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特開2022-142751コネクタハウジングを装備するための装備構成および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142751
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】コネクタハウジングを装備するための装備構成および方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/20 20060101AFI20220922BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01R43/20 A
H02G1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031499
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】21162722
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルフレート・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ズター
【テーマコード(参考)】
5E063
5G355
【Fターム(参考)】
5E063HA02
5E063HA04
5E063HB14
5E063HB19
5G355BA08
5G355CA04
5G355CA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに挿入する際に、位置、回転位置を検出し較正された把持を可能にする。
【解決手段】装備構成(1)は、ケーブル(2)を掴んで把持するケーブルグリッパ(5)と、ケーブルグリッパ(5)を作動させるためのアクチュエータとを有する装備把持ユニットを有する。装備構成(1)は、装具付きケーブル端部(3)の回転位置を決定するための光学検出装置(11)を備え、装具付きケーブル端部(3)の回転式の位置合わせのための位置合わせモジュール(10)を有する。検出装置(11)は、中間位置を形成するために、グリッパジョー(6,7)の開放動作を検出装置(11)を用いて監視する。装備構成(1)は、アクチュエータを制御するための制御ユニット(9)を備え、ケーブルグリッパ(5)のアクチュエータがその後の把持プロセスに関して較正されるように位置合わせモジュールに接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル(2)の装具付きケーブル端部(3)をコネクタハウジング(41)に装備するための装備構成(1)であって、
-ケーブルグリッパ(5)であって、ケーブル(2)を掴んで把持するための2つのグリッパジョー(6,7)と、装具付きケーブル端部(3)をコネクタハウジング内に挿入するために、ケーブル(2)がグリッパジョー(6,7)によってクランプ式で閉鎖位置に保持されることができるように、およびグリッパジョー(6,7)が、その後の把持のために開放動作によって閉鎖位置から中間位置に移動されることができるように、ケーブルグリッパ(5)を作動させるための圧力手段によって操作されることができるアクチュエータ(8)と、を有するケーブルグリッパ(5)と、
-グリッパジョー(6,7)の位置を決定するように設定されたグリッパ位置決めシステムであって、ケーブルグリッパ(5)がグリッパ位置決めシステムによって中間位置に対して較正されることができるように、ケーブルグリッパ(5)に動作可能に接続されている、グリッパ位置決めシステムと、
を備える装備構成(1)。
【請求項2】
装備構成(1)は、装具付きケーブル端部(3)の回転位置を決定するための光学検出装置(11)との装具付きケーブル端部(3)の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュール(10)を備え、
グリッパ位置決めシステムを形成するための検出装置(11)は、グリッパジョー(6,7)の開放動作が検出装置(11)を用いて監視されることができるように設計されており、装備構成(1)は、アクチュエータ(8)を制御するための制御ユニット(9)を備え、この制御ユニットは、検出装置(11)によって決定されたグリッパジョー(6,7)の開放動作のデータに基づいて、ケーブルグリッパ(5)のアクチュエータ(8)が中間位置に対して較正されることができるように、位置合わせモジュール(10)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装備構成(1)。
【請求項3】
アクチュエータ(8)は空気圧シリンダ(20)を備え、アクチュエータ(8)は、キャリア(45)に取り付けられた空気圧シリンダ(20)を有することを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の装備構成(1)。
【請求項4】
アクチュエータ(8)は、少なくとも1つの制御弁(26,27)を有し、これによって、アクチュエータ(8)は、少なくとも1つの圧縮空気パルスを用いて少なくとも開放動作のために作用を受けることができることを特徴とする、請求項1、2、または3に記載の装備構成(1)。
【請求項5】
アクチュエータ(8)は空気圧シリンダ(20)を備えること、および、アクチュエータ(8)は各圧力室(24,25)のための急速作動弁として構成された制御弁(26,27)を有し、オリフィス弁(28)は好ましくは、制御弁(26,27)のうちの少なくとも1つ、および好ましくは、開放動作中に減圧する圧力室(24)に関連付けられた制御弁(26)の上流または下流に接続されることができることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装備構成(1)。
【請求項6】
アクチュエータは、各圧力室(24,25)のための急速作動弁として構成された2つの制御弁(26,34、27,35)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装備構成(1)。
【請求項7】
グリッパ位置決めシステム、特に検出装置(11)は、カメラ(14)、または異なる方向に配置された少なくとも2つのラインセンサ(15,16)を有する画像取得モジュール(30)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装備構成(1)。
【請求項8】
カメラ(14)は、ケーブルグリッパによって予め決められた長手方向軸線(L)に対して正面位置に位置決めされること、または画像取得モジュール(30)の少なくとも2つのラインセンサ(15,16)は、好ましくは長手方向軸線(L)に垂直な平面上にあることを特徴とする、請求項7に記載の装備構成(1)。
【請求項9】
グリッパジョー(6,7)はそれぞれジョーつまみ(19)を有し、ケーブルグリッパ(5)はジョーつまみ(19)を介して画像取得モジュール(30)に導入可能であることを特徴とする、請求項8に記載の装備構成(1)。
【請求項10】
好ましくは請求項1~9のいずれか一項に記載の装備構成(1)を使用して、ケーブル(2)の装具付きケーブル端部(3)をコネクタハウジング(41)に装備するための方法であって、製造段階中に、ケーブル端部(3)がケーブルグリッパ(5)によってコネクタハウジング(41)に挿入され、ケーブル(2)が最初に前進された後、前進中または前進後に、ケーブル端部(3)がコネクタハウジングにまだ完全に挿入されていない場合、ケーブルを徐々に前進させるための1つ以上のその後の把持動作がさらに行われ、グリッパジョー(6,7)は、その後の把持のための中間位置へと開かれ、製造段階でのその後の把持に関してケーブルグリッパ(5)を設定するための製造段階の前に、以下のステップ、すなわち
-ケーブルグリッパ(5)をグリッパ位置合わせシステムへ送り出すステップであって、特に、ケーブル端部(3)の回転式の正確な位置合わせがチェックされることができる光学検出装置(11)を有する位置合わせモジュール(10)に送り出すステップと、
-テストとして中間位置を形成するために、少なくとも1つの圧縮空気パルスによりケーブルグリッパ(5)のグリッパジョー(6、7)を閉鎖位置から開放方向に移動させることによってケーブルグリッパ(5)を中間位置に対して較正するステップであって、このようにして開放されたグリッパジョー(6、7)の動作および/または位置データは、グリッパ位置決めシステムを用いて、特に位置合わせモジュール(10)の光学検出装置(11)を用いて決定されるステップと、
が実行される、方法。
【請求項11】
較正中に、グリッパジョー(6,7)は圧縮空気パルスを用いて中間位置に移動され、対応する圧縮空気パルスの長さが変化することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
較正中に、グリッパジョー(6,7)は圧縮空気パルスのいくつかのシーケンスによって中間位置に移動され、圧縮空気パルスの長さおよび/または数はシーケンス内で変えられることを特徴とする、請求項10または請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
グリッパ位置決めシステム、特に検出装置(10)がカメラ(14)であるか、カメラを備える場合、グリッパジョー(6,7)は、カメラ(14)の焦点範囲内に動かされるか、またはカメラ(14)が較正のためにグリッパジョー(6,7)に焦点を合わせるようにカメラもしくはカメラ(14)のレンズ設定が調整されること、あるいは、
グリッパ位置決めシステム、特に検出装置(10)が、異なる方向に配置された少なくとも2つのラインセンサ(15,16)を有する画像取得モジュール(30)であるか、画像取得モジュールを備える場合、ケーブルグリッパ(5)は、較正プロセス中に画像取得モジュール(30)に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
製造の開始時に、ケーブルグリッパ(5)は最初に較正された後、較正が所定の間隔で繰り返されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための装備構成に関する。さらに、本発明は、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための方法にも関する。装備は、装備把持ユニットを利用して実行され、そのケーブルグリッパは、ケーブルをコネクタハウジングに案内し、ケーブル端部を嵌合されるべきコネクタハウジングのセルに挿入する。そのような装備構成は、準備システムの下流にあることが多い。準備システムは、ケーブルを切断し剥ぎ取るための剥離ステーションと、剥ぎ取られたケーブル端部に圧着接点を適用するための1つ以上の圧着ステーションと、必要に応じてグロメットステーションとを備えてもよい。しかしながら、装備構成は、準備システムの1構成要素とすることもできる。
【背景技術】
【0002】
装備機械は、ケーブル処理において知られており、部分的なケーブルハーネスを製造するためにコネクタハウジングを所望のケーブルに適合させるために使用される。接触部品(例えば、圧着接点)が、通常、ケーブル端部に既に取り付けられており、接触部品は、コネクタハウジングに嵌まり、電気的接続を可能にする。装具付きケーブル端部をコネクタハウジング内に装備するとき、すなわち挿入するとき、ケーブルグリッパが、ケーブルの端部を正しい差し込み位置に案内する。多くの場合、ケーブル端部の最初の部分的挿入の後、ケーブル先端部を完全に挿入するために、ケーブルを後方位置で掴み直す必要がある。特に細いケーブルは、より太いケーブルと比較してはるかに柔軟であるため、細いケーブルは、その後の把持の中間ステップで挿入する必要がある。ケーブルハーネスの重量が減少し続けるのにつれて、より太いケーブルと比較してより細いケーブルの数は著しく増加している。その後の把持に適合した装備構成は、例えば欧州特許出願公開第2317613号明細書から知られている。この装備構成は、ケーブルグリッパを備え、グリッパジョーが、一方では空気圧式に、他方ではモータ駆動方式で移動させることができる。空気圧アクチュエータの空気圧シリンダは、閉鎖動作に必要な力を加えるために、グリッパジョーを閉じるために使用される。この力は、挿入後に引き抜きテストを実行することができるように十分に大きくなければならない。引き抜きテストの助けを借りて、ケーブル端部がコネクタハウジングに、またはより正確にはコネクタハウジングの対応するセルに正しく挿入されたかどうかを判断することができる。ケーブルグリッパはまた、グリッパジョーがその後の把持中に必要な中間位置を形成するために必要な範囲のみまで開くように、電気機械的駆動部を有する。ある程度まで、このハイブリッドグリッパは、空気力学の力および電気機械技術の精度を使用する。この構成は、アクチュエータの二重システムが理由で複雑で高価である。さらに、この構成は、比較的大きな空間を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2317613号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、既知の欠点を回避すること、特に、ケーブルの装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための改良された装備構成を創り出し、これにより、ケーブル端部をコネクタハウジングに挿入する際のケーブルのその後の把持を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する装備構成によって達成される。ケーブルの装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための装備構成は、ケーブルを掴んで把持するための2つのグリッパジョーと、ケーブルグリッパを作動させるための圧力手段で操作することができるアクチュエータとを有するケーブルグリッパを備える。
【0006】
装備構成はまた、好ましくは非接触で動作し、かつ好ましくは装備構成においてケーブルグリッパの外側に配置されるグリッパ位置決めシステムを備える。グリッパ位置決めシステムは、特に、テストとして実行される中間位置への開放動作中にグリッパジョーの位置を決定するように設定される。グリッパ位置決めシステムは、グリッパ位置決めシステムによってケーブルグリッパが中間位置に対して較正されることができるように、ケーブルグリッパに動作可能に接続される。このようにして較正されたケーブルグリッパは、製造段階中にケーブルグリッパによるケーブルの安全で正確な取り扱いを保証し、コネクタハウジングの装備は、その後の把持中に装具付きケーブル端部を用いて行われる。この構成は、単純な構造を特徴とし、制御技術に関して高い費用を必要としない。
【0007】
好ましい実施形態によれば、装備構成は、装具付きケーブル端部の回転位置を決定するための光学検出装置と装具付きケーブル端部の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュールを備えることができる。
【0008】
圧力手段を用いて操作することができるケーブルグリッパおよびアクチュエータは、グリッパジョーの閉鎖位置において、ケーブルは、コネクタハウジング内に装具付きケーブル端部を挿入するためにグリッパジョーによってクランプ式で保持されることができるように設計されている。その後の把持を可能にするために、開放動作を利用して、グリッパジョーを閉鎖位置から中間位置に移動させることができる。グリッパジョーが中間位置に到達すると、このようにして開放されたケーブルグリッパは、その後の把持のためにケーブルに沿って元に戻るように移動させることができる。光学検出装置は、好ましくは、グリッパジョーの開放動作もこの検出装置を用いて監視することができるように設計されているため、ケーブル端部をコネクタハウジングに挿入するときに、その後のケーブルの把持を簡単かつ効率的な方法で確実にすることが可能である。装備構成は、アクチュエータを制御するための制御ユニットを備えることができ、制御ユニットは、圧力媒体を用いて操作されることができるケーブルグリッパアクチュエータが、光学検出装置によって決定されたグリッパジョーの開放動作のデータを使用して中間位置に対して較正されることができるように位置合わせモジュールに接続される。装備構成は、より複雑でない構造および全体的に少ない構成要素を特徴とする。したがって、コンパクトな設計も可能である。特に、ケーブルグリッパを包含する装備把持ユニットは、比較的スリムに構築されることができる。冒頭で述べたグリッパ位置決めシステムは、本明細書に記載の位置合わせモジュールの検出装置によって必ずしも形成される必要はない。ケーブルグリッパのグリッパジョーの位置を決定するための光学検出装置を有するグリッパ位置決めシステムは、特定の用途に対して使用することができ、例えば、断面が円形の外側輪郭を有する接触要素を取り扱うために使用することができ、これは、装備のために位置合わせされる必要がない。この検出装置は、以下で詳細に説明する位置合わせモジュールの検出装置と同じタイプまたは少なくとも同様のものとすることができるが、ただし、装具付きケーブル端部の回転位置はこの検出装置を用いて決定されないか、もはや決定されない。
【0009】
ケーブルグリッパは、好ましくは、ケーブルを掴んで把持するために、反対方向に移動されることができる2つのグリッパジョーを有する。グリッパジョーの閉鎖位置では、ケーブルはクランプ式で保持されることができる。この場合、保持は、ケーブル端部の領域内で行われ、この領域は、原則として、接触要素に関連付けられたケーブルの領域に直接または近接して隣接する。圧力手段で操作することができるケーブルグリッパは、好ましくは、グリッパジョーの動作のためにケーブルグリッパを作動または始動させるための空気圧アクチュエータとすることができる。圧力手段を作動させることによって、グリッパジョーは、ケーブルグリッパを開くために、互いに向かって、または互いから離れるように移動されることができる。互いに向かう動作は、以下では閉鎖動作と呼ばれ、閉鎖位置は、グリッパジョーがケーブルをクランプ式で保持する端部位置に対応する。グリッパジョーが離れるように移動されるとき、開放動作が行われ、開放位置は、ケーブルグリッパをケーブルから取り外すことができ、新しいケーブルを掴むことができるように、グリッパジョーがケーブルから十分に離れている位置に対応する。圧力手段は、流体(例えば、気体または液体)を利用して、圧力手段を用いて操作されることができるアクチュエータの作動要素(例えば、空気圧シリンダのピストン)に圧力を加える手段である。空気圧手段、すなわち特に圧縮空気が、好ましくは圧力手段として使用される。油圧手段も考えられる。
【0010】
コネクタハウジングに装備する場合、コネクタハウジングに特定の位置でしか挿入できない接触部品も存在する。位置合わせモジュールの目的は、そのような接触部品を備えた装具付きケーブル端部を位置合わせすることである。例えば、そのような特別な接触部品は、断面が矩形である外側輪郭を有する場合がある。この目的のために、装具付きケーブル端部の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュールは、ケーブルをその長手方向軸線の周りで回転させるための回転装置を備えることができる。既に述べた光学検出装置の場合、ケーブル端部の位置合わせが回転装置によって行われた後に、装具付きケーブル端部の回転位置がチェックされることができる。検出装置は、例えば、カメラまたは他の光学投影センサなどの光学手段、ならびに画像評価装置および任意選択的に照明装置を有することができる。ケーブルをその長手方向軸線の周りに回転させるための回転装置および光学検出装置との、装具付きケーブル端部の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュールは、例えば、欧州特許出願公開第1304773号明細書または欧州特許出願公開第3301768号明細書に示されている。しかしながら、位置合わせモジュールは、多かれ少なかれ回転対称形の外側輪郭を有する接触要素を有する装具付きケーブル端部のために使用されることができる、または、さらには、その後の把持プロセスに関して本明細書で説明される較正のために単に剥離されたケーブル端部のためにも使用されることができる。このタイプのケーブル端部の場合、位置合わせモジュールの回転装置を使用する必要はない。そのような場合、位置合わせモジュールの回転装置を位置合わせモジュールから取り外すこともできる。
【0011】
検出装置は、グリッパジョーのコネクタハウジングの装備のときに、その後の把持のための中間位置を形成するための開放動作が検出装置を用いて監視されることができるように設計されている。この監視の場合、開いたグリッパジョーの動作および/または位置データは、生産段階の中間位置に対応する位置で決定されることができる。この場合には、中間位置は、グリッパジョーがもはやケーブルをクランプ式で保持せず、むしろそれをゆるやかに保持するグリッパジョーの位置を意味すると理解される。中間位置では、ケーブルは、グリッパジョーによって半径方向に少なくとも部分的に囲まれており、その結果、案内機能が維持されることができる。その後の把持のために、このようにして開放されたグリッパジョー、または中間位置にあるグリッパジョーは、ケーブルの長手方向軸線に沿って(すなわち、ケーブル端部をコネクタハウジングのセルに挿入するための導入方向または挿入方向に対して反対方向に)元に戻るように移動させることができる。対応するその後の把持は、ケーブル端部をコネクタハウジング内に完全に挿入するためにケーブルを徐々に前進させることができるための前提条件であり、これは特に細いケーブルの場合に必須となり得る。
【0012】
グリッパジョーの動作を制御するために、装備構成は、前述のように、グリッパジョーを移動させるためのアクチュエータを制御するための制御ユニットを有する。制御ユニットは、検出装置によって決定された、グリッパジョーのそれ以前に実行された開放動作のデータに基づいて、アクチュエータが、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに挿入するときに閉鎖位置から中間位置へのその後の把持プロセスに関して較正されることができるように設計され、そのように位置合わせモジュールに電子的に接続されている。較正のおかげで、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するときの、その後の把持に必要な精度および再現性は、圧力媒体によって操作されるケーブルグリッパのアクチュエータによって達成されることができる。比較的簡単な構造のアクチュエータを使用することができる。多数の追加のセンサは必要とされない。
【0013】
装備構成は、処理ステーション間のケーブル端部を有するケーブルが移送されることができる移送装置をさらに備えることができる。当然のことながら、ケーブルは、ケーブルの両端に圧着接点が装備されたケーブル片であってもよい。既に述べた位置合わせモジュールは、そのような処理ステーションとすることができる。別の処理ステーションは、コネクタハウジングへのケーブル端部の挿入が最終的に行われる装備モジュールとすることができる。必要に応じて、ケーブル端部は、移送装置の助けを借りて、グロメットステーションなどのさらなる処理ステーションに運ばれることができる。ケーブルの移送は、例えば、シフト、枢動、および/またはケーブルの長手方向の動作によって行うことができる。
【0014】
装備構成は、ケーブルグリッパのための可動キャリアを有することができ、このキャリアを用いて、ケーブルグリッパを、例えば、位置合わせモジュールから、コネクタハウジングを保持する装備モジュールのハウジング収容装置まで移動させることができる。アクチュエータの空気圧シリンダは、好ましくはキャリアに取り付けることができる。アクチュエータは、好ましくは複動式として構成された空気圧シリンダを備えることができ、アクチュエータは空気圧シリンダと共にキャリアに取り付けられる。この構成は、装備把持ユニットのために特にコンパクトな設計を得ることができるという利点を有する。
【0015】
例えば圧縮空気を供給するために、例えば圧縮空気源または圧縮空気供給ラインなどの圧力媒体源を設けることができる。さらに、装備構成は、圧縮空気から圧縮空気パルスを生成するための弁構成を有することができる。制御ユニットは、例えば所定の持続時間の圧縮空気パルスを生成するための弁構成を制御するために使用されることができる。
【0016】
好ましい実施形態では、アクチュエータは、急速作動弁(例えば、磁気的に作動可能な弁)として設計された少なくとも1つの制御弁を有する弁構成を有し、制御ユニットによって指定された少なくとも1つの、および任意選択でいくつかの圧縮空気パルスをアクチュエータに加える、より正確には、中間位置を形成するための開放動作のためのアクチュエータの作動要素(例えば、空気圧シリンダのピストン)に加えることができる。急速作動弁は、磁気的に作動可能な弁とすることができる。このような急速作動弁は、電磁石によって作動させることができ、非常に迅速に切り替えることができる。複数の圧縮空気パルスは、一連の圧縮空気パルスを形成することができ、一連の圧縮空気パルスの数および/または長さ(または持続時間)は変えることができ、その結果、その後の把持に関するケーブルグリッパの効率的な較正が保証されることができる。最適な中間位置に対するケーブルグリッパの所望の開放のための圧縮空気パルスの長さおよび/または数を決定するために、圧縮空気パルスは、位置合わせモジュールの光学検出装置を使用して較正される。
【0017】
さらなる実施形態によれば、アクチュエータは、好ましくは複動式空気圧シリンダとして構成された空気圧シリンダを備えることができ、アクチュエータ、またはより正確にはアクチュエータの弁構成は、空気圧シリンダの各圧力室ための急速作動弁(例えば磁気的に作動可能な弁)として設計された少なくとも1つの制御弁を有する。オリフィス弁は、制御弁の少なくとも1つ、および好ましくは開放動作中に減圧する圧力室に関連付けられた制御弁の上流または下流に接続されることができる。オリフィス弁は、圧力室内の圧力低下を減速させ、これは空気圧シリンダの反応を鈍くし、制御を簡素化する。加えて、空気圧システムは、圧力室の圧力が高いため、外力に対する感度が低い。オリフィス弁は、圧縮空気ラインの短い狭小化によって実質的に特徴付けられる。オリフィス弁の場合、流量および圧力降下は、圧力媒体の粘度とはほとんど無関係である。
【0018】
制御ユニットは、空気圧シリンダの両方の急速作動弁が圧縮空気パルスのために短期間の間一緒に切り替えられるように設計することができる。圧縮空気または別の圧力媒体が空気圧シリンダの第1の圧力室に流入する。圧縮空気は、オリフィス弁を通って第2の圧力室(既に上述した圧力室であり、これは開放動作中に減圧する)から逃げる。急速作動弁が閉じられるとすぐに、すべての圧力室が加圧されることが理由で、グリッパジョーは安定した位置にある。
【0019】
オリフィス弁の代わりに、スロットル逆止弁またはオリフィス逆止弁が使用される場合もある。これらの弁は、ケーブルグリッパがより迅速に閉じることを可能にする。しかしながら、このような構造では、部分的な開口の再現性が多少低下する。逆止弁を閉じるには、判定するのが困難な空気量が必要である。
【0020】
アクチュエータ、またはより正確にはアクチュエータの弁構成は、圧力室ごとに急速作動弁として構成された2つの制御弁を有することができ、オリフィス弁は、好ましくは、制御弁のうちの少なくとも1つ、好ましくは開放動作中に減圧する圧力室に割り当てられた制御弁のうちの1つの上流または下流に接続されることができる。
【0021】
装備構成は、単一の空気圧シリンダによるグリッパジョーの共同動作のために、両方のグリッパジョーが互いに対して、および空気圧シリンダのピストンに対してギア接続されるように構成することができ、その結果、2つのグリッパジョーが同時に移動されることができる。しかしながら、各グリッパジョーに空気圧シリンダを割り当てることも考えられる。2つのグリッパジョーの同時の動作は、適切な制御によって保証されることができる。
【0022】
位置合わせモジュールの検出装置は、カメラ、好ましくはデジタルカメラ、または、装具付きケーブル端部の回転位置を決定するため、および中間位置にある開いたグリッパジョーの動作および/または位置データを決定するために異なる方向に配置された、少なくとも2つのラインセンサを有する画像取得モジュールを有することができる。ラインセンサは、例えばCCDまたはCMOSラインセンサとすることができる。カメラまたは画像取得モジュールに加えて、検出装置は、カメラまたは画像取得モジュールによって生成された画像データを評価するための画像評価装置と、好ましくは照明装置とを備えることができる。ラインセンサが配置される、またはラインセンサがそれに沿って延在する2つの異なる方向は、好ましくは互いに直角に延在することができる。例えば、一方のラインセンサが水平ラインセンサであり、他方のラインセンサが垂直ラインセンサであってもよい。冒頭で述べたグリッパ位置決めシステムが、異なる方向に配置された少なくとも2つのラインセンサを有するデジタルカメラまたは画像取得モジュールを有する場合もある。
【0023】
カメラは、ケーブルグリッパが位置合わせモジュールの有効範囲内に配置されたときに、装備把持ユニットによって予め決定された長手方向軸線に対して正面位置に位置決めされることができる。したがって、ケーブルグリッパによって指定される長手方向軸線は、以下で「グリッパの長手方向軸線」とも呼ばれる。この長手方向軸線は、ケーブルがケーブルグリッパによってピックアップされるとき、ケーブルの長手方向軸線と同軸に延在することが好ましい。さらに、カメラの光軸は好ましくは、ケーブルグリッパが位置合わせモジュールの有効範囲内にあるとき、グリッパの長手方向軸線上に、またはケーブルグリッパによって保持された装具付きケーブル端部のケーブルの長手方向軸線上にほぼ位置する。その後の把持に関してケーブルグリッパを設定するための設定プロセスに関して、カメラは、ケーブルグリッパの前方端部において軸線方向に特定の程度まで見える。位置合わせプロセス中、カメラは、ケーブルの前方端部において軸線方向に特定の程度まで見える。画像取得モジュールの場合、画像取得モジュールの少なくとも2つのラインセンサが、好ましくは長手方向軸線に対して垂直に延在する平面上にあると有利である。
【0024】
上述のカメラが検出装置に使用される場合、グリッパジョーの端面にマーキングが取り付けられ、それによって画像評価が単純化されることができると、有利となることができる。
【0025】
対応する中間位置をチェックするための検出結果は、各グリッパジョーがジョーつまみを有する場合に最適化されることができる。ジョーつまみは、ジョーベース本体に成形された突起状の延長部であると理解される。この場合、ケーブルグリッパは、2つの対向する、好ましくは半殻状のジョーつまみを有する。前記ジョーつまみは、対応する関連付けられたジョーベース本体から軸線方向に離れて突出する延長部を形成し、この延長部の間で、ジョーベース本体の場合のようにケーブルがクランプ式で保持されることができる。中間位置まで開いているグリッパジョーの動作および/または位置データを決定するために、ケーブルグリッパは、ジョーつまみを介して画像取得モジュールに導入されることができる。ジョーつまみが画像収集モジュールに導入される場合、すなわち、延長部が画像収集モジュールに挿入される、またはその記録領域を貫通する場合、ジョーつまみ、またはジョーつまみの少なくとも前方端部もしくは先端がラインセンサの隣または間にあることで、対応するラインセンサがジョーつまみの前方端部、およびこれによりグリッパジョーの画像データを記録することができる。
【0026】
本発明のさらなる態様は、ケーブルの装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための方法に関し、上述の装備構成は、特にこの方法に使用される。ケーブルの装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための方法は、製造段階のための、または製造段階中の以下のステップを含むことができ、ケーブルのケーブル端部は、ケーブルグリッパが、ケーブルグリッパの2つのグリッパジョーの間で、クランプ式でケーブルを閉鎖位置に保持する状態で、ケーブルグリッパを利用して位置合わせモジュールに対して固定される。位置合わせモジュールにおいて、または位置合わせモジュールを用いて、ケーブル端部の回転式の正確な位置合わせがチェックされ、必要に応じて、ケーブルをその長手方向軸線を中心に回転させるための回転装置を利用して位置合わせされる。閉鎖位置を形成するために、ケーブルが閉鎖位置でケーブルグリッパの2つのグリッパジョーの間にクランプ式で保持されるように、圧縮空気をケーブルグリッパのアクチュエータに加えることができる。その後、チェックされ、必要に応じてこのように位置合わせされたケーブル端部が、ケーブルグリッパによってコネクタハウジングに挿入され、ケーブルが最初に前進された後、前進中または前進後に、ケーブル端部がコネクタハウジングにまだ完全に挿入されていない場合、ケーブルをさらに徐々に前進させるために1つまたは複数のその後の把持動作が行われ、グリッパジョーはその後の把持のために中間位置へと開かれる。
【0027】
本発明による方法は、少なくとも製造段階の前に、製造段階におけるその後の把持に関して、空気圧式に駆動可能なケーブルグリッパを設定するために、以下のステップ、すなわち、ケーブルグリッパを(好ましくはケーブルなしで)、光学検出装置を有する位置合わせモジュールに送り出す、またはグリッパ位置決めシステムに送り出すステップであって、光学検出装置を用いて、ケーブル端部の回転式の正確な位置合わせがチェックされることができるステップと、テストとして少なくとも1つの圧縮空気パルスを利用して中間位置を形成するためにケーブルグリッパのグリッパジョーを閉鎖位置から開放方向に移動させることによってケーブルグリッパを較正するステップであって、開いたグリッパジョーの動作および/または位置データは、位置合わせモジュールまたはグリッパ位置決めシステムの光学検出装置を用いて決定されるステップと、が実行される。その後の把持に関する較正の目的は、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに挿入するときに、圧縮空気をアクチュエータに加えるための最適なパラメータを決定することである。少なくとも1つの圧縮空気パルスによって、グリッパジョーは、閉鎖位置から開放位置に移動され、この開放位置は、後続の生産段階の中間位置に対応する。このようにして開放されたグリッパジョーの動作および/または位置データは、位置合わせモジュールの光学検出装置で決定され、ケーブルグリッパの較正に使用される。あるいは、このようにして開放されたグリッパジョーの動作および/または位置データはまた、上述のグリッパ位置決めシステムで決定され、ケーブルグリッパの較正に使用されることができる。このようにして決定されたデータは、中間位置に関する所望の状態と比較することができ、所望の状態に達していない場合、少なくとも1つの圧縮空気パルスのパラメータが調整され、プロセスが繰り返される。製造段階におけるその後の把持に関する空気圧式に駆動可能なケーブルグリッパの較正のために、位置合わせモジュールを使用することによって、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための構成が容易かつ効率的に設定され、操作されることができる。
【0028】
製造段階では、したがって、ケーブル端部のコネクタハウジングへの挿入は、以下のようにして、ケーブルグリッパによって行うことができ、すなわち、ケーブルを最初に前進させた後、前進中または前進後に、ケーブル端部がコネクタハウジング内にまだ完全に挿入されていない場合、ケーブルをさらに徐々に前進させるために1つまたは複数の後続の把持動作が実行され、グリッパジョーの中間位置が、その後の把持のための較正から得られた少なくとも1つの圧縮空気パルスを用いて設定され、中間位置は、少なくとも1つの圧縮空気パルスに関する較正中に決定された操作量に基づいている。
【0029】
較正中、グリッパジョーはそれぞれ、圧縮空気パルスによって中間位置に移動させることができ、対応する圧縮空気パルスの長さは、個々の中間位置を形成するために変更される。
【0030】
較正中、一連の圧縮空気パルスによってグリッパジョーを中間位置に移動させることもできる。したがって、操作量は、一連の圧縮空気の吹き出しを指定することもできる。
【0031】
較正中、グリッパジョーは、特に好ましくは、圧縮空気パルスのいくつかのシーケンスを用いて中間位置(シーケンスごとに1つの中間位置)に移動させることができ、圧縮空気パルスの長さ(または持続時間)および/または数はシーケンス内で変更される。
【0032】
光学検出装置がカメラである、またはカメラを備える場合、グリッパジョーがカメラの焦点範囲に入った場合、ケーブルグリッパの較正に有利となることができる。あるいは、カメラが較正のためにグリッパジョーに焦点を合わせるように、カメラまたはカメラのレンズ設定が調整された場合も有利となることができる。位置合わせするとき、焦点は、装具付きケーブル端部の圧着接点または他の接点要素上とすることができる。
【0033】
光学検出装置が、異なる方向に配置された少なくとも2つのラインセンサを有する画像取得モジュールであるか、またはそのような画像取得モジュールを備える場合、ケーブルグリッパが較正プロセス中に、例えばそのジョーつまみを介して画像取得モジュールに少なくとも部分的に導入されることで、ケーブルグリッパの少なくとも一部(例えば、少なくともジョーつまみの前方端部または先端)がラインセンサの観察領域に受け入れられると、有利である。
【0034】
較正は、製造の開始時に行われると、有利である。長期間にわたって信頼性の高い装備を保証するために、製造の開始時の初期較正後に、較正が所定の間隔で繰り返されると、有利となり得る。
【0035】
本発明のさらなる個々の特徴および利点は、以下の実施形態の説明および図面において見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】ケーブルグリッパと、装具付きケーブル端部の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュールとを具備する、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための装備構成を備える、ケーブルを製造するためのシステムの斜視図である。
図2】カメラを有する位置合わせモジュールの光学検出装置による位置合わせプロセス中に、装備把持ユニットの空気圧式に駆動可能なケーブルグリッパを用いて、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための装備構成を示す図である。
図3】中間位置に対してケーブルグリッパを較正するための較正プロセス中の図2からの装備構成を示す図である。
図4a図3からの構成の側面図である。
図4b図3の構成の平面図である。
図5図3からの構成の(ケーブルまたはグリッパの長手軸線に沿った視線方向の)背面図である。
図6】装備構成のためのケーブルグリッパの変形例を正面図で示す図である。
図7】装備構成のための二重グリッパとして構成されたケーブルグリッパを示す図である。
図8a】装備把持ユニットのケーブルグリッパと、CCDモジュールを有する光学検出装置を有する位置合わせモジュールとを備える、装具付きケーブル端部をコネクタハウジングに装備するための装備構成の斜視図であり、ケーブルグリッパはCCDモジュールの有効範囲外に配置されている図である。
図8b】較正のためにCCDモジュールの有効範囲内に進められたケーブルグリッパを有する図6bからの装備構成を示す図である。
図9a図8aによる構成の側面図である。
図9b図8bによる構成の側面図である。
図10】装備構成のケーブルグリッパを移動させるためのアクチュエータのための空気圧スキームを示す図である。
図11】装備構成のケーブルグリッパを移動させるための代替のアクチュエータのための空気圧スキームを示す図である。
図12】装備構成のケーブルグリッパを移動させるためのアクチュエータのさらなる実施形態の空気圧スキームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、ケーブル2を製造するためのシステムを示す。システムは、装備把持ユニットのケーブルグリッパ5と、装具付きケーブル端部の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュール10と、を有する装備構成1を備える。例として示される準備システムはまた、ケーブルループを形成するためのルーパ46を備える。次いで、準備システムは、剥離ステーション47と、グロメットステーション48と、圧着ステーション49と、を備える。特別な装備構成1を除いて、準備システムは、欧州特許出願公開第1304773号明細書に示されているシステムに実質的に対応する。ケーブルグリッパ5は、y方向に移動されることができるキャリア45上に配置されている。ケーブルグリッパ5は、位置合わせモジュール10と、コネクタハウジング41を備え、40で示される装備モジュールとの間で移動させる(移動の方向x、y、z)ことができる。装具付きケーブル端部をコネクタハウジングのセルに挿入するための導入または挿入方向は、x方向において行われる。以下で詳細に説明するその後の把持のために、ケーブルグリッパ5は、ケーブルに沿って、すなわち挿入方向(移動の方向x方向)に対して反対方向に短い距離戻るように移動される。
【0038】
以下で詳細に説明する装備構成1は、他の準備システムでも使用される場合もある。装備構成1はまた、独立したシステムとしても提供されることができる。図1に示すタイプの準備システムにおける装備構成1の統合は必要とされない。当然ながら、ケーブルループの代わりに、装備構成1は、ケーブルストアから入って来るケーブルまたはケーブルの個々の直線片などの他のケーブル形状を扱うこともできる。
【0039】
図2は、コネクタハウジング31にケーブル2の装具付きケーブル端部3を備え付けるための、全体的に1で示される装備構成を示す。図2において、ケーブル2は、例えば、圧着接点が備わっている、ケーブル2のケーブル端部3を有する。Lは、ケーブルグリッパ5によって画定され、ケーブル2がケーブルグリッパ5によって作用を受けるときの、ケーブル2の長手方向軸線に対応する長手方向軸線を表す。このような圧着接点の場合、装具付きケーブル端部3の位置合わせがチェックされ、ケーブルが必要に応じて位置合わせされる、すなわち正しい回転位置に配置されることが重要である。この場合に示されるように、圧着接点は、例えば、断面が矩形の外側輪郭を有することができる。この圧着接点に対応するコネクタハウジングのセルが44で示される。当然のことながら、ケーブル端部3には、他の形状または他の接触要素を有する圧着接点が設けられる場合もある。任意の必要な位置合わせのために、装備構成1は、装具付きケーブル端部3の回転式の正確な位置合わせのための位置合わせモジュール10を有し、この位置合わせモジュールは、少なくともケーブル端部の領域においてケーブル2をその長手方向軸線Lを中心に回転させる(回転方向は二重矢印wによって示されている)ための回転装置32と、装具付きケーブル端部3の回転位置を決定するための光学検出装置11と、を備える。ケーブルまたはそのケーブル端部は、任意選択的に、移送装置を用いて処理ステーション間で移送されることができる。
【0040】
位置合わせモジュールのそのような回転装置32の構造設計に関する詳細は、既に言及した欧州特許出願公開第1304773号明細書に見出すことができる。
【0041】
装備構成1は、ケーブル2を掴んで把持するための2つの反対方向に移動可能なグリッパジョー6、7を有するケーブルグリッパ5を有する装備把持ユニットをさらに備える。グリッパジョー6、7を移動させるために、空気圧アクチュエータ(ここでは図示せず)が設けられ、これは、9で示される制御装置によって制御されることができる。
【0042】
本光学検出装置11は、カメラ14、好ましくはデジタルカメラを備え、カメラ14は、装備構成内の前面位置に位置決めされることで、ケーブル端部3の前方端部において軸線方向に向けられる。
【0043】
実際の装備中、すなわち製造段階中にコネクタハウジングの対応するセルに装具付きケーブル端部3を導入する、または挿入する間、ケーブルグリッパ5は、ケーブル端部3を(例えば、セル44内の)正しい差し込み位置に案内する。例えば、細いケーブル2の場合、ケーブル端部3を最初に部分的に挿入した後、ケーブル端部3を完全に挿入するために、ケーブル2を後方位置で把持し直す必要がある場合がある。これに必要な中間ステップは、その後の把持として知られており、一般的である。ここに示され、以下に詳細に説明される装備構成1は、そのようなその後の把持に適合されている。
【0044】
その後の把持のために、グリッパジョー6、7は中間位置にされる必要があり、この中間位置では、グリッパジョー6、7は、もはや閉鎖位置のような圧着方式でケーブル2を保持しないが、グリッパジョー6、7が後退動作中にケーブル2に沿って移動できるようにしっかりとそれを掴む。グリッパジョーは、中間位置まで開き、そして元に戻るように移動する。ケーブル2は、グリッパジョー6、7によって案内されたままである。
【0045】
図3は、同じ装備構成1に関するが、この場合、製造段階前のケーブルグリッパ5の設定プロセス中であり、このプロセス中にケーブルグリッパは中間位置に対して較正される。ケーブルグリッパ5またはそのアクチュエータは、その後の把持のために最適な中間位置を設定するように較正される。較正中、アクチュエータは最初に所定の第1の圧縮空気パルスを受け、その後グリッパジョーは部分的に開かれる。グリッパジョー6、7の対応する開放方向は矢印eで示されている。到達した中間位置はその後、17で示される画像評価手段を用いてカメラ14を用いてチェックされる。検出装置11によって、所望の中間位置に到達していないことが確認された場合、ケーブルグリッパ5は再び閉じられ、処理が繰り返され、ここで圧縮空気の2回以上の吹き出しが、対応する圧縮空気の吹き出しの同じ持続時間を用いて適用される。あるいは、プロセスが繰り返されるとき、圧縮空気の吹き出しの持続時間が変更されて、1回のみの圧縮空気の吹き出しが再び適用される場合もある。この場合、圧縮空気パルスの長さが変えられる。
【0046】
装具付きケーブル端部3の回転位置を決定するための光学検出装置11は、コネクタハウジングの後の装備のための、その後の把持のための中間位置を形成するために、カメラ14がグリッパジョー6、7の開放動作を監視するためにも使用されることができるように設計される。したがって、中間位置にある開いたグリッパジョー6、7の動作および/または位置データは、光学検出装置11を用いて検出されることができる。制御ユニット9は、検出装置11によって決定されたグリッパジョー6、7のそれ以前に実行された開放動作のデータに基づいて、アクチュエータ8を、その後の把持プロセスに関して較正することができるように設計され、検出装置11を有する位置合わせモジュール10に接続されている。
【0047】
ケーブルグリッパ5は、キャリア45(この場合は図示せず)上に配置されている。較正プロセスの終了後、ケーブルグリッパ5は、少なくともその後の把持に関して完全に設定される。製造段階中、ケーブル2は、1つまたは複数のコネクタハウジングが収容されるハウジング収容装置33に案内することができ、そしてケーブル端部がコネクタハウジングに挿入されることができる。ケーブルグリッパ5によってケーブル端部3をコネクタハウジング内に挿入するとき、ケーブル2が最初に前進された後、前進中または前進後に、ケーブル端部3がまだコネクタハウジング内に完全に挿入されていない場合、ケーブル2をさらに徐々に前進させるために1つまたは複数のその後の把持動作が実行され、グリッパジョー6、7の中間位置が、その後の把持のために設定され、この中間位置は、較正中に決定された少なくとも1つの圧縮空気パルスの操作量に基づいている。較正は、製造の開始時に行われる。例えば、より長い製造運転の場合、所定の間隔で較正を繰り返すことが必要な場合がある。
【0048】
図4aおよび図4bは、図3による構成のさらなる図に関する。
【0049】
図2図3図4aおよび図4bから分かるように、ケーブルグリッパ5は2つの部分で構成され、2つの部分6、7の各々は、その上に形成されたジョーつまみ19を有するジョーベース本体18からなる。特に図5から分かるように、2つのグリッパジョー6、7は、ケーブルを受け入れるための溝状凹部を有する。断面において菱形の内側輪郭を画定する、ここに示されている溝状の窪みの代わりに、他の形状も考えられる。例えば、溝状の窪みは、断面において半円を形成する場合もある。
【0050】
図6は、ケーブルグリッパ5の変形例を示し、マーキング31がグリッパジョー6、7の端面に取り付けられ、マーキングの助けを借りて画像評価が単純化されることができる。この図から、中間位置では、破線で示すケーブル2とグリッパジョー6、7との間に小さな空隙があることも分かる。
【0051】
装備構成1はまた、二重グリッパとして構成されたケーブルグリッパ5を有することもできる。このようなケーブルグリッパ5の一例が図7に示される。ここに示すケーブルグリッパ5は、異なるように設計されたグリッパジョー6、7、6’、7’をそれぞれ有することをさらに特徴とする。画像評価プログラムのグリッパジョーを測定するための仮想キャリパが破線で示されている。仮想キャリパは、グリッパジョー6、7、6’、7’の外側輪郭に取り付けられ、そこから、グリッパジョーの位置データが取得されることができる。外側輪郭が識別されると、少なくとも1つの圧縮空気パルスの達成位置が測定されることができる。当然ながら、グリッパジョー6、7の開放動作のデータは、他の既知の画像測定方法を使用して決定されることができる。
【0052】
図8a、図8bおよび図9a、図9bに示される装備構成1は、装具付きケーブル端部3の回転位置を決定するための光学検出装置11を有し、これはCCDモジュールとして指定された画像取得モジュール30を備える。CCDモジュール30は、異なる方向に配置され、同じ高さに一緒に置かれた2つのCCDラインセンサ15、16と、CCDモジュールによって生成された画像データを評価するための画像評価デバイス(ここでは示されない)と、好ましくは照明デバイスとを有する。ラインセンサ15は、水平方向に延在するラインセンサであり、他方または第2のラインセンサ16は、垂直方向に延在する。較正のために、ケーブルグリッパ5は、ジョーつまみ19(図8bおよび図9bを参照されたい)を介してCCDモジュール30に導入される。ここに示されるCCDモジュール30の代わりに、異なる方向に配置された少なくとも2つのラインセンサを有する別の画像取得モジュールが使用される場合もある。特に、CMOSラインセンサがラインセンサ15、16として使用されることができる。
【0053】
装備構成1のケーブルグリッパ5を作動または始動させるための空気圧アクチュエータ8は、制御ユニット9によって作動されることができる少なくとも1つの制御弁を有する弁構成を有し、少なくとも1つの制御弁によって、アクチュエータ8は、少なくとも1つの圧縮空気パルスを用いて中間位置を形成するために、少なくとも開放動作のために作用を受けることができる。このアクチュエータの第1の変形例は図10に関する。図10は、アクチュエータに関する空気圧スキームを示す。アクチュエータ8は、複動式であるように構成された空気圧シリンダ20を備える。空気圧シリンダ20は、作動要素としてのピストン23を有する。ケーブルグリッパを開くためのピストンの動きは、矢印eで示されている。圧縮空気源は22で表される。圧縮空気は、例えば、専用の圧縮空気源または圧縮空気供給ラインによって供給されることができる。アクチュエータの弁構成は、急速作動弁として構成された2つの制御弁26、27を有し、各圧力室24、25に制御弁が割り当てられている。オリフィス弁28は、開放動作中に減少する圧力室24に関連する制御弁26の上流に接続されている。オリフィス弁28は、圧力室24内の圧力低下を減速し、これは、空気圧シリンダ20の反応を鈍くさせ、制御ユニット9を介した制御を簡素化する。加えて、空気圧システムは、圧力室の圧力が高いため、外力に対する感度が低い、または影響されにくい。弁構成29はまた、圧縮空気源22に続く5/2方向弁を有する。
【0054】
図11は、2つの空気圧シリンダ20および21と、グリッパジョーの同時の動作のための弁構成とを有するアクチュエータ8の空気圧スキームを示す。空気圧シリンダ20、21の各々に対する弁構成は、図10のものにほぼ対応する。
【0055】
図12は、2つの空気圧シリンダ20および21を有するアクチュエータ8の変形例に関する。弁構成は、合計8つの急速作動弁、すなわち空気圧シリンダごとに4つの急速作動弁を有する。図11に示される実施形態とは対照的に、5/2方向弁は必要とされない。20で表される空気圧シリンダの場合、4つの急速作動弁は,関連する弁26、34、27、35である。この変形例は、ケーブルグリッパを迅速に閉じることができるという利点を有する。弁構成は結果として、閉鎖空気圧シリンダ内の端部圧力が迅速に到達され、これは、グリッパジョーを繰り返し精度で開くのに特に有利である。図12に示される空気圧回路は、繰り返し精度で迅速に機能し、より長い空気圧ホース(少なくとも約1mまでの長さ)でも機能する。これにより、急速作動弁を移動させずに取り付けることが可能になり、したがって、装備グリッパの質量を小さく保つことができる。加えて、この変形例は、圧縮空気の消費が比較的少ないことを特徴とする。
【符号の説明】
【0056】
1 装備構成
2 ケーブル
3 装具付きケーブル端部
5 ケーブルグリッパ
6、7、6’、7’ グリッパジョー
8 アクチュエータ
9 制御装置
10 位置合わせモジュール
11 光学検出装置
14 カメラ
15、16 2つのCCDラインセンサ
17 画像評価手段
18 ジョーベース本体
19 ジョーつまみ
20 空気圧シリンダ
22 圧縮空気源
23 ピストン
24、25 圧力室
26、27、34、35 制御弁
28 オリフィス弁
29 弁構成
30 画像取得モジュール
31 マーキング
32 回転装置
33 ハウジング収容装置
40 装備モジュール
41 コネクタハウジング
44 セル
45 キャリア
46 ルーパ
47 剥離ステーション
48 グロメットステーション
49 圧着ステーション
e 開放方向
L ケーブルの長手方向軸線
x、y、z 移動の方向
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
【外国語明細書】