(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142013
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】昇圧回路を有する電子機器。
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
H02M3/155 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041967
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 文靖
(72)【発明者】
【氏名】道関 隆国
(72)【発明者】
【氏名】田中 亜実
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730AS04
5H730BB14
5H730BB86
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD21
(57)【要約】
【課題】 本発明は、蓄電容量の個数の少ない昇圧回路や、容量値の小さい小型の蓄電容量を用いた昇圧回路を有する電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】 昇圧回路を有する電子機器100は、第1の昇圧回路103と、出力回路105と、負荷106と、第1の蓄電容量102と、第2の蓄電容量104と、入力端子107と、を備え、入力端子107は、第1の蓄電容量102と第1の昇圧回路103の入力端子に接続され、第2の蓄電容量104は、第1の昇圧回路103の出力端子と出力回路105の入力端子に接続され、負荷106は、出力回路105の出力端子に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の昇圧回路と、出力回路と、負荷と、第1の蓄電容量と、第2の蓄電容量と、入力端子と、を備え、
前記入力端子は、前記第1の畜電容量と前記第1の昇圧回路の入力端子に接続され、
前記第2の蓄電容量は、前記第1の昇圧回路の出力端子と前記出力回路の入力端子に接続され、
前記負荷は、前記出力回路の出力端子に接続されたことを特徴とする昇圧回路を有する電子機器。
【請求項2】
前記第1の蓄電容量の蓄電電圧よりも、前記第2の蓄電容量の蓄電電圧が高い請求項1記載の昇圧回路を有する電子機器。
【請求項3】
前記出力回路は、電圧検出回路と第2の昇圧回路とスイッチとを有し、前記スイッチは前記出力回路の入力端子と前記第2の昇圧回路との間に設置され、前記スイッチの制御端子は電圧検出回路に接続される請求項1もしくは請求項2記載の昇圧回路を有する電子機器。
【請求項4】
前記出力回路は、電圧検出回路とスイッチとを有し、前記スイッチは出力回路の入力端子と出力端子との間に設置され、前記スイッチの制御端子は電圧検出回路に接続される請求項1もしくは請求項2記載の昇圧回路を有する電子機器。
【請求項5】
前記出力回路は、電圧検出回路と昇圧回路とスイッチとを有し、前記スイッチは前記昇圧回路の負側電源端子とGND電源との間に設置され、前記スイッチの制御端子は電圧検出回路に接続される請求項1もしくは請求項2記載の昇圧回路を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧回路を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
入力電力を昇圧回路で昇圧電力に変換し、この昇圧電力で、負荷を動作させる場合において、入力電力は、昇圧回路の自己消費電力以上の電力が無いと負荷を動作させることができなかった。そこで、従来の昇圧回路を有する電子機器は、昇圧回路の入力に蓄電容量を設け、この蓄電容量に負荷を所定時間動作させるのに必要な電力を蓄電させ、この蓄電容量に溜まった電力で負荷を間欠動作させる構成が提案されていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の昇圧回路を有する電子機器は、昇圧回路の入力側に蓄電容量があった。入力電圧が低い場合は、負荷を所定時間動作させるのに必要な電力を溜めるために、蓄電容量の容量値を大きくする必要があった。このため、蓄電容量の個数を増やす、あるいは、容量値の大きな蓄電容量を用いる必要があった。蓄電容量部品の実装面積の増加、蓄電容量部品のコストの増加といった課題があった。本発明は、蓄電容量の個数の少ない昇圧回路や、容量値の小さい小型の蓄電容量を用いた昇圧回路を、有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の昇圧回路と、出力回路と、負荷と、第1の蓄電容量と、第2の蓄電容量と、入力端子と、を備え、前記入力端子は、前記第1の畜電容量と前記第1の昇圧回路の入力端子に接続され、前記第2の蓄電容量は、前記第1の昇圧回路の出力端子と前記出力回路の入力端子に接続され、前記負荷は、前記出力回路の出力端子に接続されることを特徴とする昇圧回路を有する電子機器とした。
【発明の効果】
【0006】
第2の蓄電容量は、第1の昇圧回路で昇圧された昇圧電力を蓄電するので、容量値の小さい小型の蓄電容量でも負荷を一定時間動作させる電力が蓄電できる。第1の昇圧回路を複数回動作させて第1の蓄電容量の電力を第2の蓄電容量に蓄電できるので、第1の蓄電容量も、従来構成の蓄電容量に比べて容量値の小さい小型の蓄電容量で良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態の一例を示す回路図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の第1の昇圧回路の一例を示す回路図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の第1の出力回路の一例を示す回路図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態の第2の出力回路の一例を示す回路図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態の第3の出力回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる昇圧回路を有する電子機器100の一例を示す回路図である。
【0009】
本発明にかかる第1の実施形態の昇圧回路を有する電子機器100は、第1の昇圧回路103と、第1の出力回路105と、第1の蓄電容量102と、第2の蓄電容量104と、負荷106と、第1の入力端子107と、第2の入力端子108と、を備えている。
【0010】
昇圧回路を有する電子機器100の接続を説明する。外部の発電素子101は、外部から第1の入力端子107と第2の入力端子108の間に接続される。第1の入力端子107は、第1の蓄電容量102の第1端子と、第1の昇圧回路103の第1端子151に接続される。第2の入力端子108と、第1の蓄電容量102の第2端子は、GND電源に接続される。第1の昇圧回路103の第2端子152は、第2の蓄電容量104の第1端子と、第1の出力回路105の第1端子161に接続される。第1の昇圧回路の第3端子153と、第2の蓄電容量104の第2端子は、GND電源に接続される。第1の出力回路105の第2端子162は、負荷106の第1端子171に接続される。第1の出力回路105の第3端子163と、負荷106の第2端子172は、GND電源に接続される。
【0011】
第1の実施形態の昇圧回路を有する電子機器100の動作について説明する。
発電素子101が第1の発電電力を出力すると、第1の発電電力は、第1の蓄電容量102に蓄電される。第1の蓄電容量102の蓄電電圧が、第1の昇圧回路103の起動電圧に達すると、第1の昇圧回路103は、第1の蓄電容量102の蓄電電力で起動し、昇圧動作を開始する。第1の昇圧回路103は、昇圧動作を開始すると、第1の蓄電容量102の蓄電電力を第1の昇圧電力に変換する。第1の昇圧電力は、第2の蓄電容量104に蓄電される。第1の蓄電容量102の蓄電電圧が、第1の昇圧回路103の動作電圧を下回ると第1の昇圧回路103は昇圧動作を停止する。発電素子101からの発電電力が、再び第1の蓄電容量102の蓄電電圧に変換されて、同様の動作が繰り返していく。第2の蓄電容量104の蓄電電圧が、第1の出力回路105の起動電圧に達すると、第1の出力回路105は、第2の蓄電容量104の蓄電電力を、出力電力に変換する。出力電力は、負荷106へ供給され、負荷106は出力電力で動作する。
【0012】
ここで例えば、第1の蓄電容量102の容量値は0.68mF、第2の蓄電容量104の容量値も0.68mF、第1の昇圧回路103の起動電圧を0.3V、第1の出力回路105の起動電圧を1.9Vとした場合、第1の蓄電容量102の蓄電電力の第1の昇圧電力への変換を約100回繰り返すと、第2の蓄電容量104の蓄電電圧は、第1の出力回路105の起動電圧に達する。第1の出力回路105は、第2の蓄電容量104の蓄電電圧から出力電力を生成し負荷106へ供給する。
【0013】
上記したように、第1の昇圧回路103の起動電力は、第1の蓄電容量102の蓄電電力が使われる。このため、発電素子101の発電電力が、第1の昇圧回路103の起動電力よりも小さい場合でも、第1の昇圧回路103は、第1の蓄電容量102の蓄電電力を、第1の昇圧電力に変換することができる。第1の蓄電容量102の蓄電電力は、負荷106を所定時間動作させる電力よりも少ないが、第1の昇圧回路103を複数回起動することで、負荷106を所定時間動作させる電力を第2の蓄電容量104に蓄電することができる。また、第2の蓄電容量104の蓄電電圧は、第1の蓄電容量102の蓄電電圧より高い。このため、第2の蓄電容量104の容量値を大きくしなくても、第2の蓄電容量104の蓄電電力は、負荷106を所定時間動作させることができる。
【0014】
図2は、第1の昇圧回路103の一例である。第1の昇圧回路103は、第2の昇圧回路202と、第1の制御回路208と、第3の蓄電容量205と、第4の蓄電容量207と、第1の線輪201と、第1のダイオード203と、第1のNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと記載する)204と、第1のスイッチ206と、第1端子151と、第2端子152と、第3端子153と、を有する。
【0015】
第1の昇圧回路103の接続を説明する。第1の昇圧回路103の第1端子151は、第1の線輪201の第1端子と第2の昇圧回路202の第1端子250に接続される。第2の昇圧回路202の第2端子251は、第1のスイッチ206の制御端子に接続される。第2の昇圧回路202の第3端子252は、第1のスイッチ206の第1端子と第3蓄電容量205の第1端子に接続される。第2の昇圧回路202の第4端子253と第3の蓄電容量205の第2端子は、GND電源に接続される。第1のスイッチ206の第2端子は、第4の蓄電容量207の第1端子と第1の制御回路208の第2端子261に接続される。第1の制御回路208の第3端子262と第4の蓄電容量207の第2端子は、GND電源に接続される。第1のNMOSトランジスタ204のドレイン端子は、第1の線輪201の第2端子と第1のダイオード203のアノード端子に接続される。第1のNMOSトランジスタ204のゲート端子は、第1の制御回路208の第1端子260に接続される。第1のNMOSトランジスタ204のソース端子は、GND電源に接続される。第1のダイオード203のカソード端子は、第1の昇圧回路103の第2端子152に接続される。第1の昇圧回路103の第3端子153は、GND電源に接続される。
【0016】
第1の昇圧回路103の動作を説明する。
第1の昇圧回路103の第1端子151の電圧が、第2の昇圧回路202の起動電圧に達すると、第2の昇圧回路202が昇圧動作を開始する。第2の昇圧回路202が昇圧動作を開始すると、第1の昇圧回路103の第1端子151に供給される電力を第2の昇圧電力に変換する。第2の昇圧電力は、第3の蓄電容量205に蓄電される。第2の昇圧回路202は、第3の蓄電容量205の蓄電電力が、第1の制御回路208が所定時間動作できる電力まで蓄電されたことを、第3の蓄電容量205の蓄電電圧をモニターすることで検知する。第2の昇圧回路202は、第3の蓄電容量205の蓄電電圧が所定電圧以上となったことを検知すると、第1のスイッチ206をオンし、第3の蓄電容量205の蓄電電力を第1の制御回路208の第2端子261へ供給する。第1の制御回路208は、第3の蓄電容量205の蓄電電力で動作する。第1の制御回路208は、第1端子260から第1のNMOSトランジスタのオンとオフを繰り返し行う制御信号を出力する。第1のNMOSトランジスタ204がオンの際に第1の線輪201に溜まった電力を、第1のNMOSトランジスタ204がオフの際に、第1のダイオード203を介して第1の昇圧回路103の第2端子152へ出力することで、第1の昇圧回路103の第2端子152から第1の昇圧電圧が出力される。
【0017】
例えば、第3の蓄電容量205の容量値は1μF、第4の蓄電容量207の容量値は0.1μFとし、第1のスイッチ206がオンする第3の蓄電容量205の蓄電電圧を2.4Vとした場合、第1の制御回路208は0.1秒程度動作する。なお、第4の蓄電容量207は、第1の制御回路208の電源平滑用の容量である。
【0018】
上記したように、第1の昇圧回路103は、第3の蓄電容量205の蓄電電力で、第1の制御回路208を所定時間動作することで、第1の昇圧回路103の第1端子151に入力された電力を、所定時間第1の昇圧電力に変換し、第1の昇圧電力を第1の昇圧回路103の第2端子152から所定時間出力することができる。
【0019】
図3は、第1の出力回路105の一例である。第1の出力回路105は、第1の電圧検出回路306と、第2の制御回路308と、第2のダイオード301と、第3のダイオード309と、第4のダイオード310と、第5の蓄電容量303と、第6の蓄電容量304と、第7の蓄電容量311と、第2のNMOSトランジスタ307と、第2のスイッチ302と、第2の線輪305と、第1端子161と、第2端子162と、第3端子163と、を有する。ここで、第2の制御回路308と、第3のダイオード309と、第6の蓄電容量304と、第7の蓄電容量311と、第2のNMOSトランジスタ307と、第2の線輪305と、は、第3の昇圧回路356を構成する。
【0020】
第1の出力回路105の接続を説明する。第1の出力回路105の第1端子161は、第2のダイオード301のアノード端子と第2のスイッチ302の第1端子に接続される。第2のダイオード301のカソード端子は、第5の蓄電容量303の第1端子と第1の電圧検出回路306の第1端子350と第4のダイオード310のカソード端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第2端子351は、第2のスイッチ302の制御端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第3端子352と第5の蓄電容量303の第2端子は、GND電源に接続される。第2のスイッチ302の第2端子は、第6の蓄電容量304の第1端子と第2の線輪305の第1端子に接続される。第2の線輪305の第2端子は、第3のダイオード309のアノード端子と第2のNMOSトランジスタ307のドレイン端子に接続される。第2のNMOSトランジスタ307のゲート端子は、第2の制御回路308の第1端子353に接続される。第3のダイオード309のカソード端子は、第4のダイオード310のアノード端子と第2の制御回路308の第2端子354と第7の蓄電容量311の第1端子と第1の出力回路105の第2端子162とに接続される。第1の出力回路105の第3端子163と第2のNMOSトランジスタ307のソース端子と第2の制御回路308の第3端子355と第6の蓄電容量304の第2端子と第7の蓄電容量311の第2端子は、GND電源に接続される。
【0021】
図3で示す第1の出力回路105の動作を説明する。
第1の出力回路105の第1端子161に供給される電力は、第2のダイオード301を介して、第5の蓄電容量303に蓄電される。第5の蓄電容量303の蓄電電圧は、第1の電圧検出回路306でモニターされる。第1の電圧検出回路306が、第5の蓄電容量303の蓄電電圧が所定の電圧になったことを検出すると、第1の電圧検出回路306は、第2のスイッチ302をオンする。第2のスイッチ302がオンすると、第1の出力回路105の第1端子161に供給される電力は、第2の線輪305と第3のダイオード309を介して、第2の制御回路308の第2端子354に供給される。第2の制御回路308は、第2端子354に供給された電力で動作を開始する。第2の制御回路308は、第1端子353から第2のNMOSトランジスタ307のオンとオフを繰り返し行う制御信号を出力する。第2のNMOSトランジスタ307がオンの際に第2の線輪305に溜まった電力を、第2のNMOSトランジスタ307がオフの際に、第3のダイオード309を介して第1の出力回路105の第2端子162へ出力することで、第1の出力回路105の第2端子162から出力電力が出力される。出力電力は、第2の制御回路308の動作を持続すると共に、第4のダイオード310を介して、第5の蓄電容量303に蓄電される。
【0022】
例えば、第5の蓄電容量303の容量値は10μF、第1の電圧検出回路306の検出電圧を1.8V、検出解除電圧を1.5Vとした場合、第1の出力回路105の第1端子161に約1.9Vの電圧が入力されると第2のスイッチ302がオンするため、第3の昇圧回路356は起動する。第3の昇圧回路が起動すると、例えば2Vの出力電力が出力される。2Vの出力電力が出力されると、第5の蓄電容量303の電圧は、出力電力で充電され、1.5Vを下回ることなく1,9Vに上昇する。このため、第1の出力回路105の第1端子161の電圧が1,6Vを下回っても、第2のスイッチ302はオンし続けることができる。なお、第6の蓄電容量304は、第2の線輪305の平滑用の容量であり、第7の蓄電容量311は、第2の制御回路308の電源平滑用の容量である。
【0023】
上記したように、第1の出力回路105は、第1の出力回路105の第1端子161に所定電圧が入力されると、起動を開始し、出力電力を出力することができる。負荷106は、第1の出力回路105の第2端子162から負荷106の第1端子171に供給される第1の出力回路105の出力電力によって所定時間駆動される。
【0024】
以上、説明したように、本実施形態の昇圧回路を有する電子機器によれば、第1の昇圧回路103を複数回起動して第2の蓄電容量104に蓄電することで、従来と比べて容量値の小さい小型の第1の蓄電容量102と第2の蓄電容量104とを用いて、発電素子101の電力によって負荷106を所定時間駆動することができる。
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の第1の出力回路105を第2の出力回路105aで置換した構成である。
【0025】
図4は、本実施形態にかかる昇圧回路を有する電子機器の第2の出力回路105aの一例を示す回路図である。第2の出力回路105aは、第1の電圧検出回路306と、第5の蓄電容量303と、第7の蓄電容量311と、第2のスイッチ302と、第1端子161と、第2端子162と、第3端子163と、を有する。
【0026】
第2の出力回路105aの接続を説明する。第2の出力回路105aの第1端子161は、第5の蓄電容量303の第1端子と第1の電圧検出回路306の第1端子350と第2のスイッチ302の第1端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第2端子351は、第2のスイッチ302の制御端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第3端子352と第5の蓄電容量303の第2端子は、GND電源に接続される。第2のスイッチ302の第2端子は、第7の蓄電容量311の第1端子と第2の出力回路105aの第2端子162に接続される。第2の出力回路105aの第3端子163と第7の蓄電容量311の第2端子は、GND電源に接続される。
【0027】
第2の実施形態の昇圧回路を有する電子機器の第2の出力回路105aの動作について説明する。
第2の出力回路105aは、第2の出力回路105aの第1端子161に入力される電力の電圧を第1の電圧検出回路306でモニターする。第1の電圧検出回路306は、第2の出力回路105aの第1端子161の電圧が所定電圧になったことを検出すると、第1の電圧検出回路306が第2のスイッチ302をオンする。第2のスイッチ302がオンすると、第2の出力回路105aの第1端子161に入力された電力が、出力電力として第2の出力回路105aの第2端子162から出力される。負荷106は、負荷106の第1端子171に供給される第2の出力回路105aの出力電力によって所定時間駆動される。第7の蓄電容量311は、負荷106の電源平滑用の容量である。
【0028】
例えば、第1の電圧検出回路306の検出電圧を1.9V、検出解除電圧を1.6Vとした場合、第2の出力回路105aの第1端子161に1.9Vの電圧が入力されると、第2の出力回路105aは、第2の出力回路105aの第2端子162から出力電力を出力する。第2の出力回路105aは、出力電力を出力すると、第2の出力回路105aの第1端子161の電圧が低下し始め、第2の出力回路105aの第1端子161の電圧が1.6Vより下回ると、出力電力の出力を停止する。第2の出力回路105aは、第2の出力回路105aの第1端子161に所定電圧が入力されると、起動を開始し、負荷106を所定時間駆動することができる。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態の昇圧回路を有する電子機器によれば、第1の昇圧回路103を複数回起動して第2の蓄電容量104に蓄電することで、従来と比べて小型小容量の第1の蓄電容量102と第2の蓄電容量104とを用いて、発電素子101の電力によって負荷106を所定時間駆動することができる。
【0030】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態の第1の出力回路105を第3の出力回路105bで置換した構成である。
【0031】
図5は、本実施形態にかかる昇圧回路を有する電子機器の第3の出力回路105bの一例を示す回路図である。第3の出力回路105bは、第1の電圧検出回路306と、第2の制御回路308と、第3のダイオード309と、第5のダイオード313と、第7の蓄電容量311と、第8の蓄電容量316と、第2のNMOSトランジスタ307と、第3のNMOSトランジスタ315と、第1の抵抗317と、第2の線輪305と、第1端子161と、第2端子162と、第3端子163と、を有する。ここで、第2の制御回路308と、第3のダイオード309と、第7の蓄電容量311と、第2のNMOSトランジスタ307と、第2の線輪305と、は、第4の昇圧回路357を構成する。
【0032】
第3の出力回路105bの接続を説明する。第3の出力回路105bの第1端子161は、第2の線輪305の第1端子に接続されている。第2の線輪305の第2端子は、第3のダイオード309のアノード端子と第2のNMOSトランジスタ307のドレイン端子に接続されている。第3のダイオード309のカソード端子は、第1の電圧検出回路306の第1端子350と第2の制御回路308の第2端子354と第7の蓄電容量311の第1端子と第3の出力回路105bの第2端子162に接続されている。第2の制御回路308の第1端子353は、第2のNMOSトランジスタ307のゲート端子に接続されている。第2の制御回路308の第3端子355は、第2のNMOSトランジスタ307のソース端子と第3のNMOSトランジスタ315のドレイン端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第2端子351は、第5のダイオード313のアノード端子に接続される。第1の電圧検出回路306の第3端子352は、GND電源に接続される。第5のダイオード313のカソード端子は、第8の蓄電容量316の第1端子と第1の抵抗317の第1端子と第3のNMOSトランジスタ315のゲート端子に接続される。第3の出力回路105bの第3端子163と第8の蓄電容量316の第2端子と第1の抵抗317の第2端子と第3のNMOSトランジスタ315のソース端子は、GND電源に接続される。
【0033】
ここで、第2の線輪305の第1端子は、第4の昇圧回路357の入力端子に相当する。第2のNMOSトランジスタ307のソース端子と第2の制御回路308の第3端子355の接続点は、第4の昇圧回路357の負側電源端子に相当する。第3のダイオード309のカソード端子と第7の蓄電容量311の第1端子の接続点は、第4の出力回路357の出力端子に相当する。
【0034】
第3の実施形態の昇圧回路を有する電子機器の第3の出力回路105bの動作について説明する。
第3の出力回路105bの第1端子161に入力される電力は、第2の線輪305と第3のダイオード309を介して第3の出力回路105bの第2端子162と第2の制御回路308の第2端子354と第1の電圧検出回路306の第1端子350とに供給される。第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第1端子350に供給される電力で動作すると共に、第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧をモニターする。第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧が所定電圧以上となったことを検出すると、第1の電圧検出回路306の第2端子351から第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧を出力する。第1の電圧検出回路306の第2端子351から出力された第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧は、第5のダイオード313を介して、第3のNMOSトランジスタ315のゲート端子に供給されるため、第3のNMOSトランジスタ315がオンする。第3のNMOSトランジスタ315がオンすると、第4の昇圧回路357の第2の制御回路308が動作を開始する。第2の制御回路308は、第2のNMOSトランジスタ307のオンとオフを繰り返し行う。第2のNMOSトランジスタ307がオンの際に第2の線輪305に溜まった電力を、第2のNMOSトランジスタ307がオフの際に、第3のダイオード309を介して第2端子162へ出力することで、第2端子162から第4の昇圧回路357の出力電力が出力される。第4の昇圧回路357の出力電力の電圧は第1の電圧検出回路306の検出電圧以上である。このため、第4の昇圧回路357の出力電力が第1の電圧検出回路306の第1端子350に供給されると、第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第2端子351から第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧を出力する。このため、第3のNMOSトランジスタ315がオンし続ける。なお、第7の蓄電容量311は、第2の制御回路308の電源平滑用の容量であり、第8の蓄電容量316は、第1の電圧検出回路306の第2端子351から電圧が出力されない場合でも、第3のNMOSトランジスタのゲート電圧を所定時間保持するための容量である。また、第1の抵抗317は、第7の蓄電容量311の放電用の抵抗である。
【0035】
例えば、第1の電圧検出回路306の検出電圧を1.8V、検出解除電圧を1.7Vとし、第8の蓄電容量316の容量値を1μFとし、第1の抵抗317の抵抗値を1MΩとし、第4の昇圧回路357の出力電力の電圧を2.0Vとした場合、第3の出力回路105bは、第3の出力回路105bの第1端子161に1,9Vの電力が入力されると、第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧を第1の電圧検出回路306の第2端子351から出力する。このため、第2の制御回路308が動作を開始する。第2の制御回路308が動作を開始すると、入力電力の電圧が1.8Vを下回るため、第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧を第1の電圧検出回路306の第2端子351から出力しない。この際、第5のダイオード313と第8の蓄電容量316により、第3のNMOSトランジスタ315の電圧は、ほとんど低下しないため、第3のNMOSトランジスタ315はオン状態を維持できる。このため、第2の制御回路308が動作を持続することができ、第4の昇圧回路357から、2.0Vの出力電力が出力される。第4の昇圧回路357から、2.0Vの出力電力が出力されると、第1の電圧検出回路306は、第1の電圧検出回路306の第1端子350の電圧を第1の電圧検出回路306の第2端子351から出力する。このため、第4の昇圧回路357は、第3の出力回路105bの第1端子161に入力された電力の電圧が0.1V程度まで低下するまで、第3の出力回路105bの第2端子162から出力電力を出力し続けることができる。
【0036】
上記したように、第3の出力回路105bは、第1端子161に所定電圧が入力されると、起動を開始し、負荷106を所定時間駆動することができる。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態の昇圧回路を有する電子機器によれば、第1の昇圧回路103を複数回起動して第2の蓄電容量104に蓄電することで、従来と比べて容量値の小さい小型の第1の蓄電容量102と第2の蓄電容量104とを用いて、発電素子の電力を用いて負荷を所定時間駆動することができる。
【0038】
本発明によれば、発電素子の電力で充電される容量値の小さい小型の第1の蓄電容量の蓄電電力で第1の昇圧回路を動作させ、第1の蓄電容量の電力を第2の蓄電容量に蓄電できる。第2の蓄電容量に蓄電される蓄電電力は、第1の蓄電容量に蓄電される蓄電電力よりも高い電圧なので、容量値の小さい小型の第2の蓄電容量で、負荷を所定時間動作させる電力を蓄電できる。出力回路は、第1の昇圧回路が複数回動作して第2の蓄電容量に負荷を所定時間動作させる電力が蓄電されると、負荷を所定時間動作させる電力を負荷へ出力する。
【0039】
従来の昇圧回路を有する電子機器は、負荷を所定時間動作させる電力を発電素子に直接接続された蓄電容量に低電圧で蓄電するため、大容量の蓄電容量が必要であった。本発明の第2の蓄電容量は、負荷を所定時間動作させる電力をより高電圧で蓄電するため、容量値の小さい小型の蓄電容量で良い。また、発電素子に直接接続される本発明の第1の蓄電容量は、第1の昇圧回路を複数回(例えば第1の実施形態では100回)動作させて第2の蓄暖容量に所定の電力を蓄電するため、従来の昇圧回路を有する電子機器より容量値が小さい小型の蓄電容量で良い。
【符号の説明】
【0040】
100 昇圧回路を有する電子機器
101 発電素子
102、104 蓄電容量
103、202、356、357 昇圧回路
105、105a、105b 出力回路
106 負荷