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特開2022-142668算出プログラム、算出装置および算出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142668
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】算出プログラム、算出装置および算出方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20220922BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042948
(22)【出願日】2021-03-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業、研究成果最適展開支援プログラム、「科学的エビデンスに基づく「フィジカルエイジ(登録商標)」(体力年齢)の確立ならびに社会実装に向けた製品化」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517232877
【氏名又は名称】ヘルスビット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽根 博仁
(72)【発明者】
【氏名】藤原 和哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆明
(72)【発明者】
【氏名】小糸 直基
(72)【発明者】
【氏名】岩本 恭典
(72)【発明者】
【氏名】松川 泰士
(72)【発明者】
【氏名】西本 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】小宮 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】今田 季穂
(72)【発明者】
【氏名】部坂 英夫
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】疾患になり得るリスクを利用者がより手軽に知ることができるよう効果的にサポートすること。
【解決手段】本願に係る算出プログラムは、取得手順と、スコア算出手順とをコンピュータに実行させる。取得手順は、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する。スコア算出手順は、測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、第1の測定結果とに基づいて、利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得手順と、
前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出手順と
をコンピュータに実行させるための算出プログラム。
【請求項2】
前記取得手順は、前記他の項目として、筋力を示す項目、および、バランス能力を示す項目のうち、少なくともいずれか1つの項目が測定された測定結果を含む前記第1の測定結果を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の算出プログラム。
【請求項3】
前記柔軟性を示す項目は、立位体前屈測定により測定される測定対象であり、
前記筋力を示す項目は、筋力と体重との比率を示す筋力体重比であり、
前記バランス能力を示す項目は、閉眼片足立ちの状態を維持できる時間である
ことを特徴とする請求項2に記載の算出プログラム。
【請求項4】
前記第1の測定結果として、複数の前記被験者を対象に前記測定項目が測定された測定結果に基づいて、前記第1の測定結果の統計値を前記測定項目ごとに算出する統計算出手順をさらに有し、
前記スコア算出手順は、前記統計値と、前記第2の測定結果との比較に基づき、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の算出プログラム。
【請求項5】
前記統計算出手順は、前記被験者に対応する所定の属性ごとに前記統計値を算出し、
前記スコア算出手順は、前記所定の属性ごとの統計値のうち、前記利用者の属性に対応する統計値と、前記第2の測定結果との比較に基づき、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の算出プログラム。
【請求項6】
前記統計算出手順は、前記測定項目ごとの前記第1の測定結果の統計値として、前記第1の測定結果の平均値、前記第1の測定結果が示す標準偏差、および、前記第1の測定結果に対して主成分分析された結果である主成分得点を算出し、
前記スコア算出手順は、前記平均値と前記標準偏差とに基づき、前記平均値と前記第2の測定結果との乖離の度合を評価する評価値を前記測定項目ごとに算出するとともに、算出した評価値のそれぞれを当該評価値に対応する前記測定項目について算出された前記主成分得点で正規化し、正規化した後の各評価値を足し合わせることにより前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の算出プログラム。
【請求項7】
前記スコア算出手順は、前記スコアとして、前記被験者のうち前記利用者と類似する被験者と比較して前記利用者が生活習慣病になりやすさの指標となるスコアを算出する
請求項3~6のいずれか1つに記載の算出プログラム。
【請求項8】
前記第1の測定結果と、前記利用者により入力された前記第2の測定結果とに基づき算出された前記スコアが前記利用者の端末装置に表示されるよう表示制御する表示制御手順をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の算出プログラム。
【請求項9】
前記表示制御手順は、所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアごとの人数分布と、当該スコアごとに分けられた人数分布のグループのうち前記利用者について算出されたスコアが属するグループが示される画面が表示されるよう表示制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の算出プログラム。
【請求項10】
体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得部と、
前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出部と
を有することを特徴とする算出装置。
【請求項11】
算出装置が実行する算出方法であって、
体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得工程と、
前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出工程と
を含むことを特徴とする算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算出プログラム、算出装置および算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人の疾患になり得るリスクを数値化する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-202901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者がより簡易な手法で疾患になり得るリスクを知ることができるよう効果的にサポートすることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術は、個人の健康に関する複数のデータをデータベースに蓄積し、そのデータと、疾患関連データとを照合することによって、個人の疾患になり得るリスクを数値化するものであり、健康に関するデータとして、身長・体重・体温・血圧・脈拍・視力・体力測定等健康診断での検査値やそれらの経時変化、生活習慣や家族歴、過去の疾病の発症状況や治癒の状況が必要とされる。
【0005】
このような上記の従来技術によれば、利用者は、健康診断によって多くの項目について検査および測定することや血液採取することが求められるため疾患になり得るリスクを知るまでには手間がかかるといった問題がある。また、時間的な理由や金銭的な理由からそもそも健康診断を受けることが困難な利用者もおり、係る利用者は、上記の従来技術の恩恵を受けることができないといった問題もある。
【0006】
このようなことから上記の従来技術は、疾患になり得るリスクを利用者がより手軽に知ることができるよう効果的にサポートするという点で改善の余地があると考えられる。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、疾患になり得るリスクを利用者がより手軽に知ることができるよう効果的にサポートすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る算出プログラムは、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得手順と、前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出手順とをコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明の一態様に係る算出装置は、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得部と、前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出部とを有する。
【0010】
本発明の一態様に係る算出方法は、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する取得工程と、前記測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果と、前記第1の測定結果とに基づいて、前記利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるスコアを算出するスコア算出工程とを含む。
【発明の効果】
【0011】
上記の態様によれば、例えば、疾患になり得るリスクを利用者がより手軽に知ることができるよう効果的にサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る第1測定結果データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る統計情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第2測定結果データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る仲介装置の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る統計処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係るスコア算出処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る個人シートの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、算出プログラム、算出装置および算出方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により算出プログラム、算出装置および算出方法が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
[実施形態]
〔1.はじめに〕
本発明の発明者らは、特定の測定項目について体力測定で一般に用いられることの多い測定手法で測定された測定結果が、生活習慣病と相関性があることを立証した。具体的には、本発明の発明者らは、立位体前屈で測定される測定対象、握力測定で測定される握力と体重測定で測定される体重との比率を示す筋力体重比、閉眼片足立ちで測定される時間、といった3つの測定項目は、生活習慣病と相関性があることを立証した。
【0015】
また、本発明の発明者らは、上記のような相関性を利用して、所定の疾患(例えば、生活習慣病)に罹患するリスクの指標となるフィジカルスコアを算出するスコア算出ロジックを見出した。したがって、以下に説明するシステムの中で実現される情報処理は、スコア算出ロジックが実装されたプログラムを各種の情報処理装置に適用することで、スマートフォン等の端末装置に搭載されたアプリケーションを介して利用者がフィジカルスコアを知ることができるようなサービスを実現するものである。
【0016】
また、ここでいうスコア算出ロジックとは、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、および、バランス能力を示す項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果から生成された統計データを元にしてフィジカルスコアを算出するというアルゴリズムに相当する。より具体的には、スコア算出ロジックとは、体力に関するこれら3つの測定項目それぞれに対応する第1の測定結果から生成された統計データと、3つ測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果との比較により、生活習慣病に対する利用者の罹患しやすさを客観的に評価するものである。
【0017】
したがって、スコア算出ロジックが実装された算出プログラムを特定のアプリケーションに組み込んで構築されるシステムによれば、第1の測定結果から統計データを生成し、また、利用者からは第2の測定結果の入力を受け付ける。そして、統計データと第2の測定結果との比較により利用者のフィジカルスコアを算出し、アプリケーションを介してこのフィジカルスコアを利用者に提供するという一連の情報処理を実現することができるようになる。
【0018】
〔2.測定項目について〕
上記の通り、実施形態に係る測定項目は、一般的な体力測定で測定される測定項目であり、柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、バランス能力を示す項目という、生活習慣病との相関性が立証された3項目の組合せであるものとする。
【0019】
ここで、柔軟性を示す項目とは、立位体前屈手法で測定される測定対象であり、具体的には、床もしくは台面を基準(0cm)とした場合に、体を基準に対してどれだけの距離屈折させられることができるかを示す項目に相当する。したがって、柔軟性を示す項目が測定された測定結果は、プラスの値もしくはマイナスの値で示される。
【0020】
また、筋力を示す項目とは、筋力と体重との比率を示す筋力体重比であり、例えば握力測定で測定される握力と、体重測定で測定される体重との比率との比率をとることで算出される項目に相当する。なお、筋力は、必ずしも握力である必要はない。
【0021】
また、バランス能力を示す項目とは、閉眼片足立ちの状態を維持できる時間に相当し、閉眼片足立ちで測定される。
【0022】
実施形態に係る情報処理では、これら3項目を体力に関する測定項目として利用することでフィジカルスコアが算出されるが、フィジカルスコアの算出に用いられる体力に関する測定項目は、必ずしもこの3項目の組合せに限定されるものではない。例えば、3項目のうち任意の組合せでフィジカルスコアが算出されてもよい。一例を示すと、柔軟性を示す項目だけでフィジカルスコアが算出されてもよいし、柔軟性を示す項目および筋力を示す項目の組合せでフィジカルスコアが算出されてもよい。
【0023】
また、体力に関する測定項目は、健康診断の一環として行われる体力測定で測定される項目であってよく、例えば、健康診断による各種結果とともに提供されるものであってよい。一方で、体力に関する測定項目は、健康診断とは別に独立して実施される体力測定で測定される項目であってもよい。
【0024】
〔3.システムについて〕
実施形態に係る情報処理の具体例を説明するに先立って、まず、実施形態に係るシステムについて、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。図1には実施形態に係るシステムの一例として情報処理システム1が示される。情報処理システム1は、組織Aに属するデータ提供装置30と、組織Bに属する仲介装置60と、組織Cに属する情報処理装置100と、利用者によって利用される端末装置10とを含む。データ提供装置30、仲介装置60、情報処理装置100、端末装置10は、所定のネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0025】
組織A、組織B、組織Cは、それぞれ異なる組織である一方で協働関係にある。例えば、組織Aは、特定の研究機関であってよく、図1の例によれば健康診断や体力測定を実施する検査機関IAから、検査結果や測定結果の提供を受け、その測定結果を用いて様々な研究を行っている。また、データ提供装置30は、サーバ装置であってよく、検査機関IAから提供された検査結果や測定結果が実施形態に係る情報処理に活用しやすい状態になるよう加工したうえで情報処理装置100に提供する。
【0026】
組織Bは、フィジカルスコア算出に関するアプリケーション(以下「アプリAP」と略す)の開発および運営を行う組織であってよい。また、仲介装置60は、サーバ装置であってよく、アプリAPを介して、利用者の端末装置10と情報処理装置100との間での情報の送受信を仲介する。例えば、仲介装置60は、フィジカルスコアの提供を希望する利用者がアプリAPを介して送信した測定結果を取得し、取得した測定結果を用いてフィジカルスコアを算出するよう情報処理装置100に提供する。また、仲介装置60は、情報処理装置100により算出されたフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう表示制御する。
【0027】
組織Cは、上述したスコア算出ロジックをプログラミングで実装し、その結果である算出プログラムをアプリAPに連携させることで、図1に示す情報処理システム1を構築しようとする組織である。また、本実施形態では、スコア算出ロジックは情報処理装置100に導入されるものとする。この結果、情報処理装置100は、柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、バランス能力を示す項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果と、これら3項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果とに基づいて、利用者が生活習慣病に罹患するリスクの指標となるフィジカルスコアを算出する。なお、本実施形態では、情報処理装置100は、サーバ装置であるものとして説明するが、クラウドにより実現されてもよい。また、情報処理装置100は、実施形態に係る算出装置に対応する。
【0028】
利用者は、フィジカルスコアの提供を希望する利用者である。また、端末装置10は、係る利用者によって利用される情報処理端末である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、端末装置10にはブラウザ上で動作するウェブアプリ(フィジカルスコア算出に関するアプリケーション)が搭載されており、ウェブアプリの制御に従って利用者により入力された第2の測定結果を提供する。例えば、端末装置10は、利用者により入力された第2の測定結果を仲介装置60に送信することによりこれを組織Bに提供する。以下では、係るウェブアプリを「アプリAP」と表記する。なお、アプリAPは、汎用的なウェブアプリではなく、情報処理システム1専用のアプリケーションとして実装されてもよい。
【0029】
〔4.情報処理について〕
続いて、図1を用いて、情報処理システム1の中で行われる実施形態に係る情報処理の全体的な流れについて説明する。図1に示す実線矢印はデータ提供の流れを示し、点線矢印は提供されたデータに基づく情報処理の流れを示す。
【0030】
図1の例によれば、検査機関IAは、年に1回の健康診断の中で、柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、および、バランス能力を示す項目といった3つの体力に関する測定項目について被験者を対象に測定する体力測定を実施している。より具体的には、検査機関IAは、基準に対して体を屈折可能な距離(柔軟性を示す項目の一例)を立位体前屈により測定し、握力と体重との比率を示す握力体重比(筋力を示す項目の一例)を握力測定および体重測定により測定し、閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間(バランス能力を示す項目の一例)を閉眼片足立ちにより測定するという体力測定を年1回実施している。
【0031】
このため、検査機関IAは、3つの測定項目それぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果であって年度ごとの測定結果そのもの(すなわち生データ)を組織Aに提供する(ステップS11)。具体的には、検査機関IAは、柔軟性を示す項目が測定された測定結果である「柔軟性データ」(第1の測定結果の一例)、筋力を示す項目が測定された測定結果である「筋力データ」(第1の測定結果の一例)、バランス能力を示す項目が測定された測定結果である「バランスデータ」(第1の測定結果の一例)を組織Aに提供する。
【0032】
検査機関IAは、例えば、体力測定を行った年度ごとに第1の測定結果を提供してもよいし、複数年度分の第1の測定結果をまとめて所定のタイミングで提供してもよい。図1の例では、検査機関IAは、平成30年度から過去6年分の第1の測定結果を、体力測定を行った年度ごとに組織Aに提供したものとする。例えば、検査機関IAに属する担当者は、所定の情報処理端末(例えば、パソコン)からデータ提供装置30へと第1の測定結果を送信する。
【0033】
なお、ここでいう被験者とは、例えば、特定の集団組織に属する複数の人物であってよい。例えば、被験者は、ある企業に属する複数の従業員であってもよいし、ある大学に属する複数の学生であってもよい。
【0034】
データ提供装置30は、検査機関IAから提供された年度ごとの第1の測定結果に対して、フィジカルスコア算出ロジックに適した状態へと加工する加工処理を行う(ステップS12)。具体的には、データ提供装置30は、過去数年分の柔軟性データ、過去数年分の筋力データ、過去数年分のバランスデータそれぞれに対して、被験者の匿名性を保護する加工処理、年度間のデータを突き合わせて測定項目と測定結果との整合性を確認する加工処理を行う。なお、ここでいう過去数年分が具体的にどれだけの年数であるかは限定されない。例えば、過去3年分であってもよいし、過去6年分であってもよい。
【0035】
また、データ提供装置30は、このようにして加工した加工済の第1の測定結果を組織Cに提供する(ステップS13)。具体的には、データ提供装置30は、加工済の第1の測定結果を情報処理装置100に送信することでこれを組織Cに提供する。また、情報処理装置100は、データ提供装置30から提供された加工済の第1の測定結果を取得すると、取得した第1の測定結果を第1測定結果データベース121(図3)に格納する。なお、データ提供装置30は、加工処理を施していない生データとしての第1の測定結果を情報処理装置100に提供してもよく、係る場合には、情報処理装置100がこの第1の測定結果についてステップS12で説明した加工処理を行ってもよい。
【0036】
続いて、情報処理装置100は、加工済の第1の測定結果に対して統計処理を行う(ステップS14)。具体的には、情報処理装置100は、統計処理として、加工済の第1の測定結果をフィジカルスコア算出ロジックに適した状態へと調整するクレンジング処理と、加工済の第1の測定結果の統計値を算出することで統計データを生成する統計データ処理とを行う。具体的には、情報処理装置200は、過去数年分の加工済み柔軟性データ、過去数年分の加工済み筋力データ、過去数年分の加工済みバランスデータそれぞれに対して、上記のような統計処理を行う。
【0037】
より具体的には、情報処理装置100は、過去数年分の加工済み柔軟性データ、過去数年分の加工済み筋力データ、過去数年分の加工済みバランスデータそれぞれに対して、クレンジング処理として、年度別のデータを1つのデータセットに結合する結合処理、および、統計データの生成に用いる統計処理対象のデータをデータセットから抽出する抽出処理を行う。
【0038】
そして、情報処理装置100は、加工済み柔軟性データのデータセットから抽出された統計処理対象のデータを用いて柔軟性データの統計値を算出する。また、情報処理装置100は、加工済み筋力データのデータセットから抽出された統計処理対象のデータを用いて筋力データの統計値を算出する。また、情報処理装置100は、加工済みバランスデータのデータセットから抽出された統計処理対象のデータを用いてバランスデータの統計値を算出する。また、情報処理装置100は、このようにして各測定項目について算出した第1の測定結果の統計値が、統計データとして一覧表示される一覧情報を生成する。情報処理装置100は、生成した統計データを統計情報データベース122(図4)に格納する。
【0039】
ここで、情報処理装置100は、上記のように統計データを生成している状態で、体力に関する3つの測定項目(柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、バランス能力を示す項目)について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果を受け付けたか否かを判定している。以下では、情報処理装置100が、第2の測定結果を受け付けたと判定するまでの流れに焦点を当てて説明する。
【0040】
図1の例では、フィジカルスコアの提供を希望する利用者U1が、自身の端末装置10を用いて、3つの測定項目それぞれについて測定した第2の測定結果を入力したものとする。具体的には、利用者U1は、柔軟性を示す項目が測定された測定結果である「個人柔軟性データ」(第2の測定結果の一例)、筋力を示す項目が測定された測定結果である「個人筋力データ」(第2の測定結果の一例)、バランス能力を示す項目が測定された測定結果である「個人バランスデータ」(第2の測定結果の一例)を端末装置10に入力したものとする。
【0041】
係る場合、端末装置10は、アプリAPの制御に従って、入力された第2の測定結果を組織Bに提供する(ステップS21)。具体的には、端末装置10は、入力された第2の測定結果を仲介装置60に送信することでこれを組織Bに提供する。
【0042】
仲介装置60は、利用者U1から提供された第2の測定結果を取得すると、取得した第2の測定結果を情報処理装置100に提供する(ステップS22)。このような場合、情報処理装置100は、仲介装置60から第2の測定結果を受け付けることで、結果、利用者U1により入力されたこの第2の測定結果を受け付けたと判定する。
【0043】
また、情報処理装置100は、第2の測定結果を受け付けたと判定した場合には、利用者U1の利用者情報に基づく各種制御を行う(ステップS23)。例えば、情報処理装置100は、利用者情報として、利用者U1の属性(例えば、性別および年齢)を示す属性情報を取得し、取得した属性情報を統計データ(統計データの一覧情報)に取り込む(ステップS23)。なお、利用者情報は、第2の測定結果とともに端末装置10によって送信されてもよいし、情報処理装置100が第2の測定結果を受け付けたことに応じて、利用者情報を取得しに行ってもよい。
【0044】
次に、情報処理装置100は、利用者情報をキーとして、一覧される統計データの中から利用者情報に対応する統計データを抽出する(ステップS24)。例えば、情報処理装置100は、利用者情報として取得された属性情報が対応付けられる統計データを抽出する。
【0045】
次に、情報処理装置100は、抽出した統計データが示す統計値と、利用者U1から提供された第2の測定結果との比較に基づき、利用者U1が生活習慣病に罹患するリスクの指標となるフィジカルスコアを算出する(ステップS25)。具体的には、情報処理装置100は、第1の測定結果の統計値と第2の測定結果との比較に基づきフィジカルスコアを導出するよう見出されたスコア算出ロジックに対して、抽出した統計データが示す統計値と、利用者U1から提供された第2の測定結果とを適用することで、利用者U1のフィジカルスコアを算出する。
【0046】
また、情報処理装置100は、算出したフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう、フィジカルスコアを仲介装置60に提供する(ステップS26)。
【0047】
仲介装置60は、情報処理装置100から提供されたフィジカルスコアを受け付けると、受け付けたフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう表示制御する(ステップS27)。例えば、仲介装置60は、利用者U1から提供された第2の測定結果として「個人柔軟性データ」、「個人筋力データ」、「個人バランスデータ」が、フィジカルスコアに関するデータとともに表示されるような個人シートを生成する。
【0048】
そして、仲介装置60は、生成した個人シートを利用者U1に提供する(ステップS28)。具体的には、仲介装置60は、生成した個人シートを端末装置10に送信することでこれを利用者U1に提供する。
【0049】
また、端末装置10は、仲介装置60から提供された個人シートを受け付けた場合には、アプリAPに対応する画面内に個人シートを表示させる。これにより、利用者U1は、自身のフィジカルスコアを知ることができる。具体的には、利用者U1は、被験者のうち自身と類似する被験者(例えば、同じ性別で同年代の被験者)と比較して自身がどれほど生活習慣病になりやすい状態にあるかをフィジカルスコアとして知ることができる。
【0050】
なお、情報処理装置100は、フィジカルスコアの偏差値をさらに算出してよく、フィジカルスコアとともにこの偏差値を仲介装置60に提供することで、利用者U1に対してフィジカルスコアだけでなく偏差値も返すよう制御してもよい。偏差値算出手法については後述する。
【0051】
さて、これまで図1を用いて、情報処理システム1の中で行われる実施形態に係る情報処理の全体像について説明した。図1で説明したように、情報処理システム1では、情報処理装置100がフィジカルスコアを算出できるようデータ提供装置30から第1の測定結果が収集され、また、フィジカルスコアの提供する利用者がアプリAPを介して入力した第2の測定結果が仲介装置60を介して取得される。また、このような状態において、情報処理装置100は、スコア算出ロジックに基づきプログラミングされた算出プログラムの制御に従い、第1の測定結果と第2の測定結果とに基づき利用者のフィジカルスコアを算出し、算出したフィジカルスコアを利用者に返す。
【0052】
このような情報処理によれば、利用者は、健康診断によって多くの項目について検査および測定することや血液採取することなく生活習慣病のリスクを知ることができるようになる。また、このような情報処理によれば、時間的な理由や金銭的な理由からそもそも健康診断を受けることが困難な場合であっても、3つの測定項目についての測定結果さえ準備すれば生活習慣病のリスクを知ることができるようになる。したがって、実施形態に係る算出プログラムによって、生活習慣病になり得るリスクを利用者がより手軽に知ることができるよう効果的にサポートすることができるようになる。
【0053】
〔5.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0054】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、データ提供装置30、仲介装置60との間で情報の送受信を行う。
【0055】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、第1測定結果データベース121と、統計情報データベース122と、第2測定結果データベース123とを有する。
【0056】
(第1測定結果データベース121について)
第1測定結果データベース121は、体力に関する測定項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を記憶する。ここで、図3に実施形態に係る第1測定結果データベース121の一例を示す。図3に示す第1測定結果データベース121は、「年度」、「性別」、「年齢」、「被験者ID(Identifier)」、「第1の測定結果」といった項目を有する。具体的には、第1測定結果データベース121は、年度別(例えば、平成30年度から過去6年間の年度別)に第1の測定結果を記憶し、図3の例では、「平成30年」に行われた体力測定での第1の測定結果に関する情報が一例として示される。
【0057】
「年度」は、対応する「第1の測定結果」が何年に実施された体力測定で得られた測定結果であるかを示す情報である。「性別」は、被験者の性別に関する情報である。「年齢」は、被験者の年齢に関する情報である。「被験者ID」は、被験者を識別する識別情報である。
【0058】
「柔軟性データ」は、基準に対して体を屈折可能な距離(柔軟性を示す項目の一例)が立位体前屈手法で測定された測定結果であり、第1の測定結果の1つである。「筋力データ」は、握力と体重との比率を示す握力体重比(筋力を示す項目の一例)が算出された結果であり、第1の測定結果の1つである。「バランスデータ」は、閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間(バランス能力を示す項目の一例)が閉眼片足立ち手法で測定された測定結果であり、第1の測定結果の1つである。また、図3に示すように、第1の測定結果は、3つの測定項目のそれぞれに対する複数の被験者による測定結果で構成される。
【0059】
すなわち、図3の例は、「平成30年」での体力測定に参加することで被験者となった性別「男性」、年齢「20歳」の人物が、被験者ID「H11」によって識別されており、立位体前屈測定を行った測定結果(柔軟性データ)として「♯SP111」という測定値が得られ、握力測定および体重測定を行った測定結果(筋力データ)として「♯SP112」という測定値が得られ、閉眼片足立ち測定を行った測定結果(バランスデータ)として「♯SP113」という測定値が得られた例を示す。
【0060】
なお、図3の例では、測定結果を「♯SP111」等のように概念表記しているが、実際には、測定項目に対応する正当な数値が記憶される。
【0061】
(統計情報データベース122について)
統計情報データベース122は、測定項目ごとの第1の測定結果(「柔軟性データ」、「筋力データ」、「バランスデータ」)の統計値に関する情報を記憶する。統計情報データベース122は、例えば、クレンジング処理および統計データ処理という一連の統計処理の結果得られた統計データを記憶する。ここで、図4に実施形態に係る統計情報データベース122の一例を示す。図4に示す統計情報データベース122は、「性別」、「測定項目」、「年齢」といった項目を有する。
【0062】
「性別」は、被験者の性別に関する情報である。「測定項目」は、体力に関する測定項目である。「年齢」は、被験者の年齢に関する情報である。
【0063】
図4の例によれば、性別「男性」、測定項目「柔軟性」、年齢「30」という組合せで特定される領域には、「統計値♯M301」が入力されている。係る例は、性別「男性」および年齢「30歳」という属性の組合せを有する各被験者について柔軟性を示す項目(基準に対して体を屈折可能な距離)が測定された測定結果すなわち柔軟性データを第1測定結果データベース121から抽出し、抽出した柔軟性データから算出された統計値が概念的に「統計値♯M301」で示されている例を示す。
【0064】
なお、属性の組合せと、柔軟性を示す項目とに対応付けられるこの統計値とは、年齢と性別との組ごとに当該組に属する各被験者について得られた柔軟性データが平均された平均値、またこの柔軟性データが示す標準偏差、またこの柔軟性データに対して主成分分析された結果である主成分得点のそれぞれを示す。
【0065】
また、図4の例によれば、性別「男性」、測定項目「筋力」、年齢「30」という組合せで特定される領域には、「統計値♯M302」が入力されている。係る例は、性別「男性」および年齢「30歳」という属性の組合せを有する各被験者について筋力を示す項目(握力体重比)が測定された測定結果すなわち筋力データを第1測定結果データベース121から抽出し、抽出した筋力データから算出された統計値が概念的に「統計値♯M302」で示されている例を示す。
【0066】
なお、属性の組合せと、筋力を示す項目とに対応付けられるこの統計値とは、年齢と性別との組ごとに当該組に属する各被験者について得られた筋力データが平均された平均値、またこの筋力データが示す標準偏差、またこの筋力データに対して主成分分析された結果である主成分得点のそれぞれを示す。
【0067】
また、図4の例によれば、性別「男性」、測定項目「バランス能力」、年齢「30」という組合せで特定される領域には、「統計値♯M303」が入力されている。係る例は、性別「男性」および年齢「30歳」という属性の組合せを有する各被験者についてバランス能力を示す項目(閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間)が測定された測定結果すなわちバランスデータを第1測定結果データベース121から抽出し、抽出したバランスデータから算出された統計値が概念的に「統計値♯M303」で示されている例を示す。
【0068】
なお、属性の組合せと、バランス能力を示す項目とに対応付けられるこの統計値とは、年齢と性別との組ごとに当該組に属する各被験者について得られたバランスデータが平均された平均値、またこのバランスデータが示す標準偏差、またこのバランスデータに対して主成分分析された結果である主成分得点のそれぞれを示す。
【0069】
なお、図4では不図示であるが、統計情報データベース122は、属性の組合ごとに当該組に属する各被験者について得られたフィジカルスコアの平均値をさらに記憶してもよい。また、統計情報データベース122は、属性の組合ごとに当該組に属する各被験者について得られたフィジカルスコアを示す標準偏差もさらに記憶してもよい。
【0070】
(第2測定結果データベース123について)
第2測定結果データベース123は、体力に関する測定項目のそれぞれが利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果を記憶する。ここで、図5に実施形態に係る第2測定結果データベース123の一例を示す。図5に示す第2測定結果データベース123は、「受付日時」、「利用者ID(Identifier)」、「利用者情報」、「第2の測定結果」といった項目を有する。
【0071】
「受付日時」は、「第2の測定結果」が受け付けられた日時に関する情報である。「利用者ID」は、「第2の測定結果」を入力した利用者または利用者の端末装置10を識別する識別情報を示す。「利用者情報」は、利用者に関する各種情報であって、利用者の属性(例えば、性別および年齢)を示す属性情報が含まれてよい。
【0072】
「個人柔軟性データ」は、基準に対して体を屈折可能な距離(柔軟性を示す項目の一例)が利用者個人を対象に立位体前屈手法で測定された測定結果であり、第2の測定結果の1つである。「個人筋力データ」は、利用者個人を対象に握力と体重との比率を示す握力体重比(筋力を示す項目の一例)が算出された結果であり、第2の測定結果の1つである。「バランスデータ」は、閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間(バランス能力を示す項目の一例)が利用者個人を対象に閉眼片足立ち手法で測定された測定結果であり、第2の測定結果の1つである。
【0073】
すなわち、図5の例は、利用者ID「U1」で識別される利用者(利用者U1)は、立位体前屈測定を行った測定結果(個人柔軟性データ)として「♯N11」という測定値が得られ、握力測定および体重測定を行った測定結果(個人筋力データ)として「♯N12」という測定値が得られ、閉眼片足立ち測定を行った測定結果(個人バランスデータ)として「♯N13」という測定値が得られた例を示す。また、図5の例は、利用者U1がアプリAPに自身の利用者情報として「利用者情報♯11」を登録している例を示す。また、図6の例は、情報処理装置100が、利用者U1により入力(提供)された「第2の測定結果」を受付日時「日時D1」に受け付けた例を示す。
【0074】
なお、図5の例では、測定結果を「♯N11」等のように概念表記しているが、実際には、測定項目に対応する正当な数値が記憶される。
【0075】
(制御部130について)
図2に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る算出プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0076】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、統計算出部132と、受付部133と、スコア算出部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0077】
(取得部131について)
取得部131は、体力に関する測定項目として、柔軟性を示す項目、および、当該項目とは異なる他の項目のそれぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する。例えば、取得部131は、他の項目として、筋力を示す項目、および、バランス能力を示す項目のうち、少なくともいずれか1つの項目が測定された測定結果を含む第1の測定結果を取得する。本実施形態では、取得部131は、柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、および、バランス能力を示す項目といった3つの測定項目それぞれが被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果を取得する。
【0078】
図1の例によると、取得部131は、柔軟性を示す項目(基準に対して体を屈折可能な距離)が立位体前屈手法で測定された測定結果である「柔軟性データ」(第1の測定結果の一例)、筋力を示す項目(握力体重比)が算出された結果である「筋力データ」(第1の測定結果の一例)、バランス能力を示す項目(閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間)が閉眼片足立ち手法で測定された測定結果である「バランスデータ」(第1の測定結果の一例)を取得する。より具体的には、取得部131は、これら3つの測定項目それぞれが各被験者を対象に測定された第1の測定結果であって、データ提供装置30により加工処理された加工済の第1の測定結果を取得する。例えば、取得部131は、データ提供装置30により提供された加工済の第1の測定結果を取得する。
【0079】
(統計算出部132について)
統計算出部132は、第1の測定結果として、複数の被験者を対象に体力に関する測定項目が測定された測定結果に基づいて、第1の測定結果の統計値を測定項目ごとに算出する。例えば、統計算出部132は、被験者に対応する所定の属性ごとに統計値を算出する。また、例えば、統計算出部132は、測定項目ごとの第1の測定結果の統計値として、第1の測定結果の平均値、第1の測定結果が示す標準偏差、および、第1の測定結果に対して主成分分析された結果である主成分得点を算出する。
【0080】
図1の例によれば、統計算出部132は、平均値、標準偏差、主成分得点といった各種の統計値を算出するための統計処理として、加工済の第1の測定結果をフィジカルスコア算出ロジックに適した状態へと調整するクレンジング処理と、クレンジング処理後の第1の測定結果について統計値を算出することで統計データを生成する統計データ処理とを行う。
【0081】
例えば、統計算出部132は、加工済み柔軟性データのデータセットから抽出した統計処理対象のデータを用いて、柔軟性データの統計値(平均値、標準偏差、主成分得点)を算出する。また、統計算出部132は、加工済み筋力データのデータセットから抽出した統計処理対象のデータを用いて、筋力データの統計値(平均値、標準偏差、主成分得点)を算出する。また、統計算出部132は、加工済みバランスデータのデータセットから抽出した統計処理対象のデータを用いて、バランスデータの統計値(平均値、標準偏差、主成分得点)を算出する。
【0082】
(受付部133について)
受付部133は、体力に関する測定項目について利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果を受け付ける。例えば、受付部133は、利用者により第2の測定項目がアプリAPを介して入力された場合には、入力された第2の測定結果を受け付ける。例えば、受付部133は、利用者により入力された第2の測定項目が仲介装置60を介し転送されてくることにより第2の測定結果を受け付ける。
【0083】
(スコア算出部134について)
スコア算出部134は、スコア算出ロジックに従って、利用者のフィジカルスコアを算出する。スコア算出ロジックについて概念的に説明すると次のようになる。
【0084】
具体的には、スコア算出部134は、体力に関する測定項目が被験者を対象に測定された測定結果である第1の測定結果と、体力に関する測定項目が利用者を対象に測定された測定結果である第2の測定結果とに基づいて、利用者が所定の疾病に罹患するリスクの指標となるフィジカルスコアを算出する。例えば、スコア算出部134は、統計算出部132により算出された統計値と、第2の測定結果との比較に基づき、フィジカルスコアを算出する。また、例えば、スコア算出部134は、所定の属性ごとの統計値のうち、利用者の属性に対応する統計値と、第2の測定結果との比較に基づき、フィジカルスコアを算出する。
【0085】
詳細には、スコア算出部134は、第1の測定結果の統計値のうち利用者の属性に対応する平均値と、第1の測定結果の統計値のうち利用者の属性に対応する標準偏差とに基づき、この平均値と第2の測定結果との乖離の度合を評価する評価値を測定項目ごとに算出するとともに、算出した評価値のそれぞれを評価値に対応する測定項目について算出された主成分得点で正規化し、正規化した後の各評価値を足し合わせることによりフィジカルスコアを算出する。例えば、スコア算出部134は、フィジカルスコアとして、被験者のうち利用者と類似する被験者と比較して利用者が生活習慣病になりやすさの指標となるスコアを算出する。
【0086】
ここで、上記のスコア算出ロジックは、式(1)によって表すことができる。すなわちスコア算出部134は、統計算出部132により被験者の属性ごとに算出された測定項目ごとの第1の測定結果の統計値のうち、利用者の属性に対応する平均値、標準偏差、主成分得点、利用者が入力した第2の測定結果のそれぞれを式(1)に適用することで、利用者のフィジカルスコアを算出する。
【0087】
(数1)SC=C1×(V1-x)/s1+C2×(V2-x)/s2+C3×(V3-x)/s3
【0088】
「SC」は、利用者のフィジカルスコアを示す。「V1」は、筋力を示す項目(握力体重比)が利用者を対象に測定された測定値を示し、握力測定および体重測定による測定結果に対応する。「V2」は、バランス能力を示す項目(閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間)が利用者を対象に測定された測定値を示し、閉眼片足立ち手法で測定された測定結果に対応する。「V3」は、柔軟性を示す項目(基準に対して体を屈折可能な距離)が利用者を対象に測定された測定値を示し、立位体前屈手法で測定された測定結果に対応する。
【0089】
「C1」は、被験者の属性(例えば、性別および年齢という属性の組合せ)ごとに当該属性を有する各被験者について得られた筋力データに対する主成分得点のうち、利用者の属性に対応(一致または類似)する主成分得点を示す。「C2」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られたバランスデータに対する主成分得点のうち、利用者の属性に対応する主成分得点を示す。「C3」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られた柔軟性データに対する主成分得点のうち、利用者の属性に対応する主成分得点を示す。
【0090】
「x」は、被験者の属性(例えば、性別および年齢という属性の組合せ)ごとに当該属性を有する各被験者について得られた筋力データの平均値のうち、利用者の属性に対応(一致または類似)する平均値を示す。「x」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られたバランスデータの平均値のうち、利用者の属性に対応する平均値を示す。「x」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られた柔軟性データの平均値のうち、利用者の属性に対応する平均値を示す。
【0091】
「s1」は、被験者の属性(例えば、性別および年齢という属性の組合せ)ごとに当該属性を有する各被験者について得られた筋力データが示す標準偏差のうち、利用者の属性に対応(一致または類似)する標準偏差を示す。「s2」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られたバランスデータを示す標準偏差のうち、利用者の属性に対応する標準偏差を示す。「s3」は、被験者の属性ごとに当該属性を有する各被験者について得られた柔軟性データが示す標準偏差のうち、利用者の属性に対応する標準偏差を示す。
【0092】
ここで、式(1)のうち、「(V1-x)/s1」は、利用者の属性に対応する属性を有する被験者集団の筋力データを平均した平均値「x」と、利用者の個人筋力データ「V1」との乖離の度合を評価する評価値を示す。また、式(1)のうち、「(V2-x)/s2」は、利用者の属性に対応する属性を有する被験者集団のバランスデータを平均した平均値「x」と、利用者の個人バランスデータ「V2」との乖離の度合を評価する評価値を示す。また、式(1)のうち、「(V3-x)/s3」は、利用者の属性に対応する属性を有する被験者集団の柔軟性データを平均した平均値「x」と、利用者の個人柔軟性データ「V3」との乖離の度合を評価する評価値を示す。
【0093】
また、握力を示す項目が測定された測定結果、バランス能力を示す項目が測定された測定結果、柔軟性を示す項目が測定された測定結果は、それぞれ単位が異なる。このため、各評価値を正当に足し合わせた総合得点としてフィジカルスコアを算出できるよう、式(1)に示すように主成分得点「s1」、「s2」および「s3」を対応する評価値に掛け合わせることで各評価値が正規化される。
【0094】
また、スコア算出部134は、上記のようにして算出したフィジカルスコアを用いて、フィジカルスコアに対応する偏差値をさらに算出してよい。スコア算出部134は、例えば、以下の式(2)に対し、第2の測定結果を提供した利用者のフィジカルスコアと、被験者の属性ごとに算出されたフィジカルスコアに関する情報とを適用することで、第2の測定結果を提供した利用者のフィジカルスコアに対応する偏差値DVを算出することができる。
【0095】
(数2)DV=((SC-AV)/SD)×10+50
【0096】
「SC」は、利用者のフィジカルスコアを示し、式(1)によって算出される。「AV」は、被験者の属性(例えば、性別および年齢という属性の組合せ)ごとに当該属性を有する各被験者について得られたフィジカルスコアの平均値のうち、利用者の属性に対応する平均値を示す。「SD」は、被験者の属性(例えば、性別および年齢という属性の組合せ)ごとに当該属性を有する各被験者について得られたフィジカルスコアの標準偏差のうち、利用者の属性に対応する標準偏差を示す。
【0097】
(提供部135について)
提供部135は、スコア算出部134により算出されたフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう、フィジカルスコアを仲介装置60に提供する。
【0098】
〔6.仲介装置の構成〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る仲介装置60について説明する。図6は、実施形態に係る仲介装置60の構成例を示す図である。図6に示すように、仲介装置60は、通信部61と、記憶部62と、制御部63とを有する。
【0099】
(通信部61について)
通信部61は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部61は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、情報処理装置100との間で情報の送受信を行う。
【0100】
(記憶部62について)
記憶部62は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部62は、個人情報データベース62aを有する。個人情報データベース62aは、例えば、利用者ごとに当該利用者に関する利用者情報を記憶する。
【0101】
(制御部63について)
制御部63は、CPUやMPU等によって、仲介装置60内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部63は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0102】
図6に示すように、制御部63は、取得部63aと、提供部63bと、受付部63cと、表示制御部63dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部63の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部63が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0103】
(取得部63aについて)
取得部63aは、利用者から提供された第2の測定結果を取得する。例えば、取得部63aは、利用者により第2の測定項目がアプリAPを介して入力された場合に、入力に応じて端末装置10から送信された第2の測定項目を取得する。
【0104】
(提供部63bについて)
提供部63bは、取得部63aにより取得された第2の測定項目を情報処理装置100に提供する。
【0105】
(受付部63cについて)
受付部63cは、情報処理装置100から提供されたフィジカルスコアを受け付ける。
【0106】
(表示制御部63dについて)
表示制御部63dは、受付部63cにより受け付けられたフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう表示制御する。例えば、表示制御部63dは、利用者から提供された第2の測定結果として「個人柔軟性データ」、「個人筋力データ」、「個人バランスデータ」が、フィジカルスコアに関するデータとともに表示されるような個人シートを生成する。例えば、表示制御部63dは、フィジカルスコアごとの人数分布と、フィジカルスコアごとに分けられた人数分布のグループのうち現在処理対象となっている利用者について算出されたフィジカルスコアが属するグループが示される個人シートを生成する。そして、表示制御部63dは、生成した個人シートを利用者に提供する。なお、情報処理装置100が表示制御部63dに対応する処理部を有してよく、これにより情報処理装置100側で係る表示制御が行われてもよい。
【0107】
〔7.端末装置の構成〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る端末装置10について説明する。図7は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。図7に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、アプリ制御部14とを有する。
【0108】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、仲介装置60との間で情報の送受信を行う。
【0109】
(入力部12、表示部13について)
入力部12は、タッチパネル、キーボードやマウス等の入力デバイスを含み、利用者による操作に応じて各種データの入力を受け付ける。そして、入力部12は、入力を受け付けた各種データをアプリ制御部14に出力する。表示部13は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、アプリ制御部14による制御の下、各種の情報を表示する。
【0110】
(アプリ制御部14について)
アプリ制御部14は、CPUやMPU等によって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、アプリAPに対応するプログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、端末装置10は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0111】
図7に示すように、アプリ制御部14は、提供部14aと、受付部14bと、表示制御部14cとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、アプリ制御部14の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、アプリ制御部14が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0112】
(提供部14aについて)
提供部14aは、アプリAPの制御に従って、入力された第2の測定結果を組織Bに提供する。具体的には、提供部14aは、入力された第2の測定結果を仲介装置60に送信することでこれを組織Bに提供する。
【0113】
(受付部14bについて)
受付部14bは、フィジカルスコアに関する情報を受け付ける。例えば、受付部14bは、仲介装置60から提供された個人シートを受け付ける。
【0114】
(表示制御部14cについて)
表示制御部14cは、受付部14bにより受け付けられた情報を表示部13に表示させる。例えば、表示制御部14cは、受付部14bにより個人シートが受け付けられた場合には、アプリAPに対応する画面内に個人シートを表示させる。
【0115】
〔8.処理手順〕
続いて、情報処理装置100によって行われる情報処理の手順について図8および図9を用いて説明する。図8では、第1の測定結果から統計データを生成するための一連の統計処理の手順について説明する。また、図9では、スコア算出ロジックに従いフィジカルスコアを算出する算出処理の手順について説明する。
【0116】
〔8-1.処理手順(1)〕
まず、図8を用いて、統計処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る統計処理手順を示すフローチャートである。図8の例では、データ提供装置30が、所定期間分の第1の測定結果を情報処理装置100に提供しているものとする。具体的には、データ提供装置30が、平成30年度から過去数年分の柔軟性データ、筋力データ、バランスデータそれぞれに対して加工処理(被験者の匿名性を保護する加工処理、年度間のデータを突き合わせて測定項目と測定結果との整合性を確認する加工処理)を行った後の、加工済の第1の測定結果を情報処理装置100に提供しているものとする。
【0117】
このような状態において、統計算出部132は、加工済の第1の測定結果に対して統計処理を行う。例えば、統計算出部132は、クレンジング処理および統計データ処理を含む統計処理を行う。図8の例では、統計算出部132は、ステップS101~S106にかけて加工済の第1の測定結果をフィジカルスコア算出ロジックに適した状態へと調整するクレンジング処理を行う。また、統計算出部132は、ステップS107~S110にかけてクレンジング処理後の第1の測定結果を用いて、統計値を算出することで統計データを生成する統計データ処理を行う。
【0118】
クレンジング処理は、年度別のデータを1つのデータセットに結合する結合処理、および、統計データの生成に用いる統計処理対象のデータをデータセットから抽出する抽出処理で構成される。この点について具体的には、まず、取得部131が、データ提供装置30から取得した年度別の第1の測定結果を統計算出部132にインポートする(ステップS101)。
【0119】
そうすると、統計算出部132は、クレンジング処理として、インポートされた年度別の第1の測定結果を1つのデータセットに結合する結合処理を行う(ステップS102)。例えば、図3の例では、年度ごとの第1の測定結果が年度別に個別に記憶されている。したがって、統計算出部132は、年度ごとに個別に用意されている第1の測定結果を1つのデータセットに結合する。
【0120】
次からは統計算出部132は、抽出処理を行う。例えば、統計算出部132は、データセットに含まれる加工済の第1の測定結果であって、3つの測定項目(柔軟性を示す項目、筋力を示す項目、バランス能力を示す項目)のそれぞれが各被験者を対象に測定された被験者ごとの測定結果の中から、統計処理対象としての条件を満たさない測定結果を段階的に除外する。そして、統計算出部132は、統計処理対象としての条件を満たす第1の測定結果を絞り込む。
【0121】
この点について具体的には、統計算出部132は、ステップS102に引き続き、各被験者の第1の測定結果ごとに、3つの測定項目の全てについて体力測定されたことによる測定結果が含まれるか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、統計算出部132は、各被験者の第1の測定結果ごとに当該第1の測定結果が柔軟性データ、筋力データ、バランスデータで構成されているか否かを判定する。そして、統計算出部132は、柔軟性データ、筋力データ、バランスデータで構成されていないと判定した第1の測定結果については除外し(ステップS103;No)、柔軟性データ、筋力データ、バランスデータで構成されていると判定した第1の測定結果をそのまま採用する(ステップS103;Yes)。
【0122】
次に、統計算出部132は、ステップS103で除外されなかった各被験者の第1の測定結果ごとに、当該第1の測定結果を構成する柔軟性データ、筋力データ、バランスデータの全てが範囲内であるか否かを判定する(ステップS104)。そして、統計算出部132は、柔軟性データ、筋力データ、バランスデータの少なくともいずれかが範囲外と判定した第1の測定結果については除外し(ステップS104;No)、柔軟性データ、筋力データ、バランスデータの全てが範囲内であると判定した第1の測定結果をそのまま採用する(ステップS104;Yes)。
【0123】
次に、統計算出部132は、ステップS104で除外されなかった各被験者の第1の測定結果ごとに、平成30年度から過去6年のうち所定年度に実施された体力測定による測定結果であるか否かを判定する(ステップS105)。そして、統計算出部132は、所定年度に実施された体力測定による測定結果でないと判定した第1の測定結果については除外し(ステップS105;No)、所定年度に実施された体力測定による測定結果であると判定した第1の測定結果をそのまま採用する(ステップS105;Yes)。
【0124】
また、統計算出部132は、ステップS105で除外されなかった各被験者の第1の測定結果ごとに、30歳~69歳の被験者に対応する測定結果であるか否かを判定する(ステップS106)。そして、統計算出部132は、30歳~69歳の被験者に対応する測定結果でないと判定した第1の測定結果については除外し(ステップS106;No)、30歳~69歳の被験者に対応する測定結果であると判定した第1の測定結果をそのまま採用する(ステップS106;Yes)。
【0125】
図8の例によれば、ステップS106まで除外されずに残った第1の測定結果が、統計処理対象としての条件を満たす第1の測定結果であり、統計算出部132は、この最後まで残った第1の測定結果を用いて統計データ処理を行う。
【0126】
統計データ処理として、まず、統計算出部132は、年齢と性別との組(属性の組合せ)ごとに当該組での3つの測定項目それぞれに対応する第1の測定結果の平均値を算出する(ステップS107)。具体的には、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた柔軟性データから柔軟性データの平均値を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた筋力データから筋力データの平均値を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られたバランスデータからバランスデータの平均値を算出する。
【0127】
さらに、統計算出部132は、年齢と性別との組(属性の組合せ)ごとに当該組での3つの測定項目それぞれに対応する第1の測定結果の標準偏差を算出する(ステップS108)。具体的には、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた柔軟性データから柔軟性データが示す標準偏差を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた筋力データから筋力データが示す標準偏差を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られたバランスデータからバランスデータが示す標準偏差を算出する。
【0128】
また、さらに統計算出部132は、年齢と性別との組(属性の組合せ)ごとに当該組での3つの測定項目それぞれに対応する第1の測定結果に対して主成分分析することで、当該組での測定項目ごとの主成分得点を算出する(ステップS109)。具体的には、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた柔軟性データに対して主成分分析することで主成分得点を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られた筋力データに対して主成分分析することで主成分得点を算出する。また、統計算出部132は、年齢と性別との組ごとに、当該組に属する各被験者について得られたバランスデータに対して主成分分析することで主成分得点を算出する。
【0129】
またこのように統計算出部132によりステップS107~S109が行われた結果、例えば、図4に示すような構成の統計情報データベース122が得られることとなる。また、ステップS107~S109に示す処理の順序は一例に過ぎず順不同であってよい。
【0130】
そして最後に、統計算出部132は、ステップS107~S109にかけて年齢と性別との組ごとに各測定項目について算出された第1の測定結果の統計値を用いて、この統計値が統計データとして一覧される一覧情報(フィジカルスコア算出用テーブル)を生成する(ステップS110)。また、統計算出部132は、生成した一覧情報をスコア算出部134に出力することができる。
【0131】
〔8-2.処理手順(2)〕
次に、図9を用いて、フィジカルスコアを算出する算出処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係るスコア算出処理手順を示すフローチャートである。
【0132】
まず、受付部133は、利用者により提供された第2の測定結果を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。受付部133は、第2の測定結果を受け付けていないと判定している間は(ステップS201;No)、第2の測定結果を受け付けたと判定できるまで待機する。
【0133】
一方、スコア算出部134は、受付部133により第2の測定結果が受け付けられた場合には(ステップS201;Yes)、フィジカルスコア算出用テーブルを読み込む(ステップS202)。
【0134】
次に、スコア算出部134は、第2の測定結果を提供した利用者の利用者情報として、例えば利用者の属性(例えば、性別および年齢)を示す属性情報を取得し、取得した属性情報をフィジカルスコア算出用テーブルに取り込む(ステップS203)。
【0135】
そして、スコア算出部134は、図8のステップS107~S109にかけて年齢と性別との組ごとに各測定項目について算出された第1の測定結果の統計値のうち、利用者情報が示す属性組(年齢と性別との組)に対応する統計値を抽出する(ステップS204)。
【0136】
具体的には、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた筋力データの平均値のうち、利用者の属性組に対応する平均値「x」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られたバランスデータの平均値のうち、利用者の属性組に対応する平均値「x」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた柔軟性データの平均値のうち、利用者の属性組に対応する平均値「x」を抽出する。
【0137】
さらにスコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた筋力データが示す標準偏差のうち、利用者の属性組に対応する標準偏差「s1」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られたバランスデータが示す標準偏差のうち、利用者の属性組に対応する標準偏差「s2」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた柔軟性データが示す標準偏差のうち、利用者の属性組に対応する標準偏差「s3」を抽出する。
【0138】
またさらにスコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた筋力データに対する主成分得点のうち、利用者の属性組に対応する主成分得点「C1」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られたバランスデータに対する主成分得点のうち、利用者の属性組に対応する主成分得点「C2」を抽出する。また、スコア算出部134は、被験者の属性組ごとに当該属性組を有する各被験者について得られた柔軟性データに対する主成分得点のうち、利用者の属性組に対応する主成分得点「C3」を抽出する。
【0139】
そして、スコア算出部134は、ステップS24で抽出した各統計値と、第2の測定結果との比較に基づき、フィジカルスコアを算出する(ステップS205)。具体的には、スコア算出部134は、筋力を示す項目(握力体重比)が利用者を対象に測定された測定値「V1」、バランス能力を示す項目(閉眼片足立ちの状態を維持可能な時間)が利用者を対象に測定された測定値「V2」、柔軟性を示す項目(基準に対して体を屈折可能な距離)が利用者を対象に測定された測定値「V3」を式(1)に適用し、また、抽出した平均値(「x」、「x」および「x」)、抽出した標準偏差(「s1」、「s2」および「s3」)、抽出した主成分得点(「C1」、「C2」および「C3」)を式(1)に適用することで、利用者のフィジカルスコア「SC」を算出する。
【0140】
また、スコア算出部134は、ステップS205で算出したフィジカルスコア「SC」を式(2)に適用することで、フィジカルスコア「SC」に対応する標準偏差を算出する(ステップS206)。
【0141】
最後に、提供部135は、スコア算出部134により算出されたフィジカルスコアに関する情報がアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう、フィジカルスコアを仲介装置60に提供する(ステップS207)。例えば、提供部135は、スコア算出部134により算出されたフィジカルスコア、または、偏差値のうち、少なくともいずれか一方が表示されるようこれらを仲介装置60に提供する。
【0142】
また、図9では不図示であるが、仲介装置60の表示制御部63dは、受付部63cによりフィジカルスコアが受け付けられると、フィジカルスコアに関するデータが表示される個人シートを生成しこれを利用者の端末装置10に送信する。例えば、表示制御部63dは、フィジカルスコアごとの人数分布と、フィジカルスコアごとに分けられた人数分布のグループのうち今回の利用者について算出されたフィジカルスコアが属するグループが示される個人シートを生成する。以下では、図10を用いて、表示制御部63dにより生成される個人シートの一例について説明する。
【0143】
〔9.個人シートについて〕
図10は、実施形態に係る個人シートの一例を示す図である。図10には、仲介装置60が、今回第2の測定結果を提供した利用者に対して提供する個人シートとして個人シートC1を生成した例が示される。図10の例によれば、個人シートC1は、領域AR11、領域AR12、領域AR13という3つの領域で構成されてよい。
【0144】
また、図10の例によれば、領域AR11には、利用者から提供された第2の測定結果が「今回の測定値」として表示される。また、領域AR12には、係る利用者について算出されたフィジカルスコアが表示される。また、領域AR13には、項目ごとの人数分布(今回の利用者と同年代の他利用者の人数分布)と、当該項目について他利用者を対象に測定(算出)された結果ごとの人数分布のグループのうち今回の利用者について測定(算出)された結果が属するグループが示される。また、ここでいう項目とは、図10の例では、握力体重比(筋力を示す項目)、閉眼片足立ち(バランス能力を示す項目)、立位体前屈(柔軟性を示す項目)、フィジカルスコアである。
【0145】
このような個人シートの提示によれば、利用者は、自身の測定結果を客観的に認識することができるようになるため、例えば生活習慣の改善についての気づきを得ることができるようになる。
【0146】
なお、図10には、領域AR12には、利用者について算出されたフィジカルスコアが表示される例が示されるが、利用者について算出された偏差値が表示されてもよい。また、領域AR12には、利用者について算出されたフィジカルスコア、偏差値の双方が表示されてもよい。
【0147】
〔10.変形例〕
上記実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0148】
〔10-1.利用者について〕
上記実施形態では、一個人の消費者(利用者U1)が、自身の端末装置10を用いて第2の測定結果を提供することで、第2の測定結果と他の被験者の第1の測定結果とに基づき算出されたフィジカルスコアを端末装置10の画面で確認できるようになる例を示した。すなわち、上記実施形態では、会社組織(組織Bや組織C)と個人との間でのフィジカルスコアのやり取りを一例として示した。
【0149】
しかしながら、会社組織(組織Bや組織C)との間でフィジカルスコアのやり取りを直接的に行うのは、上記実施形態のように個人消費者である必要はなく、例えば、他の組織であってもよい。例えば、他の組織とは、体力測定を実施する組織(以下「団体D」とする)であってよい。また、係る場合、端末装置10は、団体Dに属する測定者(スタッフ)が所有する情報処理端末であってよい。
【0150】
一例を挙げると、身体測定のために会場に訪れた個人の利用者U1は、団体Dの指示に従って体力測定を行う。そうすると、スタッフは、端末装置10を用いて、利用者U1の第2の測定結果を提供するため、端末装置10には第2の測定結果と他の被験者の第1の測定結果とに基づき算出されたフィジカルスコアが画面表示される。このような状態において、例えば、スタッフは、端末装置10に表示されたフィジカルスコアを利用者U1に見せる。この結果、利用者U1は、自身のフィジカルスコアを知ることができるようになる。
【0151】
〔10-2.スコア算出を行う対象〕
上記実施形態では、情報処理装置100が、実施形態に係る算出装置である例を示した。具体的には、情報処理装置100が、実施形態に係る算出プログラムによってフィジカルスコアを算出し、算出したフィジカルスコアがアプリAPを介して端末装置10に表示されるよう仲介装置60に送信する例を示した。しかしながら、仲介装置60が実施形態に係る算出装置として実装されてもよい。係る場合、例えば、情報処理装置100が適切なタイミングで算出プログラムを仲介装置60に提供しておいてよく、仲介装置60は、情報処理装置100から提供されたこの算出プログラムに従ってフィジカルスコアを算出する。
【0152】
より具体的には、情報処理装置100は、生成した統計データ(フィジカルスコア算出用テーブル)も仲介装置60に提供してよく、仲介装置60は、実施形態に係る算出プログラムが搭載され、統計データを有している状態において、例えば、第2の測定結果を受け付けたと判定した場合には、この第2の測定結果に対応する利用者(図1の例では、利用者U1)の利用者情報を取得し、フィジカルスコア算出用テーブルに取り込む。そして、仲介装置60は、利用者情報が示す属性(年齢と性別との組)に対応する統計値を抽出し、抽出した統計値と第2の測定結果との比較に基づきフィジカルスコアを算出する。また、仲介装置60は、算出したフィジカルスコアが表示される個人シート生成し、生成した個人シートを端末装置10に送信する。
【0153】
〔11.ハードウェア構成〕
次に、実施形態に係るデータ提供装置30、仲介装置60、情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。以下、情報処理装置100を例に説明する。図11は、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図11を参照すると、情報処理装置100は、例えば、プロセッサ801と、ROM802と、RAM803と、ホストバス804と、ブリッジ805と、外部バス806と、インターフェース807と、入力装置808と、出力装置809と、ストレージ810と、ドライブ811と、接続ポート812と、通信装置813と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0154】
(プロセッサ801)
プロセッサ801は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM802、RAM803、ストレージ810、またはリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般またはその一部を制御する。
【0155】
(ROM802、RAM803)
ROM802は、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータなどを格納する手段である。RAM803には、例えば、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータなどが一時的または永続的に格納される。
【0156】
(ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807)
プロセッサ801、ROM802、RAM803は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス804を介して相互に接続される。一方、ホストバス804は、例えば、ブリッジ805を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス806に接続される。また、外部バス806は、インターフェース807を介して種々の構成要素と接続される。
【0157】
(入力装置808)
入力装置808には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、およびレバーなどが用いられる。さらに、入力装置808としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置808には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
【0158】
(出力装置809)
出力装置809は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、または有機ELなどのディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホンなどのオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、またはファクシミリなど、取得した情報を利用者に対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本実施形態に係る出力装置809は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。
【0159】
(ストレージ810)
ストレージ810は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ810としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどが用いられる。
【0160】
(ドライブ811)
ドライブ811は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0161】
(接続ポート812)
接続ポート812は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子などのような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0162】
(通信装置813)
通信装置813は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデムなどである。
【0163】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディアなどである。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器などであってもよい。
【0164】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダなどである。
【0165】
なお、実施形態に係る記憶部120は、ROM802やRAM803、ストレージ810によって実現される。また、プロセッサ801によって実現される実施形態に係る制御部130が、取得部131と、統計算出部132と、受付部133と、スコア算出部134と、提供部135とを実現する各制御プログラムを、ROM802やRAM803などから読み出し実行する。
【0166】
〔12.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0167】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0168】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0169】
1 情報処理システム
10 端末装置
30 データ提供装置
60 仲介装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 第1測定結果データベース
122 統計情報データベース
123 第2測定結果データベース
130 制御部
131 取得部
132 統計算出部
133 受付部
134 スコア算出部
135 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11