IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

特開2022-142514無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法
<>
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図1
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図2
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図3
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図4
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図5
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図6
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図7
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図8
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図9
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図10
  • 特開-無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142514
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220922BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042710
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 聖
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA03
5H301BB02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG14
5H301GG17
5H301KK02
5H301KK03
5H301KK08
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】走行路の造成に要するコストが抑制され、無人車両が走行路を適正に走行できること。
【解決手段】無人車両の管理システムは、作業現場の走行路に走行エリアを定義する走行エリア定義部と、無人車両の幅を示す車幅と走行エリアの幅を示す走路幅とに基づいて、走行エリアに無人車両が進入可能か否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場の走行路に走行エリアを定義する走行エリア定義部と、
無人車両の幅を示す車幅と前記走行エリアの幅を示す走路幅とに基づいて、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能か否かを判定する判定部と、を備える、
無人車両の管理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記車幅が前記走路幅よりも狭いと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項3】
第1走行速度で走行する前記無人車両の車幅方向における位置ずれ量を取得する走行制御誤差取得部を備え、
前記判定部は、前記第1走行速度で走行する前記無人車両が前記走行エリアから逸脱しないと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項1又は請求項2に記載の無人車両の管理システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記第1走行速度で走行する前記無人車両が前記走行エリアから逸脱しても前記第1走行速度よりも低い第2走行速度で走行したときに前記走行エリアから逸脱しないと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項5】
前記走行エリア定義部により定義される走行エリアは、第1走路幅の第1走行エリアと、前記第1走路幅よりも狭い第2走路幅の第2走行エリアと、を含み、
前記無人車両は、第1車幅の第1無人車両と、前記第1車幅よりも狭い第2車幅の第2無人車両と、を含み、
前記第1無人車両が前記第1走行エリアに進入し前記第2走行エリアに進入しないように前記第1無人車両を誘導し、前記第2無人車両が前記第1走行エリア及び前記第2走行エリアのそれぞれに進入するように前記第2無人車両を誘導する誘導部を備える、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無人車両の管理システム。
【請求項6】
前記第1無人車両は、無人運搬車両であり、
前記第2無人車両は、無人散水車両である、
請求項5に記載の無人車両の管理システム。
【請求項7】
無人車両の幅を示す車幅と作業現場の走行路に定義された走行エリアの幅を示す走路幅とに基づいて、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能か否かを判定することと、
前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定した場合、前記走行エリアに進入するように前記無人車両を制御することと、
前記走行エリアに前記無人車両が進入可能でないと判定した場合、前記走行エリアに進入しないように前記無人車両を制御することと、を含む、
無人車両の管理方法。
【請求項8】
前記車幅が前記走路幅よりも狭いと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項7に記載の無人車両の管理方法。
【請求項9】
第1走行速度で走行する前記無人車両の車幅方向における位置ずれ量に基づいて、前記第1走行速度で走行する前記無人車両が前記走行エリアから逸脱しないと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項7又は請求項8に記載の無人車両の管理方法。
【請求項10】
前記第1走行速度で走行する前記無人車両が前記走行エリアから逸脱しても前記第1走行速度よりも低い第2走行速度で走行したときに前記走行エリアから逸脱しないと判定した場合、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能であると判定する、
請求項9に記載の無人車両の管理方法。
【請求項11】
走行エリアは、第1走路幅の第1走行エリアと、前記第1走路幅よりも狭い第2走路幅の第2走行エリアと、を含み、
前記無人車両は、第1車幅の第1無人車両と、前記第1車幅よりも狭い第2車幅の第2無人車両と、を含み、
前記第1無人車両が前記第1走行エリアに進入し前記第2走行エリアに進入しないように前記第1無人車両を誘導することと、
前記第2無人車両が前記第1走行エリア及び前記第2走行エリアのそれぞれに進入するように前記第2無人車両を誘導することと、を含む、
請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の無人車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、鉱山のような広域の作業現場において無人車両が走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-210378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場において走行路が造成される。無人車両は、走行路を走行する。例えば不必要に路幅が広い走行路が造成された場合、走行路の造成に要するコストを抑制することが困難になる。
【0005】
本開示は、走行路の造成に要するコストが抑制され、無人車両が走行路を適正に走行できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業現場の走行路に走行エリアを定義する走行エリア定義部と、無人車両の幅を示す車幅と前記走行エリアの幅を示す走路幅とに基づいて、前記走行エリアに前記無人車両が進入可能か否かを判定する判定部と、を備える、無人車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、走行路の造成に要するコストが抑制され、無人車両は走行路を適正に走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る無人運搬車両を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る無人散水車両を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図5図5は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示す機能ブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る第1走行エリアを説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る第2走行エリアを説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る走行エリアの定義方法を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る走行路に定義された走行コースを示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係る走行路に定義された第1走行エリア及び第2走行エリアを示す模式図である。
図11図11は、実施形態に係る無人車両の走行可否判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る無人車両の管理システム1を示す模式図である。管理システム1は、作業現場で稼働する無人車両を管理する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。実施形態において、作業現場で稼働する無人車両は、第1無人車両10と第2無人車両20とを含む。第1無人車両10の外形の寸法と第2無人車両20の外形の寸法とは、異なる。第2無人車両20の外形の寸法は、第1無人車両10の外形の寸法よりも、小さい。
【0011】
実施形態において、第1無人車両10は、無人運搬車両である。第2無人車両20は、無人散水車両である。以下の説明において、第1無人車両10を適宜、無人運搬車両10、と称し、第2無人車両20を適宜、無人散水車両20、と称する。
【0012】
無人運搬車両10は、無人で作業現場を走行して積荷を運搬する。無人運搬車両10として、無人ダンプトラックが例示される。無人運搬車両10に運搬される積荷として、作業現場において掘削された掘削物が例示される。
【0013】
無人散水車両20は、無人で作業現場を走行して散水する。無人散水車両20として、無人散水トラックが例示される。無人散水車両20は、作業現場において粉塵又は砂埃が拡散することを抑制するために散水する。
【0014】
管理システム1は、管理装置2と、通信システム3とを備える。管理装置2は、作業現場の管制施設4に設置される。管制施設4に管理者が存在する。
【0015】
無人運搬車両10は、制御装置11を有する。無人散水車両20は、制御装置21を有する。管理装置2と制御装置11と制御装置21とは、通信システム3を介して無線通信する。管理装置2に無線通信機3Aが接続される。制御装置11に無線通信機3Bが接続される。制御装置21に無線通信機3Cが接続される。通信システム3は、無線通信機3A、無線通信機3B、及び無線通信機3Cを含む。
【0016】
[無人運搬車両]
図2は、実施形態に係る無人運搬車両10を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、無人運搬車両10は、無線通信機3Bと、制御装置11と、車両本体12と、走行装置13と、ダンプボディ14と、センサシステム15とを備える。
【0017】
車両本体12は、車体フレームを含む。車両本体12は、走行装置13に支持される。車両本体12は、ダンプボディ14を支持する。
【0018】
走行装置13は、無人運搬車両10を走行させるための駆動力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を減速又は停止させるための制動力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を旋回させるための操舵力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を前進又は後進させる。走行装置13は、車輪16を含む。車輪16にタイヤ17が装着される。車輪16は、前輪16Fと、後輪16Rとを含む。タイヤ17は、前輪16Fに装着される前タイヤ17Fと、後輪16Rに装着される後タイヤ17Rとを含む。タイヤ17が作業現場の路面に接触した状態で車輪16が回転することにより、無人運搬車両10は、作業現場を走行する。
【0019】
ダンプボディ14は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ14の少なくとも一部は、車両本体12よりも上方に配置される。
【0020】
センサシステム15は、位置センサ15Aと、方位センサ15Bと、速度センサ15Cと、障害物センサ15Dとを含む。位置センサ15Aは、無人運搬車両10の位置を検出する。無人運搬車両10の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ15Aは、GNSS受信機を含み、無人運搬車両10のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ15Bは、無人運搬車両10の方位を検出する。方位センサ15Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ15Cは、無人運搬車両10の走行速度を検出する。速度センサ15Cとして、車輪16の回転を検出するパルスセンサが例示される。障害物センサ15Dは、無人運搬車両10の周囲の障害物を検出する。障害物センサ15Dは、非接触で障害物を検出する。障害物センサ15Dとして、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。
【0021】
[無人散水車両]
図3は、実施形態に係る無人散水車両20を示す斜視図である。図1及び図3に示すように、無人散水車両20は、無線通信機3Cと、制御装置21と、車両本体22と、走行装置23と、タンク24と、センサシステム25と、散水スプレー28とを備える。
【0022】
車両本体22は、車体フレームを含む。車両本体22は、走行装置23に支持される。車両本体22は、タンク24を支持する。
【0023】
実施形態において、車両本体22にキャブ29が設けられる。キャブ29は、車両本体22の前部に設けられる。運転者は、キャブ29に搭乗して、無人散水車両20の運転操作を実施することができる。例えば無人散水車両20の保守又は点検を実施する場合、運転者は、無人散水車両20の運転操作を実施する。実施形態において、無人散水車両20は、少なくとも作業現場において散水するときに無人で稼働する。なお、無人散水車両20にキャブ29は設けられなくてもよい。
【0024】
走行装置23は、無人散水車両20を走行させるための駆動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を減速又は停止させるための制動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を旋回させるための操舵力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を前進又は後進させる。走行装置23は、車輪26を含む。車輪26にタイヤ27が装着される。車輪26は、前輪26Fと、後輪26Rとを含む。前輪26Fは操舵輪であり、後輪26Rは駆動輪である。なお、前輪26F及び後輪26Rの両方が操舵輪でもよい。前輪26F及び後輪26Rの両方が駆動輪でもよい。前輪26Fが駆動輪で後輪26Rが操舵輪でもよい。タイヤ27は、前輪26Fに装着される前タイヤ27Fと、後輪26Rに装着される後タイヤ27Rとを含む。タイヤ27が作業現場の路面に接触した状態で車輪26が回転することにより、無人散水車両20は、作業現場を走行する。
【0025】
タンク24は、散水のための水を貯蔵する部材である。タンク24の少なくとも一部は、車両本体22よりも上方に配置される。
【0026】
センサシステム25は、位置センサ25Aと、方位センサ25Bと、速度センサ25Cと、障害物センサ25Dとを含む。位置センサ25Aは、無人散水車両20の位置を検出する。無人散水車両20の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ25Aは、GNSS受信機を含み、無人散水車両20のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ25Bは、無人散水車両20の方位を検出する。方位センサ25Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ25Cは、無人散水車両20の走行速度を検出する。速度センサ25Cとして、車輪26の回転を検出するパルスセンサが例示される。障害物センサ25Dは、無人散水車両20の周囲の障害物を検出する。障害物センサ25Dは、非接触で障害物を検出する。障害物センサ25Dとして、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。
【0027】
散水スプレー28は、タンク24の水を噴射する。散水スプレー28は、タンク24の後部に配置される。散水スプレー28は、無人散水車両20の後方に散水する。実施形態において、散水スプレー28は、複数設けられる。複数の散水スプレー28は、タンク24の後部において無人散水車両20の車幅方向に間隔をあけて配置される。車幅方向とは、無人散水車両20が直進状態のときの車輪26の回転軸と平行な方向をいう。
【0028】
[作業現場]
図4は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。作業現場として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。作業現場において、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれが稼働する。
【0029】
実施形態において、作業現場は、鉱山である。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0030】
作業現場に、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、給水場35、走行路36、及び交差点37が設けられる。
【0031】
積込場31とは、無人運搬車両10に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場31において、積込機5が稼働する。積込機5として、油圧ショベルが例示される。
【0032】
排土場32とは、無人運搬車両10から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアをいう。排土場32に、破砕機6が設けられる。
【0033】
駐機場33とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が駐機されるエリアをいう。
【0034】
給油場34とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が給油されるエリアをいう。給油場34に、燃料を供給する給油機7が設けられる。
【0035】
給水場35とは、無人散水車両20が給水されるエリアをいう。給水場35において、散水のための水がタンク24に供給される。給水場35に、タンク24に水を供給する給水機8が設けられる。
【0036】
走行路36とは、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35の少なくとも一つに向かう無人車両が走行するエリアをいう。走行路36は、少なくとも積込場31と排土場32とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路36は、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35のそれぞれに繋がる。
【0037】
交差点37とは、複数の走行路36が交わるエリア又は1つの走行路36が複数の走行路36に分岐するエリアをいう。
【0038】
[管理システム]
図5は、実施形態に係る無人車両の管理システム1を示す機能ブロック図である。管理システム1は、管理装置2と、通信システム3と、制御装置11と、制御装置21とを有する。
【0039】
管理装置2は、コンピュータシステムを含む。管理装置2は、入力装置9に接続される。管理装置2は、通信インタフェース41と、記憶回路42と、処理回路43とを有する。
【0040】
入力装置9は、処理回路43に接続される。入力装置9は、管制施設4の管理者に操作される。入力装置9は、管理者の操作に基づいて、入力データを生成する。入力装置9により生成された入力データは、処理回路43に入力される。入力装置9として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、マウス、又は操作ボタンが例示される。なお、入力装置9は、光学センサを含む非接触型入力装置でもよいし、音声入力装置でもよい。
【0041】
通信インタフェース41は、処理回路43に接続される。通信インタフェース41は、管理装置2と制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方との間の通信を制御する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方と通信する。
【0042】
記憶回路42は、処理回路43に接続される。記憶回路42は、データを記憶する。記憶回路42として、不揮発性メモリ又は揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)又はストレージが例示される。ストレージとして、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。
【0043】
処理回路43は、演算処理及び制御指令の出力処理を実施する。処理回路43として、プロセッサが例示される。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。コンピュータプログラムが記憶回路42に記憶される。処理回路43は、記憶回路42からコンピュータプログラムを取得して実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0044】
記憶回路42は、車幅記憶部51を有する。
【0045】
車幅記憶部51は、無人車両の幅を示す車幅を記憶する。無人車両の車幅は、無人運搬車両10の幅を示す第1車幅WV1及び無人散水車両20の幅を示す第2車幅WV2を含む。車幅記憶部51は、無人運搬車両10の幅を示す第1車幅WV1及び無人散水車両20の幅を示す第2車幅WV2のそれぞれを記憶する。第1車幅WV1とは、直進状態の無人運搬車両10において車輪16の回転軸と平行な方向の無人運搬車両10の外形の寸法をいう。第2車幅WV2とは、直進状態の無人散水車両20において車輪26の回転軸と平行な方向の無人散水車両20の外形の寸法をいう。第1車幅WV1は、無人運搬車両10の諸元から導出される既知データである。第2車幅WV2は、無人散水車両20の諸元から導出される既知データである。第1車幅WV1及び第2車幅WV2のそれぞれは、入力装置9を介して記憶回路42に入力される。車幅記憶部51は、入力装置9から入力された第1車幅WV1及び第2車幅WV2のそれぞれを記憶する。実施形態において、無人散水車両20の外形の寸法は、無人運搬車両10の外形の寸法よりも小さい。無人散水車両20の第2車幅WV2は、無人運搬車両10の第1車幅WV1よりも狭い。
【0046】
処理回路43は、走行エリア定義部61と、走行車両定義部62と、走行制御誤差取得部63と、判定部64と、誘導部65と、散水データ生成部66と、出力部67とを有する。
【0047】
走行エリア定義部61は、作業現場の走行路36に走行エリアを定義する。走行エリアとは、目標走行軌跡(走行コース)に従って走行する無人車両の走行が許可されるエリアをいう。実施形態において、走行エリア定義部61により定義される走行エリアは、第1走路幅WL1の第1走行エリア103と、第1走路幅WL1よりも狭い第2走路幅WL2の第2走行エリア203とを含む。
【0048】
走行車両定義部62は、作業現場の走行エリアを走行させる無人車両を定義する。実施形態において、走行車両定義部62により定義される無人車両は、第1車幅WV1の無人運搬車両10と、第1車幅WV1よりも狭い第2車幅WV2の無人散水車両20とを含む。
【0049】
走行制御誤差取得部63は、目標走行速度(第1走行速度)で走行する無人車両の車幅方向における走行制御誤差(位置ずれ量Δ)を取得する。無人車両の車幅方向における走行制御誤差(位置ずれ量Δ)とは、目標走行軌跡(走行コース)に従って走行する無人車両の目標位置と実際の位置との車幅方向におけるずれ量をいう。走行制御誤差取得部63は、無人運搬車両10および無人散水車両20のそれぞれの目標度走行速度に応じた走行制御誤差(位置ずれ量Δ)を取得する。走行制御誤差(位置ずれ量Δ)は、記憶回路42に予め保存されている。走行制御誤差(位置ずれ量Δ)は、例えば、走行試験の結果に基づいて予め記憶回路42に保存される。走行制御誤差(位置ずれ量Δ)は、無人車両の走行速度が高いほど大きくなり、無人車両の走行速度が低いほど小さくなる。
【0050】
判定部64は、無人車両の幅を示す車幅と走行エリアの幅を示す走路幅とに基づいて、走行エリアに無人車両が進入可能か否かを判定する。判定部64は、無人車両の車幅が走行エリアの走路幅よりも狭いと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。
【0051】
また、判定部64は、走行制御誤差取得部63により取得された位置ずれ量Δに基づいて、目標走行速度で走行する無人車両が走行エリアから逸脱しないと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。また、判定部64は、目標走行速度で走行する無人車両が走行エリアから逸脱しても目標走行速度よりも低い走行速度(第2走行速度)で走行したときに走行エリアから逸脱しないと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。
【0052】
誘導部65は、無人運搬車両10が第1走行エリア103に進入し第2走行エリア203に進入しないように無人運搬車両10を誘導する。誘導部65は、無人散水車両20が第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれに進入するように無人散水車両20を誘導する。誘導部65は、無人運搬車両10が第1走行エリア103に進入し第2走行エリア203に進入しないように無人運搬車両10を誘導する誘導指令を出力する。誘導部65は、無人散水車両20が第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれに進入するように無人散水車両20を誘導する誘導指令を出力する。
【0053】
散水データ生成部66は、散水スプレー28を制御するための散水データを生成する。散水データは、散水スプレー28からの散水の実行及び散水の停止、作業現場において散水スプレー28が散水する散水位置、及び散水スプレー28からの単位時間当たりの散水量の少なくとも一つを含む。散水スプレー28が散水する散水位置は、散水スプレー28から散水される走行路36(作業現場)におけるエリアを示す散水エリアを含む。また、散水スプレー28が複数設けられる場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の数を含む。また、無人散水車両20の複数の位置のそれぞれに散水スプレー28が設置される場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の設置位置を含む。散水データ生成部66は、入力装置9からの入力データに基づいて、散水データを生成してもよい。
【0054】
出力部67は、走行エリア定義部61により定義されたコースデータを無人車両に送信する。出力部67は、通信インタフェース41から無人運搬車両10の制御装置11及び無人散水車両20の制御装置21のそれぞれにコースデータを送信する。また、出力部67は、散水データ生成部66により生成された散水データを無人散水車両20に送信する。出力部67は、通信インタフェース41から無人散水車両20の制御装置21に散水データを送信する。
【0055】
制御装置11は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置11は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置11は、走行装置13を制御する走行制御部71を有する。走行制御部71は、管理装置2から送信されたコースデータに基づいて、走行装置13を制御する。
【0056】
制御装置21は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置21は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置21は、走行装置23を制御する走行制御部81と、散水スプレー28を制御する散水制御部82とを有する。走行制御部81は、管理装置2から送信されたコースデータに基づいて、走行装置23を制御する。散水制御部82は、管理装置2から送信された散水データに基づいて、散水スプレー28を制御する。
【0057】
[走行エリア]
図6は、実施形態に係る第1走行エリア103を説明するための図である。
【0058】
走行エリア定義部61は、走行路36に第1走行エリア103を定義する。第1走行エリア103は、無人車両(無人運搬車両10及び無人散水車両20)の走行条件を規定するコースデータに基づいて定義される。走行エリア定義部61は、コースデータ及び第1走行エリア103のそれぞれを定義する。
【0059】
実施形態において、コースデータは、無人運搬車両10と無人散水車両20とに共用される。
【0060】
コースデータは、走行エリア定義部61により定義される。コースデータは、コース点101、走行コース102、無人車両の目標位置、無人車両の目標方位、及び無人車両の目標走行速度を含む。
【0061】
コース点101は、走行路36に複数設定される。コース点101は、無人車両の目標位置を規定する。複数のコース点101のそれぞれに、無人車両の目標方位及び目標走行速度が設定される。複数のコース点101は、間隔をあけて設定される。コース点101の間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。コース点101の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0062】
走行コース102とは、無人車両の目標走行軌跡を示す仮想線をいう。走行コース102は、複数のコース点101を通過する軌跡によって規定される。無人車両は、走行コース102に従って、走行路36を走行する。
【0063】
無人車両の目標位置とは、コース点101を通過するときの無人車両の目標位置をいう。無人車両の目標位置は、無人車両のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0064】
無人車両の目標方位とは、コース点101を通過するときの無人車両の目標方位をいう。
【0065】
無人車両の目標走行速度とは、コース点101を通過するときの無人車両の目標走行速度をいう。無人車両の目標走行速度は、無人車両の走行速度の上限値を示す上限速度(制限速度)を含む。無人車両は、上限速度を上回らない走行速度で作業現場を走行する。
【0066】
無人運搬車両10の走行制御部71は、コースデータ及びセンサシステム15の検出データに基づいて、走行装置13を制御する。走行制御部71は、位置センサ15Aの検出データ及び方位センサ15Bの検出データに基づいて、無人運搬車両10が走行コース102に従って走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101に設定されている無人運搬車両10の目標位置とコース点101を通過するときに位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の検出位置108との偏差を示す位置ずれ量Δが小さくなるように、走行装置13を制御する。また、走行制御部71は、コース点101に設定されている無人運搬車両10の目標方位とコース点101を通過するときに方位センサ15Bにより検出された無人運搬車両10の検出方位との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。また、走行制御部71は、速度センサ15Cの検出データに基づいて、無人運搬車両10が目標走行速度で走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101に設定されている無人運搬車両10の目標走行速度とコース点101を通過するときに速度センサ15Cにより検出された無人運搬車両10の検出走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。
【0067】
上述のように、無人運搬車両10の目標走行速度は、無人運搬車両10の上限速度を含む。走行制御部71は、速度センサ15Cの検出データに基づいて、無人運搬車両10が上限速度を上回らない走行速度で走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに速度センサ15Cにより検出された無人運搬車両10の検出走行速度がコース点101に設定されている無人運搬車両10の上限速度を上回らないように、走行装置13を制御する。
【0068】
無人散水車両20の走行制御部81は、コースデータ及びセンサシステム25の検出データに基づいて、走行装置23を制御する。走行制御部81は、位置センサ25Aの検出データ及び方位センサ25Bの検出データに基づいて、無人散水車両20が走行コース102に従って走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点101に設定されている無人散水車両20の目標位置とコース点101を通過するときに位置センサ25Aにより検出された無人散水車両20の検出位置208との偏差を示す位置ずれ量Δが小さくなるように、走行装置23を制御する。また、走行制御部81は、コース点101に設定されている無人散水車両20の目標方位とコース点101を通過するときに方位センサ25Bにより検出された無人散水車両20の検出方位との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。また、走行制御部81は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が目標走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点101に設定されている無人散水車両20の目標走行速度とコース点101を通過するときに速度センサ25Cにより検出された無人散水車両20の検出走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。
【0069】
上述のように、無人散水車両20の目標走行速度は、無人散水車両20の上限速度を含む。走行制御部81は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が上限速度を上回らない走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点101を通過するときに速度センサ25Cにより検出された無人散水車両20の検出走行速度がコース点101に設定されている無人散水車両20の上限速度を上回らないように、走行装置23を制御する。
【0070】
走行エリア定義部61は、走行コース102及び無人運搬車両10の第1車幅WV1に基づいて、第1走行エリア103を定義する。走行エリア定義部61は、無人運搬車両10の車幅方向において走行コース102が第1走行エリア103の中心を通るように、第1走行エリア103を定義する。走行エリア定義部61は、第1走行エリア103の第1走路幅WL1が無人運搬車両10の第1車幅WV1よりも広くなるように、第1走行エリア103を定義する。
【0071】
実施形態において、走行エリア定義部61は、上限速度で走行する無人運搬車両10の位置ずれ量Δに基づいて、第1走行エリア103の第1走路幅WL1を定義する。すなわち、走行エリア定義部61は、走行コース102に従って上限速度で走行する無人運搬車両10が走行コース102からずれたとしても第1走行エリア103から逸脱しないように、第1走行エリア103の第1走路幅WL1を定義する。実施形態において、第1走路幅WL1は、無人運搬車両10の第1車幅WV1と無人運搬車両10の走行制御誤差との和である。走行制御部71は、無人運搬車両10が第1走行エリア103から逸脱しないように、コース点101に設定されている無人運搬車両10の目標位置とコース点101を通過するときに位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の検出位置108とに基づいて、走行装置13を制御する。
【0072】
走行エリア定義部61は、第1走行エリア103の第1走路幅WL1が走行路36の幅よりも狭くなるように、第1走行エリア103を定義する。
【0073】
図7は、実施形態に係る第2走行エリア203を説明するための図である。
【0074】
走行エリア定義部61は、走行路36に第2走行エリア203を定義する。第2走行エリア203は、コースデータに基づいて定義される。
【0075】
走行エリア定義部61は、走行コース102及び無人散水車両20の第2車幅WV2に基づいて、第2走行エリア203を定義する。走行エリア定義部61は、無人散水車両20の車幅方向において走行コース102が第2走行エリア203の中心を通るように、第2走行エリア203を定義する。走行エリア定義部61は、第2走行エリア203の第2走路幅WL2が無人散水車両20の第2車幅WV2よりも広くなるように、第2走行エリア203を定義する。
【0076】
実施形態において、走行エリア定義部61は、上限速度で走行する無人散水車両20の位置ずれ量Δに基づいて、第2走行エリア203の第2走路幅WL2を定義する。すなわち、走行エリア定義部61は、走行コース102に従って上限速度で走行する無人散水車両20が走行コース102からずれたとしても第2走行エリア203から逸脱しないように、第2走行エリア203の第2走路幅WL2を定義する。実施形態において、第2走路幅WL2は、無人散水車両20の第2車幅WV2と無人散水車両20の走行制御誤差との和である。走行制御部81は、無人散水車両20が第2走行エリア203から逸脱しないように、コース点101に設定されている無人散水車両20の目標位置とコース点101を通過するときに位置センサ25Aにより検出された無人散水車両20の検出位置208とに基づいて、走行装置13を制御する。
【0077】
走行エリア定義部61は、第2走行エリア203の第2走路幅WL2が走行路36の幅よりも狭くなるように、第2走行エリア203を定義する。
【0078】
[走行エリアの定義方法]
図8は、実施形態に係る走行エリアの定義方法を示すフローチャートである。
【0079】
走行エリア定義部61は、無人車両のコースデータを生成する。走行エリア定義部61は、作業現場の走行路36に走行コース102を定義する(ステップSA1)。
【0080】
図9は、実施形態に係る走行路36に定義された走行コース102を示す模式図である。図9に示す例において、走行コース102は、積込場31と排土場32と給油場34又は給水場35とを結ぶように定義される。
【0081】
走行車両定義部62は、走行エリアを走行させる無人車両を定義する。実施形態において、走行車両定義部62は、走行エリアを走行させる無人車両として、無人運搬車両10及び無人散水車両20を定義する(ステップSA2)。
【0082】
走行エリア定義部61は、車幅記憶部51から無人車両の車幅を取得する。実施形態において、走行エリア定義部61は、無人運搬車両10の第1車幅WV1及び無人散水車両20の第2車幅WV2を取得する(ステップSA3)。
【0083】
走行エリア定義部61は、第1車幅WV1に基づいて、無人運搬車両10及び無人散水車両20が走行可能な第1走行エリア103の第1走路幅WL1を算出する。また、走行エリア定義部61は、第2車幅WV2に基づいて、無人散水車両20が走行可能な第2走行エリア203の第2走路幅WL2を算出する(ステップSA4)。
【0084】
無人運搬車両10が走行可能な第1走路幅WL1は、第1車幅WV1よりも広い。無人散水車両20が走行可能な第2走路幅WL2は、第2車幅WV2よりも広い。
【0085】
走行エリア定義部61は、ステップSA4において算出した第1走路幅WL1になるように、第1走行エリア103を定義する。走行エリア定義部61は、ステップSA4において算出した第2走路幅WL2になるように、第2走行エリア203を定義する(ステップSA5)。
【0086】
図10は、実施形態に係る走行路36に定義された第1走行エリア103及び第2走行エリア203を示す模式図である。図10に示すように、走行コース102を含むように第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれが定義される。図10に示す例において、第1走行エリア103は、積込場31と排土場32とを結ぶ走行路36に定義される。第2走行エリア203は、交差点37と給油場34又は給水場35とを結ぶ走行路36に定義される。
【0087】
[無人車両の走行可否判定方法]
図11は、実施形態に係る無人車両の走行可否判定方法を示すフローチャートである。
【0088】
判定部64は、走行エリア定義部61により定義された走行エリア(103,203)に所定の無人車両が進入可能か否かを判定する。すなわち、判定部64は、走行エリア定義部61により定義された走行エリアを所定の無人車両が走行可能か否かを判定する。判定部64は、走行車両定義部62により定義された複数の無人車両のうち、判定対象の無人車両を決定する(ステップSB1)。
【0089】
一例として、排土場32から交差点37を経由して給油場34に向かって走行した後、給油場34から交差点37を経由して積込場31に向かって走行する無人運搬車両10が判定対象であることとする。
【0090】
判定部64は、図10を参照して説明したような、走行エリア定義部61により定義された走行エリア(103,203)を取得する(ステップSB2)。
【0091】
判定部64は、無人運搬車両10の第1車幅WV1が第1走行エリア103の第1走路幅WL1及び第2走行エリア203の第2走路幅WL2のそれぞれよりも狭いか否かを判定する(ステップSB3)。
【0092】
ステップSB3において、第1車幅WV1が第1走路幅WL1及び第2走路幅WL2のそれぞれよりも狭いと判定した場合(ステップSB3:Yes)、判定部64は、無人運搬車両10が第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれを上限速度(第1走行速度)で走行しても、第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれから逸脱しないか否かを判定する(ステップSB4)。
【0093】
ステップSB4において、上限速度で走行する無人運搬車両10が第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれを逸脱せずに走行可能であると判定された場合(ステップSB4:Yes)、誘導部65は、上限速度で第2走行エリア203に進入するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。すなわち、誘導部65は、排土場32から交差点37を経由して給油場34に向かって走行した後、給油場34から交差点37を経由して積込場31に向かって走行するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。誘導部65は、第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれにおいて上限速度で走行するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する(ステップSB5)。
【0094】
ステップSB4において、上限速度で走行する無人運搬車両10が第1走行エリア103を逸脱しなくても第2走行エリア203を逸脱すると判定した場合(ステップSB4:No)、判定部64は、上限速度よりも低い走行速度(第2走行速度)であれば無人運搬車両10が第2走行エリア203を逸脱しないか否かを判定する(ステップSB6)。
【0095】
ステップSB6において、上限速度よりも低い走行速度であれば無人運搬車両10が第2走行エリア203を逸脱しないと判定された場合(ステップSB6:Yes)、誘導部65は、上限速度よりも低い走行速度で第2走行エリア203に進入するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。すなわち、誘導部65は、排土場32から交差点37を経由して給油場34に向かって走行した後、給油場34から交差点37を経由して積込場31に向かって走行するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。誘導部65は、第1走行エリア103において上限速度で走行し、交差点37と給油場34との間の第2走行エリア203において上限速度よりも低い走行速度で走行するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する(ステップSB7)。
【0096】
ステップSB6において、上限速度よりも低い走行速度でも無人運搬車両10が第2走行エリア203を逸脱すると判定した場合(ステップSB6:No)、又は、ステップSB3において、第1車幅WV1が第2走路幅WL2よりも広いと判定した場合(ステップSB3:No)。誘導部65は、第2走行エリア203に進入しないように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する(ステップSB8)。
【0097】
すなわち、誘導部65は、給油場34に向かわないように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。誘導部65は、排土場32から積込場31に向かって走行するように、無人運搬車両10に誘導指令を出力する。
【0098】
以上、図11を参照しながら無人運搬車両10の走行可否判定方法について説明した。無人散水車両20についても同様である。実施形態において、無人散水車両20は、第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれに進入することができる。すなわち、第2車幅WV2は、第1走路幅WL1よりも狭く、第2走路幅WL2よりも狭い。誘導部65は、無人散水車両20が第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれに進入するように、無人散水車両20を誘導する誘導指令を出力することができる。
【0099】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、作業現場の走行路36に走行エリア(103,203)が定義される。無人車両の車幅と走行エリアの走路幅とに基づいて、走行エリアに無人車両が進入可能であるか否かが判定される。そのため、不必要に路幅が広い走行路36の造成が抑制される。したがって、走行路36の造成に要するコストが抑制される。無人運搬車両10及び無人散水車両20の両方が走行する第1走行エリア103は、無人運搬車両10の第1車幅WV1に合わせて定義される。そのため、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれは、第1走行エリア103を円滑に走行することができる。無人運搬車両10の第1車幅WV1と無人散水車両20の第2車幅WV2とに基づいて、無人運搬車両10及び無人散水車両20の両方が走行する第1走行エリア103が定義され、無人運搬車両10は走行せず無人散水車両20が走行する第2走行エリア203が定義される。第1走行エリア103及び第2走行エリア203のそれぞれが定義されることにより、第1走行エリア103及び第2走行エリア203に基づいて、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれの走行条件が適正に定められる。したがって、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれは、作業現場を適正に走行することができる。
【0100】
判定部64は、車幅が走路幅よりも狭いと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。これにより、無人車両は、走行エリアからはみ出さずに走行することができる。
【0101】
車幅が走路幅よりも狭くても、無人車両が高速で走行エリアを走行すると、走行エリアから逸脱する可能性が高くなる。判定部64は、上限速度(第1走行速度)で走行する無人車両が走行エリアから逸脱しないと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。これにより、無人車両は、走行エリアから逸脱することなく高速で走行することができる。
【0102】
判定部64は、上限(第1走行速度)で走行する無人車両が走行エリアから逸脱しても上限速度よりも低い走行速度(第2走行速度)で走行したときに走行エリアから逸脱しないと判定した場合、走行エリアに無人車両が進入可能であると判定する。これにより、無人車両は、走行エリアからはみ出さずに走行することができる。
【0103】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、制御装置11の機能及び制御装置21の機能の少なくとも一部が管理装置2に設けられてもよいし、管理装置2の機能の少なくとも一部が制御装置11及び制御装置21の一方又は両方に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、制御装置11が、走行エリア定義部61の機能、走行車両定義部62の機能、走行制御誤差取得部63の機能、判定部64の機能、及び誘導部65の機能を有してもよい。制御装置21が、走行エリア定義部61の機能、走行車両定義部62の機能、走行制御誤差取得部63の機能、判定部64の機能、誘導部65の機能、及び散水データ生成部66の機能を有してもよい。
【0104】
上述の実施形態において、走行エリア定義部61、走行車両定義部62、走行制御誤差取得部63、判定部64、誘導部65、散水データ生成部66、及び出力部67のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【0105】
上述の実施形態においては、第1無人車両10が無人運搬車両であり、第2無人車両20が無人散水車両であることとした。第1無人車両10及び第2無人車両20の両方が無人運搬車両でもよい。第1無人車両10が第1車幅の無人運搬車両であり、第2無人車両20が第2車幅の無人運搬車両でもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…管理システム、2…管理装置、3…通信システム、3A…無線通信機、3B…無線通信機、3C…無線通信機、4…管制施設、5…積込機、6…破砕機、7…給油機、8…給水機、9…入力装置、10…無人運搬車両(第1無人車両)、11…制御装置、12…車両本体、13…走行装置、14…ダンプボディ、15…センサシステム、15A…位置センサ、15B…方位センサ、15C…速度センサ、15D…障害物センサ、16…車輪、16F…前輪、16R…後輪、17…タイヤ、17F…前タイヤ、17R…後タイヤ、20…無人散水車両(第2無人車両)、21…制御装置、22…車両本体、23…走行装置、24…タンク、25…センサシステム、25A…位置センサ、25B…方位センサ、25C…速度センサ、25D…障害物センサ、26…車輪、26F…前輪、26R…後輪、27…タイヤ、27F…前タイヤ、27R…後タイヤ、28…散水スプレー、29…キャブ、31…積込場、32…排土場、33…駐機場、34…給油場、35…給水場、36…走行路、37…交差点、41…通信インタフェース、42…記憶回路、43…処理回路、51…車幅記憶部、61…走行エリア定義部、62…走行車両定義部、63…走行制御誤差取得部、64…判定部、65…誘導部、66…散水データ生成部、67…出力部、71…走行制御部、81…走行制御部、82…散水制御部、101…コース点、102…走行コース、103…第1走行エリア、108…検出位置、203…第2走行エリア、208…検出位置、WL1…第1走路幅、WL2…第2走路幅、WV1…第1車幅、WV2…第2車幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11