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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142671
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20220922BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20220922BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
F24C3/12 L
F24C3/12 D
H05B6/12 313
H05B6/12 324
F24C15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042952
(22)【出願日】2021-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸井 啓
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151AA23
3K151CA63
(57)【要約】
【課題】安全性と利便性を両立させることができる技術を提供する。
【解決手段】制御部は、加熱調理器と第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理に関する複数の機能を実行可能な加熱調理器と、
識別情報により識別される第1の携帯端末であって、前記加熱調理器と無線通信による接続が可能な前記第1の携帯端末と、
前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を受け付ける操作部と、を備えており、
前記加熱調理器は、
前記識別情報により識別される前記第1の携帯端末に対応する第1の制限情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備えており、
前記第1の制限情報は、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができ、
前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する、加熱調理システム。
【請求項2】
複数の識別情報により識別される複数の前記第1の携帯端末であって、それぞれが前記加熱調理器と無線通信による接続が可能な複数の前記第1の携帯端末を備えており、
前記記憶部は、複数の前記識別情報により識別される複数の前記第1の携帯端末のそれぞれに対応する複数の前記第1の制限情報を記憶しており、
複数の前記第1の制限情報のそれぞれは、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうち少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができ、
前記制御部は、前記加熱調理器と複数の前記第1の携帯端末のいずれかとの無線通信による接続が確立されている状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記第1の制限情報は、前記加熱調理器の最大加熱量を制限する情報、前記加熱調理器の最大連続点火時間を制限する情報、前記加熱調理器の自動調理モードの設定を制限する情報、及び、前記加熱調理器の自動消火機能における閾値温度を制限する情報、の少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の加熱調理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができる第2の制限情報を更に記憶しており、
前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されていない状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記第2の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する、請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱調理システム。
【請求項5】
ネットワークを介して前記加熱調理器と通信可能な第2の携帯端末を備えており、
前記第2の携帯端末は、端末報知部と端末制御部を備えており、
前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立される場合、又は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合は、第1の所定情報を前記ネットワークを介して送信し、
前記端末制御部は、前記第1の所定情報に対応する情報を前記ネットワークを介して受信する場合に、前記第1の所定情報に対応する報知情報を前記端末報知部から報知する、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記第2の携帯端末は、前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を受け付ける第1の端末操作部を備えており、
前記端末制御部は、
前記報知情報を前記端末報知部から報知する場合に、前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を前記第1の端末操作部において受け付け可能な状態とし、
前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記第1の端末操作部が受け付ける場合は、第2の所定情報を前記ネットワークを介して送信し、
前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記第2の所定情報に対応する情報を前記ネットワークを介して受信する場合は、前記第2の携帯端末の前記第1の端末操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を、前記加熱調理器の前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能よりも優先して前記加熱調理器に実行させる、請求項5に記載の加熱調理システム。
【請求項7】
前記第2の携帯端末は、所定の非解除状態の前記加熱調理器を所定の解除状態にするための入力操作を受け付ける第2の端末操作部を備えており、
前記端末制御部は、前記報知情報を前記端末報知部から報知する場合であって、前記第2の端末操作部が前記加熱調理器を前記解除状態にするための入力操作を受け付ける場合は、第3の所定情報を前記ネットワークを介して送信し、
前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、
前記第3の所定情報に対応する情報を受信する場合は、前記加熱調理器を前記解除状態とし、前記解除状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限し、
前記第3の所定情報に対応する情報を受信しない場合は、前記加熱調理器の前記非解除状態を維持し、前記非解除状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合は、前記第1の制限情報にかかわらず、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する、請求項5又は6に記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に加熱調理システムが開示されている。特許文献1の加熱調理システムは、加熱調理器と、加熱調理器外に設けられ、チャイルドロック状態情報を、チャイルドロック有効状態とチャイルドロック無効状態とに切り換える外部側チャイルドロック指令入力部を有する外部機器と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-200116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理システムでは、外部機器からの指令により加熱調理器でチャイルドロックが設定されると、加熱調理器に近づいた者(例えば、幼児)が加熱調理器を使用しようとしても使用することができない。これにより安全性が向上する。
【0005】
しかしながら、加熱調理器を使用する者が幼児ではなく、例えば、高齢者や小学生等の場合には、加熱調理器の全ての機能を使用できないようにすると不便な場合がある。そこで、本明細書では、安全性と利便性を両立させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する加熱調理システムは、加熱調理に関する複数の機能を実行可能な加熱調理器と、識別情報により識別される第1の携帯端末であって、前記加熱調理器と無線通信による接続が可能な前記第1の携帯端末と、前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を受け付ける操作部と、を備えている。前記加熱調理器は、前記識別情報により識別される前記第1の携帯端末に対応する第1の制限情報を記憶する記憶部と、制御部と、を備えている。前記第1の制限情報は、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができる。前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する。
【0007】
この構成によれば、加熱調理器との接続が確立されている第1の携帯端末に対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の特定機能を制限することができる。これにより、第1の携帯端末のユーザが加熱調理器を使用する際に、そのユーザが加熱調理器で使用する特定機能を制限することができる。そのため、ユーザが加熱調理器を使用する際に安全性を向上させることができる。例えば、高齢者が所持する第1の携帯端末に対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の最大加熱量を制限することにより、高齢者が加熱調理をする際に最大加熱量を制限することができ、高齢者が加熱調理器を使用する際に安全性を向上させることができる。また、第1の制限情報により制限されていない加熱調理器の機能についてはユーザが自由に使用することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。よって、上記の構成によれば、安全性と利便性を両立させることができる。
【0008】
加熱調理システムは、複数の識別情報により識別される複数の前記第1の携帯端末であって、それぞれが前記加熱調理器と無線通信による接続が可能な複数の前記第1の携帯端末を備えていてもよい。前記記憶部は、複数の前記識別情報により識別される複数の前記第1の携帯端末のそれぞれに対応する複数の前記第1の制限情報を記憶していてもよい。複数の前記第1の制限情報のそれぞれは、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうち少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができる。前記制御部は、前記加熱調理器と複数の前記第1の携帯端末のいずれかとの無線通信による接続が確立されている状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限してもよい。
【0009】
この構成によれば、複数の第1の携帯端末について、それぞれに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の特定機能を制限することができる。これにより、複数のユーザのそれぞれについて加熱調理器の特定機能を制限することができる。例えば、高齢者が所持する第1の携帯端末に対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の最大加熱量を制限することができる。また、子供が所持する第1の携帯端末に対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の最大連続点火時間を制限することができる。これにより、複数のユーザのそれぞれについて安全性を向上させることができる。
【0010】
前記第1の制限情報は、前記加熱調理器の最大加熱量を制限する情報、前記加熱調理器の最大連続点火時間を制限する情報、前記加熱調理器の自動調理モードの設定を制限する情報、及び、前記加熱調理器の自動消火機能における閾値温度を制限する情報、の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0011】
この構成によれば、第1の制限情報が、ユーザの安全性を向上させる制限の情報を含むことにより、安全性を更に向上させることができる。
【0012】
前記記憶部は、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの少なくとも1つの特定機能を制限する情報を含むことができる第2の制限情報を更に記憶していてもよい。前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されていない状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記第2の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限してもよい。
【0013】
この構成によれば、加熱調理器と第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されていない状態においても、第2の制限情報に基づいて、加熱調理器の特定機能を制限することができる。これにより、第1の携帯端末のユーザ以外のユーザが加熱調理器を使用する際にも、そのユーザが加熱調理器で使用する特定機能を制限することができる。そのため、安全性を向上させることができる。
【0014】
加熱調理システムは、ネットワークを介して前記加熱調理器と通信可能な第2の携帯端末を備えていてもよい。前記第2の携帯端末は、端末報知部と端末制御部を備えていてもよい。前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立される場合、又は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合は、第1の所定情報を前記ネットワークを介して送信してもよい。前記端末制御部は、前記第1の所定情報に対応する情報を前記ネットワークを介して受信する場合に、前記第1の所定情報に対応する報知情報を前記端末報知部から報知してもよい。
【0015】
この構成によれば、第2の携帯端末のユーザ(例えば、加熱調理器の所有者)に対して、第1の携帯端末のユーザが加熱調理器を使用する状況であることを知らせることができる。
【0016】
前記第2の携帯端末は、前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を受け付ける第1の端末操作部を備えていてもよい。前記端末制御部は、前記報知情報を前記端末報知部から報知する場合に、前記加熱調理器が実行可能な機能を前記加熱調理器に実行させるための入力操作を前記第1の端末操作部において受け付け可能な状態とし、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記第1の端末操作部が受け付ける場合は、第2の所定情報を前記ネットワークを介して送信してもよい。前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記第2の所定情報に対応する情報を前記ネットワークを介して受信する場合は、前記第2の携帯端末の前記第1の端末操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を、前記加熱調理器の前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能よりも優先して前記加熱調理器に実行させてもよい。
【0017】
この構成によれば、第2の携帯端末のユーザによる操作に対応する特定機能を、第1の携帯端末のユーザによる操作に対応する特定機能よりも優先して加熱調理器に実行させることができる。これにより、第2の携帯端末のユーザが加熱調理器を管理することができる。例えば、第1の携帯端末のユーザである高齢者が加熱調理器を使用する際に、第2の携帯端末のユーザである加熱調理器の所有者が、優先して加熱調理器を操作することができる。そのため、第2の携帯端末のユーザが予期しないような状態で加熱調理器が使用されることを避けることができる。これにより、安全性を向上させることができる。
【0018】
前記第2の携帯端末は、所定の非解除状態の前記加熱調理器を所定の解除状態にするための入力操作を受け付ける第2の端末操作部を備えていてもよい。前記端末制御部は、前記報知情報を前記端末報知部から報知する場合であって、前記第2の端末操作部が前記加熱調理器を前記解除状態にするための入力操作を受け付ける場合は、第3の所定情報を前記ネットワークを介して送信してもよい。前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記第3の所定情報に対応する情報を受信する場合は、前記加熱調理器を前記解除状態とし、前記解除状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合に、前記加熱調理器との接続が確立されている前記第1の携帯端末に対応する前記第1の制限情報が前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する情報を含む場合は、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限してもよい。前記加熱調理器の前記制御部は、前記加熱調理器と前記第1の携帯端末との無線通信による接続が確立されている状態において、前記第3の所定情報に対応する情報を受信しない場合は、前記加熱調理器の前記非解除状態を維持し、前記非解除状態において、前記加熱調理器が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を実行させるための入力操作を前記操作部が受け付ける場合は、前記第1の制限情報にかかわらず、前記操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限してもよい。
【0019】
この構成によれば、加熱調理器が解除状態である場合は、加熱調理器との接続が確立されている第1の携帯端末に対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器の特定機能を制限することができる。また、加熱調理器が非解除状態である場合は、第1の制限情報にかかわらず、加熱調理器の特定機能を制限することができる。これにより、第1の携帯端末のユーザが加熱調理器の特定機能を使用する際に、特定機能を2段階で制限することができる。そのため、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例に係る加熱調理システム1の構成を示す図である。
図2】実施例に係る加熱調理器2の外観を示す斜視図である。
図3】実施例に係る加熱調理器2の構成を模式的に示すブロック図である。
図4】実施例に係る携帯端末100の構成を模式的に示すブロック図である。
図5】実施例に係る給湯リモコン200の構成を模式的に示すブロック図である。
図6】実施例に係る管理サーバ300の構成を模式的に示すブロック図である。
図7】第1実施例に係る制限処理のフローチャートである。
図8】第2実施例に係る制限処理のフローチャートである。
図9】第2実施例の変形例に係る制限処理のフローチャートである。
図10】第2実施例に係る報知処理のフローチャートである。
図11】第2実施例に係る優先実行処理のフローチャートである。
図12】実施例に係る加熱調理システム1で実現される動作のシーケンス図である(1)。
図13】実施例に係る加熱調理システム1で実現される動作のシーケンス図である(2)。
図14】実施例に係る加熱調理システム1で実現される動作のシーケンス図である(3)。
図15】実施例に係る加熱調理システム1で実現される動作のシーケンス図である(4)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(加熱調理システム1の構成;図1
実施例に係る加熱調理システム1について図面を参照して説明する。図1に示すように、加熱調理システム1は、加熱調理器2と、複数の携帯端末100と、給湯リモコン200と、管理サーバ300とを備えている。
【0022】
加熱調理器2と複数の携帯端末100とは、Bluetooth(登録商標)方式に従ったBluetooth(以下では、「BT」と記載する。)通信を介して、互いに無線通信可能である。また、加熱調理器2と給湯リモコン200とは、BT通信を介して、互いに無線通信可能である。
【0023】
複数の携帯端末100、及び、給湯リモコン200は、それぞれ、Wi-Fi(登録商標)方式に従ったWi-Fi通信を実行して、インターネット700に接続可能である。また、管理サーバ300は、インターネット700に接続されている。
【0024】
加熱調理器2は、機器製造会社によって製造され、機器販売会社からユーザに対して販売されている。管理サーバ300は、機器製造会社によって管理されている。複数の携帯端末100は、それぞれ、携帯端末提供会社から、ユーザに対して販売されている。給湯リモコン200は、機器製造会社によって製造され、機器販売会社からユーザに対して販売されている給湯機器(図示せず)のリモコンである。
【0025】
(加熱調理器2の構成;図2図3
図2図3に示すように、加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。図2に示すように、加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a,8b,8cと、それぞれの五徳8a,8b,8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a,8b,8cに支持された加熱対象物を加熱する3つのコンロバーナ10a,10b,10cと、それぞれのコンロバーナ10a,10b,10cに対応して設けられている温度センサ12a,12b,12cと、が設けられている。コンロバーナ10aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ10aは、コンロバーナ10aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで点火する。コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。コンロバーナ10aへのガスの供給を停止することで、コンロバーナ10aを消火することができる。コンロバーナ10b、10cは、コンロバーナ10aと同様の構造を有する。温度センサ12a,12b,12cは、五徳8a,8b,8cに支持される加熱対象物の存在を検出するとともに、加熱対象物の底の温度を検出する。
【0026】
本体4は、本体4の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26と、を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ21(図3参照)が設けられている。
【0027】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つの加熱量操作部42a,42b,42cと、パネル操作部44と、を備える。加熱量操作部42a,42b,42cは、それぞれ、コンロバーナ10a,10b,10cに対応する。加熱量操作部42a,42b,42cは、コンロバーナ10a,10b,10cの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10a,10b,10cの加熱量の調整を行うための操作部である。
【0028】
パネル操作部44は、コンロ表示部46と、コンロ設定操作部48a、48b、48cと、を備える。コンロ表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。ユーザは、コンロ設定操作部48a、48b、48cを操作することで、コンロバーナ10a、10b、10cによって加熱される加熱対象物の自動調理モードの設定などをすることができる。なお、自動調理モードには、加熱対象物の温度の設定をする温度設定モードを含まれてもよい。
【0029】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。ユーザは、加熱量操作部60を操作することによって、グリルバーナ21の点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ21の加熱量の調整を行うことができる。
【0030】
パネル操作部62は、グリル表示部64と、グリル設定操作部66と、を備える。グリル表示部64には、グリルバーナ21の動作状態などが表示される。ユーザは、グリル設定操作部66を操作することで、グリルバーナ21によって加熱される加熱対象物の自動調理の設定などをすることができる。
【0031】
図3に示すように、加熱調理器2は更に、BTI/F(インタフェースの略)72と、制御部80と、を備える。なお、図3では、図示の明瞭化のために、コンロバーナ10b、10c、温度センサ12b、12c、加熱量操作部42b、42c、コンロ設定操作部48b、48cの図示を省略している。BTI/F72は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。加熱調理器2は、BTI/F72を介して、複数の携帯端末100及び給湯リモコン200とBT通信を実行可能である。なお、加熱調理器2は、Wi-Fiと接続可能なWi-FiI/Fを備え、加熱調理器2がWi-Fi通信を実行して、直接、インターネット700と接続できるようにしてもよい。
【0032】
制御部80は、加熱調理器2の動作を制御する。制御部80は、不揮発性のメモリ82を備える。制御部80は、メモリ82に格納されているメインプログラムに従って、加熱調理器2の動作を制御する。また、メモリ82には、加熱調理器2の型式情報、加熱調理器2のユーザを示すユーザ情報、加熱調理器2の使用開始時期や使用回数、各種の動作モードの使用頻度を示す運転情報、エラー履歴を示すエラー情報、電池残量を示す電池残量情報等が格納されている。さらに、メモリ82には、レシピデータを格納可能である。制御部80は、自動調理を実行する際に、メモリ82に格納されたレシピデータに従って、コンロバーナ10a,10b,10cやグリルバーナ21等の動作を制御する。また、メモリ82には、第1の制限情報テーブル802及び第2の制限情報テーブル804が格納されている。第1の制限情報テーブル802及び第2の制限情報テーブル804については後述する。
【0033】
加熱調理器2は、加熱調理に関する複数の機能を実行可能である。加熱調理器2が実行可能な複数の機能は、例えば、コンロバーナ10aの点火や消火、コンロバーナ10aの加熱量の調整、コンロバーナ10aの最大加熱量の設定、コンロバーナ10aの最大連続点火時間の設定、加熱調理器2の自動調理モードの設定、コンロバーナ10aの自動消火機能における閾値温度の設定等である。加熱調理器2が実行可能な機能は特に限定されない。
【0034】
(携帯端末100の構成;図4
携帯端末100は、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の可搬型の端末装置である。図4に示すように、携帯端末100は、表示部102と、操作部104と、BTI/F106と、Wi-FiI/F108と、制御部110と、を備える。表示部102は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部102は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部104)として機能してもよい。操作部104は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部104を操作することによって、様々な指示を携帯端末100に入力することができる。BTI/F106は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。携帯端末100は、BTI/F106を介して、加熱調理器2とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F108は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。携帯端末100は、Wi-FiI/F108を介して、インターネット700に接続されたWi-Fiルータ800と通信可能である。なお、携帯端末100が携帯電話通信網(図示せず)と通信可能な携帯電話通信I/F(図示せず)を備えている場合、携帯端末100は、Wi-Fiルータ800を介さずに、携帯電話通信網を介してインターネット700に接続可能であってもよい。
【0035】
制御部110は、携帯端末100の動作を制御する。制御部110は、不揮発性のメモリ112を備える。メモリ112には、アプリケーションプログラム(アプリ)が格納可能である。例えば、加熱調理器2と携帯端末100を連携動作させるための加熱調理器アプリがメモリ112に格納される。加熱調理器アプリは、加熱調理器2の機器製造会社によってユーザに提供される。制御部110は、メモリ112に格納された加熱調理器アプリを実行可能である。
【0036】
また、メモリ112には、携帯端末100を識別するための端末ID(例えば、「t01」)が格納されている。図1に示すように、例えば、端末ID「t00」の携帯端末100は、加熱調理器2の所有者である管理ユーザU00により所持される。端末ID「t01」、「t02」の携帯端末100は、それぞれ、管理ユーザU00とは異なる一般ユーザU01、U02により所持される。一般ユーザU01、U02は、それぞれ、例えば、高齢者、子供等である。以下では、端末ID「t00」の携帯端末100を管理端末100aと呼び、端末ID「t01」、「t02」の携帯端末100を一般端末100bと呼ぶ場合がある。
【0037】
携帯端末100の制御部110は、メモリ112に格納されている端末IDを、BTI/F106(図4参照)を介して加熱調理器2に送信可能である。制御部110は、携帯端末100と加熱調理器2とのBT通信による接続が確立されている状態において、端末IDを加熱調理器2に送信する。また、制御部110は、端末IDを、Wi-FiI/F108を介して、インターネット700に接続されている装置(例えば、管理サーバ300)に送信可能である。
【0038】
(給湯リモコン200の構成;図5
給湯リモコン200は、加熱調理器2が組み込まれたシステムキッチンの近傍の壁面に据え付けられており、ユーザに給湯機器の情報を提示するとともに、ユーザからの給湯機器への入力操作を受け入れるリモコンである。図5に示すように、給湯リモコン200は、表示部202と、操作部204と、BTI/F206と、Wi-FiI/F208と、制御部210と、を備える。表示部202は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部204は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部204を操作することによって、様々な指示を給湯リモコン200に入力することができる。BTI/F206は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。給湯リモコン200は、BTI/F206を介して、加熱調理器2とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F208は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。給湯リモコン200は、Wi-FiI/F208を介して、インターネット700に接続されたWi-Fiルータ800と通信可能である。制御部210は、給湯リモコン200の動作を制御する。制御部210は、不揮発性のメモリ212を備える。なお、給湯リモコン200は、(Wi-Fiルータ800を内蔵させて、)直接、インターネット700に接続されていてもよい。
【0039】
(管理サーバ300の構成;図6
図6に示す管理サーバ300は、加熱調理器2の機器情報を収集するためのサーバ装置である。管理サーバ300は、制御部310と、記憶部320を備えている。制御部310は、加熱調理器2から型式情報、ユーザ情報、運転情報、エラー情報、電池残量情報等の機器情報を受信すると、記憶部320に格納する。
【0040】
(第1の制限情報テーブル802、第2の制限情報テーブル804;図3
次に、図3に示す第1の制限情報テーブル802及び第2の制限情報テーブル804について説明する。第1の制限情報テーブル802及び第2の制限情報テーブル804は、加熱調理器2のメモリ82に格納されている。
【0041】
第1の制限情報テーブル802は、複数の携帯端末100のそれぞれに対応する複数の第1の制限情報を含んでいる。複数の第1の制限情報は、それぞれ、携帯端末100の端末IDと、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3について、それぞれ許可するか制限するかの情報と、を含んでいる。例えば、端末ID「t01」の一般端末100bに対応する第1の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のうち、機能F1を許可し、機能F2、F3を制限する情報を含んでいる。なお、図3では、便宜的に、加熱調理器2が実行可能な複数の機能をF1、F2、F3として示している。加熱調理器2は、何ら制限が無ければ、複数の機能F1、F2、F3を実行可能である。第1の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうち、少なくとも1つ(即ち、1又は複数)の機能を制限する情報を含むことができる。また、第1の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能の全てを許可する情報を含むこともできる。第1の制限情報は、複数の一般端末100bのそれぞれに対応して自動で設定されてもよい。第1の制限情報は、例えば、加熱調理器2のコンロ設定操作部48a等から事前に入力されてもよい。また、第1の制限情報は管理端末100aから入力されてもよい。
【0042】
第1の制限情報は、加熱調理器2の機能を制限する情報として、例えば、加熱調理器2の最大加熱量を制限する情報、加熱調理器2の最大連続点火時間を制限する情報、加熱調理器2の自動調理モードの設定を制限する情報、及び、加熱調理器2の自動消火機能における閾値温度を制限する情報、の少なくとも1つを含んでいてもよい。加熱調理器2の最大加熱量を制限する情報は、例えば、何ら制限が無ければ加熱調理器2が所定の第1の最大加熱量で動作可能である場合に、制限が有ることにより、加熱調理器2が第1の最大加熱量未満の所定の第2の最大加熱量以上の加熱量で動作することを制限する情報である。加熱調理器2の最大連続点火時間を制限する情報は、例えば、何ら制限が無ければ加熱調理器2が所定の第1の最大連続点火時間で連続動作可能である場合に、制限が有ることにより、加熱調理器2が第1の最大連続点火時間未満の所定の第2の最大連続点火時間以上の連続点火時間で連続動作することを制限する情報である。加熱調理器2の自動調理モードの設定を制限する情報は、例えば、何ら制限が無ければ加熱調理器2が第1の自動調理モードを選択可能である場合に、制限が有ることにより、第1の自動調理モードを選択不能にする情報である。なお、自動調理モードには、加熱対象物の温度の設定をする温度設定モードが含まれていてもよく、温度設定モードを選択不能にする情報が含まれていてもよい。加熱調理器2の自動消火機能における閾値温度を制限する情報は、例えば、何ら制限が無ければ加熱調理器2が自動消火するときの閾値温度が第1の温度である場合に、制限が有ることにより、閾値温度を第1の温度未満の第2の温度にする情報である。
【0043】
第2の制限情報テーブル804は、第2の制限情報を含んでいる。第2の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のそれぞれについて、許可するか制限するかの情報を含んでいる。図3に示す例では、第2の制限情報は、機能F1、F2を制限し、機能F3を許可する情報を含んでいる。第2の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうち、少なくとも1つ(即ち、1又は複数若しくは全て)の機能を制限する情報を含むことができる。また、第2の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能の全てを許可する情報を含むこともできる。さらに、第2の制限情報は、加熱調理器2の使用そのものを禁止する情報を含むこともできる。第2の制限情報は、例えば、加熱調理器2のコンロ設定操作部48a等から事前に入力される。また、第2の制限情報は管理端末100aから入力されてもよい。
【0044】
(第1実施例)
(制限処理;図7
次に、加熱調理器2で実行される制限処理について説明する。制限処理は、例えば、加熱調理器2の電源スイッチ40がオンになると開始される。図7に示すように、制限処理のS2では、加熱調理器2の制御部80が、複数の携帯端末100のうちのいずれかの携帯端末100とのBT通信による接続が確立されたか否かを監視する。加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立された場合(YESの場合)は、処理はS4に進む。例えば、端末ID「t01」の一般端末100bを所持する一般ユーザU01が加熱調理器2の近くにいるときに、加熱調理器2と端末ID「t01」の一般端末100bとのBT通信による接続が確立される。加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立されない場合(NOの場合)は、処理はS12に進む。
【0045】
加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立されると、携帯端末100の制御部110は、メモリ112に格納されている端末ID(例えば、「t01」)を加熱調理器2に送信する。図7に示すように、S2でYESの後のS4では、加熱調理器2の制御部80が、BT通信による接続が確立された携帯端末100(例えば、端末ID「t01」の一般端末100b)から端末ID(例えば、「t01」)を受信する。
【0046】
続くS6では、加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立されている状態において、加熱調理器2の制御部80が、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けたか否かを監視する。例えば、制御部80は、コンロバーナ10aの加熱量を大きくするための操作を加熱量操作部42aが受け付けたか否かを監視する。操作部(例えば、加熱量操作部42a)が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS8に進む。操作部が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けない場合(NOの場合)は、処理はS10に進む。加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付ける操作部は特に限定されない。例えば、加熱調理器2の操作部は、加熱調理器2の自動調理モードを設定する操作を受け付けるコンロ設定操作部48a等であってもよい。また、加熱調理器2の操作部は、電源スイッチ40であってもよい。
【0047】
図7に示すように、S6でYESの後のS8では、制御部80が、メモリ82に格納されている第1の制限情報(図3参照)に基づいて、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた操作に対応する機能を実行する、又は、制限する。制御部80は、上記のS4で受信した端末ID(例えば、「t01」)に対応する第1の制限情報に基づいて、操作部が受け付けた操作に対応する機能を実行する、又は、制限する。より詳細には、制御部80は、操作部が受け付けた操作に対応する機能を許可する情報が第1の制限情報に含まれている場合は、その機能を実行する。一方、制御部80は、操作部が受け付けた操作に対応する機能を制限する情報が第1の制限情報に含まれている場合は、その機能を制限する。例えば、図3に示すように、端末ID「t01」に対応する第1の制限情報には機能F1を許可する情報が含まれているので、加熱調理器2の操作部が機能F1に対応する操作を受け付けた場合は、制御部80が機能F1を実行する。一方、端末ID「t01」に対応する第1の制限情報には機能F2を制限する情報が含まれているので、加熱調理器2の操作部が機能F2に対応する操作を受け付けた場合は、制御部80が機能F2を制限する。例えば、機能F2がコンロバーナ10aの加熱量を大きくする機能である場合は、制御部80は、第1の制限情報に基づいて、コンロバーナ10aの加熱量を大きくすることを制限する(例えば、加熱量を大きくしない)。
【0048】
図7に示すように、S8に続くS10では、制御部80が、加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が切断されたか否かを監視する。BT通信による接続が切断された場合(YESの場合)は、処理はS2に戻る。BT通信による接続が切断されていない場合(NOの場合)は、処理はS6に戻る。
【0049】
上記のS2でNOの後のS12では、加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立されていない状態で、制御部80が、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けたか否かを監視する。例えば、制御部80は、コンロバーナ10aの加熱量を大きくするための操作を加熱量操作部42aが受け付けたか否かを監視する。操作部(例えば、加熱量操作部42a)が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS14に進む。操作部が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けない場合(NOの場合)は、処理はS2に戻る。
【0050】
S12でYESの後のS14では、制御部80が、メモリ82に格納されている第2の制限情報に基づいて、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた操作に対応する機能を実行する、又は、制限する。より詳細には、制御部80は、操作部が受け付けた操作に対応する機能を許可する情報が第2の制限情報に含まれている場合は、その機能を実行する。一方、制御部80は、操作部が受け付けた操作に対応する機能を制限する情報が第2の制限情報に含まれている場合は、その機能を制限する。例えば、図3に示すように、第2の制限情報には機能F3を許可する情報が含まれているので、加熱調理器2の操作部が機能F3に対応する操作を受け付けた場合は、制御部80が機能F3を実行する。一方、第2の制限情報には機能F2を制限する情報が含まれているので、加熱調理器2の操作部が機能F2に対応する操作を受け付けた場合は、制御部80が機能F2を制限する。図7に示すように、S14の処理が終了すると、処理はS2に戻る。
【0051】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記の実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
(第2実施例)
(制限処理;図8
第2実施例の制限処理では、図8に示すように、加熱調理器2の制御部80が、S4に続いてS22の処理を実行する。S22では、制御部80が、所定の接続情報を、インターネット700を介して管理サーバ300(図1参照)に送信する。所定の接続情報は、加熱調理器2と携帯端末100(例えば、端末ID「t01」の一般端末100b)とのBT通信による接続が確立されたことを示す情報である。また、制御部80は、接続情報と共に、S4で携帯端末100から受信した端末ID(例えば、「t01」)をインターネット700を介して管理サーバ300に送信する。管理サーバ300は、加熱調理器2から接続情報及び端末IDを受信すると、その接続情報及び端末IDを、インターネット700を介して管理端末100aに送信する。
【0053】
(変形例;図9
第2実施例の変形例の制限処理では、図9に示すように、加熱調理器2の制御部80が、S6に続いてS24の処理を実行する。S24では、制御部80が、所定の操作情報を、インターネット700を介して管理サーバ300(図1参照)に送信する。所定の操作情報は、加熱調理器2と携帯端末100(例えば、端末ID「t01」の一般端末100b)とのBT通信による接続が確立されている状態において、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のうちの特定機能(例えば、F1)を実行させるための操作を加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けたことを示す情報である。また、制御部80は、操作情報と共に、S4で携帯端末100から受信した端末ID(例えば、「t01」)をインターネット700を介して管理サーバ300に送信する。管理サーバ300は、加熱調理器2から操作情報及び端末IDを受信すると、その接続情報及び端末IDを、インターネット700を介して管理端末100aに送信する。
【0054】
(報知処理;図10
次に、第2実施例で実行される報知処理について説明する。報知処理は、管理端末100a(管理ユーザU00が所持する携帯端末100)で実行される。報知処理は、例えば、管理端末100aがインターネット700に接続可能な状態になると開始される。図10に示すように、報知処理のS32では、管理端末100aの制御部110が、制限処理のS22(図8参照)で加熱調理器2から送信される接続情報をインターネット700を介して受信したか否かを監視する。或いは、制御部110が、制限処理のS24(図9参照)で加熱調理器2から送信される操作情報をインターネット700を介して受信したか否かを監視する。管理端末100aが接続情報又は操作情報を受信した場合(YESの場合)は、処理はS34に進む。管理端末100aが接続情報又は操作情報を受信しない場合(NOの場合)は、制御部110は監視を続ける。
【0055】
S32でYESの後のS34では、制御部110が、管理端末100aの表示部102から所定の報知情報を報知する。例えば、所定のメッセージを含む報知画面を表示部102に表示する。報知情報は、加熱調理器2と携帯端末100(例えば、端末ID「t01」の一般端末100b)とのBT通信による接続が確立されたことを示す情報である。なお、変形例では、制御部110が、携帯端末100のスピーカ(図示省略)から音声により報知情報を報知してもよい。
【0056】
続くS36では、制御部110が、管理端末100aの操作部104において、加熱調理器2が実行可能な機能を加熱調理器2に実行させるための操作を受け付け可能な状態にする。例えば、制御部110は、操作部104として機能するタッチパネルに所定の操作画面を表示する。タッチパネルに表示された操作画面により、加熱調理器2に機能を実行させるための操作を受け付けることができる。
【0057】
続くS38では、制御部110が、管理端末100aの操作部104が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けたか否かを監視する。例えば、制御部110は、コンロバーナ10aの加熱量を小さくするための操作を操作部104が受け付けたか否かを監視する。操作部104が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS40に進む。操作部104が加熱調理器2の機能を実行させるための操作を受け付けない場合(NOの場合)は、処理はS42に進む。
【0058】
S38でYESの後のS40では、制御部110が、所定の実行情報を、インターネット700を介して管理サーバ300(図1参照)に送信する。所定の実行情報は、管理端末100aの操作部104が受け付けた操作に対応する特定機能を加熱調理器2に実行させるための情報である。管理サーバ300は、管理端末100aから実行情報を受信すると、その実行情報を、インターネット700を介して加熱調理器2に送信する。S40の処理が終了すると、処理はS32に戻る。
【0059】
S38でNOの後のS42では、制御部110が、上記のS36の処理が終了してから所定時間が経過したか否かを監視する。所定時間が経過した場合(YESの場合)は、処理はS44に進む。所定時間が経過しない場合(NOの場合)は、処理はS38に戻る。
【0060】
S42でYESの後のS44では、制御部110が、S36でタッチパネルに表示した操作画面を非表示にする。即ち、制御部110が、加熱調理器2が実行可能な機能を加熱調理器2に実行させるための操作を、管理端末100aの操作部104において受け付け不能な状態にする。S44の処理が終了すると処理はS32に戻る。なお、実施例では、タッチパネルに表示した操作画面を非表示にして操作を受け付け不能な状態としたが、これに限らず、例えば、色を変えるなどして、選択できないことを報知するようにしてもよい。
【0061】
(優先実行処理;図11
次に、加熱調理器2で実行される優先実行処理について説明する。優先実行処理は、例えば、加熱調理器2の電源スイッチ40がオンになると開始される。図11に示すように、優先実行処理のS2では、加熱調理器2の制御部80が、複数の携帯端末100のうちのいずれかの携帯端末100とのBT通信による接続が確立されたか否かを監視する。加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立された場合(YESの場合)は、処理はS52に進む。加熱調理器2と携帯端末100とのBT通信による接続が確立されない場合(NOの場合)は、制御部80が監視を続ける。S2の処理は、制限処理のS2(図7参照)と同様の処理である。
【0062】
S2でYESの後のS52では、加熱調理器2の制御部80が、報知処理のS40(図10参照)で管理端末100aから送信される実行情報に対応する情報(管理サーバ300から送信される実行情報)を受信したか否かを監視する。加熱調理器2が実行情報を受信した場合(YESの場合)は、処理はS54に進む。加熱調理器2が実行情報を受信しない場合(NOの場合)は、処理はS2に戻る。
【0063】
S52でYESの後のS54では、制御部80が、受信した実行情報に基づいて、報知処理のS38(図10参照)で携帯端末100の操作部104が受け付けた操作に対応する特定機能を加熱調理器2に実行させる。例えば、管理端末100aの操作部104がS38でコンロバーナ10aの加熱量を小さくするための操作を受け付けた場合は、制御部80は、コンロバーナ10aの加熱量を小さくする機能を加熱調理器2に実行させる。制御部80は、管理端末100aの操作部104が受け付けた操作に対応する機能を、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた操作に対応する機能よりも優先して、加熱調理器2に実行させる。S54の処理が終了すると、処理はS2に戻る。
【0064】
(加熱調理システム1の動作;図12
次に、上記で説明した処理に基づいて加熱調理システム1で実現される動作について説明する。なお、以下の説明では、各装置(例えば、加熱調理器2)の制御部を主体として記載せずに、装置自体を主体として記載することがある。加熱調理システム1では、図12に示すように、T10において加熱調理器2と一般端末100b(例えば、端末ID「t01」の携帯端末100)とのBT通信による接続が確立されると(図7、8、9のS2参照)、T12において一般端末100bが端末ID(例えば、「t01」)を加熱調理器2に送信する。
【0065】
T12において加熱調理器2が端末ID(例えば、「t01」)を受信すると(図8のS4参照)、第2実施例では、T14において加熱調理器2が、インターネット700を介して端末ID(例えば、「t01」)と接続情報を管理サーバ300に送信する(図8のS22参照)。また、T16において管理サーバ300が、インターネット700を介して端末IDと接続情報を管理端末100aに送信する。接続情報は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されたことを示す情報である。
【0066】
T16において管理端末100aが端末IDと接続情報を受信すると、T18において管理端末100aの制御部110が、接続情報に対応する報知情報(例えば、「加熱調理器と携帯端末との接続が確立されました。」等のメッセージ画面)を表示部102から報知する(図10のS34参照)。
【0067】
また、加熱調理システム1では、T12の後のT20において、加熱調理器2のユーザ(端末ID「t01」の一般端末100bの一般ユーザU01)が、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)において、加熱調理器2に特定機能を実行させるための操作を実行する。T20において加熱調理器2の操作部が操作を受け付けると、T22において加熱調理器2の制御部80が、第1の制限情報(図3参照)に基づいて特定機能を実行する、又は特定機能を制限する(図7、8、9のS8参照)。
【0068】
また、第2実施例の変形例では、T20において加熱調理器2の操作部が操作を受け付けると、T24において加熱調理器2が、インターネット700を介して端末ID(例えば、「t01」)と操作情報を管理サーバ300に送信する(図9のS24参照)。また、T26において管理サーバ300が、インターネット700を介して端末IDと操作情報を管理端末100aに送信する。操作情報は、加熱調理器2の操作部が特定機能を実行させるための操作を受け付けたことを示す情報である。
【0069】
T26において管理端末100aが端末IDと操作情報を受信すると、T28において管理端末100aの制御部110が、操作情報に対応する報知情報(例えば、「加熱調理器が操作されました。」等のメッセージ画面)を表示部102から報知する(図10のS34参照)。
【0070】
また、図13に示すように、加熱調理システム1では、T18又はT28において管理端末100aが報知情報を報知する場合に、T30において管理端末100aの制御部110が、操作部104として機能するタッチパネルに所定の操作画面を表示する(図10のS36参照)。例えば、制御部110が、コンロバーナ10aの加熱量を調整するための操作画面を表示する。
【0071】
加熱調理システム1では、T30の後のT32において、管理端末100aの管理ユーザU00が、操作画面が表示された操作部104において、加熱調理器2に特定機能を実行させるための操作を実行する。T32において管理端末100aが操作を受け付けると、T34において管理端末100aが、加熱調理器2に特定機能を実行させるための実行情報をインターネット700を介して管理サーバ300に送信する(図10のS40参照)。また、T36において管理サーバ300が、インターネット700を介して実行情報を加熱調理器2に送信する。
【0072】
T36において加熱調理器2が実行情報を受信すると、T38において加熱調理器2の制御部80が、管理端末100aが受け付けた操作に対応する特定機能を加熱調理器2に実行させる。制御部80は、管理端末100aが受け付けた操作に対応する特定機能を、T20(図12参照)において加熱調理器2が受け付けた操作に対応する特定機能よりも優先して実行する(図11のS54参照)。
【0073】
(第3実施例;図14
次に、第3実施例の加熱調理システム1で実現される動作について説明する。第3実施例の加熱調理システム1では、初期状態では加熱調理器2が所定の非解除状態に設定されている。第3実施例の動作は、図14及び図12に示すように、T10からT14までの動作については、第2実施例の動作と同様である。第3実施例の加熱調理システム1では、図14に示すように、T14において管理サーバ300が端末IDと接続情報を受信すると、T16において管理サーバ300が、インターネット700を介して端末IDと接続情報を管理端末100aに送信すると共に、所定の許可リクエスト情報を管理端末100aに送信する。所定の許可リクエスト情報は、加熱調理器2を所定の解除状態にすることを要求する情報である。
【0074】
T16において管理端末100aが端末IDと接続情報を受信すると、T18において管理端末100aの制御部110が、接続情報に対応する報知情報を表示部102から報知する。また、T16において管理端末100aが許可リクエスト情報を受信すると、T40において管理端末100aの制御部110が、操作部104として機能するタッチパネルに所定の使用許可ボタンを表示する。タッチパネルに表示された使用許可ボタンにより、加熱調理器2を所定の解除状態にするための操作を受け付けることができる。なお、T40において管理端末100aが使用許可操作を受け付けるときに、第1の制限情報を設定するための操作を併せて受け付けてもよい。
【0075】
T40の後のT42では、管理端末100aの管理ユーザU00が、タッチパネルに表示された使用許可ボタンを押すことにより使用許可操作を実行する。T42において管理端末100aが使用許可操作を受け付けると、T44において管理端末100aが、インターネット700を介して所定の解除情報を管理サーバ300に送信する。また、T46において管理サーバ300が、解除情報を加熱調理器2に送信する。所定の解除情報は、加熱調理器2を所定の解除状態にするための情報である。
【0076】
T46において加熱調理器2が解除情報を受信すると、T48において加熱調理器2の制御部80が、所定の解除処理を実行して加熱調理器2を解除状態にする。加熱調理器2が解除状態になると、制限処理(図7、8、9参照)のS8の処理が実行可能な状態になる。一方、加熱調理器2が解除情報を受信しない場合は、制御部80が加熱調理器2を非解除状態に維持する。加熱調理器2が非解除状態に維持されると、制限処理(図7、8、9参照)のS8の処理が実行不能な状態になる。
【0077】
加熱調理システム1では、T48の後のT50において、一般端末100b(例えば、端末ID「t01」の携帯端末100)の一般ユーザU01が、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)において、加熱調理器2に特定機能を実行させるための操作を実行する。T50において加熱調理器2の操作部が操作を受け付けると、T52において加熱調理器2の制御部80が、第1の制限情報(図3参照)に基づいて特定機能を実行する、又は特定機能を制限する(図7、8、9のS8参照)。制御部80は、加熱調理器2が解除状態である場合は、第1の制限情報に基づいて特定機能を実行する、又は特定機能を制限する。一方、制御部80は、加熱調理器2が非解除状態である場合は、第1の制限情報にかかわらず、特定機能を制限する。
【0078】
(変形例;図15
第3実施例の変形例では、図15に示すように、T24において管理サーバ300が端末IDと操作情報を受信すると、T26において管理サーバ300が、インターネット700を介して端末IDと操作情報を管理端末100aに送信すると共に、所定の許可リクエスト情報を管理端末100aに送信する。その後の動作は図14に示す第3実施例の動作と同様である。
【0079】
以上、実施例に係る加熱調理システム1について説明した。以上の説明から明らかなように、加熱調理システム1は、加熱調理に関する複数の機能を実行可能な加熱調理器2と、加熱調理器2とBT通信による接続が可能な一般端末100bとを備えている。一般端末100bは、識別情報(例えば、端末ID「t01」)により識別される。加熱調理器2は、加熱調理器2が実行可能な機能を加熱調理器2に実行させるための入力操作を受け付ける操作部(例えば、加熱量操作部42a)と、識別情報(例えば、端末ID「t01」)により識別される一般端末100bに対応する第1の制限情報(図3参照)を記憶するメモリ82とを備えている。第1の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のうちの少なくとも1つの特定機能(例えば、F2)を制限する情報を含むことができる。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されている状態において、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうちの特定機能(例えば、F2)を実行させるための入力操作を操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付ける場合に、加熱調理器2との接続が確立されている一般端末100bに対応する第1の制限情報が操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能(例えば、F2)を制限する情報を含む場合は、操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する(図7、8、9のS8参照)。
【0080】
この構成によれば、加熱調理器2との接続が確立されている一般端末100bに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の特定機能(例えば、F2)を制限することができる。これにより、一般端末100bを所持するユーザが加熱調理器2を使用する際に、そのユーザが加熱調理器2で使用する特定機能(例えば、F2)を制限することができる。例えば、高齢者が所持する一般端末100bに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の最大加熱量を制限することにより、高齢者が加熱調理器2を使用する際に最大加熱量を制限することができ、安全性を向上させることができる。また、第1の制限情報により制限されていない機能についてはユーザが自由に使用することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。よって、安全性と利便性を両立させることができる。
【0081】
加熱調理器2の制御部80は、複数の一般端末100bのそれぞれについて、加熱調理器2との接続が確立されている一般端末100bに対応する第1の制限情報が操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた入力操作に対応する特定機能(例えば、F2)を制限する情報を含む場合は、操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する。
【0082】
この構成によれば、複数の一般端末100bについて、それぞれに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の特定機能を制限することができる。例えば、高齢者が所持する一般端末100bに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の最大加熱量を制限することができる。また、子供が所持する一般端末100bに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の最大連続点火時間を制限することができる。これにより、複数のユーザのそれぞれについて安全性を向上させることができる。
【0083】
また、加熱調理器2のメモリ82は、第2の制限情報も記憶している(図3参照)。第2の制限情報は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のうちの少なくとも1つの特定機能(例えば、F1)を制限する情報を含むことができる。制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されていない状態において、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうちの特定機能(例えば、F1)を実行させるための入力操作を操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付ける場合に、第2の制限情報が操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能(例えば、F1)を制限する情報を含む場合は、操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する(図7、8、9のS14参照)。
【0084】
この構成によれば、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されていない状態においても、第2の制限情報に基づいて、加熱調理器2の特定機能(例えば、F1)を制限することができる。これにより、一般端末100bのユーザ以外のユーザが加熱調理器2を使用する際にも、加熱調理器2の特定機能を制限することができる。そのため、安全性を向上させることができる。
【0085】
加熱調理システム1は、インターネット700を介して加熱調理器2と通信可能な管理端末100aを備えている。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立された場合は、インターネット700を介して接続情報を送信する(図8のS22参照)。管理端末100aの制御部110は、インターネット700を介して接続情報を受信する場合に、接続情報に対応する報知情報を表示部102から報知する(図10のS34、図12のT18参照)。
【0086】
或いは、加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとの無線通信による接続が確立されている状態において加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうちの特定機能を加熱調理器2に実行させるための入力操作を操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付ける場合は、インターネット700を介して操作情報を送信する(図9のS24参照)。管理端末100aの制御部110は、インターネット700を介して操作情報を受信する場合に、操作情報に対応する報知情報を表示部102から報知する(図10のS34、図12のT28参照)。
【0087】
これらの構成によれば、管理端末100aの管理ユーザU00に対して、一般端末100bの一般ユーザU01、U02が加熱調理器2を使用する状況であることを知らせることができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0088】
管理端末100aは、加熱調理器2が実行可能な機能を加熱調理器2に実行させるための入力操作を受け付ける操作部104を備えている。管理端末100aの制御部110は、報知情報を表示部102から報知する場合に、加熱調理器2が実行可能な機能を加熱調理器2に実行させるための入力操作を操作部104において受け付け可能な状態とする(図10のS36参照)。また、制御部110は、加熱調理器2が実行可能な複数の機能F1、F2、F3のうちの特定機能(例えば、F2)を実行させるための入力操作を操作部104が受け付ける場合は、実行情報をインターネット700を介して送信する。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されている状態において、インターネット700を介して実行情報を受信する場合は、管理端末100aの操作部104が受け付けた入力操作に対応する特定機能を、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた入力操作に対応する特定機能よりも優先して加熱調理器2に実行させる(図11のS54、図13のT38参照)。
【0089】
この構成によれば、管理端末100aの管理ユーザU00の操作による特定機能を、一般端末100bの一般ユーザU01、U02の操作による特定機能よりも優先して加熱調理器2に実行させることができる。例えば、一般ユーザU01である高齢者が加熱調理器2を使用する際に、管理端末100aの管理ユーザU00が優先して加熱調理器2を操作することができる。これにより、管理ユーザU00が加熱調理器2を管理することができる。また、管理ユーザU00のユーザが予期しないような状態で加熱調理器2が使用されることを避けることができる。これにより、安全性を向上させることができる。
【0090】
管理端末100aは、所定の非解除状態の加熱調理器2を所定の解除状態にするための入力操作を受け付ける操作部104を備えている。管理端末100aの制御部110は、報知情報を表示部102から報知する場合であって、操作部104が加熱調理器2を解除状態にするための入力操作を受け付ける場合は、解除情報をインターネット700を介して送信する(図15のT44参照)。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されている状態において、インターネット700を介して解除情報を受信する場合は、加熱調理器2を解除状態とし、解除状態において、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうちの特定機能(例えば、F2)を実行させるための入力操作を操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付ける場合に、加熱調理器2との接続が確立されている一般端末100bに対応する第1の制限情報が操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付けた入力操作に対応する特定機能(例えば、F2)を制限する情報を含む場合は、操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する(図14、15のT52参照)。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2と一般端末100bとのBT通信による接続が確立されている状態において、インターネット700を介して解除情報を受信しない場合は、加熱調理器2を非解除状態とし、非解除状態において、加熱調理器2が実行可能な複数の機能のうちの特定機能(例えば、F2)を実行させるための入力操作を操作部(例えば、加熱量操作部42a)が受け付ける場合は、第1の制限情報にかかわらず、操作部が受け付けた入力操作に対応する特定機能を制限する。
【0091】
この構成によれば、加熱調理器2が解除状態である場合は、加熱調理器2との接続が確立されている一般端末100bに対応する第1の制限情報に基づいて、加熱調理器2の特定機能を制限することができる。また、加熱調理器2が非解除状態である場合は、第1の制限情報にかかわらず、加熱調理器の特定機能を制限することができる。これにより、一般ユーザU01、U02が加熱調理器2の特定機能を使用する際に、特定機能を2段階で制限することができる。そのため、安全性を向上させることができる。
【0092】
(対応関係)
端末IDが「識別情報」の一例である。一般端末100bが「第1の携帯端末」の一例である。管理端末100aが「第2の携帯端末」の一例である。メモリ82が「記憶部」の一例である。管理端末100aの表示部102が「端末報知部」の一例である。管理端末100aのスピーカが「端末報知部」の他の一例である。管理端末100aの制御部110が「端末制御部」の一例である。管理端末100aの操作部104が「第1の端末操作部」及び「第2の端末操作部」の一例である。所定の接続情報が「第1の所定情報」の一例である。所定の操作情報が「第1の所定情報」の他の一例である。所定の実行情報が「第2の所定情報」の一例である。所定の解除情報が「第3の所定情報」の一例である。
【0093】
(変形例)
(1)加熱調理器2は、ガス燃焼式に限定されず、IHコンロ等の電気式のビルトインコンロであってもよい。また、加熱調理器2は、コンロに限定されず、オーブン等であってもよい。加熱調理器2がオーブンである場合は、加熱調理器2のユーザは、オーブン設定操作部(図示省略)を操作することで、オーブンによって加熱される加熱対象物の温度の設定や自動調理の設定などをすることができる。
【0094】
(2)上記の実施例では、加熱調理器2の操作部(例えば、加熱量操作部42a)が、加熱調理器2に特定機能を実行させるための操作を受け付けていたが、この構成に限定されない。変形例では、一般端末100bの操作部104が、加熱調理器2に特定機能を実行させるための操作を受け付けてもよい。一般端末100bの操作部104が操作を受け付けると、一般端末100bの制御部110が、加熱調理器2に特定機能を実行させるための情報を、BTI/F106を介して加熱調理器2に送信する。そうすると、加熱調理器2の制御部80が、一般端末100bから送信される情報をBTI/F72を介して受信する。加熱調理器2の制御部80は、加熱調理器2に特定機能を実行させるための情報を受信する場合に、メモリ82に格納されている第1の制限情報に基づいて特定機能を実行する、又は特定機能を制限する。この場合、一般端末100bの操作部104が、「加熱調理器が実行可能な機能を加熱調理器に実行させるための入力操作を受け付ける操作部」の他の一例である。
【0095】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0096】
1:加熱調理システム、2:加熱調理器、4:本体、10a:コンロバーナ、12a:温度センサ、20:グリル庫、21:グリルバーナ、22:グリル扉、24:コンロ操作部、26:グリル操作部、40:電源スイッチ、42a:加熱量操作部、44:パネル操作部、46:コンロ表示部、48a:コンロ設定操作部、60:加熱量操作部、62:パネル操作部、64:グリル表示部、66:グリル設定操作部、80:制御部、82:メモリ、100:携帯端末、100a:管理端末、100b:一般端末、102:表示部、104:操作部、110:制御部、112:メモリ、300:管理サーバ、310:制御部、320:記憶部、700:インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15