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特開2022-141912直接的な鈴木カップリングによる6-アリール-4-アミノピコリネートおよび2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートの合成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141912
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】直接的な鈴木カップリングによる6-アリール-4-アミノピコリネートおよび2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートの合成
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/42 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
C07D239/42
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118930
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2018560490の分割
【原出願日】2017-05-19
(31)【優先権主張番号】62/338,562
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/416,811
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(72)【発明者】
【氏名】フィスク,ジェーソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャオヨン
(72)【発明者】
【氏名】ミュールフェルド,マーク
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,ロベルト エス.
(72)【発明者】
【氏名】オッペンハイマー,ジョシアン
(72)【発明者】
【氏名】トゥ,シュー
(72)【発明者】
【氏名】ニッツ,マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】チャクラバーティ,リータム
(72)【発明者】
【氏名】ファイスト,ショーン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】リンガー,ジェームス ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】レング,ロナルド ビー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】6-アリール-4-アミノピコリネート及び2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートの安価な製造方法を提供する。
【解決手段】改善された方法は直接的な鈴木カップリングステップを含み、これは、現行の化学プロセスの保護/脱保護ステップを排除し、したがって、様々な原材料、機器、およびサイクル時間を排除または低減し、また、粗APの使用、ABA-diMeの使用、ならびにpH、触媒濃度、溶媒組成、および/または作業手順の変更を含む他のプロセス条件を変更している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

[式中、
Qは、H、Cl、C 1~3 アルコキシ、C 1~3 ハロアルコキシ、C 2~4 アルケニル、またはC 2~4 ハロアルケニルを表し、
Rは、H、非置換のC 1~6 アルキル、シアノで置換されたC 1~6 アルキル、または非置換のC ~C 10 アリールアルキルを表し、
Arは、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す]の2-アリール-6-アミノピリミジンカルボキシレートを調製する方法であって、下記式
【化2】

のアミノピリミジン(AP)および下記式
【化3】

[式中、R は、H、アルキル、または分枝鎖アルキルを表す]
のアリールボロン酸(ABA)またはアリールボロン酸ジアルキルエステル(ABA-diMe)を、パラジウム触媒の存在下で直接的な鈴木カップリングによりカップリングすることを含み、前記触媒の濃度は前記アミノピリジンに対し0.2%~1.9%であり、前記直接的な鈴木カップリングのpHは7~12であり、前記2-アリール-6-アミノピリミジンカルボキシレートの収率が少なくとも60%である、前記方法。
【請求項2】
Arが、
【化4】

であり、
式中、
が、HまたはFを表し;
が、H、F、Cl、C 1~4 アルキル、C 1~3 ハロアルキル、C 1~3 アルコキシ、またはC 1~3 ハロアルコキシを表し、
Yが、ハロゲン、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキル、C 1~3 アルコキシ、C 1~3 ハロアルコキシ、-CN、または-NO を表し、
Zが、H、F、Cl、C 1~4 アルキル、C 1~3 アルコキシ、C ~C ハロアルキル、C 1~3 ハロアルコキシ、C ~C アルコキシ置換C ~C アルキル、または-NR を表し、R およびR が、独立して、水素、C ~C アルキル、またはC ~C ハロアルキルである、あるいは
YとZ、またはZとW が、一緒になって、5員の芳香族または非芳香族の炭素環式または複素環式の環である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記APが、メチル6-アミノ-2,5-ジクロロピリミジン-4-カルボキシレートまたはメチル6-アミノ-2-クロロ-5-メトキシピリミジン-4-カルボキシレートである、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記APが精製および/または単離せずに用いられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ABAが、4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ABA-diMeが、ジメチル(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ボロネートである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記パラジウム触媒がパラジウム(II)触媒である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記パラジウム(II)触媒が酢酸パラジウムPd(OAc)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒の濃度が0.4%~1.0%である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒の濃度が0.5%である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記鈴木カップリング反応のpHが7~10である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記鈴木カップリング反応のpHが8~10である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記pHが、塩基および/またはCOの添加により調整される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基はKCOを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記塩基が、前記直接的な鈴木カップリングの際に複数の部分に分けて添加される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記部分が、少なくとも2時間にわたって添加される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記直接的な鈴木カップリングが、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、およびメタノールの混合物において実施される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記直接的な鈴木カップリングが、非水性系において実施される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許商標庁に2016年5月19日および2016年11月3日にそれ
ぞれ出願された仮出願第62/338562号および同第62/416811号に基づい
て優先権を主張する。それらの開示は、全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
現行文献の手順から多数の反応ステップが低減され、様々な反応条件が変更されている
、6-アリール-4-アミノピコリネートおよび2-アリール-4-アミノピリミジン-
4-カルボキシレートの改善された合成方法が、本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェ
ニル)ピコリネートなどの6-アリール-4-アミノピコリネート、およびベンジル4-
アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフ
ェニル)ピコリネートなどの6-アリール-4-アミノ-5-フルオロピコリネートは、
Dow AgroSciences LLCによって最近開発および市販された高く評価
されている除草剤である。いくつかの6-アリール-4-アミノピコリネートおよび6-
アリール-4-アミノ-5-フルオロピコリネートの現行の合成は、鈴木カップリングに
よる分子の頭部および尾部のマルチステップカップリングプロセスを伴う。6-アリール
-4-アミノピコリネートの合成では、プロセスは、アリールボロン酸による高収率の鈴
木カップリングを可能にするため、典型的には4-アミノ-2-クロロピコリネートの保
護、例えば4-アミノ-2-クロロピコリネートのアセチル化を伴う。続く脱アセチル化
による脱保護が、所望の最終生成物をもたらす。このプロセスは、メチル4-アミノ-3
-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カ
ルボキシレートについて現行文献の反応スキームによって提示され、スキーム1に部分的
に示されている。
【0004】
【化1】
スキーム1:メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メ
トキシフェニル)ピコリネートの合成
【0005】
加えて、アミン基の保護を伴わない手順が、スキーム2に示されている鈴木カップリン
グ反応により4-アミノ-6-クロロピコリネートおよび6-アミノ-2-クロロピリミ
ジン-4-カルボキシレートから6-アリール-4-アミノピコリネートおよび2-アリ
ール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートをそれぞれ調製するために使用され
ている。
【0006】
【化2】
スキーム2:6-アリール-4-アミノピコリネートおよび2-アリール-6-アミノピ
リミジン-4-カルボキシレートの合成
【0007】
スキーム1に示された反応順序では、反応ステップの数を低減すると、原材料、単位操
作、機器、およびサイクル時間の排除または低減によって化合物合成の費用が減少される
。スキーム2に示された反応では、鈴木カップリングステップに必要なパラジウム触媒の
量を低減すると、化合物合成の費用も減少される。例えば、4-アミノ-6-クロロピコ
リネートから6-アリール-4-アミノピコリネートおよび6-アミノ-2-クロロピリ
ミジン-4-カルボキシレートから2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキ
シレートを生成するのに使用される現行の鈴木カップリング反応条件は、60%を超える
所望のカップリング生成物の収率が60%を超えるためには、4%以上のパラジウム触媒
投入量を必要とする。パラジウムが高価であること、ならびにいくつかのパラジウム触媒
が鈴木カップリング反応および触媒再利用ステップの過程で必然的に失われるという事実
を考慮すると、6-アリール-4-アミノピコリネート、6-アリール-4-アミノ-5
-フルオロピコリネート、および2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシ
レートを高収率で生成するのに必要なパラジウム触媒投入量を低減する改善された鈴木カ
ップリング反応条件は、これらの部類の分子を生成する費用を顕著に減少させる。
【発明の概要】
【0008】
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェ
ニル)ピコリネートおよびベンジル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(4-
クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピコリネートなどの、6-アリール-4
-アミノピコリネートの改善された合成方法が、本明細書に記載される。具体的には、4
%未満、例えば、約0.25%~約3%、約0.25%~約2.5%、約0.25%~約
2.0%、約0.25%~約1.5%、約0.25%~約1.0%、または約0.25%
~約0.5%のパラジウム触媒投入量によって、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートお
よびベンジル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ
-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートなどの6-アリール-4-ア
ミノピコリネートを高収率(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、または
85%を超える)でもたらす、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピコリネートおよび
ベンジル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネートなどの非保護4-ア
ミノ-6-クロロピコリネートの直接的な鈴木カップリングを可能にする反応条件が、確
認された。いくつかの実施形態において、パラジウム触媒の濃度は約0.5%である。
【0009】
6-アリール-4-アミノピコリネートの生成における他の改善には、(1)精製およ
び/または単離されていない粗4-アミノ-2-クロロピコリネートを使用すること、(
2)(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ボロン酸の代わりにジメチル
(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ボロネートを使用すること、なら
びに(3)pH、触媒濃度、溶媒組成および/または作業手順を変えることが含まれる。
【0010】
最終的に、約3%未満、約2.5%未満、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、
または約0.5%など、約3.5%未満などの約4%未満のパラジウム触媒投入量によっ
て、メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフ
ェニル)ピリミジン-4-カルボキシレートおよびメチル6-アミノ-2-(4-クロロ
-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-メトキシピリミジン-4-カルボキシレ
ートなどの2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートを高収率(例え
ば、60%、65%、70%、75%、80%、または85%を超える)で生成する、非
保護6-アミノ-2-クロロピリミジン-4-カルボキシレートの直接的な鈴木カップリ
ングを可能にする反応条件が、確認された。
【0011】
いくつかの実施形態において、6-アリール-4-アミノピコリネートは、式I:
【0012】
【化3】
【0013】
[式中、
Qは、H、ハロゲン(例えば、FもしくはCl)、C~Cアルコキシ、C~C
ハロアルコキシ、C~Cアルケニル、またはC~Cハロアルケニルを表し、
Rは、H、アルキル(例えば、C1~6アルキル)、アリール、またはアリールアルキ
ル(例えば、ベンジル)を表し、
Xは、Hを表し、
アリールは、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す]
の1つ以上の化合物である。
【0014】
いくつかの実施形態において、6-アリール-4-アミノピコリネートは、式II:
【0015】
【化4】
【0016】
[式中、
Qは、H、ハロゲン(例えば、FもしくはCl)、C~Cアルコキシ、C~C
ハロアルコキシ、C~Cアルケニル、またはC~Cハロアルケニルを表し、
Rは、H、アルキル(例えば、C1~6アルキル)またはアリールアルキル(例えば、
ベンジル)を表し、
Xは、ハロゲン(例えば、FもしくはCl)、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ
、または-NOを表し、
アリールは、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す]
の1つ以上の化合物である。
【0017】
いくつかの実施形態において、式IおよびIIのアリールは、
【0018】
【化5】
【0019】
であり、式中、
Wは、H、F、Cl、C1~3アルキル、またはC1~3アルコキシを表し、
Yは、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C
1~3ハロアルコキシ、-CN、または-NOを表し、
Zは、H、F、Cl、C1~4アルキル、C1~3アルコキシ、C~Cハロアルキ
ル、C1~3ハロアルコキシ、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、または-
NRを表し、RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、またはC
~Cハロアルキルである。
【0020】
いくつかの実施形態において、式IおよびIIのアリールは、
【0021】
【化6】
【0022】
であり、式中、
は、HまたはFを表し;
は、H、F、Cl、C1~3アルキル、またはC1~3アルコキシを表し、
Yは、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C
1~3ハロアルコキシ、-CN、または-NOを表し、
Zは、H、F、Cl、C1~4アルキル、C1~3アルコキシ、C~Cハロアルキ
ル、C1~3ハロアルコキシ、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、または-
NRを表し、RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、またはC
~Cハロアルキルである、あるいは
YとZ、またはZとWは、一緒になって、5員または6員の芳香族または非芳香族の
炭素環式または複素環式の環である。このアリールの特定の例は、参照により本明細書に
組み込まれる国際出願第2014/151005号パンフレットおよび同第2014/1
51009号パンフレットにおいて見出すことができ、以下の例A1~A36が含まれる
が、これらに限定されない。
【0023】
【化7】
【0024】
A群に適している場合、Rは、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~C
ロアルキル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、C~Cアルケニル、C~C
ハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコ
キシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、アミノ、C~Cアル
キルアミノ、C~Cハロアルキルアミノ、OH、またはCN;であり、
A群に適している場合、R、R6’、およびR6”は、独立して、水素、ハロゲン、
~Cアルキル、C~Cハロアルキル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、
~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~C
アルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアル
キルチオ、アミノ、C~CアルキルアミノまたはC~Cハロアルキルアミノ、O
H、CN、またはNO;であり、
およびR7’は、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~C
ロアルキル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、C~Cアルケニル、C~C
ハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコ
キシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、アミノ、C~Cアル
キルアミノ、C~Cハロアルキルアミノ、またはフェニル;であり、
は、水素、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル
、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、ホルミル、C~Cアルキルカ
ルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C
~Cアルキルカルバミル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cトリアルキルシ
リル、またはフェニルである。
【0025】
なお他の実施形態において、アリールは上記のように定義され、ここで、YとZ、また
はZとWは一緒になって5員非芳香族複素環式の環を形成する。このアリールの特定の
例は、国際出願第2014/151008号パンフレットにおいて見出すことができ、こ
れは参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
いくつかの実施形態において、化合物は、アリール基が、4-クロロ-2-フルオロ-
3-メトキシフェニル、またはメチルエステルなどのそのエステルである、式Iの化合物
である。他の実施形態において、化合物は、Xがフッ素であり、アリール基が、4-クロ
ロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル、またはベンジルエステルなどのそのエステル
である、式IIの化合物である。なお他の実施形態において、化合物は、Xがフッ素であ
り、アリール基が、7-フルオロインドール、またはメチルエステルなどのそのエステル
である、式IIの化合物である。
【0027】
いくつかの実施形態において、2-アリール-4-アミノピリミジンは、式III:
【0028】
【化8】
【0029】
[式中、
Qは、H、ハロゲン(例えば、FもしくはCl)、C~Cアルコキシ、C~C
ハロアルコキシ、C~Cアルケニル、またはC~Cハロアルケニルを表し、
Rは、H、アルキル(例えば、C1~6アルキル)またはアリールアルキル(例えば、
ベンジル)を表し、
アリールは、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す]
の1つ以上の化合物である。
【0030】
いくつかの実施形態において、式IIIのアリールは、
【0031】
【化9】
【0032】
であり、式中、
Wは、H、F、Cl、C1~3アルキル、またはC1~3アルコキシを表し、
Yは、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C
1~3ハロアルコキシ、-CN、または-NOを表し、
Zは、H、F、Cl、C1~4アルキル、C1~3アルコキシ、C~Cハロアルキ
ル、C1~3ハロアルコキシ、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、または-
NRを表し、RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、またはC
~Cハロアルキルである。
【0033】
いくつかの実施形態において、式IIIのアリールは、
【0034】
【化10】
【0035】
であり、式中、
は、HまたはFを表し;
は、H、F、Cl、C1~3アルキル、またはC1~3アルコキシを表し、
Yは、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C
1~3ハロアルコキシ、-CN、または-NOを表し、
Zは、H、F、Cl、C1~4アルキル、C1~3アルコキシ、C~Cハロアルキ
ル、C1~3ハロアルコキシ、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、または-
NRを表し、RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、またはC
~Cハロアルキルである、あるいは
YとZ、またはZとWは、一緒になって、5員または6員の芳香族または非芳香族の
炭素環式または複素環式の環である。
【0036】
なお他の実施形態において、アリールは上記のように定義され、ここで、YとZ、また
はZとWは一緒になって5員または6員の芳香族または非芳香族の炭素環式または複素
環式の環を形成する。このアリールの特定の例は、参照により本明細書に組み込まれる国
際出願第2014/151005号パンフレットおよび同第2014/151009号パ
ンフレットにおいて見出すことができ、上記に定義された例A1~A36が含まれるが、
これらに限定されない。
【0037】
なお他の実施形態において、アリールは上記のように定義され、ここで、YとZ、また
はZとWは一緒になって5員非芳香族複素環式の環を形成する。このアリールの特定の
例は、国際出願第2014/151008号パンフレットにおいて見出すことができ、こ
れは参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェ
ニル)ピリジン-2-カルボキシレートおよびベンジル4-アミノ-3-クロロ-5-フ
ルオロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カル
ボキシレートなどの6-アリール-4-アミノピコリネートを高収率(例えば、60%、
70%、80%、または90%を超える)でもたらす、メチル4-アミノ-3,6-ジク
ロロピコリネートおよびベンジル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネ
ートなどの非保護4-アミノ-6-クロロピコリネートの直接的な鈴木カップリングを可
能にする反応条件が、確認された。6-アリール-4-アミノピコリネートにおける他の
改善には、精製されていない粗4-アミノ-2-クロロピコリネートを使用すること、(
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ボロン酸の代わりにジメチル(4-
クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ボロネートを使用すること、ならびにp
H、触媒濃度、溶媒組成および/または作業手順を変えることが含まれる。最終的に、メ
チル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル
)ピリミジン-4-カルボキシレートおよびメチル6-アミノ-2-(4-クロロ-2-
フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-メトキシピリミジン-4-カルボキシレートな
どの2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキシレートを高収率(例えば、6
0%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%を超える)で生成する、
非保護6-アミノ-2-クロロピリミジン-4-カルボキシレートの直接的な鈴木カップ
リングを可能にする反応条件が、確認された。
【0039】
I.定義
「アミノピリジン」または「アミノピリミジン」または「AP」は、本明細書において
使用されるとき、置換もしくは非置換の4-アミノ-6-クロロピコリネート(または、
そのエステル)、あるいは6-アミノピリミジン-4-カルボン酸(または、そのエステ
ル)を指す。「置換」は、ピリジンまたはピリミジンを参照して本明細書において使用さ
れるとき、ピリジンまたはピリミジン環における1個以上の置換基を指す。適切な置換基
の例には、例えば、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、ハロゲン(例えば、Cl、
Br、I、およびF)、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~C
アシル、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルス
ルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C
~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロア
ルコキシカルボニル、C~Cカルバモイル、C~Cハロカルバモイル、ヒドロキ
シカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、ア
ミノカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル
、C~Cジアルキルアミノカルボニル、およびC~Cジハロアルキルアミノカル
ボニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、4-アミノ
ピリジン-2-カルボン酸またはそのエステルは、フッ素により5位置で置換されている
【0040】
「エステル」は、本明細書において使用されるとき、基-(C=O)ORを指し、式中
、Rは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールアルキルで
ある。いくつかの実施形態において、APは、メチルエステルまたはベンジルエステルな
どのエステルとして使用される。
【0041】
「アリールボロン酸」または「ABA」は、本明細書において使用されるとき、フェニ
ルボロン酸(「PBA」)またはヘテロアリールボロン酸(「HBA」)などの、置換ま
たは非置換の芳香族炭素環式基を指す。「置換」は、本明細書において使用されるとき、
フェニルまたはヘテロアリール(例えば、7-フルオロインドール)環における1個以上
の置換基を指す。適切な置換基の例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、ハロ
ゲン(例えば、Cl、Br、I、およびF)、C~Cアルコキシ、C~Cハロア
ルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、
~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~C
ルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルコキシカルボニ
ル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cカルバモイル、C~Cハロカ
ルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロア
ルキルカルボニル、アミノカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、ハロアル
キルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、およびC~Cジハ
ロアルキルアミノカルボニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態
において、ABAは、4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸また
は(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ボロン酸である。
【0042】
「アリールボロン酸ジアルキルエステル」または「ABA-diMe」は、本明細書に
おいて使用されるとき、フェニルボロン酸エステル(「PBA-diMe」)またはヘテ
ロアリールボロン酸エステル(「HBA-diMe」)などの、置換または非置換の芳香
族炭素環式基を指す。「置換」は、本明細書において使用されるとき、フェニル環におけ
る1個以上の置換基を指す。適切な置換基の例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホル
ミル、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I、およびF)、C~Cアルコキシ、C
ハロアルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアル
キルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C
~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルコキ
シカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cカルバモイル、C
ハロカルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、C
ハロアルキルカルボニル、アミノカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル
、ハロアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、およびC
~Cジハロアルキルアミノカルボニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつか
の実施形態において、ABA-diMeは、ジメチル(4-クロロ-2-フルオロ-3-
メトキシフェニル)ボロネートまたは7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチ
ル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリイソプロピルシリル)-1
H-インドールである。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、飽和、直鎖、または分枝鎖飽和の炭
化水素部分を指す。特定されない限り、C~C20(例えば、C~C12、C~C
10、C~C、C~C、C~C)アルキル基が意図される。アルキル基の例
にはメチル、エチル、プロピル、1-メチル-エチル、ブチル、1-メチル-プロピル、
2-メチル-プロピル、1,1-ジメチル-エチル、ペンチル、1-メチル-ブチル、2
-メチル-ブチル、3-メチル-ブチル、2,2-ジメチル-プロピル、1-エチル-プ
ロピル、ヘキシル、1,1-ジメチル-プロピル、1,2-ジメチル-プロピル、1-メ
チル-ペンチル、2-メチル-ペンチル、3-メチル-ペンチル、4-メチル-ペンチル
、1,1-ジメチル-ブチル、1,2-ジメチル-ブチル、1,3-ジメチル-ブチル、
2,2-ジメチル-ブチル、2,3-ジメチル-ブチル、3,3-ジメチル-ブチル、1
-エチル-ブチル、2-エチル-ブチル、1,1,2-トリメチル-プロピル、1,2,
2-トリメチル-プロピル、1-エチル-1-メチル-プロピル、および1-エチル-2
-メチル-プロピルが含まれるが、これらに限定されない。アルキル置換基は、非置換で
あってもよく、または1つ以上の化学部分により置換されていてもよい。適切な置換基の
例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、C~Cアルコキシ、C~C
ロアルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチ
オ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~C
アルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルコキシカル
ボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cカルバモイル、C~C
ロカルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、C~C
ロアルキルカルボニル、アミノカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、ハロ
アルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、およびC~C
ジハロアルキルアミノカルボニル、が、これらに限定されることなく含まれるが、ただし
、置換基は、立体的に適合しており、化学結合および歪みエネルギーの法則が満たされて
いることが条件である。いくつかの実施形態において、置換基には、シアノおよびC
アルコキシが含まれる。
【0044】
本明細書において使用されるとき、用語「ハロアルキル」は、直鎖または分枝鎖アルキ
ル基を指し、これらの基では、水素原子がハロゲン原子により部分的または完全に置換さ
れていてもよい。特定されない限り、C~C20(例えば、C~C12、C~C
、C~C、C~C、C~C)アルキル基が意図される。例には、クロロメ
チル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロ
メチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロ
ジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フ
ルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロ
ロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-
2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、および1
,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルが含まれるが、これらに限定されない。ハロア
ルキル置換基は、非置換であってもよく、または1つ以上の化学部分により置換されてい
てもよい。適切な置換基には、例えば、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、C
アルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチ
オ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロア
ルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニ
ル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~C
カルバモイル、C~Cハロカルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアル
キルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、アミノカルボニル、C~C
ルキルアミノカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノ
カルボニル、およびC~Cジハロアルキルアミノカルボニル、が含まれるが、ただし
、置換基は、立体的に適合しており、化学結合および歪みエネルギーの法則が満たされて
いることが条件である。いくつかの実施形態において、置換基には、シアノおよびC
アルコキシが含まれる。
【0045】
本明細書において使用されるとき、用語「アルケニル」は、二重結合を含有する不飽和
、直鎖、または分枝鎖の炭化水素部分を指す。特定されない限り、C~C20(例えば
、C~C12、C~C10、C~C、C~C、C~C)アルケニル基が
意図される。アルケニル基は、1つを超える不飽和結合を含有することができる。例には
、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2
-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル
、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペ
ンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-
1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2
-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-
ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジ
メチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペ
ニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル
、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペ
ンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2
-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル
-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メ
チル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2
-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル
、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチ
ル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル
、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチ
ル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル
、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチ
ル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-
エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エ
チル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペ
ニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペ
ニル、および1-エチル-2-メチル-2-プロペニルが含まれるが、これらに限定され
ない。用語「ビニル」は、構造-CH=CHを有する基を指し、1-プロペニルは、構
造-CH=CH-CHを有する基を指し、2-プロペニルは、構造-CH-CH=C
を有する基を指す。アルケニル置換基は、非置換であってもよく、または1つ以上の
化学部分により置換されていてもよい。適切な置換基の例には、ヒドロキシ、ニトロ、シ
アノ、ホルミル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアシル
、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィ
ニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~C
ハロアルキルスルホニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキ
シカルボニル、C~Cカルバモイル、C~Cハロカルバモイル、ヒドロキシカル
ボニル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、アミノカ
ルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル、C
~Cジアルキルアミノカルボニル、およびC~Cジハロアルキルアミノカルボニル
が、これらに限定されずに含まれるが、ただし、置換基は、立体的に適合しており、化学
結合および歪みエネルギーの法則が満たされていることが条件である。いくつかの実施形
態において、置換基には、シアノおよびC~Cアルコキシが含まれる。
【0046】
用語「ハロアルケニル」は、本明細書において使用されるとき、上記に定義されたアル
ケニル基を指し、1個以上のハロゲン原子より置換されている。
【0047】
本明細書において使用されるとき、用語「アルキニル」は、三重結合を含有する直鎖ま
たは分枝鎖の炭化水素部分を指す。特定されない限り、C~C20(例えば、C~C
12、C~C10、C~C、C~C、C~C)アルキニル基が意図される
。アルキニル基は、1つを超える不飽和結合を含有することができる。例には、エチニル
、1-プロピニル、2-プロピニル(またはプロパルギル)、1-ブチニル、2-ブチニ
ル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3
-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル
、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロ
ピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニ
ル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、3-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-1-
ペンチニル、1-メチル-2-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-
3-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチ
ル-4-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、
1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル
-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エ
チル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル、および1-エチル-1-メチル-2-
プロピニルなどのC~Cアルキニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキニ
ル置換基は、非置換であってもよく、または1つ以上の化学部分により置換されていても
よい。適切な置換基の例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、C~Cアル
コキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチオ、C
~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルス
ルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C
~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cカルバ
モイル、C~Cハロカルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアルキルカル
ボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、アミノカルボニル、C~Cアルキルア
ミノカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニ
ル、およびC~Cジハロアルキルアミノカルボニル、が、これらに限定されずに含ま
れるが、ただし、置換基は、立体的に適合しており、化学結合および歪みエネルギーの法
則が満たされていることが条件である。いくつかの実施形態において、置換基には、シア
ノおよびC~Cアルコキシが含まれる。
【0048】
本明細書において使用されるとき、用語「アリール」、ならびにアリールオキシなどの
誘導体の用語は、6~14個の炭素原子の一価芳香族炭素環式基を含む基を指す。アリー
ル基は、単一の環または複数の縮合環を含むことができる。いくつかの実施形態において
、アリール基には、C~C10アリール基が含まれる。アリール基の例には、フェニル
、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェニルシクロプロピル、およびイン
ダニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基
は、フェニル、インダニル、またはナフチル基であり得る。用語「ヘテロアリール」、な
らびに「ヘテロアリールオキシ」などの誘導体の用語は、1個以上のヘテロ原子、すなわ
ち、N、O、またはSを含有する、5員または6員の芳香族環を指し、これらの複素環式
芳香族環は、他の芳香族系と縮合していてもよい。アリールまたはヘテロアリール置換基
は、非置換であってもよく、または1つ以上の化学部分により置換されていてもよい。適
切な置換基の例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、C~Cアルキル、C
~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロア
ルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cアシル、C~Cアルキルチオ、C
~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cアルコキシカ
ルボニル、C~Cカルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C~Cアルキルカルボ
ニル、アミノカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキル
アミノカルボニル、が、これらに限定されずに含まれるが、ただし、置換基は、立体的に
適合しており、化学結合および歪みエネルギーの法則が満たされていることが条件である
。いくつかの実施形態において、置換基には、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC
~Cハロアルキルが含まれる。
【0049】
本明細書において使用されるとき、用語「アリールアルキル」は、非置換または置換ア
リール基により置換されているアルキル基を指す。C~C10アリールアルキルは、基
における炭素原子の総数が、アリール基の任意の置換基に存在する炭素原子を含まずに7
~10個である基を指す。
【0050】
本明細書において使用されるとき、アルコキシは、Rが上記に定義されたアルキルであ
る、式R-O-の基を指す。特定されない限り、RがC~Cアルキル基、C~C
基、C~C、またはC~C基であるアルコキシ基が意図される。例には、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、1-メチル-エトキシ、ブトキシ、1-メチル-プロポキシ
、2-メチル-プロポキシ、1,1-ジメチル-エトキシ、ペントキシ、1-メチル-ブ
チルオキシ、2-メチル-ブトキシ、3-メチル-ブトキシ、2,2-ジ-メチル-プロ
ポキシ、1-エチル-プロポキシ、ヘキソキシ、1,1-ジメチル-プロポキシ、1,2
-ジメチル-プロポキシ、1-メチル-ペントキシ、2-メチル-ペントキシ、3-メチ
ル-ペントキシ、4-メチル-ペノキシ、1,1-ジメチル-ブトキシ、1,2-ジメチ
ル-ブトキシ、1,3-ジメチル-ブトキシ、2,2-ジメチル-ブトキシ、2,3-ジ
メチル-ブトキシ、3,3-ジメチル-ブトキシ、1-エチル-ブトキシ、2-エチルブ
トキシ、1,1,2-トリメチル-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-プロポキシ、
1-エチル-1-メチル-プロポキシ、および1-エチル-2-メチル-プロポキシが含
まれるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書において使用されるとき、ハロアルコキシは、Rが上記に定義されたハロアル
キルである、式R-O-の基を指す。特定されない限り、RがC~Cアルキル基であ
るハロアルコキシ基が意図される。例には、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロ
メトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロ
メトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメト
キシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロ
エトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロ
ロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-
2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、お
よび1,1,1-トリフルオロプロパ-2-オキシが含まれるが、これらに限定されない
【0052】
本明細書において使用されるとき、アルキルチオは、Rが上記に定義されたアルキルで
ある、式R-S-の基を指す。特定されない限り、RがC~Cアルキル基であるアル
キルチオ基が意図される。例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチル
エチルチオ、ブチルチオ、1-メチル-プロピルチオ、2-メチルプロピルチオ、1,1
-ジメチルエチルチオ、ペンチルチオ、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、
3-メチルブチルチオ、2,2-ジオ-メチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、
ヘキシルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、1-メ
チルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチル-ペンチルチオ、4-メチル-
ペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチル-ブチルチオ、1,3-
ジメチル-ブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3
,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2
-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メ
チルプロピルチオ、および1-エチル-2-メチルプロピルチオが含まれるが、これらに
限定されない。
【0053】
本明細書において使用されるとき、ハロアルキルチオは、炭素原子がハロゲン原子によ
り部分的または完全に置換されている、上記に定義されたアルキルチオ基を指す。特定さ
れない限り、RがC~Cアルキル基であるハロアルキルチオ基が意図される。例には
、クロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、
フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロフルオロ
メチルチオ、ジクロロフルオロ-メチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1-クロロ
エチルチオ、1-ブロモエチルチオ、1-フルオロエチルチオ、2-フルオロエチルチオ
、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-
2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-
2-フルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチ
オ、および1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルチオが含まれるが、これらに限定
されない。
【0054】
「直接的な鈴木カップリング」または「直接的なカップリング」は、本明細書において
使用されるとき、アセチル化および脱アセチル化など、アミン官能基の保護および脱保護
ステップを有さない、アミノピリジンまたはアミノピリミジン(AP)、およびアリール
ボロン酸(ABA)またはアリールボロン酸ジアルキルエスエル(ABA-diMe)の
反応を意味する。
【0055】
II.直接的な鈴木カップリング
アリールアルキルおよびアルキル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フ
ルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレート、ならびにアリールア
ルキルおよびアルキル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(4-クロロ-2-
フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートなどの、6-アリー
ル-4-アミノピコリネートおよび2-アリール-6-アミノピリミジン-4-カルボキ
シレートの現行文献の調製プロセスは、複数ステップのプロセスであり、保護および脱保
護ステップを含む。手順は、上記のスキーム1に示されている。本明細書に記載されてい
る改善されたプロセスは、保護および脱保護ステップを排除し、それによって様々な原材
料、必要な機器、およびサイクル時間を排除または低減する。6-アリール-4-アミノ
ピコリネートの生成における他の改善には、(1)精製および/または単離されていない
粗APを使用すること、(2)ABAの代わりにABA-diMeを使用すること、なら
びに(3)pH、触媒濃度、溶媒組成および/または作業手順を変えることが含まれる。
改善された反応スキームの例を下記のスキーム3に示す。
【0056】
【化11】
スキーム3:6-アリール-4-アミノピコリネートの改善された合成手順
【0057】
A.直接的なカップリングにおける粗APおよび/またはABA-diMeの使用
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェ
ニル)ピリジン-2-カルボキシレートなどの6-アリール-4-アミノピコリネートを
生成する現行のプロセスは、単離され保護されたAPおよびABAのパラジウム触媒鈴木
カップリング反応、続く、カップリングされた生成物の脱保護を伴う。ABAを生成する
プロセスの際、ABA-diMeが、副産物のLiOMeを伴って中間体として生成され
、これは、続くカップリング反応に入れる前に中和される必要がある。APのエステル化
は硫酸により触媒されるので、LiOMeを中和する酸として機能することができる。し
たがって、粗APおよび粗ABA-diMeを直接的なカップリング反応に直接使用して
、最適条件下で良好な収率を有し得ることが見出された。収率は、典型的には50%超、
好ましくは55%超、例えば約60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80
%以上、または85%以上である。
【0058】
B.直接的なカップリング反応のpH
鈴木カップリング反応のpHは、反応の収率に影響を与え得る。所定のAPにおいてp
Hを調整すると、反応の収率を顕著に改善することができる。いくつかの実施形態におい
て、pHは、約7~12、好ましくは約7~10、より好ましくは約8~10である。い
くつかの実施形態において、pHは、約7~約8、約8~約9、または約9~約10であ
る。反応混合物のpHを調整すると、反応の程度に顕著な影響を与えることなく、直接的
な鈴木カップリング反応の範囲内において、アリールアルキルおよびアルキル4-アミノ
-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2
-カルボキシレート、ならびにアリールアルキルおよびアルキル4-アミノ-3-クロロ
-5-フルオロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-
2-カルボキシレートの全体的な収率を改善した。pHは、1つ以上の塩基を使用して調
整することができる。いくつかの実施形態では、pHを、炭酸カリウムおよび重炭酸カリ
ウムの混合物の使用によって調整した。他の実施形態では、pHを、炭酸カリウムのみ、
または重炭酸カリウムのみの使用によって調整した。pHは、1つ以上の塩基を二酸化炭
素および水と組み合わせて使用することによって、調整することもできる。炭酸ナトリウ
ム(重炭酸ナトリウムも含む)、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウムの塩基
(一、二および三塩基)、四ホウ酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、フ
ッ化セシウム、およびフッ化カリウムなど他の無機塩基、ならびにトリエチルアミン、ト
リイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、およびジイソプロピル
エチルアミンなどの有機塩基を使用することもできる。別の実施形態において、反応混合
物を二酸化炭素で前処理して、鈴木カップリング反応の前にpHを調整することもできる
。あるいは、鈴木カップリングは、COの存在下において、例えば、COを反応の混
合物中で泡立てながら実施することができる。
【0059】
C.触媒の選択および濃度
鈴木カップリング反応は、リガンドを含む触媒の使用を伴う。適切な触媒には、パラジ
ウム(II)触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)Pd(OAc)、塩化パラジウム
(II)(PdCl))、およびPd(PPhなどのパラジウム触媒、NiCl
(dppf)およびGDenP-Niなどのニッケル触媒、鉄触媒、銅触媒、ならび
にルテニウム触媒が含まれる。触媒の濃度は変わり得る。いくつかの実施形態において、
濃度は、4%未満、好ましくは3%未満、好ましくは約2%である。いくつかの実施形態
において、触媒の濃度は、制限試薬に対して、約0.2%~約2.0%、好ましくは0.
4%~約1.0%、より好ましくは約0.5%である。いくつかの実施形態において、パ
ラジウム触媒は酢酸パラジウム(II)である。触媒系に適したリガンドには、トリアル
キルホスフィンおよびトリアリールホスフィンが含まれるが、これらに限定されない。こ
れらには、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ-t
ert-ブチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン、架橋4-ジフェニルホスフィノメチルポリスチレン樹脂、2%のDVBを
有するナトリウムジフェニルホスフィノベンゼン-3-スルホネート、トリ(p-トリル
)ホスフィン、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチ
ルが含まれるが、これらに限定されない。リガンドの濃度は変わり得る。いくつかの実施
形態において、リガンドの濃度は、制限試薬に対して、約0.4%~約8.0%、好まし
くは0.5%~約0.6%、好ましくは0.5%~約4.0%、好ましくは0.5%~約
2%、より好ましくは約1.0%である。いくつかの実施形態において、リガンドはトリ
フェニルホスフィン(PPh)である。
【0060】
D.直接的なカップリングに対する溶媒の影響
上記に考察されたように、鈴木カップリング反応は、保護および脱保護ステップを有す
ることなく粗APにおいて実施することができる。しかし、反応速度は、pHが最適化さ
れていても遅く、長い反応時間をもたらすことができる。APの直接的なカップリング経
路は、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジメトキシエタン(DME)、アセトニト
リル(MeCN)、およびメタノール(MeOH)を含有する有機溶媒の混合物中におい
て実施された。改善された直接的なカップリング条件は、MIBK、MeCN、MeOH
、および水などの溶媒混合物を含む系に存在することが見出された。APを使用する直接
的なカップリング反応に有効であり得る他の溶媒系には、MIBKなどのケトン、および
/またはベンジルアルコールなどのアルコール、および/またはトルエンなどの芳香族溶
媒が含まれる。
【0061】
溶媒系の別の改善は、反応混合物からの水の排除である。改善された合成経路には、非
水性条件下において、粗APと、ABAまたは粗ABA-diMeとの間で鈴木カップリ
ング反応を実施することが含まれる。「非水性」とは、本文脈において使用されるとき、
塩基が水溶液ではなく固体で添加され、水が濃度調整のために反応混合物に添加されない
ことを意味する。反応溶媒および/または試薬(例えば、粗AP-Me)は、使用前に乾
燥されるが、残留水は残り得る。そのような残留水は、「非水性」系に存在してもよい。
例示的な非水性溶媒系が実施例5において実証されている。
【実施例0062】
[実施例1]
直接的な鈴木カップリング
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニ
ル)ピリジン-2-カルボキシレート
メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-Me)
(8.00g、36.19mmol)、25.55wt%の4-クロロ-2-フルオロ-
3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)溶液(33.30g、41.60mmol)
、アセトニトリル(23.9mL)、および水(28.0mL)を、丸底フラスコに加え
た。フラスコの内容物、また47wt%のKCO水溶液(26.6g、90.50m
mol、別個に散布)に窒素を30分間散布した。KCO溶液を投入した後、トリフ
ェニルホスフィン(0.190g、0.724mmol)および酢酸パラジウム(0.0
81g、0.362mmol)をフラスコに加えた。反応を50℃で22時間加熱した。
22時間後、反応を65℃に加熱し、相を分離した。有機相を分析すると、収率81.4
%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフ
ェニル)ピリジン-2-カルボキシレートを得た。
【0063】
メチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1-(トリイソプ
ロピルシリル)-1H-インデン-6-イル)ピコリネート
丸底フラスコの中で、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネー
ト(AP)(0.5g、2.17mmol)、7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テ
トラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリイソプロピルシリ
ル)-1H-インドール(ABA-diMe)(1.1g、2.61mmol)、メタノ
ール(1.0g、31.0mmol)、4-メチル-2-ペンタノン(1.2g、11.
6mmol)、アセトニトリル(1.3g、30.7mmol)、および水(1.9g、
104.5mmol)を合わせた。トリフェニルホスフィン(0.02g、0.09mm
ol)および酢酸パラジウム(0.01g、0.04mmol)を一度に加える前に、混
合物に窒素を30分間散布した。反応を50℃に加熱し、1時間撹拌し、その時点で47
wt%のKCO溶液(0.13g、0.44mmol)を加えた。反応を更に2時間
撹拌し、その時点で追加の47wt%のKCO溶液(0.15g、0.51mmol
)を加えた。反応を更に2時間撹拌し、その時点で追加の47wt%のKCO溶液(
0.29g、0.99mmol)を加えた。22時間後、反応を65℃に加熱し、次に相
を分離した。有機相を分析すると、収率72.1%のメチル4-アミノ-3-クロロ-5
-フルオロ-6-(7-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インデン-
6-イル)ピコリネートを得た。
【0064】
メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニ
ル)ピリミジン-4-カルボキシレート
丸底フラスコの中で、メチル6-アミノ-2,5-ジクロロピリミジン-4-カルボキ
シレート(AP)(3.0g、13.5mmol)、(4-クロロ-2-フルオロ-3-
メトキシフェニル)ボロン酸(ABA)(3.4g、16.2mmol)、メタノール(
3.0g、94.3mmol)、4-メチル-2-ペンタノン(3.5g、35.2mm
ol)、およびアセトニトリル(7.8g、191.0mmol)を合わせた。別個のバ
イアル中では、水(29.0g)および重炭酸カリウム(3.4g、34.0mmol)
を合わせて、10.5wt%の塩基溶液を作製した。反応混合物と塩基溶液の両方に、窒
素を30分間散布した。反応混合物に、塩基溶液(13.8g、14.5mmol)、ト
リフェニルホスフィン(0.14g、0.54mmol)、および酢酸パラジウム(0.
06g、0.27mmol)を加えた。反応を50℃に加熱した。22時間後、反応を6
5℃に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率68.1%のメチル6-ア
ミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリミジ
ン-4-カルボキシレートを得た。
【0065】
メチル6-アミノ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-メ
トキシピリミジン-4-カルボキシレート
丸底フラスコの中で、メチル6-アミノ-2-クロロ-5-メトキシピリミジン-4-
カルボキシレート(AP)(0.98g、4.7mmol)、(4-クロロ-2-フルオ
ロ-3-メトキシフェニル)ボロン酸(ABA)(1.0g、4.8mmol)、メタノ
ール(1.3g、40.6mmol)、4-メチル-2-ペンタノン(1.1g、11.
0mmol)、およびアセトニトリル(2.6g、63.3mmol)を合わせた。別個
のバイアル中では、水(9.7g)および重炭酸カリウム(1.1g、11.0mmol
)を合わせて、10.2wt%の塩基溶液を作製した。反応混合物と塩基溶液の両方に、
窒素を30分間散布した。反応混合物に、塩基溶液(5.2g、5.3mmol)、トリ
フェニルホスフィン(0.05g、0.19mmol)、および酢酸パラジウム(0.0
2g、0.09mmol)を加えた。反応を50℃に加熱した。22時間後、反応を65
℃に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率75.6%のメチル6-アミ
ノ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-メトキシピリミジ
ン-4-カルボキシレートを得た。
【0066】
ベンジル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェ
ニル)-5-フルオロピコリネート
丸底フラスコの中で、ベンジル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネ
ート(AP)(1.5g、4.8mmol)、(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキ
シフェニル)ボロン酸(ABA)(1.1g、5.3mmol)、メタノール(1.0g
、31.0mmol)、4-メチル-2-ペンタノン(1.2g、11.6mmol)、
アセトニトリル(2.8g、68.2mmol)、および水(4.2g)を合わせた。4
7wt%炭酸カリウム(0.45g、1.5mmol)、トリフェニルホスフィン(0.
05g、0.19mmol)、および酢酸パラジウム(0.02g、0.10mmol)
を加える前に、混合物に窒素を30分間散布した。反応を60℃に加熱し、30分間撹拌
し、その時点で47wt%のKCO溶液(0.47g、1.6mmol)を加えた。
反応を更に30分間撹拌し、その時点で追加の47wt%のKCO溶液(0.10g
、0.3mmol)を加えた。反応を更に30分間撹拌し、その時点で追加の47wt%
のKCO溶液(0.10g、0.3mmol)を加えた。2.5時間後、反応を65
℃に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率67.9%のベンジル4-ア
ミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フ
ルオロピコリネートを得た。
【0067】
メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニ
ル)-5-フルオロピコリネート
丸底フラスコの中で、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネー
ト(AP)(3.1g、13.0mmol)、(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキ
シフェニル)ボロン酸(ABA)(3,0g、14.5mmol)、メタノール(2.7
g、84.3mmol)、4-メチル-2-ペンタノン(3.1g、31.0mmol)
、アセトニトリル(7.6g、185.1mmol)、および水(11.3g)を合わせ
た。47wt%炭酸カリウム(1.2g、4.1mmol)、トリフェニルホスフィン(
0.07g、0.27mmol)、および酢酸パラジウム(0.03g、0.13mmo
l)を一度に加える前に、混合物に窒素を30分間散布した。反応を60℃に加熱し、3
0分間撹拌し、その時点で47wt%のKCO溶液(1.2g、4.1mmol)を
加えた。反応を更に30分間撹拌し、その時点で追加の47wt%のKCO溶液(0
.8g、2.7mmol)を加えた。反応を更に30分間撹拌し、その時点で追加の47
wt%のKCO溶液(0.6g、2.0mmol)を加えた。5.5時間後、反応を
65℃に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率88.1%のメチル4-
アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-
フルオロピコリネートを得た。
【0068】
[実施例2]
粗APおよび/またはABA-diMeを使用する直接的なカップリング
丸底フラスコの中で、174.0gの粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン
-2-カルボキシレート(AP-Me)溶液(174mmolのAP-Meの38.5g
に相当する)を減圧下で蒸留して、スラリーにした。スラリーを、1Lのジャケット付き
反応器に移し、アセトニトリル(112.0g、2728mmol)リンスですすいだ。
混合物のHNMR分析は、574.2の所望の1037mmolのメタノールを示した
。メタノール(15.1g、471.3mmol)、水(189.0g)、およびK
溶液(47wt%、11.6g、39.4mmol)を加えて、中性pHを達成し、
次に4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)(36.9
g、178.4mmol)(ABAの1.01モル当量はHPLCにより確認した)、な
らびに4-メチル-2-ペンタノン(38.7g、386.4mmol)を加えた。追加
の47wt%のKCO溶液(16.0g、54.4mmol)、トリフェニルホスフ
ィン(0.46g、1.8mmol)、および酢酸パラジウム(0.20g、0.9mm
ol)を加える前に、混合物に窒素を45分間散布した。反応を60℃に加熱した。追加
の47wt%のKCO溶液を、60℃に達した30分後(16.0g、54.4mm
ol)、60分後(12.2g、41.5mmol)、および90分後(9.0g、30
.6mmol)に加えた。19時間後、反応を65℃に加熱し、次に相を分離した。有機
相を分析すると、収率80.3%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-
2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートを得た。
【0069】
ジャケット付き反応器に、179.8gの粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリ
ジン-2-カルボキシレート(AP-Me)溶液(183.2mmolのAP-Meの4
0.5gに相当する)を加え、続いて4-メチル-2-ペンタノン(225g、2250
mmol)および12wt%の重炭酸カリウム(54.6g、65.4mmol)を加え
て、中性pHを達成した。ブライン溶液を中和溶液に加え、次に相を分離した。有機相を
減圧下で蒸留して、30.6wt%のAP-Meにした。アセトニトリル(118.3g
、2882mmol)、メタノール(18.5g、577mmol)、および4-クロロ
-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)(41.1g、201.1
mmol)を加え、混合物に窒素を45分間散布した。反応器に、脱ガスした23wt%
の重炭酸カリウム(45.1g、540mmol)、トリフェニルホスフィン(0.47
g、1.8mmol)、および酢酸パラジウム(0.20g、0.9mmol)の溶液を
加えた。反応を50℃に加熱した。21時間後、反応を65℃に加熱し、次に相を分離し
た。有機相を分析すると、収率94.6%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-
クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートを得た
【0070】
粗供給材料のAP-Me溶液(41.4g、40mmolのAP-Meの8.8gに相
当する)に、1.7gの硫酸(98%)を加えた。供給材料混合物に、73.4gのAB
A-diMe溶液(アッセイして、13.4wt%のABAであった)をゆっくりと加え
た。残留重量がほぼ55gになるまで、ロータリーエバポレイターを使用して、溶媒を除
去した。油状混合物に、26.2gのMeCN、10gのMIBK、および44gの水を
加えた。混合物に、15.8gの47wt%の炭酸カリウムを加えた。スラリーに窒素を
20分間散布し、続いて、3.6gの47wt%の炭酸カリウム、酢酸パラジウム(45
mg)、およびトリフェニルホスフィン(105mg)を加えた。反応混合物を55℃に
加熱した。混合物が55℃に達した1時間および2時間後、別の3.6gの47wt%の
炭酸カリウム溶液を2回加えた。濾過して固体を除去する前に、混合物を55℃で更に1
2時間反応させた。メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-
3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は、60%であ
った。
【0071】
[実施例3]
pHの関数としての直接的なカップリング
メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-Me)
(8.00g、36.19mmol)、25.55wt%の4-クロロ-2-フルオロ-
3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)溶液(33.30g、41.60mmol)
、アセトニトリル(23.9mL)、および水(28.0mL)を、丸底フラスコに加え
た。フラスコの内容物、また47wt%のKCO水溶液(26.6g、90.50m
mol、別個に散布)に窒素を30分間散布した。KCO溶液を投入した後(混合物
のpH約11.5)、トリフェニルホスフィン(0.190g、0.724mmol)お
よび酢酸パラジウム(0.081g、0.362mmol)をフラスコに加えた。反応を
50℃で22時間加熱した。22時間後、反応を65℃に加熱し、相を分離した。有機相
を分析すると、収率81.4%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2
-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートを得た。
【0072】
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)溶液(32.
0g)、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-
Me)(7.50g、純度95.99%、33.9mmol)、およびアセトニトリル(
29.3mL、23.0g)を丸底フラスコに加えた。得られた溶液は、橙赤色であった
。水(40.1mL)中のKCO(3.91g)およびKHCO(5.66g)の
溶液を、100mLのボトルの中で調製した。反応器と塩基水溶液ボトルの両方に窒素を
30分間散布した。次にKCO-KHCO溶液をシリンジにより反応器に移し(混
合物のpH約9)、続いてトリフェニルホスフィン(0.178g、0.02当量)およ
び酢酸パラジウム(0.076g、0.01当量)を一度に加えた。混合物を50℃で撹
拌一晩撹拌し、GCとLCによってモニターした。反応を18時間後に停止させた。高温
溶液を相分離した後、有機相を分析すると、プロセス収率90.8%のメチル4-アミノ
-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2
-カルボキシレートを得た。
【0073】
粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-Me
)溶液(348.0g、343.3mmolのAP-Meの75.9gに相当する)を減
圧下で蒸留して、スラリーにした。アセトニトリル(225.5g、5493mmol)
、水(347.4g)、およびKCO溶液(47wt%、21.9g、74.5mm
ol)を加えて、中性pHを達成し、次に4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フ
ェニルボロン酸(ABA)(79.4g、383.8mmol)およびMIBK(83.
4g)を加えた。追加の47wt%のKCO溶液(30.5g、103.7mmol
)、トリフェニルホスフィン(1.35g、5.1mmol)、および酢酸パラジウム(
0.58g、2.6mmol)を加える前に、混合物に窒素を45分間散布した。反応を
55℃に加熱した。追加の47wt%のKCO溶液(30.5g、103.7mmo
l)を、55℃に達した1時間後に加え(混合物のpH約7~8)、次に55℃に達した
2時間後に再び加えた(30.5g、103.7mmol)。21時間後、反応を65℃
に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率74.9%のメチル4-アミノ
-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2
-カルボキシレートを得た。
【0074】
粗AP-Me供給材料(40mmolのAP-Meを8.8g含有した)を中和し、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)で抽出した。溶媒をロータリーエバポレイターにより
部分的に除去し、残留物をアセトニトリル(26.2g、16当量)およびMIBK(9
.9g、2.46当量)に再溶解した。ABA(9.4g、1.15当量)、メタノール
(4.2g、3.3当量)、および水(19.5g、KFを23wt%に希釈するため)
を、反応フラスコに加えた。混合物に窒素を30分間散布し、続いて、KF(5.8g、
2.5当量)、酢酸パラジウム(45mg)、およびトリフェニルホスフィン(105m
g)を加えた。次に反応混合物を50℃に加熱し、LCを使用してモニターした。反応を
24時間後に停止させると、69.8%のプロセス収率のメチル4-アミノ-3-クロロ
-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシ
レートをもたらした。
【0075】
粗AP-Me供給材料(10mmolのAP-Meを2.2g含有した)を中和し、M
IBKにより抽出した。溶媒をロータリーエバポレイターにより部分的に除去し、残留物
をMeCN(6.6g、16当量)およびMIBK(5.9g、2.46当量)に再溶解
した。ABA(2.35g、1.15当量)、MeOH(1g、3.3当量)、および水
(7.8g、47wt%KCOを12wt%に希釈するため)を、反応フラスコに加
えた。混合物に窒素を30分間散布し、続いて、47%KCO(0.88g、030
2当量)、酢酸パラジウム(11mg)、およびトリフェニルホスフィン(26mg)を
加えた。次に反応混合物を50℃に加熱し、その温度で保持した。反応温度が50℃に達
した後、47%KCO(0.88g)の第2の部分および第3の部分を、1時間およ
び2時間後にそれぞれシリンジによって加えた。反応を9時間後に停止させると、メチル
4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピ
リジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は88.3%であった。
【0076】
粗AP-Me供給材料(10mmolのAP-Meを2.2g含有した)を中和し、M
IBKにより抽出した。溶媒をロータリーエバポレイターにより部分的に除去し、残留物
をMeCN(6.6g、16当量)およびMIBK(5.9g、2.46当量)に再溶解
した。ABA(2.35g、1.15当量)、MeOH(1g、3.3当量)、および水
(7.8g、47%wtKCOを12wt%に希釈するため)を、反応フラスコに加
えた。混合物に窒素を30分間散布し、続いて、47%KCO(0.88g、030
2当量)、酢酸パラジウム(11mg)、およびトリフェニルホスフィン(26mg)を
加えた。次に反応混合物を50℃に加熱し、その温度で保持した。反応温度が50℃に達
した後、47%KCO(0.88g)の第2の部分および第3の部分を、1時間およ
び2時間後にそれぞれシリンジによって加えた。追加の0.2gの47%KCOを、
50℃に達した4時間後に加えた。反応をLCによりモニターした。反応を8.5時間後
に停止させると、89.7%のプロセス収率でメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4
-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートをも
たらした。
【0077】
メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-Me)
(8.00g、36.2mmol)、4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニ
ルボロン酸(ABA)(8.6g、41.6mmol)、アセトニトリル(23.8g)
、MIBK(8.6g)、メタノール(3.7g)、KCO水溶液(47wt%、1
1.2g、38.1mmol)、および水(11.5g)を丸底フラスコに加えた。混合
物のpHは約10.5であった。フラスコの内容物に、溶液が定常状態pHの8.6に達
するまで、二酸化炭素(CO)を散布した。次にトリフェニルホスフィン(0.1g、
0.36mmol)および酢酸パラジウム(0.04g、0.18mmol)をフラスコ
に加えた。反応を55℃で24時間加熱した。24時間後、反応を65℃に加熱し、相を
分離した。有機相を分析すると、収率86.4%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-
(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレート
を得た。
【0078】
[実施例4]
直接的なカップリングの触媒
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)溶液(32.
0g)、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-
Me)(7.50g、純度95.99%、33.9mmol)、およびアセトニトリル(
29.3mL、23.0g)を丸底フラスコに加えた。水(40.1mL)中のKCO
(3.91g)およびKHCO(5.66g)の溶液を、100mLのボトルの中で
調製した。反応器と塩基水溶液ボトルの両方に窒素を30分間散布した。次にKCO
-KHCO溶液をシリンジにより反応器に移し、続いてトリフェニルホスフィン(0.
178g、0.02当量)および酢酸パラジウム(0.076g、0.01当量)を一度
に加えた。混合物を50℃で一晩撹拌した。反応を18時間後に停止させた。高温溶液を
相分離した後、有機相を分析すると、プロセス収率90.8%のメチル4-アミノ-3-
クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カル
ボキシレートを得た。
【0079】
粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(AP-Me
)溶液(348.0g、343.3mmolのAP-Meの75.9gに相当する)を減
圧下で蒸留して、スラリーにした。アセトニトリル(225.5g、5493mmol)
、水(347.4g)、およびKCO水溶液(47wt%、21.9g、74.5m
mol)を加えて、中性pHを達成し、次に4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-
フェニルボロン酸(ABA)(79.4g、383.8mmol)およびMIBK(83
.4g)を加えた。追加の47wt%のKCO溶液(30.5g、103.7mmo
l)、トリフェニルホスフィン(1.35g、5.1mmol)、および酢酸パラジウム
(0.58g、2.6mmol)を加える前に、混合物に窒素を45分間散布した。反応
を55℃に加熱した。追加の47wt%のKCO溶液(30.5g、103.7mm
ol)を、55℃に達した1時間後に加え、次に55℃に達した2時間後に再び加えた(
30.5g、103.7mmol)。21時間後、反応を65℃に加熱し、次に相を分離
した。有機相を分析すると、収率74.9%のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4
-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートを得
た。
【0080】
粗AP-Me供給材料(41.4g、40.0mmolのAP-Meの8.8gに相当
する)を減圧下で蒸留して、残留重量が20.5gに達するまで約2/3のメタノールを
除去した。濃厚スラリーを得て、26.2gのアセトニトリルで再溶解した。ABA(9
.4g、1.15当量)、MIBK(9.8g)、および水(40.4g)を、AP-M
e溶液に加えた。3.37gの47%KCO溶液を加え、得られた混合物に窒素を3
0分間散布した。散布した後、3.56gの47wt%KCOを混合物に加え、続い
て酢酸パラジウム(47mg)およびトリフェニルホスフィン(105mg)を一度に加
えた。次に反応混合物を55℃に加熱し、その温度で保持した。反応温度が55℃に達し
た後、47%KCO(3.56g)の2つの追加の部分を、1時間および2時間後に
それぞれシリンジによって加えた。反応温度が55℃に達した4時間後、47%KCO
(3.56g)の更なる添加をシリンジによって行った。反応を9時間後に停止させる
と、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフ
ェニル)ピリジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は90.4%であった。
【0081】
丸底フラスコの中で、粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキ
シレート(AP-Me)溶液(348.0g、349.0mmolのAP-Meの77.
2gに相当する)を減圧下で蒸留して、スラリーにした。スラリーを、1Lのジャケット
付き反応器に移し、アセトニトリル(224.0g、5456mmol)リンスですすい
だ。混合物のHNMR分析は、1047の所望の1117mmolのメタノールを示し
た。メタノール(2.2g、68.7mmol)、水(378.0g)およびKCO
溶液(47wt%、23.5g、79.9mmol)を加えて、中性pHを達成し、次に
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA)(78.7g、
380.4mmol)および4-メチル-2-ペンタノン(82.7g、825.7mm
ol)を加えた。追加の47wt%のKCO溶液(31.9g、108.5mmol
)、トリフェニルホスフィン(0.46g、1.8mmol)、および酢酸パラジウム(
0.20g、0.9mmol)を加える前に、混合物に窒素を45分間散布した。反応を
60℃に加熱した。追加の47wt%のKCO溶液を、60℃に達した60分後(3
1.9g、108.5mmol)、120分後(24.5g、83.3mmol)、およ
び240分後(18.1g、61.6mmol)に加えた。20時間後、反応を65℃に
加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率79.4%のメチル4-アミノ-
3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-
カルボキシレートを得た。
【0082】
[実施例5]
直接的なカップリングに対する溶媒の影響
粗AP-Me供給材料(41.4g、40.0mmolのAP-Meの8.8gに相当
する)を蒸留して、残留重量が20.5gに達するまで約2/3のメタノールを除去した
。濃厚スラリーを得て、26.2gのMeCN(16当量)に再溶解した。ABA(9.
4g、1.15当量)、MIBK(9.8g)、MeOH(4.3g)、および水(40
.4g)を、AP-Me溶液に加えた。3.2gの47wt%KCO溶液を加え、得
られた混合物に窒素を30分間散布した。散布した後、3.56gの47%KCO
混合物に加え、続いて酢酸パラジウム(47mg)およびトリフェニルホスフィン(10
5mg)を一度に加えた。次に反応混合物を55℃に加熱し、その温度で保持した。反応
温度が55℃に達した後、47%KCO(3.56g)の第2の部分および第3の部
分を、1時間および2時間後にそれぞれシリンジによって加えた。反応を9時間後に停止
させると、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メト
キシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は91.8%であった。
【0083】
粗AP-Me供給材料(41.4g、40.0mmolのAP-Meの8.8gに相当
する)を蒸留して、残留重量が21.2gに達するまで約2/3のメタノールを除去した
。濃厚スラリーを得て、13.1gのMeCN(8当量)および23.1gのMIBKに
再溶解した。ABA(9.4g、1.15当量)および水(40.4g)を、AP-Me
溶液に加えた。3.2gの47wt%KCO溶液を加え、得られた混合物に窒素を3
0分間散布した。散布した後、3.56gの47%KCOを混合物に加え、続いて酢
酸パラジウム(47mg)およびトリフェニルホスフィン(105mg)を一度に加えた
。次に反応混合物を55℃に加熱し、その温度で保持した。反応温度が55℃に達した後
、47%KCO(3.56g)の第2の部分および第3の部分を、1時間および2時
間後にそれぞれシリンジによって加えた。反応が55℃に達した後、反応をLCによりモ
ニターした。反応を24時間後に停止させると、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(
4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートの
プロセス収率は70.4%であった。
【0084】
粗AP-Me供給材料(41.4g、40.0mmolのAP-Meの8.8gに相当
する)を蒸留して、残留重量が20gに達するまで約2/3のメタノールを除去した。濃
厚スラリーを得て、26.2gのMeCN(16当量)に再溶解した。ABA(9.4g
、1.15当量)および水(40.4g)を、AP-Me溶液に加えた。3.2gの47
wt%KCO溶液を加え、得られた混合物に窒素を30分間散布した。散布した後、
3.56gの47%KCOを混合物に加え、続いて酢酸パラジウム(47mg)およ
びトリフェニルホスフィン(105mg)を一度に加えた。次に反応混合物を55℃に加
熱し、その温度で保持した。反応温度が55℃に達した後、47%KCO(3.56
g)の第2の部分および第3の部分を、1時間および2時間後にそれぞれシリンジによっ
て加えた。反応をLCによりモニターした。反応を24時間後に停止させると、メチル4
-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリ
ジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は77.2%であった。
【0085】
粗AP-Me供給材料(41.4g、40.0mmolのAP-Meの8.8gに相当
する)を蒸留して、残留重量が21.5gに達するまで約2/3のメタノールを除去した
。濃厚スラリーを得て、36.2gのMIBK、ABA(9.4g、1.15当量)、お
よび水(40.4g)に再溶解した。3.2gの47wt%KCO溶液を加え、得ら
れた混合物に窒素を30分間散布した。散布した後、3.56gの47%KCOを混
合物に加え、続いて酢酸パラジウム(47mg)およびトリフェニルホスフィン(105
mg)を一度に加えた。次に反応混合物を55℃に加熱し、その温度で保持した。反応温
度が55℃に達した後、47%KCO(3.56g)の第2の部分および第3の部分
を、1時間および2時間後にそれぞれシリンジによって加えた。反応が55℃に達した後
、反応をLCによりモニターした。反応を24時間後に停止させると、メチル4-アミノ
-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2
-カルボキシレートのプロセス収率は78.1%であった。
【0086】
丸底フラスコの中で、174.0gの粗メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン
-2-カルボキシレート(AP-Me)溶液(174.0mmolのAP-Meの38.
5gに相当する)を減圧下で蒸留して、スラリーにした。4-メチル-2-ペンタノン(
MIBK)(約120g)を加え、再び溶液を減圧下で蒸留して、スラリーにした。追加
のMIBK(約120g)を加え、最後に溶液を減圧下で蒸留して、スラリーにした。ア
セトニトリル(112.0g、2728mmol)を加え、混合物のHNMR分析は、
メタノールが存在しないことを示した。混合物を、追加のアセトニトリルリンス(35.
1g、855mmol)を有する1Lのジャケット付き反応器に移した。水(189g)
およびKCO溶液(47wt%、11.9g、40.5mmol)を加えて、中性p
Hを達成し、次に4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(ABA
)(39.6g、91.4mmol)を加えた。追加の47wt%のKCO溶液(1
6.0g、54.4mmol)、トリフェニルホスフィン(0.46g、1.8mmol
)および酢酸パラジウム(0.20g、0.9mmol)を加える前に、混合物に窒素を
45分間散布した。反応を60℃に加熱した。追加の47wt%のKCO溶液を、6
0℃に達した30分後(16.0g、54.4mmol)、60分後(12.2g、41
.5mmol)、および90分後(9.0g、30.6mmol)に加えた。19時間後
、反応を65℃に加熱し、次に相を分離した。有機相を分析すると、収率85.0%のメ
チル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル
)ピリジン-2-カルボキシレートを得た。
【0087】
粗AP-Me溶液(22.5wt%、28g、28.5mmolのAP-Meの6.3
gに相当する)を丸底フラスコに加えた、ABA(6.7g)、メタノール(10g)、
およびトリエチルアミン(11.5g)を加えた。混合物に窒素を25分間散布し、次に
酢酸パラジウム(64mg)およびトリフェニルホスフィン(150mg)を加えた。混
合物を50℃に加熱し、18時間後にGCによって試料採取し、変換率は81%であった
。混合物を65℃に更に加熱し、65℃で6時間後の変換率は85%であった。
【0088】
粗AP-Me溶液(22.5wt%、20g、20.4mmolのAP-Meの4.5
gを含有した)を丸底フラスコに加えた。ABA(4.8g)、メタノール(10g)、
およびジイソプロピルアミン(8.94g)を加えた。混合物に窒素を15分間散布し、
次に酢酸パラジウム(46mg)およびトリフェニルホスフィン(107mg)を加えた
。混合物を50℃に加熱した。反応の変換率は、22時間後に84%であった。
【0089】
[実施例6]
直接的なカップリングの前の作業
4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボン酸(AP)(40.0g、19
3.2mmol)、次にメタノール(129.3g、4035mmol)を、ジャケット
付き反応器に加えた。添加漏斗を使用して、濃硫酸(7.1g、72.1mmol)を滴
下添加した。得られたスラリーを加熱環流し(約65℃)、16時間反応させ、その時点
で得られた透明な溶液を室温に冷却した。4-メチル-2-ペンタノン(MIBK)(2
06.6g、2063mmol)を粗反応混合物に加え、続いて、12wt%の重炭酸カ
リウム溶液(79.6g、95.4mmol)を加えて、約8.0のpHをもたらした。
15分間撹拌した後、塩化ナトリウムの飽和水溶液(59.4g)を加え、相を分離する
前に更に15分間撹拌した。メチル4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボ
キシレート(AP-Me)を含有する有機溶液を、ジャケット付き反応器に戻し、減圧下
で蒸留して、35.5wt%の濃度のAP-Meにした。得られたスラリーを周囲温度に
冷却し、この時点で4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニルボロン酸(AB
A)(38.42g、188.5mmol)、メタノール(17.3g、539.6mm
ol)、およびアセトニトリル(110.5g、2693mmol)を加えた。フラスコ
に、水(168.5g)および重炭酸カリウム(42.1g、420.7mmol)を加
えた。反応器の内容物とフラスコの塩基水溶液の両方に、窒素ガスを45分間散布し、そ
の時点で塩基水溶液を反応器に加えた。トリフェニルホスフィン(0.441g、1.6
83mmol)および酢酸パラジウム(0.189g、0.841mmol)を一度に加
え、反応器の内容物を50℃で23時間加熱した。反応器の温度を65℃に増加し、次に
内容物を高温分液漏斗の中に排出し、相を分離して、84.2%のプロセス収率のメチル
4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピ
リジン-2-カルボキシレートをもたらした。
【0090】
粗AP-Me供給材料(40mmolのAP-Meを8.8g含有した)を41.4g
のMIBKで希釈した。残留重量が21.5gに達するまで、MeOH、水、およびMI
BKをロータリーエバポレイターにより除去した。油状混合物がフラスコに残り、ほぼ1
0gのMIBKを含有していた。MeCN(26.2g、16当量)を加え、続いて固体
ABA(9.4g、1.15当量)、MeOH(4.3g)、および水(41.6g)を
加えた。3.37gの47wt%KCO溶液を加え、得られた混合物に窒素を30分
間散布した。散布した後、3.56gの47%KCOを混合物に加え、続いて酢酸パ
ラジウム(47mg)およびトリフェニルホスフィン(105mg)を加えた。次に反応
混合物を55℃に加熱し、その温度で保持した。反応温度が55℃に達した後、47%K
CO(3.56g)の第2の部分および第3の部分を、1時間および2時間後にそれ
ぞれシリンジによって加えた。反応を16時間後に停止させると、メチル4-アミノ-3
-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カ
ルボキシレートのプロセス収率は92.6%であった。
【0091】
粗AP-Me供給材料(40.0mmolのAP-Meの8.8gを含有した)をロー
タリーエバポレイターに入れて、残留重量が20.5gに達するまで約2/3のメタノー
ルを除去した。濃厚スラリーを得て、26.2gのMeCN(16当量)に再溶解した。
ABA(9.4g、1.15当量)、MIBK(9.8g)、MeOH(4.3g)、お
よび水(40.4g)を、AP-Me溶液に加えた。3.37gの47wt%KCO
溶液を加え、得られた混合物に窒素を30分間散布した。散布した後、3.56gの47
%KCOを混合物に加え、続いて酢酸パラジウム(47mg)およびトリフェニルホ
スフィン(105mg)を加えた。次に反応混合物を55℃に加熱し、その温度で保持し
た。反応温度が55℃に達した後、47%KCO(3.56g)の第2の部分および
第3の部分を、1時間および2時間後にそれぞれシリンジによって加えた。反応を9時間
後に停止させると、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-
3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートのプロセス収率は91.8%で
あった。
【0092】
粗AP-Me供給材料(189.2g、181.0mmolのAP-Meの40.0g
を含有した)をロータリーエバポレイターにより蒸留して、残留重量が86.8gに達す
るまで約2/3のメタノールを除去した。濃厚スラリーを得て、11.3gのMeOHを
投入して、所望のMeOHレベルを得た。MeCN(118.7g、16当量)、固体A
BA(42.5g、1.15当量)、MeOH(19.1g)、MIBK(44.7g)
、および水(182.9g)を混合物に加えた。14.5gの47wt%KCO溶液
を加え、得られた混合物に窒素を45分間散布した。散布した後、16.1gの47%K
COを混合物に加え、続いて酢酸パラジウム(203mg)およびトリ
フェニルホスフィン(474mg)を一度に加えた。次に反応混合物を55℃に加熱し、
その温度で保持した。反応温度が55℃に達した後、47%KCO(16.1g)の
第2の部分および第3の部分を、1時間および2時間後にそれぞれシリンジによって加え
た。反応を10時間後に停止させると、プロセス収率は89.1%であった。