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特開2022-142776マスタ、スレーブ、マスタスレーブ通信システム、オンチップインターコネクトシステム、マスタを動作させる方法、スレーブを動作させる方法、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法、およびオンチップインターコネクトシステムを動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142776
(43)【公開日】2022-09-30
(54)【発明の名称】マスタ、スレーブ、マスタスレーブ通信システム、オンチップインターコネクトシステム、マスタを動作させる方法、スレーブを動作させる方法、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法、およびオンチップインターコネクトシステムを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20220922BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20220922BHJP
   G06F 11/10 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G06F13/38 340Z
H04L1/00 A
G06F11/10 604
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022040407
(22)【出願日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】10 2021 106 379.5
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヘルヴィヒ
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014AA02
5K014FA02
5K014FA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】誤り状態もしくは誤動作の改善された識別を備えたマスタスレーブシステムもしくはオンチップインターコネクトシステムを提供する。
【解決手段】マスタスレーブシステムにおいて、マスタは、インタフェースによって少なくとも1つのスレーブに接続されている。少なくとも1つのマスタは、送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送する。少なくとも1つのマスタはさらに、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマスタ、および、前記少なくとも1つのマスタと少なくとも1つのスレーブとを接続するインタフェースを有するマスタスレーブ通信システムのマスタであって、
前記少なくとも1つのマスタは、送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、
前記少なくとも1つのマスタは、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するようにさらに構成されている、
マスタスレーブ通信システムのマスタ。
【請求項2】
少なくとも1つのスレーブ、および、少なくとも1つのマスタと前記少なくとも1つのスレーブとを接続するインタフェースを有するマスタスレーブ通信システムのスレーブであって、
前記少なくとも1つのスレーブは、送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、
前記少なくとも1つのスレーブは、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するようにさらに構成されている、
マスタスレーブ通信システムのスレーブ。
【請求項3】
請求項1記載のマスタと、少なくとも1つのスレーブと、を有するマスタスレーブ通信システムであって、
前記少なくとも1つのスレーブは、送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、
前記少なくとも1つのスレーブは、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するようにさらに構成されている、
マスタスレーブ通信システム。
【請求項4】
請求項2記載のスレーブと、少なくとも1つのマスタと、を有するマスタスレーブ通信システムであって、
前記少なくとも1つのマスタは、送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、
前記少なくとも1つのマスタは、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するようにさらに構成されている、
マスタスレーブ通信システム。
【請求項5】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る前記有効な組み合わせから、前記誤り検出データの少なくとも1つのビットおよび/または前記出力データの少なくとも1つのビットを変更することによって生成される、
請求項3または4項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項6】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る前記有効な組み合わせから、前記誤り検出データの少なくとも1つのビットおよび/または前記出力データの少なくとも1つのビットを反転することによって生成される、
請求項3から5までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項7】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る前記有効な組み合わせから、前記誤り検出データのすべてのビットを反転しかつ前記出力データのすべてのビットを保持することによって生成される、
請求項6記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項8】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る前記有効な組み合わせから、前記出力データのすべてのビットを反転しかつ前記誤り検出データのすべてのビットを保持することによって生成される、
請求項6記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスレーブは、受信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の前記誤り検出データを用いて、前記データを検証するようにさらに構成されており、前記スレーブにおいて、誤りの結果として、前記非送信モードの前記少なくとも1つのマスタから受信されるデータが無効と識別される、
請求項3から8までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマスタは、受信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の前記誤り検出データを用いて前記データを検証するようにさらに構成されており、前記マスタにおいて、誤りの結果として、前記非送信モードの前記少なくとも1つのスレーブから受信されるデータが無効と識別される、
請求項3から9までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのマスタは、複数のマスタを有する、
請求項3から10までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスレーブは、複数のスレーブを有する、
請求項3から11までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項13】
前記マスタスレーブ通信システムは、インターコネクトプロトコルにしたがって、前記マスタと前記スレーブとの間のデータ伝送を実行するように構成されている、
請求項3から12までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システム。
【請求項14】
請求項3から13までのいずれか1項記載のマスタスレーブ通信システムを有するオンチップインターコネクトシステムであって、
前記少なくとも1つのマスタ、前記少なくとも1つのスレーブおよび前記インタフェースは、共通のチップ上に構成されている、
オンチップインターコネクトシステム。
【請求項15】
インタフェースによって少なくとも1つのスレーブに接続されているマスタを動作させる方法であって、前記方法は、
前記マスタの送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するステップと、
前記マスタの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するステップと、
を有する方法。
【請求項16】
インタフェースによって少なくとも1つのマスタに接続されているスレーブを動作させる方法であって、前記方法は、
前記スレーブの送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するステップと、
前記スレーブの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するステップと、
を有する方法。
【請求項17】
マスタスレーブ通信システムを動作させる方法であって、前記方法は、
請求項15にしたがってマスタを動作させるステップと、
前記スレーブの送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するステップと、
前記スレーブの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するステップと、
を有する方法。
【請求項18】
マスタスレーブ通信システムを動作させる方法であって、前記方法は、
請求項16にしたがってスレーブを動作させるステップと、
前記マスタの送信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するステップと、
前記マスタの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するステップと、
を有する方法。
【請求項19】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせの生成は、前記誤り検出データの少なくとも1つのビットを変更すること、および/または、前記誤り検出データと前記出力データとの前記有効な組み合わせの前記出力データの少なくとも1つのビットを変更することを有する、
請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせの生成は、前記誤り検出データの少なくとも1つのビットを反転すること、および/または、前記誤り検出データと前記出力データとの前記有効な組み合わせの前記出力データの少なくとも1つのビットを反転することを有する、
請求項17から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせの前記生成は、前記誤り検出データのすべてのビットを反転することと、前記出力データのすべてのビットを保持することと、を有する、
請求項20記載の方法。
【請求項22】
出力データと所属の誤り検出データとから成る前記無効な組み合わせの前記生成は、前記出力データのすべてのビットを反転することと、前記誤り検出データのすべてのビットを保持することと、を有する、
請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、
前記スレーブの受信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを前記スレーブにおいて受信するステップと、
前記所属の誤り検出データを用いて前記データを検証するステップと、
をさらに有し、
前記スレーブにおいて、誤りの結果として、前記非送信モードの前記少なくとも1つのマスタから受信されるデータを無効と識別する、
請求項17から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、
前記マスタの受信モードにおいて、前記インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを前記マスタにおいて受信するステップと、
前記所属の誤り検出データを用いて前記データを検証するステップと、
をさらに有し、
前記マスタにおいて、誤りの結果として、前記非送信モードの前記少なくとも1つのスレーブから受信されるデータを無効と識別する、
請求項17から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
インターコネクトプロトコルに基づいて、前記マスタと前記スレーブとの間のデータ伝送を行う、
請求項17から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つのマスタ、少なくとも1つのスレーブおよびインタフェースが共通のチップ上に構成されているオンチップインターコネクトシステムを動作させる方法であって、前記方法は、
請求項17から25までのいずれか1項記載の、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法を有する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスタ、スレーブ、マスタスレーブ通信システム、オンチップインターコネクトシステム、マスタを動作させる方法、スレーブを動作させる方法、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法、およびオンチップインターコネクトシステムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの機能が単独のチップ上に供給されるいわゆるオンチップシステム(例示的なシステムについては図1を参照されたい)の今日のマルチコアユニット(MCU)では、能動的な機能装置、例えばCPU、直接的なメモリアクセスまたは高速通信の機能と、受動的な機能装置、例えばメモリの機能、通信機能、および能動的な機能によって設定および制御されて能動的な機能によって利用されるその他のシステム機能と、が提供される。
【0003】
これらの機能装置間のオンチップ通信にはオンチップインターコネクト、すなわち対応する通信プロトコルを備えた、チップ上に形成される接続構造が利用される。
【0004】
能動的な機能装置は、インターコネクトに接続されたマスタによって提供され、受動的な機能装置は、スレーブによって提供される。
【0005】
インターコネクトにより、マスタは、スレーブにアクセス可能である。インターコネクトのベースを成すのは、通信プロトコル、例えばAXI、AHB、SRI、FPIまたはこれに類するものと、インターコネクトに接続されているそれぞれのスレーブについて、どのアドレスによってマスタが、スレーブおよびそれらのリソース(例えば、レジスタ、メモリ、外部リソース)にアクセスできるかを記述するアドレス割り当てとである。さらに、アクセスのどのタイプが、どのアクセス権限で、それぞれのアドレスを読み出しまた書き込めるかを定義する必要があり、また接続されているマスタとスレーブとの間の通信を制御し、かつ例えば線路110およびマルチプレクサ108を用いて、(通信調停、アドレスパスおよびデータパス、デバッグサポートなどのために)コネクションを実現するバスネットワークを定義する必要がある。
【0006】
インターコネクトは、例えば、ワンマスタインターコネクトとして、マルチマスタインターコネクトとして、またはクロスバーベースのインターコネクトとして形成されていてよい。
【0007】
マルチマスタインターコネクトでは、これに接続されたすべてのマスタおよびスレーブは、バスネットワークの本質的な部分を互いに共有することができ、例えば、同じアドレスフェーズ信号および/または読み出しデータフェーズ信号および書き込みデータフェーズ信号を受信することができる。このことが意味するのは、それぞれの時点に1つのアドレスフェーズだけ、1つの読み出しデータフェーズだけおよび/または1つの書き込みデータフェーズだけが存在できることである。
【0008】
クロスバーベースのインターコネクトでは、複数のマスタが同時に複数のスレーブにアクセス可能である。しかしながら同じスレーブへの同時のアクセス問合せは、上の場合と同様に順次に処理される。
【0009】
他にもさらに、例えば、スレーブから成る種々異なるグループへの並列アクセスをマスタが有し得るいわゆるマルチレイヤインターコネクトとして複数のマルチマスタインターコネクトが形成される場合には、中間形態が存在する。システムインターコネクトは、多くの場合に、部分的に相異なるプロトコルを有する複数のインターコネクトによって構築されていてよく、これらのインターコネクトは、ブリッジを介して、透過なシステムインターコネクトに接続されていてよい。
【0010】
マスタスレーブアクセスは一般に、3つのフェーズで経過する(例証のために、FPIプロトコルにしたがうマスタスレーブアクセスにおける例示的な時間経過を示す図4も参照されたい)、すなわち1つのフェーズは、マスタが、(マルチマスタインターコネクトにおいて)インターコネクトアクセスを要求するか、または(クロスバーインターコネクトにおいて)スレーブへのアクセスを要求する問合せフェーズである。インターコネクトアービタは、同じリソースに複数のアクセス要求がある場合、通信調停を行う(すなわち、アクセスの順番について決定を行う)。別の1つのフェーズは、アドレスフェーズであり、このアドレスフェーズでは、マスタは、インターコネクトアービタから許可を入手しておりかつ実行されるべき(場合によって並列の)トランザクションについての複数の情報パケット、例えば、トランザクションのタイプがどれであるか(例えば、これが、読み出しおよび/または書き込みであるか否か、およびOPコード)と、アドレスと、デバッグおよびトラッキングのためおよびアクセス制御のためのトランザクションIDと、アドレスフェーズの開始および終了を示すための制御信号とを伝送する。さらに別のフェーズは、1つまたは複数のデータフェーズであり、データフェーズは一般に、並列に伝送可能な複数の個別情報、例えば、読み出しデータ/書き込みデータと、トランザクションIDと、誤り、例外または有効なデータ伝送を示すためのアクティブスレーブからアクティブマスタへのアクセス権限コードと、データ伝送の遅延または中断のための付加的な制御信号その他を有する。
【0011】
使用されるプロトコルタイプに応じて、例えばクロスバープロトコルでは、問合せフェーズとアドレスフェーズとを組み合わせることができる。
【0012】
動作信頼性が不可欠である応用において必要になり得るのは、アクティブマスタ(すなわち、インターコネクトを用いてアクティブスレーブと現在、データ交換を行っているマスタ)から、バスネットワークを用いてアクティブスレーブに伝送する際に、データ伝送を損ない得るあらゆる誤りを識別することである。
【0013】
これを保証するために、バスネットワークの(完全または部分的な)二重化およびロックステップモードが、確かに理論的には考えられ得るが、これに伴う比較的大きな所要スペースおよび増大するエネルギ消費のゆえに非常時には受け入れられない。
【0014】
したがって今日では好ましくは、アドレスフェーズおよびデータフェーズ中に伝送される情報全体の、誤り検出符号を用いた保護が用いられる。
【0015】
この際には情報の送信側は、誤り検出符号("Error detection code"を表すEDC)を生成して、情報に並行してまたは情報に対して時間をずらして、バスネットワークによって誤り検出符号を伝送することができる。
【0016】
次に受信側は、受信された情報と、受信されたEDCとを比較し、これによって誤りを識別することができる。
【0017】
問合せ信号または許可信号のような個別制御信号もEDCによって、例えばパリティビット、二重化またはこれに類するものによって補足することができる。
【0018】
しかしながら、今日ではロックステップがなければ十分に保護されない局面が存在し、これは、意図しないまたは誤った複数のトランザクションであり、これらのトランザクションは、個別トランザクション情報の混合物(例えばデータフェーズデータおよびデータフェーズ制御情報)に基づき、これらの個別トランザクション情報は、それぞれ個別に(例えば、データ、ハンドシェーク信号およびスレーブ受領コードによって)EDC保護されているが、プロトコル制限に起因して、トランザクションに一意に対応付けることができない。このことの例は、別々にEDC保護される読み出しデータ、読み出しデータトランザクションIDおよび読み出しデータハンドシェーク信号である。
【0019】
バスネットワークにおけるマルチプレクサ構造108が一時的に誤って接続されている例示的なケースでは、誤った情報がマスタもしくはスレーブに伝達されてしまうという事態が起こり得る。ロックステップサポートを備えた冗長なバスネットワークが設けられている場合であっても、2つのサイクルの遅延で、ロックステップロジックによって誤りが識別され得る前に、最初に情報が誤って送達されて処理されてしまうことが起こり得る。このような状況は、システム内での誤転送を阻止しようとする、信頼性について目標の設定と相容れないことになり得る。
【0020】
類似のタイプの誤動作は、EDC保護されていないロジックが誤りを有する場合にも発生し得る。例えば、マスタおよび/またはスレーブが、アドレスフェーズ制御信号もしくはデータフェーズ制御信号を送信したい場合に、または例えば、ロックステップ保護されていないマスタが、意図せずにではあるが正しい問合せを送信する場合に、バスネットワークにシグナリングするために、マスタおよび/またはスレーブが、出力イネーブル信号を使用する場合に発生し得る。
【0021】
図2には、例えばFPIバス(Flexible Peripheral Interconnect Bus)を形成することができる(例えばバスネットワークの)インターコネクト110によって接続されている2つのマスタ102(アクティブマスタ102Aおよび非アクティブマスタ102nA)と、2つのスレーブ104(アクティブスレーブ104Aおよび非アクティブスレーブ104nA)と、を有するマスタスレーブシステム100の概略図が示されている。
【0022】
すべてのマスタ102およびすべてのスレーブは、有効なトランザクション情報(すなわち正しいEDCデータを含めて)をそれらの出力レジスタに有し、このことは、切換速度を、ひいてはエネルギ消費を低く維持するのに有利である。
【0023】
通信調停の後、非アクティブマスタ102nAの出力レジスタによってアドレスフェーズ情報が、誤って転送される例示的な状況が、(1)によってマーキングされている。これは、トランザクション実装およびバスネットワーク実装のタイプに応じ、場合によってはアクティブスレーブ104Aによって識別されないことがある。
【0024】
非アクティブマスタ102nAの出力レジスタによって制御情報が、誤って転送される例示的な状況が、(2)によってマーキングされている。これは、誤った書き込みデータが気付かれずにアクティブマスタ102Aによって受け取られるしまうことに結び付くことがある。
【0025】
非アクティブスレーブ104nAの出力レジスタによって制御情報またはデータ情報が、誤ってアクティブマスタ102Aに転送される例示的な状況が、(3)によってマーキングされている。このことは、データが読み出される際に、これが誤って読み出されてしまったことが識別されないことに結び付くことがある。その理由は、例えば、誤った「読み出されたデータは有効」信号、またはスレーブの出力レジスタから誤って読み出されたデータが、そのようなものと識別されないからであり、なぜならば、例えば、前のアクセスにより、正しいトランザクションIDが依然として出力レジスタに存在するからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
種々異なる実施例では、誤り状態もしくは誤動作の改善された識別を備えたマスタスレーブシステムを有するマスタスレーブ通信システム(略してマスタスレーブシステム)もしくはオンチップインターコネクトシステム(システムオンチップとも称される)が、そのために付加的にチップ面を必要とすることなく設けられる。
【0027】
種々異なる実施例では、改善された、かつコスト的に効率的な誤り検出のために、最適化されたEDCデフォルト値を有するマスタスレーブシステムもしくはシステムオンチップが提供される。
【0028】
マスタスレーブシステムもしくはシステムオンチップは、種々異なる実施例では、上で説明した誤動作を識別し、ひいては動作信頼性を高めることができる。
【0029】
本発明の実施例を図面に示し、以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術によるマスタスレーブシステムの概略図である。
図2】従来技術によるマスタスレーブシステムの別の概略図である。
図3】種々異なる実施例によるマスタスレーブシステムの概略図である。
図4】FPIプロトコルによるデータ伝送過程の概略図である。
図5】種々異なる実施例にしたがって、マスタスレーブシステムを動作させる方法の流れ図である。
図6】種々異なる実施例にしたがって、マスタスレーブシステムを動作させる別の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。これらの図面は、本願の一部を形成し、またこれらの図面には、本発明を実施することができる特定の実施形態が、説明のために示されている。この点に関して、例えば、「上方に」、「下方に」、「前方に」、「後方に」、「前方のもの」、「後方のもの」などの方向の用語は、説明される図の向きを基準にして使用される。実施形態の複数のコンポーネントは、いくつかの異なる向きで位置決め可能であるため、方向の用語は、説明のために使用され、決して制限的なものではない。本発明の権利保護範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用し、構造的または論理的な変更を行えることは当然のことである。特に別に明記しない限り、本明細書で説明される種々異なる例示的な実施形態の特徴的構成が互いに組み合わせ可能であることは当然のことである。したがって以下の詳しい説明は、制限的な意味で理解されるべきでなく、本発明の権利保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
【0032】
本明細書の枠内において、「接合される」、「接続される」および「結合される」という用語は、直接的な接合も間接的な接合も表すために使用され、直接的または間接的な接続、ならびに直接的または間接的な結合を表すために使用される。図面において、同一または類似の要素には、目的にかなう限り、同じ参照符号が付されている。
【0033】
本明細書において、インターコネクトおよびインタフェースという用語は、マスタとスレーブとの間のデータ交換接続について、交換可能に使用される。
【0034】
本発明では、誤り検出符号(Error Detection Code、EDC)について言及する。択一的または付加的には、誤り検出符号の代わりに、一般に、誤り検出に加えてある程度の誤り訂正も可能にする誤り訂正符号(Error Correction Code、ECC)が使用可能である。
【0035】
上で説明したようにそれぞれのマスタ102およびそれぞれのスレーブ104は、マスタ102がアクティブマスタ102Aになる、もしくはスレーブ104がアクティブスレーブ104Aになるときに伝送されるトランザクション情報を記憶するための出力データメモリ(例えば、出力レジスタ)を有する。出力データメモリは、図2では(その機能にしたがって)書きこまれた矩形のボックスとして示されており、この矩形のボックスは、少なくともインターコネクト110の方向も指している矢印に接続されている。
【0036】
マスタ102もしくはスレーブが非アクティブである限り、出力データメモリには、最後のトランザクションについて書き入れられた値が、またはデフォルト値が満たされており、正しく対応付けられたEDC値が、同じ出力データメモリか、または例えば独立したEDC出力データメモリに同様に記憶されている。
【0037】
上で図4に関連して説明したように、アクティブマスタ102Aとアクティブスレーブ104Aとの間のトランザクション情報が、非アクティブマスタ102nAもしくは非アクティブスレーブ104nAの出力データメモリの(EDC訂正器による)情報によって置き換えられるか、または融合されてしまうことが起こり得る。
【0038】
コネクションエラーおよび/またはデータ入力誤りは、上で説明したように、データが正しいという結果をEDC検査が示しているため、発見されないままになる可能性がある。例えば、誤って伝送される読み出し準備完了では、予想されない時点に旧いデータが読み出されるが、誤りとして識別されないことが起こり得る。というのはこの旧いデータが、所属の正しいEDCと共に、依然として出力データメモリにあり、したがってEDC検査はデータを有効にするためである。
【0039】
上で説明した発見されない誤動作もしくは誤り状態および類似のものを容易に阻止するために、種々異なる実施例では、マスタもしくはスレーブの設定を変更し、これにより、このマスタもしくはスレーブが、アクティブマスタもしくはアクティブスレーブでない場合には、このマスタもしくはスレーブが、そのそれぞれの出力データメモリに、無効なデータEDC組み合わせをつねに記憶しているようにする。
【0040】
これにより、種々異なる実施例において達成できるのは、(例えば誤りのある出力要求の際に、例えばこれについて応答として)出力データメモリからデータが誤って伝送される場合であっても、受信側においてデータが無効として識別されることである。
【0041】
種々異なる実施例では、マスタが、アクティブマスタでない、例えば、アドレスフェーズもしくはデータフェーズについてのアクティブマスタでないか、もしくは送信しないように構成されている場合にはつねに、マスタが、無効なデータEDC組み合わせを記憶している(すなわち、データ、EDCデータまたは両者が、データが無効であるという結果をEDC検査が示すように変更される)ようにプロトコルの補足が行われる。
【0042】
種々異なる実施例では、スレーブが、アクティブスレーブでない場合、例えば、データフェーズについてのアクティブスレーブでないか、もしくは送信しないように構成されている場合にはつねに、スレーブが、無効なデータEDC組み合わせを記憶している(すなわち、データ、EDCデータまたは両者が、データが無効であるという結果をEDC検査が示すように変更される)ようにプロトコルの補足が行われる。
【0043】
したがって種々異なる実施例において達成できるのは、アクティブマスタまたはアクティブスレーブのトランザクション情報が、非アクティブマスタもしくは非アクティブスレーブの出力データメモリ値によって置き換えられてしまうことに結び付く、バスネットワークにおける誤動作が、直ちに発見されることである。
【0044】
意図しないまたは誤ったトランザクションが実行されることになる、(マスタもしくはスレーブ内外に、マスタスレーブシステムの内外に要因を有し得る)このタイプの誤りは、バスネットワークの構造およびインプリメントについての詳細を知る必要なく識別される。したがって、対応するロックステップインプリメンテーションを備えたインターコネクトアドレスおよびデータパスの冗長な実施は、不要である。
【0045】
非アクティブマスタもしくは非アクティブスレーブの監視も省略可能である。
【0046】
マルチマスタインターコネクトの場合であっても、このタイプの誤りは、(例えば、AND結合による「出力イネーブル」によって制御される)バスネットワークにおける複数の出力信号の論理結合を知ることなく、種々異なる実施例にしたがって識別される。
【0047】
さらに、それぞれのフェーズについてただ1つのマスタおよびスレーブがアクティブである複数の実施例において、またクロスバーインターコネクトにおいても、特に一意のトランザクション識別子(トランザクションID)に関連して、マルチマスタインターコネクトについて付加的にカバーを行うことができる。
【0048】
種々異なる実施例では、付加的な誤り検出は、(特に所要スペースおよびエネルギ消費についての)付加的なコストなしに実現されかつ容易に検証可能である。
【0049】
マスタスレーブシステムもしくはシステムオンチップの信頼性は、トランザクション情報の受信側が、誤りを直ちに識別し、システムにおける誤りの順送りを直ちに阻止できることによって高めることができる。
【0050】
図3には、種々異なる実施例にしたがい、マスタスレーブシステム300の概略図が示されている。
【0051】
マスタスレーブシステム300は、少なくとも1つのマスタ302、例えばCPU、直接的なメモリアクセス、高速通信または類似のものを有していてよい。よりよく区別するために、アクティブマスタには参照符号302Aが、非アクティブマスタには参照符号302nAが付されている。
【0052】
マスタスレーブシステム300はさらに、少なくとも1つのスレーブ304、例えば、メモリ、通信機能または類似のものを有していてよい。よりよく区別するために、アクティブスレーブには参照符号304Aが、非アクティブスレーブには参照符号304nAが付されている。
【0053】
少なくとも1つのマスタ302は、少なくとも1つのマスタ出力データメモリを有していてよい。マスタ出力データメモリは、図3では、アクティブマスタ302Aにおいて、また非アクティブマスタ302nAにおいて、(その機能にしたがって)書きこまれた矩形のボックスとして示されており、この矩形のボックスは、少なくともインターコネクト310の方向も指している矢印に接続されている。マスタ302を指している矢印に接続されているボックスは、マスタ入力レジスタである。両向き矢印を有するボックスは、マスタ入力データメモリもマスタ出力データメモリも有する。マスタ出力データメモリは、EDCエンコーダに、マスタ入力レジスタは、EDCデコーダに、またマスタ入/出力データメモリは、EDCエンコーダおよびEDCデコーダに接続されている。
【0054】
マスタスレーブシステム300はさらに、少なくとも1つのマスタ302と少なくとも1つのスレーブ304とを接続するインタフェース310を有する。インタフェース310は、データ伝送プロトコルにしたがって、例えばAXI、AHB、SRI、FPIまたはこれに類するものにしたがい、少なくとも1つのマスタ302と少なくとも1つのスレーブ304との間で双方向にデータ伝送を提供するように構成されていてよい。
【0055】
少なくとも1つのマスタ302、少なくとも1つのスレーブ304およびインタフェース310は、共通のチップ上に構成されていてよく、したがってオンチップシステムとも称されるシステムオンチップを形成していてよい。
【0056】
少なくとも1つのマスタ302は、種々異なる実施例では、送信モードにおいて(この場合にマスタ302は、アクティブマスタ302Aとして送信の準備が完了している)、インタフェース310を用いた伝送のために、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶するように構成されていてよい。出力データおよび所属の誤り検出データは、同じマスタ出力データメモリに記憶されていてよいか、もしくは記憶可能であり、または別のマスタ出力データメモリに記憶されていてよいか、もしくは記憶可能である。
【0057】
誤り検出データは、実質的に既知の仕方で出力データから、例えば、パリティ検査として、反復符号として、リードソロモン符号として、ハミング符号または類似のものとして形成可能である。
【0058】
少なくとも1つのマスタ302はさらに、非送信モードにおいて(この場合にマスタ302は、非アクティブマスタ302nAであるか、またはアクティブマスタ302Aとして送信の準備が完了していない)、少なくとも1つのマスタ出力データメモリに、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを記憶するように構成されていてよい。
【0059】
種々異なる実施例では、少なくとも1つのスレーブ304は、少なくとも1つのスレーブ出力データメモリを有していてよい。スレーブ出力データメモリは、図3では、アクティブスレーブ304Aにおいて、また非アクティブスレーブ304nAにおいて、(その機能にしたがって)書きこまれた矩形のボックスとして示されており、この矩形のボックスは、少なくともインターコネクト310の方向も指している矢印に接続されている。スレーブ304を指している矢印に接続されているボックスは、スレーブ入力レジスタである。両向き矢印を有するボックスは、スレーブ入力データメモリもスレーブ出力データメモリも有する。スレーブ出力データメモリは、EDCエンコーダに、スレーブ入力レジスタは、EDCデコーダに、またスレーブ入/出力データメモリは、EDCエンコーダおよびEDCデコーダに接続されている。
【0060】
少なくとも1つのスレーブ304は、送信モードにおいて(この場合にスレーブ304は、アクティブスレーブ304Aとして送信の準備が完了している)、インタフェース310を用いた伝送のために、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶するように構成されていてよい。出力データおよび所属の誤り検出データは、同じスレーブ出力データメモリに記憶されていてよいか、もしくは記憶可能であり、または別のスレーブ出力データメモリに記憶されていてよいか、もしくは記憶可能である。
【0061】
誤り検出データは、実質的に既知の仕方で出力データから、例えば、パリティ検査として、反復符号として、リードソロモン符号として、ハミング符号または類似のものとして形成可能である。
【0062】
少なくとも1つのスレーブ304はさらに、非送信モードにおいて(この場合にスレーブ304は、非アクティブスレーブ304nAであるか、またはアクティブスレーブ304Aとして送信の準備が完了していない)、少なくとも1つのスレーブ出力データメモリに、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを記憶するように構成されていてよい。
【0063】
種々異なる実施例では、マスタスレーブシステム300は、少なくとも1つのマスタ302も、説明した少なくとも1つのスレーブ304も有する。
【0064】
出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせは、種々異なる実施例において、例えば、マスタ出力データメモリもしくはスレーブ出力データメモリからのデータ伝送が以前にすでに行われている場合、以前に記憶されている、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせから、誤り検出データの少なくとも1つのビットおよび/または出力データの少なくとも1つのビットの変更、例えば反転によって形成可能である。
【0065】
少なくとも1つのビットの変更は、EDCを用いたデータの妥当性の検査の際に、データが誤りを有することが決定できることが保証されるように行うことが可能である。
【0066】
データまたはEDCデータにおける個々のビットの変更、例えば反転は、極めて簡単かつ余りエネルギを使用せずにデータEDC組み合わせを無効にする選択肢であり得る。
【0067】
より高いエネルギコストを伴う選択肢は、誤り検出データのすべてのビットを反転しかつ出力データのすべてのビットを保持すること、もしくは逆に出力データのすべてのビットを反転しかつ誤り検出データのすべてのビットを保持することであってよいが、これらは、場合によっては、より高い確実性でデータEDC組み合わせを無効にすることに結び付く。
【0068】
種々異なる実施例では、出力データのあらかじめ定められた複数のビットおよび/またはEDCデータのあらかじめ定められた複数のビットを変更する、例えば反転することができる。
【0069】
種々異なる実施例では、少なくとも1つのスレーブ304(例えば複数のスレーブ)はさらに、受信モードにおいて、インタフェース310を用いてデータおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の誤り検出データを用いてデータを検証するように構成されていてよく、誤りの結果としてスレーブ304において(例えば、非送信モードの少なくとも1つのマスタ302から)受信されるデータが無効と識別される。
【0070】
スレーブ304は、無効なデータを受信したことが確定された際に、あらかじめ定められた処理、例えば、受信したデータを無視する、警告を送信する、または類似のことを実行するように構成されていてよい。
【0071】
少なくとも1つのマスタ302(例えば複数のマスタ302)は、受信モードにおいて、インタフェース310を用いてデータおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の誤り検出データを用いてデータを検証するように構成されていてよく、誤りの結果としてマスタ302において(例えば、非送信モードの少なくとも1つのスレーブ304から)受信されるデータが無効と識別される。
【0072】
マスタ302は、無効なデータを受信したことが確定された際に、あらかじめ定められた処理、例えば、受信したデータを無視する、警告を送信する、または類似のことを実行するように構成されていてよい。
【0073】
種々異なる実施例では、マスタ302もしくはスレーブ304は、制御信号データ、アドレスデータ、およびデータフェーズにおけるデータに関連するEDCデータが、使用されるインターコネクトプロトコルについて重要でない場合に、無効なデータ/EDC組み合わせをその出力データメモリに記憶するように構成されていてよい。
【0074】
使用される通信プロトコルに応じて、バスネットワークによって持続的に評価される信号、例えば、アービタへのマスタ問合せ(インタフェース310/インターコネクトアクセスによる問合せ)または類似の信号が設けられていてよい。これに対応して、対応する出力データメモリには、有効なデータが持続的に満たされなければならない。
【0075】
マスタ302についての対応する制御信号の名前は、異なっていてよい。マルチマスタインターコネクトプロトコルでは、マスタ302とアービタとの間で固有の問合せ信号および許可信号が定義されることが多く、このことは、問合せ信号に持続的に有効なデータEDC組み合わせが満たされなければならないことを意味する。
【0076】
クロスバーベースのインターコネクトプロトコルでは、問合せフェーズとアドレスフェーズとが一致していることが多く、これにより、マスタ302は、例えば、「アドレス有効」信号を用いてアクセス問合せを送信し、「アドレス準備完了」信号を用いて確認を受け取る。このことは、マスタ302およびスレーブが持続的に、有効なEDCと共に「アドレス有効」もしくは「アドレス準備完了」を準備しなければならないことを意味し得る。
【0077】
それぞれのインターコネクト仕様により、制御信号、アドレス信号および/またはデータ信号が、マスタ302、スレーブ304およびアービタによって「無視される」モードにあるフェーズについての詳細が定義される。
【0078】
種々異なる実施例によれば、データEDC組み合わせは、これらが、定期的に(例えば、バスネットワークまたは接続されたマスタ302またはスレーブ304によって)評価されるように構成されていない場合には、つねに無効にされるべきであるため、このことは、上で説明されたフェーズにも当てはまる。
【0079】
マスタ302、スレーブ304およびアービタは当然のことながら、その特性が異なっていてよく、例えば、これらが、評価されるべき出力情報を供給しないそれぞれの時間間隔において、無効なデータEDCデータ組み合わせをそれらの出力データメモリに供給するか否かは異なっていてよく、このことは、特に、コネクションエラーがいつ発生し得るかを予測できない場合に、好ましい変形形態になり得る。
【0080】
択一的にはマスタ302、スレーブ304およびアービタは、特定の時間にのみ、またはデータ/EDC出力データメモリの一部にのみ、無効な組み合わせを供給してよい。
【0081】
これにより、例えば、インプリメントを簡略化することができるか、または特定のバスプロトコル状況において、広範囲にわたっては誤りを予想できない事態を考慮に入れることができる。
【0082】
種々異なる実施例では、データが無効化され、しかも、対応付けられたそのEDCに関してだけではなく、付加的に予想される値に関しても無効にされるような仕方で、データEDC組み合わせの無効化を行うことができる。
【0083】
例えば、無効なアドレス、無効なトランザクションID、および/またはインターコネクトプロトコルに応じて無効な(通例、アドレスフェーズ中にトランザクションのタイプを示す)OPコード、および/または無効な制御信号組み合わせを、マスタ出力データメモリもしくはスレーブ出力データメモリに書き込むことができるが、これらは、使用されるインターコネクトプロトコルには重要ではない。
【0084】
一般にEDCの無効化が好ましい。というのは、この無効化は、最小の付加的な切換速度を伴い(例えば、ただ1つのEDCビットを切り換えるので十分である)、有効データまたはアドレスにおける制限についての問題、または新たな特徴を実現するためにあらかじめリザーブされたコードが利用される場合のプロトコル更新に関する問題を回避することができる。
【0085】
マスタ302が送信フェーズに移行し、これにより、データがその出力データメモリにおいて関係するようになると、これらの出力データメモリには、有効なデータEDC組み合わせが満たされる。
【0086】
無効化のためにどのデータが変更されたかに応じて、この変化は、元に戻すことが可能である。
【0087】
図3には(図2に類似して)、マスタスレーブシステム300が、種々異なる実施例にしたがって、図2に関連して説明した誤りをどのように回避するかが示されている。
【0088】
図3では、無効なデータEDC組み合わせが満たされているすべての出力データメモリが、破線の枠によって強調されている。このことは、非アクティブマスタ302nAの出力データメモリおよび非アクティブスレーブ304nAの出力データメモリに該当する。
【0089】
選択されたプロトコルにしたがってデータを伝送するように構成されていない場合、すべてのマスタ302およびすべてのスレーブ304が、それらの出力データメモリに無効なデータEDC組み合わせを記憶することにより、上で説明した誤り状況が発見され、この際にはビット切換速度の増大は、無視可能であってよい。例えば、EDCデータのLSB(Least Significant Bit)だけを切り換えるので十分であってよい。
【0090】
図3にもマーキングされている(1)で説明する誤り状況についてこのことが意味するのは、通信調停の後、誤りを有するアドレスフェーズ情報が、アクティブマスタ302Aとは別のそれぞれのマスタにより、誤りを有すると識別されることである。
【0091】
(2)で説明する誤り状況では、非アクティブマスタ302nAによって誤って送信されたそれぞれの制御信号は、この制御信号を受信するアクティブスレーブ304Aにより、誤りを有すると識別される。
【0092】
(3)で説明する誤り状況では、非アクティブスレーブ304nAによって誤って送信されたそれぞれの制御信号は、誤りを有すると識別され、非アクティブスレーブ304nAの出力データメモリから伝送された誤ったデータは、このデータを受信するアクティブマスタ302Aにおいて、誤りを有すると識別される。
【0093】
種々異なる実施例では、インターコネクトプロトコル補足が提供され、このインターコネクトプロトコル補足では、保護される情報(アドレスフェーズ、データフェーズ、制御情報)が、使用されるインターコネクトプロトコルにとって重要でない場合、接続されたすべてのマスタもしくはスレーブにより、データとEDC情報とから成る無効な組み合わせが、出力データメモリに供給される。これにより、情報の受信側に可能になるのは、非アクティブマスタまたは非アクティブスレーブからのコネクションエラーに起因して、無効な情報がこれらに到達する状況において、誤りを発見することである。
【0094】
図5には、少なくとも1つのマスタ出力データメモリを備えた少なくとも1つのマスタ、少なくとも1つのスレーブ、および、少なくとも1つのマスタと少なくとも1つのスレーブとを接続するインタフェースを有するマスタスレーブシステムを動作させる方法の流れ図500が示されている。
【0095】
この方法は、マスタの送信モードにおいて、インタフェースを用いた伝送のために、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶すること(510)と、マスタの非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを少なくとも1つのマスタ出力データメモリに記憶すること(520)とを有していてよい。
【0096】
図6には、少なくとも1つのスレーブ出力データメモリを備えた少なくとも1つのスレーブ、少なくとも1つのマスタ、および、少なくとも1つのマスタと少なくとも1つのスレーブとを接続するインタフェースを有するマスタスレーブシステムを動作させる方法の流れ図600が示されている。
【0097】
この方法は、スレーブの送信モードにおいて、インタフェースを用いた伝送のために、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶すること(610)と、スレーブの非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを少なくとも1つのスレーブ出力データメモリに記憶すること(620)とを有していてよい。
【0098】
以下ではまとめて、いくつかの実施例を示す。
【0099】
実施例1は、マスタスレーブ通信システムのマスタである。マスタスレーブシステムは、少なくとも1つのマスタと少なくとも1つのスレーブとを接続するインタフェースを有する。少なくとも1つのマスタは、送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、少なくとも1つのマスタはさらに、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するように構成されており、マスタは、選択的にマスタ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0100】
実施例2は、マスタスレーブ通信システムのスレーブである。マスタスレーブ通信システムは、スレーブと少なくとも1つのマスタとを接続するインタフェースを有する。少なくとも1つのスレーブは、送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、少なくとも1つのスレーブはさらに、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するように構成されており、スレーブは、選択的にスレーブ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0101】
実施例3は、実施例1記載の少なくとも1つのマスタと、少なくとも1つのスレーブと、を有するマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのスレーブは、送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送するように構成されており、少なくとも1つのスレーブはさらに、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するように構成されており、スレーブは、選択的にスレーブ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0102】
実施例4は、実施例2記載のスレーブと、少なくとも1つのマスタと、を有するマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのマスタは、送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせをマスタ出力データメモリに伝送するように構成されており、少なくとも1つのマスタはさらに、非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力するように構成されており、マスタは、選択的にマスタ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0103】
実施例5は、実施例3または4のいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせから、誤り検出データの少なくとも1つのビットおよび/または出力データの少なくとも1つのビットを変更することによって生成される。
【0104】
実施例6は、実施例3から5までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせから、誤り検出データの少なくとも1つのビットおよび/または出力データの少なくとも1つのビットを反転することによって生成される。
【0105】
実施例7は、実施例6記載のマスタスレーブ通信システムであり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせから、誤り検出データのすべてのビットを反転しかつ出力データのすべてのビット保持することによって生成される。
【0106】
実施例8は、実施例6記載のマスタスレーブ通信システムであり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせは、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせから、出力データのすべてのビットを反転しかつ誤り検出データのすべてのビットを保持することによって生成される。
【0107】
実施例9は、実施例3から8までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのスレーブはさらに、受信モードにおいて、インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の誤り検出データを用いて、データを検証するように構成されており、スレーブにおいて、誤りの結果として、非送信モードの少なくとも1つのマスタから受信されるデータが無効と識別される。
【0108】
実施例10は、実施例3から9までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのマスタはさらに、受信モードにおいて、インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データを受信し、所属の誤り検出データを用いてデータを検証するように構成されており、マスタにおいて、誤りの結果として、非送信モードの少なくとも1つのスレーブから受信されるデータが無効と識別される。
【0109】
実施例11は、実施例3から10までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのマスタは、複数のマスタを有し、複数のマスタのそれぞれは選択的に、少なくとも1つのマスタ出力データメモリを有する。
【0110】
実施例12は、実施例3から11までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであり、少なくとも1つのスレーブは、複数のスレーブを有し、複数のスレーブのそれぞれは選択的に、少なくとも1つのスレーブ出力データメモリを有する。
【0111】
実施例13は、実施例3から12までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムであって、インターコネクトプロトコルにしたがって、マスタとスレーブとの間のデータ伝送を実行するように構成されているマスタスレーブ通信システムである。
【0112】
実施例14は、実施例3から13までのいずれか1つに記載のマスタスレーブ通信システムを有するオンチップインターコネクトシステムであり、少なくとも1つのマスタ、少なくとも1つのスレーブおよびインタフェースが共通のチップ上に構成されている。
【0113】
実施例15は、インタフェースによって少なくとも1つのスレーブに接続されているマスタを動作させる方法であり、この方法は、マスタの送信モードにおいて、インタフェースを用いて、マスタ出力データメモリに、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送することと、マスタの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力することとを有し、マスタは、選択的にマスタ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0114】
実施例16は、インタフェースによって少なくとも1つのマスタに接続されているスレーブを動作させる方法であり、この方法は、スレーブの送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送することと、スレーブの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力することとを有し、スレーブは、選択的にスレーブ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0115】
実施例17は、実施例15にしたがってマスタを動作させることを有する、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法であり、さらにスレーブの送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送することと、スレーブの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力することとを有し、スレーブは、選択的にスレーブ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをスレーブ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0116】
実施例18は、実施例16にしたがってスレーブを動作させることを有する、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法であり、さらにマスタの送信モードにおいて、インタフェースを用いて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを伝送することと、マスタの非送信モードにおいて、誤りのある出力要求の際に、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせを出力することとを有し、マスタは、選択的にマスタ出力データメモリを有し、かつ送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る有効な組み合わせを、また非送信モードにおいて、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせをマスタ出力データメモリに記憶するように構成されている。
【0117】
実施例19は、実施例17または18のいずれか1つに記載の方法であり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせの生成は、誤り検出データの少なくとも1つのビットを変更すること、および/または誤り検出データと出力データとの有効な組み合わせの出力データの少なくとも1つのビットを変更することを有する。
【0118】
実施例20は、実施例17から19までのいずれか1つに記載の方法であり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせの生成は、誤り検出データの少なくとも1つのビットを反転すること、および/または誤り検出データと出力データとの有効な組み合わせの出力データの少なくとも1つのビットを反転することを有する。
【0119】
実施例21は、実施例20記載の方法であり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせの生成は、誤り検出データのすべてのビットを反転することと、出力データのすべてのビットを保持することとを有する。
【0120】
実施例22は、実施例20記載の方法であり、出力データと所属の誤り検出データとから成る無効な組み合わせの生成は、出力データのすべてのビットを反転することと、誤り検出データのすべてのビットを保持することとを有する。
【0121】
実施例23は、実施例17から22までのいずれか1つに記載の方法であって、さらに、スレーブの受信モードにおいて、インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データをスレーブにおいて受信することと、所属の誤り検出データを用いてデータを検証することとを有する方法であり、スレーブにおいて、誤りの結果として、非送信モードの少なくとも1つのマスタから受信されるデータを無効と識別する。
【0122】
実施例24は、実施例17から23までのいずれか1つに記載の方法であって、さらに、マスタの受信モードにおいて、インタフェースを用いて、データおよび所属の誤り検出データをマスタにおいて受信することと、所属の誤り検出データを用いてデータを検証することとを有する方法であり、マスタにおいて、誤りの結果として、非送信モードの少なくとも1つのスレーブから受信されるデータを無効と識別する。
【0123】
実施例25は、実施例17から24までのいずれか1つに記載の方法であり、少なくとも1つのマスタは、複数のマスタを有し、複数のマスタのそれぞれは選択的に、少なくとも1つのマスタ出力データメモリを有する。
【0124】
実施例26は、実施例17から25までのいずれか1つに記載の方法であり、少なくとも1つのスレーブは、複数のスレーブを有し、複数のスレーブのそれぞれは選択的に、少なくとも1つのスレーブ出力データメモリを有する。
【0125】
実施例27は、実施例17から26までのいずれか1つに記載の方法であり、インターコネクトプロトコルに基づいて、マスタとスレーブとの間のデータ伝送を行う。
【0126】
実施例28は、少なくとも1つのマスタ、少なくとも1つのスレーブおよびインタフェースが共通のチップ上に構成されているオンチップインターコネクトシステムを動作させる方法であり、この方法は、実施例17から27までのいずれか1つに記載の、マスタスレーブ通信システムを動作させる方法を有する。
【0127】
上記の装置の別の有利な実施形態は、方法の説明から明らかになり、またこの逆も成り立つ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】