pH7.4で中和した。次いで、溶出し、中和したファージを用いて、OD600~0.5で、cytFkpAシャペロン変異体を発現するTG1細菌細胞(Levy et al.2013J.Immun.Meth.394(1-2):10-21)に感染させた。感染を、100rpmの振盪を用いて、37℃で1時間実施した。次いで、細胞を、100μg/mLカルベニシリン、34μg/mLクロラムフェニコール、および2%グルコースを補充した2YTアガロースプレート上にプレーティングし、30℃で一晩インキュベートした。
【0291】
次の回のパンニングのためにファージを回収するために、50×~100×アウトプットを、ヘルパーファージM13K07(マサチューセッツ州、New England Biolabs)で重感染させた。細胞を採取し、OD600が約0.05から始めて37℃で増殖させた。OD600nmが約0.5の際に、細胞を、100rpmでの回転で37℃で1時間、約20の感染多重度(MOI)でのM13K07を用いて感染させた。感染後、細胞をペレット化し、シャペロンcytFkpAの発現を可能にするために、50μg/mLカナマイシン、100μg/mLカルベニシリン、および0.2%アラビノースで補完した新しい2YT培地に移した。25℃で細菌培養物を一晩増殖させた後、4℃で遠心分離した後にファージを回収し、次いでPEG沈殿させて、次の回のパンニングのためのインプットとして使用した。選択的濃縮を、各パンニング回に使用されたファージインプット量対得られたファージアウトプット力価によってモニターした。
【0292】
あるいは、2回目のパンニングから生じた回収されたファージを、ヒトPTH1Rを発現するように操作されたCHO細胞に結合させた。次いで、CHO-PTH1R細胞に結合したファージを、Siegel et al.,2002 Methods Mol.Biol.178:219-226に記載のものに基づく細胞選別方法を用いて単離した。
【0293】
B.スクリーニング
ライブラリーパンニングアウトプットを、FACSによりスクリーニングした。選択されたクローンのペリプラズム細菌抽出物を含むプレートを、標準的なプロトコルを用いて調製した。次いで、それらを、親CHO-K1細胞への結合に対して、N末端にFLAGタグを有するヒトPTH1Rを発現するCHO細胞への結合を、FACSによりスクリーニングした。抗FLAGタグモノクローナル抗体を、PTH1R発現細胞を検出するための陽性対照として使用した。
【0294】
次いで、PTH1Rに結合する抗体断片を、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4抗体に再フォーマットした。選択されたscFvまたはFab断片の可変重(VH)および軽(VL)鎖を、PCRによって増幅し、抗体定常領域配列を含有するプラスミドベクターにクローニングし、標準的方法を用いて293E細胞に一過性にトランスフェクトして、さらなる特徴づけのためにIgG2抗体を産生した。再フォーマットされた抗体は、以下に記載されるように、PTH1R結合について、かつ機能的アッセイにおいて試験した。
【0295】
実施例2:親和性成熟
初期結合および機能的特徴付け研究に基づいて、2つの抗体、XPA.85.012およびXPA.85.017を、軽鎖シャフリングを用いて親和性成熟のために選択した。
【0296】
A.XPA.85.012の親和性成熟変異体の選択
軽鎖ライブラリー構築
XPA.85.012のVH領域を、2つの異なるκ鎖Fabライブラリーを含むプラスミドDNAにクローニングした。得られたライブラリー、XPA85.012.010およびXPA85.012.050の、得られたライブラリーのサイズは、それぞれ7.6×10cfuおよび2.1×10cfuであった。各ライブラリーを、TG1+cytFkpA細胞を用いて回収した(50×ライブラリー同等物)(Levy et al.,2013 J.Immun.Meth.394(1-2):10~21)。
【0297】
ファージパンニングおよび回収
製造業者のプロトコルおよび20倍モル過剰のビオチン試薬を用いて、ヒトPTH1R受容体の組み換えN末端細胞外ドメイン(ミネソタ州、R&D Systems、N-ECD PTH1R)をEZ-Link NHS-PEG4-ビオチン(イリノイ州、ロックフォード、Thermo Scientific)でビオチン化した。非反応性NHS-PEG4-ビオチンを、Zeba(商標)スピン脱塩カラム(7K MWCO)(イリノイ州、ロックフォード、Thermo Scientific)で2回回転させることによって除去した。N-ECD PTH1Rのビオチン化は、表面プラズモン共鳴(SPR)によって確認された。
【0298】
1回目のファージパンニングのために、XPA85.012.010およびXPA85.012.050(それぞれ7.6×1010cfuおよび2.1×1011cfu)の100×ライブラリー同等物を、1mLの3%BSA/PBS中で1時間氷上で遮断した。ストレプトアビジンへの結合剤を、ブロックファージをストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(カリフォルニア州、カールスバッド、Thermo Fisher Scientific、Dynabeads(商標)M-280ストレプトアビジン)に添加することによって、ブロックファージから選択解除し、室温での45分間の回転でインキュベートした。選択解除工程をもう一度繰り返した。磁石を用いてビーズをファージから単離した。選択解除工程と同時に、室温、45分間の回転でインキュベートすることで、40ピコモルのビオチン化N-ECDのPTH1Rをストレプトアビジン被覆磁気ビーズに結合させた。選択を、選択解除されたファージを磁性ストレプトアビジンビーズに結合したビオチン化N-ECD PTH1Rに添加し、1.5時間の回転でインキュベートすることにより実施した。選択後、未結合ファージを、3%BSA/PBS+0.1%Tween-20で3回、5分間洗浄し、続いて3%BSA/PBSで3回、5分間洗浄し、かつPBSで1回迅速に洗浄することによって除去した。室温、20分間の回転で100mM TEAを添加することにより、最終洗浄工程後に結合ファージをビーズから溶出させた。溶出したファージを、等容量の1MのTris-HCl、pH7.4を添加して中和し、ビーズを1mLの1MのTris-HCl、pH7.4を添加して中和した。溶出およびビーズ結合した中和ファージを別々に使用して、対数増殖期のTG1+cytFkpA細菌細胞(OD600約0.5)を感染させた。感染は振盪せずに37℃で30分間行い、続いて100rpmで振盪しながら、37℃でさらに30分間インキュベートした。細胞を、100μg/mLカルベニシリン、34μg/mLクロロアムフェニコール、および2%グルコース(2YTCCG)寒天バイオアッセイプレートで補完した2YT培地上にプレーティングし、一晩30℃でインキュベートして、一晩ローン(lawn)増殖させた。全てのプレートを掻き取り、細胞を組み合わせて細菌グリセロールストックを作製した。
【0299】
次の回のためのインプットとして使用するための準備において、前回の100×アウトプットを、M13K07ヘルパーファージ(カリフォルニア州、カールスバッド、New England Biolabs)を用いた重感染によって回収した。これを、2YTCCG培地に前回のパンニングのアウトプットから掻き取った細胞を接種することによって行った。OD600nmが開始培養に関して測定され、約0.05の開始OD 600nmを反映するように調整した。細胞を、細胞がOD600nm約0.5の対数増殖期に達するまで、振盪しながら37℃で増殖させた。細胞を、M13K07ヘルパーファージに、感染多重度(MOI)=約20、37℃で30分間振盪せずに感染させ、続いて100rpmで振盪しながら37℃でさらに30分間インキュベートした。37℃で感染させた後、細胞をペレット化し、25μg/mLカナマイシン、100μg/mLカルベニシリン、および0.2%L-アラビノースで補完した新しい2YT培地に移した。培養物を25℃で一晩増殖させた。遠心分離によってファージを細胞および破片から単離し、得られた上清を回収し、PEG-6000/NaClを沈殿させた。選択的濃縮は、各回パンニングに使用されたインプット量および得られたファージアウトプット力価によってモニターした。
【0300】
2回目と3回目のパンニングでは、1回目と同じ液相プロトコルを使用したが、以下の点が異なる。2回目のパンニングで使用されたファージインプット量は約1.0×1010cfu、3回目では約4.0×10~5×1010cfuであった。2回目では、10ピコモルのビオチン化抗原を選択において用いて、3回目では、1.0および0.4ピコモルのビオチン化抗原を用いた。2回目では、洗浄条件は、3%BSA/PBS+0.1%Tween-20で5回、5分間の洗浄、続いて3%BSA/PBSで5回、5分間の洗浄、PBSで1回、迅速な洗浄であった。3回目では、2つの洗浄条件を、キングフィッシャー装置(Thermo Fisher Scientific)を用いて実施し、選択後にビーズから未結合ファージを洗浄した。最初の洗浄条件では、ビーズを4分間、3%BSA/PBS-0.1%Tween-20で8回洗浄し、続いて4分間、3%BSA/PBSで8回洗浄し、1mlのPBSで終了するように、Kingfisherをプログラムした。磁石を使用して結合ファージを収集し、溶出およびビーズ結合したファージを用いて前述のように溶出し、TG1+cytFpKA感染、細菌グリセロールストック、および単一クローンの採取のために別々にした。第2の洗浄条件では、ビーズを4分間、3%BSA/PBS-0.1%Tween-20で5回洗浄し、続いて4分間、3%BSA/PBSで5回洗浄し、一晩回転させながら4℃での1mlの1%BSA/PBS洗浄、続いて1回の迅速なPBS洗浄で終了するように、Kingfisherをプログラムした。磁石を用いて結合ファージを収集し、溶出およびビーズ結合したファージを用いて前述のように溶出し、TG1+cytFkpA感染、細菌グリセロールストック、および単一クローンの採取のために別々にした。
【0301】
B.XPA.85.017の親和性成熟変異体の選択
軽鎖ライブラリー構築
XPA.85.017のVH領域を、2つの異なるλ鎖Fabライブラリーを含むプラスミドDNAにクローニングした。得られたライブラリー、XPA.85.017.010およびXPA.85.017.031の、得られたライブラリーサイズは、それぞれ8.21×10cfuおよび7.51×10cfuであった。各ライブラリーを、TG1+cytFkpAを用いて回収した(50×ライブラリー同等物)(Levy et al.,2013J.Immun.Meth.394(1-2):10-21)。
【0302】
ファージパンニングおよび回収
1回目のファージパンニングでは、選択解除工程と同時に、40ピコモルのビオチン化N-ECDのPTH1Rではなく10ピコモルをストレプトアビジン被覆磁気ビーズに結合させたことを除いて、上記のように、ヒトPTH1Rの組み換えN末端細胞外ドメイン上でパンニングを実施した。
【0303】
2回目および3回目のパンニングでは、上記の1回目と同じ液相プロトコルを使用したが、以下の点が異なる。2回目および3回目のパンニングで使用されたファージインプット量は、約1.0×1010cfuであった。2回目では、1ピコモルのビオチン化抗原を選択において用いて、3回目では、0.5および0.1ピコモルのビオチン化抗原を用いた。追加のパンニング条件は、(1.5時間ではなく)30分の選択および0.5ピコモルを用いて3回目で導入された。2回目および3回目の選択に続いて、Kingfisher装置を使用して、ビーズからの未結合ファージを洗浄した。2回目では、ビーズを5分間、PBS-0.1%TWEEN+3%BSAで5回、続いて5分間、3%BSA/PBSで5回洗浄するように、Kingfisherをプログラムした。3回目のパンニングでは、ビーズを5分間、PBS-0.1%TWEEN+3%BSAで7回洗浄し、続いて5分間、1×PBS+3%BSAで7回洗浄し、最後にPBSで迅速に洗浄した。500倍過剰の冷たいN-ECDのPTH1R抗原を用いた一晩の洗浄を、0.5および0.1ピコモルのアームに選択期間を変えながらで付加した。
【0304】
C.スクリーニング
PTH1R結合剤のスクリーニングに使用するための分泌抗体断片を含有する細菌のペリプラズム抽出物を、標準的な方法で調製した。軽鎖シャッフル変異体の改善された結合速度論を評価するために、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて粗抗体断片のオフ速度スクリーニングを実施した。一次抗体パンニングおよび抗体発見は、全長ヒトPTH1Rを過剰発現するCHO-K1細胞を利用した。さらなる試験は、XPA.85.012クローンおよびXPA.85.017クローンの両方が、SPRベースのハイスループットスクリーニングおよび親和性特徴付けにおいて利用され得る、可溶性組み換えN末端細胞外ドメイン(ECD)に結合することを実証した。
【0305】
SPRスクリーニングアッセイは、直接結合アッセイフォーマットを使用してBIACORE4000(GE Healthcare)で実施した。これらのアッセイでは、CM5 BIACOREチップを、BIACORE Amine Couplingキット(ニュージャージー州、ピスカタウェイ、GE Healthcare)を使用して標準アミンカップリング化学により調製した。ヒトPTH1RのN末端ECD(R&D Systems)を酢酸pH4.5で4μg/mLに希釈し、5分間注入した。これにより、およそ1500RUのECDを固定化する。ペリプラズム抽出物を、5mg/mLのBSAを含むHBS-EP+(10mMのHEPES、150mMのNaCl、3mMのEDTAおよび0.05%v/v界面活性剤P20)(カリフォルニア州、ホリスター、Teknova)で1:1希釈し、0.2μMのMillex GVフィルタープレート(Millipore)で濾過し、次いで300秒間の解離で240秒間、30μL/分で注入した。各PPE注射後の再生は、20秒間の10mMグリシンpH3.0であった。使用した泳動緩衝液は、2.5mg/mLのBSAを含むHBS-EP+(ミズーリ州、セントルイス、Sigma Aldrich)であった。BIACORE4000ソフトウェアの安定性早期報告点を用いて、PPE結合レベルを評価し、解離(kd)を決定した。
【0306】
改善されたオフ速度を有する選択されたクローンを、実施例1に記載されているようにIgG1、IgG2、またはIgG4抗体として再フォーマットした。図1Aおよび1Bは、12からの子についてのファミリー(図1A)の軽鎖アミノ酸、または17からの子についてのファミリー(図1B)の軽鎖アミノ酸の多重整列(MSA)が、ClustalWアルゴリズムを用いて親配列に対して実施されたことを示す。
【0307】
実施例3:SPRによるIgG親和性測定
様々な再フォーマットされた抗体のオン速度(k)およびオフ速度(k)定数を測定するために、SPRアプローチを追求した。
【0308】
抗ヒトIgG-FcのCM5センサーチップ(GE Healthcare)を、BIACORE4000システム(GE Healthcare)での捕捉Abについての製造業者のプロトコルによって記載されているように標準アミンカップリングを使用して調製した。手短に説明すると、0.1MのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と、0.4Mの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)との1:1の新たに混合した溶液を、10μL/分で10分間注入してチップ表面を活性化した。活性化注入の後、酢酸塩pH4.5中の15μg/mLの抗ヒトIgG-Fc抗体を、10μL/分で10分間注入して、高密度捕捉表面を達成した。7分間の1Mエタノールアミン塩酸塩-NaOH、pH8.5を注入して表面を遮断した。使用したNHS、EDC、およびエタノールアミンは、BIACORE Amine Couplingキットからのものであった。
【0309】
速度論的分析を、2.5mg/mLのBSAを含むHBS-EP+(Teknova)(ミズーリ州、セントルイス、Sigma Aldrich)を用いて実施した。抗体を、0.5μg/mLに希釈し、100~200RUの表面密度を達成するために捕捉した。PTH1RのN末端ECD試料を、200、50、12.5、および3.125nMの4つの濃度で、ならびにブランク注入で注入した。注入を、360秒の解離時間で240秒間、30μL/分で実施した。次いで、再生を60秒間の1回の注入3MのMgClで実施した。
【0310】
データをBIACORE4000評価ソフトウェアを使用して分析し、ブランクフローセルデータと平均化ブラケティングブランク注入の両方を差し引くことによって二重参照した。データを、同時にオフ速度(k)およびオン速度(k)を当てはめることによって適合し、K=k/kとしてKを計算した。測定された速度定数は表2に示され、代表的なデータは図2に含まれる。
【0311】
(表2)
表2:SPRベースの親和性推定
【0312】
捕捉抗体を用いてこのアッセイで測定されたような親和性データは、XPA.85.012およびXPA.85.017クローンの両方の親和性成熟変異体のヒト組み換えECDへの親和性結合の増加(より低いK)を実証した。
【0313】
実施例4:FACS結合アッセイ
A.CHOK1およびCHOヒトPTH1R細胞に対するXPA.85.012およびXPA.85.017の結合
XPA.85.012およびXPA.85.017のヒトPTH1Rへの抗体結合特異性を評価するために、ヒトPTH1Rを過剰発現するCHO細胞をフロー系アッセイで使用した。XPA.85.012およびXPA.85.017の結合データを、それぞれ図3Aおよび3Bに示す。CHOK1親細胞もまた、陰性細胞株として使用した。細胞を、96ウェルV底プレート(Costar:マサチューセッツ州、ウォルサム、Fisher Scientific)に漸増濃度の抗体とともにプレーティングした。細胞および抗体を、4℃で30分間インキュベートした。FACS緩衝液(DPBS中0.5%のBSAプラス0.1%のNaN3)で2回洗浄した後、細胞を、R-Phycoerythrin AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearchグローブ、PA)とともに、4℃で20分間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、FACS緩衝液中で再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。
【0314】
B.PTHおよびPTHrPの存在下および非存在下でのXPA.85.012およびXPA.85.017の結合親和性
PTH1Rリガンドへの抗体の差次的結合を評価するために、飽和濃度のPTHおよびPTHrPの存在下または非存在下で、漸増濃度の抗PTH1R抗体をCHOヒトPTH1R細胞とともに60分間インキュベートした。XPA.85.012およびXPA.85.017の結合データを、それぞれ図4Aおよび4Bに示す。FACS緩衝液(DPBS中0.5%のBSA+0.1%NaN3)で2回洗浄した後、細胞を、R-Phycoerythrin AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。次いで、細胞を2回洗浄し、FACS緩衝液に再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。
【0315】
C.XPA.85.012およびXPA.85.017の速度論(オン速度)
SPRデータは、XPA.85.012がXPA.85.017より速いオン速度を有することを示した。両方の抗体のオン速度を確認するためにフロー系アッセイを開発した。まず、XPA.85.017のオン速度をフローサイトメトリーによって評価した(図5A)。漸増濃度のXPA.85.017を、CHOヒトPTH1R細胞とともに、5分~24時間の一定時間インキュベートした。XPA.85.012に対する抗体結合を、図5Bに示す。要約すると、XPA.85.012は1時間以内に結合できるが、XPA.85.017は結合するのに24時間かかる場合がある。24時間の試料を除いて、全ての時点を同時に停止した。次いで、細胞をFACS緩衝液(DPBS中0.5%BSA+0.1%NaN3)で2回洗浄し、Allophycocyanin(APC)AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。2回洗浄した後、細胞をFACS緩衝液中で再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。
【0316】
D.抗PTH1R抗体の種交差反応性の評価
CHOK1過剰発現PTH1Rオーソログおよび内因性細胞株を用いて、種交差反応性を評価した。CHOヒトPTH1R細胞およびCHOマウスPTH1R細胞は自家産生され、UMR106およびSaos-2をATCCから購入した。UMR106およびSaos-2は両方、それぞれラットおよびヒトPTH1Rを発現する骨肉腫細胞株である。4つ全ての細胞株を用いて種交差反応性を評価した。
【0317】
抗PTH1R抗体を、PTH1Rオーソログを発現する細胞株への結合およびリガンド(PTHまたはPTHrP)の存在下または非存在下での差次的結合の両方についてスクリーニングした。抗体結合および差次的結合を評価するために、飽和濃度のPTHおよびPTHrPの存在下または非存在下で、漸増濃度の抗PTH1R抗体を4つ全ての細胞株とともにインキュベートした。PTH(図6A)またはPTHrP(図6B)の存在下および非存在下でヒトPTHRを発現するCHO細胞に対するXPA.85.017およびXPA.85.012抗体についての結合データを示す。PTH(図6C)またはPTHrP(図6D)の存在下および非存在下でマウスPTHRを発現するCHO細胞に対するXPA.85.017およびXPA.85.012抗体についての結合データを示す。
【0318】
抗体および細胞を24時間インキュベートして、より遅いオン速度の抗体(XPA.85.017)を平衡に到達させた。FACS緩衝液(DPBS中0.5%BSA+0.1%NaN3)で2回洗浄した後、細胞をPhycoerythrin AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。次いで、細胞を2回洗浄し、FACS緩衝液に再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。
【0319】
E.PTH1Rリガンドの存在下または非存在下での平衡条件での親和性成熟XPA.85.017変異体のCHOK1、CHOヒトPTH1R、およびCHOマウスPTH1Rへの結合
PTH1Rへの抗体結合を特徴付けるために、細胞をCellTrace(商標)CFSEまたはCellTrace(商標)バイオレットのいずれかで標識した。非標識CHOK1親、CellTrace(商標)CFSEで標識されたCHOヒトPTH1R、およびCellTrace(商標)バイオレットで標識されたCHOマウスPTH1Rを一緒にプールし、漸増濃度の抗体で染色した。抗体を4℃で24時間インキュベートし、続いてFACS緩衝液(DPBS中0.5%BSA、0.1%NaN3)で2回洗浄した。次いで、細胞を、Allophycocyanin(APC)AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。2回洗浄した後、細胞をFACS緩衝液中で再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。CHOヒトPTH1R細胞およびCHOマウスPTH1R細胞に結合する抗体のEC50値を、表3に示す。選択されたXPA.85.017抗体変異体を、CHOヒトおよびCHOマウスPTH1R細胞上の差次的結合について評価し、PTH1Rリガンドのいずれかの存在下では結合の減少を示した。リガンドの非存在下ではより低いEC50値が観察された(表4)。
【0320】
(表3)
表3:平衡状態でのCHOヒトPTH1RおよびCHOマウスPTH1R細胞に対するXPA.85.017変異体のEC50
【0321】
(表4)
表4:選択されたXPA.85.017変異体の差次的結合プロファイル。
【0322】
F.親和性成熟XPA.85.012変異体のCHOK1、CHOヒトPTH1R、CHOマウスPTH1R、UMR106、およびSaos-2細胞への結合
PTH1Rへの抗体結合を特徴付けるために、細胞をCellTrace(商標)CFSEまたはCellTrace(商標)バイオレットのいずれかで標識した。CellTrace(商標)CFSEで標識された非標識ヒトPTH1R、CHOK1、およびSaos-2、ならびにCellTrace(商標)バイオレットで標識されたCHOマウスPTH1RおよびUMR106を一緒にプールし、漸増濃度の抗体で染色した。抗体を、4℃で1時間インキュベートし、続いてFACS緩衝液(DPBS中0.5%BSA、0.1%NaN3)で2回洗浄した。次いで、細胞を、Allophycocyanin(APC)AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。2回洗浄した後、細胞をFACS緩衝液中で再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。全ての抗体は、CHOヒトPTH1R、CHOマウスPTH1R、およびUMR106上に発現されたPTH1Rを認識した。これらの抗体はまた、CHOK1親細胞およびSaos-2細胞に非特異的に結合しない(表5)。
【0323】
(表5)
表5:XPA.85.012変異体のFACS結合プロファイル。(+)は結合を示し、(-)は結合なしを示す。
【0324】
G.Saos-2過剰発現ヒトPTH1R細胞上でのヒトPTH1Rに対する抗体結合特異性
抗PTH1R抗体の特異性を確認するために、抗体を、両方のリガンド、PTHまたはPTHrPの存在下または非存在下でSaos-2過剰発現ヒトPTH1R細胞に対してスクリーニングした(図7A~7D)。
【0325】
H.CHO過剰発現ヒトPTH2R細胞を用いたPTH2R交差反応性の評価
抗PTH1R抗体(XPA.85.328、XPA.85.329、およびXPA.85.330)を、ヒトPTH2Rを過剰発現するCHO細胞に対してスクリーニングして、受容体交差反応性を決定した(図8)。PTH2RはPTH1Rに対して51%の相同性を有する。PTH1Rのみに対する抗PTH1R抗体の結合特異性を確認するために、漸増濃度の抗体をCHOヒトPTH2Rとともに、4℃で1時間インキュベートした。にかいの洗浄後、細胞を、Allophycocyanin(APC)AffiniPure F(ab’)断片ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(ペンシルヴァニア州、ウェストグローブ、Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で20分間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、FACS緩衝液中で再懸濁した。試料を、BD Cytometer(カリフォルニア州、サンホセ、BD Biosciences)を用いて得て、データをFlowJo(オレゴン州、アッシュランド、LLC、FlowJo)およびPrism(カリフォルニア州、ラホヤ、GraphPad Software)を用いて分析した。図8に示されるように、全ての抗体はCHOヒトPTH2Rへの結合を示さず(すなわち、PTH2Rへの交差反応性を示さず)、PTH1Rに特異的である。抗KLH.G2を結合への陰性対照として用いた。
【0326】
実施例5:機能的アッセイ
A.cAMP蓄積アッセイ
(全部ではないにしても)ほとんどの細胞型において、PTH1Rの活性化は、Gへの結合を介したアデニリルシクラーゼの刺激および細胞内cAMPの蓄積をもたらし、続いてプロテインキナーゼA(PKA)を刺激する。精製され、再フォーマットされたIgGの機能活性は、Gs/PKA経路の阻害を介してPTH1R媒介cAMP蓄積に拮抗するそれらの能力を測定することによって、日常的に試験した。
【0327】
ヒトPTH1RのCHOK1クローン22およびマウスPTH1RのCHOK1細胞を、4mMのL-グルタミンおよび0.4mg/mlのジェネティシン(Life Technologies;マサチューセッツ州、ウォルサム、ThermoFisher Scientific)を含有するCHO細胞(ミズーリ州、セントルイス、Sigma)のためのExCell302血清なしの培地中で増殖させた。実験当日、細胞を、遠心分離(室温で1500rpm、3分間)によって採取した。増殖培地を穏やかに吸引し、細胞をダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中で、カルシウムまたはマグネシウムなし(マサチューセッツ州、ウォルサム、DPBS、Life Technologies、ThermoFisher Scientific)で1回洗浄した。その後、細胞を室温で3分間、1500rpmで2回遠心沈殿した。洗浄液を穏やかに吸引し、細胞をアッセイ緩衝液[0.1%のBSAおよび1mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチンを含有するDPBS(ミズーリ州、セントルイス、IBMX、Sigma-Aldrich)]中で再懸濁した。細胞をVi-CELL(インディアナ州、インディアナポリス、Beckman Coulter)を用いて計数し、アッセイ緩衝液を用いて2.5×1E生存細胞/mlまたは50,000細胞/ウェルの密度に調整した。20μl/ウェルの細胞を96ウェル白色平底組織培養処理アッセイプレート(Corning)に分配した。細胞を5μlの6×IgGとともに、37℃で30分間プレインキュベートした。プレインキュベーション後、5μlの6×リガンド[(PTH(1-34)またはPTHrP(1-34)のいずれか]を添加することによって、37℃で45分間cAMP蓄積を誘導した。cAMP蓄積を、製造業者の説明書に従ってBiologicsキット(DiscoveRx、Fremont、CA)のためのHitHunter cAMPを使用して測定した。ヒトPTH(1-34)を、Bio-Techne(ミネソタ州、ミネアポリス)から購入し、ヒトPTHrP(1-34)をSigma-Aldrich(ミズーリ州、セントルイス)から得た。両方のペプチドのストック溶液を、0.1%BSAを含有するDPBS中で調製し、等分し、-80℃で貯蔵した。リガンドおよびIgG希釈物を、0.1%BSAおよび1mMのIBMXを含有するDPBSを用いて作製した。FlexStation3(カリフォルニア州、サニーベイル、Molecular Devices)を用いて化学発光シグナルを測定した。データは相対発光単位(RLU)として表される。GraphPad Prism6.0(カリフォルニア州、サンディエゴ、GraphPad Software Inc.)を使用して曲線当てはめを行った。
【0328】
ヒトPTH1RのCHOK1クローン22細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに、37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9A)またはPTHrP(1-34)(図9B)のいずれかで誘導した。両方の抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路)を阻害した。
【0329】
軽鎖シャッフリングによるXPA.85.017(白丸)の親和性操作に続いて、ヒト(図10Aおよび図10B)またはマウスPTH1R(図10Cおよび図10D)のいずれかを安定して過剰発現するCHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)の変異体IgGとともに、37℃で30分間プレインキュベートし、その後、漸増濃度のPTH(1-34)で、37℃で45分間誘導した。変異体IgGは、ヒトおよびマウスPTH1Rでのリガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路)のある範囲の阻害を示した。
【0330】
SaOS-2およびUMR106細胞を、ATCC(バージニア州、Manassas)から入手した。SaOS-2細胞を、15%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)(マサチューセッツ州、ウォルサム、Hyclone、ThermoFisher Scientific)を含有するMcCoy’s 5A(改変)培地(マサチューセッツ州、ウォルサム、Life Technologies、ThermoFisher Scientific)中で増殖させた。UMR106細胞を、10%熱不活性化FBS、1mMピルビン酸ナトリウム(マサチューセッツ州、ウォルサム、Life Technologies、ThermoFisher Scientific)、および2mM L-グルタミンで補完した、4.5g/LのD-グルコースを含有するダルベッコ改変イーグル培地中で増殖させた。SaOS-2細胞を、50,000細胞/ウェルの密度で3日間、96ウェルアッセイプレートに播種し、次いでFBSを含有しないが、1%BSAを補完した培地中で一晩、血清飢餓状態にした。UMR106細胞を、35,000細胞/ウェルの密度で1日間96ウェルアッセイプレートに播種し、次いでFBSを含有しないが、1%BSAで補完した培地中で一晩、血清飢餓状態にした。IgGによるcAMP蓄積の拮抗作用を、CHOK1細胞株について以前に記載されたように測定した。
【0331】
軽鎖シャフリングによるXPA.85.017の親和性操作により、XPA.85.287が得られた。この変異体は、ヒトPTH1R(図11B、白四角形)対親(黒四角形)に対する活性の顕著な改善を示し、ラットPTH1Rに対する活性の変化はほとんどなかった(図11C)。対照的に、XPA.85.012(黒三角形)の親和性操作は、変異体、XPA.85.288(白三角形)をもたらし、ヒトPTH1R(データは示さず)ならびにラットPTH1Rの両方に対する活性の顕著な改善を示した。XPA.85.288はまた、天然のヒトPTH1R(図11D)を発現するSaOS-2細胞の、PTHrP誘導性cAMPを顕著に阻害することが見い出された。
【0332】
濃度応答曲線を、ヒトPTH1RのCHOK1(図12A)およびマウスPTH1RのCHOK1(図12B)細胞を用いてcAMPアッセイにおいて、PTHrP(1-34)および漸増濃度のXPA.85.287(XPA.85.017の親和性操作変異体)のために実施した。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
【0333】
濃度応答曲線を、ヒトPTH1RのCHOK1(図13A)およびマウスPTH1RのCHOK1(図13B)細胞を用いてcAMPアッセイにおいて、PTHrP(1-34)および漸増濃度のXPA.85.288(XPA.85.012の親和性操作変異体)のために実施した。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
【0334】
B.カルシウム動員アッセイ
いくつかの細胞型におけるPTH1Rの活性化は、Gqカップリング、ホスホリパーゼCβの活性化、および膜関連ホスファチジルイノシトールの加水分解によるイノシトールリン酸の形成、細胞内カルシウムの増加、およびプロテインキナーゼC(PKC)を含むカルシウム依存性酵素の活性化をもたらす。精製され、再フォーマットされた抗PTH1RのIgGの機能活性は、Gq/PKC経路の阻害を介してPTH1R媒介カルシウム動員に拮抗する、それらの能力を測定することによって試験した。
【0335】
ヒトPTH1R CHOK1クローン22およびマウスPTH1R CHOK1細胞を、4mMのL-グルタミンおよび0.4mg/mlのジェネティシン(マサチューセッツ州、ウォルサム、Life Technologies)を含有するCHO細胞(ミズーリ州、セントルイス、Sigma)のためのExCell302血清なしの培地中で増殖させた。細胞を、96ウェル、黒色/透明底、組織培養処理、ポリ-D-リジン被覆アッセイプレート(ニューヨーク州、Corning BioCoat、Corning)上の100μl/ウェルの増殖培地に、35,000細胞/ウェルで播種し、37°C[5%CO、95%相対湿度]で一晩インキュベートした。翌日、5mMプロベネシド(ミズーリ州、セントルイス、Sigma-Aldrich)を含有する100μl/ウェルの2×カルシウム5添加色素(カリフォルニア州、サニーベイル、Molecular Devices)を製造元の指示に従って調製し、添加し、プレートを37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、25μlの添加色素/増殖培地を各ウェルから手動で除去し、続いて25μlの10×試験IgG(抗体希釈液を20mMのHEPESを含有する1×HBSS中に調製した)を添加した。次いで、プレートをインキュベーターにさらに30分間37℃で戻した。その後、アッセイプレートを室温で3分間、1500rpmで遠心分離した。次いで、プレートを、37℃に予熱したFlexStation3(カリフォルニア州、サニーベイル、Molecular Devices)に入れ、アッセイ前に5分間平衡化した。50μlの5×リガンド(PTH(1-34)またはPTHrP(1-34)のいずれか)を添加する前に、基本蛍光を19秒間、毎秒記録した。蛍光を1分間、毎秒記録し、次にさらに2分間、6秒毎に記録した。データは「最大-最小」として表し、曲線当てはめをGraphPad Prism6.0(カリフォルニア州、サンディエゴ、GraphPad Software Inc.)を用いて行った。ヒトPTH(1-34)をBio-Techne(ミネソタ州、ミネアポリス)から購入し、ヒトPTHrP(1-34)をSigma-Aldrich(ミズーリ州、セントルイス)から得た。両方のペプチドのストック溶液を、0.1%BSAを含有するDPBS中で調製し、等分し、-80℃で貯蔵した。
【0336】
ヒトPTH1RのCHOK1クローン22細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに、37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9C)またはPTHrP(1-34)(図9D)のいずれかで誘導した。両抗体は、リガンド媒介カルシウム動員(Gs/PKA経路)を阻害した。
【0337】
(表6)
表6:軽鎖シャフリングによるXPA.85.017(親)の親和性操作に由来する変異体IgGの存在下でのPTH(1-34)およびPTHrP(1-34)に対するpMでのEC50値。変異体IgGを、267nM(40μg/ml)で試験し、37℃で45分間誘導する前に、細胞とともに37℃で30分間、プレインキュベートした。「ビヒクルのみ」の対照群におけるリガンドのEC50に対する、リガンドEC50の倍数シフトを計算した。実験数は括弧内に示されている。ND=未定。
【0338】
(表7)
実験数は括弧内に示す。
ND=未定。
表7:軽鎖シャフリングによるXPA.85.012(親)の親和性操作に由来する変異体IgGの存在下で1μMのPTH(1-34)またはPTHrP(1-34)のいずれかにより媒介されるcAMP蓄積の阻害パーセント。変異体IgGを、267nMまたは40μg/mlで試験し、37℃で45分間のcAMP蓄積の誘導の前に、細胞とともに、37℃で30分間プレインキュベートした。データは二連のウェルの平均RLUを表す。
【0339】
(表8)
曲線は平坦域に達していない。
ND=未定。
表8:軽鎖シャフリングによるXPA.85.012(親)の親和性操作に由来する変異体IgGのIC50値。変異体IgGを、ある範囲の濃度(0~66.67nMまたは10μg/ml)で試験し、PTH(1-34)またはPTHrP(1-34)のいずれかによる37℃で45分間のcAMP蓄積の誘導の前に、細胞とともに、37℃で30分間プレインキュベートした。データは、二連のウェルの平均RLUを表す。変異体は、特にヒトPTH1Rに対して、リガンド媒介cAMP蓄積のある範囲の拮抗作用を示した。
【0340】
C.Saos-2骨芽細胞によるM-CSF分泌
PTHおよびPTHrPは、骨芽細胞および骨細胞において発現されるPTH1R受容体に作用して、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)および核内因子κBリガンドの表面発現受容体活性化因子(RANKL)の産生を刺激する。これらの骨細胞によるM-CSFおよびRANKL発現の増加した産生は、骨吸収破骨細胞の分化および活性化を推進し、骨および骨の脱灰からのカルシウム流出濃度の増加をもたらす。これらの成長因子は両方とも、ヒト破骨細胞のPTH/PTHrP媒介分化および活性化に必要とされる(Matsuzaki et al.,1999 Endocrinology 140:925-32;Itoh et al.,2000 Journal of bone and mineral research:the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research 15:1766-75)。
【0341】
これらの抗体が破骨細胞増殖因子のPTHまたはPTHrP刺激分泌を阻害する能力を評価するために、骨芽細胞系Saos-2を用いたM-CSF分泌実験を用いた。
【0342】
Saos-2細胞(バージニア州、マナサス、ATCC)を、増殖培地中の96ウェル培養プレートに50,000細胞/ウェルでプレーティングし、48時間集密単層を形成させた15%FBS(ユタ州、ローガン、Hyclone/GE Life Sciences)を含む15%McCoy’s 5A培地(Life Technologies)中、5%COおよび飽和湿度で37℃で増殖させた。次いで、培地を10%FBSを含むMEM-α(Life Technologies)と交換し、さらに72~96時間インキュベートした。培地をウェルから吸引し、上記と同じMEM-α系の培地中で2×抗体処理と交換した。培地中のPTH(1-34)またはPTHrP(1-36)ペプチド希釈液を添加する前に、抗体処理物を37℃で20~30分間インキュベートした。アッセイウェルへの添加後、リガンドを希釈して示された最終濃度を達成した。リガンド滴定実験では、最終抗体濃度は40μg/mL(267nM)である。プレートをインキュベーターに戻し、37℃で48時間インキュベートした。次いで、処理ウェルからの上清を、製造業者の指示に従ってヒトM-CSF(メリーランド州、ロックヴィル、MesoScale Diagnostics)を測定するプレート系の免疫アッセイによって分析し、Sector Imager 6000(MesoScale Diagnostics)で読み取った。抗体滴定実験のために、固定濃度のリガンド(12.5nMのPTHrP(1-36))を使用し、抗体の濃度を変更したことを除いて、同じプロトコルに従った。
【0343】
親和性成熟抗体は、Saos-2細胞によるM-CSF分泌のPTH刺激増加を阻害する能力を実証した。抗体XPA.85.287は、PTH(1-34)投与量応答曲線をおよそ7倍(1.2nM~8.7nM)シフトさせた(図14A)。別の実験において、軽鎖変異体XPA.85.288、XPA.85.346、XPA.85.331、およびXPA.327は全て、PTH(1-34)投与量応答曲線を10倍超シフトさせる(図14B)。
【0344】
親和性成熟軽鎖変異体はまた、Saos-2細胞によるM-CSF分泌のPTHrP媒介増加を阻害した。40μg/mLの固定抗体濃度で、XPA.85.328、XPA.329、およびXPA.85.330は、PTHrP(1~36)刺激M-CSF分泌投与量反応を200倍超で阻害する(図15A)。別の実験では、親クローンXPA.85.012およびXPA.85.017を、それらの親和性成熟変異体XPA.85.288およびXPA.85.287とそれぞれ比較した。親和性成熟クローンは、PTHrP誘導性M-CSF分泌の顕著な阻害を示したが、親クローンはそうではなかった(図15C)。この効果の抗体投与量応答もまた、12.5nMの固定PTHrP(1-36)濃度に対して評価された。XPA.85.328、XPA.329、およびXPA.85.330は、それぞれ6.6nM、4.0nM、および1.5nMのEC50で12.5nMのPTHrP処理によって誘導されたM-CSF産生を、完全に中和した(図15B)。
【0345】
D.ERKリン酸化
MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)ERK1/2(細胞外シグナル制御キナーゼ)は、PTH1Rのリガンド刺激後にリン酸化および活性化される。この経路活性化は、Gタンパク質媒介アデニル酸シクラーゼ経路およびβ-アレスチン媒介経路の両方からのインプットを必要とする収束シグナル伝達事象の代表であり、腎臓カルシウム輸送に必要とされることが示されている(Gesty-Palmer et al.,2006 JBC 281:10856-64、Sneddon et al.,2000 Endocrinology 141:4185-93)。
【0346】
抗PTH1R抗体がMAPK経路を調節する能力を決定するために、Thr202/Tyr204、Thr185/Tyr187でPTHおよびPTHrP媒介ERK1/2リン酸化を阻害するそれらの能力を評価する実験を行った。
【0347】
CHO-PTH1R細胞を、0.5%BSA(Sigma)を含むRPMI1640(Life Technologies)中1×10細胞/mLで血清飢餓状態にし、振盪プラットフォーム上で37℃および5%のCOで一晩インキュベートした。翌日、細胞をアッセイ緩衝液(PBS+0.5%BSA)中、1ウェルあたり100,000細胞の密度で96ウェルU底プレートに播種した。続いて、アッセイ緩衝液中で400nM(2×、60μg/mL)に希釈した、1ウェルあたり50μLの抗体を細胞に付加した。37℃で10分間インキュベートした後、25μL/ウェルの希釈リガンド(4×の最終濃度)を、細胞および抗体を含有するウェルに付加し、37℃で5分間インキュベートした。次いで、1ウェルあたり100μlの冷たいPBSを付加し、反応を停止させた。プレートを4℃で3分間遠心分離し、培地を除去した。次いで、80μlの氷冷MSD溶解緩衝液を細胞に添加し、再懸濁した。プレートを、振盪プラットフォーム上で4℃で1時間インキュベートし、細胞を完全に溶解させた。全てのリン酸化ERKを、MSD全細胞溶解物Phospho-ERK1/2キット(MesoScale Diagnostics cat.K11107D-1)を使用して、製造元の指示に従って測定し、Sector Imager6000(MesoScale Diagnostics)で読み込んだ。曲線を、GraphPad Prism version6.05(カリフォルニア州、サンディエゴ、GraphPad)のシグモイド投与量反応式を用いて、非線形回帰により当てはめた。
【0348】
抗体XPA.85.012は、PTH(1-34)誘導性ERK1/2リン酸化のEC50を、およそ9倍(3.8nM~34.6nM)増加させ(図16A)、PTHrP(1-34)誘導性ERK1/2リン酸化のEC50は、およそ6倍(10.6nM~62.5nMのEC50)増加させた(図16B)。抗体XPA.85.017は、PTH(1-34)誘導性ERKリン酸化のEC50を、100倍超(3.8nM~>500nM)増加させ(図16A)、PTHrP(1-34)のEC50は、約80倍(10.6nM~887nMのEC50)増加させた(図16B)。
【0349】
実施例6:製造可能性の改善
A.選択された抗体候補のV領域配列の評価
選択された抗体候補の軽鎖および重鎖V領域アミノ酸配列を、Human Engineeringソフトウェア(HE(商標)、米国特許第5,766,886号)を用いて「非ヒト」アミノ酸の存在について、ならびにバイオインフォマティクスソフトウェアを用いて、N結合グリカン、酸化およびアミド分解シグナルについて評価した。特定の抗体についてのこれらの分析に基づいて、アミノ酸の変化は部位特異的変異導入または遺伝子合成によって組み込まれた。
【0350】
B.選択された抗体候補のCHO-K1製造可能性評価
CHO-K1細胞における一過性発現を用いて、多重抗体の製造可能性を評価した。
【0351】
軽鎖および重鎖V領域をコードするDNAを、それぞれ抗体シグナル配列および軽鎖(LC)または重鎖(HC)定常領域を含む一過性発現プラスミドにクローニングし、ディープウェル96ウェルプレート中の懸濁適合CHO-K1細胞にトランスフェクトした。各トランスフェクションでのDNA量を、空のプラスミドDNAの添加により一定に保ちながら、発現プラスミドを1:1、2:1、4:1、および1:2のLC:HCプラスミド比(重量)で試験した。各抗体について二連のトランスフェクションを実施する。2つの対照抗体、XB10およびXE17は、それぞれ高発現および低発現のための対照として含まれる。トランスフェクションに続いて、プレートを、トランスフェクションの24時間後にCOインキュベーター内の振盪プラットフォーム上で7日間、37℃~32℃に温度シフトしながらインキュベートした。上清を、プロテインAセンサーチップを備えたOctet機器を使用して、抗体力価についてアッセイした。
【0352】
選択された抗体候補を、このアッセイを用いて発現について評価した。抗体のうちのいくつかで観察された結果に基づいて、シグナル配列とともにHCおよびLCのV領域をコードするDNA配列を、CHO細胞における発現において最適化した(GeneArt)。次いで、最適化された抗体を、製造可能性について再試験した。発現最適化を行った場合、DNA配列は異なっていたが、軽鎖および重鎖V領域のアミノ酸配列は、Human Engineering分析がアミノ酸変化の必要性を示さない限り同じままであった。最適化DNA配列を有する抗体を、表9Bに示す。
【0353】
(表9A)XPA.85.287、XPA.85.339、XPA.85.340、およびXPA.85.341
【0354】
(表9B)XPA.85.288、XPA.85.326、およびXPA.85.327、ならびにそれらの発現最適化バージョン、XPA.85.328、XPA.85.329、およびXPA.85.330
【0355】
(表9C)XPA.85.331、XPA.85.332、XPA.85.333、およびXPA.85.334
表9:親和性成熟抗PTH1R抗体のCHO-K1製造可能性評価の結果。報告された値は、1:1のLC:HC比で100に設定された「高発現」対照抗体。XB10の発現に対するものである。最も高い発現は、太字で強調表示される。抗体のうちの3つに、発現の最適化を実施した。
【0356】
親和性成熟抗体XPA.85.287、XPA.85.339、XPA.85.340、およびXPA.85.341では、1:2のHC:LC比で最高の発現が観察された(表9A)。発現は、1:1のHC:LC比では1:2よりも低かったが、1:1の比で達成された濃度は、細胞株の発達に許容できる。3つの他の親和性成熟抗体、XPA.85.288、XPA.85.326、およびXPA.85.327は、1:1のHC:LC比で非常に低い発現を示した。特にV領域DNA配列の発現最適化後に、1:1のHC:LC比では、これらの抗体3つ全てにおいて、発現の顕著な改善が観察された。提示されたXPA.58.328(XPA.85.288の最適化バージョン)>10倍増加、対XPA.85.288。提示されたXPA.85.329(XPA.85.326の最適化バージョン)約3.5倍増加、対提示されたXPA.85.326およびXPA.85.330(XPA.85.327の最適化バージョン)約6.5倍増加、対XPA.85.327(表9B)。
【0357】
4つのさらなる親和性成熟抗体、XPA.85.331、XPA.85.332、XPA.85.333、およびXPA.85.324もまた、CHO製造可能性について評価した。4つ全ての抗体は、1:1のHC:LC比で低い発現を示し、発現が乏しいXE17抗体以下であった(表9C)。発現は、1:2のHC:LC比で2~2.5倍高かった。XPA.85.334発現は、このアッセイにおける最小許容濃度を下回り、さらなる発現の改善なしに細胞株の発生を開始するのに適格であった。
【0358】
実施例7:抗PTH1R受容体抗体のインビボ効果の測定
A.甲状腺副甲状腺摘出(TPTx)モデル
ラットPTH1Rと交差反応することがわかった抗ヒトPTH1R受容体抗体を、原発性副甲状腺機能亢進症(PTH用)および悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(PTHrP用のHHM)のインビボモデルで試験した。甲状腺副甲状腺摘出(TPTx)モデルでは、内因性のカルシトロピックペプチドホルモン、PTH、およびカルシトニンの効果は、Sprague Dawley(SD)雄性ラット(ローリー、Charles River Laboratories)内の甲状腺および副甲状腺の外科的除去によって除去される。次いで、術後の低い血清カルシウム濃度が厳密に管理された設定で得られる。甲状腺ペレット(L-チロキシンT4、0.25mg、60日間の徐放、Innovative Research of America)を麻酔下で皮下に埋め込む。次いで、頸静脈に、PTH(1-34)の6時間連続注入のためにカニューレ挿入する(1mL/kg/時の速度での1.25μg/kg/時)。このモデルは、PTH(1-34)静脈内注入によって誘導された血清カルシウム濃度の増加に影響を与えるPTH1R抗体の能力を評価するために使用された。
【0359】
抗PTH1R受容体抗体が血清カルシウム濃度のPTH(1-34)誘導性上昇を減少させるかどうかを決定するために、PTH(1-34)注入開始の18時間前に、Sprague-Dawley(SD)雄ラット(n=5~6/群)を、抗体XPA.85.017(Ab017)、XPA.85.287(Ab287)、XPA.85.288(Ab288)、およびBM2(抗PTH抗体)、またはアイソタイプ対照(15mg/kg)を静脈内に投与した(図17)。
【0360】
抗PTH抗体は、Abgenixの抗体ID#183(米国特許第7,318,925B2号)に基づいた。重鎖(HC)および軽鎖(LC)V領域配列は、CHO細胞内の産生のために最適化され、かつクローニングのための適切な制限部位を用いて合成された発現であった(GeneArt)。DNAを、シグナル配列、およびLCまたはHC定常領域を含有する一過性発現プラスミドにクローニングした。各HCまたはLCは、ヒトCMV(hCMV)プロモーターおよびマウス軽鎖3’非翻訳領域の制御下にある。発現プラスミドはまた、エプスタインバールウイルス複製起点を含み、エプスタインバールウイルス核抗原を含有する細胞株での複製を可能にする。Expi293発現系(カルフォルニア州、カールスバッド、Life Technologies)を用いた一過性発現を用いて、インビトロおよびインビボ研究用の抗PTH抗体を産生した。抗体精製を、Aragen Bioscience(カリフォルニア州、モーガンヒル)で行った。
【0361】
血清カルシウムを、投与前(ベースライン)、注入前(T0)、注入開始から2、4、および6時間後に測定した。最初の4時間の注入にわたって、アイソタイプ群の総カルシウム濃度は増加した。Ab287を投与されたラットでは、カルシウム濃度はアイソタイプ対照群の濃度と同程度であった。Ab017を投与したラットのカルシウム濃度はわずかに減少した。アイソタイプ対照と比較して、BM2およびAb288を投与されたラットは、注入を通して顕著により低い濃度のカルシウムを有した。
【0362】
B.hPTH(1-34)注入モデル
カルシウム血症対照に対する抗PTH1R受容体抗体の効果をさらに評価するために、hPTH(1-34)を、副甲状腺機能亢進症患者のPTH過剰分泌を模倣するために、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に7日間連続的に皮下注射した(Alzet mini pump、2ML1、10μl/時、10μg/kg/日)。カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=5/群)、BM2(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=2)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するためのバイオマーカーとして測定した(図18)。
【0363】
血清カルシウムを、ポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、120、144、および168時間後に測定した。最初の72時間の注入で、アイソタイプ群の総カルシウム濃度は上昇した。アイソタイプ対照と比較して、BM2およびAb288(2および10mg/kg)を投与したラットは、投与後24時間および注入全体を通してカルシウム濃度が顕著に低かった(2mg/kgのAb288の血清カルシウム濃度の効果は、10mg/kgのBM2のものと同程度であった)。10mg/kgのAb288は、劇的な低カルシウム血症効果を生じた(図18A)。
【0364】
抗体、Ab328、Ab329、およびAb330(2mg/kgのIV)を同様の研究で試験し、血清カルシウムを、ポンプ移植前(Predose)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、および120時間後に測定した。全ての抗体は、投与後24時間および注入を通してカルシウム濃度を顕著に低下させ、Ab288およびAb328が総血清カルシウム濃度の最も劇的な減少をもたらした(図18B)。
【0365】
C.hPTHrP(1-36)注入モデル
同様に、PTHrP活性の阻害での抗PTH1R受容体抗体の効果は、hPTHrP(1-36)を6日間、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に連続的に皮下注入(Alzetミニポンプ、モデル2ML1、10μl/時、100μg/kg/日)して、副甲状腺機能亢進症を有する患者の高カルシウム血症を模倣することによって評価した。カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=4/群)、抗PTHrP抗体MCB1.1(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=3)の単回静脈内投与による生体内中和を評価するために、バイオマーカーとして測定した。
【0366】
抗PTHrP抗体重鎖および軽鎖V領域配列は、Onuma et al.,Anticancer Research 24:2665-2674,2004に基づいた。重鎖(HC)および軽鎖(LC)V領域配列は、CHO細胞内の産生のために最適化され、かつシグナル配列、およびLCまたはHC定常領域を含有する一過性発現プラスミドへのクローニングのために適切な制限部位(GeneArt)で合成された発現であった。各HCまたはLCは、ヒトCMV(hCMV)プロモーターおよびマウス軽鎖3’非翻訳領域の制御下にある。発現プラスミドはまた、エプスタインバールウイルス複製起点を含み、エプスタインバールウイルス核抗原を含有する細胞株での複製を可能にする。Expi293発現系(カルフォルニア州、カールスバッド、Life Technologies)を用いた一過性発現を用いて、インビトロおよびインビボ研究用の抗PTHrP抗体を産生した。抗体精製を、Aragen Bioscience(カリフォルニア州、モーガンヒル)で行った。
【0367】
血清カルシウムを、ポンプ移植の前(投与前)、ポンプ移植の24、26(投与の2時間後)、48、72、96、120、および144時間後に測定した(図19A)。体重を、ポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の26(投与の2時間後)、48、96、および144時間後に測定した(図19B)。
【0368】
最初の48時間の注入で、アイソタイプ群の総カルシウム濃度は上昇した。アイソタイプ対照と比較して、MCB1.1およびAb288(2および10mg/kg)を投与されたラットは、投与の24時間後でカルシウムの濃度が顕著により低かった。これらのより低いカルシウム濃度は、Ab288(2および10mg/kg)への注入を通して持続した。2mg/kgのAb288の血清カルシウム濃度に対する効果は、10mg/kgのMCB1.1のものよりも顕著であった。Ab288(10mg/kg)は劇的な低カルシウム血症作用を生じた。PTHrP(1-36)注入は、Ab288(2および10mg/kg)によって妨げられていた体重減少を誘発した。
【0369】
これは、抗PTH1R抗体が健康上の利点を有し、深刻な体重減少をもたらす悪液質、脂肪および骨格筋組織の消耗性障害を潜在的に予防し得ることを示唆する。
【0370】
パイロット試験は、PTHおよびPTHrPの投与量の注入が、死亡率に関連して、14mg/dLより高い血清カルシウムの濃度を生じ得ることを示した。抗PTH1R抗体による処置は、高カルシウム血症(>14mg/dL)を予防することができ、したがってHHMの死亡率を予防することができる(生存利点)。
【0371】
D.腫瘍モデル
抗PTH1R受容体抗体が腫瘍誘導性の血清カルシウム濃度の上昇を減少させるかどうかを決定するために、血清カルシウムが3つの異なる腫瘍モデル(それぞれマウス結腸C26、ヒト前立腺PC-3、およびヒト肺癌HARA-B)において上昇していることが見出された後、6週齢のCDF1雌マウス、または無胸腺ヌード(NCr-nu/nu)マウスに、抗体XPA.85.328(Ab328)(10mg/kg)を静脈内投与した。それぞれの細胞を培養し、必要な数の細胞が得られたら、各マウスの右側腹部に500万個(5×10)のC26細胞、1000万個(1×10)個のPC-3細胞、または1000万個(1×10)のHARA-B細胞を、0.1mLの無血清培地中でSC注射した。血清カルシウムを、高カルシウム血症が観察されるまで(>12mg/dL)(通常は腫瘍が>1000mgであるとき)、定期的に測定した。次いで、マウスをAb328 10mg/kg ivで処置し、HARA-Bモデルでは、>1gの腫瘍を有するマウスの別の群を、10mg/kg ivでアイソタイプ(陰性対照、抗KLH G2)で処置し、総カルシウム濃度を投与後24時間で決定した。
【0372】
3つのパイロット研究全てにおいて、抗PTH1R抗体Ab328による処置は、腫瘍誘導性高カルシウム血症を>3mg/dL減少させ、抗PTH1R抗体が、対象の腫瘍のインビボカルシウム濃度の上昇をもたらす癌の処置にも有用であることを示唆する。
【0373】
マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症に対する抗PTH1R mAb、XPA.85.349の効果
XPA.85.288の発現最適化変異体であるXPA.85.349(Ab349)を、腫瘍関連高カルシウム血症のマウスcolon 26モデルにおいて評価した。6週齢のCDF1雌マウス、または無胸腺ヌード(NCr-nu/nu)マウスを試験に使用した。colon 26マウス結腸腫瘍細胞を培養し、各マウスの右脇腹に、0.1mLの無血清培地中で750万個の細胞(7.5×10)C26細胞を皮下注射した。血清カルシウムを、高カルシウム血症が観察されるまで(>12mg/dL)(通常は腫瘍が>1000mgであるとき)、定期的に測定した。次いで、マウスを、2または6mg/kgのAb349で静脈内処置し、>1000mgの腫瘍を有する別の群のマウスを6mg/kgのアイソタイプ(陰性対照、抗KLH G2)で静脈内処置した。腫瘍重量および血清試料を、処置前、処置の24、48、および72時間後に採取した。総カルシウム濃度を、処置の24、48、72、および120時間後に決定した。腫瘍重量(mg)を、楕円球のための方程式(l×w)/2=mmを使用して計算し、式中、lおよびwは、各測定で収集されたより大きいおよびより小さい寸法を指し、単位密度(1mm=1mg)を想定している。
【0374】
抗PTH1RのAb349は、投与後最大120時間の持続期間にわたってマウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を強力に減少させる(すなわち、総血清カルシウムを顕著に減少させる)ことが見出された(図20A)。この腫瘍モデルにおいて、Ab349は、24時間以内に高カルシウム血症を完全に元に戻すことができた。Ab349の投与は、投与後最大120時間、体重(図20B)または腫瘍重量(図20C)に顕著な影響を及ぼさなかった。
【0375】
血清中のPTHrPおよびPTHの濃度を、Ab349抗体を投与した後の異なる時点で測定した。抗体を、高カルシウム血症t0の期間に、2および6mg/kgで静脈内投与した(n=2~6マウス/群)。投与後24、48、72、および120時間に後眼窩副鼻腔から血液試料を採取し、PTHrP(Phoenix Pharmaceuticals、Inc-EIAキット、カタログ番号:EK-056-04)およびマウスPTH1-84(QUIDELマウスPTH 1-84 ELISAキット、カタログ番号:60-2305)の濃度を測定した。図20Dに示されるように、血清PTHrPは担癌マウスで上昇しており、Ab349での処置はPTHrP濃度を顕著に変化させるようには見えなかったが、Ab349はPTHrP活性を阻害した。しかしながら、対照的に、2または6mg/kgのAb349での処置は、投与後最大120時間、PTH濃度を顕著に増加させた(図20E)。
【0376】
血清薬物濃度(SDC)測定を、酵素結合免疫吸着法(ELISA)によって実施した。ELISAアッセイを以下のように実施し、ELISAプレートをPBS中1μg/mLのヤギ抗ヒトFcでコーティングし、プレートをPBS/0.05%tween/1%BSAで、室温、1~4時間遮断した。PBS/tween/BSA中の様々な希釈度の血清試料を添加し、37℃で1時間インキュベートした(最後の5分間で、0.2μg/mlのビオチンSPコンジュゲートヤギ抗ヒトIgG(Fab’)を添加した)。続いて、プレートをPBS/tweenですすぎ、1×DEA緩衝液中のPierce p-ニトロフェニルホスフェート、二ナトリウム塩(pNPP)とともに、室温で1時間インキュベートした。比色反応を、1NのNaOHを添加することによって停止した。プレートを、分光光度計で405nMで読み取った。SDC測定は、120時間にわたるAb349の正常な排泄を示した。
【0377】
静脈内注射後のAb349の薬物動態プロファイルを作成するために、いくつかの薬物動態測定を実施した。CDF1雌マウスに、2mg/kgまたは6mg/kgでAb349の単回投与ボーラスを投与した。Ab349の投与後24、48、72、および120時間後に後眼窩副鼻腔から血液試料を採取し、その濃度をELISAによって測定した。WinNonlinを用いてデータを分析した。2または6mg/kgのAb349に続く薬物動態学的パラメータを(表10)に示す。6mg/kgで投与した場合、Ab349はマウスにおいて最大48時間の半減期を有することが示された。
【0378】
(表10)Ab349のpKパラメータ
【0379】
要約すると、この非常に強力なPTH1R受容体アンタゴニスト抗体は、副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍随伴体液性高カルシウム血症、およびいくつかの癌に見られるPTHrP媒介悪液質を含む様々な症状において、価値ある治療薬となる可能性を有する。さらには、Ab349抗体は、<2mg/kgの高カルシウム血症のモデルを、<6mg/kgの最大投与量および延長された作用期間(すなわち、半減期よりも長く持続)で処置するのに有効であった。
【0380】
上記の例示的な実施例に記載されるような本開示における多数の修正および変形は、当業者には想起されると予想される。したがって、特許請求の範囲に見られるそのような限定のみが、本発明に課せられるべきである。
【0381】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> XOMA (US) LLC

<120> PARATHYROID HORMONE RECEPTOR 1 (PTH1R) ANTIBODIES AND USES
THEREOF
<150> US 62/479,637
<151> 2017-03-31
<150> US 62/432,338
<151> 2016-12-09
<150> US 62/369,745
<151> 2016-08-01
<160> 260
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 123
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
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1 5 10 15
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20 25 30
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35 40 45
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50 55 60
Gln Gly Arg Val Thr Ile Thr Ala Asp Glu Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
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100 105 110
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115 120

<210> 2
<211> 123
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 2
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115 120

<210> 3
<211> 123
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 3
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
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50 55 60
Asn Ser Gly Asn Thr Ala Thr Leu Thr Ile Ser Gly Thr Gln Ala Glu
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Ala Trp Asp Ser Ser Trp Val Phe
85 90 95
Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

<210> 124
<211> 116
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 124
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Ala Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Asn Thr Ser Asn Ile Gly Asn Asn
20 25 30
Phe Val Ser Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Asp Asp Asn Lys Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Thr Leu Gly Ile Ser Gly Leu Gln
65 70 75 80
Thr Gly Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Thr Trp Asp Asn Ser Leu
85 90 95
Asn Pro Pro Trp Val Phe Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly
100 105 110
Gln Pro Lys Ala
115

<210> 125
<211> 110
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 125
Ser Tyr Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Thr Ala Ser Ile Thr Cys Ser Gly Asp Asn Leu Gly Glu Lys Phe Val
20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Ala Gly Gln Ser Pro Val Leu Val Ile Phe
35 40 45
Glu Asp Asn Lys Arg Pro Ser Gly Ile Pro Glu Arg Phe Ala Gly Ser
50 55 60
Asn Ser Gly Asn Arg Ala Thr Leu Thr Ile Arg Gly Thr Gln Ala Glu
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Ala Trp Asp Ser Ser Trp Val Phe
85 90 95
Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

<210> 126
<211> 110
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 126
Ser Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Thr Ala Thr Ile Thr Cys Ser Gly Asp Arg Leu Gly Asp Lys Phe Ile
20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Leu Leu Val Ile Phe
35 40 45
Glu Asp Asn Glu Arg Pro Ser Arg Ile Pro Glu Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Asn Ser Gly Asn Ser Ala Thr Leu Thr Ile Ser Gly Thr Gln Ala Val
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Ala Trp Asp Ser Ser Trp Val Phe
85 90 95
Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

<210> 127
<211> 110
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 127
Ser Tyr Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Thr Ala Arg Ile Thr Cys Ser Gly Asp Lys Leu Gly Asp Arg Tyr Val
20 25 30
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65 70 75 80
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85 90 95
Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

<210> 128
<211> 116
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 128
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1 5 10 15
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Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Thr Leu Val Ile Ala Gly Leu Gln
65 70 75 80
Thr Gly Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gly Thr Trp Asp Asn Thr Leu
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100 105 110
Gln Pro Lys Ala
115

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<211> 110
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 129
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20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Leu Leu Val Ile Phe
35 40 45
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50 55 60
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65 70 75 80
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85 90 95
Gly Gly Gly Thr Lys Val Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

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<211> 112
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 130
Ser Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ala Pro Gly Gln
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Thr Ala Thr Ile Thr Cys Ser Gly Asp Lys Leu Gly Asp Lys Tyr Ala
20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Val Leu Val Met Phe
35 40 45
Glu Asn Arg Asp Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Asn Ser Gly Asn Thr Ala Thr Leu Thr Ile Ser Gly Thr Gln Ala Met
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Ala Trp Asp Ser Ser Thr Ala Trp
85 90 95
Val Phe Gly Gly Gly Thr Gln Leu Thr Val Leu Gly Gln Pro Lys Ala
100 105 110

<210> 131
<211> 6
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 131
Gln Asp Ile Asn Asn Phe
1 5

<210> 132
<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 132
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1

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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 133
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1 5

<210> 134
<211> 11
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 134
Gln Ser Leu Val Tyr Gly Asp Gly His Asn Tyr
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<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 135
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1

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<211> 9
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 136
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<211> 6
<212> PRT
<213> Homo sapiens
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Gln Asp Ile Asn Asn Phe
1 5

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<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 138
Asp Ala Ser
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
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<211> 9
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 142
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<400> 143
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1 5 10

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<212> PRT
<213> Homo sapiens
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Glu Val Ser
1

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<212> PRT
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<212> PRT
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<212> PRT
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<211> 9
<212> PRT
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<212> PRT
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
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<211> 11
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<213> Homo sapiens
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<210> 165
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<212> PRT
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<213> Homo sapiens
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<211> 11
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<213> Homo sapiens
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<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
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<211> 9
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 178
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1 5

<210> 179
<211> 11
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 179
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<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
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<211> 9
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 181
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<210> 182
<211> 8
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 182
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<211> 3
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<213> Homo sapiens
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<211> 17
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 185
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<210> 186
<211> 3
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<213> Homo sapiens
<400> 186
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<211> 8
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<213> Homo sapiens
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<211> 8
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<213> Homo sapiens
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<211> 3
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<213> Homo sapiens
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<213> Homo sapiens
<400> 190
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<210> 191
<211> 6
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 191
Asn Leu Gly Glu Lys Phe
1 5

<210> 192
<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 192
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1

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<211> 8
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 193
Gln Ala Trp Asp Ser Ser Trp Val
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<210> 194
<211> 6
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 194
Arg Leu Gly Asp Lys Phe
1 5

<210> 195
<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 195
Glu Asp Asn
1

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<211> 8
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 196
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<210> 197
<211> 6
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<213> Homo sapiens
<400> 197
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<211> 3
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<211> 8
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<213> Homo sapiens
<400> 199
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<210> 200
<211> 8
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<400> 200
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<210> 201
<211> 3
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Asp Asp Asn
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<210> 202
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
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Gly Thr Trp Asp Asn Thr Leu Asn Val Gly Gly Val
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<210> 203
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<213> Homo sapiens
<400> 203
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<211> 3
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<400> 204
Gln Asp Asn
1

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<211> 8
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<213> Homo sapiens
<400> 205
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<210> 206
<211> 6
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<210> 207
<211> 3
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 207
Glu Asn Arg
1

<210> 208
<211> 10
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 208
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1 5 10

<210> 209
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 209
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<210> 210
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 210
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<210> 211
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 211
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<210> 212
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 212
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gtggtggcca gactgtgggg ccagggcacc ctggtgaccg tgagctca 348

<210> 213
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 213
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
tcctgcaagg cttctggagg caccttcagc agctatgcta tcagctgggt gcgacaggcc 120
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atggagctga gcagcctgag atctgaggac acggccgtgt attactgtgc gagagggtat 300
gtagtagcca gactctgggg ccagggaacc ctggtcaccg tcagctca 348

<210> 214
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 214
cagatgcagc tggtgcagtc tggcgccgaa gtgaagaaac ccggctcctc cgtgaaggtg 60
tcctgcaagg cctccggcgg caccttctcc agctacgcca tctcctgggt gcgacaggcc 120
ccaggccagg gcctggaatg gatgggcggc atcatcccca tcttcggcac cgccaactac 180
gcccagaaat tccagggcag agtgaccatc accgccgacg agtccacctc caccgcctac 240
atggaactgt cctccctgcg gagcgaggac accgccgtgt actactgcgc cagaggctac 300
gtggtggcca gactgtgggg ccagggcacc ctggtgaccg tgagctca 348

<210> 215
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 215
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
tcctgcaagg cttctggagg caccttcagc agctatgcta tcagctgggt gcgacaggcc 120
cctggacaag ggcttgagtg gatgggaggg atcatcccta tctttggtac agcaaactac 180
gcacagaagt tccagggcag agtcacgatt accgcggacg aatccacgag cacagcctac 240
atggagctga gcagcctgag atctgaggac acggccgtgt attactgtgc gagagggtat 300
gtagtagcca gactctgggg ccagggaacc ctggtcaccg tcagctca 348

<210> 216
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 216
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
tcctgcaagg cttctggagg caccttcagc agctatgcta tcagctgggt gcgacaggcc 120
cctggacaag ggcttgagtg gatgggaggg atcatcccta tctttggtac agcaaactac 180
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atggagctga gcagcctgag atctgaggac acggccgtgt attactgtgc gagagggtat 300
gtagtagcca gactctgggg ccagggaacc ctggtcaccg tcagctca 348

<210> 217
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 217
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
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<210> 218
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 218
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
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<210> 219
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 219
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
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<210> 220
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 220
cagatgcagc tggtgcagtc tggcgccgaa gtgaagaaac ccggctcctc cgtgaaggtg 60
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<210> 221
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 221
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<210> 222
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 222
gatgttgtga tgactcagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
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<210> 223
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 223
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
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<210> 224
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<213> Homo sapiens
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cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
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<213> Homo sapiens
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<210> 226
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<213> Homo sapiens
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<210> 227
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
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<210> 229
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
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<210> 230
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 230
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 232
gaggtgcagc tggtggagac tgggggaggt gtggtacggc ctggggggtc cctgagactc 60
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<210> 233
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 233
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<210> 234
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<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 234
gaggtgcagc tggtggagac tgggggaggt gtggtacggc ctggggggtc cctgagactc 60
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tca 363

<210> 235
<211> 324
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 235
gaaacgacac tcacgcagtc tccagcattc atgtcagcat ctgtgggaga cagagtcacc 60
atcacttgcc aggcgagtca ggacattaac aactttttaa attggtatca gcagaaacca 120
gggaaagccc ctaagttcct gatctacgat gcttccaatt tggaaaaagg ggtcccatca 180
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<210> 236
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 236
gatgttgtga tgactcagtc tccactctcc ctgcccgtca cccctggaga gccggcctcc 60
atctcctgca ggtctagtca gagcctcgtc tatggtgatg gacacaacta tttggcttgg 120
tacctgcaga agccagggca gtctccacag ctcctgatct atttgggttc taatcgggcc 180
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ctcactttcg gcggagggac caagctggag atcaaacgt 339

<210> 237
<211> 324
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 237
gaaacgacac tcacgcagtc tccagcattc atgtcagcat ctgtgggaga cagagtcacc 60
atcacttgcc aggcgagtca ggacattaac aactttttaa attggtatca gcagaaacca 120
gggaaagccc ctaagttcct gatctacgat gcttccaatt tggaaaaagg tgtcccatca 180
aggttcagtg ggcgtggatc tgggacggaa tttactctca ccatcagcag cctacagcct 240
gaagatattg ctacatatta ctgtcaacaa tatcgtgatt tcccgctcac cttcggccaa 300
gggacacgac tggagattaa acgt 324

<210> 238
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 238
gacatcgtga tgacccagac cccactgtcc ctgtccgtga cccctggcca gcctgcctcc 60
atctcctgca agtcctccca gtccctgctg cacatcgacg gcctgaccta cctgtactgg 120
tatctgcaga agcccggcca gcccccccag ctgctgatct acgaggtgtc ccaccggttc 180
tccggcgtgt ccgacaagtt ctccggctcc ggcagcggca ccgacttcac cctgaccatc 240
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<210> 239
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 239
gatattgtga tgacccagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
atctcctgca agtctagtca gagcctcctg catattgatg gactgaccta tttgtattgg 120
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<210> 240
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 240
gatgtggtga tgacccagac ccctctgtcc ctgtccgtga cccctggcca gcctgcctcc 60
atctcctgca agtcctccca gtccctgctg cacatcgacg gcaagaccta cctgtactgg 120
tatctgcaga agtccggcca gtcccctcag ctgctgatct acgaggtgtc caaccggttc 180
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atcaccttcg gccagggcac ccggctggaa atcaagcgt 339

<210> 241
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 241
gatgttgtga tgacccagac tccactctct ctgtccgtca cccccggaca gccggcctcc 60
atctcctgta agtctagtca gagcctcctg catattgatg gaaagaccta tttgtattgg 120
tacctgcaga agtcaggcca gtctccacag ctcctgatct atgaggtttc caaccggttc 180
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agccgggtgg aggctgagga tgttggggtt tactactgca tgcagagtct acactttccg 300
atcaccttcg gccaggggac acgactggag attaaacgt 339

<210> 242
<211> 324
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 242
gaaacgacac tcacgcagtc tccaacattc atgtcagcat ctgtgggaga cagagtcacc 60
atcacttgcc aggcgagtca ggacattaac aactttttaa attggtatca gcagaaacca 120
gggaaagccc ctaagttcct gatctacgat gcttccaatt tggaaaaagg tgtcccatca 180
aggttcagtg ggcgtggatc tgggacggaa tttactctca ccatcagcag cctacagcct 240
gaagatattg ctacatatta ctgtcaacaa tatcgtgatt tcccgctcac cttcggccaa 300
gggacacgac tcgagattaa acgt 324

<210> 243
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 243
gatgttgtga tgactcagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
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tacctgcaga agccaggcca gtctccacac ctcctaatcc gtgaagtctc cacccggttc 180
tctggagtgt cagataggtt cactggcagc gggtcaggga cagatttcac attggaaatc 240
agccgagtgg aggctgagga tgttggggtt tattactgca tgcaaggttt acaccttcct 300
ccgacgttcg gccaagggac caaggtggaa atcaaacgt 339

<210> 244
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 244
gatgttgtga tgactcagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
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ctcactttcg gcggagggac caagctggag atcaaacgt 339

<210> 245
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 245
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gatattgtga tgacccagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
attacctgca agtctagtca gagcctcctc catattgatg gaaagaccta tttgtattgg 120
ttcttgcaga agccaggcca gcctccacaa cttttgatct atgaagtttc caaccggttc 180
tctggagtgc cagataggtt cagtggcacc gggtcaggga cagatttcac actgaaaatc 240
agccgggtgg aggctgagga tgttggcgtt tattactgca tgcaaagttt acactttccg 300
atcaccttcg gcccagggac acgactggag attaaacgt 339

<210> 248
<211> 348
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 248
cagatgcagc tggtgcagtc tggggctgag gtgaagaagc ctggatcctc ggtgaaggtc 60
tcctgcaagg cttctggagg caccttcagc agctatgcta tcagctgggt gcgacaggcc 120
cctggacaag ggcttgagtg gatgggaggg atcatcccta tctttggtac agcaaactac 180
gcacagaagt tccagggcag agtcacgatt accgcggacg aatccacgag cacagcctac 240
atggagctga gcagcctgag atctgaggac acggccgtgt attactgtgc gagagggtat 300
gtagtagcca gactctgggg ccagggaacc ctggtcaccg tcagctca 348

<210> 249
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 249
gatattgtga tgacccagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
attacctgca agtctagtca gagcctcctc catattgatg gaaagaccta tttgtattgg 120
ttcttgcaga agccaggcca gcctccacag ctcctgatct atgaagtttc aaaccgcttc 180
tctggagtgc cggataggtt cagtggcagc gggtcaggga cagatttcac actgaaaatc 240
agccgggtgg aggctgagga tgttgggctt tattactgca tgcagagttt acaccttccg 300
atcaccttcg gccaagggac acgactggag attaaacgt 339

<210> 250
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 250
gatgttgtga tgactcagtc tccactctcc ctgcccgtca cccctggaga gccggcctcc 60
atctcctgca ggtctagtca gagcctccta catattgatg gatttaatta tttgcaatgg 120
tacctgcaga agccagggca gtctccacag ctcctggtcc atttgggttc ttttcgggcc 180
tccggggtcc ctgacaggtt cagtggcagt ggatcaggca cagattttac actggaaatc 240
agcagagttg aggctgagga tgttggactt tattactgca tgcaaggtct acaaactcct 300
cccactttcg gccctgggac caaagtggag atcaaacgt 339

<210> 251
<211> 339
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 251
gatattgtga tgacccagac tccactctct ctgtccgtca cccctggaca gccggcctcc 60
atctcctgca agtctagtca gagcctgttt catgatcatg gaaggacgca cttgtcttgg 120
tacctgcaga agccaggcca gcctccacag ctcctgatct ttgaagcttc caaccggttc 180
tctggagtgc cagataggtt cagtggcagc gggtcaggga cagatttcac actgaagatc 240
agccgggtgg aggctgagga tgttggggtt tattactgca tgcaaggtat acaccttcct 300
ccggctttcg gcggagggac caagctggag atcaaacgt 339

<210> 252
<211> 336
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 252
cagtctgtgt tgacgcagcc gccctcagtg tctgcggccc caggacagaa ggtcaccatc 60
tcctgctctg gaagcagctc caacattggc tataattacg tatcctggta ccagcagttc 120
ccaggaacag cccccaaact cctcatttat gacaataata agcgaccctc agggattcct 180
gaccgattct ctggctccaa gtctggcacg tcagccaccc tgggcatcac cggactccag 240
actggggacg aggccgatta ttactgcgga acatgggata acagccggag tcctccttgg 300
gtgttcggcg gagggaccaa ggtgaccgtc ctaggt 336

<210> 253
<211> 318
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 253
tcctatgagc tgacacagcc atcctcagtg tcagtgtccc caggacagac agccagcatc 60
acctgctctg gagataaatt gggggaaaaa tatgcttcct ggtatcaaca gaagccaggc 120
cagtcccctg tcctggtcat gtttgaagat acgaagcggc cctcagggat ccctgagcga 180
ttctctggct ccaactctgg gaacacagcc actctgacca tcagcgggac ccaggctgaa 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg gacagcagtt gggtgttcgg cggaggcacc 300
cagctgaccg tcctaggt 318

<210> 254
<211> 336
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 254
cagtctgtgc tgacgcagcc gccctcagtg tctgcggccc caggacagag ggtcaccatc 60
tcctgctctg gaaacacctc caacattgga aataattttg tatcctggta ccagcagctc 120
ccaggaacag cccccaaact cctcatttat gacgataata agcgaccctc agggattcct 180
gaccgattct ctggctccaa gtctggcacg tcagctaccc tgggcatctc cggactccag 240
actggggacg aggccgatta ttactgcggc acatgggata acagcctgaa tcctccttgg 300
gtgttcggcg gaggcaccca gctgaccgtc ctaggt 336

<210> 255
<211> 318
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 255
tcctatgtgc tgactcagcc accctcagtg tccgtggccc caggacagac agccagcatc 60
acctgctctg gagataattt gggggaaaaa tttgtttcct ggtatcaaca gaaggcaggc 120
cagtcccctg tcttggtcat ctttgaagat aataagcggc cctcagggat ccctgagcga 180
ttcgctggct ccaactctgg gaacagagcc actctgacca tcagggggac ccaggctgaa 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg gacagcagct gggtgttcgg cggaggcacc 300
cagctgaccg tcctaggt 318

<210> 256
<211> 318
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 256
tcctatgagc tgacacagcc accctcagtg tccgtggccc caggacagac agccaccatc 60
acctgctctg gagatagatt gggcgataaa tttatctctt ggtatcagca gaagccaggc 120
cagtcccctc tactggtcat ctttgaagat aacgaacggc cctcacggat ccctgagcga 180
ttctctggct ccaactctgg caactctgcc actctgacca tcagcgggac ccaggctgta 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg gacagcagtt gggtgttcgg cggaggcacc 300
cagctgaccg tcctaggt 318

<210> 257
<211> 318
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 257
tcctatgtgc tgactcagcc accctcagtg tccgtggccc caggacagac agcccgtatc 60
acctgctctg gagataaatt gggggataga tatgtttcct ggtatcagca gaagccaggc 120
cagtcccctg tgttggtcat gtttgaagat accgggcggc ccgcagggat ccctgagcga 180
ttctctggct ccaactctgg gaacacagcc actctgacca tcagcgggac ccaggcagaa 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg ggcacctcct gggttttcgg cggaggcacc 300
cagctgaccg tcctaggt 318

<210> 258
<211> 336
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 258
cagtctgtgc tgacgcagcc gccctcagtg tctgcggccc caggacagaa ggtcaccatc 60
tcctgctctg gaaccggctc caacattggc agtaattatg tcgcctggta tcagcaactc 120
ccaggaacag cccccaaact cctcatttat gacgataata agcgaccctc agggactcct 180
gaccgattct ctggctccaa gtctggcacg tcagccaccc tggtcatcgc cggactccag 240
actggggacg aggccgatta ttattgtgga acatgggata acaccctgaa tgttgggggg 300
gtcttcggcg gaggcaccca gctgaccgtc ctaggt 336

<210> 259
<211> 318
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 259
tcctatgtgc tgactcagcc accctcagtg tccgtggccc ccggacagac agccaccatc 60
acctgctcag gagatgattt cggcgataag tatgtgtctt ggtatcaaca gaagccaggc 120
cagtcccctc tactggtcat ctttcaggat aacgagcggc cctcagggat ccctgagcga 180
ttctctggct ccaactctgg gaacactgcc actttgacca tcagcgggac ccaggctatg 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg gacagcaatt gggtgttcgg cggagggacc 300
aaggtcaccg tcctaggt 318

<210> 260
<211> 324
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 260
tcctatgagc tgacacagcc accctcagtg tccgtggccc caggacagac agccaccatc 60
acctgctctg gagataaatt gggggataaa tatgcttcct ggtatcagca gaagccaggc 120
cagtcccctg tcttggtcat gtttgagaat cgtgaccggc cctcagggat ccctgaccga 180
ttctctggct ccaattctgg gaacacagcc actctgacca tcagcgggac ccaggctatg 240
gatgaggctg actattactg tcaggcgtgg gacagcagca ctgcatgggt attcggcgga 300
ggcacccagc tgaccgtcct aggt 324
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21-1】
図21-2】
図21-3】
図21-4】
図21-5】
図21-6】
図21-7】
図21-8】
図21-9】
図21-10】
図21-11】
図21-12】
図21-13】
図21-14】
図21-15】
図21-16】
【配列表】
2022141745000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
図1A】親配列に対して選択されたクローンの軽鎖の多重配列アラインメント。XPA.85.012に関するクローン(図1A)の、あるいはXPA.85.017に関するクローン(図1B)からの軽鎖アミノ酸の多重配列アラインメント(MSA)を、ClustalWアルゴリズムを用いて親配列に対して実施した。このアラインメントを使用し、CLCBio Sequence viewerソフトウェアを使用して系統ツリーを作成した。ツリーをNewick形式でエクスポートした。MSAをFASTA形式でエクスポートし、EMBOSSプログラムShowalignを実行し、アラインメントをドット識別形式に変換した。スクリプトを、R言語を使用して記述して、ツリーを、対応するドット識別アライメント配列(軽鎖ファミリーによって色分けされたもの)と結合した。支線形式はまた、軽鎖ファミリーにも対応し、白黒形式でも読みやすくする。表示されたアラインメントにおいて、親配列が完全に示される。他の配列が同一である場合、残基はドットとして示される。違いが表示される。IMGT番号付けシステムを使用して同定されたCDR領域は、アラインメント上のボックスによって呼び出される。親とのフレームワークの違いが識別される。これを、ソフトウェアプログラム(PHEnom、XOMA(US)LLC)を用いて親軽鎖を実行し、結果に表示された位置周波数マトリクスを見ることによって行った。配列内のフレームワークの変化が標準アミノ酸に向かった場合は、(+)として示され、標準配列から離れている場合(頻度に関して)は、(-)として示される。残基が頻度マトリクスに見られない場合、それはその位置では滅多に使用されないアミノ酸であり、それは(R)によって表示され、アミノ酸は角括弧で表示される。配列が親である異なるファミリーに属する場合、親に最も近い親メンバーが、このPHEnom分析の「種」として使用される。
図1B】親配列に対して選択されたクローンの軽鎖の多重配列アラインメント。XPA.85.012に関するクローン(図1A)の、あるいはXPA.85.017に関するクローン(図1B)からの軽鎖アミノ酸の多重配列アラインメント(MSA)を、ClustalWアルゴリズムを用いて親配列に対して実施した。このアラインメントを使用し、CLCBio Sequence viewerソフトウェアを使用して系統ツリーを作成した。ツリーをNewick形式でエクスポートした。MSAをFASTA形式でエクスポートし、EMBOSSプログラムShowalignを実行し、アラインメントをドット識別形式に変換した。スクリプトを、R言語を使用して記述して、ツリーを、対応するドット識別アライメント配列(軽鎖ファミリーによって色分けされたもの)と結合した。支線形式はまた、軽鎖ファミリーにも対応し、白黒形式でも読みやすくする。表示されたアラインメントにおいて、親配列が完全に示される。他の配列が同一である場合、残基はドットとして示される。違いが表示される。IMGT番号付けシステムを使用して同定されたCDR領域は、アラインメント上のボックスによって呼び出される。親とのフレームワークの違いが識別される。これを、ソフトウェアプログラム(PHEnom、XOMA(US)LLC)を用いて親軽鎖を実行し、結果に表示された位置周波数マトリクスを見ることによって行った。配列内のフレームワークの変化が標準アミノ酸に向かった場合は、(+)として示され、標準配列から離れている場合(頻度に関して)は、(-)として示される。残基が頻度マトリクスに見られない場合、それはその位置では滅多に使用されないアミノ酸であり、それは(R)によって表示され、アミノ酸は角括弧で表示される。配列が親である異なるファミリーに属する場合、親に最も近い親メンバーが、このPHEnom分析の「種」として使用される。
図2】親クローンXPA.85.012およびXPA.85.017を、それらのそれぞれの高親和性軽鎖変異体XPA.85.288およびXPA.85.287とそれぞれ比較した代表的なSPR由来の動力学データ。IgGを、Fc領域を介してセンサー表面に捕捉し、実施例の方法に記載されるように組み換えPTH1R N末端ECDを200、50、12.5、および3.125nMで注射した。
図3図3A~3B:CHOK1(白丸)およびCHOヒトPTH1R(黒四角形)細胞上のXPA.85.012およびXPA.85.017の結合曲線。XPA.85.012の結合曲線(図3A)。XPA.85.017の結合曲線(図3B)。両抗体は、CHOヒトPTH1R細胞上に発現されたPTH1Rに特異的に結合する。
図4図4A~4B:PTHまたはPTHrPの存在下でのXPA.85.012およびXPA.85.017結合。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、CHOヒトPTH1R細胞とともにインキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgG抗体単独(白丸)、2.5μM PTHを有する抗体(黒四角形)、および2.5μMPTHrPを有する抗体(黒菱形)を用いて検出した。XPA.85.012の結合曲線(図4A)。XPA.85.017の結合曲線(図4B)。両方の抗体が、PTHまたはPTHrPのいずれかの存在下でPTH1Rに結合したが、PTH1Rへの抗体結合はいずれかのリガンドの存在下で低下した。
図5図5A~5B:フローサイトメトリーによるXPA.85.012およびXPA.85.017のオン速度。漸増濃度の抗体を、CHOヒトPTH1R細胞とともに一定時間インキュベートした。抗体結合を抗ヒトIgG APCで検出した。XPA.85.012に比べて速度が遅いため、XPA.85.017のタイムコースを実行した(図5A)。グラフ中、インキュベーション時間が増加するにつれて、抗体結合曲線は左にシフトする。これは、抗体が平衡に達しておらず、抗体が結合するのに時間がかかることを示している。XPA.85.012はより速いオン速度を有する(図5B)。1時間での抗体結合(白丸)は、24時間のインキュベーション時点(黒六角形)と同様のEC50値を有する。XPA.85.012は1時間以内に結合平衡に達することができるが、XPA.85.017は結合平衡に達するのに24時間かかることがある。両方の抗体が平衡に達すると、それらは同様のEC50値を有する。
図6A】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。ヒトPTH1R±PTH(図6A)または±PTHrP(図6B)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6B】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。ヒトPTH1R±PTH(図6A)または±PTHrP(図6B)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6C】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。マウスPTH1R±PTH(図6C)または±PTHrP(図6D)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図6D】XPA.85.012およびXPA.85.017の種交差反応および差次的結合プロファイル。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下で、PTH1Rオルソログを発現する細胞とともに24時間インキュベートした。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。XPA.85.012およびXPA.85.017の両方は、異なるPTH1Rオーソログに交差反応性であり、両抗体は、リガンド、PTH(四角形シンボル)、またはPTHrP(菱形シンボル)の非存在下でより良好に結合する。マウスPTH1R±PTH(図6C)または±PTHrP(図6D)を発現するCHO細胞に結合する抗体。
図7図7A~7C:PTHおよびPTHrPの存在下または非存在下でSaos-2過剰発現ヒトPTH1Rに結合する抗体。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、飽和濃度のPTHまたはPTHrPの存在下または非存在下でSaos-2ヒトPTH1R細胞とともにインキュベートした。XPA.85.328(図7A)、XPA.85.329(図7B)、XPA.85.330(図7C)。抗体結合を、R-フィコエリスリン抗ヒトIgGを用いて検出した。抗体単独(白丸)、1μMのPTHを有する抗体(黒四角形)、および3μMのPTHrPを有する抗体(黒菱形)。3つ全ての抗体は、PTHまたはPTHrPのいずれかの存在下でPTH1Rへの結合の減少を示した。
図8】抗PTH1R抗体は、PTH1Rに特異的に結合する。漸増濃度の抗PTH1R抗体を、ヒトPTH2Rを過剰発現しているCHO細胞に添加し、4℃で1時間インキュベートした(図8)。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、抗体結合を抗ヒトIgG APCで検出した。試験した抗体はいずれも、ヒトPTH2Rを過剰発現しているCHO細胞への特異的結合を示さなかった。抗KLH.G2を結合への陰性対照として用いた。試験した抗体は、全てPTH1Rに特異的であった。
図9A】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9Aおよび9C)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路、図9Aおよび9B)を阻害した。
図9B】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTHrP(1-34)(図9Bおよび9D)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路、図9Aおよび9B)を阻害した。
図9C】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTH(1-34)(図9Aおよび9C)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介カルシウム動員(Gq/PKC経路、図9Cおよび9D)を阻害した。
図9D】抗PTH1R抗体は、リガンド媒介cAMP蓄積およびカルシウム動員を阻害する。ヒトPTH1R CHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)のXPA.85.012(黒四角形)またはXPA.85.017(黒三角形)のいずれかとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて漸増濃度のPTHrP(1-34)(図9Bおよび9D)を用いて誘導した。両抗体は、リガンド媒介カルシウム動員(Gq/PKC経路、図9Cおよび9D)を阻害した。
図10図10A~10D:軽鎖シャッフリングによるXPA.85.017(白丸)の親和性操作に続いて、ヒト(図10Aおよび10B)またはマウスPTH1R(図10Cおよび10D)のいずれかを安定的に過剰発現しているCHOK1細胞を、267nM(40μg/ml)の変異体IgGとともに37℃で30分間プレインキュベートし、続いて37℃で45分間、漸増濃度のPTH(1-34)で誘導した。変異体IgGは、ヒトおよびマウスPTH1Rを介してリガンド媒介cAMP蓄積(Gs/PKA経路)の阻害の範囲を呈した。
図11図11A~11D:天然のヒトおよびラットのPTH1Rをそれぞれ内因的に発現するSaOS-2およびUMR106細胞を用いた、cAMPアッセイの変異体および親IgG活性の比較。IgG(267nMまたは40μg/ml)を37℃で30分間、細胞でプレインキュベートした後、37℃で45分間、PTH(1-34)またはPTHrP(1-34)によりcAMP蓄積を誘導した。データは平均+SEMとして提示され、一連(図11Aおよび11D)または二連(図11Bおよび11C)のウェルで測定されたRLUの平均を表す。軽鎖シャフリングによるXPA.85.017の親和性操作により、XPA.85.287が得られた。この変異体は、ヒトPTH1R(図11B)(白四角形)対親(黒四角形)に対する活性の顕著な改善を示し、ラットPTH1Rに対する活性の変化はほとんどなかった(図11C)。対照的に、XPA.85.012(黒三角形)の親和性操作は変異体XPA.85.288(白三角形)をもたらし、天然のヒトPTH1R(図11A)ならびに天然のラットPTH1R(図11C)の両方に対する活性の顕著な改善を示した。XPA.85.288はまた、天然のヒトPTH1R(図11D)を発現するSaOS-2細胞の、PTHrP誘導性cAMPを顕著に阻害することが見い出された。
図12図12A~12B:ヒトPTH1R CHOK1(図12A)およびマウスPTH1R CHOK1(図12B)細胞を用いたcAMPアッセイにおける、PTHrP(1~34)および漸増濃度のXPA.85.287(XPA.85.017の親和性操作変異体)の濃度応答曲線。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
図13図13A~13B:ヒトPTH1R CHOK1(図13A)およびマウスPTH1R CHOK1(図13B)細胞を用いたcAMPアッセイにおける、PTHrP(1-34)および漸増濃度のXPA.85.288(XPA.85.012の親和性変異体)の濃度応答曲線。GraphPad Prism 6.0(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を使用して、シルト回帰分析を実施し、濃度応答曲線の非平行な右方向シフトを明らかにした。これらの結果は、変異体IgGの非競合的(アロステリック)作用機序と一致する。
図14図14A~14B:PTHでのPTH1R抗体の効果は、Saos-2細胞によってM-CSFの分泌を刺激した。集密後のSaos-2細胞を、40μg/mLの抗体の存在下で特定の濃度のPTH(1-34)ペプチドで48時間処理した。クローンXPA.85.017(三角形)が、軽鎖交換変異体XPA.85.287(黒丸)および陰性対照IgG(白丸)に沿って示される(図14A)。XPA.85.012重鎖を含有する5つの親和性強化軽鎖交換変異体が、PTH刺激M-CSF分泌を阻害することが示された(図14B)。対照IgG(白丸)、XPA.85.288(黒丸)、XPA.85.342(逆三角形)、XPA.85.346(白四角形)、XPA.85.331(白三角形)、およびXPA.85.327(黒四角形)。
図15図15A~15B:PTHrPでのPTH1R抗体の効果は、Saos-2細胞によってM-CSFの分泌を刺激した。集密後のSaos-2細胞を、40μg/mLの抗体の存在下で、特定の濃度のPTHrP(1-36)ペプチドで48時間処理した。陰性対照IgG(白丸)、XPA.85.328(逆三角形)、XPA.85.329(黒丸)、XPA.85.330(四角形)。XPA.85.012重鎖を有する親和性強化軽鎖交換変異体のうちの3つが、40μg/mLの固定抗体濃度でのPTHrP刺激M-CSF分泌を阻害することが示された(図15A)。12.5nMの固定PTHrP(1~36)濃度を、様々な濃度の抗体に対して試験した(図15B)。別の実験において、親クローンXPA.85.012およびXPA.85.017を、それらの親和性成熟変異体XPA.85.288およびXPA.85.287と、それぞれ40μg/mL比較した(図15C)。
図16図16A~16B:200nMの抗体の存在下での、ERK1/2の媒介リン酸化のPTH(図16A)およびhPTH1RのPTHrP(図16B)ペプチド刺激の濃度応答曲線。CHO-hPTH1R細胞を、抗体とともに37℃で10分間インキュベートし、続いて漸増濃度のペプチドリガンドとともに5分間インキュベートし、次いで細胞を溶解し、免疫アッセイによってERK1/2リン酸化の濃度を決定した。示されたデータ点は、平均値±SEMである。抗体:陰性対照IgG(白丸)、XPA.85.012(黒丸)、およびXPA.85.017(黒三角形)。
図17】甲状腺機能亢進症(TPTx)モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTH(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体能力。Sprague-Dawley(SD)雄ラット(n=5~6/群)に、PTH(1-34)注入開始の18時間前に、PTH1R抗体XPA.85.017(Ab017)、XPA.85.287(Ab287)、XPA.85.288(Ab288)、およびBM2、またはアイソタイプ対照を静脈内に投与した(15mg/kg)。血清カルシウムを、投与前(ベースライン)、注入前(T0)、注入開始から2、4、および6時間後に測定した。
図18図18A~18B:副甲状腺機能亢進症患者のPTH過剰分泌を模倣するために、持続注入モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTH(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体の能力。図18A、hPTH(1-34)を7日間、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に連続的に皮下注入して(Alzet mini pump、モデル2ML1、10μl/時、10μg/kg/日)、副甲状腺機能亢進症を有する患者のPTH過剰分泌を模倣した。カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=5/群)、BM2(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=2)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するために、バイオマーカーとして測定した。血清カルシウムを、ポンプ移植の前(投与前)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、120、144、および168時間後に測定した。図18B、抗体、Ab328、Ab329、およびAb330(2mg/kg IV)をAb288と一緒に、同様の研究で試験して、血清カルシウムをポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の24、27(投与の3時間後)、48、72、96、および120時間後に測定した。全ての抗体は、投与の24時間後および注入の間中にカルシウム濃度を顕著に低下させ、Ab288およびAb328が最も劇的な低下をもたらした。
図19図19A~19B:副甲状腺機能亢進症を有する患者における高カルシウム血症を模倣するために、持続注入モデルを用いてインビボで測定された血清カルシウム濃度のPTHrP(1-34)誘導性上昇を低下させるPTH1R抗体の能力。PTHrP活性の阻害での抗PTH1R受容体抗体の効果は、hPTHrP(1-36)を6日間、正常なSprague Dawleyラット(Harlan)に連続的に皮下注入(Alzetミニポンプ、モデル2ML1、10μl/時、100μg/kg/日)して、副甲状腺機能亢進症を有する患者の高カルシウム血症を模倣することによって評価した。図19A、カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、Ab288(2または10mg/kg、n=4/群)、抗PTHrP抗体MCB1.1(10mg/kg、n=5)、またはアイソタイプ対照(10mg/kg、n=3)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するために、バイオマーカーとして測定した。血清カルシウムを、ポンプ移植の前(投与前)、ポンプ移植の24、26(投与の2時間後)、48、72、96、120、および144時間後に測定した。図19B、体重を、ポンプ移植前(投与前)、ポンプ移植の26(投与の2時間後)、48、96、および144時間後に測定した。
図20A】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。全血清カルシウムを、ポンプ移植の24時間後、PTH1R抗体XPA.85.349(2mg/kg、n=6~8/群または6mg/kg、n=5~8/群)、結合に対する抗KLH.G2陰性対照(6mg/kg、n=2~3)、非処理対照(n=5)の単回静脈内投与によるインビボ中和を評価するためのバイオマーカーとして測定した(図20Aは平均血清全濃度±S.E.Mを示す)。
図20B】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。マウス体重(図20B)および腫瘍重量(図20C)を、経時的(投与の48時間前および投与の48、72、および120時間後)に測定した。
図20C】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。マウス体重(図20B)および腫瘍重量(図20C)を、経時的(投与の48時間前および投与の48、72、および120時間後)に測定した。
図20D】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。PTHrP(図20D)およびPTH1-84(図20E)の濃度もまた、2または6mg/kgのPTH1R抗体XPA.85.349、抗KLH.G2対照抗体を用いて、投与の24、48、72、および120時間後にマウスか、あるいは治療前に腫瘍のない動物の血清中で測定した。
図20E】PTH1R抗体XPA.85.349は、マウスcolon 26腫瘍関連高カルシウム血症を持続期間に強力に低下させる。PTHrP(図20D)およびPTH1-84(図20E)の濃度もまた、2または6mg/kgのPTH1R抗体XPA.85.349、抗KLH.G2対照抗体を用いて、投与の24、48、72、および120時間後にマウスか、あるいは治療前に腫瘍のない動物の血清中で測定した。
図21-1】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-2】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-3】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-4】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-5】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-6】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-7】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-8】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-9】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-10】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-11】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-12】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-13】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-14】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-15】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
図21-16】 副甲状腺ホルモン受容体1(PTH1R)に結合する抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列、軽鎖可変領域アミノ酸配列、重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、重鎖CDR3アミノ酸配列、軽鎖CDR1アミノ酸配列、軽鎖CDR2アミノ酸配列、軽鎖CDR3アミノ酸配列、重鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、または軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願の明細書に記載される発明。