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特開2022-142498半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142498
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11575 20170101AFI20220922BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220922BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20220922BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20220922BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L21/90 A
H01L21/02 B
H01L21/90 B
H01L27/11582
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042688
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 元鼎
(72)【発明者】
【氏名】新居 雅人
(72)【発明者】
【氏名】小田 穣
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH11
5F033JJ08
5F033JJ11
5F033KK08
5F033KK11
5F033MM02
5F033MM10
5F033MM13
5F033NN05
5F033NN07
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ13
5F033QQ19
5F033QQ25
5F033QQ35
5F033QQ48
5F033QQ49
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR22
5F033SS04
5F033VV07
5F033VV16
5F033XX08
5F033XX28
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA32
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083MA06
5F083MA16
5F083ZA29
5F101BA45
5F101BB02
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】電気的特性の向上を図ることができる半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法を提供することである。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、第1基板と、第2基板と、第1積層体と、第2積層体とを持つ。前記第1積層体は、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、第1配線と、前記第1配線に接続された第1パッドと、第1絶縁体とを含む。前記第2積層体は、前記第1積層体と前記第2基板との間に設けられ、第2配線と、前記第2配線に接続された第2パッドと、第2絶縁体とを含む。前記第1パッドは、それぞれ前記第1配線に接続された複数の第1電極部を含む。前記複数の第1電極部の間には、前記第1絶縁体が設けられている。前記複数の第1電極部は、前記第2パッドに接合されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板の厚さ方向である第1方向で前記第1基板から離れた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、第1配線と、前記第1配線に接続された第1パッドと、第1絶縁体とを含む第1積層体と、
前記第1積層体と前記第2基板との間に設けられ、第2配線と、前記第2配線に接続された第2パッドと、第2絶縁体とを含む第2積層体と、
を備え、
前記第1パッドは、前記第1方向とは交差した第2方向で互いに離れそれぞれ前記第1配線に接続された複数の第1電極部を含み、
前記複数の第1電極部の間には、前記第1絶縁体が設けられ、
前記複数の第1電極部は、前記第2パッドに接合されている、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第2パッドは、前記第2方向または前記第1方向および前記第2方向とは交差した第3方向で互いに離れそれぞれ前記第2配線に接続された複数の第2電極部を含み、
前記複数の第2電極部の間には、前記第2絶縁体が設けられ、
前記複数の第2電極部は、前記複数の第1電極部に接合されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1方向から見て、前記複数の第1電極部のうち前記第1パッドの中央部に対して最外部に位置した複数の電極部の縁に沿って前記複数の第1電極部を一体に囲む領域をパッド領域と定義する場合、前記パッド領域における前記複数の第1電極部の面積の合計は、前記パッド領域における前記第1絶縁体の面積よりも小さい、
請求項1または請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記複数の第1電極部の各々は、前記第2パッドに接合される電極本体と、前記電極本体と前記第1配線との間に位置して前記電極本体と前記第1配線とを接続し、前記第2方向の幅が前記電極本体よりも小さい接続部とを含む、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第1電極部は、前記第2方向で離れた複数の電極部と、前記第1方向および前記第2方向とは異なる第3方向で離れた複数の電極部とを含む、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記複数の第1電極部は、前記第2方向で離れた複数の電極部を含み、
前記複数の電極部の各々は、前記第1方向および前記第2方向とは異なる第3方向に直線状に延びている、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記複数の第1電極部は、同心状の環状である複数の電極部を含む、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記複数の第1電極部は、第1態様で離れた複数の電極部を含み、
前記複数の第2電極部は、前記第1態様とは異なる第2態様で離れた複数の電極部を含む、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
第1基板上に、第1配線と、前記第1配線に接続された第1パッドと、第1絶縁体とを含む第1積層体を形成し、前記第1パッドは、前記第1基板の厚さ方向である第1方向とは交差した第2方向で互いに離れそれぞれ前記第1配線に接続された複数の第1電極部を含み、前記複数の第1電極部の間には前記第1絶縁体が設けられており、
第2基板上に、第2配線と、前記第2配線に接続された第2パッドと、第2絶縁体とを含む第2積層体を形成し、
前記第1パッドと前記第2パッドとを向かい合わせにして前記第1積層体と前記第2積層体とを貼り合わせ、前記複数の第1電極部と前記第2パッドとを接合する、
半導体記憶装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1積層体を形成することは、
前記第1配線上に前記第1絶縁体を設け、
前記第1絶縁体上に保護層を設け、
前記第1絶縁体および前記保護層に複数の穴を形成し、
前記複数の穴を埋める導電部を形成し、前記保護層をストップレイヤーとして化学機械研磨を行うことで、前記導電部から前記複数の第1電極部を形成し、
前記保護層を除去することで、前記複数の第1電極部の端部を前記第1絶縁体から突出させる、
ことを含み、
前記第1積層体と前記第2積層体とを貼り合わせることは、
前記複数の第1電極部の端部が前記第1絶縁体から突出した状態で、前記複数の第1電極部を前記第2パッドに当接させることを含む、
請求項9に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のウェハ同士を貼り合わせることで製造される半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-49270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、電気的特性の向上を図ることができる半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、第1基板と、第2基板と、第1積層体と、第2積層体とを持つ。前記第2基板は、前記第1基板の厚さ方向である第1方向で前記第1基板から離れている。前記第1積層体は、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、第1配線と、前記第1配線に接続された第1パッドと、第1絶縁体とを含む。前記第2積層体は、前記第1積層体と前記第2基板との間に設けられ、第2配線と、前記第2配線に接続された第2パッドと、第2絶縁体とを含む。前記第1パッドは、前記第1方向とは交差した第2方向で互いに離れそれぞれ前記第1配線に接続された複数の第1電極部を含む。前記複数の第1電極部の間には、前記第1絶縁体が設けられている。前記複数の第1電極部は、前記第2パッドに接合されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図2】実施形態のメモリセルアレイのメモリピラーの近傍を示す断面図。
図3】実施形態の複数の接合パッドを示す断面図。
図4】実施形態の接合パッドを示す図。
図5】実施形態の第1積層体と第2積層体との貼り合わせ時における第1積層体の電極部および第2積層体の電極部の状態を示す断面図。
図6】実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図7】実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図8】実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図9】実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図10】実施形態の変形例の半導体記憶装置を示す断面図。
図11図10に示されたF11線により囲まれた領域を拡大して示す断面図。
図12】実施形態の第1実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図13】実施形態の第2実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図14】実施形態の第3実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図15】実施形態の第4実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図16】実施形態の第5実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図17】実施形態の第6実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図18】実施形態の第7実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図19】実施形態の第8実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
図20】実施形態の第9実施例の複数の電極部の形状を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の半導体記憶装置を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を持つ構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「接続」とは、物理的に接続される場合に限定されず、電気的に接続される場合も含む。すなわち、「接続」とは、直接に接する場合に限定されず、別の部材が介在する場合も含む。「環状」とは、円環状に限定されず、矩形状の環状も含む。「平行」、「直交」、「同一」とは、それぞれ「略平行」、「略直交」、「略同一」の場合も含む。
【0008】
先に、X方向、Y方向、+Z方向、および-Z方向について定義する。X方向およびY方向は、後述する第1基板10(図1参照)の表面10aに沿う方向である。Y方向は、X方向とは交差する(例えば直交する)方向である。+Z方向および-Z方向は、X方向およびY方向とは交差する(例えば直交する)方向であり、第1基板10の厚さ方向である。+Z方向は、第1基板10から第2基板60(図1参照)に向かう方向である。-Z方向は、+Z方向とは反対方向である。+Z方向と-Z方向とを区別しない場合は、単に「Z方向」と称する。以下の説明では、「+Z方向」を「上」、「-Z方向」を「下」と称する場合がある。ただしこれら表現は、便宜上のものであり、重力方向を規定するものではない。Z方向は、「第1方向」の一例である。X方向およびY方向のうちいずれか一方は、「第2方向」の一例である。X方向およびY方向のうちいずれか他方は、「第3方向」の一例である。
【0009】
(実施形態)
<1.半導体記憶装置の全体構成>
まず、実施形態の半導体記憶装置1の全体構成について説明する。半導体記憶装置1は、不揮発性の半導体記憶装置であり、例えばNAND型フラッシュメモリである。
【0010】
図1は、半導体記憶装置1の構成を示す断面図である。半導体記憶装置1は、例えば、回路チップ2とアレイチップ3とが貼合面Sで貼り合わされた3次元メモリである。回路チップ2は、「第1チップ」の一例である。アレイチップ3は、「第2チップ」の一例である。回路チップ2は、アレイチップ3の動作を制御する制御回路(論理回路)を含む。以下、このような半導体記憶装置1について詳しく説明する。
【0011】
半導体記憶装置1は、例えば、第1基板10、積層体20、第2基板60、および絶縁層72,73を備えている。
【0012】
第1基板10は、回路チップ2に含まれる基板である。第1基板10は、例えば、シリコン基板である。第1基板10は、積層体20が積層される表面10aを有する。第1基板10には、積層体20に含まれるトランジスタ31(後述)のソース領域およびドレイン領域が設けられている。
【0013】
積層体20は、Z方向で、第1基板10と第2基板60との間に位置する。積層体20は、第1積層体30と、第2積層体40とを含む。第1積層体30は、第1基板10上に設けられている。第1積層体30は、Z方向で、第1基板10と第2積層体40との間に位置する。本実施形態では、第1基板10と第1積層体30とにより、回路チップ2が構成されている。第1積層体30は、複数のトランジスタ31(図1では1つのみ図示)、複数のコンタクトプラグ32、複数の配線33、複数のパッド34、および第1絶縁体35を含む。
【0014】
トランジスタ31は、第1基板10上に設けられている。トランジスタ31は、コンタクトプラグ32に接続されている。トランジスタ31は、積層体20に含まれるコンタクトプラグ32,42、配線33,43、およびパッド34,44を介して、メモリセルアレイ41または外部接続パッド71と電気的に接続されている。トランジスタ31は、例えばメモリセルアレイ41を制御する。
【0015】
コンタクトプラグ32、配線33、およびパッド34は、複数のトランジスタ31と第2積層体40とを電気的に接続する。コンタクトプラグ32、配線33、およびパッド34は、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のような導電材料により形成されている。コンタクトプラグ32は、Z方向に延びており、第1積層体30内の異なる層間を電気的に接続する配線である。配線33は、X方向またはY方向に延びた配線である。
【0016】
パッド34は、第1積層体30に設けられた接続用の電極である。パッド34は、第1積層体30の内部に設けられた内部パッドと、第1積層体30の表面(貼合面S)に露出した接合パッド38とを含む。接合パッド38は、「第1パッド」の一例である。複数の配線33のなかで接合パッド38に接続された配線37は、「第1配線」の一例である。接合パッド38については、詳しく後述する。
【0017】
第1絶縁体35は、複数のコンタクトプラグ32、複数の配線33、および複数のパッド34の間に設けられ、これら要素を互いに電気的に絶縁している。第1絶縁体35は、例えば、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)、シリコン酸化物(SiO)、またはシリコン窒化物(SiN)などにより形成されている。
【0018】
第2積層体40は、第1積層体30上に設けられている。第2積層体40は、Z方向で、第1積層体30と第2基板60との間に位置する。本実施形態では、第2基板60と、第2積層体40とにより、アレイチップ3が構成されている。第2積層体40は、メモリセルアレイ41、複数のコンタクトプラグ42、複数の配線43、複数のパッド44、および第2絶縁体45を含む。
【0019】
メモリセルアレイ41は、第2基板60の下方に設けられている。メモリセルアレイ41は、製造時に第2基板60上に積層される(図8参照)。メモリセルアレイ41は、複数の導電層51と、複数のメモリピラーPとを有する。複数の導電層51および複数のメモリピラーPの各々は、コンタクトプラグ42に接続されている。
【0020】
複数の導電層51は、例えば、タングステン(W)または不純物がドープされたポリシリコン(Poly-Si)により形成されている。複数の導電層51は、第2絶縁体45に含まれる層間絶縁膜45b(図2参照)を間に挟んでZ方向に積層されている。複数の導電層51のうち第1積層体30側(-Z方向側)の1つまたは2つの導電層51は、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する。複数の導電層51のうち第2基板60側(+Z方向側)の1つまたは2つの導電層51は、ソース側選択ゲート線SGSとして機能する。複数の導電層51のうちドレイン側選択ゲート線SGDとソース側選択ゲート線SGSとの間に位置した残りの導電層51は、複数のワード線WLとして機能する。
【0021】
複数のメモリピラーPは、Z方向に延びており、ドレイン側選択ゲート線SGD、複数のワード線WL、およびソース側選択ゲート線SGSを貫通している。複数のワード線WLと複数のメモリピラーPとの交差部分の各々には、メモリセルMCが形成されている。これにより、複数のメモリセルMCは、X方向、Y方向、およびZ方向に間隔を空けて3次元状に配置されている。メモリセルMCについては、詳しく後述する。
【0022】
コンタクトプラグ42、配線43、およびパッド44は、メモリセルアレイ41または後述する外部接続パッド71と第1積層体30とを電気的に接続する。コンタクトプラグ42、配線43、およびパッド44は、銅またはアルミニウムのような導電材料により形成されている。コンタクトプラグ42は、Z方向に延びており、第2積層体40内の異なる層間を電気的に繋ぐ配線である。配線43は、X方向またはY方向に延びた配線である。
【0023】
パッド44は、第2積層体40に設けられた接続用の電極である。パッド44は、第2積層体40の内部に設けられた内部パッドと、第2積層体40の表面(貼合面S)に露出した接合パッド48とを含む。第1積層体30と第2積層体40とが積層された状態では、第2積層体40の接合パッド48は、第1積層体30の接合パッド38上に設けられ、第1積層体30の接合パッド38と接合されている。接合パッド48は、「第2パッド」の一例である。複数の配線43のなかで接合パッド48に接続された配線47は、「第2配線」の一例である。接合パッド48については、詳しく後述する。
【0024】
第2絶縁体45は、複数のコンタクトプラグ42、複数の配線43、および複数のパッド44の間に設けられ、これら要素を互いに電気的に絶縁している。第2絶縁体45は、例えば、TEOS、シリコン酸化物、またはシリコン窒化物などにより形成されている。
【0025】
第2基板60は、第2積層体40の上方に設けられている。第2基板60は、Z方向で、第1基板10から離れて位置する。第2基板60は、アレイチップ3に含まれる基板である。第2基板60は、例えば、シリコン基板である。第2基板60には、メモリセルアレイ41のソースラインとして機能する導電領域が設けられている。第2基板60は、メモリセルアレイ41に面する第1面60aと、第1面60aとは反対側に位置した第2面60bとを有する。第2面60bには、外部接続パッド71が設けられている。外部接続パッド71は、不図示の外部接続端子(例えば半田ボール)が設けられ、当該外部接続端子を介して半導体記憶装置1の外部と電気的に接続される。
【0026】
絶縁層72は、第2基板60上に設けられている。絶縁層73は、絶縁層72上に設けられている。絶縁層72,73は、積層体20を保護するパッシベーション膜である。絶縁層72は、例えばシリコン酸化膜である。絶縁層73は、例えばポリイミド膜である。
【0027】
図2は、メモリセルアレイ41のメモリピラーPの近傍を示す断面図である。図2に示すように、複数のワード線WLは、層間絶縁膜45bを間に挟んでZ方向に積層されている。複数のワード線WLは、X方向に延びている。メモリセルアレイ41は、メモリピラーPが設けられるメモリホールMHを有する。メモリピラーPは、メモリホールMHの内部をZ方向に延びており、複数のワード線WLを貫通している。
【0028】
メモリピラーPは、Z方向から見た場合、例えば円状または楕円状である。メモリピラーPは、内側から順に、コア絶縁体52、半導体ボディ53、およびメモリ膜54を有する。
【0029】
コア絶縁体52は、Z方向に延びた柱状体である。コア絶縁体52は、例えばシリコン酸化物を含む。コア絶縁体52は、半導体ボディ53の内側にある。
【0030】
半導体ボディ53は、Z方向に延びており、チャネルとして機能する。半導体ボディ53は、第2基板60のソースラインとして機能する導電領域に接続されている。半導体ボディ53は、コア絶縁体52の外周面を覆う。半導体ボディ53は、例えばシリコンを含む。シリコンは、例えばアモルファスシリコンを結晶化させたポリシリコンである。
【0031】
メモリ膜54は、Z方向に延びている。メモリ膜54は、半導体ボディ53の外周面を覆う。メモリ膜54は、メモリホールMHの内面と半導体ボディ53の外側面との間に位置する。メモリ膜54は、例えば、トンネル絶縁膜55と、電荷蓄積膜56とを含む。
【0032】
トンネル絶縁膜55は、電荷蓄積膜56と半導体ボディ53との間に位置する。トンネル絶縁膜55は、例えば、シリコン酸化物、またはシリコン酸化物とシリコン窒化物とを含む。トンネル絶縁膜55は、半導体ボディ53と電荷蓄積膜56との間の電位障壁である。
【0033】
電荷蓄積膜56は、ワード線WLおよび層間絶縁膜45bの各々とトンネル絶縁膜55との間に設けられている。電荷蓄積膜56は、例えばシリコン窒化物を含む。電荷蓄積膜56とワード線WLとの交差部分は、メモリセルMCとして機能する。メモリセルMCは、電荷蓄積膜56とワード線WLとの交差部分(電荷蓄積部)内の電荷の有無、又は、蓄積された電荷量によって、データを保持する。電荷蓄積部は、ワード線WLと半導体ボディ53との間にあり、周りを絶縁材料で囲まれている。
【0034】
ワード線WLと層間絶縁膜45bとの間、及び、ワード線WLとメモリ膜54との間には、ブロック絶縁膜57およびバリア膜58が設けられてもよい。ブロック絶縁膜57は、バックトンネリングを抑制する絶縁膜である。バックトンネリングは、ワード線WLからメモリ膜54への電荷が戻る現象である。ブロック絶縁膜57は、例えば、シリコン酸化膜、金属酸化物膜、または複数の絶縁膜が積層された積層構造膜である。金属酸化物の一例は、アルミニウム酸化物である。バリア膜58は、例えば、窒化チタン膜、または窒化チタンとチタンとの積層構造膜である。
【0035】
層間絶縁膜45bと電荷蓄積膜56との間にはカバー絶縁膜59が設けられてもよい。カバー絶縁膜59は、例えばシリコン酸化物を含む。カバー絶縁膜59は、加工時に電荷蓄積膜56をエッチングから保護する。カバー絶縁膜59は、無くてもよいし、導電層51と電荷蓄積膜56との間に一部残して、ブロック絶縁膜として用いられてもよい。
【0036】
<2.接合パッドの構成>
次に、接合パッド38,48の構成について説明する。
図3は、複数の接合パッド38,48を示す断面図である。図3に示すように、第1積層体30の配線37は、互いに電気的に独立した配線37A,37B,37Cを含む。X方向およびY方向において、配線37A,37B,37Cの間には、第1絶縁体35が設けられている。これにより、配線37A,37B,37Cは、互いに電気的に絶縁されている。配線37A,37B,37Cは、互いに異なる電位になり得る。以下では、配線37A,37B,37Cを互いに区別しない場合は、「配線37」と称する。
【0037】
第1積層体30の接合パッド38は、配線37Aに接続された接合パッド38Bと、配線37Bに接続された接合パッド38Bと、配線37Cに接続された接合パッド38Cとを含む。X方向およびY方向において、接合パッド38A,38B,38Cの間には、第1絶縁体35が設けられている。接合パッド38A,38B,38Cは、互いに異なる電位になり得る。以下では、接合パッド38A,38B,38Cを互いに区別しない場合は、「接合パッド38」と称する。
【0038】
本実施形態では、接合パッド38A,38B,38Cの各々は、X方向とY方向とのうち少なくとも一方で互いに離れた複数の電極部81を有する。ここで説明する一例では、接合パッド38A,38B,38Cの各々は、X方向およびY方向のそれぞれで互いに離れた複数の電極部81を有する(図4参照)。X方向およびY方向において、複数の電極部81の間には、第1絶縁体35が設けられている。言い換えると、Z方向で見た場合、貼合面Sにおいて複数の電極部81の間には、第1絶縁体35が設けられている。電極部81は、「第1電極部」の一例である。
【0039】
複数の電極部81は、互いに独立して、それぞれ配線37に接続されている。すなわち、同じ接合パッド38に含まれる複数の電極部81は、同じ配線37に接続されている。同じ接合パッド38に含まれる複数の電極部81は、同一の電位になる。図3に示す例では、接合パッド38Aに含まれる複数の電極部81は、配線37Aに接続されている。接合パッド38Bに含まれる複数の電極部81は、配線37Bに接続されている。接合パッド38Cに含まれる複数の電極部81は、配線37Cに接続されている。
【0040】
同様に、第2積層体40の配線47は、互いに電気的に独立した配線47A,47B,47Cを含む。X方向およびY方向において、配線47A,47B,47Cの間には、第2絶縁体45が設けられている。これにより、配線47A,47B,47Cは、互いに電気的に絶縁されている。配線47A,47B,47Cは、互いに異なる電位になり得る。以下では、配線47A,47B,47Cを互いに区別しない場合は、「配線47」と称する。
【0041】
第2積層体40の接合パッド48は、配線47Aに接続された接合パッド48Aと、配線47Bに接続された接合パッド48Bと、配線47Cに接続された接合パッド48Cとを含む。X方向およびY方向において、接合パッド48A,48B,48Cの間には、第2絶縁体45が設けられている。接合パッド48A,48B,48Cは、互いに異なる電位になり得る。以下では、接合パッド48A,48B,48Cを互いに区別しない場合は、「接合パッド48」と称する。
【0042】
本実施形態では、接合パッド48A,48B,48Cの各々は、第1積層体30の接合パッド38A,38B,38Cと同様に、X方向とY方向とのうち少なくとも一方で互いに離れた複数の電極部82を有する。ここで説明する一例では、接合パッド48A,48B,48Cの各々は、X方向およびY方向のそれぞれで互いに離れた複数の電極部82を有する。X方向およびY方向において、複数の電極部82の間には、第2絶縁体45が設けられている。言い換えると、Z方向で見た場合、貼合面Sにおいて複数の電極部82の間には、第2絶縁体45が設けられている。電極部82は、「第2電極部」の一例である。
【0043】
複数の電極部82は、互いに独立して、それぞれ配線47に接続されている。すなわち、同じ接合パッド48に含まれる複数の電極部82は、同じ配線47に接続されている。同じ接合パッド48に含まれる複数の電極部82は、同一の電位になる。図3に示す例では、接合パッド48Aに含まれる複数の電極部82は、配線47Aに接続されている。接合パッド48Bに含まれる複数の電極部82は、配線47Bに接続されている。接合パッド48Cに含まれる複数の電極部82は、配線47Cに接続されている。
【0044】
第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82とは、貼合面Sで互いに接合される。これにより、第1積層体30の接合パッド38と、第2積層体40の接合パッド48とが互いに接合される。図3に示す例では、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82は、互いに同じ態様で設けられている。「態様が同じ」とは、複数の電極部81,82の形状が同じであることを意味する。この場合、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82とは、1対1の対応関係で互いに接合される。
【0045】
本実施形態では、第1積層体30の接合パッド38Aの複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48Aの複数の電極部82とが互いに接合されることで、配線37Aと配線47Aとが電気的に接続される。同様に、第1積層体30の接合パッド38Bの複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48Bの複数の電極部82とが互いに接合されることで、配線37Bと配線47Bとが電気的に接続される。第1積層体30の接合パッド38Cの複数の電極部81と、第2積層体40の接合パッド48Cの複数の電極部82とが互いに接合されることで、配線37Cと配線47Cとが電気的に接続される。
【0046】
本実施形態では、接合パッド38A,38B,38C,48A,48B,48Cは、互いに同一の形状を有する。このため以下では、第1積層体30の1つの接合パッド38について詳しく説明する。第2積層体40の接合パッド48も以下に説明する構造と同一の構造を有する。
【0047】
図4は、接合パッド38を示す図である。図4は、第1積層体30と第2積層体40とが貼り合わされる前の状態の接合パッド38を示す。本実施形態では、複数の電極部81は、例えば、X方向およびY方向に分かれた3×3のマトリクス状に配置された9つの電極部81を含む。すなわち、複数の電極部81は、X方向で互いに離れ、等間隔で配置された複数の電極部81を含む。同様に、複数の電極部81は、Y方向で互いに離れ、等間隔で配置された複数の電極部81を含む。ただし、電極部81の数および配置は、上記例に限定されない。
【0048】
電極部81は、例えば、X方向およびY方向に沿う四角形状である。図4に示す例では、X方向における電極部81の幅W1と、X方向において隣り合う2つの電極部81の間の距離L1は、同一である。同様に、Y方向における電極部81の幅W2と、Y方向において隣り合う2つの電極部81の間の距離L2は、同一である。隣り合う2つの電極部81の間の距離L1,L2は、隣り合う2つの接合パッド38の間の距離L3(図3参照)よりも小さい。
【0049】
Z方向から見て、1つの接合パッド38に含まれる複数の電極部81のうち接合パッド38の中央部に対して最外部に位置した複数の電極部81Aの縁に沿って複数の電極部81を一体に囲む仮想線ILの内側領域を「パッド領域R」と定義する場合、パッド領域Rにおける複数の電極部81の面積の合計は、パッド領域Rにおける第1絶縁体35の面積よりも小さい。言い換えると、複数の電極部81は、比較的大きなピッチで互いに離れて配置されている。
【0050】
本実施形態では、各電極部81は、電極本体91と、接続部92とを有する。電極本体91は、貼合面S(図3参照)に露出し、第2積層体40の接合パッド48に接合されている。接続部92は、電極本体91と配線37との間に位置し、電極本体91と配線37とを接続する。接続部92は、電極本体91と比べて細い。例えば、X方向における接続部92の幅W4は、X方向における電極本体91の幅W3よりも小さい。同様に、Y方向における接続部92の幅は、Y方向における電極本体91の幅よりも小さい。各電極部81の電極本体91は、対応する接続部92を介して配線37に接続されている。
【0051】
別の観点では、各電極部81は、導電部本体95と、バリアメタル層96とを有する。導電部本体95は、各電極部81の主部を形成している。バリアメタル層96は、X方向およびY方向において、導電部本体95と第1絶縁体35との間に設けられている。バリアメタル層96は、導電部本体95に含まれる導電材料(例えば銅またはアルミニウム)が第1絶縁体35に拡散されることを抑制する金属層である。導電部本体95およびバリアメタル層96の各々は、電極本体91および接続部92の両方に設けられている。
【0052】
図4に示すように、各電極部81の端部Eは、第1積層体30と第2積層体40とが貼り合わされる前の状態において、第1絶縁体35の+Z方向側の表面35aに対して、+Z方向に突出している。各電極部81の端部Eは、-Z方向に椀状に窪んだ凹部RSを有する。
【0053】
以上、第1積層体30の接合パッド38について説明した。第2積層体40の接合パッド48は、上記説明において、「接合パッド38」を「接合パッド48」と読み替え、「配線37」を「配線47」と読み替え、「+Z方向」を「-Z方向」と読み替え、「-Z方向」を「+Z方向」と読み替えればよい。
【0054】
図5は、第1積層体30と第2積層体40との貼り合わせ時における第1積層体30の電極部81および第2積層体40の電極部82の状態を示す断面図である。本実施形態では、第1積層体30と第2積層体40とを貼り合わせる際に、第1積層体30および第2積層体40が加熱されるとともに、第2積層体40が第1積層体30に向けて押圧される。すなわち、第1積層体30の電極部81と第2積層体40の電極部82とが互いに当接した状態で、第2積層体40が第1積層体30に向けて押圧される。
【0055】
これにより、第1積層体30の電極部81および第2積層体40の電極部82がそれぞれ変形する。すなわち、第1積層体30の電極部81は、第1絶縁体35の表面35aから突出しない状態に変形する。さらに、第1積層体30の電極部81の端部Eの凹部RSは、埋められて無くなる(または小さくなる)。同様に、第2積層体40の電極部82は、第2絶縁体45の表面45aから突出しない状態に変形する。さらに、第2積層体40の電極部82の端部の凹部RSは、埋められて無くなる(または小さくなる)。
【0056】
<3.半導体記憶装置の製造方法>
次に、半導体記憶装置1の製造方法について説明する。
図6から図9は、半導体記憶装置1の製造方法を示す断面図である。
【0057】
図6は、回路チップ2の製造段階を示す。回路チップ2は、回路ウェハCWの一部として製造される。回路ウェハCWは、複数の回路チップ2を含む。回路ウェハCWは、第1基板10上に、第1積層体30を形成することで得られる。第1積層体30は、トランジスタ31、コンタクトプラグ32、配線33、パッド34、および第1絶縁体35を含む。これらは、階層ごとに形成される。回路ウェハCWは、これらの各層の成膜、フォトリソグラフィーなどによる加工を繰り返すことで形成される。接合パッド38以外の成膜方法および加工方法は、公知の方法を用いることができる。回路ウェハCWの第1基板10とは反対側の貼合面S1には、複数の接合パッド38が露出する。これにより、回路ウェハCWが完成する。
【0058】
ここで、接合パッド38の形成方法を詳しく説明する。
図7は、接合パッド38の製造段階の詳細を示す。まず、図7中の(a)に示すように、配線37上に第1絶縁体35の一部が設けられる。配線37上に設けられる第1絶縁体35は、例えばシリコン酸化物(SiO)により形成される。
【0059】
次に、第1絶縁体35上に保護層101が設けられる。保護層101は、第1絶縁体35とは異なる材料で形成される。保護層101は、例えばシリコン窒化物(SiN)により形成される。保護層101の厚さT1は、例えば、化学機械研磨のディッシングによる凹部RSの窪み量K(図7中の(c)参照)よりも大きくなるように設定される。例えば、保護層101の厚さT1(例えばZ方向の厚さ)は、バリアメタル層96の厚さT2(例えばX方向の厚さ)よりも大きい。
【0060】
次に、図7中の(b)に示すように、写真食刻工程(Photo Engraving Process:PEP)によりレジストパターンを形成し、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)により保護層101および第1絶縁体35をエッチングする。これにより、複数の電極部81が後工程で設けられる位置に複数の穴102が形成される。
【0061】
次に、図7中の(c)に示すように、穴102の内面にバリアメタル層96の元になる導電層103aを形成する。その後、穴102の内部に導電材料(例えば銅またはアルミニウムのような金属材料)を埋め込むことで導電部本体95の元になる導電部103bが形成される。これにより、穴102を埋める導電部103が形成される。導電部103は、複数の電極部81の元となる導電部である。
【0062】
次に、保護層101をストップレイヤーとして化学機械研磨(Chemical Mechanical. Polisher:CMP)により導電部103の平坦化が行われる。CMPは、例えば、保護層101の表面を検知することで研磨を終了させるエンドポイントモードにより行われる。これにより、導電部103から複数の電極部81が形成される。このとき、各電極部81の上端部の表面には、ディッシング(Dishing)による凹部RSが形成される。
【0063】
次に、図7中の(d)に示すように、保護層101が除去される。保護層101がシリコン窒化物である場合、保護層101の除去は、例えばリン酸を用いることで行われる。これにより、第1絶縁体35の表面35aが露出する。第1絶縁体35の表面35aは、アレイチップ3に貼り合わされる貼合面S1を形成する。各電極部81の上端部である端部Eは、第1絶縁体35の表面35a(貼合面S1)から上方に突出している。これにより、接合パッド38が完成する。
【0064】
図8は、アレイチップ3の製造段階を示す。アレイチップ3は、アレイウェハAWの一部として製造される。アレイウェハAWは、複数のアレイチップ3を含む。図8に示すアレイウェハAWは、回路ウェハCWと貼り合わせる前の状態であり、図1に示すアレイチップ3に対して上下反転している。
【0065】
アレイウェハAWは、第2基板60上に、第2積層体40を形成することで得られる。第2積層体40は、メモリセルアレイ41、コンタクトプラグ42、配線43、パッド44、および第2絶縁体45を含む。これらは、階層ごとに形成される。アレイウェハAWは、これらの各層の成膜、フォトリソグラフィーなどによる加工を繰り返すことで形成される。接合パッド48以外の成膜方法および加工方法は、公知の方法を用いることができる。アレイウェハAWの第2基板60とは反対側の貼合面S2には、複数の接合パッド48が露出する。接合パッド48の形成方法は、例えば、図7を参照して説明した接合パッド38の形成方法と同一である。これにより、回路ウェハCWが完成する。
【0066】
図9は、回路ウェハCWとアレイウェハAWとの貼り合わせ段階を示す。具体的には、回路ウェハCWおよびアレイウェハAWを加熱するとともに、回路ウェハCWの貼合面S1とアレイウェハAWの貼合面S2とを向かい合わせにして(すなわち、第1積層体30の接合パッド38と第2積層体40の接合パッド48とを向か合わせにして)、機械的圧力により回路ウェハCWとアレイウェハAWとを貼り合わせる。これにより第1絶縁体35と第2絶縁体45とが接着される。
【0067】
このとき、図5を参照して上述したように、回路ウェハCWの接合パッド38とアレイウェハAWの接合パッド48は、接合パッド38の電極部81の端部Eが第1絶縁体35の表面35aから突出し、且つ、接合パッド48の電極部82の端部Eが第2絶縁体45の表面45aから突出した状態で、互いに当接する。そして、機械的圧力により、互いに当接した接合パッド38の電極部81および接合パッド48の電極部82が変形し、前工程でディッシングにより電極部81,82に形成された凹部RSが埋められて無くなる(または小さくなる)。
【0068】
次に、アレイウェハAWおよび回路ウェハCWが400℃でアニールされる。これにより接合パッド38の電極部81と接合パッド48の電極部82とが接合される。これにより、回路ウェハCWとアレイウェハAWとが貼り合わされた貼合体111が形成される。
【0069】
次に、第2基板60が薄型化される。第2基板60の薄型化は、例えばCMPにより行われる。次に、公知の方法により、第2基板60に対して外部接続パッド71および絶縁層72,73が設けられる。そして、不図示のダイシングラインに沿って貼合体111が切断される。これにより、貼合体111が複数のチップ(半導体記憶装置1)に分断される。これにより、半導体記憶装置1が得られる。
【0070】
<4.利点>
比較のため、接合パッドが比較的大きな1つの電極部により構成された場合について考える。このような比較例の構成では、CMPまたは別の理由により接合パッドの端部に大きなディッシングが生じると、貼り合わされる2つの接合パッドの間に空間が残る場合がある。この場合、2つの接合パッドの接合面にボイド(Void)が形成されることになる。この場合、接合パッドの電気抵抗が高くなる。
【0071】
さらに、このボイドは、室温によるストレスマイグレーションによって、接合パッドと配線との接続部に移動する(凝集する)場合がある。この場合、接合パッドと配線との間が断線状態になる可能性がある。一方で、2つの接合パッドをより確実に接合するため熱膨張を大きくするようにアニール温度を上昇させると、バリアメタル層に含まれる金属が絶縁体の内部に拡散し、バリアメタル層によるバリア性が低下する可能性がある。
【0072】
一方で、本実施形態では、接合パッド38は、X方向で互いに離れそれぞれ配線37に接続された複数の電極部81を含む。複数の電極部81の間には、第1絶縁体35が設けられている。このような構成によれば、接合パッド38が複数の小さな電極部81に分かれているため、各電極部81で大きなディッシングが生じにくく、凹部RSの窪み量Kが小さくなる。このため、貼り合わされる2つの接合パッド38,48の間に空間が残りにくくなり、2つの接合パッドの接合面にボイドが生じにくくなる。その結果、接合パッド38,48の電気抵抗が高くなりにくい。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0073】
また本実施形態では、複数の電極部81は、互いに独立して、それぞれ配線37に接続されている。このような構成によれば、接合パッド38に作用する応力を複数の電極部81で分散させることができる。これにより、ストレスマイグレーションによる断線の確率を減少させることができる。
【0074】
本実施形態では、半導体記憶装置1の製造時において、第1絶縁体35上に保護層101を設けられる。その後、保護層101をストップレイヤーとして化学機械研磨を行うことで複数の電極部81が形成される。その後、保護層101が除去される。これにより、複数の電極部81の端部Eを第1絶縁体35から突出する。そして、複数の電極部81の端部Eが第1絶縁体35から突出した状態で、接合パッド38の複数の電極部81が接合パッド48に当接させられる。このような構成によれば、電極部81の端部Eが第1絶縁体35から突出した状態で2つの接合パッド38,48が接合されるため、第1絶縁体35から突出した電極部81の端部Eによって、ディッシングにより形成された凹部RSが埋められる。このため、貼り合わされる2つの接合パッド38,48の間に空間が残りにくくなり、2つの接合パッド38,48の接合面にボイドが生じにくくなる。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0075】
さらに、保護層101をストップレイヤーとして化学機械研磨が行われる場合、保護層101が設けられていない場合と比べて、第1絶縁体35の表面35aに対して高い位置にディッシングによる凹部RSが形成される。すなわち、ディッシングが形成される界面が底上げされた状態で複数の電極部81が形成される。このため、第1絶縁体35の表面35aを基準として見た場合、電極部81に大きなディッシングが生じにくく、凹部RSの窪み量Kが小さくなる。このような理由によっても、貼り合わされる2つの接合パッド38,48の間に空間が残りにくくなり、2つの接合パッド38,48の接合面にボイドが生じにくくなる。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0076】
本実施形態では、Z方向から見て、複数の電極部81のうち接合パッド38の中央部に対して最外部に位置した複数の電極部81Aの縁に沿って複数の電極部81を一体に囲む領域をパッド領域Rと定義する場合、パッド領域Rにおける複数の電極部81の面積の合計は、パッド領域Rにおける第1絶縁体35の面積よりも小さい。このような構成によれば、接合パッド38が複数のより小さな電極部81に分かれているため、各電極部81で大きなディッシングがさらに生じにくくなる。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0077】
本実施形態では、複数の電極部81は、X方向で離れた複数の電極部81と、Y方向で離れた複数の電極部81とを含む。このような構成によれば、接合パッド38が複数の方向で小さな電極部81に分かれているため、各電極部81で大きなディッシングがさらに生じにくくなる。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0078】
本実施形態では、複数の電極部81の各々は、電極本体91と、電極本体91と配線37との間に位置した接続部92とを有する。X方向における接続部92の幅W4は、X方向における電極本体91の幅W3よりも小さい。このような構成によれば、接続部92が細くなっていることでストレスマイグレーションによる断線が生じやすい構成であっても、複数の電極部81が互いに独立してそれぞれ配線37に接続されているため、ストレスマイグレーションによる断線の確率を減少させることができる。
【0079】
<5.変形例>
以下、変形例について説明する。本変形例において以下に説明する以外の構成は、上述した実施形態の構成と同一である。
【0080】
図10は、変形例の半導体記憶装置1を示す断面図である。図11は、図10に示されたF11線により囲まれた領域を拡大して示す断面図である。本変形例では、X方向における第1積層体30の接合パッド38の各電極部81の幅W1Aは、X方向における第2積層体40の接合パッド48の隣り合う2つの電極部82の間に距離L1Bよりも大きい。同様に、X方向における第2積層体40の接合パッド48の各電極部82の幅W1Bは、X方向における第1積層体30の接合パッド38の隣り合う2つの電極部81の間に距離L1Aよりも大きい。これは、Y方向に関しても同様である。
【0081】
本変形例では、第1積層体30の接合パッド38に対して第2積層体40の接合パッド48が位置ずれした場合でも、接合パッド38の電極部81の一部と接合パッド48の電極部82の一部とがZ方向で確実に向き合い、接合パッド38の電極部81と接合パッド48の電極部82とが確実に接続される。これにより、半導体記憶装置1の電気的特性の向上を図ることができる。
【0082】
<6.実施例>
以下、接合パッド38,48の電極部81,82の形状に関するいくつかの実施例を説明する。以下では、第1積層体30の接合パッド38の電極部81の形状を代表して説明する。第2積層体40の接合パッド48の電極部82の形状も同様である。なお、電極部81,82の形状は、以下で説明する実施例の内容に限定されない。
【0083】
<6.1 第1実施例>
図12は、第1実施例の複数の電極部81の形状を示す断面図である。第1実施例では、複数の電極部81は、X方向およびY方向でそれぞれ離れたマトリクス状に配置されている。図12に示す例では、8×8の64個の電極部81が設けられている。
【0084】
<6.2 第2実施例>
図13は、第2実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第2実施例では、接合パッド38は、枠部121と、複数の第1直線部122と、複数の第2直線部123とを含む。複数の第1直線部122および複数の第2直線部123は、枠部121の内側に設けられている。複数の第1直線部122は、X方向に互いに離れ、それぞれY方向に延びている。X方向において複数の第1直線部122の間には、第1絶縁体35が設けられている。一方で、複数の第2直線部123は、Y方向に互いに離れ、それぞれX方向に延びている。Y方向において複数の第2直線部123の間には、第1絶縁体35が設けられている。複数の第1直線部122と複数の第2直線部123は互いに交差している。
【0085】
本実施例では、複数の第1直線部122により、X方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。同様に、複数の第2直線部123により、Y方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。本明細書で「互いに離れ」とは、第1実施例のように完全に独立している場合に限定されず、別部分(例えば枠部121)を介して互いに接続されている場合も含む。
【0086】
第2実施例では、第1直線部122は、当該第1直線部122の延伸方向(Y方向)において、複数の第2直線部123のうち少なくとも2つ以上の第2直線部123に亘る(跨る)長さを有する。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にY方向の位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されることができる。同様に、第2直線部123は、当該第2直線部123の延伸方向(X方向)において、複数の第1直線部122のうち少なくとも2つ以上の第1直線部122に亘る(跨る)長さを有する。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にX方向の位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されることができる。
【0087】
<6.3 第3実施例>
図14は、第3実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第3実施例では、接合パッド38は、複数の直線部131を含む。複数の直線部131は、Y方向に互いに離れ、それぞれX方向に延びている。Y方向において複数の直線部131の間には、第1絶縁体35が設けられている。本実施例では、複数の直線部131により、Y方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にX方向の位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されやすい。
【0088】
<6.4 第4実施例>
図15は、第4実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第3実施例では、接合パッド38は、複数の直線部141を含む。複数の直線部141は、X方向に互いに離れ、それぞれY方向に延びている。X方向において複数の直線部141の間には、第1絶縁体35が設けられている。本実施例では、複数の直線部141により、X方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にY方向の位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されやすい。
【0089】
<6.5 第5実施例>
図16は、第5実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第5実施例では、接合パッド38は、枠部151と、複数の直線部152を含む。複数の直線部152は、枠部151の内側に設けられている。複数の直線部152は、Y方向に互いに離れ、それぞれX方向に延びている。Y方向において複数の直線部152の間には、第1絶縁体35が設けられている。本実施例では、複数の直線部152により、Y方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。
【0090】
<6.6 第6実施例>
図17は、第6実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第6実施例では、接合パッド38は、枠部161と、複数の直線部162を含む。複数の直線部162は、枠部161の内側に設けられている。複数の直線部162は、X方向に互いに離れ、それぞれY方向に延びている。X方向において複数の直線部162の間には、第1絶縁体35が設けられている。本実施例では、複数の直線部162により、X方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。
【0091】
<6.7 第7実施例>
図18は、第7実施例の複数の電極部81の形状を断面図である。第7実施例では、接合パッド38は、複数の枠部171を含む。複数の枠部171は、互いに大きさが異なる相似形の環状であり、同心状に配置されている。X方向およびY方向において、複数の枠部171の間には、第1絶縁体35が設けられている。本実施例では、複数の枠部171によって、それぞれ環状の複数の電極部81が形成されている。別の観点でみると、複数の枠部171に含まれるY方向に沿う線状部171aにより、X方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。同様に、複数の枠部171に含まれるX方向に沿う線状部171bにより、Y方向に互いに離れた複数の電極部81が形成されている。接合パッド38がY方向に延びた部分とX方向に延びた部分の両方を含むと、接合パッド38と接合パッド48との間にX方向およびY方向のいずれの方向の位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されやすい。
【0092】
<6.8 第8実施例>
図19は、第8実施例の複数の電極部81,82の形状を断面図である。図19中の(a)は、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81を示す。図19中の(b)は、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82を示す。
【0093】
本実施例では、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81は、第1態様で設けられている。本実施例の第1態様は、例えば、第3実施例(図14)と同一の態様である。一方で、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82は、上記第1態様とは異なる第2態様で設けられている。「態様が異なる」とは、複数の電極部81,82の形状が異なることを意味する。本実施例の第2態様は、例えば、第4実施例(図15)と同一の態様である。
【0094】
図19中の(c)は、接合パッド38の複数の電極部81と、接合パッド48の複数の電極部82とが重ねられた(貼り合わされた)状態を示す。図19に示す例では、接合パッド38の複数の電極部81が互いに離れる方向(Y方向)と、接合パッド48の複数の電極部82が互いに離れる方向(X方向)とが異なる。
【0095】
接合パッド38の各電極部81の少なくとも一部は、接合パッド48の複数の電極部82が互いに離れる方向(X方向)において、2つ以上の電極部82に亘る(跨る)直線状に延びている。一方で、接合パッド48の各電極部82の少なくとも一部は、接合パッド38の複数の電極部81が互いに離れる方向(Y方向)において、2つ以上の電極部81に亘る(跨る)直線状に延びている。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にX方向およびY方向のいずれの方向で位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続される。
【0096】
<6.9 第9実施例>
図20は、第9実施例の複数の電極部81,82の形状を断面図である。図20中の(a)は、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81を示す。図20中の(b)は、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82を示す。
【0097】
本実施例では、第1積層体30の接合パッド38の複数の電極部81は、第1態様で設けられている。本実施例の第1態様は、例えば、第1実施例(図12)と同一の態様である。一方で、第2積層体40の接合パッド48の複数の電極部82は、上記第1態様とは異なる第2態様で設けられている。本実施例の第2態様は、例えば、第7実施例(図18)と同一の態様である。
【0098】
図20中の(c)は、接合パッド38の複数の電極部81と、接合パッド48の複数の電極部82とが重ねられた(貼り合わされた)状態を示す。図20に示す例では、接合パッド38の複数の電極部81は、X方向およびY方向に互いに離れている。一方で、接合パッド48の各電極部82の少なくとも一部(例えば線状部171b)は、接合パッド38の複数の電極部81が互いに離れる方向(X方向)において、2つ以上の電極部81に亘る(跨る)直線状に延びている。接合パッド48の各電極部82の少なくとも一部(例えば線状部171a)は、接合パッド38の複数の電極部81が互いに離れる方向(Y方向)において、2つ以上の電極部81に亘る(跨る)直線状に延びている。このような構成によれば、接合パッド38と接合パッド48との間にX方向およびY方向のいずれの方向で位置ずれが生じた場合でも、接合パッド38と接合パッド48とはより確実に接続されることができる。
【0099】
以上、実施形態、変形例、およびいくつかの実施例について説明した。ただし、実施形態や変形例、実施例は、上述した例に限定されない。例えば、上記第1から第7の実施例のうち任意の1つの実施例の接合パッド38の電極部81と、上記第1から第7の実施例のうち任意の別の1つの実施例の接合パッド48の電極部82とが接合されてもよい。上述した全ての説明において、接合パッド38および接合パッド48の形状は逆でもよい。上述した実施形態では、接合パッド38が複数の電極部81に分かれるとともに、接合パッド48が複数の電極部82に分かれている。これに代えて、接合パッド38が複数の電極部81に分かれるとともに、接合パッド48が1つの大きなパッドであってもよいし、接合パッド48が複数の電極部82に分かれるとともに、接合パッド38が1つの大きなパッドであってもよい。
【0100】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、半導体記憶装置は、第1積層体と、第2積層体とを持つ。第1積層体は、第1配線と、第1配線に接続された第1パッドと、第1絶縁体とを含む。第2積層体は、第2配線と、第2配線に接続された第2パッドと、第2絶縁体とを含む。第1パッドは、互いに離れそれぞれ第1配線に接続された複数の第1電極部を含む。複数の第1電極部の間には、第1絶縁体が設けられている。複数の第1電極部は、第2パッドに接合されている。このような構成によれば、電気的特性の向上を図ることができる半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法を提供することである。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1…半導体記憶装置、10…第1基板、30…第1積層体、35…第1絶縁体、37…配線(第1配線)、38…接合パッド(第1パッド)、40…第2積層体、45…第2絶縁体、47…配線(第2配線)、48…接合パッド(第2パッド)、81…電極部(第1電極部)、82…電極部(第2電極部)、101…保護層、R…パッド領域。
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