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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142047
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】雨押え構造体
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/14 20060101AFI20220922BHJP
   E04D 13/16 20060101ALI20220922BHJP
   E04B 1/70 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
E04D13/14 D
E04D13/16 S
E04B1/70 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042026
(22)【出願日】2021-03-16
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592114080
【氏名又は名称】株式会社ハウゼコ
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】神戸 睦史
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA02
2E001DA03
2E001FA04
2E001FA16
2E001GA13
2E001GA24
2E001GA60
2E001HB02
2E001HF01
2E001NA07
2E001NB01
2E001NC01
2E001ND21
(57)【要約】
【課題】 施工効率が向上する雨押え構造体を提供する。
【解決手段】 雨押え構造体1は、垂直に延びる母屋の外壁部と、外壁部の途中から外方に向かって延びる下屋の屋根部とで構成される取り合い部分に設置されるものであって、先雨押え10と、先雨押え10に連結する後雨押え20とを備える。先雨押え10と後雨押え20とは、第1連結部12の第1折曲部14と、第2連結部22の第2折曲部24とが掛け合うことにより連結している。雨押え構造体1の取り付けにおいては、まず、外壁部で先雨押え10の施工及び外壁材までの施工を完了させ、後から屋根部の施工を行う。屋根部の施工完了後、後雨押え20の第2折曲部24を第1折曲部14と屋根部との隙間に押し込んで、第2折曲部24と第1折曲部14とを掛け合わせることにより、後雨押え20と先雨押え10とが連結し、雨押え構造体1が取り合い部分に取り付けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に延びる母屋の外壁部と、前記外壁部の途中から外方に向かって延びる下屋の屋根部とで構成される取り合い部分に設置する雨押え構造体であって、
前記外壁部の外壁下地への取り付けに用いられる、垂直上方に延びる外壁下地近接部と、前記外壁下地近接部の下方端部から連続して形成される第1連結部とを備える先雨押えと、
前記屋根部への取り付けに用いられる屋根部近接部と、前記屋根部近接部の前記外壁部側の端部から連続して形成される第2連結部とを備える後雨押えとを備え、
前記第2連結部は、前記先雨押え及び前記外壁部を施工した後の前記後雨押えの施工時に、前記第1連結部に連結可能である、雨押え構造体。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記外方側に延びる第1延伸部と、前記第1延伸部の前記外方側の端部に形成された下方側へ折り返す第1折曲部とを備え、
前記第2連結部は、前記外壁部側に延びる第2延伸部と、前記第2延伸部の前記外壁部側の端部に形成された上方側へ折り返す第2折曲部とを備え、
前記第2折曲部は、前記第1折曲部と前記屋根部との隙間に押し込まれることにより、前記第1折曲部と掛け合って連結する、請求項1記載の雨押え構造体。
【請求項3】
前記先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、
前記外壁下地近接部と、
前記外方側の斜め下方に延びる前記第1延伸部との内角が30°に設定された前記第1折曲部を備える前記第1連結部とを備え、
前記後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、
前記外壁部側の斜め上方に延びる前記第2延伸部との内角が30°に設定された前記第2折曲部を備える前記第2連結部と、
前記第2延伸部の前記外方側の端部から前記第2延伸部と同じ傾斜にて更に前記外方側の斜め下方に延びる傾斜部と、前記傾斜部の前記外方側の端部から前記傾斜部に対して垂直下方に延びる垂下部と、前記垂下部の下方端部から前記第2連結部とほぼ平行に前記外方側に延びるフランジ部とを備える、前記屋根部近接部とを備える、請求項2記載の雨押え構造体。
【請求項4】
前記先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、
前記外壁下地近接部と、
前記外方側の斜め下方に延びる前記第1延伸部との内角が30°に設定された前記第1折曲部を備える前記第1連結部とを備え、
前記後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなる後雨押えカバー本体と、換気部材とを備え、
前記後雨押えカバー本体は、前記外壁部側の斜め上方に延びる前記第2延伸部との内角が30°に設定された前記第2折曲部を備える前記第2連結部と、
前記第2延伸部の前記外方側の端部から前記第2連結部と同じ傾斜にて更に前記外方側の斜め下方に延びる傾斜部と、前記傾斜部の前記外方側の端部から前記傾斜部に対して垂直下方に延びる垂下部と、前記垂下部の下方端部から前記第2連結部とほぼ平行に前記外方側に延びるフランジ部とを備える屋根部近接部と、
前記傾斜部の前記外方側の端部付近において前記外方側の端部に平行に形成された複数の換気口とを備え、
前記換気部材は、前記第2連結部及び前記傾斜部の下面であって、前記換気口よりも前記外壁部側の端部の側において設置され、
前記第2連結部及び前記傾斜部の傾斜方向の断面が四角形形状を有する棒形状であって、前記換気口側の面から前記外壁部側の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気材と、
前記換気材の下面に敷設される一枚の金属板よりなる下板部とを備える、請求項2記載の雨押え構造体。
【請求項5】
前記先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、
前記外壁下地近接部と、
前記外方側の斜め下方に延びる前記第1延伸部との内角が30°に設定された前記第1折曲部を備える前記第1連結部とを備え、
前記後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、
前記外壁部側に水平方向に延びる前記第2延伸部との内角が30°に設定された前記第2折曲部を備える前記第2連結部と、
前記第2延伸部の前記外方側の端部から更に前記外方側の水平方向に延びる水平部と、前記水平部の前記外方側の端部から折り返した折り返し部と、前記折り返し部の前記外壁部側の端部から前記水平部に対して垂直下方に延びる垂下部と、前記垂下部の下方端部から前記水平部とほぼ平行に前記外方側に延びるフランジ部とを備える前記屋根部近接部とを備える、請求項2記載の雨押え構造体。
【請求項6】
一枚の金属板を切断及び折り曲げて形成したものよりなる先雨押えエンドと、一枚の金属板を切断及び折り曲げて形成したものよりなる後雨押えエンドとを更に備え、
前記先雨押えエンドは、矩形形状を有する先雨押え覆い部と、前記先雨押え覆い部の下方端部から前記先雨押え側の上方側に折り返す第3折曲部と、前記先雨押え覆い部の側方端部の一方から前記第3折曲部と逆方向に延びる釘打ち部とを備え、
前記後雨押えエンドは、矩形形状を有する後雨押え覆い部と、前記後雨押え覆い部の下方端部から前記後雨押え側の上方側に折り返す第4折曲部とを備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の雨押え構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は雨押え構造体に関し、特に母屋の外壁と下屋の屋根材とで構成される取り合い部分に設置する雨押え構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来の雨押えの側面図及び正面図であり、図15は、図14で示した雨押えの取り合い部分への取付方法を示す側面模式図である。
【0003】
まず、図14の(1)及び(2)の各々を参照して、雨押え70は、一枚の長尺状の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、垂直上方に延びる垂直部71と、垂直部71の下方端部から外方側(図14(1)の右方向)の斜め下方に延びる傾斜部72とを備える。又、傾斜部72の外方側の端部には、傾斜部72に対して垂直下方に延びる垂下部73が接続されていると共に、垂下部73の下方端部には、傾斜部72とほぼ平行に外方に延びるフランジ部74が接続されている。
【0004】
次に、図14で示した雨押え70の取り合い部分への取付方法について説明する。
【0005】
まず、図15の(1)を参照して、桁行方向(図の奥行き方向)の取り合い部分90において、母屋の外壁部75には外壁下地76が、下屋の屋根部81には野地板82が、それぞれ設置されており、外壁下地76の外方側の面及び野地板82の上面に渡って防水紙80が布設されている。尚、屋根部81においては防水紙80の上に更に、屋根材83が設置されている。
【0006】
次に、図15の(2)を参照して、屋根材83の外壁下地76の側の端部には、更に笠木84が設置される。取り合い部分90における施工をこのように進めてから、取り合い部分90を覆うように、雨押え70を斜め上方から、外壁下地76、屋根材83及び笠木84に向かって降下させる。
【0007】
次に、図15の(3)を参照して、雨押え70の垂直部71を外壁下地76に、笠木84を介して傾斜部72を屋根材83にそれぞれ固定した後に、垂直部71の外面上方を覆うように透湿防水シート77を外壁下地76及び垂直部71に貼着する。次いで透湿防水シート77の外方側の面に、上下方向に延びる棒状の胴縁78を桁行方向に所定間隔で複数本設置し、胴縁78の各々を架け渡すように、板状の外壁材79を胴縁78の外方側の面から設置する。
【0008】
最後に、図15の(4)を参照して、取り合い部分90への雨押え70の取り付けが完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような従来の雨押え70は、屋根材83の設置後に外壁材79等を設置するという、従来の一般的な施工手順においては特に問題無く取り付けができるものであった。
【0010】
しかし近年、施工効率向上の観点から屋根材83の設置前に外壁材79等の設置を行いたいという要望が生じており、屋根材83の設置を待たざるを得ない従来の雨押え70はそのような要望の実現及び施工の効率化を阻害するものとなっていた。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、施工効率が向上する雨押え構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、垂直に延びる母屋の外壁部と、外壁部の途中から外方に向かって延びる下屋の屋根部とで構成される取り合い部分に設置する雨押え構造体であって、外壁部の外壁下地への取り付けに用いられる、垂直上方に延びる外壁下地近接部と、外壁下地近接部の下方端部から連続して形成される第1連結部とを備える先雨押えと、屋根部への取り付けに用いられる屋根部近接部と、屋根部近接部の外壁部側の端部から連続して形成される第2連結部とを備える後雨押えとを備え、第2連結部は、先雨押え及び外壁部を施工した後の後雨押えの施工時に、第1連結部に連結可能であるものである。
【0013】
このようにすると、外壁部側の施工後に屋根部側の施工ができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1連結部は、外方側に延びる第1延伸部と、第1延伸部の外方側の端部に形成された下方側へ折り返す第1折曲部とを備え、第2連結部は、外壁部側に延びる第2延伸部と、第2延伸部の外壁部側の端部に形成された上方側へ折り返す第2折曲部とを備え、第2折曲部は、第1折曲部と屋根部との隙間に押し込まれることにより、第1折曲部と掛け合って連結するものである。
【0015】
このように構成すると、連結構造が簡易なものとなる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、外壁下地近接部と、外方側の斜め下方に延びる第1延伸部との内角が30°に設定された第1折曲部を備える第1連結部とを備え、後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、外壁部側の斜め上方に延びる第2延伸部との内角が30°に設定された第2折曲部を備える第2連結部と、第2延伸部の外方側の端部から第2延伸部と同じ傾斜にて更に外方側の斜め下方に延びる傾斜部と、傾斜部の外方側の端部から傾斜部に対して垂直下方に延びる垂下部と、垂下部の下方端部から第2連結部とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部とを備える、屋根部近接部とを備えるものである。
【0017】
このように構成すると、第1連結部を撓ませられると共に、第1折曲部及び第2折曲部の係合部分に遊びが生じる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、外壁下地近接部と、外方側の斜め下方に延びる第1延伸部との内角が30°に設定された第1折曲部を備える第1連結部とを備え、後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなる後雨押えカバー本体と、換気部材とを備え、後雨押えカバー本体は、外壁部側の斜め上方に延びる第2延伸部との内角が30°に設定された第2折曲部を備える第2連結部と、第2延伸部の外方側の端部から第2連結部と同じ傾斜にて更に外方側の斜め下方に延びる傾斜部と、傾斜部の外方側の端部から傾斜部に対して垂直下方に延びる垂下部と、垂下部の下方端部から第2連結部とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部とを備える屋根部近接部と、傾斜部の外方側の端部付近において外方側の端部に平行に形成された複数の換気口とを備え、換気部材は、第2連結部及び傾斜部の下面であって、換気口よりも外壁部側の端部の側において設置され、第2連結部及び傾斜部の傾斜方向の断面が四角形形状を有する棒形状であって、換気口側の面から外壁部側の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気材と、換気材の下面に敷設される一枚の金属板よりなる下板部とを備えるものである。
【0019】
このように構成すると、後雨押えが換気機能を備える。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、先雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、外壁下地近接部と、外方側の斜め下方に延びる第1延伸部との内角が30°に設定された第1折曲部を備える第1連結部とを備え、後雨押えは、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなり、外壁部側に水平方向に延びる第2延伸部との内角が30°に設定された第2折曲部を備える第2連結部と、第2延伸部の外方側の端部から更に外方側の水平方向に延びる水平部と、水平部の外方側の端部から折り返した折り返し部と、折り返し部の外壁部側の端部から水平部に対して垂直下方に延びる垂下部と、垂下部の下方端部から水平部とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部とを備える屋根部近接部とを備えるものである。
【0021】
このように構成すると、桁行方向の施工に用いた先雨押えを用いて、梁間方向の施工も可能となる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、一枚の金属板を切断及び折り曲げて形成したものよりなる先雨押えエンドと、一枚の金属板を切断及び折り曲げて形成したものよりなる後雨押えエンドとを更に備え、先雨押えエンドは、矩形形状を有する先雨押え覆い部と、先雨押え覆い部の下方端部から先雨押え側の上方側に折り返す第3折曲部と、先雨押え覆い部の側方端部の一方から第3折曲部と逆方向に延びる釘打ち部とを備え、後雨押えエンドは、矩形形状を有する後雨押え覆い部と、後雨押え覆い部の下方端部から後雨押え側の上方側に折り返す第4折曲部とを備えるものである。
【0023】
このように構成すると、先雨押え及び後雨押えの端部の加工が不要となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、外壁部側の施工後に屋根部側の施工ができるので、施工効率が向上する。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、連結構造が簡易なものとなるので、コスト的に有利となる。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、第1連結部を撓ませられると共に、第1折曲部及び第2折曲部の係合部分に遊びが生じるので、第1連結部及び第2連結部の傾斜角度の調整が可能となり、様々な勾配の屋根に対応可能となる。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、後雨押えが換気機能を備えるので、換気の観点においても良好なものとなる。
【0028】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、桁行方向の施工に用いた先雨押えを用いて、梁間方向の施工も可能となるので、施工効率が更に向上する。
【0029】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、先雨押え及び後雨押えの端部の加工が不要となるので、端部処理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】この発明の第1の実施の形態による桁行方向の取り合い部分に設置される雨押え構造体の側面図及び正面図である。
図2図1で示した先雨押えの拡大側面図である。
図3図1で示した後雨押えの拡大側面図である。
図4図1で示した雨押え構造体を屋根部施工前の取り合い部分に取り付ける取付方法を示す側面模式図である。
図5図1で示した先雨押えの端部処理に用いられる先雨押えエンドの正面図及び側面図である。
図6図1で示した後雨押えの端部処理に用いられる後雨押えエンドの正面図及び側面図である。
図7図5で示した先雨押えエンドによる端部処理方法を示す模式図である。
図8図6で示した後雨押えエンドによる端部処理方法を示す模式図である。
図9】この発明の第2の実施の形態による雨押え構造体の桁行方向の取り合い部分への取付状態を示す側面模式図であって、第1の実施の形態の図4の(4)に対応する図面である。
図10図9で示した後雨押えの拡大側面図である。
図11図9で示した雨押え構造体の平面図である。
図12】この発明の第3の実施の形態による雨押え構造体の梁間方向の取り合い部分への取付状態を示す側面模式図であって、第1の実施の形態の図4の(4)に対応する図面である。
図13図12で示した後雨押えの拡大側面図である。
図14】従来の雨押えの側面図及び正面図である。
図15図14で示した雨押えの取り合い部分への取付方法を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、この発明の第1の実施の形態による桁行方向の取り合い部分に設置される雨押え構造体の側面図及び正面図であり、図2は、図1で示した先雨押えの拡大側面図であり、図3は、図1で示した後雨押えの拡大側面図である。
【0032】
まず、図1の(1)及び(2)を参照して、雨押え構造体1は、後述する垂直に延びる母屋の外壁部と、外壁部の途中から外方に向かって延びる下屋の屋根部とで構成される、桁行方向の取り合い部分に設置されるものであって、先雨押え10と、先雨押え10に連結する後雨押え20とを備える。
【0033】
ここで、図2も参照して、先雨押え10は、板厚0.35mm、長手長さ(図2の奥行き方向長さ)1829mmの一枚の長尺状の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなり、垂直上方に延びる外壁下地近接部11と、外壁下地近接部11の下方端部から連続して形成される第1連結部12とを備える。
【0034】
尚、外壁下地近接部11は高さ120mmに設定され、後述する外壁部の外壁下地への取り付けに用いられる。
【0035】
又、第1連結部12は、短手長さ(図2の左右方向長さ)30mmに設定され、外方側(図2の右方向)の斜め下方に延びる第1延伸部13と、第1延伸部13の外方側の端部に形成された下方側へ折り返す第1折曲部14とを備える。第1折曲部14は、幅10mmであって第1延伸部13との内角は30°に設定されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0036】
更に、図3も参照して、後雨押え20は、板厚0.35mm、長手長さ(図3の奥行き方向長さ)1829mmの一枚の長尺状の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなり、屋根部近接部21と、屋根部近接部21の外壁部側の端部から連続して形成される第2連結部22とを備える。
【0037】
尚、第2連結部22は、外壁部側の斜め上方に延びる第2延伸部23と、第2延伸部23の外壁部側の端部に形成された上方側へ折り返す第2折曲部24とを備える。第2折曲部24は、幅10mmであって第2延伸部23との内角が30°に設定されている。このように構成したことによる効果も後述する。
【0038】
又、屋根部近接部21は後述する屋根部への取り付けに用いられる。屋根部近接部21は、第2延伸部23の外方側の端部から第2延伸部23と同じ傾斜にて更に外方側の斜め下方に延びる傾斜部25と、傾斜部25の外方側の端部から傾斜部25に対して垂直下方に延びる垂下部26と、垂下部26の下方端部から第2連結部22とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部27とを備える。尚、第2延伸部23の外壁部側の端部から傾斜部25の外方側の端部までの短手長さ(図3の左右方向長さ)は85mmに、垂下部26の高さは18mmに、フランジ部27の短手長さは30mmに、それぞれ設定されている。
【0039】
ここで再び図1の(1)及び(2)を参照して、先雨押え10と後雨押え20とは、第1連結部12の第1折曲部14と、第2連結部22の第2折曲部24とが掛け合うことにより連結している。このように構成したことによる効果も後述する。
【0040】
図4は、図1で示した雨押え構造体を屋根部施工前の取り合い部分に取り付ける取付方法を示す側面模式図である。
【0041】
まず、図4の(1)を参照して、桁行方向(図の奥行き方向)の取り合い部分90において、垂直に延びる母屋の外壁部75には外壁下地76が、下屋の屋根部81には外壁部75の途中から外方に向かって下方に傾斜するように延びる野地板82が、それぞれ設置されており、外壁下地76の外方側の面及び野地板82の上面に渡って防水紙80が布設されている。
【0042】
この状態で、外壁下地近接部11を介して先雨押え10を外壁下地76に取り付けて固定する。次いで外壁下地近接部11の外面上方を覆うように透湿防水シート77を外壁下地76及び外壁下地近接部11に貼着し、透湿防水シート77の外方側の面に上下方向に延びる棒状の胴縁78を桁行方向に所定間隔で複数本設置し、胴縁78の各々を架け渡すように、板状の外壁材79を胴縁78の外方側の面から設置する。
【0043】
このようにして、図4の(2)に示すように、外壁部75側への先雨押え10の施工及び外壁材79までの施工を完了する。
【0044】
次に、図4の(2)を参照して、施工が完了した先雨押え10の下方の範囲を含めて、屋根材83を屋根部81の防水紙80の上に設置する。
【0045】
次に、図4の(3)を参照して、屋根材83の外壁下地76の側の端部に更に笠木84を設置した後、後雨押え20を、笠木84の外方側から外壁部75の側に向けてスライドさせて、後雨押え20の第2折曲部24を、第1折曲部14と屋根部81(笠木84)との隙間に押し込む。すると、先雨押え10及び後雨押え20の構成は上述した通りであるから、第2折曲部24が押し込まれることにより第1連結部12が撓んで上方に押し上げられる。その状態から更に押し込みを進めて第2折曲部24が第1折曲部14よりも外壁部75の側に位置すると、第2折曲部24が第1折曲部14から離れ、第1連結部12には押し上げられる力がかからなくなり、第1連結部12が元の位置に戻る。すると、上述したように第2折曲部24は上方側に、第1折曲部14は下方側に、それぞれ折り返すハゼ構造を有しているから、図4の(4)及び図1の(1)に示すように、第2折曲部24と第1折曲部14とが掛け合って連結する。このように第2連結部22は、先雨押え10及び外壁部75の施工をした後の後雨押え20の施工時に、第1連結部12に連結可能なものとなっている。
【0046】
最後に、図4の(4)を参照して、屋根部近接部21の垂下部26と笠木84とを介して後雨押え20を屋根部81に固定して、取り合い部分90への雨押え構造体1の取り付けが完了する。
【0047】
このように構成すると、外壁部75側の施工後に屋根部81側の施工ができるので、施工効率が向上する。
【0048】
又、連結構造がハゼ構造による簡易なものとなるので、コスト的に有利となる。
【0049】
更に、第1連結部12を撓ませられると共に、各々の内角が30°に設定されている第1折曲部14及び第2折曲部24の係合部分には遊びが生じるので、第1連結部12及び第2連結部22の傾斜角度の調整が可能となり、様々な勾配の屋根に対応可能となる。
【0050】
図5は、図1で示した先雨押えの端部処理に用いられる先雨押えエンドの正面図及び側面図であり、図6は、図1で示した後雨押えの端部処理に用いられる後雨押えエンドの正面図及び側面図であり、図7は、図5で示した先雨押えエンドによる端部処理方法を示す模式図であり、図8は、図6で示した後雨押えエンドによる端部処理方法を示す模式図である。
【0051】
まず、図5の(1)及び(2)を参照して、先雨押えエンド31は、板厚0.35mmの一枚の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなり、矩形形状を有する先雨押え覆い部32と、先雨押え覆い部32の下方端部から後述する先雨押え側の上方側に折り返す第3折曲部33と、先雨押え覆い部32の側方端部の一方から第3折曲部33と逆方向に延びる釘打ち部34とを備えるものである。このように構成したことによる効果は後述する。尚、先雨押え覆い部32は幅(図5(2)の左右方向長さ)30mm、高さ110mmに、第3折曲部33は短手長さ10mmに、釘打ち部34は幅(図5(1)の左右方向長さ)50mm、高さ80mmに、それぞれ設定されている。
【0052】
次に、図6の(1)及び(2)を参照して、後雨押えエンド36は、板厚0.35mmの一枚の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなり、矩形形状を有する後雨押え覆い部37と、後雨押え覆い部37の下方端部から後述する後雨押え側の上方側に折り返す第4折曲部38とを備えるものである。このように構成したことによる効果も後述する。尚、後雨押え覆い部37は幅(図6(2)の左右方向長さ)85mm、高さ110mmに、第4折曲部38は短手長さ10mmに、それぞれ設定されている。
【0053】
次に、図7の(1)を参照して、先雨押え10が、水平方向に延びる先ケラバ水切86の上方において、外壁下地76に取り付けられている。尚、先ケラバ水切86のケラバ側端部からはみ出ている先雨押え10の部分は、図の一点鎖線で示す部分を境に切除する。このようにして先雨押え10と先ケラバ水切86とのケラバ側端部の位置を合わせた後、先雨押えエンド31を先ケラバ水切86の下方から先ケラバ水切86に近づけ、図7の(2)に示すように第3折曲部33を先ケラバ水切86の下端87に引っ掛けると共に、釘打ち部34を先ケラバ水切86のフランジ部88に重ねる。
【0054】
次に、図7の(2)を参照して、釘打ち部34から外壁下地76に向けて釘35を打ち付けて、釘打ち部34及びフランジ部88を外壁下地76に留め付ける。更に、図の一点鎖線で示す部分を境に先雨押え覆い部32を折り曲げ、先雨押え覆い部32の第1連結部12より上方に位置する部分を第1連結部12に重ねる。
【0055】
次に、図7の(3)を参照して、先雨押え覆い部32によって先雨押え10のケラバ側端部を覆って、先雨押えエンド31の取り付け、すなわち先雨押えエンド31による先雨押え10の端部処理がまず完了する。
【0056】
次に、図8の(1)を参照して、図7の(3)の状態から更に、外壁材79及び後雨押え20の設置と、後雨押え20及び先ケラバ水切86のケラバ側端部の位置合わせとが完了している。この状態において、後雨押えエンド36を先ケラバ水切86の下方から先ケラバ水切86に近づけ、図8の(2)に示すように、第4折曲部38を先ケラバ水切86の下端87に引っ掛けると共に後雨押えエンド36を先雨押えエンド31に突き合わせて、先雨押えエンド31と後雨押えエンド36との間に隙間が生じないように配置する。尚、配置時に後雨押えエンド36が後雨押え20の傾斜部25の外方側の端部から外方側にはみ出る場合は、この時点ではみ出る部分を切除する。
【0057】
次に、図8の(2)を参照して、後雨押え覆い部37から先ケラバ水切86に向けて釘39を打ち付けて後雨押えエンド36を先ケラバ水切86に留め付ける。更に、図の一点鎖線で示す部分を境に後雨押え覆い部37を折り曲げ、後雨押え覆い部37の第2連結部22及び傾斜部25より上方に位置する部分を第2連結部22及び傾斜部25に重ねる。
【0058】
最後に、図8の(3)を参照して、後雨押え覆い部37によって後雨押え20のケラバ側端部を覆って、後雨押えエンド36の取り付け、すなわち後雨押えエンド36による後雨押え20の端部処理が完了し、雨押え構造体1の端部処理が完了する。
【0059】
このように構成すると、先雨押え10及び後雨押え20の端部の加工が不要となるので、端部処理が容易となる。
【0060】
図9は、この発明の第2の実施の形態による雨押え構造体の桁行方向の取り合い部分への取付状態を示す側面模式図であって、第1の実施の形態の図4の(4)に対応する図面であり、図10は、図9で示した後雨押えの拡大側面図であり、図11は、図9で示した雨押え構造体の平面図である。
【0061】
これらの図を参照して、雨押え構造体2は、第1の実施の形態による雨押え構造体1における後雨押え20を、後雨押え40に置き換えたものよりなる。尚、他の構成要素(先雨押え10)は第1の実施の形態による雨押え構造体1と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0062】
図10を参照して、後雨押え40は、一枚の金属板を折り曲げて形成したものよりなる後雨押えカバー本体50と、換気部材51と、捨水切59とを備える。尚、後雨押えカバー本体50、後述する換気部材51の下板部54及び捨水切59はいずれも、板厚0.35mm、長手長さ(奥行き方向長さ)1829mmの一枚の長尺状の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなる。
【0063】
後雨押えカバー本体50は、図9に示す外壁部75側の斜め上方に延びる第2延伸部43と、第2延伸部43との内角が30°に設定された幅10mmの第2折曲部44とを備える第2連結部42と、第2延伸部43の外方側の端部から第2連結部42と同じ傾斜にて更に外方側の斜め下方に延びる傾斜部45と、傾斜部45の外方側の端部から傾斜部45に対して垂直下方に延びる垂下部46と、垂下部46の下方端部から第2連結部42とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部47とを備える屋根部近接部41と、傾斜部の外方側の端部付近において、図11に示すように外方側の端部に平行に形成された複数の換気口48とを備える。尚、第2延伸部43の外壁部75側の端部から傾斜部45の外方側までの短手長さ(左右方向長さ)は85mmに、垂下部46の高さは18mmに、フランジ部47の短手長さは30mmに、それぞれ設定されている。
【0064】
換気部材51は、第2連結部42及び傾斜部45の下面であって、換気口48よりも外壁部75側の端部の側において設置され、第2連結部42及び傾斜部45の傾斜方向の断面が台形形状を有する長さ1829mmの棒形状であって、換気口48側の面から外壁部75側の面へ貫通する複数の通気孔52を有する換気材53と、換気材53の下面に敷設される、外壁部75側を立ち上げるように折り曲げて形成した下板部54とを備えるものである。尚、換気材53は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって相互に接続して一体化したものよりなる。
【0065】
捨水切59は、外壁部75側を立ち上げるように折り曲げ、上端部を換気部材51側に折り返すように形成したものよりなる。
【0066】
後雨押え40をこのように構成したことによる効果は後述する。
【0067】
桁行方向(図9の奥行き方向)の取り合い部分90への雨押え構造体2の取付状態については図9を参照して、まず、野地板82には開口85が設けられ、開口85の箇所を除いて、外壁下地76の外方側の面及び野地板82の上面に渡って防水紙80が布設される。このように配置したことによる効果は後述する。この配置状態から、更に先雨押え10から外壁材79までが施工される。
【0068】
先雨押え10及び外壁材79の施工後には、捨水切59が開口85の外方側の端部に沿って配置されて固定され、次いで、屋根材83が捨水切59及び野地板82に重ねて配置されて固定される。
【0069】
最後に、換気部材51を設置した後雨押えカバー本体50を、屋根材83の上面において外壁部75の側に向けてスライドさせ、第2折曲部44を第1折曲部14と屋根部81との隙間に押し込み、第2折曲部44と第1折曲部14とを掛け合わせて先雨押え10と後雨押え40とを連結し、後雨押え40を野地板82に留め付けて、取り合い部分90への雨押え構造体2の取り付けを完了する。
【0070】
尚、上述したように野地板82には開口85が形成されており、屋内と屋外とは開口85を介して連通している。又、後雨押え40の構成も上述の通りであって、換気口48及び通気孔52(換気材53)を通じて内外に通気可能なものである。したがって、雨押え構造体2が設置された取り合い部分90においては、屋外に面する換気口48から屋内に面する開口85まで連通する通気路57が形成される。換気口48を介して後雨押え40の内部に入り込んだ雨水は、捨水切59により開口85への侵入が阻まれる。
【0071】
このように構成すると、後雨押え40が換気機能を備えるので、換気の観点においても良好なものとなる。
【0072】
図12は、この発明の第3の実施の形態による雨押え構造体の梁間方向の取り合い部分への取付状態を示す側面模式図であって、第1の実施の形態の図4の(4)に対応する図面であり、図13は、図12で示した後雨押えの拡大側面図である。
【0073】
これらの図を参照して、雨押え構造体3は、第1の実施の形態による雨押え構造体1における後雨押え20を、後雨押え60に置き換えたものよりなり、梁間方向(図12の奥行き方向)の取り合い部分90に取り付けられるものである。尚、他の構成要素(先雨押え10)は第1の実施の形態による雨押え構造体1と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0074】
図13を参照して、後雨押え60は、板厚0.35mm、長手長さ(奥行き方向長さ)1829mmの一枚の長尺状の鋼板をプレス加工にて折り曲げて形成したものよりなり、図12に示す外壁部75側に水平方向に延びる第2延伸部63との内角が30°に設定された第2折曲部64を備える第2連結部62と、第2延伸部63の外方側の端部から更に外方側の水平方向に延びる水平部65と、水平部65の外方側の端部から折り返した折り返し部68と、折り返し部68の外壁部75側の端部から水平部65に対して垂直下方に延びる垂下部66と、垂下部66の下方端部から水平部65とほぼ平行に外方側に延びるフランジ部67とを備える屋根部近接部61とを備えるものである。尚、第2延伸部63の外壁部75側の端部から水平部65の外方側の端部までの短手長さ(左右方向長さ)は55mmに、折り返し部68の短手長さは17mmに、垂下部66の高さは23mmに、フランジ部67の短手長さは90mmに、それぞれ設定されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0075】
雨押え構造体3の取り合い部分90への取付状態については図12を参照して、まず、雨押え構造体3は、梁間方向の取り合い部分90に取り付けられる。
【0076】
取り合い部分90において垂直に延びる母屋の外壁部75には外壁下地76が、下屋の屋根部81には外壁部75の途中から外方に向かって水平に延びる野地板82が、それぞれ設置されており、外壁下地76の外方側の面及び野地板82の上面に渡って防水紙80が布設されている。この配置状態から、先雨押え10から外壁材79までが施工され、更に笠木84が、野地板82の外壁部75側の端部に沿って配置されて固定される。
【0077】
ここで、後雨押え60を野地板82及び防水紙80の上面において外壁部75の側に向けてスライドさせ、第2折曲部64を第1折曲部14と屋根部81(笠木84)との隙間に押し込み、第2折曲部64と第1折曲部14とを掛け合わせて先雨押え10と後雨押え60とを連結する。
【0078】
最後に、後雨押え60のフランジ部67の外方側の端部に取り付けた吊り子69を介して、後雨押え60を野地板82に留め付けて、梁間方向の取り合い部分90への雨押え構造体3の取り付けを完了する。尚、後雨押え60は捨板の機能も兼ね、雨押え構造体3の取り付け完了後には、屋根材83が折り返し部68とフランジ部67との間に差し込まれ、野地板82に留め付けられる。
【0079】
このように構成すると、桁行方向の施工に用いた先雨押え10を用いて、梁間方向の施工も可能となるので、施工効率が更に向上する。
【0080】
尚、上記の各実施の形態では、第1折曲部と第2折曲部とは特定角度に形成されていたが、互いに掛け合えるものであれば他の角度に形成されていてもよい。
【0081】
又、上記の各実施の形態では、先雨押えと後雨押えとは第1折曲部と第2折曲部とを介して連結していたが、他の連結構造によって連結するものであってもよい。
【0082】
更に、上記の各実施の形態では、第1連結部は第1延伸部と第1折曲部とを、第2連結部は第2延伸部と第2折曲部とを、それぞれ備えるものであったが、先雨押え及び外壁部の施工後に第2連結部が第1連結部に連結可能であれば他の構成であってもよい。又、連結構造のみを備えて第1延伸部及び第2延伸部が無くてもよい。
【0083】
更に、上記の各実施の形態では、端部処理に先雨押えエンドと後雨押えエンドとを用いたが、これらを用いず、端部折り曲げ加工や他部材によって端部処理を行ってもよい。
【0084】
更に、上記の第1の実施の形態では、後雨押えエンドは先雨押えエンドに対して突き合わせて設置されていたが、屋根(先ケラバ水切)が傾斜している場合は、後雨押えエンドは屋根の傾斜に沿って傾け、一部を先雨押えエンドに被せて先雨押えエンドとの間に隙間が生じないように設置する。この場合において、後雨押えエンドの第4折曲部は、先ケラバ水切の下端及び先雨押えエンドの下端に引っ掛ける。
【0085】
更に、上記の第1の実施の形態及び第3の実施の形態では、笠木が用いられていたが、笠木に代えてL型金具を用いてもよい。
【0086】
更に、上記の第2の実施の形態では、換気材は断面が台形形状を有していたが、他の四角形形状を有していてもよい。
【0087】
更に、上記の第2の実施の形態では、換気材は特定構成を有していたが、換気口側の面から外壁部側の面に貫通する複数の換気口を有する構成であれば、他の構成でもよい。
【0088】
更に、上記の第3の実施の形態では、後雨押えは吊り子を介して留め付けられていたが、直接留め付けられてもよい。
【0089】
更に、上記の第3の実施の形態では、後雨押えは捨水切を含むものであったが、無くてもよい。
【0090】
更に、上記の各実施の形態では、先雨押え及び後雨押えは特定材料、特定寸法及び特定形状で形成されていたが、他の材料、他の寸法、他の形状で形成されてもよい。
【0091】
更に、上記の各実施の形態では、雨押え構造体は外壁部の施工完了後に屋根部の施工を完了させる工法に用いられるものであったが、屋根部の施工完了後に外壁部の施工を完了させる従来工法において用いられても、従来工法を阻害するものではない。
【符号の説明】
【0092】
1…雨押え構造体
2…雨押え構造体
3…雨押え構造体
10…先雨押え
11…外壁下地近接部
12…第1連結部
13…第1延伸部
14…第1折曲部
20…後雨押え
21…屋根部近接部
22…第2連結部
23…第2延伸部
24…第2折曲部
25…傾斜部
26…垂下部
27…フランジ部
31…先雨押えエンド
32…先雨押え覆い部
33…第3折曲部
34…釘打ち部
36…後雨押えエンド
37…後雨押え覆い部
38…第4折曲部
40…後雨押え
41…屋根部近接部
42…第2連結部
43…第2延伸部
44…第2折曲部
45…傾斜部
46…垂下部
47…フランジ部
48…換気口
50…後雨押えカバー本体
51…換気部材
52…通気孔
53…換気材
54…下板部
60…後雨押え
61…屋根部近接部
62…第2連結部
63…第2延伸部
64…第2折曲部
65…水平部
66…垂下部
67…フランジ部
68…折り返し部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15