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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142196
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】照明装置、器具及び灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 15/01 20060101AFI20220922BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220922BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20220922BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220922BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220922BHJP
   F21V 3/06 20180101ALI20220922BHJP
【FI】
F21V15/01 360
F21S2/00 230
F21V19/00 213
F21V15/01 500
F21V17/00 154
F21V3/00 310
F21V3/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042274
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
【Fターム(参考)】
3K011EF08
3K011GA02
3K013BA01
(57)【要約】
【課題】スティックスリップ現象による異音の発生を従来よりも抑制できる照明装置を得る。
【解決手段】照明装置は、光源部、及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有する灯具と、前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備えた照明装置であって、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、前記灯具側対向部と前記器具側対向部との間に、前記灯具側対向部の一部に接触すると共に、前記器具側対向部の一部に接触する接触部を備えている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部、及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有する灯具と、
前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、
を備えた照明装置であって、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、
前記灯具側対向部と前記器具側対向部との間に、前記灯具側対向部の一部に接触すると共に、前記器具側対向部の一部に接触する接触部を備えている照明装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記器具に一体形成され、前記灯具側対向部に向かって突出する器具側凸部である請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記灯具側対向部には、前記器具側凸部の一部が挿入されて接触する灯具側凹部が形成されている請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記接触部は、前記外郭部に一体形成され、前記器具側対向部に向かって突出する灯具側凸部である請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記器具側対向部には、前記灯具側凸部の一部が挿入されて接触する器具側凹部が形成されている請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記接触部は、
前記器具に一体形成され、前記灯具側対向部に向かって突出する器具側凸部と、
前記外郭部に一体形成され、前記器具側対向部に向かって突出し、前記器具側凸部に接触する灯具側凸部と、
である請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記接触部は、前記灯具側対向部及び前記器具側対向部よりも弾性率の低い材料で形成されている請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記接触部は、前記灯具側対向部及び前記器具側対向部よりも摩擦係数が小さい材料で形成されている請求項1又は請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記接触部は、前記灯具側対向部又は前記器具側対向部に設けられている請求項7又は請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
光源部及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有する灯具が着脱自在に取り付けられる器具であって、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、
前記器具側対向部に、前記灯具側対向部の一部に接触する接触部を備えている器具。
【請求項11】
前記接触部は、前記器具に一体形成され、前記灯具側対向部に向かって突出する器具側凸部である請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記接触部は、前記器具側対向部よりも弾性率の低い材料で形成されている請求項10に記載の器具。
【請求項13】
前記接触部は、前記器具側対向部よりも摩擦係数が小さい材料で形成されている請求項10又は請求項12に記載の器具。
【請求項14】
光源部、及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有し、器具に着脱自在に取り付けられる灯具であって、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、
前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、
前記灯具側対向部に、前記器具側対向部の一部に接触する接触部を備えている灯具。
【請求項15】
前記接触部は、前記外郭部に一体形成され、前記器具側対向部に向かって突出する灯具側凸部である請求項14に記載の灯具。
【請求項16】
前記接触部は、前記灯具側対向部よりも弾性率の低い材料で形成されている請求項14に記載の灯具。
【請求項17】
前記接触部は、前記灯具側対向部よりも摩擦係数が小さい材料で形成されている請求項14又は請求項16に記載の灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異音の発生の抑制を図った照明装置、器具及び灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井等の被取付部に取り付けられる従来の照明装置は、被取付部に取り付けられる器具と、該器具に着脱自在に取り付けられる灯具とを備えている。また、灯具は、光源部と、該光源部を覆う透光性の外郭部とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の照明装置には、灯具が器具に取り付けられた状態において、外郭部の一部が器具の一部と対向する。以下、外郭部における器具と対向する箇所を、灯具側対向部とする。また、器具における灯具側対向部と対向する箇所を、器具側対向部とする。灯具が器具に取り付けられた際、従来の照明装置は、灯具側対向部と器具側対向部とが接触する構成となっている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の照明装置の場合、器具には、下面から上方に凹み、灯具の一部を収容する凹部が形成されている。また、灯具の外郭部は、器具の凹部に収納される箇所の下方に、横方向に突出する延出部が設けられている。そして、灯具が器具に取り付けられた際、灯具の外郭部の延出部と、器具の下面における延出部と対向する箇所が接触する。すなわち、特許文献1に記載の照明装置の場合、灯具の外郭部の延出部が灯具側対向部となっており、器具の下面における延出部と対向する箇所が器具側対向部となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-035622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、灯具が器具に取り付けられた際、従来の照明装置は、灯具側対向部と器具側対向部とが接触する。すなわち、灯具が器具に取り付けられた際、従来の照明装置は、外郭部の一部と器具の一部とが接触する。ここで、外郭部と器具とは、線膨張係数の異なる材料で形成される。換言すると、外郭部と器具とは、伸縮率の異なる材料で形成される。例えば、灯具の外郭部は、アクリル樹脂等の樹脂によって形成される。また、例えば、器具は、金属で形成される。このため、照明装置の使用時の動作熱の影響、或いは、照明装置の設置環境の影響等によって、外郭部と器具とは異なる伸縮量を示す。したがって、灯具側対向部と器具側対向部との接触箇所では、灯具側対向部と器具側対向部との間に生じる摩擦力によって外郭部が歪む。そして、外郭部の歪みが開放される所謂スティックスリップ現象が発生したときに、異音が発生する。このため、従来の照明装置は、スティックスリップ現象による異音の抑制が望まれているという課題があった。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、スティックスリップ現象による異音の発生を従来よりも抑制できる照明装置、器具及び灯具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る照明装置は、光源部、及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有する灯具と、前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と、を備えた照明装置であって、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、前記灯具側対向部と前記器具側対向部との間に、前記灯具側対向部の一部に接触すると共に、前記器具側対向部の一部に接触する接触部を備えている。
【0009】
また、本開示に係る器具は、光源部及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有する灯具が着脱自在に取り付けられる器具であって、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、前記器具側対向部に、前記灯具側対向部の一部に接触する接触部を備えている。
【0010】
また、本開示に係る灯具は、光源部、及び該光源部を覆う透光性の外郭部を有し、器具に着脱自在に取り付けられる灯具であって、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記外郭部における前記器具と対向する箇所を灯具側対向部とし、前記灯具が前記器具に取り付けられた状態において、前記器具における前記灯具側対向部と対向する箇所を器具側対向部とした場合、前記灯具側対向部に、前記器具側対向部の一部に接触する接触部を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る照明装置、器具及び灯具においては、接触部が灯具側対向部に接触する面積、及び接触部が器具側対向部に接触する面積は、灯具側対向部及び器具側対向部の面積よりも小さくなる。このため、本開示に係る照明装置、器具及び灯具は、灯具側対向部と器具側対向部とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る照明装置を下方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置が器具と灯具とに分割された分割斜視図であり、照明装置を下方から見た図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置の器具における長手方向Xの端部周辺を下方から見た図である。
図4】実施の形態1に係る照明装置の灯具を上方から見た斜視図である。
図5】実施の形態1に係る灯具の斜視断面図であり、灯具を下方から見た図である。
図6】実施の形態1に係る照明装置を短手方向Yに沿った縦断面で切断した断面図である。
図7図6のA部拡大図である。
図8】実施の形態2に係る灯具の斜視断面図であり、灯具を上方から見た図である。
図9】実施の形態2に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。
図10】実施の形態3に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。
図11】実施の形態4に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。
図12】実施の形態5に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る照明装置、器具及び灯具の一例について、以下の各実施の形態において図面を参照しながら説明する。また、以下の説明では、便宜上、照明装置の長手に沿った方向を、長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、照明装置の短手に沿った方向を、短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を、上下方向Zとする。また、上下方向Zにおいて、器具に灯具が取り付けられる向きを、上向きZ1とする。上向きZ1とは反対側の向きであり、器具から灯具が取り外される向きを、下向きZ2とする。
【0014】
なお、以下の各実施の形態に示す照明装置、器具及び灯具の各構成要素は、あくまで例示である。本開示に係る照明装置、器具及び灯具の各構成要素は、これらの記載に限定されるものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものである。また、各図において、各構成要素の相対的な寸法の関係及び形状等は、本開示に係る照明装置、器具及び灯具を実際に製造したものとは異なる場合がある。ここで、以下の説明において、理解を容易にするために、方向又は向き等を表す用語を適宜用いるが、それらの表記は説明の便宜上用いる記載である。以下の説明において示した方向又は向き等は、本開示に係る照明装置、器具及び灯具の各構成要素の配置、方向及び向き等を限定するものではない。なお、方向又は向き等を表す用語とは、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」、「表」又は「裏」等である。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置を下方から見た斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明装置が器具と灯具とに分割された分割斜視図であり、照明装置を下方から見た図である。図3は、実施の形態1に係る照明装置の器具における長手方向Xの端部周辺を下方から見た図である。図4は、実施の形態1に係る照明装置の灯具を上方から見た斜視図である。図5は、実施の形態1に係る灯具の斜視断面図であり、灯具を下方から見た図である。図6は、実施の形態1に係る照明装置を短手方向Yに沿った縦断面で切断した断面図である。図7は、図6のA部拡大図である。
【0016】
照明装置1は、天井等の被取付部2に取り付けられる器具100と、器具100に対して着脱自在に取り付けられる灯具200とを備える。灯具200は、例えば、バネ性を有する連結機構によって器具100側に引き寄せられるように、該器具100に取り付けられる構成である。
【0017】
器具100は、例えば、被取付部2に設けられた吊ボルト等の取付具に取り付けられる。器具100は、長手方向Xに延びる長尺状の器具本体部110と、器具本体部110の長手方向Xの両端部に取り付けられた器具端部115とを有する。
【0018】
器具本体部110は、天面部111、一対の側面部112、一対の下面部113、及び一対の反射面部114を有している。天面部111、一対の側面部112、一対の下面部113、及び一対の反射面部114は、長手方向Xに沿って長尺かつ平板状に形成されている。
【0019】
一対の側面部112、一対の下面部113、及び一対の反射面部114は、天面部111の長手方向Xに沿って、天面部111の短手方向Yの両端の側に配置されており、天面部111の全長に渡って設けられている。一対の側面部112は、天面部111の側縁部周辺から、下向きZ2に突出している。一対の下面部113は、側面部112の下端部から、短手方向Yであって器具本体部110の外部側に延びるように設けられている。一対の反射面部114の下端は、下面部113の短手方向Yの端部であって、側面部112が接続されていない側の端部に接続されている。また、反射面部114は、被取付部2に向かうにつれて、側面部112から離れるように設けられている。器具本体部110は、例えば、金属製の板材を用いて、ロールフォーミング加工、ベンダ加工、又はタレットパンチプレス加工等の製造方法で曲げられて形成される。
【0020】
器具端部115は、器具本体部110の長手方向Xにおける両端部の端面形状に対応した形状となっている。すなわち、器具端部115は、器具本体部110の短手方向Yに沿った断面形状に対応した形状となっている。また、器具端部115には、ノックアウト116が形成されている。他の照明装置と接続される電線等を照明装置1に引き込む際、ノックアウト116を打ち抜くことによって形成される貫通部は、当該電線等の挿入口として機能する。
【0021】
器具本体部110の天面部111と一対の側面部112とは、下面が開口した凹形状をなしており、器具端部115とともに灯具装着部117を形成している。灯具装着部117は、灯具200の一部分が収容される箇所であり、箱状に形成されている。灯具装着部117は、収容凹部とも称され、短手方向Yに沿った断面形状は概略U字形状となっている。灯具装着部117には、例えば板バネ等の弾性部材で構成された器具側連結部118、端子台120、及び器具側電線121等が設けられている。
【0022】
器具側連結部118は、ネジ等の固定具119を用いて、天面部111に取り付けられている。器具側連結部118は、灯具200に設けられた後述する灯具側連結具310とともに、連結機構を構成する。すなわち、器具側連結部118が灯具200に設けられた灯具側連結具310と連結することによって、灯具200は器具100に取り付けられる。
【0023】
灯具200が器具100に取り付けられた状態では、下面部113の少なくとも一部が、灯具200の後述する外郭部250と対向する。また、灯具200が器具100に取り付けられた状態では、側面部112の少なくとも一部が、灯具200の外郭部250と対向する。下面部113及び側面部112における外郭部250と対向する箇所が、器具側対向部130となる。
【0024】
灯具200は、主として、光源部210、台座220、外郭部250、電源部300、及び灯具側連結具310等を有している。
【0025】
光源部210は、光を発する発光ユニットである。光源部210は、例えばLEDである発光素子211と、発光素子211が実装された基板212とを有する。実施の形態1では、発光素子211は、1個又は複数個のパッケージ化されたLEDであり、基板212の実装面に面実装されている。発光素子211は、給電線302を介して電源部300から供給される点灯電力を用いて、発光する。光源部210は、台座220の後述する配置部230の第1面231に配置されている。実施の形態1では、基板212の非実装面と台座220の第1面231とが、接着部材213によって接着固定されている。
【0026】
台座220は、長手方向Xに延びた配置部230及び側壁部240を有する長尺状の構造体である。台座220は、光源部210、外郭部250、電源部300、及び灯具側連結具310等が取り付けられる取付部材であり、フレームとも称される。
【0027】
配置部230は、該配置部230の下面である第1面231に光源部210が配置され、該配置部230の上面である第2面232に電源部300が配置されている。側壁部240は、配置部230のY方向における端部から器具100の側に向かって立ち上がっている。実施の形態1では、台座220の短手方向Yに沿った断面形状は、概略U字形状をなしている。なお、台座220の短手方向Yに沿った断面形状は、当該形状に限定されるものではない。器具本体部110は、例えば、金属製の板材を用いて、ロールフォーミング加工、ベンダ加工、又はタレットパンチプレス加工等の製造方法で曲げられて形成される。
【0028】
電源部300は、照明装置1の外部から、端子台120、器具側電線121、及び灯具側電線301を経由して供給される外部電力を、発光素子211を点灯させるための点灯電力に変換して光源部210に供給する。実施の形態1では、点灯電力は、台座を貫いて電源部300と光源部210とを接続する給電線302を経由して、電源部300から光源部210に供給される。電源部300は、例えば、図示しないネジ又はリベット等の固定具を用いて、台座220に固定されている。
【0029】
外郭部250は、透光性を有し光源部210を覆う透光カバーである。外郭部250は、台座220に取り付けられた状態で光源部210を保護するとともに、光源部210から発せられる光を透過し照明空間に照射する。外郭部250は、灯具200の長手方向Xに延びる外郭本体部260と、外郭本体部260の長手方向Xの両端部に設けられた外郭端部251とを有する。
【0030】
実施の形態1では、外郭部250は、拡散性を有する拡散カバーであり、光学部材である。外郭部250は、透光性の合成樹脂材料で形成されている。また、外郭本体部260は、例えば、透光性の合成樹脂材料の押出成形により形成される。透光性の合成樹脂材料とは、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、又はポリプロピレン(PP)等の合成樹脂である。
【0031】
外郭本体部260は、光源部210から発せられる光を透過する透光部270、外郭部250を台座220に取り付けるための取付部280、及び、透光部270と取付部280とを接続する接続部285を有する。透光部270は、光源部210から発せられる光を主に外郭部250の下方に照射する透光主部271と、光源部210から発せられる光を主に外郭部250の側方に照射する透光側部272とを有する。透光部270は、光源部210から発せられる直接光を透過する。また、透光部270は、外郭部250と台座220とによって形成された空間の内部で反射した反射光も透過する。
【0032】
接続部285は、透光部270の短手方向Yの両端部から、短手方向Yであって透光部270の内部側に延びるように設けられている。取付部280は、接続部285の短手方向Yの端部のうち、透光部270が接続されている側と反対側の端部に接続されている。取付部280は、係合部281と、支持部282とを有する。係合部281は、台座220の側壁部240を側方から覆うとともに、側壁部240の先端部241に係合する。支持部282は、台座220の配置部230を第1面231の側から支持する。つまり、取付部280が台座220の短手方向Yの両端部を外側からと上下側とから抱え込むことによって、外郭部250は台座220に取り付けられる。
【0033】
灯具200が器具100に取り付けられた状態では、外郭部250の接続部285の少なくとも一部が、器具100の下面部113と対向する。また、灯具200が器具100に取り付けられた状態では、外郭部250の係合部281の少なくとも一部が、器具100の側面部112と対向する。外郭部250の接続部285及び係合部281における器具100と対向する箇所が、灯具側対向部290となる。すなわち、灯具200が器具100に取り付けられた状態において、器具100における灯具側対向部290と対向する箇所が、器具側対向部130となる。
【0034】
灯具200が器具100に取り付けられる際、外郭部250の接続部285は、対向する器具100の下面部113と接触しようとする。外郭部250の接続部285は、灯具200が器具100の灯具装着部117の内部へ必要以上に入り込まないように、灯具200の上向きZ1の移動を規制する機能を果たすからである。また、外郭部250の接続部285は、器具100に対する灯具200の上下方向Zの位置決め機能も果たすからである。
【0035】
上述のように、灯具200は、バネ性を有する連結機構によって器具100側に引き寄せられるように、該器具100に取り付けられる。このため、外郭部250の接続部285と器具100の下面部113とが接触した場合、外郭部250の接続部285と器具100の下面部113とは、連結機構の引っ張り力によって、相互に押圧する関係となる。すなわち、外郭部250の接続部285と器具100の下面部113とが接触した場合、接触部にはある程度の押圧力が加わり続ける状態となる。
【0036】
ここで、通常、外郭部250と器具100とは、異種材料で構成される。このため、外郭部250と器具100とは、線膨張係数、伸縮率及び摩擦係数等の諸特性が異なる。したがって、照明装置1の使用時の動作熱の影響、或いは、照明装置1の設置環境の影響等によって、外郭部250と器具100とは異なる伸縮量を示す。この際、外郭部250及び器具100には、外郭部250又は器具100の最大静止摩擦力を超えるまで、歪みが蓄積される。そして、外郭部250又は器具100の最大静止摩擦力を超えると、外郭部250及び器具100は、蓄積された歪みが解放されて動摩擦力が作用する状態となり、振動に伴う異音が発生する。すなわち、スティックスリップ現象による異音が発生する。振動に伴う異音とは、換言するとスティックスリップ現象による異音とは、軋み音及び摩擦音等である。
【0037】
異種材料が接触する場合、接触面積を小さくした方が、スティックスリップ現象による異音を抑制することができる。異音を抑制できるとは、例えば、異音の発生頻度又は大きさを低減できることである。そこで、実施の形態1に係る照明装置1は、灯具側対向部290である外郭部250の接続部285と器具側対向部130である器具100の下面部113との間に、接触部10を備えている。接触部10は、外郭部250の接続部285の一部に接触すると共に、器具100の下面部113の一部に接触するものである。
【0038】
実施の形態1では、器具100の下面部113に、接触部10を備えている。より詳しくは、実施の形態1では、外郭部250の接続部285に向かって突出する少なくとも1つの器具側凸部11が、器具100の下面部113に一体形成されている。実施の形態1では、器具側凸部11が接触部10となっている。器具側凸部11は、例えば、ロールフォーミング加工、ベンダ加工、又はタレットパンチプレス加工等の製造方法を用いて形成することができる。なお、器具側凸部11は、器具本体部110を形成した後に二次加工を施して形成されてもよい。
【0039】
なお、実施の形態1では、接触部10である器具側凸部11は半球状に形成されているが、器具側凸部11の形状は当該形状に限定されない。例えば、器具側凸部11は、錐状又は錐台状に形成されていてもよい。また、例えば、器具側凸部11は、複数の形状を組み合わせた構成であってもよい。
【0040】
器具側凸部11が器具100の下面部113に設けられることにより、外郭部250の接続部285と器具100の下面部113とは直接接触せず、外郭部250の接続部285と器具側凸部11とが接触することとなる。この際、外郭部250の接続部285と器具側凸部11とは点接触に近い状態となる。すなわち、外郭部250の接続部285と器具側凸部11との接触面積は、外郭部250の接続部285と器具100の下面部113とが接触する場合の接触面積よりも小さくなる。このため、器具側凸部11が器具100の下面部113に設けられることにより、スティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0041】
灯具200が器具100に取り付けられた際、器具100の灯具装着部117に挿入された外郭部250の係合部281は、器具100に対する灯具200の短手方向Yの位置決め機能を果たす。このため、器具100に対して灯具200の短手方向Yのずれ量が大きいと、外郭部250の係合部281は、対向する器具100の側面部112と接触しようとする。このため、当該箇所においても、外郭部250の係合部281と器具100の側面部112とが接触すると、スティックスリップ現象による異音が発生してしまう。
【0042】
そこで、実施の形態1に係る照明装置1は、器具100の側面部112にも、接触部10である少なくとも1つの器具側凸部11が形成されている。これにより、外郭部250の係合部281と器具100の側面部112とは直接接触せず、外郭部250の係合部281と器具側凸部11とが接触することとなる。この際、外郭部250の係合部281と器具側凸部11とは点接触に近い状態となる。すなわち、外郭部250の係合部281と器具側凸部11との接触面積は、外郭部250の係合部281と器具100の側面部112とが接触する場合の接触面積よりも小さくなる。このため、器具側凸部11が器具100の側面部112に設けられることにより、スティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0043】
なお、外郭部250及び器具100は、上述した箇所以外にも両者が対向する箇所を有する場合がある。すなわち、照明装置1は、上述した箇所以外にも、灯具側対向部290及び器具側対向部130を有する場合がある。このような場合、当該灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に、接触部10を設けてもよい。これにより、当該灯具側対向部290及び器具側対向部130の間において、スティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0044】
また、実施の形態1では、接触部10の高さ寸法について特に言及しなかったが、接触部10の高さ寸法は特に限定されない。接触部10の高さ寸法は、照明装置1の仕様等を考慮して、適宜決定すればよい。例えば、照明装置1の意匠性を優先する場合には、接触部10の高さ寸法を小さくしてもよい。これにより、灯具側対向部290と器具側対向部130との間の隙間を小さくでき、当該隙間を目立たなくすることができる。
【0045】
また、実施の形態1では、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に、接触部10を複数設けている。これに限らず、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に接触部10を設ける場合、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に少なくとも1つの接触部10を設ければよい。これにより、接触部10が設けられた一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間では、スティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0046】
また、実施の形態1では、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた複数の接触部10は、列状に配置されている。これに限らず、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に複数の接触部10を設ける場合、例えば千鳥状といった列状以外の配置としてもよい。また、例えば、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に複数の接触部10を設ける場合、これらの接触部10を不規則に配置してもよい。また、実施の形態1では、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた複数の接触部10は、1列に配置されている。これに限らず、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に複数の接触部10を列状に設ける場合、これらの接触部10を複数列に設けてもよい。
【0047】
また、実施の形態1では、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の長さよりも短い構成となっている。換言すると、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた複数の接触部10は、離散的に配置されている。例えば、外郭部250の接続部285における灯具側対向部290となる箇所と器具100の下面部113における器具側対向部130となる箇所との間に設けられた接触部10に着目する。この場合、当該接触部10の長手方向X及び短手方向Yの長さが、当該灯具側対向部290の長手方向X及び短手方向Yの長さよりも短く、当該器具側対向部130の長手方向X及び短手方向Yの長さよりも短くなっている。これに限らず、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130と同じ長さになっていてもよい。例えば、外郭部250の接続部285における灯具側対向部290となる箇所と器具100の下面部113における器具側対向部130となる箇所との間に設けられた接触部10に着目する。この場合、例えば、当該接触部10の長手方向Xの長さが、当該灯具側対向部290及び当該器具側対向部130の長手方向Xの長さと同じになっていてもよい。
【0048】
一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた接触部10が灯具側対向部290及び器具側対向部130の長さよりも短い構成の場合、接触部10が設けられていない箇所には、灯具装着部117と照明装置1外とを連通する隙間が形成される。照明装置1は、動作中、光源部210及び電源部300等の発熱部から発熱される。灯具装着部117と照明装置1外とを連通する隙間が形成されることにより、発熱部からの熱を当該隙間から照明装置1の外部へ排出できる。これにより、照明装置1の長寿命化、照明装置1の動作信頼性の長期維持等が期待できる。
【0049】
一方、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた接触部10が灯具側対向部290及び器具側対向部130と同じ長さになっている場合、接触部10がリブとして機能する。これにより、接触部10が設けられている部品の剛性が向上する。また、一対の灯具側対向部290及び器具側対向部130の間に設けられた接触部10が灯具側対向部290及び器具側対向部130と同じ長さになっている場合、接触部10が設けられている部品を押出加工によって形成する際、加工が容易となる。
【0050】
以上、実施の形態1に係る照明装置1は、灯具200と、灯具200が着脱自在に取り付けられる器具100とを備えている。また、灯具200は、光源部210と、光源部210を覆う透光性の外郭部250とを有している。そして、実施の形態1に係る照明装置1は、灯具側対向部290と器具側対向部130との間に、灯具側対向部290の一部に接触すると共に、器具側対向部130の一部に接触する接触部10を備えている。
【0051】
このように構成された実施の形態1に係る照明装置1においては、接触部10が灯具側対向部290に接触する面積、及び接触部10が器具側対向部130に接触する面積は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の面積よりも小さくなる。このため、実施の形態1に係る照明装置1は、灯具側対向部290と器具側対向部130とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【0052】
実施の形態2.
接触部10は、例えば、実施の形態2のように構成されていてもよい。なお、実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、実施の形態1と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べる。
【0053】
図8は、実施の形態2に係る灯具の斜視断面図であり、灯具を上方から見た図である。図9は、実施の形態2に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。この図9は、実施の形態2に係る照明装置1において、図6のA部と同位置を観察した図である。
【0054】
灯具側対向部290である外郭部250の接続部285と器具側対向部130である器具100の下面部113との間に着目する。これらの間に接触部10を設ける際、実施の形態1では、灯具側対向部290である外郭部250の接続部285に向かって突出する少なくとも1つの器具側凸部11が器具100の下面部113に一体形成されていた。そして、実施の形態1では、器具側凸部11が接触部10となっていた。一方、これらの間に接触部10を設ける際、実施の形態2では、器具側対向部130である器具100の下面部113に向かって突出する少なくとも1つの灯具側凸部12を外郭部250の接続部285に一体形成している。そして、実施の形態2では、灯具側凸部12が接触部10となっている。
【0055】
また、灯具側対向部290である外郭部250の係合部281と器具側対向部130である器具100の側面部112との間に着目する。これらの間に接触部10を設ける際、実施の形態1では、灯具側対向部290である外郭部250の係合部281に向かって突出する少なくとも1つの器具側凸部11が器具100の側面部112に一体形成されていた。そして、実施の形態1では、器具側凸部11が接触部10となっていた。一方、これらの間に接触部10を設ける際、実施の形態2では、器具側対向部130である器具100の側面部112に向かって突出する少なくとも1つの灯具側凸部12を外郭部250の係合部281に一体形成している。そして、実施の形態2では、灯具側凸部12が接触部10となっている。
【0056】
実施の形態2に係る照明装置1においても、実施の形態1と同様に、接触部10が灯具側対向部290に接触する面積、及び接触部10が器具側対向部130に接触する面積は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の面積よりも小さくなる。このため、実施の形態2に係る照明装置1も、実施の形態1と同様に、灯具側対向部290と器具側対向部130とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【0057】
実施の形態2では、外郭部250の灯具側対向部290に設けられた灯具側凸部12は、灯具側対向部290の長手方向Xの全長に渡って延びるように形成されている。換言すると、外郭部250の灯具側対向部290に設けられた灯具側凸部12は、リブ状に形成されている。このような灯具側凸部12を備えた外郭部250は、例えば、押し出し成形、射出成形、又は三次元造形等で成形することができる。
【0058】
なお、実施の形態1において接触部10が様々な形状を採用可能であることを説明したように、接触部10である灯具側凸部12は、様々な形状を採用可能である。例えば、外郭部250にリブ状の灯具側凸部12を形成した後、二次加工によって灯具側凸部12を切断してもよい。これにより、外郭部250の灯具側対向部290には、複数の灯具側凸部12が離散的に配置されることとなる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態1では、接触部10は、器具側対向部130に一体形成されていた。また、実施の形態2では、接触部10は、灯具側対向部290に一体形成されていた。しかしながら、接触部10は、このような構成に限定されるものではなく、例えば実施の形態3のように構成されていてもよい。なお、実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、実施の形態1又は実施の形態2と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べる。
【0060】
図10は、実施の形態3に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。この図10は、実施の形態3に係る照明装置1において、図6のA部と同位置を観察した図である。
【0061】
灯具側対向部290である外郭部250の接続部285と器具側対向部130である器具100の下面部113との間に着目する。実施の形態3では、これらの間に設けられる接触部10は、外郭部250の接続部285及び器具100の下面部113と一体形成されていない構成となっている。換言すると、実施の形態3では、これらの間に設けられる接触部10は、外郭部250の接続部285及び器具100の下面部113と別体で形成されたものとなっている。
【0062】
また、灯具側対向部290である外郭部250の係合部281と器具側対向部130である器具100の側面部112との間に着目する。実施の形態3では、これらの間に設けられる接触部10も、外郭部250の係合部281及び器具100の側面部112と一体形成されていない構成となっている。換言すると、実施の形態3では、これらの間に設けられる接触部10も、外郭部250の係合部281及び器具100の側面部112と別体で形成されたものとなっている。
【0063】
なお、実施の形態3に係る接触部10は、灯具側対向部290又は器具側対向部130に設けられていてもよい。すなわち、実施の形態3に係る接触部10は、灯具側対向部290又は器具側対向部130に固定されていてもよい。これにより、灯具200の器具100への取り付けが容易となる。例えば、灯具側対向部290又は器具側対向部130に接触部10を貼り付けることにより、灯具側対向部290又は器具側対向部130に接触部10を設けることができる。また、二色成形又はインサート成形等の成形方法によって、灯具側対向部290又は器具側対向部130に接触部10を固定することにより、灯具側対向部290又は器具側対向部130に接触部10を設けることができる。
【0064】
実施の形態3に係る照明装置1においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、接触部10が灯具側対向部290に接触する面積、及び接触部10が器具側対向部130に接触する面積は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の面積よりも小さくなる。このため、実施の形態3に係る照明装置1も、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、灯具側対向部290と器具側対向部130とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【0065】
ここで、接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも弾性率の低い材料で形成されていることが好ましい。換言すると、接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも、柔らかく弾性を有する材料で形成されていることが好ましい。また、接触部10が灯具側対向部290に設けられている場合、接触部10は、該接触部10がない場合に器具側対向部130と接触することとなる灯具側対向部290よりも弾性率の低い材料で形成されていることが好ましい。また、接触部10が器具側対向部130に設けられている場合、接触部10は、該接触部10がない場合に灯具側対向部290と接触することとなる器具側対向部130よりも弾性率の低い材料で形成されていることが好ましい。灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも弾性率の低い材料とは、例えば、ゴム又はエラストマ等である。
【0066】
このような材料で形成された接触部10を採用することにより、灯具200を器具100に取り付ける際の衝撃を接触部10で吸収することができ、照明装置1を保護することができる。また、このような材料で形成された接触部10を採用することにより、スティックスリップ現象による異音を吸収し、異音を小さくすることができる。
【0067】
また、接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも摩擦係数が小さい材料で形成されていることが好ましい。すなわち、接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも潤滑性の良い材料で形成されていることが好ましい。また、接触部10が灯具側対向部290に設けられている場合、接触部10は、該接触部10がない場合に器具側対向部130と摩擦することとなる灯具側対向部290よりも摩擦係数が小さい材料で形成されていることが好ましい。また、接触部10が器具側対向部130に設けられている場合、接触部10は、該接触部10がない場合に灯具側対向部290と摩擦することとなる器具側対向部130よりも摩擦係数が小さい材料で形成されていることが好ましい。灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも摩擦係数が小さい材料とは、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、皮、及び布等である。
【0068】
このように潤滑性の良い接触部10を採用することにより、接触部10の最大静止摩擦力が小さくなる。このため、外郭部250及び器具100に蓄積される歪みが小さくなるため、スティックスリップ現象による異音をさらに抑制することができる。
【0069】
また、このように潤滑性の良い接触部10は、灯具側対向部290及び器具側対向部130よりも弾性率の低い材料で形成されていることが好ましい。これにより、灯具200を器具100に取り付ける際の衝撃を接触部10で吸収することができ、照明装置1を保護することができる。また、これにより、スティックスリップ現象による異音を吸収し、異音を小さくすることができる。
【0070】
実施の形態4.
接触部10は、例えば、実施の形態4のように構成されていてもよい。なお、実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1~実施の形態3のいずれかと同様とし、実施の形態1~実施の形態3のいずれかと同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べる。
【0071】
図11は、実施の形態4に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。この図11は、実施の形態4に係る照明装置1において、図6のA部と同位置を観察した図である。
【0072】
実施の形態4に係る器具100の器具側対向部130には、灯具側対向部290に向かって突出する器具側凸部11が一体形成されている。また、実施の形態4に係る外郭部250の灯具側対向部290には、器具側対向部130に向かって突出し、器具側凸部11に接触する灯具側凸部12が一体形成されている。そして、実施の形態4に係る接触部10は、当該器具側凸部11及び当該灯具側凸部12で構成されている。
【0073】
このように構成された接触部10を備えた照明装置1においては、器具側凸部11と灯具側凸部12との接触箇所を、接触部10が灯具側対向部290に接触する箇所とみることができる。また、このように構成された接触部10を備えた照明装置1においては、器具側凸部11と灯具側凸部12との接触箇所を、接触部10が器具側対向部130に接触する箇所とみることができる。
【0074】
実施の形態4に係る照明装置1においても、実施の形態1~実施の形態3と同様に、接触部10が灯具側対向部290に接触する面積、及び接触部10が器具側対向部130に接触する面積は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の面積よりも小さくなる。このため、実施の形態4に係る照明装置1も、実施の形態1~実施の形態3と同様に、灯具側対向部290と器具側対向部130とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【0075】
また、実施の形態4のように構成された照明装置1においては、灯具200を器具100に取り付ける際の位置決め精度が向上し、照明装置1の意匠性が向上する。
【0076】
例えば、器具本体部110の側面部112に設けられた器具側凸部11と、外郭部250の係合部281に設けられた灯具側凸部12とは、器具100に対する灯具200の短手方向Yの取付位置を規定できるとともに、器具100に対する灯具200の上下方向Zの取付位置も規定できる。また、器具本体部110の下面部113に設けられた器具側凸部11と、外郭部250の接続部285に設けられた灯具側凸部12とは、器具100に対する灯具200の上下方向Zの取付位置を規定できるとともに、器具100に対する灯具200の短手方向Yの取付位置も規定できる。このため、灯具200を器具100の短手方向Yにおける略中央に配置することができ、器具100に対する灯具200の位置ズレを防ぐことができるので、照明装置1の意匠性が向上する。
【0077】
なお、図示は省略するが、器具本体部110の下面部113に設けられた器具側凸部11と、外郭部250の接続部285に設けられた灯具側凸部12とは、短手方向Yにおける配置を、図11に示す位置とは逆の配置にしてもよい。このようにしても、上述の効果を得ることができる。
【0078】
更に、図示は省略するが、器具本体部110の側面部112に設けられた器具側凸部11と、外郭部250の係合部281に設けられた灯具側凸部12とは、上下方向Zにおける配置を、図11に示す位置とは逆の配置にしてもよい。これにより、器具100からの灯具200の脱落を抑制することができる。
【0079】
実施の形態5.
器具側凸部11及び灯具側凸部12と対向する箇所を、例えば実施の形態5のように構成してもよい。なお、実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1~実施の形態4のいずれかと同様とし、実施の形態1~実施の形態4のいずれかと同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べる。
【0080】
図12は、実施の形態5に係る照明装置の灯具側対向部及び器具側対向部周辺を示す要部拡大図である。この図12は、実施の形態5に係る照明装置1において、図6のA部と同位置を観察した図である。
【0081】
実施の形態5に係る外郭部250の灯具側対向部290には、器具側対向部130に向かって突出する灯具側凸部12が一体形成されている。また、実施の形態5では、器具100の器具側対向部130には、灯具側凸部12の一部が挿入されて接触する器具側凹部21が形成されている。なお、凸部と凹部との位置は、逆であってもよい。具体的には、器具100の器具側対向部130に、灯具側対向部290に向かって突出する器具側凸部11が一体形成されていてもよい。この場合、外郭部250の灯具側対向部290に、器具側凸部11の一部が挿入されて接触する灯具側凹部が形成されていればよい。
【0082】
実施の形態5に係る照明装置1においても、実施の形態1~実施の形態4と同様に、接触部10が灯具側対向部290に接触する面積、及び接触部10が器具側対向部130に接触する面積は、灯具側対向部290及び器具側対向部130の面積よりも小さくなる。このため、実施の形態5に係る照明装置1も、実施の形態1~実施の形態4と同様に、灯具側対向部290と器具側対向部130とが接触する従来の照明装置と比べて、スティックスリップ現象による異音の発生を抑制できる。
【0083】
また、実施の形態5のように構成された照明装置1においては、照明装置1の意匠性が向上する。
【0084】
例えば、外郭部250の接続部285に設けられた灯具側凸部12が、器具本体部110の下面部113に形成された器具側凹部21に挿入されて接触する場合、器具100に対する灯具200の上下方向Zの取付位置を規定できるとともに、器具100に対する灯具200の短手方向Yの取付位置も規定できる。このため、灯具200を器具100の短手方向Yにおける略中央に配置することができ、器具100に対する灯具200の位置ズレを防ぐことができる。また、灯具側凸部12の一部が器具側凹部21に挿入されているので、外郭部250の接続部285と器具本体部110の下面部113との間の隙間を小さくすることができる。このため、照明装置1の意匠性が向上する。
【0085】
なお、灯具側凸部12における器具側凹部21の対向箇所及び器具側凹部21における灯具側凸部12の対向箇所において、傾斜角度及び曲率等を調整することにより、灯具側凸部12と器具側凹部21との接触面積を小さくすることができ、スティックスリップ現象による異音の発生をより抑制できる。器具側凸部11及び灯具側凹部が形成されている場合も同様である。
【0086】
また、外郭部250及び器具100の加工のしやすさ、及び、灯具200の器具100への取り付けのしやすさ等を考慮すると、器具100に対する灯具200の位置決め精度を向上させたい方向に並ぶ一対の灯具側凸部12及び器具側凹部21の数は、少ない方が好ましい。例えば、器具100に対する灯具200の短手方向Yの位置決め精度を向上させたい場合、短手方向Yに沿った縦断面において、一対の灯具側凸部12及び器具側凹部21の数は、1つから3つであることが好ましい。
【0087】
以上、実施の形態1~実施の形態5において、本開示に係る照明装置、器具及び灯具の一例について説明したが、本開示に係る照明装置、器具及び灯具は、実施の形態1~実施の形態5で説明された構成に限定されない。
【0088】
例えば、実施の形態1~実施の形態5で示した照明装置1は、所謂逆富士タイプの照明装置を例示した。これに限らず、本開示に係る照明装置は、トラフタイプ又は笠付タイプ等の逆富士タイプ以外の直付けタイプの照明装置であってもよいし、埋め込みタイプの照明装置であってもよい。
【0089】
また、実施の形態1~実施の形態5で示した照明装置1は、長尺タイプの照明装置を例示した。これに限らず、本開示に係る照明装置は、正方形タイプを含む正多角形タイプ、又は円形タイプ等の照明装置であってもよい。
【0090】
また、例えば、本開示に係る器具に本開示に係る灯具を取り付ける際に用いられる連結機構は、実施の形態1~実施の形態5で示した連結機構に限定されない。例えば、連結機構の器具側連結部を構成する弾性部材は、線バネ等、板バネ以外のバネであってもよい。また、例えば、連結機構の灯具側連結具をバネ等の弾性部材で構成し、固定具である器具側連結部に灯具側連結具を連結してもよい。また、例えば、連結機構として、器具の灯具装着部に取り付けられた板バネ等の弾性部材が灯具を挟持する構成を採用してもよい。また、例えば、連結機構として、灯具に取り付けられた板バネ等の弾性部材が器具の灯具装着部と直接的に係り合う構成を採用してもよい。また、例えば、連結機構は、バネ等の弾性部材を採用しない構成であってもよい。例えば、灯具は、ネジ又はリベット等の固定具を用いて、器具に取り付けられていてもよい。また、例えば、灯具は、磁石等の磁力発生具の磁力を用いて、器具に取り付けられていてもよい。
【0091】
また、例えば、実施の形態1~実施の形態5で示した照明装置1の発光素子211は、パッケージ化された面実装タイプの発光素子であった。これに限らず、本開示に係る照明装置の発光素子は、例えば、面実装タイプ以外の発光素子でもよい。また、例えば、本開示に係る照明装置の発光素子は、有機EL、レーザ、放電灯、又はフィラメント灯であってもよい。
【0092】
また、例えば、本開示に係る照明装置の外郭部は、実施の形態1~実施の形態5で例示した以外の樹脂材料を含むものであってもよいし、樹脂材料以外の材料を含むものであってもよい。
【0093】
また、実施の形態1~実施の形態5で示した照明装置1の外郭部250は、短手方向Yに沿った断面形状が略U字状となっていた。これに限らず、本開示に係る照明装置の外郭部は、平面を含む形状のもの、或いは、筒形状のもの等であってもよい。
【0094】
また、本開示に係る照明装置の外郭部の外郭本体部は、射出成形、ブロー成形、又は三次元造形等、押出成形以外の成形方法を用いて成形されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 照明装置、2 被取付部、10 接触部、11 器具側凸部、12 灯具側凸部、21 器具側凹部、100 器具、110 器具本体部、111 天面部、112 側面部、113 下面部、114 反射面部、115 器具端部、116 ノックアウト、117 灯具装着部、118 器具側連結部、119 固定具、120 端子台、121 器具側電線、130 器具側対向部、200 灯具、210 光源部、211 発光素子、212 基板、213 接着部材、220 台座、230 配置部、231 第1面、232 第2面、240 側壁部、241 先端部、250 外郭部、251 外郭端部、260 外郭本体部、270 透光部、271 透光主部、272 透光側部、280 取付部、281 係合部、282 支持部、285 接続部、290 灯具側対向部、300 電源部、301 灯具側電線、302 給電線、310 灯具側連結具。
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