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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142299
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20220922BHJP
   H01R 9/22 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H02K5/22
H01R9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042431
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】米野 中央人
(72)【発明者】
【氏名】立松 和高
(72)【発明者】
【氏名】執行 洋充
【テーマコード(参考)】
5E086
5H605
【Fターム(参考)】
5E086CC47
5E086DD05
5E086DD35
5E086LL04
5E086LL06
5E086LL20
5H605AA04
5H605BB01
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC01
5H605EC07
5H605EC08
5H605FF06
5H605GG02
5H605GG03
5H605GG06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】コイルに接合されている接合導体部の接合部分に発生する応力をより低減することが可能な回転電機を提供する。
【解決手段】この回転電機100は、コイル12に接合されているとともに、端子部材41に接合された電源部端子50と、端子部材41を含むように樹脂成形することにより形成された端子樹脂成形部43と、ケース部20に対して締結部材84(第1締結部材)により締結固定され、端子樹脂成形部43を固定する固定部材70と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを含むステータと、
電源部端子が取り付けられる金属製の端子部材と、
前記コイルに接合されているとともに、前記端子部材に接合された接合導体部と、
前記端子部材を含むように樹脂成形することにより形成された端子樹脂成形部と、
前記ステータを収容するケース部と、
前記ケース部に対して第1締結部材により締結固定され、前記端子樹脂成形部を固定する固定部材と、を備える、回転電機。
【請求項2】
前記固定部材は、前記ケース部に対して前記第1締結部材により前記ステータの軸方向に沿って締結固定され、かつ、前記端子部材に対して第2締結部材により前記ステータの径方向に沿って締結固定されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記固定部材は、前記径方向において、前記端子樹脂成形部に対して前記ケース部側に配置された状態で、前記ケース部および前記端子部材に締結固定されている、請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記ケース部は、前記径方向において、前記ケース部の内壁面から前記端子樹脂成形部側に突出する突出部を含み、
前記固定部材は、前記突出部に対して前記第1締結部材により前記軸方向に沿って締結固定されている、請求項2または3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記固定部材は、前記軸方向と直交する面内における前記径方向と直交する直交方向において、前記端子樹脂成形部よりも大きい長さを有するように構成されており、前記端子樹脂成形部よりも前記直交方向の一方側に設けられた一方側の端部および前記端子樹脂成形部よりも前記直交方向の他方側に設けられた他方側の端部の両方において、前記ケース部に対して締結固定されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コイルに接合されている接合導体部を備える回転電機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、一端がステータコイルに接合された動力線(接合導体部)を備える回転電機が開示されている。上記特許文献1に記載の回転電機では、動力線の他端は、端子金具に接合されている。そして、端子金具は、L字バスバー等の幾つかの部材を介して電源線に接続されている。また、端子金具は、端子金具に振動が発生するのを抑制するために、樹脂部材と一体的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-79531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の回転電機では、一体的に形成された端子金具および樹脂部材自体が振動する場合、端子金具と、端子金具に接合された動力線との接合部分、および、動力線と、動力線に接合されたステータコイルとの接合部分に発生する応力を十分に抑制することができない。このため、ステータコイル(コイル)に接合されている動力線(接合導体部)の接合部分(端子金具と動力線との接合部分、および、動力線とステータコイルとの接合部分)に発生する応力をより低減することが可能な回転電機が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コイルに接合されている接合導体部の接合部分に発生する応力をより低減することが可能な回転電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における回転電機は、コイルを含むステータと、電源部端子が取り付けられる金属製の端子部材と、コイルに接合されているとともに、端子部材に接合された接合導体部と、端子部材を含むように樹脂成形することにより形成された端子樹脂成形部と、ステータを収容するケース部と、ケース部に対して第1締結部材により締結固定され、端子樹脂成形部を固定する固定部材と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面における回転電機は、上記のように、ケース部に対して第1締結部材により締結固定され、端子樹脂成形部を固定する固定部材を備える。これにより、固定部材を介して端子樹脂成形部がケース部に固定されているので、端子部材を含む端子樹脂成形部自体が振動するのを抑制することができる。その結果、コイルに接合されている接合導体部の接合部分(端子部材と接合導体部との接合部分、および、接合導体部とコイルとの接合部分)に発生する応力をより低減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記のように、コイルに接合されている接合導体部の接合部分に発生する応力をより低減することが可能な回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による回転電機の構成を示す斜視図である。
図2】一実施形態による回転電機のステータの構成を示す斜視断面図である。
図3】一実施形態による回転電機の端子ユニット(接合導体部および端子樹脂成形部)を示す斜視図である。
図4】一実施形態による回転電機の端子樹脂成形部および固定部材を示す平面図である。
図5図4の500-500線に沿った断面図である。
図6】一実施形態による回転電機の固定部材を示す斜視図である。
図7図4の600-600線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1図7を参照して、一実施形態による回転電機100の構成について説明する。
【0013】
[回転電機の全体構成]
図1に示すように、回転電機100は、ステータ10と、ロータ(図示しない)と、ケース部20と、プレート部30と、端子ユニット40と、電源部端子50と、端子台部60と、固定部材70と、を備える。
【0014】
回転電機100は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成されており、車両に搭載されるように構成されている。また、回転電機100は、図示しない電力変換装置と組み合わされることにより、駆動モジュールを構成する。駆動モジュールは、電力変換装置からの電力がステータ10に供給されることにより、ステータ10に対向するように配置されるとともにシャフト(回転軸)を有するロータを回転させて、シャフトの回転力を負荷(車輪側)に伝達させるように構成されている。
【0015】
以下の説明では、ステータ10の軸方向、径方向および周方向を、それぞれ、Z方向、R方向およびC方向とする。また、Z方向の一方側および他方側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、R方向の一方側(内径側)および他方側(外径側)を、それぞれ、R1側およびR2側とする。
【0016】
[ステータの構成]
図2に示すように、ステータ10は、ステータコア11を備える。ステータコア11は、Z方向に沿った中心軸線を中心軸とした円筒形状を有する。ステータコア11は、複数の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)がZ方向に積層されることにより形成されている。ステータコア11には、Z方向に延びるように形成された複数のスロット11aが設けられている。
【0017】
ステータ10は、コイル12を備える。コイル12は、ステータコア11に対して、複数回巻回されている。コイル12は、スロット収容部12aと、コイルエンド部12bと、リード線部12cと、を含む。スロット収容部12aは、複数のスロット11aの各々に収容されている。コイルエンド部12bは、ステータコア11のZ方向における端面11bから突出するように配置されている。リード線部12cは、ステータコア11のZ2側に配置されている。図3に示すように、リード線部12cは、3相(U相、V相、W相)に対応するように3つ設けられている。
【0018】
[ケース部の構成]
図1に示すように、ケース部20は、車両等に固定されており、ステータ10を保持する機能を有する。具体的には、ケース部20は、ステータ10の外周面を覆うように配置されており、ステータ10を収容するように構成されている。また、ケース部20は、図示しない電力変換装置のケース部および/または車両に固定されている。ケース部20は、たとえば、アルミ等の金属製である。
【0019】
図4に示すように、ケース部20は、R方向において、ケース部20の内壁面21aから端子樹脂成形部43側(R1側)に突出する突出部22を含む。具体的には、ケース部20は、端子台部60が固定されている壁部21を含む。端子樹脂成形部43は、R方向において、壁部21と対向するように配置されている。そして、突出部22は、壁部21のR1側の面である内壁面21aからR1側に突出している。
【0020】
[プレート部の構成]
図1に示すように、プレート部30は、円環状に形成されているとともに、板状に形成されており、ステータ10のZ1側に配置されている。プレート部30は、シャフト(回転軸)を挿入する開口部31を有する。プレート部30は、締結部材81によりケース部20に対して締結固定されている。プレート部30は、たとえば、アルミ等の金属製である。
【0021】
[端子ユニットの構成]
図3に示すように、端子ユニット40は、端子部材41と、接合導体部42と、端子樹脂成形部43と、を含む。端子部材41および接合導体部42は、3相に対応するように3つずつ設けられている。以下では、3相の各々を区別する必要がない場合には、各相毎の説明を省略する。
【0022】
(端子部材の構成)
端子部材41は、金属製である。端子部材41は、Z方向に延びるように板状に形成されている。端子部材41には、R方向に貫通する孔部41aが形成されている。
【0023】
(接合導体部の構成)
接合導体部42は、金属製である。接合導体部42は、コイル12に接合されているとともに、端子部材41に接合されている。具体的には、接合導体部42の一方側の端部42aと、コイル12のリード線部12cの端部12dとが、溶接により接合されている。また、接合導体部42の他方側の端部42bと、端子部材41のZ2側の端部41bとが、溶接により接合されている。なお、接合導体部42とコイル12との接合、および、接合導体部42と端子部材41との接合は、カシメ接合などの他の接合方法により行われていてもよい。
【0024】
(端子樹脂成形部の構成)
図4に示すように、端子樹脂成形部43は、Z方向に見て、略U字状に形成されている。具体的には、端子樹脂成形部43は、C方向に沿って延びる本体部43aと、本体部43aのC方向両端部からR1側に突出する突部43bと、を含む。本体部43aのC方向に沿った長さは、L1である。また、端子樹脂成形部43は、本体部43aのうちの端子部材41同士の間の各々から、R2側に突出する凸部43cを含む。本体部43a、突部43bおよび凸部43cは、たとえば、ポリアミド樹脂等の樹脂製である。
【0025】
図3に示すように、端子樹脂成形部43は、端子部材41を含むように樹脂成形することにより形成されている。具体的には、端子樹脂成形部43は、端子部材41に形成された孔部41aが露出するように、3つの端子部材41の各々の一部を一体的に樹脂成形(モールド)することにより形成されている。3つの端子部材41は、C方向に並ぶように略等間隔で配置されている。3つの端子部材41は、本体部43aのR2側に配置されている。
【0026】
[電源部端子の構成]
図5に示すように、電源部端子50は、Z方向に沿って延びる第1部分51と、R方向に沿って延びる第2部分52と、を含むL字形状を有している。電源部端子50は、金属製である。電源部端子50は、端子部材41と端子台部60とを電気的に接続している。
【0027】
第1部分51は、端子部材41に対して締結部材82によりR方向(径方向)に沿って締結固定されている。具体的には、第1部分51には、R方向に貫通する孔部51aが形成されている。また、第1部分51は、端子部材41のR2側に配置されている。そして、端子部材41の孔部41aおよび第1部分51の孔部51aを介して、端子部材41と第1部分51とが締結部材82により締結固定されている。なお、締結部材82は、特許請求の範囲の「第2締結部材」の一例である。
【0028】
第2部分52は、端子台部60に対して締結部材83によりZ方向に沿って締結固定されている。具体的には、第2部分52には、Z方向に貫通する孔部52aが形成されている。また、端子台部60には、Z方向に沿って雌ねじ孔部60aが形成されている。また、第2部分52は、端子台部60のZ1側に配置されている。そして、締結部材83がZ1側から第2部分52の孔部52aを介して端子台部60の雌ねじ孔部60aに締結されることにより、第2部分52と端子台部60とがZ方向に沿って締結固定されている。
【0029】
[端子台部の構成]
図1に示すように、端子台部60は、ケース部20に固定されている。具体的には、端子台部60は、ケース部20の壁部21に一部が埋め込まれている。また、端子台部60のR1側の端部は、壁部21のR1側に配置されている。そして、端子台部60の壁部21のR1側に配置された部分に、上述した雌ねじ孔部60aが形成されている。また、端子台部60のR2側の端部は、壁部21のR2側に配置されている。そして、端子台部60の壁部21のR2側に配置された部分は、電源部(図示しない)と電気的に接続されている。
【0030】
[固定部材の構成]
固定部材70は、たとえば、ポリアミド樹脂等の樹脂製である。図4に示すように、固定部材70は、ケース部20に対して締結部材84により締結固定され、端子樹脂成形部43を固定するように構成されている。これにより、端子樹脂成形部43が固定部材70を介してケース部20に固定されているので、端子部材41を含む端子樹脂成形部43自体が振動するのを抑制することができる。その結果、コイル12に接合されている電源部端子50の接合部分(端子部材41と電源部端子50との接合部分、および、電源部端子50とコイル12との接合部分)に発生する応力をより低減することができる。なお、締結部材84は、特許請求の範囲の「第1締結部材」の一例である。
【0031】
詳細には、図5および図7に示すように、固定部材70は、ケース部20に対して締結部材84によりZ方向(軸方向)に沿って締結固定され、かつ、端子部材41に対して締結部材82によりR方向(径方向)に沿って締結固定されている。これにより、固定部材70がケース部20に加えて端子部材41に対しても締結固定によって固定されているので、端子樹脂成形部43を固定部材70を介してケース部20に確実に固定することができる。
【0032】
具体的には、図6に示すように、固定部材70は、C方向に延びるように形成されている。固定部材70は、C方向の中央部に設けられた第1部分71と、C方向の両端部に設けられた第2部分72と、を含む。
【0033】
図4に示すように、第1部分71は、C方向において、端子樹脂成形部43に対応する位置に配置されている。図6に示すように、第1部分71には、R方向に沿って雌ねじ孔部71aが形成されている。そして、図5に示すように、第1部分71の雌ねじ孔部71aが、端子部材41の孔部41a、および、電源部端子50の第1部分51の孔部51aのR2側に配置された状態で、締結部材82がR1側から孔部41aおよび孔部51aを介して雌ねじ孔部71aに締結されることにより、第1部分71(固定部材70)と端子部材41(端子樹脂成形部43)とがR方向に沿って締結固定されている。
【0034】
また、図4に示すように、第2部分72は、第1部分71に連続するように、第1部分71のC方向の外側に配置されている。図6に示すように、第2部分72には、Z方向に沿って貫通する孔部73aが形成された筒状部材73が取り付けられている(第2部分72に形成された貫通孔に筒状部材73が嵌め込まれている)。図7に示すように、筒状部材73の孔部73aが、ケース部20の突出部22に形成された雌ねじ孔部22aのZ1側に配置されている。そして、締結部材84がZ1側から孔部73aを介して雌ねじ孔部22aに締結されることにより、第2部分72(固定部材70)と突出部22(ケース部20)とがZ方向に沿って締結固定されている。すなわち、固定部材70は、(ケース部20の内壁面21aから端子樹脂成形部43側(R1側)に突出する)突出部22に対して締結部材84によりZ方向(軸方向)に沿って締結固定されている。これにより、締結部材84の締結方向がZ方向(軸方向)となっているので、締結部材84の締結作業をZ方向から容易に行うことができる。その結果、Z方向に見て、突出部22の周囲にスペースが少ない場合や突出部22のZ1側にスペースが十分ある場合に、固定部材70をケース部20に対して容易に締結固定することができる。なお、締結部材84は、特許請求の範囲の「第1締結部材」の一例である。
【0035】
また、図4に示すように、固定部材70は、R方向(径方向)において、端子樹脂成形部43に対してケース部20側(R2側)に配置された状態で、ケース部20および端子部材41に締結固定されている。具体的には、固定部材70は、R方向において、端子樹脂成形部43よりも、ケース部20の壁部21側に配置されている。そして、上述したように、固定部材70は、ケース部20および端子部材41に締結固定されている。これにより、固定部材70をケース部20の比較的近くに配置させた状態で、固定部材70をケース部20に対して締結固定することができる。その結果、固定部材70をケース部20に対して締結固定するために、ケース部20と固定部材70との間で締結部分を過度に伸ばす必要が無いので、固定部材70およびケース部20が複雑化するのを抑制することができる。
【0036】
また、固定部材70は、R方向(径方向)において、ケース部20と離間するようにケース部20と端子樹脂成形部43との間に配置された状態で、ケース部20および端子部材41に締結固定されている。具体的には、固定部材70は、R方向において、ケース部20の端子台部60が固定されている内壁面21aと離間するように配置されている。そして、上述したように、固定部材70は、ケース部20および端子部材41に締結固定されている。これにより、固定部材70が、R方向(径方向)において、ケース部20と離間しているので、コイル12や電源部端子50等の組付け公差に起因してケース部20に対する端子樹脂成形部43(端子部材41)の位置が変化する場合でも、固定部材70を、R方向(径方向)においてケース部20と端子樹脂成形部43との間に配置させた状態で、ケース部20および端子部材41に締結固定することができる。
【0037】
また固定部材70は、Z方向(軸方向)と直交する面内におけるR方向(径方向)と直交する直交方向(C方向)において、端子樹脂成形部43よりも大きい長さL2を有するように構成されている。具体的には、固定部材70のC方向に沿った長さL2は、端子樹脂成形部43のC方向に沿った長さL1(本体部43aのC方向に沿った長さ)よりも大きい。そして、固定部材70は、端子樹脂成形部43よりも直交方向(C方向)の一方側に設けられた一方側の端部(第2部分72)および端子樹脂成形部43よりも直交方向の他方側に設けられた他方側の端部(第2部分72)の両方において、ケース部20に対して締結固定されている。これにより、固定部材70の直交方向(C方向)における両端部において固定部材70がケース部20に対して締結固定されているので、固定部材70がZ方向(軸方向)と直交する面内において回転するのを防止することができる。その結果、固定部材70をケース部20に対して確実に固定することができる。
【0038】
また、図6に示すように、固定部材70は、Z方向(軸方向)において、直交方向(C方向)の中央部の厚みW1が、直交方向の一方側の端部および他方側の端部の厚みW2よりも大きくなるように形成されている。具体的には、固定部材70は、第1部分71のZ方向の厚みW1が第2部分72のZ方向の厚みW2よりも大きくなるように形成されている。これにより、固定部材70における直交方向(C方向)の中央部(第1部分71)の厚みW1が比較的大きくなるので、直交方向の中央部(第1部分71)に、R方向(径方向)に沿って端子部材41と締結するための締結部材82(図5参照)の締結部分(雌ねじ孔部71a(図5参照))を配置する空間を固定部材70の内部において容易に確保することができる。また、直交方向の一方側の端部(第2部分72)および他方側の端部(第2部分72)の厚みW2が比較的小さくなるので、Z方向(軸方向)に沿ってケース部20と締結するための締結部材84の螺子頭部分を配置する空間を固定部材70の近傍において容易に確保することができる。これらの結果、固定部材70を端子部材41およびケース部20に対して締結固定するための空間が大きくなるのを抑制することができるので、ケース部20(ひいては回転電機100)が大型化するのを抑制することができる。また、直交方向の中央部(第1部分71)の厚みW1が比較的大きくなるので、固定部材70の剛性を向上させることができる。
【0039】
また、図5に示すように、固定部材70は、Z方向(軸方向)に見て、(電源部端子50の)第2部分52における締結部材83の締結位置に対応する位置に形成された貫通孔部71bを含む。具体的には、固定部材70の第1部分71は、電源部端子50の第2部分52のZ1側に配置されている。また、固定部材70の第1部分71には、Z方向に貫通する貫通孔部71bが形成されている。そして、固定部材70は、第1部分71の貫通孔部71bが、第2部分52と端子台部60とを締結固定している締結部材83のZ1側に位置するように配置されている。なお、Z2側から見て、貫通孔部71bの大きさ(直径)は、締結部材83の大きさ(直径)よりも大きい。そして、Z1側から見て、締結部材83の全てが、第1部分71から露出している。これにより、貫通孔部71bを、締結部材83を締結固定する際に工具を配置する空間(逃がし孔)として利用することができる。その結果、貫通孔部71bが設けられない場合と比較して、締結部材83の締結固定の作業効率を向上させることができる。
【0040】
また、図6に示すように、固定部材70の第1部分71のR1側の面には、R1側に窪む凹部71cが形成されている。図4に示すように、凹部71cは、C方向において、端子樹脂成形部43のR2側に突出する凸部43cに対応する位置に形成されている。
【0041】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0042】
たとえば、上記実施形態では、固定部材70が、Z方向(軸方向)において、直交方向(C方向)の中央部の厚みW1が、直交方向の一方側の端部および他方側の端部の厚みW2よりも大きくなるように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、軸方向において、直交方向の中央部の厚みが、直交方向の一方側の端部および他方側の端部の厚みよりも小さくなるように形成されていてもよいし、直交方向の一方側の端部および他方側の端部の厚みと略等しくなるように形成されていてもよい。また、固定部材が、軸方向において、直交方向の一方側の端部の厚みと、直交方向の他方側の端部の厚みとが異なるように形成されていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、固定部材70が、軸方向に見て、電源部端子50の第2部分52における締結部材83の締結位置に対応する位置に形成された貫通孔部71bを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、軸方向に見て、電源部端子の第2部分における締結部材の締結位置に対応する位置に形成された貫通孔部を含まないように構成してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、固定部材70が、Z方向(軸方向)と直交する面内におけるR方向(径方向)と直交する直交方向(C方向)において、端子樹脂成形部43よりも大きい長さL2を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、軸方向と直交する面内における径方向と直交する直交方向において、端子樹脂成形部よりも小さい長さを有していてもよいし、端子樹脂成形部と略等しい長さを有していてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、固定部材70が、突出部22に対して締結部材83によりZ方向(軸方向)に沿って締結固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、突出部に対して軸方向以外の方向に沿って締結固定されていてもよい。また、固定部材が、突出部以外のケース部の部分(たとえば、ケース部の壁部)に対して締結固定されていてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、固定部材70が、R方向(径方向)において、端子樹脂成形部43に対してケース部20側(R2側)に配置された状態で、ケース部20および端子部材41に締結固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、径方向において、端子樹脂成形部に対してケース部側とは反対側に配置された状態で、ケース部および端子部材に締結固定されていてもよいし、端子樹脂成形部に対してケース部側およびケース部側とは反対側の両方に配置された状態で、ケース部および端子部材に締結固定されていてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、固定部材70が、ケース部20に対して締結部材84によりZ方向(軸方向)に沿って締結固定され、かつ、端子部材41に対して締結部材82によりR方向(径方向)に沿って締結固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、ケース部に対して軸方向以外の方向に沿って締結固定されていてもよいし、端子部材に対して径方向以外の方向に沿って締結固定されていてもよい。また、固定部材が、ケース部に対して締結固定され、かつ、端子部材に対して締結以外の方法によって固定されていてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、固定部材70が、C方向(周方向)において端子樹脂成形部43に対応する位置に配置されている第1部分71と、第1部分71のC方向(周方向)の外側に配置されている第2部分72と、を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定部材が、周方向において端子樹脂成形部に対応する位置に配置されている第1部分を含み、第1部分の周方向の外側に配置されている第2部分を含まないように構成してもよい。また、第1部分の一部または全てが周方向において端子樹脂成形部に対応しない位置に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…ステータ、12…コイル、20…ケース部、21a…(ケース部の)内壁面、22…突出部、41…端子部材、42…接合導体部、43…端子樹脂成形部、50…電源部端子、70…固定部材、82…締結部材(第2締結部材)、84…締結部材(第1締結部材)、100…回転電機、
図1
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図7