(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142384
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】静電容量式タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220922BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 490
G06F3/044 120
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042537
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149216
【弁理士】
【氏名又は名称】浅津 治司
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】内藤 友貴
(72)【発明者】
【氏名】西村 剛
(57)【要約】
【課題】静電容量式タッチパネルにおいて、タッチ感度を向上させる。
【解決手段】静電容量式タッチパネル1において、第1電極パターン9は、第1基板3の第1面3aに形成され、複数の第1分岐電極33a~33cを有する。第1ダミー電極パターン51は、第1基板3の第1面3aに形成され、複数の第1ダミー電極55を有する。第2電極パターン17は、第1基板3の第2面3bに形成され、複数の第2分岐電極43a~43cを有する。第2ダミー電極パターン53は、第2基板11の第2面3bに形成され、複数の第2ダミー電極57を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明絶縁基材と、
前記透明絶縁基材の第1面に形成された、複数の第1分岐電極を有する第1電極パターンと、
前記透明絶縁基材の前記第1面の前記第1電極パターンが形成されていない領域に形成された、複数の第1ダミー電極を有する第1ダミー電極パターンと、
前記透明絶縁基材の第2面に形成された、複数の第2分岐電極を有する第2電極パターンと、
前記透明絶縁基材の前記第2面の前記第2電極パターンが形成されていない領域に形成された、複数の第2ダミー電極を有する第2ダミー電極パターンと、
を備えた静電容量式タッチパネル。
【請求項2】
前記第1ダミー電極及び前記第2ダミー電極の少なくとも一部には、スリットが形成されている、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項3】
前記第1ダミー電極又は第2ダミー電極の1個の一部が前記第2電極パターン又は前記第1電極パターンに重なっている箇所では、前記スリットは前記第1ダミー電極又は第2ダミー電極の外側縁から内側に延びている、請求項2に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項4】
前記第1ダミー電極パターン又は第2ダミー電極パターンの1個の全体が前記第2電極パターン又は前記第1電極パターンに重なっている箇所では、前記スリットは前記第1ダミー電極又は第2ダミー電極を複数に分割するように延びている、請求項2又は3に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項5】
前記第1ダミー電極及び第2ダミー電極が互いに重なっている箇所では、前記第1ダミー電極及び第2ダミー電極の一方の1個に対して、前記第1ダミー電極及び第2ダミー電極の他方の複数個が重なっている、請求項2~4のいずれかに記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項6】
前記第1電極パターンと前記第2電極パターンが重なっている箇所では、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンには電極延び方向に延びる複数の電極スリットが形成されている、請求項2~5のいずれかに記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項7】
前記第1電極パターン、前記第2電極パターン、前記電極スリット、前記第1ダミー電極パターン、前記第2ダミー電極パターン、及び前記スリットによって、前記第1電極パターンと前記第2電極パターン又は前記第2ダミー電極パターンとが重なった部分及び前記第2電極パターンと前記第1電極パターン又は前記第1ダミー電極パターンとが重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状となっている、請求項6に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項8】
前記第1電極パターンの前記第1分岐電極の幅をxとしたときに、前記第1ダミー電極の幅はxであり、
前記第1電極パターンの前記第1分岐電極と第1ダミー電極との隙間の幅及び前記第1ダミー電極同士の隙間の幅の各々をyとしたときに、前記第1電極パターンの第1分岐電極同士間の距離はxの整数倍とyの整数倍の和であり、
前記第2電極パターンの前記第2分岐電極の幅zは、nx+(n-1)y(nは正の整数)であり、
前記第2ダミー電極の幅は、xであり、
前記第2電極パターンの前記第2分岐電極同士の間の距離は、xの整数倍とyの整数倍の和であり、これにより、前記スリット形状部分によって区画された前記複数の同一形状が正方形になっている、請求項7に記載の静電容量式タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量式タッチパネルは、一般的に、互いに対向して配置された複数の第1透明電極と複数の第2透明電極とを有しており、各透明電極は1枚の透明フィルムの両面に又は2枚の透明フィルムの各片面に形成されている。透明電極の材料としては、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)が従来知られている。また、透明電極の材料としては、銀ナノワイヤ(AgNW)といった金属ナノワイヤも利用されている。
【0003】
さらに、同じ種類の複数の透明電極同士の平面方向間にダミー電極を設けたタッチパネルが知られている(特許文献1を参照)。ダミー電極により、透明電極が配置された部分と他の部分との光透過率の差が小さくなり、したがって透明電極が視認されにくくなる。なお、ダミー電極は、一般的に、寄生容量の低減を図るために、複数の微細領域に分割されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、静電容量式タッチパネルでは、一般的に、第1透明電極及び第2透明電極のうち、センス電極は各電極が複数に分岐しており、分岐電極の間にはダミーパターンが配置されている。また、ドライブ電極は各電極が幅広のベタ状である。
特に、より速いタッチ検出速度が求められる大きな画面サイズにおいて、上記の構成ではセンス電極とドライブ電極の重なり面積が大きいので、タッチ感度があまり高くならない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、静電容量式タッチパネルにおいて、タッチ感度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0008】
本発明の一見地に係る静電容量式タッチパネルは、透明絶縁基材と、第1電極パターンと、第1ダミー電極パターンと、第2電極パターンと、第2ダミー電極パターンとを備えている。
第1電極パターンは、透明絶縁基材の第1面に形成され、複数の第1分岐電極を有する。
第1ダミー電極パターンは、透明絶縁基材の第1面の第1電極が形成されていない領域に形成され、複数の第1ダミー電極を有する。
第2電極パターンは、透明絶縁基材の第2面に形成され、複数の第2分岐電極を有する。
第2ダミー電極パターンは、透明絶縁基材の第2面の第2電極パターンが形成されていない領域に形成され、複数の第2ダミー電極を有する。
このタッチパネルでは、第1電極パターン及び第2電極パターンが共に分岐電極を有している。したがって、従来の一方がベタ状である場合に比べて、第1電極パターン及び第2電極パターンが互いに重なっている面積が少なくなる。これにより、タッチパネルのタッチ感度が向上する。
【0009】
第1ダミー電極及び第2ダミー電極の少なくとも一部には、スリットが形成されていてもよい。
このタッチパネルでは、スリットを設けることで、例えばダミー電極と電極パターンが重なる箇所において、スリットによって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。なお、このタッチパネルでは、第1ダミー電極が基板の第1面に形成され第2ダミー電極が基板の第2面に形成されているので、第1ダミー電極パターンと第2ダミー電極パターンを用いたパターン見え低減技術が効果的である。
【0010】
第1ダミー電極又は第2ダミー電極の1個の一部が第2電極パターン又は第1電極パターンに重なっている箇所では、スリットは第1ダミー電極又は第2ダミー電極の外側縁から内側に延びていてもよい。
このタッチパネルでは、スリットによって、例えば第1ダミー電極の一部が第2電極パターンに重なっている箇所において、スリットによって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。
【0011】
第1ダミー電極パターン又は第2ダミー電極パターンの1個の全体が第2電極パターン又は第1電極パターンに重なっている箇所では、スリットは第1ダミー電極又は第2ダミー電極を複数に分割するように延びていてもよい。
このタッチパネルでは、スリットによって、例えば、第1ダミー電極の全体が第2電極パターンに重なっている箇所において、スリットによって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。
【0012】
第1ダミー電極及び第2ダミー電極が互いに重なっている箇所では、第1ダミー電極及び第2ダミー電極の一方の1個に対して、第1ダミー電極及び第2ダミー電極の他方の複数個が重なっていてもよい。
このタッチパネルでは、上記配置によって、例えば第1ダミー電極の1個に対して、第2ダミー電極の複数個が重なっている。したがって、複数個のダミー電極によって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。
【0013】
第1電極パターンと第2電極パターンが重なっている箇所では、第1電極パターン及び第2電極パターンには電極延び方向に延びる複数の電極スリットが形成されていてもよい。
このタッチパネルでは、複数の電極スリットによって、第1電極パターンと第2電極パターンが重なっている箇所において、面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。なお、このタッチパネルでは両電極パターンが分岐電極を有しているので、積層方向両側の電極パターンを用いたパターン見え低減技術が効果的である。
【0014】
第1電極パターン、第2電極パターン、電極スリット、第1ダミー電極パターン、第2ダミー電極パターン、及びスリットによって、第1電極パターンと第2電極パターン又は第2ダミー電極パターンとが重なった部分及び第2電極パターンと第1電極パターン又は第1ダミー電極パターンとが重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状となっていてもよい。
このタッチパネルでは、電極パターンの2個が重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状となっている。したがって、パターン見えが少なくなる。
【0015】
第1電極パターンの第1分岐電極の幅をxとしたときに、第1ダミー電極の幅はxであってもよい。
第1電極パターンの第1分岐電極と第1ダミー電極の隙間の幅及び第1ダミー電極同士の隙間の幅の各々をyとしたときに、第1電極パターンの第1分岐電極同士間の距離は、xの整数倍とyの整数倍の和であってもよい。
第2電極パターンの第2分岐電極の幅zは、nx+(n-1)y(nは正の整数)であってもよい。
第2ダミー電極の幅は、xであってもよい。
第2電極パターンの第2分岐電極同士の間の距離は、xの整数倍とyの整数倍の和であり、これにより、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状が正方形になっていてもよい。
このタッチパネルでは、電極パターンの2個が重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の正方形になっている。したがって、パターン見えが少なくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る静電容量式タッチパネルでは、パターン見えが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態のタッチパネルの模式的断面図。
【
図4】第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図5】第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図6】
図4と
図5を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図。
【
図8】第2実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図9】第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図10】
図8と
図9を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図。
【
図11】第3実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図12】第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図13】
図11と
図12を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図。
【
図14】第4実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図15】第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図16】
図14と
図15を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図。
【
図17】第5実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図18】第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図。
【
図19】
図17と
図18を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図。
【
図20】第6実施形態のタッチパネルの模式的断面図。
【
図21】第7実施形態のタッチパネルの模式的断面図。
【
図22】第8実施形態のタッチパネルの模式的断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1実施形態
(1)タッチパネルの基本構成
図1~
図3を用いて、第1実施形態のタッチパネル1を説明する。
図1は、第1実施形態のタッチパネルの模式的断面図である。
図2は、第1電極パターンの模式的平面図である。
図3は、第2電極パターンの模式的平面図である。
タッチパネル1は、基本構造として、帯状電極パターンと基板1層構造を採用している。
【0019】
タッチパネル1は、多機能携帯電話(スマートフォン)や携帯ゲーム機等の電子機器に備えられ、タッチ入力デバイスとして機能する。これらの電子機器において、タッチパネル1は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等からなる表示装置と重ねて用いられる。
【0020】
タッチパネル1は、1つの透明絶縁基材として、基板3を有している。
タッチパネル1は、第1電極パターン9を有している。第1電極パターン9は、基板3の第1面3aに形成されている。
【0021】
タッチパネル1は、第2電極パターン17を有している。第2電極パターン17は、基板3の第2面3bに形成されている
タッチパネル1は、さらに、第1保護層19と、第1引き回し配線21と、第2保護層23と、第2引き回し配線25と、を有している。
【0022】
基板3の第1面3a上には、第1電極パターン9、第1保護層19及び第1引き回し配線21(
図2)が設けられている。基板3の第2面3b上には、第2電極パターン17、第2保護層23及び第2引き回し配線25(
図3)が設けられている。
【0023】
基板3は、第1電極パターン9を形成するためのベースとなる部材である。基板3は、透明性、柔軟性、及び絶縁性等に優れた材料を用いて構成されていることが好ましい。このような要求を満足する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやアクリル系樹脂等の汎用樹脂、ポリアセタール系樹脂やポリカーボネート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂、ポリスルホン系樹脂やポリフェニレンサルファイド系樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂等が例示される。シクロオレフィン系樹脂でもよい。基板3の厚みは、例えば、25μm~100μmとすることができる。なお、基板3は、ガラス基板等を用いて構成されてもよい。また、基板3は、単層又は複数の樹脂フィルム、コーティングした樹脂層でもよい。
【0024】
第1電極パターン9は、
図2に示すように、複数の第1電極31を有している。複数の第1電極31は、X軸方向に延びており、Y軸方向に並んで配置された複数の短冊状の電極である。各第1電極31は、3本の互いに平行に延びる第1分岐電極33a、33b及び33cと、それらの一端が互いに接続される端子33dとを有している。
【0025】
第1保護層19は、第1電極パターン9を全面的に覆い、第1電極パターン9の材料を保護する絶縁性の防錆層として機能している。第1保護層19は、一般的な感光性樹脂組成物を主体として構成されている。なお、保護層は、粘着層として機能するものでもよい。
第1電極パターン9は、透明導電膜である。具体的には、第1電極パターン9は、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及びITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、PEDOT、グラフェン、金属メッシュ、導電性ポリマーである。
【0026】
なお、本発明が解決しようとするパターン見えの問題の観点から本発明が特に必要とされるのはPEDOT、カーボンナノチューブ、銀ナノワイヤである。
【0027】
第1電極31は、第1引き回し配線21に接続されている。第1引き回し配線21は、金、銀、銅、ニッケル、及びパラジウム等の金属又はカーボン等の導電性粒子を含むインクからなる導電性インクを主体として構成されている。なお、導電性インクを構成する導電性粒子の材料は、単一種類であってもよいし、複数種類の組み合わせであってもよい。
【0028】
第2保護層23、第2引き回し配線25、及び第2電極パターン17は、第2電極パターン17の形状及び配置に関する具体的構成を除き、第1保護層19、第1引き回し配線21と同様の構成を備えている。
第2電極パターン17は、
図3に示すように、複数の第2電極41を有している。複数の第2電極41は、Y軸方向に沿って延在しており、X軸方向に並ぶように互いに平行に配置され短冊状の電極である。各第2電極41は、3本の互いに平行に延びる第2分岐電極43a、43b及び43cと、それらの一端が互いに接続される端子43dとを有している。
第2電極41は、第2引き回し配線25に接続されている。
【0029】
このように、本実施形態では、第1電極パターン9及び第2電極パターン17が共に分岐電極を有している。したがって、従来の一方がベタ状である場合に比べて、第1電極パターン9及び第2電極パターン17が互いに重なっている面積が少なくなる。これにより、タッチパネル1のタッチ感度が向上する。
【0030】
第1引き回し配線21は、平面視で基板3の第1面3aにおける周縁部に設けられている。
第2引き回し配線25は、平面視で基板3の第2面3bにおける周縁部に設けられている。第1引き回し配線21及び第2引き回し配線25は、コントローラ(図示せず)に接続されている。
【0031】
第1電極パターン9はセンス電極であり、第2電極パターン17はドライブ電極である。コントローラは、第2引き回し配線25に所定の電圧を順次印加して第2電極パターン17を走査し、第1引き回し配線21を介して第1電極パターン9が所定のタイミングで所定電位(バイアス電位)となるように制御する。
表示面にユーザの指等が接触すると、第1電極パターン9及び第2電極パターン17との間に生じる電界の変化に対応した電気信号(以下、センス信号)が第1引き回し配線21を介してコントローラに入力される。これにより、コントローラは、ユーザによるタッチ操作及びタッチ位置を検出できる。
【0032】
(2)ダミー電極パターン
図4~
図5を用いて、第1ダミー電極パターン51及び第2ダミー電極パターン53を説明する。
図4は、第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図5は、第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
【0033】
第1ダミー電極パターン51は、
図4に示すように、基板3の第1面3aにおける第1電極パターン9が形成されていない領域に形成されている。第1ダミー電極パターン51は、微細な島状の第1ダミー電極55を有しており、第1電極パターン9から電気的に絶縁されている。第1電極パターン9及び第1ダミー電極パターン51によって、基板3の第1面3aの全体が覆われる。第1ダミー電極パターン51は、光透過率の差を小さくし、外部から電極を見えにくくしている。したがって、第1電極パターン9のパターン見えを減らせる。パターン見えを減らすためには、第1ダミー電極パターン51は、第1電極パターン9と同じ材料であることが好ましい。
なお、第1ダミー電極55の形状は、正方形である。なお、この実施形態では、「正方形」とは、概ね同じ長さの四辺が見える形状をいう。
【0034】
第2ダミー電極パターン53は、
図5に示すように、基板3の第2面3bにおける第2電極パターン17が形成されていない領域に成されている。第2ダミー電極パターン53は、複数の第2ダミー電極57を有しており、第2電極パターン17から電気的に絶縁されている。第2電極パターン17及び第2ダミー電極パターン53によって基板3の第2面3bの全体が覆われるので、第2電極パターン17のパターン見えを減らせる。パターン見えを減らすためには、第2ダミー電極パターン53は第2電極パターン17と同じ材料であることが好ましい。
なお、第2ダミー電極57の形状は、正方形であり、第1ダミー電極55と同じ寸法である。
【0035】
(3)電極パターンとダミー電極パターンによるパターン見え低減技術
(3-1)ダミー電極に形成されたスリット
第1ダミー電極パターン51の第1ダミー電極55は、3種類あり、
図4に示すように、スリットが形成されていないもの、第1スリット55a1が形成されているもの、及び第2スリット55a2が形成されているものを含んでいる。第2ダミー電極パターン53の第2ダミー電極57は、2種類あり、
図5に示すように、スリットが形成されていないもの、及び第3スリット57a1が形成されているものを含んでいる。なお、第1スリット55a1はX軸方向に延びており、第2スリット55a2は当該第1ダミー電極55を複数に分割するように延びている。さらに具体的には、第2スリット55a2は、第1ダミー電極55の中心から縁まで延びる十字形状である。
このようにダミー電極にスリットを設けることで、例えばダミー電極パターンと電極パターンが重なる箇所において、ダミー電極に設けたスリットによって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。なお、このタッチパネル1では、基板3の第1面3aに第1ダミー電極55が形成され第2面3bに第2ダミー電極57が形成されているので、第1ダミー電極55と第2ダミー電極57の両方を用いたパターン見え低減技術が効果的である。
【0036】
(3-2)ダミー電極に設けられたスリットの第1形態
図6及び
図7を用いて、第1電極パターン9及び第1ダミー電極パターン51と第2電極パターン17及び第2ダミー電極パターン53とを重ねた場合に生じるパターンを説明する。
図6は、
図4と
図5を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図である。
図7は、
図6の部分拡大図である。なお、
図6及び
図7において、第1電極パターン9及び第1ダミー電極パターン51は実線で描かれており、第2電極パターン17及び第2ダミー電極パターン53は破線で描かれている。
【0037】
第1スリット55a1は、
図7に示すように、第1ダミー電極55の1個の一部が第2電極パターン17に重なっている箇所において、当該第1ダミー電極55の外側縁から内側に延びている。また、第3スリット57a1は、
図5に示すように、第2ダミー電極57の1個の一部が第1電極パターン9に重なっている箇所において、当該第2ダミー電極57の外側縁から内側に延びている。さらに具体的には、上記スリットはダミー電極の中心から縁まで直線状に延びており、スリット幅は、電極パターンとダミー電極パターン間の距離と同じである。
このようにして例えば
図7に示すように第1ダミー電極55(単純ハッチング)の一部が第2電極パターン17に重なっている箇所において、第1スリット55a1によって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。上記の構成は、第2ダミー電極57と第1電極パターン9との組み合わせにおいても実現される。このように基板3の第1面3aに第1ダミー電極55が形成され第2面3bに第2ダミー電極57が形成されているので、第1ダミー電極55と第2ダミー電極57の両方を用いたパターン見え低減技術が効果的である。
なお、さらに詳細には、
図7における単純ハッチングの第1ダミー電極55は、第2分岐電極43aと2個の第2ダミー電極57にまたがっており、第1スリット55a1と2個の第2ダミー電極57の間の隙間とによって図における縦スリットが形成され、第2分岐電極43aと2個の第2ダミー電極57との間の隙間によって横スリットが形成され、それらにより小さな正方形模様を構成するように分割されている。
【0038】
(3-3)ダミー電極に設けられたスリットの第2形態
第2スリット55a2は、
図4に示すように、第1ダミー電極55の1個の全体が第2電極パターン17に重なっている箇所において、当該第1ダミー電極55を複数に分割するように延びている。さらに具体的には、上記スリットは、第1ダミー電極55の中心から縁まで延びる十字形状であり、スリット幅は、電極パターンとダミー電極パターン間の距離と同じである。
このようにして、例えば
図7に示すように第1ダミー電極55(交差ハッチング)の全体が第2電極パターン17に重なっている箇所において、第2スリット55a2によって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。上記の構成は、第2ダミー電極57と第1電極パターン9との組み合わせにおいても実現される。このように第1ダミー電極55と第2ダミー電極57の両方を用いたパターン見え低減技術が効果的である。
なお、さらに詳細には、
図7における交差ハッチングの第1ダミー電極55は、第2分岐電極43aに重なっており、第2スリット55a2からなる十字のスリットによって、小さな正方形模様を構成するように分割されている。
【0039】
(3-4)第1ダミー電極パターンと第2ダミー電極パターンの重なり部分の第1形態
第1ダミー電極パターン51及び第2ダミー電極パターン53が互いに重なっている箇所では、第1ダミー電極55の1個に対して、第2ダミー電極57の複数個が重なっている。また、第1ダミー電極パターン51及び第2ダミー電極パターン53が互いに重なっている箇所では、第2ダミー電極57の1個に対して、第1ダミー電極55の複数個が重なっている。
このようにして例えば
図7に示すように1個の第1ダミー電極55(太線と細線のハッチング)に対して、第2ダミー電極57の4個が均等に重なっている。したがって、複数個のダミー電極によって面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。
なお、さらに詳細には、
図7における太線と細線のハッチングの第1ダミー電極55は、4個の第2ダミー電極57にまたがっており、4個の第2ダミー電極57同士の間の隙間からなる十字のスリットによって、小さな正方形模様を構成するように分割されている。
【0040】
(3-5)第1電極パターンと第2電極パターンの重なり部分の第2形態
第1電極パターン9と第2電極パターン17が重なっている箇所では、
図4及び
図5に示すように、第1電極パターン9には、電極延び方向(X軸方向)に延びる複数の第1電極スリット9aが形成されている。第1電極スリット9aは、複数個ずつ、X軸方向に並んで配置されている。第1電極スリット9aの長さは、第1ダミー電極55の一辺の半分である。また、第2電極パターン17には、電極延び方向(Y軸方向)に延びる複数の第2電極スリット17aが形成されている。第2電極スリット17aは、複数個ずつ、X軸方向に並んで配置されている。第2電極スリット17aの長さは、第2ダミー電極57の一辺と同じである。
これにより、例えば
図7の網掛け部分に示すように、第1電極パターン9と第2電極パターン17が重なった箇所において、第2電極スリット17aの部分(導電膜としては第1電極31のみが存在する)と、第1電極スリット9aの部分(導電膜としては第2電極41のみが存在する)との組み合わせによって、十字形のスリット形状が実現されている。このように、第1電極スリット9aと第2電極スリット17aによって、第1電極パターン9と第2電極パターン17が重なっている箇所において、面内のパターン分布の均一性を増やすことができ、その結果パターン見えが少なくなる。なお、このタッチパネル1では両電極パターンが分岐電極を有しているので、上記のような基板3の第1面3aに形成された第1電極パターン9及び基板3の第2面3bに形成された第2電極パターン17を用いたパターン見え低減技術が効果的である。
なお、さらに詳細には、
図7における網掛け部分では、第1分岐電極33cにおいて、第1電極スリット9aと第2電極スリット17aの組み合わせによって、小さな正方形模様が形成されている。
【0041】
(3-6)全体のパターン
第1電極パターン9、第2電極パターン17、第1電極スリット9a、第2電極スリット17a、第1ダミー電極パターン51、第2ダミー電極パターン53、及び第1スリット55a1、第2スリット55a2、及び第3スリット57a1によって、下記のパターンが形成されている。
第1に、第1電極パターン9と第2電極パターン17又は第2ダミー電極パターン53の一方とが重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状となっている。具体的には、
図6及び
図7に示すように、複数の正方形である。
【0042】
第2に、第2電極パターン17と第1電極パターン9又は第1ダミー電極パターン51とが重なった部分が、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状となっている。具体的には、
図6及び
図7に示すように、複数の正方形である。
以上のように、タッチパネル1のビューエリア全体において、パターン全体が、複数の同一形状(正方形)が敷き詰められた均一模様となり、そのため外部から視認されにくい。つまり、パターン見えが少なくなる。
【0043】
以下に、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状が正方形になる条件を説明する。なお、以下の条件は他の実施形態においても適用される。
第1電極パターン9の複数の第1分岐電極33a、33b、33cの幅(Y軸方向長さ)をxとしたときに、第1ダミー電極55の幅(Y軸方向長さ)はxである。つまり、両者は同じである。
【0044】
第1電極パターン9の第1分岐電極33a、33b、33cと第1ダミー電極55の隙間の距離(Y軸方向長さ)及び第1ダミー電極55同士の隙間の距離(Y軸方向長さ)の各々をyとしたときに、第1電極パターン9の第1分岐電極33a、33b、33c同士間の距離(中心から中心までの距離)は、xの整数倍とyの整数倍の和である。この実施形態では、
図4に示すように、第1分岐電極33aと第1分岐電極33bとの距離は、4x+4yとなっている。また、第1分岐電極33aと第1分岐電極33cとの距離は、8x+8yとなっている。
第2電極パターン17の第2分岐電極43a、43b及び43cの幅(X軸方向長さ)をzとすると、zは、nx+(n-1)yである(nは正の整数)。この実施形態では、
図5に示すように、z=2x+yとなっている。つまり、この実施形態では、第2分岐電極43a、43b及び43cの幅は、第1分岐電極33a、33b、33cの幅より長い。
【0045】
第2ダミー電極57の幅(X軸方向長さ)は、xである。
第2電極パターン17の第2分岐電極43a、43b及び43c同士の間の距離(中心から中心までの距離)は、xの整数倍とyの整数倍の和である。この実施形態では、
図5に示すように、第2分岐電極43aと第2分岐電極43bとの距離は4x+4yとなっており、第2分岐電極43bと第2分岐電極43cとの距離は4x+4yとなっており、第2分岐電極43aと第2分岐電極43cとの距離は8x+8yとなっている。
【0046】
2.第2実施形態
第1実施形態では第1電極パターンの第1電極の分岐数は3であり、第2電極パターンの第2電極の分岐数は3であった。しかし、分岐数は特に限定されず、そのため変形例が可能である。以下、そのような変形例を第2~第4実施形態として説明する。
図8~
図10を用いて、第2実施形態として説明する。
図8は、第2実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図9は、第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図10は、
図8と
図9を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図である。
【0047】
第1実施形態とは異なり、第1電極31Aの分岐数は2であり、第2電極41Aの分岐数は2である。
この実施形態では、
図8に示すように、第1電極パターン9Aには、第1電極スリット9aが形成されている。第1ダミー電極パターン51Aの第1ダミー電極55Aは、スリットが形成されていないもの、第1スリット55a1が形成されたもの及び第2スリット55a2が形成されたものを含んでいる。さらに、
図9に示すように、第2電極パターン17Aには、第2電極スリット17aが形成されている。第2ダミー電極パターン53Aの第2ダミー電極57Aは、スリットが形成されていないもの及び第3スリット57a1が形成されたものを含んでいる。したがって、
図10に示すように、タッチパネルのパターン全体が、第1実施形態と同様に、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状(正方形)が敷き詰められた模様になっている。その結果、パターン見えが少なくなる。
【0048】
3.第3実施形態
図11~
図13を用いて、第3実施形態を説明する。
図11は、第3実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図12は、第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図13は、
図11と
図12を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図である。
【0049】
第1実施形態とは異なり、第1電極31Bの分岐数は3であり、第2電極41Bの分岐数は2である。
この実施形態では、
図11に示すように、第1電極パターン9Bには、第1電極スリット9aが形成されている。第1ダミー電極パターン51Bの第1ダミー電極55Bは、スリットが形成されていないもの、第1スリット55a1が形成されたもの及び第2スリット55a2が形成されたものを含んでいる。さらに、
図12に示すように、第2電極パターン17Bには、第2電極スリット17aが形成されている。第2ダミー電極パターン53Bの第2ダミー電極57Bは、スリットが形成されていないもの、及び第3スリット57a1が形成されたものを含んでいる。したがって、
図13に示すように、タッチパネルのパターン全体が、第1実施形態と同様に、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状(正方形)が敷き詰められた模様になっている。その結果、パターン見えが少なくなる。
【0050】
4.第4実施形態
図14~
図16を用いて、第3実施形態を説明する。
図14は、第4実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図15は、第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図16は、
図14と
図15を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図である。
【0051】
第1実施形態とは異なり、第1電極31Cの分岐数は4であり、第2電極41Cの分岐数は4である。
この実施形態では、
図14に示すように、第1電極パターン9Cには、第1電極スリット9aが形成されている。第1ダミー電極パターン51Cの第1ダミー電極55Cは、スリットが形成されていないもの、第1スリット55a1が形成されたもの及び第2スリット55a2が形成されたものを含んでいる。さらに、
図15に示すように、第2電極パターン17Cには、第2電極スリット17aが形成されている。第2ダミー電極パターン53Cの第2ダミー電極57Cには、第3スリット57a1が形成されている。したがって、
図16に示すように、タッチパネルのパターン全体が、第1実施形態と同様に、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状(正方形)が敷き詰められた模様になっている。その結果、パターン見えが少なくなる。
【0052】
5.第5実施形態
第1実施形態では第1電極パターンの第1電極の幅は、第2電極パターンの第2電極の幅より短かったが、両者は同じであってもよい。
図17~
図19を用いて、そのような変形例を第5実施形態として説明する。
図17は、第5実施形態の第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図18は、第2電極パターン及び第2ダミー電極パターンの模式的部分平面図である。
図19は、
図17と
図18を重ね合わせた模式的部分平面図であり、タッチパネルを上から見た場合の全体パターンを示す図である。
【0053】
第1実施形態と同様に、第1電極31Dの分岐数は3であり、第2電極41Dの分岐数は3である。
第1実施形態とは異なり、第2電極パターン17Dの第2分岐電極43a、43b、43cの幅は、第1電極パターン9Dの第1分岐電極33a、33b、33cの幅と同じである。
【0054】
この実施形態では、
図17に示すように、第1電極パターン9Dには、第1電極スリット9aが形成されている。第1ダミー電極パターン51Dの第1ダミー電極55Dは、スリットが形成されていないもの及び第1スリット55a1が形成されたものを含んでいる。さらに、
図18に示すように、第2電極パターン17Dには、第2電極スリット17aが形成されている。第2ダミー電極パターン53Dの第2ダミー電極57Dは、スリットが形成されていないもの及び第3スリット57a1が形成されたものを含んでいる。したがって、
図19に示すように、タッチパネルのパターン全体に、第1実施形態と同様に、スリット形状部分によって区画された複数の同一形状(正方形)が敷き詰められた模様になっている。その結果、パターン見えが少なくなる。
【0055】
6.第6実施形態
第1電極パターン及び第1ダミー電極パターンと、第2電極パターン及び第2電極パターンは、絶縁層を間に挟んだ別の層に設けられていればよいので、配置の変形例は複数ある。
例えば、第1~第3実施形態では、各電極パターンが2枚の基板各々に形成されたタッチパネルを説明したが、本発明は各電極パターンが1枚の基板の両面に形成されたタッチパネルにも適用できる。
【0056】
7.第7実施形態
タッチパネルの積層構造は第1実施形態に限定されない。以下、第7~第9実施形態を用いて、タッチパネルの積層構造の変形例を説明する。なお、第7~第9実施形態では第1ダミー電極及び第2ダミー電極は明記していないが、第1~第6実施形態と同じ第1ダミー電極パターン及び第2ダミー電極パターンが設けられており、同じ効果を実現している。
図20を用いて、第7実施形態のタッチパネル1Aを説明する。
図20は、第7実施形態のタッチパネルの模式的断面図である。
【0057】
タッチパネル1Aは、透明絶縁基材として、互いに貼り合わされた第1基板3A1と第2基板3A2とを有している。
タッチパネル1Aは、第1電極パターン9Aを有している。第1電極パターン9Aは、第1基板3A1の第2基板3A2と反対側の面に形成されている。
【0058】
タッチパネル1Aは、第2電極パターン17Aを有している。第2電極パターン17Aは、第2基板3A2の第1基板3A1と反対側の面に形成されている。
第1基板3A1の上には、第1電極パターン9A、第1保護層19A及び第1引き回し配線(図示せず)が設けられている。第2基板3A2上には、第2電極パターン17A、第2保護層23A及び第2引き回し配線(図示せず)が設けられている。
【0059】
8.第8実施形態
図21を用いて、第8実施形態のタッチパネル1Bを説明する。
図21は、第8実施形態のタッチパネルの模式的断面図である。
【0060】
タッチパネル1Bは、シート材27Bを有している。
タッチパネル1Bは、透明絶縁基材として、コーティングにより形成された樹脂層3Bを有している。樹脂層3Bは、シート材27Bの上側に設けられている。
【0061】
タッチパネル1Bは、第1電極パターン9Bを有している。第1電極パターン9Aは、樹脂層3Bのシート材27B側の面に形成されている。
タッチパネル1Bは、第2電極パターン17Bを有している。第2電極パターン17Bは、樹脂層3Bのシート材27Bと反対側の面に形成されている。
シート材27Bの上には、第1電極パターン9B、絶縁層11B及び第2電極パターン17Bを覆う保護層19Bが設けられている。
【0062】
9.第9実施形態
図22を用いて、第9実施形態のタッチパネル1Cを説明する。
図22は、第9実施形態のタッチパネルの模式的断面図である。
【0063】
タッチパネル1Cは、シート材27Cを有している。
タッチパネル1Cは、透明絶縁基材として、樹脂フィルム3Cを有している。樹脂フィルム3Cは、シート材27Cの上側に設けられている。
タッチパネル1Cは、第1電極パターン9Cを有している。第1電極パターン9Cは、樹脂フィルム3Cのシート材27C側の面に形成されている。
【0064】
タッチパネル1Cは、第2電極パターン17Cを有している。第2電極パターン17Cは、第2基板3C2の第1基板3C1側の面に形成されている。
第1基板3C1の上には、第2電極パターン17Cを覆うように保護層19Cが設けられている。
【0065】
10.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
分岐電極の形状は帯状に限定されない。
ダミー電極の形状は正方形に限定されない。例えば、ダミー電極の辺は、破線やジグザグ線でもよい。
スリットの形状は直線状に限定されない。例えば、スリットは、破線やジグザグ状でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、静電容量式タッチパネルに広く適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 :タッチパネル
3 :基板
9 :第1電極パターン
9a :第1電極スリット
17 :第2電極パターン
17a :第2電極スリット
31 :第1電極
41 :第2電極
51 :第1ダミー電極パターン
53 :第2ダミー電極パターン
55 :第1ダミー電極
55a1 :第1スリット
55a2 :第2スリット
57 :第2ダミー電極
57a1 :第3スリット