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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142844
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】防犯装置、および防犯方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 15/00 20060101AFI20220926BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G08B15/00
G08B25/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043072
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯野 祐典
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084BB31
5C084CC16
5C084DD11
5C084DD41
5C084GG78
5C084HH02
5C087AA37
5C087DD05
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】不法侵入の抑止力を向上すること。
【解決手段】防犯装置は、センサの出力結果から動体を検出する動体検出部と、動体検出部が動体を検出した場合に、撮像装置を制御して動体を撮影する撮影制御部と、撮像装置が撮影した動体の映像データに基づいて、動体が人物である否かを判定する人物検出部と、人物検出部が人物を検出した場合、人物に対して警告音声をスピーカから出力させる出力制御部と、を備える。出力制御部は、人物検出部が検出した人物の状況に応じて、警告音声を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの出力結果から動体を検出する動体検出部と、
前記動体検出部が動体を検出した場合に、撮像装置を制御して前記動体を撮影する撮影制御部と、
前記撮像装置が撮影した前記動体の映像データに基づいて、前記動体が人物である否かを判定する人物検出部と、
前記人物検出部が人物を検出した場合、前記人物に対して警告音声をスピーカから出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、前記人物検出部が検出した人物の状況に応じて、前記警告音声を変更する、
防犯装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記人物検出部が検出した人物の状況に応じて、前記警告音声の警告レベルを変更する、
請求項1に記載の防犯装置。
【請求項3】
前記出力制御部が前記警告音声を出力した後、前記人物検出部が検出した人物が滞在し続けた場合に、
前記出力制御部は、前記警告音声の警告レベルを変更する、
請求項2に記載の防犯装置。
【請求項4】
前記人物検出部が検出した人物が使用する言語を判別する判別部を備え、
前記出力制御部は、前記警告音声を前記判別部が判定した言語で出力させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の防犯装置。
【請求項5】
センサの出力結果から動体を検出するステップと、
前記動体を検出した場合に、撮像装置を制御して前記動体を撮影するステップと、
前記撮像装置が撮影した前記動体の映像データに基づいて、前記動体が人物である否かを判定するステップと、
前記人物を検出した場合、前記人物に対して警告音声をスピーカから出力させるステップと、
前記人物の状況に応じて、前記警告音声を変更するステップと、
を含む、防犯方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯装置、および防犯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人の住宅などに不法に侵入した侵入者を検知する防犯装置が知られている。例えば、特許文献1には、不審者侵入時を自動検知し、音声で警告し、必要な場合は必要な時間のみ画像を撮影、蓄積する防犯システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-216005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防犯カメラの位置を侵入者に認知されると、侵入者は防犯カメラに映らないように移動したり、防犯カメラを操作して機能を破壊したりする可能性がある。防犯設備を侵入者に認知され難く不法侵入の抑止力を向上することのできる防犯装置が望まれている。
【0005】
本発明は、不法侵入の抑止力を向上することのできる防犯装置、および防犯方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防犯装置は、センサの出力結果から動体を検出する動体検出部と、前記動体検出部が動体を検出した場合に、撮像装置を制御して前記動体を撮影する撮影制御部と、前記撮像装置が撮影した前記動体の映像データに基づいて、前記動体が人物である否かを判定する人物検出部と、前記人物検出部が人物を検出した場合、前記人物に対して警告音声をスピーカから出力させる出力制御部と、を備え、前記出力制御部は、前記人物検出部が検出した人物の状況に応じて、前記警告音声を変更する。
【0007】
本発明に係る防犯方法は、センサの出力結果から動体を検出するステップと、前記動体を検出した場合に、撮像装置を制御して前記動体を撮影するステップと、前記撮像装置が撮影した前記動体の映像データに基づいて、前記動体が人物である否かを判定するステップと、前記人物検出部が人物を検出した場合、前記人物に対して警告音声をスピーカから出力させるステップと、前記人物検出部が検出した人物の状況に応じて、前記警告音声を変更するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不法侵入の抑止力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る防犯装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る防犯処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第2実施形態に係る防犯システムの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第2実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、第2実施形態に係るサーバ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態に係る防犯装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る防犯装置の構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係る防犯装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、防犯装置10は、動体センサ12と、撮像装置14と、スピーカ16と、記憶部18と、通信部20と、制御部22と、を備える。防犯装置10は、例えば、住宅に設置され、不審者による不法侵入を防止する。以下では、防犯装置10は、住宅に設置されているものとして説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0013】
動体センサ12は、動体を検出するセンサである。動体センサ12は、例えば、赤外線センサ、カメラなどで実現される。動体センサ12は、例えば、門、玄関、外壁の近傍にいる人物を検出できるように配置されている。
【0014】
撮像装置14は、住宅の周辺の映像を撮影する。撮像装置14は、例えば、住宅に侵入しようとしている不審者の映像を撮影する。撮像装置14は、動体センサ12が検出した人物を検出できるように配置されている。撮像装置14は、不審者から気付きにくいように配置されていることが好ましい。撮像装置14は、例えば、ドーム型のカメラである。
【0015】
スピーカ16は、各種音声を出力する。スピーカ16は、住宅に侵入しようとしている不審者に対して警告音声を出力する。スピーカ16は、例えば、住宅の外に配置されている。スピーカ16は、住宅内に配置されていてもよい。
【0016】
記憶部18は、制御部22の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0017】
通信部20は、他の外部装置との間で情報の送受信を行う。通信部20は、例えば、警察などの公的機関に配置されている管理サーバ、セキュリティ会社に配置されている管理サーバなどとの間で情報の送受信を行う。通信部20は、例えば、Wi-Fi(登録)などの通信モジュールで構成されている。
【0018】
制御部22は、防犯装置10の各部の動作を制御する。制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部18に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部22は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部22は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0019】
制御部22は、動体検出部30と、撮影制御部32と、人物検出部34と、判別部36と、出力制御部38と、分析部40と、通報部42と、を備える。
【0020】
動体検出部30は、動体センサ12を制御して、住宅の周辺から動体を検出する。動体検出部30は、動体が検出された場合、動体が検出されている継続時間が所定時間以上であるか否かを判定する。所定時間は、例えば、20秒であるが、これに限定されない。所定時間は、任意に設定してもよい。
【0021】
撮影制御部32は、撮像装置14を制御して、住宅の周辺を撮影させる。撮影制御部32は、例えば、動体センサ12が所定時間以上継続して動体を検出した場合に、その動体を、撮影させる。撮影制御部32は、撮像装置14が撮影した映像データを取得する。撮影制御部32は、撮像装置14から取得した映像データを記憶部18に記憶させる。
【0022】
人物検出部34は、人物を検出する。人物検出部34は、撮影制御部32が撮像装置14から取得した映像データに基づいて、人物を検出する。人物検出部34は、例えば、記憶部18が記憶している図示しない辞書データに基づいて、動体が人物であるか否かを判定する。
【0023】
判別部36は、撮影制御部32が取得した映像データに含まれる人物の使用言語を判別する。判別部36は、例えば、図示しない収音部によって映像データに含まれる人物の音声を検出し、図示しない音声認識部を用いて、映像データに含まれる人物の使用言語を判別してもよい。判別部36は、例えば、撮影制御部32が取得した映像データに含まれる人物の人種を判別する。判別部36は、例えば、記憶部18に記憶された図示しない辞書データを用いて、映像データに含まれる人物の人種を判定することで、その人物の使用言語を判別する。判別部36は、例えば、映像データに含まれる人物が外国人であると判別した場合には、使用言語をデフォルトで英語を選択するようにしてもよい。
【0024】
出力制御部38は、スピーカ16を制御して、音声を出力させる。出力制御部38は、スピーカ16を制御して、人物検出部34が検出した人物に対して警告音声を出力させる。出力制御部38は、例えば、人物検出部34が検出した人物に対して、判別部36が判定した言語で警告音声を出力させる。出力制御部38は、例えば、人物検出部34が検出した人物の状況に応じて、警告音声を変更する。
【0025】
分析部40は、撮影制御部32が取得した映像データに基づいて、不審者である人物の状況を分析する。分析部40は、例えば、スピーカ16から警告音声が発せられた後の、不審者の状況を分析する。
【0026】
通報部42は、通信部20を介して、通報を行う。通報部42は、例えば、通信部20を介して、警察またはセキュリティ会社などに通報を行う。
【0027】
[処理内容]
図2を用いて、第1実施形態に係る防犯処理の流れについて説明する。図2は、第1実施形態に係る防犯処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0028】
制御部22は、動体を検出したか否かを判定する(ステップS10)。具体的には、動体検出部30は、動体センサ12から動体を検出した検出結果を取得した場合に、動体を検出したと判定する。動体を検出したと判定された場合(ステップS10;Yes)、ステップS12に進む。動体を検出したと判定されない場合(ステップS10;No)、図2の処理を終了する。
【0029】
ステップS10でYesと判定された場合、制御部22は、所定時間以上継続して動体を検知したか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、動体検出部30は、例えば、20秒以上継続して動体が検出されている場合に、所定時間以上継続して動体を検知したと判定する。所定時間以上継続して動体を検知したと判定された場合(ステップS12;Yes)、ステップS14に進む。所定時間以上継続して動体を検知したと判定されない場合(ステップS12;No)、図2の処理を終了する。
【0030】
ステップS12でYesと判定された場合、制御部22は、動体の録画を開始する(ステップS14)。具体的には、撮影制御部32は、撮像装置14を制御して、動体を撮影し、動体を撮影した映像データを記憶部18に記憶させる。そして、ステップS16に進む。
【0031】
制御部22は、検出した動体が人物であるか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、人物検出部34は、例えば、記憶部18に記憶された辞書データを用いて、撮像装置14が撮影した映像データに含まれる動体が人物であるか否かを判定する。検出した動体が人物であると判定された場合(ステップS16;Yes)、ステップS18に進む。検出した動体が人物であると判定されない(ステップS16;No)、図2の処理を終了する。
【0032】
ステップS16でYesと判定された場合、制御部22は、検出された人物(以下、不審者とも呼ぶ)の使用言語を判別できたか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、判別部36は、例えば、撮像装置14が撮影した映像データに基づいて、不審者の使用言語を判別する。例えば、判別部36は、記憶部18に記憶された図示しない辞書データを用いて、不審者の人種を特定することで、使用言語を判別する。例えば、判別部36は、不審者の音声を図示しないマイクで検出し、検出された音声から使用言語を判別してもよい。不審者の使用言語を判別できた場合(ステップS18;Yes)、ステップS20に進む。不審者の使用言語を判別できない場合(ステップS18;No)、ステップS22に進む。
【0033】
ステップS18でYesと判定された場合、制御部22は、不審者に対して判別した言語で警告する(ステップS20)。具体的には、出力制御部38は、スピーカ16を制御して、ステップS18で判別された使用言語により警告音声を出力させる。例えば、出力制御部38は、スピーカ16を制御して、「誰かいるの?」といった警告音声を、ステップS18で判別された使用言語により出力する。使用言語に関するデータは、例えば、記憶部18に記憶されていてもよいし、図示しない外部装置から取得してもよい。そして、ステップS24に進む。
【0034】
ステップS18でNoと判定された場合、制御部22は、不審者に対してデフォルトの言語で警告する(ステップS22)。具体的には、出力制御部38は、スピーカ16を制御して、デフォルトの言語で警告音声を出力させる。デフォルトの言語は、日本語であってもよいし、その他の言語であってもよい。デフォルトの言語は、任意に設定できるようにしてよい。出力制御部38は、例えば、デフォルトの言語で警告音声を出力させる場合には、複数の言語で順番に警告音声を出力するようにしてもよい。出力制御部38は、例えば、日本語の警告音声、中国語の警告音声、韓国語の警告音声を順番に出力するようにしてもよい。この場合、例えば、判別部36が不審者の使用言語を推定して、不審者の使用言語として可能性の高い言語の警告音声から順番に出力させるようにしてもよい。そして、ステップS24に進む。
【0035】
ステップS20またはステップS22の後、制御部22は、不審者が逃亡したか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、分析部40は、例えば、不審者の状況を撮影制御部32が取得した撮影データに基づいて分析し、不審者が住宅から離れる方向の移動した場合に不審者が逃亡したと判定する。分析部40は、例えば、不審者が住宅から離れる方向の移動した後、所定時間経過しても不審者が人物検出部34により検出されなかった場合に不審者が逃亡したと判定してもよい。不審者が逃亡したと判定された場合(ステップS24;Yes)、図2の処理を終了する。不審者が逃亡したと判定されない場合(ステップS24;No)、ステップS26に進む。
【0036】
制御部22は、警告方法を変えて再警告を行う(ステップS26)。具体的には、出力制御部38は、ステップS20またはステップS22で行った警告とは警告方法を変えて再警告を行う。より具体的には、出力制御部38は、例えば、スピーカ16を制御して、ステップS20またはステップS22で警告を行った言語とは異なる言語で警告音声を出力する。出力制御部38は、例えば、スピーカ16が住宅内に配置されている場合には、生活音を出力するようにしてもよい。生活音としては、赤ちゃんの泣き声、話し声、掃除機の音などが例示されるが、これらに限定されない。出力制御部38は、例えば、スピーカ16を制御して、ブザー音を出力してもよい。すなわち、出力制御部38は、分析部40による人物検出部34が検出した人物の状況に応じて、警告音声の警告レベルを変更する。
【0037】
制御部22は、不審者が逃亡したか否かを判定する(ステップS28)。具体的な処理は、ステップS24の処理と同一なので、説明を省略する。不審者が逃亡したと判定された場合(ステップS28;Yes)、図2の処理を終了する。不審者が逃亡したと判定されない場合(ステップS28;No)、ステップS30に進む。
【0038】
ステップS28でNoと判定された場合、制御部22は、不審者が住宅内に侵入する恐れがあるか否かを判定する(ステップS30)。具体的には、分析部40は、例えば、ドアなどに設けられた図示しない振動センサがドアの振動を検知したり、キーシリンダセンサがキーシリンダへの工具などの挿入を検知したりした場合に、不審者が住宅内に侵入する恐れがあると判定する。分析部40は、例えば、撮像装置14から取得した映像データに基づいて、ドアに触れていたりすると判定した場合に、住宅内に侵入する恐れがあると判定してもよい。分析部40は、例えば、撮像装置14から取得した映像データに基づいて、不審者が住宅のドアなどに触れることなく滞在していると判定した場合には、住宅内に侵入する恐れがないと判定する。不審者が住宅内に侵入する恐れがあると判定された場合(ステップS30;Yes)、ステップS32に進む。不審者が住宅内に侵入する恐れがあると判定されない場合(ステップS30;No)、ステップS34に進む。
【0039】
ステップS30でYesと判定された場合、制御部22は、警告レベルを大きく変えて再警告を行う(ステップS32)。具体的には、出力制御部38は、ステップS20またはステップS22で行った警告とは警告レベルを変えて再警告を行う。より具体的には、出力制御部38は、例えば、ステップS20またはステップS22で行った警告と比べて比較的強い言い回しで警告音声を出力する。出力制御部38は、例えば、スピーカ16を制御して、「何しているんだ!」や「通報するぞ!」といった比較的強い言い回しで警告音声を出力させる。この場合、警告音声の音量は、周辺の住人にも聞こえるような音量であることが好ましい。出力制御部38は、例えば、スピーカ16を制御して、周辺の住人にも聞こえるような音量でブザー音を出力してもよい。出力制御部38は、例えば、スピーカ16が複数配置されている場合には、複数のスピーカ16からブザー音を出力するようにしてもよい。そして、ステップS36に進む。
【0040】
ステップS30でNoと判定された場合、制御部22は、警告レベルを小さく変えて再警告を行う(ステップS32)。具体的には、出力制御部38は、例えば、ステップS20またはステップS22で行った警告と比べて比較的強い言い回しであり、かつステップS32で行う警告と比べて比較的弱い言い回しで警告音声を出力する。そして、ステップS36に進む。すなわち、本実施形態では、出力制御部38は、不審者が滞在し続けた場合に、警告音声の警告レベルを変更する。
【0041】
ステップS32またはステップS34の後、制御部22は、不審者が逃亡したか否かを判定する(ステップS36)。具体的な処理は、ステップS24の処理と同一なので、説明を省略する。不審者が逃亡したと判定された場合(ステップS34;Yes)、図2の処理を終了する。不審者が逃亡したと判定されない場合(ステップS34;No)、ステップS38に進む。
【0042】
ステップS36でNoと判定された場合、制御部22は、通報を行う(ステップS38)。具体的には、通報部42は、通信部20を介して、警察やセキュリティ会社などに通報を行う。そして、図2の処理を終了する。
【0043】
上述のとおり、第1実施形態は、不審者に対して警告を行い、警告に対する不審者の反応に応じて、警告の方法を変えたり、警告レベルを切り替えたりする。これにより、不審者に監視されている意識を持たせ、不法侵入の抑止力を向上させることができる。
【0044】
また、第1実施形態は、不審者の使用言語を判別または推定し、判定または推定された言語を用いて、警告音声を出力する。これにより、不審者の使用言語や国籍を問わず、不法侵入の抑止力を向上させることができる。
【0045】
[第2実施形態]
図3を用いて、第2実施形態に係る防犯システムについて説明する。図3は、第2実施形態に係る防犯システムの構成例を示すブロック図である。
【0046】
図3に示すように、防犯システム1は、防犯装置10と、サーバ装置100と、を含む。防犯装置10と、サーバ装置100とは、有線または無線で構成されたネットワークNを介して、通信可能に接続されている。第2実施形態では、不審者の使用言語の判別などをサーバ装置100で行う。サーバ装置100は、防犯装置10よりも各種の処理を精度よく実行することができる。
【0047】
[サーバ装置]
図4を用いて、第2実施形態に係るサーバ装置の構成例について説明する。図4は、第2実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【0048】
サーバ装置100は、記憶部102と、通信部104と、制御部106と、を備える。サーバ装置100は、いわゆるクラウドサーバであってもよい。
【0049】
記憶部102は、制御部106の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0050】
通信部104は、他の外部装置との間で情報の送受信を行う。通信部104は、例えば、防犯装置10から不審者を撮影した映像データを受信する。通信部104は、例えば、防犯装置10から受信した映像データの分析結果を防犯装置に取得する。通信部104は、例えば、Wi-Fi(登録)などの通信モジュールで構成されている。
【0051】
制御部106は、サーバ装置100の各部の動作を制御する。制御部106は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部102に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部106は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部106は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0052】
制御部106は、取得部110と、人物検出部112と、判別部114と、を備える。
【0053】
取得部110は、各種情報を取得する。取得部110は、例えば、通信部104を介して、防犯装置10から撮像装置14が撮影した映像データを取得する。
【0054】
人物検出部112は、人物を検出する。人物検出部112は、取得部110が防犯装置50から取得した映像データに基づいて、人物を検出する。人物検出部34は、例えば、記憶部102が記憶している図示しない辞書データに基づいて、動体が人物であるか否かを判定する。
【0055】
判別部114は、取得部110が取得した映像データに含まれる人物の使用言語を判別する。判別部114は、例えば、取得部110が取得した映像データに含まれる人物の人種を判別する。判別部114は、例えば、記憶部102に記憶された図示しない辞書データを用いて、映像データに含まれる人物の人種を判定することで、その人物の使用言語を判別する。
【0056】
判別部114は、例えば、AI(Artificial Intelligence)モデルを用いて映像データに含まれる人物の使用言語を特定してもよい。この場合のAIモデルは、記憶部102に記憶されており、映像データに含まれる人物の使用言語を特定するためのモデルである。AIモデルは、人物の映像データと、その人物の使用言語を示す情報とを1つのデータセットとし、複数のデータセットを教師データとして学習して構築された、学習済みのAIモデルとなっている。判別部114は、学習済みのAIモデルに、取得部110が取得した映像データを入力して、映像データに含まれる人物の使用言語を特定する。なお、AIモデルとしては任意のモデルを用いてよい。AIモデルは、例えば、CNN(Conventional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)モデルを用いてよい。
【0057】
[処理内容]
図5を用いて、第2実施形態に係るサーバ装置の処理内容について説明する。図5は、第2実施形態に係るサーバ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0058】
制御部106は、防犯装置10から映像データを取得する(ステップS50)。具体的には、取得部110は、通信部104を介して、防犯装置10から動体を含む映像データを取得する。そして、ステップS52に進む。
【0059】
制御部106は、検出した動体は人物であるか否かを判定する(ステップS52)。具体的には、人物検出部112は、例えば、記憶部102に記憶された辞書データを用いて、防犯装置10から取得した映像データに含まれる動体が人物であるか否かを判定する。検出した動体が人物であると判定された場合(ステップS52;Yes)、ステップS54に進む。検出した動体が人物であると判定されない(ステップS52;No)、ステップS58に進む。
【0060】
ステップS52でYesと判定された場合、制御部106は、検出された人物の使用言語を判別する(ステップS54)。具体的には、判別部114は、記憶部102に記憶された図示しない辞書データを用いて、ステップS52で検出された人物の人種を判定することで、その人物の使用言語を判別する。判別部114は、記憶部102に記憶されたAIモデルを用いて、ステップS52で検出された人物の使用言語を判別してもよい。
【0061】
制御部106は、使用言語の判別結果を防犯装置10に送信する(ステップS56)。具体的には、判別部114は、通信部104を介して、ステップS54で判別された映像データに含まれる人物の使用言語に関する情報を防犯装置10に送信する。そして、図5の処理を終了する。
【0062】
ステップS52でNoと判別された場合、制御部106は、判別結果を防犯装置10に送信する(ステップS58)。具体的には、人物検出部112は、通信部104を介して、映像データに含まれる動体は人物でないことを示す判別結果を防犯装置10に送信する。そして、図5の処理を終了する。
【0063】
図6を用いて、第2実施形態に係る防犯装置の処理内容について説明する。図6は、第2実施形態に係る防犯装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS70およびステップS72の処理は、それぞれ、図2に示すステップS10およびステップS12の処理と同一なので、説明を省略する。
【0065】
ステップS72でYesと判定された場合、制御部22は、映像データをサーバ装置100に送信する(ステップS74)。具体的には、撮影制御部32は、撮像装置14から取得した映像データを、通信部20を介して、サーバ装置100に送信する。そして、ステップS76に進む。
【0066】
制御部22は、サーバ装置から映像データに含まれる動体は人物であったか否かを判定する(ステップS76)。具体的には、判別部36は、サーバ装置100から使用言語に関する情報を取得した場合に動体は人物であると判定し、人物でないことを示す判別結果を受信した場合に、動体は人物でないと判定する。動体は人物であったと判定された場合(ステップS76;Yes)、ステップS78に進む。動体は人物でないと判定された場合(ステップS76;No)、図6の処理を終了する。
【0067】
ステップS76でYesと判定された場合、制御部22は、サーバ装置100で判定された言語で警告を行う(ステップS78)。具体的には、出力制御部38は、スピーカ16を制御して、サーバ装置100で判別された言語で警告音声を出力する(ステップS78)。そして、ステップS80に進む。
【0068】
ステップS80からステップS94の処理は、それぞれ、図2に示すステップS24からステップS38の処理と同一なので、説明を省略する。
【0069】
上述のとおり、第2実施形態は、不審者の使用言語を防犯装置10よりも処理能力の高いサーバ装置100で判別を行う。これにより、第2実施形態は、不審者の使用言語をより適切に判別することができるので、不法侵入の抑止力をより向上させることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
10 防犯装置
12 動体センサ
14 撮像装置
16 スピーカ
18,102 記憶部
20,104 通信部
22,106 制御部
30 動体検出部
32 撮影制御部
34 人物検出部
36 判別部
38 出力制御部
40 分析部
42 通報部
100 サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6