(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142584
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】情報表示システム、情報表示方法、情報表示プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220922BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220922BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042807
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】519419577
【氏名又は名称】タッグライン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】橋本 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】 機器情報を表示する情報表示システムにおいて、医療機器における保守点検情報および委託情報を、手間なく低コストで取得できるものを提供する。
【解決手段】 この情報表示システム100は、医療機器200を識別するためのQRコード201を読み取り可能に構成されるとともに、医療機器200における保守点検情報および委託情報を表示可能に構成された端末10と、端末10と情報通信ネットワークを介して接続され、保守点検情報および委託情報を格納可能に構成されるとともに、端末10のQRコード201の読み取りに基づいて、格納されている情報であってQRコード201が付された医療機器200の保守点検情報および委託情報を端末10にて表示させるサーバ20と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器に付され前記機器を識別するための識別部を読み取り可能に構成されるとともに、前記機器に関する情報を表示可能に構成された端末と、
前記端末と情報通信ネットワークを介して接続され、前記機器に関する情報を格納可能に構成されるとともに、前記端末の前記識別部の読み取りに基づいて、前記格納されている情報であって、前記識別部が付された前記機器に関する情報を前記端末にて表示させるサーバと、
を備えた情報表示システムにおいて、
前記機器に関する情報は、
医療施設にて使用される医療機器であって前記医療施設から委託された者により保守点検される前記医療機器における、前記保守点検に関する情報、及び、前記委託に関する情報である、
情報表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示システムにおいて、
前記識別部は、
前記医療機器を識別するための識別情報が格納されるように構成され、
前記端末は、少なくとも、
前記識別部を読み取る読み取り部と、
前記読取り部の前記識別部の読み取りに基づいて、前記識別情報を前記サーバに送信するとともに、前記サーバから前記端末に前記機器に関する情報を送信するよう前記サーバに要求する情報要求部と、
前記サーバから送信される情報を、前記端末のユーザが確認可能なように表示する情報表示部と、
を備え、
前記サーバは、少なくとも、
前記機器に関する情報として、前記保守点検に関する情報、及び、前記委託に関する情報を格納するデータベースと、
前記端末からの要求に応じて、前記端末から送信される前記識別情報に基づいて、前記データベースから前記識別部が付された前記機器に関する情報を抽出する情報抽出部と、
前記抽出された情報を前記端末に送信する情報送信部と、
を備えた、
情報表示システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報表示システムにおいて、
前記識別部は、
2次元コードである
情報表示システム。
【請求項4】
端末が所定の機器に付され前記機器を識別するための識別部を読み取るステップと、
前記端末と情報通信ネットワークを介して接続され、前記機器に関する情報を格納可能に構成されるサーバが、前記識別部の読み取りに基づいて、前記格納されている情報であって、前記識別部が付された前記機器に関する情報を前記端末にて表示させるステップと、
を備えた情報表示方法において、
前記機器に関する情報は、
医療施設にて使用される医療機器であって前記医療施設から委託された者により保守点検される前記医療機器における、前記保守点検に関する情報、及び、前記委託に関する情報である、
情報表示方法。
【請求項5】
コンピュータを、
所定の機器に付され前記機器を識別するための識別部を読み取るステップ、
前記識別部の読み取りに基づいて、前記識別部が付された前記機器に関する情報を表示させるステップ、
として機能させる情報表示プログラムにおいて、
前記機器に関する情報は、
医療施設にて使用される医療機器であって前記医療施設から委託された者により保守点検される前記医療機器における、前記保守点検に関する情報、及び、前記委託に関する情報である、
情報表示プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機器、特に、保守点検が必要な医療機器に関する情報を表示するための情報表示システム、情報表示方法、及び、情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の機器に関する情報を表示するための情報表示システムが知られている。特許文献1に示すシステムでは、バーコードを読取り可能に構成された端末と、端末と情報通信ネットワークを介して接続されたサーバと、が備えられている。バーコードは、保守点検が必要な機器に付されており、各機器を識別可能に構成されている。また、端末は、機器に関する情報を表示可能に構成されている。
【0003】
端末での情報表示を実行する場合、端末にてバーコードが読み取られる。この端末のバーコードの読み取りに基づいて、サーバは、機器に関する情報を端末にて表示させるよう、端末に情報送信する。なお、上記情報は、予めデータベースに格納されているものであり、上記読み取りに応じてサーバにてデータベースから抽出されるようになっている。このように、バーコードに基づいてユーザに必要な情報が取得できるため、例えば、騒音が激しいところでも、機器情報の伝達が可能となる。従って、確実に機器情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
ところで、一般に、医療施設にて使用される医療機器においては、整備不備や不適切な使用を防止するために、日常的および定期的な保守点検が不可欠となる。近年では、医療の高度化に伴い、医療機器は多様化および多数化している。この状況で確実かつ効率的な保守点検のために、医療機器の保守点検を実施する事業が確立されている。例えば、医療機器の保守点検を、医療施設から委託された者が実施する場合がある。この場合、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報については、確実に記録を残す観点等で、紙媒体で情報が保管される場合が多い。
【0006】
上述のように保管される情報は、確認の必要に応じてその都度取得される。しかしながら、情報の蓄積に伴い紙媒体の数も増大し、紙媒体を検索するための手間が大きく、紙利用にかかるコスト(紙そのものや印刷のコスト、印紙代等)も大きくなるという問題が生じている。また、紙媒体の管理も煩雑となる傾向があり、紛失のリスクも生じている。以上より、医療機器における保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を、手間なく低コストで取得できる手法が、要望されている。
【0007】
本発明の目的は、所定の機器に関する情報を表示するための情報表示システム、情報表示方法、及び、情報表示プログラムにおいて、医療機器における保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を、手間なく低コストで取得できるものを提供することにある。
【0008】
本発明による情報表示システムは、所定の機器に付され機器を識別するための識別部を読み取り可能に構成されるとともに、機器に関する情報を表示可能に構成された端末と、端末と情報通信ネットワークを介して接続され、機器に関する情報を格納可能に構成されるとともに、端末の識別部の読み取りに基づいて、格納されている情報であって識別部が付された機器に関する情報を端末にて表示させるサーバと、を備える。
【0009】
本発明による情報表示システムの特徴は、機器に関する情報が、医療施設にて使用される医療機器であって医療施設から委託された者により保守点検される医療機器における、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報となっていることにある。
【0010】
これによれば、医療機器における保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を、紙媒体に代えて、予めデータベース化しておくことで、識別部の読み取りにより、識別部が付された医療機器の情報(即ち、医療機器における保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報)を自動的に端末にて表示させることができる。従って、従来のように紙媒体を利用することなく、上記情報を、手間なく低コストで取得することができる。加え、従来のように紙媒体を利用しないため、例えば、災害時等におけるデータ紛失や、悪意によるデータ盗難などを、防止することができる。従って、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報の管理に際し、情報セキュリティを向上させることができる。
【0011】
また、上記発明にかかる情報表示システムにおいては、識別部が、医療機器を識別するための識別情報が格納されるように構成され、端末が、少なくとも、識別部を読み取る読み取り部と、読取り部の識別部の読み取りに基づいて、識別情報をサーバに送信するとともに、サーバから端末に機器に関する情報を送信するようサーバに要求する情報要求部と、サーバから送信される情報を端末のユーザが確認可能なように表示する情報表示部と、を備え、サーバが、少なくとも、機器に関する情報として、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を格納するデータベースと、端末からの要求に応じて、端末から送信される識別情報に基づいて、データベースから識別部が付された機器に関する情報を抽出する情報抽出部と、抽出された情報を端末に送信する情報送信部と、を備えると好適である。
【0012】
また、上記発明にかかる情報表示システムにおいては、識別部が、2次元コードであると好適である。
【0013】
本発明による情報表示方法は、端末が所定の機器に付され機器を識別するための識別部を読み取るステップと、端末と情報通信ネットワークを介して接続され、機器に関する情報を格納可能に構成されるサーバが、識別部の読み取りに基づいて、格納されている情報であって、識別部が付された機器に関する情報を端末にて表示させるステップとを備える。
【0014】
本発明による情報表示方法の特徴は、機器に関する情報が、医療施設にて使用される医療機器であって医療施設から委託された者により保守点検される医療機器における、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報となっていることにある。
【0015】
これによっても、従来のように紙媒体を利用することなく、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を、手間なく低コストで取得することができる。
【0016】
本発明による情報表示プログラムは、コンピュータを、所定の機器に付され機器を識別するための識別部を読み取るステップ、識別部の読み取りに基づいて、識別部が付された機器に関する情報を表示させるステップ、として機能させる。
【0017】
本発明による情報表示プログラムの特徴は、機器に関する情報が、医療施設にて使用される医療機器であって医療施設から委託された者により保守点検される医療機器における、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報となっていることにある。
【0018】
これによっても、従来のように紙媒体を利用することなく、保守点検に関する情報、及び、委託に関する情報を、手間なく低コストで取得することができる。
【0019】
また、上記発明にかかる情報表示プログラムにおいては、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報表示システムの全体概要を説明するための全体構成図である。
【
図2】
図1に示したQRコードを付した医療機器(輸液ポンプ)の外観図である。
【
図3】
図1に示した端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示したサーバの機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図5】
図1に示したサーバのデータベースが格納する保守点検情報に含まれる日常点検報告書に相当する情報を説明するための図である。
【
図6】
図1に示したサーバのデータベースが格納する保守点検情報に含まれる定期点検報告書に相当する情報を説明するための図である。
【
図7】
図1に示した情報表示システムにおける作動を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による情報表示システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
<情報表示システムの構成>
図1は、実施形態に係る情報表示システム100の全体概要を説明するための全体構成図である。情報表示システム100は、端末10、及び、サーバ20を備えている。端末10、及び、サーバ20は、無線または有線の情報通信ネットワークを介して接続されている。このように構成された情報表示システム100は、医療機器200に関する情報を表示するためのシステムである。
なお、本願において「医療機器」には、医療機器本体のみならず、医療機器の付属品も含むものとする。
【0023】
医療機器200は、医療施設の各場所に設置されているものであり、用途等に応じて機器区分を有している。医療機器200には、QRコード201(登録商標)(識別部、2次元コードに相当)が付されている。
図2に示すように、例えば、機器区分が「輸液ポンプ」である医療機器200においては、その表面におけるユーザが確認可能な部位に、QRコード201が付されるようになっている。なお、QRコード201が付される部位は、その他の機器区分であっても同様である。
【0024】
QRコード201は、付されている医療機器200を識別するための情報(以下、「識別情報」とも称呼する。)が格納されている。識別情報としては、医療機器200に対応する整理番号、設置場所、機器区分、機種名、製造番号、製造年月、購入年月、使用期限等が、QRコード201に格納される。更に、QRコード201は、端末10にて読み取られた場合、後述するように、端末10の情報要求部12を機能させるよう構成されている。
【0025】
<端末の構成>
図1に加え、
図3も参照しつつ、端末10の構成を説明する。
図3は、端末10の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0026】
端末10は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等の移動可能通信端末である。端末10のユーザは、医療機器200の所有者、操作者、又は、医療施設から保守点検を委託された者である。端末10は、QRコード201の読み取りに基づいて、情報表示されるようになっている。ここにおいて、表示される情報は、医療機器における保守点検に関する情報(以下、「保守点検情報」とも称呼する。)、及び、委託に関する情報(以下、「委託情報」とも称呼する。)であり、詳細については後述する。
【0027】
図3に示すように、端末10は、読み取り部11、情報要求部12、及び、情報表示部13を、備えている。また、端末10は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0028】
読み取り部11は、医療容器200に付されたQRコード201を読み取る。読み取り部11は、端末10に付属するカメラ等を含む。読み取り部11は、カメラを介してQRコード201が認識された場合に、格納されている識別情報を読み込む。
【0029】
情報要求部12は、QRコード201の読み取りに基づいて、サーバ20から端末10に保守点検情報および委託情報を送信するよう、サーバ20に要求する。これとともに、情報要求部12は、QRコード201の識別情報をサーバ20に送信する。
【0030】
情報表示部13は、サーバ20から送信される保守点検情報および委託情報を、端末10のユーザが確認可能なよう表示する。情報表示部13は、端末10に付属するモニタ等を含み、保守点検情報および委託情報をモニタにて表示する。
【0031】
<サーバの構成>
図1に加え、
図4も参照しつつ、サーバ20の構成を説明する。
図4は、サーバ20の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0032】
サーバ20は、クラウド環境に構築されたサーバ等であり、サーバ機能を有していればよく、これに限定されない。サーバ20は、端末10から情報送信の要求を受けるとともに、端末10から医療機器200の識別情報を受信する。サーバ20は、受信した識別情報に対応する保守点検情報および委託情報を、後述するデータベースより検索し抽出する。抽出された上記情報は、サーバ20から、要求があった端末10に送信されるようになっている。
【0033】
図4に示すように、サーバ20は、データベース21、情報抽出部22、及び、情報送信部23を、備えている。また、サーバ20は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0034】
データベース21は、医療機器200に関する情報として、保守点検情報および委託情報を格納可能に構成されている。データベース21には、予め、複数の保守点検情報および委託情報の情報が、識別情報と対応付けられてそれぞれ格納される。即ち、データベース21に格納されている複数の保守点検情報および委託情報は、端末10から送信される識別情報が照合されることで、対応する1つ保守点検情報および委託情報が抽出可能となっている。
【0035】
情報抽出部22は、端末10からの要求に応じて、端末10から送信される識別情報に基づいて、データベース21からQRコード201が付された医療機器200に関する情報を抽出する。ここにおいて、医療機器200に関する情報は、保守点検情報および委託情報である。情報抽出部22では、データベース21に格納されている複数の保守点検情報および委託情報にそれぞれ対応する識別情報が、端末10から送信される識別情報と照合される。複数の識別情報の中から一致する識別情報が検索されて、一致する識別情報に対応する保守点検情報および委託情報が抽出される。
【0036】
情報送信部23は、抽出された保守点検情報および委託情報を端末10に送信する。
【0037】
<保守点検情報および委託情報>
上記保守点検情報は、日常点検報告書、及び、定期点検報告書にそれぞれ相当する情報を含む。日常点検報告書に相当する情報は、例えば、始業時点検表、使用中点検表、及び、終業時点検表にそれぞれ相当する情報を含む。機器区分が「輸液ポンプ」である場合(
図2参照)、始業時点検表としては、例えば、
図5に示すように、各点検箇所・各点検事項に対応する合否評価が用いられてもよい。定期点検報告書に相当する情報は、例えば、定期点検表、点検計画表にそれぞれ相当する情報を含む。機器区分が「輸液ポンプ」である場合(
図2参照)、定期点検検表としては、例えば、
図6に示すように、各項目・各点検内容に対応する測定結果・合否評価等が用いられてもよい。日常点検および定期点検の各点検箇所・各点検事項・各項目・各点検内容は、機器区分によって異ならせてもよい。
【0038】
上記委託情報は、医療機器200にかかる医療施設と、医療機器200を保守点検する者(保守点検をサービスとして提供する事業者)であって、医療施設から委託された者との間で締結された「医療機器の保守点検業務の委託契約書」に相当する情報を含む。「医療機器の保守点検業務の委託契約書」に相当する情報は、例えば、事業者名およびその代表者名、委託した医療機関名およびその代表者名、契約の対象となる機種および製造番号、サービスの内容、サービス料金、事業者の免責事由、契約事項の変更、契約の開始時および期間、及び、本サービスの医療機関への報告等に、それぞれ相当する情報を含む。
【0039】
<情報表示システムの作動>
図7は、本発明の実施形態に係る情報表示システム100の作動を説明するためのフローチャートである。
【0040】
図7のフローチャートは、ユーザにより医療機器200の保守点検情報および委託情報を取得する際の、情報表示システム100の一連の作動を示している。ユーザが保守点検情報および委託情報を取得する場合、先ず、ステップ701から処理が開始される。
【0041】
ステップ701では、端末10にて、読み取り部11により、医療機器200に付されたQRコード201が読み取られる。
【0042】
次いで、ステップ702では、端末10にて、情報要求部12により、ステップ701で読み取られたQRコード201の識別情報が、サーバ20に送信されるとともに、サーバ20に保守点検情報および委託情報の送信要求がなされる。
【0043】
次いで、ステップ703では、サーバ20にて、情報抽出部22により、ステップ702で送信された識別情報と、一致する識別情報に対応する保守点検情報および委託情報が、データベース21から検索されて抽出される。
【0044】
次いで、ステップ704では、サーバ20にて、情報送信部23により、ステップ703で抽出された保守点検情報および委託情報が、端末10に送信される。
【0045】
次いで、ステップ705では、端末10にて、情報表示部13により、ステップ704で送信された保守点検情報および委託情報が、端末10のユーザが確認可能なように表示される。端末10のモニタにて表示される保守点検情報および委託情報としては、例えば、上述の
図5、及び、
図6の各点検表や、上述の「医療機器の保守点検業務の委託契約書」に相当する情報が挙げられる。
【0046】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の情報表示システム100においては、保守点検情報および委託情報を、紙媒体に代えて、予めデータベース21に格納しておくことで、QRコード201の読み取りにより、QRコード201が付された医療機器200の情報(即ち、医療機器200における保守点検情報および委託情報)を自動的に端末10にて表示させることができる。従って、従来のように紙媒体を利用することなく、上記情報を、手間なく低コストで取得することができる。加え、従来のように紙媒体を利用しないため、例えば、災害時等におけるデータ紛失や、悪意によるデータ盗難などを、防止することができる。従って、保守点検情報および委託情報の管理に際し、情報セキュリティを向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態では、特に、識別情報が格納されたQRコード201が、端末10の読み取り部11にて読み取られる。この読み取りに基づいて、情報要求部12により、識別情報がサーバ20に送信されるとともに、サーバ20から端末10に保守点検情報および委託情報を送信するようサーバ20に要求がなされる。この要求に応じて、サーバ20のデータベース21に格納された保守点検情報および委託情報が、サーバ20の情報抽出部22により抽出される。ここにおいて、端末10から送信される識別情報と、一致する識別情報に対応する保守点検情報および委託情報が、データベース21から検索されて抽出される。抽出された保守点検情報および委託情報は、情報送信部23により端末10に送信されて、端末10の情報表示部13により、ユーザが確認可能なように表示される。このように、端末10での保守点検情報および委託情報の表示を、簡易な構成で達成することができる。従って、システム構築や導入が容易となり、また、端末10およびサーバ20の処理負荷も低減できる。
【0048】
また、本実施形態では、特に、医療機器200に付される識別部として、マトリクス型2次元コードのQRコード201が用いられる。QRコード201は、少ない面積で多様な識別情報を格納できるため、医療機器200の操作や表示を妨げないよう、所望位置に付すことができる。また、少々の汚れがあっても読み取り可能で、QRコード201が破損した場合には、簡単に再印刷して張り直せるため、メンテナンスが容易となる。更に、端末10に備え付けの汎用的なカメラや、読み取り・解析に際し汎用的なソフトウェアを活用できる。なお、本実施形態では、QRコード201が用いられているが、識別情報が格納できるコードであればよく、例えば、QRコード以外の2次元コード(マトリクス型、スタック型何れでもよい)や、バーコード等の1次元コードが用いられてもよい。マトリクス型2次元コードとしては、例えば、Micro QRコード、Veriコード、Data Matrixコード、Maxiコード、Code1、Aztecコード等が、用いられてもよい。スタック型2次元コードとしては、例えば、PDF417、Micro pdf417、Code49、Code16K等が、用いられてもよい。
【0049】
また、上記実施形態の情報表示システム100においては、端末10およびサーバ20と、それぞれが備えるプログラムとが協働して上述した一連の処理機能が達成される。これに代えて、例えば、任意のコンピュータ(1つ、又は、2つ以上の装置であってもよい)にて、本発明にかかる情報表示プログラムとして、上述した一連の処理機能が達成されるプログラムが用いられてもよい。また、本発明にかかる情報表示方法として、
図7の一連のステップ701~705に相当する方法が用いられてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0050】
なお、本発明にかかる情報表示プログラムは、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体に記録されて流通するようにしてもよいし、情報通信ネットワークを介してコンピュータが備える記録装置に記録されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
100…情報表示システム、200…医療機器、201…QRコード、10…端末、11…読み取り部、12…情報要求部、13…情報表示部、20…サーバ、21…データベース、22…情報抽出部、23…情報送信部