(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141885
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】保管および取り出しシステムの搬送車両
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
B65G1/04 555B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117539
(22)【出願日】2022-07-22
(62)【分割の表示】P 2020147048の分割
【原出願日】2016-01-25
(31)【優先権主張番号】15/003,983
(32)【優先日】2016-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/107,135
(32)【優先日】2015-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513150764
【氏名又は名称】シムボティック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サイルリック、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ケップル、トッド イー
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ、スコット
(72)【発明者】
【氏名】シロイス、ジェイソン エス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送車両の積載物処理操作軸の動作と、搬送車両上での積載物の分類とを組み合わせることによって、車両の積載物操作処理量を増加させることである。
【解決手段】自律搬送車両は、移送ヘッド270と、ヘッド270が車両の積載ベッドの下降位置にあるときに移送ヘッド270上に搭載されるケースユニットCUを分離するためのプッシャー110PRとを含む。ゆえにケースユニットCUのオンザフライの分類が実行され得る。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックフェースの分類をもたらすための方法であって、前記方法が、
自律搬送車両のフレームにより形成される積載セクションを有する自律搬送車両を提供し、前記積載セクションにより1つまたは複数のピックフェースを保持することと、
前記フレームに可動に取り付けられる移送アームを提供することと、
前記フレームに接続される駆動セクションを提供することと、
前記駆動セクションに接続される制御装置により、所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって保持位置で保持される前記ピックフェースのオーダーシーケンスに変更をもたらすように、移送ステーションの保持位置でピックフェースの再シーケンスをもたらすことであって、前記制御装置は、
前記移送アームが、第1のピックフェースを前記保持位置から取り出し、前記保持位置で前記第1のピックフェースを再配置して、前記保持位置で前記第1のピックフェースを第2のピックフェースから空間的に分離し、
前記第1のピックフェースおよび前記第2のピックフェースの両方とは異なる運搬ピックフェースであって、前記自律搬送車両または前記移送ステーションから独立した別の異なる搬送車両により、1つまたは複数の第1のケースユニット保持位置から取り出され、運搬される運搬ピックフェースが、前記所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって、前記移送アームにより、空間的に分離された前記第1のピックフェースと前記第2のピックフェースとの間の前記保持位置に配置されるように、
前記保持位置に対して前記移送アームを配置するように前記駆動セクションに命令する、ピックフェースの再シーケンスをもたらすことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記制御装置により、前記第1のピックフェースおよび前記第2のピックフェースの分離をもたらすことをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記駆動セクションおよび前記制御装置に接続される位置合わせ部材であって、前記位置合わせ部材が前記フレームに可動に取り付けられ、前記移送アームおよび前記位置合わせ部材が、それぞれ互いに対して独立して移動可能である、位置合わせ部材を提供することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数の積載物支持タインを含む前記移送アームを、上昇位置と下降位置との間で移動させることをさらに含み、
前記位置合わせ部材が、前記移送アームが前記下降位置にあるときに、前記積載物支持タインの間に延伸する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記積載セクション内に積載ベッドおよび位置合わせ部材を提供することをさらに含み、前記積載ベッドは、前記位置合わせ部材の開口を通って延びる、横方向に配置された積載物支持体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記横方向に配置された積載物支持体と互いに噛み合わされるように離間される積載物支持タインを前記移送アームに提供することと、前記積載物支持タインを下降位置に下降させることにより、前記横方向に配置された積載物支持体に、前記1つまたは複数のピックフェースを移送することとをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
積載品物の分類をもたらすための方法であって、前記方法が、
自律搬送車両の、長手軸を有するフレームにより形成される積載セクションを有する自律搬送車両を提供し、前記積載セクションにより1つまたは複数の積載品物を保持することと、
前記1つまたは複数の積載品物に共通である移送アームを提供することであって、前記移送アームが、前記積載セクション内に少なくとも部分的に配置され、延伸経路に沿って前記長手軸に対して横方向に延伸する、移送アームを提供することと、
前記移送アームにより前記1つまたは複数の積載品物を保持し、前記移送アームにより移送ステーションの保持位置に前記1つまたは複数の積載品物を移送することと、
前記自律搬送車両に接続される制御装置により、所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって、前記保持位置で保持される第1のピックフェースおよび第2のピックフェースの間に空間を形成するように前記第1のピックフェースが前記第2のピックフェースから空間的に分離されるように、前記移送アームにより前記保持位置で前記第2のピックフェースに対して前記第1のピックフェースを再配置することをもたらし、前記所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって、前記保持位置で保持される前記ピックフェースを再オーダーするように、前記第1のピックフェースおよび前記第2のピックフェースの両方とは異なる前記1つまたは複数の積載品物を、前記自律搬送車両の前記フレームにより形成される前記積載セクションから、または前記保持位置から独立した別の異なる搬送車両から前記空間に移送することと
を含む、方法。
【請求項8】
積載品物位置合わせ部材に積載品物位置合わせ部材駆動部を提供し、前記移送アームに前記積載品物位置合わせ部材駆動部とは異なる移送アーム駆動部を提供することをさらに含み、前記積載品物位置合わせ部材駆動部および前記移送アーム駆動部のそれぞれは、独立した駆動軸を有する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記積載品物位置合わせ部材および前記移送アームに接続される制御装置により、それぞれ異なる駆動部により前記積載品物位置合わせ部材および前記移送アームの略同時の移動を制御して、前記1つまたは複数の積載品物のうちの少なくとも1つを含むピックフェースを形成することをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記制御装置により、前記積載品物位置合わせ部材および前記移送アームの移動を制御して、前記1つまたは複数の積載品物の分類をもたらすことをさらに含み、前記積載品物位置合わせ部材は、前記1つまたは複数の積載品物のうちの1つの積載品物を、前記1つまたは複数の積載品物のうちの別の積載品物から空間的に分離するように、前記1つまたは複数の積載品物のうちの2つの積載品物の間に配置され、前記移送アームは、前記1つまたは複数の積載品物のうちの1つの積載品物が前記積載セクション内で前記移送アーム上に留まる間に、前記1つまたは複数の積載品物のうちの少なくとも別の積載品物を前記移送ステーションの前記保持位置に移送するために延伸する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
積載品物位置合わせ部材により、前記1つまたは複数の積載品物を前記積載セクション内で横方向に双方向に移動させることをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項12】
複数の積載物支持タインを含む前記移送アームを、上昇位置と下降位置との間で移動させることをさらに含み、
積載品物位置合わせ部材が、前記移送アームが前記下降位置にあるときに、前記積載物支持タインの間に延伸する、請求項7記載の方法。
【請求項13】
前記積載セクション内に積載ベッドを提供することをさらに含み、前記積載ベッドは、前記積載品物位置合わせ部材の開口を通って延びる、横方向に配置された積載物支持体を含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記横方向に配置された積載物支持体と互いに噛み合わされるように離間される積載物支持タインを前記移送アームに提供することと、前記積載物支持タインを下降位置に下降させることにより、前記横方向に配置された積載物支持体に、前記1つまたは複数の積載品物を移送することとをさらに含む、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2015年1月23日に出願された米国仮特許出願第62/107,135号の非仮特許出願であり、この出願の利益を主張し、この開示内容はその全体を参照することによって本明細書に含まれる。
【0002】
また本願は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月11日に出願された米国特許出願第14/966,978号明細書、2016年1月18日に出願された米国特許出願第14/997,902号明細書、2016年1月18日に出願された米国特許出願第14/997,925号明細書、2016年1月18日に出願された米国特許出願第14/997,920号明細書、および2016年1月18日に出願された米国特許出願第14/997,892号明細書にも関連付けられる。
【0003】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して物品処理システムに関し、より詳細には、物品処理システム内での品物の搬送および分類に関する。
【背景技術】
【0004】
マルチレベルの保管および取り出しシステムは、商品の保管および取り出しのために倉庫において用いられてもよい。概して、保管構造内外への商品の搬送は、保管レベル上の車両への移送用のリフト、所定の保管レベルまで傾斜路を上って移動する車両、または案内路に沿って移動するリフトを含む車両によって行われる。これらの保管および取り出しシステムの処理量は、保管レベルでの商品の取り出しおよび保管レベル間での商品の移送の1つまたは複数によって制限されるおそれがある。
【発明の概要】
【0005】
搬送車両の積載物処理操作軸の動作と、搬送車両上での積載物の分類とを組み合わせることによって、車両の積載物操作処理量を増加させることが有利であるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
開示される実施形態の上述の態様および他の特徴は、添付の図面と関連して以下の記載において説明される。
【0007】
【
図1】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの概略図である。
【
図1A】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図2】開示される実施形態の態様による搬送車両の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図2E】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図2F】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図3】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両の部分概略図である。
【
図4】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図7】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図8】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図9】開示される実施形態の態様による
図2の搬送車両による、例示的な積載物操作の概略図である。
【
図10】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図11】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図12】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図13】
図1の保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図14】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図15】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムのオペレータステーションの概略図である。
【
図16】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステム100の概略図である。開示される実施形態の態様は図面を参照して記載されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の、要素または材料が使用され得る。
【0009】
開示される実施形態の態様によれば、自動保管および取り出しシステム100は、たとえば、小売店から受けた、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書に記載されるもののようなケースユニットに対する注文を満たすために、小売流通センターまたは倉庫において動作してもよい。たとえば、ケースユニットは、トレイ内、トート上もしくはパレット上に保管されていない(たとえば、収容されていない)商品のケースまたはユニットである。他の例において、ケースユニットは、トレイ内、トート上もしくはパレット上などに、任意の適切な方法で収容されている商品のケースまたはユニットである。さらに別の例において、ケースユニットは、収容されていない品物と収容されている品物の組み合わせである。ケースユニットは、たとえば、箱に入れられた商品のユニット(たとえば、スープ缶のケース、シリアルの箱など)またはパレットから引き取られるかまたはパレット上に配置されるよう適合される個別の商品を含むことに留意する。開示される実施形態の態様によれば、ケースユニット用の配送ケース(たとえば、カートン、樽、箱、クレート(crates)、つぼ(jug)、またはケースユニットを保持するのに適切な任意の他の装置)は、大きさが変更可能であってもよく、配送においてケースユニットを保持するために使用されてもよく、配送のためにパレットに積載可能であるように構成されてもよい。たとえば、ケースユニットの一団またはパレットが保管および取り出しシステムに到着するとき、各パレットの内容物は、同一であってもよく(たとえば、各パレットが所定数の同一の品物を保持する-1つのパレットがスープを保持し、別のパレットがシリアルを保持する)、パレットが保管および取り出しシステムから離れるときに、パレットが、混合パレットを形成するように分類された配置でたとえばパレタイザへと供給される、適切な数および組み合わせの異なるケースユニットを含んでいてもよい(たとえば、混合パレットであり、各混合パレットは、異なる種類のケースユニットを保持する-1つのパレットがスープおよびシリアルの組み合わせを保持する)ことに留意する。実施形態において、本明細書に記載の保管および取り出しシステムは、ケースユニットが保管され取り出される任意の環境に適用されてもよい。理解され得るように、
図15に示されるように、開示される実施形態の一態様において、たとえば小売流通センターとして動作するシステム100は、単一のパレット積載物のケースを受け取り、単一のパレット積載物からシステムにより個別に操作される独立したケースユニットへとパレットの商品を分解するか、またはケースを切り離し、各注文によって要求される異なるケースを取り出して対応する群へと分類し、対応するケースの群を搬送し、オペレータステーション160EPで対応するケースの群を(本明細書に記載の方法で)順序付けるように機能してもよく、異なるケースユニットCUから取り出された品物および/または異なるケースユニットCUそのものが、たとえば、1つまたは複数の顧客の注文を満たすという命令にしたがって、取り出される品物の所定のオーダーシーケンスで、1つまたは複数のバッグ、トートまたは他の適切な容器TOTへとオペレータ1500または任意の適切なオートメーションによって配置され、この場合ケースユニットCUは、オペレータステーション160EPで順序付けられ、本明細書に記載のケースユニットCUの順序付けは、オペレータステーション160EPでの順序付けをもたらすことに留意する。
【0010】
自動保管および取り出しシステム100は、搬入ステーション160IN(保管部内への進入のためにリフトモジュールへ品物を搬送するデパレタイザ160PAおよび/またはコンベヤ160CAを含む)と、搬出ステーション160UT(保管部からの取り外しのためにリフトモジュールからケースユニットを搬送するパレタイザ160PB、オペレータステーション160EP、および/またはコンベヤ160CBを含む)と、搬入および搬出垂直リフトモジュール150A、150B(概してリフトモジュール150という。搬入および搬出リフトモジュールが図示されているが、単一のリフトモジュールが保管構造へのケースユニットの搬入および保管構造からのケースユニットの取り外しの両方に用いられてもよい)と、保管構造130と、多数の無人ローバーまたは搬送車両110(本明細書においては「ボット(bot)」という)とを含んでもよい。デパレタイザ160PAは、搬入ステーション160INが保管構造130内への搬入のためにリフトモジュール150へと品物を搬送し得るように、パレットからケースユニットを取り外すように構成されてもよいことに留意する。パレタイザ160PBは、配送のために、保管構造130から取り外された品物をパレット上へと載置するように構成されてもよい。
【0011】
保管構造130は、保管またはデッキレベル130Lからアクセス可能な、三次元アレイRMAで構成される複数の保管ラックモジュールを含んでもよい。各保管レベル130Lは、ラックモジュールにより形成される保管スペース130Sを含み、ラックモジュールは、たとえば、ラックモジュールアレイを通って線形に延伸し、保管スペース130Sおよび移送デッキ130Bに対するアクセスを提供する保管または取り出し通路130Aに沿って配置され、ボット110は、保管構造130の(たとえば、ボット110が配置されるレベル上の)保管スペース130Sのいずれかとリフトモジュール150のいずれかとの間でケースユニットを移送するために、取り出し通路130Aおよび移送デッキ130Bにわたってそれぞれの保管レベル130L上を移動する(たとえば、ボット110はそれぞれ、それぞれのレベル上の各保管スペース130Sおよびそれぞれの保管レベル130L上の各リフトモジュール150へのアクセスを有する)。移送デッキ130Bは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書に記載されるように、保管ラックアレイの一方の端部または側部、または、保管ラックアレイのいくつかの端部または側部に1つの移送デッキ130Bを有するなど、上下に積み重ねられるか、水平方向にオフセットされていてもよい異なるレベル(保管および取り出しシステムの各レベル130Lに対応する)に配置される。移送デッキ130Bは実質的に開放しており、移送デッキ130Bにわたって、また移送デッキ130Bに沿ってボット110の非決定的な行き来のために構成されている。理解され得るように、各保管レベル130Lの移送デッキ130Bは、それぞれの保管レベル130L上の取り出し通路130Aのそれぞれと連通し、ボット110は、取り出し通路130Aのそれぞれと並行するラック棚に配置される保管スペース130Sにアクセスするために、保管レベル130L上で移送デッキ130Bと取り出し通路130Aとの間を双方向に行き来する(たとえば、ボット110は、各取り出し通路130Aを行き来するときに、以下にさらに詳述されるように、各通路の両側に分配される保管スペース130Sにアクセスしてもよい)。上述のように、移送デッキ130Bはそれぞれの保管レベル130L上のリフト150のそれぞれに対してボット110のアクセスを提供し、リフト150は各保管レベル130Lへ、および/または、各保管レベル130Lから、ケースユニットを搬入および取り外し、ボット110は、リフト150と保管スペース130Sとの間でケースユニットの移送をもたらす。各保管レベル130Lは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月13日に出願された米国特許出願第14/209,086号明細書および2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,823号明細書に記載されるように、その保管レベル130L上のボット110のオンボードの電源を充電するための充電ステーション130Cを含んでもよい。
【0012】
ボット110は、保管および取り出しシステム100の全体を通してケースユニットを運搬および移送する、任意の適切な独立して動作可能な自律搬送車両であってもよい。一態様において、ボット110は、自動化され、独立した(たとえば、フリーライディング)自律搬送車両である。ボットの適切な例は、例示のみを目的として、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書、2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,312号(現在は米国特許第8,425,173号)明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,423号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,447号(現在は米国特許第8,965,619号)明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,505号(現在は米国特許第8,696,010号)明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/327,040号(現在は米国特許第9,187,244号)明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,993号明細書、および2014年9月15日に出願された米国特許出願第14/486,008号明細書に見られ得る。ボット110は、上述の小売商品などのケースユニットを、保管構造130の1つまたは複数のレベルの取り出し保管部内へと配置し、その後、たとえば、店舗または他の適切な場所に注文されたケースユニットを配送するために、たとえば、所定のオーダー搬出シーケンスにしたがって、注文されたケースユニットを選択的に取り出すように構成されてもよい。オーダー搬出シーケンスは、一態様においては、ケースユニット(または後述されるピックフェース)が、出庫パレット上または1つまたは複数のバッグ、トート、ショッピングキャリッジ、トラックなどの他の任意の適切な搬送装置への配置、もしくはパレット載置を伴わない他の適切な容器充填に必要とされる順序に対応する。他の態様において、オーダー搬出シーケンスは、ケースユニットまたはピックフェースがボット110によって搬出ステーションへと運ばれる任意の適切な所定のシーケンスであってもよい。
【0013】
保管および取り出しシステム100のボット110、リフトモジュール150および他の適切な特徴部は、たとえば、任意の適切なネットワーク180を通して、たとえば、1つまたは複数の中央システム制御コンピュータ(たとえば、制御サーバ)120によって制御される。一態様において、ネットワーク180は、任意の適切な種類および/または数の通信プロトコルを用いた、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または有線および無線ネットワークの組み合わせである。一態様において、制御サーバ120は、自動保管および取り出しシステム100の実質的に自動の制御のために、実質的に同時に実行するプログラムのコレクション(たとえば、システム管理ソフトウェア)を含む。たとえば、保管および取り出しシステム100を管理するように構成されている、実質的に同時に実行するプログラムのコレクションは、例示のみを目的として、全てのアクティブなシステム構成要素の活動を制御、スケジューリングおよび監視すること、在庫(たとえば、どのケースユニットが搬入および取り外されたか、ケースユニットが取り外された順序、ケースユニットが保管される場所)およびピックフェース(たとえば、一体として可動であり、保管および取り出しシステムの構成要素によって一体として操作される1つまたは複数のケースユニット)を管理すること、ならびに倉庫管理システム2500と接続することを含む。制御サーバ120は、一態様においては、保管および取り出しシステムの特徴部を本明細書に記載の方法で制御するように構成されてもよい。説明の簡潔性および容易さのために、「ケースユニット」という語は、本明細書においては概して、個別のケースユニットおよびピックフェースの両方を言及するものとして用いられる。
【0014】
次に
図2を参照すると、ボット110は、上述のように、それぞれの保管レベル130L上の各リフトモジュール150と各保管スペース130Sとの間でケースユニットを搬送する。ボット110は、駆動セクション110DRおよび積載セクション110PLを有するフレーム110Fを含む。駆動セクション110DRは、それぞれが各駆動ホイール202に接続されている1つまたは複数の駆動ホイールモータを含む。この態様において、ボット110は、適切な駆動面上にボット110を支持するためにボット110の端部110E1(たとえば、第1の長手方向の端部)でボット110の両側に配置される2つの駆動ホイール202を含むが、他の態様においては、任意の適切な数の駆動ホイールがボット110上に設けられる。一態様において、各駆動ホイール202は、ボット110が駆動ホイール202の差動回転を通して操縦され得るように独立して制御されるが、他の態様において、駆動ホイール202の回転は、実質的に同一速度で回転するように連結されてもよい。駆動面上にボット110を支持するために、ボット110の端部110E2(たとえば、第2の長手方向の端部)でボット110の両側のフレームに任意の適切なホイール201が取り付けられる。一態様において、ホイール201は、自由に回転するキャスターホイールであり、これによりボット110は、ボット110の移動方向を変更するために駆動ホイール202の差動回転を通して枢動できる。他の態様において、ホイール201は、ボット110の移動方向を変更するために、たとえば、(本明細書に記載されるようなボット110の制御をもたらすように構成されている)ボット制御装置110Cの制御下で向きを変える操縦可能なホイールである。一態様において、ボット110は、たとえば、フレーム110Fの1つまたは複数の角にある1つまたは複数のガイドホイール110GWを含む。ガイドホイール110GWは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,423号明細書に記載されるように、1つまたは複数のケースユニットが配置される場所へ、および/または、1つまたは複数のケースユニットが取り出される場所から、所定の距離だけボット110をガイドおよび/または配置するために、リフトモジュール150と相互作用するため、移送デッキ130B上および/または移送ステーションで、取り出し通路130A内のガイドレール(図示せず)などの保管構造130と相互作用してもよい。上述のように、ボット110は、取り出し通路130Aの両側に配置される保管スペース130Sにアクセスするために、異なる対向方向を有する取り出し通路130Aに入り得る。たとえば、ボット110は、端部110E2が移動方向を先導する状態で取り出し通路130Aに入ってもよいし、端部110E1が移動方向を先導する状態で取り出し通路130Aに入ってもよい。
【0015】
ボット110の積載セクション110PLは、積載ベッド110PB、フェンスまたは基準部材110PF、移送アーム110PAおよびプッシャーバーまたは部材110PRを含む。一態様において、積載ベッド110PBは、たとえば、積載セクション110PL内の所定の位置に、および/または、積載セクション110PL内の他のケースユニットに対して、ケースユニットを配置するために(たとえば、ケースユニットの長手方向の前方/後方への位置合わせ)、積載セクション110PL内で運ばれる1つまたは複数のケースユニットがボットの長手軸に沿って長手方向に移動させられ得るように(たとえば、フレーム/積載セクションの所定の位置、および/または、1つまたは複数のケースユニットの位置基準に対して位置合わせ(justify)されるように)、フレーム110Fに(たとえば、ボット110の長手軸LXまたはX方向に対して)横方向に取り付けられる1つまたは複数のローラ110RLを含む。一態様において、ローラ110RLは、積載セクション110PL内でケースユニットを移動させるために任意の適切なモータによって駆動されてもよい(たとえば、そのそれぞれの軸周りに回転させられる)。他の態様において、ボット110は、積載セクション110PL内の所定の位置までケースユニットを移動させるために、ローラ110RLを越えてケースユニットを押し出す1つまたは複数の長手方向に可動なプッシャーバー(図示せず)を含む。長手方向に可動なプッシャーバーは、たとえば、その開示内容の全てがすでに参照により本明細書に組み込まれている、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号明細書に記載されるものと実質的に同様であってもよい。
【0016】
図2A、2Bおよび3も参照すると、ケースユニットは、移送アーム110PAによって積載ベッド110PB上に載置され、また積載ベッド110PBから取り外される。移送アーム110PAは、実質的に積載セクション110PL内に位置するリフト機構またはユニット200を含む。リフト機構200は、ピックフェースおよび/または個別のケースユニットを(たとえば、ボット110が配置されるそれぞれの保管レベル130L上の)保管スペース130Sへと取り出しおよび/または配置するために、保管構造130の位置へと垂直方向に持ち上げられる、ボット110により把持されるピックフェースの、粗配置および微配置の両方を提供する。また
図1Aを参照すると、保管構造130のラックモジュールアレイRMAは、垂直方向の支持部材1212および水平方向の支持部材1200を含む。たとえば、取り出し通路130Aにおいて、垂直方向および水平方向の支持部材1212、1200の1つまたは複数にレール1200Sが取り付けられてもよく、レール1200Sは、ボット110が取り出し通路130Aを通してレール1200S上に沿って進むように構成されてもよい。各保管レベル130Lの取り出し通路130Aは、レール1200Sから(たとえば、共通の取り出し通路デッキから)ボットによってアクセス可能な1つまたは複数の保管棚レベルを有してもよい。
図1Aおよび1Bに見られ得るように、それぞれが共通のレール1200Sからボット110によってアクセス可能な、互いに垂直方向(たとえば、Z方向)に離間されて複数の積み重ねられた保管スペース130Sを形成する1つまたは複数の棚レール1210が存在する。理解され得るように、水平方向の支持部材1200も、(棚レール1210に加えて)ケースユニットが配置される棚レールを形成する。
【0017】
リフト機構200は、異なる/複数のSKUの積載物がボットにより操作されるように、および/または、単一の駆動がアーム110PAの上昇(たとえば、垂直方向の移動)および延伸(たとえば、横方向の移動)の両方をもたらすように、組み合わされたロボット軸の移動(たとえば、プッシャーバー110PR、リフト機構200、取り出しヘッドの延伸部および、たとえば上述の長手方向に可動なプッシャーバーなどの、前方/後方の位置合わせ機構の、組み合わされた実質的に同時の移動)が実施されるように構成される。
図2Aおよび2Bは、フレーム110Fから取り外されたリフト機構200の概略図である。リフト機構200の作動は、後述されるようなプッシャーバー110PRの作動から独立している。リフト機構200およびプッシャーバー110PRの軸を切り離すことは、組み合わされた取り出し/配置シーケンスをもたらし、これは取り出し/配置サイクル時間の減少、保管および取り出しシステムの処理量の増加、および/または、保管および取り出しシステムの保管密度の増加をもたらす。たとえば、リフト機構200は、共通の取り出し通路デッキからアクセス可能な複数の上昇した保管棚レベルでのケースユニットの取り出しおよび配置をもたらす(
図1A参照、またたとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月11日に出願された米国特許出願第14/966,978号明細書および2014年12月12日に出願された米国仮特許出願第62/091,162号明細書に記載)。リフト機構200は、機械的構成要素の単純化および減少をもたらし(たとえば、移送アームの上昇軸および延伸軸を駆動するためのモータは、取り出しヘッド270から離れて配置される)、これはボット110の重量を減少させ移送アーム110PAのzおよび/またはy(たとえば、横)方向における機械的ストロークを増加させるという利益を生じる。
【0018】
リフト機構は、ボット110の取り出しヘッド270がZ軸に沿って双方向に移動する(たとえば、Z方向において往復する、
図2参照)ように、任意の適切な方法で構成されてもよい。一態様において、リフト機構はマスト200Mを含み、取り出しヘッド270は任意の適切な方法でマスト200Mに可動に取り付けられる。マストは、ボット110の横方向の軸LT(たとえば、Y方向)に沿って可動であるように任意の適切な方法でフレームに可動に取り付けられる。一態様において、フレームは、マスト200がスライド可能に取り付けられるガイドレール210A、210Bを含む。移送アーム駆動部250A(
図2Aおよび3参照)、250Bは、少なくとも横方向の軸LT(たとえば、Y軸)およびZ軸に沿った移送アーム110PAの移動をもたらすために、フレームに取り付けられてもよい。
図2、2Aおよび3を参照すると、一態様において、移送アーム駆動部250A、250Bは、延伸モータ301およびリフトモータ302を含む。延伸モータ301は、フレーム110Fに取り付けられてもよく、ベルトおよびプーリー伝達部260A(後述のベルトおよびプーリー伝達部260Bと同様)、ねじ駆動伝達部(図示せず)および/またはギヤ駆動伝達部(図示せず)など、任意の適切な方法でマスト200Mに連結されてもよい。リフトモータ302は、マスト200Mに取り付けられてもよく、ベルトおよびプーリー伝達部271、ねじ駆動伝達部(図示せず)および/またはギヤ駆動伝達部(図示せず)など、任意の適切な方法で取り出しヘッド270に連結されてもよい。一例として、マスト200Mはガイドレール280A、280Bなどのガイドを含み、この上に沿ってスライド部材281A、281Bが進む。取り出しヘッド270は、ガイドレール280A、280Bに沿ったZ方向でのガイドされた移動のために、スライド281A、281Bに取り付けられる。他の態様において、取り出しヘッドは、Z方向でのガイドされた移動のために任意の適切な方法でマストに取り付けられる。ベルトおよびプーリー伝達部271のベルト271Bは、ベルト271が移動する(たとえば、モータ302により駆動される)と、取り出しヘッド270がベルト271と共に移動しガイドレール280A、280Bに沿ってZ方向で双方向に駆動されるように、取り出しヘッド270に固定されて連結される。理解され得るように、取り出しヘッド270をZ方向に駆動するためにねじ駆動部が用いられる場合、ねじがモータ302により方向転換されると、ナットとねじとの間の係合が取り出しヘッド270の移動を生じさせるように、ナットは取り出しヘッド270に取り付けられてもよい。同様に、ギヤ駆動伝達部が用いられる場合、ラックアンドピニオンまたは他の任意の適切なギヤ駆動部が取り出しヘッド270をZ方向に駆動し得る。他の態様においては、取り出しヘッドをZ方向に移動させるために任意の適切な線形アクチュエータが用いられる。
【0019】
再び
図2、2A、2Bおよび3を参照すると、上述のように、取り出しヘッド270の上昇および移送アーム110PAの横方向の延伸は、リフトモータ302および延伸モータ301によってもたらされる。他の態様において、取り出しヘッド270の上昇および移送アーム110PAの横方向の延伸は、単一のモータ301Aが取り出しヘッド270をZ方向に移動させ、(たとえば、マスト200Mを横方向に移動させることによって)移送アーム110PAを横方向に延伸させるように、遠隔作動されるブレーキ機構298によってもたらされてもよい。たとえば、遠隔作動されるブレーキ機構298は、取り出しヘッド270を選択的に上昇/下降させ、移送アーム110PAを横方向に延伸させるために、(たとえば、ボット制御装置110Cの制御下で)駆動ベルト260、271Bの間で選択的に切り替わるように構成される。理解され得るように、移送アーム110PAの上昇/下降および延伸の両方をもたらす単一のモータは、ボット110の機械的構成要素および電気的インターフェースの数を減らすだけでなく、ボット110の重量も減らす。遠隔作動されるブレーキ機構298により、移送アーム110PAの横方向の延伸は、モータ301に関して上述したものと実質的に同様であってもよく、たとえば、モータ301Aがベルトおよびプーリー伝達部260Aを駆動する。マスト200Mは、ベルトがモータ301Aによって駆動されるとマスト200Mがベルト260により移動するように、ベルト260に固定して連結されてもよい。ブレーキ機構266は、制御装置110Cに接続されてもよく、マスト200Mのベルト260からの選択的な非係合をもたらし、所定の横方向の位置でマスト200Mを横方向に固定するように構成されてもよい。理解され得るように、フレーム110Fおよび/またはケースユニット取り出し/配置位置に対するマスト200M(ひいては取り出しヘッド270)の横方向の位置を感知あるいは検出するために、任意の適切なセンサおよび/またはエンコーダが設けられ、制御装置110Cに接続されてもよい。またブレーキ機構266は、(たとえば、ベルト260がマスト200Mからの係合を解かれているときに)ベルト260をベルト260Aに選択的に連結させる伝達部を含む。ベルト260Aは、ブレーキ機構266を介して、マスト200Mに取り付けられるリフト伝達部267に連結され、これを駆動する。リフト伝達部267は、取り出しヘッド270をZ方向に上昇および下降させるために、プーリーなどを通してベルト271Bに連結される。
【0020】
次に
図2C~2Fを参照すると、ボット110の取り出しヘッド270は、ボット110と、たとえば、保管スペース130S、および/または、ボット110とリフトモジュール150との間のインターフェース(たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2015年1月16日に出願された米国仮特許出願第62/104,520号明細書に記載のインターフェース)などのケースユニット取り出し/配置位置との間でケースユニットを移送する。一態様において、取り出しヘッド270は、ベース部材272と、1つまたは複数のタインまたはフィンガ273A~273Eと、1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bとを含む。ベース部材272は、ガイドレール280A、280B上に沿って進むように、上述のようにマスト200Mに取り付けられる。1つまたは複数のタイン273A~273Eは、タイン273A~273Eの遠位端(たとえば、自由端)がベース部材272から片持ち支持されるように、タイン273A~273Eの近位端でベース部材272に取り付けられる。再び
図1Bを参照すると、タイン273A~273Eは、保管棚のケースユニット支持面CUSPを形成するスラット1210Sの間への挿入のために構成される。
【0021】
タイン273A~273Eの1つまたは複数は、Z方向に可動であるように、(上述のものと同様のスライド/ガイドレール上などで)ベース部材272に可動に取り付けられる。一態様においては、任意の数のタインがベース部材272に取り付けられるが、図面に示される態様においては、たとえば、5つのタイン273A~273Eがベース部材272に取り付けられている。タイン273A~273Eのうちの任意の数がベース部材272に可動に取り付けられるが、図面に示される態様においては、たとえば、(取り出しヘッド270の中心線CLに対して)最も外側のタイン273A、273Eがベース部材272に可動に取り付けられる一方で、残りのタイン273B~273Dは、ベース部材272に対して移動不能である。
【0022】
この態様において、取り出しヘッド270は、ボット110へおよびボット110からより小さな大きさのケースユニット(および/またはケースユニットの群)を移送させるためには、3つのタイン273B~273Dのみを用い、ボット110へおよびボット110からより大きな大きさのケースユニット(および/またはケースユニットの群)を移送させるためには、5つのタイン273A~273Eを用いる。他の態様においては、より小さな大きさのケースユニットを移送させるために、3つ未満のタインが用いられる(たとえば、3つ以上のタインがベース部材272に可動に取り付けられる場合など)。たとえば、一態様においては、たとえば保管棚上の他のケースユニットを妨害することなく、ボット110へおよびボット110から移送されている最も小さなケースユニットが、スラット1210Sの間の距離X1(
図1B参照)ほどの幅を有するように、1つ以外の全てのタイン273A~273Eがベース部材に可動に取り付けられる。
【0023】
移動不能なタイン373B~373Dは、全てのサイズのケースユニット(および/またはピックフェース)を移送するときに用いられるが、可動なタイン373A、373Eは、より大きなケースユニット(および/またはピックフェース)を移送するために移動不能なタイン373B~373Dに対して選択的に(たとえば、Z方向へ)上昇および下降させられる。
図2Cおよび2Dを参照すると、タイン273A~273Eの全てが、各タイン273A~273Eのケースユニット支持面SFが取り出しヘッド270の取り出し面SPと一致するように配置されている例が示される。
図2Eおよび2Fは、タイン273A、273Eのケースユニット支持面SFが取り出し面SPから(たとえば、下方に)オフセットされており、タイン273A、273Eが取り出しヘッド270により把持される1つまたは複数のケースユニットと接触せず、保管棚上の保管スペース130Sまたは他の任意の適切なケースユニット保持位置に配置されている、取り出されていないケースユニットに干渉しないように、2つの端部のタイン273A、273Eは他のタイン273B~273Dに対して(たとえば、Z方向において)下側に配置される例を示す。
【0024】
タイン273A~273EのZ方向への移動は、移送アーム110PAの任意の適切な場所に取り付けられた1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bによってもたらされる。一態様において、1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bは、取り出しヘッド270のベース部材272に取り付けられる。1つまたは複数のアクチュエータは、1つまたは複数のタイン273A~273EをZ方向に移動させることができる、線形アクチュエータなどの任意の適切なアクチュエータである。たとえば、
図2B~2Fに示される態様においては、各可動なタインがZ方向に独立して移動可能であるように、可動なタイン273A、273Eのそれぞれに対して1つのアクチュエータ274A、274Bが存在する。他の態様においては、2つ以上の可動なタインがZ方向に一体として移動するように、1つのアクチュエータが2つ以上の可動なタインに連結されてもよい。
【0025】
理解され得るように、1つまたは複数のタイン273A~273Eを取り出しヘッド270のベース部材272上に可動に取り付けることは、大きなケースユニットおよび/またはピックフェースの取り出しヘッド270上への完全な支持を提供しつつ、小さなケースユニットを、たとえば、保管棚上に配置されている他のケースユニットと干渉することなく取り出し、配置する能力も提供する。保管棚上の他のケースユニットと干渉することなく様々な大きさのケースユニットを取り出し、配置する能力は、保管棚上のケースユニット間の隙間GP(
図1A参照)の大きさを減少させる。この態様において、たとえばベース部材272に対して固定される3つのタイン273B~273Dと、たとえばベース部材272に対して可動な2つのタイン273A、273Eとを有することは、より少ない移動タイン、すなわちより少ない駆動モータをもたらし、より少ないガイド、より少ないセンサ、より少ない複雑さ、より少ないボット製造コスト、およびより少ないマスト200M上に配置される重量(これはリフトモータ301、301Aおよびマスト200Mの他の構造的な部品の寸法決めを補助する)をもたらす。また、理解され得るように、タイン273B~273Dはベース部材272に固定されるので、ケースユニット保持位置へ、およびケースユニット保持位置からの、ケースユニットおよび/またはピックフェースの上昇および下降は、リフトモータ301、301Aによってのみもたらされるので、ケースユニットを取り出し/配置するときに重複した動作はない。タインが取り出し面SPと位置合わせされると定位置にロックされて移動しないように、アクチュエータは(たとえば、その上に支持されるケースユニットを伴わない)それぞれのタインのみを上昇させるので、タインを選択的に上昇および下降させるためにより小さなアクチュエータ274A、274Bが利用されてもよい。
【0026】
再び
図2および3を参照し、プッシャーバー110PRは移送アーム110PAから独立して移動可能であることにも留意する。プッシャーバー110PRは、たとえば、ガイドロッドおよびスライド構成など、任意の適切な方法でフレームに可動に取り付けられ、Y方向(たとえば、移送アーム110PAの延伸/後退方向に略平行な方向)に沿って作動される。一態様において、少なくとも1つのガイドロッド360は、フレーム110Fの長手軸LXに対して横方向に延伸するように、積載セクション110PL内に取り付けられる。プッシャーバー110PRは、それぞれのガイドロッド360に係合し、それに沿ってスライドするように構成される少なくとも1つのスライド部材360Sを含んでもよい。一態様において、少なくともガイドロッド/スライド構成は、積載セクション110PL内につながってプッシャーバー110PRを保持する。プッシャーバー110PRは、モータ303および伝達部303Tなど、任意の適切なモータおよび伝達部によって作動される。一態様において、モータ303は、モータ301、301A、302と実質的に同様の回転モータであり、伝達部303Tは、上述のベルトおよびプーリー伝達部と実質的に同様である。他の態様において、プッシャーバー110PRは、実質的に回転部品を有さない線形アクチュエータによって作動されてもよい。
【0027】
プッシャーバー110PRは、ローラ110RLに略垂直となり、取り出しヘッド270に干渉しないように、積載セクション110PL内に配置される。
図3に見られ得るように、ボット110は、少なくとも1つのケースユニットがローラ110RL上に支持されるような搬送構造である(たとえば、ローラは集合的に積載ベッドを形成する)。搬送構造において、取り出しヘッド270のタイン273A~273Eは、ローラ110RLと互いに噛み合わされ、ローラ110RLのケースユニット支持面RSP(
図4参照)の(Z方向に沿って)下側に配置される。プッシャーバー110PRは、タイン273A~273Eが入る溝351を備えて構成され、タインがケースユニット支持面RSPの下方へ移動できるように、またタイン273A~273Eからの干渉のないプッシャーバー110PRの自由な移動を可能にするように、溝351内には充分な間隙が設けられる。プッシャーバー110PRは、ローラ110RLが通る1つまたは複数の開口も含み、開口は、ローラのそのそれぞれの軸周りでの自由な回転を可能にするような大きさにされる。理解され得るように、独立して動作可能なプッシャーバー110PRは、ローラ110RL、移送アーム110PAの横方向(たとえば、Y方向)への延伸および取り出しヘッド270の上昇/下降と干渉しない。
【0028】
上述のように、プッシャーバー110PRは、取り出しヘッド270の延伸軸および上昇軸からの干渉なしに動作する、ボット110の分離した独立型の軸であるので、プッシャーバー110PRは、移送アーム110PAの上昇および/または延伸と実質的に同時に動作され得る。組み合わされた軸移動(たとえば、プッシャーバー110PRの、移送アーム110PAの延伸軸および/または上昇軸との同時移動)は、積載操作処理量の増加をもたらす。たとえば、
図4~5を参照すると、移送アーム110PAの複数取り出し/配置シーケンスの間に、プッシャーバー110PRは、接触深さX3(たとえば、保管スペースまたは他のケースユニット保持位置から取り出され/配置されているときに、ケースユニットおよび/またはピックフェースCUにより占められているタインの深さ)から所定の距離X2だけ離れた位置に(ケースユニットおよび/またはピックフェースが取り出され、積載セクション110PL内に移送されるときに)あらかじめ配置される(
図10、ブロック1000)。距離X2は、ケースユニットがローラ110RL上に着座されることを可能にするためにプッシャーバー110PRとケースユニットとの間に充分な間隙をもたらすだけの最小限の距離である。ケースユニットCUがローラ110RL上に下降させられる(
図10、ブロック1010)ときに、ケースユニットCUに接触するためにプッシャーバー110PRが移動する距離は、積載セクション110PLの(積載セクション110PLの横方向およびアクセス側401に対して)後方402から移動するときの、従来の搬送車両による距離X4と比較するとより短い距離X2である。ケースユニットCUが移送アーム110PAによって下降させられ、ローラ110RLによってのみ支持されるようにローラ110RLへと移送されると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUを位置合わせするために、(積載セクション110PLの横方向およびアクセス側401に対して)前方へと作動される(
図10、ブロック1020)。たとえば、プッシャーバー110PBは、(ケースユニットの基準位置がケースユニットCUとフェンス110PFとの間の接触を通して形成され得るように積載セクション110PLのアクセス側401に配置される)フェンス110PFにケースユニットが接触するように、Y方向において横方向にケースユニットCUを押し出してもよい。一態様において、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUを、互いに対して、およびボット110の基準座標系REF(
図2)に対して所定の空間関係に維持するために、(たとえば、フェンス110PFに対してケースユニットを保持するように)ケースユニットの搬送中にケースユニットCUを係合あるいは把持し得る(
図10、ブロック1030)。ケースユニットを配置すると、プッシャーバー110PRは、フェンス110PFに対してケースユニットCUを位置合わせした後に、ケースユニットCUとの接触から(たとえば、Y方向に)引き抜かれる(
図10、ブロック1040)。プッシャーバー110PRがケースユニットCUとの係合を解いた略直後に、移送アーム110PAの(たとえば、Z方向への)上昇軸および(たとえば、Y方向への)延伸軸の1つまたは複数が、プッシャーバー110PRの引き抜き動作と略同時に作動される(
図10、ブロック1050)。一態様においては、上昇軸および延伸軸の両方が、プッシャーバーがケースユニットCUとの接触から引き抜かれるときに作動されるが、他の態様においては、上昇軸および延伸軸の一方が作動される。理解され得るように、移送アーム110PAの上昇軸および/または延伸軸の、プッシャーバー110PRの引き抜きとの同時動作、ならびに、プッシャーがケースユニットCUを位置合わせするために移動する距離の減少は、ボット110へ、およびボット110からケースユニットCUを移送するのに必要な時間を減らし、保管および取り出しシステム100の処理量を増やす。
【0029】
開示される実施形態の別の態様において、保管および取り出しシステム100の処理量をさらに増加させるために、複数のケースユニットは、積載セクション110PL内で実質的に同時に運搬および操作され得る。一態様において、ケースユニットCUの操作は、ケースユニットの分類であり、ケースは、ケースユニットの取り出し/配置のために移送アーム110PA上に配置されているか、他のケースユニットが移送アーム110PAへ、および移送アーム110PAから移送される間、該当するケースユニットが移送アーム110PAに移送されたり移送アーム110PA上に留まったりしないように配置される。ここで、ボット110は、共通の移送アーム110PAにより所定の保管スペース130S1から1つまたは複数のケースユニットを取り出し、共通の移送アーム110PA上へのケースユニットの配置は、以下にさらに詳述される所定のオーダー搬出シーケンスに対応する(たとえば、ケースユニットは、(たとえば、ボット110による搬送中、またはボットが表面に沿って移動するか静止しているときに、ボット110の積載セクションに、もしくはボット110により保持されている間)オンザフライ(on-the-fly)で分類される)。ボット110上のケース操作の一例として、
図6~9を参照すると、ケースユニットCUAはケースユニット保持位置(たとえば、保管スペース130S、リフト移送ステーションおよび/またはバッファステーション)から取り出され、積載セクション110PL内に移送される(
図11、ブロック1100)。ケースユニットCUAが積載セクション110PL内に移送されると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAがローラ110RLへの移送のために下降させられる(
図11、ブロック1105)ときにケースユニットCUAとフェンス110PFとの間に配置されるように、フェンス110PFに隣接してあらかじめ配置されてもよい(
図11、ブロック1104)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAがタイン273A~273Eの位置合わせ面273JS(
図2E)に接触し、積載セクション110PLの後方402に位置合わせされるように、(ローラ110RL上に置かれている)ケースユニットCUAを積載セクション110PLの後方(たとえば、後部)402に向けてY方向に押し出すように作動される(
図11、ブロック1110)。
【0030】
一態様において、ボット110が次のケースユニットを取り出す前に取り出し通路130Aおよび/または移送デッキ130Bを行き来する場合、ケースユニットCUAが、ボット110の基準座標系REFに対して積載セクション110PLの後方402の所定の位置(および/または長手方向の所定の位置)に留まるように、プッシャーバー110PRは、ケースユニット保持位置の間でのケースユニットの搬送中、ケースユニットCUAと接触(たとえば、把持)したままである(
図11、ブロック1115)。後続のケースユニットを取り出すために、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAの係合を解くためにY方向へと移動させられ、移送アーム110PAの上昇軸および延伸軸は、ケースユニット保持位置(たとえば、保管スペース130S、リフト移送ステーションおよび/またはバッファステーションなど)から別のケースユニットCUBを取り出すために作動される(
図11、ブロック1120)。ケースユニットCUBが取り出されている間、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAとタイン273A~273Eの位置合わせ面273JSとの間に位置するように、Y方向において積載セクション110PLの後方402に隣接して配置される(
図11、ブロック1125)。ケースユニットCUA、CUBがY軸に沿って互いに対して配置されるように、ケースユニットCUBは積載セクション内へ移送され、ローラ110RL上に下降/載置される(
図11、ブロック1130)。ケースユニットCUA、CUBを前方へ位置合わせし(
図11、ブロック1134)、搬送のためにケースユニットCUA、CUBを把持/保持する(
図11、ブロック1135)ために、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUA、CUBをフェンス110PFに向けて押し出すようにY方向に作動される。理解され得るように、一態様において、ケースユニットCUA、CUBは、ケースユニット保持位置で一緒に配置される(
図11、ブロック1140)が、他の態様において、ケースユニットCUA、CUBは、離れたケースユニット保持位置に搬送されて配置されてもよい。
【0031】
ケースユニットCUA、CUBが、離れた位置での配置のために分類される(
図11、ブロック1150)場合、ケースユニットCUA、CUBは、積載セクション110PLにおいて互いから分離される。たとえば、移送アーム110PAの取り出しヘッド270は、プッシャーバー110PRがケースユニットの真下を通過できるのに充分な量だけケースユニットCUA、CUBをローラ110RLから持ち上げるために、Z方向に移動させられ得る(
図12、ブロック1150A)。ケースユニットCUA、CUBが持ち上げられると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUA、CUBの間に位置するようにY方向に沿って配置される(
図9参照)(
図12、ブロック1150B)。取り出しヘッド270は、ケースユニットCUA、CUBがローラ110RLに移送され、プッシャーバーがケースユニットCUA、CUBの間に挿入されるように降下される(
図12、ブロック1150C)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAを積載セクション110PLの後方402に向かって(たとえば、タイン273A~273Eの位置合わせ面273JSまたは他の任意の適切な位置に対して)移動させるために(たとえば、ケースユニットを分離するために)Y方向に移動させられる一方で、ケースユニットCUBは、フェンス110PFに隣接する積載セクション110PLの前方に留まる(たとえば、
図7に示す)(
図12、ブロック1150D)。理解され得るように、ケースユニットが搬送中、タインの位置合わせ面273JSに対して保持される場合、プッシャーバーは、ケースユニットCUBを積載セクション110PLの前方401に向かって(たとえば、フェンス110PFまたは他の任意の適切な位置に対して)移動させるために(たとえば、ケースユニットを分離するために)Y方向に移動させられる一方で、ケースユニットCUAは、位置合わせ面273JSに隣接する積載セクション110PLの後方に留まる。プッシャーバー110PRは、ケースユニット保持位置での配置のため、タイン273A~273E上にケースユニットを配置するために、ケースユニットCUBをフェンス110PFに対して再び位置合わせするようY方向に移動させられてもよい(
図12、ブロック1150E)。理解され得るように、ケースユニットCUAが、実質的に(たとえば、取り出しヘッド270の)タイン273A~273Eの位置合わせ面273JSに対して配置されている状態で、ケースユニットCUBは、実質的にケースユニットCUAからの干渉なくケースユニット保持位置に配置でき(
図12、ブロック1150F)、たとえば、ケースユニットCUAは、ケースユニット保持位置に配置されるケースユニットとの接触を免れる。ケースユニットCUAは、(たとえば、移送アーム110PAを後退および下降させることによって)積載セクション110PL内に戻るように下降/移送される(
図12、ブロック1150G)。位置合わせ面273JSとケースユニットCUAとの間にあらかじめ配置されているプッシャーバー110PRは、別のケースユニット保持位置(たとえば、ケースユニットCUBが配置された保持位置とは異なる)での配置のためケースユニットCUAを前方へ位置合わせするために、ローラ110RL上に配置されるケースユニットCUAをフェンス110PFに対して押し出す(
図12、ブロック1150H)。プッシャーバー110PRは、他のケースユニット保持位置への搬送中にケースユニットを(たとえば、フェンスにより)把持するために、ケースユニットCUAに対向したままである(
図12、ブロック1150I)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAから離れるように移動し、移送アームは、ケースユニットCUAを他のケースユニット保持位置に配置するために、取り出しヘッド270を上昇および延伸させるように作動される(
図12、ブロック1150J)。
【0032】
所定のオーダー搬出シーケンスにしたがって、および/または、たとえば、オペレータステーション160EP(
図15に示す)でケースユニットCUが1つまたは複数のバッグ、トートまたは他の容器TOTへの配置のために順序付けられる、1つまたは複数の顧客の注文に対応するという命令にしたがって取り出された品物の所定のオーダーシーケンス(たとえば、オーダー搬出シーケンス)で、混合パレット積載物を作り出すための、ケースユニットのオンザフライ分類によるケースユニットの取り出しおよび配置動作の一例は、
図13に関して記載される。ボット110は、1つまたは複数のケースユニット保持位置から1つまたは複数のケースユニットCUA、CUBを取り出す(
図7参照)。上述のように、ケースユニット保持位置は、搬入リフトモジュール150A1、150A2、出庫リフトモジュール150B1、150B2、リフトモジュール150A1、150A2、150B1、150B2と相互作用するための移送またはバッファステーションLTS、および保管スペース130S1~130S4を含む。一態様において、ケースユニットCUA、CUBは、同一位置(たとえば、リフトモジュール150A1または150A2など)から取り出される。別の態様において、ケースユニットCUA、CUBは、2つの異なる(たとえば、第1および第2の)位置(たとえば、リフトモジュール150A1および150A2など)から取り出され、プッシャー部材110PRは、第1の位置から取り出されたケースユニットCUA、CUBの1つまたは複数を、第2の位置から取り出される他方のケースユニットCUA、CUBが上述のものと実質的に同様の方法で取り出され得るように位置合わせする。
【0033】
一態様において、搬入リフトモジュール150A1、150A1は、異なる種類(または、他の態様においては同一種類)のケースユニットをそのそれぞれのパレットから受け取ってもよく、ケースユニットは、同一の(または異なる)取り出し通路に保管される。2つの別個のボット110に、搬入リフトモジュール150A1、150A2のそれぞれからケースユニットを取り出させるのではなく、単一のボット110が、共通の移送アーム110PAによって搬入リフトモジュール150A1、105A2から両方のケースユニットCUA、CUBを取り出し、ケースユニットCUA、CUBをそのそれぞれの所定の保管スペース130S1~130S4まで移送する。ボット110は移送デッキ130Bを行き来し、ケースユニットの1つまたは複数が配置される所定の取り出し通路130A1、103A2に入る。一例として、ボット110は、取り出し通路130A1に入り、上述のものと実質的に同様の方法でケースユニットCUBを保管スペース130S3に配置し、ケースユニットCUA、CUBは、ケースユニットCUBがケースユニットCUAからの干渉なしに保管スペース130S3に移送されるように、取り出しヘッド270上でプッシャーバー110PRによって互いから分離させられる。一態様において、ボット110は、ケースユニットCUAがボット110によって配置される保管スペース130S4まで取り出し通路130A1を行き来し続ける。他の態様において、ケースユニットCUA、CUBは、異なる取り出し通路、異なる保管スペース、同一の取り出し通路および/または同一の保管スペースなど、任意の適切な取り出し通路およびケースユニット保持位置に配置される。
【0034】
理解され上述されるように、ケースユニットは、顧客の注文を満たし、混合された配送パレットを構築するために、所定のシーケンスで保管および取り出しシステムから搬出される。ここで、ケースユニットCUA、CUBは、ケースユニットが保管および取り出しシステムから搬出されるときの所定のケースユニット搬出シーケンスにしたがって、ボットによって1つまたは複数の所定のケースユニット保持位置へと分類される。たとえば、顧客注文が、ケースユニットCUCが搬出リフト150B1に運ばれ、ケースユニットCUDが搬出リフト150B1に運ばれることを要求すると仮定すると、ボット110は、取り出し通路130A1に入り、保管スペース130S1からケースユニットCUCを取り出す(
図14、ブロック1400)。ケースユニットCUCは、上述のように積載セクション110PLの後部に向かってボット110上で位置合わせされてもよい(
図14、ブロック1405)。ボット110は、取り出し通路130A2を通って移動し、両方のケースCUC、CUDが共通の移送アーム110PA上で互いに隣接して位置するように、共通の移送アーム110PAにより異なる保管スペース130S2からケースユニットCUDを取り出す(
図14、ブロック1410)。他の態様においては、両方のケースユニットCUC、CUDが、共通の移送アーム110PAによって、共通の保管スペース130Sから取り出される(
図14、ブロック1415)。理解され得るように、一態様において、制御装置110Cは、ケースユニットが配置された順序と反対の順序で、ケースユニットの取り出しをもたらすように構成される。ボット110は、積載セクション110PL内でケースユニットCUC、CUDの両方を把持し、取り出し通路130A2を出る(
図14、ブロック1420)。ボットは移送デッキに沿って移動し、搬出リフト150B2と相互作用する(
図14、ブロック1421)。ケースユニットCUDが積載セクション110PLの前方へ位置合わせされ、ケースユニットCUCが積載セクション110PLの後方へ位置合わせされるように、ボットは、上述のように、積載セクション110PL内でケースユニットCUC、CUDを分離する(
図14、ブロック1425)。ケースユニットCUDは、ボット110によって直接的に(たとえば、ボットの取り出しヘッド270がリフトの棚と直接相互作用する)、または移送/バッファステーションLTSなどを通して間接的に(ケースユニットはステーションLTSに移送され、ステーションがリフトの棚と相互作用する)、搬出リフト150B2へと移送される(
図14、ブロック1430)。ボットは、ケースユニットCUCを積載セクション110PLに戻す(
図14、ブロック1435)ために移送アーム110PAを後退させ、ケースユニットCUCを把持する(
図14、ブロック1420)。ケースユニットCUCは搬出リフト150B1まで搬送され(
図14、ブロック1421)、上述のように積載セクション110PLの前方へ位置合わせされ(
図14、ブロック1425)、上述のように直接または間接的に搬出リフト150B1へ移送される(
図14、ブロック1430)。他の態様においては、所定のケースユニット搬出シーケンスに応じて、ボット110は、両方のケースユニットCUC、CUDを、搬出リフト150B1、150B2の一方など、共通の位置に配置する。
【0035】
図16を参照すると、開示される実施形態の態様にしたがって、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースが設けられる(
図16、ブロック1600)。複数レベルのデッキも設けられ(
図16、ブロック1610)、複数レベルのデッキの少なくとも1つのデッキレベルは、各通路と連通し、複数レベルのデッキおよび通路が、複数レベルのデッキの各レベルでの自律搬送車両の転走面を画定する。複数のラックレベルのラックは、複数のラックレベルに共通のそれぞれの転走面からアクセスされ(
図16、ブロック1620)、ラックは、複数レベルのデッキの各レベルで、少なくとも1つの通路に沿って配置される。一態様において、ラックレベルの間の垂直方向のピッチは、それぞれの通路の部分に対して変動する。一態様において、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、自律搬送車両が共通の通路経路で、順序付けられたシーケンスの複数の取り出しをもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。一態様において、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、垂直方向のピッチおよび他の垂直方向のピッチが、保管される品物によって複数のデッキレベル間の垂直方向のスペースを実質的に埋めるように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0036】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、1つまたは複数のピックフェースを保持するように構成される積載セクションを形成するフレームと、フレームに可動に取り付けられる移送アームと、フレームに接続される駆動セクションと、駆動セクションに接続される制御装置とを含み、制御装置は、所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって自律搬送車両により運搬されるピックフェースのオンザフライの分類をもたらすように構成され、制御装置は、所定のケース搬出オーダーシーケンスにしたがって、2つ以上のピックフェースが1つまたは複数の第1のケースユニット保持位置から取り出され、1つまたは複数の異なる第2のケースユニット保持位置に配置されるように、駆動セクションに命令する。
【0037】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、2つ以上のピックフェースが配置された順序と反対の順序での、2つ以上のピックフェースの取り出しをもたらすように構成される。
【0038】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、互いに隣接する2つ以上のピックフェースを保持するように構成されるように、2つ以上のピックフェースに共通である。
【0039】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、フレームの長手軸を横切って移動するように積載セクション内に配置される位置合わせ部材をさらに含み、制御装置は、積載セクションにおいて運搬される2つ以上のピックフェースの分類をもたらすために、位置合わせ部材および移送アームの組み合わされた移動を制御するように構成される。
【0040】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、駆動セクションおよび制御装置に接続される位置合わせ部材をさらに含み、位置合わせ部材はフレームに可動に取り付けられ、移送アームおよび位置合わせ部材は、それぞれ互いに対して独立して移動可能である。
【0041】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、2つ以上のピックフェースの少なくとも1つを、2つ以上のピックフェースの少なくとも別の1つが積載セクションへまたは積載セクションから移送される間、積載セクション内に保持することによって、オンザフライの分類がもたらされるように、駆動セクションを制御し、位置合わせ部材および移送アームの移動をもたらすように構成される。
【0042】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、複数の積載物支持タインを含み、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、位置合わせ部材は、移送アームが下降位置にあるときに、タインの間に延伸するように構成される。
【0043】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、積載セクション内に積載ベッドおよび位置合わせ部材をさらに含み、積載ベッドは、位置合わせ部材の開口を通って延びる、横方向に配置された積載物支持体を含む。
【0044】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、積載物支持タインの下降位置が1つまたは複数の積載品物を、横方向に配置された積載物支持体に移送するように、横方向に配置された積載物支持体と互いに噛み合わされるように離間される積載物支持タインを含む。
【0045】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動保管および取り出しシステムの自律搬送車両は、長手軸を有し、1つまたは複数の積載品物を保持するように構成される積載セクションを形成するフレームと、長手軸を横切って移動するように積載セクション内に配置される位置合わせ部材と、少なくとも部分的に積載セクション内に配置される移送アームと、位置合わせ部材および移送アームに接続される制御装置とを含み、制御装置は、積載セクションにおいて運搬される1つまたは複数の積載品物のオンザフライの分類をもたらすために、位置合わせ部材および移送アームの組み合わされた移動を制御するように構成される。
【0046】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、位置合わせ部材および移送アームは、それぞれ互いに対して独立して移動可能である。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、1つまたは複数の積載品物のうちの2つの物理的な分離を引き起こすために、位置合わせ部材が1つまたは複数の積載品物の2つの間に挿入されるように、位置合わせ部材および移送アームの移動をもたらすように構成される。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、位置合わせ部材は、1つまたは複数の積載品物を積載セクション内で横方向に双方向に移動させるように構成される。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、1つまたは複数の積載品物の少なくとも1つを、1つまたは複数の積載品物の少なくとも別の1つが積載セクションへまたは積載セクションから移送される間、積載セクション内に保持することによって分類がもたらされるように、位置合わせ部材および移送アームの移動を制御するように構成される。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、複数の積載物支持タインを含み、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、位置合わせ部材は、移送アームが下降位置にあるときに、タインの間に延伸するように構成される。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、積載セクション内に積載ベッドをさらに含み、積載ベッドは、位置合わせ部材の開口を通って延びる、横方向に配置された積載物支持体を含む。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、積載物支持タインの下降位置が1つまたは複数の積載品物を、横方向に配置された積載物支持体に移送するように、横方向に配置された積載物支持体と互いに噛み合わされるように離間される積載物支持タインを含む。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、共通の移送アームを有する自律搬送車両の積載セクションにおいて運搬される積載品物を搬送する方法が提供される。方法は、積載セクション内で積載品物を支持することと、保管および取り出しシステムにおける順序付けられた配置のために、積載セクション内で積載品物を分類することとを含み、積載品物を分類することは、共通の移送アーム上に配置される積載品物の少なくとも1つを、積載品物の別の1つから空間的に分離することを含み、積載品物の少なくとも1つは、積載品物の別の1つが共通の移送アームによって積載セクションから移送される間、共通の移送アーム上で保持される。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積載品物を分類することは、積載品物の少なくとも1つの再配置をもたらすために、自律搬送車両の積載ベッドと共通の移送アームとの間で積載品物を移送することをさらに含む。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積載品物を分類することは、積載品物の少なくとも1つの再配置をもたらすために、積載品物の間に位置合わせ部材を挿入することをさらに含む。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、共通の移送アーム上に配置される積載品物の少なくとも1つを再配置することをさらに含む。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動保管および取り出しシステムの自律搬送車両は、長手軸を有し、1つまたは複数の積載品物を保持するように構成される積載セクションを形成するフレームと、少なくとも部分的に積載セクション内に配置され、1つまたは複数の積載品物を保持するように構成される、1つまたは複数の積載品物に共通の移送アームと、移送アームから独立して積載セクション内に配置され、1つまたは複数の積載品物の少なくとも1つを係合して長手軸を横切って移動するように構成される積載品物位置合わせ部材とを備え、積載品物位置合わせ部材の移動は、移送アームの移動からは独立している。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、位置合わせ部材の独立した移動は、1つまたは複数の積載品物の少なくとも1つの、積載セクションにおいて運搬される少なくとも1つの積載品物の別の1つからの分離をもたらす。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積載品物位置合わせ部材は、積載品物位置合わせ部材駆動部を有し、移送アームは、積載品物位置合わせ部材駆動部とは異なる移送アーム駆動部を有し、積載品物位置合わせ部材駆動部および移送アーム駆動部のそれぞれは、独立した駆動軸を有する。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、位置合わせ部材および移送アームに接続される制御装置をさらに備え、制御装置は、1つまたは複数の積載品物の少なくとも1つを含むピックフェースを構成するために、異なるそれぞれの駆動部による、位置合わせ部材および移送アームの実質的に同時の移動を制御するように構成される。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、積載セクションにおいて運搬される1つまたは複数の積載品物の分離をもたらすために、位置合わせ部材および移送アームを制御するように構成される。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、1つまたは複数の積載品物のうちの2つの物理的な分離を引き起こすために、位置合わせ部材が1つまたは複数の積載品物の2つの間に挿入されるように、位置合わせ部材および移送アームの移動をもたらすように構成される。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、1つまたは複数の積載品物の少なくとも1つを、1つまたは複数の積載品物の少なくとも別の1つが積載セクションへまたは積載セクションから移送される間、積載セクション内に保持することによって、1つまたは複数の積載品物の分類をもたらすために、位置合わせ部材および移送アームの移動を制御するように構成される。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、位置合わせ部材は、1つまたは複数の積載品物を積載セクション内で横方向に双方向に移動させるように構成される。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、複数の積載物支持タインを含み、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、位置合わせ部材は、移送アームが下降位置にあるときに、タインの間に延伸するように構成される。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、積載セクション内に積載ベッドをさらに含み、積載ベッドは、位置合わせ部材の開口を通って延びる、横方向に配置された積載物支持体を含む。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、移送アームは、積載物支持タインの下降位置が1つまたは複数の積載品物を、横方向に配置された積載物支持体に移送するように、横方向に配置された積載物支持体と互いに噛み合わされるように離間される積載物支持タインを含む。
【0068】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。したがって、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。
【外国語明細書】