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特開2022-142075表示システム、制御装置、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142075
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】表示システム、制御装置、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220922BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20220922BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220922BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220922BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220922BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220922BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G08G1/01 F
G06Q30/06
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042072
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 倫靖
(72)【発明者】
【氏名】三栖 康博
(72)【発明者】
【氏名】原 翔吾
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC12
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF33
5H181MB11
5L049BB02
5L049BB72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】位置情報を分析する技術を向上させる表示システム、制御装置及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】分析システムにおいて、小売店10の分析装置50は、複数の測位デバイスにより検知された商品11及び購買者13の位置を取得し、それらを統合して商品11に対する購買者13の行動を分析する。表示制御装置100は、複数の測位デバイスにより検知された商品11及び購買者13の位置に関する情報を統合して、表示装置19に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物が存在する空間における人の位置を検知する第1の装置と、
前記第1の装置とは異なり、前記物の位置を検知する第2の装置と、
表示装置に情報を表示する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第1の装置から取得された人の位置の変化に関する情報と、所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第2の装置から取得された物の位置の変化に関する情報とを統合して前記表示装置に表示する
表示システム。
【請求項2】
前記制御装置は、所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における人の位置と物の位置との相対的な距離の変化に関する情報を統合して前記表示装置に表示する請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記制御装置は、人の移動量、移動回数、移動速度、滞在時間、若しくは滞在回数、又は物の移動量、移動回数、移動速度、若しくは存在している時間を前記表示装置に表示する請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1の装置により人の状態、属性、又は行動を特定し、該情報を更に前記表示装置に表示する請求項1から3のいずれかに記載の表示システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記空間の座標又はレイアウトと、人の位置の変化に関する情報と、物の位置の変化に関する情報とを重畳して前記表示装置に表示する請求項1から4のいずれかに記載の表示システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記空間に関する情報を更に重畳して前記表示装置に表示する請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記表示装置に重畳して表示される複数の情報のうち少なくとも1つの表示を表示させるオンと表示させないオフとを切替可能とする請求項5又は6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記制御装置は、得られた全ての情報の変化を同時に重畳して前記表示装置に表示する請求項1から7のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記第2の装置は、複数の物のそれぞれに添付された複数の通信タグとの間で通信する通信装置を含む請求項1から8のいずれかに記載の表示システム。
【請求項10】
前記第1の装置は、人の画像を撮像する撮像装置を含む請求項1から9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項11】
前記制御装置は、購買者以外の人を除いて前記購買者の位置の変化に関する情報を前記表示装置に表示する請求項1から10のいずれかに記載の表示システム。
【請求項12】
物が存在する空間における人の位置を検知する第1の装置から前記人の位置を取得する第1の位置取得部と、
前記第1の装置とは異なり、前記物の位置を検知する第2の装置から前記物の位置を取得する第2の位置取得部と、
所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第1の装置から取得された人の位置の変化に関する情報と、所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第2の装置から取得された物の位置の変化に関する情報とを統合して表示装置に表示する表示部と、
を備える制御装置。
【請求項13】
コンピュータを、
物が存在する空間における人の位置を検知する第1の装置から前記人の位置を取得する第1の位置取得部と、
前記第1の装置とは異なり、前記物の位置を検知する第2の装置から前記物の位置を取得する第2の位置取得部と、
所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第1の装置から取得された人の位置の変化に関する情報と、所定の時間と前記所定の時間とは別の時間における前記第2の装置から取得された物の位置の変化に関する情報とを統合して表示装置に表示する表示部と、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置情報を表示する表示システム、制御装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置を検知するための様々な測位技術が開発されている。例えば、全地球測位システム(GPS)や、RFIDなどの通信タグとの無線通信を利用した測位方式などが利用可能となっている(例えば、特許文献1参照)。位置情報の利用目的や利用態様などに応じて、適切な測位技術が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-267057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人や物の位置を把握することだけを目的とするのであれば、目的に合った特定の測位技術のみを採用すればよいが、何らかの情報を得ることを目的として人や物の位置を分析する場合は、特定の測位技術で検知された位置情報のみを使用すると、分析の内容や精度がその測位技術の特性に依存してしまうことを、本発明者らは課題として認識した。
【0005】
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、位置情報を分析する技術を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の表示システムは、物が存在する空間における人の位置を検知する第1の装置と、第1の装置とは異なり、物の位置を検知する第2の装置と、表示装置に情報を表示する制御装置と、を備える。制御装置は、所定の時間と所定の時間とは別の時間における第1の装置から取得された人の位置の変化に関する情報と、所定の時間と所定の時間とは別の時間における第2の装置から取得された物の位置の変化に関する情報とを統合して表示装置に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、位置情報を分析する技術を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る分析システムの分析対象である小売店の例を示す図である。
図2】実施の形態に係る分析装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図3図3(a)(b)(c)は、購買者の位置と商品の位置との関係の例を示す図である。
図4】実施の形態に係る表示制御装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図5】表示制御装置により表示装置に表示される表示画面の例を模式的に示す図である。
図6図6(a)(b)は、表示制御装置により表示装置に表示される表示画面の例を示す図である。
図7図7(a)(b)は、表示制御装置により表示装置に表示される表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0010】
本実施の形態の概要について説明する。本実施の形態の分析システムは、分析対象の空間に存在する物に対する人の行動を分析するために、異なる複数の測位方式により検知された人と物の位置を示す情報を取得する。単独の測位方式ではなく、複数の測位方式により検知された位置情報を統合的に分析することにより、ある測位方式では検知できない又は検知精度が低い情報を別の測位方式により補完することができるので、分析の範囲や精度を向上させることができる。
【0011】
例えば、撮像装置により人や物を撮像して位置を検知する場合は、人や物の状態や動作なども合わせて認識することができる一方で、人や物が死角に入ると検知不能になる。このような場合であっても、Bluetooth(登録商標)などの無線通信技術を利用して、人が所持したり物に添付されたりした通信タグの位置を検知することにより、人や物の位置を検知することができる。
【0012】
さらに、本実施の形態の分析システムでは、ある測位方式により検知された情報に、別の測位方式により検知された異なる情報を加味して分析することができるので、単独の測位方式により検知された情報のみからは得られない知見を得ることもできる。例えば、通信タグの位置の変化により、通信タグが添付された物が人の手に取られたことが検知されたときに、そのときの人の動作や表情などを撮像画像により認識したり、通信タグの位置の変化により、通信タグが添付された物が人の手から棚に戻されたことが検知されたときに、その前後の人の動作や表情などを撮像画像により認識したりすることができるので、購買者の商品に対する購買意欲や、購買者が商品を買わなかった理由などを分析することができる。
【0013】
ここで、「物」は、商品だけでなく、設備、機器、装置(これらを総称して「設備」ともいう)なども含む。設備は、建物や部屋にある天井や柱などのように「動かないもの」や、部屋の中に配置される什器や棚や机などのように「動かすことができるもの」などを含む。本実施の形態の分析システムは、「設備」の近くに「人」が居る若しくは居ない、又は、「設備」の近くに「商品」が有る若しくは無いなど、それらの状況や関係性を分析することもできる。
【0014】
このように、本実施の形態の分析システムは、従来の分析技術よりも高い精度で物に対する人の行動を分析することができるだけでなく、従来の分析技術では得られなかった知見をも得ることを可能とする画期的な分析技術を提供する。
【0015】
以下、本実施の形態について、商品を陳列して販売する小売店において、商品に対する購買者の行動を分析する場合を例示しながら詳述する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る分析システムの分析対象である小売店の例を示す。小売店10には、商品11を陳列するための複数の陳列棚12と、購買者13が購入する商品11を精算するためのレジスター14と、商品11又は購買者13の位置を検知するための複数の測位デバイスと、小売店10に入店する購買者13を撮像するための撮像装置15と、購買者13を識別するための識別装置16と、複数の測位デバイスにより検知された購買者13の位置に関する情報と商品11の位置に関する情報とを統合して表示装置19に表示する表示制御装置100とが備えられる。測位デバイスは、例えば、撮像装置20、通信タグ21、アクセスポイント22、ロケータ23、GPS装置24、携帯端末25などである。
【0017】
撮像装置20は、小売店10の天井、壁、床、陳列棚12などに設けられる。分析装置50は、撮像装置20により撮像された画像から、商品11及び購買者13の位置を取得する。分析装置50は、撮像装置20により撮像された画像を解析することにより、購買者13を識別したり、購買者13の動作や表情などを認識したり、商品11の状態などを認識したりしてもよい。撮像装置20は、測距機能を有してもよい。撮像装置20は、少なくとも購買者13の上半身を撮像可能に設置されてもよい。撮像装置20は、購買者13が商品11を見たり、触れたり、手に取ったりする購買行動を撮像可能な位置及び向きに設置されてもよい。
【0018】
通信タグ21は、商品11に添付される。通信タグ21は、RFIDやビーコンなどであってもよい。通信タグ21に、加速度センサ、圧力センサ、温度センサなど、各種の情報を検知可能なセンサが併設されてもよい。この場合、分析装置50は、通信タグ21の位置とともに、これらのセンサにより検知された情報を取得することができる。通信タグ21は、購買者13により所持されてもよい。
【0019】
アクセスポイント22は、Wi-Fi(登録商標)などの規格で無線通信するための無線基地局である。アクセスポイント22は、小売店10の天井、壁、床、陳列棚12などに設けられる。アクセスポイント22は、Wi-Fi信号に基づく測位技術を用いて通信タグ21の位置を検知する。例えば、Wi-Fi信号の電波強度を計測したり、Wi-Fi信号の伝搬時間をTOF(Time of Flight)方式で計測したりすることで、通信タグ21とアクセスポイント22の間の距離を測定できる。さらに、通信タグ21の周囲に存在する複数のアクセスポイント22と通信タグ21の距離を測定することで、三角測量の原理に基づいて通信タグ21の位置を特定できる。
【0020】
ロケータ23は、BluetoothやBluetooth low energy(BLE)などの規格で送受信されるビーコン信号を用いて通信タグ21の位置を特定するための装置である。ロケータ23は、小売店10の天井、壁、床、陳列棚12などに設けられる。ロケータ23は、例えば、通信タグ21から送信されるビーコン信号の到来角度(AOA:Angle of Arrival)を計測し、得られた到来角度に基づいて通信タグ21の位置を特定する。なお、ロケータ23がビーコン信号を送信し、通信タグ21がビーコン信号を受信して自身の位置を特定してもよい。通信タグ21は、複数のロケータ23から送信されるビーコン信号に基づいて自身の位置を特定してもよい。
【0021】
GPS装置24は、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite Systems)などの衛星測位システムにおける測位信号を受信して自身の位置を特定する。通信タグ21は、通信タグ21の周囲に存在するGPS装置24から位置情報を取得し、GPS装置24の位置を通信タグ21自身の位置とする。GPS装置24から分析装置50に通信タグ21の位置情報が送信されてもよい。GPS装置24は、通信タグ21に内蔵されていてもよい。
【0022】
携帯端末25は、購買者13により所持されるスマートフォンやタブレットなどである。携帯端末25は、任意の手法を用いて自身の位置情報を取得する。携帯端末25は、アクセスポイント22との間で送受信されるWi-Fi信号を用いて位置を特定してもよいし、ロケータ23との間で送受信されるビーコン信号を用いて位置を特定してもよいし、GPS機能によって位置を特定してもよい。携帯端末25は、通信タグ21から送信されるビーコン信号の到来角度(AOA:Angle of Arrival)を計測し、得られた到来角度に基づいて通信タグ21の位置を特定して分析装置50に送信してもよい。携帯端末25は、購買者13の生体情報を検知するためのセンサにより検知された生体情報を取得して分析装置50に送信してもよい。
【0023】
商品11及び購買者13の位置の特定方法は、上記に限定されず、任意の他の手法が用いられてもよい。また、図示されていない任意の測位デバイスが用いられてもよい。また、商品11及び購買者13の位置は、複数の手法を組み合わせることで特定されてもよく、上述の手法や他の手法によって特定される位置情報を総合的に用いることで商品11及び購買者13の位置が精度良く特定されてもよい。
【0024】
撮像装置15は、小売店10の入口17に設置され、入口17から小売店10に入店する購買者13を撮像して、撮像した画像を分析装置50に送信する。分析装置50は、撮像装置15から受信した購買者13の画像を用いて、撮像装置20により撮像された画像において購買者13を追跡する。
【0025】
識別装置16は、小売店10の入口17に設置され、入口17から小売店10に入店する購買者13を識別して、購買者13の識別情報を分析装置50に送信する。識別装置16は、顔認証や生体認証などの認証技術を用いて購買者13を識別してもよいし、購買者13が所持する携帯端末25と通信して携帯端末25を識別することにより購買者13を識別してもよいし、購買者13が所持するICカード、ポイントカード、会員証などから購買者13を識別するための情報を取得して購買者13を識別してもよいし、その他の任意の技術により購買者13を識別してもよい。識別装置16は、購買者13に関する情報を携帯端末やICカードなどから取得して分析装置50に送信してもよい。分析装置50は、識別装置16から受信した購買者13の情報を分析に利用する。
【0026】
分析装置50は、複数の測位デバイスにより検知された商品11及び購買者13の位置を取得し、それらを統合して商品11に対する購買者13の行動を分析する。分析装置50は、小売店10ごとに用意されてもよい。または、分析装置50は、複数の小売店10における購買者13の購買行動を統括的に分析してもよい。
【0027】
表示制御装置100は、複数の測位デバイスにより検知された商品11及び購買者13の位置に関する情報を統合して表示装置19に表示する。表示制御装置100は、複数の測位デバイスにより検知された情報を重畳して表示装置19に表示してもよい。この場合、表示制御装置100は、表示装置19に表示する情報を複数の測位デバイスから直接取得してもよい。表示制御装置100は、分析装置50による分析結果と、複数の測位デバイスにより検知された情報を重畳して表示装置19に表示してもよい。この場合、表示制御装置100は、表示装置19に表示する情報を分析装置50から取得してもよい。
【0028】
分析装置50と表示制御装置100は、1つの装置により一体的に実装されてもよいし、複数の装置により別々に実装されてもよいし、一部の機能が共有されてもよい。分析装置50と表示制御装置100の一方又は双方が、ウェブサーバなどにより実装されてもよいし、クラウドコンピューティング技術などを用いて実装されてもよい。
【0029】
図2は、実施の形態に係る分析装置50の機能構成を概略的に示すブロック図である。分析装置50は、通信装置51、表示装置19、入力装置53、制御装置60、及び記憶装置80を備える。分析装置50は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピューターなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0030】
通信装置51は、小売店10に設置された装置や測位デバイスなどとの間で通信を行う。通信装置51は、有線又は無線の任意の通信技術によりデータを送受信してもよい。
【0031】
表示装置19は、制御装置60により生成される画面を表示する。表示装置19は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置53は、分析装置50の使用者による指示入力を制御装置60に伝達する。入力装置53は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置19及び入力装置53は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0032】
記憶装置80は、制御装置60により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置80は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置80は、購買者データベース81、空間情報保持部82、及び位置情報保持部83を備える。
【0033】
購買者データベース81は、購買者13に関する情報を格納する。購買者データベース81は、購買者13の氏名、年齢、性別、住所などの属性情報や、嗜好情報や、小売店10における商品11の購入履歴などを格納する。
【0034】
空間情報保持部82は、小売店10内の空間に関する情報を格納する。空間情報保持部82は、小売店10内の陳列棚12などのマップや、測位デバイスの種類、設置位置などを格納する。
【0035】
位置情報保持部83は、測位デバイスから取得された購買者13及び商品11の位置情報を格納する。位置情報保持部83は、購買者13及び商品11の位置情報の履歴や、測位デバイスにより検知された加速度、温度、圧力などの付加情報などを格納する。
【0036】
制御装置60は、第1位置取得部61、第2位置取得部62、撮像画像解析部63、購買者情報取得部64、行動分析部65、購買意欲算出部66、売れ筋商品分析部67、理由分析部68、在庫管理部69、及び分析結果提示部70を備える。
【0037】
本実施の形態において示される各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
第1位置取得部61は、小売店10における購買者13の位置を取得する。第1位置取得部61は、小売店10に設置された測位デバイスから購買者13の位置を示す情報を直接受信してもよい。または、小売店10に設置され、測位デバイスにより検知された情報を集約する図示しない小売店サーバから購買者13の位置を示す情報を取得してもよい。
【0039】
第2位置取得部62は、小売店10における商品11の位置を取得する。第2位置取得部62は、小売店10に設置された測位デバイスから商品11の位置を示す情報を直接受信してもよい。または、図示しない小売店サーバから購買者13の位置を示す情報を取得してもよい。
【0040】
第1位置取得部61又は第2位置取得部62は、購買者13又は商品11の位置情報に加えて、測位デバイスにより検知された加速度、温度、圧力などの情報を取得してもよい。
【0041】
撮像画像解析部63は、撮像装置20から取得された撮像画像を解析して、商品11又は購買者13の位置を取得する。撮像画像解析部63は、撮像装置15から取得した購買者13の画像を用いて、撮像画像から購買者13を検出してもよい。撮像画像解析部63は、記憶装置80に予め保持された商品11の画像を用いて、撮像画像から商品11を検出してもよい。撮像画像解析部63は、記憶装置80に予め保持された小売店10内の陳列棚12などの画像を用いて、撮像画像に含まれる購買者13又は商品11の位置を特定してもよい。
【0042】
撮像画像解析部63は、購買者13以外の人を除いて購買者13の動きを監視してもよい。購買者13以外の人は、例えば、小売店10の従業者、小売店10に出入りする業者などである。撮像画像解析部63は、記憶装置80に予め保持された小売店10の従業者や業者などの画像を用いて、撮像画像から従業者や業者などを検出し、分析の対象から除いてもよい。これにより、分析の精度を向上させることができる。
【0043】
購買者情報取得部64は、購買者13に関する情報を取得する。購買者情報取得部64は、識別装置16から購買者13の識別情報を取得し、購買者データベース81を参照して、購買者13の属性、購買履歴などの情報を取得する。購買者情報取得部64は、識別装置16又は携帯端末25から購買者13に関する情報を取得してもよい。
【0044】
行動分析部65は、第1位置取得部61により取得された購買者13の位置と、第2位置取得部62により取得された商品11の位置との関係に基づいて、商品11に対する購買者13の行動を分析する。購買者13の行動は、例えば、商品11に興味を持つ、商品11を見る、商品11に触れる、商品11を手に取る、商品11の購入を検討する、商品11を陳列棚12に戻す、商品11を持ってレジスター14に移動する、商品11を購入するなどである。
【0045】
購買意欲算出部66は、行動分析部65により商品11の位置と購買者13の位置とを関連付けて分析された購買者13の購買行動に基づいて、商品11に対する購買者13の購買意欲を数値化した評価値を算出する。購買意欲算出部66は、購買者13が商品11に興味を持ったり、商品11の購入を検討したり、商品11を見たり、手に取ったり、購入したりした場合に、商品11の評価値を高める。購買意欲算出部66は、購買者13が商品11を見たり手に取ったりした回数や時間が多いほど、商品11の評価値を高くしてもよい。購買意欲算出部66は、商品11が購買者13に興味を持たれたり、見られたり、手に取られたりしなかった時間が長いほど、商品11の評価値を低くしてもよい。購買意欲算出部66は、購買者13が商品11を見たり、手に取ったり、購入したりしたときの購買者13の生体情報に基づいて、商品11に対する購買者13の購買意欲の評価値を算出してもよい。例えば、購買者13が商品11を見たり、手に取ったり、購入したりしたときに、購買者13の脈拍、体温、血圧などが上昇した場合に、商品11の評価値を高くしてもよい。
【0046】
売れ筋商品分析部67は、行動分析部65により分析された購買者13の購買行動や、購買意欲算出部66により算出された商品11の購買意欲の評価値などに基づいて、小売店10に陳列されている商品11のうち売れ筋の商品11を分析する。売れ筋商品分析部67は、購買者13の手に取られた後、陳列棚12に戻されずにそのまま購入された商品を売れ筋商品としてもよい。売れ筋商品分析部67は、購買者13の手に取られてからレジスター14へ移動するまでの時間が所定値よりも短かかった商品を売れ筋商品としてもよい。売れ筋商品分析部67は、購買者13の手に取られる回数が少ない商品を、ニッチな商品としてもよい。売れ筋商品分析部67は、購買者13の手に取られた後、陳列棚12に戻される回数が多い商品を、売れ筋商品の候補としてもよい。売れ筋商品を分析することにより、商品11の仕入れや陳列位置などを改善することができる。また、分析された売れ筋商品の情報を商品11の製造主体にフィードバックすることにより、商品11の開発や販売戦略に活用することができる。
【0047】
理由分析部68は、行動分析部65により分析された購買者13の購買行動などに基づいて、購買者13が商品11を購入しなかった理由を分析する。理由分析部68は、購買者13が商品11を見たり手に取ったりした前後の購買者13の行動を分析することにより、購買者13が商品11を購入しなかった理由を分析してもよい。例えば、購買者13が商品11に添付された値札などのタグを見た後に商品11を陳列棚12に戻した場合は、理由分析部68は、商品11の価格、素材、ブランドなどが購買者13の嗜好に合わなかったことが理由であると推定してもよい。購買者13が商品11に触れた後に商品11を陳列棚12に戻した場合は、理由分析部68は、商品11の生地の肌触りが購買者13の嗜好に合わなかったことが理由であると推定してもよい。購買者13が折り畳まれた商品11を広げた後に商品11を陳列棚12に戻した場合は、理由分析部68は、商品11のデザインやサイズなどが購買者13の嗜好に合わなかったことが理由であると推定してもよい。購買者13が商品11を購入しなかった理由を分析することにより、商品11の仕入れや陳列位置などを改善することができる。また、分析された理由を商品11の製造主体にフィードバックすることにより、商品11の開発や販売戦略に活用することができる。
【0048】
行動分析部65、購買意欲算出部66、売れ筋商品分析部67、又は理由分析部68による分析は、購買者13の属性を単位として実行されてもよい。例えば、購買者13の性別、年代、居住地などを単位として分析が実行されてもよい。これにより、どんな購買者層が、どんな商品に興味を持ったのか、どんな商品を手に取ったのかなどを分析することができる。
【0049】
在庫管理部69は、小売店10の在庫を管理する。在庫管理部69は、第2位置取得部62により取得された商品11の位置情報や、行動分析部65により分析された購買者13の購買行動などに基づいて、商品11の在庫数及び陳列位置を管理する。在庫管理部69は、購買者13により購入されて在庫数が減った商品11を自動的に発注してもよい。在庫管理部69は、売れ筋商品分析部67又は理由分析部68の分析結果に基づいて、商品11の発注数を増減したり、商品11の陳列位置を変更したりしてもよい。
【0050】
分析結果提示部70は、行動分析部65、購買意欲算出部66、売れ筋商品分析部67、又は理由分析部68による分析結果を表示装置19に表示する。
【0051】
行動分析部65による購買者13の購買行動の分析の具体例について説明する。
【0052】
行動分析部65は、購買者13の位置と商品11の位置との関係に基づいて、商品11に対する購買者13の行動を分析する。図3(a)(b)(c)は、購買者13の位置と商品11の位置との関係の例を示す。行動分析部65は、購買者13と商品11が所定の位置関係にある場合に、購買者13が商品11に興味を持ったと判定してもよい。例えば、図3(a)に示すように、商品11が陳列された陳列棚12に面した通路の商品11から所定の範囲内に購買者13がいた場合に、購買者13がその商品11に興味を持ったと判定してもよい。商品11から所定の範囲内に購買者13がいたとしても、図3(b)に示すように、陳列棚12に面した通路ではない位置に購買者13がいた場合は、購買者13から商品11は見えないので、行動分析部65は、購買者13がその商品11に興味を持ったと判定しなくてもよい。購買者13の撮像画像から購買者13の視線方向を取得できる場合は、図3(c)に示すように、購買者13の視界内に商品11がある場合に、購買者13がその商品11に興味を持ったと判定してもよい。行動分析部65は、空間情報保持部72に格納された小売店10内のマップを参照して、購買者13の購買行動を分析してもよい。
【0053】
行動分析部65は、購買者13又は商品11の位置の時間変化に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。位置の時間変化は、例えば、所定の時間における購買者13又は商品11の位置、購買者13又は商品11の移動量、移動回数、若しくは移動経路、購買者13の滞在位置、滞在時間、若しくは滞在回数、又は商品11が陳列棚12に陳列されている時間である。行動分析部65は、商品11の移動量又は移動回数が多いほど、その商品11が購買者13の手に取られていると判定してもよい。行動分析部65は、商品11が陳列棚12に陳列されている時間が長いほど、その商品11が購買者13により興味を持たれていないと判定してもよい。行動分析部65は、購買者13が商品11の近傍に滞在した時間又は回数が多いほど、購買者13がその商品11に強く興味を持ったと判定してもよい。
【0054】
行動分析部65は、購買者13の位置と商品11の位置との相対的な距離に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。行動分析部65は、購買者13の位置と商品11の位置との間の距離を算出し、購買者13の位置から購買者13が手が届く程度の所定の範囲内にある商品11に購買者13が興味を持ったと判定してもよい。
【0055】
行動分析部65は、所定の時間と所定の時間とは異なる別の時間における購買者13の位置と商品11の位置との相対的な距離の変化に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。行動分析部65は、購買者13と商品11の間の距離が減少したときに、購買者13が商品11を手に取ったと判定してもよい。行動分析部65は、購買者13と商品11の間の距離が増大したときに、購買者13が商品11を陳列棚12に戻したと判定してもよい。行動分析部65は、購買者13の位置と商品11の位置との相対的な距離の変化の速度に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。購買者13が商品11を手に取ったときの速度が速かった場合は、行動分析部65は、購買者13が商品11により強い興味を持ったと判定してもよい。商品11を陳列棚12に戻したときの速度が速かった場合は、行動分析部65は、購買者13が商品11に持った興味の度合いがより低かったと判定してもよい。
【0056】
行動分析部65は、購買者13の周辺の一定の範囲内において検知された商品11の高さの変化に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。購買者13の手が届く範囲にある商品11の高さが変化した場合に、行動分析部65は、その商品11が購買者13の手に取られたと判定してもよい。
【0057】
行動分析部65は、購買者13が商品11に触れた又は商品11を持ったことを示す情報に基づいて、購買者13の購買行動を分析してもよい。購買者13が商品11に触れた又は商品11を持ったことは、例えば、撮像装置20により撮像された画像を解析することにより検知できる。また、商品11に添付された通信タグ21に加速度センサ、接触センサ、圧力センサなどを併設することにより、購買者13が商品11に触れた又は商品11を持ったことを検知することができる。
【0058】
図4は、実施の形態に係る表示制御装置100の機能構成を概略的に示すブロック図である。表示制御装置100は、通信装置151、表示装置19、入力装置153、制御装置160、及び記憶装置180を備える。表示制御装置100は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピューターなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0059】
通信装置151は、小売店10に設置された測位デバイスなどの装置や分析装置50との間で通信を行う。通信装置151は、有線又は無線の任意の通信技術によりデータを送受信してもよい。
【0060】
入力装置153は、表示制御装置100の使用者による指示入力を制御装置160に伝達する。入力装置153は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置19及び入力装置153は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0061】
記憶装置180は、制御装置160により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置180は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置180は、購買者データベース181、空間情報保持部182、及び表示情報保持部183を備える。
【0062】
購買者データベース181は、購買者13に関する情報を格納する。購買者データベース181は、購買者13の氏名、年齢、性別、住所などの属性情報や、嗜好情報や、小売店10における商品11の購入履歴などを格納する。
【0063】
空間情報保持部182は、小売店10内の空間に関する情報を格納する。空間情報保持部182は、小売店10内の陳列棚12などのマップや、測位デバイスの種類、設置位置、レイアウトなどを格納する。
【0064】
表示情報保持部183は、測位デバイスから取得された購買者13及び商品11の位置情報や、分析装置50による分析結果など、表示装置19に表示される情報を格納する。表示情報保持部183は、購買者13及び商品11の位置情報の履歴や、測位デバイスにより検知された加速度、温度、圧力などの付加情報や、分析装置50から取得した分析結果などを格納する。
【0065】
制御装置160は、第1位置取得部161、第2位置取得部162、分析結果取得部163、空間情報取得部164、表示位置調整部165、表示範囲調整部166、重畳表示制御部167、及び表示切替部168を備える。これらの機能ブロックも、ハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できる。
【0066】
第1位置取得部161は、小売店10における購買者13の位置を取得する。第1位置取得部161は、小売店10に設置された測位デバイスから購買者13の位置を示す情報を直接受信してもよい。または、小売店10に設置され、測位デバイスにより検知された情報を集約する図示しない小売店サーバや、分析装置50などから購買者13の位置を示す情報を取得してもよい。
【0067】
第2位置取得部162は、小売店10における商品11の位置を取得する。第2位置取得部62は、小売店10に設置された測位デバイスから商品11の位置を示す情報を直接受信してもよい。または、図示しない小売店サーバや分析装置50などから購買者13の位置を示す情報を取得してもよい。
【0068】
第1位置取得部161又は第2位置取得部162は、購買者13又は商品11の位置情報に加えて、測位デバイスにより検知された加速度、温度、圧力などの情報を取得してもよい。
【0069】
分析結果取得部163は、分析装置50による分析結果を分析装置50から取得する。
【0070】
表示制御装置100により表示装置19に表示される表示情報は、所定の時間と所定の時間とは別の時間における購買者13の位置の変化に関する情報と、所定の時間と所定の時間とは別の時間における商品11の位置の変化に関する情報とを統合したものである。表示情報は、所定の時間と所定の時間とは別の時間における購買者13の位置と商品11の位置との相対的な距離の変化に関する情報を統合したものであってもよい。より具体的には、表示情報は、購買者13の移動量、移動回数、移動速度、滞在時間、若しくは滞在回数、又は商品11の移動量、移動回数、移動速度、若しくは存在している時間であってもよい。滞在時間や滞在回数は、商品11の近傍に購買者13が滞在した時間や回数であってもよいし、小売店10内に購買者13が滞在した時間や回数であってもよいし、小売店10のエリアごとの購買者13の滞在時間や滞在回数であってもよい。
【0071】
表示情報は、購買者13の状態、属性、又は行動を更に含んでもよい。表示情報は、例えば、購買者13の身体状態、精神状態、表情、しぐさ、分析装置50により分析された購買者13の購買行動などを含んでもよい。表示情報は、小売店10の座標、マップ、又はレイアウトと、購買者13の位置の変化に関する情報と、商品11の位置の変化に関する情報とを統合したものであってもよい。表示情報は、小売店10の空間に関する情報を更に含んでもよい。空間に関する情報は、例えば、小売店10内に設置された空調設備、照明設備、音響設備、出入口などに関する情報や、小売店10内の気温、湿度、明るさなどの情報であってもよい。
【0072】
空間情報取得部164は、小売店10内の空間に関する情報を取得する。空間情報取得部164は、図示しない小売店サーバや分析装置50などから空間情報を取得してもよいし、入力装置153を介して空間情報を取得してもよい。
【0073】
表示位置調整部165は、複数の測位デバイスにより検知された情報などの表示情報を重畳して表示するために、それぞれの表示情報の表示位置を調整する。表示範囲調整部166は、複数の測位デバイスにより検知された情報などの表示情報を重畳して表示するために、それぞれの表示情報の表示範囲や縮尺などを調整する。重畳表示制御部167は、表示位置調整部165及び表示範囲調整部166により調整された表示情報を重畳して表示装置19に表示する。
【0074】
表示切替部168は、表示装置19に重畳して表示される複数の情報のうち少なくとも1つの表示を表示させるオンと表示させないオフとを切替可能とする。表示切替部168は、得られた全ての情報の変化を同時に重畳して表示装置19に表示してもよい。表示切替部168は、得られた複数の情報のうち、一部を表示し、残りを表示しなくてもよい。表示切替部168は、表示装置19に表示する表示情報の内容や表示レイアウトを切り替えてもよい。
【0075】
図5は、表示制御装置100により表示装置19に表示される表示画面の例を模式的に示す。重畳表示制御部167は、例えば、第1の測位デバイスにより検知された情報や、第1の測位デバイスにより検知された情報を分析することにより得られた分析結果などの表示情報をレイヤー1に表示し、第2の測位デバイスにより検知された情報や、第2の測位デバイスにより検知された情報を分析することにより得られた分析結果などの表示情報をレイヤー2に表示し、第3の測位デバイスにより検知された情報や、第3の測位デバイスにより検知された情報を分析することにより得られた分析結果などの表示情報をレイヤー3に表示する。表示切替部168は、入力装置153を介してそれぞれのレイヤーのオンオフの指示を受け付け、指示に応じてそれぞれのレイヤーのオンオフを切り替える。
【0076】
図6(a)(b)は、表示制御装置100により表示装置19に表示される表示画面の例を示す。図6(a)に示した例では、小売店10内のマップに、購買者13及び商品11の移動量をエリアごとに集計したグラフ190が重畳表示されている。さらに、購買者13及び商品11の移動量を月ごとに集計したグラフ191と、購買者13の性別及び年代の構成割合を示すグラフ192と、商品11のカテゴリごとにそのカテゴリに含まれる複数の商品11の移動量の比率を集計したグラフ193が表示されている。分析者は、図6(a)に示した表示画面を参照して、売れ筋の商品を購買者13の属性ごとに分析したり、小売店10内のレイアウトを検討したり、在庫や仕入れの状況を検討したりすることができる。
【0077】
図6(b)に示した例では、購買者13及び商品11の移動量を月ごとに集計したグラフ191が拡大表示され、購買者13及び商品11の移動量をエリアごとに集計したグラフ190が縮小表示されている。表示切替部168は、分析者からの指示に応じて、表示画面に表示する表示情報の内容や表示レイアウトを切り替える。これにより、分析者による分析を適切に支援することができる。
【0078】
図7(a)(b)は、表示制御装置100により表示装置19に表示される表示画面の例を示す。図7(a)に示した例では、小売店10内のマップに、購買者13の移動軌跡194が重畳表示されている。さらに、複数の測位デバイスにより検知された情報や分析結果の表示のオンオフを切り替えるためのユーザインタフェース195が表示されている。分析者は、ユーザインタフェース195を介して、測位デバイスごとに表示のオンオフを切り替えることができる。
【0079】
図7(b)に示した例では、図7(a)に示した表示画面に、購買者13及び商品11の移動量をエリアごとに集計した分析結果196と、分析者により指定された位置における撮像画像197とが更に重畳表示されている。分析者は、複数の測位デバイスにより検知された情報や分析結果を任意に切り替えながら重畳表示することができるので、これらの情報を多角的に分析して新たな知見を得ることができる。
【0080】
表示画面に表示される表示内容の一例として、試食や割引セールなどのイベント情報などの付加価値情報を更に重畳表示してもよい。これにより、分析者は、購買者や商品に関わる各種分析も実行することができるようになる。
【0081】
上記の例では、人の位置の変化に関する情報と、物の位置の変化に関する情報とを重畳表示する例について説明したが、人の位置の変化に関する情報と人の位置の変化に関する別の情報とを重畳表示したり、物の位置の変化に関する情報と別の物の位置の変化に関する情報とを重畳表示したりすることによっても、従来にない分析価値を提供することができる。例えば、同系統の商品Aと商品Bの位置情報や移動量などを重畳表示することにより、商品の配置と商品の活性化との相関などを分析することが可能となる。より具体的には、安価な商品の隣に高価な商品を配置した場合に高価な商品がより選ばれやすくなるか否か、同価格帯の商品を隣接して配置した方が相乗効果で移動量が増えるのか否か、などを分析することができる。また、商品だけでなく、設備と商品の位置情報や移動量などを重畳表示することにより、店舗レイアウトの最適化などにも応用することができる。より具体的には、姿見の近くの商品の方が移動量がより活性化するのか否か、ハンガーラックにかかっている商品Aと棚に入っている商品Bの移動量の差、などを分析することができる。
【0082】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0083】
上述の実施の形態では、小売店10における購買者13の購買行動を分析する例を示したが、本実施の形態の技術は、倉庫における作業者の梱包作業を分析したり、工場における従業者の作業を分析したりする場合にも利用可能である。例えば、商品の製造工場における製造ラインの梱包と出荷工程において、撮像装置により撮像された撮像画像から取得される作業者の移動量、商品の生産量などの情報と、商品や設備などに添付された通信タグから取得される商品や設備の位置、梱包の内容物などの情報とを重畳表示させることにより、商品の生産量や生産品質を管理したり、生産量や生産品質の低下の原因を分析したりすることができる。生産量や生産品質が低下しているときに、梱包・出荷工程における作業者の移動量が活性化している場合は、機器や設備の故障などが原因であることが推定され、作業者の移動量が低下している場合は、作業者の体調不良などが原因であることが推定される。作業者の体温、血圧、心拍数などを検知するためのセンサから取得される情報や、撮像装置により撮像された作業者の作業動作などの情報を更に分析することにより、より詳細な原因を分析することもできる。
【0084】
上述の実施の形態では、例示的な機能ブロックを示しながら、分析装置50が提供する各種機能および各種機能の関係性について示した。上述の機能ブロックの境界は、説明の便宜のために任意に決められたものであり、各種機能および各種機能の関係性が適切に実現される限り、上述の機能ブロックとは別の境界が決められてもよい。また、分析装置50が提供する各種機能は、単一のサーバ装置で実現されてもよいし、複数のサーバ装置の連携によって実現されてもよい。したがって、特定のサーバが特定の機能を提供するということは、特定の機能が単一のサーバ装置で実現される場合と、特定の機能が複数のサーバ装置で実現される場合とを含み、特定の機能が特定のサーバ装置のみによって実現されなければならないことを必ずしも意味しない。
【符号の説明】
【0085】
10…小売店、11…商品、12…陳列棚、13…購買者、14…レジスター、15…撮像装置、16…識別装置、17…入口、19…表示装置、20…撮像装置、21…通信タグ、22…アクセスポイント、23…ロケータ、24…GPS装置、25…携帯端末、50…分析装置、51…通信装置、52…表示装置、53…入力装置、60…制御装置、61…第1位置取得部、62…第2位置取得部、63…撮像画像解析部、64…購買者情報取得部、65…行動分析部、66…購買意欲算出部、67…売れ筋商品分析部、68…理由分析部、69…在庫管理部、70…分析結果提示部、72…空間情報保持部、80…記憶装置、81…購買者データベース、82…空間情報保持部、83…位置情報保持部、100…表示制御装置、151…通信装置、153…入力装置、160…制御装置、161…第1位置取得部、162…第2位置取得部、163…分析結果取得部、164…空間情報取得部、165…表示位置調整部、166…表示範囲調整部、167…重畳表示制御部、168…表示切替部、180…記憶装置、181…購買者データベース、182…空間情報保持部、183…表示情報保持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7