(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142203
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】製品のためのパッケージングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20220922BHJP
A45D 34/00 20060101ALI20220922BHJP
A45D 33/22 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A45D33/00 650E
A45D34/00 510Z
A45D33/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021042288
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ルシア・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・レオナール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新規なパッケージングアセンブリを提供する。
【解決手段】アセンブリ10は製品を収容し取出す開口110を含むジャー100に搭載され、塗布器300に製品を分配し、塗布器300を収容する分配器200を取囲みジャー100と着脱可能に係合されるキャップ400を含む。分配器200は中心軸と上部開口と下部開口を含む環状本体であり、両開口は軸に直交し、本体は開口近傍に肩を含み、肩は本体内周面から突出して軸周りに延びる本体と下部開口側で結合されたリング部材と本体と部材で本体開口をカバーする弾性メッシュシート230であり、肩上面と同一面の高さで部材により引張られるシート230を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(P)のためのパッケージングアセンブリ(10)であって、
前記製品(P)を収容するジャー(100)であって、前記製品(P)を取り出すためにその上側に開口(110)を含む、ジャー(100)と、
前記ジャー(110)の前記開口(110)の上側で前記ジャー(100)の上に搭載された分配器(200)であって、前記製品(P)を塗布するために前記ジャー(100)から塗布器(300)に一定量の前記製品(P)を分配するために使用されることを企図され、その中に前記塗布器(300)を収容するための空間(V)を画定する、分配器(200)と、
前記分配器(200)を完全に取り囲みながら前記ジャー(100)と着脱可能に係合され得るキャップ(400)とを含み、
前記分配器(200)は、
中心軸(X)と上部開口(212)および下部開口(214)とを含む環状本体(210)であって、両開口は前記中心軸(X)に略直交しており、前記環状本体(210)は前記下部開口(214)の近傍に肩(216)をさらに含み、前記肩(216)は前記環状本体(210)の内周面(218)から内側に突出して前記中心軸(X)周りに円周方向に延びる、環状本体(210)と、
前記環状本体(210)の前記下部開口側で前記環状本体(210)に結合されたリング部材(220)と、
前記環状本体(210)と前記リング部材(220)との間に挟まれて前記環状本体(210)の前記下部開口(214)をカバーする弾性メッシュシート(230)であって、前記環状本体(210)の前記肩(216)の上面(216a)と略同一平面にある高さにおいて前記リング部材(220)によって引っ張られる、弾性メッシュシート(230)とを含む、
パッケージングアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記リング部材(220)は、環状基部(222)と、前記環状基部(222)の内縁部(222a)から上向きに突出する環状突出部(224)とを有し、前記弾性メッシュシート(230)は、前記環状本体(210)の前記肩(216)の前記上面(216a)と略同一平面にある高さにおいて前記リング部材(220)の前記環状突出部(224)によって引っ張られる、請求項1に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記リング部材(220)の前記環状基部(222)の上面(222b)が、前記環状本体(210)の前記肩(216)の下面(216b)を、前記弾性メッシュシート(230)が間にある状態で押圧する、請求項2に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記リング部材(220)の前記環状突出部(224)の外周面(224a)が、前記環状本体(210)の前記肩(216)の内周面(216c)を、前記弾性メッシュシート(230)が間にある状態で押圧する、請求項2または3に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記ジャー(100)は、
ジャー本体(120)であって、
前記開口(110)を画定する頂面(122)、
前記頂面(122)の周辺縁部(122a)から下向きに延びる環状側面(124)、および
前記頂面(122)から上向きに突出し、前記頂面(122)の前記開口(110)を取り囲む環状ガイド(126)
を含む、ジャー本体(120)と、
前記ジャー本体(120)の底部開口(128)を閉じる底部カバー(140)であって、その中に画定された穴(142)を含む、底部カバー(140)と、
前記底部カバー(140)の前記穴(142)を閉じる栓部材(160)と
を含み、
前記分配器(200)は、前記ジャー本体(120)の前記環状ガイド(126)の中に受けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記リング部材(220)は、圧入によって前記環状本体(210)に固定される、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記環状本体(210)と前記リング部材(220)の両方が、プラスチック材料で作られ、前記環状本体(210)と前記リング部材(220)とが、互いに超音波溶接または熱溶接される、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記ジャー本体(120)の前記頂面(122)の前記開口(110)は、正方形または円形の形状を有する、請求項5から7のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記分配器(200)の中に画定された前記空間(V)内に収容される前記塗布器(300)をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記塗布器(300)は、その厚さ方向に圧縮された状態で、前記分配器(200)内に画定された前記空間(V)内に収容される、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記分配器(200)の前記弾性メッシュシート(230)の上に着脱可能に配設された分離ディスク(500)をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記分配器(200)の前記弾性メッシュシート(230)の上面(230a)に剥離可能に付着された封止シート(600)をさらに含み、前記封止シート(600)は、少なくとも前記メッシュシート(230)をカバーする、請求項1から11のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記ジャー(100)および前記キャップ(400)は、前記キャップ(400)がねじ込まれて前記ジャー(100)と係合し得るように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項14】
前記弾性メッシュシート(230)は、ナイロン繊維およびポリウレタン弾性繊維から作られる、請求項1から13のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【請求項15】
前記塗布器(300)はパフであり、前記製品(P)は化粧品である、請求項1から14のいずれか一項に記載のパッケージングアセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品のための、詳細には、たとえばルースパウダーファンデーションまたは液体ファンデーションなどの美容目的の製品のためのパッケージングアセンブリに関する。
【0002】
本明細書において、「化粧品」または「化粧品製剤」という用語は、化粧品製剤に関連する、2009年11月30日に発行された欧州理事会および議会規則1223/2009に規定されている製剤または製品を意味すると理解されるべきである。
【背景技術】
【0003】
ルースパウダーファンデーションは、液体またはクリームのファンデーションを塗布した後の長い時間の間、メイクアップが落ちるのを防止する目的で使用される。一般に、ルースパウダーファンデーションは、液体またはクリームのファンデーションとは異なる構造を有するパッケージング容器内に収容される。すなわち、ルースパウダーファンデーション用のパッケージング容器は、一般に、頂面の上に開口を有する容器本体と、開口を閉じる多孔プレートと、多孔プレートをカバーする蓋とを含む。ルースパウダーファンデーションを塗布するための塗布器、すなわちパフは、多孔プレートと蓋との間に形成された空間内に格納される。
【0004】
そのような容器内に含有されたルースパウダーファンデーションを塗布するとき、ユーザは、最初に、容器をひっくり返し、容器を上下に適度な回数振らなければならない。この行為により、一定量のルースパウダーファンデーションが多孔プレートの微細孔を通ってパフの上に落ちる。この後、ユーザは、容器をその元の向きに戻し、次いで、パフの表面に付着したルースパウダーファンデーションとともにパフを容器から取り出し、体の所望の部分にルースパウダーファンデーションを塗布する。しかしながら、そのような動作を必要とする従来の容器は、使用しやすいとは言い難く、改善の余地がある。これらの点を考慮して、ひっくり返して上下に振る必要のないルースパウダーファンデーション用の容器が提案された。
【0005】
そのような改善された容器は、ルースパウダーファンデーションを含有する容器本体の上部開口をカバーするように配置された、多数の孔を有する柔軟膜を含むことを特徴とする。使用時に、パフを用いて柔軟膜を上から数回軽く叩くことによって、ユーザは、適量のルースパウダーファンデーションを柔軟膜の孔を通してパフに付着させることができる。しかしながら、ルースパウダーファンデーションのための改善された容器は、依然として次の欠点を有する。通常、「トペット」と呼ばれる分離ディスクが、容器内の柔軟膜の上に配置される。パフは、使用していないときは、この分離ディスクの上に置かれる。そのような容器において、かなりの量のルースパウダーが、分離ディスクと柔軟膜との間の隙間の中に自然に蓄積する傾向がある。これは、使用するために容器の蓋が開けられたとき、ユーザの印象または感覚を大いに悪化させる。
【0006】
本発明に多少関連していると考えられる従来の技法は、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5に開示されている。特許文献1は、化粧品内容物吐出孔に対する封止力を与えながら蓋を開閉することが可能な化粧品容器を開示する。特許文献1において開示される化粧品容器は、内部容器の上部に結合され、柔軟な材料で作られたメッシュを有する肩キャップを含む。特許文献2は、容器本体のねじ山に結合されたらせん突起がその上に形成された縁部を有する可動フレームと、化粧品を吐出させるために可動フレーム内に形成された吐出部とを含む化粧品容器を開示する。特許文献3は、容器本体に適合されたフレームと、フレームの上端面または下端面のいずれかに粘着されたファイバーシートとを含む化粧品容器を開示する。特許文献4は、容器の中に貯蔵された内容物の表面をカバーするためのメッシュネットと、容器の中で立ち上げられ得る立ち上がりプレートと、立ち上がりプレートと容器の床との間に設置された弾性部材とを含む化粧用容器を開示する。特許文献5は、弾性織物材料に付着して容器内に格納された内容物の表面上に設置されるメッシュネットを含む化粧品のための容器を開示する。しかしながら、従来技術に関連するこれらの論文は、上記の要件を完全に満たすとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10-2066349号明細書
【特許文献2】国際公開第2019/164163号パンフレット
【特許文献3】米国特許第10206482号明細書
【特許文献4】韓国特許出願公開第10-1748933号明細書
【特許文献5】国際公開第2016/148371号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を考慮して、本発明の目的は、従来技術のパッケージングの論文に関連して前述されている問題を克服または少なくとも軽減することができる製品、特に化粧品のための新規のパッケージングアセンブリを提供することである。特に、本発明の目的は、使用しやすい、特に、パッケージングアセンブリをひっくり返してそれを上下に振るという面倒な動作を必要とせず、使用時にユーザの印象または感覚を悪くする、パッケージングアセンブリ内にルースパウダーが不必要に蓄積する可能性が低い、ルースパウダー製品のための新規のパッケージングアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明は、(i)製品を収容するジャーであって、製品を取り出すためにその上側に開口を含む、ジャーと、(ii)ジャーの開口の上側でジャーの上に搭載された分配器であって、製品を塗布するためにジャーから塗布器に一定量の製品を分配するために使用されることを企図され、その中に塗布器を収容するための空間を画定する、分配器と、(iii)分配器を完全に取り囲みながらジャーと着脱可能に係合され得るキャップとを含む、製品のためのパッケージングアセンブリを提供する。本発明では、分配器は、(i)中心軸と上部開口および下部開口とを含む環状本体であって、両開口は中心軸に実質的に直交しており、環状本体は下部開口の近傍に肩をさらに含み、肩は環状本体の内周面から内側に突出して中心軸周りに円周方向に延びる、環状本体と、(ii)環状本体の下部開口側で環状本体に結合されたリング部材と、(iii)環状本体とリング部材との間に挟まれて環状本体の下部開口をカバーする弾性メッシュシートであって、環状本体の肩の上面と実質的に同一平面にある高さにおいてリング部材によって引っ張られる、弾性メッシュシートとを含む。
【0010】
本発明では、製品のためのパッケージングアセンブリは、上記で説明した固有の分配器を含む。すなわち、分配器は、下部開口とその近傍の肩とを有する環状本体と、環状本体の下部開口側で環状本体に結合されたリング部材と、下部開口をカバーするための弾性メッシュシートとを含み、弾性メッシュシートは、環状本体とリング部材との間に挟まれている。この画期的なパッケージングアセンブリでは、弾性メッシュシートは、環状本体の肩の上面と実質的に同一平面にある高さにおいてリング部材によって引っ張られるかまたは広げられる。そのような特徴的構造を導入した結果として、ユーザは、塗布器を用いて弾性メッシュシートを上から適度な回数軽く叩くだけで、弾性メッシュシートを通してパフなどの塗布器に適量の製品を付着または粘着させることができる。したがって、本発明によるパッケージングアセンブリは、パッケージングアセンブリをひっくり返してそれを上下に振るという面倒な動作を必要とせず、したがって使用しやすい。これに加えて、本発明によるパッケージングアセンブリでは、弾性メッシュシートは、リング部材の存在によって「トペット」と呼ばれる分離ディスクが取り付けられるべき高さにおいて(すなわち、肩の上面の高さにおいて)引き延ばされるかまたは広げられる。したがって、分離ディスクがパッケージングアセンブリ内に置かれるとき、弾性メッシュシートと分離ディスクとの間の隙間は、可能な限り小さく作られ得る。その結果、従来の論文とは対照的に、本発明によるパッケージングアセンブリは、使用時にユーザの印象または感覚を悪くする、パッケージングアセンブリ内の上記の隙間の中に、製品、特にルースパウダーが不必要に蓄積する可能性は低い。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、リング部材は、環状基部と、環状基部の内縁部から上向きに突出する環状突出部とを有してよく、弾性メッシュシートは、環状本体の肩の上面と実質的に同一平面にある高さにおいてリング部材の環状突出部によって引っ張られ得る。この場合、環状突出部は、環状基部に沿って連続的または間欠的に延び得る。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、リング部材の環状基部の上面は、環状本体の肩の下面を、弾性メッシュシートが間にある状態で押圧し得る。さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、リング部材の環状突出部の外周面は、環状本体の肩の内周面を、弾性メッシュシートが間にある状態で押圧し得る。これは、弾性メッシュシートをより緊密に保持して引き伸ばす状態を達成することを可能にする。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、ジャーは、(i)開口を画定する頂面と、頂面の周辺縁部から下向きに延びる環状側面と、頂面から上向きに突出して頂面の開口を取り囲む環状ガイドとを含むジャー本体と、(ii)ジャー本体の底部開口を閉じる底部カバーであって、その中に画定された穴を含む、底部カバーと、(iii)底部カバーの穴を閉じる栓部材とを含んでよく、分配器は、ジャー本体の環状ガイドの中に受けられ得る。これは、分配器をより確実に保持する状態を達成することを可能にする。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、分配器のリング部材は、圧入によって分配器の環状本体に固定され得る。代替的に、本発明の好ましい実施形態によれば、分配器の環状本体とリング部材の両方はプラスチック材料で作られてよく、分配器の環状本体とリング部材とは、互いに超音波溶接(または熱溶接)されてよい。他の溶接方法も、随意に使用され得る。これは、環状本体とリング部材とのよりロバストな接合状態を可能にする。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、ジャー本体の上面の開口は、正方形または円形の形状を有する場合がある。特に、ジャー本体の上面の開口は、正方形の形状を有することが好ましい。これは、正方形の開口の外周の存在が、分配器に安定した支持面を提供することを可能にするからである。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、パッケージングアセンブリは、分配器内に画定された空間内に収容される塗布器をさらに含み得る。この場合、本発明のさらに好ましい実施形態によれば、塗布器は、その厚さ方向に圧縮された状態で分配器内に画定された空間内に収容され得る。これは、パッケージングアセンブリの容積、特に高さを低減させること、すなわち、よりコンパクトなパッケージングアセンブリを達成することの助けになる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、パッケージングアセンブリは、分配器の弾性メッシュシートの上に着脱可能に配設された分離ディスクをさらに含み得る。「トペット」とも呼ばれ得る分離ディスクを提供することによって、ジャーの中に製品が偶発的に漏れることおよび塗布器の中に製品が不必要に浸漬することを、より確実に防止することが可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、パッケージングアセンブリは、分配器の弾性メッシュシートの上面に剥離可能に付着された封止シートをさらに含んでよく、封止シートは、特に完全にメッシュシートをカバーし得る。封止シートは、「ラベル」とも呼ばれ得る。封止シートは、メッシュシートから剥離されて、パッケージングアセンブリが最初に使用されるときに廃棄される。封止シートをメッシュシートに付着させることによって、最初の使用の前の製品の輸送および取り扱いの間に製品がメッシュシートを通って漏れるのを完全に抑制することが可能である。これは、ユーザが製品を最初に開くときのユーザのパッケージングアセンブリに対する印象を改善するのをさらに助ける。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、ジャーおよびキャップは、キャップがねじ込まれてジャーと係合することができるように構成され得る。本発明の代替実施形態によれば、ジャーおよびキャップは、締りばめ(interference fitting)またはスナップばめ(snap fitting)など、ねじ込み以外の他の方法で係合されてもよい。この代替実施形態では、キャップは、(別個のまたは一体の)ヒンジを使用してジャーに枢動可能に接続されてもよい。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、これに限定しないが、弾性メッシュシートは、ナイロン繊維およびポリウレタン弾性繊維から作られ得る。本発明では、メッシュシートは、任意のパターン(たとえば、正方形、菱形、六角形)を有してよく、メッシュの数は、目標の製品のタイプ、特に目標の製品の粒子サイズに従って適宜変更されてよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、塗布器は、パフ、特に圧縮可能なパフであってよく、製品は、たとえば、ルースパウダーファンデーションまたは液体ファンデーションなどの化粧品であってよい。しかしながら、本発明は、化粧品以外の任意の製品をパッケージングするために使用され得る。
【0022】
ここで、本発明の非限定的で代表的な実施形態について、添付図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】それらの両方がパッケージングアセンブリの構成要素であるジャーおよびキャップが互いに組み合わされた、本発明の一実施形態による、ルースパウダー製品のためのパッケージングアセンブリの外観斜視図である。
【
図2】パッケージングアセンブリのジャーおよびキャップが互いに分離された、本発明の一実施形態による、ルースパウダー製品のためのパッケージングアセンブリの外観斜視図である。
【
図3】
図1の線A-Aに沿って取られた、
図1に示すパッケージングアセンブリの断面図である。
【
図4】同じくパッケージングアセンブリの構成要素である塗布器(パフ)が自然な状態で示される、
図2の線B-Bに沿って取られた、
図2に示すパッケージングアセンブリの下部の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、ルースパウダー製品のためのパッケージングアセンブリの分解組立図である。
【
図6】同じく
図1および
図2に示すパッケージングアセンブリの構成要素である分配器の外観斜視図である。
【
図7】
図6の線C-Cに沿って取られた、
図6に示す分配器の断面図である。
【
図8】
図6および
図7に示す分配器の構成要素である環状本体の外観斜視図である。
【
図9】
図8の線D-Dに沿って取られた、
図8に示す環状本体の断面図である。
【
図10】
図6および
図7に示す分配器の構成要素であるリング部材の外観斜視図である。
【
図12】パッケージングアセンブリの使用法を示すジャーおよび分配器の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、本発明のいくつかの好ましい実施形態について、
図1から
図12を参照して説明する。各図では、各要素または特徴の幅、長さ、高さ、直径などの縮尺比率は一定ではない場合があり、実際のものとは異なる場合がある。いくつかの図では、いくつかの要素または特徴が、強調のために実際よりも大きくまたは小さく描かれている場合があることに留意されたい。
【0025】
本明細書で使用する「上の」、「下の」、「一番上の」、「一番下の」、「上に」、「下に」、「上向きに」、「下向きに」、「上側に」、「下側に」、「右の」、「左の」などの方向に関係する用語は、図中のパッケージングアセンブリの向きに関係して理解されるべきであり、その向きは使用時の実際の向きに一致するまたは一致しない場合がある。
【0026】
図1は、発明の一実施形態による、ルースパウダー製品Pのためのパッケージングアセンブリ10を示す。
図1に加えて、同じくキャップ(後で説明する)が取り外された状態を示す
図2からもわかるように、パッケージングアセンブリ10は、ルースパウダー製品Pを収容するジャー100と、ジャー100の上に搭載された分配器200と、ルースパウダー製品Pを塗布するための、この実施形態では圧縮可能なパフである塗布器300と、分配器200を完全に取り囲みながらジャー100と着脱可能に係合され得るキャップ400とを含む。この実施形態では、ジャー100およびキャップ400は、キャップ400がねじ込まれてジャー100と係合することができるように構成される。これを達成するために、ジャー100およびキャップ400は、後で詳細に説明するように、互いに係合するそれぞれのねじ山を有する。ジャー100は、分配器200を介してルースパウダー製品Pを取り出すために、その上側に開口110を含む(
図5参照)。したがって、分配器200は、ジャー100の開口110の上側でジャー100の上に搭載される。この実施形態では、ルースパウダー製品Pは、化粧品、特にルースパウダーファンデーションである。
【0027】
図3~
図5からわかるように、ジャー100は、直方体の形状を有するジャー本体120と、ジャー本体120の底部開口128を閉じ、ジャー本体120の中に画定された穴142を含む底部カバー140と、底部カバー140の穴142を閉じる栓部材160とを含む。製品Pは、底部カバー140の穴142からジャー100の内部に充填され得、その場合、底部カバー140の穴142は、充填が完了した後に栓部材160によって閉じられる。ジャー本体120および底部カバー140は、たとえば、グリコール改質PET(PETG)から作られ得る一方で、栓部材160は、たとえば、ポリプロピレン(PP)から作られ得る。この実施形態では、ジャー本体120(およびしたがって、キャップ400)は、正方形の断面を有するが、ジャー本体120(およびしたがって、キャップ400)は、正方形以外の様々な断面を有することができる。ジャー本体120(およびしたがって、キャップ400)は、たとえば、円、楕円、菱形、または多角形の断面を有することができる。
【0028】
ジャー本体120は、上述の開口110を画定する頂面122と、頂面122の4つの周辺縁部122aから下向きに延びる環状側面124とを含む。さらに、ジャー本体120は、頂面122から上向きに突出し、頂面122の開口110を取り囲む、環状のまたは円筒形のガイド126を含む。環状ガイド126は、頂面122と一体に設けられる。ジャー100とキャップ400とを係合するねじのねじ山の一方130は、上記で説明したように、環状ガイド126の外周面上に形成される。後で詳細に説明するように、分配器200は、ジャー本体120の環状ガイド126の中に受けられる。この実施形態では、頂面122の開口110は、正方形の形状を有する。しかしながら、別の実施形態では、頂面122の開口110は、円形または任意の他の形状を有する。
【0029】
以下で詳細に説明するように、分配器200は、ルースパウダー製品Pを塗布するためにジャー100から塗布器300に一定量のルースパウダー製品Pを分配するために使用されることを企図されている。
図3および
図4に示すように、分配器200は、塗布器300をその中に収容するための円筒形の空間Vを画定する。塗布器300は、その厚さ方向に圧縮された状態で分配器200の中に画定されるこの空間Vの中に収容される。
【0030】
図6および
図7からわかるように、分配器200は、環状本体210と、環状本体210に結合されたリング部材220と、環状本体210とリング部材220との間に挟まれた弾性メッシュシート230とを含む。環状本体210は、中心軸Xと、上部開口212および下部開口214とを含む。上部開口212と下部開口214の両方は、中心軸Xと実質的に直交する。環状本体210は、下部開口214の近傍に肩、またはフランジ216をさらに含む。肩216は、環状本体210の内周面218から内側に突出し、中心軸X周りに円周方向に延びる。分配器200のリング部材220は、環状本体210の下部開口側で環状本体210に結合される。この実施形態では、環状本体210とリング部材220の両方は、たとえば、ポリプロピレン(PP)から作られ、環状本体210とリング部材220とは、互いに超音波溶接(または熱溶接)される。さらに、他の溶接方法も、随意に使用され得る。しかしながら、別の実施形態では、リング部材220は、圧入によって環状本体210に固定される。
【0031】
図6および
図7からもわかるように、環状本体210とリング部材220との間に挟まれた弾性メッシュシート230は、環状本体210の下部開口214を完全にカバーする。弾性メッシュシート230は、環状本体210の肩216の上面216aと同一平面(または実質的に同一平面)にある高さにおいてリング部材220によって引っ張られる。より詳細には、
図8および
図9からわかるように、環状本体210の肩216は、上述のように上面216aを有する。さらに、
図10および
図11からわかるように、リング部材220は、環状基部222と、環状基部222の内縁部222aから上向きに突出する環状突出部224とを有する。弾性メッシュシート230は、環状本体210の肩216の上面216aと同一平面(または実質的に同一平面)にある高さにおいて、リング部材220の環状突出部224によって引っ張られる。この実施形態では、これに限定しないが、弾性メッシュシート230は、ナイロン繊維およびポリウレタン弾性繊維から作られる。
【0032】
図8および
図9は、分配器200の環状本体210を詳細に示す。さらに、
図10および
図11は、分配器200のリング部材220を詳細に示す。
図8および
図9からわかるように、環状本体210の肩216は、下面216bと内周面216cとをさらに含む。同じく、
図10および
図11からわかるように、リング部材220の環状突出部224は外周面224aを含み、リング部材220の環状基部222は上面222bを含む。
図6および
図7に示す組み立てられた状態では、リング部材220の環状基部222の上面222bは、環状本体210の肩216の下面216bを、弾性メッシュシート230がそれらの間に挟まれた状態で押圧する。さらに、
図6および
図7に示す組み立てられた状態では、リング部材220の環状突出部224の外周面224aは、環状本体210の肩216の内周面216cを、同じく弾性メッシュシート230がそれらの間に挟まれた状態で押圧する。
図8および
図9からわかるように、分配器200の環状本体210は、環状本体210の上端において、外向きに突出する環状フランジ210aをさらに含む。
図3および
図4に示す組み立てられた状態では、ジャー本体120の環状ガイド126の頂面126aは、分配器200の環状本体210の環状フランジ210aの下面を押圧する。
【0033】
図5を参照すると、キャップ400は、外側部分410と、外側部分410の中に格納される内側部分420と、内側部分420の円形内面420aに取り付けられた円形ライナーディスク430とから成る。ジャー100とキャップ400とを係合するねじのねじ山の他方422は、上記で説明したように、内側部分420の内周面420b上に形成される(
図2参照)。外側部分410は、たとえば、グリコール改質PET(PETG)から作られ得る一方で、内側部分420およびライナーディスク430は、たとえば、ポリプロピレン(PP)から作られ得る。
【0034】
引き続き
図5を参照すると、パッケージングアセンブリ10は、「トペット」とも呼ばれる分離ディスク500をさらに含む。分離ディスク500は、たとえば、ポリプロピレン(PP)から作られ得る。分離ディスク500は、分配器200の弾性メッシュシート230の上に、したがって、肩216の上面216aの上に着脱可能に、すなわち非固定式に配設される。加えて、パッケージングアセンブリ10は、「ラベル」とも呼ばれる封止シート600を含む。封止シート600は、分配器200の弾性メッシュシート230の上面230aに剥離可能に付着され、最初の使用の前にメッシュシート230を完全にカバーする。封止シート600は、弾性メッシュシート230から剥離されて、パッケージングアセンブリ10が最初に使用されるときに廃棄される。
【0035】
上記で説明したように構成されたパッケージングアセンブリ10は、次のように使用される。ユーザがパッケージングアセンブリ10を最初に使用するとき、キャップ400が最初に取り外され、次いで、塗布器300および分離ディスク500が、さらに、分配器200の内部から取り外される。その後、封止シート600が、分配器200の弾性メッシュシート230から剥離されて廃棄される。次いで、ユーザは、塗布器300を用いて弾性メッシュシート230を上から適度な回数軽く叩く。この動作によって、弾性メッシュシート230が引っ張られ、
図12に示すように、塗布器300がジャー100の中のルースパウダー製品Pと接触する。その結果、適量のルースパウダー製品Pが、塗布器300に粘着する。次いで、ユーザは、ユーザ自身または別の人の体の所望の部分に、塗布器300に付着したルースパウダー製品Pを塗布する。言うまでもなく、次回は、封止シート600を取り除く動作を行うことはもはや不要である。したがって、次の使用からは、これ以外の動作が、順番に行われる。使用後、最初に、分離ディスク(トペット)500が、分配器の中に再配置される。次いで、塗布器300が分配器200の中に戻され、キャップ400がねじ込まれてジャー100と係合する。
【0036】
上述のように、本発明の例示的な一実施形態によるパッケージングアセンブリ10は、下部開口214およびその近傍にある肩216を有する環状本体210と、環状本体210の下部開口側で環状本体210に結合されたリング部材220と、環状本体210とリング部材220との間に挟まれた、下部開口214をカバーするための弾性メッシュシート230とを含む固有の分配器200を含む。このパッケージングアセンブリ10では、弾性メッシュシート230は、肩216の上面216aと同一平面にある高さにおいてリング部材220によって引っ張られる。その結果、ユーザは、塗布器300を用いて弾性メッシュシート230を上から適度な回数軽く叩くことによって、弾性メッシュシート230を通して塗布器300に適量のルースパウダー製品Pを付着または粘着させることができる。したがって、パッケージングアセンブリ10は、それをひっくり返して上下に振るという面倒な動作を必要とせず、したがって使用しやすい。これに加えて、このパッケージングアセンブリ10では、弾性メッシュシート230は、リング部材220の存在によって「トペット」と呼ばれる分離ディスク500が取り付けられる高さにおいて(すなわち、肩216の上面216aの高さにおいて216)引き延ばされる。したがって、分離ディスク500がパッケージングアセンブリ10内に置かれるとき、弾性メッシュシート230と分離ディスク500との間の隙間は、可能な限り小さく作られ得る。その結果、パッケージングアセンブリ10は、使用時にユーザの印象または感覚を悪くする、パッケージングアセンブリ10内の上記の隙間の中にルースパウダー製品Pが不必要に蓄積する可能性は低い。
【0037】
本発明の好ましい実施形態について、上で図面を参照して説明してきた。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、上記した実施形態に様々な修正および変更が加えられてよく、そのような修正および変更は、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
10 パッケージングアセンブリ
100 ジャー
110 ジャーの開口
120 ジャー本体
122 ジャー本体の頂面
122a 頂面の周辺縁部
124 ジャー本体の環状側面
126 ジャー本体の環状ガイド
126a 環状ガイドの頂面
128 ジャー本体の底部開口
130 ねじ山の一方
140 底部カバー
142 穴
160 栓部材
200 分配器
210 環状本体
210a 環状本体の環状フランジ
212 環状本体の上部開口
214 環状本体の下部開口
216 環状本体の肩
216a 肩の上面
216b 肩の下面
216c 肩の内周面
218 環状本体の内周面
220 リング部材
222 リング部材の環状基部
222a 環状基部の内縁部
222b 環状基部の上面
224 リング部材の環状突出部
224a リング部材の外周面
230 弾性メッシュシート
230a 弾性メッシュシートの上面
300 塗布器
400 キャップ
410 キャップの外側部分
420 キャップの内側部分
420a 内側部分の円形内面
420b 内側部分の内周面
422 ねじ山の他方
430 円形ライナーディスク
500 分離ディスク
600 封止シート
【外国語明細書】