(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141777
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】個人用携帯型呼吸装置
(51)【国際特許分類】
A62B 18/02 20060101AFI20220921BHJP
A62B 7/10 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A62B18/02 A
A62B7/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112135
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2021014726の分割
【原出願日】2015-12-04
(31)【優先権主張番号】62/087,500
(32)【優先日】2014-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ズー‐チン
(72)【発明者】
【氏名】コンネル,エマ・アン
(72)【発明者】
【氏名】クルーゾ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ダーキン,ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ケニヨン,バートン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クラセク,ポール・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シムズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チュァンガン
(72)【発明者】
【氏名】クウォク,フィリップ・ロドニー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個人用エンタテインメント呼吸装置は、完全に没頭型エンタテインメント体験を提供するためにユーザに空気を提供する。
【解決手段】個人用エンタテインメントシステム102は、空気の流れを提供するための流れ発生器1603を備える。個人用立体呼吸インターフェース104は、流れ発生器1603に結合される。個人用立体呼吸インターフェースは流れ発生器1603用の吹出口を備える。個人用立体呼吸インターフェースは、ユーザの周囲呼吸近接域内に空気の流れを誘導するように構成される。個人用エンタテインメント呼吸装置は、コントローラ及び感覚粒子ディスペンサーを備える。コントローラ及び感覚粒子ディスペンサーは、エンタテインメント・トリガ信号に応答してディスペンサーから、誘導された空気の流れの中へ感覚粒子の放出を選択的に起動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに清浄化空気を提供する個人用携帯型呼吸装置であって、
流れ発生器であって、該流れ発生器が濾過又は調整された空気の流れを発生するように
構成されている、流れ発生器と、
前記流れ発生器に結合された個人用立体呼吸インターフェースであって、該個人用立体
呼吸インターフェースが前記流れ発生器用の吹出口を備え、該個人用立体呼吸インターフ
ェースがユーザの周囲呼吸近接域内に空気の流れを誘導するように構成された、個人用立
体呼吸インターフェースを備える装置。
【請求項2】
前記流れ発生器への空気吸込口が、フィルタであって、該吸込口を通って吸い込まれる
空気から粒子を除去するように構成されているフィルタを備えている、請求項1に記載の
装置。
【請求項3】
前記フィルタが、前記吸込口を通って吸い込まれる空気から揮発性ガス及び臭いを除去
するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フィルタが、前記吸込口を通って吸い込まれる空気からバクテリア及びウイルスを
除去するように構成されている、請求項2~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記フィルタが、HEPAフィルタ、エレクトレットフィルタ、イオナイザー清浄器、
熱力学殺菌フィルタ、能動型炭素フィルタ及び触媒酸化フィルタのうちいずれか1つ以上
を備えている、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記個人用立体呼吸インターフェースが、エアカーテンに前記誘導された空気の流れを
発生して前記ユーザの前記周囲呼吸近接域を未清浄化環境空気から分離するように構成さ
れた、1組の分散空気吹出口を備えている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記個人用立体呼吸インターフェースが、前記ユーザの前記周囲呼吸近接域内の前記誘
導された空気の流れを未清浄化環境空気から分離するために空気遮蔽を生成するように構
成された、さらに1組の空気吹出口を備えている、請求項1~6のいずれか一項に記載の
装置。
【請求項8】
前記さらに1組の空気吹出口が層流化ノズルを備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記層流化ノズルがハチの巣構造を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
付加的な1組の空気吹出口であって、1つ以上のエアカーテンを生成して前記ユーザの
前記周囲呼吸近接域を未清浄化環境空気から分離するために付加的な1組の空気吹出口を
さらに備えている、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
個人用立体呼吸インターフェースがファッションアクセサリを備えている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ファッションアクセサリがスカーフを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ファッションアクセサリがシャツを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ファッションアクセサリがシャツカラーを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ファッションアクセサリが眼鏡、バイザー又はゴーグルを備えている、請求項11
に記載の装置。
【請求項16】
前記ファッションアクセサリがネックレスを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記ネックレスが前記空気の流れを誘導するために前記ネックレスの長さに沿って複数
の吹出口を備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ファッションアクセサリが帽子を備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記帽子の縁が、前記流れ発生器に結合された1つ以上の空気吹出口を備えている、請
求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記個人用立体呼吸インターフェースがヘッドセットを備えている、請求項1~10の
いずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記個人用立体呼吸インターフェースがヘッドセットブームを備えている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記個人用立体呼吸インターフェースが、アンダカラー・フレキシブル・アタッチメン
トを備えている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
個人用携帯型呼吸装置がハイドレーション(水筒式)バックパックを備えている、請求
項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
個人用携帯型呼吸装置がノーズクリップを備えている、請求項1~10のいずれか一項
に記載の装置。
【請求項25】
個人用携帯型呼吸装置がマウスガードを備えている、請求項1~10のいずれか一項に
記載の装置。
【請求項26】
個人用携帯型呼吸装置がスポーツバンドを備えている、請求項1~10のいずれか一項
に記載の装置。
【請求項27】
個人用携帯型呼吸装置がスライド式マスクを備えている、請求項1~10のいずれか一
項に記載の装置。
【請求項28】
前記装置がウェラブルである、請求項1~17及び23~27のいずれか一項に記載の
装置。
【請求項29】
前記個人用立体呼吸インターフェースが位置づけ可能なグースネックチューブを備えて
いる、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記個人用立体呼吸インターフェースがリストバンド及び/又は手袋を備えている、請
求項1に記載の装置。
【請求項31】
清浄化空気が、顔面接触装置なしでユーザに提供される、請求項1~10、12、16
~20及び21~23、並びに26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
清浄化空気が、頭接触装置なしでユーザに提供される、請求項1~6、8、12及び1
7~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記流れ発生器が、プレブロワ・フィルタ、ブロワ及びポストブロワ・フィルタを備え
ている、請求項1~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記ブロワが、モータ及びインペラを備えている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記流れ発生器が、モータ及びインペラを備えている、請求項1~33のいずれか一項
に記載の装置。
【請求項36】
前記流れ発生器が、バッテリ動作のために構成され、かつ前記流れ発生器がバッテリ電
源をさらにを備えている、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記流れ発生器が、多段ブロワを備えている、請求項1~36のいずれか一項に記載の
装置。
【請求項38】
前記流れ発生器が、並列流れ構成で複数のインペラを備えている、請求項37に記載の
装置。
【請求項39】
前記流れ発生器が、直列流れ構成で複数のインペラを備えている、請求項37に記載の
装置。
【請求項40】
前記ブロワのロータが、遠心ステージ及び1つ以上の軸流ステージを備えている、請求
項37~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
コントローラ及びアロマディスペンサーであって、該コントローラがエンタテインメン
ト・トリガ信号に応答して前記誘導された空気の流れの中に該アロマディスペンサーから
アロマの放出を選択的に起動するように構成されている、コントローラ及びアロマディス
ペンサーをさらに備えている、請求項1~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記コントローラが、前記エンタテインメント・トリガ信号を受信するための通信用イ
ンターフェースを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記通信用インターフェースが、エンタテインメント・コンソールから無線で前記エン
タテインメント信号を受信するように適応されている、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記アロマディスペンサーがアロマを含有する交換可能なアロマカートリッジを受容す
るように適応されている、請求項41~43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記装置が、異なるエンタテインメント・トリガ信号に応答して異なるアロマを放出す
るように構成されている、請求項41~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記アロマが、匂い粒子及び/又は味粒子を含む、請求項41~44のいずれか一項に
記載の装置。
【請求項47】
前記装置の1つ以上の汚染フィルタの動作を設定するように構成されたコントローラを
さらに備えている、請求項1~46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
前記コントローラと結合された1つ以上の空気質センサをさらに備え、前記コントロー
ラが該1つ以上の空気質センサからの信号に応答して前記1つ以上の汚染フィルタの動作
を設定するように構成されている、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記コントローラが、前記装置の位置を検出しかつ前記位置の検出に基づいて前記装置
の前記1つ以上の汚染フィルタの動作を設定するために位置センサとともに構成されてい
る、請求項47~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記コントローラが通信用インターフェースを含み、かつ前記コントローラが外部気象
又は汚染データを要請及び受信しかつ前記受信された外部気象又は汚染データに基づいて
前記1つ以上の汚染フィルタの動作を設定するように構成されている、請求項47~49
のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記ユーザの生理的なデータを検出するように構成された1つ以上のユーザセンサと結
合されたコントローラをさらに備え、該コントローラが該1つ以上のセンサからの信号に
基づいて前記装置の動作を設定するように構成されている、請求項1~50のいずれか一
項に記載の装置。
【請求項52】
前記コントローラが、検出された生理的なデータに基づいた前記装置のアロマディスペ
ンサーの動作のためのエンタテインメント・トリガ信号を発生するように構成されている
、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記生理的なデータが、心拍数データ、発汗データ、温度データ、ブレス流量データ、
O2飽和データのいずれか1つ以上を含み、かつ前記1つ以上のユーザセンサが心拍数セ
ンサ、湿度センサ、サーミスタ、流れセンサ、酸素濃度計のいずれか1つ以上をそれぞれ
備えている、請求項51~52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
コントローラが、前記生理的なデータをエンタテインメントコンソールへ通信するため
に通信用インターフェースを含む、請求項52~53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記流れ発生器の動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備えている、
請求項1~54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
外部プログラミング可能なモバイル処理デバイスを用いてデータを送受信するために通
信用インターフェースをさらに備えている、請求項1~55のいずれか一項に記載の装置
。
【請求項57】
液滴発生器をさらに備え、前記装置のコントローラが前記誘導された空気の流れの中に
液滴を注入するために該液滴生成器を制御するように構成されている、請求項1~56の
いずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記コントローラが、エンタテインメント信号に応答して前記液滴を注入する、請求項
57に記載の装置。
【請求項59】
前記コントローラが、外部エンタテインメントコンソールから前記エンタテインメント
信号を受信する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記液滴が液状水である、請求項57~59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
少なくとも1つの加熱又は冷却要素をさらに備え、前記装置の前記コントローラが該加
熱又は冷却要素の動作を設定することによって前記誘導された空気の流れの温度を変化さ
せるように構成されている、請求項1~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記コントローラが、エンタテインメント信号に応答して前記温度を変化させる、請求
項61に記載の装置。
【請求項63】
前記コントローラが、外部エンタテインメントコンソールから前記エンタテインメント
信号を受信する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記個人用立体呼吸インターフェースの向きを検出する/又は風向を検出するように構
成された1つ以上のセンサをさらに備え、前記装置のコントローラが該センサからの信号
に基づいて前記装置の動作を調節するように構成されている、請求項1~63のいずれか
一項に記載の装置。
【請求項65】
前記1つ以上のセンサが、風を検出する風力計又は個人用立体呼吸インターフェースの
向きを検出する加速度計を含む、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記装置のコントローラが、前記検出された風及び/又は前記個人用立体呼吸インター
フェースの向きに基づいて前記流れ発生器の動作の変化を制御するように構成されている
、請求項64~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記動作の変化が、流れ方向の変化及び流速の変化のいずれか片方を含む、請求項66
に記載の装置。
【請求項68】
前記コントローラのプロセッサが、検出された接近風の関数として最適な空気ノズル向
き及び/又は空気流速を決定するように構成されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記流れ発生器が、10mm未満の幅を有する、請求項1~68のいずれか一項に記載
の装置。
【請求項70】
感覚粒子を含有する空気をユーザに提供する個人用エンタテインメント呼吸装置であっ
て、
流れ発生器であって、空気の流れを生成するように構成された流れ発生器と、
該流れ発生器に結合された個人用立体呼吸インターフェースであって、該個人用立体呼
吸インターフェースが前記流れ発生器用の吹出口を備え、該個人用立体呼吸インターフェ
ースがユーザの周囲呼吸近接域内に前記空気の流れを誘導するように構成された、個人用
立体呼吸インターフェースと、
コントローラと、
感覚粒子ディスペンサーを備え、
前記コントローラが、エンタテインメント・トリガ信号に応答して前記誘導された空気
の流れの中へ前記感覚粒子ディスペンサーから感覚粒子の放出を選択的に起動するように
構成されている、装置。
【請求項71】
前記コントローラが、通信用インターフェースであって、エンタテインメントコンソー
ルと結合可能である通信用インターフェースを備えている、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記通信用インターフェースが無線通信用インターフェースを備えかつ前記トリガー信
号が前記エンタテインメントコンソールから受信される無線信号を含む、請求項71に記
載の装置。
【請求項73】
前記エンタテインメント・トリガ信号が、エンタテインメントコンソールのビデオゲー
ムのイベント又はビデオのイベントのいずれか片方と同期される、請求項70~72のい
ずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記感覚粒子ディスペンサーが、アロマディスペンサーを備える、請求項70~73の
いずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
前記感覚粒子ディスペンサーが、液滴ディスペンサーを備えている、請求項70~74
のいずれか一項に記載の装置。
【請求項76】
前記感覚粒子ディスペンサーが、交換可能なアロマカートリッジ及び/又は液滴カート
リッジを受容するように適応されている、請求項70~75のいずれか一項に記載の装置
。
【請求項77】
前記コントローラが、異なるエンタテインメント・トリガ信号に応答して異なる感覚粒
子を放出するために前記感覚粒子ディスペンサーを制御するように構成されている、請求
項70~76のいずれか一項に記載の装置。
【請求項78】
前記コントローラが、エンタテインメント信号に応答して前記流れ発生器の流量に対す
る変化を制御するようにさらに構成されている、請求項70~77のいずれか一項に記載
の装置。
【請求項79】
前記ユーザの生理的なデータを検出するように構成された1つ以上のユーザセンサをさ
らに備え、前記コントローラが該1つ以上のセンサからの信号に基づいて前記装置の動作
を設定するように構成されている、請求項70~78のいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
前記コントローラが、検出された生理的なデータに基づいて前記装置の前記感覚粒子デ
ィスペンサーの動作のためのエンタテインメント・トリガ信号を発生するように構成され
ている、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
前記生理的なデータが、心拍数データ、発汗データ、温度データ、ブレス流量データ、
O2飽和データのいずれか1つ以上を含み、前記1つ以上のユーザセンサが心拍数センサ
、湿度センサ、サーミスタ、流れセンサ、酸素濃度計のいずれか1つ以上をそれぞれ備え
ている、請求項79~80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記コントローラが、エンタテインメントコンソールへ前記生理的なデータを通信する
ように構成されている、請求項70~81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
加熱要素をさらに備え、かつ前記コントローラがエンタテインメント信号に応答して前
記誘導された空気の流れの温度を設定するために該加熱要素を制御するように構成されて
いる、請求項70~82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記エンタテインメント信号が、エンタテインメントコンソールから前記コントローラ
によって受信される、請求項83に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は保護及び/又は感覚刺激などの1つ以上の呼吸影響に関する。例えば、本技術
はデバイス又は装置、及び清浄空気を提供するに際してそれらの使用に関わりうる。また
、本技術はデバイス又は装置、及び感覚刺激を提供するに際してのそれらの使用にも関す
る。
【背景技術】
【0002】
空気は、屋内であれ屋外であれ、人体にとって有害又は望ましくない可能性がある粒子
を含むことがある。これらの粒子は大抵目に見えないものでかつ粒子が存在していたこと
を知らずに個人によって吸い込まれることがある。これらの粒子はなかんずくガス、臭い
、バクテリア、アレルゲン、及びウイルスの形態で到来しうる。このような粒子は傷害を
引き起こし、呼吸疾患を生じさせ、一般的な不快感を引き起こし、かつアレルギー性反応
さえも誘発する可能性がある。ある特定の職業が他の職業よりも多くの有害粒子を含有す
る環境内に個人を置くことがありうる。すべての個人が有害粒子を不注意に吸い込むこと
がありうる一方、有害粒子にされされることがより多いこれらの職業に従事している作業
者は、粒子が引き起こしうるマイナスの影響をより受けやすい。
【発明の概要】
【0003】
本技術の幾つかのバージョンは、ユーザに清浄化空気を提供する装置を含む。該装置は
流れ発生器を備えてよく、該流れ発生器は濾過された空気の流れを発生するように構成さ
れる。前記装置は前記流れ発生器に連結されたユーザ・フロー・インターフェース(例え
ば、個人用立体呼吸インターフェース)を含んでよい。該個人用立体呼吸インターフェー
スは前記流れ発生器用の吹出口を備えてよい。前記個人用立体呼吸インターフェースはユ
ーザの周囲呼吸近接域内の空気の流れを誘導するように構成されてもよい。
【0004】
場合によっては、前記装置はフィルタを含む流れ発生器への空気吸込口を含んでよい。
該フィルタは吸込口を通って吸い込まれた空気から粒子を除去するように構成されてもよ
い。前記フィルタは吸込口を通って吸い込まれた空気から揮発性ガス及び臭いを除去する
ように構成されてもよい。フィルタは吸込口を通って吸い込まれた空気からバクテリアと
ウイルスを除去するようにさらに構成されてもよい。前記フィルタはHEPAフィルタ、
エレクトレットフィルタ、イオナイザー清浄器、熱力学殺菌フィルタ、能動型炭素フィル
タ及び触媒酸化フィルタのうちいずれか1つ以上であってよい。
【0005】
場合によっては、前記個人用立体呼吸インターフェースは、ユーザの周囲呼吸近接域を
清浄化されていない環境空気から分離するためにエアカーテン内に誘導された空気の流れ
を生成するように構成された1組の分散空気吹出口を備えてよい。前記個人用立体呼吸イ
ンターフェースは、ユーザの周囲呼吸近接域内の誘導された空気の流れを清浄されていな
い環境空気から分離するために空気遮蔽を生成するように構成された1組の空気吹出口を
さらに備えてもよい。空気吹出口のその1組は、ハニカム構造を有する層流化ノズルを備
えてよい。前記個人用立体呼吸インターフェースの幾つかのバージョンは、空気吹出口の
付加的な1組をむ。該空気吹出口のこの付加的な1組は、ユーザの周囲呼吸近接域を清浄
化されていない環境空気から分離するために1つ以上のエアカーテンを生成してよい。
【0006】
本技術の幾つかのバージョンでは、前記個人用立体呼吸インターフェースは、スカーフ
、シャツ、シャツカラー、眼鏡、バイザー、ゴーグル、ネックレス、帽子、ヘッドセット
、リストバンド、手袋などのファッションアクセサリを備えてよい。前記個人用立体呼吸
インターフェースは、空気の流れを導くためにユーザ・フロー・インターフェースの長さ
に沿って複数の吹出口を備えてよい。
【0007】
本技術の一形態は、顔面接触を持たないで空気をユーザに提供する個人用立体呼吸イン
ターフェースを備える。該個人用立体呼吸インターフェースは、頭部接触を持たないでユ
ーザに空気を提供してもよい。
【0008】
本技術の一形態は、プレブロワ・フィルタ、ブロワ及びポストブロワ・フィルタを含む
流れ発生器を備える。該ブロワはモータとインペラを含んでよい。該流れ発生器はまた、
多段ブロワを含んでよい。前記流れ発生器はバッテリ動作に対応するように構成されても
よい。前記流れ発生器はバッテリ電源を含んでよい。
【0009】
本技術の幾つかのバージョンでは、前記装置は並列流れ構成において又は直列流れ構成
においてを複数のインペラを備えてよい。
【0010】
本技術の一形態は、コントローラと、アロマディスペンサーとを備える。該コントロー
ラはエンタテインメント・トリガ信号に応答してアロマディスペンサーから誘導された空
気の流の中へアロマの放出を選択的に起動するように構成されてもよい。前記コントロー
ラはエンタテインメント・トリガ信号を無線で受信するための通信用インターフェースを
備えてよい。該アロマディスペンサーは、アロマを含有する交換可能なアロマカートリッ
ジを受容するように適応されてよい。該アロマディスペンサーは、異なるエンタテインメ
ント・トリガ信号に応答して異なるアロマを放出するようにさらに構成されてもよい。該
アロマは臭い粒子及び/又は味粒子を含んでもよい。コントローラは検出された生理的な
データに基づいて前記装置の前記アロマディスペンサーの動作用のエンタテインメント・
トリガ信号を発生するように構成されてもよい。
【0011】
本技術の幾つかのバージョンでは、前記装置は装置の1つ以上の汚染フィルタの動作を
設定するように構成されたコントローラを含んでよい。前記装置は該コントローラと連結
された1つ以上の空気質センサさらに含んでよく、前記コントローラは、1つ以上の空気
質センサからの信号に応答して1つ以上の汚染フィルタの動作を設定するように構成され
ている。
【0012】
本技術の幾つかのバージョンでは、前記装置はコントローラを備えてよい。該コントロ
ーラは前記装置の位置を検出して該位置の検出に基づいて前記1つ以上の汚染フィルタの
動作を設定するために位置センサとともに構成されてもよい。前記コントローラは通信用
インターフェースを含んでよい、かつ前記コントローラは外部気象又は汚染データを要求
及び受信しかつ前記受信された外部気象又は汚染データに基づいて前記1つ以上の汚染フ
ィルタの動作を設定するように構成されている。
【0013】
本技術の幾つかのバージョンでは、前記装置はそれの検出された環境に基づいて自己構
成可能であってもよいコントローラを備えてよい。この点に関しては、該コントローラは
前記ユーザの生理的なデータを検出するように構成された1つ以上のユーザセンサととも
に構成されてもよい。前記コントローラは、前記1つ以上のセンサからの信号に基づいて
前記装置の動作を設定するように構成されてもよい。前記生理的なデータは、心拍数デー
タ、発汗データ、温度データ、ブレス流量データ、O2飽和データのうちの任意の1つ以
上を含んでよい、そして前記1つ以上のユーザセンサは心拍数センサ、水分センサ、サー
ミスター、流れセンサ、酸素濃度計のうちの任意の1つ以上をそれぞれ備えている。前記
コントローラは、前記生理的なデータをエンタテインメントコンソールへ通信するために
通信用インターフェースを含んでよい。
【0014】
本技術の幾つかのバージョンでは、コントローラは前記流れ発生器の動作を制御するよ
うに構成されてもよい。前記装置は外部プログラミング可能携帯処理デバイスとデータを
送受信するために通信用インターフェースをさらに備えてもよい。
【0015】
場合によっては、前記装置は液滴発生器を備え、前記装置のコントローラは前記誘導さ
れた空気の流れ内へ液滴を注入するために該液滴生成器を制御するように構成されている
。前記コントローラはエンタテインメント信号に応答して前記液滴を注入することができ
る。前記装置は外部エンタテインメントコンソールから前記エンタテインメント信号を受
信しうる。前記液滴は水であってもよい。
【0016】
場合によっては、前記装置は少なくとも1つの加熱又は冷却要素を備え、前記装置のコ
ントローラは、該加熱要素又は冷却要素の動作を設定することで前記誘導された空気の流
れの温度を変化させるように構成されている。前記装置はエンタテインメント信号に応答
して前記温度を変化させる。前記装置は外部エンタテインメントコンソールから前記エン
タテインメント信号を受信する。
【0017】
場合によっては、前記装置は前記個人用立体呼吸インターフェースの向きを検出し/又
は風向と風速を検出するように構成された1つ以上のセンサを含んでよい、前記装置のコ
ントローラは該センサからの信号に基づいて前記装置の動作を調節するように構成されて
いる。前記1つ以上のセンサは風を検出する風力計と個人用立体呼吸インターフェースの
向きを検出する加速度計を含んでよい。前記装置は前記検出された風及び/又は前記個人
用立体呼吸インターフェースの向きに基づいて前記流れ発生器の動作の変化を制御するよ
うに構成されたコントローラを含んでよい。前記動作の変化は流れ方向の変化と流速の変
化のいずれか片方を含んでよい。前記装置は検出された接近風の関数として最適な空気ノ
ズルの向き及び/又は空気流速を判定するように構成されてもよい。
【0018】
前記技術の幾つかのバージョンは、空気をユーザに提供するための装置を含む。該装置
は流れ発生器を含んでよい。該流れ発生器は空気の流れを発生するように構成されてもよ
い。前記装置は前記流れ発生器と連結された個人用立体呼吸インターフェースをさらに含
んでもよく、前記個人用立体呼吸インターフェースは前記流れ発生器用吹出口を備え、前
記個人用立体呼吸インターフェースはユーザの周囲呼吸近接域内で前記空気の流れを誘導
するよう構成されている。前記装置はコントローラと感覚粒子ディスペンサーとをさらに
含んでもよい。前記コントローラと感覚粒子ディスペンサーはエンタテインメント・トリ
ガ信号に応答して前記ディスペンサーから前記誘導された空気の流れの中へ感覚粒子の放
出を選択的に起動させるように構成されてもよい。
【0019】
勿論、前記態様の部分は本技術の準態様を形成しうる。また、前記準態様及び/又は態
様の様々なものが様々な方法で組み合わされてもよいし、また本技術の付加的な態様又は
準態様を構成してもよい。
【0020】
本技術の他の特徴は、以下の詳細な明細書、要約書、図面及び請求項に包含されている
情報を考察することから明らかになるであろう。
【0021】
本技術は、添付図面の各図の中に、一例として図示されているものであり、限定によっ
てではない、図中では同様の参照符号は同様の要素を指し、以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本技術の幾つかの態様に係る実施例清浄空気システム及びエンタテインメントシステムのを示すフローチャートである。
【
図3A】本技術に適したブロワの等角投影例である。
【
図3B】本技術の幾つかの実施形態に適した混合チャンバ内のブロワの一例である。
【
図4】本技術の幾つかの実施形態に適した単段ブロワの一例である。
【
図5A】本技術の幾つかのバージョンに適したデュアル・ステージ・ブロワの一例である。
【
図5B】本技術の幾つかの実施形態に適した3段ブロワの一例である。
【
図6】本技術の幾つかの実施形態に適した軸流ブロワの一例である。
【
図7A.7B.7C】本技術の幾つかのバージョンに適した多段ロータ及び該多段ローターから形成されてもよい軸流ステージの例である。
【
図8A】本技術の幾つかの実施形態に適した遠心多段アキシャルの断面図である。
【
図8B】本技術の幾つかの実施形態に適した遠心多段軸流ブロワの一例である。
【
図9A.9B.9C】本技術の幾つかのバージョンに適した遠心多段軸流ブロワと互換性があるロータの一例の図である。
【
図10A.10B】本技術の幾つかのバージョンに適した外側ハウジングの一例の図である。
【
図11A.11B】本技術の幾つかのバージョンに適したモータハウジングの一例の図である。
【
図12】本技術の幾つかの実施形態に適したエアカーテンシステムの一例である。
【
図13】本技術の幾つかのバージョンに適したアロマを送達するためのシステムを示すフローチャートである。
【
図14】本技術の幾つかの実施形態に適した流れ発生器デバイスの概略図の一例である。
【
図15】本技術の幾つかの実施形態に適した感覚刺激剤注入デバイスを有する流れ発生器デバイスの概略図の一例である。
【
図16】本技術の幾つかのバージョンに適した空気送出用の眼鏡をユーザ・フローインターフェースの一例である。
【
図17】本技術の幾つかの実施形態に適した空気送出用ヘッドセットを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図18】本技術の幾つかの実施形態に適した送出ノズルの図示である。
【
図19】本技術の幾つかのバージョンに適した空気の送出及び除去用ヘッドセットを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図20】本技術の幾つかの実施形態に適した空気送出用の自己調節可能/再位置決め可能グースネックの一例である。
【
図21】本技術の幾つかのバージョンに適した空気の送出が対象にされてもよいゾーンの一例である。
【
図22】、本技術の幾つかのバージョンに適した隠れた布インターフェースの図示である。
【
図23】本技術の幾つかの実施形態に適した隠れた布地インターフェースの側面図である。
【
図24】本技術の幾つかのバージョンに適したスカーフの中に収容された隠れた布地インターフェースの図示である。
【
図25】本技術の幾つかの実施形態に適した空気の送出用ハットを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図26】本技術の幾つかの実施形態に適した空気の送出用ストラップを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図27】本技術の幾つかの実施形態に適した手袋を含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図28】本技術の幾つかのバージョンに適したカラー、シャツ、ゴーグル、及びマスクを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図29】本技術に適した2つのノズル分注(dispensing)設計の図示である。
【
図30】本技術の実施形態に適した空気流の位置及び強さを調節するための風力計の図示である。
【
図31】本技術の一実施形態を示す空気供給の散布図である。
【
図32】本技術の実施形態に適したユーザのサジタルビュー及びユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図33.34】本技術の実施形態のための供給質量の割合シミュレーションの図示である。
【
図35】は、本技術の幾つかのバージョンにおけるコントローラの一例を示す。
【
図36A.36B】本技術の実施形態に適した受動型清浄空気システムの図示である。
【
図37A.37B】本技術の実施形態に適したコンパクトブロワの図示である。
【
図38】本技術の実施形態に適した受動型フィルタの図示である。
【
図39】本技術の実施形態に適した清浄空気サーバーシステムのブロック図を示す。
【
図40】本技術の幾つかのバージョンに適したハイドレーション・バックパックを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図41】本技術の幾つかのバージョンに適したノーズクリップを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図42】本技術の幾つかのバージョンに適したマウスピースを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図43】本技術の幾つかのバージョンに適したスポーツバンドを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図44】本技術の幾つかのバージョンに適したスライド式マスクを含むユーザ・フロー・インターフェースの図示である。
【
図45】本技術の幾つかのバージョンに適した直列に連結された1段以上から構成されるブロワの例示的なファン曲線の表である。
【
図46】本技術の幾つかのバージョンに適した直列及び/又は並列に連結された1段以上から構成される様々なブロワの例示的なファン曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本技術がさらに詳細に記載される前に、本技術が本明細書に記載される特定の実施例に
限定されないことが理解されるべきであり、これらの特定の実施例は変更されうる。この
開示に用いられている用語が本明細書に論述される特定の実施例を説明することを目的と
して、かつ限定することを意図していないことがまた理解されるべきである。
【0024】
4.1 概要
一形態において、本技術は清浄化空気などの空気を、ユーザに提供することを目的とし
ている。ユーザのニーズに応じて、ある特定の装置は清浄化空気の流れを提供するの使用
されてもよい。例えば、
図1の清浄空気システム(CAS)101はフィルタ103、及
び空気などの、加圧呼吸ガスをチューブなどの、空気送出導管1604を介して、ユーザ
へ供給するための流れ発生器1603を含んでよく、ユーザへ空気を出力することができ
るユーザインターフェース104に至る。
【0025】
場合によっては、本技術はより没頭型の「4次元」(4D)エンタテインメント体験を
提供するように実装されてもよい。このようなシステムは、視覚と聴覚を越えた感覚体験
を提供することができる。例えば、該システムは臭い、接触、又は味の刺激を通じてエン
タテインメントを提供することができる。また、システムはユーザに対して湿度と温度の
変化を提供することができる。
図1の実施例エンタテインメントシステム102は、例え
ば、CAS101用に実装されているようなものである、フィルタ103に連結された流
れ発生器1603を含んでよい。しかしながら、ユーザ・フロー・インターフェース10
4及び空気流れ発生器1603はまた、感覚モニタリング及び刺激部105に連結されて
もよい。該感覚モニタリング及び刺激部105は、エンタテインメント(例えば、映画、
ゲーム、広告、その他)の形態と連動したようなユーザの体験を操るようにユーザ・フロ
ー・インターフェース104に提供される空気に適応するように実装されてもよい。
【0026】
幾つかの実施例では、本技術のシステムはユーザに空気の流れを提供する前にその空気
の流れから粒子を濾過するためにフィルタ103を採用してもよい。フィルタ103は揮
発性ガスとともに臭い、バクテリア、及びウイルスを周囲空気から除去する能力を有して
もよい。該フィルタを通過した空気は次いでユーザに提供されてもよい。該フィルタはシ
ステムに容易に設置することができかつシステムから容易に取り除くことができるカート
リッジの形態であってもよい。異なるフィルタがユーザのニーズに応じて異なる濾過方式
を提供してもよい。例えば、幾つかのフィルタが臭い除去をもたらすものであれば、一方
他のカートリッジがバクテリア除去をもたらすものであってもよい。幾つかの実施例では
、多重フィルタ103が利用されてもよい。例えば、プレフィルタが流れ発生器1603
の吸込口に、かつ一次フィルタが流れ発生器1603の吹出口に設置されてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、ユーザ・フロー・インターフェース104は、エアカーテンの
生成によって空気をユーザに送達することが意図されている。該エアカーテンは周囲環境
を2つの別個の環境、内部環境と外部環境に分割してもよい。該内部環境は、清浄化空気
又は粒子、香り、湿度、温度、などの制御された感覚特性を有する空気がユーザの気道ま
で送達されることを可能にしてもよい。オプションとして、CAS101のユーザ・フロ
ー・インターフェース104は、衣類(例えばスカーフ又はタートルネックセータ)の品
目の中に隠されてもよい。その代りに、それは医療器具ではなくファッションアクセサリ
のように視覚的に見えるようにカモフラージュされてもよい。ユーザ・フロー・インター
フェース104は、顔又は頭との接触を回避又は排除するように実装されることができる
。そこで、典型的にはユーザの顔に対して形成されるシールはないであろう。従って、ユ
ーザ・フロー・インターフェース104は、ユーザの視線との干渉を最小限に抑えること
ができるであろう(すなわち、ユーザの視線から外れることができる)、かつ第三者の目
にとまりやすいものにはならないであろう。
【0028】
センサは、周囲風状態及び汚染レベルなどの、周囲環境を感知するために、ユーザ・フ
ロー・インターフェース104又は流れ発生器1603上に又はそれらに接近して位置し
てもよい。また、センサは心拍数や体温などの健康指標を測定できるものであってもよい
。センサによる情報読み取りはリアルタイムにログされ、また後で再現されてもよい。こ
れらのセンサは、流れ発生器1603と同じ又は異なるハウジング内に収納されてもよい
。CAS101のユーザ・フロー・インターフェース104と同様に、センサは衣類(例
えばスカーフ又はタートルネックセータ)の品目の中に隠れていてもよい。その代りに、
センサは医療器具ではなくファッションアクセサリのように視覚的に見えるようにカモフ
ラージされてもよい。センサは、顔又は頭と不必要な接触をしてはならない。それに応じ
て、センサはユーザの視線を制限してはならない。
【0029】
情報はセンサから又はオンラインリソースから受信されてもよい。このような情報はス
マートフォン、オンラインプロファイル若しくは他のインターネット接続バイスを介して
などフィードバックをユーザに提供するために利用されてもよい。一実施例において、シ
ステムはその日に要求される濾過の強さを評価するために天気予報又はローカル空気質イ
ンジケータを調べてもよい。また、センサによって受信された情報は、ある特定のパラメ
ータを調節するユーザのために警告をシステムに自動的に調節又は提供させるために利用
されてもよい。例えば、風力計及び加速度計は、エアカーテンの指向角又は空気速度を調
節することによってユーザ・フロー・インターフェース104 及び/又は流れ発生器1
603にそれらの動作をリアルタイムに修正させるために使用されてもよい。センサによ
って記録された情報はまた、フィルタを交換すべきときにユーザに通知するために使用さ
れてもよい。例えば、臭い除去用のフィルタはシステム内にあるかもしれないが、花粉除
去用のフィルタは高い花粉読み取りの理由で推奨されてもよい。従って、システムはフィ
ルタを取り換えるようにユーザに通知することができる。
【0030】
本技術の幾つかの実施形態では、感覚モニタリング及び刺激部105は、利用されても
よい。感覚モニタリング及び刺激部105は、ユーザ・フロー・インターフェース104
に対して空気によって実施されるて物理的効果を発揮するために香りカートリッジあるい
は他の感覚カートリッジをを含んでよい。これらの香り及び感覚カートリッジは、容易に
交換可能であってよい。また、カートリッジは、異なる香り、触感、及び温度を有する発
射可能(projectable)な物質を含む多種多様な刺激剤を含有してもよい。こ
れらの発射可能な物質は、任意の粘度、空気/水分比率、水分含有量、又は粒子サイズの
もであってよい。
【0031】
流れ発生器1603は、手頃な、持ち運び式ユニットとして構築されてもよい。それに
応じて、流れ発生器1603は、小型、軽量、及びバッテリ駆動としてもよい。流れ発生
器1603は、ユーザの身体に着用又は装着されてもよい。それはまたユーザのベルト又
はユーザの腕に着用されたストラップに取り付けてもよい。本技術の幾つかの実施形態で
は、フィルタ103、センサ、感覚モニタリング及び刺激部105、及び流れ発生器16
03を同じ若しくは異なるハウジング内に収納することができる。空気送出導管1604
はまた、流れ発生器をユーザ・フロー・インターフェース104に連結するものであり、
てハウジングの内部若しくは外部に収納されてもよい。
【0032】
幾つかの実施例では、流れ発生器1603は使用、気象、及び周囲状態に関するデータ
をアップロード/ダウンロードするために無線連結性を有してもよい。また、流れ発生器
1603からのデータは、自己機能性を定量化する前に記録されてもよい。ユーザによっ
て吸い込まれる清浄化空気の量は記録されてもよく、かつ使用されたフィルタカートリッ
ジ/アロマカートリッジ/感覚粒子カートリッジの予測残寿命が記録されてもよい。
【0033】
本技術の幾つかの実施例では、4Dエンタテインメントシステムは、Sony(登録商標)のPlaystation(登録商標)、Microsoft(登録商標)のXbox(登録商標)、若しくはBlu-ray(登録商標)プレイヤー若しくはSmartTVのような他のメディアプレイバックデバイスなどの任意のゲームコンソールと連結されてもよい。これらのデバイスへの接続は、無線又は無線接続を介してであってもよい。この4Dエンタテインメントシステムは、データをこれらのデバイスへアップロード及び/又はダウンロードしてもよい。
【0034】
4.2 流れ発生器
4.2.1 緒言
清浄空気システム(CAS)及び4Dエンタテインメントシステムは両方とも空気をユ
ーザに提供するためにエアカーテンを生成してもよい。エアカーテンシステムは典型的に
は代表的なマスクインターフェースから提供される気道陽圧(PAP)療法から提供され
る量よりも著しく高い空気流量を要求する。周囲空気圧力に対する、陽空気圧がエンクロ
ージャの外部から空気の侵入を防止するためにエアカーテンによって維持されたエンクロ
ージャ内に維持されてもよい。典型的にはこのような陽圧は、低い陽圧で十分でありうる
ので、PAP療法によってユーザの顔において達成されるよりも低くてもよい、これに対
してPAP療法にとっては圧力はユーザの気道を開けかつ開状態に維持するのに十分なも
のでなければならない。
【0035】
エアカーテンを生成するシステムによって提供される空気の流れは、高い流量において
空気を提供することができる。加えて、ブロワ全体にわたる要求圧力(すなわちブロワの
吸込口からブロワの吹出口までの圧力利得)は大きくなりうる。例えば、ブロワがシステ
ム内の圧力損失に打ち勝つ必要が依然ありうる。例えば、空気圧力は、空気の流れがフィ
ルタ103、空気送出導管1604、ユーザ・フロー・インターフェース104及びそれ
らの間のコネクタのうちの1つ以上を通って移動するのでブロワの吹出口とユーザの顔と
の間でかなり低下しうる。ブロワの吹出口とユーザの顔との間の圧力差は、空気圧経路(
例えば横断面形状及び面積、経路の長さ)の幾何形状、使用されたフィルタの形式、及び
使用されたフィルタ寸法を含むがこれらに限定されない、複数の他のパラメータの基づい
てさらに変わりうる。
【0036】
このようなわけで、ユーザの顔における陽空気圧を生成しながら高い流量を発生する流
れ発生器1603が望ましい。従って、ある特定のモータ及びブロワが、他のものよりタ
スクにより適合している。
【0037】
4.2.2 モータ・ブロワ
ブロワは直列多段を有するように構成されてもよい。すなわち、1つのブロワステージ
がもう1つのブロワステージから出る空気の流れを受け取るように構成される。このよう
な構成を有することによって、空気の流れの圧力が増大しうるが、同じ流量が維持されう
る。このようなブロワの例としては、PCT特許出願WO2013020167及びWO
199806449に開示されたものが挙げられるが、2段、3段、4段以上のデザイン
で構成されたブロワを開示している。
【0038】
多段直列で構成されたブロワは、その目的が、患者インターフェースにおいて最大30
cmH
2O(水柱)を提供することによるなど、ユーザの気道を開けるのに十分な圧力を
提供することにあるPAP用途に一層好適でありうる。ブロワは典型的には回転運動をも
たらすモータを備えており、またモータの最大回転数がモータの設計の一環として予め決
定されていることが多い。そこで、所望の空気圧力を達成するために、ブロワの追加段を
直列に導入して同じ回転数で空気圧力を増大させるようにしてもよい。
図45は46.8
kRPMにて回転するブロワの代表的なファン曲線であり、所定の回転数(例えば、モー
タ)用のブロワから出る空気流の圧力を増大させるために直列に連結された1段以上を備
える。
図45を見て分かるように、追加段が直列に導入されているので、たとえブロワの
回転が増大しなくても空気圧力を増大させることができる。
【0039】
より大きな流量が望ましい用途には、直列ブロワ配置が適さないことがある。例えば、
流量がPAPデバイスの典型的な、又は最大予測流量を超える場合、後述されるようによ
り低い圧力特性の場合にはエアカーテン配置が実装されてもよい。また、マスク及び通気
孔(例えば連続通気孔又は可変に構成された通気孔)を備える空気濾過システムはより高
い流量を要求することがある。目をさましているユーザの方が、睡眠中のPAPユーザと
比べて1回の呼吸量がより多くなるからである。ユーザが適度な運動(例えばウオーキン
グ、バイク乗り、ゴルフ)などの身体活動を行っているならば、ユーザの1回の呼吸量は
さらにより多くなりうる。また、作業者はより多い1回の呼吸量を必要としうる、及び作
業者は建設現場のような潜在的に汚染された環境の中で作業している場合がある。エアカ
ーテン配置内では提供される圧力は、PAP療法を受けている患者に提供されるものより
も遥かに低い。空気圧を介して人の気道を開ける必要があるPAPデバイスというよりも
むしろ、気流(air-current)配置から離れた圧力は、空気侵入を防止するた
めに周囲に対する陽圧において濾過空気を提供することだけを必要とする。
【0040】
図46は、所定の回転数(例えば、モータ)用のブロワから出る空気の流れの流量を増
大させるために並列に実装された多段ブロワなどの、様々なブロワ実装の代表的なファン
曲線である。
【0041】
図46は、所定の流量(例えばグラフにに示されるように50リットル/分)、直列連
結されたブロワの追加段の導入は、ブロワ吹出口における圧力をかなり増大させるが、こ
れに対してブロワの追加段が並列に連結されている場合には、ブロワ吹出口における圧力
は、ほとんど変化しないままであることを示している。並列に連結されたブロワの追加段
の導入は、所定の圧力(例えばグラフに示されるように15cmH2O)についてはブロ
ワ吹出口における流量を増大させる。これに対して直列連結されたブロワの追加段は、ブ
ロワ吹出口における流量に大幅な影響を及ばさない。したがって、並列に連結されたブロ
ワは、圧力増を伴なわずにより大きな流れが提供されるのでエアカーテン配置にとってよ
り有益になりうる。
【0042】
空気濾過用途に適したブロワの一実施例は、並列の複数段を備えかつ
図2に示されるよ
うに単一軸によって駆動されるブロワでありうる。このようなブロワは第1の端部におけ
る第1の吸込口201と、第2の端部における第2の吸込口202、シャフト205とを
備えてよい。該シャフト205は、第1のインペラ203と第2のインペラ204に固定
結合されてもよい。該第1のインペラ203と第2のインペラ204はシャフト205に
よって駆動されてもよい。ブロワはまた、増大した圧力において第1の吸込口201と第
2の吸込口202によってそれぞれ受信された空気の流れを送出するために第1の及び第
2の吹出口(図示せず)を備えてもよい。高流量低圧力の適用内で、スクロール吹出口が
使用されてもよい。スクロール吹出口は効率向上をもたらしうる、それによってバッテリ
をベースにした使用に対しては電力消費量削減を可能にする。また、スクロール吹出口は
、小型化が梱包において達成されることを可能にしうる。
【0043】
図3Aは、並列2段を有するブロワ300のアイソメ概略図を示す。該ブロワは2段3
01及び302及びモータ307をを有してもよい。空気は2つの吸込口303及び30
4から吸い込まれかつ2つの吹出口305及び306を通って押し出されてもよい。ブロ
ワから出る空気の流れは、幾つかの実装では、1つの流れを形成するように組み合わされ
てもよい、その代りに、例えばユーザの異なる部位に導かれるように別々のままでもよい
。幾つかの形態では、エアカーテン式デバイスは、エアカーテンを提供する吹出口と呼吸
のためにユーザに新鮮な空気の流れを提供する吹出口など、多段吹出口を備えてよい。こ
のような形態では、第1の吹出口からの空気の流れがエアカーテンの流れを提供すること
ができ、かつ第2の吹出口からの空気の流れがユーザに新鮮な空気の流れを提供すること
ができる。
【0044】
別の実施例では、ブロワは
図3Bに示されるように、個別の吹出口から下流にを混合チ
ャンバを備えてよい。該混合チャンバ310は、ブロワ300を収納してもよく、またブ
ロワ・ステージ301及び302から複数の流れを受け取り、かつ複数の流れを結合して
1つの空気の流れを形成する。ブロワ・ステージ301及び302に提供された空気は、
混合チャンバ内の吸込口311を通って受け取られてもよい。該1つの空気の流れが、吹
出口312を通って出力されてもよい。幾つかの形態では、混合チャンバはマフラーとし
て機能するように構成することによるなど、発生した騒音の量を低減するよう構成されて
もよい。該混合チャンバは、1つ以上の音響発泡体、ヘルムホルツ(Helmholtz
)チャンバー、及びバッフル、その他を備えてもよい。混合チャンバはトーンノイズ及び
/又はブロワによるノイズ出力低減するように構成されてもよい。
【0045】
エアカーテンを提供するのに適したモータの別の適した実施例は、
図4に示されるよう
な単段ブロワであってもよい。該単段ブロワはモータ405、高さと半径との間の比較的
に小さいアスペクト比を有するシングル・インペラベーン402、シャフト403、吸込
口401、及び吹出口404を備えてよい。幾つかの実施形態では、インペラは、所定の
回転数においてブロワを通って流れつつある空気の大容積流量を送出するために、インペ
ラの半径の一部分より大きな高さを有してもよい。
【0046】
前述した通り、マルチプル・ブロワステージを有するモータが使用されてもよい。
図5
Aと
図5Bは、マルチプル・ブロワステージを有するモータを示す。
図5Aは、2段ブロ
ワを示し、
図5Bは3段モータを示す。このようなブロワは吸込口501、吹出口504
、シャフト502及びモータ503を備えた遠心ブロワであってもよい。同様なブロワの
実施例が、PCT特許出願第WO2013020167号により詳細に記載されている。
このようなブロワは、直列に配置されたブロワステージを含み、また従って、同様に 構
成された直列ブロワステージを備える配置と比較して、吹出口において要求される圧力が
比較的に高い、用途に適していると思われる。
【0047】
図6に示されるように、軸流ブロワは本出願に適していると思われる。軸流ブロワは遠
心ファンと比較して典型的には比較的に低い圧力に対して高い量を発生させることができ
る。
図6に示されるように、軸流ブロワはモータシャフト602に結合されたロータ60
3と、ロータを取り囲みかつステータベーンを備えるブロワハウジング601とを備える
。ブロワは、複数のステージ604を備えてよい、その各々は1つ以上の別個の構成要素
上に位置していてもよい、あるいは複数のステータ又はロータステージは単一の構成要素
上に位置していてもよい。以下に示されるように、軸方向に分離している。
【0048】
図7Aは、
図6に示される軸流ブロワと互換性のあるロータの一実施例である。多段ロ
ータはモータと結合するための軸方向レセス703を含む単一の、成型された本体703
に形成されてもよい。マルチプル・ロータステージは、ロータの単体に一体形成されてい
る。一体形成された単体ロータは製造コストを低減でき、部品数を低減でき、かつ製造公
差をも低減し得る。各ステージ702は、互いに軸方向に整列されるようにかつ同じ幾何
形状に示されている。
図7B及び
図7Cは、
図7Aのロータによって形成されてもよい軸
流ステータ・ステージを示す。ロータ・ステージ704は、軸流ステータ・ステージ形成
するようにブロワハウジング705と整列してもよい。幾つかの形態では、ステージは軸
方向に整列される必要がないし、また各個別のステージは別のステージとは異なる配置に
なっていてもよい。
【0049】
好適なブロワの別の実施例は、
図8A及び
図8Bに示されるように、遠心ステージ及び
軸流ステージの両方を備えるものでもよい。
図8A及び
図8Bに示されるように、ブロワ
は第1のステージとして遠心ステージ801を備えてよい。遠心ステージから空気が2つ
の軸流ステージ802及び803を通ってブロワ内に形成された環状経路に沿って下流に
移動しうる。該構成は、ある特定の実施例に適合するように空気流に対して圧力増及び流
れ増の組み合わせをもたらしうる。
【0050】
吸込口に向けて位置決めされた上部に遠心ステージを備える、ロータが
図9A~
図9C
に示されている。該ロータはインペラブレード903及びインペラ・シュラウド・ディス
クを備えてよい。また、ロータは軸流ブレード902がその上に形成されている軸方向に
延びる壁901を備えてよい。該軸方向に延びる壁はまた、そこを通って空気の流れが移
動する環状流れ経路の一部を形成する。該形態におけるロータはまた、円形キャビティ9
04を備えてよく、それを介してロータがモータに結合されている。
【0051】
図10A及び
図10Bは、内壁付き外部ハウジング1001の第1の半分を示す。ステ
ータベーン1002は、内壁上に形成されてもよい。該外部ハウジング1001は、ブロ
ワの遠心ステージ及び軸流ステージ用のステータベーン1002が両方とも直線壁上に形
成されるように構成されている。このような構造はハウジングの製造可能性を改善しうる
。外部ハウジング1001の2つの半分割の各々が互いに係合するように構成されたキー
及び相補レセスを備えてよい。複数の部分における外部ハウジング1001の構造は、各
部分がステータ・ベーン1002と一体成型されかつ内壁から内側へ突出することを可能
にする。
【0052】
モータはモータハウスとともに収納されてもよい。
図11A及び
図11Bは、モータハ
ウジングの一例を示す。該モータハウジングは、シャフトがそこから突出することができ
るキャビティ1101を含んでよい。また、モータハウジングは空気の流れのための一組
の吹出口キャビティ1104を含んでよい。モータハウジングはまた、モータハウジング
をモータに接続するための接続点1102及び1103を含んでもよい。
【0053】
エアカーテンシステムに使用されてよいモータの別の実施例は、テスラブロワであって
もよい。テスラブロワは、ブロワにスリムプロファイルをもたらしうる薄い平坦なディス
クを有してもよい。したがって、ブロワは容易に隠すことができかつ目立たないようにす
ることができる。テスラ(Tesla)ブロワはブレード無しであるので、テスラブロワ
はトーンノイズ出力を発生させないで作動することができる。
【0054】
4.2.2.1 本技術のためのモータ-ブロワ
上記のブロワの1つ以上は、エアカーテンデバイス、患者インターフェースを備えた空
気濾過デバイス若しくはエンタテインメント・エアシステムなどの本技術の実施例に使用
するのに適したものとしてもよい。
【0055】
適切なブロワの設計及び選定は、システムの意図された使用及び形状又はサイズに応じ
て変えてもよい。ブロワは出力流れ及び/又は圧力を変化させるためにサイズの増大又は
縮小をしてもよい。しかしながら、適切なブロワ構成の設計は、そのユーザに対して目障
りであることを最も少なく提示しかつ電力消費量を最小限に抑えることによってその動作
時間を最大化するであろう本技術用のブロワの設計を可能にするであろう。例えば、直列
で多過ぎるステージを有するブロワは、結果的に実用に供するブロワとしては大き過ぎる
ものになりうる。
【0056】
ブロワがユーザへの空気の流れの送出点より近位に、例えばユーザの肩の上に、位置し
ていてかつ空気送出導管が比較的に大径、例えば19mm内径であれば、低い圧力におい
て所望される流量を提供することができるブロワは十分でありうる。このようなブロワは
単段遠心ブロワ又は多段軸流ブロワであってよい。しかしながら、より高い流量が所望さ
れるならば、遠心ブロワを並列に連結された複数のブロワステージを備えてよい。
【0057】
別の実施例では、ブロワはユーザへの空気の流れの送出点より遠位に、例えばユーザの
腰の上に位置していてもよい。ブロワが狭いチューブによってユーザ・フロー・インター
フェースに連結されているならば、ブロワは高い圧力を提供できることを必要とする。し
たがって、ハイブリッド軸流及び遠心ブロワが適切であるとされてもよい。
【0058】
4.2.3 エアカーテン
エアカーテンは、周囲環境を、内部環境と外部環境の、2つの別個の環境に分割するた
めに発生されてもよい。内部環境はエアカーテンシステム(例えば、ユーザ・フロー・イ
ンターフェース)から到来する空気を実質的に含有するのに対して、外部環境はエアカー
テンシステムを通って行かなかった空気を含有する。周囲空気圧に対して、陽空気圧、又
は等価空気圧は、エアカーテン「エンクロージャ」の外部から空気の侵入を防止するため
にエアカーテンによって維持される内部環境内に維持されてもよい。
【0059】
「エアカーテンシステム」の概略図は
図12に示されている。概略図においてブロワ1
202は空気ダクト1201の近くに位置している。該ブロワ1202は圧力低下を最小
化しかつバッテリ寿命を最大化するために空気ダクト1201の近くに位置している。例
えば、空気圧力は、空気流れがフィルタ1204、導管、及び空気ダクト1201を通っ
て移動するので、ブロワの吹出口と及びユーザの顔との間でかなり低下する可能性がある
。ブロワの吹出口とユーザの顔との間の圧力差は、空気圧経路の幾何形状(例えば横断面
形状及び面積、経路の長さ)、使用されるフィルタの形式、及び使用されるフィルタの寸
法を含むが、それらに限定されない複数の他のパラメータに応じてさらに変わりうる。ブ
ロワ1202及びフィルタ1204は、流れ発生器の一部であってもよい。
【0060】
図12のシステムにおいて、空気ダクト1201は、例えば、長さ25cm及び直径1
9mmであってよい、またブロワ1202はノイズ・エンクロージャ1203内に懸垂さ
れていて、大きな吸込口フィルタ1204をが有している。
図12のシステムは、例えば
150リットル/分の一定の流れ及び例えば12cmH
2Oのブロワ両端の圧力を有して
もよい。推定電力消費量は13Wであってもよい。フィルタ1204、導管、及び空気ダ
クト1201は、圧力損失の原因になりうる。実施例エアカーテンシステムにおいて、空
気ダクト1201は恐らく、例えば、0.25cmH
2Oの圧力損失を有する可能性があ
り、またフィルタ1204は4cmH
20の圧力損失を有する可能性がある。また、各空
気送出導管は0.1cmH
2Oの圧力損失を蒙りうる。したがって、1Wの静止電力を想
定すると、6セルバッテリ(12Whセル容量)は初期状態で4.8時間もたせることが
できるであろう。提供される個数が代表的でありかつ同じ技術を用いた他の個数及び範囲
が可能であることに留意されたい。
【0061】
適正な流れ角は、エアカーテンシステムから空気を提供するに際してより高い効率を発
揮しうる。空気の流量は、エアカーテンシステムのユーザによって吸い込まれる空気の割
合を増加させることに関しては流れ角に比べて余り影響を及ぼさない。
図31に目を参照
すると、0%~90%の範囲に及び、ユーザによって吸い込まれるエアカーテンシステム
によって提供される空気の割合を示すシミュレーションの結果が、Y軸上に提示されてい
る。シミュレーション中に読取り値が様々な角度、距離、及び流量において取られた。図
31に示されるように、Qinletとラベルされた、150リットル/分(秒当たり2
.5メートル)及び300リットル/分(秒当たり5メートル)における2つの流量が使
用された。2つの流量の各々が、空気ダクトなどのユーザ・フロー・インターフェースと
ユーザの鼻孔との間で測定された3つの異なる距離(mm単位)において適用された。こ
れらの距離は
図31内にAnteriorOffset(前方オフセット)とラベルされ
ている。各距離について、鼻孔に対するユーザ・フロー・インターフェースの吹出口の流
れ角の範囲が度単位で測定されかつ流れ角(α)とラベルされてX軸上に示されている。
シミュレーションのすべての測定値が、周囲空気速度は無しで摂氏25度の周囲空気温度
において取られた。
図32は、どのように前方オフセット距離(AnteriorOff
set)と流れ角(α)が測定されたかのサジタルビューを示している。
【0062】
図31の散布図を見ても分かるように、ユーザによって吸い込まれる清浄化空気の割合
に関する意義の優先度は角度(流れ角)、距離(AnteriorOffset)、次い
で流量(Qinlet)である。流れが約40度の流れ角を付けてユーザの気道に向けて
導かれるので、ユーザによって吸い込まれる清浄化空気の割合は大抵のシミュレーション
において60%より高い。
【0063】
50mmの前方オフセットの場合のエアカーテンシステムからの空気の供給が、
図33
に示されている。流れ角が17度でありかつ流量が2.5メートル/秒である。
図33を
見ても分かるように、エアカーテンシステムから供給される空気は、ユーザの鼻孔におい
て約50%である。
図34において、75mmの前方オフセットを有するエアカーテンシ
ステムが示されている。流れ角が30度であり流量が2.5メートル/秒である。
図34
を見ても分かるように、ユーザの鼻孔におけるエアカーテンシステムから供給される空気
は約75%である。
図34において設けられたより高い流れ角は、エアカーテンシステム
からより高い割合の清浄化空気をユーザに供給する。
【0064】
4.3 スマート空気清浄化技術
エアカーテンシステムは、清浄空気システム(CAS)を作成するために使用されこと
ができる。該CASは、濾過された空気をユーザに提供する前に空気から微粒子やガスを
除去するために多段フィルタを備えてよい。CASはまた、周囲空気から揮発性ガスとと
もに臭い、バクテリア、及びウイルスを除去する能力を有してもよい。空気を濾過した後
、CASは次いでユーザ・フロー・インターフェース104を通ってユーザに濾過された
空気を提供してもよい。提供される空気は、少なくとも1つのエアカーテンの形態でよい
。幾つかの実施例では、CASはすべてのデータをディスプレイ上に通信してもよい。C
ASは直接ハウジング上に制御機能を有してもよい。他の実施例では、CASはすべての
データをスマートフォン又はコンピュータプログラムへ通信してもよくかつオンライン・
データベースを介して該データを提示してもよい。CASはまた、スマートフォン、タブ
レット、コンピュータ、その他に表示されたグラフィカル・ユーザインターフェース(G
UI)によって制御されてもよい。
【0065】
図1に示されるように、能動型清浄空気システムは流れ発生器1603、スマート・ク
リーンエア・フィルタリング103、及びユーザ・フロー・インターフェース104を含
んでよい。該流れ発生器は、前述した任意のモータであってもよい、またフィルタとセン
サを含むことができる。CASの実施例実装が
図14に示されている。汚れた空気140
1は最初にプレフィルタ1402を通過されることによって流れ発生器内へ引き込まれて
もよい。該プレフィルタ1402は、モータ1403を損傷させる恐れもある周囲空気か
ら粒子を除去する。該モータ1403は、
図14に示されるように、次いで一次フィルタ
1404を通って空気を押し込んでもよい。該一次フィルタ1404は、周囲空気から望
まれていない微粒子及び/又は揮発物質を除去してもよい。濾過された空気は、次いで清
浄化空気1405としてユーザ・フロー・インターフェース104を通ってユーザへ出力
されてもよい。
【0066】
CASは
図35に示されるように、流れ発生器1603の動作を制御するためにコント
ローラ3501をさらに備えてもよい。該コントローラ3501は、例えば流れ発生器の
流量を調節するとともに流れ発生器によって発生された空気圧力を調節するために使用さ
れてもよい。コントローラ3501は、CASと同じハウジング内に収納されてもよい。
ユーザ・フロー・インターフェース3504は、コントローラ3501を収納しているC
ASと直接結合されてもよい。汚れた空気3503は、次いでコントローラ3501を収
納しているCASを介して濾過されてもよい、また清浄化空気が次いでユーザ・フロー・
インターフェース3504へ送達されてもよい。コントローラ3501は、ユーザに流量
、流れ圧力、流れ温度、及び流れ湿度などのCASの状況を調節させることを許容するた
めにタッチ画面を含んでよい。その代りに、コントローラ3501は、スマートフォン、
タブレット、コンピュータ、スタンドアロンデバイスなどであってもよい、コントローラ
デバイス3502によって作動されてもよい。該コントローラデバイス3502は、ユー
ザにコントローラ3501を遠隔制御させることを許容するためにコントローラ3501
と無線通信してもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、CASはブロワ又はコントローラを必要せずに受動的に動作す
るように構成されてもよい。例えば、
図36Aに示されるように、CASはカートリッジ
ホルダー3690、送出導管3670及びフロー・インターフェース3680を含む送出
システムから構成されてもよい。該カートリッジホルダーは、
図36Bに示されるように
、カートリッジ3620を保持してもよい。該カートリッジ3620は、軽量でありかつ
高い内圧に耐える能力を有する、金属又はプラスティックを含む1種以上の材料から構成
されてもよい。カートリッジ3620は清浄、圧縮空気で充填されてもよく、送出導管3
670を通ってユーザインターフェース3680まで空気を放出しうる。
【0068】
送出システム(図示せず)上の調整弁は、送出導管3670を通ってユーザインターフ
ェース3680までの圧縮空気の流量を制御しうる。このような送出システムは、ブロワ
もコントローラも必要としなくてよいので小型、軽量、及び動作が静かでありうる。幾つ
かの実施形態では、ユーザによって要求される場合、増加気流を提供することによって能
動型CASを補足するために受動型カートリッジ送出システムが使用されてもよい。また
、受動型CASはまた、能動型CASに対するバックアップとして使用されてよい。この
点に関しては弁調節器は能動型CASがもしも作動不能になった場合に自動又は手動で開
放されてもよい。
【0069】
カートリッジ3620は再充填清浄器ベース3610によって圧縮、清浄空気が充填さ
れてもよい。この点に関しては、再充填清浄器ベース3610は空気を濾過し、圧縮し、
及びオプションとして湿らし及び/又は香りを漂わせることができる。カートリッジ36
20は再充填清浄器ベース3610内に、充填口3630の中に設置されてもよい。該充
填口3630は、カートリッジ3620上で、スプリングバルブなどの、弁3625を開
いてもよい。再充填清浄器ベース3610は、次いで濾過され、圧縮され、及びオプショ
ンとして加湿された空気を開いた弁3625を通ってカートリッジ3620の中に注入し
うる。充填口3630からカートリッジ3620を取り外し次第、弁3625は封止して
もよい。カートリッジ3620は、1時間、若しくは、多かれ少なかれ、再充填する必要
があるまで、作動するのに十分な圧縮空気を格納しうる。
【0070】
再充填清浄器ベース3610は、インペラブロワを使用して空気を圧縮してもよい。こ
の点に関しては、インペラブロワは空気を通口3640に吸い込んでもよい。通口364
0は空気がインペラブロワを通過する前に空気から大きな粒子を濾過するためにイニシア
ルフィルタを含んでよい。インペラブロワは、次いで空気を充填キャニスタ3620の中
に押し込んでもよく、またより多くの空気が充填キャニスタの中へ押し込まれるのでその
空気を圧縮する。幾つかの実施形態では、ストラップ3650及びクリップ3660は、
携携帯性のためにべースがユーザ又は他の物体にしっかりと固定されることを可能にする
ために再充填清浄器ベースに取り付けられてもよい。この点に関しては、再充填清浄器ベ
ースはバッテリ又は有線電源を介して電力供給されてもよい。
【0071】
幾つかの実施形態では、インペラブロワは水などの液体を蒸発させうる、1つ以上の加
熱要素を通り越して空気を押し込んでもよい、それによって湿度を空気に加える。他の実
施形態では、湿度はまた再充填清浄器ベース3610内で別個の水ウイックカートリッジ
を介してシステムへ導入されることができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、送出システムはデバイス内に生じうる任意のバクテリア及び/
又は臭いを低減するために抗微生物材料ライニング及び/又は抗微生物小袋を含んでよい
。このような抗微生物材料は、バクテリア及び臭いを吸収するために銀の糸、メリノ羊毛
、又は竹炭を含んでよい。このような材料ライニング及び/又は小袋は取り外し可能、交
換可能な、及び/又は洗濯可能としてもよい。エアカーテンシステムは携帯又は装着され
てもよいように持ち運び可能及びコンパクトとして設計されうる。例えば、コンパクトブ
ロワは、
図37Aに示されるように、気流を発生させるためのインペラ3720、空気を
患者インターフェースに送達するための導管730、及びコントローラ、バッテリ、及び
/又はセンサが位置決めされてよいアタッチメント空間3740を含んでよい。加えて、
コンパクトブロワ3710はまた、インペラ3720によって吸い込まれた空中浮遊粒子
を除去するために吸気フィルタ3770を含んでよい。コンパクトブロワはストラップ3
760とともにユーザ又は他の物体に取り付けられてもよい。
【0073】
図37Bを参照すると、コンパクトブロワ3710はストラップ3760を用いてユー
ザの体3790に取り付けられるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、コン
パクトブロワ3710の幅は10mm未満、若しくは多かれ少なかれ、それをポケット3
795内に置ける程度であってよい。ポケット3795内に置かれている状態でコンパク
トブロワ内に空気を吸い込むことができるようにエキステンダーが取り付けられてもよい
。
図37Bにおけるコンパクトブロワ3710を保持するポケット3795の引き延ばし
た図示を参照すると、フィルタ・エキステンダー3775が吸気フィルタ3770に取り
付けられてもよい。そういうものとして、吸気フィルタ3770は空気をエキステンダー
3775を通ってコンパクトブロワ内に吸い込んでもよい。エキステンダー3775はポ
ケットの外側とちょうど内側の境のところに位置している。幾つかの実施形態では、コン
パクトブロワは、導管3730によって導入される流れの障害を低減するとともにユーザ
が頭を動かすときの抵抗を低減するためにユーザの頭の近くに置かれてもよい。
【0074】
エアカーテンシステムが持ち運び可能であってよいので、バッテリ電源によって電力供
給されてもよい。また、ユニットは、ユーザが医療器具を使用しているようには見えない
ように、視界から隠れるか若しくはカモフラージュできるようにすべきである。幾つかの
実施形態では、エアカーテンシステムは、電力使用量を最小限に抑えるためにユーザが吸
い込んでいる間だけエアカーテンを提供してもよい。
【0075】
空気を清浄化するのに利用されるフィルタは、CASの中に容易に設置できかつCAS
から取り外しできるカートリッジの形態で提供されてもよい。異なるフィルタはユーザの
ニーズに応じて異なる方式の濾過を提供してもよい。例えば、臭い除去を提供するフィル
タもあれば、一方ではバクテリア除去を提供するカートリッジもある。幾つかの実施例で
は、濾過効果及び/又は効率を向上させるために多段フィルタ103が利用されてもよい
。各フィルタが異なる種類の汚染物質の濾過を提供するので、マルチタイプのフィルタが
同時に利用されてもよい。幾つかの実施形態では、CASはユーザの環境の中に存在する
微粒子及び/又は揮発物質に基づいて特定のフィルタを介して空気の流れを自動的に制御
するために自己構成可能であってもよい。フィルタは必要とされない若しくはもはや正常
に機能しない場合に容易に交換されてもよい。幾つかの実施形態では、気流に対して全く
無いか若しくは極めて少ない障害しかもたらさない無制限フィルタが使用されてもよい。
【0076】
一実施例フィルタ方式が高効率微粒子エアフィルタ(HEPA Filter)である
。米国政府規格によってHEPAとして資格を得るためには、エアフィルタはHEPAフ
ィルタを通過する空気から0.3μm粒子の99.97%を除去しなければならない。H
EPAフィルタは空気がフィルタを通過するにつれて空気中の粒子を遮断することによっ
て機能する。空気がHEPAフィルタを通過するにつれて、空気中の粒子は繊維に衝突さ
せられて空気から除去される。
【0077】
CASにおいて利用することができるフィルタの別の実施例は分極媒体エレクトレット
フィルタである。大抵の分極媒体電子エアクリーナは、分極電界を確立するために24ボ
ルト電流を安全なDC電圧に変換する。空気中の粒子が電界を通過するにつれて、粒子は
分極されてくる。該分極された粒子は使い捨て繊維媒体パッドに付着する。
【0078】
イオナイザー清浄器は、CAS内で使用されることができる別の方式のフィルタである
。イオナイザー清浄器の使用は、帯電空気又はガスイオンを発生するために電気表面又は
針を帯電させた。これらのイオンは、次いで空気がイオナイザー清浄器を通過するにつれ
て空気中の粒子に取り付く。粒子がイオナイザー清浄器を通過し続けるにつれて、粒子は
帯電集塵板に吸着される。
【0079】
熱力学殺菌フィルタがまた使用されてもよい。該技術は空気を200℃(392°F)
前後まで加熱することができる。空気が加熱されるにつれて、バクテリア、ウイルス、イ
エダニ・アレルゲン、糸状菌及び真菌胞子などの粒子が焼却される。もしかすると最高9
9.9%の微生物粒子を熱力学殺菌フィルタを使用して除去することができる。
【0080】
能動型炭素フィルタがまたCASにおいて使用されてよい。能動型炭素は分子ベースで
揮発性薬品を吸収することができる多孔質材料である。能動型炭素フィルタは空気からオ
イルベーパ、臭い、及び他の揮発性有機化合物を除去するために圧縮空気及びガス浄化に
通常使用される。
【0081】
静電フィルタはまたCASにおいて使用されてもよい。該静電フィルタは材料の多層を
サンドイッチ状に一括はさむことによって機能しうる。空気は次いでこれらの層を通過さ
せてもよい。空気が材料の層を通過するにつれて、空気中の粒子が粒子とフィルタ層との
間の摩擦の結果として帯電されうる。該帯電した粒子は、次いで該帯電粒子とは反対荷電
のものであるフィルタ内の他の層に付着されてよい。
【0082】
写真触媒酸化フィルタシステムはまた、CASにおいて使用するのが可能である。写真
触媒酸化フィルタシステムは有機汚染物質を完全に酸化及び劣化することができる。例え
ば、数百PPM(百万分率)以下などの低濃度の揮発性有機化合物が完全に酸化される見
込みが最も高い。写真触媒酸化フィルタシステムは触媒(通常二酸化チタン(TiO2)
)を能動化させかつバクテリア及びウイルス酸化させるために短波紫外線を使用する。
【0083】
表3は、以下に、フィルタ形式及びそれらのフィルタが効果的に除去しうる汚染物質の
種類の概要を紹介する。
【0084】
【0085】
清浄空気システム(CAS)はまた、システム、周囲の環境、及びユーザを監視するた
めにセンサ及び無線通信装置を収納する。無線通信装置はGPS、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、セルラーデータネットワークなどの形態にすることができる。センサ及び無線通信装置を介して得られた情報を利用することによって、CASは受信されたデータに基づいて事後対応の保護をもたらすことが可能になる。CASはまたユーザの健康及び環境を監視してもよい。
【0086】
対処型保護は、清浄空気システム(CAS)によって提供されてもよい。例えば、CA
Sは表3に掲げているものなどの汚染物質に関してリアルタイム連続的に監視してもよい
。汚染物質が存在しているとCASが判定した場合、システムはユーザに連絡することが
できる。CASはまた、ユーザに対して警告を発するためにセンサから受信された情報を
使用してもよい。このような警告はCAS上に実装されているスマート汚染警告システム
によって発生されてもよい。該スマート汚染警告システムは、可視又は可聴方式でデバイ
ス上のセンサの現在又は履歴的読取り値を投影又は表示するためにPM2.5センサなど
の汚染センサからの読取り値を使用してもよい。そういうものとして、ユーザとともに、
その近くに居合わせた他の人々はそれらの環境における汚染レベルを知らされてもよい。
別の実施例では、CASはユーザの現在位置の空気温度及び汚染物質含有量が呼吸器疾患
などの健康状態を引き起こす可能性がありうることを指摘するために警告をトリガーして
もよい。また、該システムは検出された汚染物質のより効果的な濾過のために濾過強さを
向上させる又はフィルタカートリッジを交換するようにユーザに警告してもよい。
【0087】
その代りに、CASはセンサ読取り値に基づいて濾過を自動的に調節してもよい。清浄
空気システムは、フィードバック・ループにおいてコントローラと結合された1つ以上の
空気質センサを実装してもよい。コントローラは1つ以上の空気質センサからの信号に応
答して1つ以上のフィルタの動作を設定するように構成されることができる。例えば、空
気質センサが多量の花粉を感知するならば、コントローラは花粉を除去するのにどの方式
のフィルタが効果的であるかを判定することができる。HEPAフィルタが花粉を除去す
るのに効果的であるので、コントローラはCASにHEPAフィルタを介して空気の濾過
を開始させることができる。その代りに、コントローラは花粉カウントが高いこと及びH
EPAフィルタが使用されるべきであることをユーザに通知することもできる。CASは
また、ユーザが汚染された区域にかなり長時間いたこと及びよりクリーンで、汚染されて
いない区域を探すべきことをユーザに警告することもできる。
【0088】
コントローラはまた、オンライン・データベース及び情報にアクセスするためにGPS
センサ及び無線通信装置(例えばWi-Fiアンテナ及びモジュール)などの位置センサ
とともに構成されてもよい。例えば、コントローラは、GPSを使用してユーザの位置を
検出してもよい。位置データに基づいてコントローラ無線通信装置を利用して区域におけ
る既知の汚染物質のデータベースにアクセスしもよい。コントローラが区域における位置
及び汚染物質を判定した後、コントローラは供給された空気から当該汚染物質を除去する
ためにCASの1つ以上のフィルタの動作を設定することができる。あるいはまた、コン
トローラは1つ以上のフィルタの動作を設定しないで、その代わりにユーザに1つ以上の
フィルタの動作を設定するように知らせてもよい。
【0089】
コントローラはまた、無線通信装置を使用してデイリー及び地域気象及び空気質予測に
アクセスしてもよい。受信された気象及び/又は空気質データに基づいて、コントローラ
はユーザがいかなる有害粒子をも吸い込まないようにするために1つ以上のフィルタの動
作を設定してもよい。また、コントローラは濾過のための強さレベルを設定してもよい。
あるいはまた、コントローラは1つ以上のフィルタの強さ又は動作設定しないで、その代
りに1つ以上のフィルタの動作又は強さを設定するようにユーザに知らせてもよい。受信
された気象及び/又は空気質データはユーザが位置を変更するときに更新されてもよい。
【0090】
ユーザの健康及び環境モニタリングはまた、清浄空気システムによって行われてもよい
。例えば、コントローラはユーザの生理的なデータを検出するように構成された1つ以上
のユーザセンサと結合されてもよい。このようなデータは心拍数データ、発汗データ、温
度データ、ブレス流量データ、O2飽和データなどであってもよい。センサは心拍数セン
サ、湿度センサ、サーミスタ、流れセンサ、酸素濃度計、その他の任意の1つ以上であっ
てもよい。センサからの生理的なデータが記録されてユーザへ戻されてもよい。ユーザへ
の通信はCAS上で行われてもよいし若しくはコンピュータ又はスマートフォン上のオン
ラインデータベースを介してアクセスされてもよい。加えて、生理的なデータはユーザの
プロファイルを備えているオンラインデータベースへ通信されてもよい。それに応じてユ
ーザはデータベースにアクセスしてもよいしまたプロファイル中の情報をレビューしても
よい。また、フィードバック信号は、ユーザが眠り込んたり若しくは目を覚ましたりする
場合にそれぞれCASのスイッチを入れたり切ったりするために使用されることができる
。幾つかの実施形態では、CASは常にスイッチオンである。幾つかの実施形態では、生
理的なデータはユーザの病気を判定するために分析されてもよい。例えば、ユーザが眠っ
ている間に取り込まれたユーザデータは睡眠障害呼吸を判定するために分析されてもよい
。
【0091】
CASはまた、視標追跡センサを含んでもよい。該視標追跡センサ及び対応するアルゴ
リズムはユーザが何に目の焦点を合わせているかを監視するために採用されてもよい。視
標追跡センサの目的は、ノズルの調節のためにユーザの頭方向を判定するために顔ランド
マークがどれであるかユーザの目の位置を突き止めることにある。例えば、ユーザがなに
かを見るために頭を回したならば、ユーザの気道の吸込口との空気方向アラインメントを
維持するようにためにノズルが調節する。
【0092】
類似システムのネットワークからのリアルタイプ汚染及び位置データは、収集されかつ
データベースへ送信されることができる。該収集された情報は、リアルタイム汚染度マッ
プを作成するために利用されることができる。該リアルタイム汚染度は、特定の位置に関
して汚染レベルがどうなっているかを示すことができる。また、該マップは他のユーザに
対してかれらの周りの危険な場所を警告するために使用されてもよい。マップはまた研究
者がある特定区域における汚染傾向を理解するのに役に立つ。
【0093】
スマート汚染ナビゲーションプログラムはまた、CAS上に実装されてよい。例えば、
センサから受信された位置及び汚染データに基づいて、CASは交通マップと同様な、ナ
ビゲーションデータを提供することができ、かつ汚染レベルが高い特定の区域を回避する
ためにユーザ及び/又は旅行者に方向を指示することができる。一実施例では、CASは
ユーザから目的地を受信してもよい。CASは次いでユーザに汚染レベルの高い区域を通
って走行させるであろうルートをを回避して、ユーザを画面又は音声ナビゲーションでも
って目的地に誘導することができる。幾つかの実施形態では、CASはユーザのスマート
フォンと連結されてもよい、またフォンのGPS及びナビゲーションソフトウェアはユー
ザに方向を指示するためにCASと連動して使用されてもよい。一実施形態では、スマー
ト汚染ナビゲーションプログラムはユーザの位置を監視することができ、及びユーザに汚
染の高い区域に近づきつつある若しくはその中にいる旨の通知を与えることができる。別
の実施形態では、位置センサはユーザが旅行するときなど、慣れない場所にいることを特
定する場合、センサはその場所に関する空気汚染安全ヒントを引き出すことができかつ汚
染含有量及び濃度を自動的に感知することができかつ濾過を適切に調節することができる
。
【0094】
リアルタイム汚染モニタリングはまた、オンライン・ユーザ・プロファイル以内で指標
に変換されてよい。該指標はどれだけの量の汚染の中にユーザがいたのか及びどれだけの
量の汚染をユーザが回避してきたかをユーザに知らせることができる。また、該指標はユ
ーザがさらされた異なる種類の汚染物質についての知識をユーザに提供することができう
る。また、該指標はある期間にわたって吸い込まれた酸素百分率をユーザに知らせもよい
。時間単位に分解されて吸い込まれたディリー酸素百分率は、ユーザと交信されてもよい
。このような情報によってユーザはCASが提供する保護の効果を認識することができる
。
【0095】
CASはユーザ・フロー・インターフェースの向きを検出する及び/又は風方向及び風
速を検出するように構成された1つ以上のセンサをさらに含んでもよい。例えば、1つ以
上のセンサは風を検出する風力計及びユーザ・フロー・インターフェースの向きを検出す
る加速度計を含んでよい。風力計及び加速度計からの情報に基づいて、コンピュータプロ
セッサは最適な空気ノズル角度及び/又は位置を計算することができてもよい。また、コ
ンピュータプロセッサは、ユーザに送達される清浄化空気のベストな比率を得るためにベ
ストな空気流れ強さを決定してもよい。該コンピュータプロセッサは記録されたデータの
記憶用非過渡メモリに連結されてもよい。
【0096】
プロセッサによって計算された結果に基づいて、装置のコントローラはCASの動作を
調節することができる。例えば、検出された風及び/又はユーザ・フロー・インターフェ
ースの向きに基づいて、プロセッサは流れ発生器の動作の変更が必要であることを判定す
ることができる。それに応じてコントローラは流れ発生器に流速を変化させてもよい。プ
ロセッサはまた、風及び/又はユーザ・フロー・インターフェースの向きに基づいてユー
ザ・フロー・インターフェース内の空気ノズルが位置を変化させる必要があり及び/又は
角度を変化させる必要があることを判定してもよい。それに応じて、コントローラはユー
ザに対する清浄化空気のベストな比率を得るようにノズルに調節させることができる。
【0097】
場合によっては、CASがそうあるべき機能を発揮しつつあるかをユーザが判断するこ
とが難しいこともある。それに応じて、CASはCASがそうあるべき機能を発揮しつつ
あるか否かについてフィードバックをユーザに与えるように構成されることができる。図
14に示されるように、CASは空気の流れと合致しているアロマディスペンサーを含ん
でよい。アロマディスペンサーが起動されれば、ディスペンサーはアロマと認識可能な香
り1301を、清浄化空気1302の流れの中に放出することができる。該香りはCAS
が機能しつつありかつる清浄化空気を提供しつつあることをユーザ1303に指示しうる
。加えて、該香りの付いた空気に続いてユーザは清浄化空気を吸い込んでいることを確信
することができる。
【0098】
本明細書に記載される能動型清浄空気システムに加えて、若しくはそれに代えて、受動
型フィルタがシステムに導入されてもよい。例えば、
図38に示されるように、受動型フ
ィルタはユーザ3806の口及び/又は鼻の上に設置されてもよい。そうすることによっ
て、受動型フィルタがユーザに対して提供される清浄空気の量を補足又は交替してもよい
のでCASのブロワ3804が清浄空気の全体量をユーザ3806に提供することから解
放されてもよい。幾つかの実施形態では、清浄空気濾過に対する需要が低い場合には、エ
ネルギーを節約するためにブロワ3804は電源を切ってもよい、またユーザ3806は
清浄空気に関して受動型フィルタ3802に依拠することができる。また、ブロワ380
4でもってユーザに過剰な量の空気を印加せずに受動型フィルタがユーザに対して十分な
空気の流れを提供することができるので受動型フィルタ3802はユーザ3806に対し
てより快適な体験を提供することができる。
【0099】
清浄空気システムは、一体化及び連結されたシステムとして実装されることができる。
この点に関しては、CASはフィットネスバンド又はスマートウオッチ方式のデバイスの
接続性を模倣してもよい。このようなものとして、ユーザに清浄空気を提供することに加
えて、CASはスマートフォンの延長のように機能するようにプログラミング化されても
よい。例えば、CASのプロセッサは通信用インターフェースを介してユーザのスマート
フォンと交信するようにプログラミング化されてもよい。該通信用インターフェースは、
有線及び無線接続を介してスマートフォンから受信しかつスマートフォンへ発信するよう
に構成されてもよい。Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、RF、セルラーデータネットワーク、電波、その他が、CASとスマートフォンとの間で使用されことができる無線通信装置の実施例形態である。
【0100】
いったんCASとスマートフォンとの間に接続が確立すると、ユーザはSMS及びMM
Sメッセージの送受信とともに、携帯電話コールの送受信を行ってもよい。例えば、ユー
ザがあたかも電話を使用しているかのように交信してもよい場合には、CASはマイクロ
フォン(複数)、スピーカ(複数)、及び/又はヘッドフォン(複数)を含んでよい。C
ASはまた、音声指令を認識するようにプログラミング化されてよいかつカメラがCAS
内に搭載される必要がある場合にはカメラ能力を有してもよい。一体化及び連結されシス
テムとして、CASデバイスはユーザによってほとんどの時間携帯及び/又は装着される
ことになる、したがってデバイスの使用される可能性が高まり、結果的にユーザの健康が
改善される。
【0101】
ユーザが話をしているときに空気がユーザの鼻及び口に導かれることはユーザの会話を
ゆがめ、ユーザの口を乾かし、あるいは話をすることを不快にさせることがある。このよ
うなゆがみ及び不快感を回避するためには、CASはスピークモードを含んでよい。スピ
ークモードは会話認識ソフトウェアの使用とともに実装されてもよい。該会話認識ソフト
ウェアは、デバイスにユーザが話をしているときを感知させることを可能にしてもよい及
び、応答中にユーザが話しを続けている間、口及び鼻へ空気の供給を少なくするか若しく
中止することを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、会話ソフトウェアは、システ
ムはユーザが話をしていることを検知するときに、排気弁を、もしCASに存在していれ
ば、自動的に全開にしてもよい。
【0102】
清浄空気システムはまた、他の一体化されたインテリジェント健康システム及びフィー
チャを含んでもよい。例えば、CASは使用状況を監視するため及びCASの使用状況に
基づいユーザにフィードバックを提供するために付加的な追跡能力を含んでよい。モニタ
リングは、汚染センサ、温度センサ、生理的センサなどのセンサの使用を通して実装され
てもよい。センサは1つ以上の場所において、表3に見られるような汚染など、汚染の存
在及び濃度を監視してもよい。CASはまた、CASがどこでいつ動作していたかを追跡
してもよい。監視及び追跡されたデータは、CASシステム内のメモリに格納されてもよ
い、若しくはクラウドベース、又はローカル、記憶システムにアップロードされてもよい
。
【0103】
CASはユーザにフィードバックを提供するために、監視された情報を使用してもよい
。例えば、収集されたデータに基づいて、CASはデバイスが最も有益であったのはいつ
どこであったか、CASが使用された回数、ユーザの呼吸経路から除去された汚染の量(
グラムなどの単位)、フィルタ効率(すなわち、ユーザの吐く息からどのくらいの数の粒
子及びガスが除去されつつあるか)、その他を判定してもよい。監視及び追跡されたデー
タは、CASのディスプレイ上の、若しくは個人用コンピュータ又はスマートフォンなど
の別のデバイスのディスプレイ上の追跡された測定を含有するグラフ及びチャートの形態
でユーザに提示されてもよい。該監視及び追跡されたデータはまた、オンラインユーザ・
プロファイル以内で指標に変換されてもよい。該指標は、デバイス上で、若しくはオンラ
イン・プロファイルへの接続を有するスマートフォン又は個人用コンピュータなど別の計
算デバイスを介して、ユーザによってアクセス可能であってもよい。
【0104】
CASはまた、運動モードを含んでもよい。該運動モードはユーザによって手動で若し
くはCASによって自動で起動されてもよい。運動モードを自動で起動するためにはCA
Sは、湿度データ、空気温度データ、流れデータ、及びCO2濃度データなどのセンサの
集まりから取得されたデータを使用してもよい。いったん受信されたデータが呼気時の相
対湿度の増加、増加した毎分換気量、増加した吐出した空気温度など運動の兆候を示唆す
ると、デバイス運動モードへ自動的に切り替わってもよい。いったん運動モードに入ると
CASは、それの構成に応じて、能動型排気弁を起動してもよい。該排気弁はユーザの吐
き出した空気を引き離してもよい。運動はまたCO2量の増加を招くにつれて、ユーザの
口及び/又は鼻を部分的に覆うインターフェース内での蓄積が起こりうる。したがって、
あるいはまた、若しくは能動型排気弁に加えて、能動型炭素フィルタはCO2濃度を減少
させるために運動モードに導入されることができる。また、運動モードにある間、CAS
のブロワは電源を入れてもよい若しくはその出力を増大させてもよい。
【0105】
幾つかの実施形態では、冷却システムはまた、吸い込まれた空気を冷やすためにCAS
に追設されてよい。冷却システムは、環境からより冷たい空気を引き込むブロワ及びフィ
ルタとともに付加的な弁となりうる可能性がある。あるいはまた、若しくは環境からより
冷たい空気を引き込むことに加えて、CASは空気がチップを通過するにつれて空気を冷
やすぺルチエ(Peltier)チップを含んでよい。冷却システムはCASが運動モー
ドに切り替わるとき自動的に始動されてもよい、若しくはユーザによって手動で起動され
るてもよい。
【0106】
フィットネス目標に到達するに当たってユーザを支援し、かつデバイスの使用を促進す
るために、CASは呼吸及び/又は使用目標を提供してもよい。この点に関しては、CA
Sはデバイスのユーザが努力するために毎日、毎月、毎年などの目標を提供してもよい。
例えば、CASはだいたい2時間デバイスを使用するために毎日の目標を提供してもよい
。別の実施例では、デバイスはユーザにだいたい15分間目標呼吸数において呼吸するこ
とを指図してもよい。呼吸及び使用目標は、ユーザの呼吸健康進展(respirato
ry health progress)(例えば、休息時呼吸数の改善。)を監視する
ために使用されてもよいフィーチャを提供する。フィットネス目標とともに、これらの目
標に向けての進捗が、オンラインユーザ・プロファイル内の指標の中にを含まれてもよい
。該指標は、デバイス上で若しくはオンライン・プロファイルへの接続を有するスマート
フォン又は個人用コンピュータなどの別の計算デバイスを介して、ユーザによってアクセ
ス可能であってもよい。フィットネス目標は、CAS上で直接に若しくはユーザのオンラ
イン・プロファイルにアクセスすることを通して更新されてもよい。
【0107】
CASは統合吸息筋トレーニングバルブ(IIMTV)を含むことによって適正な又は
改善された呼吸を促進することができる。この点に関しては、CASは呼吸トレーニング
が要求されるときにIIMTVを起動してもよい。該IIMTVはバルブを開きかつユー
ザによる空気の吸入を許容する前に吸気圧のある特定の量に到達するようにユーザに要求
してもよい。該実施形態では、CASは密封インターフェースであってもよい。その代り
に、CASはオープンインターフェースであってもよい及び窒素又は二酸化炭素などの他
のガス分子の割合を増加させることによって、若しくは空気圧を低下させることによって
酸素レベルは15%前後まで減少されてもよい、したがって吸い込まれた単位容積当たり
の空気分子はより少なくなる。
【0108】
CASは、システムにおいて意図されないリークを検出するように構成された1つ以上
のセンサをさらに含んでもよい。例えば、ユーザに空気を送出するためにフェースマスク
などのヘッドギアが使用される場合に、デバイスが完全な効果を維持するためにシールが
ユーザとマスクとの間に維持されるべきである。流れセンサなどのセンサが、マスクとユ
ーザとの間にリークを検知する場合、デバイスはマスクが締められるか若しくは交換され
るべきであることをユーザに知らせてもよい。その代りに、CASはいかなるリークをも
封止しようとする試みにおいてリークが検出される場合、ヘッドギアに搭載されたアクチ
ュエータを介してヘッドギアの締め付けを自動的にトリガーしてもよい。
【0109】
マスク又は他のこのようなフローインターフェースをはじめて着用するとき、システム
内に障害が存在しているために十分な清浄空気をマスクの中に取り入れることが難しいこ
とがありうる。そういうものだから、スマート清浄空気上昇アルゴリズムはコントローラ
によって使用されてもよい。この点に関しては、コントローラは流れインターフェースへ
の最大清浄空気流量を提供し、かつ次いでいったんユーザが清浄空気のレベルでもって快
適に感じれば清浄空気流量をゆっくりと下降させるようにプログラミング化されてもよい
。該構成の利点は、ブロワが長期間全速で作動しないときにエネルギーが節約されうるこ
とにある。
【0110】
ユーザにとって快適さをさらに向上させるため、能動型呼気弁(EAV)を使用してマ
スク又は他のフローインターフェースにおけるCO2蓄積量を低減してもよい。この点に
関しては、EAVはユーザの呼息を検出すると同時に開けるようにトリガーされてもよい
。そういうものとして、呼息空気が清浄空気システムから流出することになり、それによ
ってCASからCO2を直ちに除去し、かつユーザが感じる息詰まりを減じさせる。幾つ
かの実施形態では、CASはユーザのマスクにおけるCO2レベルが所定の閾値を超える
場合に開けるようにEAVをトリガーすることができる。
【0111】
統合及び連結されたCASシステムはまた、他の統合及び連結されたCASシステムと
同期してもよい。マルチプルCASシステムをまとめて同期させることによって、ユーザ
はデバイスの同期されたグループ内に他のユーザのデバイスの使用を監視してもよい。こ
の点に関しては、各デバイスは、家族メンバーのグループ、友人のグループ、同僚グルー
プなどのグループに割り当てられてもよい。グループに同期された各CASは、グループ
内の他の同期されたデバイスの使用履歴を監視してもよい。監視されてもよい使用履歴デ
ータとしては、デバイスが使用された時間数、呼吸及び/又は使用目標、フィットネス目
標、目標達成に至る進捗、運動履歴、及びCAS上のセンサから収集された他のこの種情
報が挙げられうる。
【0112】
幾つかの実施形態では、各デバイスのユーザは管理者レベル、高レベル、及びべ-スレ
ベルなどのアクセスレベルに割り当てられてもよい。管理者は同期されたCASシステム
間でフィーチャのすべてを制御することができうる。そういうものとして、管理者はどの
デバイスが同期グループに追加されるか若しくはそこから除去されてもよいか及びグルー
プ内のユーザのアクセスレベルを制御可能でありうる。管理者はまた、どんな情報をユー
ザが共有及び/又は監視することができるかを制御してもよい。例えば、管理者は共有情
報を監視するために高レベルに割り当てられたユーザに完全アクセスを提供してもよいが
、一方ベースユーザが閲覧及び/又は共有してもよいデータを制限してもい。一実施例で
は、グループは2人の両親及び3人の子供を含む5人の家族メンバーを含んでよい。両方
の親は管理者レベルアクセスを与えられてもよい、年上の子供は高アクセスレベルを与え
られてもよい、また2人の年下の子供はベースアクセス・レベルを与えられてもよい。そ
ういうものとして、両親は子供の使用のすべてを監視及び制御してもよい。高アクセスレ
ベルを有する、年上の兄は、彼がどんな情報を共有したいかを選択することができ、また
彼の2人の年下の弟・妹のデバイスを監視してもよい。べ-スアクセスレベルを有する2
人の年下の弟・妹は自分自身の個人用情報を閲覧できるだけであり、また家族グループ内
の他のユーザを閲覧することから遮断されることがある。
【0113】
CASがヘッドフォン又はハンド・フリートーク・デバイスを含む幾つかの実施形態で
は、マイクロフォン及びヘッドフォン・セットはウオーキートーキー・デバイスとして機
能することができかつ極めて接近している他の清浄空気システムと接続することができる
。会話は範囲内ですべてのCASデバイス間で若しくは家族メンバーの同期グループなど
のある特定の同期グループに割り当てられたデバイスだけに可能にされてもよい。
【0114】
幾つかの実施形態では、CASは幼児監視機能を発揮してもよい。例えば、CASはベ
ッドに取り付けられてもよい若しくは幼児に極めて接近して設置されてもよい。幼児を監
視するCAS上のセンサによって集められた情報は、世話人へ転送されてもよい若しくは
クラウド記憶場所などの記憶場所にアップロードされてもよい。世話人のCASデバイス
は転送情報を表示してもよい、若しくは転送情報が別の計算デバイスを用いてクラウド記
憶装置からアクセスされてもよい。
【0115】
清浄空間サーバーは、情報を集計しかつ情報をCASデバイスへ提供してもよい。例え
ば、
図39に示されるように、清浄空間サーバー(CSS)3902は様々な情報源から
情報を受信してもよい。受信された情報に基づいて、CSSはカスタマイズされた更新及
び報告をCASデバイスへ送信するとともに、CASデバイスの動作パラメータを自動的
に調節してもよい。
【0116】
CSSは1つ以上のサーバーから構成されてもよい。該サーバーは、ローカルエリア・
ネットワーク(LAN)又はインターネットなどの1つ以上のネットワークと連結されて
もよい。該CSSは1つ以上のネットワークを介して連結された様々な情報源から情報を
集計及び格納してもよい。多様な情報源から受信される情報としては、日付、時間、及び
最新ニュース3904、気象サービス3906からの最新気象、(CASデバイスへ統合
されされてもよい)GPS1908デバイスからの位置情報、CASデバイス若しくは他
のセンサからのセンサ測定値3910、ピアCASデバイス3912及び3914(すな
わち、グループへ同期されたメンバーのCASデバイス)からのCAS情報が挙げられう
る。
【0117】
多様な情報源からCSS3902は、ブロック3916に示されるように気象状態に整
合するように特定のCASデバイス上のパラメータを自動的に調節し、ブロック3918
に示されるように最新気象を提供し若しくは汚染予測及び予報を計算し、及びブロック3
920に示されるように健康進展及びフィードバックを提供してもよい。
【0118】
一実施形態では、CSS3902は日付、時間、及び最新ニュース3904、気象サー
ビス3906、GPS3908から受信された情報、及びセンサ測定値を使用してCAS
デバイスの動作を調節してもよい。この点に関しては、CASデバイスからの受信された
GPS信号3908及びセンサ測定値3910に基づいて、CSSは、日付、時間及び最
新ニュース3904情報源から受信された特定の時間及び日付に関して気象サービス39
06から受信された気象データを解析してもよい。CSS3902は次いで受信された情
報に基づいてユーザに対して保護を提供するためにCAS上のどのパラメータが調節され
るべきであるかを判定してもよい。一実施例では、CSS3902はCASのGPSを使
用してユーザの位置を検出してもよい。位置データに基づいて、CSSは気象サービス3
906又は最新ニュース3904を通じてある特定の時間において区域内の既知の汚染物
質のデータベースにアクセスしてもよい。CSSが位置、時間、及び区域内の汚染物質を
判定した後、CSSは供給された空気から当該汚染物質を除去するためにCASの1つ以
上のフィルタの動作を設定してもよい。その代りに、CSSは1つ以上のフィルタの動作
を設定しなくてもよいが、その代わりに1つ以上のフィルタの動作を設定するようにユー
ザに知らせてもよい。
【0119】
CSSはまた、気象サービス3906を使用してデイリー及び地域気象並びに空気質予
測にアクセスしてもよい。受信された気象及び/又は空気質データに基づいて、CSSは
ユーザがいかなる有害粒子を吸い込むことから保護するために1つ以上のフィルタの動作
を設定してもよい。また、CSSは濾過に関する強さレベルを設定してもよい。あるいは
また、CSSは1つ以上のフィルタの強さ又は動作設定しないでもよいが、その代わりに
1つ以上のフィルタの動作又は強さを設定するようにユーザに知らせてもよい。受信され
た気象及び/又は空気質データは、ユーザが場所を変更するときに更新されてもよい。
【0120】
4.4 感覚エンタテインメント技術
エアカーテンシステム又は他のユーザ・フロー・インターフェースは、ユーザに感覚フ
ィードバックをさらに提供するためにエンタテインメントシステムに実装されることがで
きる。このようなエンタテインメントシステムは、空気清浄を伴うか否かにかかわらず、
空気流れシステムに記載されるような機能性の一部又は全部を含んでよい。しかしながら
、エンタテインメントシステムはまた、提供された/発生された空気の流れなどを介して
、臭覚、触覚及び/又は味覚を刺激するために制御器を含んでもよい。
【0121】
図1に示されるように、エンタテインメントシステムは流れ発生器1603、スマート
清浄空気フィルタリング103、及びユーザ・フロー・インターフェース104を含んで
よい。該流れ発生器は前述した通り任意のモータであってもよくかつフィルタ及びセンサ
を含むことができる。清浄機能性が含まれるならば、エンタテインメントシステムは1つ
以上のフィルタを備えた
図14に示されるような清浄空気システムのように構成されても
よい。汚れた空気1401は、はじめにプレフィルタ1402を通過されることによって
流れ発生器の中に引き込まれてもよい。該プレフィルタ1402は、モータ1403を損
傷させる恐れがある空気からの粒子を除去することができる。該モータ1403は、
図1
4に示されるように、次いで一次フィルタ1404を通じて空気を押しんでもよい。該一
次フィルタ1404は空気から望まれていない微粒子を除去してもよい。該濾過された空
気は、次いで清浄化空気1405としてユーザ・フロー・インターフェース104を通じ
てユーザへ出力されてもよい。しかしながら、エンタテインメントシステムは典型的には
、
図15に示されるように、付加的な感覚粒子ディスペンサー1502を含む。幾つかの
実施形態では、1つ以上のフィルタは、エンタテインメント・シナリオ(例えば、大洋の
波が塩気のある、大洋の匂いを香りカートリッジから空気の中へ放出させる)と同期して
トリガーされてもよい香りカートリッジと交換されてもよい。エンタテインメントシステ
ムは、流れ発生器1603の動作を制御するためにコントローラをさらに備えてもよい。
コントローラは流れ発生器の流量とともに流れ発生器によって発生された空気圧力を調節
してもよい。
【0122】
エンタテインメントシステムは、通信用インターフェースを介してテレビ、DVDプレ
イヤー、ゲーム/エンタテインメントコンソールなどの様々なマルチメディアシステムに
接続できてもよい/と通信できてもよい。該通信用インターフェースは有線及び無線接続
を介してマルチメディアシステムからエンタテインメント信号を受信するように構成され
ている。Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、RF、セルラーデータネットワーク、電波、その他は、エンタテインメントシステムとマルチメディアシステムとの間で使用されることができる無線通信装置の実施例形態である。
【0123】
該マルチメディアシステムは、流れエンタテインメントシステムに信号を提供するよう
にプログラミング化されてもよい。ユーザが使用している、映画、テレビショー、若しく
はゲームなどのマルチメディアシステムによって提供されるエンタテインメント媒体は、
媒体の異なるステージにおいてプログラミング化される4D刺激トリガーを有してもよい
。これらの信号は、エンタテインメントシステムによって刺激をいつトリガーするかの指
示であってもよい。このような信号はまた、刺激の量及びどんな種類の刺激が提供される
べきかを指示してもよい。該信号はコントローラによって受信され、かつコントローラは
エンタテインメントシステムに、流れ発生器の制御による及び/又は付加的な感覚フィー
ドバック(例えば、臭覚、味覚、触覚)などの信号の中に指示される刺激を提供させても
よい。
【0124】
例えば、ユーザが料理ショーを見ている間、媒体からの信号がマルチメディアシステム
へ送信されてもよい。該マルチメディアシステムは、次いで付加的な感覚粒子ディスペン
サー1502からイチゴの香りを放出するようにエンタテインメントシステムへ指示して
もよい、これはテレビ上に映っているイチゴに対応する。幾つかの実施形態では、感覚粒
子を空気中に放出することは、結果的にユーザが感覚粒子を味わうことになる。例えば、
エンタテインメントシステムはイチゴに関連した感覚粒子を放出してもよい。ユーザが空
気を吸い込んだときに、ユーザにイチゴの香りを嗅ぐわせ、またイチゴの風味をも味わせ
るものである。別の実施例では、ユーザがビデオゲームで遊んでいるときに、ビデオゲー
ムはマルチメディアシステムがエンタテインメントシステムへ刺激トリガーを送るべきで
あることを指示してもよい。該刺激トリガーはエンタテインメントシステムに付加的な感
覚粒子ディスペンサー1502から画面上でちょうど爆発したと思われる爆弾に対応する
煙の臭いを放出させてもよい。
【0125】
該フローエンタテインメントシステムはまた、刺激をトリガーするためにバイオフィー
ドバックを使用することができる。CASに関して前述したように、このようなデータは
心拍数データ、発汗データ、温度データ、ブレス流量データ、O2飽和データなどであっ
てもよい。使用されているセンサは、心拍数センサ、湿度センサ、サーミスタ、流れセン
サ、酸素濃度計などのうちの任意の1つ以上であっててもよい。4Dエンタテインメント
システムはまた、視標追跡センサを含んでもよい。該視標追跡センサはユーザ・フロー・
インターフェース上に存在してもよいし若しくは別個のデバイスであってもよい。視標追
跡センサ及びプロセス上で実行している対応アルゴリズムは、ユーザが何を見つめている
か及び何に焦点を合わせているかを監視するために採用されてもよい。
【0126】
センサから受信された情報を用いて、フローエンタテインメントシステムはユーザに及
ぼす刺激又はリラックス効果をトリガーすることができうる。例えば、テレビショーを見
ているユーザが居眠りを始めることもある。視標追跡センサはユーザが眠り込んでいるこ
とを信号でフローエンタテインメントシステムに送信してもよい。受信された信号に応答
して、フローエンタテインメントシステムはまた、ユーザの気持を落ち着かせてかつより
容易に眠り込めるように支援するためにラベンダーの香りを放出するなどの、スリープイ
ネイブラーを提供してもよい。該実施例に継続して、視標追跡センサはユーザが眠り込ん
だことを感知してもよい。それに応じて、視標追跡センサは、フローエンタテインメント
システムがスイッチを切られるべきか若しくはユーザがもはやそれを使っていないので待
機電源モードに置かれるべきことを指示する信号をフローエンタテインメントシステムへ
送ってもよい。ユーザが目を覚ましたときに、視標追跡センサはスイッチオンに戻すよう
にフローエンタテインメントシステムへ信号を送ってもよい。
【0127】
フローエンタテインメントシステムのコントローラはまた、マルチメディアシステムへ
生理的データを通信してもよい。それに応じてユーザはマルチメディアシステムを通して
生理的データにアクセスできてもよい。また、マルチメディアシステムは流れ刺激トリガ
ーを送るか否かを判断するために生理的データを利用することができうる。例えば、ホラ
ー映画を見ている間にユーザの心拍数が上昇しつつあるならば、マルチメディアシステム
は、発汗させるために提供された空気の熱を上げるべきことを指示する刺激トリガーをフ
ローエンタテインメントシステムへ送ってもよい。
【0128】
付加的な感覚粒子ディスペンサー1502は、アロマディスペンサーを含んでよい。該
アロマディスペンサーは、刺激トリガーがフローエンタテインメントシステムによって受
信されることに応答してアロマディスペンサーから清浄化空気内へのアロマの放出を選択
的に起動するように構成されてもよい。該アロマディスペンサーは香料を保持する多くの
小さい交換可能なリザーバ又はカートリッジを収納してもよい。該香料は臭い粒子及び/
又は味粒子を備えてよい。これらのリザーバ又はカートリッジは、新品アロマが必要とさ
れるとき若しくはリザーバ又はカートリッジが使い尽くされるときに容易に取り外しされ
及び交換されてもよい。
【0129】
該アロマディスペンサーは、典型的には低用量で香料を放出するためにポンプ又はサー
モトリガーなどの電気的又は機械的機構を含んでもよい。アロマディスペンサーは受信さ
れた刺激トリガーに基づいて特定の香料を放出してもよい。例えば、映画の中のシーンは
人物が雨の中でホットドッグカートを歩いて通り過ぎるシーンを含んでよい。映画媒体は
マルチメディアシステムによってデコードされかつエンタテインメント・トリガーとして
フローエンタテインメントシステムへ送信された指示を含有してもよい。該エンタテイン
メントトリガーは、アロマディスペンサーを備えたポンプ又はトリガーに雨の香りととも
にホットドッグの香りを放出させてもよい。映画の中で何を見ているかをユーザが臭いを
かぐことによって映画の中にドップリ浸かることができる。幾つかの実施形態では、フロ
ーエンタテインメントシステムは、ユーザが香料内の味粒子を味見することができるよう
にユーザの口及び/又は唇において香料を吹き込んでもよい。
【0130】
該付加的な感覚粒子ディスペンサー1502は、液滴発生器を含んでもよい。該液滴生
成器は水などの液体の小滴を、刺激トリガがフローエンタテインメントシステムによって
受信されることに応答して、清浄化空気1501のなかに注入するために使用されてもよ
い。該液滴はユーザに送達されている空気の湿度を高めるために使用されてもよい。例え
ば、映画の中のシーンは人物が雨の中を歩いているシーンを含んでよい。映画媒体はエン
タテインメントトリガーをフローエンタテインメントシステムへ送るためにマルチメディ
アシステムへ指示を送ってもよい。該エンタテインメントトリガーは液滴生成器に水滴を
、ユーザへ送信されている空気の湿度及び湿気を上昇させる空気信号へ放出させてもよい
。ユーザは次いで映画の中で見ている雨のイミテーションを感じることさえもできる。液
滴生成器は、1種以上の異なる液体を保持する多くの小さい交換可能なリザーバ又はカー
トリッジを収納してもよい。液体は臭い粒子及び/又は味粒子を含んでよい。これらのリ
ザーバ又はカートリッジは新品液体が必要とされるか若しくはリザーバ又はカートリッジ
が空っぽ又は消耗しているとき容易に取り外し及び交換されてもよい。幾つかの実施形態
では、付加的な感覚粒子ディスペンサー1502は、液滴を噴霧することができる、超音
波トランスデューサを含んでよい。該噴霧された液滴は、次いで空気信号へ放出されても
よい。
【0131】
該付加的な感覚粒子ディスペンサー1502は、少なくとも1つの加熱又は冷却要素を
オプションとして含んでもよい。該加熱又は冷却要素は、誘導空気流を、特定の温度設定
に設定される加熱又は冷却要素に通過させることによって該誘導空気流の温度を変化させ
るために使用されてもよい。加熱又は冷却要素は、エンタテインメント刺激トリガーがフ
ローエンタテインメントシステムによって受信されることに応答して使用されてもよい。
例えば、不毛の砂漠についてのビデオは、摂氏40度の空気温度がシュミレートされかつ
ユーザに提供されるべきであることを指示する4D信号を運んでもよい。別の実施例では
、南極大陸についてのビデオは、摂氏-20度の空気温度がシュミレートされかつユーザ
に提供されるべきであることを指示する4D信号を運んでもよい。さらなる実施例では、
エンタテインメントトリガーが液滴生成器に水滴を空気中へ放出させてよく、それによっ
て空気の湿度及び水分を上昇させ、一方同時に空気の温度を減少又は増加させ、物寂しい
雰囲気又は湿っぽい雰囲気を醸し出それぞれ醸し出す。空気は感覚を高めるために、胸、
首、顔などのユーザの身体に向けて導かれてもよい。
【0132】
付加的な感覚粒子ディスペンサーが、香料又は液体のカートリッジ又はリザーバが空に
なっていることを感知するとき、指示がユーザへ送信されてもよい。該指示は4Dエンタ
テインメントシステム上、マルチメディアシステム上、及び/又はユーザのオンライン・
プロファイル内に現れてもよい。
【0133】
エンタテインメント/刺激トリガーに応答して付加的な感覚粒子ディスペンサー150
2を利用することに加えて、フローエンタテインメントシステムは流れ発生器の流量に対
する変更を制御してもよい。また、フローエンタテインメントシステムは流れ方向及び流
れの位置を調節してもよい。例えば、ユーザがビデオゲームをしていて且つオープンヘリ
コプターで飛行している場合、フローエンタテインメントシステムはビデオゲームシステ
ムからエンタテインメント/刺激トリガーを受け取ってもよい。刺激トリガーを受け取る
ことに応答して、エンタテインメントシステムは流れ発生器によって発生された流量をよ
り高い流れへ調節してもよい。加えて、ユーザ・フロー・インターフェース上の調節可能
ノズルは、ヘリコプターの中又は近くにいることをシミュレートする、及びノズルの組み
合わせからの流れを選択的に放射することによって風の方向をシミュレートするために、
ユーザの顔により直接に機械的に(例えば、1つ以上の電気機械式アクチュエータでもっ
て)狙いをつけてもよい。同様に、フローエンタテインメントシステムは、シミュレータ
での走行速度に基づいてある特定の速度における空気の流れを提供するために、ドライビ
ング又はフライト・シミュレータなどのシミュレータにおいて使用されてもよい。また、
フローエンタテインメントシステムは、ドライビング・シミュレータにおいてタイヤが車
に対してスピンするとき燃えるゴムの臭いなど、シミュレータ内でのアクションに基づい
てある特定の香りを放出してもよい。他の実施形態では、フローエンタテインメントシス
テムを使用して、映画又はビデオゲームなどの、マルチメディア媒体において急速に動い
ているスクリーンショットをまねしてもよい。例えば、カードライビングのスクリーンシ
ョットが表示されるにつれて、エンタテインメントシステムが動きをまねするために空気
の流れをユーザに出力してもよい。このような流れ出力はサラウンドサウンドなどの他の
マルチメディア信号と結合されてもよい。
【0134】
4.5 ユーザ・フロー・インターフェース(UI)
各種の個人用立体呼吸インターフェース(例えば、ユーザ・フロー・インターフェース
)は空気をユーザに導くためにシステムに実装されてもよい。ユーザ・フロー・インター
フェースは、清浄化空気及び/又は粒子、香り、湿度、温度、その他などの感覚特性を有
する空気がユーザの鼻及び/又は口へ送達されることを可能にしてよい。清浄空気システ
ム101又はフローエンタテインメントシステム102などの、エアカーテンシステムの
ユーザ・フロー・インターフェース104は、衣類の一品目(例えばスカーフ又はタート
ルネックセータ)によって隠れているか若しくは隠されされてもよい。あるいはまた、そ
れは医療器具ではなくファッションアクセサリのように視覚的に見えるようにカモフラー
ジュされてもよい。ユーザ・フロー・インターフェース104は、顔又は頭と不必要な接
触をすべきでなく、また顔を封じるべきではない。それに応じて、ユーザ・フロー・イン
ターフェース104はユーザの視線を制限するべきではない。また、ユーザ・フロー・イ
ンターフェース104は、第三者によって視覚的に及び/又は音響的に検知可能にすべき
ではない。ユーザ・フロー・インターフェースを異なる形態で提供することによって、イ
ンターフェースは感情的に控え目にすることができ、またしたがって社会での使用に当た
ってより気に入れられるものになりうる。
【0135】
可能なユーザ・フロー・インターフェース104は、
図16に示されている。眼鏡16
01又はサングラスが、流れ発生器1603からの空気1605を振り分けるために使用
されてもよい。眼鏡1601は空気送出導管1604を使用して流れ発生器1603に接
続してもよい。該空気送出導管は流れ発生器1605からの空気をチューブ内へ振り分け
ることができる。該チューブは眼鏡のアーム1607の1つ以上の上側又は内側にある。
該空気1605は次いでチューブを通って眼鏡のレンズの下側に位置している1つ以上の
穴1602まで移動する。
【0136】
空気1605が穴1602から流れ出るにつれて、鼻孔の側部まで及びユーザの口の周
りにエアカーテン1606を生成しうる。コアンダ(Coanda)効果はユーザの皮膚
に対して、またしたがって息を吸うときには鼻孔又は口内へ空気を導く際に支援すること
ができる。そういうものとして、ユーザが息を吸うと、矢印1608によって示されるよ
うに、エアカーテン1606からの空気がユーザの鼻孔の中へ導かれてもよい。空気が目
の下側へ送達されるとき、ユーザの目のひりひりする痛みはエアカーテン1606によっ
て引き起こされない。眼鏡が
図16に示される一方、ユーザ・フロー・インターフェース
は ゴーグル、バイザーなどであってもよい。
【0137】
ヘッドセットをユーザ・フロー・インターフェース104として使用することによって
、ユーザへの空気の送出が、空気1605を流れ発生器1603からユーザの頭上に着用
されるヘッドセット1701の中へ振り分けることによって達成されうる。空気は流れ発
生器1603から空気送出導管1604を通って、ヘッドセットの端部に位置しているデ
ィスペンサー1704まで搬送されうる。該ディスペンサー1704は空気を放出しても
よいかつユーザの口及び/又は鼻の前方にエアカーテンを生成してもよい。該ヘッドセッ
トは、ヘッドギアとともに頭にわたって着用されてもよい若しくはイヤカップ1706と
ともにちょうど耳の上に取り付けられてもよい。送達される空気の方向は、空気が目に導
かれないようにx平面の下方であってもよい。また、ヘッドセットはユーザの視界を遮ら
ないように鼻を横切って水平面内に設置されてもよい。該ヘッドセットは対話式ビデオゲ
ーム、電話通話、若しくは依然空気を送達しながらヘッドセットを用いて通常行われる他
の活動に使用されてもよい。幾つかの実施形態では、流れ発生器1603は音声構成要素
の有無にかかわらずイヤカップ1706内に位置決めされてもよい。この点に関しては、
ヘッドセット1701は作業用ヘッドセットとして見えるように構成されてもよいが、フ
ローインターフェースとして作動するだけである。
【0138】
ユーザ・フロー・インターフェースの特定の一実施形態では、空気送出ノズルは対で互
いの中に角度を付けてもよい。
図18は流れ発生器1603から空気1606を送達しつ
つある空気送出ノズル1804の対を示している。流れ発生器1605からの空気はユー
ザ・フロー・インターフェース1803へ移動してもよい及び空気送出ノズル1804か
ら放出されてよい。該空気送出ノズル1804は、ユーザ・フロー・インターフェース1
803から放出されるにつれて対になったストリームが衝突するように空気1605を導
く。空気が衝突すると、ユーザの皮膚に対する空気の衝撃をやわらげる。これによってよ
り楽しい呼吸体験が可能になりうる。
図18に示される空気ノズル設計は、ヘッドセット
及び眼鏡をはじめとして本明細書に包含される多くの方式のユーザ・フロー・インターフ
ェースで利用されてよい。
【0139】
排気管はユーザの鼻及び口の周りから空気を除去するために利用されてもよい。
図19
に示されるように、排気管1902はユーザ・フロー・インターフェース1901によっ
て生成されつつあるエアカーテン1606の直ぐ隣に設置されてもよい。空気1605は
流れ発生器1603からヘッドセットの端部におけるディスペンサーまで空気送出導管1
604を通って搬送されてもよい。エアカーテン1606からの空気は、排気管1902
によってユーザの呼吸領域から離れて吸い出されてもよい。これによって、システムが香
り、湿度、粒子、その他を、単純にユーザから消散させるよりも速く、取り除くことが可
能になる。それに応じて、これは迅速な感覚変化が必要となりうるエンタテインメント環
境において有用になりうる。
図19に示される排気管1902が、ヘッドピースであると
して示される一方で、排気管1902は眼鏡、帽子、カラー、その他を含む任意の形式の
インターフェースであってもよい。幾つかの実施形態では、排気管は、細菌又は有害な空
中浮遊バクテリアにさらされることから他の個人、又はユーザを保護するために使用され
てもよい。一実施例では、病気のユーザが呼息するときに、排気管は呼気(吐く息)を、
それを雰囲気内へ放出する前に濾過してもよい。そういうものとして、病気のユーザから
呼吸、くしゃみ、せき、その他を通して吐き出される恐れがある任意の病原菌は、排気管
によって捕捉されてもよい。同様に、ユーザが他の個人の近くにいるとき、システムは空
気が空中浮遊細菌及び/又はバクテリアを除去するためにユーザに到達する前に濾過して
もよい。
【0140】
顔から離れて及びユーザの首及び肩の周りに位置するグースネックチューブは、
図20
に示されるように、使用されてもよい。該グースネック2002は流れ発生器1603か
ら空気1605を受け取ってもよい。一実施形態では、グースネックは自己調節可能及び
位置調整可能であってもよい。あるいはまた、ユーザの頭の動きに応答してにノズル20
03を自動的に動かすためにメカトロニックシステムが搭載されてもよい。頭追跡又は顔
追跡光学システムが、ユーザの鼻/口の位置を突き止めるためにシステム内に搭載されて
もよい。追跡システムがユーザの鼻/口を追跡するにつれて機械式アクチュエータは、空
気流れ2004をユーザの鼻/口領域にねらいをつけるためにノズル2003に対して調
整をしてもよい。
【0141】
口及び鼻領域は、ユーザ・フロー・インターフェースの対象領域であってもよい。
図2
1はヘッドセット2101ユーザ・フロー・インターフェース103を利用しているユー
ザの対象領域2102を示す。空気がヘッドセットのアーム2103から放出されるにつ
れて、空気は対象ゾーンに導かれることができる。該対象ゾーンは眼の刺激を回避するた
めに目から離れていてかつ口及び鼻の周りだけとしてよい。ユーザ・フロー・インターフ
ェース103がヘッドセットである一方で、任意の形式のユーザ・フロー・インターフェ
ースが使用されてもよい。
【0142】
衣類に取り付けられてもよい隠れたユーザ・フロー・インターフェースが、
図22に示
されている。該隠れたユーザ・フロー・インターフェース2201は、直径が約1cm~
5cmの範囲の薄肉チューブ構造から構成されかつ繊維、シリコーン、プラスティックな
どの軟質材料から作製されてもよい。該隠れたユーザ・フロー・インターフェース220
1は、エアカーテンをユーザまで送達するためのノズル2203を有してもよい。隠れた
ユーザ・フロー・インターフェース2201は、シャツ又はブラウスなどの内側に隠され
かつ取り付けられるように設計されてもよい。隠れたユーザ・フロー・インターフェース
は衣類の中にカモフラージュされるか若しくは衣類の中に埋め込まれてもよい。隠れたユ
ーザ・フロー・インターフェース2201は接着剤、機械的チップでシャツのカラーの下
の所定位置に保持されるか若しくはシャツの衣類の中に縫い込まれてもよい。隠れたユー
ザ・フロー・インターフェースへ送達される空気1605は、流れ発生器から空気送出導
管1604を介してでよく、これはシャツの下側又は内側に隠される、ベルトの上に装着
される、アームバンドで取り付けられるか若しくは幾つかの方法でユーザにしっかり固定
されてもよい。エアカーテン1606は次いでユーザの鼻及び口に向けて上に送達されて
よい。コアンダ効果は流れを皮膚に沿ってかつユーザの鼻及び口の中に運ぶのに役に立つ
。この点に関しては、エアカーテン1606は、ユーザの鼻及び口に向けて上に流れるよ
うにユーザの首及び顎を含む、ユーザの顔のカーブに追従してよい。
【0143】
隠れたユーザ・フロー・インターフェース2201からエアカーテン1606は、
図2
3に示されるように上に導かれてかつユーザの顔から離れてよい。該ストリームは不快感
が生じないようにユーザの顔へは導かれない。また、上向きの気流は乾燥空気2301と
吸い込まれつつある清浄化空気1605との間に液体バリア又は分離バリアを生成しても
よい。清浄化空気1605がユーザに向けて送られるにつれて、エアカーテン1606が
汚れた空気2301を捕らえてユーザから離れるように導く。ユーザは次いでエアカーテ
ン1606の端部に向けて所望された清浄化空気だけを吸い込んでもよい。幾つかの実施
形態では、清浄化空気は、エアカーテンシステムによって清浄化空気に追加又は導入され
てもよい香り、粒子、その他を含有してもよい。このことは、香りが検出されれば清浄化
空気が吸い込まれつつあることをユーザに指示してもよい。臭覚疲労を回避するために、
CASはユーザが同じ香りに対して感覚が鈍くなるのを回避するために香りを定期的に変
化させてもよい。エアカーテン1606の方向は手動で調節されてもよいし、あるいはま
た、特定の方向に恒久的に設定されてもよい。
【0144】
ユーザ・フロー・インターフェース104は、スカーフの形態であってもよい。
図24
では、送出インターフェースを収納しているスカーフ2401が示されている。該スカー
フはユーザの肩の周りに覆われ、かつカラーの下のユーザ・フロー・インターフェースと
同様な様式でユーザに空気を送出する。スカーフ2401内に送出インターフェースを置
くことによって、スカーフがファショナブルな品物のままであることが可能であり、第三
者にとって医療器具のようには見えないであろう。
図24に示されるように、流れ発生器
1603はユーザの腕に対してアームバンドによって取り付けられてもよい。空気送出導
管1604は、空気1605をユーザ・フロー・インターフェースまで搬送してもよい。
ユーザ・フロー・インターフェースはエアカーテンをユーザ1606まで送出してもよい
。インターフェースはユーザの身体の輪郭に合わせて閉ループ準成型されてもよい。これ
によってユーザは次回それを着用したいと望むときより容易なセットアップが可能になる
。ユーザ・フロー・インターフェースの材料はまた、低温TPE(熱可塑性エラストマー
)から製造されてもよい。ユーザがスカーフを着用するにつれて、TPEはユーザの体温
の利用を通じてユーザの輪郭にそれ自身で成形(フィット)してもよい。
【0145】
図25は、帽子2501の形態でユーザ・フロー・インターフェース104を示す。該
帽子2501は空気送出導管1605によって流れ発生器1603に連結されてもよい。
帽子の縁の上にはユーザの顔を下に横切ってエアカーテン1606も導く穴があってもよ
い。エアカーテンがユーザの顔を横切って下に流れるようにすることは上記のカラー実施
形態と同じ原理に基づいているが、逆向きである。
【0146】
ユーザ・フロー・インターフェース104は、
図26に示されるように胸の上部を横切
って又は腰の下のどこかに着用することができる1本又は複数本のストラップ2601の
形態でもよい。該実施形態では、流れ発生器1603からの空気1605をシャツを通し
て押し込み、空気2606をユーザに提供するためにカラーの上部において逃げてもよい
。空気は同時に体臭を低減するために防臭剤を運んでもよい。
【0147】
図40Aはハイドレーション(水筒式)バックパック4001の形態によるユーザ・フ
ロー・インターフェース104を示す。該ハイドレーション(水筒式)バックパック40
01は、水導管4003を介してデュアルインターフェース4004まで水をユーザに送
達するためのに水筒4002を収納してもよい。該ハイドレーション(水筒式)バックパ
ックはまた、空気送出導管4007を介してデュアルインターフェース4004まで清浄
空気を送達するための流れ発生器4005を含んでもよい。該ハイドレーションバックパ
ック4001はまた、流れ発生器4005によって送達された清浄空気を湿らすための加
湿器4009を含んでもよい。この点に関しては、該加湿器4009は水筒4002から
水を吸引してかつ加湿器内の1つ以上の加熱要素が水を蒸発させてもよい。流れ発生器は
清浄化空気に沸騰水を通過させて、それによって湿度を清浄化空気に加える。他の実施形
態では、湿度はまた、別個の水芯(water wick)カートリッジを介してシステ
ムへ導入されることができる。
【0148】
図40Bに示されるように、ハイドレーションバックパック4001はユーザ4080
が背負って運ばれてもよい。ハイドレーションバックパック4001はストラップをユー
ザ4080の背中にしっかり固定するためにショルダーストラップ4021及びチェスト
ストラップ4023を含んでよい。ハイドレーションバックパック4001が、ユーザの
背中に装着されると、ユーザの背後に位置している空気は流れ発生器4005へ吸い込ま
れてもよい。デュアルインターフェース4004はユーザの背中からユーザの顎の下まで
覆ってもよい。デュアルインターフェース4004の位置は調節可能であってもよい。例
えば、水及び空気送出導管とともに、デュアルインターフェース4004は半剛性であっ
てもよいので、導管及びデュアルインターフェースが、空気を送出するときにはユーザの
口及び鼻の前方に及びユーザがひとすすりの水を必要とするときにはユーザの口において
位置付けされることが可能になる。
【0149】
該デュアルlインターフェース4004は、
図40Cに示されるように、水筒4002
からの水及び流れ発生器4005からの清浄化空気の両方を送出するための送出機構を含
んでよい。この点に関しては、空気送出導管4007及び水導管4003はデュアルイン
ターフェース4004において一緒に連結されてもよい。該デュアルインターフェース4
004は、そこからユーザが水導管4003を介して水筒4002からの水をすすること
ができるマウスピース4043を含んでよい。デュアルインターフェースはまた、ユーザ
の顔を横切るエアカーテンとして、空気送出導管4007を介して受け取られた清浄化空
気を導く空気ノズル4047を含んでもよい。幾つかの実施形態では、頭追跡又は顔追跡
光学システムは、ユーザの鼻/口の位置を突き止めるためにシステム内に搭載されてもよ
い。該追跡システムがユーザの鼻/口を追跡するとき、機械式アクチュエータは、空気の
流れをユーザの鼻/口領域に狙いをつけるように空気ノズル4047に対して調整を行っ
てもよい。
【0150】
ユーザインターフェースは、
図41に示されるように、ノーズクリップ4100の形態
であってもよい。該ノーズクリップはユーザの鼻孔にフィットするように構成される2つ
の剛性リング4110から構成されてもよい。該剛性リング4110はユーザの鼻孔とと
もにシールを形成してもよく、空気が剛性リングの周り及びユーザの鼻の中へ又は鼻から
リークするのを防止してよい。剛性リング゛4110は、清浄空気ノズル4120及び汚
染フィルタ4130及び/又は呼吸快適さ用の熱湿気交換(HMX0)フィルタを実装し
てもよい。該清浄空気ノズルは、流れ発生器からユーザの鼻腔内へ提供された清浄空気を
導いてもよい。該汚染フィルタはユーザがシステムの外部からの空気を吸い込むとともに
、呼気がシステムから出ることを可能にしてよい。該汚染フィルタ4130はまた、ユー
ザが息を吸うときに汚染又は他の空中浮遊物がユーザの鼻孔に侵入するのを遮断すること
もできる。
【0151】
該ノーズクリップ4100は、ノーズクリップを導管4160に接続するための接続チ
ューブ4140を含んでよい。導管4160は流れ発生器から清浄空気を送出してもよい
。コネクタ4150は接続チューブ4140を導管4160へ接合するために使用されて
もよい。該ノーズクリップ4100及び接続チューブ4140は軽量、低密度、透明材料
から製造されてもよい。例えば、ノーズクリップ4100及び接続チューブ4140は、
ユーザが運動をしているときなど、ユーザが動いているときにデバイスの慣性及び運動量
を低減するに際して支援してもよい軽量プラスチック材料から製造されてもよい。同様に
、導管はまたその形状を保持するのに十分に剛性であるが、ユーザの身体の動きに追従す
るのに十分に軟らかい材料から製造されてもよい。ノーズクリップ4100及び接続チュ
ーブ4140は、分離可能であってもよい、それによっていずれかのピースが交換及び/
又は補充できることになる。別の実施形態では、コネクタ4150、接続チューブ414
0、ノーズクリップ4100、剛性リング4110、ノズル412、及びフィルタ413
0は補充及び交換されることが意図される消耗品である。
【0152】
ユーザインターフェースは、
図42に示されるように、マウスガードの形態であっても
よい。該マウスガードはマウスピース4210、ボトムマウスピース4220、及びトッ
プマウスピースとボトムマウスピースとの間に位置しているフィルタ4230から構成さ
れてもよい。トップマウスピースはユーザの上の歯、唇、及び歯ぐきとの間に保持されて
もよい、またボトムマウスピースはユーザの下の歯、唇及び歯ぐきとの間に保持されても
よい。フィルタ4230は空気汚染フィルタなど、いずれの形式のフィルタであってもよ
い。一実施形態では、フィルタ4230は、患者との接触を回避しかつフィルタ4230
の中に捕集された粒子による汚染を回避するために患者の口内に位置づけされない及び口
の外部に存在させる。フィルタ4230は取り外し可能でありかつ補充及び交換されるこ
とが意図される消耗品である。マウスガードは、ユーザが口を通して呼吸するときに口腔
汚染保護をもたらしうる。例えば、非常な努力(例えば、運動、)をしている時間の間、
ユーザは口を通して呼吸する傾向がありうる。マウスガードにおけるフィルタは、これら
の時間の間ユーザを汚染及び/又は他の空中浮遊バクテリアから保護してもよい。幾つか
の実施形態では、マウスガードは、汚染及び/又は他の空中浮遊バクテリアに対する別途
口腔保護をもたらすために他のインターフェースと共に使用されてもよい。
【0153】
ユーザ・フロー・インターフェース104は、スポーツバンドの形態であってもよい。
図43A及び43Bに示されるように、スポーツバンド4301はユーザの頭4320の
周りを巻いてもよい。スポーツバンド4301の後部においては流れ発生器、加湿器、バ
ッテリ、及びスポーツバンド4301のバンド内の他のブロワ構成部品を位置づけるため
のハウジング4305があってもよい。幾つかの実施形態では、空気導管は外部ブロワと
スポーツバンド4301を接続することができ、それによってブロワ構成部品がスポーツ
バンドから取り外されることが可能になる。スポーツバンド4301の前方に空気ノズル
4303が位置づけられてもよい。
図43Bを参照すると、スポーツバンドはユーザの耳
4322の上に載るように位置づけされてもよい。この点に関しては、ハウジング430
5の重さはユーザの耳4322の上でスポーツバンドを下向きに引っ張ってもよく、空気
ノズル4303がユーザの顔から離れて、ユーザの口及び/又は鼻の前方に持ち上げられ
ることが可能になる。
【0154】
ユーザ・フロー・インターフェース104はスライド式マスクの形態であってもよい。
図44に示されるように、スライド式マスク4400は可動フロントプレート4410を
有してもよい。該可動フロントプレート4410は、矢印4420により示されるように
、ユーザの口及び/又は鼻に対して開口を生成するためにマスクの側部まで動かされても
よい。このような開口はユーザが食べたり話をしたいときに便利でありうる。該可動フロ
ントプレート4410は手で手動又はアクチュエータを用いて自動で動かされてもよい。
スライド式マスク4400は汚染からの受動的保護をもたらすための受動型フィルタ及び
他の要素を含んでよい。幾つかの実施形態では、スライド式マスクは流れ発生器から受容
される清浄空気を探求するためにノズルを含んでよい。
【0155】
エンタテインメント分野に適したインターフェースに関して、ユーザ・フロー・インタ
ーフェース(例えば、エンタテインメントインターフェース)は頭及び顔から取り去られ
てもよい。大抵のエンタテインメントデバイス及びコンソールは、コントローラを要求す
る。該ユーザ・フロー・インターフェースはコントローラの中に埋め込まれることができ
、かつ別途感覚要素がその中に追加されてよい。また、ユーザ・フロー・インターフェー
ス104は手袋2701であってもよい。空気2702は手袋2701から放出されても
よい。空気は前述した通り香り及び小さい微粒子を含んでよい。香り及び小さい微粒子は
、手袋内の造り付けの臭いカートリッジから分配されてもよい。
【0156】
エンタテインメントインターフェースは同様に衣類の形態であってもよい。例えば、図
28に示されるように、エアインターフェースはカラー2801及び2802、ゴーグル
2804、シャツ2803及びマスク2805とすることができる。幾つかの実施形態で
は、空気はカラー2801及び2802から上に及びバイザー2804から下に送られて
もよい。エンタテインメントインターフェースによって、システムはユーザを抱きしめる
、ユーザを温めたり冷やしたり、及びユーザを濡らしたりなどの他の感覚効果をトリガー
することが可能になる。幾つかの実施形態では、エンタテインメントインターフェースは
他のユーザ又は椅子、机、ベット、その他などの無生物に取り付けらてもよい。一実施例
では、エンタテインメントデバイスはユーザによって個人の左側に着用されてもよい。ト
リガーされるとき、エンタテインメントデバイスは空気若しくは別の感覚効果を、個人の
方向に、吹き出してもよく、結果的にユーザ及び個人の両方によって興奮が感じられるこ
とになる。同様に、エンタテインメントデバイスが、椅子などの物にに取り付けられる場
合、空気又は他の感覚効果が配置された二人以上の個人に提供されてもよい。
【0157】
ユーザ・フロー・インターフェース104はモック電子タバコとして構成されてもよい
。この点に関しては、モック電子タバコは実際の電子タバコの外観及び動作をまねしても
よい。例えば、受動型フィルタ及び/又は流れ発生器はモック電子タバコ内に設置されて
もよい。ユーザの別のあるユーザがモック電子タバコで吸い込むとき、煙を送る代わりに
、モック電子タバコは流れ発生器から清浄化空気を送出することができる。
【0158】
ユーザ・フロー・インターフェースは空気を分与させるためのノズルを含んでよい。こ
れらのノズルは、
図29に示されるように、2つの空気出力を含んでよい。
図29は2つ
のノズル分与設計を示す。該設計はユーザによって吸い込まれる、連行された汚れ空気の
問題を解決する。該システムでは、第1のノズルは、エアカーテン2902を生成する高
速層流を放出してもよい。該エアカーテンは汚れた空気2901を連行してもよくかつユ
ーザが吸い込んでもよい空気のポケットから汚れた空気を除去する。該層流は、ハチの巣
フィルタ2904のような層流化バリアを通って流れを押し込むことによって生成される
ことができる。第1のノズルの背後の第2のノズルは、ユーザが吸い込んでもよい、低速
空気を提供してよい。該層流がユーザの前方からすべての汚れた空気を除去するにつれて
、低速空気には所望されていない粒子がない。エアカーテン内への低速空気の連行を停止
するために、2つの吹出口の間に小さい物理的バリアが設置されてもよい。
【0159】
4.6 他の注記事項
本特許文書の開示の一部分は、著作権保護を受けている資料を収録している。著作権所
有者は、特許文書又は特許開示のいかなる者による複製に対して、特許・商標庁特許ファ
イル又は記録においてそれが見られる場合には、何ら反対していないが、その他の点では
どんなものであれすべての著作権を留保している。
【0160】
文脈が明らかに別段に指示していない限り及び値の範囲が提供される場合、その範囲の
上限と下限との間で、下限の10分の1の単位までの、各介在値及びその記載範囲内のい
かなる他の記載値又は介在値が本技術の範囲内に包含されると理解されるべきである。該
介在範囲内に独立して含まれてもよい、これらの介在範囲の上限及び下限はまた、該記載
範囲内でいかなる具体的に除外された限界を条件として、本技術の範囲内に包含される。
該記載範囲が限界の片方又は両方を含む場合、それらの包含された限界値のいずれか片方
又は両方を除外する範囲はまた本技術に包含される。
【0161】
さらに、1つ又は複数の値が、本技術の一部として実施されるとして、本明細書に明記
されている場合、このような値が、他に特段の指定がない限り、近似されてよいこと、及
びこのような値が実際的な技術的実施がそれを許可又は要求する程度においていかなる適
した有効桁まで利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0162】
他に特段の定義がない限り、本明細書に使われるすべての技術用語及び科学用語は、該
技術が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持っている。本明
細書に記載されるものと同様又は同等な任意の方法及び材料はまた、本技術の実践又は試
験において使用されることができるが、限られた数の代表的な方法及び材料が本明細書に
記載されている。
【0163】
ある特別の材料が構成要素を構築するのに好ましく使用されているとして確認される場
合、同様の特性を備えた明らかな代替材料が代用として使用されてもよい。さらに、これ
に反する指定がない限り、本明細書に記載されるいずれの及びすべての構成要素が製造さ
れることできると理解されるべきであり、また、そういうものとして、一緒に又は別々に
製造されてもよい。
【0164】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に指示しない限り
、単数形「a」、「an」、及び「the」はそれらの複数の同等物を含むことに留意し
なければならない。
【0165】
本明細書に言及されるすべての刊行物は、それらの刊行物の主題である方法及び/又は
材料を開示及び記載するために参照によって組み入れられている。本明細書で言及される
刊行物は、本出願の出願日以前にそれらを開示することためにのみ提供される。本明細書
に記載のいかなるものも本技術が先行発明によるそのような刊行物に先行する権利がない
という承認として理解されべきではない。また、提供された刊行物の日付は、独立して確
認する必要がありうる実際の公開日と異なっていてもよい。
【0166】
さらに、開示を解釈するに際して、すべての用語は文脈と矛盾しない最も広い妥当な方
法で解釈されるべきである。特に、用語「comprise(を備える)」及び「com
prising」は、非排他的な方法で要素、構成要素、又はステップを言及するものと
して解釈されるべきであり、参照されている要素、構成要素、又はステップが存在してい
るか、若しくは利用されている、あるいは明示的に言及されていない、他の要素、構成要
素、又はステップと組合されることを示唆する。
【0167】
詳細な説明に使われている見出し語は、読者の参照のし易さのためのみで含まれている
のであって、開示又は特許請求の範囲の全体にわたって見い出される主題を限定するため
に使用されるべきではない。見出し語は特許請求の範囲又は請求の制限を解釈するに際し
て使用されるべきでない。
【0168】
本明細書の本技術は特定の実施形態を参照して記載されてきたが、これらの実施形態が
本技術の原理及び適用を単に例示するものとして理解されるべきである。幾つかの実施例
において、用語及び符号は本技術を実践するために要求されない特定の詳細を含意しても
よい。例えば、用語「第1の」及び「第2の」は使用されてもよいが、特段の指定がない
限り、それらはいかなる順番を指示することは意図されていないが、特異な要素間で区別
するために利用されてもよい。さらに、方法論におけるプロセスステップは順番に記載又
は例示されてもよいが、このような順番付けは要求されない。当業者はこのような順番付
けが修正されてもよい及び/又はそれの態様が並行して又は同期してでも実施されてもよ
いことを認識するであろう。
【0169】
したがって、多数の改変が例示的な実施形態に対してなされてもよいこと及び他の配置
が本技術の趣旨及び範囲から逸脱しないで工夫されてもよいことが理解されるべきである
。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに清浄化空気を提供する個人用携帯型呼吸装置であって、
濾過又は調整された空気の流れを発生するように構成された流れ発生器と、
前記流れ発生器に結合された個人用立体呼吸インターフェースであって、前記流れ発生器用の吹出口を備え、ユーザの呼吸近接域内に空気の流れを誘導するように構成された個人用立体呼吸インターフェースと
を備え、
前記個人用携帯型呼吸装置は、遠隔のスマートフォンまたはタブレットと通信し、前記スマートフォンまたはタブレットの操作によって前記流れ発生器を制御するように構成されている、個人用携帯型呼吸装置。
【請求項2】
前記スマートフォンによってユーザの位置を監視し、汚染の高い区域に近づきつつある、またはその中にいる旨の通知を前記ユーザに提供するように構成されたスマート汚染ナビゲーションプログラムを備える、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項3】
前記個人用携帯型呼吸装置は、湿度と温度の変化を前記ユーザに提供するように構成されている、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項4】
前記個人用携帯型呼吸装置は、ストラップによってユーザの体に取り付け可能なコンパクトブロワを形成する、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項5】
分極媒体電子エアクリーナをさらに備える、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項6】
前記個人用立体呼吸インターフェースの向きを検出するように構成された1つ以上のセンサをさらに備える、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項7】
前記流れ発生器に接続されたコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、GPSを利用してユーザの位置を検出するように構成されている、請求項1に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【請求項8】
前記コントローラは、無線通信装置を利用して、位置データに基づいて前記ユーザの区域における既知の汚染物質のデータベースにアクセスするように構成されている、請求項7に記載の個人用携帯型呼吸装置。
【外国語明細書】