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特開2022-142277カウンター及びカウンター設置機器の接合方法
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  • 特開-カウンター及びカウンター設置機器の接合方法 図1
  • 特開-カウンター及びカウンター設置機器の接合方法 図2
  • 特開-カウンター及びカウンター設置機器の接合方法 図3
  • 特開-カウンター及びカウンター設置機器の接合方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142277
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】カウンター及びカウンター設置機器の接合方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/06 20060101AFI20220922BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20220922BHJP
   E03C 1/33 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A47B77/06
A47B96/18 H
A47B96/18 F
E03C1/33 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042397
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】593078279
【氏名又は名称】吉本産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】吉本 明義
【テーマコード(参考)】
2D061
3B260
【Fターム(参考)】
2D061BA04
2D061BB00
2D061BD04
2D061BE01
2D061BE04
3B260FA00
(57)【要約】
【課題】天板とカウンター設置機器が簡易かつ高い強度で接合されるカウンターを提供すること。
【解決手段】カウンター1は、開口部20を有し、所定の厚みを有して形成される天板2と、開口部20内に配置され、天板2に接合されるカウンター設置機器3と、を備え、天板2とカウンター設置機器3との接合面は、開口部20の内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する。カウンター設置機器3は、上部が開口した凹部を有する本体31と、本体31の周縁から外側へ延びるフランジ部32と、を有し、フランジ部32は、天板2よりも下方に位置し、天板2の上面21と、フランジ部32の上面との間に段差40が形成されることが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、所定の厚みを有して形成される天板と、
前記開口部内に配置され、前記天板に接合されるカウンター設置機器と、を備え、
前記天板と前記カウンター設置機器との接合面は、前記開口部の内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する、カウンター。
【請求項2】
前記カウンター設置機器は、上部が開口した凹部を有する本体と、前記本体の周縁から外側へ延びるフランジ部と、を有し、
前記フランジ部は、前記天板よりも下方に位置し、前記天板の上面と、前記フランジ部の上面との間に段差が形成される、請求項1に記載のカウンター。
【請求項3】
前記フランジ部の外縁側の端部は、前記フランジ部の上面から下面に向かって外側から内側に傾斜するフランジ側傾斜面を有し、
前記天板は、前記天板の上面から前記開口部に向かって下り傾斜する天板側傾斜面を有し、
前記フランジ側傾斜面の上端は、前記天板側傾斜面の上端よりも下方に位置し、かつ前記天板側傾斜面の下端より、上方に位置する、請求項2に記載のカウンター。
【請求項4】
前記フランジ側傾斜面の傾斜角度と、前記天板側傾斜面の傾斜角度は、互いに等しい、請求項3に記載のカウンター。
【請求項5】
前記接合面には、接着剤が設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載のカウンター。
【請求項6】
前記カウンター設置機器は、上部が開口した凹部を有するシンク本体と、前記シンク本体の周縁から外側へ延びるフランジ部と、を備えるシンクである請求項1~5のいずれか1項に記載のカウンター。
【請求項7】
開口部を有し、所定の厚みを有して形成される天板と、
前記開口部内に配置され、前記天板に接合されるカウンター設置機器と、を備え、
前記開口部と前記カウンター設置機器との接合面は、前記開口部の周縁側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する、カウンター設置機器の接合方法であって、
前記カウンター設置機器を、前記開口部に対して上から挿入し、
前記天板側に形成される天板側傾斜面によって前記カウンター設置機器の端部側に形成される機器側傾斜面が支持される、カウンター設置機器の接合方法。
【請求項8】
前記カウンター設置機器は、上部が開口した凹部を有するシンク本体と、前記シンク本体の周縁から外側へ延び、前記機器側傾斜面が形成されるフランジ部と、を有するシンクである請求項7に記載のカウンター設置機器の接合方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンター及びカウンター設置機器の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチン等の天板の開口部にシンクを取付け、吐水及び排水が可能なカウンターが知られている。天板とシンクとの接合を容易にするため、シンクの上端の外面側に傾斜角を設け、天板との隙間に接着層を形成したシンクの接合方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-70607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シンクのようなカウンターに設置する機器を容易かつ確実に取り付けることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、開口部を有し、所定の厚みを有して形成される天板と、前記開口部内に配置され、前記天板に接合されるカウンター設置機器と、を備え、前記天板と前記カウンター設置機器との接合面は、前記開口部の内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する、カウンターに関する。
【0006】
また、本発明は、開口部を有し、所定の厚みを有して形成される天板と、前記開口部内に配置され、前記天板に接合されるカウンター設置機器と、を備え、前記開口部と前記カウンター設置機器との接合面は、前記開口部の周縁側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する、カウンター設置機器の接合方法であって、前記カウンター設置機器を、前記開口部に対して上から挿入し、前記天板側に形成される天板側傾斜面によって前記カウンター設置機器の端部側に形成される機器側傾斜面が支持される、カウンター設置機器の接合方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カウンター設置機器を天板に容易かつ高い強度で取り付けることができるカウンター及びカウンター設置機器の接合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のカウンターを示す図である。
図2図1のA-A線の断面図である。
図3】本実施形態のシンクの接合方法を示す図である。
図4】他の実施形態における図1のA-A線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態のカウンター1は、キッチンの流し台の上面に固定され、天板2とカウンター設置機器としてのシンク3と、接合面4と、接着剤5と、補強合板6と、を有する。
【0010】
天板2は、所定の厚みを有する略長方形の板材により構成される。天板2は、開口部20と、上面21と、下面22と、側面23と、天板側傾斜面24と、を有する。開口部20は、天板2を貫通し、後述するシンク3が配置される略長方形の孔により構成される。開口部20は、天板2の長手方向の一方側に配置され、周囲が天板2の板面に囲まれている。上面21は、天板2の上側に延びる平坦な面である。下面22は、上面21に対向して下側に延びる平坦な面である。側面23は、上面21及び下面22を上下方向に接続し、天板2の厚さ方向に延びる面である。天板2は、例えば人工大理石、エンジニアドストーンやセラミック等で構成されていてもよい。
【0011】
天板側傾斜面24は、図2に示すように、天板2の上面21から開口部20に向かって下り傾斜する傾斜した面である。天板側傾斜面24は、開口部20の周縁に位置する天板2の厚さ方向の面である。天板側傾斜面24が下方に下り傾斜していることにより、天板側傾斜面24の下端側は、開口部20の内側に突出する。天板側傾斜面24は、本実施形態では45度の傾斜角度を有している。このように天板側傾斜面24が傾斜していることにより、開口部20の外周の寸法は、略長方形の開口部20の周縁における対向する二点間を、天板側傾斜面24の上端で結んで計測した寸法と、天板側傾斜面24の下端で結んで計測した寸法とは異なる。天板側傾斜面24の上端で結んで計測した寸法の方が、天板側傾斜面24の下端で結んで計測した寸法よりも大きい。
【0012】
シンク3は、不図示の蛇口から吐水される水を受け、排水の可能な設備である。シンク3は、開口部20内に配置され、天板2に接合される。シンク3は、例えば樹脂製であってよい。図3に示すように、シンク3は、本体としてのシンク本体31と、フランジ部32と、を有する。シンク本体31は、上部が開口した凹部を有し、平面視略長方形の形状を有する。
【0013】
フランジ部32は、シンク本体31の周縁から外側へ延びる平坦な面を有する。フランジ部32の周縁における対向する二点間を計測した寸法は、天板側傾斜面24の上端で開口部20の大きさを計測した寸法より、わずかに小さく寸法が合わされている。これにより、シンク3が開口部20に挿入可能となっている。
【0014】
フランジ部32は、フランジ側傾斜面321を有する。フランジ側傾斜面321は、シンク3の外周の端部側に形成され、本発明の機器側傾斜面を構成する。フランジ側傾斜面321は、フランジ部32の厚さ方向に延びる面が傾斜して構成される。フランジ側傾斜面321は、フランジ部32の上面32aから下面32bに向かって、外側から内側に傾斜する。フランジ側傾斜面321の傾斜角度は、45度であり、天板側傾斜面24の傾斜角度と互いに等しい。フランジ部32の厚さは、天板2の厚さと同程度であってよい。一例として、4mm~30mmの厚さであってよい。
【0015】
フランジ側傾斜面321の上端は、図2に示すようにシンク3が開口部20に挿入された状態で、天板側傾斜面24の上端よりも下方に位置し、天板側傾斜面24の下端よりも上方に位置している。したがって、フランジ部32は、天板2の上面21よりも下方に位置し、天板2の上面21と、フランジ部32の上面32aとの間に段差40が形成される。段差40は、例えば垂直方向に2mm~20mm程度の高さHを有して形成される。高さHは、好ましくは10mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは2mm~5mmの間を例示できる。
【0016】
接合面4は、図2に示すように、シンク3が開口部20に配置されたときに、フランジ側傾斜面321と天板側傾斜面24とが合わさって接合される面である。接合面4は、開口部20の内側に向かって下方に傾斜する傾斜面である。
【0017】
接着剤5は、接合面4に設けられる。接着剤5は、例えばエポキシ脂系、ビニールエステル樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系の接着剤を用いてよい。
【0018】
補強合板6は、天板2の下面に強度を補強するために配置される板材である。補強合板6は、天板2の厚さよりも厚く形成され、例えばMDF(中密度繊維板)等であってよい。補強合板6は、開口部60と、合板本体部61と、シンク支持部62と、を有する。合板本体部61は、天板2の下面に天板2と重ねて接着される部分である。開口部60は、合板本体部61における天板2の開口部20と重なる位置に形成される。開口部60は、略長方形に形成され、開口部20の平面視の面積よりも小さい。
【0019】
シンク支持部62は、合板本体部61における開口部60が形成される木口面に形成される。図2に示すように、合板本体部61の木口面は、断面視で略L字状に切り欠かれており、天板側傾斜面24の下端よりも天板2の開口部20の外側から下方に延び、補強合板6の厚さ方向の中央部よりも上側で開口部20の内側に向かって延びる。シンク支持部62は、合板本体部61の木口面から、開口部20の内側に向かって延びる部分である。シンク支持部62は、フランジ部32の下面32bの下方へ延び、ねじ63が下から締結される。ねじ63の軸部の端部は、フランジ部32の下面32bに当接している。シンク支持部62とフランジ部32の下面32bとの間には、ポリウレタン樹脂64が充填されている。
【0020】
図2及び図3を参照して、シンク3の接合方法について説明する。予め、天板2に45度の角度で傾斜させた天板側傾斜面24を形成し、シンク3に45度の角度で傾斜させたフランジ側傾斜面321を形成しておく。天板側傾斜面24及びフランジ側傾斜面321のいずれも、トリミングを行って研磨仕上げを行っておく。
【0021】
天板2の下面22に、補強合板6を接着する。このとき、補強合板の合板本体部61は、天板2の開口部20よりも外側、すなわち、合板本体部61の開口部60側の上端が、天板側傾斜面24の下端よりも開口部20の外側に位置するように接着する。この状態で、シンク支持部62は、天板2の開口部20の内側に延出する。
【0022】
天板側傾斜面24及びフランジ側傾斜面321のいずれかに、接着剤5を塗布する。接着剤5が乾く前に、開口部20に対して上部からシンク3を挿入する。天板側傾斜面24とフランジ側傾斜面321がともに傾斜しているので、シンク3の重みによりシンク3が下方にずれて天板2の上面21とフランジ部32の上面32aとの間に段差40が形成される。しかし、天板側傾斜面24の下端側が開口部20の内側に突出するので、フランジ部32のフランジ側傾斜面321が天板側傾斜面24の下端側に干渉してフランジ側傾斜面321を支持する。したがって、シンク3が落下することはない。
【0023】
補強合板6のシンク支持部62の下面から、ねじ63を締結する。ねじ63をシンク支持部62の上面からを貫通してフランジ部32の下面32bに当接させ、ねじ63の位置を調整することで、フランジ部32の高さを微調整する。
【0024】
シンク支持部62とフランジ部32の下面32bとの間には、ポリウレタン樹脂64を充填する。
【0025】
第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。カウンター1を、開口部20を有し、所定の厚みを有して形成される天板2と、開口部20内に配置され、天板2に接合されるシンク3と、を含んで構成し、天板2とシンク3との接合面4を、開口部20の内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を含んで構成した。天板2とシンク3の接合面4が、開口部20の内側に向かって傾斜する傾斜面を含んで構成されるため、シンク3が天板2における傾斜面の下側に支持されて、落下しない。天板2の開口部20にシンク3を挿入するだけでシンク3が固定されるので、容易かつ高い強度でシンク3を天板2に接合することができる。また、接合に必要な部品等を最小限にすることができる。
【0026】
第1実施形態によれば、シンク3を、上部が開口した凹部を有するシンク本体31と、シンク本体31の周縁から外側へ延びるフランジ部32と、を含んで構成した。フランジ部32を、天板2よりも下方に位置し、天板2の上面21と、フランジ部32の上面32aとの間に段差40を形成した。シンク3と天板2との高さの差をつけることは機能面での意味があり、この段差40を利用して、専用の水切りプレートの端部を載せて固定したり、専用のまな板を段差40に固定して配置したりすることができるので、シンク3での調理作業の利便性を高める大きなメリットが生み出せる。専用の水切りプレートやまな板を配置することで、キッチンカウンターとしての新たな機能を付加し、デザインの統一性を図ることができる。仮にキッチンのスペースが狭い場合は、シンク3の周囲のスペースを有効に使えることで、カウンター1を含むシステムキッチンが非常に大きな機能を持つことになり、カウンター1を利用したシステムキッチンに新しく大きな特徴が生まれることになる。
【0027】
第1実施形態によれば、フランジ部32の外縁側の端部を、フランジ部32の上面32aから下面32bに向かって外側から内側に傾斜するフランジ側傾斜面321を含んで構成した。天板2を、天板2の上面21から開口部20に向かって下り傾斜する天板側傾斜面24を含んで構成した。フランジ側傾斜面321の上端を、天板側傾斜面24の上端よりも下方に位置し、かつ天板側傾斜面24の下端より、上方に位置させた。これにより、天板2の上面21とフランジ部32の上面32aとの間に段差40が形成され、上記と同様の効果を奏する。また、シンク3が、天板側傾斜面24によって支持されるため、天板2の開口部20にシンク3を挿入するだけでシンク3を固定することができる。これにより、容易かつ高い強度でシンク3を天板2に接合することができ、上記と同様の効果を奏する。
【0028】
第1実施形態によれば、フランジ側傾斜面321の傾斜角度と、天板側傾斜面24の傾斜角度を、互いに等しく構成した。これにより、天板2とシンク3の接合面4に隙間が形成されずに、互いに密着する。よって、接合強度を向上させることができる。
【0029】
第1実施形態によれば、接合面4に、接着剤5を設けた。これにより、天板2とシンク3とが動いてずれることを防止することができる。また、シンク3で水を使用した場合に、接合面4から下方へ水が漏れることを防止することができる。
【0030】
第1実施形態によれば、カウンター設置機器を、上部が開口した凹部を有するシンク本体31と、シンク本体31の周縁から外側へ延びるフランジ部32と、を備えるシンク3により構成した。これにより、カウンター1にシンク3を設置する場合に、上記と同様の効果を奏する。
【0031】
第1実施形態によれば、開口部20を有し、所定の厚みを有して形成される天板2と、開口部20内に配置され、天板2に接合されるシンク3と、を備え、開口部20とシンク3との接合面4は、開口部20の周縁側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する、シンクの接合方法で、シンク3を、開口部20に対して上から挿入し、天板2側に形成される天板側傾斜面24によってシンク3の端部側に形成されるフランジ側傾斜面321を支持させた。シンク3を開口部20の上から挿入することができるので、施工時に視認性がよく、また、設置作業も楽にすることができ、施工性が向上する。また、シンク3を開口部20の上から挿入するだけで、シンク3のフランジ側傾斜面321が天板側傾斜面24に支持されるので、容易かつ高い強度でシンク3を天板2に接合することができ、記と同様の効果を奏する。
【0032】
また、この接合方法は、接合方法が簡易でシンク3を支持したり固定したりする部品をシンプルにすることができるので、コンパクトなシンク3に好適に利用できる。よって、狭い空間を有効に利用できるシステムキッチンを提供することも可能になる。また、コンパクトなシンク3を組み込んだコンパクトなシステムキッチンは、製造コストを低減することに寄与する。システムキッチンのコストが低減することにより、比較的高価な人工大理石カウンターや樹脂シンクを採用することが可能となり、デザインの設計の自由度が高まる。
【0033】
第1実施形態によれば、カウンター設置機器の接合方法において、カウンター設置機器を、上部が開口した凹部を有するシンク本体31と、シンク本体31の周縁から外側へ延び、機器側傾斜面としてのフランジ側傾斜面321が形成されるフランジ部32と、を有するシンク3により構成した。これにより、カウンター1にシンク3を設置する場合に、上記と同様の効果を奏する。
【0034】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。上記実施形態では、ねじ63は、シンク支持部62に配置することを説明した。しかし、ねじ63は、接合面4に塗布した接着剤5が完全に硬化したら、除去してもよい。また、ポリウレタン樹脂64は、充填しなくてもよい。シンク3が樹脂製で軽量であったり、小型であったりする場合には、補強用のねじ63やポリウレタン樹脂64の充填を不要とすることで、より製造コストを低減することができる。
【0035】
図4は、第2実施形態に係るカウンター1Aの部分断面図を示す。第2実施形態では、補強合板6Aはシンク支持部62を有していない。補強合板6Aは、天板2の下面22の下方で、天板側傾斜面24の下端よりも開口部20から遠ざかる外側に位置している。第2実施形態では、シンク支持部62の代わりに、保持金具65が設けられる点で第1実施形態と異なっている。
【0036】
保持金具65は、天板2とシンク3の接合面4を跨るように配置され、断面視略コの字状を有する。保持金具65は、保持金具下面651と、天板支持部652と、フランジ部支持部653と、を有する。保持金具下面651は、補強合板6Aの下面及びフランジ部32の下面32bの下方に延びる平坦な面である。天板支持部652は、保持金具下面651の天板2側の端部から上方に屈曲して補強合板6Aの下面に当接する。フランジ部支持部653は、保持金具下面651のシンク3側の端部から上方に屈曲してフランジ部32の下面32bに当接する。保持金具65は、保持金具下面651の下面から補強合板6Aへねじ66により固定される。第2実施形態によれば、天板2の下面22側にねじ66が配置されるので、カウンター1Aをキッチンのキャビネットに固定した場合に、幕板と干渉することを回避しやすい。
【0037】
上記実施形態では、段差40の高さHを2mm~20mmとして説明したが、段差の寸法が限定されない。20mmを越えてもよい。また、天板側傾斜面24及びフランジ側傾斜面42aの角度を45度として説明したが、これに限られない。傾斜角度は、45度よりも小さくてもよく、大きくてもよい。また、天板2とシンク3の厚さを同程度として説明したが、異なっていてもよい。
【0038】
上記実施形態では、樹脂製のシンク3を例に説明したが、これに限られない。シンク3は、ステンレス製であってもよい。
【0039】
上記実施形態では、カウンター1をキッチンのカウンターとして説明した。しかし、カウンターは洗面台に設けられてもよく、シンクを有する机に設けられてもよい。
【0040】
また、段差40を利用して、使用しない時に段差40に嵌め込むカバーを装着してもよい。天板2とカバーを面一に構成することで段差40をなくし、作業面を形成することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態において、カウンター設置機器としてシンク3を例に説明したが、シンク3に限られない。例えば、カウンター設置機器3は、コンロ、IHヒータや、鉄板等の加熱調理器であってもよい。
【0042】
この場合に、天板2の上面21とフランジ部の上面との間に形成された段差に、カバーを設けることで、加熱調理器の不使用時に、加熱調理器を保護したり隠蔽したりすることが可能になる。カバーは、例えば天板2と同素材で構成してもよい。
【0043】
また、上記実施形態の接合方法を、天板2とシンク3との取付けだけでなく、天板2とコンロや鉄板等の加熱調理器の組付けにも適用してよい。
【符号の説明】
【0044】
1 カウンター
2 天板
3 シンク(カウンター設置機器)
4 接合面
5 接着剤
20 開口部
21 上面
24 天板側傾斜面
31 シンク本体(本体)
32 フランジ部
32a フランジ部の上面
40 段差
321 フランジ側傾斜面(機器側傾斜面)
図1
図2
図3
図4