(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141950
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、警告方法および警告プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220921BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120504
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2020052593の分割
【原出願日】2020-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 雅文
(57)【要約】
【課題】一定時間以上の休息時間を確保する場合でも、ユーザが重要なイベントの開始時刻に間に合うような退勤警告を実行すること。
【解決手段】情報処理装置は、特定部162と、判定部163と、出力制御部164とを有する。特定部162は、イベントの開始時刻と、イベントが重要なイベントか否かを示す情報とを対応付けたスケジュール情報を基にして、重要なイベントの開始時刻を特定する。判定部163は、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻と、特定部が特定した開始時刻と基にして、警告を実施するか否かを判定する。出力制御部164は、判定部163の判定結果を基にして、警告画面を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントの開始時刻と、前記イベントに設定されるフラグであって、オンまたはオフとなる前記フラグとを基にして、前記フラグがオンとなるイベントの開始時刻を特定する特定部と、
現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻と、前記特定部が特定した開始時刻とを基にして、警告を実施するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を基にして、警告画面を出力する出力制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記イベントの開始時刻および前記フラグはスケジュール情報に設定され、前記特定部は、翌日の前記スケジュール情報に設定されたイベントのうち、前記フラグがオンとなるイベントの開始時刻を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スケジュール情報は、イベントの属性情報を更に対応付け、前記特定部は、前記属性情報を更に用いて、前記イベントの開始時刻を特定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻に、猶予時間を加えた時刻を示す加算時刻が、前記開始時刻よりも後の時刻である場合に、警告を実施すると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、所定時間毎に前記加算時刻を算出し、前記加算時刻が、前記開始時刻よりも後の時刻となった回数をカウントする処理を更に実行し、前記出力制御部は、前記警告画面に前記回数を更に表示させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する警告方法であって、
イベントの開始時刻と、前記イベントに設定されるフラグであって、オンまたはオフとなる前記フラグとを基にして、前記フラグがオンとなるイベントの開始時刻を特定し、
現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻と、特定した開始時刻とを基にして、警告を実施するか否かを判定し、
判定結果を基にして、警告画面を出力する
処理を実行することを特徴とする警告方法。
【請求項7】
コンピュータに、
イベントの開始時刻と、前記イベントに設定されるフラグであって、オンまたはオフとなる前記フラグとを基にして、前記フラグがオンとなるイベントの開始時刻を特定し、
現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻と、特定した開始時刻とを基にして、警告を実施するか否かを判定し、
判定結果を基にして、警告画面を出力する
処理を実行させることを特徴とする警告プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従業員は、通常の業務時間内に作業が完了しない場合、残業を行っている。残業の合計時間が上限を超えないという制限はあるものの、基本的に、従業員の退社時間は、個人に委ねられており、ある程度の残業で退社する従業員もいれば、最終電車に間に合うように退社する従業員もいる。
【0003】
一方、働き方改革の一環として、勤務間インターバル制度が導入され、一日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、従業員の生活時間や、睡眠時間を確保することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-149655号公報
【特許文献2】特開2000-071988号公報
【特許文献3】特開2003-316412号公報
【特許文献4】特開2010-285053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば、従業員は、重要な会議が翌日の早朝にスケジュールに設定されていても、翌日のスケジュールを厳密に把握していない場合があり、夜遅くまで残業を継続してしまうこともある。このような状況において、勤務間インターバル制度を導入すると、従業員が重要な会議に参加できない場合があった。
【0006】
1つの側面では、本発明は、一定時間以上の休息時間を確保する場合でも、ユーザが重要なイベントの開始時刻に間に合うような退勤警告を実行することができる情報処理装置、警告方法および警告プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、情報処理装置は、特定部と、判定部と、出力制御部とを有する。特定部は、イベントの開始時刻と、イベントに設定されるフラグであって、オンまたはオフとなるフラグとを基にして、フラグがオンとなるイベントの開始時刻を特定する。判定部は、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻と、特定部が特定した開始時刻とを基にして、警告を実施するか否かを判定する。出力制御部は、判定部の判定結果を基にして、警告画面を出力する。
【発明の効果】
【0008】
一定時間以上の休息時間を確保する場合でも、ユーザが重要なイベントの開始時刻に間に合うような退勤警告を実行することができ、重要なイベントに参加できないということを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、スケジュールDBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、スケジュール情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施例に係る端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、出力制御部が出力する警告画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施例に係る端末装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
【
図7】
図7は、本実施例に係る端末装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
【
図8】
図8は、その他の実施例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、端末装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する情報処理装置、警告方法および警告プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例0011】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
図1に示すように、このシステムは、スケジュール管理サーバ50と、端末装置100a~100cとを有する。スケジュール管理サーバ50は、ネットワーク10を介して、端末装置100a~100cに接続される。以下の説明では、端末装置100a~100cをまとめて、端末装置100と表記する。
【0012】
スケジュール管理サーバ50は、各ユーザのスケジュールを管理するサーバである。スケジュール管理サーバ50は、スケジュールDB(Data Base)を有する。
図2は、スケジュールDBのデータ構造の一例を示す図である。
【0013】
図2に示すように、このスケジュールDB55は、ユーザID(Identification)と、名前と、スケジュール情報とを対応付ける。ユーザIDは、ユーザを一意に特定する情報である。たとえば、ユーザIDは、識別番号以外に、メールアドレス等のユーザを一意に特定できる情報であればよい。名前は、ユーザIDに対応するユーザの名前である。スケジュール情報は、ユーザIDに対応するユーザのスケジュールの情報である。
【0014】
図3は、スケジュール情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、ユーザ「富士通太郎」の2020年2月21日のスケジュール情報を示すが、かかるスケジュール情報には、2020年2月21日以降のスケジュール情報も含まれているものとする。
【0015】
スケジュール情報には、複数のイベント情報が設定される。イベント情報には、イベントの開始時刻、イベントの終了時刻、重要フラグ、属性情報が設定される。重要フラグは、イベントが重要なイベントであるか否かを示すものである。重要なイベントであれば、重要フラグが「ON」となり、重要でないイベントであれば、重要フラグが「OFF」となる。
【0016】
属性情報は、イベントの参加者や、イベントの開催に必須となる参加者(必須参加者)のユーザが設定される。属性情報には、その他の情報が含まれていてもよい。たとえば、参加者が、社内のユーザであるかの情報が、属性情報に含まれていてもよい。参加者および必須参加者は、ユーザIDで指定される。
【0017】
図3に示す例では、スケジュール情報には、イベント情報I1,I2が設定されている。イベント情報I1には、イベント「会議」の開始時刻「9時30分」、終了時刻「11時00分」が設定される。イベント情報I1の重要フラグは「ON」となる。イベント情報I1の属性情報には、参加者(U201<山田太郎>、U202<山田花子>、U101<富士通太郎>、U103<富士通次郎>)、必須参加者(U201<山田太郎>)が設定される。また、イベント情報I1の属性情報には、主催者(U201<山田太郎>)が設定される。
【0018】
イベント情報I2には、イベント「会議」の開始時刻「14時00分」、終了時刻「16時00分」が設定される。イベント情報I1の重要フラグは「OFF」となる。イベント情報I2の属性情報には、参加者(U101<富士通太郎>、U103<富士通次郎>)、必須参加者(U103<富士通次郎>)が設定される。また、イベント情報I2の属性情報には、主催者(U101<富士通太郎>)が設定される。
【0019】
イベント情報I3には、イベント「移動」の開始時刻「13時00分」、終了時刻「13時30分」が設定される。イベント情報I3の重要フラグは「OFF」となる。イベント情報I3の属性情報には、参加者(U101<富士通太郎>、U103<富士通次郎>)が設定される。
【0020】
スケジュール管理サーバ50は、端末装置100からスケジュール要求情報を受信した場合に、スケジュール要求情報に設定されたユーザIDに対応するスケジュール情報を、スケジュールDB55から検索し、検索したスケジュール情報を、スケジュール要求の送信元となる端末装置100に送信する。
【0021】
図1の説明に戻る。端末装置100は、ユーザが使用する端末装置であり、PC(Personal Computer)や、ノートPC、タブレット端末等に対応する。本実施例では、端末装置100は、スケジュール管理サーバ50に、スケジュール要求を送信し、スケジュール情報を取得する。端末装置100は、現在時刻から休息時間(インターバル)経過後の時刻が、ユーザが参加する重要なイベントの開始時刻を経過する場合に、帰宅を促す警告を出力する。端末装置100は、「情報処理装置」の一例である。
【0022】
続いて、本実施例に係る端末装置100aの構成の一例について説明する。端末装置100b,100cの構成は、端末装置100aの構成と同様であるため、説明を省略する。
図4は、本実施例に係る端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、通信部110と、入力部120と、表示部130と、タイマー140と、記憶部150と、制御部160とを有する。
【0023】
通信部110は、スケジュール管理サーバ50とデータ通信を実行する処理部である。通信部110は、通信装置に対応する。後述する制御部160は、通信部110を介して、スケジュール管理サーバ50との間で、データをやり取りする。
【0024】
入力部120は、端末装置100aの制御部160に各種のデータを入力するための入力装置である。入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。たとえば、ユーザは、入力部120を操作して、自身のユーザID、パスワード等を入力し、各種の業務を実行する。ユーザに対する認証処理については、端末装置100aが実行してもよいし、端末装置100aに接続される認証サーバが実行してもよい。
【0025】
表示部130は、制御部160から出力される情報を表示する表示装置である。表示部130は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に対応する。
【0026】
タイマー140は、現在日時の情報を、制御部160に出力するタイマーである。
【0027】
記憶部150は、スケジュール情報151を有する。記憶部150は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0028】
スケジュール情報151は、ユーザのスケジュール情報である。スケジュール情報151のデータ構造は、
図3に示したスケジュール情報のように、複数のイベント情報が含まれる。
【0029】
制御部160は、取得部161と、特定部162と、判定部163と、出力制御部164と、電源制御部165と、代替処理部166とを有する。制御部160は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって実現できる。また、制御部160は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
【0030】
取得部161は、スケジュール管理サーバ50から、スケジュール情報151を取得する処理部である。取得部161は、取得したスケジュール情報151を、記憶部150に格納する。
【0031】
たとえば、取得部161は、入力部120から入力された認証済みのユーザIDを取得し、ユーザIDを設定したスケジュール要求情報を生成する。取得部161は、スケジュール要求情報を、スケジュール管理サーバ50に送信することで、スケジュール情報151を、スケジュール管理サーバ50から取得する。
【0032】
特定部162は、スケジュール情報151を基にして、重要なイベントの開始時刻を特定する処理部である。たとえば、特定部162は、タイマー140から、現在日時の情報を基にして、スケジュール情報151に設定された複数のイベント情報のうち、翌日に設定されたイベント情報を取得する。
【0033】
特定部162は、重要フラグが「ON」となるイベント情報の開始時刻を、重要なイベントの開始時刻として特定する。たとえば、特定部162は、翌日に設定されたイベント情報のうち、重要フラグが「ON」となるイベント情報を選択する。特定部162は、重要フラグが「ON」となるイベント情報に設定された開始時刻をそれぞれ比較し、最も早い開始時刻を特定する。特定部162は、特定した開始時刻の情報を、判定部163に出力する。
【0034】
ところで、特定部162は、イベント情報に設定された属性情報を基にして、重要なイベントの開始時刻として特定してもよい。特定部162は、属性情報の必須参加者に設定されたユーザIDが、入力部120から入力された認証済みのユーザIDと一致する場合には、重要フラグが「OFF」であっても、該当するイベント情報を選択する。特定部162は、属性情報を基にして選択したイベント情報と、重要フラグが「ON」となるイベント情報に設定された開始時刻をそれぞれ比較し、最も早い開始時刻を特定してもよい。
【0035】
判定部163は、現在時刻を基準としたインターバル経過後の時刻と、特定部162が特定した開示時刻とを基にして、退勤の警告を実施するか否かを判定する処理部である。判定部163は、判定結果を出力制御部164に出力する。
【0036】
たとえば、判定部163は、下記に示す「条件」を満たさない場合に、退勤の警告を実施すると判定する。条件に示される「翌日の開始可能時刻」は、現在時刻に、インターバルと、猶予時間とを加算した時刻である。「現在時刻」は、タイマー140から出力される現在時刻である。「インターバル」は、働き方改革の一環として、設定される休息時間であり、たとえば、11時間となる。「猶予時間」は、管理者によって設定される時間であり、たとえば、0.5時間となる。「特定開始時刻」は、特定部162によって特定された開始時刻である。
【0037】
翌日の開始可能時刻(現在時刻+インターバル+猶予時間)<特定開始時刻・・・(条件)
【0038】
また、判定部163は、所定期間(たとえば、24時間)毎に、上記処理を繰り返し実行し、上記の条件を満たさない回数をカウントする処理を更に実行してもよい。判定部163は、カウントした回数の情報を、出力制御部164に出力する。判定部163は、特定開始時刻の情報を、出力制御部164に出力する。
【0039】
出力制御部164は、判定部163から、退勤の警告を実施する旨の判定結果を取得した場合に、表示部130に警告画面を出力する処理部である。
図5は、出力制御部が出力する警告画面の一例を示す図である。
図5に示す例では、表示部130に表示される警告画面60には、すみやかな退社を促すメッセージと、翌日のイベントの開始時刻(特定開始時刻)が表示されている。イベントは、会議や移動など、開始時間が決まっている予定を示す。図示を省略するが、出力制御部164は、判定部163がカウントした回数を、警告画面60に更に表示させてもよい。
図5では、警告画面の一例として、会議に関する警告画面60を示すが、移動など他のイベントに関する警告画面も同様に出力される。
【0040】
また、警告画面60には、対応済みボタン60aと、閉じるボタン60bとが表示される。ユーザは、警告画面60によって通知されたイベントについて、対応済みである場合には、入力部120を操作して、対応済みボタン60aを押下する。ここで、対応済みであるとは、通知されたイベントに間に合わない旨を上司に連絡済みであること、または、代わりのユーザに、依頼済みであることに対応する。
【0041】
ユーザは、警告画面60によって通知されたイベントについて、対応済みでない場合、あるいは、警告画面60を閉じる場合には、閉じるボタン60bを押下する。
【0042】
電源制御部165は、予め設定された手順によって、端末装置100aのシャットダウン制御を実行する処理部である。たとえば、電源制御部165は、警告画面60が出力されてから、対応済みボタン60aが押下されない状態で、所定時間経過した場合に、端末装置100aをシャットダウンする。
【0043】
一方、電源制御部165は、
図5に示した対応済みボタン60aが押下された場合には、端末装置100aに対するシャットダウンを実行しない。
【0044】
代替処理部166は、スケジュール情報の変更に関する各種の処理を実行する処理部である。たとえば、代替処理部166は、入力部120を操作するユーザから、スケジュール情報の変更要求を受け付けた場合に、スケジュール情報151を変更し、変更したスケジュール情報を、スケジュール管理サーバ50に送信して、変更要求を行う。
【0045】
また、代替処理部166は、重要なイベントに、代わりに参加する代替者を検索し、代替者の端末装置に、重要なイベントの情報を通知してもよい。
【0046】
次に、本実施例に係る端末装置100aの処理手順の一例について説明する。
図6および
図7は、本実施例に係る端末装置の処理手順を示すフローチャートである。端末装置100b,100cの処理手順は、端末装置100aの処理手順と同様である。
【0047】
図6について説明する。端末装置100aの取得部161は、スケジュール管理サーバ50に、スケジュール要求情報を送信することで、スケジュール情報を取得する(ステップS101)。端末装置100aの特定部162は、重要なイベントが存在しない場合には(ステップS102,No)、処理を終了する。
【0048】
一方、特定部162は、重要なイベントが存在する場合には(ステップS102,Yes)、重要なイベントの開始時刻を特定する(ステップS103)。端末装置100aの判定部163は、タイマー140から現時時刻(日時)の情報を取得する(ステップS104)。
【0049】
判定部163は、現在時刻を基にして、翌日の開始可能時間を算出する(ステップS105)。判定部163は、条件「翌日の開始可能時間<特定開始時刻」を満たす場合には(ステップS106,Yes)、所定時間後(たとえば、5分後)、現在時刻の情報を取得し(ステップS107)、ステップS105に移行する。
【0050】
一方、判定部163は、条件「翌日の開始可能時間<特定開始時刻」を満さない場合には(ステップS106,No)、ステップS108に移行する。端末装置100aの出力制御部164は、警告画面60を出力する(ステップS108)。端末装置100aの電源制御部165は、警告画面60の対応済みボタン60aが押下された場合には(ステップS109)、処理を終了する。
【0051】
一方、電源制御部165は、対応ボタン60bが押下されない場合には(ステップS110)、
図7のステップS110に移行する。
【0052】
図7の説明に移行する。電源制御部165は、シャットダウン設定がなされている場合には(ステップS110,Yes)、シャットダウン処理を実行する(ステップS111)。一方、電源制御部165は、シャットダウン設定がなされていない場合には(ステップS110,No)、ステップS112に移行する。
【0053】
端末装置100の代替処理部166は、スケジュールの変更要求を受け付けた場合には(ステップS112,Yes)、スケジュール変更処理を実行する(ステップS113)。一方、代替処理部166は、スケジュールの変更要求を受け付けていない場合には(ステップS112,No)、代替処理を実行する(ステップS114)。
【0054】
次に、本実施例に係るシステムの効果について説明する。本実施例に係る端末装置100は、重要なイベントの開始時刻を特定し、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過場合に、警告画面を出力する。これによって、一定時間以上の休息時間を確保する場合でも、ユーザが重要なイベントの開始時刻に間に合うような退勤警告を実行することができる。
【0055】
端末装置100は、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻に、猶予時間を加えた時刻が、重要なイベントの開始時刻よりも後の時刻である場合に、警告画面を出力する。これによって、ユーザが、余裕をもって、重要なイベントの開始時刻に間に合うような退勤警告を実行することができる。
【0056】
端末装置100は、所定期間(たとえば、24時間)毎に、条件を満たすか否かの判定処理を繰り返し実行し、条件を満たさない回数をカウントし、カウントした回数を、警告画面60に表示させる。これによって、ユーザに対して、残業時間が長くなり、翌日のイベントに間に合わなくなりそうな今までの回数を通知することができる。
【0057】
端末装置100は、イベントの属性情報を基にして、重要なイベントか否かを判定する。これによって、重要フラグのON、OFFに依存せず、重要なイベントを特定することができる。
【0058】
端末装置100は、警告画面を表示して、対応済みボタンが押下されない場合には、シャットダウン処理を実行する。これによって、ユーザが重要なイベントの開始時刻に間に合わせることができる。
【0059】
ところで、上述した説明では、端末装置100が警告機能を有し、重要なイベントの開始時刻を特定し、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過した場合に、警告画面を出力する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0060】
たとえば、外部サーバが、警告機能を有し、端末装置を監視してもよい。すなわち、外部サーバが、重要なイベントの開始時刻を特定し、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過した場合に、警告画面を端末装置100に出力されるような構成であってもよい。
【0061】
図8は、その他の実施例を説明するための図である。
図8に示すように、このシステムは、スケジュール管理サーバ50と、端末装置70a~70cと、外部サーバ200とを有する。外部サーバ200は、端末装置70a~70cを監視し、警告画面の出力制御を行う。外部サーバ200は、「情報処理装置」の一例である。
【0062】
外部サーバ200が、端末装置70aを監視して、警告画面の出力制御を行う場合について説明する。外部サーバ200は、端末装置70aから、ユーザIDを取得し、ユーザIDに対応するスケジュール情報を、スケジュール管理サーバ50から取得する。
【0063】
外部サーバ200は、スケジュール情報を基にして、重要なイベントの開始時刻を特定し、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過するか否かを判定する。外部サーバ200が、重要なイベントの開始時刻を特定する処理は、
図4の特定部162の処理と同様である。外部サーバ200が、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過するか否かを判定する処理は、
図4の判定部163の処理と同様である。
【0064】
外部サーバ200は、現在時刻を基準とした休息インターバル経過後の時刻が、重要なイベントの開始時刻を超過する場合に、警告画面を端末装置70aに出力させる。たとえば、
図5に示した警告画面60の情報を生成して、生成した警告画面60の情報を端末装置70aに送信して表示させる。
【0065】
また、外部サーバ200は、端末装置70aから、警告画面60に対するユーザの入力結果を受信し、シャットダウン処理や、代替処理を実行する。外部サーバ200が、シャットダウン処理を実行する場合には、外部サーバ200は、シャットダウン要求を、端末装置70aに送信し、端末装置70aをシャットダウンさせる。
【0066】
次に、上記実施例に示した端末装置100(外部サーバ200)と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。
図9は、端末装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0067】
図9に示すように、コンピュータ300は、各種演算処理を実行するCPU301と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置302と、ディスプレイ303とを有する。また、コンピュータ300は、スケジュール管理サーバ50等とデータ通信を実行する通信装置304と、各種の装置と接続するインタフェース装置305とを有する。コンピュータ300は、各種情報を一時記憶するRAM306と、ハードディスク装置307とを有する。そして、各装置301~307は、バス308に接続される。
【0068】
ハードディスク装置307は、取得プログラム307a、特定プログラム307b、判定プログラム307c、出力制御プログラム307d、電源制御プログラム307e、代替処理プログラム307fを有する。CPU201は、取得プログラム307a、特定プログラム307b、判定プログラム307c、出力制御プログラム307d、電源制御プログラム307e、代替処理プログラム307fを読み出してRAM306に展開する。
【0069】
取得プログラム307aは、取得プロセス306aとして機能する。特定プログラム307bは、特定プロセス306bとして機能する。判定プログラム307cは、判定プロセス306cとして機能する。出力制御プログラム307dは、出力制御プロセス306dとして機能する。電源制御プログラム307eは、電源制御プロセス306eとして機能する。代替処理プログラム307fは、代替処理プロセス306fとして機能する。
【0070】
取得プロセス306aの処理は、取得部161の処理に対応する。特定プロセス306bの処理は、特定部162の処理に対応する。判定プロセスの処理は、判定部163の処理に対応する。出力制御プロセス306aの処理は、出力制御部164の処理に対応する。電源制御プロセス306eの処理は、電源制御部165の処理に対応する。代替処理プロセス306fの処理は、代替処理部166の処理に対応する。
【0071】
なお、各プログラム307a~307fについては、必ずしも最初からハードディスク装置307に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300が各プログラム307a~307fを読み出して実行するようにしてもよい。