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特開2022-141890自走式作業機及び自走式作業機の制御システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141890
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】自走式作業機及び自走式作業機の制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/64 20060101AFI20220921BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20220921BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A01D34/64 M
A01D34/68 K
A01B69/00 303Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117692
(22)【出願日】2022-07-25
(62)【分割の表示】P 2019115188の分割
【原出願日】2018-06-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社ササキコーポレーション「電動作業機スマモ」カタログ平成30年2月19日配布 株式会社ササキコーポレーションホームページ平成30年2月19日掲載 農経しんぽう 平成30年2月19日 第10面 農村ニュース 平成30年2月19日 第10面 農機新聞 平成30年2月20日 第13面 スマートエネルギーWeek2018 会場案内図 (ブース E25-18) スマートエネルギーWeek2018 会場写真 (ブース E25-18)
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】甲地 重春
(72)【発明者】
【氏名】梅田 洵平
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠隔操作を行い、複数の入出力信号の制御を可能にし、部品点数を減らす。
【解決手段】変換部制御装置Eは、パルス信号を、走行モータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、旋回信号をパルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、演算部での判断に応じて走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、を備え、変換部制御装置Eは旋回信号を取得すると、パルス信号を旋回範囲(%)に変換後に前後進直進範囲か否かを判断し、同範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右走行モータ15a減速での右旋回範囲内か否かを判断し、同範囲内ではないと判断した場合は右走行モータ15a減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する自走式作業機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機。
【請求項2】
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする請求項1記載の自走式作業機。
【請求項3】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自走式作業機。
【請求項4】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項2記載の自走式作業機。
【請求項5】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項3記載の自走式作業機。
【請求項6】
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御システム。
【請求項7】
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする請求項5記載の自走式作業機の制御システム。
【請求項8】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項6記載の自走式作業機の制御システム。
【請求項9】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項6記載の自走式作業機の制御システム。
【請求項10】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項7記載の自走式作業機の制御システム。
【請求項11】
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御方法。
【請求項12】
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする請求項9記載の自走式作業機の制御方法。
【請求項13】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項10記載の自走式作業機の制御方法。
【請求項14】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項10記載の自走式作業機の制御方法。
【請求項15】
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項11記載の自走式作業機の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自走式作業機及び自走式作業機の制御システム及び制御方法に係る。
【背景技術】
【0002】
農作業においては、作業者が立ち入ることが困難な場所に、作業機械が立ち入って作業ができることが求められている。作業機械を扱う作業者に対しては、機体操作に関わる省力化が可能で、且つ、経済的に導入しやすいことが求められている。
特許文献1「自走式草刈機」には、機体に備えられたハンドルを持って地面の草を刈ることができる自走式草刈機が開示されている。この自走式草刈機は、機体から延びたハンドル長さを調節することで、作業者の位置から機体を離して草刈作業をすることができる。
【0003】
特許文献2「サーボモータ装置の較正方法およびサーボモータ装置」には、模型用ラジオコントロール装置におけるサーボモータ装置の較正方法及びサーボモータ装置についてであるが開示されている。
このサーボモータ装置は、「ブラシレスモータの持つセンサの情報を利用して、モータの回転の位置をカウンタによって表す。カウンタの値から求められるサーボモータ装置の出力軸の回転角度と、このときのポテンショメータからの出力信号の出力値を対応付けて複数記録し、データテーブルを作成する。サーボモータ装置を使用するときには、出力信号からデータテーブルを用いて出力軸の回転角度を求め、この回転角度を利用した駆動制御を行う」、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-34710号公報
【特許文献2】特開2010-148251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の自走式の作業機を操作する場合、機体に備えられたハンドルを把持するため、作業者は常時機体に随行しなければならない問題がある。
そこで、常時機体への随行を回避するために機体を作業者から遠ざけて遠隔操作を可能にする装置が必要になる。
【0006】
特許文献2記載の装置は、模型の各部を駆動させるためにサーボモータ装置を使用するものである。サーボモータ装置は、ブラシレスモータとポテンショメータを使用していて、このポテンショメータから得られたデータを用いて各駆動源を制御する。
複数の走行駆動用モータを同時に制御しようとすると、サーボモータ装置も同数必要になる。結果として部品点数が増加して価格が高騰する要因になる。また、このサーボモータ装置では、複数の信号を入力して複数のモータを同時に制御しようとした場合、システムが複雑になる問題がある。
【0007】
本発明は、上述の問題点に着眼してなされたものであり、遠隔操作を行うとともに、駆動用モータの回転制御を電気信号で行うことで複数の入出力信号の制御を可能にし、且つ、部品点数を減らすことができる自走式作業機の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0009】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0010】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機
からなる。
【0011】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0012】
この発明は、
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御システム、
からなる。
【0013】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御システム、
からなる。
【0014】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御システム、
からなる。
【0015】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御システム、
からなる。
【0016】
この発明は、
機体の進行方向左右側に右走行部、左走行部をそれぞれ設けられ、右走行部、左走行部をそれぞれ駆動走行させる右走行モータ、左走行モータを有した走行部と、
前記走行部を操作するための操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置と、を備え、
前記変換部制御装置は、前記操作部から操作信号として送られたパルス信号を、前記走行モータを動作させるモータの出力率である出力信号に変換して出力するパルス数変換部と、
前記操作部から送られた旋回信号を前記パルス数変換部の出力信号が指定された出力値であるか判断する演算部と、を備え、
前記変換部制御装置は前記旋回信号を取得すると、前記パルス信号を旋回範囲(%)に変換した後に前後進直進範囲か否かを判断し、前後進直進範囲内ではないと判断した場合は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内か否かを判断し、前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内ではないと判断した場合は右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までか否かを判断する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御方法、
からなる。
【0017】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は右走行モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までではないと判断した場合は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内か否かを判断し、直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内ではないと判断した場合は左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであるとして処理する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御方法、
からなる。
【0018】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの回転信号、電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は前後進直進範囲内超過乃至右モータ減速での右旋回範囲内であると判断した場合、または、右モータ減速での右旋回範囲超過乃至右走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は、右走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御方法、
からなる。
【0019】
この発明は、更に、
前記変換部制御装置は前記演算部での判断に応じて前記走行モータの走行モータ回転信号、走行モータの電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値、旋回信号を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記変換部制御装置は直進範囲内未満乃至左走行モータ減速での左旋回範囲内であると判断した場合または左走行モータ減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回までであると判断した場合は左走行モータ旋回%値を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする自走式作業機の制御方法、
からなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遠隔操作を行うとともに、駆動用モータの回転制御を電気信号で行う
ことで複数の入出力信号の制御を可能にし、且つ、部品点数を減らすことができる自走式
作業機の制御システム及び方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施の形態に係る実施例の平面図である。
図2】この発明の実施の形態に係る実施例の左側面図である。
図3】この発明の実施の形態に係る実施例の正面図である。
図4】この発明の実施の形態に係る実施例の送信機の正面図である。
図5】この発明の実施の形態に係る実施例の、昇降部最上昇移動時の昇降部詳細左側面中央断面図である。
図6】この発明の実施の形態に係る実施例の、昇降アームを一部断面し、弾性体を断面した、昇降部最上昇移動時の昇降部詳細正面図である。
図7】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈機の制御の相関を示したブロック図である。
図8】この発明の実施の形態に係る実施例の旋回信号の処理を表すフロー図である。
図9】この発明の実施の形態に係る実施例の前後進信号処理を表すフロー図である。
図10】この発明の実施の形態に係る実施例の刈刃信号処理を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施例に係る自走式作業機及び自走式作業機の制御システム及び方法について説明する。
Aは、自走式草刈機である。自走式草刈機Aの平面図をあらわす図1において、図中左側が自走式草刈機Aの前方、右が後方、上が右側、下が左側である。
Bは、自走式草刈機Aにおける、操作部である送信機である。自走式草刈機Aは、送信機Bによって操作する。Jは受信機であり自走式草刈機A上に設置する。
【0023】
自走式草刈機Aには、中央に機体である本体部Lを設ける。本体部Lには、本体フレーム01、走行部Dを設ける。本体部Lの前部に、作業部Kを設ける。作業部Kには、2個の刈刃部Cを進行方向に向かって並べて設置する。本体部Lの左右には、走行部Dを設ける。本体部Lの後部には、牽引部Pを設ける。牽引部Pには、連結部を介して、被牽引作業車を取り付ける。
Eは変換部制御装置であり、自走式草刈機Aの駆動、作動を制御する。Fは刈刃リフト部であり、走行部Dに取り付けた刈刃部Cを昇降する。
【0024】
走行部Dには、走行フレーム11を設ける。走行フレーム11は、自走式草刈機Aの進行方向両側に平行にそれぞれ設ける。12は駆動輪、13は従動輪である。12aは右駆動輪、12bは左駆動輪である。121は、駆動輪12の回転軸である。
駆動輪12は、走行フレーム11の後部に幅方向に取り付けた回転軸121に取り付ける。従動輪13は、走行フレーム11の前部に取り付ける。14は、転輪である。転輪14は、駆動輪12、従動輪13の間の走行フレーム11に取り付ける。
【0025】
走行部Dには、機体である本体部Lの進行方向左右側に、自走式草刈機Aに駆動走行をさせる走行モータ15を設ける。15aは右走行モータ、15bは左走行モータである。
走行モータ15は、左右駆動輪12の左右駆動軸にそれぞれ取り付ける。16は、クローラである。16aは右クローラ、16bは左クローラである。クローラ16は、左右の駆動輪12、転輪14、従動輪13間にそれぞれ架け渡す。
2個の走行モータ15a、15bを駆動して、各駆動輪12を駆動させクローラ16を駆動させ、転輪14、従動輪13を回転することで、自走式草刈機Aは、駆動走行する。
【0026】
21、22は、バッテリである。バッテリ21、バッテリ22は、それぞれ自走式草刈機Aに積載される。23は、電源スイッチである。電源スイッチ23は、バッテリ21、バッテリ22をそれぞれ入切して通電状態を切替える。
31は、切替スイッチである。切替スイッチ31は、自走式草刈機Aの走行部Dに積載する。切替スイッチ31には、右刈刃スイッチ32、左刈刃スイッチ33、非常停止スイッチ34、通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38の各スイッチが設置される。右刈刃スイッチ32は、作業部Kに設けた右刈刃51aを駆動停止及び回転方向を選択するためのスイッチである。左刈刃スイッチ33は、作業部Kに設けた左刈刃51bを駆動停止及び回転方向を選択するためのスイッチである。非常停止スイッチ34は、緊急時に自走式草刈機Aの作動を停止させるためのスイッチである。
【0027】
切替スイッチ31には、左刈刃運転ランプ35、右刈刃運転ランプ36、電源ランプ37の各ランプを設置する。左刈刃運転ランプ35は、左刈刃運転ランプの作動時に点灯して知らせる。右刈刃運転ランプ36は、右刈刃運転ランプの作動時に点灯して知らせる。電源ランプ37は、自走式草刈機Aの電源の入切、自走式草刈機Aの作動状態を知らせるランプである。
これらランプは、変換部制御装置Eによって走行モータ15及び刈刃モータ51及びリフト部Fに設ける昇降モータ61を含む全ての駆動の異常を検知して停止した場合は点滅発光する。
【0028】
41は昇降支点、42は昇降支点軸、43は昇降アーム、44は支点部材である。支点部材44は、本体部Lに垂直方向に取り付け、昇降支点41、昇降支点軸42を取り付ける。43aは右昇降アーム、43bは左昇降アームであり、これらで刈刃リフト部Fを構成する。
昇降支点41は、自走式草刈機Aの走行部Dに幅方向に取り付ける。昇降支点軸42は、昇降支点41に取り付ける。昇降アーム43の一方は昇降支点軸42に取り付ける。
61は、昇降モータである。昇降モータ61は、基部は自走式草刈機Aの本体フレーム01上に取り付ける。62は出力軸である。昇降モータ61からは、出力軸62が突設される。出力軸62は、自走式草刈機Aの前後方向と平行に設置する。出力軸62にはピニオンギヤ63を取り付ける。
【0029】
64は、昇降ギヤである。昇降ギヤ64は、全体として扇形からなり、自走式草刈機Aの前後方向と垂直に設置する。昇降ギヤ64の基部には、自走式草刈機Aの前後方向と平行にギヤ旋回支点66を設け、本体部Lに取り付ける。昇降ギヤ64の扇形に広がった扇状部先端には、ラックギヤ65を設ける。
ピニオンギヤ63は、昇降ギヤ64に設けたラックギヤ65と噛み合わせる。
昇降モータ61が回転すると、昇降モータ61の出力軸62に取り付けられたピニオンギヤ63が回転する。ピニオンギヤ63の回転により、ピニオンギヤ63に噛み合った昇降ギヤ64の広がった端部に設けられたラックギヤ65を上下に移動する。ラックギヤ65の上下への移動により、昇降ギヤ64の基部に設けたギヤ旋回支点66を回動中心として昇降ギヤ64は回動する。
【0030】
図3に図示する641は、昇降ピンである。昇降ピン641は、ラックギヤ65の歯部近傍の下部で進行方向前方に向けて固着する。642は、ピンである。ピン642は、昇降支点41から作業部Kよりの昇降アーム43に幅方向に設ける。昇降ピン641は、ピン642を下方から支える。
図5図6に図示するように、昇降アーム43と本体フレーム01の間に、スプリング643を設置する。スプリング643は、昇降アーム43を上方に常に付勢していて、作業部Kの上昇動作を補助している。
【0031】
ラックギヤ65の上下への移動により、昇降ピン641も上下動する。ピン641は、ギヤ旋回支点66が回動することによる、ラックギヤ65の上下への移動と共に、昇降支点41を回動中心として、昇降アーム43を上下動させる。
昇降ピン641は、昇降アーム43が下方へ移動することを規制しているのみで、昇降アーム43の上方側への移動は自由である。
【0032】
刈刃リフト部Fである昇降部には、作業部Kを昇降自在にする昇降アーム43及び昇降モータ61を設ける。昇降アーム43の一端には、昇降支点軸42を有する昇降支点41を設けている。昇降アーム43は昇降支点41を回動軸にして上下動する。
【0033】
昇降ギヤ64は、昇降モータ61の回動により、ギヤ旋回支点66を回動軸として回動する。昇降ギヤ64の回動により、昇降ピン641も上下動する。昇降ピン641の上下動により、ピン642は、上下動する。ピン642の、上下動により、昇降アーム43は上下動する。刈刃部Cは、昇降アーム43の先端に取り付ける。
そのため、回動刈刃リフト部Fは、刃昇降支点軸42を回動中心として刈刃部Cを上下に昇降駆動し、昇降アーム43の先端は昇降される。
【0034】
作業部Kには、機体である本体部L及び走行部Dの前方に位置させて、作業をするための複数の作業モータである刈刃モータ51を設ける。51aは右刈刃モータ、51bは左刈刃モータである。この実施例では刈刃モータ51は、右刈刃用モータと左刈刃用モータの2個をそれぞれの回転軸を垂直にして、それぞれ進行方向左右に並べて刈刃部Cに設置する。
52は、刈刃基部である。刈刃基部52は、それぞれ刈刃モータ51の回転軸周囲に設置高さを変えて設ける。隣接する刈刃基部52の設置高さが異なるため、刈刃基部52相互が干渉することは無い。53は、刈刃である。刈刃53は、この実施例では、それぞれ刈刃基部52に等間隔に4個取り付ける。
【0035】
54は接地体である。接地体54は円盤状からなり、刈刃モータ51の刈刃53よりも下方の地面側に取り付ける。
55は、刈刃ハウジングであり、両方の刈刃基部52を覆うように、刈刃部Cに取り付ける。
刈刃モータ51を駆動することで、刈刃基部52を回転させ、刈刃53を回転駆動させる。
回転駆動した刈刃53によって、走行と共に刈刃ハウジング55内に侵入した地面上の草を刈取り、刈取った草は刈刃ハウジング55の後方から排出される。また、刈刃53は、接地体54より下方に下がることが無く、安定して地面上の草を刈る作業ができる。
【0036】
Hは、記憶部である。図7に示す記憶部Hは、変換部制御装置Eに設けられ、刈刃モータ51の負荷に応じた走行モータ15の電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値を記憶する。
Gは、回転駆動制御部である。回転駆動制御部Gは、走行モータ15、前記刈刃モータ51、昇降モータ61の回転数、電流、パルス数を検出し検出値を変換部制御装置Eに出力すると共に、走行モータ15及び刈刃モータ15、昇降モータ61を前記変換部制御装置Eによって決定された回転数で出力させ駆動する。回転駆動制御部Gは、右走行モータ制御部G1、左走行モータ制御部G2、右刈刃モータ回転駆動制御部G3、左刈刃モータ回転駆動制御部G4、リフトモータ回転駆動制御部G5、を有し、それぞれ各モータ、走行モータ15、刈刃モータ51、昇降モータ61に近接して配置している。
回転駆動制御部Gは、変換部制御装置Eで制御する。
【0037】
受信機Jからの信号を受領する変換部制御装置Eは、操作部Bから送られた信号を変換し、走行モータ15及び前記刈刃モータ51の回転駆動、前記刈刃53、昇降モータ61の回転を制御するため信号を出力し上下昇降を制御する。記憶部H、変換部制御装置Eは、近接させて設置する。
変換部制御装置Eは、操作部Bから送られた信号を、走行モータ15及び作業モータ51及び昇降モータ61を動作させる出力信号に変換するパルス数変換部Mを備える。
図1図4に図示する操作部である送信機Bでは、走行部D及び作業部K及び昇降部Fを操作する。操作部である送信機Bにおいて、71は、旋回スイッチである。旋回スイッチ71は、送信機Bの旋回スイッチの動作範囲72内で回動する。
【0038】
73は、前後進スイッチである。前後進スイッチ73は、前後進スイッチの動作範囲74の範囲内で移動する。
75は、信地旋回切替スイッチである。信地旋回切替スイッチ75は、操作することで、左右のクローラ16a、クローラ16bのうち、片側のクローラを停止してもう一方のクローラだけを回転させ、停止側のクローラを軸としてその場で旋回させる通常信地旋回と、互いのクローラ16a、16bのいずれか一方を前進方向に回転させ、他方を後進方向に回転させることで、機体の中心を旋回軸として旋回させる超信地旋回とを切り換える
【0039】
図7に図示するブロック図について変換部制御装置Eの関係を説明する。
送信機Bから操作信号が送信される。受信機Jでは、送信機Bからの操作信号を受領して前進/後退信号81、旋回信号82、刈刃ON/OFF信号83、リフト上げ/下げ信号84の各信号を、変換部制御装置Eのパルス数変換部Mに伝送する。パルス数変換部Mでは、送信機Bから操作信号として送られる周波数(パルス信号)を、モータの出力率に変換し出力する。この実施例では、送信機Bから送信される周波数は1100Hz乃至1900Hzとされ、1500Hzをモータの出力率の0%と定め、1100Hzをモータの出力率-100%、1900Hzをモータの出力率+100%と設定している。周波数と出力率は比例関係に設定している。パルス数変換部Mからは、信号を演算部Nに伝送する。
【0040】
変換部制御装置Eは、記憶部Hと演算部Nとパルス数変換部Mからなる。演算部Nは、走行指示演算部E1と刈刃指示演算部E2とリフト指示演算部E3とからなる。
演算部Nは、送信部である操作部Bから送られ、パルス数変換部Mを介して変換された走行及び旋回及び昇降の出力信号が指定された出力値であるかを判断する。
記憶部Hは、演算部Nでの判断に応じて走行モータ15の走行モータ回転信号を記憶する。
【0041】
走行指示演算部E1は、右走行モータ制御部G1、左走行モータ制御部G2に接続してこれらを制御する。
刈刃指示演算部E2は、右刈刃モータ回転駆動制御部G3、左刈刃モータ回転駆動制御部G4に接続してこれらを制御する。
右走行モータ制御部G1は右走行モータ15aに、左走行モータ制御部G2は左走行モータ15bに、右刈刃モータ回転駆動制御部G3は右刈刃モータ51aに、左刈刃モータ回転駆動制御部G4は左刈刃モータ51bの各刈刃モータ51にそれぞれ接続してこれらを制御する。
【0042】
変換部制御装置Eは、右刈刃スイッチ32、左刈刃スイッチ33、非常停止スイッチ34、右刈刃運転ランプ36、左刈刃運転ランプ35、電源ランプ37、電源スイッチ23、通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38にそれぞれ接続してこれらを制御する。
リフト指示演算部E3は、リフトモータ回転駆動制御部G5に接続してこれを制御する。リフトモータ回転駆動制御部G5は、昇降モータ(リフトモータ)61に接続される。
演算部Nは、記憶部H、パルス数変換部Mに接続してこれらを制御する。
【0043】
この発明の実施例に係る自走式作業機及び自走式作業機の制御システム及び方法は、
機体である本体部Lの進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータ15を有した走行部Dと、前記機体L及び前記走行部Dの前方に位置させて作業をするための複数の作業モータ51を備えた作業部Kと、前記作業部Kを昇降自在にする昇降アーム43及び昇降モータ61を備えた昇降部Fと、前記走行部D及び前記作業部K及び前記昇降部Fを操作するための操作部Bと、該操作部Bから送られた信号を変換し、前記走行モータ15及び前記作業モータ51及び前記昇降モータ61の回転を制御するため信号を出力する変換部制御装置Eと、前記変換部制御装置Eは演算部N、記憶部H、パルス数変換部Mと、を備えた自走式作業機又は自走式作業機の制御システム又は方法である。
【0044】
同自走式作業機の制御システム及び方法は、更に、
前記操作部Bから送られた信号を、前記走行モータ15及び前記作業モータ51及び前記昇降モータ61を動作させる出力信号に変換する工程と、前記出力信号の値に応じて前記走行モータ15の走行モータ回転信号の値を前記演算部Nで演算させる工程と、前記演算部Nでの判断に応じて前記走行モータ15の走行モータ回転信号を前記記憶部Hに記憶させる工程と、前記記憶部Hから記憶された値を取り出し前記演算部Nで演算された値によって走行モータ15を回転させる信号を出力させる工程と、
からなる。
【0045】
図8に図示する旋回信号の処理についてあらわすフロー図について説明する。
旋回信号の処理を開始すると、受信機Jから旋回信号を取得する。すると、パルス信号を旋回範囲(%)に変換する。次いで、「前後進直進範囲か否か」を判断する。
「前後進直進範囲内」YESの場合は、右走行モータ旋回%に0を代入し(ΔFr=0、ΔRr=0)、左走行モータ旋回%に0を代入する(ΔFl=0、ΔRl=0)。次いで、ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶する。次いで、開始に戻る。
【0046】
「前後進直進範囲内」NOの場合は、「前後進直進範囲内超過乃至右モータ15a減速での右旋回範囲内か否か」を判断する。
「前後進直進範囲内超過乃至右モータ15a減速での右旋回範囲内」YESの場合は、右走行モータ15a旋回%値を代入する(ΔFr%、ΔRr%)。次いで、ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶する。次いで、開始に戻る。
【0047】
「前後進直進範囲内超過乃至右モータ15a減速での右旋回範囲内」NOの場合は、「右モータ15a減速での右旋回範囲超過乃至、右走行モータ15a指示逆転での右超信地旋回までか否か」を判断する。
「右モータ15a減速での右旋回範囲超過乃至、右走行モータ15a指示逆転での右超信地旋回まで」YESの場合は、「右走行モータ15a旋回%値(ΔFr%、ΔRr%)」を代入する。次いで、ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶する。次いで、開始に戻る。
【0048】
「右走行モータ15a減速での右旋回範囲超過乃至、右走行モータ15a指示逆転での右超信地旋回まで」NOの場合は、「直進範囲内未満乃至、左走行モータ15b減速での左旋回範囲内か否か」を判断する。
「直進範囲内未満乃至、左走行モータ15b減速での左旋回範囲内」YESの場合は、
「左走行モータ15b減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋
回まで」をスキップして、「左走行モータ15b旋回%値(ΔFl%、ΔRl%)」を代
入する。次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶」する。次いで、
開始に戻る。
【0049】
「直進範囲内未満乃至、左走行モータ15b減速での左旋回範囲内」がNOの場合は、「左走行モータ15b減速での左旋回範囲超過乃至左走行モータ指示逆転での右超信地旋回まで」として、「左走行モータ15b旋回%値(ΔFl%、ΔRl%)」を代入し、次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶」する。
「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部Hに記憶」すると、開始に戻る。
【0050】
図9に図示する前後進信号の処理についてあらわすフロー図について説明する。
「前後進信号の処理を開始」する。「受信機Jから前後進信号を取得」する。次いで、「パルス数を動作範囲(%)に変換」する。
次いで、「停止範囲内か否か」を判断する。
「停止範囲内」YESの場合は、「右走行モータ15a回転制御部G1へ停止を出力」し、「右走行モータ15aを停止」する。併せて、「左走行モータ15b回転制御部G2へ停止を出力」し、「左走行モータ15bを停止」する。次いで、「終了」する。
【0051】
「停止範囲内?」の判断がNOの場合は、「停止範囲超過乃至前進最大まで」か否かを判断する。
「停止範囲超過乃至前進最大まで」がYESの場合は、「記憶部HからΔFr、ΔFl(旋回範囲%値)を取得」する。次いで、「右走行モータ15a前進方向へFr%、左走行モータ15b前進方向へFl%を代入」する。次いで、「右走行モータ回転駆動制御部G1へ、前進信号:Fr-ΔFr、右走行モータ回転駆動制御部G2へ、前進信号:Fl-ΔFlを出力」する。
【0052】
次いで、「右走行モータ15a過負荷」否かを判断する。
「右走行モータ15a過負荷」YESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「右走行モータ15a過負荷」NOの場合は、「左走行モータ15b過負荷」か否かを判断する。
「左走行モータ15b過負荷」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「左走行モータ15b過負荷」NOの場合は、「右走行モータ15a、左走行モータ15bの出力値に応じて回転」し、「開始」に戻る。
【0053】
「停止範囲超過乃至前進最大まで」がNOの場合は、「停止範囲未満乃至後進最大まで」とする。次いで、「記憶部HからΔRr、ΔRl(旋回範囲%値)を取得」する。次いで、「右走行モータ15a後進方向へRr%、左走行モータ15b後進方向へRl%を代入」する。次いで、「右走行モータ回転駆動制御部G1へ、後進信号:Rr-ΔRr、左走行モータ回転駆動制御部G2へ、後進信号:Rl-ΔRlを出力」する。
【0054】
次いで、「右走行モータ15a過負荷」否かを判断する。
「右走行モータ15a過負荷」YESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「右走行モータ15a過負荷」NOの場合は、「左走行モータ15b過負荷」か否かを判断する。
「左走行モータ15b過負荷」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「左走行モータ15b過負荷」NOの場合は、「右走行モータ15a、左走行モータ15b出力値に応じて回転」し、「開始」に戻る。
【0055】
図10に図示する刈刃信号の処理についてあらわすフロー図について説明する。
開始すると、「受信機Jから刈刃モータ51のON/OFF信号を取得」する。次いで、「パルス数を刈刃モータ51のON/OFF範囲に変換」する。
次いで、「刈刃スイッチ32、33がON」か否かを判断する。
「刈刃スイッチ32、33がON」がNOの場合は、「全ての刈刃を停止」し、終了する。
「刈刃スイッチ32、33がON」がYESの場合は、「右側刈刃の回転指示があるか」否かを判断する。
【0056】
「右側刈刃の回転指示があるか」がNOの場合は、「左側刈刃の回転指示があるか」否かを判断する。
「左側刈刃の回転指示があるか」がNOの場合は、全ての刈刃を停止し、終了する。
「左側刈刃の回転指示があるか」がYESの場合は、「左側の刈刃モータ51は過負荷か」否かを判断する。
「左側の刈刃モータ51は過負荷か」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として終了する。
「左側の刈刃モータ51は過負荷か」がNOの場合は、「左側の刈刃モータ51を回転」し「開始」に戻る。
【0057】
「右側刈刃の回転指示があるか」がYESの場合は、「右側の刈刃モータ51は過負荷か」否かを判断する。
「右側の刈刃モータ51は過負荷か」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「右側の刈刃モータ51は過負荷か」がNOの場合は、「右側の刈刃モータ51を回転」し、「左側刈刃の回転指示はあるか」を判断する。
【0058】
「左側刈刃の回転指示はあるか」がNOの場合は、その後「開始」に戻り処理を繰り返す。
「左側刈刃の回転指示はあるか」がYESの場合は、「待機時間経過か」否かを判断する。
「待機時間経過か」がNOの場合は、再度「待機時間経過か」否かを判断する。
「待機時間経過か」がYESの場合は、「左側の刈刃モータ51が過負荷か」否かを判断する。「左側の刈刃モータ51が過負荷か」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として終了する。
「左側の刈刃モータ51が過負荷か」がNOの場合は、「左側の刈刃モータ51を回転」し、その後「開始」に戻り処理を繰り返す。
【0059】
この発明の実施例では、機械的な部品を減らせるので、複数の信号を入力して複数のモータを同時に制御しようとした場合でもシステムが複雑にならない。
電気的な信号で全てを制御するので、より複雑な条件制御が可能である。例えば、どれか1個のモータが過負荷になった時に全システムを停止させる等である。
電気信号でのシステムであるので、複数の入出力を制御させる事が出来、機体動作の応答の俊敏性、機体の操作性、安全性をそれぞれ向上させることができる。
機械的なシステムを減らすことにより、故障となる要因を減らすことが可能である。
【符号の説明】
【0060】
15 走行モータ
15a 右走行モータ
15b 左走行モータ
43 昇降アーム
51 刈刃モータ(作業モータ)
51a 右刈刃モータ(作業モータ)
51b 左刈刃モータ(作業モータ)
53 刈刃
61 昇降モータ
A 自走式草刈機
B 送信機(操作部)
C 刈刃部
D 走行部
E 変換部制御装置
F 刈刃リフト部(昇降部)
G 回転駆動制御部
H 記憶部
J 受信機
K 作業部
L 本体部(機体)
M パルス数変換部
N 演算部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10