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特開2022-142680動画再生評価システムと動画再生評価方法とそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142680
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】動画再生評価システムと動画再生評価方法とそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20220922BHJP
   H04N 21/4725 20110101ALI20220922BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/4725
G06F13/00 540R
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021042965
(22)【出願日】2021-03-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】521111940
【氏名又は名称】株式会社アプト
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】竹田 圭佐
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB07
5B084AB35
5B084BA02
5B084BB19
5B084CD05
5B084DB02
5B084DC02
5C164FA06
5C164SB29S
5C164SC11P
5C164UD43P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】ユーザーが動画コンテンツの視聴の途中で他のサイトへ遷移したり、ブラウザを閉じてしまった場合でも動画コンテンツの再生時間を解析することが可能な動画再生評価システムと動画再生評価方法及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】動画再生評価システム1aは、ユーザー25の所有するユーザー装置25aから動画コンテンツ19を認識可能な動画情報13とユーザー25を認識可能なパラメータ14を受信するコード受信部8と、動画情報13を用いて符合する動画コンテンツ19を再生してユーザー装置25aへ動画コンテンツ19を配信する動画再生部9と、動画再生部9による動画コンテンツ19の再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間21として評価記録部7に保存する計時部10を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記ユーザーの所有するユーザー装置から前記コードに含まれる前記動画コンテンツを認識可能な動画情報と前記ユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記動画情報を用いて前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とする動画再生評価システム。
【請求項2】
ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記ユーザーの所有するユーザー装置から前記コードに含まれる前記ユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索して前記情報に符合する前記動画コンテンツを抽出する動画検索部と、この動画検索部で抽出された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とする動画再生評価システム。
【請求項3】
前記コードは前記ユーザーが受信するメディアに表示され、前記パラメータは前記ユーザーに対する前記メディアの送信元のクライアントに関する情報を含み、前記評価記録部は前記クライアントの所有するクライアント装置からアクセス可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動画再生評価システム。
【請求項4】
前記ユーザーは複数存在し、前記コードは複数存在する前記ユーザー毎に認識する前記パラメータを含み、前記計時部は前記ユーザー毎に前記時間間隔を積算してその積算を前記評価記録部に保存し、前記ユーザー毎の前記時間間隔の前記積算を統計処理して前記動画コンテンツのユーザー評価として出力するとともに前記ユーザー評価を前記評価記録部に保存する動画再生解析部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動画再生評価システム。
【請求項5】
複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記コードに含まれる動画情報を受信して前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とする動画再生評価方法。
【請求項6】
複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索する動画検索工程と、検索された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とする動画再生評価方法。
【請求項7】
第5の発明又は第6の発明に記載される動画再生評価方法から前記コード送信工程を除いた工程をコンピュータに実行させることを特徴とする動画再生評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトメールやチラシ等のメディアを通じてクライアントの求めに応じてユーザーに送信されたコードを、ユーザーが利用してクライアントが意図する動画を再生した時間を解析する動画再生評価システムと動画再生評価方法とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の広域通信網の発達に伴い、企業による宣伝・広告も新聞や雑誌への掲載やテレビ番組の供給とともに行うスポンサー広告に加えて、インターネット上で動画を配信して消費者に訴求する手法も一般化しつつある。
しかしながら、インターネット上での広告動画は広告主の誘導にもかかわらずユーザーがアクセスしてくれないことも多く、また、せっかく動画にアクセスしてもすぐに離脱してしまい、最後まで広告を視聴してもらえないことや広告はインターネット上で流れているものの見ていない状態で他の媒体や作業に気を奪われているような場合も頻繁に生じている。
そこで、従来、動画広告に対しては再生時間や回数について解析しながら、動画広告の配信効果を測る様々な発明が開示されている。
例えば、特許文献1には、「判定装置、判定方法及び判定プログラム」という名称で、ユーザが利用するユーザ端末において、動画に係る広告コンテンツの再生が終了したことを検知し、その広告コンテンツの終了時点から経過した時間を計測し、判定時間と呼ばれる所定の時間内にユーザから何らかの操作を受け付けたことをもって、その動画を視聴したという判定を行うことで、ユーザ端末における広告コンテンツの視聴状況を判定する発明が開示されている。
この発明では、広告コンテンツの再生時間の終了後に判定時間を設けてユーザによる操作の有無を判定に用いることで、広告コンテンツが単に再生されたことをもって広告コンテンツが広告効果を発揮したと判定するのではなく、実際にユーザが視聴したと想定される視聴状況に基づいて、広告コンテンツの効果を判定することが可能である。
特許文献2には、「動画広告配信サーバおよびプログラム」という名称で、閲覧ページの表示プログラムと連携して動画広告の再生開始回数及び動画広告が最後まで再生された回数をカウントしてデータベースに記録する再生状況監視手段を含む発明が開示されている。この再生状況監視手段は、元々特許文献2に開示される発明が解決する課題に直結しているものではないが、動画広告によっては完全視聴をしないと広告情報を看取できないストーリーであったり、課金が完全視聴と紐付いていたりする場合もあるので、最後まで再生された回数をカウントする手段を設けることは重要であるとして開示されている。
特許文献3には、「コンテンツ表示時間検知装置、コンテンツ表示時間検知システム、及びコンテンツ表示時間検知方法」という名称で、ネットワークを介して配信され、ブラウザにより閲覧が可能なWebページ中のコンテンツが端末の表示装置に表示された時間を検知する発明であり、コンテンツの表示領域近傍に配置された検知対象オブジェクトが表示装置のフレーム内に入ったことを検知する検知部と、検知部における検知に基づき検知対象オブジェクトのロード要求をネットワークを介してサーバに送信する送信部とを有し、検知部は、検知対象オブジェクトが表示装置のフレーム内に入った以降、フレーム内表示状態でなくなるまでの間継続的に検知するという発明が開示されている。
この発明によれば、重い動画コンテンツが閲覧(再生)されている状態の検知を、検知対象オブジェクトが表示装置のフレーム内に位置することをトリガとして発せられるオブジェクト情報のロード要求により代替させることで過度な負荷を避けて自動再生された時間を検知することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-23042号公報
【特許文献2】特開2018-22995号公報
【特許文献3】特開2014-203410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1乃至3に開示される発明では、動画コンテンツの視聴途中でユーザーがユーザー装置の電源をオフにしたり、他のウェブサイトへ遷移した場合やブラウザ自体を終了させた場合に、その事態を検知する手段を備えておらず、そのような事態が生じた際にそれまで視聴されていたと考えられる動画コンテンツの再生時間を得ることができないという課題があった。
また、動画コンテンツの再生時間を取得することができないことによって、動画コンテンツ自体やその動画コンテンツが訴求する対象に対するユーザーや市場での評価を測ることができないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、ユーザーが動画コンテンツの視聴の途中でユーザー装置の電源をオフにしたり、他のサイトへ遷移したり、ブラウザを閉じてしまった場合でも動画コンテンツの再生時間を解析することが可能であり、その動画コンテンツやその動画コンテンツが訴求する対象を評価することが可能な動画再生評価システムと動画再生評価方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明である動画再生評価システムは、ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記ユーザーの所有するユーザー装置から前記コードに含まれる前記動画コンテンツを認識可能な動画情報と前記ユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記動画情報を用いて前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価システムでは、コード受信部はユーザー装置から動画コンテンツを認識可能な動画情報とコードに含まれるユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存し、動画再生部はその動画情報に符合する動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信するように作用する。そして、計時部は動画再生部による動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存するように作用する。
なお、動画情報とはインターネット上に存在する動画コンテンツのリソースの場所を特定することが可能な情報であり、例えばURL(Uniform Resource Locator)情報が該当する。
【0006】
第2の発明である動画再生評価システムは、ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記ユーザーの所有するユーザー装置から前記コードに含まれる前記ユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索して前記情報に符合する前記動画コンテンツを抽出する動画検索部と、この動画検索部で抽出された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価システムでは、コードに動画情報は含まれず、動画検索部がパラメータに含まれる情報から動画コンテンツを検索して符合する動画コンテンツを抽出するように作用し、動画再生部は動画検索部で抽出された動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信するように作用する。コード受信部と計時部の作用は第1の発明と同様である。
なお、パラメータに含まれる情報とは、直接的な動画情報そのものではないものの間接的に動画コンテンツを特定可能な情報を意味する。例えば、ユーザー情報に加えて、クライアント情報との組合せに関する情報やさらにテーマや事象(イベント)に関する情報とを組み合せた情報が該当する。クライアントとは、ユーザーにコードを送信して動画コンテンツを何らかの目的のために視聴させる意図を有する者を意味し、クライアント情報とは、そのクライアントに関する情報を意味する。
【0007】
第3の発明である動画再生評価システムは、第1の発明又は第2の発明において、前記コードは前記ユーザーが受信するメディアに表示され、前記パラメータは前記ユーザーに対する前記メディアの送信元のクライアントに関する情報を含み、前記評価記録部は前記クライアントの所有するクライアント装置からアクセス可能であることを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価システムでは、クライアントが自己のユーザーに対して送信したメディアがコードを配信するように作用し、評価記録部はクライアント装置からアクセス可能に作用する。
なお、メディアとはダイレクトメールやチラシ等クライアントが自己のユーザーに対して送信するあらゆる媒体を意味し、メディアの送信及び受信とは各戸への配布と受取、郵送による送付と受取及び電子メール等の電子的な方法による送付と受取を含む概念である。また、アクセス可能とは、時間間隔の積算を格納する評価記録部へクライアント装置のアクセスが許可されること及び評価記録部からクライアント装置へのデータ送信による受信を含む概念である。
【0008】
第4の発明である動画再生評価システムは、第1乃至第3の発明のうちいずれか1つの発明において、前記ユーザーは複数存在し、前記コードは複数存在する前記ユーザー毎に認識する前記パラメータを含み、前記計時部は前記ユーザー毎に前記時間間隔を積算してその積算を前記評価記録部に保存し、前記ユーザー毎の前記時間間隔の前記積算を統計処理して前記動画コンテンツのユーザー評価として出力するとともに前記ユーザー評価を前記評価記録部に保存する動画再生解析部を有することを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価システムでは、第1乃至第3の発明のうちいずれか1つの発明における作用に加えて、動画再生解析部が複数のユーザー毎の時間間隔の積算を統計処理して動画コンテンツのユーザー評価として出力するように作用する。また、その統計処理には、ユーザー毎の時間間隔の積算からユーザー毎に動画コンテンツの再生途中で想定した終了方法以外で離脱したことを判定した評価も含まれる。
【0009】
第5の発明である動画再生評価方法は、複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記コードに含まれる動画情報を受信して前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価方法では、それぞれの工程毎に、記載されたとおりの作用を有している。また、文言の概念については第1乃至第4の発明で説明したとおりである。なお、コードの送信とは、電子メール等の電子的な方法による送付に加えて郵送による送付を含む概念である。
【0010】
第6の発明である動画再生評価方法は、複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索する動画検索工程と、検索された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価方法でも、それぞれの工程毎に、記載されたとおりの作用を有している。また、文言の概念については第1乃至第4の発明で説明したとおりである。
【0011】
第7の発明である動画再生評価プログラムは、第5の発明又は第6の発明に記載される動画再生評価方法から前記コード送信工程を除いた工程をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価プログラムは、第5又は第6の方法発明のうちコード送信工程を除いた工程をプログラム発明として捉えたものであるので、その作用はコード送信工程の作用を除いて第5又は第6の発明の作用と同様である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明に係る動画再生評価システムは、ユーザーが受領したコードをユーザー装置を介して受信し、動画コンテンツの再生をユーザー装置に配信する。その際に、計時部は動画再生部による動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ時間間隔の積算を記録部に保存するので、予期しない事態で動画の再生ができなくなった場合には、計時部は動画コンテンツの再生を検知できず、新たな時間間隔の積算ができない。したがって、評価記録部に最後に積算された時間間隔を動画コンテンツの再生解析時間として保存しておくことが可能である。
なお、本願において、「予期しない事態」とは、動画コンテンツの視聴途中にユーザーがユーザー装置の電源をオフにしてしまったり、電源をオフしなくとも動画コンテンツの再生を実行しているアプリケーションソフトウェア等を利用するためのブラウザを終了させたり、他のウェブサイトへ遷移するような場合を意味している。したがって、その動画コンテンツを最後まで視聴したり、その動画コンテンツが表示されている画面中に予めクライアントから動画コンテンツの再生時に表示されるように意図された詳細情報へ誘導するためのバナーや終了するためのバナー等のクリックによるウェブサイトの遷移、あるいは最後まで動画コンテンツを視聴する状態以外の事態とも言える。
【0013】
第2の発明に係る動画再生評価システムは、第1の発明が奏する効果に加えて、第1の発明ではコードに含まれていた動画情報を含んでおらず、コードに含まれるパラメータから動画検索部で動画を検索することが可能である。
【0014】
第3の発明に係る動画再生評価システムは、第1又は第2の発明の効果に加えて、クライアントが送信するメディアに表示されるコードを用いることで、クライアントのユーザーが実際に動画コンテンツを視聴したか否かを予期しない事態で動画の再生ができなくなった場合でも動画の再生解析時間として、クライアント装置から認知することが可能である。
【0015】
第4の発明に係る動画再生評価システムは、第1乃至第3の発明のいずれか1つの発明の効果に加えて、複数のユーザーに送信したコードを用いることで、予期しない事態で動画の再生ができなくなった場合でも、複数のユーザー個々の時間間隔の積算を動画の再生解析時間として認知することができつつ、ユーザー全体として実際にどの程度動画コンテンツを視聴したかについて、時間間隔の積算を統計処理したユーザー評価として保存しておくことが可能である。
【0016】
第5の発明に係る動画再生評価方法は、予期しない事態で動画の再生ができなくなった場合でも、複数のユーザー毎に動画コンテンツの再生時間を解析することが可能であり、そのユーザー毎の再生解析時間を統計処理してユーザー評価として出力することで、動画コンテンツに対するユーザーの視聴状況の評価を得ることが可能である。
【0017】
第6の発明に係る動画再生評価方法は、第5の発明と同様の効果に加えて、コードに直接的な動画情報を含めていなくとも、コードに含まれるパラメータを用いて動画検索部が動画コンテンツを検索して抽出することが可能であるので、コードに含まれる情報を少なくすることも可能である。
【0018】
第7の発明に係る動画再生評価プログラムは、第5又は第6の方法発明のうちコード送信工程を除いた工程をプログラム発明として捉えた発明であるので、その効果は第5又は第6の発明の効果と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る動画再生評価システムのシステムブロック図である。
図2】第1の実施の形態に係るコードを付したダイレクトメール用ハガキの概念図である。
図3】第1の実施の形態に係るコードの構成を示す概念図である。
図4】クライアントによるダイレクトメールの発送から第1の実施の形態に係る動画再生評価システムによるユーザーの視聴評価情報の生成を説明するためのフロー図である。
図5】(a)は第2の実施の形態に係る動画再生評価システムのコード情報データベースを示すブロック図であり、(b)は同じく処理部を示すブロック図である。
図6】第2の実施の形態に係るコードの構成を示す概念図である。
図7】クライアントによるダイレクトメールの発送から第2の実施の形態に係る動画再生評価システムによるユーザーの視聴評価情報の生成を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る動画再生評価システムについて図1-4を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る動画再生評価システムのシステムブロック図である。図2は動画再生評価システムで用いられるコードを付したダイレクトメール用のハガキの概念図であり、図3はコードの構成を示す概念図である。
図1において、動画再生評価システム1aは、処理部2a、入出力インターフェース3、コード情報データベース4a、動画データベース5、受信記録部6及び視聴評価記録部7から構成されている。この動画再生評価システム1aは、コンピュータサーバ内でそれぞれの機能を発揮し得る演算回路や記憶装置を備えたシステムを想定することが可能である。
動画再生評価システム1aは、クライアント24が複数のユーザー25-27に対して図2に示されるダイレクトメール用のハガキ28等に付した2次元コード29を送付して、これを受領したユーザー25-27がこの2次元コード29を介してアクセスする動画コンテンツの視聴時の再生時間を解析するものである。
例えば、クライアント24は顧客をユーザー25-27として新製品に関する広告動画を2次元コード29付きのダイレクトメール用のハガキ28で案内し、その2次元コード29をスマートフォン内蔵カメラ等のユーザー装置25a-27aで読み取って広告動画を視聴してもらうことを意図するが、実際に顧客(ユーザー)が広告動画を視聴するか否かは定かではないので、動画再生評価システム1aによって動画コンテンツの再生時間を解析することで広告動画の訴求効果を評価しようとするものである。なお、図2には2次元コード29を印刷しているが、1次元コードであってもよい。
【0021】
動画再生評価システム1aの構成内容について説明する。
処理部2aはコード受信部8、動画再生部9、計時部10及び動画再生解析部11から構成されている。
入出力インターフェース3は、演算回路等の装置類、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組合せとして実装される。動画再生評価システム1aは入出力インターフェース3を介して他の装置とデータを送受信することができる。したがって、この動画再生評価システム1aを運用する際はディスプレイ装置等の出力装置にも接続することが可能である。
コード情報データベース4aはユーザー25-27が受領するコード(図2の2次元コード29)に含まれる情報に関するデータベースである。コードに含まれる情報としては、図3にその構成を示すとおり、動画情報13とパラメータ14があり、パラメータ14に含まれる情報としてさらに、少なくともクライアント情報15、イベント情報16、ユーザー情報17及び動画再生総時間18がある。これらは情報を文字・数字・記号を組み合せて羅列して表現されるものであり、これらの情報が図2の2次元コード29に含まれている。
なお、このコード情報データベース4aは動画再生評価システム1aの管理者によって管理されるデータベースである。
【0022】
動画情報13とは、インターネット上に存在する動画コンテンツのリソースの場所を特定することが可能な情報であり、具体例としてはURLが該当する。クライアント情報15とは、ユーザーに対して動画コンテンツにアクセスするためのコードを送信して、動画コンテンツを視聴してもらうことを希望する者に関する情報であり、具体例としては企業や機関、組織の名称やそれらを識別するためのIDが該当する。イベント情報16は、コードに紐付けられている動画コンテンツの属性を示す事象に関する情報であり、具体例としては催事、キャンペーン、ターゲット、プロジェクト等の名称やそれを識別するためのIDが該当する。ユーザー情報17は動画コンテンツにアクセスするためのコードを受信することをクライアントが希望する者に関する情報であり、具体例としてはクライアントの顧客名や顧客を識別するためのIDが該当する。動画再生総時間18はコードによってアクセスすることができる動画コンテンツを最初から最後まで再生した場合の総時間である。
動画データベース5は動画コンテンツ19を読み出し可能に格納しているデータベースであるが、例えば動画コンテンツ19を備えたウェブサーバのようなものであってもよい。
受信記録部6は、ユーザーがダイレクトメールで受領したコードに含まれる動画情報13とパラメータ14をコード受信部8が受信して読み出し可能に格納する記録部である。
【0023】
以下、図4も参照しながら動画再生評価システム1aにおける視聴評価情報の生成の流れについて説明する。図4はクライアントによるダイレクトメールの発送から動画再生評価システム1aによるユーザーの視聴評価情報の生成を説明するためのフロー図である。なお、図中破線で示したのは動画再生評価システム1aにおける処理フローである。この図4は、本願発明の動画再生評価方法に対しては、その評価方法の工程を表すものであり、また、動画再生評価プログラムに対しては、コンピュータを用いて実行される工程を表すものでもあり、この図を参照しながら動画再生評価システム1aにおけるデータ処理の流れを説明することは動画再生評価方法及び動画再生評価プログラムの実施の形態について説明することと同義である。
まず、ステップS1のダイレクトメール発送工程では、クライアント24が2次元コード29を付したハガキ28を用いてダイレクトメールとしてユーザー25-27に発送する。
ステップS2のダイレクトメール受領工程として、ダイレクトメールを受領したユーザー25-27は、ダイレクトメールの案内に興味を持ち動画コンテンツ19の視聴を希望する場合には、ステップS3の動画情報&パラメータ送信工程として、ハガキ28に付された2次元コード29をユーザー装置25a-27aで読み取る。2次元コード29を読み取ったユーザー装置25a-27aは、2次元コード29に含まれる動画情報13及びパラメータ14を動画再生評価システム1aに対して送信する。
そして、ステップS4の動画情報&パラメータ受信工程で動画再生評価システム1aのコード受信部8は、広域通信網23及び入出力インターフェース3を介して、パラメータ14と動画情報13を受信し、これらを紐付けて受信記録部6に読み出し可能に格納する。
ステップS5の動画再生工程では、動画再生部9が動画情報13を受信記録部6から読み出し、動画データベース5に格納される動画コンテンツ19の中からその動画情報13に符合するものを特定し再生する。また、動画再生部9は動画情報13の他、受信記録部6からパラメータ14も読み出しておくことで、動画再生部9からこれから説明する計時部10や動画再生解析部11に対してパラメータ14に関するデータを紐付けて送信することが可能であり、いずれのクライアント、イベントあるいはユーザーに関する情報処理であるかが明確化される。
【0024】
クライアント24は、動画コンテンツ19の視聴中のユーザーに対して動画コンテンツ19の内容からさらに詳細な情報への遷移を促すための「詳細」バナーや動画コンテンツ19が意図する事象の内容に対して興味がないとして動画コンテンツ19の視聴を終了するための「終了」バナーを予め用意し、その予め用意したバナーのクリックと最後まで視聴されて再生が終わる場合の「完視」は予めプログラムに時間情報の生成のためのトリガーが組まれているので「予期終了」として動画再生部9が検知することができる。
ステップS6の予期終了検知工程では、動画再生部9がそのような予期終了のトリガーの有無を検知する。検知した場合には、ステップS9の視聴評価情報生成工程へ進み、「詳細」であっても「終了」であってもそのバナーのクリックをトリガーとして動画再生部9がその時点での時間情報を取得し、動画再生解析部11に対して送信する。
ステップS6からステップS9へ移行した場合には、動画再生解析部11が動画再生部9から予期終了に関する時間情報と動画コンテンツ19の再生開始時刻との差分を演算して動画再生時間20として読み出し可能に視聴評価記録部7へ格納する。また、動画再生解析部11は、クリックされたバナーの種類によって、「詳細」又は「終了」のユーザー評価22を動画再生時間20に対して紐付けて生成し、それらを視聴評価記録部7に読み出し可能に格納する。
【0025】
一方、ステップS6で予期終了が検知できない場合には、ステップS7へ進む。
ステップS7の動画再生検知工程は、計時部10が所望に定めた時間間隔で動画再生部9による動画コンテンツ19の再生を検知しようとしており、動画再生部9による再生が開始されてから、その検知がなされると、ステップS8の時間間隔積算工程で、計時部10は所望に定めた時間間隔を積算し、動画再生解析時間21として視聴評価記録部7に読み出し可能に格納する。
そして、その後再びステップS6へ戻る。動画再生部9はユーザー25-27がユーザー装置25a-27aを介して視聴し続ける限り最長で動画再生総時間18まで再生を続けるので、それに応じてコード受信部8はステップS6-S8を繰り返し実行する。動画再生部9で動画コンテンツ19が最後まで再生された場合には、ステップS6で予期終了検知したとして、ステップS9で動画再生解析部11が動画コンテンツ19の動画再生総時間18に対して「完視」のユーザー評価22を紐付けて生成し、読み出し可能に視聴評価記録部7に格納する。
さらに、ステップS7で動画再生部9による動画コンテンツ19の再生が検知されない場合には、「予期しない事態」が発生したとして、計時部10は時間間隔の積算を行うことなく、動画再生解析部11に対して「予期しない事態」発生の信号を送信する。
そして、ステップS9の視聴評価情報生成工程で、動画再生解析部11は最後に積算が実行された動画再生解析時間21に対して、「予期しない事態」発生の評価として「離脱」のユーザー評価22を紐付けて生成し、読み出し可能に視聴評価記録部7に格納する。
【0026】
なお、動画再生解析部11は、個別のユーザー25-27に対する動画再生時間20や動画再生解析時間21の他、同一の動画コンテンツ19に対する複数の動画再生時間20や動画再生解析時間21を統計処理することで、動画再生時間20や動画再生解析時間21の平均値や標準偏差等の統計的数値を得て、動画コンテンツ19の訴求効果をユーザー25-27全体によるユーザー評価22として視聴評価記録部7に読み出し可能に格納する。
視聴評価記録部7は、クライアント装置24aから広域通信網23及び入出力インターフェース3を介してアクセス可能な記録部であるので、クライアント24はダイレクトメールをユーザー25-27に送信した後に動画コンテンツ19あるいはその内容に基づく広告等の訴求効果を逐一視聴評価記録部7に格納された動画再生時間20、動画再生解析時間21あるいはユーザー評価22によって把握することが可能である。
【0027】
表1に視聴評価記録部7に格納された動画再生時間20、動画再生解析時間21及びユーザー評価22をユーザー25-27毎にまとめた一覧表を示す。
【表1】
【0028】
表1では、クライアントとして株式会社アプトという企業が、イベント情報16として「grand sale」というバーゲンセールに関する事象に関係した動画コンテンツ19に関する2次元コード29が付されたダイレクトメールを送付している。ユーザー25-27の例として10名が示されており、それぞれユーザー番号が付されて管理されている。動画コンテンツ19の動画再生総時間18は30秒であるが、解析の結果、10名中3名が動画コンテンツ19を最後まで視聴したと考えられ、2名が再生途中で「詳細」のバナーをクリックして遷移し、その際の再生時間は視聴評価記録部7に動画再生時間20として格納されているデータでありそれぞれ21秒と24秒である。また、「終了」のバナーをクリックしたユーザーも2名おり、その際の再生時間も動画再生時間20として格納されているそれぞれ11秒と15秒である。
さらに、動画再生の途中で何らかの操作によって離脱したユーザーは、「予期しない事態」の発生として、「離脱」のユーザー評価22がなされており、視聴評価記録部7に動画再生解析時間21として格納されているそれぞれ6秒、16秒、21秒である。この3つの数字は、計時部10が動画再生部9による動画コンテンツ19の再生を検知するとまず1秒を積算し、その後5秒という時間間隔で積算を実行するためである。そして、再生が検知されない場合には、最後に検知された際の積算で動画再生解析時間21が決定されるので1,6,11,16,21という数字となる。検知当初の秒数やその後の時間間隔は所望に決定されるものである。
クライアント24は視聴評価記録部7に格納された動画再生時間20、動画再生解析時間21やユーザー評価22を閲覧することで、自身のユーザー25-27に対する動画コンテンツ19の反響を確認可能であり、それによってダイレクトメールの内容の評価も含めて動画コンテンツ19の再生時間を介して「grand sale」の訴求効果を確認することができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、ステップS1を、ハガキ28を用いたダイレクトメール発送工程としたが、ダイレクトメールとして封書や電子メールを用いて送信してもよい。電子メールを用いて送信する場合には、URLに動画情報のみならずパラメータを付加しておいていわゆるハイパーリンクとして、そのURLをユーザー25-27がユーザー装置25a-27aを用いてクリックすることでステップS3の動画情報&パラメータ送信が実行され、また、それによってステップS4のコード受信部8による動画情報&パラメータ受信が実行されてもよい。すなわち、URLを動画情報13のみならずパラメータ14として活用してもよい。
また、コード情報データベース4a、動画データベース5、受信記録部6及び視聴評価記録部7は、例えば、コンピュータプロセッサによってアクセス可能な記憶装置やサーバ装置の一部として含まれている装置などのハードウェアに限らず、特に動画データベース5と受信記録部6においては、コンピュータ上やサーバ装置上で実行されるプログラムであったり、そのプログラム中に含まれたり書き込まれるデータ等のソフトウェアで構成されていてもよい。
また、ステップS4からステップS5としては、プログラム上で動画情報13としてのURLが読み取られて、そのURLに符合する動画コンテンツ19のファイルの再生が開始されるような場合も含まれる。すなわち、コード受信部8や動画再生部9がハードウェアではなくソフトウェアで、プログラムの実行によって機能を発揮する場合ももちろん含まれる。
さらに、ステップS6-S9においても、プログラム上で「詳細」や「終了」のバナーのクリックを検知して、それをトリガーとしてその時点での予期終了に関する時間情報を取得し、動画コンテンツ19の再生開始時刻との差分を動画再生時間20として演算するような場合も含まれる。すなわち、動画再生部9や動画再生解析部11を融合してプログラムとして成立するようなものであってもよい。
加えて、処理部2aの計時部10も同様に電子回路や装置等のハードウェアに限定するものではなく、機能を発揮するのであれば、コンピュータ上やサーバ装置上で実行されるプログラムのようなソフトウェアであってもよい。
さらに、ダイレクトメール発送工程に代えて各戸へのチラシ配布工程としてもよい。例えば、クライアント24が不動産会社で賃貸物件のチラシを配布することを考え、対象の賃貸物件周辺をA地区、近隣の繁華街をB地区、近隣の学生街周辺をC地区として、それぞれの地区に配布するチラシに別の2次元コード29を刷り込む。この場合、特定の個人に関する情報に代えてA-Cのいずれの地区の住民かという情報をユーザー情報17として用いることで、特定の個人における評価は得られないものの、地域全体のユーザーの総意として販売促進活動の手掛かりを得ることができる。
【0030】
以上説明したとおり、本実施の形態に係る動画再生評価システム1aでは、ハガキや封書を用いたダイレクトメールに、動画情報13及びクライアント情報15、イベント情報16、ユーザー情報17と動画再生総時間18を少なくとも含むパラメータ14といった情報を含めた2次元コード29を付してユーザー25-27に送付することで、そのユーザーが2次元コード29をユーザー装置25a-27aを用いて読込み、2次元コード29に含まれる情報を送信してくれた場合には、このユーザーを顧客とするクライアント24がそのユーザー25-27に視聴されることを意図した動画コンテンツ19の再生が開始され、ユーザー25-27が動画コンテンツ19の視聴の途中で他のサイトへ遷移したり、ブラウザを閉じてしまった場合や電源をオフにした場合でも動画コンテンツ19の再生時間を解析することが可能である。
また、動画再生解析部11は動画再生時間20や動画再生解析時間21の他、それらの数値の基となった状態に関するユーザー評価22を生成するので、動画コンテンツ19の再生後に生じた現象を評価として確認することができる。
さらに、複数のユーザー25-27に対して同一の動画コンテンツ19を配信するようにしておき、ユーザー25-27個々の動画再生時間20や動画再生解析時間21を統計処理して、平均値や標準偏差をユーザー評価22として求めることで、ユーザー25-27全体に対するイベントに対する評価や動画コンテンツ19自体の評価、さらにはクライアント24への評価を確認することが可能である。
さらに、本システムを利用することで、クライアントが企画する催事等に対するそのクライアントの顧客であるユーザーの嗜好やニーズについて、再生される動画コンテンツの再生時間を通じて評価することが可能であり、マーケティングツールとして活用することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る動画再生評価システムについて図5-7を参照しながら説明する。
図5(a)及び(b)は第2の実施の形態に係る動画再生評価システムが第1の実施の動画再生評価システムと異なる部分を示すものであり、(a)はコード情報データベースを示すブロック図であり、(b)は処理部を示すブロック図である。図6は第2の実施の形態に係るコードの構成を示す概念図であり、図7はクライアントによるダイレクトメールの発送から第2の実施の形態に係る動画再生評価システムによるユーザーの視聴評価情報の生成を説明するためのフロー図である。
図5(a)のコード情報データベース4bの内容で示されるとおり、第2の実施の形態に係る動画再生評価システムにおけるコードでは第1の実施の形態と異なり動画情報13を備えておらず、パラメータ14のみから構成されている。すなわち、図6に示されるとおり、少なくともクライアント情報15、イベント情報16、ユーザー情報17及び動画再生総時間18から成るパラメータ14で構成されている。
そこで、処理部2bにおいて動画検索部12を備えている。以下、図7に沿って説明を追加する。なお、第2の実施の形態が第1の実施の形態と同一の構成あるいは情報処理の工程を備えている場合にはその説明を省略する場合もある。
【0032】
図7において、動画再生評価システム1bではステップS1のダイレクトメール発送工程で、クライアント24によってハガキ28に付される2次元コード29にはパラメータ14のみが含まれている。したがって、ステップS2のダイレクトメール受領工程はもちろん、その後にユーザー25-27がステップS3でユーザー装置25a-27aを用いて動画再生評価システム1bに対して送信する2次元コード29に含まれる情報もパラメータ14のみとなるので、パラメータ送信工程である。
そして、ステップS4aはパラメータ受信工程となり、コード受信部8は広域通信網23及び入出力インターフェース3を介してパラメータ14を受信し、これを受信記録部6に読み出し可能に格納する。
ステップS4bの動画検索工程では、動画検索部12が受信記録部6からパラメータ14のうちクライアント情報15及びユーザー情報17の組合せ、又はその組合せにイベント情報16と動画再生総時間18の少なくとも1つを加えた組合せを読み出し、これらの情報の組合せに符合する動画コンテンツ19を動画データベース5で検索して抽出し、動画再生部9へ送信する。あるいは、動画検索部12が検索して抽出した動画コンテンツ19に関する情報を動画再生部9へ送信して、動画再生部9がその動画コンテンツ19を再生可能にする。
そして、ステップS5の動画再生工程では、動画再生部9がコード受信部8から受信した動画コンテンツ19を再生する又はその動画コンテンツ19に関する情報に符合する動画コンテンツ19を動画データベース5から抽出して再生する。
ステップS6以降の工程は第1の実施の形態と同様であり、それぞれの工程における作用や機能も同様である。
なお、動画検索部12については、演算素子や装置などのハードウェアに限らず、機能を発揮するのであれば、コンピュータ上やサーバ装置上で実行されるプログラムのようなソフトウェアであってもよい。また、動画検索部12が読み出したパラメータ14が動画再生部9に対しても送信されるようにしておくことで、第1の実施の形態と同様に、ステップS5以降で動画再生部9から計時部10や動画再生解析部11に対してパラメータ14に関するデータを紐付けて送信することが可能であり、いずれのクライアント、イベントあるいはユーザーに関する情報処理であるかが明確化される。
【0033】
以上説明した第2の実施の形態に係る動画再生評価システム1bでは、第1の実施の形態における効果に加え、2次元コード29に含める情報としてパラメータ14のみとすることが可能であり、ダイレクトメールに付加する2次元コード29の内容を簡素化することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、請求項1乃至請求項7に記載された発明は、様々な催事や企画に関する事象(イベント)を有するクライアント企業が、そのクライアント企業の顧客によるそのイベントに対する嗜好やニーズについて再生される動画コンテンツの再生時間を通じて評価することが可能であることから広く市場調査業やマーケティングコンサルティング業に利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1a,1b…動画再生評価システム 2a,2b…処理部 3…入出力インターフェース 4a,4b…コード情報データベース 5…動画データベース 6…受信記録部 7…視聴評価記録部 8…コード受信部 9…動画再生部 10…計時部 11…動画再生解析部 12…動画検索部 13…動画情報 14…パラメータ 15…クライアント情報 16…イベント情報 17…ユーザー情報 18…動画再生総時間 19…動画コンテンツ 20…動画再生時間 21…動画再生解析時間 22…ユーザー評価 23…広域通信網 24…クライアント 24a…クライアント装置 25~27…ユーザー 25a~27a…ユーザー装置 28…ハガキ 29…2次元コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記動画コンテンツを認識可能に前記コードに含まれる動画情報と前記ユーザーを認識可能に前記コードに含まれるパラメータを前記ユーザーの所有するユーザー装置から受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記動画情報を用いて前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とする動画再生評価システム。
【請求項2】
ユーザーが受領したコードを用いてアクセス可能な動画コンテンツと、前記ユーザーの所有するユーザー装置から前記コードに含まれる前記ユーザーを認識可能なパラメータを受信して受信記録部に保存するコード受信部と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索して前記情報に符合する前記動画コンテンツを抽出する動画検索部と、この動画検索部で抽出された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生部と、この動画再生部による前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算し、この積算を動画再生解析時間として評価記録部に保存する計時部と、を有することを特徴とする動画再生評価システム。
【請求項3】
前記コードは前記ユーザーが受信するメディアに表示され、前記パラメータは前記ユーザーに対する前記メディアの送信元のクライアントに関する情報を含み、前記評価記録部は前記クライアントの所有するクライアント装置からアクセス可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動画再生評価システム。
【請求項4】
前記ユーザーは複数存在し、前記コードは複数存在する前記ユーザー毎に認識する前記パラメータを含み、前記計時部は前記ユーザー毎に前記時間間隔を積算してその積算を前記評価記録部に保存し、前記ユーザー毎の前記時間間隔の前記積算を統計処理して前記動画コンテンツのユーザー評価として出力するとともに前記ユーザー評価を前記評価記録部に保存する動画再生解析部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動画再生評価システム。
【請求項5】
複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記コードに含まれる動画情報を受信して前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とする動画再生評価方法。
【請求項6】
複数のユーザーに動画コンテンツにアクセス可能なコードを送信するコード送信工程と、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索する動画検索工程と、検索された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、を有することを特徴とする動画再生評価方法。
【請求項7】
複数のユーザーに送信され、動画コンテンツにアクセス可能なコードであって、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記コードに含まれる動画情報を受信して前記動画情報に符合する前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする動画再生評価プログラム。
【請求項8】
複数のユーザーに送信され、動画コンテンツにアクセス可能なコードであって、前記ユーザーの所有するユーザー装置から送信された前記コードに含まれる前記ユーザー毎に認識可能なパラメータを受信して保存するパラメータ受信工程と、前記パラメータに含まれる情報から前記動画コンテンツを検索する動画検索工程と、検索された前記動画コンテンツを再生して前記ユーザー装置へ前記動画コンテンツを配信する動画再生工程と、この動画再生工程における前記動画コンテンツの再生を所望に定めた時間間隔で検知した場合のみ前記時間間隔を積算する計時工程と、前記時間間隔の積算を動画再生解析時間として記録する評価記録工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする動画再生評価プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第7の発明及び第8の発明である動画再生評価プログラムは、それぞれ第5の発明及び第6の発明に記載される動画再生評価方法からコード送信工程を除いた工程をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
上記構成の動画再生評価プログラムは、それぞれ第5又は第6の方法発明のうちコード送信工程を除いた工程をプログラム発明として捉えたものであるので、その作用はコード送信工程の作用を除いてそれぞれ第5又は第6の発明の作用と同様である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第7の発明及び第8の発明に係る動画再生評価プログラムは、それぞれ第5及び第6の方法発明のうちコード送信工程を除いた工程をプログラム発明として捉えた発明であるので、その効果はそれぞれ第5又は第6の発明の効果と同様である。