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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142669
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ノイズフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20220922BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20220922BHJP
   H02M 1/12 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H03H7/09 Z
H01F27/00 S
H01F27/00 160
H02M1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042949
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 篤弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智志
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 知弘
【テーマコード(参考)】
5E070
5H740
5J024
【Fターム(参考)】
5E070AA05
5E070AB03
5E070CA07
5E070CA13
5E070CA16
5E070DB04
5H740BB07
5H740BB08
5H740MM10
5H740NN02
5H740PP03
5H740PP07
5J024AA01
5J024BA03
5J024CA02
5J024CA06
5J024DA03
5J024DA25
5J024DA32
5J024DA33
5J024DA35
5J024EA08
5J024KA01
(57)【要約】
【課題】金属筐体に取り付けられるノイズフィルタにおいて、ノイズ源と容量素子との間の寄生インダクタンスを抑制する技術を提供する。
【解決手段】ノイズフィルタは、ノイズ源が収容される金属筐体に取り付けられる取付部と、前記取付部に取り付けられており、前記金属筐体を貫通する導電部と、前記金属筐体の外側において前記取付部に取り付けられており、前記導電部と電気的に接続されているコンデンサ部と、を備える。前記導電部は、前記金属筐体から露出する出力端子と、前記電源と前記コンデンサ部とに接続されている第1導電体と、前記第1導電体と前記出力端子とに接続されている第2導電体と、を備える。前記第1導電体と前記第2導電体とは、相互インダクタンスが発生するように配置される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズフィルタであって、
ノイズ源が収容される金属筐体に取り付けられる取付部と、
前記取付部に取り付けられており、前記金属筐体を貫通する導電部と、
前記金属筐体の外側において前記取付部に取り付けられており、前記導電部と電気的に接続されているコンデンサ部と、を備え、
前記導電部は、
前記金属筐体から露出する出力端子と、
前記ノイズ源と前記コンデンサ部とに接続されている第1導電体と、
前記第1導電体と前記出力端子とに接続されている第2導電体と、を備え、
前記第1導電体と前記第2導電体とは、相互インダクタンスが発生するように配置されている、ノイズフィルタ。
【請求項2】
前記第1導電体は、導電性の平板部分を有する第1バスバーを有し、
前記第2導電体は、導電性の平板部分を有しており、前記第1バスバーと隙間を置いて対向する第2バスバーを有する、請求項1に記載のノイズフィルタ。
【請求項3】
前記コンデンサ部は、複数のチップコンデンサが並ぶ基板を有する、請求項1又は2に記載のノイズフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、出力ノイズ低減装置が開示されている。出力ノイズ低減装置は、金属筐体に収納された電子機器から供給機器に出力される出力信号に混入するノイズを低減する。出力ノイズ低減装置は、電子機器に接続される導電バーと、磁性材料で形成されており、導電バーが貫通する磁性体コアと、第1実装基板と、を備える。第1実装基板は、磁性体コアと導電バーとの間に固着される第1固定部と、金属筐体に接続される第2固定部と、第1固定部と第2固定部との間を容量素子で接続する接続部と、を有する。第1実装基板は、金属筐体の外側に配置される。容量素子は、導電バーと金属筐体とに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2016/039414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、電子機器は金属筐体に収容される一方、容量素子が配置される第1実装基板は金属筐体の外側に配置される。このため、ノイズ源である電子機器と容量素子との距離が大きくなる。この結果、容量素子と電子機器との間に発生する寄生インダクタンスが大きくなる。これにより、ノイズフィルタのノイズ低減効果が低下する。
【0005】
本明細書では、金属筐体に取り付けられるノイズフィルタにおいて、ノイズ源と容量素子との間の寄生インダクタンスを抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示されるノイズフィルタは、ノイズ源が収容される金属筐体に取り付けられる取付部と、前記取付部に取り付けられており、前記金属筐体を貫通する導電部と、前記金属筐体の外側において前記取付部に取り付けられており、前記導電部と電気的に接続されているコンデンサ部と、を備える。前記導電部は、前記金属筐体から露出する出力端子と、前記電源と前記コンデンサ部とに接続されている第1導電体と、前記第1導電体と前記出力端子とに接続されている第2導電体と、を備える。前記第1導電体と前記第2導電体とは、相互インダクタンスが発生するように配置される。
【0007】
この構成では、第1導電体と第2導電体とのそれぞれが、ノイズフィルタのインダクタとして機能する。この構成によると、第1導電体と第2導電体とによって、ノイズフィルタのインダクタである第1導電体と第2導電体との間に相互インダクタンスを発生させることができる。この結果、相互インダクタンスによって、寄生インダクタンスを低減することができる。
【0008】
第1導電体は、導電性の平板部分を有する第1バスバーを有し、第2導電体は、導電性の平板部分を有しており、前記第1バスバーと隙間を置いて対向する第2バスバーを有していてもよい。
【0009】
この構成によると、第1バスバーと第2バスバーとの間隔を調整することによって、相互インダクタンスを調整することができる。
【0010】
前記コンデンサ部は、複数のチップコンデンサが並ぶ基板を有していてもよい。
【0011】
この構成によると、複数のチップコンデンサが配置されている基板を金属筐体の外壁に沿って配置することによって、金属筐体から突出するノイズフィルタの寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例のノイズフィルタが金属筐体に取り付けられている状態の斜視図。
図2】実施例の導電部の斜視図。
図3】実施例の導電部の上部バスバーの斜視図。
図4】実施例の導電部の下部バスバーの斜視図。
図5】実施例の導電部における上部バスバーと下部バスバーの縦断面図。
図6】実施例のノイズフィルタの樹脂部を取り除いた状態の斜視図。
図7】実施例のノイズフィルタの斜視図。
図8】実施例のノイズフィルタの回路図。
図9】実施例のノイズフィルタの等価回路図。
図10】実施例のノイズフィルタのフィルタ性能を表すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本願明細書が開示する複数の実施形態に係るノイズフィルタ10について説明する。
【0014】
図1に示すように、ノイズフィルタ10は、ノイズ源となるコンバータ、インバータ等の電力変換器4(図8参照)に接続されており、電力変換器4から発生するノイズを抑制する。ノイズフィルタ10は、電力変換器4が収容される金属筐体2の側壁に取り付けられる。ノイズフィルタ10は、金属筐体2の側壁を貫通する貫通孔に挿入された状態で、金属筐体2に固定される。ノイズフィルタ10は、導電部12と、コンデンサ部14と、樹脂部16と、一対のグランド接続部18、19と、を備える。
【0015】
図2に示すように、導電部12は、上部バスバー40と、下部バスバー42と、出力端子44と、を備える。図3に示すように、上部バスバー40は、導電性材料の平板を折り曲げて作製されている。図3には、ノイズフィルタ10に通電した場合に電流の向きが矢印で示されている。上部バスバー40は、一対の接続部分40a、40cと、対向部分40bと、端子取付部40dと、を備える。対向部分40bは、金属筐体2の貫通孔に挿入されている。対向部分40bは、金属筐体2の貫通孔の軸方向に沿って配置される平板形状を有する。
【0016】
一対の接続部分40a、40cのそれぞれは、対向部分40bの端縁から上方に湾曲して配置されている。一対の接続部分40a、40cは、互いに対向して配置されている。一対の接続部分40a、40cのそれぞれは、対向部分40bの上方において、対向部分40bに対して垂直な平板形状を有する。
【0017】
端子取付部40dは、対向部分40bの先端から上方に湾曲して配置されている。端子取付部40dは、対向部分40bの上方において、対向部分40bに対して垂直な平板形状を有する。端子取付部40dは、金属筐体2の外側に配置される。端子取付部40dを貫通する取付孔には、出力端子44が取り付けられている。出力端子44は、金属筐体2の外側に突出している。
【0018】
図2に示すように、上部バスバー40の下方には、下部バスバー42が配置されている。図4に示すように、下部バスバー42は、導電性材料の平板を折り曲げて作製されている。図4には、ノイズフィルタ10に通電した場合に電流の向きが矢印で示されている。下部バスバー42は、一対の接続部分42a、42cと、対向部分42bと、を備える。対向部分42bは、対向部分40bの下面に隙間を置いて配置される。対向部分42bは、対向部分40bに平行に配置される平板形状を有する。対向部分42bの端部には、電力変換器4に接続するための接続孔が配置されている。
【0019】
一対の接続部分42a、42cのそれぞれは、対向部分42bの端縁から上方に湾曲して配置されている。一対の接続部分42a、42cは、互いに対向して配置されている。一対の接続部分42a、42cは、対向部分42bの上方において、対向部分42bに対して垂直な平板形状を有する。図2に示すように、一対の接続部分42a、42cのそれぞれは、一対の接続部分40a、40cのそれぞれの外側に配置されており、一対の接続部分40a、40cのそれぞれの外面に溶接によって固定されている。
【0020】
図5に示すように、対向部分40bと対向部分42bとは、隙間C1を置いて配置されている。隙間C1には、薄い絶縁紙(例えば厚さ0.1mm)が配置され、隙間C1の距離が管理される。
【0021】
図6に示すように、導電部12には、コンデンサ部14が取り付けられている。コンデンサ部14は、金属筐体2の外側に配置される。コンデンサ部14は、複数のチップコンデンサ20と、基板24と、を備える。基板24は、平板形状を有しており、金属筐体2の側壁に沿って配置されている。基板24の金属筐体2と反対側の面には、配線パターン22が配置されている。複数のチップコンデンサ20は、配線パターン22に従って、並んで配置されている。
【0022】
基板24は、中央部分に開口24aを有している。基板24は、開口24aが金属筐体2の貫通孔に重ねるように配置される。開口24aには、上部バスバー40が挿入される。上部バスバー40の端子取付部40dは、基板24よりも金属筐体2の外側に配置されている。下部バスバー42の一対の接続部分42a、42cのそれぞれは、開口24a付近において、基板24を貫通している。一対の接続部分42a、42cのそれぞれは、基板24を貫通している部分で、配線パターン22に電気的に接続されている。これにより、下部バスバー42は、複数のチップコンデンサ20に電気的に接続される。
【0023】
コンデンサ部14は、一対のグランド接続部18、19に取り付けられている。グランド接続部18、19は、導電性材料で作製されている。グランド接続部18は、固定部分18aと、連結部分18bと、を備える。固定部分18aは、ボルト等の締結部材を介して、金属筐体2に取り付けられる。これにより、固定部分18aは、金属筐体2に電気的に接続される。グランド接続部18は、金属筐体2に電気的に接続されることによって、金属筐体2と同一の電位である基準電位に設定される。
【0024】
連結部分18bは、固定部分18aから基板24に向けて延びている。連結部分18bは、基板24の端縁部において、基板24を貫通している。連結部分18bは、基板24を貫通している部分で、配線パターン22に電気的に接続されている。これにより、グランド接続部18は、複数のチップコンデンサ20に電気的に接続される。グランド接続部19は、グランド接続部18と同様の構成を有する。
【0025】
基板24の金属筐体2側の面には、Oリング50が配置されている。図7に示すように、ノイズフィルタ10では、導電部12、コンデンサ部14、及び、グランド接続部18、19の一部を覆う樹脂部16を備える。樹脂部16は、樹脂で作製されている。樹脂部16は、導電部12の一部、即ち、導電部12のうち、外部への露出が不要な部分を覆う被覆部16aと、コンデンサ部14及びグランド接続部18、19のうち、外部への露出が不要な部分を覆う被覆部16bを備える。なお、被覆部16bは、基板24を、金属筐体2と反対側から覆っていてもよい。
【0026】
ノイズフィルタ10は、下部バスバー42が電力変換器4に接続され、出力端子44が電子機器等に接続されて使用される。図4の矢印で示すように、電力変換器4から出力端子44に向けて電力が供給されると、下部バスバー42の対向部分42bから一対の接続部分42a、42cのそれぞれに電流が流れる。電流は、一対の接続部分42a、42cのそれぞれから、上部バスバー40とコンデンサ部14とのそれぞれに向かって流れる。図3の矢印で示すように、上部バスバー40では、一対の接続部分40a、40cのそれぞれから、対向部分40bを通って、出力端子44に電流が流れる。この結果、対向部分40b、42bでは、電流の向きが一致する。
【0027】
ノイズフィルタ10は、図8に示すような回路図で表わされる。図8では、電流の流れる方向が矢印で示されている。ノイズフィルタ10では、下部バスバー42及び上部バスバー40がインダクタとして機能する。ノイズフィルタ10は、下部バスバー42及び上部バスバー40のインダクタンスと、コンデンサ部14の複数のチップコンデンサ20と、によって構成される。導電部12では、下部バスバー42と上部バスバー40とが微小な隙間を置いて配置されているために、電流が流れると、下部バスバー42と上部バスバー40とで相互インダクタンスが発生する。下部バスバー42と上部バスバー40とは、電流が同一の向きに流れているために、相互インダクタンスが正となる。
【0028】
図9には、ノイズフィルタ10の等価回路が示される。ノイズフィルタ10は、直列接続されている2個のインダクタである上部バスバー40及び下部バスバー42と、2個のインダクタの間から基準電位であるグランド接続部18、19に接続されているコンデンサ部14と、で構成される。下部バスバー42のインダクタンスがLであり、上部バスバー40のインダクタンスがLである。コンデンサ部14の容量がCである。インダクタL3は、コンデンサ部14の等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)とコンデンサ部14の配線の寄生インダクタンスの和であり、インダクタンスがLである。Zは、ノイズ源(即ち電力変換器4)の内部インピーダンスであり、Zは負荷回路(即ち電子機器6)のインピーダンスである。このノイズフィルタ10では、上部バスバー40と下部バスバー42とが磁気結合しており、上部バスバー40と下部バスバー42とを流れる電流I,Iが図中の向きに流れるとすると、上部バスバー40と下部バスバー42との間に正の相互インダクタンスMが生じている。ノイズ電圧をVnoiseとすると、負荷回路に加わるノイズ電圧Vは、以下の式で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
L1:下部バスバー42のインピーダンス(jω(L1+M))
L2:上部バスバー40のインピーダンス(jω(L2+M))
L3:コンデンサ部14の等価直列インダクタとコンデンサCが接続される配線の寄生インダクタの和からなるインピーダンス(jω(L3-M))
:コンデンサ部14のインピーダンス(1/jωC)
ω:角周波数(2πf)
【0031】
上記数式1に示されるように、ノイズ電圧Vを低減するためには、分子のZL3+Zを低減することが重要である。ZL3+Zを低減するためには、相互インダクタンスMを、コンデンサ部14の等価直列インダクタンスとコンデンサ部14の配線の寄生インダクタンスの和であるインダクタンスLに同一又は近似するように調整する。これにより、高周波帯域のノイズに対するフィルタ性能を向上させることができる。
【0032】
図10は、ノイズフィルタ10のフィルタ性能を確認するためのシミュレーションの結果を示す。なお、フィルタ性能は、20×log10(VL/Vnoise)(dB)によって計算した。図10に示されるように、上部バスバー40と下部バスバー42との間に相互インダクタンスが発生しないように構成されている比較例のノイズフィルタのフィルタ性能104は、高周波帯域のノイズに対するフィルタ性能が劣化している。一方、本実施形態のノイズフィルタ10のフィルタ性能102は、高周波帯域のノイズに対するフィルタ性能が大幅に向上している。
【0033】
ノイズフィルタ10では、上部バスバー40と下部バスバー42とのそれぞれが、ノイズフィルタ10のインダクタとして機能する。この構成によると、上部バスバー40と下部バスバー42とに相互インダクタンスを発生させることができる。この結果、上部バスバー40と下部バスバー42との相互インダクタンスを調整することによって、寄生インダクタンスを低減することができる。
【0034】
上部バスバー40と下部バスバー42との間の相互インダクタンスは、対向部分40b、42bの隙間を調整することによって、調整することができる。これにより、上部バスバー40と下部バスバー42との相互インダクタンスを容易に調整することができる。また、ノイズフィルタ10では、フィルタ性能を向上させることができるために、磁性体を配置せずとも、十分なフィルタ性能を発揮することができる。これにより、ノイズフィルタ10の体格及びコストを低減することができる。
【0035】
コンデンサ部14では、複数のチップコンデンサ20が基板24に配置されている。これにより、基板24を金属筐体2の側壁に沿って配置することによって、ノイズフィルタ10が、金属筐体2から大きく突出することを防止することができる。
【0036】
なお、例えば、導電部12の上部バスバー40と下部バスバー42との少なくとも一方は、バスバーでなくてもよく、導線等、インダクタとして機能する導電性部材であってもよい。この場合、2個のインダクタにおいて相互インダクタンスが発生するように配置されていてもよい。
【0037】
また、ノイズフィルタ10の構造は、LCL型、LCLCL型等、インダクタ及びキャパシタの個数に制限は無い。最下流のキャパシタの寄生インダクタンスを低減することによって、ノイズフィルタ10のフィルタ性能を向上させることができる。なお、ノイズフィルタ10のフィルタ性能を向上させることができるため、インダクタ及びキャパシタの個数を増加させなくても、フィルタ性能を確保することができる。これにより、ノイズフィルタ10の体格及びコストを低減することができる。
【0038】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0039】
2 :金属筐体
4 :電力変換器
6 :電子機器
10 :ノイズフィルタ
12 :導電部
14 :コンデンサ部
16 :樹脂部
18、19 :グランド接続部
20 :チップコンデンサ
24 :基板
40 :上部バスバー
40a、40c :接続部分
40b :対向部分
40d :端子取付部
42 :下部バスバー
42a、42c :接続部分
42b :対向部分
44 :出力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10