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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014179
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B65D88/12 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116382
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】519273315
【氏名又は名称】合同会社箱一
(74)【代理人】
【識別番号】110002778
【氏名又は名称】特許業務法人IPシーガル
(72)【発明者】
【氏名】増永 路人
【テーマコード(参考)】
3E070
3E170
【Fターム(参考)】
3E070AA26
3E070AB11
3E070GA11
3E070PA01
3E070VA21
3E070WH01
3E070WH02
3E070WH03
3E070WH11
3E070WJ04
3E170AA22
3E170AB11
3E170GA09
3E170PA01
3E170VA16
3E170WE01
3E170WE02
3E170WE03
3E170WE07
3E170WF04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】積載・貯蔵された被搬送物、特に粉粒体を、容易かつ安全に排出することを可能にするコンテナを提供する。
【解決手段】コンテナは、上面4、側面7,8、底面3により箱形に形成されてなるものであって、前記側面7,8の少なくとも1つに、被搬送物を排出する排出口として一又は複数の開口部を形成するとともに、前記開口部を閉止する開閉扉を設けたもので、前記底面3を、前記開口部の開口方向に直交する方向に延びる頂部3aと、該頂部3aを境に外側に向かって下り傾斜する一対の傾斜面3b,3bとを有する側面視山形状に構成し、前記傾斜面3bの傾斜角度θが水平面Hに対して安息角よりも大きい角度になるよう構成したものである。したがって、このコンテナによれば、前記開閉扉を開いて開口部を開放するだけで、被搬送物の排出を行うことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、側面、底面により箱形に形成されてなるコンテナであって、
前記側面の少なくとも1つは、被搬送物を排出する排出口として形成された一又は複数の開口部と、前記開口部を閉止する開閉扉を備え、
前記底面は、前記開口部の開口方向に直交する方向に延びる頂部と、該頂部を境に外側に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状に構成され、
前記傾斜面の傾斜角度は、水平面に対して安息角よりも大きい角度に設定されていること
を特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記一対の傾斜面は、
それぞれの傾斜角度が等しくなるよう構成されていること
を特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記傾斜角度は、
水平面に対して角度30~35°に設定されていること
を特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記底面は、
前記頂部の高さ位置が、コンテナ内の重心位置よりも低くなるよう構成されていること
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項5】
前記底面の傾斜面上には、被搬送物を前記開口部に誘導する誘導部材が配設され、
前記誘導部材は、
開口部間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状になるよう構成されたもの又は側面と開口部との間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する傾斜面を有する側面視三角形状に構成されたものであること
を特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項6】
前記開口部は、
折り畳み可能に構成された排出手段を備え、
前記排出手段は、
その入口側が前記開口部の内側周縁に取り付けられるものであること
を特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項7】
前記開口部は、
前記側面のうち、左右方向の側面に形成されていること
を特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテナに関するものである。
より具体的には、積載・貯蔵された被搬送物、特に粉粒体を、容易かつ安全に排出することを可能にするコンテナに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウッドペレットなどの粉粒体の搬送方法として、箱型のコンテナを利用したバルクコンテナによる搬送方法がある。
【0003】
このようなバルクコンテナによる搬送は、例えば、車両に搭載された箱型コンテナに、内袋を設置し、この内袋にバルク(粉粒体)を充填して、或いは内袋を設置しないで、そのままバルクを充填して搬送し、目的地において箱型コンテナを、傾斜装置を有する積載台上に搭載し、上記箱型コンテナを傾斜させ、傾斜時に上記内袋の下端となる位置に設けられた粉粒体排出口より粉粒体を排出させることによって行われる。
【0004】
このようなコンテナの一例が、特許文献1に開示されている。
【0005】
例えば、実開昭63-131992号公報(特許文献1)においては、スムーズに貨物を排出させることができ、その排出の際に側方から貨物がこぼれるおそれがなく、また貨物の排出作業を安全に行うことができるバルクコンテナが提案されている。
【0006】
このバルクコンテナは、リアパネルの下方に下端を回動自在に止着した開閉扉を設け、
該開閉扉の上方にウインチで巻取自在のワイヤーの端部を固定し、
上記開閉扉の側部とこれに対応する開口部の側部との間に貨物のこぼれ防止用キャンバスを設け、
さらに下端が床部の開閉扉側に回動自在に止着されて上記開閉扉を水平に開いたときに該開閉扉の内側面と床面とを掛け渡す案内板を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63-131992号公報(実用新案登録請求の範囲,図1~3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に記載されたバルクコンテナは、コンテナを傾斜させてバルクを排出する際に、コンテナの傾斜角度を、バルクの安息角より予測される角度より大きく取る必要があった。
したがって、コンテナから粉粒体を排出する際に、所定の角度までコンテナを徐々に傾けて行くと、傾斜により安息角を超えたバルクが、コンテナの後方に一度に落下するおそれがある、という問題があった。
したがって、粉粒体の排出を容易かつ安全に行うことにおいて、さらなる改善が求められる。
【0009】
この発明はかかる現状に鑑み、積載・貯蔵された被搬送物、特に粉粒体を、容易かつ安全に排出することを可能にするコンテナを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の請求項1に記載の発明は、
上面、側面、底面により箱形に形成されてなるコンテナであって、
前記側面の少なくとも1つは、被搬送物を排出する排出口として形成された一又は複数の開口部と、前記開口部を閉止する開閉扉を備え、
前記底面は、前記開口部の開口方向に直交する方向に延びる頂部と、該頂部を境に外側に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状に構成され、
前記傾斜面の傾斜角度は、水平面に対して安息角よりも大きい角度に設定されていること
を特徴とするコンテナである。
【0011】
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のコンテナにおいて、
前記一対の傾斜面は、
それぞれの傾斜角度が等しくなるよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載のコンテナにおいて、
前記傾斜角度は、
水平面に対して角度30~35°に設定されていること
を特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1~3のいずれかに記載のコンテナにおいて、
前記底面は、
前記頂部の高さ位置が、コンテナ内の重心位置よりも低くなるよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0014】
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1~4のいずれかに記載のコンテナにおいて、
前記底面の傾斜面上には、被搬送物を前記開口部に誘導する誘導部材が配設され、
前記誘導部材は、
開口部間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状になるよう構成されたもの又は側面と開口部との間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する傾斜面を有する側面視三角形状に構成されたものであること
を特徴とするものである。
【0015】
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1~5のいずれかに記載のコンテナにおいて、
前記開口部は、
折り畳み可能に構成された排出手段を備え、
前記排出手段は、
その入口側が前記開口部の内側周縁に取り付けられるものであること
を特徴とするものである。
【0016】
この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1~6のいずれかに記載のコンテナにおいて、
前記開口部は、
前記側面のうち、左右方向の側面に形成されていること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明にかかるコンテナは、上面、側面、底面により箱形に形成されてなるものであって、前記側面、好ましくは前記側面のうち、左右方向の側面の少なくとも1つに、被搬送物を排出する排出口として一又は複数の開口部を形成するとともに、前記開口部を閉止する開閉扉を設けたもので、前記底面を、前記開口部の開口方向に直交する方向に延びる頂部と、該頂部を境に外側に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状に構成し、前記傾斜面の傾斜角度が水平面に対して安息角よりも大きい角度になるよう構成したものである。
したがって、このコンテナによれば、前記開閉扉を開いて開口部を開放するだけで、被搬送物の排出を容易に行うことができる。
よって、このコンテナは、被搬送物の搬送後の排出を容易かつ安全に行うことを可能とするものである。
【0018】
前記コンテナにおいて、前記一対の傾斜面を、それぞれの傾斜角度が等しくなるよう構成することができる。
このような構成によって、コンテナ内において一方の傾斜面と側面との間に被搬送物が偏在することがないので、安定した状態で被搬送物を搬送することが可能となる。
【0019】
前記コンテナにおいて、前記底面を、前記頂部の高さ位置が、コンテナ内の重心位置よりも低くなるよう構成することができる。
このような構成によって、被搬送物を、コンテナ内に、より多く充填することが可能となる。
【0020】
さらに、前記コンテナにおいて、前記底面の傾斜面上には、被搬送物を前記開口部に誘導する誘導部材を配設し、前記誘導部材を、開口部間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する一対の傾斜面とを有する側面視山形状になるよう構成されたもの又は側面と開口部との間に位置し、かつ該開口部の開口方向に平行する方向に延びる頂部と、該頂部を境に前記底面の傾斜面に向かって下り傾斜する傾斜面を有する側面視三角形状に構成されたものとすることができる。
このような構成によって、被搬送物の搬送後の排出を、より容易に行うことが可能となる。
【0021】
さらに、前記コンテナにおいて、前記開口部には、折り畳み可能に構成された排出手段を配設することができる。
この排出手段は、折り畳み可能な素材で構成されたもので、その入口側を前記開口部の内側周縁に取り付けることで配設されるものである。
このような構成によって、被搬送物の搬送後の排出を、より容易に行うことが可能となるだけではなく、折り畳んだ状態で前記開口部を閉止するように開口部内側に配置されるので、前記開閉扉の不用意な開放を抑制又は極めて高い確率で防止することが可能となる。
【0022】
なお、前記開口部は、前記側面のうち、左右方向の側面に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明にかかるコンテナの実施の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すコンテナの底面を示す概略説明図である。
図3図1に示すコンテナの後妻側であって、その後妻側の側面を取り外した状態にあるものを示す概略説明図である。
図4図1に示すコンテナの底面を示す上面図である。
図5】この発明にかかるコンテナの実施の他の例を示す斜視図である。
図6図1に示すコンテナの開口部に装着される排出手段を示す概略説明図であって、(A)は、折り畳んだ状態を示すもので、(B)は、被搬送物の排出時の状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明にかかるコンテナの実施の一例を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明は開示された実施例にのみ限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内において種々改良することができるものである。
【0025】
この発明において、コンテナ1は、図1で明らかなように、所要の長さと幅を有する平面視矩形状の底面3と、前記底面3に対向して設けられる天面4と、前記底面3の前後に設けられる側面5,6と、前記底面3の右左に設けられる側面7,8とで、細長形の箱形に形成されてなるコンテナ主体2で構成されるもので、国際海上コンテナの基準であるISO(国際標準化機構)やCSC(コンテナの安全に関する国際条約)に適合するように構成されている。
なお、このコンテナ1が車両に搭載される場合には、前記コンテナ主体2の後妻側(図1において側面6側)は、後部側に位置される。
【0026】
前記コンテナ主体2の右左側面7,8の下部のそれぞれには、図1及び2に示すように、被搬送物を排出する排出口として開口部7a,8aが形成され、この開口部7a,8aを閉止する開閉扉7b,8bが装着されている。
なお、前記開口部については、前記前後左右の側面5,6,8,7の少なくとも一つ、好ましくは右側面7及び/又は左側面8に、一又は複数形成することができる。
【0027】
前記底面3は、図2に示すように、側面視にて(排出方向に直交する側から見て)山形状になるよう構成されたもので、前記開口部7a,8aの開口方向、すなわち被搬送物の排出方向に直交する方向に延びる頂部3aと、この頂部3aを境に外側(より具体的には、開口部下縁)に向かって下り傾斜する一対の傾斜面3b,3bとを有している。
【0028】
この発明において、前記底面3は、その頂部3aが、前記開口部7a,8aの開口方向、すなわち被搬送物の排出方向に平行する方向(図2において、幅方向)の中央部に位置するよう構成されている。
【0029】
なお、前記頂部3aについては、この発明の作用効果(コンテナの内容物(被搬送物)が残留することなく自動的に落下(自然落下)する効果)を損なわない限りにおいて、丸みを帯びるように形成してもよいが、前記頂部3aに被搬送物が残存しないようにする観点から、丸みがないように形成することが望ましい。
【0030】
さらに、この発明において、前記一対の傾斜面3b,3bは、水平面H(通常、底面3)に対する傾斜角度θが、安息角よりも大きい角度になるよう構成されている。
したがって、被搬送物(特に粉粒体)は、その自重によって、前記傾斜面3b,3bを滑り、開口部7a,8aを介して外部に排出される。
【0031】
ここで、「安息角」とは、自然の状態ではこれ以上の角度にあっては粉粒物が堆積せず、流れ落ちるときの角度をいい、被搬送物の種類に応じて定まるものである。
したがって、前記傾斜面3b,3bの傾斜角度θについては、搬送する被搬送物に応じて選択すればよく、特段の制限はないが、積載量などの観点から、好ましくは角度30°~35°、より好ましくは角度30°~32°である。
傾斜角度θが30°未満の場合には、被搬送物が、その自重によって(自動的に)外部に排出される効果が十分に発揮されない傾向にあり、傾斜角度θが35°を超えると、コンテナ1の内容量が減少し、被搬送物の充填量が減少する傾向にある。
なお、この実施例においては、前記傾斜角度θは、角度30°程度に設定されている。
【0032】
前記一対の傾斜面3b,3bの傾斜角度については、それぞれ異なる角度としてもよいが、好ましくは同じ角度に設定される。
このような構成によって、前記一対の傾斜面3b,3bは、前記頂部3aを境として対称になるので、コンテナ1は、前記境でバランスをとることが可能となり、その結果、被搬送物が充填されたコンテナ1において良好な安定性の実現が可能となる。
したがって、コンテナ内において一方の傾斜面と側面との間に被搬送物が偏在することがないので、安定した状態で被搬送物を搬送することが可能となる。
【0033】
前記底面3は、前記頂部3aの高さ位置が、コンテナ1内の重心Pの位置よりも低くなるよう構成されていることが望ましい。
このような構成によって、被搬送物を、この発明の作用効果(コンテナの内容物(被搬送物)が残留することなく自動的に落下する効果)を損なうことなく、より多くコンテナ1内に充填することが可能となる。
【0034】
前記底面3を側面視にて(排出方向に直交する側から見て)山形状になるよう構成する方法については、特段の制限はない。
【0035】
図2及び3において、底面3は、傾斜面3b,3bを構成する一対の平面視矩形状の底板31,31と、前記底板31,31を支持する支持構造体32で構成されている。
また、前記支持構造体32は、開口部7a,8aの開口方向に対向する一対の側面7,8間に架設される長尺の横架材33と、前記横架材33と前記底板31とを連結する一対の斜材32,32と、を交互に配列することにより構成されている。
さらに、前記一対の斜材32,32は、下端が前記横架材33の中央部近傍に取り付けられるとともに、上端が鉛直方向に対して開口方向に向かって互いに離間するように所要の角度で傾斜していることにより、略V字状を呈している。
このような方法で構成することにより、既製のコンテナであっても、その底面を、容易に側面視にて(排出方向に直交する側から見て)山形状になるよう構成することが可能である。
なお、前記斜材32の傾き角度については、特段の制限はないが、例えば、鉛直方向に対して角度60°~70°に設定することができる。
【0036】
図2及び4において、前記傾斜面3b上の、開口部7a,7a間には、これらの開口部7a,7aに被搬送物を誘導して排出しやすくするため、誘導部材9が配設されている。
この誘導部材9は、側面視にて(排出方向側から見て)山形状になるよう構成されたもので、開口部7aとこれに隣接する開口部7aとの間に位置し、かつこれらの開口部7a,7aの開口方向、すなわち被搬送物の排出方向に平行する方向に延びる頂部9aと、この頂部9aを境に前記底面3の傾斜面3bに向かって下り傾斜する一対の傾斜面9b,9bとを有するものである。
なお、図2及び4に示すように、開口部8a,8a間にも前記誘導部材9と同じものが配設されている。
【0037】
前記誘導部材9の傾斜面9bの傾斜角度については、搬送する被搬送物や前記底面3の傾斜面3bの傾斜角度に応じて選択すればよく、特段の制限はないが、例えば、前記底面3の傾斜面3bに対して角度30°~38°である。
なお、前記一対の傾斜面9b,9bの傾斜角度については、それぞれ異なる角度としてもよいが、好ましくは同じ角度に設定される。
【0038】
図2及び4において、前側面5とこれに隣接する開口部7aとの間、及び後側面6とこれに隣接する開口部7aとの間にも、この開口部7aに被搬送物を誘導して排出しやすくするため、誘導部材10が配設されている。
この誘導部材10は、側面視にて(排出方向側から見て)三角形状になるよう構成されたもので、側面5(又は6)とこれに隣接する開口部7aとの間に位置し、かつこの開口部7aの開口方向、すなわち被搬送物の排出方向に平行する方向に延びる頂部10aと、この頂部10aを境に前記底面3の傾斜面3bに向かって下り傾斜する傾斜面10bとを有するものである。
なお、図2及び4に示すように、前側面5とこれに隣接する開口部7aとの間、及び後側面6とこれに隣接する開口部7aとの間にも前記誘導部材10と同じものが配設されている。
【0039】
前記誘導部材10の傾斜面10bの傾斜角度については、搬送する被搬送物や前記底面3の傾斜面3bの傾斜角度に応じて選択すればよく、特段の制限はないが、例えば、前記底面3の傾斜面3bに対して角度30°~38°である。
【0040】
図4において、前記誘導部材9,10は、開口部と側面との間、隣接する2つの開口部間の全てに設けられているが、これらのうち少なくとも1箇所に配設することができる。
【0041】
この発明において、前記コンテナ1の開口部7a,8aの少なくとも1つには、図5及び6に示すように、前記コンテナ1の内部から外部へ被搬送物を排出するための排出手段11を配設することができる。
前記排出手段11は、図5及び6に示すように、その入口側が前記開口部7a(又は8a)の内側の周縁に取り付けられるもので、入口側11aから出口側(排出側)11bに向かうに従って縮径する錐台状(截頭錐体状)(図5及び6においては、截頭角錐体状)をなしている。
したがって、被搬送物の搬送後の排出を、より容易に行うことが可能である。
【0042】
図6において、前記排出手段11は、折り畳み可能に構成されている。
前記排出手段11を構成する材料ないし素材については、前記排出手段11が折り畳み可能に構成される限りにおいて特段の制限はないが、例えば、ポリオレフィン系合成繊維(例えば、ポリプロピレンや、ポリプロピレンなど)等のフレキシブル材料などの折り畳み可能な素材で構成することができる。
かかる構成の排出手段11は、通常(被搬送物を排出しない場合)、図6(A)に示すように、折り畳んだ状態で開口部7a,8aの内部や内側、その近傍などに配置される一方、被搬送物を排出する時に、図6(B)に示すように、前記排出手段11の出口側11bを、前記開口部7a,8aの外側から突出させて使用されるものである。
【0043】
この実施例において、前記排出手段11は、折り畳んだ状態で開口部内側に配置されたときに、前記開口部3bが閉止されるように構成されている。
このような構成によって、前記開閉扉7b,8bが不用意に開放されることが抑制又は極めて高い確率で防止される。
なお、図5及び6において、前記排出手段11は、折り畳んだ状態で、前記開口部3bを閉止するのに十分な大きさで構成されている。
【0044】
かかる構成の底面3を有するコンテナ1は、被搬送物を積載したのち、所定の場所に搬送し、搬送先にて、積載された被搬送物を排出するものである。
前記底面3を有するコンテナ1において、被搬送物の排出に際しては、開閉扉(7b及び/又は8b)を開けると、被搬送物が荷崩れ(自然落下)して、コンテナ1外に吐き出される。
したがって、被搬送物の排出のために、コンテナ1をダンプ傾斜させる必要がない。
【0045】
なお、この発明のコンテナにおいて、前記開口部は、左右方向の側面に形成されているが、前記開口部については、いずれの側面に設けてもよく、後妻側に設けることもできる。
【0046】
また、この発明のコンテナは、ウッドペレットなどの粉粒体の搬送用として使用することが可能なものであるが、通常の貨物の搬送も当然可能なものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明のコンテナは、その底面を側面視にて(排出方向に直交する側から見て)山形状になるよう構成することによって、開閉扉を開いて開口部(排出口)を開放するだけで、コンテナ内に積載・貯蔵された被搬送物、特に粉粒体の排出を、容易に行うことを可能とするもので、あらゆるコンテナに利用することができるものである。
【符号の説明】
【0048】
1 コンテナ
2 コンテナ主体
3 底面
3a 頂部
3b 傾斜面
31 底板
32 支持構造体
32a 横架材
32b 斜材
4 天面
4a 投入口
4b ハッチ
5 側面(前妻側)
6 側面(後妻側)
7 側面(右側)
7a 開口部
7b 開閉扉
8 側面(左側)
8a 開口部
8b 開閉扉
9,10 誘導部材
9a,10a 頂部
9b,10b 傾斜面
11 排出手段
11a 入口側(流入口)
11b 出口側(排出口)
H 水平面
P コンテナの重心
θ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6