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  • 特開-ショット処理装置および排熱方法 図1
  • 特開-ショット処理装置および排熱方法 図2
  • 特開-ショット処理装置および排熱方法 図3
  • 特開-ショット処理装置および排熱方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142087
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ショット処理装置および排熱方法
(51)【国際特許分類】
   B24C 9/00 20060101AFI20220922BHJP
   B24C 5/06 20060101ALI20220922BHJP
   B24C 3/32 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B24C9/00 N
B24C9/00 Z
B24C5/06 B
B24C9/00 J
B24C3/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042094
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平尾 通章
(72)【発明者】
【氏名】家守 修一
(57)【要約】
【課題】装置内部が昇温された際に、簡便な構造でこの熱を外部に排熱することができるショット処理装置および排熱方法を提供する。
【解決手段】線材Wをショット処理するショット処理装置1は、筐体15と、前記筐体15の外壁の一部を構成し、上下方向に位置するように配置された側壁2であって、前記側壁9の下端部側、上端部側がそれぞれ外部に開口し、連通した空間である間隙Kを有する側壁2と、を含み、前記下端部側の開口Pから大気が導入され、前記上端部側の開口Qより当該大気が排出される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材をショット処理するショット処理装置であって、
筐体と、
前記筐体の外壁の一部を構成し、上下方向に位置するように配置された側壁であって、前記側壁の下端部側、上端部側がそれぞれ外部に開口し、連通した空間である間隙を有する側壁と、を含み、
前記下端部側の開口から大気が導入され、前記上端部側の開口より当該大気が排出される、ショット処理装置。
【請求項2】
前記ショット処理装置の駆動により前記筐体内が発熱される発熱要素をさらに含み、
前記側壁は、パネルと前記パネルの前記発熱要素側に位置する面に設けられた断熱材と、を含んで構成される、請求項1に記載のショット処理装置。
【請求項3】
複数のショット機構を備え、各ショット機構はショット投射用インペラを駆動する駆動モータを備え、
前記複数のショット機構のうち一部のショット機構の前記駆動モータは、その回転軸を上下方向に位置させ、
前記回転軸の下端には、冷却ファンが固定され、
前記冷却ファンのケーシングを前記側壁に近接させて配置されている、請求項1または2に記載のショット処理装置。
【請求項4】
線材にショット媒体を投射してショット処理するショット処理装置の排熱方法であって、
前記ショット処理装置は、筐体と、
前記筐体の外壁の一部を構成し、上下端部が開口された間隙を有する側壁と、を含み、
前記下端部側の開口より大気を導入し、前記上端部側の開口より当該大気を放出する、排熱方法。
【請求項5】
前記ショット処理装置は、投射されたショット媒体を筐体下部から上部へ搬送する搬送機構と、前記筐体に設けられたベンチレータと、を更に含み、
前記ベンチレータから前記筐体内に導入した大気を前記搬送機構を回避して前記間隙の開口を含む開口部から外部へ放出する、請求項4に記載の排熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショット処理装置および排熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークのスケール落としやバリ取りや表面粗し等を行うショットブラスト加工、疲労強度向上等を行うショットピーニング処理、等の表面加工には、ショット材をワークの表面に投射または噴射してワークを加工するショット処理装置が用いられる。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2012/090531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被処理物に衝突しなかったショット媒体は、減速することなくショット処理装置の筐体内に衝突する。衝突によるエネルギーは熱に変換されるので、被処理物のサイズによっては装置の内部が高温となる場合がある。特に、ショット処理装置のなかで、線材をショット処理する装置では、被処理物である線材はショット媒体の投射範囲より細いため、装置が高温になる現象が顕著に生じる。線材をショットする装置は、線材の処理速度を向上させるために、複数のショット機構を用い、それぞれのショット機構によるショット媒体の投射領域に対して線材を高速で通過させることがある。この場合、装置の筐体内部に高いエネルギーが付与されることになる。また、線材をショット処理する装置は、小型に形成されるので、大型の装置に比べて表面積が小さく、放熱性が低い。その為、ショット媒体が筐体内部に高いエネルギーで衝突することで発生した熱が、内部に蓄積されていくことで、さらに高温となる。高温となる装置では、作業者の火傷対策として装置外面に断熱材を用いたカバーが設置される。しかしこの断熱材により、装置内部を保温することになり、さらに放熱が抑えられることになる。このように装置の内部が高温の状態では、モータやショット媒体の搬送機構等が耐熱温度以上の環境となり、著しく耐久性が低下する場合がある。
【0005】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、装置内部が昇温された際に、簡便な構造でこの熱を外部に排熱することができるショット処理装置および排熱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、線材をショット処理するショット処理装置である。このショット処理装置は、筐体と、筐体の外壁の一部を構成し、上下方向に位置するように配置された側壁であって、側壁の下端部側、上端部側はそれぞれ外部に開口し、連通した空間である間隙を有する側壁が設けられる。そして、下端部側の開口から大気が導入され、上端部側の開口より大気が排出される。
線材をショット処理するショット処理装置は、装置の内部が高温になりやすい。本発明の一側面では、側壁の下端部側の開口から上端部側の開口に向け側壁に沿って大気を上方へ導く間隙が設けられている。この間隙は外気に比べて高温であるので、下端部の開口近傍では、上昇する気流(即ち、間隙に導かれる気流)が発生する。導入された外気は、間隙内部で熱交換を行い、その後上端部の開口より排出される。このように、簡便な構造で装置内部の熱を外部に排熱することができる。
【0007】
本発明の一態様では、ショット処理装置の駆動により筐体内が発熱される要素である発熱要素を更に含む。そして、側壁は、パネルとパネルの発熱要素側に位置する面に設けられた断熱材と、を含んで構成される。
側壁の内面に断熱材が設けられるので、作業者に対して火傷対策を講じることができる。
【0008】
本発明の一態様では、複数のショット機構を備える。そして、各ショット機構はショット投射用インペラを駆動する駆動モータを備える。そして、複数のショット機構のうち一部のショット機構の駆動モータは、その回転軸を上下方向に位置させる。そして、回転軸の下端には、冷却ファンが固定される。そして、冷却ファンのケーシングを側壁に近接させて配置されている。
回転軸の下端に冷却ファンが固定されたモータが、回転軸を上下方向に位置させて側壁に近接させて配置されるので、モータの冷却ファンによって、側壁の下端部側の開口から上端部側の開口に向けた大気の流れを促進させることができ、排熱効率がさらに向上する。
【0009】
本発明の他の側面は、線材にショット媒体を投射してショット処理するショット処理装置の排熱方法である。ショット処理装置は、筐体と、側壁と、を含む。側壁は、筐体の外壁の一部を構成し、発熱要素との間に上下端部が開口された間隙を有する。そして、この排熱方法は、下端部側の開口より大気を導入し、上端部側の開口部より大気を外部へ放出する。
本発明の他の側面では、簡便な構造で装置内部の熱を外部に排熱することができる。
【0010】
本発明の一態様によれば、ショット処理装置は、搬送機構と、ベンチレータと、を含む。搬送機構は、投射されたショット媒体を筐体下部から上部へ搬送する。ベンチレータは、筐体に設けられる。そして、ベンチレータから筐体内に導入した大気を搬送機構を回避して間隙の開口を含む開口部から外部へ放出する。
熱に弱い部品を多く備える搬送機構が高温に曝されるのを低減できるので、ショット処理装置の故障を軽減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置内部が昇温された際に、簡便な構造でこの熱を外部に排熱することができるショット処理装置および排熱方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る、ショット処理装置の構成を示す模式図であって側面から見た図である。
図2図1のショット処理装置の平面図である。
図3図1破線A部分の拡大図である。
図4図3の矢印B方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る、ショット処理装置1の構成を示す模式図であって側面から見た図である。図2は、図1のショット処理装置1の平面図である。図3は、図1破線A部分の拡大図である。図4は、図3の矢印B方向から見た図である。
【0014】
なお、本明細書における「投射」とは、インペラ式のショット機構3を用いた場合のように羽根車による遠心力によってショット媒体Tを投射する場合、エア式のショット機構3を用いた場合のように圧縮空気や風力によってショット媒体Tを噴射する場合、のいずれもの態様を含む。
【0015】
図1図2に示すように、ショット処理装置1は、処理室を画定する筐体15と、筐体15に隣接して設けられる吹落とし室17と、を備えている。筐体15中央近傍には、隣接して循環装置の一部を構成する搬送機構(本実施形態では、バケットエレベータ14)が設けられている。筐体15内には、ショット機構3と、ショット機構3を駆動する駆動モータ9とを備えている。被処理物Wは、線状の形状を有する線材であり、搬入ローラ11により筐体15に搬入され、搬出ローラ13により吹落とし室17より搬出される。本実施形態に係るショット機構3は、インペラであり、駆動モータ9により、図3図4に示すベルト8を介してインペラ3を回転させてショット媒体Tを線材Wに投射している。インペラ3と駆動モータ9は、水平の左右方向からショット媒体Tを投射するインペラ3a、3aとこれらを駆動する駆動モータ9a、9a、および垂直の上下方向からショット媒体Tを投射するインペラ3b、3bとこれらを駆動する駆動モータ9b、9bの合計4対が筐体15内に設けられている。
【0016】
本実施形態におけるショット処理装置1は、線材Wをショット処理する装置である。この装置は、比較的規模の小さな被処理物Wを処理するので、投射領域が狭く設定され、装置自体が小型に形成されている。したがって、装置自体が小型であるために、放熱しづらい構造となっている。また、被処理物Wが小さいものであるため、投射されたショット媒体Tが被処理物Wに衝突せず、筐体15内部に直接衝突して、その運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、昇温することになる。したがって、装置が小型である為にそれぞれの駆動機構からの放熱性が悪化することに加え、上記のショット媒体Tのエネルギーによってさらに昇温しやすくなっている。
【0017】
また、ショット機構3、バケットエレベータ14、および駆動モータ9等は、装置内の発熱の原因となる。
上記の構成において、ショット機構3、バケットエレベータ14、および駆動モータ9等は、発熱要素を構成している。
【0018】
図1図2に示すように、ショット処理装置1は、筐体15の外壁の一部を構成し、上下方向に位置するように配置された側壁2を備える。この側壁2は、その下端部側、上端部側が、それぞれ外部に開口し、連通した空間である間隙Kを有する。この下端部側の開口Pから大気が導入され、上端部側の開口Qより当該大気が排出される。
【0019】
図3図4に示すように、側壁2は、パネル2aとパネル2aの駆動モータ9側に位置する面に設けられた断熱材2bと、を備えて構成される。前述の複数のショット機構9のうち一部のショット機構3の駆動モータ9は、その回転軸Jを上下方向に位置させ、回転軸Jの下端には、冷却ファン4が固定され、そのケーシング6を側壁2に近接させて配置されている。冷却ファン4は、ファンの回転によって生じる気流によって駆動モータ9を冷却する。
【0020】
上記の構成において、筐体15の端部であってインペラ3a側の上方には、ベンチレータ12aが設けられ、バケットエレベータ14の近傍には、ベンチレータ12bが設けられている。これらベンチレータ12a、12bは、筐体15外部の大気を筐体15内に取り入れ、取り入れられた空気は、筐体15内の上部から内方に至り、その後上昇してダクト16を経て集塵機(図示せず)に集塵された後外部に放出される。
一方、バケットエレベータ14の上方には、ベンチレータ12cが設けられている。このベンチレータ12cは、筐体15外部から大気をバケットエレベータ14に沿って筐体15内にとりいれ、その後上昇してダクト16を経て集塵機(図示せず)に集塵された後外部に放出される。
また更に、筐体15内に取り入れられた空気は、冷却ファン4により側壁2の間隙Kに導かれ開口Qより外部へ放出される。
【0021】
次に、図1図2を参照して、ショット処理装置1の動作について説明する。線材Wは、処理室である筐体15に搬入され、吹落とし室13を経て搬出されるように、搬入ローラ11から搬出ローラ13に向けて、筐体15から吹落とし室17へその室内を連続的に搬送される。筐体15内には、水平左右方向からショット媒体Tを線材Wに投射するインペラ3a、3aと上下方向からショット媒体Tを線材Wに投射するインペラ3b、3bが設けられている。
【0022】
図2に示すように、搬入ローラ11により、処理室15に搬入された線材Wは、インペラ3aによって右からショット媒体Tを投射されてショット処理される。右からのショット処理が終了した線材Wは、さらに筐体15の奧(紙面左側)に搬送されてインペラ3aによって左からショット媒体Tを投射されてショット処理される。左右方向のショット処理が終了した線材Wは、次に図1に示すように、図1紙面上左側に搬送されて、インペラ3bによって上からショット媒体Tを投射されてショット処理される。上からのショット処理が終了した線材Wは、さらに筐体15の奧(紙面左側)に搬送されてインペラ3bによって下からショット媒体Tを投射されてショット処理される。
【0023】
上下左右の4方向のショット処理が終了した線材Wは、吹落とし室17に搬送され、図示しないブラシやスクレーパ、及び圧縮空気の吹き付け等により粉塵やショット媒体が分離され清浄な状態となり、搬出ローラ13によってショット処理装置1の外部に搬送される。
【0024】
バケットエレベータ14を含む循環装置は、ショット媒体Tを筐体15内で循環させ、再利用するための装置である。本実施形態の循環装置は、筐体15下方に配置される下部スクリュコンベア(図示せず)、筐体15中央近傍に隣接して配置されるバケットエレベータ14、筐体15上方に配置され、バケットエレベータ14からショット機構3上部へショット媒体Tを搬送する上部スクリュコンベア(図示せず)を備えている。筐体15内でショット機構3によって投射されたショット媒体Tは、筐体15下部に傾斜面等を利用して集積される。筐体15下部に配置された下部スクリュコンベアは、集積されたショット媒体Tを、バケットエレベータ14へ搬送する。バケットエレベータ14は、下部スクリュコンベアで回収されたショット媒体Tを掬い上げ、筐体15下部から筐体15上部へショット媒体Tを搬送する。装置上部に搬送されたショット媒体Tは、バケットエレベータ14の上端部からシュート(図示せず)に投げ出され、シュートを介して上部スクリュコンベアに搬送される。上部スクリュコンベアは、ショット媒体Tを導入ホース(図示せず)を介して各ショット機構3にショット媒体Tを供給する。
【0025】
筐体15内の駆動モータ9を含む発熱要素に隣接して配置されている側壁2と、駆動モータ9の間には、間隙Kが設けられている。図1図3図4に示すように、駆動モータ9によって加熱された筐体15内の空気には、開口P、Qがあることによって、空気の温度差による上昇気流が生じる。この気流の流れによって、外部の比較的低い温度の空気は、矢印uで示すように、側壁2の下端部側の開口Pから筐体15内部に流入する。また、筐体15内の熱せられた空気は、上昇気流の流れによって、矢印vで示すように、側壁2の上端部側の開口Qから筐体15外部に放出される。側壁2は、パネル2aと断熱材2bによって構成されており、内面に配置された断熱材2bによって、筐体15内の熱が、外面のパネル2aに伝わるのが抑制されている。
【0026】
駆動モータ9のうち一部のショット機構3の駆動モータ9は、その回転軸Jを上下方向に位置させ、回転軸Jの下端には、冷却ファン4が固定され、そのケーシング6を側壁2に近接させて配置されている。したがって、冷却ファン4による駆動モータ9の冷却のための気流が、筐体15内の下端部の開口Pから上端部の開口Qへの気流の流れを促進する。
【0027】
以上述べたように、本実施形態では、筐体15内の一部を構成する側壁2が、上下端部が開口された間隙Kを有する。したがって、外部に開口する側壁2の下端部の開口Pと上端部の開口Qによって、筐体15内に気流の流れを生じさせることができる。この気流の流れにより、筐体15外部の低い温度の空気を開口Pから導入し、筐体15内部の加熱した空気を開口Qから排出することができる。したがって、装置が小型であるためと、被処理物が小さいために筐体に衝突するショット媒体によって高温となる装置について、簡便な構造で排熱効率を向上させることができる。
【0028】
側壁2は、パネル2aと断熱材2bとで構成され、断熱材2bが発熱要素に面して配置される。したがって、筐体15の外側に位置するパネル2aに筐体15内の高熱が伝搬するのを抑制することができ、作業員の火傷対策を講じることができる。一部の駆動モータ9は、回転軸Jを上下方向に位置させ下端に冷却ファンが固定されて、側壁2に近接させて配置されるので、冷却ファンによる気流が開口Pから開口Qへの気流の流れを促進し、さらに排熱効果を向上させることができる。
【0029】
また、本実施形態では、筐体15内に導入した空気をバケットエレベータ14を回避して外部に放出する。バケットエレベータ14は、熱に弱い部品を多く備える。本実施形態により、バケットエレベータ14の耐久性の低下を防ぐことができ、また、高温の空気を外部に放出させることができる。
【0030】
なお、上述の実施形態では、発熱要素から間隙Kを設けて断熱材2bを内面に有する側壁2が、処理室の筐体15の駆動モータ9に対して配置されたが、これに限定されない。例えば、吹落とし室17内に回転ブラシ等が発熱要素として高温になる場合は、吹落とし室17内の発熱要素に対面する位置に本発明の間隙Kを有する側壁2を設けてよい。ショット処理装置1の他の部分についても、発熱要素が存在する場合は、同様に間隙Kを有する側壁2を設けることで本発明を有効に活用することができる。
【0031】
上述の実施形態において、ショット機構3としてインペラを用いて説明したがこれに限定されず、例えば、圧縮空気と共にショット媒体Tを被処理物Wにむけて噴射してショット処理をする噴射機構を備えたショット処理装置についても、本発明の上下端部が開口された間隙Kを有する側壁2を設ける構成は、発熱要素により昇温された空気を外部に排熱する効果を奏することが可能である。
【0032】
上述の実施形態においては、搬送機構としてバケットエレベータ14を例示したが、これに限定されず例えばフライトコンベア等、ショット媒体Tを下方から上方へ搬送できる機構であれば適宜その装置の実施状況に対応していかなる機構を採用してよい。
【符号の説明】
【0033】
1 ショット処理装置
2 側壁
2a パネル
2b 断熱材
3、3a、3b ショット機構(インペラ)(発熱要素)
4 冷却ファン
6 ケーシング
9、9a、9b 駆動モータ(発熱要素)
12a、12b、12c ベンチレータ
14 バケットエレベータ(搬送機構)
15 処理室(筐体)
J 回転軸
K 間隙
P、Q 開口
W 被処理物(線材)
図1
図2
図3
図4