IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子機器保持装置 図1
  • 特開-電子機器保持装置 図2
  • 特開-電子機器保持装置 図3
  • 特開-電子機器保持装置 図4
  • 特開-電子機器保持装置 図5
  • 特開-電子機器保持装置 図6
  • 特開-電子機器保持装置 図7
  • 特開-電子機器保持装置 図8
  • 特開-電子機器保持装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014276
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】電子機器保持装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20220112BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20220112BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60N3/10 A
B60R11/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116517
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 実
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
【テーマコード(参考)】
3B088
3D020
【Fターム(参考)】
3B088CA04
3B088CA06
3B088LA02
3B088LB01
3B088LB02
3B088LB05
3D020BA07
3D020BB01
3D020BC09
3D020BD02
3D020BD05
(57)【要約】
【課題】スマートフォン等の電子機器を収容する収容部とカップを収容する収容部が一体的に構成され、最適な収容構造の電子機器保持装置を提供する。
【解決手段】表示部235を備えた電子機器200を保持する第1収容部である電子機器収容部10と、一部が切り欠かれて第1収容部10と連通する連通部33を備えた壁部30を有して電子機器収容部10に隣接するカップを収容できる第2収容部であるカップ収容部20と、を有し、表示部235は、カップ収容部20の側から連通部33を通して視認でき、電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されて配置される、ように電子機器保持装置1を構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えた電子機器を保持する第1収容部と、
一部が切り欠かれて前記第1収容部と連通する連通部を備えた壁部を有して前記第1収容部に隣接する第2収容部と、を有し、
前記表示部は、前記第2収容部の側から前記連通部を通して視認でき、前記第1収容部と前記第2収容部は一体的に構成されて配置される、電子機器保持装置。
【請求項2】
車両のセンターコンソールに配置され、前記表示部の視認は、前記車両の運転席側からの方が助手席側からよりも視認しやすい、請求項1に記載の電子機器保持装置。
【請求項3】
前記第1収容部は、前記電子機器に給電する給電手段を有する、請求項1又は2に記載の電子機器保持装置。
【請求項4】
前記給電手段は、非接触による給電である、請求項3に記載の電子機器保持装置。
【請求項5】
前記第1収容部は、前記電子機器を傾斜して立てかける傾斜壁部を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器保持装置。
【請求項6】
前記第1収容部には、前記電子機器を所定の位置に保持する保持機構を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器保持装置。
【請求項7】
前記第1収容部及び前記第2収容部の底部には、配線可能な溝部を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器保持装置。
【請求項8】
前記第2収容部にはカップが収容でき、前記第1収容部と前記第2収容部は一体的に構成されたカップホルダとして前記車両の車室内に装着される、請求項2から7のいずれか1項に記載の電子機器保持装置。
【請求項9】
前記第2収容部は2つあり、前記2つの第2収容部の間に前記連通部を備える、請求項8に記載の電子機器保持装置。
【請求項10】
前記カップホルダは、前記車両の座席の肘掛部に配置される、請求項8又は9に記載の電子機器保持装置。
【請求項11】
前記カップホルダは、複数並べて配置される、請求項8に記載の電子機器保持装置。
【請求項12】
前記カップホルダは、前記車両のインストルメントパネルの上面部に配置される、請求項8又は9に記載の電子機器保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において、車両のセンタークラスターに設けられたカップホルダに配置されたアタッチメントを介してスマートフォン等の電子機器を保持する電子機器保持装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電子機器保持装置は、車両のセンタークラスターに、引き出し式のカップホルダとして設けられている。このカップホルダには、アタッチメントが差し込み可能となっている。アタッチメントは、円柱状に形成された差込体と、この差込体の上部に形成されたケース体とから構成されている。ケース体は、スマートフォンを収納できるように形成されている。また、ケース体、収納したスマートフォンを操作可能となるように、その表面が大きく切り欠かれている。これにより、カップホルダに差し込み可能なアタッチメントにスマートフォンを収納でき、カップホルダにスマートフォンを配置できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-214087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子機器保持装置は、カップホルダをスマートフォン等の電子機器の保持に兼用するものである。このため、カップホルダと電子機器の収容部の関係が最適な収容構造となっていない、という問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、スマートフォン等の電子機器を収容する収容部とカップを収容する収容部が一体的に構成され、最適な収容構造の電子機器保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、表示部を備えた電子機器を保持する第1収容部と、一部が切り欠かれて前記第1収容部と連通する連通部を備えた壁部を有して前記第1収容部に隣接する第2収容部と、を有し、前記表示部は、前記第2収容部の側から前記連通部を通して視認でき、前記第1収容部と前記第2収容部は一体的に構成されて配置される、電子機器保持装置を提供する。
[2]車両のセンターコンソールに配置され、前記表示部の視認は、前記車両の運転席側からの方が助手席側からよりも視認しやすい、電子機器保持装置であってもよい。
[3]また、前記第1収容部は、前記電子機器に給電する給電手段を有する、電子機器保持装置であってもよい。
[4]また、前記給電手段は、非接触による給電である、電子機器保持装置であってもよい。
[5]また、前記第1収容部は、前記電子機器を傾斜して立てかける傾斜壁部を有する、電子機器保持装置であってもよい。
[6]また、前記第1収容部には、前記電子機器を所定の位置に保持する保持機構(センターアライニング機構)を有する、電子機器保持装置であってもよい。
[7]また、前記第1収容部及び前記第2収容部の底部には、配線可能な溝部(トンネル構造)を有する、電子機器保持装置であってもよい。
[8]また、前記第2収容部にはカップが収容でき、前記第1収容部と前記第2収容部は一体的に構成されたカップホルダとして前記車両の車室内に装着される、電子機器保持装置であってもよい。
[9]また、前記第2収容部は2つあり、前記2つの第2収容部の間に前記連通部を備える、電子機器保持装置であってもよい。
[10]また、前記カップホルダは、前記車両の座席の肘掛部(アームレスト)に配置される、電子機器保持装置であってもよい。
[11]また、前記カップホルダは、複数並べて配置される、電子機器保持装置であってもよい。
[12]また、前記カップホルダは、前記車両のインストルメントパネルの上面部に配置されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電子機器保持装置によれば、スマートフォン等の電子機器を収容する収容部とカップを収容する収容部が一体的に構成され、最適な収容構造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器保持装置の全体構成を示す立体斜視図である。
図2図2(a)は、第1の実施の形態に係る電子機器保持装置の上平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。
図3図3(a)は、図2(a)を90°回転させた電子機器保持装置の上平面図であり、図3(b)は、図3(a)のB-B断面図である。
図4図4は、電子機器保持装置が車両に装着される一例を示し、センターコンソールに装着された場合を示した車両内部の立体斜視図である。
図5図5(a)は、第2の実施の形態に係る電子機器保持装置の上平面図であり、図5(b)は、電子機器保持装置が車両に装着される一例を示し、センターコンソールに装着された場合を示した車両内部の立体斜視図である。
図6図6は、第3の実施の形態に係る電子機器保持装置の立体斜視図である。
図7図7(a)は、第4の実施の形態に係る電子機器保持装置が適用される車両の座席全体を示す立体斜視図であり、図7(b)は、電子機器保持装置が車両の座席の肘掛部(アームレスト)に配置された状態を示す立体斜視図である。
図8図8は、第5の実施の形態に係る電子機器保持装置が車両の後部座席中央の肘掛部(アームレスト)に配置された状態を示す立体斜視図である。
図9図9は、第6の実施の形態に係る電子機器保持装置が車両のインストルメントパネルに配置された状態を示す立体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器保持装置1の全体構成を示す立体斜視図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る電子機器保持装置1は、表示部235を備えた電子機器200を保持する第1収容部である電子機器収容部10と、一部が切り欠かれて第1収容部10と連通する連通部33を備えた壁部30を有して電子機器収容部10に隣接するカップを収容できる第2収容部であるカップ収容部20と、を有し、表示部235は、カップ収容部20の側から連通部33を通して視認でき、電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されて配置される、ように構成されている。
【0011】
本実施の形態に係る電子機器保持装置1は、車両300の車室内に配置されることができる。また、電子機器200は、スマートフォン、携帯電話、携帯端末等であるが、本実施の形態では、スマートフォンを想定した電子機器とする。
【0012】
電子機器収容部10は、スマートフォン等の電子機器200を収容するが、本実施の形態は、電子機器200を立て掛けた状態で収容する。
【0013】
また、カップ収容部20は、飲み物等が入るカップ、ボトル等を収容できる形状に構成されたものであるが、カップ、ボトル以外でも、ペン、メガネ等の他のものを収容するために使用することも可能である。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
図2(a)は、第1の実施の形態に係る電子機器保持装置の上平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。また、図3(a)は、図2(a)を90°回転させた電子機器保持装置の上平面図であり、図3(b)は、図3(a)のB-B断面図である。
【0015】
電子機器保持装置1は、図1図3に示すように、筐体40に第1収容部である電子機器収容部10と第2収容部であるカップ80等を収容するカップ収容部20とを有して概略構成されている。本実施の形態では、筐体40は、車両300のセンターコンソール310への取り付けフランジとなるフランジ部42と、電子機器収容部10、カップ収容部20を内部空間として有する本体部44で構成されている。フランジ部42は、例えば、意匠を施した意匠部材で形成でき、また、本体部44は、例えば、硬質樹脂等により形成できる。
【0016】
図1図3に示すように、第1収容部である電子機器収容部10と、隣接する第2収容部であるカップ収容部20との間には、壁部30が形成されている。この壁部30は、図2(a)に示すように、電子機器収容部10とカップ収容部20の間を仕切るものである。
【0017】
しかし、壁部30の中央部付近は切り欠かれて、電子機器収容部10とカップ収容部20が連通する連通部33が形成されている。図1図2(a)で示すように、電子機器収容部10に収容された電子機器200の表示部235は、カップ収容部20の側から連通部33を通して視認できる。特に、カップ収容部20にカップ80を置かない状態では、連通部33を通して、電子機器200の表示部235をよく見ることができる。
【0018】
これにより、スマートフォン等の電子機器200を収容する電子機器収容部10とカップ80を収容するカップ収容部20が一体的に構成された構成であっても、上記の壁部30に連通部33を形成することにより、スマートフォン等の電子機器200を収容できるカップホルダとすることができ、最適な収容構造が可能となる。
【0019】
図2(a)、(b)に示すように、第1収容部である電子機器収容部10は、電子機器200に給電する給電手段を有する。なお、給電には充電も含まれるものとする。
【0020】
例えば、給電手段は、非接触による給電である。図2(a)に示すように、給電器50は、電子機器収容部10が立て掛けられる背面壁部35の外壁部36に取り付けられている。この電子機器収容部10が立て掛けられた状態において、給電コイル52は、電子機器収容部10の内部に収容された電子機器200の内部に実装された受電コイル(図示省略)と対向して配置されている。
【0021】
図2(a)、(b)に示すように、給電コイル52は、電子機器収容部10に収容された電子機器200の内部に実装された受電コイル(図示省略)と電磁的に結合された状態で給電、充電を行なうことができる。給電器50は、給電コイル52に通電することにより、電磁誘導により、電子機器200の受電コイルを介して電子機器200への非接触による給電、充電が可能となる。なお、給電器50は、例えば、車両300が運転モード、ACCモードの時に給電、充電可能な状態としておくことにより、電子機器200を電子機器保持装置1に挿入して載置するだけで給電、充電を可能とすることもできる。
【0022】
第1収容部としての電子機器収容部10は、電子機器200を傾斜して立て掛ける傾斜壁部としての背面壁部35を有する。図2(b)に示す背面壁部35は、図で示す上下方向Zに対して傾斜角θを有した傾斜壁部として形成されている。例えば、この傾斜角θは、図2(b)においてゼロを超える角度であり、円錐形状を有するカップの傾斜角を考慮して設定することができる。これにより、電子機器収容部10とカップ収容部20との間のスペースを最適化して最小化することができる。
【0023】
また、電子機器200を傾斜して、傾斜壁部である背面壁部35に立て掛けることにより、電子機器200を安定して保持することができる。また、電子機器保持装置1を車両に装着した場合において、車両の発進時の加速、停車時の減速、走行時の振動等に対して安定して電子機器200を保持することができる。
【0024】
第1収容部としての電子機器収容部10及び第2収容部としてのカップ収容部20の底部60には、配線可能な溝部61を有する。溝部61は、図2(b)に示すように、底板62の下にトンネル構造を形成する。
【0025】
この溝部61には、例えば、電子機器200に有線で給電、充電するための、例えば、USBケーブル等が配策される。これにより、電子機器200にUSBケーブル等のコネクタを装着して、有線での給電、充電が可能となる。
【0026】
電子機器収容部10には、電子機器200を所定の位置に保持する保持機構70(センターアライニング機構)を有する。図3(a)、(b)に示すように、保持機構70は、右側保持部材71と左側保持部材75の2つの部材で、電子機器200を左右から挟むように支持する。
【0027】
右側保持部材71、左側保持部材75は、それぞれ、回転支点72、76で回転可能に支持されたアーム形状とされている。右側保持部材71は、回転支点72を中心にして、当接部73が電子機器200の側面201に当接する。なお、図示は省略するが、右側保持部材71は、当接部73が電子機器200の側面201に付勢される付勢力を発生させるバネ等を備えている。同様に、左側保持部材75は、回転支点76を中心にして、当接部77が電子機器200の側面202に当接する。また、保持構造は回転支持、スライド等、電子機器を中央にアライニングする事ができれば機構の手段は選ばない。
【0028】
これにより、電子機器200は、中心軸CLにセンターアライニングされる。電子機器200と給電コイル52との位置関係が安定して決まるので、上記した非接触による給電、充電において、充電効率がよく安定した給電、充電が可能となる。
【0029】
また、図3(a)に示すように、右側保持部材71、左側保持部材75は、それぞれ、傾斜当接部74、78を備える。右側保持部材71の傾斜当接部74は、電子機器200の側面201に当接して、電子機器200を背面壁部35に押し付ける。同様に、左側保持部材75の傾斜当接部78は、電子機器200の側面202に当接して、電子機器200を背面壁部35に押し付ける。
【0030】
これにより、電子機器200は、背面壁部35に押し付けられて、電子機器200と給電コイル52との位置関係が安定して決まるので、上記した非接触による給電、充電において、充電効率がよく安定した給電、充電が可能となる。また、電子機器保持装置1を車両300に装着した場合において、車両の発進時の加速、停車時の減速、走行時の振動等に対して安定して電子機器200を保持することができる。
【0031】
図4は、電子機器保持装置が車両300に装着される一例を示し、センターコンソール310に装着された場合を示した車両内部の立体斜視図である。電子機器保持装置1は、電子機器200を保持することができ、また、カップを保持するカップホルダとしても機能する。すなわち、第2収容部であるカップ収容部20にはカップが収容でき、第1収容部である電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されたカップホルダとして車両300の車室内に装着される。
【0032】
図4に示すように、車両300の前方方向(F方向)に電子機器200を立て掛けるように電子機器収容部10に収容することができる。これにより、電子機器200を安定して保持することができ、車両300の発進時の加速、停車時の減速、走行時の振動等に対して安定して電子機器200を保持することができる。
【0033】
また、電子機器保持装置1がセンターコンソール310に装着されている場合は、運転席(D席)311側からでも、助手席(P席)312側からでも、電子機器収容部10に電子機器200を置くことができる。カップ収容部20にカップを置かない状態では、連通部33を通して、電子機器200の表示部235をよく見ることができる。
【0034】
(第1の実施の形態の効果)
(1)第1の実施の形態は、第1収容部である電子機器収容部10と、隣接する第2収容部であるカップ収容部20との間には、壁部30が形成され、壁部30の中央部付近は切り欠かれて、電子機器収容部10とカップ収容部20が連通する連通部33が形成されている。これにより、電子機器収容部10に収容された電子機器200の表示部235は、カップ収容部20の側から連通部33を通して視認できる。
(2)第1収容部としての電子機器収容部10は、電子機器200を傾斜して立て掛ける傾斜壁部を有する。これにより、電子機器収容部10とカップ収容部20との間のスペースを最小化することができる。また、電子機器200を傾斜して、傾斜壁部である背面壁部35に立て掛けることにより、電子機器200を安定して保持することができる。また、電子機器保持装置1を車両300に装着した場合において、車両300の発進時の加速、停車時の減速、走行時の振動等に対して安定して電子機器200を保持することができる。
(3)第1収容部としての電子機器収容部10及び第2収容部としてのカップ収容部20の底部60には、配線可能な溝部61を有する。この溝部61には、例えば、USBケーブル等が配策でき、電子機器200にUSBケーブル等のコネクタを装着して、有線での給電、充電が可能となる。
(4)電子機器収容部10には、電子機器200を所定の位置に保持する保持機構70(センターアライニング機構)を有する。電子機器200は、中心軸CLにセンターアライニングされる。また、電子機器200は、背面壁部35に押し付けられる。これにより、非接触による給電、充電において、充電効率がよく安定した給電、充電が可能となる。また、電子機器保持装置1を車両300に装着した場合において、車両300の発進時の加速、停車時の減速、走行時の振動等に対して安定して電子機器200を保持することができる。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、電子機器保持装置100が車両300のセンターコンソール310に配置された場合に、電子機器200の表示部235を視認する場合において、車両300の運転席311側からの方が助手席312側からよりも視認しやすいように構成されている。ここで、図5(a)は、第2の実施の形態に係る電子機器保持装置の上平面図であり、図5(b)は、電子機器保持装置が車両に装着される一例を示し、センターコンソールに装着された場合を示した車両内部の立体斜視図である。
【0036】
第2の実施の形態に係る電子機器保持装置100は、車両300に装着した場合において、電子機器200の表示部235が運転席側を向くように、所定の角度φを有して、第1収容部である電子機器収容部10が配置されているものである。
【0037】
第2の実施の形態における電子機器収容部110は、第1の実施の形態の電子機器収容部10と同様の構成であるが、図5(a)に示すように、第1の実施の形態のカップ収容部20と同様のカップ収容部120に対して所定の角度φだけ傾斜して配置されている。所定の角度φは、ゼロ(0°)を超え90°以下の任意の値に設定可能であるが、運転席311側から電子機器200の表示部235が視認しやすい例として、一例を挙げれば、30°である。
【0038】
図5(b)に示すように、電子機器保持装置100が車両300のセンターコンソール310に装着された場合、電子機器200の表示部235は、所定の角度だけ運転席311側を向いて載置される。これにより、電子機器200の表示部235を視認する場合において、車両300の運転席311側からの方が助手席312側からよりも視認しやすいことになる。
【0039】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加えて、次のような効果を有する。
(1)電子機器200の表示部235を視認する場合において、車両300の運転席311側からの方が助手席312側からよりも視認しやすい。
(2)助手席312側から電子機器200の表示部235の視認がしにくいことになる。したがって、運転者が電子機器200を電子機器収容部110に載置した場合には、助手席312側からのプライベートを守ることができる。
(3)図5(a)、(b)に示すように、電子機器収容部110を車両300の前方方向(F方向)に対して傾けて配置することから、第1の実施の形態に比べて横方向の幅寸法Wが小さくてすみ、横方向のスペース縮小が可能となる。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
第1の実施の形態で示した電子機器保持装置1において、第2収容部であるカップ収容部20にはカップが収容でき、第1収容部としての電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されたカップホルダとして車両300の車室内に装着される。第3の実施の形態では、カップ収容部20は2つあり、2つのカップ収容部20の間に連通部33を備える構成とされている。図6は、第3の実施の形態に係る電子機器保持装置の立体斜視図である。
【0041】
第3の実施の形態によれば、例えば、運転席(D席)311側と助手席(P席)312側からそれぞれカップを置くことができ、また、連通部33を通して電子機器200の表示部235の視認がしやすいという効果を有する。特に、カップ収容部20にカップを置かない状態では、連通部33を通して、電子機器200の表示部235をよく見ることができる。
【0042】
〔第4の実施の形態〕
第1の実施の形態で示した電子機器保持装置1において、第2収容部であるカップ収容部20にはカップが収容でき、第1収容部としての電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されたカップホルダとして車両300の車室内に装着される。第4の実施の形態では、カップホルダは、車両300の座席320の肘掛部(アームレスト)321に配置される構成とされている。図7(a)は、第4の実施の形態に係る電子機器保持装置が適用される車両の座席全体を示す立体斜視図であり、図7(b)は、電子機器保持装置が車両の座席の肘掛部(アームレスト)に配置された状態を示す立体斜視図である。
【0043】
第4の実施の形態によれば、それぞれの座席320に専用の電子機器保持装置1が配置でき、これは、カップホルダとして使用できる。また、電子機器収容部10には電子機器200を置くことができ、連通部33を通して電子機器200の表示部235の視認がしやすいという効果を有する。特に、カップ収容部20にカップを置かない状態では、連通部33を通して、電子機器200の表示部をよく見ることができる。
【0044】
〔第5の実施の形態〕
第1の実施の形態で示した電子機器保持装置1において、第2収容部であるカップ収容部20にはカップが収容でき、第1収容部としての電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されたカップホルダとして車両300の車室内に装着される。第5の実施の形態では、カップホルダは、複数並べて配置される構成とされている。図8は、第5の実施の形態に係る電子機器保持装置が車両の後部座席中央の肘掛部(アームレスト)に配置された状態を示す立体斜視図である。
【0045】
第5の実施の形態によれば、例えば、カップホルダは、車両300の後部座席330の中央部にある肘掛部(アームレスト)331に配置される構成とされている。後部座席330に着座したそれぞれの人がカップホルダとして使用できる。また、電子機器収容部10にはそれぞれの電子機器200を置くことができ、連通部を通して電子機器200の表示部の視認がしやすいという効果を有する。特に、カップ収容部20にカップ80を置かない状態では、連通部を通して、電子機器200の表示部をよく見ることができるという効果を有する。
【0046】
〔第6の実施の形態〕
第1の実施の形態で示した電子機器保持装置1において、第2収容部であるカップ収容部20にはカップが収容でき、第1収容部としての電子機器収容部10とカップ収容部20は一体的に構成されたカップホルダとして車両300の車室内に装着される。第6の実施の形態では、カップホルダは、インストルメントパネルに配置される構成とされている。図9は、第6の実施の形態に係る電子機器保持装置が車両のインストルメントパネルに配置された状態を示す立体斜視図である。
【0047】
第6の実施の形態によれば、例えば、カップホルダは、車両300の前部座席312の車両前方にあるインストルメントパネル350の上面部355に配置される構成とされている。前部座席312に着座したそれぞれの人がカップホルダとして使用できる。また、電子機器収容部10にはそれぞれの電子機器200を置くことができ、連通部を通して電子機器200の表示部の視認がしやすいという効果を有する。特に、カップ収容部20にカップ80を置かない状態では、連通部を通して、電子機器200の表示部をよく見ることができるという効果を有する。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0049】
1…電子機器保持装置
10…電子機器収容部、20…カップ収容部、30…壁部、33…連通部、35…背面壁部、36…外壁部、40…筐体、42…フランジ部、44…本体部、50…給電器、52…給電コイル、60…底部、61…溝部、62…底板、70…保持機構、71…右側保持部材、72…回転支点、72、76…回転支点、73…当接部、74…傾斜当接部、74、78…傾斜当接部、75…左側保持部材、76…回転支点、77…当接部、78…傾斜当接部、80…カップ
100…電子機器保持装置、110…電子機器収容部、120…カップ収容部
200…電子機器、201…側面、202…側面、235…表示部
300…車両、310…センターコンソール、311…運転席(D席)、312…助手席(P席)、320…座席、321…肘掛部(アームレスト)、330…後部座席、331…肘掛部(アームレスト)、350…インストルメントパネル、355…上面部
CL…中心軸、W…幅寸法、Z…上下方向、θ…傾斜角、φ…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9