(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142104
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】プリンタ、プリンタの制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220922BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20220922BHJP
B65H 41/00 20060101ALI20220922BHJP
B65H 7/04 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J3/36 Z
B65H41/00 C
B65H7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042116
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金子 和之
(72)【発明者】
【氏名】平川 朔弥
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
3F048
3F108
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C055GG05
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CQ23
2C061CQ41
2C061HJ02
2C061HK11
2C061HK23
2C061HV22
2C061HV32
3F048AA05
3F048AC02
3F048BA05
3F048BB02
3F048CB04
3F048DA06
3F048DA08
3F048DC14
3F048EA02
3F048EB22
3F048EB38
3F108JA03
(57)【要約】
【課題】印字後のラベルを検出するためのセンサが印字後のラベルを検出することができない場合であっても、連続紙の搬送を停止することができるプリンタを提供する。
【解決手段】台紙及び台紙に所定間隔で仮着された複数のラベルを含む連続紙から印字済みのラベルを剥離させて発行する剥離発行モードを有するプリンタであって、連続紙を搬送する搬送機構と、複数のラベルの各々に対して印字をする印字部と、台紙から印字後のラベルを剥離する剥離機構と、台紙から剥離されたラベルに対向して配置されるセンサと、ラベルに対する印字が完了するまでにセンサの出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、印字完了時に搬送機構による連続紙の搬送を停止させる制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙及び前記台紙に所定間隔で仮着された複数のラベルを含む連続紙から印字済みのラベルを剥離させて発行する剥離発行モードを有するプリンタであって、
前記連続紙を搬送する搬送機構と、
前記複数のラベルの各々に対して印字をする印字部と、
前記台紙から印字後の前記ラベルを剥離する剥離機構と、
前記台紙から剥離されたラベルに対向して配置されるセンサと、
前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる制御部と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記制御部は、早くとも前記ラベルに対する印字が開始してから前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を継続して検出している場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記制御部は、前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を所定時間以上継続して検出した場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記制御部は、前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を合わせて所定時間以上断続的に検出した場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記制御部は、前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を示している回数及び/又頻度が閾値を越えた場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる、
請求項1から4の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項6】
表示部を更に備え、
前記制御部は、前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、前記表示部のステータスバーにワーニングアイコンを表示する、
請求項1から5の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項7】
台紙及び前記台紙に所定間隔で仮着された複数のラベルを含む連続紙から印字済みのラベルを剥離させて発行する剥離発行モードを有するプリンタにおいて、
前記連続紙を搬送させながらラベルの印字を開始するステップと、
前記台紙から印字済みの前記ラベルを剥離するステップと、
前記台紙から剥離された印字後の前記ラベルに対向して配置されているセンサの出力に基づいて前記ラベルの有無を検出するステップと、
前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させるステップと、
を含むプリンタの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字媒体に情報を印字するプリンタ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字媒体をサーマルヘッド及びプラテンローラで圧接挟持し、サーマルヘッド上の発熱素子を選択的に発熱させて、印字媒体に熱転写により印字を施すサーマル式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が知られている。
【0003】
一部のプリンタでは、連続発行と剥離発行の双方の発行をすることができる。
【0004】
連続発行では、台紙に仮着されている複数のラベルに対してまとめて印字をする。従って、複数のラベルを印字した後に、まとめてラベルの貼付先にラベルを貼付することに適している。
【0005】
他方で、剥離発行においては、連続紙の先頭にあるラベルに対する印字が終了し、その後、ラベルが剥離位置まで搬送されたならば、連続紙の搬送を停止し、利用者が印字後のラベルを1枚ずつ剥離できる。従って、利用者が現場を回りながら、ラベルを1枚ずつ印刷して、ラベルの貼付先にラベルを貼付することに適している。
【0006】
特許文献1には、連続発行と剥離発行の双方に対応したプリンタの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
剥離発行においては、上述したように、連続紙の先頭にあるラベルに対する印字が終了し、その後、ラベルが剥離位置まで搬送されたならば、連続紙の搬送を停止する。このような停止を可能にするためには、連続紙の先頭にあるラベルに対する印字が終了したならば、そのようなラベルをセンサにより検出する必要がある。そして、センサがそのようなラベルを検出したならば、そのようなラベルが仮着されている台紙の搬送を停止させる。これにより、利用者は、容易に印刷後のラベルを台紙から剥離することが可能になる。
【0009】
しかし、センサの故障、プリンタが置かれている環境により、センサがラベルを検出することができないことがある。このような場合には、台紙の搬送を停止させることができないので、利用者は印字後のラベルを台紙から剥離することができなくなってしまう可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、印字後のラベルを検出するためのセンサが印字後のラベルを検出することができない場合であっても、連続紙の搬送を停止することができるプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様によれば、
台紙及び前記台紙に所定間隔で仮着された複数のラベルを含む連続紙から印字済みのラベルを剥離させて発行する剥離発行モードを有するプリンタであって、
前記連続紙を搬送する搬送機構と、
前記複数のラベルの各々に対して印字をする印字部と、
前記台紙から印字後の前記ラベルを剥離する剥離機構と、
前記台紙から剥離されたラベルに対向して配置されるセンサと、
前記ラベルに対する印字が完了するまでに前記センサの出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、印字完了時に前記搬送機構による前記連続紙の搬送を停止させる制御部と、
を備えるプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のある態様によれば、印字後のラベルを検出するためのセンサが印字後のラベルを検出することができない場合であっても、連続紙の搬送を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1Aは、本発明の実施の形態によるプリンタのカバーが閉じたときの前方面、左側面及び上方面を示す斜視図であり、
図1Bは、本発明の実施の形態によるプリンタのカバーが開いたときの前方面、左側面及び上方面を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態によるプリンタのカバーが開いたときの左側面及び上方面を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態によるプリンタのサーマルヘッド、プラテンローラ及び剥離機構を示す側方断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態による剥離ユニットを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態によるプリンタの一部の機能ブロックを示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態によるプリンタの搬送路の周辺にある各部の位置を示す概念的平面図である。
【
図7】本発明の実施の形態によるプリンタが剥離発行の通常の動作をするときの連続紙の搬送量を段階的に示す概念図である。
【
図8】本発明の実施の形態によるプリンタが剥離発行の動作をし、その際に剥離センサがラベル無を継続して検出するときの連続紙の搬送量を段階的に示す概念図である。
【
図9】
図9Aは、印字期間を示すタイミング図である。
図9Bは、通常の場合の剥離センサのセンサ出力信号の波形図である。
図9Cは、第1の実施の形態による検出期間を示すタイミング図である。
図9Dから
図9Gは、検出期間の変形例を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細な説明をする。
【0015】
[1.プリンタ1の概略構成]
本発明の一実施形態に係るプリンタ1は、連続印字モードと剥離手動モードを切り替え可能に構成されたラベルプリンタである。以下、プリンタ1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
なお、各図では、例えば
図1A及び
図1Bの斜視図に示すように、上(UP)、下(DN)、左(LH)、右(RH)、前(FR)、後(RR)の方向を定義している。しかし、この方向の定義は、専ら図面の説明の便宜のためであり、本発明のプリンタの使用時の姿勢を限定する意図はない。
【0017】
この方向の定義では、「プリンタ前後方向」とは、プリンタ1の前後の方向を意味する。「プリンタ幅方向」とは、プリンタ1の左右の方向、あるいは横方向を意味する。
【0018】
図1A、
図1B及び
図2は、それぞれ実施形態のプリンタ1の斜視図である。
図1Aは、プリンタカバー3が閉鎖状態の場合を示し、
図1B及び
図2は、プリンタカバー3が開放状態の場合を示している。
図1Bは、ロール紙Rがセットされた状態を示し、
図2は、ロール紙R、及び、ロール紙Rがセットされる前のプリンタ1の状態を示している。
【0019】
図1Aに示すように、プリンタ1は、本体ケース2とプリンタカバー3によって内部の機能部品が保護されている。プリンタ1の上面には、ラベルを排出する排出部20が設けられている。
【0020】
なお、プリンタ1は、排出部20側を上に向けた状態(横置き)で使用することも可能である。また、プリンタ1の底面に設けられたベルトフック(図示せず)を利用者のベルトに引っかけたり、ショルダーベルト(図示せず)を装着して利用者の肩に掛けたりすることにより排出部20側を横に向けた状態(縦保持)で使用することも可能である。
【0021】
本体ケース2において排出部20よりも前方には、表示パネル15(本発明の「表示部」の一例である。)が設けられている。表示パネル15は、利用者による操作入力を受け付けるタッチパネル入力機構を備えてもよい。表示パネル15は、プリンタ1の内部の回路基板に接続されており、回路基板から供給される表示信号に基づいて、例えばプリンタ1の動作状態やプリンタ1の操作に関するユーザインタフェースを示す画像を出力する。
【0022】
図示しないが、本体ケース2とプリンタカバー3によって包囲されているプリンタ1の内部には、様々な機能部品を支持又は保持するための内部フレームが配置されている。この内部フレームと、本体ケース2及びプリンタカバー3とは、プリンタ本体に相当する。
【0023】
プリンタカバー3は、プリンタ1の内部を開放する開放位置と、プリンタ1の内部を閉鎖する閉鎖位置と、の間で揺動可能に構成される。
【0024】
本体ケース2に設けられたカバー開放用ボタン51bを操作すると、
図1Bに示すように、プリンタカバー3が開放する。プリンタカバー3を開放することで、ロール紙収容室9が露出する。ロール紙収容室9は、ロール紙R(ロール体の一例)を収容する空間である。
【0025】
図2に示すように、ロール紙Rは、帯状の連続紙Pがロール状に巻回されたものである。連続紙Pは、帯状の台紙PMと、台紙PM上に予め決められた間隔毎に仮着された複数枚のラベルPLとを有している。台紙PMのラベル貼付面には、ラベルPLを容易に剥離することが可能なようにシリコーン等のような剥離剤が被覆されている。また、台紙PMのラベル貼付面の裏面には、予め決められた間隔毎にラベルPLの基準位置を示す位置検出マークMが形成されている。
【0026】
ラベルPLの表側は情報が印字される印字面であり、予め決められた温度領域に達すると特定の色に発色する感熱発色層が形成されている。印字面の裏側は粘着剤によって被覆された粘着面であり、当該粘着面が台紙PMのラベル貼付面に貼り付けられることでラベルPLが台紙PMに仮着されている。
【0027】
ロール紙収容室9には、一対のロール紙ガイド6aが設置されている。一対のロール紙ガイド6aは、ロール紙Rの両側面に接触した状態でロール紙Rを回転自在の状態で支持してロール紙Rから引き出される連続紙の搬送をガイドする部材である。また、一対のロール紙ガイド6aは、ロール紙Rの幅に応じて位置を変えられるようにロール紙Rの幅方向に沿って移動可能であることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、プリンタカバー3が開放位置と閉鎖位置の間で本体ケース2に対して揺動可能となるように、プリンタカバー3が本体ケース2に対してヒンジ8で軸支されている。ヒンジ8はヒンジ軸81を有し、ヒンジ軸81には、プリンタカバー3を閉鎖位置から開放位置に向けて付勢する捩りばね(図示せず)が設けられている。
【0029】
図2に示すように、プリンタカバー3の先端には、プラテンローラ10が正逆方向に回動自在の状態で軸支されている。プラテンローラ10は、ロール紙Rから引き出される連続紙Pを搬送する搬送手段であり、連続紙Pの幅方向に沿って延在した状態で形成されている。このプラテンローラ10のプラテン軸10aの一端には、ギア10bが連結されている。このギア10bは、プリンタカバー3が閉鎖位置のときに本体ケース2内に配置されるギア(図示せず)と係合し、ギアを介してローラ駆動用のステッピングモータ(図示せず)等に機械的に接続されるようになっている。搬送機構は、少なくともプラテンローラ10、ギア10b、ギア及びステッピングモータを含む。
【0030】
図2に示すように、プリンタカバー3には、プラテンローラ10の近傍において剥離バー12(
図3参照)がプラテンローラ10に沿って設置されている。この剥離バー12は、台紙PMからラベルPLを剥離する剥離部材であり、その両端はプリンタカバー3の両側壁に固定されている。なお、剥離バー12は、プラテン軸10aの両端に固定してもよい。
【0031】
本体ケース2内には、プリンタカバー3を閉鎖したときにプラテンローラ10のプラテン軸10aを保持するプラテン保持ブラケット27が設けられる。プラテン保持ブラケット27の前方には、サーマルヘッド28(
図3参照)が配置される。
【0032】
サーマルヘッド28は、例えば、文字、記号、図形又はバーコード等の情報を、ロール紙Rから搬送される台紙PMに仮着されているラベルPLに印字する印字手段である。サーマルヘッド28は、プリンタカバー3が閉鎖状態のときにプラテンローラ10に対向するように設けられている。
【0033】
後述するが、サーマルヘッド28には、回路基板(図示せず)に接続するフレキシブルケーブルが着脱可能に取り付けられている。サーマルヘッド28は、連続紙Pの幅方向に沿って配列される複数の発熱素子(発熱抵抗体)を備え、回路基板から送信される信号に基づいて複数の発熱素子を選択的に通電することで印字を行う。
【0034】
印字部は、少なくともサーマルヘッド28及びプラテンローラ10を含む。
【0035】
図2に示すように、サーマルヘッド28の前方には、コイルばね(図示せず)が配置される。コイルばねの後方の一端はサーマルヘッド28に当接し、コイルばねの前方の他端は内部フレームに当接している。コイルばねは、印字時にサーマルヘッド28をプラテンローラ10に向けて付勢し、それによってサーマルヘッド28が印字に最適な圧力でプラテンローラ10に押圧される。
【0036】
プリンタ1は、剥離ユニット4(
図3参照)を有し、剥離ユニット4を連続印字モードに対応した連続発行位置と剥離手動モードに対応した剥離発行位置の間で移動させることによって、連続発行及び剥離発行を行う。
図1Bに示すように、プリンタカバー3が開放位置にあるときには剥離ユニット開放用ボタン52bが露出する。剥離ユニット開放用ボタン52bを操作することで、剥離ユニット4を動作させることができる。
図2は、剥離ユニット開放用ボタン52bを操作したときの剥離ユニット4の状態を示している。
【0037】
剥離ユニット開放用ボタン52bは、連続発行から剥離発行に切り替えるときに利用者によって操作される。
【0038】
図3に示すように、剥離ユニット4は、剥離ローラカバー41と、剥離ローラ45を保持する剥離ローラ保持部42と、を有する。剥離ローラカバー41は、連続発行時に剥離ローラ保持部42を覆うように構成されている。剥離ローラカバー41は、本体ケース2内の内部フレームに軸支されており、剥離ユニット開放用ボタン52bの操作に応じて閉鎖位置から開放位置(
図2に示す状態)まで揺動する。
【0039】
剥離ローラ保持部42は、剥離ローラカバー41に軸支されている。連続発行時には、剥離ローラ保持部42は、剥離ローラカバー41の裏面の下に折り畳まれるようにして収容される。
【0040】
プリンタカバー3には、ラベル位置検出センサ35が設けられている。ラベル位置検出センサ35は、プリンタカバー3の閉鎖時において、ロール紙Rから引き出された連続紙Pがプラテンローラ10に達するまでの間の通紙ルートに配置され、ラベルPLの基準位置を検出する。ラベル位置検出センサ35の検出結果に基づいて、連続紙Pの搬送量を制御することが好ましい。
【0041】
図示しないが、連続発行後の連続紙Pの台紙PMを切断するカッタを設けるとよい。カッタを設ける場合、カッタは、排出部20において連続紙Pの幅方向に沿って延在した状態で設置される。また、剥離バー12をカッタとして機能させてもよい。
【0042】
[2.連続発行及び剥離発行]
次に、プリンタ1の連続発行及び剥離発行について、
図3を参照して説明する。
【0043】
プリンタ1は、連続紙の台紙からラベルを剥離して発行する剥離発行と、台紙からラベルを剥離することなく発行する連続発行との切り替えが可能に構成されている。
【0044】
連続発行の場合は、必要枚数のラベルが貼られた台紙を用意しておき、現場でラベルを台紙から剥がして貼り付けることができるので、ラベルを貼り付ける対象物がプリンタ1から離れた場所にある場合に適している。連続発行に際しては、プリンタ1に装着された剥離ユニット4を連続発行位置にセットする。
【0045】
一方、剥離発行の場合は、ラベルが1枚ずつ台紙から剥がれた状態で排出されるのでラベルを貼り付ける対象物が利用者の近くにある場合に適している。剥離発行に際しては、プリンタ1に装着された剥離ユニット4を剥離発行位置にセットする。これにより、印字のためにプラテンローラ10を回転させ連続紙を搬送すると、台紙は剥離ローラ45とプラテンローラ10とに挟まれた状態で搬送される一方、印字後のラベルは1枚毎に台紙から剥がされてプリンタ1の外部に排出される。
【0046】
図3は、連続発行及び剥離発行のときの、剥離ユニット4、プラテンローラ10、剥離バー12、サーマルヘッド28、及び、剥離センサ47の位置関係を示す概略の部分断面図である。
図3では、剥離ユニット4の剥離ローラカバー41及び剥離ローラ保持部42について、外形線のみで表している。剥離ローラカバー41の外形線については点線で示している。
【0047】
また、連続発行と剥離発行とでは剥離ローラ保持部42の位置が異なるため、剥離ローラ保持部42にのみ斜線を付している。
【0048】
連続発行のときの剥離ユニット4の位置は連続発行位置に相当し、剥離発行のときの剥離ユニット4の位置は剥離発行位置に相当する。
【0049】
図3に示すように、連続発行の際には、剥離ローラ保持部42は剥離ローラカバー41の下に収容されており、それによって剥離ローラ45は、プラテンローラ10から離間した位置にあり、連続紙Pの排出を妨げない。ロール紙Rから引き出された連続紙Pがプラテンローラ10とサーマルヘッド28によって挟持され、連続紙P上のラベルに印字される。
【0050】
連続発行から剥離発行に切り替える際には、利用者による操作などにより、剥離ローラ保持部42は、軸42aを中心として揺動した位置に移動する。
図3に示すように剥離発行の際には、剥離ローラ45は、プラテンローラ10に対向する位置に配置される。剥離発行においても、ロール紙Rから引き出された連続紙Pがプラテンローラ10とサーマルヘッド28によって挟持され、連続紙P上のラベルに印字される点は、連続発行と同じである。剥離発行では、ロール紙Rから引き出された連続紙Pの台紙PMは、剥離バー12において急旋回させられ、プラテンローラ10と剥離ローラ45に挟持されて排出される。剥離バー12での台紙PMの急旋回に伴って、ラベルPLは、台紙PMから剥離される。
【0051】
図4に示すように、剥離ローラカバー41の表面には、剥離センサ47が配置される。剥離センサ47は、検出対象の有無を光学的に検出するための光反射型センサである。剥離センサ47は、剥離発行時に剥離されたラベルに対向して配置されているため、通常、剥離されたラベルの有無に応じて、その出力レベルが変化する。
図3において剥離バー12によって剥離されたラベルPLは、搬送方向上流側の一部が剥離バー12付近に止まるように搬送制御される。それによって剥離されたラベルPLは、その粘着力によって剥離バー12に留まるが、このラベルPLの有無が剥離センサ47によって検出される。剥離されたラベルを利用者が取り出すと、剥離センサ47によってラベルPLが無いことが検出され、次のラベルを発行するように制御される。
【0052】
[3.制御部など]
図5を参照すると、プリンタ1は、後述する動作に関連した機能ブロックとしては、剥離センサ47、印字部703、印字制御部705、搬送機構707、搬送機構制御部709、表示パネル15を含む。また、プリンタ1は、後述する動作に関連した機能ブロックとしては、更に、表示制御部711及び制御部799を含む。印字制御部705、搬送機構制御部709、表示制御部711及び制御部799は、バス713により相互に接続されている。
【0053】
印字部703は、少なくともサーマルヘッド28及びプラテンローラ10を含む。
【0054】
印字制御部705は、制御部799からの指示に従って、印字部703を制御する。
【0055】
搬送機構707は、上述したように、少なくともプラテンローラ10、ギア10b、ギア及びステッピングモータを含む。
【0056】
搬送機構制御部709は、制御部799からの指示に従って、搬送機構707を制御する。
【0057】
表示制御部711は、制御部799からの指示に従って、表示パネル15を制御する。
【0058】
制御部799は、剥離センサ47の出力(センサ出力信号)に基づいて、剥離されたラベルの有無を検出する。ラベルPLに対する印字部703による印字が完了するまでに剥離センサ47の出力に基づいてラベル無を継続して検出した場合は、印字完了時に搬送機構707による連続紙の搬送を停止させる。また、制御部799は、そのような場合は、表示制御部711を介して表示パネル15のステータスバーにワーニングアイコンを表示する。ここで、ステータスバーとは、例えば、表示パネル15の上端部において表示パネル15の全幅に亘る範囲を示す領域であり、ここにワーニングアイコンを含む各種のアイコンを表示することができる。制御部799の詳細については後述する。
【0059】
図6~
図8では、連続紙Pの搬送を仮想的に平面上で表している。
【0060】
図6を参照すると、連続紙Pの搬送路には上流から下流に向かうに従って、ラベル位置検出センサ35、サーマルヘッド28、剥離バー12、及び、剥離センサ47がこの順に並んでいる。また、搬送方向に沿ってのサーマルヘッド28の位置をP2、剥離センサ47の位置をP5とすれば、位置P2と位置P5との間には、台紙なしラベルカット位置P3及び剥離位置P4が上流からこの順に並んでいる。従って、搬送方向に沿って、位置P1~P5がこの順に並んでいる。
【0061】
ここで、台紙なしラベルカット位置P3とは、台紙なしラベルが連続して構成されている連続紙Pから最新の印字済みの台紙なしラベルが利用者などにより連続紙Pからカットされて分離される位置である。
【0062】
また、剥離位置P4とは、台紙PMとこれに所定の間隔で仮着されている複数のラベルPLを含む連続紙Pから剥離された直後に剥離バー12に仮着されている最新の印字済みのラベルPLが利用者などにより台紙PMから剥離される位置である。
【0063】
[4.ラベル無の検出]
前述したように、剥離センサ47は、通常は、剥離発行時に剥離されたラベルに対向して配置されているため、通常、剥離されたラベルの有無に応じて、その出力レベルが変化する。
【0064】
以下の説明では、一例として、光反射型の剥離センサ47が対象物から反射された反射光の光強度が高い場合にハイレベルの電気信号(センサ出力信号)を出力し、反射光の光強度が低い場合にローレベルの電気信号を出力するものとする。制御部799は、剥離センサ47のセンサ出力信号を所定の閾値と比較して、剥離されたラベルの有無を検出する。
ここで、「センサ出力信号がハイレベルである」とは、センサ出力信号が、制御部799のラベル有無の検出のための閾値を超えるレベルであることを意味する。逆に、「センサ出力信号がローレベルである」とは、センサ出力信号が、制御部799のラベル有無の検出のための閾値を超えないレベルであることを意味する。
【0065】
通常は、剥離センサ47の検出範囲にラベルがあるときには、剥離センサ47のセンサ出力信号がローレベルであり、剥離センサ47の検出範囲にラベルがないときには、剥離センサ47のセンサ出力信号がハイレベルである。
【0066】
しかし、剥離センサ47の検出範囲にラベルがあっても剥離センサ47のセンサ出力信号がハイレベルとなることがある。具体的には、印字完了後のラベルが搬送されて剥離センサ47の検出範囲に入っても、例えば強い外光により、剥離センサ47のセンサ出力信号がハイレベルとなる場合がある。
【0067】
[5]動作の説明
[5.1動作の種類]
次に、剥離発行モードにおいて、台紙PMとこれに所定の間隔で仮着されている複数のラベルPLを含む連続紙Pを印字対象とした場合における、各ラベルPLに対する印字からラベルPLの剥離までの動作についての説明をする。
【0068】
以下、剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されたときに剥離センサ47がローレベルを出力する場合の動作(つまり、通常の動作)と、剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを出力する場合の動作の説明をする。まず、
図7を参照して、剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されたときに剥離センサ47がローレベルを出力する場合の動作の説明をしてから、
図8を参照して、剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを出力する場合の動作の説明をする。
【0069】
[5.2剥離センサの検出範囲までラベルが搬送されたときに剥離センサがラベル有を検出する場合の動作]
図7を参照すると、時刻t11には、先頭ラベルPLの先端部がサーマルヘッド28に到達し、先頭ラベルPLに対する印字が開始する。なお、実際は、ラベルPLには印字余白が必要であり(印字禁止領域の確保)、印字が開始される位置は、ラベルPLの先端部から少し搬送方向上流側である。そのため、印字開始位置は、ラベルPLの先端部ではなく、ラベルPLの先端部から少し搬送方向上流側の位置でもよい。
【0070】
時刻t12においては、印字が継続しており、先頭ラベルPLの先頭部付近のみに対する印字が完了している。
【0071】
時刻t13においては、先頭ラベルPLの先頭部が剥離センサ位置P5に到達し、剥離センサ47が出力するセンサ出力信号はそれまではハイレベルを示していたがローレベルを示すように変化する。
【0072】
なお、時刻t11、時刻t12においては、先頭ラベルPLの全体が台紙PMに仮着されているが、時刻t12から時刻t13の間の所定の時刻から先頭ラベルPLの台紙PMからの剥離が開始している。
図7においては、何れの時刻においても台紙PMが位置P4より上方に延びておらず、時刻t13以降に先頭ラベルPLのみが位置P4より上方に突出しているが、これは剥離機構により台紙PMから先頭ラベルPLが剥離されていることを示している。時刻t13においては、先頭ラベルPLの位置P4と位置P5の間にある先頭部が台紙PMから剥離されている。
【0073】
時刻t14には、先頭ラベルPLの末尾部がサーマルヘッド28に到達し、先頭ラベルPLに対する印字が終了する。
【0074】
時刻t14においては、引き続き、先頭ラベルPLは、剥離センサ47のセンサ出力信号に基づいて検出されている。
【0075】
時刻t15においては、先頭ラベルPLの末尾部が剥離位置P4に到達し、連続紙Pの搬送が停止する。このとき先頭ラベルPLの末尾部が剥離バー12に仮着されており、利用者により先頭ラベルPLが剥離バー12から剥離されることが容易になっている。
【0076】
なお、
図7の例では、既に説明したように剥離センサ47の通常の動作を示している。このような場合、印字が終了した時刻t14においてセンサ出力信号がローレベルを示していることを停止条件(以下、「通常停止条件」という。)として、連続紙Pの搬送を停止する。そして、停止位置として、先頭ラベルPLの末尾部が剥離位置P4に到達する位置を選択しているが、連続紙Pの停止後に印刷後の先頭ラベルPLを利用者などが剥離できるならば、この位置に限られることはない。
【0077】
時刻t16において、利用者などにより先頭ラベルPLが剥離バー12から剥離されると、剥離センサ47によるセンサ出力信号がハイレベルを示すように変化する。
【0078】
[5.3剥離センサの検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサがハイレベルを出力する場合の動作]
次に、
図8を参照して、通常とは異なり、剥離センサの検出範囲までラベルが搬送されても剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力する場合における動作についての説明をする。
【0079】
剥離されたラベルが存在するにも関わらず剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力する場合の動作を
図7と
図8との対比により説明する。
図7では、時刻t13から時刻t16までの期間は、剥離センサ47は、剥離されたラベルPLが有るためにローレベルを示すセンサ出力信号を出力する。これに対して、
図8では、時刻t13から時刻t16までの期間においても、剥離されたラベルPLが有るにも関わらず、剥離センサ47は、引き続きハイレベルを示すセンサ出力信号を出力する。
【0080】
時間を追って説明すると、台紙PMから分離した先頭ラベルPLの先頭部が時刻t13において剥離センサ位置P5に到達する。しかし、時刻t13以降も剥離センサ47が出力するセンサ出力信号は継続してハイレベルを示す。
【0081】
時刻t14には、先頭ラベルPLの末尾部がサーマルヘッド位置P2に到達し、先頭ラベルPLに対する印字が終了する。
【0082】
図8の場合には、印字が終了した時刻t14においてセンサ出力信号がローレベルを示しているという通常停止条件が満たされない。従って、従来のように通常停止条件のみを停止条件にしているのであれば、連続紙Pの搬送は継続されてしまう。これが繰り返されると、複数の印刷済みのラベルPLが連続的にプリンタから出力されてしまう。
【0083】
本実施形態では、前記ラベルに対する印字が完了する時刻t14までに剥離センサ47がハイレベルを継続して出力した場合は、その時刻t14において連続紙Pの搬送を停止する。
【0084】
その後、利用者による操作などにより搬送が開始し、時刻t15’において先頭ラベルPLの末尾部が剥離位置P4に到達する。そして、時刻t16’において、利用者などにより先頭ラベルPLが剥離バー12から剥離される。
【0085】
図7の例では、剥離センサ47のセンサ出力信号に基づいて剥離されたラベルを検出できているため、エラー信号のレベルは継続的にLOWである。
【0086】
図8の例では、剥離センサの検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力していることを印字が終了した時刻t14において検出している。これによりエラー信号は時刻t14においてエラー無のレベルであるLOWからエラー有のレベルであるHIGHに変化し、剥離センサ47が通常とは異なるセンサ出力信号を出力していることが時刻t14にわかる。
【0087】
図8の例では時刻t14において剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力していることを検出したならば、直ちに連続紙Pの搬送を停止する。ただし、さほどの遅滞がなければ時刻t14以降に連続紙Pの搬送を停止してもよい。
【0088】
また、時刻t14において剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力していることを検出したならば、プリンタをオンラインからオフラインに切り替える。これにより、オンラインのまま印字が継続してしまうことを避けることができる。
【0089】
ここでプリンタがオンラインであるとは、プリンタが印字を実行できる状態にあることをいう。また、プリンタがオフラインであるとは、プリンタが印字を停止している状態にあることをいう。プリンタがオフラインにあるときには、プリンタの設定、用紙の搬送及び印字のキャンセルをすることができる。
【0090】
更に、時刻t14において剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力してことを検出したならば、その旨の情報を出力する。例えば、表示パネル15のステータスバーにワーニングアイコンを表示する。ワーニングアイコンは、剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力していることを示すもの(例えば、「剥離センサがラベルを検出することができません。」というメッセージ)であることが好ましいが、その限りではなく、例えば、剥離発行モードで何かしらの異常が生じていることを示すものであってもよい。また、これに合わせて又は単独で剥離発行を無効にしてもよい。
【0091】
時刻t14における印字完了時よりも前に剥離センサ47が一時的又は瞬間的にハイレベルを示すセンサ出力信号を出力することもありえるが、そのような場合であっても、印字完了時を待って表示パネル15のステータスバーにワーニングアイコンを表示する。従って、剥離センサ47が一時的・瞬間的にハイレベルのセンサ出力信号を出力する度に表示パネル15のステータスバーにワーニングアイコンを表示して、利用者を煩わせることを避けることができる。
【0092】
[6.機能の有効化と無効化]
既に以下の3つの機能についての説明をしている。
・剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを検出していることを検出した場合に、現在の印字が終了してから印字を終了させる機能(機能#1)
・剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを検出していることを検出した場合に、プリンタ1をオンラインからオフラインに切り替える機能(機能#2)
・剥離センサ47の検出範囲までラベルが搬送されても外光の影響により剥離センサ47がハイレベルを検出していることを検出した場合に、その旨の情報を出力する機能(機能#3)
ここで、また、機能#1を常に有効としてもよいし、機能#1の有効/無効を利用者が設定できるようにしてもよい。なお、機能#2及び機能#3は常に有効としておいてよい。
【0093】
[7.剥離されたラベルが有るにも関わらず剥離センサがハイレベルのセンサ出力信号を出力していることの他の検出方法]
なお、上記の実施の形態では、印字終了時にセンサ出力信号がハイレベルであることを示しているならば、剥離センサ47は、通常とは異なる状況でハイレベルのセンサ出力信号を出力していると判断する。
しかし、剥離センサ47が通常とは異なる状況でハイレベルのセンサ出力信号を出力しているか否かを判断する方法はこれに限られない。例えば、次のような場合に、剥離センサ47は通常とは異なる状況でハイレベルのセンサ出力信号を出力していると判断しても良い。
(a)剥離センサ47が通常、ローレベルのセンサ出力信号を出力すべき期間(以下、「検出期間」という。)全体に亘り、剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力し続けている場合
(b)検出期間全体に対して所定割合以上の長さの期間に亘り、剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を連続的に又は断続的に出力し続けている場合
(c)検出期間において剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力することがあり、その合計時間の検出期間に対する割合が所定割合以上である場合
(d)検出期間全体に亘り、剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力し続けていることが検出期間において時間的に離散的にサンプリングしたセンサ出力信号によりわかった場合(例えば、ハイレベルのセンサ出力信号の検出回数の総数が所定回数以上である場合)
(e)検出期間全体に対して所定割合以上の長さの期間に亘り、剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力し続けていることが検出期間において時間的に離散的にサンプリングしたセンサ出力信号によりわかった場合
(f)検出期間において剥離センサ47がハイレベルのセンサ出力信号を出力することがあり、その通算期間の検出期間に対する割合が所定割合以上であることが検出期間において時間的に離散的にサンプリングしたセンサ出力信号によりわかった場合(例えば、ハイレベルのセンサ出力信号の単位時間内の検出頻度が所定回数以上である場合)
【0094】
図9A及び
図9Bは、印字期間及び剥離センサ47のセンサ出力信号のレベルを示し、以下の
図9Cから
図9Gを参照した説明のために示してある。
図9C~
図9Gにおいてハイレベルである期間が検出期間に相当する。
【0095】
図9Cに示すように、検出期間としては、例えば、時刻t13から時刻t14までの期間を設定することができる。時刻t13は、連続紙の最先端にある剥離ラベルの先端が剥離センサ位置P5に到達する時刻である。時刻t14は連続紙の最先端にある剥離ラベルに対する印字が終了する時刻である。
【0096】
時刻t13は、時刻対搬送量の関係に基づいて求めることができる。時刻対搬送量の関係は、ラベル位置検出センサ35が連続紙の所定の位置を検出した時刻、プリンタの諸元の数値及び連続紙の諸元の数値から算出することができる。ここで、連続紙の所定の位置とは、例えば、ラベルの縁のことである。プリンタの諸元とは、例えば、ラベル位置検出センサの位置P1から各位置P2~P5までの距離、搬送速度のことである。連続紙の諸元の数値とは、ラベルピッチ、ラベル寸法、ギャップ寸法のことである。従って、剥離されたラベルが有るにも関わらず剥離センサ47がハイレベルを示すセンサ出力信号を出力している場合であっても、時刻t13を求めることができる。
【0097】
時刻t15は、印字終了時の時刻であるので、プリンタ動作から検出することができる。例えば、印字期間に対応する印字イネーブル信号から検出することができる。
【0098】
図9Dに示すように、検出開始時刻を時刻t13よりも遅くする(つまり、時刻t14に近付ける)ことで、検出期間を短くしてもよい。
図9Eに示すように、検出終了時刻を時刻t14よりも早める(つまり、時刻t13に近付ける)ことで、検出期間を短くしてもよい。又は、検出開始時刻と検出終了時刻の双方の変更をすることにより検出期間を短くしてもよい。検出終了時刻を時刻t14よりも早める場合には、印字が完了するよりも前に剥離センサ47が通常とは異なるセンサ出力信号を出力しているか否かの判断ができる。
【0099】
図9Fに示すように、検出期間として印字期間を用いてもよい。つまり、剥離発行モードを例にとれば、時刻t11から時刻t14までの期間を検出期間としてもよい。その場合、検出開始の時刻として時刻t13を算出する必要がなくなる。その場合、時刻t11から時刻t13までの期間は、剥離センサ47のセンサ出力信号はハイレベルを示す。しかし、時刻t13から時刻t14までの間では、剥離センサ47が通常通り動作する場合にはセンサ出力信号はローレベルを示し、剥離センサ47が通常とは異なる動作をする場合にはセンサ出力信号はハイレベルを示す。従って、時刻t11から時刻t14までの期間におけるセンサ出力信号を通算して判断することにより剥離センサ47が通常とは異なるハイレベルのセンサ出力信号を出力しているか否かを判断することができる。例えば、回数判断や頻度判断における閾値を調整することにより、時刻t11から時刻t14までの期間におけるセンサ出力信号を通算して判断することができる。また、例えば、期間中にセンサ出力信号が1回又は短時間でもローレベルを示しているならば、剥離センサ47が通常通り動作していると判断してもよい。
【0100】
図9Gに示すように、印字を終了する時刻を基準として、それから遡及して所定長さの期間を疑似的な検出期間としてもよい。その場合、疑似的な検出期間の開始時刻が本来の検出期間の開始時刻t13よりも遅くなるように疑似的な検出期間の長さを調整する。こうすれば、剥離センサ47が通常通りの動作をしている場合であってもセンサ出力信号がハイレベルを示す期間が疑似的な検出期間に含まれないようにすることができる。また、その場合、センサ出力信号がローレベルを示しているかハイレベルを示しているかを示すデータを遡及して調べられるように記録媒体に記憶しておくことにより上述した(a)から(f)の判断をすることができるようになる。
【0101】
本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他の種々の形で実施することができる。そのため、前述した各実施形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0102】
1 プリンタ
2 本体ケース
3 プリンタカバー
4 剥離ユニット
6a ロール紙ガイド
8 ヒンジ
9 ロール紙収容室
10 プラテンローラ
10a プラテン軸
10b ギア
12 剥離バー
15 表示パネル
20 排出部
27 プラテン保持ブラケット
28 サーマルヘッド
35 ラベル位置検出センサ
41 剥離ローラカバー
42 剥離ローラ保持部
42a 軸
45 剥離ローラ
47 剥離センサ
51b カバー開放用ボタン
52b 剥離ユニット開放用ボタン
81 ヒンジ軸
701 ラベル信号検出部
703 印字部
705 印字制御部
707 搬送機構
709 搬送機構制御部
711 表示制御部
799 制御部