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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142228
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11597 20170101AFI20220922BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20220922BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01L27/11597
H01L45/00 Z
H01L49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042328
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】高木 恵介
(72)【発明者】
【氏名】松尾 和展
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 都文
(72)【発明者】
【氏名】上牟田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】塩川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真澄
(72)【発明者】
【氏名】神谷 優太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恒太
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FR05
5F083GA06
5F083GA10
5F083GA11
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】耐久性の向上した半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】強誘電体層を用いた不揮発性の記憶装置として構成されている半導体記憶装置は、酸化チタンを含むチャンネル層120と、電極層210と、チャンネル層120と電極層210との間に設けられ、強誘電体材料を含む強誘電体層130と、を備える。誘電体材料としては、ハフニア(HfO2)のようなハフニウムを含む酸化物や、ジルコニア(ZrO2)のようなジルコニウムを含む酸化物を用いることができる。強誘電体層130には、チタン131が含まれている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタンを含むチャンネル層と、
電極層と、
前記チャンネル層と前記電極層との間に設けられ、強誘電体材料を含む強誘電体層と、を備え、
前記強誘電体層はチタンを含む、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記強誘電体層は、ハフニウム及びジルコニウムのうちの少なくとも一方を含む酸化物を含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記強誘電体層は、直方晶系の結晶を含む、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記強誘電体層においては、
単位体積当たりにおける前記チタンの含有量が、単位体積当たりにおける前記ハフニウム及び前記ジルコニウムの含有量の1%以下である、請求項2又は3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記強誘電体層においては、
前記チャンネル層側の部分における前記チタンの濃度が、前記電極層側の部分における前記チタンの濃度よりも高い、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記強誘電体層と前記電極層との間には、リーク電流を抑制するための絶縁膜が形成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記強誘電体層には窒素が含まれている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記強誘電体層においては、
単位体積当たり含まれる前記窒素の原子数が、1×1019/cmから5×1021/cmの範囲内である、請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記強誘電体層は、ハフニウム及びジルコニウムを含む酸化物を含み、
前記強誘電体層においては、
前記チャンネル層側の部分における前記ジルコニウムの濃度が、前記電極層側の部分における前記ジルコニウムの濃度よりも高い、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
酸化チタンを含むチャンネル層と、
電極層と、
前記チャンネル層と前記電極層との間に設けられ、ハフニウム及びジルコニウムのうちの少なくとも一方と酸素とを含み直方晶系の結晶を含む誘電体層と、
を備え、
前記誘電体層はチタンを含む、半導体記憶装置。
【請求項11】
前記誘電体層においては、
単位体積当たりにおける前記チタンの含有量が、単位体積当たりにおける前記ハフニウム及び前記ジルコニウムの含有量の1%以下である、請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記誘電体層においては、
前記チャンネル層側の部分における前記チタンの濃度が、前記電極層側の部分における前記チタンの濃度よりも高い、請求項10又は11に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記誘電体層と前記電極層との間には、リーク電流を抑制するための絶縁膜が形成されている、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記誘電体層には窒素が含まれている、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記誘電体層においては、
単位体積当たり含まれる前記窒素の原子数が、1×1019/cm3から5×1021/cm3の範囲内である、請求項14に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記誘電体層はハフニウム及びジルコニウムを含み、
前記誘電体層においては、
前記チャンネル層側の部分における前記ジルコニウムの濃度が、前記電極層側の部分における前記ジルコニウムの濃度よりも高い、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電体層の自発分極を利用する半導体記憶装置が注目されている。このような半導体記憶装置では、自発分極の程度に応じて、チャンネルを導通状態にするために必要な閾値電圧の値が変化する。強誘電体層のこのような性質を利用することで、各メモリセルにデータを記憶させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-161056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示された実施形態によれば、耐久性の向上した半導体記憶装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、酸化チタンを含むチャンネル層と、電極層と、チャンネル層と電極層との間に設けられ、強誘電体材料を含む強誘電体層と、を備える。上記の強誘電体層にはチタンが含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の等価回路を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成を模式的に示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図5図5は、閾値電圧の変化を示すグラフである。
図6図6は、強誘電体層におけるチャージトラップについて説明するための図である。
図7図7は、強誘電体層及びチャンネル層のそれぞれにおけるバンドギャップについて説明するための図である。
図8図8は、強誘電体層及びその近傍におけるエネルギーバンドを示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す図である。
図10図10は、強誘電体層におけるリーク電流について説明するための図である。
図11図11は、強誘電体層における、チタンの含有量と自発分極量との関係を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図13図13は、強誘電体層における、チタンの含有量の分布を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図15図15は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0008】
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体記憶装置10は、強誘電体層を用いた不揮発性の記憶装置として構成されている。図1には、半導体記憶装置10が備えるメモリセルアレイ11の構成が等価回路図として示されている。尚、メモリセルアレイ11を含む半導体記憶装置10の全体構成については、図2を参照しながら後に説明する。
【0009】
図1に示されるように、メモリセルアレイ11は複数のNANDストリングSRを含んでいる。それぞれのNANDストリングSRは、例えば、複数のメモリセルMC、及び、2つのセレクトトランジスタS1、S2を含んでいる。尚、図1においては、4つのメモリセルMC(MC1~MC4)が示されているのであるが、NANDストリングSRに含まれるメモリセルMCの数は、図1の例とは異なっていてもよい。
【0010】
メモリセルアレイ11には、複数のビット線BLが設けられている。尚、図1においては、ビット線BLが2本(BL1、BL2)だけ示されているのであるが、ビット線BLの本数は図1の例とは異なっていてもよい。
【0011】
NANDストリングSRに含まれる複数のメモリセルMCは、セレクトトランジスタS1のソースと、セレクトトランジスタS2のドレインと、の間において直列に配置されている。セレクトトランジスタS1のドレインはいずれかのビット線BLに接続されている。セレクトトランジスタS2のソースは共通のソース線SLに接続されている。
【0012】
それぞれのメモリセルMCは、ゲート部分に後述の強誘電体層を有するトランジスタとして構成されている。当該強誘電体層で生じる自発分極の方向や大きさが、メモリセルMCに保持されるデータに対応したものとなる。
【0013】
なお、NANDストリングSR中のメモリセルMCのうち、セレクトトランジスタS1側及びセレクトトランジスタS2側に設けられている1つまたは複数のメモリセルMCは、データ記憶には用いられないダミーセルとして取り扱われることがある。本実施形態のように、ダミーセルを省略することも可能である。
【0014】
メモリセルアレイ11に含まれる複数のセレクトトランジスタS1のゲートは、いずれもセレクトゲート線SGDに接続されている。セレクトゲート線SGDは、各セレクトトランジスタS1の開閉を切り換えるための電圧が印加される線である。
【0015】
メモリセルアレイ11に含まれる複数のセレクトトランジスタS2のゲートは、いずれもセレクトゲート線SGSに接続されている。セレクトゲート線SGSは、各セレクトトランジスタS2の開閉を切り換えるための電圧が印加される線である。
【0016】
複数のメモリセルMC(MC1~MC4)のそれぞれのゲートは、各メモリセルMCに対応して設けられたワード線WL(WL1~WL4)に接続されている。それぞれのワード線WLは、各メモリセルMCの開閉を切り換えたり、メモリセルMCが有する強誘電体層の自発分極量を変化させたりする等の目的で、電圧が印加される線である。
【0017】
尚、各メモリセルMCに対するデータの書き込み、読み出し、及び消去を行うために行われる具体的な方法としては、公知となっている様々な方法を用いることができる。このため、その具体的な方法については説明を省略する。
【0018】
メモリセルアレイ11を含む半導体記憶装置10の全体構成について、図2を参照しながら説明する。以下においては、図2に示されるx方向、y方向、及びz方向を適宜用いながら、各構成要素の配置等を説明する。
【0019】
図2に示されるように、メモリセルアレイ11では、平板状の電極層210が複数設けられており、これらがz方向に沿って並ぶように、互いに間隔を空けて積層配置されている。尚、互いに隣り合う電極層210の間には、絶縁層220(図3を参照)が配置されているのであるが、図2においてはその図示が省略されている。z方向に沿って積層されている電極層210の数は、図2に示される例とは異なっていてもよい。
【0020】
電極層210は、導電性を有する材料により形成された層である。電極層210の材料としては、例えばタングステンや窒化チタン、又はその化合物を用いることができる。不純物を添加されたポリシリコンにより電極層210が形成されていてもよい。本実施形態では、電極層210は窒化チタンにより形成されている。
【0021】
電極層210と共に交互に積層される絶縁層220は、絶縁性の材料により形成された層である。絶縁層220の材料としては、例えば酸化シリコン等を用いることができる。
【0022】
メモリセルアレイ11では、円柱形状のメモリピラー100が複数設けられている。それぞれのメモリピラー100は、複数の電極層210及び上記の絶縁層220を貫くように、z方向に沿って伸びている。メモリピラー100の一端はビット線BLに接続されている。メモリピラー100の他端は、図2においては不図示のソース線SLに対して電気的に接続されている。メモリピラー100のうち、積層された電極層210と交差する部分のそれぞれが、先に述べたメモリセルMCやセレクトトランジスタS1、S2として機能する。図2の例では、最もz方向側に配置された電極層210が、図1のセレクトゲート線SGDとして機能する。また、最も-z方向側に配置された電極層210は、図1のセレクトゲート線SGSとして機能する。セレクトゲート線SGDとセレクトゲート線SGSとの間に配置された複数の電極層210は、図1のワード線WL(WL1~WL4)として機能する。
【0023】
ビット線BLは、電極層210のうち最もz方向側に配置されたものよりも、更にz方向側となる高さ位置において、複数設けられている。それぞれのビット線BLは、y方向に沿って伸びており、x方向に沿って並ぶように設けられている。ビット線BLの数は、図2に示される例とは異なっていてもよい。それぞれのビット線BLには、y方向に沿って並んでいる複数のメモリピラー100のz方向側端部が接続されている。
【0024】
それぞれのビット線BLは、コンタクト61を介して、センスアンプ15に接続されている。センスアンプ15は、ビット線BLに電圧を印可したり、ビット線BLの電圧を読み出したりするための制御回路である。
【0025】
それぞれの電極層210は、メモリセルアレイ11からx方向側へと引き出されている。メモリセルアレイ11よりもx方向側の部分では、電極層210が階段状に形成されている。具体的には、-z方向側に行く程、電極層210がx方向側へとより長く伸びるように引き出されている。これにより、それぞれの電極層210は、その一部がz方向側に向けて露出している。このような構成により、電極層210のそれぞれに対してコンタクト31等を接続し、個別に電圧の印加を行うことが可能となっている。
【0026】
最も-z方向側に配置された電極層210、すなわち、セレクトゲート線SGSとして機能する電極層210は、コンタクト31、上側配線32、及びコンタクト33を介して、ゲート線駆動回路13に接続されている。ゲート線駆動回路13は、セレクトゲート線SGSに電圧を印可するための制御回路である。
【0027】
最もz方向側に配置された電極層210、すなわち、セレクトゲート線SGDとして機能する電極層210は、コンタクト51、上側配線52、及びコンタクト53を介して、ゲート線駆動回路14に接続されている。ゲート線駆動回路14は、セレクトゲート線SGDに電圧を印可するための制御回路である。
【0028】
セレクトゲート線SGSとセレクトゲート線SGDとの間に配置された複数の電極層210、すなわち、ワード線WLとして機能する複数の電極層210のそれぞれは、コンタクト41、上側配線42、及びコンタクト43を介して、ワード線駆動回路12に接続されている。ワード線駆動回路12は、ワード線WLに電圧を印可するための制御回路である。
【0029】
図3を参照しながら、メモリピラー100の内部構造について説明する。図3には、メモリピラー100及びその近傍の部分を、メモリピラー100の中心軸AXを含む面に沿って切断した場合の断面が模式的に示されている。同図に示されるように、メモリピラー100は、コア部110と、チャンネル層120と、強誘電体層130と、を備えている。
【0030】
コア部110は、メモリピラー100の中心部分に配置された層であって、例えば酸化シリコンのような絶縁性の材料により形成されている。
【0031】
チャンネル層120は、コア部110の外周面を覆うように形成された半導体層である。本実施形態では、酸化チタンを含む材料によりチャンネル層120が形成されている。チャンネル層120は、メモリセルMCやセレクトトランジスタS1、S2のチャンネルとして機能する部分である。尚、メモリピラー100の中心部分を含む範囲にチャンネル層120が配置されており、上記のコア部110が設けられていない態様としてもよい。チャンネル層120の一端はいずれかのビット線BLに対して電気的に接続されており、チャンネル層120の他端はソース線SLに対して電気的に接続されている。
【0032】
強誘電体層130は、チャンネル層120の外周面を覆うように形成された層である。強誘電体層130は、強誘電体材料を含む材料により形成されている。このような強誘電体材料としては、例えばハフニア(HfO)のようなハフニウムを含む酸化物や、例えばジルコニア(ZrO)のようなジルコニウムを含む酸化物を用いることができる。強誘電体層130を構成する強誘電体材料は、ハフニウム及びジルコニウムの両方を含む酸化物であってもよい。本実施形態では、ハフニアを主原料とする強誘電体材料により強誘電体層130が形成されている。強誘電体層130の結晶構造は直方晶となっている。強誘電体層130の結晶構造は、その全体において直方晶となっていてもよいが、一部においてのみ直方晶となっていてもよい。
【0033】
図3に示されるように、強誘電体層130の外周面には、積層された複数の電極層210のそれぞれが接続されている。先に述べたように、メモリピラー100のうち、積層された電極層210と交差する部分のそれぞれが、図1のメモリセルMCやセレクトトランジスタS1、S2のようなトランジスタとして機能する。電極層210に高電圧が印加されると、その電圧値に応じて、強誘電体層130における自発分極の方向や大きさが変化する。以下では、これらのパラメータを総じて、強誘電体層130の「自発分極量」とも表記する。この自発分極量が、メモリセルMCに保持されるデータに対応したものとなる。
【0034】
メモリセルMCのゲートに対し、電極層210を介して閾値電圧以上の電圧が印加されると、当該電極層210の内側にあるチャンネル層120は導通状態となる。上記の閾値電圧は、自発分極量に応じて変化する。この特性を利用することで、メモリセルMCに保持されたデータを読み出すことができる。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態に係る半導体記憶装置10は、強誘電体材料を含む材料により形成された強誘電体層130と、酸化チタンを含む材料により形成され、強誘電体層130と隣り合う位置に配置されたチャンネル層120と、導電性を有する材料により形成され、強誘電体層130を挟んでチャンネル層120とは反対側となる位置に配置された電極層210と、を備えている。
【0036】
メモリピラー100の内部における更なる具体的な構成について、図4を参照しながら説明する。図4においては、メモリピラー100の内部構造を示す断面のうち、中心軸AXの片側の部分だけが示されている。同図に示されるように、強誘電体層130の内部にはチタン131が含まれている。つまり、本実施形態における強誘電体層130は、ハフニアに対しチタン131を含有させた材料により形成されている。
【0037】
ただし、チタン131は、強誘電体層130の全体に一様に分布しているのではなく、チャンネル層120側に偏って分布している。つまり、強誘電体層130においては、チャンネル層120側(図4では右側)の部分におけるチタン131の濃度が、電極層210側(図4では左側)の部分におけるチタン131の濃度よりも高くなっている。尚、図4においては、強誘電体層130のうちチャンネル層120側の部分にのみチタン131が分布しているように描かれているのであるが、強誘電体層130のうち電極層210側の部分に含まれるチタン131の量は0ではなくてもよい。
【0038】
強誘電体層130に含まれるチタン131の濃度は、電極層210側からチャンネル層120側に行くに従って次第に高くなっている。このような態様に替えて、電極層210側からチャンネル層120側に行く途中において、チタン131の濃度が段階的に変化するような態様であってもよい。尚、ここでいう「チタン131の濃度」とは、強誘電体層130の単位体積当たりに含まれるチタン131の原子の個数のことである。
【0039】
強誘電体層130にチタン131を含有させたことの効果について、図5を参照しながら説明する。図5に示されるグラフの横軸は、メモリセルMCに対するデータの書き込み及び消去を繰り返し行った場合におけるサイクル数を表している。同グラフの縦軸は、メモリセルMCの閾値電圧、すなわち、チャンネル層120を導通状態とするために印加されるべき電圧の値を表している。
【0040】
図5の線L21及びL22は、比較例の構成における閾値電圧の変化を表している。この比較例に係る構成は、本実施形態に係る半導体記憶装置10の構成と概ね同じである。ただし、比較例においては、強誘電体層130にチタン131が含有されていない。
【0041】
線L21は、比較例のメモリセルMCにデータが書き込まれた状態における閾値電圧の変化を表しており、線L22は、比較例のメモリセルMCからデータが消去された状態における閾値電圧の変化を表している。
【0042】
線L22で表される消去状態の閾値電圧と、線L21で表される書き込み状態の閾値電圧との差は、「メモリウィンドウ」と称される。よく知られているように、強誘電体材料を用いた構成の半導体記憶装置においては、安定的なデータの読み書きを行うために、このメモリウィンドウを広く確保しておくことが好ましい。しかしながら、図5に示されるように、メモリセルMCに対するデータの書き込み及び消去が繰り返し行われると、メモリウィンドウは次第に狭くなっていく傾向がある。図5の例では、横軸のサイクル数がNとなった時点において、比較例におけるメモリウィンドウの値はW2となっている。メモリウィンドウの値が狭くなり過ぎると、半導体記憶装置におけるデータの読み書きを安定的に行うことが難しくなる。
【0043】
図5の線L11及びL12は、本実施形態の構成における閾値電圧の変化を表している。つまり、強誘電体層130にチタン131が含有されている場合における閾値電圧の変化を表している。このうち、線L11は、本実施形態のメモリセルMCにデータが書き込まれた状態における閾値電圧の変化を表しており、線L12は、本実施形態のメモリセルMCからデータが消去された状態における閾値電圧の変化を表している。
【0044】
比較例の場合と対比すると明らかなように、本実施形態の構成においては、メモリウィンドウが、比較例に比べて当初から広く確保されている。また、メモリセルMCに対するデータの書き込み及び消去が繰り返された場合におけるメモリウィンドウの変化は、比較例の場合に比べて抑制されている。例えば、横軸のサイクル数がNとなった時点におけるメモリィンドウの値は、本実施形態では、W2よりも大きなW1となっている。
【0045】
このように、本実施形態に係る半導体記憶装置10では、強誘電体層130にチタン131を含有させた構成とすることで、メモリウィンドウを広く確保することが可能となっている。これにより、半導体記憶装置10の耐久性が向上している。
【0046】
図6(A)には、上記の比較例に係る半導体記憶装置の構成が、図4と同様の視点で描かれている。図6(A)に示されるように、比較例に係る半導体記憶装置において、メモリセルMCに対するデータの書き込み及び消去が繰り返し行われると、所謂「チャージトラップ」と称される現象が生じ、強誘電体層130に電子eがトラップされた状態となる。図5を参照しながら説明したような、メモリウィンドウが次第に狭くなっていく現象は、このチャージトラップにより、強誘電体層130にトラップされた電子eが増加して行くことに起因して生じるものと推測される。
【0047】
従来構成のように、チャンネル層の材料として例えばポリシリコン等が用いられた場合には、上記のチャージトラップが特に生じやすい。これは、チャンネル層と強誘電体層との間に酸化膜が形成されることで、電子eがより蓄積されやすくなってしまうためと考えられる。上記の比較例のように、チャンネル層の材料として酸化チタンが用いられた場合には、酸化膜が形成されないので、チャージトラップをある程度は抑制することができる。しかしながら、チャンネル層の材料を単に酸化チタンに置き換えただけでは、チャージトラップを十分に抑制することは難しい。
【0048】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置10のように、強誘電体層130にチタン131が含有されている構成においては、図6(B)に示されるように、強誘電体層130からチャンネル層120へと電子eが移動しやすくなっている。このため、強誘電体層130にトラップされる電子eの量を従来よりも低減し、その結果として、メモリウィンドウが広い状態を長期間に亘り維持し続けることができる。
【0049】
強誘電体層130にチタン131を含有させると、チャンネル層120へ電子eが移動しやすくなる理由について説明する。図7には、チャンネル層120の材料である酸化チタン(TiO)と、強誘電体層130の材料であるハフニア(HfO)のそれぞれについて、EとEの差であるバンドギャップの大きさが模式的に示されている。尚、Eは伝導帯の底のエネルギーであり、Eは価電子帯の頂上のエネルギーである。同図に示されるように、酸化チタンのバンドギャップは、ハフニウムのバンドギャップに比べて小さい。このようなバンドギャップの大小関係は、強誘電体層130の材料として、例えばジルコニウム等を用いた場合でも同様である。
【0050】
仮に、強誘電体層130にチタンが含有されていない場合には、上記のようなバンドギャップの差に起因して、強誘電体層130(HfO)からチャンネル層120(TiO)に向けた電子eの移動は生じにくい。
【0051】
図7において符号「125」が付されている部分は、強誘電体層130(HfO)のうちチャンネル層120(TiO)側の境界近傍部分、すなわち、HfOにTiを含有させたことでHfTiOと見なし得る部分、のバンドギャップを表している。当該部分のことを、以下では「接続部125」とも称する。接続部125では、E及びEが大きく変化しており、チャンネル層120(TiO)側から強誘電体層130(HfO)側に向けて、バンドギャップが拡大されている。
【0052】
このような接続部125では、含有されているチタン131により、新たなエネルギー準位であるE1及びE2が生じている。これらはいずれも、強誘電体層130(HfO)におけるEよりも低く、且つ、強誘電体層130(HfO)におけるEよりも高い準位となる。
【0053】
その結果、図7の右端に示されるように、強誘電体層130(HfO)のうち少なくともチャンネル層120(TiO)側の部分では、EとEの間の範囲に、E1及びE2の準位が生じることとなる。
【0054】
図8には、電極層210(TiN)、チャンネル層120(TiO)、及びこれらの間にある強誘電体層130(HfO)からなるバンド図が示されている。図8においては、強誘電体層130(HfO)において、電極層210(TiN)からチャンネル層120(TiO)に向かう方向の自発分極Pが生じている。同図に示される「E」はフェルミ準位である。
【0055】
先に述べたように、強誘電体層130(HfO)のうちチャンネル層120(TiO)側の部分では、チタン131の含有により新たな準位E1が生じている。図8において矢印で示されるように、強誘電体層130においてトラップされた電子eは、準位E1を介してチャンネル層120(TiO)側へと移動することができる。このため、本実施形態に係る半導体記憶装置10では、強誘電体層130でトラップされたままとなる電子eの量を抑制することができる。強誘電体層130にトラップされるホールhについても、準位E2を介してチャンネル層に移動させることで、ホールhの蓄積を抑制することができる。
【0056】
半導体記憶装置10の製造方法について、図9を参照しながら説明する。先ず、図9(A)に示されるように、不図示のシリコン基板上に、複数の電極層210及び絶縁層220を交互に積層する。電極層210及び絶縁層220は、例えばCVD成膜により形成することができる。
【0057】
続いて、図9(B)に示されるように、積層された電極層210及び絶縁層220を貫くようにメモリホールMHを形成する。メモリホールは、例えばRIEにより形成することができる。メモリホールMHが形成される位置は、図2のメモリピラー100と対応するそれぞれの位置である。
【0058】
続いて、図9(C)に示されるように、メモリホールMHの内面に対し、強誘電体層130、チャンネル層120、及びコア部110が順に形成される。これらはいずれも、例えばCVD成膜等によって形成することができる。
【0059】
続いて、全体を加熱することで結晶化アニールが行われる。結晶化アニールの工程においては、強誘電体層130やチャンネル層120等の全体が高温となるように加熱される。これにより、強誘電体層130における強誘電体材料や、チャンネル層120における酸化チタンが、いずれも結晶化する。強誘電体層130の結晶構造は、先に述べたように、少なくとも一部において直方晶となる。
【0060】
このとき、図9(D)に示されるように、チャンネル層120(TiO)に含まれるチタンの一部が、固体拡散によって強誘電体層130へと移動する。これにより、強誘電体層130は、図4等を参照しながら説明したように、その内部にチタン131を含有した状態となる。以上のような工程を経ることで、半導体記憶装置10のメモリセルアレイ11が完成する。
【0061】
尚、図9(A)の段階においては、電極層210に替えて、例えば窒化シリコンからなる犠牲層を形成することとしてもよい。この場合、図9(C)のようにメモリピラー100の形成が完了した後に、上記の犠牲層が電極層210にリプレイスされることとなる。
【0062】
以上に説明したように、強誘電体層130にチタン131を含有させると、チャージトラップを抑制し、メモリウィンドウを広く確保することが可能となる。しかしながら、強誘電体層130におけるチタン131の含有量が多くなり過ぎてしまった場合には、別の問題が生じ得る。図10には、このようにチタン131の含有量が多くなり過ぎてしまった場合の例が示されている.
【0063】
強誘電体層130におけるチタン131の含有量が多くなり過ぎてしまうと、強誘電体層130の導電性が高くなるので、強誘電体層130を電子eが通過して流れやすくなる。つまり、チャンネル層120と電極層210との間におけるリーク電流が増加する。その結果、メモリセルMCにおけるデータの記憶を正常に行うことができなくなってしまう。
【0064】
また、図11に示されるように、強誘電体層130におけるチタン131の含有量が多くなると、強誘電体層130の自発分極量は小さくなる。その結果、強誘電体層130が、強誘電体としての特性を発揮し得なくなる。このことによっても、メモリセルMCにおけるデータの記憶を正常に行うことができなくなってしまう。
【0065】
従って、強誘電体層130におけるチタン131の含有量は所定値以下に収めることが好ましい。本発明者らが行った実験によれば、強誘電体層130の単位体積当たりにおけるチタン131の含有量は、単位体積当たりにおけるハフニウムの含有量の1%以下とすることが好ましい。尚、ここでいう「含有量」とは、例えば、単位体積に含まれる原子の個数である。
【0066】
先に述べたように、強誘電体層130には、ハフニウム及びジルコニウムの少なくとも一方が含まれていればよい。いずれの場合であっても、強誘電体層130においては、単位体積当たりにおけるチタン131の含有量が、単位体積当たりにおけるハフニウム及びジルコニウムを合計した含有量、の1%以下に収まっていることが好ましい。
【0067】
強誘電体層130には、ハフニウムやジルコニウム、及び酸素に加えて、他の不純物元素が含まれていてもよい。このような不純物元素としては、例えば、水素(H)、炭素(C)、ホウ素(B)、塩素(Cl)、フッ素(F)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等が挙げられる。これらのうち、H、C、B、Clが強誘電体層130に含まれている場合には、強誘電体層130における直方晶の単位胞体積が増加する。その結果、安定相である単斜晶の形成が抑制され、メモリウィンドウが拡大するという効果を得ることができる。
【0068】
不純物元素であるHは、最小の原子であり、高濃度に導入することができるという利点がある。不純物元素にCが含まれている場合には、強誘電体層130の結晶化温度を上昇させるという効果も得ることができる。Fは、結合エネルギーが比較的高く、強誘電体層130から容易には離脱しない。このため、不純物元素としてFを添加すれば、強誘電体層130の特性を安定させることができる。HeやArは、不活性の元素なため他の原子との結合を作らない。このため、不純物元素としてHeやArを添加すれば、リーク電流の原因となるエネルギー準位が強誘電体層130に形成されない、という効果も得ることができる。
【0069】
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0070】
図12には、本実施形態に係る半導体記憶装置10の構成が、図4と同様の視点で描かれている。本実施形態の強誘電体層130には、チタン131に加えて窒素132も含まれている。窒素132は、強誘電体層130において一様に分布していてもよいのであるが、チタン131と同様に偏って分布していてもよい。
【0071】
強誘電体層130に窒素132を含ませたことの効果について説明する。図13に示されるグラフの横軸は、強誘電体層130(HfO)における各位置を表している。同グラフでは、横軸に沿った左側が電極層210側であり、右側がチャンネル層120(TiO)側である。同グラフの縦軸は、強誘電体層130の各位置におけるチタン131の含有量を表している。
【0072】
図13の線L31は、図9(D)の結晶化アニールが行われるより前の時点における、チタン131の分布を表している。第1実施形態のように、強誘電体層130に窒素132が含まれていない状態で結晶化アニールが行われた場合には、チタン131の分布は、矢印AR1に沿って線L31から線L32へと変化する。一方、本実施形態のように、強誘電体層130に窒素132が含まれている状態で結晶化アニールが行われた場合には、チタン131の分布は、矢印AR1に沿って線L31から線L33へと変化する。
【0073】
線L32と線L33とを対比すると明らかなように、強誘電体層130に窒素132が含まれている場合(線L33)には、結晶化アニールが行われた際におけるチタン131の含有量の増加が抑制される。つまり、強誘電体層130に窒素132が含まれている場合には、チャンネル層120から強誘電体層130に向けて拡散するチタン131の量を、適量に抑えることが可能となる。これにより、図10に示されるリーク電流の発生を防止することができる。また、図11を参照しながら説明したような、強誘電体層130が、強誘電体としての特性を発揮し得なくなる現象も防止することができる。チタン131の拡散が抑制されるのは、窒素132の添加により、強誘電体層130における酸素欠損の連続性が失われるためであると考えられる。
【0074】
強誘電体層130に窒素を含有させるためには、例えば、図9(C)のようにCVD成膜で強誘電体層130を形成する際に、窒素を含む材料(例えばアンモニア)を添加すればよい。また、強誘電体層130の形成が完了した後に、プラズマ等により窒素を添加することとしてもよい。
【0075】
強誘電体層130に窒素を含有させることによる上記の効果は、強誘電体層130が、ジルコニウムを含む材料により形成されている場合でも同様に奏することができる。強誘電体層130が、ハフニウム及びジルコニウムの両方を含んでいる場合でも同様である。
【0076】
強誘電体層130においては、単位体積当たり含まれる窒素132の原子数が、1×1019/cmから5×1021/cmの範囲内である場合に、上記の効果が特に発揮されやすいことが確認されている。
【0077】
強誘電体層130においては、単位体積当たりにおける窒素132の含有量が、単位体積当たりにおけるハフニウム及びジルコニウムを合計した含有量、に対し0.01%~5%の範囲内に収まっていることが好ましい。尚、ここでいう「含有量」とは、例えば、単位体積に含まれる原子の個数である。
【0078】
窒素132の含有量が上記いずれかの範囲内に収まっていれば、Tiの拡散を十分に抑制することができる。また、当該範囲は、不純物原子を介したホッピング伝導が生じない範囲である。
【0079】
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0080】
図14には、本実施形態に係る半導体記憶装置10の構成が、図4と同様の視点で描かれている。本実施形態の強誘電体層130は、ハフニウムに加えてジルコニウム133をも含む酸化物、により形成されている。
【0081】
図14に示されるように、本実施形態の強誘電体層130においては、チャンネル層120側の部分におけるジルコニウム133の濃度が、電極層210側の部分におけるジルコニウム133の濃度よりも高くなるように、ジルコニウム133の分布が偏っている。
【0082】
このような構成においては、チャンネル層120側の部分でジルコニウム133が高濃度で分布していることにより、チャンネル層120から強誘電体層130に向けて拡散するチタン131の量が、適量に抑えられる。これにより、図10に示されるリーク電流の発生を防止することができる。また、図11を参照しながら説明したような、強誘電体層130が、強誘電体としての特性を発揮し得なくなる現象も防止することができる。
【0083】
このようなジルコニウム133の分布は、例えば、図9(C)のようにCVD成膜で強誘電体層130を形成する際に、供給されるガスの成分を時間の経過と共に変化させることにより実現することができる。
【0084】
第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0085】
図15には、本実施形態に係る半導体記憶装置10の構成が、図4と同様の視点で描かれている。図15に示されるように、本実施形態では、強誘電体層130のうち電極層210側の表面全体が、絶縁膜140で覆われている。つまり、強誘電体層130と電極層210との間に絶縁膜140が形成されている。このような構成においては、図10に示されるリーク電流の発生を、絶縁膜140によってより確実に防止することが可能となる。絶縁膜140の材料としては、酸化シリコンまたは酸化アルミニウム等の金属酸化物等を用いることができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
10:半導体記憶装置、120:チャンネル層、130:強誘電体層、131:チタン、210:電極層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15