(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142424
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】アタッチメント型計測装置
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20220922BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H02J13/00 M
H02J13/00 301A
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042581
(22)【出願日】2021-03-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】野口 亮
【テーマコード(参考)】
5E021
5G064
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FB07
5E021FB14
5E021FC36
5E021HC11
5E021KA08
5E021KA15
5G064AA01
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC05
5G064AC09
5G064CA05
5G064CB08
5G064CB16
5G064DA05
5G064DA07
(57)【要約】
【課題】 不正利用を適切に抑制することを可能とするアタッチメント型計測装置を提供する。
【解決手段】 アタッチメント型計測装置は、施設の施設側コネクタに接続される第1コネクタと、計測対象設備の設備側コネクタに接続される第2コネクタと、前記設備側コネクタが前記第2コネクタに第1態様で装着され、前記設備側コネクタの装着態様が前記第1態様から第2態様に変化した場合に、前記設備側コネクタの装着態様が前記第2態様から前記第1態様に変化する動作を規制する規制状態を維持する規制機構と、前記計測対象設備の電力を計測する計測部と、前記計測部の計測結果を示す情報要素を含むメッセージを送信する通信部と、前記通信部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記規制状態が解除された場合に、前記メッセージの送信及び前記計測部の計測の少なくともいずれか1つを停止する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の施設側コネクタに接続される第1コネクタと、
計測対象設備の設備側コネクタに接続される第2コネクタと、
前記設備側コネクタが前記第2コネクタに第1態様で装着され、前記設備側コネクタの装着態様が前記第1態様から第2態様に変化した場合に、前記設備側コネクタの装着態様が前記第2態様から前記第1態様に変化する動作を規制する規制状態を維持する規制機構と、
前記計測対象設備の電力を計測する計測部と、
前記計測部の計測結果を示す情報要素を含むメッセージを送信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記規制状態が解除された場合に、前記メッセージの送信及び前記計測部の計測の少なくともいずれか1つを停止する、アタッチメント型計測装置。
【請求項2】
前記規制機構は、物理的な鍵によって施錠される、請求項1に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項3】
前記規制機構は、電子的な鍵によって施錠される、請求項1に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項4】
前記電子的な鍵は、前記アタッチメント型計測装置に設けられるインタフェースに入力され、或いは、前記通信部によって受信される、請求項3に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記規制状態が解除された場合に、前記規制状態の解除を通知するアラートを出力する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項6】
前記規制機構は、前記規制状態の解除の事実を検証可能な態様で前記規制状態の解除の事実を記録する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【請求項7】
前記計測対象設備と前記アタッチメント型計測装置との対応関係は登録されている、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアタッチメント型計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメント型計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設が有する設備(例えば、負荷機器など)のコネクタ(例えば、プラグ)を施設のコネクタ(例えば、ソケット)に接続する場合に、負荷機器のプラグの脱落を規制する規制機構が知られている。
【0003】
具体的には、負荷機器のプラグが施設のソケットに第1態様で装着され、プラグの装着態様が第1態様から第2態様に変化(例えば、回動)した場合に、負荷機器が施設内の電力線と通電可能な状態が実現される。上述した規制機構は、プラグの挿入態様が第2態様から第1態様に変化する動作を規制する機構を含む(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、施設が有する設備(例えば、太陽電池装置、蓄電装置、燃料電池装置、負荷機器など)の電力を計測することによって、電力系統の安定化を図る仕組み(例えば、VPP(Virtual Power Plant)など)が注目を集めている。
【0006】
VPPなどの仕組みにおいて、各設備の電力を個別に計測したというニーズが存在しており、例えば、施設内の電力線と設備との間に、各設備の電力を個別に計測装置を介在させるケースが考えられる。このようなケースにおいて、計測装置に設備を接続するために、上述した規制機構を利用することが考えられる。
【0007】
しかしながら、VPPなどの仕組みにおいて、各設備の電力は所定価値(代表的には、金銭的な価値)の算出基準として用いられるため、設備の脱落を規制するだけでは不十分であり、計測装置の不正利用を適切に抑制する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、不正利用を適切に抑制することを可能とするアタッチメント型計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示に係るアタッチメント型計測装置は、施設の施設側コネクタに接続される第1コネクタと、計測対象設備の設備側コネクタに接続される第2コネクタと、前記設備側コネクタが前記第2コネクタに第1態様で装着され、前記設備側コネクタの装着態様が前記第1態様から第2態様に変化した場合に、前記設備側コネクタの装着態様が前記第2態様から前記第1態様に変化する動作を規制する規制状態を維持する規制機構と、前記計測対象設備の電力を計測する計測部と、前記計測部の計測結果を示す情報要素を含むメッセージを送信する通信部と、前記通信部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記規制状態が解除された場合に、前記メッセージの送信及び前記計測部の計測の少なくともいずれか1つを停止する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、不正利用を適切に抑制することを可能とするアタッチメント型計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る施設100を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るPCS80を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るアタッチメント型計測装置90を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る規制状態を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る制御方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0013】
[実施形態]
(施設)
以下において、実施形態に係る施設100について説明する。
【0014】
図1に示すように、施設100は、SM10と、分電盤20と、太陽電池装置30と、蓄電装置40と、負荷機器50と、EMS60と、を有する。
【0015】
SM10は、施設100の潮流電力及び逆潮流電力の少なくともいずれか1つを計測する基幹計測装置の一例である。SM10は、スマートメータと称されてもよい。SM10は、基幹電力線111を介して分電盤20と接続される。基幹電力線111は、施設100の電力線110の一例である。
【0016】
分電盤20は、施設100の電力線を分岐する機器である。例えば、分電盤20は、電力系統に接続される基幹電力線111を2以上の分岐電力線112に分岐する。分岐電力線は、施設100の電力線110の一例である。分電盤20は、ブレーカ21を有していてもよい。ブレーカ21は、基幹電力線111に接続される。例えば、施設100で停電が生じた場合に、ブレーカ21は、施設100を電力系統から解列してもよい。
【0017】
太陽電池装置30は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。例えば、太陽電池装置30は、分岐電力線112を介して基幹電力線111に接続される。太陽電池装置30は、パワーコンディショナ31(以下、PCS31)と、太陽光パネル32(以下、PV32)と、を有する。
【0018】
ここで、太陽電池装置30と基幹電力線111とを接続する分岐電力線112上には、アタッチメント型計測装置90(以下、計測装置90A)が設けられてもよい。計測装置90Aは、太陽電池装置30の電力(ここでは、出力電力)を計測する。太陽電池装置30は、計測対象設備の一例であってもよい。計測装置90Aの詳細については後述する(
図3及び
図4を参照)。
【0019】
蓄電装置40は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置40は、パワーコンディショナ(以下、PCS41)と、蓄電セル42(以下、BT42)と、を有する。
【0020】
ここで、蓄電装置40と基幹電力線111とを接続する分岐電力線112上には、アタッチメント型計測装置90(以下、計測装置90B)が設けられてもよい。計測装置90Bは、蓄電装置40の電力(ここでは、充電電力及び放電電力)を計測する。蓄電装置40は、計測対象設備の一例であってもよい。計測装置90Bの詳細については後述する(
図3及び
図4を参照)。
【0021】
負荷機器50は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器50は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。負荷機器50は、100Vの電圧で動作する負荷機器を含んでもよく、200Vの電圧で動作する負荷機器を含んでもよい。
【0022】
ここで、負荷機器50と基幹電力線111とを接続する分岐電力線112上には、アタッチメント型計測装置90(以下、計測装置90C)が設けられてもよい。計測装置90Cは、負荷機器50の電力(ここでは、消費電力)を計測する。負荷機器50は、計測対象設備の一例であってもよい。計測装置90Cの詳細については後述する(
図3及び
図4を参照)。
【0023】
EMS60は、施設の電力を管理する管理装置の一例である。EMS60は、Energy Management Systemと称されてもよい。
【0024】
例えば、EMS60は、SM10と通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、所定周期(例えば、30分)でSM10の測定結果を示す情報要素を受信してもよい。SM10の測定結果は、施設100の潮流電力及び逆潮流電力の少なくともいずれか1つの積算値を含んでもよい。
【0025】
EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つと通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つの動作状態を制御するコマンドを送信してもよい。EMS60は、PCS31及びPCS41の少なくともいずれか1つの動作状態を示す情報要素を受信してもよい。
【0026】
EMS60は、計測装置90A~計測装置90Cの少なくともいずれか1つと通信を実行する機能を有していてもよい。EMS60は、計測装置90A~計測装置90Cの少なくともいずれか1つの計測結果を示す情報要素を受信してもよい。計測装置90Aの計測結果は、PCS31の出力電力の瞬時値を含んでもよく、PCS31の出力電力の積算値を含んでもよい。計測装置90Bの計測結果は、PCS41の出力電力(放電電力)の瞬時値を含んでもよく、PCS41の出力電力(放電電力)の積算値を含んでもよい。計測装置90Bの計測結果は、PCS41の入力電力(充電電力)の瞬時値を含んでもよく、PCS41の入力電力(充電電力)の積算値を含んでもよい。計測装置90Cの計測結果は、負荷機器50の消費電力の瞬時値を含んでもよく、負荷機器50の消費電力の積算値を含んでもよい。
【0027】
(PCS)
以下において、実施形態に係るPCS80について説明する。PCS80は、上述したPCS31であってもよく、上述したPCS41であってもよい。
【0028】
図2に示すように、PCS80は、入力端81(以下、IN81)と、DC/DCコンバータ82(以下、DC/DC82)と、DC/ACコンバータ83(DC/AC83)と、ACF84と、連系出力端85(以下、OUT85)と、自立出力端86(以下、OUT86)と、通信部87と、制御部88と、を有する。
【0029】
IN81は、PV32又はBT42と接続されるインタフェースである。IN81は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、IN81は出力端として機能してもよい。
【0030】
DC/DC82は、IN81から入力される直流電力(以下、DC電力)の電圧を変換する。IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、DC/DC82は、DC/AC83から入力されるDC電力の電圧を変換してもよい。
【0031】
DC/AC83は、DC/DCから入力されるDC電力を交流電力(以下、AC電力)に変換する。IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、DC/AC83は、ACF84から入力されるAC電力をDC電力に変換してもよい。このようなケースにおいて、DC/AC83は、インバータと称されてもよい。
【0032】
ACF84は、DC/AC83から入力されるAC電力からノイズを低減する交流フィルタである。
【0033】
OUT85は、上述した分岐電力線112に接続されるインタフェースである。OUT85は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、OUT85は出力端として機能してもよい。
【0034】
OUT86は、自立電力線に接続されるインタフェースである。OUT86は、端子台によって構成されてもよい。なお、IN81がBT42に接続されており、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、OUT86は出力端として機能してもよい。
【0035】
通信部87は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、IEEE1901a、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。例えば、通信部87は、計測装置90A(計測装置90B、計測装置90C)と通信を実行してもよく、SM10と通信を実行してもよく、EMS60と通信を実行してもよい。
【0036】
制御部88は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(integrated circuit)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路(integrated circuit(s))及び/又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。例えば、制御部88は、DC/DC82及びDC/AC83を制御することによって、PCS80の出力電力を制御する。
【0037】
(アタッチメント型計測装置)
以下において、実施形態に係るアタッチメント型計測装置90について説明する。アタッチメント型計測装置90(以下、計測装置90)は、上述した計測装置90Aであってもよく、上述した計測装置90Bであってもよく、上述した計測装置90Cであってもよい。計測装置90は、施設100内の電力線(分岐電力線112)の電圧を計測してもよく、施設100内の電力線(分岐電力線112)の電流を計測してもよい。
【0038】
図3に示すように、計測装置90は、コネクタ91Aと、コネクタ91Bと、規制機構92と、計測部93と、検出部94と、通信部95と、制御部96と、を有する。
【0039】
コネクタ91Aは、施設100の施設側コネクタに接続される第1コネクタの一例である。例えば、コネクタ91Aは、プラグによって構成されており、施設側コネクタは、ソケットによって構成されてもよい。
【0040】
コネクタ91Bは、計測対象設備(例えば、太陽電池装置30、蓄電装置40又は負荷機器50)の設備側コネクタに接続される第2コネクタの一例である。コネクタ91Bは、ソケットによって構成されており、設備側コネクタは、プラグによって構成されてもよい。例えば、コネクタ91Bには、PCS80のIN81に接続された設備側コネクタが接続されてもよい。
【0041】
規制機構92は、設備側コネクタがコネクタ91Bに第1態様で装着され、設備側コネクタ(コネクタ91B)の装着態様が第1態様から第2態様に変化した場合に、設備側コネクタの装着態様が第2態様から第1態様に変化する動作を規制する規制状態を維持する。規制状態の詳細については後述する(
図4を参照)。
【0042】
計測部93は、計測対象設備の電力を少なくとも計測する。計測部93は、計測対象設備の電流を計測してもよく、計測対象設備の電圧を計測してもよい。計測対象設備が蓄電装置40である場合には、蓄電装置40が充電動作を実行する場合には、蓄電装置40の入力電力を計測してもよい。計測部93は、蓄電装置40の入力電流を計測してもよく、蓄電装置40の入力電圧を計測してもよい。計測対象設備が負荷機器50である場合には、負荷機器50の消費電力を計測してもよい。計測部93は、負荷機器50の入力電流を計測してもよく、負荷機器50の入力電圧を計測してもよい。
【0043】
検出部94は、規制機構92の規制状態の解除を検出する。規制状態の解除は、設備側コネクタ(コネクタ91B)の装着態様が第2態様から第1態様に変化し得る状態となることであってもよい。
【0044】
通信部95は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、IEEE1901a、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0045】
ここで、通信部95は、SM10と通信を実行してもよく、EMS60と通信を実行してもよく、PCS80と通信を実行してもよい。例えば、通信部95は、計測部93の計測結果を示す情報要素を含むメッセージを送信する。通信部95は、メッセージを定期的に送信してもよく、要求に応じてメッセージを送信してもよい。計測部93の計測結果は、計測対象設備の電力の瞬時値を含んでもよく、計測対象設備の電力の積算値を含んでもよい。計測部93の計測結果は、太陽電池装置30の出力電力を含んでもよく、蓄電装置40の充電電力又は放電電力を含んでもよく、負荷機器50の消費電力を含んでもよい。
【0046】
制御部96は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0047】
ここで、制御部96は、少なくとも通信部95を制御する。制御部96は、規制状態が解除された場合に、計測部93の計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信を停止してもよい。例えば、制御部96は、通信部95に対する電力供給を停止してもよく、通信部95の通信機能を制限してもよい。制御部96は、規制状態の解除が検出部94によって検出された場合に、規制状態が解除されたと判定してもよい。
【0048】
或いは、制御部96は、規制状態が解除された場合に、計測部93の計測を停止してもよい。計測部93の計測の停止によって、計測部93の計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信が暗黙的に又は間接的に停止してもよい。制御部96は、規制状態が解除された場合に、計測装置90の動作全体を停止してもよい。計測装置90の動作全体の停止によって、計測部93の計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信が暗黙的に又は間接的に停止してもよい。
【0049】
さらに、制御部96は、規制状態が解除された場合に、規制状態の解除を通知するアラートを出力してもよい。アラートの出力形態は、計測装置90のスピーカからアラート音を出力する形態であってもよい。アラートの出力形態は、計測装置90の通信部95から特定装置にアラートメッセージを出力する形態であってもよい。特定装置は、EMS60であってもよく、施設100に関するユーザの端末であってもよく、施設100に関する電力事業者の端末であってもよい。
【0050】
(規制状態)
以下において、実施形態に係る規制状態について説明する。
【0051】
図4に示すように、コネクタ91Bは、第1態様及び第2態様を取り得るように構成される。第1態様は、設備側コネクタ(以下、コネクタ70)をコネクタ91Bに装着するための態様である。第2態様は、測定対象設備と計測装置90との間の通電を実行するための態様である。特に限定されるものではないが、第1態様と第2態様との変化は回動であってもよい。
【0052】
具体的には、コネクタ70がコネクタ91Bに第1態様で装着され、コネクタ70の装着態様が第1態様から第2態様に変化した場合に、測定対象設備と計測装置90との間の通電が実現される。すなわち、計測装置90は、コネクタ70の装着態様が第2態様である場合に、測定対象設備の電力を計測する。
【0053】
このような前提下において、規制機構92は、規制バー92Aと、固定具92Bと、を有していてもよい。規制バー92Aは、コネクタ70の装着態様が第2状態である場合に、コネクタ91B(コネクタ70)の変化(例えば、回動)を規制する部材である。固定具92Bは、計測装置90の筐体に規制バー92Aを固定する部材である。実施形態において、「規制」は、「阻害」と読み替えられてもよい。
【0054】
上述した検出部94は、固定具92Bと電気的に接続されており、固定具92Bの脱落が検出された場合に、規制状態の解除を検出してもよい。
【0055】
さらに、規制機構92は、規制状態の解除を検証する封印ラベル92Cを有していてもよい。封印ラベル92Cは、規制バー92Aの脱落に応じて破損するように構成される。封印ラベル92Cの破損によって、規制状態の解除を検証することができる。
【0056】
(制御方法)
以下において、実施形態に係る制御方法について説明する。ここでは、計測装置90の動作について主として説明する。
【0057】
図5に示すように、ステップS10において、計測装置90のコネクタ91Bにコネクタ70が第1態様で装着される。続いて、コネクタ70の装着態様が第1態様から第2態様に変化する。
【0058】
ステップS11において、コネクタ70の装着態様が第2態様から第1態様に変化する動作を規制する規制状態がセットされる。例えば、上述した規制バー92Aが固定具92Bによって計測装置90の筐体に固定される。例えば、固定具92Bは、検出部94と電気的に接続される。
【0059】
ステップS12において、計測装置90は、規制状態が解除されたか否かを判定する。計測装置90は、規制状態が解除されている場合には、ステップS15の処理を実行する。計測装置90は、規制状態が解除されていない場合には、ステップS13の処理を実行する。
【0060】
ステップS13において、計測装置90は、計測対象設備の電力を計測する。計測対象設備の電力は、太陽電池装置30の出力電力を含んでもよく、蓄電装置40の充電電力又は放電電力を含んでもよく、負荷機器50の消費電力を含んでもよい。
【0061】
ステップS14において、計測装置90は、計測結果を示す情報要素を含むメッセージを送信する。計測装置90は、SM10にメッセージを送信してもよく、EMS60にメッセージを送信してもよく、PCS80にメッセージを送信してもよい。
【0062】
ステップS15において、計測装置90は、メッセージの送信を停止する。計測装置90は、通信部95に対する電力供給を停止してもよく、通信部95の通信機能を制限してもよく、計測部93の計測を停止してもよい。
【0063】
ステップS16において、計測装置90は、規制状態が解除された場合に、規制状態の解除を通知するアラートを出力してもよい。アラートの出力形態は、アラート音を出力する形態であってもよく、アラートメッセージを出力する形態であってもよい。
【0064】
(作用及び効果)
実施形態では、計測装置90は、コネクタ70がコネクタ91Bに第1態様で装着され、コネクタ70の装着態様が第1態様から第2態様に変化した場合に、コネクタ70の装着態様が第2態様から第1態様に変化する動作を規制する規制状態を維持する。このような前提下において、計測装置90は、規制状態が解除された場合に、計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信及び計測部93の計測の少なくともいずれか1つを停止する。このような構成によれば、計測装置90の計測結果が所定価値の算出基準として用いられる利用シーンを想定した場合に、計測装置90に接続される計測対象設備を任意に変更しょうとして規制状態が解除された場合に、計測装置90の計測結果を利用することができなくなるため、計測装置90の計測結果の不正利用を適切に抑制することができる。
【0065】
所定価値は、電力系統への逆潮流(売電)によって生じる金銭的な価値を含んでもよく、二酸化炭素の排出量の削減によって生じる環境的な価値を含んでもよい。環境的な価値は、第三者機関によって証明される価値であってもよい。環境的な価値は、グリーン電力証書、J-クレジット等によって証明されてもよい。環境的な価値は、自然エネルギーを用いて施設100で発生する電力を施設100で消費する電力(自家消費電力)に対する価値を含んでもよい。
【0066】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0067】
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例1では、規制機構92は、物理的な鍵によって施錠されてもよい。
【0068】
規制機構92は、物理的な鍵によって直接的に施錠されてもよい。例えば、上述した規制バー92Aを動かすために、物理的な鍵を用いた解錠が必要とされてもよく、上述した固定具92Bを取り外すために、物理的な鍵を用いた解錠が必要とされてもよい。
【0069】
規制機構92は、物理的な鍵によって間接的に施錠されてもよい。例えば、計測装置90の筐体に取り付けられる保護カバーによって覆われており、保護カバーが物理的な鍵によって施錠されてもよい。
【0070】
上述した物理的な鍵は、施設100のユーザによって管理されずに、上述した所定価値を算出又は管理するオペレータによって管理されてもよい。オペレータは、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者であってもよい。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。リソースアグリゲータは、リソースアグリゲータによって管理される施設300の潮流電力(消費電力)の削減電力を生み出す電力事業者であってもよい。
【0071】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0072】
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例2では、規制機構92は、電子的な鍵によって施錠されてもよい。電子的な鍵は、予め定められたパスワードであってもよく、有効期間が定められたワンタイムパスワードであってもよい。電子的な鍵は、計測装置90に設けられるインタフェースに入力されてもよく、通信部95によって受信されてもよい。
【0073】
規制機構92は、電子的な鍵によって直接的に施錠されてもよい。例えば、上述した規制バー92Aを動かすために、電子的な鍵を用いた解錠が必要とされてもよく、上述した固定具92Bを取り外すために、電子的な鍵を用いた解錠が必要とされてもよい。
【0074】
規制機構92は、電子的な鍵によって間接的に施錠されてもよい。例えば、計測装置90の筐体に取り付けられる保護カバーによって覆われており、保護カバーが電子的な鍵によって施錠されてもよい。
【0075】
上述した電子的な鍵は、施設100のユーザによって管理されずに、上述した所定価値を算出又は管理するオペレータによって管理されてもよい。オペレータは、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者であってもよい。
【0076】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0077】
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例3では、計測対象設備と計測装置90との対応関係は登録されてもよい。計測対象設備と計測装置90との対応関係は、上述した所定価値を算出又は管理するオペレータによって管理されるサーバに登録されてもよい。オペレータは、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者であってもよい。登録は、規制機構92の規制状態がセットされる前に完了していてもよく、規制機構92の規制状態がセットされた後に完了していてもよい。登録は、メッセージの送信を開始する前に完了してもよい。
【0078】
例えば、計測対象設備が太陽電池装置30である場合に、太陽電池装置30と計測装置90との対応関係が予め登録され、太陽電池装置30の取り外しが規制機構92によって規制されるため、計測装置90によって計測される電力が太陽電池装置30の出力電力であることが担保される。
【0079】
同様に、計測対象設備が蓄電装置40である場合に、蓄電装置40と計測装置90との対応関係が予め登録され、蓄電装置40の取り外しが規制機構92によって規制されるため、計測装置90によって計測される電力が蓄電装置40の充電電力又は放電電力であることが担保される。
【0080】
同様に、計測対象設備が特定負荷機器(例えば、エアーコンディショナ)である場合に、特定負荷機器と計測装置90との対応関係が予め登録され、特定負荷機器の取り外しが規制機構92によって規制されるため、計測装置90によって計測される電力が特定負荷機器の消費電力であることが担保される。
【0081】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0082】
上述した開示では、測定対象設備として、太陽電池装置30、蓄電装置40及び負荷機器50を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。測定対象設備は、燃料電池装置を含んでもよく、風力発電装置を含んでもよく、水力発電装置を含んでもよく、地熱発電装置を含んでもよい。
【0083】
上述した開示では、規制機構92が規制バー92A及び固定具92Bを有するケースについて説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。規制機構92は、規制バー92A及び固定具92Bを有しておらず、コネクタ91Bに組み込まれた機構であってもよい。
【0084】
上述した開示では、コネクタ70がプラグであり、コネクタ91Bがソケットであるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。コネクタ70及びコネクタ91Bの形状は任意である。
【0085】
上述した開示では特に触れていないが、計測装置90は、規制機構92の規制状態が解除された場合に、規制状態の解除の事実を検証可能な態様で規制状態の解除の事実を記録してもよい。規制状態の解除の事実の記録は、マーカなどを用いたハードウェア的な記録であってもよく、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。上述した封印ラベル92Cはマーカの一例であると考えてもよい。
【0086】
上述した開示では特に触れていないが、計測装置90は、不適切なタイミングで計測対象設備が停止した場合に、計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信を停止してもよく、不適切なタイミングの停止を通知するアラートを出力してもよい。不適切なタイミングの停止は、通常停止以外の停止である。通常停止は、施設100の停電に伴う計測対象設備の停止、計測対象設備の異常に伴う計測対象設備の自立停止、EMS60の指示に伴う計測対象設備の停止などである。計測装置90は、不適切なタイミングの停止の事実を検証可能な態様で不適切なタイミングの停止の事実を記録してもよい。不適切なタイミングの停止の事実の記録は、マーカなどを用いたハードウェア的な記録であってもよく、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0087】
上述した開示では特に触れていないが、計測装置90は、制御部96のプログラムが書き換えられた場合に、計測結果を示す情報要素を含むメッセージの送信を停止してもよく、制御部96のプログラムの書き換えを通知するアラートを出力してもよい。計測装置90は、プログラムの書き換えの事実を検証可能な態様でプログラムの書き換えの事実を記録してもよい。プログラムの書き換えの事実の記録は、メモリなどへのソフトウェア的な記録であってもよい。
【0088】
上述した開示では特に触れていないが、計測装置90は、第三者機関によって認証された装置であってもよい。
【0089】
上述した開示では特に触れていないが、EMS60が有する機能の少なくとも一部は、ネットワーク上に配置されるサーバによって実行されてもよい。言い換えると、EMS60は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
上述した開示では特に触れていないが、電力とは、瞬時電力(kW)であってもよく、一定期間(例えば、30分)の積算電力量(kWh)であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…SM、20…分電盤、21…ブレーカ、30…太陽電池装置、31…PCS、32…PV、40…蓄電装置、41…PCS、42…BT、50…負荷機器、60…EMS、70…コネクタ、80…PCS、81…IN、82…DC/DC、83…DC/AC、84…ACF、85…OUT、86…OUT、87…通信部、88…制御部、90…アタッチメント型計測装置、91A,91B…コネクタ、92…規制機構、92A…規制バー、92B…固定具、92C…封印ラベル、93…計測部、94…検出部、95…通信部、96…制御部