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特開2022-141810可搬型RF透過性発射筒を有する遠隔操作無人航空機レポート抑制発射機のためのシステムおよび装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141810
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】可搬型RF透過性発射筒を有する遠隔操作無人航空機レポート抑制発射機のためのシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/04 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
B64F1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114240
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2020137286の分割
【原出願日】2010-09-09
(31)【優先権主張番号】61/240,996
(32)【優先日】2009-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/240,987
(32)【優先日】2009-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/241,001
(32)【優先日】2009-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512059877
【氏名又は名称】エアロバイロメント,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AEROVIRONMENT,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ミラジェス,カルロス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スゥ,グアン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュコフ,オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】マクニール,ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】命令ノードと発射前状態において命令ノードから命令信号を受信するように構成されたUAVを収容する発射機とを備えるシステムに関する。
【解決手段】無人航空機発射筒は、内壁により画定された発射機のボリューム内にUAVを係合させるように構成されたテザ付きサボを備え、サボは、内壁において圧力シールを提供するように寸法決めされるとともに内壁に繋がれており、サボは、中空であり、高圧ボリュームに向けて配向された開放端と、サボの中空部内に取り付けられるとともに高圧ボリュームを保持する内壁に取り付けられるかまたはベース内壁に取り付けられたテザとを有する。システムは、通信ノードと、発射前状態において、通信ノードから命令入力を受信するとともにそれらに応答するように構成された無人航空機を備える発射機とを備える。
【選択図】図10-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射機の発射ボリューム内に配置された送信機によって、前記発射機の発射壁を通して無線で送信される1又はそれ以上のRF信号を介した無線通信を送信するステップを具える方法であって、
前記発射ボリュームは前記発射壁によって規定され、前記発射壁は連続的な無線周波数(RF)透過性材料を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、さらに、前記発射機の前記発射ボリューム内に配置された受信機によって、前記発射機の発射壁を通して無線で受信される1つまたは複数のRF信号を介して無線通信を受信するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記受信される1つまたは複数のRF信号は、前記発射ボリューム内に配置されたRFアンテナによって受信されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、さらに、前記発射機の前記発射ボリューム内に配置された受信機によって受信される前記1つまたは複数のRF信号を、外部通信ノードによって送信するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、前記受信機によって受信される前記1つまたは複数のRF信号は、偵察ウェイポイント情報、監視最適化軌跡情報、目標データ、および飛行計画情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記送信機は、前記発射機の発射壁を通して無線で送信するように配置されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、さらに、
前記発射ボリューム内に配置された無人航空機(UAV)の発射中に、1つまたは複数のガス生成キャニスタによってガスを生成するステップと、
前記UAVの発射後、生成されたガスを前記発射ボリューム内に保持するステップと、
を具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、送信される無線通信は、前記発射ボリューム内に配置された無人航空機(UAV)のステータスを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、送信される無線通信は、前記発射機のステータスを具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記発射機のステータスは、バッテリレベルおよび自己診断の結果のうちの少なくとも1つを具えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年9月9日に出願された米国仮特許出願第61/240,996号明細書、2009年9月9日に出願された米国仮特許出願第61/240,987号明細書、および2009年9月9日に出願された米国仮特許出願第61/241,001号明細書の優先権を主張し、それらの特典を請求するものであり、かかる出願のすべては、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、無人航空機(UAV)用の発射筒およびキャニスタ、レポート抑制発射筒、ならびにサボを含む。また、実施形態は、1つ以上のUAVを備えるシステムに関し、命令ノードと発射前状態において命令ノードから命令信号を受信するように構成されたUAVを収容する発射機とを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
UAVは、典型的には、組み立てられていない状態で発射現場に輸送される。現場で組み立てられ、試験され、次いで発射される。発射は、典型的には、手作業、弾性テザ、動力ウェンチにより、移動している車両から、またはそれらの組み合わせにより実行される。かかる方法は、時間および/または手間がかかる可能性がある。一旦発射されると、UAVは、アップリンクを受信することができ、ヒューマンインザループ、例えば監視制御を介して間欠的に航路修正をアップリンクする人間により、または機上飛行経路誘導生成器ならびに慣性センサの出力および/または衛星航法システム(GPS)受信機からの出力と組み合わせた予め組み込まれた迎撃/攻撃点により、誘導することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態は:(a)直方体状開口の周りに配設されたプリプレグ基板の少なくとも1つの内層と;(b)直方体状開口の周りに配設されたプリプレグ基板の少なくとも1つの外層と;(c)プリプレグ基板の少なくとも1つの内層とプリプレグ基板の少なくとも1つの外層との間に配設された1つ以上の構造パネルと;を備える、無人航空機(UAV)などの物体を含み得る。プリプレグ基板の少なくとも1つの内層は、エポキシプリプレグKevlar(商標)または他の軽量複合体を備えてもよい。プリプレグ基板の少なくとも1つの外層は、エポキシプリプレグKevlar(商標)または他の軽量複合体を備えてもよい。1つ以上の構造パネルは、バルサ材または軽量複合体を備えてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の構造パネルは、4つの構造パネルを備えてもよく、各パネルは、円筒状セグメントを備え、各パネルは、コード長および円筒高さにより画定される平坦表面を有する。各近接した平坦表面は、互いに直角に配設されてもよく、各構造パネルは、コード長に対して垂直な第1の側方縁および第2の側方縁を有し、第1の構造パネルの第1の側方縁は、第2の構造パネルの第1の側方縁に対して近接しているが接触していない。第1の構造パネルの第2の側方縁は、第3の構造パネルの第1の側方縁に対して近接しているが接触していない。第4の構造パネルの第1の側方縁は、第2の構造パネルの第2の側方縁に対して近接しているが接触していない。第4の構造パネルの第2の側方縁は、第3の構造パネルの第2の側方縁に対して近接しているが接触しておらず、4つの構造パネルの各々の平坦表面は、発射筒の中心線に対して位置合わせされてもよい。加えて、4つの構造パネルの各々は、エポキシプリプレグ基板の内層とエポキシプリプレグ基板の外層との間に配設されてもよい。実施形態は、内壁により画定された発射機のボリューム内に無人航空機(UAV)を係合させるように構成された構造要素を備えるレポートを抑制するために構成されたUAV発射筒などの物体を含む。物体は、内壁において圧力シールを提供するように寸法決めされるとともに内壁に繋がれてもよい。構造要素は、中空部または空洞を有し、高圧ボリュームに向けて配向された開放端と、物体の中空部または空洞内に取り付けられるとともに高圧ボリュームを保持する内壁に取り付けられてもよいテザとを有してもよい。
【0005】
追加の実施形態は、方法と、(a)通信ノードと;(b)発射前状態において、通信ノードから命令入力を受信するように構成された無人航空機(UAV)を備える発射機と;を備えるUAVシステムを含み得る。いくつかの実施形態において、発射前状態におけるUAVは、さらに、受信したクエリ信号に応答してUAVステータスデータを通信ノードに送信するように構成されている。いくつかの実施形態において、UAVのRFアンテナは、発射機のボリューム内に収容されている。いくつかの実施形態において、発射推進システムは、RF信号を受信するように構成されている。
【0006】
実施形態は、例示のために示すものであり、以下の添付の図面の形態に限定するためではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的な発射筒の実施形態の上側斜視図である。
図2図2は、例示的な発射筒の実施形態の一部分の下側斜視図である。
図3図3は、例示的な発射筒の実施形態の断面図である。
図4図4は、本発明のUAV運搬ケースの実施形態として構成された発射筒の例示的な描写である。
図5図5は、本発明のUAV運搬ケースの実施形態として構成された発射筒の例示的な描写である。
図6図6は、支持ストラットおよび足部が展開された状態のUAV運搬ケースの実施形態として構成された発射筒の例示的な描写である。
図7図7は、本発明の例示的なテザ付きサボの実施形態の上側斜視図である。
図8図8は、本発明の例示的なテザ付きサボの実施形態の上面図である。
図9図9は、本発明の例示的なテザ付きサボの実施形態の断面図である。
図10図10Aは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射を示す。図10Bは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射を示す。図10Cは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射を示す。図10Dは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射を示す。図10Eは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射を示す。
図11図11Aは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射の、ランチ筒の遠端の断面図である。図11Bは、本発明のテザ付きサボの実施形態を用いる例示的なUAV発射の、ランチ筒の遠端の断面図である。
図12図12Aは、発射前状態における例示的なUAVの下側斜視図である。図12Bは、翼が展開され推進プロペラが回転している状態の例示的なUAVを示す。
図13図13は、例示的な発射筒の実施形態の一部分の下側斜視図である。
図14図14は、UAV処理および誘導および制御サブシステムの例示的な機能ブロック図である。
図15図15は、システムの実施形態のトップレベルシステムアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例示的な発射筒100の実施形態の上側斜視図である。例示的な発射筒の上端、または開放端110は、丸められた角部を有する四角形の開口を呈している。プリプレグ基板の外層120とプリプレグ基板の内層130との間には、4つの構造パネル141~144が配設されている。
【0009】
図2は、例示的な発射筒の実施形態200の一部分の下側斜視図である。例示的な発射筒の下端、または閉鎖端210は、第1の足部ピボット点突起230と共線的な軸心の周りに湾曲した端部220を呈しており、第1の足部ピボット点突起230の反対側に第2の足部ピボット点突起が設けられているが、図示していない。
【0010】
図3は、図1の例示的な発射筒の実施形態の断面図300であり、発射筒の中心線の周りに配設された4つの構造パネル141~144を示している。非円筒状のUAVを配置し、かかるボリュームから発射することができる。図示の各パネルは、外表面350から発射筒の中心線360までの距離323よりも大きい曲率半径322を表す外表面曲率311を有している。図示の各パネル141~144は、コード長313を表す平坦な内表面312を有している。そのため、本断面図における各パネル141~144の端面314は、円形セグメントである。図示の各パネルは、プリプレグ基板の内層370とプリプレグ基板の外層380との間に配設されている。図示の各パネルは、互いに離れて配設されており、パネルの側方縁318、319の間に空間390が設けられている。そのため、プリプレグ基板の内層370とプリプレグ基板の外層380とは、直方体形状のボリューム305の角部301~304において互いに接触している。プリプレグ基板の外層380は、断面図において、実質的に卵形の外側周長を画定している。いくつかの実施形態において、内層370および外層380は、エポキシプリプレグKevlar(商標)もしくは複合材料、または両者の組み合わせを備えてもよく、構造パネルは、バルサ材もしくは軽量複合材料、または両者の組み合わせを備えてもよい。
【0011】
図4は、UAV運搬ケース400の実施形態として構成された発射筒の例示的な描写である。図示の足部410は、足部ピボット点突起230を介して発射筒405に回転可能に取り付けられている。図示の第1のストラットまたは脚部420は、発射筒の上部110の近傍において発射筒405に回転可能に取り付けられている。第1のストラットの反対側に第2のストラットまたは脚部が配設されているが、本図では示していない。図示のキャップ430は、覆われてなければ開放されている発射筒の端部を覆っており、周方向ストラップ431により拘束された状態で示されている。
【0012】
図5は、部分的に展開された状態におけるUAV運搬ケースの実施形態として構成された発射筒の例示的な描写である。すなわち、図示のキャップ430は、取り外され、図示のようにオプションのメンブレンシール540を有してもよい発射筒の開放端を露出させている。シール540は、砂、土、湿気、および/またはグリットが発射前準備中に発射筒に進入しないように適用された破壊可能なフィルムであってもよい。図示の足部410は、発射筒から離れるように半ば回転しており、図示の第1のストラットまたは脚部420は、支持位置に向けて半ば回転している。
【0013】
図6は、支持ストラット420および足部410が展開された状態のUAV運搬ケースの実施形態として構成された発射筒600の例示的な描写である。「筒」との用語を用いた意図は、UAVを発射することができるボリュームを指示するためであって、ボリュームの形状を円筒状の筒に限定するためではない。一対のストラットまたは一対の脚部の角度610は、局所レベル602に対して所望される発射角度601に対応するように調節してもよい。同様に、発射筒と足部との間の角度620は、所望される発射角度601に対応するように調整してもよい。いくつかの実施形態において、一対のストラットまたは一対の脚部420は、近方側セグメント421に対して遠方側セグメント422が出入りして伸縮できるように、異なる直径のセグメントを備えてもよい。これらの実施形態において、脚部の全長は、平坦でない局所地形もしくは所望される発射角度601、またはそれらの両者に対応するように調節してもよい。足部410は、足部の下表面と局所地表面602との間の静摩擦をさらに高めるためにブートおよび/または質量からのダウンフォースを受けるようにサイズ決めしてもよい。発射筒630の上部は、発射機内部のボリュームをグリット、砂、湿気、および天気の影響から保護するために破壊可能なメンブレンを含んでもよい。一旦発射機が表面上で位置決めされると、UAVが発射前状態にある間にUAVにミッション情報をアップロードする目的で、およびUAVステータス情報を受信する目的で、発射機600を遠隔制御してもよい。
【0014】
実施形態は、無人航空機(UAV)発射筒を含み、かかる発射筒は、内壁により画定された発射機のボリューム内にUAVを係合させるように構成されたテザ付きサボを備えてもよく、テザ付きサボは、内壁において圧力シールを提供するように寸法決めされ、内壁に繋がれている。いくつかの実施形態において、テザ付きサボは、中空であり、高圧ボリュームに向けて配向された開放端と、サボの中空部内に取り付けられるとともに高圧ボリュームを保持する内壁に取り付けられたテザとを有してもよい。
【0015】
直方体状開口を有する発射機には、図7に示す例示的なテザ付きサボ700の実施形態を用いてもよい。サボは、炭素繊維、例えば、一端が開放された中空物がもたらされるように型を用いて成形し硬化させたプリプレグ炭素繊維で作製されてもよい。サボは、UAVの推進プロペラアセンブリを受けるためのチャネル710を有してもよい。また、サボは、中空部により提供されるボリュームの外側にガスを受けるための凹み720を有してもよい。図示のサボは、テザのための構造取付体を提供するようにサボの幅に亘ってもよい構造要素の端部730を示している。図示のテザ740の一部分は、サボの中空部から延在している。
【0016】
図8は、例示的なテザ付きサボ700の実施形態の上面図である。構造要素810は、棒であってもよく、サボ700の幅に亘ってもよい。テザのループ部820は、構造要素810に係合してもよい。テザ740は、シリコーンプリプレグ編組Kevlar(商標)であってもよく、テザ740の一端を構造要素810を一回りさせた後にテザ740の編組内に織り込み、さらに硬化させてもよい。
【0017】
図9は、図8の上面図から取ったサボ700の断面図であり、サボ700の中空部910内で構造要素810に係合するテザ740を示している。
【0018】
図10Aは、図1および図2に示す発射機などの装填済発射機1010の断面図であり、図3に示すUAVなどのUAV1020が装填されている。本例において、図示の発射機1010は、オプションの破壊可能なシール1030を有している。図示の2つのガス生成キャニスタ1041、1042は、発射機1010の機尾ボリューム1001内に配設されている。図示の例示のテザ付きサボ1050は、ガス生成キャニスタ1041、1042とUAV1020との間に配設されている。
【0019】
図10Bは、図10Aの断面図において、第1のガス生成キャニスタ1041が発射機1010の機尾内壁1011とサボ1050との間のボリューム1001内の圧力を増加させている(煙雲1002により示す)様子を示す。テザ1060は、テザリールまたは巻き取り要素1014を介してベース内壁1013に取り付けられてもよい。図10Aに対して、図示のサボ1050は、発射筒(本例では、直方体状のボリューム)に沿って変位しており、それとともにUAV1020が移動している。図示のUAVは、破壊可能なシール1030を破壊し、発射機1010から外に出ようとしている。
【0020】
図10Cは、図10Aの断面図において、第2のガス生成キャニスタ1042が発射機1010の機尾内壁1012とサボ1050との間のボリューム内の圧力を増加または持続させている(第2の煙雲1003により示す)様子を示す。図示のサボ1050は、発射筒に沿ってさらに変位しており、図示のテザ1060は、繰り出された長さであり、図示のUAV1020は、サボ1050とともに移動して発射機の実質的に外側にある。
【0021】
図10Dは、図10Aの断面図において、発射筒内で完全に変位し、テザ1060によりさらなる移動が制約され、発射機のボリューム内にガスを保持している状態のサボ1050を示す。
【0022】
図10Eは、図10Aの断面図において、発射筒内で完全に変位し、テザ1060によりさらなる移動が制約され、発射機のボリューム内にガスを保持しつつ発射機のボリュームから周囲の大気へのガスの漏出1090を許容している状態のサボ1050を示す。
【0023】
図11Aは、サボ1050が図10Dに示す完全に繰り出された状態に近付く際の、ランチ筒1100のシールされていない遠端の断面図である。高温または中温ガス生成器を用いるいくつかの実施形態において、サボ1050は、概ね図11Aに示す場所よりも遠くへは移動せず、ガスの大気への漏出は、サボがガスにより熱せられた状態からの冷却サイクルにおいて収縮する際にサボの周りで行われる。中温または低温ガス生成器を用いるいくつかの実施形態において、サボ1050は、発射機のリム1120から部分的に延在するように移動し(図11B)、一旦サボのリップ701が発射機のリム1120をクリアしたら、ガスを側方の凹み720から漏出1110させてもよい。テザ1060を介してサボ1050を保持することにより、発射機は、短期間の間、高速ガス生成により発生する圧力波、すなわちレポート、および熱のかなりの部分を保持する。発射後、発射機は、サボ1050周りの漏出を介して発射機から圧力を拡散させる。
【0024】
いくつかの実施形態において、サボ1050は、ガス生成器からのガスによりサボ1050の内側に与えられる圧力により発射機の1つの内壁または複数の内壁に接触するように伸張してもよい。この伸張により、サボ1050と1つの内壁または複数の内壁との間におけるシールの形成が可能になるか、または少なくとも容易になり、それにより、サボ1050が筒に沿って移動する間のサボ1050の周りにおけるガスの通過が防止または制限される。特定の実施形態において、サボは、サボと発射機の1つの内壁または複数の内壁との間に間隙を形成するように構成されてもよい。かかる空隙のサイズは、所望される量のガス漏れを提供するように設定してもよい。いくつかの実施形態において、サボ1050は、発射機が発射ガスを収容するために熱くなりすぎて発射機の構造的完全性が損なわれるかまたは失われることを防止するように、十分なガス漏れを許容するようにサイズ決めされてもよい。そのため、サボ1050の実施形態は、発射プロセス中に生成される音波の音響伝搬を制限するようにガス漏れを制限するようにサイズ決めされてもよい。
【0025】
図12Aは、発射前状態1200における、すなわち翼1210および尾翼面1220が航空機の胴体の下方に折り畳まれた状態の、例示的なUAVを示す下側斜視図である。プロペラが回転可能に搭載されたプロペラハブ1230も示している。航空機は、航空機に沿ったまたは航空機から延在する無線周波数(RF)アンテナ1231を含んでもよい。筒のボリュームが直円筒、直方体、または他の何らかの形状であれ、UAVの1つの断面または複数の断面は、航空機と発射機の内壁との間の気密な嵌合を維持するためには不十分であるかもしれない。そのため、ガス圧力に基づく発射については、ガス源とUAVとの間にサボを配設してもよい。図12Bは、翼1210、1220が展開され推進プロペラ1232が回転している状態の、発射後状態1201における例示的なUAVを示す。
【0026】
図13は、発射機1310の前方部分に装填された航空機1300の実施形態の側方立面図である。図示の発射機1320の機尾部は、ガス生成キャニスタ1331、1332を有し、RFアンテナ1333および受信機ユニット1334、ならびに発射機に動力を供給するためのバッテリなどの電源1336を含んでもよい。いくつかの実施形態において、電源1336は、発射機1310にあるときのUAV1300にも動力を供給し、発射機1310を出発した後のUAVのバッテリに最大のバッテリ寿命を与えてもよい。高いRF透過性を有する構造要素の例には、バルサ材およびエポキシプリプレグKevlar(商標)がある。そのため、UAVのRFアンテナおよび受信機要素ならびに/または発射推進ユニットのRFアンテナおよび受信機要素は、発射機の構造による信号の減衰が無視可能な状態で命令ノードからRF命令を受信することができる。
【0027】
図14は、UAV処理および誘導および制御サブシステム1400の例示的な機能ブロック図であり、誘導センサ1414は、シーカ処理1420のシーク処理に関する外部環境についての情報を提供する。誘導センサ1414、より一般的には一揃いの誘導センサは、受動および/または能動レーダサブシステム、赤外線検出サブシステム、赤外線撮像サブシステム、ビデオカメラベースのサブシステムなどの可視光撮像サブシステム、紫外光検出サブシステム、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。シーカ処理1420は、画像処理と目標追跡処理との両方、ならびにアップリンク受信機1435からおよび/または誘導プロセス1430の出力として受信され得る目標指定または再指定入力1421を含んでもよい。画像処理および/または目標追跡情報1422は、アップリンク/ダウンリンク送受信機の一部であってもよいダウンリンク送信機1423を介して送信してもよい。誘導プロセッサ1430は、誘導処理のための指令を実行する際に、シーカ処理1420から目標情報1424を取り込み、GPS受信機1431ならびにジャイロスコープおよび加速度計1432(存在する場合)から位置、速度、および姿勢などのUAV飛行ステータス情報を取り込んでもよい。一旦飛行に入ったら、誘導プロセッサ1430は、偵察中間地点および/または監視最適化軌跡を受信するため、メモリ格納1433を参照してもよい。システムの実施形態については、誘導プロセス1430は、例えば発射前局面においては外部データポート1434を経由して、または例えば発射後局面においてはアップリンク受信機1435を経由して、偵察中間地点および/または監視最適化軌跡を受信および/またはアップロードしてもよい。誘導プロセッサ1430は、飛行経路、軌跡、または航路操舵角度および方向を決定するための指令を実行する一部として、特にターミナル帰着モードでないときに、中間地点および/または監視最適化軌跡情報を参照してもよい。誘導プロセッサ1430は、アップリンク受信機1435を介して命令を受信し、当初の発射後モードまたは飛行計画を設定してもよい。アップリンク受信機1435は、UAVが発射前状態にある間に通信ノードから命令、目標データ、および/または飛行計画情報を受信してもよい。
【0028】
ターミナル帰着モードの一例は、ターミナル帰着モードの攻撃サブモードのための重力バイアス、およびターミナル帰着モードの空中迎撃サブモードのための加速度バイアスを用いる比例航法であってもよい。誘導処理1430および自動操縦処理1440は、航空機の方向をその速度ベクトルの配向を変更することにより変更するため、エレボンの実施形態において例えばバンクトゥターン誘導を生じさせる指令を実行してもよい。例えば、1つ以上の操縦面の配向を1つ以上の操縦面アクチュエータ1450を介して変更して、航空機とその直線加速度のうちのその速度ベクトルに対して直角な部分との配向を変更する力およびトルクを生じさせてもよい。航空機の直線加速度のうちの速度ベクトルに沿った部分は、空力抵抗により大きく影響され、直線加速度は、モータプロセッサ1460およびプロペラモータ1470を介して増加させることができる。完全な3軸制御を有する実施形態については、スキッドトゥターンおよび他の比例-積分-微分誘導ならびに制御処理アーキテクチャを含む追加の制御トポロジを実装してもよい。シーカ処理1420、誘導処理1430、モータ処理1460、および/または自動操縦処理1440は、アドレス指定可能なメモリを有する単一のマイクロプロセッサにより実行してもよく、ならびに/または、例えばデータバスを介して分散通信を行う2つ以上のマイクロプロセッサに処理を分散させてもよい。
【0029】
図15は、システム1500の実施形態のトップレベルシステムアーキテクチャを示す。地上車両1501、航空機1502、宇宙船1503、空中監視もしくは空中通信ノード1504、または地上の人間により可搬の通信ノード1505は、例えば図13に示す実施形態であってもよい発射機1520の実施形態に、RFリンク1511~1515を介して命令信号を送信してもよい。いくつかの実施形態において、UAVは、発射前状態において、要求しているノード1501~1505に対してRFリンク1511~1515に沿って、例えばバッテリレベルなどのステータス情報および自己診断の結果を出力してもよい。発射機の実施形態は、発射機に収容されたUAVを介して独立したRFノードを提供する。例えば、UAVを待機モードとし、全電源投入を命令してもよい受信したRF信号に応答する状態にしておき、その後、発射機内のUAVを、例えば現場から離れた命令ノードのRF命令により、発射に備えて準備させてもよい。独立した発射機-UAVは、長期間の間、見込まれる発射現場において展開された状態のままにしておいてもよく、その後、現場から離れたまたはその他遠隔の命令ノードからの1つ以上の命令信号に応答して電源投入および発射されてもよい。
【0030】
上記実施形態の具体的な特徴および態様の様々な組み合わせおよび/または下位の組み合わせを作製することができ、それらはなお本発明の範囲に該当し得ることが考えられる。そのため、開示された発明の様々な様式を形成するために、開示された実施形態の様々な特徴および態様を互いに組み合わせるかまたは置換することができることを理解すべきである。さらに、例示により本明細書中で開示された本発明の範囲は、上で開示された特定の実施形態により限定されないことが意図されている。
図1
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図10-1】
図10-2】
図11
図12
図13
図14
図15