(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141920
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】マンヘミア・ヘモリチカ感染症又はヒストフィルス・ソムニ感染症を治療するのに有用な化合物
(51)【国際特許分類】
C07C 259/06 20060101AFI20220921BHJP
C07C 323/60 20060101ALI20220921BHJP
C07C 317/50 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/16 20060101ALI20220921BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220921BHJP
C07D 295/135 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/5375 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/4468 20060101ALI20220921BHJP
C07D 211/14 20060101ALI20220921BHJP
C07D 241/04 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/495 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220921BHJP
C07D 213/74 20060101ALI20220921BHJP
C07D 217/04 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/472 20060101ALI20220921BHJP
C07D 213/36 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/4409 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/54 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20220921BHJP
C07D 265/30 20060101ALI20220921BHJP
C07D 307/14 20060101ALI20220921BHJP
C07D 333/20 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/417 20060101ALI20220921BHJP
C07D 233/24 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/4406 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/553 20060101ALI20220921BHJP
C07D 267/10 20060101ALI20220921BHJP
C07D 277/28 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/421 20060101ALI20220921BHJP
C07D 263/32 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/4402 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/277 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C07C259/06 CSP
C07C323/60
C07C317/50
A61K31/16
A61P31/04 171
C07D295/135
A61K31/5375
A61K31/4468
C07D211/14
C07D241/04
A61K31/495
A61K31/496
C07D213/74
C07D217/04
A61K31/472
C07D213/36
A61K31/4409
A61K31/54
A61K31/198
A61K31/40
C07D265/30
C07D307/14
C07D333/20
A61K31/341
A61K31/381
A61K31/417
C07D233/24
A61K31/4406
A61K31/553
C07D267/10
C07D277/28
A61K31/426
A61K31/44
A61K31/421
C07D263/32
A61K31/4402
A61K31/277
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022119240
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2019533585の分割
【原出願日】2017-12-22
(31)【優先権主張番号】16206790.4
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】510000976
【氏名又は名称】インターベット インターナショナル ベー. フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベルガー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,トールステン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ,ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】ワラス,ラルフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動物の呼吸器疾患、特に、ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患(BRD及びSRD)の治療において有用な化合物を提供する。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若しくはプロドラッグによる。
[式中、R
1は、H、C(=O)R
11等;R
11は、H又はC
1-6-アルキル;R
2~R
7は、H、C
1-6-アルキル等;Lは、C
1-6-アルキル等;Mは、C
3-10-シクロアルキル、アリール等;Gは、-C(=O)-C≡C-等;Yは、C
3-10-シクロアルキル、アリール等;Xは、-C(=O)-等]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
〔式中、
R
1は、H、C(R
11R
12R
13)、C(=O)R
11、-C(=NR
14)R
1
1からなる群から選択され;
R
11は、H及びC
1-6-アルキルからなる群から選択され;
R
12は、H、C
1-6-アルキル及びC
1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、
-SR
8、-OR
9、-C(=O)OR
9、-NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10、-
SO
2R
8からなる群から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択され
;
R
13は、H、C
1-6-アルキル、アリール、-SR
8、-OR
9、-NR
9R
10
、-SO
2R
8、ニトロ、-C(=O)NR
9R
10及びC
1-6-アルキル(ここで、
該アルキルは、-SR
8、-C(=O)NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10、-SO
2
R
8、ニトロ、シアノ、-OR
9、-C(=O)OR
9、-NR
9C(=NR
14)NR
9R
10からなる群から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択され;
又は、
R
13とR
2は、R
2が結合しているN原子と一緒になって、3~6個の環原子を有す
る飽和又は不飽和のヘテロ環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、0個、1個又は
2個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択され、残りの環原子は、Cである]を形
成し;
ここで、R
13がOH又はNH
2であり且つR
12がメチルである場合、R
11はHであ
ることはできず、及び、R
13がNH
2であり且つR
12がメチルである場合、R
11は
メチルであることはできず;
R
14は、H、C
1-6-アルキル、-OR
9からなる群から選択され;
R
2、R
3は、H、C
1-6-アルキル及びC
1-6-アルキル(ここで、該アルキル
は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-6-アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオ
ール、C
1-6-アルキル、カルボニル、-SR
8、-SO
2NR
9R
10、-SO
2R
8、-C(=O)NR
9R
10、シアノ、-NR
9R
10、-C(=O)OR
9、アリー
ル、ヘテロアリール、ヘテロ環、C
3-8-シクロアルキルからなる群から選択される置
換基で置換されている)からなる群から選択され;
R
4は、H、C
1-6-アルキル、C
2-6-アルケニル、C
2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、-OR
9、C(=O)OR
9、C(=O)R
8、アリール、
ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリールで置換されているC
1-C
6-アルキル、ヘ
テロアリールで置換されているC
1-C
6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されている
C
1-C
6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、C
3-8-シクロアルキル、C
1-6-
アルキルオキシ、NR
9R
10、カルボニル、ニトロ、C(=O)OR
9、ハロゲン、ハ
ロ-C
1-6-アルキル、C
1-6-アルキルオキシ-C
1-6-アルキル、シアノ、ヒ
ドロキシ、-SR
8、-SO
2NR
9R
10、-SO
2R
8、C(=O)NR
9R
10か
らなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
R
5は、H及びC
1-6-アルキルからなる群から選択され;
R
6、R
7は、独立して、H、C
1-6-アルキル、C
2-6-アルケニル、C
2-6
-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリー
ル、C
1-6-アルキルオキシ-C
1-6-アルキル、アリールで置換されているC
1-
C
6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC
1-C
6-アルキル、ヘテロシクリ
ルで置換されているC
1-C
6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR
6R
7は、NO
2であり;又は、
R
6、R
7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、0個、1
個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択され、残りの環原子は、C
である]を形成することができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R
6、R
7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C
1-6-アルキル、C
3-8-シクロアル
キル、C
1-6-アルキルオキシ、-NR
9R
10-、カルボニル、-C(=O)OR
9
-、ハロゲン原子、ハロで置換されているC
1-6-アルキル、C
1-6-アルキルオキ
シ-C
1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC
1-
C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシル、-SR
8-、-SO
2R
8-、-SO
2NR
9
R
10、-C(=O)NR
9R
10-、ヒドロキシルで置換されているC
1-6-アルキ
ルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
R
8は、H、C
1-6-アルキルからなる群から選択され;
R
9、R
10は、独立して、H及びC
1-6-アルキルからなる群から選択され;
Lは、C
1-6-アルキル、C
2-6-アルケニル、C
2-6-アルキニル、C
3-1
0-シクロアルキル、-(NR
L3)
0-1-(CH
2)
0-4-NR
L3-(CH
2)
0-4-、-(NR
L3)
0-1-(CR
L1R
L2)
0-4-NR
L3-(CR
L1R
L2)-、-(CR
L1R
L2)
0-4-O-(CR
L1R
L2)-、-(CH
2)
0-
4-NR
L3-(CR
L1R
L2)-C(=O)NH-(CH
2)
0-4-、-C(=O
)-(CR
L1R
L2)-NR
L3C(=O)-、-C(=O)NR
L3-、-NR
L3
C(=O)-、-NR
L3-、-SO
2NR
L3-、-NR
L3-C(=O)-NR
L3
-からなる群から選択され;
ここで、
R
L1、R
L2、R
L3は、独立して、H、C
1-6-アルキル、ハロ-C
1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC
1-C
6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC
1-C
6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC
1-C
6-アルキルから
なる群から選択され;又は、
R
L1、R
L3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができ;
Mは、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、-C(R
M1)=C(R
M1)-C≡C-、-
C(R
M1)=C(R
M1)-からなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6
-アルキル、C
3-8-シクロアルキル、C
1-6-アルキルオキシ、NR
M2R
M3、
カルボニル、-C(=O)OR
M2、ハロ、ハロ-C
1-6-アルキル、C
1-6-アル
キルオキシ-C
1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されてい
るC
1-C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR
M2、-SO
2R
M4、-OSO
2R
M4、-SO
2NR
M2R
M3、-C(=O)NR
M2R
M3-、ヒドロキシ-C
1
-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、R
M1は、H、C
1-6-アルキル、ハロ、ヒドロキシル及びアミノからなる群
から選択され;
ここで、R
M2、R
M3は、独立して、H及びC
1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、R
M4は、H、C
1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択され;
Gは、-(C(R
G2R
G3)
0-4-O-(C(R
G2R
G3)
0-4-、-(C(
R
G2R
G3)
0-4-S-(C(R
G2R
G3)
0-4-、-(C(R
G2R
G3)
0
-4-NR
G1-(C(R
G2R
G3)
0-4-、-C(=O)-、-NR
G1C(=O
)-、-C(=O)NR
G1-、-(C(R
G2R
G3)
0-4-NR
G1-C(R
G2
R
G3)-C(=O)NR
G1-、-CR
G2=CR
G2-、-CR
G2=CR
G2-C
R
G2=CR
G2-、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-CR
G2=CR
G2-C≡C
-、-C≡C-CR
G2=CR
G2、-C(=O)-C≡C-、-C≡C-C(=O)-
-SO
2-、-S(=O)-、-S(=O)C(R
G2R
G3)-、-C(R
G2R
G
3)S(=O)-、-C(R
G2R
G3)-SO
2-、-SO
2C(R
G2R
G3)-か
らなる群から選択され;
ここで、
R
G1は、H又はC
1-6-アルキルであり;
各R
G2、R
G3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC
1-6-アルキルからなる群
から選択され;
Yは、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールから
なる群から選択され
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6
-アルキル、C
3-8-シクロアルキル、C
1-6-アルキルオキシ、NR
Y1R
Y2、
カルボニル、-C(=O)-OR
Y1、ハロ、ハロ-C
1-6-アルキル、C
1-6-ア
ルキルオキシ-C
1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC
1-C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR
Y2、-SO
2R
Y3、-OS
O
2R
Y3、-SO
2NR
Y1R
Y2、-C(=O)NR
M2R
M3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、R
Y1、R
Y2は、独立して、H及びC
1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、R
Y3は、H、C
1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択され;
Xは、-C(=O)-、-C
1-6-アルキル-C(=O)-、-C
2-6-アルケニ
ル-C(=O)-、-C
2-6-アルキニル-C(=O)-及び-(C(R
X1R
X2)
-、-S(=O)-、-SO
2-からなる群から選択され;
ここで、
各R
X1、R
X2は、H、ハロゲン原子、置換されているC
1-6-アルキル又は置換
されていないC
1-6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、該置換されているC
1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C
1-6-アルキル、カルボニ
ル、-SR
X3、-SO
2R
X5、-C(=O)NR
X3R
X4、シアノ、-NR
X3R
X4、-C(=O)-OR
X3、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、C
3-8-シク
ロアルキルからなる群から選択されることができ;
ここで、R
X3、R
X4は、独立して、H又はC
1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、R
X5は、H、C
1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグ。
【請求項2】
R6、R7は、独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C3-1
0-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換
されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキ
ルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であり;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキ
ルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原子と一緒になって形成するヘテ
ロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキ
シ、-NR9R10、カルボニル、-C(=O)-OR9、ハロゲン原子、ハロで置換さ
れているC1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロ
キシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9R10、ヒ
ドロキシルで置換されているC1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換
されていてもよい;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-1
0-シクロアルキル、-NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL3は、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキル、アリールで置換され
ているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群から選択される;
請求項1-2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
Lは、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-及び-CH2CH2C
H2CH2-からなる群から選択される;
請求項1-3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Mは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C
2-4アルケニル、C2-4アルキニル、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-
C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される;
請求項1-4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Gは、-(C(RG2RG3)0-4-O-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(
RG2RG3)0-4-S-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0
-4-NRG1-(C(RG2RG3)0-4-、-C(=O)-、-NRG1C(=O
)-、-C(=O)NRG1-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-C(RG2
RG3)-C(=O)NRG1-、-CRG2=CRG2-、-C≡C-、-C≡C-C
≡C-、-C≡C-C(=O)- -SO2-、-S(=O)-、-S(=O)C(RG
2RG3)-、-C(RG2RG3)S(=O)-、-C(RG2RG3)-SO2-、
-SO2C(RG2RG3)-からなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択される;
請求項1-5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Gは、-CRG2=CRG2-、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-C≡C-C(=
O)-からなる群から選択され;
ここで、
RG2は、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選択される;
請求項1-6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R13がOHであり且つR12がメチルである場合、R11は、メチルであることがで
きない;
請求項1-7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
R13がNH2であり且つR12がHである場合、R11は、Hであることができない
;
請求項1-8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Xは、-C(=O)-及び-S(=O)からなる群から選択される;
請求項1-9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R2、R3は、独立して、H、置換されているC1-6-アルキル又は置換されていな
いC1-6-アルキルからなる群から選択され、ここで、該置換されているC1-6-ア
ルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6-アルキル、カルボニル、
-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9R10、シアノ、
-NR9R10、-C(=O)-OR9からなる群から選択される;
請求項1-10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
R4は、H、C1-6-アルキル、-OR8、C(=O)OR8、C(=O)R8から
なる群から選択される;
請求項1-11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Yは、アリール又はヘテロアリールから選択される;
請求項1-12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、医
薬組成物。
【請求項15】
ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患の治療において使用するための、請求項1-13の
いずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
治療を必要とする動物に有効量の請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物を投与
することを含む、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocid
a)、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及び
ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)の群から選択される細
菌のうちの少なくとも1の細菌に起因する動物の感染症の治療において使用するための、
請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患を治療する方法であって、治療を必要とする動物に
、有効量の請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミ
ア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及びヒストフィルス
・ソムニ(Histophilus somni)の群から選択される細菌のうちの少な
くとも1つの細菌に起因する動物の感染症を治療する方法であって、治療を必要とする動
物に、有効量の請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、方
法。
【請求項19】
ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患の治療のための医薬の製造における、請求項1-1
3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
治療を必要とする動物に有効量の請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物を投与
することを含む、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocid
a)、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及び
ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)の群から選択される細
菌のうちの少なくとも1つの細菌に起因する動物の感染症の治療のための医薬の製造にお
ける、請求項1-13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の呼吸器疾患、特に、ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患(BRD又は
SRD)を治療するのに有用な化合物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ウシ呼吸器疾患(BRD)は、世界中の肉牛を冒す最も一般的で損害の大きい疾患であ
る。それは、子ウシに肺炎を引き起こし、致命的になる可能性がある複雑な細菌感染症で
ある。該感染症は、通常、3つの共依存性要因を合わせたものである:ストレス、根底に
あるウイルス感染、及び、新たな細菌感染。この疾患の診断は、可能性のある複合的な原
因があるので、複雑である。
【0003】
該疾患は、殆どの場合、離乳後4週間以内の子ウシで、その子ウシが分類され、そして
、しばしば、他の農場に売られた場合に現れる。これによって、一般的な俗称、「輸送熱
(Shipping Fever)」が与えられている。
【0004】
BRDは、北米及び世界の畜産業にとって経済的に非常に重要である。米国のフィード
ロット業界では、生産の喪失、人件費の増加、薬剤費、及び、ウシ呼吸器疾患(BRD)
による死亡に起因して、年間10億ドルもの損失が発生すると推定している。
【0005】
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、パスツ
レラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ヒストフィルス・
ソムニ(Histophilus somni)及びマイコプラズマ・ボビス(Myco
plasma bovis)は、最も一貫してBRDに関連してきた細菌性病原体であり
、ウイルス性病原体としては、ウシウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral
Diarrhea)(BVD)、ウシ伝染性鼻気管炎ウイルス(Infectious
Bovine Rhinotracheitis)(IBR)、ウシRSウイルス(B
ovine Respiratory Synctial Virus))(BRSV)
及びパラインフルエンザ3型ウイルス(Parainfluenza Type-3 V
irus)(PI-3)を含む。
【0006】
パスツレラ(Pasteurella)は、グラム陰性通性嫌気性細菌の属である。パ
スツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)は、哺乳動物及
び鳥類における特定の範囲の疾患(これは、家禽類の家禽コレラ、ブタにおける萎縮性鼻
炎、並びに、ウシ及びスイギュウにおけるウシ出血性敗血症を包含する)の原因である。
【0007】
ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)は、ヘモフィルス・
アグニ(Haemophilus agni)、ヒストフィルス・オビス(Histop
hilus ovis)、ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somn
us)及びヘモフィルス・ソムニフェル(Haemophilus somnifer)
としても知られている。
【0008】
ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)は、ウシの鼻道内で
生息している細菌である。概して言えば、ヒストフィルス・ソムニ(H.somni)は
、脈管組織(血管)及び臓器の内皮に感染して、炎症、血液の供給を遮断する血栓症(血
管閉塞の形成)の原因となり、そして、局所細胞死を引き起こす。
【0009】
ヒストフィルス・ソムニ(H.somni)は、典型的には、ウシ、ヒツジ及びアメリ
カバイソンのような群れをなす多くの種類の動物の気道、生殖器官及び循環系の中でコロ
ニーを形成する。ヒストフィルス・ソムニ(H.somni)が肺に感染した場合、肺炎
によって急死する可能性がある。ヒストフィルス・ソムニ(H.somni)が血流に侵
入した場合、それは全身に広がり、敗血症として知られる症状となる。
【0010】
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)は、マン
ヘミア属(Mannheimia)の種である。マンヘミア・ヘモリチカ(Mannhe
imia haemolytica)は、健康なウシ、ヒツジ及び野生のヒツジの上気道
の中で一般的に見られるグラム陰性細菌である。マンヘミア・ヘモリチカ(Mannhe
imia haemolytica)は、以前は、パスツレラ・ヘモリチカ(Paste
urella haemolytica)として知られていた。マンヘミア・ヘモリチカ
(M.haemolytica)は、ウシが輸送、離乳、過密状態又はウイルス感染のよ
うなストレスを経験したときに、肺の中に降りていき、ウシ呼吸器疾患(BRD)の主要
な要素である線維素性及び壊死性の気管支肺炎を引き起こす。マンヘミア・ヘモリチカ(
M.haemolytica)は、米国内でBRDに感染したウシの肺から最も一般的に
分離される細菌である。
【0011】
数種類の生物学的BRD前駆物質に対するワクチン化が存在しているが、多数の可能な
前駆物質によってワクチンレジメンの選択の過程が複雑になっている。細菌は、一般的な
抗生物質で処置することができる。抗生物質に対する抵抗性の恐怖は、広域スペクトル抗
生物質の使用に対して警告しており、そして、その代わりに、細菌を選択的に殺す化合物
を好む。
【0012】
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、パスツ
レラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)及びヒストフィルス
・ソムニ(Histophilus somni)に関連したウシ呼吸器疾患(BRD)
を治療するような化合物が求められている。
【0013】
好ましくは、これらの化合物は、BRDの細菌性原因に対して有効である。好ましくは
、該化合物は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytic
a)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)及びヒ
ストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)に対して活性を示す。好
ましくは、該化合物は、これら細菌の抵抗性(例えば、マクロライド)株に対しても活性
を示す。
【0014】
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及びパス
ツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)に関するそのよう
な株は、例えば、Rose Sら「“Multiplex PCR to identi
fy macrolide reseistance determinants in
Mannheimia haemolytica and Pasteurella
multocida” Antimicrobial Agents and Chem
otherapy, 56, 7(2012)p.3664-3669」に記載されてい
る。
【0015】
ブタにおける呼吸器疾患は、今日、間違いなくブタ生産者にとって最も重要な健康に対
する関心事である。ヒト及び別の種における呼吸器疾患と同様に、ブタにおける呼吸器疾
患も、多くの場合一次感染性病原体と日和見感染性病原体の組み合わせの結果である。さ
らに、悪い環境条件及び管理条件も、ブタにおける呼吸器疾患の多因子的な性質において
重要な役割を果たす。
【0016】
用語「ブタ呼吸器疾患(SRD)」は、臨床疾患や仕上げ工程の後期(15~20週齢
)における体重増加の不足を引き起こす、複合的な病因の肺炎について記載するために使
用された。アクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actinobacillus p
leuropneumoniae)は、ブタにおける胸膜肺炎の最も一般的な原因である
グラム陰性細菌である。アクチノバシラス・プルロニューモニエ(A.pleuropn
eumoniae)の発生は、通常、ストレス、環境の変化、又は、ウイルス感染若しく
はマイコプラズマ感染によって促進される。該疾患は、臨床的には、突然死を伴う過急性
型として;発熱、不活発、呼吸困難、チアノーゼ、横臥位及び鼻からの泡を特徴とする臨
床的徴候を伴う急性型として;又は、急性徴候が消失した後で間欠的な咳、成長遅滞及び
運動不耐性を伴って発症する亜急性/慢性型として現れ得る。
【0017】
パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)は、ブタにおける萎縮性鼻炎及び
肺炎の原因であるグラム陰性細菌である。
【0018】
ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptic
a)は、鼻炎及び軽度から中程度の鼻甲介萎縮を引き起こし、そして、萎縮性鼻炎の進行
型を引き起こすパスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)の毒素産生株に感染
する素因を作るグラム陰性細菌である。
【0019】
マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumon
iae)は、流行性肺炎に関連した一次病原体であり、流行性肺炎は、マイコプラズマ・
ハイオニューモニエ(M.hyopneumoniae)がパスツレラ・ムルトシダ(P
.multocida)のような日和見細菌と組み合わされた場合に発症する。
【0020】
ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)は、ブタに
おける多発性漿膜炎(グレーサー病)及び肺炎を引き起こすグラム陰性細菌である。臨床
的徴候としては、発熱、食欲不振、跛行を伴う関節腫脹、呼吸困難及び中枢神経系徴候を
含む。ワクチンの効力は不充分であるので、ヘモフィルス・パラスイス(H.paras
uis)感染症を治療するためには抗菌薬が必要である。
【0021】
従って、ブタ呼吸器疾患(SRD)、特に、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteur
ella multocida)、アクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actin
obacillus pleuropneumoniae)、ボルデテラ・ブロンキセプ
チカ(Bordetella bronchiseptica)又はヘモフィルス・パラ
スイス(Haemophilus parasuis)が関連している場合のブタ呼吸器
疾患(SRD)を治療及び防除するための化合物が求められている。好ましくは、これら
の化合物は、SRDの細菌性原因に対して有効である。好ましくは、該化合物は、パスツ
レラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)及びアクチノバシラ
ス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumon
iae)に対して活性を示す。好ましくは、該化合物は、ボルデテラ・ブロンキセプチカ
(Bordetella bronchiseptica)に対しても活性を示す。一実
施形態では、それらは、マイコプラズマ属種(Mycoplasma spp.)に対し
て活性を示す。
【0022】
従って、そのような抗菌薬化合物は、BRD及び/又はSRDに関与する細菌性病原体
に対して効果を示すが、ヒトの健康において重要な病原体(特に、多剤耐性を示す病原体
)、例えば、スタフィロコッカス属種(Straphylococcus spp.)及
びストレプトコッカス属種(Streptrococcus spp.)、アシネトバク
ター属各種(Acinetobacter species)、特に、アシネトバクター
・バウマニ(Acinetobacter baumanii)などに対しては活性を示
さないのが望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】“Multiplex PCR to identify macrolide reseistance determinants in Mannheimia haemolytica and Pasteurella multocida” Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 56, 7(2012)p.3664-3669。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
【0025】
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグを提供することによって、上記目的のうちの少なくとも1つを達成する
ことができることが見いだされ、
ここで、上記式中、
R1は、H、C(R11R12R13)、C(=O)R11、-C(=NR14)R1
1からなる群から選択され;
R11は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択され;
R12は、H、C1-6-アルキル及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、
-SR8、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9R10、-SO2NR9R10、-
SO2R8からなる群から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択され
;
R13は、H、C1-6-アルキル、アリール、-SR8、-OR9、-NR9R10
、-SO2R8、ニトロ、-C(=O)NR9R10及びC1-6-アルキル(ここで、
該アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8、-SO2NR9R
10、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9C(=NR14)NR
9R10からなる群から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択され;
又は、
R13とR2は、R2が結合しているN原子と一緒になって、3~6個の環原子を有す
る飽和又は不飽和のヘテロ環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、0個、1個又は
2個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択され、残りの環原子は、Cである]を形
成し;
ここで、R13がOH又はNH2であり且つR12がメチルである場合、R11はHであ
ることはできず、又は、R13がNH2である場合、R11はメチルであることはできず
;
R14は、H、C1-6-アルキル、-OR9からなる群から選択され;
R2、R3は、H、C1-6-アルキル及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキル
は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオ
ール、C1-6-アルキル、カルボニル、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R1
0、-C(=O)NR9R10、シアノ、-NR9R10、-C(=O)OR9、アリー
ル、ヘテロアリール、ヘテロ環、C3-8-シクロアルキルからなる群から選択される置
換基で置換されている)からなる群から選択され;
R4は、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、-OR9、C(=O)OR9、C(=O)R8、アリール、
ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘ
テロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されている
C1-C6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリールは、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-
アルキルオキシ、NR9R10、カルボニル、ニトロ、C(=O)OR9、ハロゲン、ハ
ロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、シアノ、ヒ
ドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、C(=O)NR9R10か
らなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
R5は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択され;
R6、R7は、独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6
-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリー
ル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-
C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリ
ルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R
7は、NO2であり;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、0個、1
個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択され、残りの環原子は、C
である]を形成することができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアル
キル、C1-6-アルキルオキシ、-NR9R10、カルボニル、-C(=O)OR9、
ハロゲン原子、ハロで置換されているC1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-
C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C6
-アルキル、シアノ、ヒドロキシル、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、
-C(=O)NR9R10、ヒドロキシルで置換されているC1-6-アルキルからなる
群から選択される置換基で置換されていてもよく;
R8は、H、C1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択され;
Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-1
0-シクロアルキル、-(NRL3)0-1-(CH2)0-4-NRL3-(CH2)
0-4-、-(NRL3)0-1-(CRL1RL2)0-4-NRL3-(CRL1R
L2)-、-(CRL1RL2)0-4-O-(CRL1RL2)-、-(CH2)0-
4-NRL3-(CRL1RL2)-C(=O)NH-(CH2)0-4-、-C(=O
)-(CRL1RL2)-NRL3C(=O)-、-C(=O)NRL3-、-NRL3
C(=O)-、-NRL3-、-SO2NRL3-、-NRL3-C(=O)-NRL3
-からなる群から選択され;
ここで、
RL1、RL2、RL3は、独立して、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから
なる群から選択され;又は、
RL1、RL3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができ;
Mは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C
2-4アルケニル、C2-4アルキニル、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-
C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRM2RM3、
カルボニル、-C(=O)ORM2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アル
キルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されてい
るC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRM2、-SO2RM4、-OSO
2RM4、-SO2NRM2RM3、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C1
-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RM1は、H、C1-6-アルキル、ハロ、ヒドロキシル及びアミノからなる群
から選択され;
ここで、RM2、RM3は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RM4は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択され;
Gは、-(C(RG2RG3)0-4-O-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(
RG2RG3)0-4-S-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0
-4-NRG1-(C(RG2RG3)0-4-、-C(=O)-、-NRG1C(=O
)-、-C(=O)NRG1-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-C(RG2
RG3)-C(=O)NRG1-、-CRG2=CRG2-、-CRG2=CRG2-C
RG2=CRG2-、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2-C≡C
-、-C≡C-CRG2=CRG2、-C(=O)-C≡C-、-C≡C-C(=O)-
-SO2-、-S(=O)-、-S(=O)C(RG2RG3)-、-C(RG2RG
3)S(=O)-、-C(RG2RG3)-SO2-、-SO2C(RG2RG3)-か
らなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択され;
Yは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールから
なる群から選択され
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRY1RY2、
カルボニル、-C(=O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRY2、-SO2RY3、-OS
O2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RY1、RY2は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RY3は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択され;
Xは、-C(=O)-、-C1-6-アルキル-C(=O)-、-C2-6-アルケニ
ル-C(=O)-、-C2-6-アルキニル-C(=O)-及び-(C(RX1RX2)
-、-S(=O)-、-SO2-からなる群から選択され;
ここで、
各RX1、RX2は、H、ハロゲン原子、置換されているC1-6-アルキル又は置換
されていないC1-6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、該置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C1-6-アルキル、カルボニ
ル、-SRX3、-SO2RX5、-C(=O)NRX3RX4、シアノ、-NRX3R
X4、-C(=O)-ORX3、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、C3-8-シク
ロアルキルからなる群から選択されることができ;
ここで、RX3、RX4は、独立して、H又はC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RX5は、H、C1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される。
【0026】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、独
立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3
-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-アル
キルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘ
テロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されている
C1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であり
;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択され、残りの環原
子は、Cである]を形成することができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアル
キル、C1-6-アルキルオキシ、-NR9R10、カルボニル、-C(=O)-OR9
、ハロゲン原子、ハロで置換されているC1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ
-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、
-C(=O)NR9R10、ヒドロキシで置換されているC1-6-アルキルからなる群
から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、
R8は、H、C1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、独立
して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-
10-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置
換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アル
キル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから選択されるか、又は、
NR6R7は、NO2であり;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができる。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、独立
して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C3-10-シクロアルキル、
C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6
-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキルから選択されるか、
又は、NR6R7は、NO2であり;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができる。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Lは、C1-6-ア
ルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、
-(NRL3)0-1-(CH2)0-4-NRL3-(CH2)0-4-、-(NRL
3)0-1-(CRL1RL2)0-4-NRL3-(CRL1RL2)-、-(CRL
1RL2)0-4-O-(CRL1RL2)-、-(CH2)0-4-NRL3-(CR
L1RL2)-C(=O)NH-(CH2)0-4-、-C(=O)-(CRL1RL2
)-NRL3C(=O)-、-C(=O)NRL3-、-NRL3C(=O)-、-NR
L3-、-SO2NRL3-、NRL3-C(=O)-NRL3-からなる群から選択さ
れ;
ここで、
RL1、RL2、RL3は、独立して、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから
なる群から選択され;又は、
RL1、RL3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができる。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Lは、C1-6-ア
ルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、
-NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL3は、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキル、アリールで置換され
ているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群から選択される。
【0031】
適切には、Lは、C1-6-アルキル又はC2-6-アルケニルからなる群から選択さ
れる。好ましくは、Lは、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-又は
-CH2CH2CH2CH2-であり、さらに好ましくは、Lは、-CH2-、-CH2
CH2-又は-CH2CH2CH2-でり、さらに好ましくは、Lは、-CH2-又は-
CH2CH2-である。
【0032】
本発明の別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Mは、C3-10-シクロ
アルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C2-4アルケニル、C2-4
アルキニル、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)
-からなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRM2RM3、
カルボニル、-C(=O)-ORM2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRM2、-SO2RM4、-OS
O2RM4、-SO2NRM2RM3、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RM1は、H、C1-6-アルキル、ハロ、ヒドロキシル及びアミノからなる群
から選択され;
ここで、RM2、RM3は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RM4は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択される。
【0033】
適切には、Mは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロア
リール、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、-C(RM1)=C(RM1)-C
≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。さらに適切には、
Mは、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-C(RM1)=C(RM1)-C
≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。さらに適切には、
Mは、アリール、ヘテロアリール、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-C(R
M1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0034】
本発明の別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Gは、-(C(RG2RG
3)0-4-O-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-S-
(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-(C(RG
2RG3)0-4-、-C(=O)-、-NRG1C(=O)-、-C(=O)NRG1
-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-C(RG2RG3)-C(=O)NRG
1-、-CRG2=CRG2-、-CRG2=CRG2-CRG2=CRG2-、-C≡
C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2-C≡C-、-C≡C-CRG2=C
RG2、-C(=O)-C≡C-、-C≡C-C(=O)- -SO2-、-S(=O)
-、-S(=O)C(RG2RG3)-、-C(RG2RG3)S(=O)-、-C(R
G2RG3)-SO2-、-SO2C(RG2RG3)-からなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択される。
【0035】
適切な実施形態では、Gは、-(C(RG2RG3)0-4-O-(C(RG2RG3
)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-S-(C(RG2RG3)0-4-、-(
C(RG2RG3)0-4-NRG1-(C(RG2RG3)0-4-、-C(=O)-
、-NRG1C(=O)-、-C(=O)NRG1-、-(C(RG2RG3)0-4-
NRG1-C(RG2RG3)-C(=O)NRG1-、-CRG2=CRG2-、-C
≡C-、-C≡C-C≡C-、-C≡C-C(=O)- -SO2-、-S(=O)-、
-S(=O)C(RG2RG3)-、-C(RG2RG3)S(=O)-、-C(RG2
RG3)-SO2-、-SO2C(RG2RG3)-からなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択される。
【0036】
適切な実施形態では、Gは、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2
-C≡C-、-C≡C-CRG2=CRG2からなる群から選択され、ここで、RG2は
、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0037】
適切な別の実施形態では、Gは、CRG2=CRG2-、-C≡C-、-C≡C-C≡
C-、-C≡C-C(=O)-からなる群から選択され;
ここで、
RG2は、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0038】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(II)
【化2】
【0039】
〔式中、L、M、Y、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0040】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Yは、C3-10-シク
ロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールからなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRY1RY2、
カルボニル、-C(=O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRY2、-SO2RY3、-OS
O2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RY1、RY2は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RY3は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択される。
【0041】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Yは、アリール又はヘテロアリ
ールから選択される。適切には、Yは、アリールである。適切には、Yは、フェニルであ
る。適切には、Yは、パラ-フェニルである。
【0042】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Yのシクロアルキル、ア
リール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6-アルキル、C1-6-アルキ
ルオキシ、NRY1RY2、カルボニル、-C(=O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-
6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRY2、-SO2RY3、-OS
O2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0043】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル
からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。適切には、Yのシクロアルキ
ル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、置換されていない。
【0044】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(III
)
【化3】
【0045】
〔式中、L、M、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0046】
本発明の一部の実施形態及びその複数の実施形態では、Xは、-C(=O)-、-C1
-6-アルキル-C(=O)-、-C2-6-アルケニル-C(=O)-、-C2-6-
アルキニル-C(=O)-及び-(C(RX1)2-、-S(=O)-、-SO2-から
なる群から選択され;
ここで、
RX1、RX2は、H、ハロゲン原子、置換されているC1-6-アルキル又は置換さ
れていないC1-6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、該置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C1-6-アルキル、カルボニ
ル、-SRX3、-SO2RX5、-C(=O)NRX3RX4、シアノ、-NRX3R
X4、-C(=O)-ORX3、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、C3-8-シク
ロアルキルからなる群から選択されることができ;
ここで、RX3、RX4は、独立して、H又はC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RX5は、H、C1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される。
【0047】
適切には、Xは、-C(=O)-、-C1-6-アルキル-C(=O)-、S(=O)
-、-SO2-からなる群から選択される。適切には、Xは、-C(=O)-及びS(=
O)-から選択される。
【0048】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(IV)
【化4】
【0049】
〔式中、L、M、G、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0050】
本発明の別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R2、R3は、独立して、
H、置換されているC1-6-アルキル又は置換されていないC1-6-アルキルからな
る群から選択される。適切には、R2及びR3は、Hである。
【0051】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、C1-6-アルキ
ル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、-O
R8、C(=O)OR8、C(=O)R8、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール
、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC
1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群
から選択され;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリールは、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-
アルキルオキシ、NR9R10、カルボニル、ニトロ、C(=O)OR6、ハロゲン、ハ
ロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、シアノ、ヒ
ドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、C(=O)NR9R10か
らなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0052】
適切には、本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、C1-
6-アルキル、-OR8、C(=O)OR8、C(=O)R8からなる群から選択される
。さらに適切には、R4は、H、-OR8からなる群から選択される。適切には、R4は
、-OR8であり、さらに適切には、R8は、OHである。
【0053】
適切には、R1は、C(R11R12R13)、C(=O)R11、-C(=NR14
)R11からなる群から選択される。適切には、R1は、C(R11R12R13)であ
る。適切には、R1は、C(=O)R11である。適切には、R1は、-C(=NR14
)R11である。
【0054】
本発明の別の適切な実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12は、H、C1
-6-アルキル及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-OR9、
-C(=O)OR9、-NR9R10、-SO2NR9R10、-SO2R8からなる群
から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0055】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2NR
9R10、-SO2R8からなる群から選択される置換基で置換されている。
【0056】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8、ニトロ、-C(=O
)NR9R10及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-C(=O
)NR9R10、-SO2R8、-SO2NR9R10、ニトロ、シアノ、-OR9、-
C(=O)OR9、-NR9C(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置
換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0057】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8
、-SO2NR9R10、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9C
(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されている。
【0058】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13のアリールは、フ
ェニル又はヒドロキシフェニルである。
【0059】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、アジリジン、アジリン、アゼチジン、ジ
ヒドロアゼト、アゼト、ジアゼチジン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピラゾリジン
、イミダゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、オキサジアゾール
、チアジアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラ
ジン、トリアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジンからなる群から
選択されるヘテロ環を形成する。
【0060】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がOH
又はNH2であり且つR12がメチルである場合、R11はHであることができない。
【0061】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がNH
2であり且つR12がメチルである場合、R11はメチルであることができない。
【0062】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がOH
であり且つR12がメチルである場合、R11はメチルであることができない。
【0063】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がNH
2であり且つR12がHである場合、R11はHであることができない。
【0064】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がOH
であり且つR12がHである場合、R11はHであることができない。
【0065】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13がCH
3であり且つR12がCH3である場合、R11はHであることができない。
【0066】
本発明は、細菌による感染症を患っている動物を治療する方法も対象とし、ここで、該
方法は、そのような治療を必要とする対象動物に、有効量の本発明の化合物及び/又はそ
の実施形態を薬学的に許容される担体と一緒に投与することを含み、ここで、該細菌は、
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミア
・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及びヒストフィルス・
ソムニ(Histophilus somni)の群から選択される細菌のうちの少なく
とも1である。適切には、該対象動物は、哺乳動物であり、一部の実施形態では、反芻動
物又はブタである。
【0067】
さらに別の態様においては、本発明は、ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患の治療にお
いて使用するための、薬学的に許容される担体を加えた本発明の化合物及び/又はその実
施形態を対象とする。
【0068】
本発明は、さらに、有効量の本発明の化合物及び/又はその実施形態と薬学的に許容さ
れる担体とを一緒に含む医薬組成物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0069】
詳細な説明
式(I)で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶
媒和物若しくはプロドラッグが、ウシ呼吸器疾患を引き起こす細菌[例えば、マンヘミア
・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ヒストフィルス・ソ
ムニ(Histophilus somni)、及び、パスツレラ・ムルトシダ(Pas
teurella multocida)]による感染症の治療において有用であるとい
うことが分かった。特に、本発明の化合物及び/又はその任意の実施形態は、マンヘミア
・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及び/又はヒストフィ
ルス・ソムニ(Histophilus somni)による感染症の治療において有用
である。場合により、本発明の化合物及び/又はその任意の実施形態は、パスツレラ・ム
ルトシダ(Pasteurella multocida)による感染症の治療において
有用である。有利には、本発明の化合物及び/又はその任意の実施形態は、マンヘミア・
ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ヒストフィルス・ソム
ニ(Histophilus somni)及びパスツレラ・ムルトシダ(Pasteu
rella multocida)による感染症の治療において有用である。
【0070】
多剤耐性細菌の懸念が増大している。従って、特定の細菌の感染において使用すること
が可能な特定の抗生物質が求められている。有利には、本発明による化合物及び/又はそ
の任意の実施形態は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemoly
tica)、ヒストフィルス・ソムニ(Histphilus somni)及び/又は
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)に対しては効
果を有するが、別の細菌、例えば、ヒトの健康において重要な細菌、例えば、スタフィロ
コッカス属種(Straphylococcus spp.)及びストレプトコッカス属
種(Streptrococcus spp.)、アシネトバクター属各種(Acine
tobacter species)、特に、アシネトバクター・バウマニ(Acine
tobacter baumanii)などに対しては活性を示さない。
【0071】
以下の略語及び定義は、本出願全体を通して使用される。
【0072】
概して、水素又はHのような特定の元素について言及されている場合、その言及は、当
該元素の全ての同位体を包含することが意図される。例えば、基Rが水素又はHを含むよ
うに定義されている場合、それは、重水素及び三重水素も包含する。
【0073】
語句「アルキル」は、ヘテロ原子を含まないアルキル基を示している。従って、この語
句は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのような直鎖アルキル基を包含する。この語句は
、さらに、直鎖アルキル基の分枝鎖異性体も包含し、ここで、該分枝鎖異性体としては、
限定するものではないが、例として提供されている以下のものを含む:-CH(CH3)
2、-CH(CH3)(CH2CH3)、-CH(CH2CH3)2、-C(CH3)3
、-C(CH2CH3)3、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)(CH
2CH3)、-CH2CH(CH2CH3)2、-CH2C(CH3)3、-CH2C(
CH2CH3)3、-CH(CH3)CH(CH3)(CH2CH3)、-CH2CH2
CH(CH3)2、-CH2CH2CH(CH3)(CH2CH3)、-CH2CH2C
H(CH2CH3)2、-CH2CH2C(CH3)3、-CH2CH2C(CH2CH
3)3、-CH(CH3)CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH(CH3)C
H(CH3)2、-CH(CH2CH3)CH(CH3)CH(CH3)(CH2CH3
)など。かくして、語句「アルキル基」は、一級アルキル基、二級アルキル基及び三級ア
ルキル基を包含する。好ましいアルキル基は、1~12個の炭素原子を有する直鎖アルキ
ル基及び分枝鎖アルキル基を包含する。
【0074】
語句「置換アルキル」は、炭素又は水素への1以上の結合が、非水素原子及び非炭素原
子への結合によって置き換えられている、上記で定義されたアルキル基を示す。さらに定
義されていない場合、「置換アルキル」は、限定するものではないが、以下のような基で
置換され得る:ハロゲン原子、例えば、F、Cl、Br及びI;ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基及びエステル基のような基の中の酸素原子;チオール基、アル
キルスルフィド基、アリールスルフィド基、スルホン基、スルホニル基及びスルホキシド
基のような基の中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、ア
リールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド及び
エナミンのような基の中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル
基、アルキルジアリールシリル基及びトリアリールシリル基のような基の中のケイ素原子
;及び、他のさまざまな基の中の別のヘテロ原子。置換されているアルキル基は、さらに
また、炭素原子又は水素原子への1以上の結合が、以下のようなヘテロ原子への高次結合
(例えば、二重結合又は三重結合)で置き換えられている基も包含する:オキソ基、カル
ボニル基、カルボキシル基及びエステル基の中の酸素;イミン、オキシム、ヒドラゾン及
びニトリルのような基の中の窒素。置換されているアルキル基は、さらに、炭素原子又は
水素原子への1以上の結合が、アリール基、ヘテロシクリル基又はシクロアルキル基への
結合で置き換えられているアルキル基も包含する。例示的な置換アルキル基としては、と
りわけ、炭素原子又は水素原子への1以上の結合がフッ素原子への1以上の結合で置き換
えられているアルキル基を含む。
【0075】
別の例示的な置換アルキル基は、トリフルオロメチル基、及び、トリフルオロメチル基
を含む別のアルキル基である。別の例示的な置換アルキル基としては、該置換アルキル基
がヒドロキシル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を含むように、炭素原子又は水素
原子への1以上の結合が酸素原子への結合で置き換えられているアルキル基を含む。さら
に別の例示的な置換アルキル基としては、アミンを有するアルキル基、又は、置換されて
いるか若しくは置換されていないアルキルアミン基、ジアルキルアミン基、アリールアミ
ン基、(アルキル)(アリール)アミン基、ジアリールアミン基、ヘテロシクリルアミン
基、ジヘテロシクリルアミン基、(アルキル)(ヘテロシクリル)アミン基若しくは(ア
リール)(ヘテロシクリル)アミン基を含む。
【0076】
語句「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合が2個の炭素原子の間に存在するこ
とを除いて、上記で定義されたアルキル基に関して記載されたもののような、直鎖及び分
枝鎖並びに環式の基を示す。その例としては、限定するものではないが、とりわけ、ビニ
ル、-CH=C(H)(CH3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=C(H)
2、-C(CH)=C(H)(CH3)、-C(CH2CH3)=CH2、シクロヘキセ
ニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル及びヘ
キサジエニルを含む。
【0077】
語句「置換アルケニル」は、アルケニル基に関して、置換されているアルキル基が置換
されていないアルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。置換されているアルケニ
ル基は、非炭素原子又は非水素原子が別の炭素に二重結合している炭素に結合しているア
ルケニル基、及び、非炭素原子又は非水素原子のうちの1つが別の炭素への二重結合に関
与していない炭素に結合しているアルケニル基を包含する。
【0078】
語句「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合が2個の炭素原子間に存在している
ことを除いて、上記で定義されたアルキル基に関して記載されたもののような直鎖及び分
枝鎖の基を示す。その例としては、限定するものではないが、とりわけ、-C≡C(H)
、-C≡C(CH3)、-C≡C(CH2CH3)、-C(H2)C≡C(H)、-C(
H)2C≡C(CH3)及び-C(H)2C≡C(CH2CH3)を含む。
【0079】
語句「置換アルキニル」は、アルキニル基に関して、置換されているアルキル基が置換
されていないアルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。置換されているアルキニ
ル基は、非炭素原子又は非水素原子が別の炭素に三重結合した炭素に結合しているアルキ
ニル基、及び、非炭素原子又は非水素原子が別の炭素への三重結合に関与していない炭素
に結合しているアルキニル基を包含する。
【0080】
語句「シクロアルキル」は、炭素原子と水素原子のみで構成されている非芳香族の単環
式又は多環式のアルキル基を示し、これは飽和でも不飽和でもよい。シクロアルキルは、
3~15個の炭素原子を有し、好ましくは、3~10個の炭素原子を有し(C3-C10
-シクロアルキル)、飽和又は不飽和であることができる縮合環系又は架橋環系を包含し
得る。単環式ラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含む。多環式ラジカルとし
ては、例えば、アダマンチン、ノルボルナン、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ
[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。さらに定義されていない場合、シクロアルキルは
、置換されているアルキル基に関して上記で示されている置換基で置換されていてもよい
。
【0081】
語句「ヘテロ環式環」は、芳香族の「ヘテロアリール」環化合物及び非芳香族の「ヘテ
ロシクリル」環化合物の両方を示し、これは、3以上の環員(ここで、その環員のうちの
1つ以上は、ヘテロ原子、例えば、限定するものではないが、N、O及びSである)を含
む単環式、二環式及び多環式の環化合物(例えば、限定するものではないが、キヌクリジ
ニル)を包含する。
【0082】
ヘテロシクリルは、2~17個の炭素原子と1~10個のヘテロ原子(ここで、該ヘテ
ロ原子は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される)で構成される3~18員の非
芳香族環ラジカルを示す。本明細書中で特定的に別途示されていない限り、ヘテロシクリ
ルラジカルは、単環式、二環式又は多環式の環系であることができ、これは、縮合環系又
は架橋環系を包含し得;そして、該ヘテロシクリルラジカルの中の窒素原子、炭素原子又
は硫黄原子は、酸化されていてもよく;該窒素原子は、4級化されていてもよく;及び、
該ヘテロシクリルラジカルは、部分的に又は完全に飽和していてもよい。語句「非置換ヘ
テロシクリル」は、ベンゾイミダゾリルのような縮合ヘテロ環式環を包含するが、2-メ
チルベンゾイミダゾリルのような化合物は置換されているヘテロシクリル基であるので、
当該環員のうちの1つに結合した別の基(例えば、アルキル基又はハロ基)を有するヘテ
ロシクリル基は包含しない。ヘテロシクリル基の例としては、限定するものではないが、
以下のものを含む:1~4個の窒素原子を含む3~8員の不飽和環、例えば、限定するも
のではないが、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ジヒドロ
ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H-1,
2,4-トリアゾリル、lu-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾ
リルなど)、テトラゾリル(例えば、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリルなど);
1~4個の窒素原子を含む3~8員の飽和環、例えば、限定するものではないが、ピロリ
ジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル;1~4個の窒素原子を含む縮
合不飽和ヘテロ環式基、例えば、限定するものではないが、インドリル、イソインドリル
、インドリニル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、イン
ダゾリル、ベンゾトリアゾリル;1~2個の酸素原子及び1~3個の窒素原子を含む3~
8員の不飽和環、例えば、限定するものではないが、オキサゾリル、イソオキサゾリル、
オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾ
リル、1,2,5-オキサジアゾリルなど);1~2個の酸素原子及び1~3個の窒素原
子を含む3~8員の飽和環、例えば、限定するものではないが、モルホリニル;1~2個
の酸素原子及び1~3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロ環式基、例えば、ベンゾオキ
サゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル(例えば、2H-1,4-ベン
ゾオキサジニルなど);1~3個の硫黄原子及び1~3個の窒素原子を含む3~8員の不
飽和環、例えば、限定するものではないが、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリ
ル(例えば、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-
チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリルなど;1~2個の硫黄原子及び1~3個の
窒素原子を含む3~8員の飽和環、例えば、限定するものではないが、チアゾロジニル;
1~2個の硫黄原子を含む3~8員の飽和環及び不飽和環、例えば、限定するものではな
いが、チエニル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、テトラヒドロチオフェン、
テトラヒドロチオピラン;1~2個の硫黄原子及び1~3個の窒素原子を含む不飽和縮合
ヘテロ環式環、例えば、限定するものではないが、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾ
リル、ベンゾチアジニル(例えば、2H-1,4-ベンゾチアジニルなど)、ジヒドロベ
ンゾチアジニル(例えば、2H-3,4-ジヒドロベンゾチアジニルなど);酸素原子を
含む3~8員の不飽和環、例えば、限定するものではないが、フリル;1~2個の酸素原
子を含む不飽和縮合ヘテロ環式環、例えば、ベンゾジオキソリル(例えば、1,3-ベン
ゾジオキソイルなど);酸素原子及び1~2個の硫黄原子を含む3~8員の不飽和環、例
えば、限定するものではないが、ジヒドロオキサチイニル;1~2個の酸素原子及び1~
2個の硫黄原子を含む3~8員の飽和環、例えば、1,4-オキサチアン;1~2個の硫
黄原子を含む不飽和縮合環、例えば、ベンゾチエニル、ベンゾジチイニル;及び、酸素原
子及び1~2個の酸素原子を含む不飽和縮合ヘテロ環式環、例えば、ベンゾオキサチイニ
ル。ヘテロシクリル基には、さらに、環内の1個以上のS原子が1個又は2個の酸素原子
に二重結合している上記で記載したヘテロシクリル基(スルホキシド類及びスルホン類)
も包含される。例えば、ヘテロシクリル基は、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチ
オフェンオキシド及びテトラヒドロチオフェン1,1-ジオキシドを包含する。例示的な
ヘテロシクリル基は、5又は6の環員を含む。別の例示的なヘテロシクリル基としては、
モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、イミダゾール、ピラゾール、1,2
,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、チオモルホリン、S原
子が1以上のO原子に結合しているチオモルホリン、ピロール、ホモピペラジン、オキサ
ゾリジン-2-オン、ピロリジン-2-オン、オキサゾール、キヌクリジン、チアゾール
、イソオキサゾール、フラン及びテトラヒドロフランを含む。
【0083】
語句「置換ヘテロシクリル」は、環員のうちの1つが、置換されているアルキル基及び
置換されているアリール基に関して上記で記載したような非水素原子に結合している、上
記で定義したヘテロシクリル基を示している。その例としては、限定するものではないが
、とりわけ、2-メチルベンゾイミダゾリル、5-メチルベンゾイミダゾリル、5-クロ
ロベンゾチアゾリル、1-メチルピペラジニル及び2-クロロピリジルを含む。
【0084】
語句「アリール」は、ヘテロ原子を含んでいないアリール基を示す。よって、この語句
は、限定するものではないが、例として、フェニル、ビフェニル、アントラセニル、ナフ
テニルのような基を包含する。語句「非置換アリール」は、ナフタレンのような縮合環を
含む基を包含するが、以下に記載されているように、トリルのようなアリール基は本明細
書中では置換されているアリール基と考えられるので、当該環員のうちの1つに結合した
別の(例えば、アルキル基又はハロ基)を有するアリール基は包含しない。例示的な非置
換アリール基は、フェニルである。しかしながら、置換されていないアリール基は、親化
合物中の1個以上の炭素原子、酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子に結合することが
できる。
【0085】
語句「置換アリール基」は、置換されていないアリール基に関して、置換されているア
ルキル基が置換されていないアルキル基に関して有しているのと同じ意味を有す。しかし
ながら、置換されているアリール基は、当該芳香族炭素のうちの1個が上記で記載されて
いる非炭素原子又は非水素原子のうちの1個に結合しているアリール基を包含し、及び、
当該アリール基の1個以上の芳香族炭素が本明細書中で定義されている置換されている及
び/又は置換されていないアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基に結合しているア
リール基も包含する。これは、アリール基の2個の炭素原子がアルキル基、アルケニル基
又はアルキニル基の2個の原子に結合して縮合環系(例えば、ジヒドロナフチル又はテト
ラヒドロナフチル)を規定する結合配置を包含する。かくして、語句「置換アリール」は
、限定するものではないが、とりわけ、トリル及びヒドロキシフェニルを包含する。さら
に定義されていなければ、「置換アリール基」は、直鎖及び分枝鎖のアルキル基、-CH
3、-C2H5、-CH2OH、-OH、-OCH3、-OC2H5、-OCF3、-C
N、-NO2、-CO2H、-CO2CH3、-CONH2、-NH2、-F、-Cl、
Br、-CF3、-N(CH3)2、-NHSO2CH3、-NHCOCH3のような基
で置換され得る。
【0086】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用される場合、各環内に5~10個の環原
子を有する環式芳香族ラジカル又は二環式芳香族ラジカル(ここで、その環式環又は二環
式環の1個の原子はS、O及びNから選択される)を示し;0個、1個又は2個の環原子
は、S、O及びNから独立して選択される付加的なヘテロ原子であり;及び、残りの環原
子は炭素であり、ここで、該ラジカルは、その環原子のいずれかを介して当該分子の残部
に結合し、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミ
ダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジア
ゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル及びナフチリジニルなど
である。
【0087】
用語「置換ヘテロアリール」は、本明細書中で使用される場合、そのヘテロアリール上
の水素原子のうちの1個、2個又は3個を独立して置き換えることで置換されている本明
細書で定義されているヘテロアリール基を示している。例示的な置換基としては、Cl、
Br、F、I、OH、CN、C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシ、アリールで置
換されているC1-6-アルコキシ、ハロアルキル、チオアルコキシ、アミノ、アルキル
アミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、
アルコキシカルボニル及びカルボキサミドを含む。さらに、いずれか1つの置換基は、ア
リール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル基であり得る。
【0088】
例示的な置換基としては、直鎖及び分枝鎖のアルキル基、-CH3、-C2H5、-C
H2OH、-OH、-OCH3、-OC2H5、-OCF3、-CN、-NO2、-CO
2H、-CO2CH3、-CONH2、-NH2、-F、-Cl、-Br、-CF3、-
N(CH3)2、-NHSO2CH3、-NHCOCH3を含む。
【0089】
用語「ビアリール」は、互いに縮合していない2つのアリール基が結合している基又は
置換基を示している。例示的なビアリール化合物としては、例えば、フェニルベンゼン、
ジフェニルジアゼン、4-メチルチオ-1-フェニルベンゼン、フェノキシベンゼン、(
2-フェニルエチニル)ベンゼン、ジフェニルケトン、(4-フェニルブタ-1,3-ジ
イニル)ベンゼン、フェニルベンジルアミン、(フェニルメトキシ)ベンゼンなどを含む
。置換されていてもよい好ましいビアリール基としては、以下のものを含む:2-(フェ
ニルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセトアミド、1,4-
ジフェニルベンゼン、N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]-2-[ベンジル
アミノ]アセトアミド、2-アミノ-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]プ
ロパンアミド、2-アミノ-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセトアミ
ド、2-(シクロプロピルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]ア
セトアミド、2-(エチルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]ア
セトアミド、2-[(2-メチルプロピル)アミノ]-N-[4-(2-フェニルエチニ
ル)フェニル]アセトアミド、5-フェニル-2H-ベンゾ[d]1,3-ジオキソレン
、2-クロロ-1-メトキシ4-フェニルベンゼン、2-[(イミダゾリルメチル)アミ
ノ]-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセトアミド、4-フェニル-1
-フェノキシベンゼン、N-(2-アミノエチル)[4-(2-フェニルエチニル)フェ
ニル]カルボキサミド、2-{[(4-フルオロフェニル)メチル]アミノ}-N-[4
-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセトアミド、2-{[(4-メチルフェニル)
メチル]アミノ}-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセトアミド、4-
フェニル-1-(トリフルオロメチル)ベンゼン、1-ブチル-4-フェニルベンゼン、
2-(シクロヘキシルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]アセト
アミド、2-(エチルメチルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]
アセトアミド、2-(ブチルアミノ)-N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]
アセトアミド、N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]-2-(4-ピリジルア
ミノ)アセトアミド、N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]-2-(キヌクリ
ジン-3-イルアミノ)アセトアミド、N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]
ピロリジン-2-イルカルボキサミド、2-アミノ-3-メチル-N-[4-(2-フェ
ニルエチニル)フェニル]ブタンアミド、4-(4-フェニルブタ-1,3-ジイニル)
フェニルアミン、2-(ジメチルアミノ)-N-[4-(4-フェニルブタ-1,3-ジ
イニル)フェニル]アセトアミド、2-(エチルアミノ)-N-[4-(4-フェニルブ
タ-1,3-ジイニル)フェニル]アセトアミド、4-エチル-1-フェニルベンゼン、
1-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]エタン-1-オン、N-(1-カルバモ
イル-2-ヒドロキシプロピル)[4-(4-フェニルブタ-1,3-ジイニル)フェニ
ル]カルボキサミド、N-[4-(2-フェニルエチニル)フェニル]プロパンアミド、
4-メトキシフェニルフェニルケトン、フェニル-N-ベンズアミド、(tert-ブト
キシ)-N-[(4-フェニルフェニル)メチル]カルボキサミド、2-(3-フェニル
フェノキシ)エタンヒドロキサム酸、3-フェニルフェニルプロパノエート、1-(4-
エトキシフェニル)-4-メトキシベンゼン、及び、[4-(2-フェニルエチニル)フ
ェニル]ピロール。
【0090】
用語「ヘテロアリールアリール」は、アリール基のうちの1つがヘテロアリール基であ
るビアリール基を示す。例示的なヘテロアリールアリール基としては、例えば、2-フェ
ニルピリジン、フェニルピロール、3-(2-フェニルエチニル)ピリジン、フェニルピ
ラゾール、5-(2-フェニルエチニル)-1,3-ジヒドロピリミジン-2,4-ジオ
ン、4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール、2-(2-フェニルエチニル)ピラジ
ン、2-フェニルチオフェン、フェニルイミダゾール、3-(2-ピペラジニルフェニル
)フラン、3-(2,4-ジクロロフェニル)-4-メチルピロールなどを含む。置換さ
れていてもよいヘテロアリールアリール基としては、以下のものを含む:5-(2-フェ
ニルエチニル)ピリミジン-2-イルアミン、1-メトキシ-4-(2-チエニル)ベン
ゼン、1-メトキシ-3-(2-チエニル)ベンゼン、5-メチル-2-フェニルピリジ
ン、5-メチル-3-フェニルイソオキサゾール、2-[3-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]フラン、3-フルオロ-5-(2-フリル)-2-メトキシ-1-プロパ-2-
エニルベンゼン、(ヒドロキシイミノ)(5-フェニル(2-チエニル))メタン、5-
[(4-メチルピペラジニル)メチル]-2-フェニルチオフェン、2-(4-エチルフ
ェニル)チオフェン、4-メチルチオ-1-(2-チエニル)ベンゼン、2-(3-ニト
ロフェニル)チオフェン、(tert-ブトキシ)-N-[(5-フェニル(3-ピリジ
ル))メチル]カルボキサミド、ヒドロキシ-N-[(5-フェニル(3-ピリジル))
メチル]アミド、2-(フェニルメチルチオ(phenyhnethylthio))ピ
リジン、及び、ベンジルイミダゾール。
【0091】
用語「ヘテロアリール」は、アリール基が両方ともヘテロアリール基であるビアリール
基を示す。例示的なヘテロアリール基としては、例えば、3-ピリジルイミダゾール、2
-イミダゾリルピラジンなどを含む。置換されていてもよい好ましいヘテロアリール基と
しては、以下のものを含む:2-(4-ピペラジニル-3-ピリジル)フラン、ジエチル
(3-ピラジン-2-イル(4-ピリジル))アミン、及び、ジメチル{2-[2-(5
-メチルピラジン-2-イル)エチニル](4-ピリジル)}アミン。
【0092】
「置換されていてもよい(optionally substituted)」は、水
素を1以上の一価又は二価のラジカルで置き換えてもよいことを示す。置換されていても
よい基には、置換についての明確な定義が与えられている各基について、本明細書中に記
載されている基が包含される。さらに、適切な置換基としては、例えば、ヒドロキシル、
ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、チオ、チオアミド、アミジノ、イミジノ、オキ
ソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキ
シル、ホルミル、アルキル、置換されているアルキル、ハロ低級アルキル、低級アルコキ
シ、ハロ低級アルコキシ、低級アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アリールカル
ボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニ
ル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、ベンジル、ピリジル、ピラゾリル
、ピロール、チオフェン、イミダゾリルなどを含む。
【0093】
ヒドロキシル基、アミン基及びスルフヒドリル基に関しての用語「保護されている」は
、当業者には既知の保護基、例えば、「Protective Groups in O
rganic Synthesis, Greene,T.W.; Wuts,P.G.
M., John Wiley & Sons, New York, NY, (3r
d Edition, 1999)」に記載されている保護基(これは、前記文献に記載
されている方法を用いて付加又は除去することができる)によって、望ましくない反応か
ら保護されている前記官能性の形態を示す。保護されているヒドロキシル基の例としては
、限定するものではないが、以下のものを含む:例えば、ヒドロキシル基と試薬(例えば
、限定するものではないが、t-ブチルジメチル-クロロシラン、トリメチルクロロシラ
ン、トリイソプロピルクロロシラン、トリエチルクロロシラン)の反応によって得られる
シリルエーテル類;例えば、限定するものではないが、メトキシメチルエーテル、メチル
チオメチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、t-ブトキシメチルエーテル、2
-メトキシエトキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、1-エトキシエチ
ルエーテル、アリルエーテル、ベンジルエーテルのような置換されているメチル及びエチ
ルエーテル類;例えば、限定するものではないが、ベンゾイルギ酸エステル、ギ酸エステ
ル、酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル及びトリフルオロ酢酸エステルのようなエス
テル類である。
【0094】
保護されているアミン基の例としては、限定するものではないが、以下のものを含む:
アミド類、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、及び、ベ
ンズアミド;イミド類、例えば、フタルイミド及びジチオスクシンイミド。保護されてい
るスルフヒドリル基の例としては、限定するものではないが、以下のものを含む:チオエ
ーテル、例えば、S-ベンジルチオエーテル、及び、S-4-ピコリルチオエーテル;置
換されているS-メチル誘導体、例えば、ヘミチオアセタール、ジチオアセタール及びア
ミノチオアセタールなどである。
【0095】
「薬学的に許容される塩」には、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸又は塩基性アミ
ノ酸若しくは酸性アミノ酸との塩が包含される。無機塩基の塩として、本発明は、例えば
、以下のものを包含する:アルカリ金属、例えば、ナトリウム又はカリウム;アルカリ土
類金属、例えば、カルシウム及びマグネシウム又はアルミニウム;及び、アンモニア。有
機塩基の塩としては、本発明は、例えば、以下のものを包含する:トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリ
エタノールアミン。無機酸の塩としては、本発明は、例えば、以下のものを包含する:塩
酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及びリン酸。有機酸の塩としては、本発明は、例えば、以下
のものを包含する:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp
-トルエンスルホン酸。塩基性アミノの塩としては、本発明は、例えば、以下のものを包
含する:アルギニン、リジン及びオルニチン。酸性アミノ酸には、例えば、アスパラギン
酸及びグルタミン酸が包含される。
【0096】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加
水分解するエステルを示しており、そして、ヒト体内で容易に分解して親化合物又はその
塩を残すエステルを包含する。適切なエステル基としては、例えば、各アルキル部分又は
アルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有する薬学的に許容される脂肪族カルボ
ン酸(特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸)から誘導さ
れるエステル基を含む。
【0097】
特定のエステルの代表的な例としては、限定するものではないが、ギ酸エステル、酢酸
エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル及びエチルコハク
酸エステルを含む。
【0098】
用語「プロドラッグ」は、インビボで、例えば血中での加水分解によって、急速に変換
されて上記式で表される親化合物を生じる化合物を示している。詳細な考察は、「T.H
iguchi and V.Stella, Pro-drugs as Novel
Delivery Systems, Vol. 14 of the A. C. S
. Symposium Series」及び「Edward B.Roche, ed
., Bioreversible Carriers in Drug Design
, American Pharmaceutical Association an
d Pergamon Press, 1987」(これらは、両方とも参照により本明
細書に組み入れる)の中に記載されている。
【0099】
用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、適切な医
学的判断の範囲内で、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、過度
の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく合理的なベネフィット/リスク比に見
合っており、そして、それらの意図された用途に対して有効な、本発明化合物のプロドラ
ッグを示し、並びに、可能な場合には、本発明化合物の双性イオン形態を示す。
【0100】
用語「抗菌剤」は、実験室内で合成又は修飾され、殺菌活性又は静菌活性のいずれかを
有する薬剤を示す。
【0101】
本発明に関連して、「活性」剤は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia
haemolytica)、ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus som
ni)及び/又はパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocid
aa)の増殖を阻害する。
【0102】
用語「増殖を阻害する」は、特定の細菌の集団の数の増加速度を低減させることを示し
ている。かくして、この用語は、細菌集団は増加するが低減された速度で増加する状況、
及び、集団の増殖が停止される状況、及び、集団内の細菌の数が低減される状況又は集団
さえも排除された状況を包含する。阻害剤についてスクリーニングするために酵素活性ア
ッセイを使用する場合、酵素阻害を増殖阻害と相関させるために、化合物に対して、取り
込み/排出、溶解度、半減期などの変更を加えることができる。抗菌剤の活性は、必ずし
も細菌には限定されず、寄生虫、ウイルス及び真菌に対する活性も包含し得る。
【0103】
本発明は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica
)及び/又はヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)及び/又
はパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)による感染
症の治療において有用な化合物、該化合物を含む医薬製剤、並びに、マンヘミア・ヘモリ
チカ(Mannheimia haemolytica)及び/又はヒストフィルス・ソ
ムニ(Histophilus somni)に起因する感染症を治療する方法を提供す
る。
【0104】
本発明は、本発明による化合物及び/又はその実施形態[ここで、R1は、C(R11
R12R13)、C(=O)R11、-C(=NR14)R11からなる群から選択され
る]を提供する。適切には、R1はC(R11R12R13)である。適切には、R1は
C(=O)R11である。適切には、R1は-C(=NR14)R11である。
【0105】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(V)
【化5】
【0106】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11、R12、
R13は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義
される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0107】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(VI)
【化6】
【0108】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR11は、本明
細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0109】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(VII
)
【化7】
【0110】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR11、R14
は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される
〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0111】
適切には、R11は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択され、さらに適切
には、C1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0112】
本発明の別の適切な実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12は、H、C1
-6-アルキル及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-OR9、
-C(=O)OR9、-NR9R10、-SO2NR9R10、-SO2R8からなる群
から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0113】
本発明の別の適切な実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12は、H、C1
-6-アルキル及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-OR9、
-C(=O)OR9、-NR9R10、-SO2NR9R10、-SO2R8からなる群
から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0114】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2NR
9R10、-SO2R8からなる群から選択される置換基で置換されている。
【0115】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R12の置換
されているC1-6-アルキルは、-SCH3、-OH、-NH2、-SO2CH3から
なる群から選択される置換基で置換されている。
【0116】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、アリール、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8、ニトロ、
-C(=O)NR9R10及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、
-C(=O)NR9R10、-SO2NR9R10、-SO2R8、ニトロ、シアノ、-
OR9、-C(=O)OR9、-NR9C(=NR14)NR9R10からなる群から選
択される置換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0117】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、アリール、-SR8、-SO2R8、ニトロ、-C(=O)NR9R10及
びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、
-SO2NR9R10、-SO2R8、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9
、-NR9C(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されて
いる)からなる群から選択される。
【0118】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8、ニトロ、-C(=O
)NR9R10及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-C(=O
)NR9R10、-SO2NR9R10、-SO2R8、ニトロ、シアノ、-OR9、-
C(=O)OR9、-NR9C(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置
換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0119】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-SO2R8、ニトロ、-C(=O)NR9R10及びC1-6
-アルキル(ここで、該アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2N
R9R10、-SO2R8、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9
C(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されている)から
なる群から選択される。
【0120】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8及びC1-6-アルキ
ル(ここで、該アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8、-S
O2NR9R10、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9C(=N
R14)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されている)からなる群か
ら選択される。
【0121】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-SO2R8及びC1-6-アルキル(ここで、該アルキルは、
-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8、-SO2NR9R10、ニトロ、
シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9C(=NR14)NR9R10からな
る群から選択される置換基で置換されている)からなる群から選択される。
【0122】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8からなる群から選択さ
れる。
【0123】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、H、C1-6
-アルキル、-SR8、-SO2R8からなる群から選択される。
【0124】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、C1-6-ア
ルキル、-SR8、-OR9、-NR9R10、-SO2R8からなる群から選択される
。
【0125】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、C1-6-ア
ルキル、-SR8、-SO2R8からなる群から選択される。
【0126】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、-SR8、-
OR9、-NR9R10、-SO2R8からなる群から選択される。
【0127】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、-SR8、-
OR9、-SO2R8からなる群から選択される。
【0128】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、-SR8及び
-SO2R8からなる群から選択される。
【0129】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、-SR8及び
-SO2R8からなる群から選択され;そしてここで、R11及びR12は、メチルであ
る。
【0130】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13は、OH又はNH
2ではない。
【0131】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8
、-SO2NR9R10、ニトロ、シアノ、-OR9、-C(=O)OR9、-NR9C
(=NR14)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されている。
【0132】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-C(=O)NR9R10、-SO2R8
、-SO2NR9R10、ニトロ、-OR9、-C(=O)OR9からなる群から選択さ
れる置換基で置換されている。
【0133】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13の置換
されているC1-6-アルキルは、-SR8、-SO2NR9R10、SO2R8、-O
R9からなる群から選択される置換基で置換されている。
【0134】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13の置換
されているC1-6-アルキルは、-SCH3、-SO2CH3、-OHからなる群から
選択される置換基で置換されている。
【0135】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2は、R2が
結合しているN原子と一緒になって、3~6個の環原子を有する飽和又は不飽和のヘテロ
環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、0個、1個又は2個のさらなる環原子は、
N、S及びOから選択され、残りの環原子は、Cである]を形成する。
【0136】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、アジリジン、アジリン、アゼチジン、ジ
ヒドロアゼト、アゼト、ジアゼチジン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピラゾリジン
、イミダゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、オキサジアゾール
、チアジアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラ
ジン、トリアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジンからなる群から
選択されるヘテロ環を形成する。
【0137】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピラ
ゾリジン、イミダゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、ト
リアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、オキサジ
アゾール、チアジアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、トリアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジンからな
る群から選択されるヘテロ環を形成する。
【0138】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピラ
ゾリジン、イミダゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、ト
リアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペ
ラジン、ピリミジン、ピラジン、モルホリン、チオモルホリンからなる群から選択される
ヘテロ環を形成する。
【0139】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イミ
ダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリミジン
、モルホリンからなる群から選択されるヘテロ環を形成する。
【0140】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、ピロリジン、イミダゾリン、オキサゾー
ル、チアゾール、ピペリジン、ピリジン、モルホリンからなる群から選択されるヘテロ環
を形成する。
【0141】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R13とR2
は、R2が結合しているN原子と一緒になって、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イミ
ダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾ
ール、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピラジン、モルホリン、チオモ
ルホリンからなる群から選択されるヘテロ環を形成する。
【0142】
適切には、R13がOH又はNH2であり且つR12がメチルである場合、R11はH
であることはできない。
【0143】
適切には、R13がNH2であり且つR12がメチルである場合、R11はメチルであ
ることはできない。
【0144】
適切には、R13がOHであり且つR12がメチルである場合、R11はメチルである
ことはできない。
【0145】
適切には、R13がNH2であり且つR12がHである場合、R11はHであることは
できない。
【0146】
適切には、R13がOHであり且つR12がHである場合、R11はHであることはで
きない。
【0147】
適切には、R13がCH3であり且つR12がCH3である場合、R11はHであるこ
とはできない。
【0148】
適切には、本発明の特定の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R14は、H
、C1-6-アルキル、-OR9からなる群から選択される。適切には、本発明の特定の
実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R14は、H、C1-6-アルキル、-O
Hからなる群から選択される。
【0149】
場合により、本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、独
立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3
-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-アル
キルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘ
テロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されている
C1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であり
;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアル
キル、C1-6-アルキルオキシ、-NR9R10、カルボニル、-C(=O)-OR9
、ハロゲン原子、ハロで置換されているC1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ
-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、
-C(=O)NR9R10、ヒドロキシで置換されているC1-6-アルキルからなる群
から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、
R8は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0150】
場合により、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、
独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されてい
るC1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であ
り;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアル
キル、-NR9R10、カルボニル、ハロゲン、ハロで置換されているC1-6-アルキ
ル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シア
ノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9
R10、ヒドロキシで置換されているC1-6-アルキルからなる群から選択される置換
基で置換されていてもよく
;
ここで、
R8は、H、C1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0151】
場合により、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、
独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されてい
るC1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であ
り;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、-NR9R10、カル
ボニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R1
0、-C(=O)NR9R10からなる群から選択される置換基で置換されていてもよく
;
ここで、
R8は、H、C1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0152】
場合により、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、
独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されてい
るC1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であ
り;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、カルボニル、ハロゲン
、アミノ、シアノ、ヒドロキシルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよ
い。
【0153】
場合により、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、
独立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C
3-10-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール
で置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-
アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから選択されるか、又
は、NR6R7は、NO2であり;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができる。
【0154】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、独
立して、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3
-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6-アル
キルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘ
テロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されている
C1-C6-アルキルからなる群から選択されるか、又は、NR6R7は、NO2であり
;又は、
R6、R7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、3~12個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、
0個、1個、2個又は3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成す
ることができ;
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、又は、R6、R7がそれらが結合しているN原
子と一緒になって形成するヘテロ環式環は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアル
キル、C1-6-アルキルオキシ、-NR9R10、カルボニル、-C(=O)-OR9
、ハロゲン原子、ハロで置換されているC1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ
-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されているC1-C
6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、
-C(=O)NR9R10、ヒドロキシで置換されているC1-6-アルキルからなる群
から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、
R8は、H、C1-6-アルキルからなる群から選択され;
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0155】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、3~10個の環原子を有する飽和又は不飽和の
ヘテロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、0個、1個、2個又は
3個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成することができる。
【0156】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、3~8個の環原子を有する飽和又は不飽和のヘ
テロ環式環[ここで、1個の環原子はNであり、及び、ここで、0個、1個、2個又は3
個のさらなる環原子は、N、S及びOから選択される]を形成することができる。
【0157】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、アゼチジニル、アゼチル、ジアゼチジニル、ピ
ロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル
、イミダゾリニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾ
リル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、オキソアジアゾリル、チアジア
ゾリル、オキサゾリドニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、
ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、モルホリニル、オキサジニル、チオモルホリ
ニル、チアジニル、チオモルホリニルジオキシド、インドリル、インドリニル、イソイン
ドリル、ベンゾイミダゾリル、アザインドリル、アゼパニル、テトラヒドロイソキノリニ
ル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、キノ
ロニル、イソキノリニルからなる群から選択される飽和又は不飽和のヘテロ環式環を形成
することができる。
【0158】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピラゾ
リジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピラゾリル、イミダゾリ
ル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、
チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリドニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピペラジ
ニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、モルホリニル、チオモ
ルホリニル、チアジニル、チオモルホリニルジオキシド、インドリル、インドリニル、ベ
ンゾイミダゾリル、アゼパニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル
、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、キノロニル、イソキノリニルから
なる群から選択される飽和又は不飽和のヘテロ環式環を形成することができる。
【0159】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダ
ゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル
、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピペラ
ジニル、ピリミジニル、ピラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニ
ルジオキシド、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、アゼパニル、テトラヒドロイソキノ
リニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、
キノロニル、イソキノリニルからなる群から選択される飽和又は不飽和のヘテロ環式環を
形成することができる。
【0160】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダ
ゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル
、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピペラ
ジニル、ピリミジニル、ピラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニ
ルジオキシド、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、アゼパニル、テトラヒドロイソキノ
リニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、
キノロニル、イソキノリニルからなる群から選択される飽和又は不飽和のヘテロ環式環を
形成することができる。
【0161】
本発明のさらに別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6、R7は、それ
らが結合しているN原子と一緒になって、モルホリニル、チオモルホリニルジオキシド、
ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピロリジニル、アゼパニル
、ピロリニルからなる群から選択される飽和又は不飽和のヘテロ環式環を形成することが
できる。
【0162】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、-NR
6R
7は、
【化8】
からなる群から選択される。
【0163】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、-NR6R7は、
(a-1)、(a-3)、(a-5)、(a-9)、(a-20)、(a-21)、(a
-22)、(a-23)、(a-24)、(a-25)、(a-26)、(a-27)、
(a-28)、(a-29)、(a-30)、(a-31)、(a-33)、(a-34
)、(a-35)、(a-36)、(a-42)、(a-43)、(a-46)、(a-
55)、(a-64)、(a-65)、(a-82)、(a-83)、(a-84)、(
a-98)、(a-99)、(a-100)、(a-101)、(a-102)、(a-
103)、(a-104)、(a-105)、(a-106)、(a-107)、(a-
108)、(a-109)、(a-110)、(a-111)、(a-112)、(a-
113)、(a-114)、(a-115)、(a-116)、(a-117)、(a-
118)、(a-119)、(a-120)、(a-121)、(a-122)、(a-
123)、(a-124)、(a-125)、(a126)、(a-127)、(a-1
28)、(a-129)、(a-130)及び(a-131)からなる群から選択される
。
【0164】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、-NR6R7は、
(a-1)、(a-3)、(a-5)、(a-9)、(a-20)、(a-34)、(a
-35)、(a-36)、(a-42)、(a-46)、(a-55)、(a-64)、
(a-65)、(a-98)、(a-99)、(a-100)、(a-103)、(a-
104)、(a-105)、(a-106)、(a-107)、(a-108)、(a-
120)、(a-121)、(a-125)、(a126)及び(a-128)からなる
群から選択される。
【0165】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、-NR6R7は、
(a-1)、(a-3)、(a-5)、(a-9)、(a-20)、(a-34)、(a
-35)、(a-36)、(a-42)、(a-46)、(a-55)、(a-64)及
び(a-65)からなる群から選択される。
【0166】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、NR6R7は、(
a-1)、(a-3)、(a-5)、(a-20)、(a-34)、(a-35)、(a
-36)、(a-46)、(a-55)及び(a-65)からなる群から選択される。
【0167】
適切には、本発明の一実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R6がHである場
合、R7はHではない。
【0168】
実施形態では、Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキ
ニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-(
NRL3)0-1-(CH2)0-4-NRL3-(CH2)0-4-、-(NRL3)
0-1-(CRL1RL2)0-4-NRL3-(CRL1RL2)-、-(CRL1R
L2)0-4-O-(CRL1RL2)-、-(CH2)0-4-NRL3-(CRL1
RL2)-C(=O)NH-(CH2)0-4-、-C(=O)-(CRL1RL2)-
NRL3C(=O)-、-C(=O)NRL3-、-NRL3C(=O)-、-NRL3
-、-SO2NRL3-、NRL3-C(=O)-NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL1、RL2、RL3は、独立して、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから
なる群から選択され;又は、
RL1、RL3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができる。
【0169】
実施形態では、Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキ
ニル、C3-10-シクロアルキル、-(NRL3)0-1-(CH2)0-4-NRL
3-(CH2)0-4-、-(NRL3)0-1-(CRL1RL2)0-4-NRL3
-(CRL1RL2)-、-(CRL1RL2)0-4-O-(CRL1RL2)-、-
(CH2)0-4-NRL3-(CRL1RL2)-C(=O)NH-(CH2)0-4
-、-C(=O)-(CRL1RL2)-NRL3C(=O)-、-C(=O)NRL3
-、-NRL3C(=O)-、-NRL3-、-SO2NRL3-、NRL3-C(=O
)-NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL1、RL2、RL3は、独立して、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから
なる群から選択され;又は
RL1、RL3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができる。
【0170】
実施形態では、Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキ
ニル、C3-10-シクロアルキル、-(NRL3)0-1-(CH2)0-4-NRL
3-(CH2)0-4-、-(NRL3)0-1-(CRL1RL2)0-4-NRL3
-(CRL1RL2)-、-(CRL1RL2)0-4-O-(CRL1RL2)-、-
NRL3-、-SO2NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL1、RL2、RL3は、独立して、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-ア
ルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルから
なる群から選択され;又は
RL1、RL3は、それらが結合している原子と一緒になって、3~8個の環原子を有
する飽和又は不飽和のヘテロ環式環[ここで、1個、2個又は3個の環原子は、N、S及
びOから選択される]を形成することができる。
【0171】
実施形態では、Lは、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキ
ニル、C3-10-シクロアルキル、-NRL3-からなる群から選択され;
ここで、
RL3は、H、C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキル、アリールで置換され
ているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC1-C6-アルキル、
ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群から選択される。
【0172】
適切には、Lは、C1-6-アルキル又はC2-6-アルケニルからなる群から選択さ
れる。
【0173】
適切には、Lは、C1-6-アルキルである。適切には、Lは、-CH2-、-CH2
CH2-、-CH2CH2CH2-又は-CH2CH2CH2CH2-である。適切には
、Lは、-CH2-、-CH2CH2-又は-CH2CH2CH2-である。適切には、
Lは、-CH2-又は-CH2CH2-である。
【0174】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(VII
I)
【化9】
【0175】
〔式中、M、G、Y、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0176】
一部の実施形態では、Mは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル
、ヘテロアリール、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、-C(RM1)=C(R
M1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRM2RM3、
カルボニル、-C(=O)-ORM2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRM2、-SO2RM4、-OS
O2RM4、-SO2NRM2RM3、-C(=O)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RM1は、H、C1-6-アルキル、ハロ、ヒドロキシル及びアミノからなる群
から選択され;
ここで、RM2、RM3は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RM4は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択される。
【0177】
一部の実施形態では、Mは、C3-10-シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル
、ヘテロアリール、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、-C(RM1)=C(R
M1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0178】
適切には、Mは、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、-C(RM1)=C(
RM1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0179】
適切には、Mは、アリール、ヘテロアリール、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C
-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0180】
適切には、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0181】
適切には、Mは、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、
フラニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラニル、チオピラニ
ル、オキサジニル、チアジニル、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-C(RM
1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0182】
適切には、Mは、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、
フラニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、-C(RM1)=C(
RM1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-からなる群から選択される。
【0183】
適切には、Mは、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、
フラニル、-C(RM1)=C(RM1)-C≡C-、-C(RM1)=C(RM1)-
からなる群から選択される。
【0184】
適切には、Mは、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、
フラニル、-C(H)=C(H)-C≡C-、-C(H)=C(H)-からなる群から選
択される。
【0185】
適切には、Mのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRM2RM3、カルボニル、-C(=
O)-ORM2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-
6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、
-SRM2、-SO2RM4、-OSO2RM4、-SO2NRM2RM3、-C(=O
)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基
で置換されていてもよい。
【0186】
適切には、Mのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRM2RM3、カルボニル、-C(=
O)-ORM2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-
6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、
-SRM2、-SO2RM4、-OSO2RM4、-SO2NRM2RM3、-C(=O
)NRM2RM3-、ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基
で置換されていてもよい。
【0187】
適切には、Mのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、ハロ、アミノ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキ
シ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒ
ドロキシ、-SRM2、-SO2RM4、-OSO2RM4、-SO2NRM2RM3、
ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよ
い。
【0188】
適切には、Mのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル
からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0189】
適切には、RM1は、H、C1-6-アルキル、ハロ、ヒドロキシル及びアミノからな
る群から選択される。適切には、RM1は、H、C1-6-アルキル及びハロからなる群
から選択される。適切には、RM1は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れる。
【0190】
適切には、RM2、RM3は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選
択される。
【0191】
適切には、RM4は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択される。
適切には、RM4は、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0192】
【0193】
からなる群から選択される。
【0194】
Mの特に適している基は、(m-1)、(m-3)、(m-5)、(m-8)、(m-
14)、(m-15)、(m-16)、(m-17)からなる群から選択される。
【0195】
Mの特に適している基は、(m-1)、(m-8)、(m-16)からなる群から選択
される。
【0196】
本発明の別の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Gは、-(C(RG2RG
3)0-4-O-(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-S-
(C(RG2RG3)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-(C(RG
2RG3)0-4-、-C(=O)-、-NRG1C(=O)-、-C(=O)NRG1
-、-(C(RG2RG3)0-4-NRG1-C(RG2RG3)-C(=O)NRG
1-、-CRG2=CRG2-、-CRG2=CRG2-CRG2=CRG2-、-C≡
C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2-C≡C-、-C≡C-CRG2=C
RG2、-C(=O)-C≡C-、-C≡C-C(=O)- -SO2-、-S(=O)
-、-S(=O)C(RG2RG3)-、-C(RG2RG3)S(=O)-、-C(R
G2RG3)-SO2-、-SO2C(RG2RG3)-からなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択される。
【0197】
適切な実施形態では、Gは、-(C(RG2RG3)0-4-O-(C(RG2RG3
)0-4-、-(C(RG2RG3)0-4-S-(C(RG2RG3)0-4-、-(
C(RG2RG3)0-4-NRG1-(C(RG2RG3)0-4-、-C(=O)-
、-NRG1C(=O)-、-C(=O)NRG1-、-(C(RG2RG3)0-4-
NRG1-C(RG2RG3)-C(=O)NRG1-、-CRG2=CRG2-、-C
≡C-、-C≡C-C≡C-、-C≡C-C(=O)- -SO2-、-S(=O)-、
-S(=O)C(RG2RG3)-、-C(RG2RG3)S(=O)-、-C(RG2
RG3)-SO2-、-SO2C(RG2RG3)-からなる群から選択され;
ここで、
RG1は、H又はC1-6-アルキルであり;
各RG2、RG3は、独立して、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群
から選択される。
【0198】
適切には、Gは、CRG2=CRG2-、-CRG2=CRG2-CRG2=CRG2
-、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2-C≡C-、-C≡C-C
RG2=CRG2、-C(=O)-C≡C-、-C≡C-C(=O)-からなる群から選
択され、ここで、RG2は、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選
択される。
【0199】
適切な実施形態では、Gは、-C≡C-、-C≡C-C≡C-、-CRG2=CRG2
-C≡C-、-C≡C-CRG2=CRG2からなる群から選択され、ここで、RG2は
、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0200】
適切な別の実施形態では、Gは、CRG2=CRG2-、-C≡C-、-C≡C-C≡
C-、-C≡C-C(=O)-からなる群から選択され;
ここで、
RG2は、H、ハロゲン原子又はC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0201】
適切な別の実施形態では、Gは、-C≡C-、-C≡C-C≡C-からなる群から選択
される。
【0202】
適切な別の実施形態では、Gは、-C≡C-である。
【0203】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(II)
【化11】
【0204】
〔式中、L、M、Y、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0205】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(IX)
【化12】
【0206】
〔式中、M、Y、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0207】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(X)
【化13】
【0208】
〔式中、L、M、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0209】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XI)
【化14】
【0210】
〔式中、M、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0211】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XII
)
【化15】
【0212】
〔式中、L、M、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0213】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XII
I)
【化16】
【0214】
〔式中、L、M、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0215】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XIV
)
【化17】
【0216】
〔式中、M、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0217】
本発明の実施形態及びその複数の実施形態では、Yは、C3-10-シクロアルキル、
アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールからなる群から選択され;
ここで、各シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRY1RY2、
カルボニル、-C(=O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-ア
ルキルオキシ-C1-6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールで置換されて
いるC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SRY2、-SO2RY3、-OS
O2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O)NRY1RY2-、ヒドロキシ-C
1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
ここで、RY1、RY2は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RY3は、H、C1-6-アルキル及びアミノからなる群から選択される。
【0218】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、Yは、アリール又はヘテロアリ
ールから選択される。
【0219】
適切には、Yは、アリールである。適切には、Yは、フェニルである。適切には、Yハ
、パラ-フェニルである。
【0220】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRY1RY2、カルボニル、-C(=
O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-
6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、
-SRY2、-SO2RY3、-OSO2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O
)NRY1RY2-、ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基
で置換されていてもよい。
【0221】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ、NRY1RY2、カルボニル、-C(=
O)-ORY1、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-
6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、
-SRY2、-SO2RY3、-OSO2RY3、-SO2NRY1RY2、-C(=O
)NRY1RY2-、ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基
で置換されていてもよい。
【0222】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、NRY1RY2、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アル
キルオキシ-C1-6-アルキル、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、シ
アノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C1-6-アルキルからなる群から選択される置換基で
置換されていてもよい。
【0223】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、C
1-6-アルキル、ハロ、ハロ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル
からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0224】
適切には、Yのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、置
換されていない。
【0225】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XV)
【化18】
【0226】
〔式中、L、M、G、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0227】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XVI
)
【化19】
【0228】
〔式中、M、G、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0229】
本発明の実施形態及びその複数の実施形態では、Xは、-C(=O)-、-C1-6-
アルキル-C(=O)-、-C2-6-アルケニル-C(=O)-、-C2-6-アルキ
ニル-C(=O)-及び-(C(RX1)2-、-S(=O)-、-SO2-からなる群
から選択され;
ここで、
RX1、RX2は、H、ハロゲン原子、置換されているC1-6-アルキル又は置換さ
れていないC1-6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、該置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C1-6-アルキル、カルボニ
ル、-SRX3、-SO2RX5、-C(=O)NRX3RX4、シアノ、-NRX3R
X4、-C(=O)-ORX3、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、C3-8-シク
ロアルキルからなる群から選択されることができ;
ここで、RX3、RX4は、独立して、H又はC1-6-アルキルからなる群から選択さ
れ;
ここで、RX5は、H、C1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される。
【0230】
適切には、Xは、-C(=O)-、-C1-6-アルキル-C(=O)-、S(=O)
-、-SO2-からなる群から選択される。適切には、Xは、-C(=O)-及びS(=
O)-から選択される。
【0231】
適切には、RX1、RX2は、独立して、H、ハロゲン原子、置換されているC1-6
-アルキル又は置換されていないC1-6-アルキルからなる群から選択され;
ここで、該置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、カルボニル、-SRX3、-SO2RX5、-C(=O)NRX3RX
4、シアノ、-NRX3RX4、-C(=O)-ORX3からなる群から選択されること
ができる。
【0232】
適切には、Xの置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒド
ロキシル、カルボニル、-SRX3、-SO2RX5、-C(=O)NRX3RX4、-
NRX3RX4からなる群から選択される。
【0233】
適切には、Xの置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン又はア
ミノからなる群から選択される。
【0234】
適切には、RX1、RX2は、独立して、H、ハロゲン原子又は置換されていないC1
-6-アルキルからなる群から選択される。
【0235】
適切には、RX3、RX4は、独立して、H又はC1-6-アルキルからなる群から選
択される。
【0236】
適切には、RX5は、H、C1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される。
【0237】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(IV)
【化20】
【0238】
〔式中、L、M、G、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中
に記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0239】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XVI
I)
【化21】
【0240】
〔式中、M、G、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0241】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XVI
II)
【化22】
【0242】
〔式中、L、M、G、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記
載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0243】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XIX
)
【化23】
【0244】
〔式中、M、G、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0245】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XX)
【化24】
【0246】
〔式中、M、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0247】
本発明の適切な実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R5は、H及びC1-6
-アルキルからなる群から選択される。適切には、R5は、Hである。
【0248】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXI
I)
【化25】
【0249】
〔式中、L、M、G、Y、X、R1、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に
記載されている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0250】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R2、R3は、独立して、H、
置換されているC1-6-アルキル又は置換されていないC1-6-アルキルからなる群
から選択され;
ここで、該置換されているC1-6-アルキルにおける置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C1-6-アルキル、カルボニ
ル、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9R10、シア
ノ、-NR9R10、-C(=O)-OR9、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、C
3-8-シクロアルキルからなる群から選択されることができる。
【0251】
適切には、R2、R3は、独立して、H、置換されているC1-6-アルキル又は置換
されていないC1-6-アルキルからなる群から選択される。適切には、R2及びR3は
、Hである。
【0252】
一部の実施形態では、R2及び/又はR3の置換されているC1-6-アルキルにおけ
る置換基は、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、チオール、C1-
6-アルキル、カルボニル、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=
O)NR9R10、シアノ、-NR9R10、-C(=O)-OR9、アリール、ヘテロ
アリール、ヘテロ環、C3-8-シクロアルキルからなる群から選択されることができる
。
【0253】
一部の実施形態では、R2及び/又はR3の置換されているC1-6-アルキルにおけ
る置換基は、ヒドロキシル、C1-6-アルキル、カルボニル、-SR8、-SO2NR
9R10、-SO2R8、-C(=O)NR9R10、シアノ、-NR9R10、-C(
=O)-OR9からなる群から選択されることができる。
【0254】
R8は、H、C1-6-アルキル及びアミンからなる群から選択される。
【0255】
R9、R10は、独立して、H及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0256】
一部の実施形態では、R2及び/又はR3の置換されているC1-6-アルキルにおけ
る置換基は、ヒドロキシル、C1-6-アルキル、-NR9R10からなる群から選択さ
れることができる。
【0257】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXI
)
【化26】
【0258】
〔式中、L、M、G、Y、X、R1、R2、R5、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0259】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、C1-6-アルキ
ル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、-O
R8、C(=O)OR8、C(=O)R8、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール
、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換されているC
1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキルからなる群
から選択され;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシク
リル、ヘテロアリールは、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-
アルキルオキシ、NR9R10、カルボニル、ニトロ、C(=O)OR9、ハロゲン、ハ
ロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、シアノ、ヒ
ドロキシ、-SR8、-SO2R8、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9R10
からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0260】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、C1-6-アルキ
ル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、-OR9、C(=O)OR9、C(
=O)R9、アリールで置換されているC1-C6-アルキル、ヘテロアリールで置換さ
れているC1-C6-アルキル、ヘテロシクリルで置換されているC1-C6-アルキル
からなる群から選択される。
【0261】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、C1-6-アルキ
ル、-OR9、C(=O)OR9、C(=O)R9からなる群から選択される。
【0262】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4は、H、-OR9からなる
群から選択される。適切には、R4は、-OR9であり、さらに適切には、R9は、OH
である。
【0263】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4のアルキル、アルケニル、
アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルキルオキシ、NR9R10、カ
ルボニル、ニトロ、C(=O)OR9、ハロゲン、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6
-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、シアノ、ヒドロキシ、-SR8、-SO2R8
、-SO2NR9R10、-C(=O)NR9R10からなる群から選択される置換基で
置換されていてもよい。
【0264】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4のアルキル、アルケニル、
アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、C3-8-シクロアルキル、NR9R10、カルボニル、ニトロ、ハロゲン
、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルオキシ-C1-6-アルキル、シアノ
、ヒドロキシからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0265】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4のアルキル、アルケニル、
アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、NR9R10、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシからなる群から選択される置
換基で置換されていてもよい。
【0266】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R4のアルキル、アルケニル、
アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールは、C1-6
-アルキル、NR9R10、ハロゲンからなる群から選択される置換基で置換されていて
もよい。
【0267】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R8は、H、C1-6-アルキ
ル及びアミンからなる群から選択される。適切には、R8は、H又はC1-6-アルキル
である。
【0268】
本発明の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、R9、R10は、独立して、H
及びC1-6-アルキルからなる群から選択される。
【0269】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXI
II)
【化27】
【0270】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0271】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXI
V)
【化28】
【0272】
〔式中、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0273】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXV
)
【化29】
【0274】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0275】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXV
I)
【化30】
【0276】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0277】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXV
II)
【化31】
【0278】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0279】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXV
III)
【化32】
【0280】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0281】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXI
X)
【化33】
【0282】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0283】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
)
【化34】
【0284】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0285】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
I)
【化35】
【0286】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0287】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
II)
【化36】
【0288】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0289】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
III)
【化37】
【0290】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0291】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
IV)
【化38】
【0292】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0293】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
V)
【化39】
【0294】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0295】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
VI)
【化40】
【0296】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0297】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
VII)
【化41】
【0298】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0299】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
VIII)
【化42】
【0300】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0301】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XXX
IX)
【化43】
【0302】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0303】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XL)
【化44】
【0304】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0305】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLI
)
【化45】
【0306】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0307】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLI
I)
【化46】
【0308】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0309】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLI
II)
【化47】
【0310】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0311】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLI
V)
【化48】
【0312】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0313】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLV
)
【化49】
【0314】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0315】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLV
I)
【化50】
【0316】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0317】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLV
II)
【化51】
【0318】
〔式中、L、M、G、Y、X、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載さ
れている実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0319】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLV
III)
【化52】
【0320】
〔式中、L、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されて
いる実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0321】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(XLI
X)
【化53】
【0322】
〔式中、M、G、Y、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書中に記載されている
実施形態のいずれかで定義されているように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0323】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(L)
【化54】
【0324】
〔式中、R6及びR7は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されて
いるように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0325】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(LI)
【化55】
【0326】
〔式中、R6及びR7は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されて
いるように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0327】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(LII
)
【化56】
【0328】
〔式中、R6及びR7は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されて
いるように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0329】
本発明の一部の実施形態及び/又はその複数の実施形態では、該化合物は、式(LII
I)
【化57】
【0330】
〔式中、R6及びR7は、本明細書中に記載されている実施形態のいずれかで定義されて
いるように定義される〕
で表される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物若し
くはプロドラッグである。
【0331】
本発明は、さらに、細菌による感染症を患っている動物を治療する方法も対象とし、こ
こで、該方法は、そのような治療を必要とする対象動物に、有効量の本発明の化合物及び
/又はその実施形態を薬学的に許容される担体と一緒に投与することを含み、ここで、該
細菌は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)及
びヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)の群から選択される
細菌のうちの少なくとも1である。適切には、該対象動物は、哺乳動物であり、一部の実
施形態では、反芻動物又はブタである。
【0332】
さらに、本発明は、対象動物における細菌による感染症の治療において使用するための
、薬学的に許容される担体を加えた本発明の化合物及び/又はその実施形態も対象とし、
ここで、該細菌は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolyt
ica)及びヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)の群から
選択される細菌のうちの少なくとも1である。適切には、該対象動物は、哺乳動物であり
、一部の実施形態では、反芻動物又はブタである。
【0333】
本発明は、さらに、有効量の本発明の化合物及び/又はその実施形態を、薬学的に許容
される担体と一緒に含む医薬組成物も提供する。
【0334】
適切には、本発明の化合物及び/又はその実施形態は、治療対象の症状に対する特定の
有用性に関して選択される別の治療薬と同時に投与される。
【0335】
用語「治療する(treating)」は、本明細書中で使用される場合、そのような
用語が適用される障害若しくは症状の進行を逆転すること、軽減させること、阻害するこ
と、又は、そのような用語が適用される障害若しくは症状を予防すること、又は、そのよ
うな障害若しくは症状の1以上の症状の進行を逆転すること、軽減させること、阻害する
こと、又は、そのような障害若しくは症状の1以上の症状を予防することを示す。用語「
治療(treatment)」は、本明細書中で使用される場合、治療する行為を示し、
ここで、「治療する(treating)」は、直前に定義されている。
【0336】
本発明の化合物及び/又はその実施形態は、ウシ呼吸器疾患及び/又はブタ呼吸器疾患
の治療においても使用することができる。
【0337】
医薬組成物
本発明の医薬組成物及び/又はその実施形態は、1以上の薬学的に許容される担体と一
緒に製剤された治療有効量の本発明の化合物及び/又はその実施形態を含む。
【0338】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、無毒性で不活性の
固体、半固体又は液体の増量剤、希釈剤、カプセル化材料又は任意の種類の製剤助剤を意
味する。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例は、以下のもので
ある:糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン類、例えば、ト
ウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;トラガカン
ト粉;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐剤ワックスのような賦形剤;油類、
例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油
及びダイズ油;グリコール類、例えば、プロピレングリコール;エステル類、例えば、オ
レイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び
水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンガー溶
液、エチルアルコール、及び、リン酸緩衝液。並びに、別の無毒性適合性滑沢剤、例えば
、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、並びに、着色剤、離型剤、コ
ーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び酸化防止剤も、製剤者の判断に従
って、当該組成物に中に存在させることができる。本発明の医薬組成物及び/又はその実
施形態は、動物に対して、経口的に、直腸的に、非経口的に、大槽内に、膣内に、腹腔内
に、局所的に(粉末、軟膏又は滴剤として)、口腔内に投与することができるか、又は、
経口スプレー若しくは経鼻スプレーとして投与することができるか、又は、吸入用の液体
エアロゾル若しくは乾燥粉末製剤として投与することができる。
【0339】
用語「薬学的に許容される塩」には、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸又は塩基性
アミノ酸若しくは酸性アミノ酸との塩が包含される。
【0340】
(薬学的に許容される)塩を製造するための多くの場合に適切な無機酸の例としては、
塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸及びリン酸を含む。(薬学的に許容
される)塩を製造するための多くの場合に適切な有機酸の例には、概して、例えば、脂肪
族酸、脂環式酸、芳香族酸、芳香脂肪族(araliphatic)酸、ヘテロ環式酸、
カルボン酸及びスルホン酸のクラスの有機酸が包含される。多くの場合に適切な有機酸の
特定の例としては、コール酸、ソルビン酸、ラウリン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸
、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、ジグルコン酸、乳酸、リンゴ酸
、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン
酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アリールカルボン酸(例えば、安息香酸)、アント
ラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢
酸、マンデル酸、エンボ酸(パモ酸)、アルキルスルホン酸(例えば、エタンスルホン酸
)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸)、パントテン酸、2-ヒドロキ
シエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、β-ヒドロキ
シ酪酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、アジピン酸、アルギン酸、酪酸、ショウノウ酸
、ショウノウスルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシル硫酸、グリコヘプタン
(glycoheptanoic)酸、グリセロリン(glycerophosphic
)酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン(2-napht
halesulfonic)酸、シュウ酸、パルモ(palmoic)酸、ペクチン酸、
3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、チオシアン酸、トシル酸、ウンデカ
ン酸を含む。一部のそのような実施形態では、例えば、該塩は、トリフルオロ酢酸塩、メ
シル酸塩又はトシル酸塩を含む。別の実施形態では、該塩は塩酸塩を含む。一般に、塩基
付加塩は、遊離酸化合物をほぼ化学量論的な量の無機塩基又は有機塩基と反応させること
によって調製することができる。塩基付加塩の例としては、例えば、金属塩類及び有機塩
類を含む。金属塩類としては、例えば、アルカリ金属(Ia族)塩、アルカリ土類金属(
IIa族)塩及び別の生理学的に許容される金属塩を含む。そのような塩は、アルミニウ
ム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から製造する
ことができる。例えば、遊離酸化合物を水酸化ナトリウムと混合させて、そのような塩基
付加塩を形成させることができる。有機塩は、アミン類、例えば、トリメチルアミン、ジ
エチルアミン、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)
及びプロカインから製造することができる。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化C1-C6
-アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化
物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジ
アミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルの
塩化物、臭化物及びヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジル
及び臭化フェネチル)などの薬剤を用いて四級化させることができる。
【0341】
塩基性アミノ酸の塩として、本発明は、例えば、アルギニン、リジン及びオルニチンを
包含する。酸性アミノ酸には、例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸を包含する。
【0342】
用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加水分解するエステルを示し、そ
して、ヒト体内で容易に分解して親化合物又はその塩を残すエステルを包含する。適切な
エステル基としては、例えば、各アルキル部分又はアルケニル部分が有利には6個以下の
炭素原子を有している薬学的に許容される脂肪族カルボン酸(特に、アルカン酸、アルケ
ン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸)から誘導されるエステル基を含む。特定のエ
ステルの代表的な例としては、限定するものではないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、
プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル及びエチルコハク酸エステル
を含む。
【0343】
用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、適切な医
学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなくヒト及び下
等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比に見
合っており、そして、それらの意図された用途に対して有効な、本発明化合物のプロドラ
ッグ、並びに、可能な場合には、本発明化合物の双性イオン形態を示す。用語「プロドラ
ッグ」は、例えば、血中での加水分解によって、インビボで急速に変換されて上記式で表
される親化合物を生じる化合物を示している。詳細な考察は、「T.Higuchi a
nd V.Stella, Pro-drugs as Novel Delivery
Systems, Vol.14 of the A.C.S. Symposium
Series」及び「Edward B. Roche, ed., Bioreve
rsible Carriers in Drug Design, American
Pharmaceutical Association and Pergamon
Press, 1987」(これらは、両方とも、参照により本明細書に組み入れる)
の中に記載されている。
【0344】
用語「抗菌剤」は、実験室内で合成又は修飾された、殺菌活性又は静菌活性のいずれか
を有する薬剤を示す。本発明に関連して、「活性」薬剤は、緑膿菌(P.aerugin
osa)及び別のグラム陰性細菌の増殖を阻害する。用語「増殖を阻害する」は、特定の
細菌の集団の数の増加速度を低減させることを示す。かくして、この用語は、細菌集団は
増加するが低減された速度で増加する状況、及び、集団の増殖が停止される状況、及び、
集団内の細菌の数が低減される状況又は集団さえも排除された状況を包含する。阻害剤に
ついてスクリーニングするために酵素活性アッセイを使用する場合、酵素阻害を増殖阻害
と相関させるために、化合物に対して、取り込み/排出、溶解度、半減期などの変更を加
えることができる。抗菌剤の活性は、必ずしも細菌には限定されず、寄生虫、ウイルス及
び真菌に対する活性も包含し得る。
【0345】
経口投与用の液体投与形態には、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルシ
ョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが包含される。該液体投与形態は、活性化
合物に加えて、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は別の溶媒
、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチ
ル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,
3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ピーナッツ油、
トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒド
ロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及び、ソルビタンの脂肪酸エステル
、及び、それらの混合物を含むことができる。不活性希釈剤の他に、該経口組成物は、湿
潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤のような補助剤も含み得る。
【0346】
注射用調製物、例えば、水性又は油性の無菌注射用懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤
及び懸濁化剤を使用して既知の技術に従って製剤することができる。無菌注射用調製物は
、無毒性で非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液、無菌注射用懸濁液
又は無菌注射用エマルション(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として)であっ
てもよい。使用可能な許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル溶液U.S.
P.及び等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油も、溶媒又は懸濁化
媒体として慣習的に使用される。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリ
ドを包含する任意の無刺激性不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸の
ような脂肪酸も、注射剤の調製において使用される。
【0347】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、又は、無菌水又は別
の無菌注射用媒体に溶解又は分散させることが可能な無菌固体組成物の形態にある滅菌剤
を使用前に混和させることによって滅菌することができる。
【0348】
薬物の効果を延長させるために、皮下注射又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くさせ
ることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶質又は非晶質の材料の懸濁液を使
用して達成することができる。その場合、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、そし
て、その溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与され
た薬物形態の遅延吸収は、該薬物を油性ビヒクルに溶解又は懸濁させることによって達成
され得る。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドのような生分解性ポリマ
ーの中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成させることによって製造される。薬
物とポリマーの比率及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御
することができる。別の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポ
リ(無水物)を含む。デポー注射用製剤は、さらに、体組織と適合性を有するリポソーム
又はマイクロエマルション中に薬物を封入することによって調製することもできる。
【0349】
直腸内投与又は膣内投与のための組成物は、本発明の化合物を、周囲温度では固体であ
るが体温では液体であり、従って、直腸内又は膣腔内では溶融して活性化合物を放出する
適切な非刺激性の賦形剤又は担体(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール又は
坐剤ワックス)と混合させることによって調製することができる。
【0350】
経口投与用の固体投与形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤を含む
。そのような固体投与形態では、該活性化合物を、少なくとも1の不活性な薬学的に許容
される賦形剤又は担体、例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又
は、(a)充填材又は増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース
、マンニトール及びケイ酸)、(b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ア
ルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース及びアラビアゴム)、(c
)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒
天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケ
イ酸塩及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarding
agent)(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウ
ム化合物)、(g)湿潤剤(wetting agent)(例えば、アセチルアルコー
ル及びグリセロールモノステアレート)、(h)吸収剤(例えば、カオリン及びベントナ
イトクレー)、及び、(i)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、及び、
それらの混合物と混合させる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、該投与形態は緩衝剤も
含有し得る。
【0351】
ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用
して、同様の種類の固体組成物を軟質及び硬質ゼラチンカプセルの充填剤として使用する
こともできる。
【0352】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体投与形態は、コーティング及びシェ
ル(例えば、腸溶コーティング、及び、医薬製剤の分野でよく知られている別のコーティ
ング)を用いて調製することができる。それらは、乳白剤を含んでいてもよく、及び、腸
管の特定の部分で、場合により遅延様式で、活性成分のみを又は活性成分を優先的に放出
する組成物となることもできる。使用することが可能な包埋組成物の例としては、ポリマ
ー物質及びワックスを含む。
【0353】
ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用
して、同様の種類の固体組成物を軟質及び硬質ゼラチンカプセルの充填剤として使用する
こともできる。
【0354】
該活性化合物は、上記で記載した1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化された形
態であることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体投与形態は、
コーティング及びシェル(例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティング及び医薬製
剤分野で周知の別のコーティング)を用いて調製することができる。そのような固体投与
形態では、該活性化合物は、スクロース、ラクトース又はデンプンのような少なくとも1
の不活性希釈剤と混合させることができる。そのような投与形態は、さらにまた、通常の
慣行のとおり、不活性希釈剤以外の付加的な物質、例えば、錠剤化滑沢剤及び別の錠剤化
助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースも含有することができ
る。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、その投与形態は緩衝剤も含有することができる。
それらは、乳白剤を含んでいてもよく、及び、腸管の特定の部分で、場合により遅延様式
で、活性成分のみを又は活性成分を優先的に放出する組成物となることもできる。使用す
ることが可能な包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスを含む。
【0355】
本発明の化合物の局所投与又は経皮投与のための投与形態には、軟膏剤、ペースト剤、
クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤又はパッチを
含む。該活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び、必要に応じて、任
意の必要な保存剤又は緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤なども、本発明の範囲内
にあることが意図される。
【0356】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤及びゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物性
脂肪及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントゴム、セルロ
ース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び
酸化亜鉛又はそれらの混合物のような賦形剤を含有することができる。
【0357】
本発明の組成物は、液体エアロゾル又は吸入用乾燥粉末として送達用に製剤することも
できる。液体エアロゾル製剤は、主に、慢性気管支炎及び肺炎のような気管支感染症の患
者体内に細菌が存在している末梢細気管支及び呼吸細気管支に送達することが可能な粒径
に噴霧することができる。病原性細菌は、気管支、細気管支及び肺実質に至るまでの気道
全体に、特に、終末細気管支及び呼吸細気管支内に一般的に存在している。感染が悪化す
る間に、細菌は肺胞にも存在する可能性がある。
【0358】
液体エアロゾル及び吸入用乾燥粉末製剤は、好ましくは、気管支内樹全体を通して末梢
細気管支に送達され、そして、最終的には実質組織に送達される。
【0359】
本発明のエアロゾル化製剤は、好ましくは質量中央平均粒径(mass medium
average diameter)が主として1~5pmのエアロゾル粒子の形成を
可能にするように選択される、ジェットネブライザー、振動多孔板ネブライザー又は超音
波ネブライザーのようなエアロゾル形成装置を使用して送達され得る。
【0360】
さらに、製剤は、好ましくは、平衡浸透圧イオン強度(balanced osmol
arity ionic strength)及び塩化物濃度、並びに、有効量の本発明
の化合物を感染部位に送達することが可能な最小のエアロゾル化可能体積を有する。さら
に、該エアロゾル化製剤は、好ましくは、気道の機能性に悪影響を及ぼさず、そして、望
ましくない副作用を引き起こさない。
【0361】
本発明のエアロゾル製剤を投与するのに適しているエアロゾル化装置としては、例えば
、ジェットネブライザー、振動多孔板ネブライザー、超音波ネブライザー及び印加式乾燥
粉末吸入器(energized dry powder inhaler)を含み、こ
れらは本発明の製剤を主として1~5μmのサイズ範囲のエアロゾル粒径に噴霧すること
ができる。本出願において、「主として」は、生成された全エアロゾル粒子の少なくとも
70%(好ましくは、90%を超える)が1~5μmの範囲であることを意味する。ジェ
ットネブライザーは、空気圧によって液体溶液をエアロゾル液滴に分割するように作用す
る。振動多孔板ネブライザーは、多孔板を通して溶媒液滴を押し出すために急速に振動す
る多孔板によって作り出される音波真空を使用することによって機能する。超音波ネブラ
イザーは、液体を小さなエアロゾル液滴に剪断する圧電結晶によって作用する。
【0362】
本発明の化合物は、さらにまた、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ
酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末のような賦形剤又はそれ
ら物質の混合物を含有することが可能な、局所用粉末及びスプレーとして使用するために
製剤化することもできる。
【0363】
スプレーは、さらに、クロロフルオロ炭化水素のような慣習的な噴射剤も含有すること
ができる。
【0364】
経皮パッチは、身体への化合物の制御された送達を提供するというさらなる利点を有す
る。そのような投与形態は、該化合物を適切な媒体に溶解又は分散させることによって製
造することができる。皮膚を横切る化合物の流動を増加させるために、吸収促進剤も使用
することができる。
【0365】
速度は、速度制御膜を提供することによって又は化合物をポリマーマトリックス若しく
はゲルに分散させることによって、制御することができる。
【0366】
本発明の化合物及び/又はその実施形態での治療によれば、動物における細菌感染症は
、動物に治療有効量の本発明の化合物を、望ましい結果を達成するために必要な量及び期
間で投与することによって治療又は予防する。
【0367】
本発明の化合物及び/又はその実施形態の「治療有効量」は、任意の内科療法に適用可
能な合理的なベネフィット/リスク比で、細菌感染症を治療するのに充分な量の化合物を
意味する。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の1日の総使用量が、適切な医学的
判断の範囲内において担当医又は担当獣医師によって決定されることは理解される。任意
の特定の動物に対する具体的な治療上有効な投与量レベルは、以下のものを包含するさま
ざまな要因に左右される:治療されている疾患及びその疾患の重症度;使用する特定の化
合物の活性;使用する特定の組成物;当該動物の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及
び食事;使用する特定の化合物の投与時間、投与経路及び排出速度;治療期間;使用する
特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用する薬物;及び、医学の分野でよく知られて
いる要因など。
【0368】
製剤の方法は当技術分野でよく知られており、そして、例えば、「Remington
: The Science and Practice of Pharmacy,
Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19
th Edition (1995)」に開示されている。本発明で使用するための医薬
組成物は、無菌で非発熱性液体の溶液又は懸濁液、被覆カプセル、坐剤、凍結乾燥粉末、
経皮パッチ又は当技術分野で既知の別の形態であり得る。
【0369】
本出願で使用される「キット」は、医薬組成物を収容するための容器を包含し、そして
、分割されたボトル又は分割されたホイルパケットのような分割された容器も包含する。
【0370】
容器は、薬学的に許容される材料で製造された当技術分野で既知の任意の慣習的な形状
にあることができ、例えば、紙製若しくは厚紙製の箱、ガラス製若しくはプラスチック製
のボトル若しくはジャー、再密封可能なバッグ(例えば、別の容器に入れるために錠剤の
「詰め替え」を行うためのもの)、又は、治療スケジュールに従ってパックから押し出す
ための個々の用量を有するブリスターパックであることができる。
【0371】
使用される容器は、含まれる正確な投与形態に依存し得、例えば、慣習的な厚紙製の箱
は、一般に液体懸濁液を保持するためには使用されないであろう。単一の投与形態を販売
するためには、単一のパッケージ内において2つ以上の容器を一緒に使用することが可能
である。例えば、錠剤は、瓶の中に入っていてもよく、そして、その瓶が箱の中に入って
いてもよい。
【0372】
そのようなキットの例は、所謂、ブリスターパックである。ブリスターパックは、包装
業界ではよく知られており、医薬単位投与形態(錠剤、カプセル剤など)の包装に広く使
用されている。ブリスターパックは、一般に、好ましくは透明なプラスチック材料のホイ
ルで覆われた比較的硬い材料のシートからなる。包装工程中に、プラスチックホイルに凹
部が形成される。該凹部は、包装される個々の錠剤又はカプセル剤のサイズ及び形状を有
するか、又は、包装される複数の錠剤及び/又はカプセル剤を収容するサイズ及び形状を
有してもよい。次に、錠剤又はカプセル剤をそれに応じて該凹部に入れ、比較的硬い材料
のシートを、凹部が形成された方向とは反対側のホイル面でプラスチックホイルに対して
シールする。結果として、錠剤又はカプセル剤は、必要に応じて、プラスチックホイルと
シートとの間の凹部の中に、個別に密封されるか、又は、集合的に密封される。好ましく
は、シートの強度は、凹部に手で圧力を加えることによって錠剤又はカプセル剤をブリス
ターパックから取り出すことができ、それによってシートの凹部の場所に開口部が形成さ
れるような強度である。次に、錠剤又はカプセル剤を、前記開口部から取り出すことがで
きる。
【0373】
本化合物の組成物は、さらにまた、類似したスペクトルの別の既知抗菌剤と組み合わせ
て使用して、(1)本化合物のスペクトルによってカバーされる重篤なグラム陰性感染症
の治療を相乗的に増強することもできるか、又は、(2)複数種類の微生物が疑われてい
て、本化合物に加えて異なるスペクトルの別の薬剤が必要とされ得る重篤な感染症の治療
範囲を付加することができる。可能性のある薬剤としては、アミノグリコシド類、ペニシ
リン類、セファロスポリン類、フルオロキノロン類、マクロライド類、グリコペプチド類
、リポペプチド類及びオキサゾリジノン類のメンバーを含む。該治療は、両方の活性剤を
有する組成物を投与すること、又は、本発明の化合物を投与する後若しくは前に、追加の
活性抗菌剤を投与することを含み得る。
【0374】
本発明を実施することで利益を得ることができる動物の種類には、ウシ呼吸器疾患(B
RD)又はブタ呼吸器疾患(SRD)の病原体による感染を受けやすい任意の動物が包含
される。
【0375】
例示的な動物としては、限定するものではないが、以下のものを含む:中型から大型の
有蹄類を包含する、生物学的なウシ亜科(Bovinae)のメンバー、例えば、家畜の
乳牛及び肉牛、バイソン、アフリカスイギュウ、アジアスイギュウなど。これらの動物は
、乳製品や肉の生産のために農業環境下で飼育されている、所謂家畜であり得るか;又は
、労働用に飼育され得るか;又は、別の環境下で、例えば、動物園又は動物保護区などに
存在し得るか;又は、別の理由で、例えば、ペットとして、興行動物(show ani
mals)として、繁殖目的などで飼育され得る。
【0376】
本発明の化合物は、肉牛において使用するのが特に好ましい。肉牛は、肉生産のために
(牛乳生産に使用される乳牛とは区別されて)飼育されている牛である。牛肉生産には主
要な3つの段階がある:子ウシ生産(cow-calf operations)、バッ
クグラウンディング、及び、フィードロット作業(feedlot operation
s)。特に好ましいのは、フィードロット作業において本発明の化合物を使用することで
ある。本発明の化合物は、あらゆる年齢の肉牛(及び、乳牛)において、子ウシ、若雌ウ
シ、去勢ウシ、雌ウシにおいて使用することができる。本発明の化合物は、350kgを
超える体重の重い動物を包含する、種々の体重の動物において使用することができる。
【0377】
本発明の化合物及び組成物で治療することが可能な別の例示的な動物は、小型反芻動物
(例えば、ヒツジ又はヤギ)、又は、偽反芻動物(pseudoruminants)(
例えば、ラクダ又はラマ)である。一実施形態では、本発明の化合物は、肉用に又は種畜
として飼育されている子ヒツジ及び/又は成体ヒツジ(雌ヒツジ、雄ヒツジ)の流行性肺
炎のような呼吸器疾患を治療するために使用される。流行性肺炎は、発熱、鼻汁、肺炎及
び胸膜炎を特徴とする、ヒツジの急性感染症である。
【0378】
本発明の化合物は、代替的に、ブタ呼吸器疾患(SRD)を治療するために使用するこ
ともでき、ブタ呼吸器疾患(SRD)は、イノシシ科(Suidae)の動物の疾患であ
る。イノシシ科(Suidae)は、一般に、ブタ(pig)、ブタ(swine)、ブ
タ(hog)又はイノシシ(boar)と称される。本発明の化合物は、一般に、全ての
ブタ動物;乳離れ前のブタ、乳離れ直後のブタ、雄ブタ、去勢ブタ、若い雌ブタ又は成熟
した雌豚に投与することができる。それは肉用のブタ飼育の1以上の相:哺乳期子ブタ、
肥育ブタ(feeder pigs)、グロワー(grower)及びフィニッシャー(
finisher)ブタ、又は、バックファッター(backfatter)ブタで使用
することができる。あるいは、それは、種畜において、即ち、繁殖用の成熟雌ブタ、若い
雌ブタ若しくは雄ブタにおいて、又は、種畜の後継としてのそのような動物の子孫におい
て、使用することができる。
【0379】
一実施形態では、治療される動物はウシ動物であり、及び、治療される疾患はBRDで
ある。別の実施形態では、該動物はイノシシ科(Suidae)(ブタ)動物であり、及
び、治療される疾患はSRDである。本発明の化合物は、ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器
疾患の臨床症状を示す罹患した動物を治療するために使用することができる。
【0380】
本発明の化合物は、追加的に又は代替的に、パスツレラ属種(Pasteurella
spp.)、マンヘミア属種(Mannheimia spp.)及びヒストフィルス
属種(Histophilus spp.)の感染による亜臨床的な感染症を有する動物
を治療するために使用することができる。亜臨床的な感染症は、殆ど又は完全に無症候性
(疾患の徴候又は症状がない)である。従って、BRD又はSRDの過程の初期症状にあ
る感染動物を識別するのは困難であり、そして、亜臨床的な感染症は、主に食肉処理場で
肺の病変をチェックするときに検出される。しかしながら、亜臨床的なBRD又はSRD
の感染症は、平均1日体重増加(ADG)を低減させる。
【0381】
治療目的に加えて、本発明の組成物及び方法は、感染後防御的(metaphylac
tic)用途にも適している。例えば、ウシ呼吸器疾患又はブタ呼吸器疾患が発生した場
合、本発明の化合物を、感染していない(又は、亜臨床的に感染した)動物に投与すれば
、特に、疾患の臨床徴候を示している動物と密接に接触しているそれら動物に投与すれば
、当該感染症の拡大を防止できるであろう。
【0382】
さらに、感染を受けやすいと考えられる及び/又は感染が重篤な結果となり得るウシ亜
科の動物(例えば、子ウシ、興行ウシ、妊娠中の雌、受賞した雄ウシ又は雄ブタなど)に
おいては、病気の発生が起こったことが知られているかどうかにかかわらず、予防的処置
を実施し得る。別の選択肢は、動物における病気の発生を防止するために、輸送及び別の
ストレス誘発イベントに先だって、本発明による化合物をその動物に予防的に投与するこ
とである。
【0383】
本明細書中で記載したのと同じ予防的又は感染後防御的(metaphyclacti
c)な処置の概念が、SRDのリスクがあるブタ動物にも当てはまる。
【0384】
一部の実施形態では、本発明による1以上(好ましくは1)の化合物は、1以上の別の
抗菌剤に対して抵抗性を示す病原体による感染症を治療するために使用される。一部の実
施形態では、本発明による化合物は、以下の抗菌剤のうちの1以上に対して抵抗性を示す
病原体に対して活性である:マクロライド系抗生物質、アミノグリコシド類、フルオロキ
ノロン類、又は、セファロスポリン類、特に、タイロシン、エリスロマイシン、チルジピ
ロシン、チルミコシン(timicosin)、ツラスロマイシン、ガミスロマイシン、
ゲンタマイシン、ネオマイシン、エンロフロキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキ
サシン(danafloxaxin)、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリ
ン、セフキノム、セフチオフル若しくはフロルフェニコールの群から選択される1以上、
スルホンアミド類又はペニシリン。
【0385】
本発明による化合物は、様々な投与形態で投与することができる。用語「投与形態」は
、本発明による化合物が、想定される投与経路を介して動物に投与するのに適した製品に
製剤化されることを意味する。そのような投与形態は、本明細書中においては、場合によ
り、「製剤」又は「医薬組成物」と称される。
【0386】
本発明において有用な投与形態は、液体投与形態、半固体投与形態又は固体投与形態で
あり得る。
【0387】
該化合物の液体投与形態は、一般に、溶液、懸濁液又はエマルションである。溶液は、
分子レベルに至るまで均質である単一相を形成する2以上の成分の混合物である。懸濁液
は、液体媒体中に分散した不溶性固体粒子で構成され、ここで、該固体粒子が懸濁液の約
0.5%~約30%を占める。該液体は、水性、油性、又は、その両方であり得る。エマ
ルションは、混和しない液体が別の液体の中に入っている不均一分散液であり;それは、
安定性に関しては乳化剤に依存している。再構成用の乾燥粉末(又は、顆粒)は、注射の
直前に希釈剤(例えば、水)と混合させて、溶液又は懸濁液として再構成する。この投与
形態の主な有利点は、溶液又は懸濁液の状態における不安定性の問題を克服することであ
る。
【0388】
1種類の投与経路(dosage route)(投与経路(administrat
ion route))は、非経口投与、特に注射投与(例えば、皮下注射、静脈内注射
、筋肉内注射など)である。非経口経路用の非経口製剤及び送達システムは、液剤(例え
ば、溶液、懸濁液、エマルション及び再構成用の乾燥粉末)、半固体及び固体(例えば、
インプラント)を包含する。獣医学で使用されるインプラントの大部分は、圧縮された錠
剤であるか、又は、分散マトリックス系であり、その中で当該薬物は非分解性ポリマー又
は代替え的に押出製品の中に均一に分散されている。一実施形態では、本発明の化合物は
皮下投与される。
【0389】
別の可能な投与経路は、経口投与経路であり、ここで、本発明による化合物は口を介し
て投与される。経口投与に適した経口投与形態は、液体(例えば、注射用製剤、ドレンチ
、インフィード又は飲料水製剤)、半固体(例えば、ペースト剤、ゲル剤)及び固体(例
えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、チュアブルトリート剤、プレミックス剤及び
薬用ブロック剤)を包含する。
【0390】
ドレンチは、「ドレンチ銃」又はシリンジ又は他の適切な装置を用いて、動物(特に、
家畜動物)の口/のどに直接投与される液体経口製剤である。該組成物を動物レシピエン
トの飲料水中に又はドレンチとして投与する場合、溶液製剤又は懸濁液製剤を使用するこ
とが便利であり得る。この製剤は、例えば、水と混合される濃厚懸濁液剤であり得るか、
又は、水中で混合及び懸濁される乾燥調製物であり得る。
【0391】
半固体経口製剤(ペースト剤又はゲル剤)は、一般に、アプリケータによって動物の口
の中に直接投与されるか、又は、飼料と混合される。
【0392】
固体経口製剤は、動物に直接投与されるか(錠剤、カプセル)、又は、飼料と混合させ
るか、又は、薬用飼料ブロックを介して投与される。
【0393】
該経口製剤を、非ヒト動物の飼料を介して投与する場合、それは、例えば、別個の飼料
として又はチュアブルトリートとして与えることができる。代替え的に(又は、付加的に
)、それは、例えば、トップドレッシングとして又は完成された飼料に添加される固体ペ
レット、ペースト若しくは液体の形態で、当該動物レシピエントの通常の飼料の中に密接
に分散させることもできる。経口製剤を飼料添加物として投与する場合、該経口製剤が少
量の液体担体又は固体担体の中に分散されている「プレミックス」を調製するのが便利で
あり得る。この「プレミックス」を、次に、例えば慣習的なミキサーを用いて当該動物の
通常の飼料中に分散させる。
【0394】
反芻動物の前胃の独特な解剖学的構造を利用する、即ち、胃内投与のための、数種類の
調節放出送達システムが開発された。胃内ボーラスは、反芻動物及び偽反芻動物(ウシ、
ヒツジ、ヤギ、スイギュウ、ラクダ、シカなど)のための特異的な製剤である。それは、
長期間にわたって反芻動物のルーメン網状嚢(rumeno-reticular sa
c)に留まる獣医学的遅延放出送達システムであって、その中の治療活性物質は予測可能
な遅延放出パターンを有している。そのような胃内ボーラスは、通常、投薬銃又は別の適
切な装置を用いて投与される。
【0395】
本発明による化合物は、代替え的に、局所的に(例えば、スポットオン、ポアオン又は
スプレーを介して経皮的に、あるいは、鼻内噴霧又は吸入によって)投与し得ることも意
図される。
【0396】
例えば、本発明による化合物は、経皮製剤(即ち、皮膚を通過する製剤)を用いて局所
投与することができる。あるいは、本発明による化合物は、粘膜を介して(例えば、鼻内
噴霧として)局所投与することができる。
【0397】
薬物及び種々の賦形剤の製剤に関するさらなる態様は、例えば、「Gennaro,
A.R., et al., eds., Remington: The Scien
ce and Practice of Pharmacy (Lippincott
Williams & Wilkins, 20th Ed., 2000)」の中に見
いだされる。
【0398】
本発明の方法の実施においては、本発明による特定の化合物を、好ましくは、感染した
動物又は感受性のある動物に非経口投与する。
【0399】
別の実施形態では、該化合物を、経口投与する(特に、SRDの場合)。
【0400】
本発明による化合物を経口又は皮下注射による非経口投与する場合、総投与量は、一般
に、約0.01mg/kg(即ち、治療対象動物の体重1kg当たりの本発明による化合
物のミリグラム)より多い。そのようないくつかの実施形態では、総投与量は、約0.0
1~約100mg/kg、約0.01~約50mg/kg、約0.1~約25mg/kg
、又は、約1~約20である。例えば、BRD又はSRDに関しては、該投与量は、一般
に、約0.5~約15mg/kg、約1~約10mg/kgである。別の投与経路に関し
ても、同じ投与量範囲が適し得る。しかしながら、望ましい投与量は、本発明による化合
物が静脈内に投与されるいくつかの場合においては、それより少なくてもよい。
【0401】
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミ
ア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)又はヒストフィルス
・ソムニ(Histophilus somni)の感染症(特に、BRD)を防除する
ために使用される投与量は、化合物、感染の重症度、並びに、動物の年齢、体重及び症状
に応じて変動する。しかしながら、数日間の保護に必要とされる総投与量は、一般に、約
1~約40mg/kg体重の範囲内であり、好ましくは、約2.5~約35mg/kgの
範囲内である。SRDを治療するためには、同様の投与量をブタに投与する。最大で約7
日間の保護は、1回の注射で提供され得;保護の長さは、所与の投与量に依存する。該総
投与量は、さらにまた、間隔をおいて与えられるより少ない投与量に分割することもでき
る(例えば、1日1回で2~7日間)。明らかに、別の適切な投与計画を構築することも
できる。
【0402】
本発明による化合物を含む組成物の単回投与は、感染症を治療するのに、並びに、BR
D若しくはSRDを臨床的及び/若しくは細菌学的に治療するのに、又は、罹患している
動物の臨床症状を少なくとも軽減するのに充分であり得る;これは「ワンショット」投与
と称される。そのような「ワンショット」単回投与による投与が極めて適しているが、複
数回投与(例えば、12~24時間間隔での2回投与、又は、48~72時間間隔での2
回投与)も使用し得ることが意図される。
【0403】
好ましい投与量に影響を及ぼす要因としては、例えば、以下のものを含み得る:治療対
象の感染症、感染した動物の種類(例えば、種及び品種)、年齢、寸法、性別、食事、活
動及び症状;投与経路;薬理学的考察、例えば、投与される本発明の特定の化合物及び組
成物の活性、効力、薬物動態学的プロフィール及び毒物学的プロフィール;及び、本発明
による化合物が活性成分の組み合わせの一部として投与されるかどうか。かくして、本発
明による化合物の好ましい量は変動し得、従って、上記で記載した典型的な投与量から逸
脱し得る。そのような投与量の調節を決定することは、一般に当業者の技術の範囲内であ
る。有効投与量は、変動する;例えば、予防的処置に関しては、比較的少ない投与量が長
期間にわたって投与されるであろう。
【0404】
本発明の化合物は、獣医薬の技術分野で認識されている方法によって、非経口投与用に
製剤化することができる。これらの化合物を含有する有効な注射用組成物は、懸濁液形態
又は溶液形態のいずれかであり得る。適切な製剤の調製においては、一般に、酸付加塩の
水溶性は対応する遊離塩基の水溶性よりも大きいことが認識されるであろう。同様に、遊
離塩基は、中性又は塩基性の溶液の中よりも希酸又は酸性溶液の中でより可溶性である。
【0405】
溶液形態では、化合物は生理学的に許容されるビヒクルの中で溶解している。そのよう
なビヒクルは、適切な溶媒、必要に応じてベンジルアルコールのような防腐剤及び緩衝剤
を含む。有用な溶媒としては、例えば、水及び水性アルコール類、グリコール類、及び、
炭酸エステル(例えば、炭酸ジエチル)を含む。
【0406】
注射用懸濁組成物は、賦形剤としてアジュバントを用いて又は用いずに、液体懸濁化媒
体を使用する。該懸濁化媒体は、水性又は非水性、例えば、水、ポリエチレングリコール
、ベンジルアルコール、N-メチルピロリドン、トリアセチン、不活性油、例えば、植物
油又は高度に精製された鉱油であり得る。
【0407】
化合物を懸濁組成物中に懸濁させておくためには、適切な生理学的に許容されるアジュ
バントが必要である。該アジュバントは、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、ゼラチン及びアルギン酸塩のような増粘剤の中から選択することができる。多く
の種類の界面活性剤も、懸濁化剤として有用である。レシチン、アルキルフェノールポリ
エチレンオキシド付加体、ナフタレンスルホネート類、アルキルベンゼンスルホネート類
及びポリオキシエチレンソルビタンエステル類は、有用な懸濁化剤である。
【0408】
液体懸濁媒体の親水性、密度及び表面張力に影響を与える多くの物質は、個々の場合に
、注射用懸濁液の製造において有用であり得る。例えば、シリコーン消泡剤、ソルビトー
ル及び糖類は、有用な懸濁化剤であり得る。防腐剤、緩衝剤、界面活性剤又は増粘剤のよ
うな慣習的な別の成分も、注射用製剤中に存在させることができる。
【0409】
本発明の化合物は、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemoly
tica)及びパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida
)に対して、予想外に高い抗菌活性を示す。例えば、代表的な化合物を、慣習的なブロス
稀釈アッセイを用いて、***、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia ha
emolytica)及びパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella mult
ocida)に対して試験した。これらの種に対する代表的な化合物の最小阻止濃度(M
IC)が表Cにおいて要約されている。
【0410】
適用された投与形態の中の本発明による化合物の濃度は、例えば、投与経路に応じて、
広く変動し得る。一般に、注射投与又は経口投与に関する濃度は、約1~約70量%(重
量基準)である。そのようないくつかの実施形態において、例えば、濃度は、約1~約5
0%(重量基準)、又は、約10~約50%(重量基準)である。別の実施形態では、濃
度は、約35~約65%(重量基準)、約40~約60%(重量基準)、約45~約55
%(重量基準)、又は、約50%(重量基準)である。
【0411】
飲料水中の好ましい濃度は、0.01~0.05体積基準重量%(% weight
by volume)、特に、0.01~0.025%であり、インフィード中の好まし
い濃度は、100~400ppm(g/メートルトン)、特に、100~200ppmで
ある。
【0412】
別の態様において、本発明は、かくして、抗菌的に有効量の1以上(好ましくは、1)
の本発明による化合物及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物の、動物
(特に、ウシ動物、又は、代替的に、ブタ動物)に対する、特に、BRD又はSRDを治
療するための、投与を提供する。
【0413】
いずれの場合も、投与形態に関して選択される製剤の種類は、想定される特定の目的並
びに本発明による化合物の物理的特性、化学的特性及び生物学的特性に依存する。
【0414】
本発明による化合物を注射によって非経口的に投与する場合、組成物/製剤/投与形態
の中の本発明による化合物の濃度は、好ましくは、非経口(皮下)投与に関して許容され
且つ注射部位あたり20mL未満の注射体積を可能にする体積の中で、本発明による化合
物の所望の治療有効量をもたらすのに充分である。
【0415】
一実施形態では、本発明による化合物の組成物は、例えば、WO1998041207
又はWO2003079923(その内容は、参照により本明細書に組み入れられる)に
記載されているように、食肉解体処理において除去されてヒトの食物連鎖に入らない動物
の非食用組織に、例えば、耳の中に、又は、耳の付け根(頭蓋と耳介の接合部)に、又は
、耳の後ろに投与される。動物の食肉解体処理後に(ヒトの)食物連鎖に入らない、食料
生産動物の代替動物組織への注射も、同様に想定される。
【0416】
意図される併用療法の例
本発明の方法及び医薬組成物は、本発明による化合物がレシピエント動物に投与される
唯一の活性成分である方法を包含する。しかしながら、該方法及び医薬組成物は、化合物
が1以上の別の薬学的に許容される活性成分と組み合わせて投与される併用療法も包含す
ることが意図される。別の活性成分は、例えば、本発明による1以上の別の化合物である
ことができる。代替え的に(又は、付加的に)、別の活性成分は、本発明による化合物で
はない1以上の薬学的に許容される化合物であることができる。別の活性成分は、同じ及
び/又は異なる疾患又は症状を標的とし得る。
【0417】
本発明の化合物と組み合わせて投与することができると考えられる活性成分としては、
例えば、抗菌剤、抗炎症剤、薬学的に許容される駆虫薬、殺虫剤及び殺ダニ剤、昆虫成長
調節剤、ホルモン剤、免疫刺激剤、皮膚用製剤(例えば、防腐剤及び消毒剤)、及び、疾
患の予防のための免疫生物学的薬剤(例えば、ワクチン及び抗血清)を含む。
【0418】
従って、本発明は、(a)本発明による1以上の化合物と、(b)成分(a)とは構造
が異なる1以上の薬学的に許容される活性化合物を含む組合せの医薬としての使用も対象
とする。活性化合物(b)は、好ましくは、抗炎症化合物であり、より好ましくは、非ス
テロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えば、フルニキシンメグルミン、メロキシカム、
カルプロフェン、ケトプロフェン、フェニルブタゾン又はアスピリン)からなる群から選
択される。一実施形態では、本発明による1の化合物は、フルニキシンと組み合わされる
。別の実施形態では、本発明の1の化合物は、メロキシカムと組み合わされる。好ましく
は、そのような組み合わせは、ウシのBRDを治療するために使用される。
【0419】
組み合わせとは、本発明の化合物が、構造が異なる1以上の薬学的に許容される活性化
合物と共通の製剤に含まれて投与されることを意味する。あるいは、本発明による化合物
は、構造が異なる1以上の薬学的に許容される活性化合物と並行して(約30分以内の間
隔で)、動物に投与される。
【0420】
別の実施形態では、構造が異なる1以上の薬学的に許容される活性化合物(b)は、抗
菌剤であり、特に、タイロシン、エリスロマイシン、チルジピロシン、チルミコシン(t
imicosin)、ツラスロマイシン、ガミスロマイシン、ゲンタマイシン、ネオマイ
シン、エンロフロキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキサシン(danaflox
axin)、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、セフキノム、セフチオ
フル若しくはフロルフェニコール、スルホンアミド類又はペニシリンの群から選択される
1以上の抗菌剤である。
【0421】
本発明において使用するための獣医用製剤は、当該成分を必要とされる割合で混合させ
ることによって調製することができる。その製剤を、次に、投与の準備ができている(即
時使用可能な(ready to use)-RTU)単回若しくは複数回の用量を含む
適切な容器に入れるか、又は、投与の前に希釈剤と混合させることができる。
【0422】
本発明の特徴について、本出願の中の実施形態において記載した;しかしながら、簡潔
さのために、特徴の全ての組み合わせについて文字通り記載されている訳ではない。しか
しながら、上記で記載した特徴の組み合わせは、明確に本発明の一部であると考えられる
。
【0423】
本発明について、以下の非限定的な実施例によってさらに記載する。
【実施例0424】
合成実施例
実施例1:アルデヒド含有樹脂を合成するための一般的な手順:
【化58】
【0425】
ジクロロメタン(160mL)中のN-Fmoc-ヒドロキシルアミン2-クロロトリ
チル樹脂(12.0g、6.0mmol)の懸濁液を2時間振盪し、排出させた。その樹
脂をDMF(150mL)中の20%(v/v)ピペリジンで30分間処理し、DMF(
5×80mL)で洗浄し、そして完全に排出させた。別のフラスコの中で、N-Fmoc
保護アミノ酸(18.0mmol)、HATU(6.5g、17.1mmol)及びDI
EA(6.3mL、36.0mmol)をDMF(50mL)に溶解させ、3分間撹拌し
、次いで、該樹脂に添加した。窒素雰囲気下で2時間混合させた後、その混合物を排出さ
せ、DMF(3×80mL)で洗浄し、そして、再度、N-Fmoc保護アミノ酸(18
.0mmol)、HATU(6.5g、17.1mmol)及びDIEA(6.3mL、
36.0mmol)で処理した。混合を2時間継続し、樹脂を排出させ、DMF(5×8
0mL)で洗浄し、そして、再度排出させた。次に、その樹脂をDMF(150mL)中
の20%(v/v)ピペリジンで30分間処理し、排出させ、DMF(5×80mL)で
洗浄し、そして、再度排出させた。次いで、4-エチニル安息香酸(2.63g、18m
mol)、HATU(6.5g、17.1mmol)及びDIEA(6.3mL、36.
0mmol)のDMF(50mL)中の溶液を該樹脂に添加し、窒素雰囲気下での混合を
2時間続けた。次いで、その混合物を排出させ、DMF(5×80mL)で洗浄し、排出
させた。ハロ-アリールアルデヒド又はハロ-ヘテロアリールアルデヒド(24.0mm
ol)とDIEA(10.5mL、60.0mmol)のDMF(150mL)中の溶液
を、窒素流で2分間パージし、該樹脂に添加した。5分間混合させた後、PdCl2(P
Ph3)2(842mg、1.2mmol)及びCuI(571mg、3.0mmol)
を添加し、その混合物を窒素雰囲気下で48時間混合させた。その樹脂を排出させ、DM
F(4×100mL)、DCM(4×100mL)で洗浄し、そして、減圧下で乾燥させ
て、アルデヒド含有樹脂を与え、これは、それ以上精製することなく次の段階で使用した
。
【0426】
この手順を使用し、Fmoc-N-(S)-Val-OH、Fmoc-N-(S)-S
er(tBu)-OH、Fmoc-N-(S)-Ile-OH、Fmoc-N-3-OT
BS-(S)-Val-OH、及び、Fmoc-N-3-MeS-(S)-Val-OH
、Fmoc-N-2-アミノ-3-メトキシイミノ-(2S)-ブタン酸、及び、(2S
)-Fmoc-N-2-アミノ-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)
酢酸を用いて、対応するアミノ酸含有アルデヒド樹脂が得られた。
【0427】
この手順を使用し、4-ヨードベンズアルデヒド、3-ヨードベンズアルデヒド、5-
ブロモピコリンアルデヒド及び5-ブロモチオフェン-2-カルバルデヒドを用いて、全
てのアルデヒド含有樹脂が得られた。
【0428】
実施例2:Fmoc-N-3-MeS-(S)-Val-OH及びN-Fmoc-ヒド
ロキシルアミン2-クロロトリチル樹脂から調製されたメチルスルホン含有樹脂を酸化す
るための一般的な手順:
N-Fmoc-ヒドロキシルアミン2-クロロトリチル樹脂(20.0g、10mmo
l)のジクロロメタン(200mL)中の懸濁液を2時間振盪し、排出させた。その樹脂
をDMF(320mL)中の20%ピペリジンで30分間処理し、DMF(5×200m
L)で洗浄し、そして、完全に排出させた。別のフラスコの中で、(R)-2-((((
9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチル-3-(メ
チルチオ)ブタン酸(7.71g、20mmol)、HATU(72g、19mmol)
及びDIEA(10.5mL、60mmol)のDMF(40mL)中の溶液を3分間撹
拌し、次いで、該樹脂に添加し、窒素雰囲気下での混合を2時間続けた。樹脂を排出させ
、DMF(3×200mL)で洗浄し、そして、再度排出させた。次いで、その樹脂を、
DCM(200mL)中の3-クロロベンゾペルオキソ酸(6.9g、40mmol)で
3時間処理した。その樹脂をDMF(3×200mL)で洗浄し、排出させ、次いで、D
MF(320mL)中の20%ピペリジン(v/v)で30分間処理した。再度排出させ
、DMF(5×200mL)で洗浄した後、その樹脂を完全に排出させ、そして、その樹
脂に、DMF(40mL)に溶解させた4-エチニル安息香酸(4.38g、30mmo
l)、HATU(10.5g、28.5mmol)及びDIEA(10.5mL、60m
mol)を添加した。窒素雰囲気下での混合を2時間続け、その後、樹脂を排出させ、D
MF(5×200mL)で洗浄し、再度排出させた。それぞれハロ-アリールアルデヒド
又はハロ-ヘテロアリールアルデヒド(40mmol)とDIEA(17.5mL、10
0mmol)のDMF(400mL)中の溶液を窒素流で2分間パージし、次いで、該樹
脂に添加した。5分間混合させた後、PdCl2(PPh3)2(1.40g、2.0m
mol)及びCuI(950mg、5.0mmol)を添加し、その混合物を窒素雰囲気
下で48時間混合させ続けた。その樹脂を排出させ、DMF(4×200mL)及びMe
OH(3×200mL)で洗浄し、そして、減圧下で乾燥させた。
【0429】
この手順を使用し、4-ヨードベンズアルデヒド、5-ブロモピコリンアルデヒド及び
5-ブロモチオフェン-2-カルバルデヒドを用いて、全てのアルデヒド樹脂が得られた
。
【0430】
実施例3:第一級アミン及び第二級アミンを用いたアルデヒド含有樹脂の還元的アミノ
化に関する一般的な手順:
アミン(1.5mmol)及びオルトギ酸トリメチル(180μL、1.625mmo
l)のTHF(20mL)中の溶液を、アルデヒド含有樹脂(105mg、0.25mm
ol)に添加した。窒素雰囲気を確立し、5分間混合させた後、酢酸(180μL、3.
08mmol)を添加し、続いて、NaBH3CN(71mg、1.125mmol)の
メタノール(1mL)中の溶液を添加した。混合を44時間続け、その後、該樹脂を濾過
し、排出させ、DMF(2×10mL)及びメタノール(3×10mL)で洗浄し、再度
排出させ、減圧下で乾燥させた。樹脂からの開裂は、トリフルオロ酢酸(10mL)で3
0分間処理することによって実施した。その溶液を集め、濃縮乾燥させて粗残渣が得られ
、それを、分取HPLCで、例えば、Luna 200×25mm(C18、10μ)カ
ラム又はGemini 150×30mm(C18、5μ)カラムを備えたGilson
GX-281半分取HPLCシステムを用いる分取HPLCで、0.1%TFA/水及
びアセトニトリルからなる勾配を適用して精製した。
【0431】
生成物含有画分を集め、凍結乾燥で濃縮し、残留トリフルオロ酢酸を、水性炭酸水素ア
ンモニウム(7.5mmol/L)及びアセトニトリルからなる勾配を用いる別の逆相ク
ロマトグラフィーに付して除去した。
【0432】
この手順を使用して、以下の化合物を合成することができる:化合物番号:1-216
、219-275、289-374、378-415。
【0433】
実施例4:(2S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-(9
H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタン酸の合成
【化59】
【0434】
段階1:(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)
アミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸
(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸塩酸塩(30.1g、17
7mmol)のジオキサン(500mL)と水(250mL)の混合物中の溶液に、20
℃で、NaHCO3水溶液(500mLの水中の44.7g)を添加した。その反応混合
物をこの温度で30分間撹拌した。次いで、(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2
,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カルボネート(59.9g、177mmol)の
ジオキサン(625mL)中の溶液を添加した。次いで、得られた混合物を室温で3時間
撹拌した。ジオキサンを減圧下で除去し、残った溶液をメチル-tert-ブチルエーテ
ル(3×1000mL)で洗浄した。次いで、その水層をpH2-3に達するまで1.0
M塩酸で酸性化し、次いで、酢酸エチル(4×800mL)で抽出した。合わせた有機層
をブラインで洗浄し、脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物が得られた。
【0435】
段階2:(2S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-(9H
-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタン酸
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)
-3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(20g、56.3mmol)のジクロロメタン
(500mL)中の溶液に、0℃で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(36.4g
、281mmol)を20分間かけて添加した。次いで、その混合物に、tert-ブチ
ルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(59.5g、225mmol)を滴
下して加え、0℃で4時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去し、そして、そ
の残渣に、酢酸エチル(400mL)を添加した。pH2-3に達するまで1.0M塩酸
を添加し、その水層を酢酸エチル(4×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブラ
インで洗浄し、脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物が得られ、それをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、標題化合物が固体として
得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.77(d,J=7.6
Hz,2H),7.61(dd,J=6.8Hz,J=6.4Hz,2H),7.30-
7.41(m,4H),5.56(d,J=9.2Hz,1H),4.2(d,J=6.
8Hz,2H),4.23-4.30(m,2H),1.45(s,3H),1.30(
s,3H),0.92(s,9H),0.19(s,3H),0.18(s,3H)。
【0436】
実施例5:(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)
-3-メチル-3-メチルスルファニル-ブタン酸の合成:
【化60】
【0437】
(R)-2-アミノ-3-メルカプト-3-メチルブタン酸のメタノール中の溶液に、
ナトリウム(3.08g、134mmol)を添加し、続いて、ヨードメタン(5g、3
5.2mmol)を添加した。その反応混合物を25℃で3時間撹拌し、次いで、減圧下
で濃縮した。その残渣を、pH7に達するまで1M塩酸で処理し、次いで、その混合物を
水(50mL)で希釈した。NaHCO3(5.6g、67mmol)、及び、(9H-
フルオレン-9-イル)メチル(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カルボネート
のアセトン溶液を添加した。25℃で3時間撹拌した後、その溶液を減圧下で濃縮し、p
H4に達するまで1M塩酸で処理した。次いで、その混合物を酢酸エチル(4×50mL
)で抽出し、合わせた有機層を蒸発乾燥させ、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル/石油エーテル 1:100から1:10まで)に付して、標題化合
物が固体として得られた。MS:385.8(M+1)。1H NMR(400MHz,
CDCl3):δ 7.77(d,J=7.6Hz,2H),7,61(d,J=7.2
Hz,2H),7.32-7.43(m,4H),5.57(d,J=7.6Hz,1H
),4.3-4.5(m,3H),4.25(t,J=6.8Hz,1H),2.10(
s,3H),1.43(s,3H),1.39(s,3H)。
【0438】
実施例6:(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)
-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸の合成:
【化61】
【0439】
段階1:(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-オキソ-ブタン酸
ベンジルの合成
ジクロロメタン(300mL)中の(2S,3R)-2-(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)-3-ヒドロキシ-ブタン酸ベンジル(20g、58.2mmol)の混合物に
、0℃で、デス・マーチンペルヨージナン(37.1g、87mmol)及びNaHCO
3(0.489g、5.82mmol)を添加した。次いで、その混合物を室温で16時
間撹拌し、減圧下で濃縮して全ての揮発性物質を除去した。次いで、その混合物に、飽和
Na2SO3(400mL)及び酢酸エチル(400mL)を添加し、両方の層を強く振
盪した。水層を分離し、酢酸エチル(1×400mL)で抽出した。合わせた有機層をブ
ライン(3×400mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して
粗標題化合物を得て、これは、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。
【0440】
段階2:(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2-メチル-1
,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸ベンジルの合成
(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-オキソ-ブタン酸ベンジル
(40g、117mmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(22.29g、1
17mmol)のエタン-1,2-ジオール(400mL)とテトラヒドロフラン(50
mL)中の溶液を、周囲温度で16時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃
縮し、その残渣を、水/アセトニトリル勾配(添加剤なし)を適用する逆相分取HPLC
で精製して、標題化合物が得られた。
【0441】
段階3:(2S)-2-アミノ-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル
)酢酸
(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2-メチル-1,3-ジ
オキソラン-2-イル)酢酸ベンジル(8g、20.76mmol)と炭素担持Pd(O
H)2(1g、純度20%)のメタノール(200mL)中の混合物を、水素雰囲気下(
50psi)、周囲温度で16時間撹拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮して粗標題
化合物を得て、これは、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。
【0442】
段階4:(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-
2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸
(S)-2-アミノ-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸(4
g、24.82mmol)とNaHCO3(6.26g、74.5mmol)のアセトン
(50mL)と水(50mL)中の混合物に、周囲温度で撹拌下、(9H-フルオレン-
9-イル)メチル(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カルボネート(9.21g
、27.3mmol)のアセトン(20mL)中の溶液を添加し、そして、撹拌を2時間
続けた。次いで、全ての揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を水(20mL)と合した。
得られた混合物を酢酸エチル(50mL)で洗浄し、水層をpH=4になるまで3M H
Clで酸性化した。沈澱物を濾過によって集め、水(30mL)で洗浄し、凍結乾燥条件
下で乾燥させて、標題化合物が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6
):δ 7.89(d,J=7.6Hz,2H),7.78(d,J=7.6Hz,2H
),7.69(m,2H),7.42(dd,J=7.6Hz,2H),7.33(dd
,J=7.6Hz,2H),4.1-4.4(m,4H),3.7-4.0(m,4H)
,1.38(s,3H)。
【0443】
実施例7:(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)
-3-メトキシイミノ-ブタン酸の合成:
【化62】
【0444】
段階1:(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-オキソ-ブタン酸
ベンジルの合成
(2S,3R)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-ブタン
酸ベンジル(20g、58.2mmol)のジクロロメタン(300mL)中の混合物に
、0℃で、デス・マーチンペルヨージナン(37.1g、87mmol)及びNaHCO
3(0.489g、5.82mmol)を添加した。次いで、混合物を室温で16時間撹
拌し、減圧下で濃縮して、全ての揮発性物質を除去した。次いで、その混合物に、飽和N
a2SO3(400mL)及び酢酸エチル(400mL)を添加し、両方の層を強く振盪
した。水層を分離し,酢酸エチル(1×400mL)で抽出した。合わせた有機層をブラ
イン(3×400mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、
粗標題化合物を得て、これは、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。
【0445】
段階2:(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-メトキシイミノ-
ブタン酸ベンジルの合成
メトキシルアミン塩酸塩(183mg、2.197mmol)とチタン(IV)イソプ
ロポキシド(83mg、0.29mmol)のDIEA(0.767mL)とテトラヒド
ロフラン(10mL)中の溶液に、20℃で、(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)-3-オキソ-ブタン酸ベンジル(0.5g、1.46mmol)を添加した
。反応混合物を72℃で12時間加熱し、次いで、水(10mL)で希釈した。水層をジ
クロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を10%水性HCl(50mL)、飽和Na
HCO3(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、次いで、Na2SO4で脱水
した。次いで、それを濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得て、それをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、標題化合物が得られた。
【0446】
段階3:(2S)-2-アミノ-3-メトキシイミノ-ブタン酸
(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-メトキシイミノ-ブタン酸
ベンジル(50g、135mmol)のメタノール(1000mL)中の溶液に、炭素担
持パラジウム(15%、10g)を添加し、窒素雰囲気(15psi)を確立させた。次
いで、反応混合物を20℃で90分間撹拌し、全ての固体を濾過により除去した。その溶
液を集め、濃縮して、標題化合物が得られた。
【0447】
段階4:(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-
3-メトキシイミノ-ブタン酸の合成
(S)-2-アミノ-3-(メトキシイミノ)-ブタン酸(20g、137mmol)
のアセトン(400mL)と飽和水性NaHCO3(400mL)の混合物中の溶液に、
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カル
ボネート(69.2g、205mmol)を添加した。その溶液を周囲温度で10時間撹
拌した。次いで、反応混合物に水を添加し、形成された沈殿物を濾過により集めた。次い
で、濾過ケーキを水/アセトニトリル勾配を適用するフラッシュC18逆相クロマトグラ
フィーで精製して、標題化合物が得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3)
:δ 7.89(d,J=7.6Hz,2H),7.68(d,J=7.6Hz,2H)
,7.42(dd,J=7.6Hz,2H),7.33(dd,J=7.6Hz,2H)
,6.7(b,1H),4.1-4.4(m,4H),3.72(s,3H),1.62
(s,3H)。
【0448】
実施例8:クロトンアルデヒド含有樹脂の合成に関する一般的な手順
【化63】
【0449】
ジクロロメタン(500mL)中のN-Fmoc-ヒドロキシルアミン2-クロロトリ
チル樹脂(50.0g、25mmol)の懸濁液を2時間振盪し、排出させた。次いで、
その樹脂をDMF(500mL)中の20%ピペリジンで30分間処理し、DMF(5×
200mL)で洗浄し、そして、完全に排出させた。別のフラスコ中で、Fmoc-N-
Val-OH(75mmol)、HATU(27g、71.3mmol)及びDIEA(
26.0mL、150mmol)をDMF(100mL)に溶解させ、3分間撹拌し、次
いで、該樹脂に添加した。窒素雰囲気下で2時間混合させた後、混合物を排出させ、DM
F(3×200mL)で洗浄し、Fmoc-N-Thr(tBu)-OH(30g、75
mmol)とHATU(27g、71.3mmol)とDIEA(26.0mL、150
mmol)のDMF溶液で2回目の処理をした。その混合物をさらに2時間振盪し、DM
F(5×200mL)で洗浄し、排出させた。次いで、その樹脂をDMF(500mL)
中の20%ピペリジンで30分間処理し、DMF(5×200mL)で洗浄し、そして、
完全に排出させた。次いで、その樹脂に、DMF(100mL)に溶解させた4-ヨード
安息香酸(19g、75mmol)とHATU(27g、71.3mmol)とDIEA
(26mL、150mmol)を添加し、混合物を窒素雰囲気下で1時間混合させた。そ
の混合物を排出させ、DMF(3×200mL)、MeOH(3×200mL)で洗浄し
、排出させ、減圧下で乾燥させた。
【0450】
(E)-ペンタ-2-エン-4-イン-1-オール(8.21g、100mmol)と
DIEA(44mL、250mmol)のDMF(250mL)中の溶液を、窒素流で2
分間パージし、次いで、該樹脂に添加した。5分間混合させた後、PdCl2(PPh3
)2(3.51g、5.0mmol)及びCuI(2.38g、12.5mmol)を添
加し、混合物を窒素雰囲気下で48時間振盪した。樹脂を排出させ、DMF(4×150
mL)、ジクロロメタン(4×100mL)で洗浄し、そして、再度排出させた。次いで
、その樹脂を、ジクロロメタン中のデス・マーチンペルヨージナン(21.2g、50m
mol)及びNa2CO3(10.6g、100mmol)で1時間処理し、そして、完
全に排出させた。その樹脂をDMF(3×150mL)及びMeOH(3×150mL)
で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
【0451】
実施例9:第一級アミン及び第二級アミンを用いたクロトンアルデヒド含有樹脂の還元
的アミノ化に関する一般的な手順
アミン(2.4mmol)とオルトギ酸トリメチル(287μL、2.6mmol)の
THF(20mL)中の溶液を、樹脂(186mg)を含む容器に添加した。その容器を
窒素で5分間パージした後、それを酢酸(282μL、4.92mmol)で処理し、続
いて、NaBH3CN(113mg、1.8mmol)のMeOH(1.0mL)中の溶
液で処理し、窒素雰囲気下での混合を48時間続けた。その樹脂を排出させ、DMF(2
×10mL)及びMeOH(3×10mL)で洗浄し、そして、再度排出させ、そして、
減圧下で乾燥させた。樹脂からの開裂は、30%(v/v)のTFA/DCM(20mL
)で30分間処理することによって実施した。溶液を集め、固化乾燥させて粗残渣を得て
、それを、Luna 200×25mm(C18,10μ、100A)カラム又はGem
ini 150×30mm(C18、5μ、110A)カラムを備えたGilson G
X-281半分取HPLCシステムを用いる分取HPLCで、0.1%TFA/水及びア
セトニトリルからなる勾配を適用して精製した。その生成物含有画分を集め、凍結乾燥に
より濃縮し、そして、残留トリフルオロ酢酸を、水性炭酸水素アンモニウム(7.5mm
ol/L)及びアセトニトリルからなる勾配を用いた別の逆相クロマトグラフィーによっ
て除去した。
【0452】
この手順を使用して、以下の化合物を合成することができる:化合物番号217。
【0453】
実施例10:N-[(1S)-2-(ヒドロキシアミノ)-1-(ヒドロキシメチル)
-2-オキソ-エチル]-4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンズアミド[
375]及び4-[2-(4-アミノフェニル)エチニル]-N-[(1S)-2-(ヒ
ドロキシアミノ)-1-(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-エチル]ベンズアミド[3
76]の合成
【化64】
【0454】
段階1:(2S)-2-[(4-エチニルベンゾイル)アミノ]-3-ヒドロキシ-プ
ロパン酸メチルの合成
4-エチニル安息香酸(300mg、2.05mmol)及びHBTU(779mg、
2.0mmol)をDMF(1mL)に溶解させ、周囲温度で撹拌した。5分後に、(S
)-メチル2-アミノ-3-ヒドロキシプロパノエート塩酸塩(351mg、2.26m
mol)、テトラヒドロフラン(4mL)及びトリエチルアミン(0.658mL、4.
7mmol)を添加し、周囲温度での撹拌を1時間続けた。反応混合物を酢酸エチルで希
釈し、NaHCO3溶液で2回洗浄した。その有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で
脱水し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、ペンタン/
酢酸エチル)で精製して、標題化合物が得られた。
【0455】
段階2:(2S)-3-ヒドロキシ-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチ
ニル]ベンゾイル]アミノ]プロパン酸メチルの合成
Pd(PPh3)2Cl2(29.8mg、0.042mmol)とCuI(12.1
mg、0.064mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下
、ヨード-4-ニトロベンゼン(528mg、2.12mmol)及びトリエチルアミン
(0.34mL、2.44mmol)を添加した。次いで、その混合物に、(S)-メチ
ル2-(4-エチニルベンズアミド)-3-ヒドロキシプロパノエート(262mg、1
.06mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)中の溶液を滴下して加えた。その反応
混合物をシリカゲル上に置き、そして、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ペン
タン/酢酸エチル)で精製して、標題化合物が得られた。
【0456】
段階3:N-[(1S)-2-(ヒドロキシアミノ)-1-(ヒドロキシメチル)-2
-オキソ-エチル]-4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンズアミド[37
5]の合成
ナトリウム(14mg、0.61mmol)を乾燥メタノール(1mL)に添加し、混
合物を20分間撹拌した。次いで、ヒドロキシルアミン塩酸塩(40.6mg、0.58
mmol)を添加し、周囲温度での撹拌を45分間続けた。次いで、(2S)-3-ヒド
ロキシ-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンゾイル]アミノ]プ
ロパン酸メチル(50mg、0.14mmol)のメタノール/テトラヒドロフラン(1
:1)(1mL)中の溶液を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。次いで、全ての揮発性
物質を減圧下で除去し、得られた残渣を、Atlantis(登録商標)C18カラムを
用いる逆相分取HPLCで、0.1%水性ギ酸及びアセトニトリルからなる勾配を適用し
て精製して、標題化合物が得られた。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):
δ 10.71(b,1H),8.86(b,1H),8.45(d,J=7.96Hz
,1H),8.30(m,2H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),7.87(
m,2H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),4.98(t,J=5.8Hz,
1H),4.43(m,1H),3.69(m,2H)。
【0457】
段階4:(2S)-2-[[4-[2-(4-アミノフェニル)エチニル]ベンゾイル
]アミノ]-3-ヒドロキシ-プロパン酸メチルの合成
(2S)-3-ヒドロキシ-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベ
ンゾイル]アミノ]プロパン酸メチル(100mg、0.27mmol)、2M塩酸(0
.54mL、1.1mmol)及び鉄(106mg、1.9mmol)を、エタノール(
2.5mL)中、80℃で3.5時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮
し、得られた残渣を水に溶解し、ジクロロメタン(2×)で抽出した。その有機層を合し
、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得て、これ
は、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。
【0458】
段階5:4-[2-(4-アミノフェニル)エチニル]-N-[(1S)-2-(ヒド
ロキシアミノ)-1-(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-エチル]ベンズアミド[37
6]の合成
ナトリウム(11.6mg、0.5mmol)を乾燥メタノール(1mL)に添加し、
20分間撹拌した。次いで、ヒドロキシルアミン塩酸塩(33.6mg、0.48mmo
l)を添加し、周囲温度での撹拌を45分間続けた。次いで、(2S)-2-[[4-[
2-(4-アミノフェニル)エチニル]ベンゾイル]アミノ]-3-ヒドロキシ-プロパ
ン酸メチル(38mg、0.11mmol)のメタノール/テトラヒドロフラン(1:1
)(1mL)中の溶液を添加し、その反応混合物を2時間撹拌した。次いで、その反応混
合物に、ナトリウム(11.6mg、0.5mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(3
3.6mg、0.48mmol)とメタノール(1mL)から調製したヒドロキシルアミ
ンの別のメタノール性溶液を添加し、40℃で一晩加熱した。その反応混合物を室温とし
、次いで、全ての揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣を、Atlantis(登
録商標)C18カラムを用いる逆相分取HPLCで、0.1%からなる勾配を適用して精
製した。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 10.69(s,1H),
8.85(s,1H),8.34(d,J=8.0Hz,1H),7.90(d,J=8
.5Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),7.23(d,J=8.5
Hz,2H),6.57(d,J=8.6Hz,2H),5.64(s,2H),4.9
8(t,J=5.6Hz,1H),4.42(q,J=6.2Hz,1H),3.68(
s,2H)。
【0459】
実施例11:N-[(1S,2R)-2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシカルバモイル
)プロピル]-4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンズアミド[377]の
合成
【化65】
【0460】
段階1:(2S)-エチル-2-[(4-エチニルベンゾイル)アミノ]-3-メチル
-ブタノエートの合成
4-エチニル安息香酸(600mg、4.11mmol)及びHBTU(1557mg
、4.11mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、周囲温度で5分間撹拌した。次い
で、(S)-エチル2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(820mg、4.52
mmol)、テトラヒドロフラン(7mL)及びトリエチルアミン(1.316mL、9
.44mmol)を添加し、得られた反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、
その混合物を酢酸エチルで希釈し、NaHCO3溶液で2回抽出した。有機層をブライン
で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ペンタン/酢酸エチル)で精製して、標題化合物が得られた。
【0461】
段階2:(2S)-3-メチル-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル
]ベンゾイル]アミノ]ブタン酸エチルの合成
トリエチルアミン(0.235mL、1.683mmol)のテトラヒドロフラン(5
mL)中の溶液を、アルゴン下、Pd(PPh3)2Cl2(20.54mg、0.02
9mmol)、CuI(8.36mg、0.044mmol)、(2S)-エチル-2-
[(4-エチニルベンゾイル)アミノ]-3-メチル-ブタノエート(200mg、0.
732mmol)及びヨード-4-ニトロベンゼン(364mg、1.463mmol)
に添加し、得られた反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル)で精製して、標題化合物が得ら
れた。
【0462】
段階3:(2S)-3-メチル-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル
]ベンゾイル]アミノ]ブタン酸の合成
(2S)-3-メチル-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンゾ
イル]アミノ]ブタン酸エチル(133mg、0.337mmol)のテトラヒドロフラ
ン(4mL)中の溶液に、LiOH(48.5mg、2.023mmol)を添加し、そ
の混合物を周囲温度で1時間撹拌した。水(1滴)を添加し、その混合物を一晩撹拌した
。その反応混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Mg
SO4で脱水し、減圧下で濃縮して標題化合物を得て、これは、それ以上精製することな
く、次の段階で使用した。
【0463】
段階4:N-[(1S)-1-(ヒドロキシカルバモイル)-2-メチル-プロピル]
-4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンズアミド[377]の合成
(2S)-3-メチル-2-[[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチニル]ベンゾ
イル]アミノ]ブタン酸(33mg、0.09mmol)及びHATU(37.7mg、
0.1mmol)を、テトラヒドロフランとDMFの1:1混合物の中で、周囲温度で3
分間撹拌した。O-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ヒドロキシルアミン(1
1.6mg、0.1mmol)及びトリエチルアミン(0.025mL、0.18mmo
l)を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。次いで、全ての揮発性物質を減圧下で除
去し、得られた残渣を、Atlantis(登録商標)C18カラムを用いる逆相分取H
PLCで、0.1%水性ギ酸及びアセトニトリルからなる勾配を適用して精製し、標題化
合物が得られた。1H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 11.25(s,
1H),8.51(d,J=8.6Hz,1H),8.23(d,J=8.9Hz,2H
),7.91(d,J=8.9Hz,2H),7.80(d,J=8.9Hz,2H),
7.66(d,J=8.5Hz,2H),4.08(td,J=8.0,17.3Hz,
1H),2.03(m,J=5.9Hz,1H),0.86(m,J=3.5Hz,3H
)。
【0464】
実施例12:2-[[4-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]ベンゾイル]ア
ミノ]-3-メチル-3-ニトロ-ブタン酸メチルの合成
【化66】
【0465】
4-((4-ホルミルフェニル)エチニル)安息香酸(1316mg、5.26mmo
l)を、テトラヒドロフラン(20mL)及び2滴のDMFと混合させた。次いで、塩化
オキサリル(0.506mL、5.8mmol)を滴下して加え、その反応混合物を室温
で4時間撹拌した。スラリーに、さらなるテトラヒドロフラン(100mL)を添加し、
1時間後、黄色の溶液に、2-アミノ-3-メチル-3-ニトロブタン酸メチル(927
mg、5.26mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、酢
酸エチルで希釈し、飽和水性炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させて標題化合物を得て、これは、それ以上精製する
ことなく、次の段階で使用した。MS:409.1(M+1)。
【0466】
実施例13:アミノ酸としてニトロバリンを含有する溶液相の中で化合物を合成するた
めの一般的な手順
テトラヒドロフラン(1mL)中の2-[[4-[2-(4-ホルミルフェニル)エチ
ニル]ベンゾイル]アミノ]-3-メチル-3-ニトロ-ブタン酸メチル(65mg、0
.16mmol)の混合物に、それぞれのアミン(0.16mmol)を添加し、その溶
液を室温で30分間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(135
mg、0.64mmol)を添加し、その反応混合物を、2-[[4-[2-(4-ホル
ミルフェニル)エチニル]ベンゾイル]アミノ]-3-メチル-3-ニトロ-ブタン酸メ
チルが全て消費されるまで室温で撹拌した。次いで、ジクロロメタンを添加し、混合物を
0.1N HClで洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で
蒸発乾燥させた。得られた残渣をメタノールとテトラヒドロフランの1:1混合物(1m
L)に溶解させ、ヒドロキシルアミン(水中50%、0.3mL、4.9mmol)及び
KCN(1.8mg、0.028mmol)を添加した。得られた反応混合物を、全ての
出発物質が消費されるまで又は反応がそれ以上進行しなくなるまで撹拌した。次いで、混
合物を、XBridge(登録商標)カラム、及び、アセトニトリル/水+0.1%ギ酸
からなる勾配、又は、より塩基性の化合物についてはアセトニトリル/水+0.1%アン
モニアからなる勾配を用いる分取逆相HPLCで精製して、標題化合物が得られた。
【0467】
この手順を使用して、以下の化合物を合成することができる:化合物番号:218、2
76-288。
【0468】
特定の化合物
表Aは、例示された化合物のそれぞれについて、以下の式1で表される構造を提供して
いる。
【0469】
【0470】
表A中の残基Aは、分子式の形態又は化学名の形態のいずれかで記載されており、この
後者の場合は、Aは、その窒素原子で残基Lに結合しているアミンである。
【0471】
列Caにおいては、原子Caの立体化学が示されている。列Caに記載がない場合、C
aに関する両方の立体異性体が存在している。
【0472】
表A中のMの値は、以下の意味を有している。
【表1】
【表2】
【0473】
実施例8: 分析-HPLC方法
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0474】
表Bは、表Aの例示された化合物のそれぞれについて、計算された分子量(MW)、観
察された質量シグナル(m/z)、HPLC保持時間(Rt)(単位:分)及び上記で記
載したHPLC方法(「HPLC方法」)の番号を提供している。
【表7】
【0475】
生物学的実施例
実施例13
代表的な化合物のインビトロ感受性試験
多種類の獣医学的細菌性病原体に対する本発明による化合物の最小阻止濃度(MIC)
を、CLSI文書VET01-A4に従うブロス微量希釈法によって決定した。
【0476】
被験化合物の2倍希釈系列を含む微量希釈トレイを試験に使用した。MICの結果は、
CLSI文書VET01-S3に従って解釈した。肉眼で認識できる増殖(即ち、濁度)
が検出されない、化合物の最低濃度をMICとして記録した。
【0477】
結果
代表的な化合物に関するMICデータは、以下の表1に示されている。
【0478】
以下の病原体/株について、試験した:
【表8】
【表9】
【0479】
実施例14
代表的な化合物のインビトロ感受性試験
本発明の代表的な化合物のインビトロ活性について、さまざまな種の細菌分離株に対し
て試験する。
【0480】
本発明による化合物の最小阻止濃度(MIC)は、CLSI文書VET01-A4に従
うブロス微量希釈法によって決定する。
【0481】
被験化合物の2倍希釈系列を含む微量希釈トレイを、試験に使用する。
【0482】
MICの結果は、CLSI文書VET01-S3に従って解釈する。肉眼で認識できる
増殖(即ち、濁度)が検出されない化合物の最低濃度を、MICとして記録する。
【0483】
【0484】
実施例15
ヨーロッパの異なる国々で集められた呼吸器疾患を患っているブタ及びウシの気道から
分離された細菌に対するインビトロ活性
ヨーロッパの異なる国々で集められたアクチノバシラス・プルロニューモニエ(Act
inobacillus(A.) pleuropneumoniae)の20の分離株
、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella(B.) bronchise
ptica)の20の分離株、ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus(H.
) somni)の20の分離株、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia(M
.) haemolytica)の40の分離株、及び、パスツレラ・ムルトシダ(Pa
steurella(P.) multocida)の40の分離株に対する化合物のイ
ンビトロ活性を確認する。全ての細菌は、呼吸器疾患を患っているブタ及びウシの気道か
ら分離する。全ての分離株は、異なる供給元によって特定されているように疫学的に無関
係であった。
【0485】
本発明による化合物の最小阻止濃度(MIC)は、CLSI文書VET01-A4に従
うブロス微量希釈法によって決定する。
【0486】
被験化合物の2倍希釈系列を含む微量希釈トレイを試験に使用する。
【0487】
MICの結果は、CLSIの文書VET01-S3に従って解釈する。肉眼で認識でき
る増殖(即ち、濁度)が検出されない、化合物の最低濃度をMICとして記録する。MI
C50およびMIC90は、分離株の少なくとも50%又は90%が阻害される濃度を表
す。
【0488】
実施例16
呼吸器疾患を患っているブタの気道から分離されたヘモフィルス・パラスイス(Hae
mophilus parasuis)に対するインビトロ活性
本発明の代表的な化合物のヘモフィルス・パラスイス(H.parasuis)の15
の分離株に対するインビトロ活性を測定する。全ての株は、ヨーロッパの異なる国々にお
いて、ブタの気道から分離する。
【0489】
全ての分離株に関するMICは、CLSI文書VET01-A4[1]に従う寒天希釈
法を使用して、以下の修正を加えて決定する:寒天希釈プレートを調製するために、ミュ
ラーヒントン寒天ベースの代わりにGC寒天ベースを使用する。
【0490】
結果は、CLSI文書VET01-S3に従って解釈する。MICは、コロニー形成を
完全に阻害する抗菌剤の最低濃度であり、ここで、単一コロニー又は接種材料に起因する
かすかな濁りは無視する。
【0491】
実施例17
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)を用いたマ
ウス敗血症モデルにおけるインビボ効力の確認
本研究の目的は、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella(P.) mul
tocida)を用いた敗血症マウスモデルにおいて、皮下(SC)投与後の抗生物質化
合物のインビボ効力を確認することであった。
【0492】
材料及び方法
BALB/cマウスを、6匹のマウスからなる群に割り当てた。全ての群のマウス(非
感染対照群を除く)に、動物1匹あたり、3.2×102CFU(コロニー形成単位)の
パスツレラ・ムルトシダ(P. multocida)L386、血清型A:14を0.
2mLのPBSに含ませて腹腔内(IP)に感染させた。
【0493】
非感染対照群のマウスには、0.2mLの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を腹腔
内投与した。
【0494】
感染させてから1時間経過した後、マウスを、PBS中の10%Captisol(登
録商標)溶液に本発明の化合物を溶解させた1mg/mL溶液を10mg/kg体重で用
いて皮下処理した。陰性対照群は、0.2mLのガレヌス希釈液のみでSC処理した。陽
性対照群では、エンロフロキサシンを獣医用の市販製剤(Baytril(登録商標)
2.5%、Bayer Animal Health)で使用して、それを注射用生理食
塩水で希釈して1mg/mLの濃度とし、そして、10mg/kg体重の投与量で投与し
た。当該感染の臨床的な時間的経過を観察した。
【0495】
マウスの生存を動物相の終わり(D+2)に記録した。この時点で、残りの全てのマウ
スを安楽死させた。この研究の全ての動物から、細菌を定量的に再分離するために肝臓組
織サンプルを採取した。
【0496】
結果:
「マウス生存」は、インビボ相の終わり(D+2)に生存していた動物の数(x/6)
を示す。
【0497】
「細菌学的な治癒」は、肝臓組織から細菌が再分離されなかったことを示す(LOQ=
100CFU/g組織)。以下の表5-1は、本発明の代表的な化合物に関する結果を示
す。
【0498】
【0499】
実施例18
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)ウシ肺感
染症モデルにおける皮下治療の抗感染効果
材料及び方法
15頭の雄のホルスタイン種黒毛の約4ヶ月齢子ウシを無作為に試験群に割り当てて、
体重が均等に分布するようにする。動物の体重は、D-1で、約98-133.5kgで
ある。
【0500】
0日目に、後期対数期にある約3×10
9CFUのマンヘミア・ヘモリチカ(M. h
aemolytica)を含有するマンヘミア・ヘモリチカ(M. haemolyti
ca)PBS懸濁液の約300mLを気管内に滴下注入することにより、子ウシを感染さ
せる。
【表12】
【0501】
3匹の動物を、それぞれ、感染の1時間後に注射用の30%(w/v)Captiso
l(登録商標)水溶液中の本発明の化合物を10mg/kg(BW)の投与量で皮下(S
C)投与することによって、処理する。
【0502】
それぞれの投与量を胸壁の両側に注射する。10mLを超える注射量は、左側に投与す
る10mLの部分と反対側の異なる注射部位に投与する残りの残部に分ける。1つの対照
群の動物は、市販されているエンロフロキサシン溶液(Baytril(登録商標)10
%、Bayer Animal Health)を推奨されている10mg/kg(BW
)の投与量で処理する。第2の対照群は、プラセボとしてのガレヌス希釈液(水に溶解さ
せた30%(w/v) Captisol(登録商標))で処理する。
【0503】
動物を、臨床パラメータについて2日間観察する。飼料の消費量を測定する。以下の時
点で、12匹の動物から単一の個々の血液サンプルを採集する:D-1(投与前)、投与
後、30分、2時間、4時間、6時間、24時間、及び、D2(約45時間)。2日目の
採血後、感染したウシを屠殺する。肺の重さを量る。肺の状態及び肺のスコアについて、
形態学的に観察する。
【0504】
剖検時に、試験品目又は陽性対照で処理された動物から、上皮内膜液(ELF)のサン
プル、肺組織のサンプル、及び、付加的に、肝臓と腎臓の組織のサンプルを採取する。各
肺から、左右の気管支から2つの細菌学的交換を実施する。
【0505】
左右の気管支内の気管分岐部の背後の気管支粘膜上に滅菌紙片を直接挿入することによ
って、上皮内膜液を採取し、気管支液で湿らせる。その紙片を約1分間その場に置いた(
気管支粘膜上に置いた)後、プラスチック製容器内に戻す。
【0506】
各肺から、2つの組織サンプルを、少なくとも2つの部位から(1つは、形態学的に変
化していない組織から、1つは病理学的に変化した領域の端部から)、切り取って採取す
る。
【0507】
血漿、ELF、肺組織及び付加的な組織のサンプルを、それぞれ、本発明の化合物及び
エンロフロキサシン/シプロフロキサシンの濃度について、HPLC-MS/MS法を用
いて分析する。
【0508】
実施例19
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)ウシ肺感
染症モデルにおける皮下処理の抗感染効力
特に別途記載されていない限り、該試験は、実施例16に記載されているのと同様に実
施する。
【0509】
0日目に、後期対数期にある約4×109CFUのマンヘミア・ヘモリチカ(M. h
aemolytica)を含有するマンヘミア・ヘモリチカ(M. haemolyti
ca)PBS懸濁液の約300mLを、気管内に滴下注入することにより、子ウシを感染
させる。
【0510】
3匹の動物を、それぞれ、感染の1時間後に10mg/kgの本発明の化合物、F40
(10%ポロキサマー188中の80mg/mL)の単回皮下注射によって処理する。
【0511】
実施例20
マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)ウシ肺感
染症モデルにおける皮下処理の抗感染効力
材料及び方法
特に別途記載されていない限り、該試験は、臨床実施例15に記載されているのと同様
に実施した。
【0512】
0日目に、後期対数期にある約4×109CFUのマンヘミア・ヘモリチカ(M. h
aemolytica)を含有するマンヘミア・ヘモリチカ(M. haemolyti
ca)PBS懸濁液の約300mLを、気管内に滴下注入することにより子ウシを感染さ
せる。
【0513】
1時間後、3匹の動物を、それぞれ10mg/kgの本発明の化合物(10%ポロキサ
マー188中の80mg/mL)で処理する。