(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014248
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】パーテーション材
(51)【国際特許分類】
A47B 96/04 20060101AFI20220112BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220112BHJP
A47G 5/00 20060101ALI20220112BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20220112BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A47B96/04 B
E04B2/74 561H
A47G5/00 G
A47B13/00 Z
A47B17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116475
(22)【出願日】2020-07-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 :東京商工会議所イベント第2回「会員企業と学校法人との就職情報交換会」 開催場所:大田区産業プラザ(PiO)大展示ホール(東京都大田区南蒲田1-20-20) 開催日 :令和2年7月1日
(71)【出願人】
【識別番号】598110219
【氏名又は名称】株式会社アクシス
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 伸之
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NQ09
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】 本発明は、近傍にいる人から飛散する飛沫を遮断するために設置するパーテーションであり、設置及び運搬が簡便なパーテーションを提供する。
【解決手段】
単一の透光性樹脂シートからの薄肉成形体で、大面積の間仕切り面部と、その基部側に屈曲可能な連結面部を介して連なる、該連結面部とは逆向きに屈曲可能な台座面部とを備え、前記連結面部は、その正面側に雄型又は雌型の連結嵌合部を有し、前記台座面部は、その正面側に該連結嵌合部と嵌合可能でかつその嵌合により該間仕切り面部を起立する姿勢に保持する雌型又は雄型の台座嵌合部を有するパーテーション材。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の透光性樹脂シートからの薄肉成形体で、
大面積の間仕切り面部と、
その基部側に屈曲可能な連結面部を介して連なる、該連結面部とは逆向きに屈曲可能な台座面部とを備え、
前記連結面部は、その正面側に雄型又は雌型の連結嵌合部を有し、
前記台座面部は、その正面側に該連結嵌合部と嵌合可能でかつその嵌合により該間仕切り面部を起立する姿勢に保持する雌型又は雄型の台座嵌合部を有するパーテーション材。
【請求項2】
前記間仕切り面部を有するパネル部は、少なくとも左右の周縁より側方に連なる、隣のパーテーション材と隙間なく突き合わせるための鍔部をさらに有する、請求項1に記載のパーテーション材。
【請求項3】
前記パーテーション材は、間仕切り面部の左右周縁に、その正面側又は背面側に延びる側面部を備えている、請求項1又は請求項2に記載のパーテーション材。
【請求項4】
前記パーテーション材は、所要の箇所に、リブ加工が施されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のパーテーション材。
【請求項5】
前記パーテーション材は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質塩化ビニル又はポリスチレンからなる、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のパーテーション材。
【請求項6】
前記台座面部を有する台座は、設置する面との接触面側に固定面部を有するとともに、該固定面部に粘着シートを取り付けた、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のパーテーション材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願請求項に係る発明(本発明)は、オフィス、会議室又は面接会場等で机に座り仕事や会話をする際又は飲食店のカウンター、食堂又は休憩室のテーブルで飲食をする際に対面者から飛散する飛沫や呼気を遮断するパーテーション材に関する。
【背景技術】
【0002】
卓上、机上に設置する卓上パーテーションは固定式の場合が多く、移動可能な卓上パーテーションについては卓上パーテーション自体が重くかつ自立のための支持具が突出し複数を運搬するには手間がかかることが多い。自社外で行われる面接、会議、展示会又はテレワークのコワーキングスペースにパーテーションを持ち込む際には軽量で複数でもかさばらず、可能であれば使い捨てのパーテーションが利便性がよい。
【0003】
このような卓上パーテーションとして、例えば特許文献1には、デスクトップパーテーションと題する文献がある。該文献は、縦型の基部であるパーテーションと保形枠、取り付け部及び自立足部で構成され、保形枠はパーテーションの形状を保持するためとともに取り付け部に取り付けられ、自立手段としての自立足部と、デスク上への固定手段を有する考案が示されている。しかし、本考案も平面のパーテーションに対し、自立足部がパーテーションの前面・背面に突出し、複数を運搬するのには手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固定式パーテーション及び特許文献1に開示されている卓上パーテーションは、移動に向いておらず複数を移動させるには手間がかかる。このようなパーテーションは、対面する他人の飛沫や呼気を遮断する目的に設置するものではなく、移動は考慮されていない。しかし、ウィルスによる感染防止が日常となった現状においては、対面や近傍における他人の飛沫及び呼気を遮断することを常に考慮しなければならない事項となっている。
このため、運搬の点から複数でもかさばらず軽量であり付属部品がなく、設置の点から工具を使用せず簡単に組立てられて据え付けができ、できれば安価で使い捨てが可能なパーテーションの開発が要望されている。
【0006】
本発明は上述の課題を達成するためになされたものであって、会議室や面接会場において対面者及び近接者から飛散される飛沫を遮断するために設置される複数のパーテーションを容易に運搬、設置可能で、できれば安価なパーテーション材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明に係るパーテーション材は、
1.単一の透光性樹脂シートからの薄肉成形体で、大面積の間仕切り面部と、その基部側に屈曲可能な連結面部を介して連なる、該連結面部とは逆向きに屈曲可能な台座面部とを備え、前記連結面部は、その正面側に雄型又は雌型の連結嵌合部を有し、前記台座面部は、その正面側に該連結嵌合部と嵌合可能でかつその嵌合により該間仕切り面部を起立する姿勢に保持する雌型又は雄型の台座嵌合部を有するパーテーション材、
2. 前記間仕切り面部を有するパネル部は、少なくとも左右の周縁より側方に連なる、
隣のパーテーション材と隙間なく突き合わせるための鍔部をさらに有する、1に記載のパーテーション材、
3.前記パーテーション材は、間仕切り面部の左右周縁に、その正面側又は背面側に延びる側面部を備えている、請求項1又は請求項2に記載のパーテーション材、1又は2に記載のパーテーション材、
4. 前記パーテーション材は、所要の箇所に、リブ加工が施されている、1乃至3のいずれか一に記載のパーテーション材、
5. 前記パーテーション材は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質塩化ビニル又はポリスチレンからなる、1乃至4のいずれか一項に記載のパーテーション材、
6.前記台座面部を有する台座は、設置する面との接触面側に固定面部を有するとともに、
該固定面部に粘着シートを取り付けた、1乃至5のいずれか一に記載のパーテーション材、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パーテーション材は、組み立てることにより自立でき、対面者の咳、くしゃみ及び会話時に飛散する飛沫を遮断するという効果を奏する。
また、本発明によれば1枚のプラスチックシートで構成され付属部品がなく工具を使わなくてもパーテーション材を簡単に組み立てられ設置が容易であり、軽量で複数を重ねてもかさばらず運搬が容易であるという効果を奏する。
また、本発明によればパネル部の左右の周縁より側方に鍔部が備えられており、パーテーション材を横に並べて置く際に隣のパーテーション材との間に隙間ができず、対向者から飛散する飛沫をより有効に遮断できるという効果を奏する。 また、本発明によればパーテーション材の間仕切り面部の両側面に側面部を設けることにより、咳、くしゃみにより生じる側方へ流れる気流を遮断するとともに間仕切り面部の強度が増し、自立した際及び複数枚を重ねた際における折れ曲がり、変形を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明によればパーテーション材の所要の箇所にリブ加工を施すことによりプラスチックシートに強度を与え、折れ曲がり、たわみ、変形を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明におけるパーテーション材は、ポリプロピレン製、ポリエチレンテレフタレート製、硬質塩化ビニル製又はポリスチレン製にすると、使用後にアルコール及び消毒液等で繰り返し洗浄が可能であるだけなく、製品を安価に設定できるので、使用後にそのまま焼却する使い捨て製品とすることもでるという効果を奏する。
また、本発明によればパーテーション材の固定面部に粘着シートを取り付けた場合、自立した際に設置面との接着力が増え、倒れにくくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)はパーテーション材の正面図である。
図1(b)はパーテーション材の側面図である。
図1(c)はパーテーション材の底面図である。
【
図3】
図3(a)は他の実施例のパーテーション材の正面図である。
図1(b)は他の実施例のパーテーション材の側面図である。
図1(c)は他の実施例のパーテーション材の底面図である。
【
図5】本発明のパーテーション材及び従来からあるパーテーション材の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のパーテーション材の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし本発明の技術的範囲は、各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
本発明のパーテーション材は、全体を示すパーテーション材1とその各部分であるパネル部2及び台座3で構成される(
図1)。
【0011】
本発明のパーテーション材1の材料として用いられるプラスチックシートは、透光性で強度があり軽い材質であればよく、従来から知られているプラスチックシートを使用することができる。そのようなプラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル又はポリカーボネートからなるプラスチックシートを使用することができる。この中でもポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質塩化ビニル又はポリスチレンからなるプラスチックシートを使用することが好ましい。
【0012】
本発明のパーテーション材1の厚みは、0.2mm乃至4mm程度が好ましい。厚みが0.2mm未満であると、使用するに当たり十分な強度を確保できず、折れ、変形又は破損の可能性があり、厚みが4mmより厚いと1枚当たりの質量が増し、複数枚運搬する際に不便だからである。
【0013】
本発明のパーテーション材1の大きさは、対向者から飛散される飛沫を遮断する必要があるため高さは、男性の大人が椅子に座った場合の額から卓上面までの長さ程度であり、幅は一般の大人の座席の幅程度である。しかし、パーテーション材1は複数枚横に並べて使用できるので、運搬しやすい幅に設定してもよい。
パーテーション材1の形状は、運搬者を含め怪我をする危険を避けるため、各角は丸みをつけることが好ましい(
図1)。
【0014】
本発明のパーテーション材1は
図1に示すように、単一の透光性樹脂シートからの薄肉成形体で、大面積の間仕切り面部21とその基部側に、間仕切り面部21と連結面部22とが屈曲して連なり、該連結面部とは逆向きに屈曲可能な台座面部31、32とを備え、前記連結面部22は、その正面側に雄型又は雌型の連結嵌合部24を有し、前記台座面部31,32は、その正面側に該連結嵌合部24と嵌合可能でかつその嵌合により該間仕切り面部21を起立する姿勢に保持する雌型又は雄型の台座嵌合部34を有するパーテーション材からなる。(
図1)
なお、
図1は間仕切り面部21と連結面部22との角度が固定された例を示したが、所要により間仕切り面部21の角度を調節したい場合がある。この場合にそなえ間仕切り面部21と連結面部との角度については屈曲可能とすることもできる。ただし、この場合は別途角度固定用の補助金具が必要となる。
【0015】
パーテーション材1にはリブ加工が施されている、例えば前記間仕切り面部21の上端部及び両側端部の近傍に突起部25を備えている。突起部分の断面は、略台形、略四角、半円、略台形及び略四角の上辺に丸みがある形状が考えられ、薄いプラスチックシートに強度を増すことができればどの形状でもよい。また、同様なリブ加工として、側面部23、連結面部22及び後方の台座面部31にも施されている。(
図1)
【0016】
パーテーション材1は、間仕切り面部21の両側面に間仕切り面部21の側端部と連結面部22の側端部に連結する側面部23を有する。
またパーテーション材1の台座3の台座面部31,32は後方の台座面部31と前方の台座面部32があり、後方の台座面部31の両側面に後方の台座面部31の側端部と前方の台座面部32の側端部に連結する台座の側面33を有する。(
図1)
【0017】
パーテーション材1の組立について、
図1、2及び4で説明する。
図1の折り曲げ部4を谷折り略直角に屈曲させ、雄型の連結嵌合部24と雌型の台座嵌合部34を軽く押し合うと
図2A部分でのB-B‘断面図である
図4に示すとおり連結嵌合部24と台座嵌合部34が嵌合し、
図2に示す組み立て後の状態となる。パーテーション材1の設置は
図2に示すように組み立て後、台座3が卓上に接するように置くだけである。間仕切り面部21は、起立し、パーテーション材1は自立する。(
図2)
【0018】
前記パーテーション材1の台座3は、一箇所以上の前記台座嵌合部34を有し、台座嵌合部34ではない台座3の一部分に卓上面と平面で接する固定面部35を備えている。固定面部35は卓上面と平面で接しているので、卓上面と接している固定面部35に両面テープ等を貼ることにより、卓上面と強力に接着することができる。また、両面テープより接着力が弱い、粘着シート又は吸着シートを固定面部35に粘着させることができる。場所を少しだけ移動させる場合や、何度も使用することが可能であり、卓上だけでなく、壁面に設置することもできる。
固定面部35の上部はある程度の空間があるので、卓天板が鉄等の金属である場合には、永久磁石を置くことにより両面テープで卓上面と強力に接着することと同等の効果を得ることができる。
【0019】
本発明の変形例を示す。間仕切り面部21の左右周縁より側方に連なる鍔部26を備えることができる(
図3)。パーテーション材1を複数横に並べた場合、この鍔部26によりパーテーション材1の間の隙間がなくなる。また、鍔部26の下辺部分に切りかけ部27を備えれば、鍔部26の重なり部分が多くなり、クリップで固定することもできる。
パーテーション材1は横幅を長くするとともに嵌合部の数を増やすことが可能である。
間仕切り面部21は、平面と限定されず局面、円弧の面とすることができる。
また、
図1(b)のx及びyの長さを長くすることにより、パーテーション材1の自立安定性を増加させることができる。具体的には、xの長さを長くするために、
図1(b)のα°を大きくする。また、yの長さを長くするためには、
図1(b)のβ°を大きくし、γ°を小さくする。
【0020】
本発明のパーテーション材1の使用例を示す。パーテーション材1は横に並べて使用することができ、横に並べたあとにT字方向にも自由に設置することができる。
また、本発明のパーテーション材1は台座3の左右に固定面部35があるので、
図5のように卓天板からはみだして設置することもできる。
図5右側に示す従来のパーテーションは支持具があるため、卓天板からはみだす部分は小さいが、パーテーション材1は幅の略1/2の長さを卓天板からはみだして使用することができる。横に座る側面者から飛散する飛沫から自身の側面を保護することが可能である。
【0021】
本発明のパーテーション材1は薄手のプラスチックでありかつ安価であるため使い捨てが可能である。特に面接会場、展示会場、出張先、臨時で設置する会議室・作業場、テレワークのコワーキングスペース等で使用した後は簡単に廃却できるほうが簡便である。
パーテーション材1の折り曲げ部4はミシン目が付いているため簡単にパネル部2と台座3を切り離しできる。また、パネル部2は、はさみ及びカッターで簡単に切断できるため、かさばらずに廃却可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 : パーテーション材
2 : パネル部
21: 間仕切り面部
22: 連結面部
23: 側面部
24: 連結嵌合部
25: 突起部
26: 鍔部
27: 切りかけ部
3 : 台座
31: 後方の台座面部
32: 前方の台座面部
33: 台座の側面
34: 台座嵌合部
35: 固定面部
4 : 折り曲げ部