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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142865
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】固体撮像装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220926BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220926BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 F
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043102
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】高塚 祐輔
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA19
4M118CA03
4M118CA22
4M118DA33
4M118DD04
4M118DD09
4M118EA01
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA33
4M118FA38
4M118GA02
4M118GA08
4M118GB04
4M118GB11
4M118GB15
4M118GC07
4M118GD04
4M118GD15
4M118HA24
4M118HA25
4M118HA30
5C024CX41
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GX24
5C024GY39
5C024GY41
5C024HX01
(57)【要約】
【課題】画質の劣化を抑制しつつ、高感度な画素を有する固体撮像装置および電子機器を提供する。
【解決手段】本開示の一側面の固体撮像装置は、第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、第1半導体基板の第1面に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、第1面側において第1基板に貼合され、複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読出し回路を備える第2基板、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、前記第1半導体基板の前記第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、
前記第1面側において前記第1基板に貼合され、前記複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える固体撮像装置。
【請求項2】
前記第1半導体基板の前記第2面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第2凹凸構造をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記画素は、光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された転送トランジスタと、前記転送トランジスタを介して前記光電変換素子から出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンとを備え、
前記画素トランジスタは、前記フローティングディフュージョンに保持された電荷に応じた電圧信号を前記画素信号として生成する増幅トランジスタと、前記増幅トランジスタからの前記画素信号の出力タイミングを制御する選択トランジスタとを備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1半導体基板において隣接する前記画素間に設けられた素子分離構造をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記光の入射方向から見た平面視において、前記転送トランジスタは、前記複数の画素のそれぞれにおいてほぼ同じ位置に配置されている、請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記転送トランジスタは、前記第1半導体基板内に埋め込まれた埋込みゲート電極を有する、請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記埋込みゲート電極の側面の一部に設けられた第1絶縁膜は、該ゲート電極の側面の他の部分に設けられた第2絶縁膜よりも膜厚において薄い、請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記画素トランジスタの少なくとも一部は、前記素子分離構造の下方に設けられている、請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記光の入射方向から見た平面視において、前記画素トランジスタの少なくとも一部は、前記素子分離構造に重複している、請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記光の入射方向から見た平面視において、前記第2基板の第1配線層は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1配線を含む、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記第1面に対する垂直断面において、前記第1または第2凹凸構造は、略三角形、略台形または略長方形の形状を有する、請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記第1または第2凹凸構造は、略四角錘、略円錐台、略角錐台、略円柱または略角柱の形状を有する、請求項11に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記光の入射方向から見た平面視において、複数の前記第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向にマトリクス状に配列されている、請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記光の入射方向から見た平面視において、複数の前記第1または第2凹凸構造は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列され、ストライプ状に構成されている、請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記光の入射方向から見た平面視において、前記第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向に延伸する十字形を有する、請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記第1凹凸構造と前記第2基板との間に設けられた反射部材をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電極プラグをさらに備えている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項18】
前記第1基板と前記第2基板との貼合によって、前記第1基板の配線と前記第2基板の配線とが接合されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項19】
前記第2基板に貼合され、前記画素信号を処理するロジック回路を有する第3基板をさらに備えている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項20】
第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、前記第1半導体基板の前記第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、
前記第1面側において前記第1基板に貼合され、前記複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える固体撮像装置を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)は、光電変換を行う光検出素子に単結晶シリコンで構成される。シリコンは、近赤外線の波長に対する感度を有しているものの、高感度を得るためにはシリコン層の膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、シリコン層の厚みを厚くすることは、隣接画素間での混色が増加し、画質を劣化させる原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-88532号公報
【特許文献2】特開2020-88380号公報
【特許文献3】特開2020-47734号公報
【特許文献4】特開2020-80342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画質の劣化を抑制しつつ、高感度な画素を有する固体撮像装置および電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面の固体撮像装置は、第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、第1半導体基板の第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、第1面側において第1基板に貼合され、複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える。
【0006】
第1半導体基板の第2面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第2凹凸構造をさらに備える。
【0007】
画素は、光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された転送トランジスタと、転送トランジスタを介して光電変換素子から出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンとを備え、画素トランジスタは、フローティングディフュージョンに保持された電荷に応じた電圧信号を画素信号として生成する増幅トランジスタと、増幅トランジスタからの画素信号の出力タイミングを制御する選択トランジスタとを備える。
【0008】
第1半導体基板において隣接する画素間に設けられた素子分離構造をさらに備える。
【0009】
光の入射方向から見た平面視において、転送トランジスタは、複数の画素のそれぞれにおいてほぼ同じ位置に配置されている。
【0010】
転送トランジスタは、第1半導体基板内に埋め込まれた埋込みゲート電極を有する。
【0011】
埋込みゲート電極の側面の一部に設けられた第1絶縁膜は、該ゲート電極の側面の他の部分に設けられた第2絶縁膜よりも膜厚において薄い。
【0012】
画素トランジスタの少なくとも一部は、素子分離構造の下方に設けられている。
【0013】
光の入射方向から見た平面視において、画素トランジスタの少なくとも一部は、素子分離構造に重複している。
【0014】
光の入射方向から見た平面視において、第2基板の第1配線層は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1配線を含む。
【0015】
第1面に対する垂直断面において、第1または第2凹凸構造は、略三角形、略台形または略長方形の形状を有する。
【0016】
第1または第2凹凸構造は、略四角錘、略円錐台、略角錐台、略円柱または略角柱の形状を有する。
【0017】
光の入射方向から見た平面視において、複数の第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向にマトリクス状に配列されている。
【0018】
光の入射方向から見た平面視において、複数の第1または第2凹凸構造は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列され、ストライプ状に構成されている。
【0019】
光の入射方向から見た平面視において、第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向に延伸する十字形を有する。
【0020】
第1凹凸構造と第2基板との間に設けられた反射部材をさらに備える。
【0021】
第1基板と第2基板との間に設けられた電極プラグをさらに備えている。
第1基板と第2基板との貼合によって、第1基板の配線と第2基板の配線とが接合されている。
【0022】
第2基板に貼合され、画素信号を処理するロジック回路を有する第3基板をさらに備えている。
【0023】
本開示の一側面の電子機器は、第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、第1半導体基板の第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、第1面側において第1基板に貼合され、複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える固体撮像装置を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態による撮像装置の構成例を示す概略図。
図2】画素および読出し回路の一例を示す回路図。
図3】画素および読出し回路の一例を示す回路図。
図4】画素および読出し回路の一例を示す回路図。
図5】画素および読出し回路の一例を示す回路図。
図6】複数の読出し回路と、複数の垂直信号線との接続態様の一例を示す図。
図7】撮像装置の垂直方向の断面構成の一例を示す図。
図8】第1凹凸構造および転送トランジスタの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図9】第2凹凸構造の平面レイアウトの一例を示す平面図。
図10】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図11】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図12】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図13】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図14】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図15】第1実施形態による撮像装置の製造方法の一例を示す断面図。
図16】第2実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図17】第2実施形態による撮像装置の構成例を示す平面図。
図18】第2実施形態による撮像装置の構成例を示す平面図。
図19】第3実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図20】第4実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図21】変形例1による第1凹凸構造および転送トランジスタの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図22】変形例1による第1凹凸構造および転送トランジスタの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図23】変形例2による第1および第2凹凸構造、転送トランジスタおよび読出し回路の配置を示す平面図。
図24】変形例2による第1および第2凹凸構造、転送トランジスタおよび読出し回路の配置を示す平面図。
図25】変形例3による第2基板の配線層の構成例を示す平面図。
図26】変形例3による第2基板の配線層の構成例を示す平面図。
図27】第5実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図28】第6実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図29】第7実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図30】第8実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図31】第9実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図32】第1面側の第1凹凸構造の構成例を示す平面図。
図33】第1面側の第1凹凸構造の構成例を示す平面図。
図34】第1面側の第1凹凸構造の構成例を示す平面図。
図35】第1面側の第1凹凸構造の構成例を示す平面図。
図36】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図37】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図38】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図39】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図40】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図41】第2面F2側の第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図42】第1または第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図43】第1または第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図44】第1または第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図45】第1または第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図46】第1または第2凹凸構造の構成例を示す平面図。
図47】第10実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図48】反射部材の構成例を示す平面図。
図49】反射部材の構成例を示す平面図。
図50】反射部材の構成例を示す平面図。
図51】反射部材の構成例を示す平面図。
図52】第11実施形態による撮像装置の構成例を示す断面図。
図53】本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図。
図54】撮像部の設置位置の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による撮像装置1の構成例を示す概略図である。撮像装置1は、第1基板10と、第2基板20と、第3基板30とを備えている。撮像装置1は、第1~第3基板10、20、30を貼り合わせて構成された3次元構造となっている。第1基板10、第2基板20および第3基板30は、この順に積層されている。
【0027】
第1基板10は、半導体基板11に、光電変換を行う複数の画素12を有している。半導体基板11は、例えば、シリコン基板である。複数の画素12は、第1基板10における画素領域13内に行列状に設けられている。第2基板20は、半導体基板21に、画素12から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読出し回路22を、4つの画素12ごとに1つずつ有している。半導体基板21は、例えば、シリコン基板である。第2基板20は、行方向に延在する複数の画素駆動線23と、列方向に延在する複数の垂直信号線24とを有している。第3基板30は、半導体基板31に、画素信号を処理するロジック回路32を有している。半導体基板31は、例えば、シリコン基板である。ロジック回路32は、例えば、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、水平駆動回路35およびシステム制御回路36を有している。ロジック回路32(具体的には水平駆動回路35)は、画素12ごとの出力電圧Voutを外部に出力する。ロジック回路32では、例えば、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、CoSiやNiSiなどのシリサイドからなる低抵抗領域が形成されていてもよい。
【0028】
垂直駆動回路33は、例えば、複数の画素12を行単位で順に選択する。カラム信号処理回路34は、例えば、垂直駆動回路33によって選択された行の各画素12から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路34は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各画素12の受光量に応じた画素データを保持する。水平駆動回路35は、例えば、カラム信号処理回路34に保持されている画素データを順次、外部に出力する。システム制御回路36は、例えば、ロジック回路32内の各ブロック(垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34および水平駆動回路35)の駆動を制御する。
【0029】
図2は、画素12および読出し回路22の一例を示す回路図である。以下では、図2に示したように、4つの画素12が1つの読出し回路22を共有している場合について説明する。ここで、「共有」とは、4つの画素12の出力が共通の読出し回路22に入力されることを指している。
【0030】
各画素12は、互いに共通の構成要素を有している。図2には、各画素12の構成要素を互いに区別するために、各画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号(1,2,3,4)が付与されている。以下では、各画素12の構成要素を互いに区別する必要のある場合には、各画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号を付与するが、各画素12の構成要素を互いに区別する必要のない場合には、各画素12の構成要素の符号の末尾の識別番号を省略する。
【0031】
各画素12は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPDは、本開示の「光電変換素子」の一具体例に相当する。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードが転送トランジスタTRのソースに電気的に接続されており、フォトダイオードPDのアノードが基準電位線(例えばグラウンド)に電気的に接続されている。転送トランジスタTRのドレインがフローティングディフュージョンFDに電気的に接続され、転送トランジスタTRのゲートは画素駆動線23に電気的に接続されている。転送トランジスタTRは、例えば、CMOSトランジスタである。
【0032】
1つの読出し回路22を共有する各画素12のフローティングディフュージョンFDは、互いに電気的に接続されるとともに、共通の読出し回路22の入力端に電気的に接続されている。読出し回路22は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。なお、選択トランジスタSELは、必要に応じて省略してもよい。リセットトランジスタRSTのソース(読出し回路22の入力端)がフローティングディフュージョンFDに電気的に接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースが選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソース(読出し回路22の出力端)が垂直信号線24に電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。
【0033】
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、読出し回路22からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷量に応じた電圧信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷量に応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線24を介してカラム信号処理回路34に出力する。リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELは、例えば、CMOSトランジスタである。
【0034】
なお、図3に示したように、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。また、図4図5に示したように、FD転送トランジスタFDGが、リセットトランジスタRSTのソースと増幅トランジスタAMPのゲートとの間に設けられていてもよい。
【0035】
FD転送トランジスタFDGは、変換効率を切り替える際に用いられる。一般に、暗い場所での撮影時には画素信号が小さい。Q=CVに基づき、電荷電圧変換を行う際に、フローティングディフュージョンFDの容量(FD容量C)が大きければ、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のFD電圧Vが小さくなってしまう。一方、明るい場所では、画素信号が大きくなるので、FD容量Cが小さいと、フローティングディフュージョンFDで、フォトダイオードPDの電荷を受けきれない。さらに、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のVが大きくなりすぎないように(言い換えると、小さくなるように)、FD容量Cが大きくなっている必要がある。これらを踏まえると、FD転送トランジスタFDGをオンにしたときには、FD転送トランジスタFDG分のゲート容量が増えるので、全体のFD容量Cが大きくなる。一方、FD転送トランジスタFDGをオフにしたときには、全体のFD容量Cが小さくなる。このように、FD転送トランジスタFDGをオン/オフに切り替えることで、FD容量Cを可変にし、変換効率を切り替えることができる。
【0036】
図6は、複数の読出し回路22と、複数の垂直信号線24との接続態様の一例を示す図である。複数の読出し回路22が、垂直信号線24の延在方向(例えば列方向)に並んで配置されている場合、複数の垂直信号線24は、読出し回路22ごとに1つずつ割り当てられていてもよい。例えば、図6に示したように、4つの読出し回路22が、垂直信号線24の延在方向(例えば列方向)に並んで配置されている場合、4つの垂直信号線24が、読出し回路22ごとに1つずつ割り当てられていてもよい。
【0037】
図7は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一例を示す図である。図7には、撮像装置1において、画素12と対向する箇所の断面構成が例示されている。撮像装置1は、第1基板10、第2基板20および第3基板30をこの順に積層して構成されている。なお、図7では、第1および第2基板10、20は、第1面F1および第3面F3(表面)側を-Z方向(下方)に向けて配置されている。一方、第3基板30は、第5面F5(表面)側を+Z方向(上方)に向けて配置されている。従って、第1および第2基板10、20と第3基板30とで、上下の説明が逆となる場合がある。
【0038】
第1基板10は、第1半導体基板としての半導体基板11を備えている。半導体基板11には、例えば、p型シリコン基板が用いられ、あるいは、p型ウェルが設けられている。半導体基板11の第2面F2には、カラーフィルタ40および受光レンズ50が設けられている。半導体基板11の第2面(裏面)F2は、光を入射する光入射面である。カラーフィルタ40および受光レンズ50は、それぞれ、例えば、画素12ごとに1つずつ設けられている。このように、撮像装置1は、裏面照射型CISとなっている。
【0039】
一方、半導体基板11の第1面(表面)F1上には、絶縁層46が設けられている。絶縁層46は、半導体基板11と半導体基板21との間に設けられている。絶縁層46には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。
【0040】
半導体基板11内には、画素12ごとに、n型のPD(Photo Diode)41が設けられている。PD41は、n型半導体領域で構成されている。さらに、半導体基板11の第1面F1側には、フローティングディフュージョンFDが設けられている。フローティングディフュージョンFDは、例えば、n型半導体領域で構成されている。また、半導体基板11の第1面F1側には、転送トランジスタTRが設けられている。転送トランジスタTRは、PD41およびフローティングディフュージョンFDの近傍に配置され、PD41に蓄積された電荷をフローティングディフュージョンFDへ転送する。
【0041】
第1基板10は、フォトダイオードPD、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDを画素12ごとに有している。第1基板10は、第2面(光入射面)F2とは反対の第1面F1側に、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDを有する。第1基板10は、互いに隣接する画素12同士を電気的に分離する素子分離部43を有している。素子分離部43は、互いに隣接する2つの画素12の間に設けられている。素子分離部43は、半導体基板11の第1面F1または第2面F2に対して垂直方向(光の入射方向:Z方向)に延在している。素子分離部43は、例えば、半導体基板11の第2面F2から所定の深さまで形成されたDTI(Deep Trench Isolation)である。ただし、素子分離部43は、半導体基板11の第2面F2から第1面F1まで半導体基板11を貫通していてもよい。素子分離部43には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。
【0042】
図示しないが、第1基板10は、例えば、素子分離部43の側面に設けられたp型ピニング層、および、半導体基板11の第2面F2に接する負の固定電荷膜を有してもよい。固定電荷膜は、半導体基板11の受光面側の界面準位に起因する暗電流の発生を抑制するため、負に帯電している。
【0043】
第2基板20は、半導体基板21を備えている。半導体基板21には、例えば、p型シリコン基板が用いられ、あるいは、p型ウェルが設けられている。半導体基板21の第4面(裏面)F4は、第1基板10の第1面(表面)F1側の絶縁層46と貼合している。即ち、第2基板20は、第1基板10に対して、フェイストゥーバックで貼り合わされている。
【0044】
一方、半導体基板21の第3面(表面)F3側には、層間絶縁膜51および配線層55が設けられている。層間絶縁膜51および配線層55は、半導体基板21と半導体基板31との間において積層されており、多層配線層として構成されている。層間絶縁膜51には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。配線層55には、例えば、銅等の低抵抗金属材料が用いられる。
【0045】
第2基板20は、例えば、4つの画素12ごとに、1つの読出し回路22を有している。第2基板20は、半導体基板21の第3面F3上に読出し回路22を有する。読出し回路22は、例えば、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRST等を含む。これにより、読出し回路22は、複数の画素12から出力された電荷に基づく画素信号を第3基板30のロジック回路32へ出力することができる。
【0046】
第1基板10と第2基板20との間には、電極プラグ54が設けられている。電極プラグ54は、例えば、第2基板20の配線層55の一部と第1基板10のフローティングディフュージョンFDとの間、あるいは、第2基板20の配線層55の一部と第1基板10の転送トランジスタTRのゲート電極TGとの間に接続されている。電極プラグ54は、層間絶縁膜51および絶縁層46をZ方向に貫通して第1基板10と第2基板20との間を電気的に接続することができる。
【0047】
第2基板20の層間絶縁膜51内には、電極プラグ56が設けられている。電極プラグ56は、層間絶縁膜51内をZ方向に延伸しており、例えば、読出し回路22を構成する増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRST等のゲート、ソースまたはドレインと配線層55のいずれかとの間を接続する。電極プラグ54、56には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属材料が用いられる。
【0048】
配線層55は、例えば、複数の画素駆動線および複数の垂直信号線を含む。従って、転送トランジスタTRは、配線層55から電極プラグ54を介して転送トランジスタTRのゲート電極TGに接続される。
【0049】
また、読出し回路22が4つの画素12ごとに1つずつ設けられている場合、配線層55は、4つのフローティングディフュージョンFDと1つの増幅トランジスタAMPとの間を接続する配線を含む。
【0050】
複数のパッド電極58が配線層55の一部として第3基板30側に設けられており、第2基板20の層間絶縁膜51から露出している。各パッド電極58には、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)などの低抵抗金属材料が用いられる。各パッド電極58は、第2基板20と第3基板30との電気的な接続と、第2基板20と第3基板30との貼り合わせに用いられる。
【0051】
第3基板30は、半導体基板31を備えている。半導体基板31には、例えば、p型シリコン基板が用いられ、あるいは、p型ウェルが設けられている。半導体基板31の第5面(表面)F5は、層間絶縁膜61および配線層65が設けられている。層間絶縁膜61および配線層65は、半導体基板31と第2基板20との間において積層されており、多層配線層として構成されている。層間絶縁膜61には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。配線層65には、例えば、銅等の低抵抗金属材料が用いられる。
【0052】
また、第3基板30の第5面(表面)側の層間絶縁膜61は、第2基板20の第3面(表面)F3側の層間絶縁膜51と貼合している。即ち、第3基板30は、第2基板20に対して、フェイストゥーフェイスで貼り合わされている。
【0053】
第3基板30は、半導体基板31の第5面F5上に設けられたロジック回路32を有する。複数のパッド電極68が配線層65の一部として第2基板20側に設けられており、第3基板の層間絶縁膜61から露出している。各パッド電極68には、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)などの低抵抗金属材料が用いられる。各パッド電極68は、第2基板20と第3基板30との電気的な接続と、第2基板20と第3基板30との貼り合わせに用いられる。第2基板20および第3基板30は、パッド電極58とパッド電極68との接合によって、互いに電気的に接続されている。パッド電極68は、他の配線層65を介してロジック回路32に電気的に接続されている。従って、読出し回路22は、電極プラグ54、配線層55、パッド電極58、68、配線層65を介して、ロジック回路32のいずれかに電気的に接続されている。例えば、転送トランジスタTR、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTの各ゲート電極は、電極プラグ54、配線層55、パッド電極58、68、配線層65を介して、ロジック回路32のいずれかに電気的に接続されている。
【0054】
ここで、第1基板10の半導体基板11の第1表面F1には、第1凹凸構造101がPD41に向かってZ方向に突出するように設けられている。第1凹凸構造101は、半導体基板11とは異なる材料からなる。例えば、半導体基板11にシリコン単結晶が用いられている場合、第1凹凸構造101には、シリコン酸化膜等の半導体基板11よりも屈折率の低い材料が望まれる。これにより、第2面F2から画素12へ入射した光が半導体基板11と第1凹凸構造101との間の界面において回折または反射しやすくなる。
【0055】
また、半導体基板11の第2表面F2には、第2凹凸構造102がPD41に向かって-Z方向に突出するように設けられている。第2凹凸構造102も、半導体基板11とは異なる材料からなる。例えば、半導体基板11にシリコン単結晶が用いられている場合、第2凹凸構造102には、シリコン酸化膜等の半導体基板11よりも屈折率の低い材料が望まれる。これにより、第2面F2から画素12へ光が入射しやすく、かつ、半導体基板11と第2凹凸構造102との間の界面において回折または反射しやすくなる。
【0056】
このように、半導体基板11と第1凹凸構造101との間の界面および半導体基板11の第2凹凸構造102との間の界面において、光を回折または反射し合うことによって、PD41における光電変換効率が向上する。また、半導体基板11と第1凹凸構造101との間の界面において、より多くの光を回折または反射するほど、第2および第3基板20、30へ進入する光が少なくなる。これにより、第2基板20の読出し回路22における暗電流およびノイズを抑制し、あるいは、第3基板30のロジック回路32における誤動作の抑制につながる。
【0057】
図8は、第1凹凸構造101および転送トランジスタTRの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図8は、光の入射方向(Z方向)から見た平面視における第1凹凸構造101および転送トランジスタTRの配置を示す。
【0058】
図8には、4つの画素12に対応する第1凹凸構造101が示されている。1つの画素12には、複数の第1凹凸構造101が配置されており、端部に転送トランジスタTRが配置されている。第1凹凸構造101は、図7に示すように、第1面F1に対する垂直断面(Z方向の切断面)において、略台形を有し、図8に示すように、Z方向からの平面視において略四角形を有する。従って、第1凹凸構造101は、略四角形の錘台形状に形成されている。第1実施形態では、第1凹凸構造101は、X方向とX方向に直交するY方向に配列されており、マトリクス状に二次元配置されている。例えば、1つの画素12内において、第1凹凸構造101は、転送トランジスタTR以外の領域に、3行3列に配置されている。第1凹凸構造101の配列や個数は、特に限定されず、2行以下または4行以上、2列以下または4列以上に配列されていてもよい。
【0059】
互いに隣接する画素12間には、素子分離部43が格子状に設けられている。素子分離部43は、隣接する画素12間を光学的および電気的に分離し、画素12を区画している。素子分離部43は、図7に示すように、第2面F2から形成されたDTIである。
【0060】
図8に示すように、Z方向から見た平面視において、転送トランジスタTRは、画素12を平行移動させたときにほぼ同じ位置に配置される。即ち、転送トランジスタTRは、各画素12内においてほぼ同じ位置に配置される。これにより、画素12の光学的な対称性が良好になり、各画素12における特性や感度のばらつきが抑制され得る。
【0061】
図9は、第2凹凸構造102の平面レイアウトの一例を示す平面図である。図9は、光の入射方向(Z方向)から見た平面視における第2凹凸構造102の配置を示す。
【0062】
図9には、4つの画素12に対応する第2凹凸構造102が示されている。1つの画素12には、複数の第2凹凸構造102が配置されている。第2凹凸構造102は、図7に示すように、第2面F2に対する垂直断面(Z方向の切断面)において、略三角形を有し、図9に示すように、Z方向からの平面視において略四角形を有する。従って、第2凹凸構造102は、略四角錘に形成されている。第1実施形態では、第2凹凸構造102は、X方向とX方向に直交するY方向に配列されており、マトリクス状に二次元配置されている。例えば、1つの画素12内において、第2凹凸構造102は、3行3列に配置されている。第2凹凸構造102の配列や個数は、特に限定されず、2行以下または4行以上、2列以下または4列以上に配列されていてもよい。
【0063】
このような構成により、半導体基板11と第1凹凸構造101との間の界面および半導体基板11の第2凹凸構造102との間の界面において、光を回折または反射し合うことによって、PD41における光電変換効率を向上させることができる。本実施形態による撮像装置1は、特に、近赤外光(NIR(Near InfraRed))であっても、第1および第2凹凸構造101、102によってPD41の光電変換効率を上昇させることによって、高感度に検出することができる。また、半導体基板11と第1凹凸構造101との間の界面から第2および第3基板20、30へ進入する光が少なくなるので、第2基板20の読出し回路22における暗電流およびノイズを抑制し、あるいは、第3基板30のロジック回路32における誤動作を抑制することができる。
【0064】
本実施形態によれば、読出し回路22の画素トランジスタ(増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRST等)は、画素12を備えた第1基板10とは別の第2基板20に設けられている。このように、基板10、20を積層構造にすることによって、半導体基板11の第1面F1に第1凹凸構造101を設けるスペースができる。これにより、第1面F1において、第1凹凸構造101を広いスペースに形成することができる。その結果、光をPD41へ十分に回折または反射し、PD41における光電変換効率を向上させることができ、かつ、第2および第3基板20、30へ進入する光を抑制することができる。
【0065】
また、第1および第2凹凸構造101、102が各画素12において略均等に配置されているこれにより、各画素12における光学的な対称性を向上させることができる。
【0066】
次に、第1実施形態による撮像装置1の製造方法について説明する。
【0067】
図10図15は、第1実施形態による撮像装置1の製造方法の一例を示す断面図である。尚、図10では、第1基板10を図7に示す第1基板10とは上下反転して表示している。
【0068】
まず、第1面F1と第1面F1に対して反対側にある第2面F2とを有する半導体基板11を準備する。半導体基板11には、例えば、p型シリコン等の半導体が用いられる。
【0069】
次に、リソグラフィ技術およびインプラント技術を用いて、半導体基板11内に、例えば、n型不純物が導入され、PD41を半導体基板11内に形成する。
【0070】
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1面F1の第1凹凸構造101の形成領域にトレンチを形成する。次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてシリコン酸化膜等の絶縁材料をこのトレンチ内に埋め込む。これにより、第1凹凸構造101が形成される。
【0071】
次に、転送トランジスタTRのゲート電極TGの材料(例えば、ポリシリコン)を堆積し、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ゲート電極TGの材料を加工する。これにより、ゲート電極TGが形成される。必要に応じてゲート電極TGの側面および上面にスペーサ(例えば、シリコン酸化膜)を形成する。
【0072】
次に、リソグラフィ技術およびインプラント技術を用いて、半導体基板11の第1面F1にn型不純物を導入し、フローティングディフュージョンFDを形成する。
【0073】
次に、シリコン酸化膜等の絶縁層46を第1面F1上に堆積する。これにより、図10に示す構造が得られる。
【0074】
次に、第3面F3と第3面F3に対して反対側にある第4面F4とを有する半導体基板21を準備する。半導体基板21には、例えば、p型シリコン等の半導体が用いられる。
【0075】
次に、絶縁層46上に半導体基板21の第4面F4を貼合する。次に、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、図11に示すように、半導体基板21を薄化する。
【0076】
次に、図12に示すように、半導体基板21の第3面F3上に、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL等を含む読出し回路22を形成する。読出し回路22の製造方法は、既知の半導体ウェハプロセスを用いればよい。
【0077】
次に、層間絶縁膜51を第3面F3上に堆積し、読出し回路22を層間絶縁膜51で被覆する。次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、層間絶縁膜51を貫通するように、電極プラグ56の形成領域にコンタクトホールを形成する。これにより、コンタクトホールが、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL等のゲート電極、ソースまたはドレインに達するように形成される。次に、そのコンタクトホールに金属(例えば、銅、タングステン等)を埋め込む。これにより、図12に示すように、電極プラグ56が形成される。
【0078】
次に、層間絶縁膜51あるいは電極プラグ56上に配線層55が形成される。
【0079】
このように、層間絶縁膜51、電極プラグ56および配線層55の形成を繰り返すことによって、図12に示すような層間絶縁膜51および配線層55からなる多層配線層が形成される。また、層間絶縁膜51内に配線層55と読出し回路22との間を接続する電極プラグ56が形成される。
【0080】
次に、第5面F5と第5面F5に対して反対側にある第6面F6とを有する半導体基板31を準備する。半導体基板31には、例えば、p型シリコン等の半導体が用いられる。次に、図13に示すように、半導体基板31の第5面F5上に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路等を含むロジック回路32を形成する。ロジック回路32の製造方法は、既知の半導体ウェハプロセスを用いればよい。
【0081】
次に、第5面F5上に層間絶縁膜61および配線層65を形成する。また、必要に応じてコンタクトプラグが層間絶縁膜61に形成される。これにより、図13に示すような層間絶縁膜51および配線層55からなる多層配線層が形成される。
【0082】
次に、図14に示すように、第2基板20の層間絶縁膜51の表面と第3基板30の層間絶縁膜61の表面とを張り合わせる。これにより、第2基板20のパッド電極58の露出面と第3基板30の配線層65の露出面とが接合し、パッド電極58と配線層65とが電気的に接続される。
【0083】
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、素子分離部43の形成領域にトレンチを形成する。次に、そのトレンチ内に絶縁材料(例えば、シリコン酸化膜)充填される。これにより、図15に示すように、素子分離部43が形成される。
【0084】
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、半導体基板11の第2面F2に第2凹凸構造102の各形成領域を加工する。このとき、半導体基板11は、第2面F2から等方的にウェットエッチングされて第2凹凸構造102の各形成領域に略四角錘の窪みを形成する。次に、シリコン酸化膜等の絶縁材料を窪みに充填することによって、図7図9に示す第2凹凸構造102が形成される。
【0085】
次に、半導体基板11の第2面F2上にカラーフィルタ40および受光レンズ50を形成する。これにより、本実施形態による撮像装置1が完成する。
【0086】
このように、本実施形態によれば、画素12および転送トランジスタを第1基板10に形成し、読出し回路22の画素トランジスタ(増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRST等)を別の第2基板20に形成し、その後、第1基板10と第2基板20を貼り合わせる。これにより、第1基板10には、画素トランジスタを形成する必要がなく、半導体基板11の第1面F1に第1凹凸構造101を設けるスペースができる。これにより、第1面F1のPD41に対応する領域に第1凹凸構造101を形成することができる。これにより、光をPD41へ十分に反射し、PD41における光電変換効率を向上させることができ、かつ、第2および第3基板20、30へ進入する光を抑制することができる。
【0087】
本実施形態では、第2面F2に第2凹凸構造102がさらに設けられている。従って、第1凹凸構造101と第2凹凸構造102との間で、光を回折または反射し合うことによって、PD41における光電変換効率をさらに向上させることができる。従って、本実施形態による撮像装置1は、特に、近赤外光であっても、高感度に検出することができる。
【0088】
(第2実施形態)
図16は、第2実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第2実施形態によれば、素子分離部43が第1面F1と第2面F2との間に亘ってZ方向に貫通するように設けられている。即ち、素子分離部43は、FTI(Full Trench Isolation)でもよい。素子分離部43の平面レイアウトは、第1実施形態のそれと同じでよい。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様でよい。
【0089】
第2実施形態によれば、素子分離部43が第1面F1と第2面F2との間の全体に亘って設けられているので、光が、隣接する画素12へ漏洩し難くなる。従って、互いに隣接する画素12間におけるクロストークが抑制され、かつ、画素12における光電変換効率が向上する。
【0090】
第2実施形態による撮像装置1の製造方法は、図10の第1凹凸構造101の形成前または形成後において、素子分離部43を形成すればよい。例えば、図10の第1凹凸構造101の形成前に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、素子分離部43の形成領域に半導体基板11を貫通するトレンチを形成し、そのトレンチ内に絶縁材料(例えば、シリコン酸化膜)を充填する。
【0091】
あるいは、図15に示す素子分離部43の形成工程において、素子分離部43のトレンチが第1面F1に達するように深く形成すればよい。このようにしても、第2実施形態による素子分離部43は形成され得る。第2実施形態のその他の製造方法は、第1実施形態の製造方法と同様でよい。これにより、第2実施形態による撮像装置1が完成する。
【0092】
図17および図18は、本明細書内の実施形態による撮像装置1の構成例を示す平面図である。図17および図18は、Z方向から見た平面視において、4つの画素12における第1および第2凹凸構造101、102、転送トランジスタTRおよび読出し回路22の配置を示す。第1および第2凹凸構造101、102、転送トランジスタTRおよび素子分離部43は、第1基板10に形成されている。読出し回路22を構成する増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびダミートランジスタDMY(以下、画素トランジスタともいう)は、第2基板20に形成されている。尚、上述の通り、4つの画素12に対して1つの読出し回路22が共有されているものとする。
【0093】
図17に示す例では、読出し回路22を構成する増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびダミートランジスタDMYの4つの画素トランジスタは、対応する4つの画素12において、それぞれ異なる画素12内に配置されている。ダミートランジスタDMYは、4つの画素12の光学対称性を互いにほぼ等しくするために設けられており、実際には、読出し回路22の画素トランジスタとしては機能しない。増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびダミートランジスタDMYは、それぞれの画素12においてほぼ同じ位置に略均等に配置されている。また、第1および第2凹凸構造101、102および転送トランジスタTRもそれぞれの画素12においてほぼ同じ位置に配置されている。これにより、4つの画素12の光学対称性が互いにほぼ等しくなる。
【0094】
図18に示す例では、読出し回路22を構成する増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびダミートランジスタDMYの4つの画素トランジスタは、素子分離部43の下方に配置されている。即ち、図18に示すように、Z方向から見た平面視において、4つの画素トランジスタは、素子分離部43に重複している。また、4つの画素トランジスタは、それらに対応する4つの画素12に略均等になるように分散配置されている。また、第1および第2凹凸構造101、102は、それぞれの画素12においてほぼ同じ位置に配置されている。転送トランジスタTRは、4つの画素12が共有する頂点Pに近接するように設けられ、頂点Pに対して対称となるように配置されている。これにより、4つの画素12の光学対称性が互いにほぼ等しくなる。
【0095】
また、図18の例では、光の入射方向(Z方向)から見た平面視において、読出し回路22の4つの画素トランジスタが素子分離部43に重複している。よって、各画素12内において第1および第2凹凸構造101、102の面積を大きくすることができる。それとともに、光が第1基板10から第2基板20へ或る程度漏洩しても、読出し回路22は、その光の影響を受け難くなる。
【0096】
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第3実施形態によれば、転送トランジスタTRが、第1面F1から半導体基板11内に埋め込まれた埋込みゲート電極TGを有する。埋込みゲート電極TGは、ゲート絶縁膜GIを介して半導体基板11から電気的に絶縁されている。埋込みゲート電極TGは、その側面に対向する半導体基板11にチャネル領域を有する。埋込みゲート電極TGの側面が傾斜している場合には、その傾斜した側面に沿って傾斜チャネルが形成される。埋込みゲート電極TGの側面がZ方向に延伸している場合には、その側面に沿ってZ方向に縦型チャネルが形成される。従って、ゲート電極TGは、縦型ゲート電極とも呼ばれる。これにより、転送トランジスタTRは、PD41とフローティングディフュージョンFDとの間にチャネルを形成することができ、電荷を効率的に転送することができる。
【0097】
また、埋込みゲート電極TGは、第1凹凸構造101の一部としての機能も兼ねてよい。これにより、光電変換効率をさらに向上させ、かつ、第2および第3基板20、30への光の進入をさらに抑制することができる。第1凹凸構造101の光学的な対称性も向上する。
【0098】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様でよい。従って、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0099】
埋込みゲート電極TGの形成方法は以下のとおりである。転送トランジスタTRの形成の際に、半導体基板11の第1面F1からトレンチを形成する。次に、そのトレンチの内壁にゲート絶縁膜GIを形成し、さらにトレンチ内にポリシリコン等の導電性材料を埋め込む。これにより、埋込みゲート電極TGが形成される。第3実施形態のその他の製造方法は、第1実施形態の製造方法と同様でよい。
【0100】
尚、第3実施形態は、第2実施形態に適用してもよい。この場合、第3実施形態は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
(第4実施形態)
図20は、第4実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第4実施形態は、転送トランジスタTRが埋込みゲート電極TGを有する点で第3実施形態と同じである。しかし、ゲート絶縁膜GIの厚みがフローティングディフュージョンFD側(以下、第1側面ともいう)とそれ以外(以下、第2側面ともいう)とで異なっている。例えば、埋込みゲート電極TGの側面のうち、第1側面に設けられたゲート絶縁膜(第1絶縁膜)の厚みは、比較的薄い。一方、埋込みゲート電極TGの側面のうち、第1側面とは反対側の第2側面に設けられたゲート絶縁膜(第2絶縁膜)の厚みは、第1絶縁膜よりも厚い。これにより、チャネルは、埋込みゲート電極TGの第1側面に形成されやすくなり、第2側面には形成され難くなる。第1側面以外の埋込みゲート電極TGの第2側面は、電荷転送に寄与しない。従って、第1絶縁膜よりも第2絶縁膜を厚くすることによって、電荷転送にほとんど寄与しない埋込みゲート電極TGの部分の容量を低減することができる。その結果、埋込みゲート電極TGの電界が第1側面側のチャネル領域に集中的に印加され、第1側面側の半導体基板11において容易にかつ高速にチャネルが形成され得る。これは、転送トランジスタTRの動作電圧の低減および動作速度の高速化につながる。第4実施形態のその他の構成は、第3実施形態の構成と同様でよい。従って、第4実施形態は、第3実施形態の効果も得ることができる。
【0102】
第4実施形態のゲート絶縁膜GIは以下のように形成する。ゲート絶縁膜GIの成膜後、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1側面のゲート絶縁膜GIを選択的にエッチングする。これにより、第1絶縁膜が第2絶縁膜よりも薄く形成され得る。その後、ゲート絶縁膜TGを埋め込む。第4実施形態のその他の製造方法は、第3実施形態の対応する製造方法と同様でよい。
【0103】
(変形例1)
図21および図22は、変形例1による第1凹凸構造101および転送トランジスタTRの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図21および図22は、光の入射方向(Z方向)から見た平面視における第1凹凸構造101および転送トランジスタTRの配置を示す。また、図21および図22に示す4つの画素12は、読出し回路22を共有する画素である。
【0104】
図8に示すように、転送トランジスタTRは、各画素12においてほぼ同じ位置に配置されていてもよい。しかし、光学的対称性または配線の引きやすさを考慮して、図21または図22示すように、転送トランジスタTRを配置してもよい。
【0105】
例えば、図21では、転送トランジスタTRは、X方向に隣接する画素12間の素子分離部43(Y軸)に対して対称の位置に配置されている。図22では、転送トランジスタTRは、X方向に隣接する画素12間の素子分離部43(Y軸)に対して対称であり、かつ、Y方向に隣接する画素12間の素子分離部43(X軸)に対しても対称の位置に配置されている。転送トランジスタTRは、4つの画素12が共有する頂点Pに近接するように設けられ、頂点Pに対して対称となるように配置されている。
【0106】
図8図21図22の配置を比較すると、4つの画素12において光学的対称は、図8の配置が最もよく、図21図22の順に低くなる。一方、転送トランジスタTRからの配線の引きやすさは、図22の配置が最も容易であり、図21図8の順に難しくなる。図22の配置において、4つ画素12の転送トランジスタTRは、1つの頂点Pにまとまって設けられているからである。
【0107】
変形例1は、本明細書の任意の実施形態に適用してよい。
【0108】
(変形例2)
図23および図24は、変形例2による第1および第2凹凸構造101、102、転送トランジスタTRおよび読出し回路22の配置を示す平面図である。第1および第2凹凸構造101、102、転送トランジスタTRおよび素子分離部43は、第1基板10に形成されている。読出し回路22を構成する画素トランジスタ(AMP、SEL、RST、DMY)は、第2基板20に形成されている。尚、図23および図24に示す4つの画素は、読出し回路22を共有する画素である。
【0109】
図17および図18に示すように、読出し回路22の画素トランジスタは、各画素12において配置されていてもよい。しかし、光学的対称性を考慮して、図23または図24示すように、読出し回路22の画素トランジスタを配置してもよい。
【0110】
例えば、図23の画素トランジスタの配置は、図17のそれに対して、画素トランジスタの向きがX方向とY方向とで90度回転している。図23のその他の配置は、図17の配置と同じでよい。図23の配置であっても、図17の配置と同様の光学対称性が得られる。
【0111】
図24の画素トランジスタは、Z方向から見た平面視において素子分離部43に重複しているが、その位置が図18の配置と異なる。図24では、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELは、転送トランジスタTRの両側にある素子分離部43に重複するように配置される。リセットトランジスタRSTおよびダミートランジスタDMYは、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELに対して画素12の対辺に設けられている。図24の配置であっても、図18の配置と同様の効果が得られる。
【0112】
変形例2は、本明細書の任意の実施形態に適用してよい。
【0113】
(変形例3)
図25および図26は、変形例3による第2基板20の配線層55の構成例を示す平面図である。第2基板20の配線層55は、複数の配線層55a、55bを備える。図25には、Z方向から見た平面視における1層目の配線層(第1配線層)55aのレイアウトを示す。図26には、Z方向から見た平面視における2層目の配線層(第2配線層)55bのレイアウトを示す。配線層55a、55bは、Z方向に積層されており、それらの間に層間絶縁膜51が設けられている。尚、平面図においては、読出し回路22を共有する4つの画素12に対応する素子分離部43を便宜的に示している。
【0114】
複数の配線層55aは、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。即ち、複数の配線層55aは、ストライプ状に配置されている。複数の配線層55bは、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。即ち、複数の配線層55bは、配線層55aに対して略直交するようにストライプ状に配置されている。
【0115】
配線層55a、55bがストライプ状に配置されることによって、第1基板10に入射した光が第2基板20へ漏洩しても、さらに、その光が第2基板20から第3基板30へ通過することを抑制することができる。つまり、配線層55a、55bは、配線としての機能と遮光膜としての機能を兼ね備える。配線層55a、55bには、例えば、銅等の遮光性の高い金属材料が用いられる。
【0116】
また、Z方向から見た平面視において、配線層55aと配線層55bとが互いに略直交するように交差することによって、配線層55bは、互いに隣接する配線層55a間を通過する光をさらに遮光することができる。従って、配線層55aおよび配線層55bを組み合わせることによって、第2基板20における遮光性がさらに向上する。配線層55a、55bのそれぞれの配線間のピッチは、遮光性を考慮すると狭いことが好ましい。
【0117】
配線層55a、55bは、電極プラグ54、56に接続されて配線として用いられる配線部分と、実際には配線としては用いられないダミー部分とを含む。配線部分とダミー部分とは電気的に分離されている。これにより、配線部分の誤接続を抑制し、かつ、配線部分の寄生容量を上昇させない。また、ダミー部分を残置させることによって、遮光性を維持することができる。
【0118】
変形例3は、本明細書の任意の実施形態に適用してよい。
【0119】
(第5実施形態)
図27は、第5実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第5実施形態では、第1凹凸構造101が略四角錘に形成されており、第2凹凸構造102が略四角形の錘台形状に形成されている。第5実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。これにより、第5実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】
(第6実施形態)
図28は、第6実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第6実施形態では、第1および第2凹凸構造101、102がともに略四角錘に形成されている。第6実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。これにより、第6実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0121】
(第7実施形態)
図29は、第7実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第7実施形態では、第1および第2凹凸構造101、102がともに略四角形の錘台形状に形成されている。第7実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。これにより、第7実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(第8実施形態)
図30は、第8実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第8実施形態では、第1凹凸構造101は設けられているが、第2凹凸構造102が省略されている。第1凹凸構造101は、略四角形の錘台形状に形成されている。第1凹凸構造101は、入射した光をPD41へ反射することができるとともに、光が第2基板20および第3基板30へ漏洩することを抑制することができる。このように、第1凹凸構造101が設けられているだけでも、光電変換効率の向上の効果を或る程度得ることができる。それとともに、第2基板20の読出し回路22における暗電流およびノイズの抑制、および、第3基板30のロジック回路32の誤動作を抑制する効果を得ることができる。さらに、第2凹凸構造102からの反射光が無いので、読出し回路22における暗電流およびノイズはさらに抑制され、かつ、ロジック回路32の誤動作は、さらに抑制され得る。
【0123】
第8実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。これにより、第8実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
(第9実施形態)
図31は、第9実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第9実施形態では、第2凹凸構造102が省略されている点で第8実施形態と同じである。しかし、第9実施形態では、第1凹凸構造101が略四角錘に形成されている。第9実施形態のその他の構成は、第8実施形態の対応する構成と同様でよい。これにより、第9実施形態は、第8実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0125】
(変形例4)
図32図35は、第1面F1側の第1凹凸構造101の構成例を示す平面図である。図32図35では、第1凹凸構造101は、図29に示すように、略四角形の錘台形状に形成されているものとする。図8に示す第1凹凸構造101は、ドット状に形成されており、マトリクス状に配列されている。
【0126】
これに対し、図32に示す複数の第1凹凸構造101は、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。即ち、複数の第1凹凸構造101は、縦ストライプ状に配置されている。
【0127】
図33に示す複数の第1凹凸構造101は、XおよびY方向に対して傾斜方向に延伸しており、その傾斜方向に略直交する方向に配列されている。即ち、複数の第1凹凸構造101は、画素12の辺または素子分離部43に対して傾斜する方向にストライプ状に配置されている。
【0128】
図34に示す複数の第1凹凸構造101は、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。即ち、複数の第1凹凸構造101は、横ストライプ状に配置されている。
【0129】
図35に示す複数の第1凹凸構造101は、縦ストライプ状の構造と横ストライプ状の構造との組み合わせである。即ち、複数の第1凹凸構造101は、縦ストライプ状の構造に横ストライプの構造が重複するように短冊状に配置されている。尚、複数の第1凹凸構造101は、横ストライプ状の構造に縦ストライプの構造が重複するように短冊状に配置されてもよい。
【0130】
第1凹凸構造101は、これらに限定されず、様々な構造にすることができる。変形例4は、本明細書の任意の実施形態に適用することができる。
【0131】
(変形例5)
図36図41は、第2面F2側の第2凹凸構造102の構成例を示す平面図である。図36図41では、第2凹凸構造102は、図29に示すように、略四角形の錘台形状に形成されているものとする。
【0132】
図36に示す第2凹凸構造102は、画素12に対して1つずつ設けられている。
【0133】
図37に示す第2凹凸構造102は、ドット状に形成され、Y方向およびX方向にマトリクス状に配列されている。
【0134】
図38に示す複数の第2凹凸構造102は、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。即ち、複数の第2凹凸構造102は、縦ストライプ状に配置されている。
【0135】
図39に示す複数の第2凹凸構造102は、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。即ち、複数の第2凹凸構造102は、横ストライプ状に配置されている。
【0136】
図40に示す第2凹凸構造102は、Y方向に延伸した構造とX方向に延伸した構造とを略直交するように交差して構成されており、略十字形状を有する。
【0137】
図41に示す第2凹凸構造102は、図40に示す十字形状に、XおよびY方向に対して傾斜する方向に延伸する構造を組み合わせている。即ち、第2凹凸構造102は、アスタリスク状に構成されてもよい。
【0138】
第2凹凸構造102は、これらに限定されず、様々な構造にすることができる。変形例5は、本明細書の任意の実施形態に適用することができる。
【0139】
(変形例6)
図42図46は、第1または第2凹凸構造101または102の構成例を示す平面図である。図42図46では、第1または第2凹凸構造101または102は、図28に示すように、略四角錘に形成されているものとする。以下、第2凹凸構造102の構成について説明する。第1凹凸構造101の構成は、第2凹凸構造102と同じ構成とすることができるので、その説明を省略する。
【0140】
図42に示す第2凹凸構造102は、画素12に対して4つずつ設けられている。第2凹凸構造102は、ドット状に形成され、Y方向およびX方向にマトリクス状に配列されている。
【0141】
図43に示す複数の第2凹凸構造102は、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。即ち、複数の第2凹凸構造102は、縦ストライプ状に配置されている。
【0142】
図44に示す複数の第2凹凸構造102は、XおよびY方向に対して傾斜方向に延伸しており、その傾斜方向に略直交する方向に配列されている。即ち、複数の第2凹凸構造102は、画素12の辺または素子分離部43に対して傾斜する方向にストライプ状に配置されている。
【0143】
図45に示す複数の第2凹凸構造102は、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。即ち、複数の第2凹凸構造102は、横ストライプ状に配置されている。
【0144】
図46に示す第2凹凸構造102は、画素12に対して4つずつ設けられている。第2凹凸構造102は、ドット状に形成され、Y方向およびX方向に対して傾斜する方向マトリクス状に配列されている。
【0145】
第1および第2凹凸構造101、102は、これらに限定されず、様々な構造にすることができる。変形例6は、本明細書の任意の実施形態に適用することができる。
【0146】
(第10実施形態)
図47は、第10実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第10実施形態では、第1基板10の絶縁層46内に反射部材110が設けられている。反射部材110は、第1基板10の第1凹凸構造101と第2基板20の読出し回路22の画素トランジスタ(AMP、SEL、RST)との間に設けられている。反射部材110は、画素12に入射した光が第2基板10の読出し回路22へ通過することを抑制し、かつ、その光をPD41へ反射する機能を有する。これにより、画素12における光電変換効率を向上させるとともに、読出し回路22における暗電流やノイズを抑制することができる。
【0147】
反射部材110には、例えば、銅、タングステンまたはアルミニウム等の金属材料が用いられる。反射部材110は、配線層55、65と同じ材料で構成されてもよい。尚、本実施形態において、反射部材110は、配線としては機能しないが、配線として機能させてもよい。
【0148】
図48図51は、反射部材110の構成例を示す平面図である。図48図51では、Z方向から見た平面視における反射部材110の構成を示す。尚、図48図51では、読出し回路22を共有する4つの画素12に対応する素子分離部43を便宜的に示している。
【0149】
図48では、Z方向から見た平面視において、反射部材110は、第1凹凸構造101の全体および/または読出し回路22の全体に重複するように設けられている。反射部材110は、各画素12に対して1つずつ設けられている。これにより、反射部材110は、入射光が読出し回路22へ進入することを抑制し、かつ、その光をPD41へ反射することができる。
【0150】
図49に示す反射部材110は、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。即ち、複数の反射部材110がストライプ状に配置されている。
【0151】
図50に示す反射部材110は、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。即ち、複数の反射部材110がストライプ状に配置されている。
【0152】
図51に示す反射部材110は、XおよびY方向に対して傾斜方向に延伸しており、その傾斜方向に略直交する方向に配列されている。即ち、複数の第1凹凸構造101は、画素12の辺または素子分離部43に対して傾斜する方向にストライプ状に配置されている。
【0153】
このように、反射部材110は、ストライプ状に構成されても、入射光の読出し回路22への進入を抑制し、かつ、その光をPD41へ反射することができる。隣接する反射部材110間のピッチは、反射性および遮光性を考慮すると狭いことが好ましい。
【0154】
(第11実施形態)
図52は、第11実施形態による撮像装置1の構成例を示す断面図である。第11実施形態では、第1基板10と第2基板20とが配線同士で接合している。また、第2基板20の上下方向が、図7に示す第2基板20と反転している。従って、第2基板20は、第1基板10とフェイストゥーフェイスで貼り合わされ、第3基板30とバックトゥーフェイスで貼り合わされている。第1基板10の絶縁層46と第2基板20の層間絶縁膜51とが貼合することによって、第2基板20のパッド電極58は、第1基板10のパッド電極48と接合する(Cu-Cu接合)。第2基板20の絶縁層46と第2基板20の層間絶縁膜51とが貼合することによって、第2基板20のパッド電極58は、第1基板10のパッド電極48と接合する。このように、第1基板10と第2基板20との間に電極プラグ56を用いずに、第1基板10および第2基板20の配線同士を直接接合(Cu-Cu接合)してもよい。
【0155】
第11実施形態のその他の構成は、第1実施形態のそれと同じでよい。従って、第11実施形態は、第1実施形態の効果を得ることができる。また、第11実施形態は、その他の実施形態にと組み合わせてもよい。
【0156】
上記実施形態において、第1および第2凹凸構造101、102は、略四角錘または略四角形の錘台形状である。しかし、第1および第2凹凸構造101、102は、これらに限定されず、略円錘形、略円形の錘台、略三角錘、略三角形の錘台、略多角錘、略多角形の錘台でもよい。この場合、Z方向から見た平面視において、第1および第2凹凸構造101、102は、略円形、略多角形の形状を有する。第1面F1に対する垂直断面において、第1および第2凹凸構造101、102は、略三角形、略台形、略四角形(例えば、略長方形)の形状を有する。
【0157】
また、第1および第2凹凸構造101、102は、略円柱または略角柱であってもよい。この場合、Z方向から見た平面視において、第1および第2凹凸構造101、102は、略円形、略多角形の形状を有する。第1面F1に対する垂直断面において、第1および第2凹凸構造101、102は、略四角形(例えば、略長方形)の形状を有する。
【0158】
第1および第2凹凸構造101、102の形状および平面レイアウトは、光学的な回折効果が最も得られるものを選択すればよい。
【0159】
本技術は、撮像機能を有する様々な電気機器(例えば、カメラ、スマートフォン、自動車等)に適用することができる。
【0160】
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0161】
図53は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0162】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図53に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0163】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0164】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0165】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0166】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0167】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0168】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0169】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0170】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0171】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図53の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0172】
図54は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0173】
図54では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0174】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0175】
なお、図54には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0176】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0177】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0178】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0179】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0180】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。
【0181】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、前記第1半導体基板の前記第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、
前記第1面側において前記第1基板に貼合され、前記複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える固体撮像装置。
(2)
前記第1半導体基板の前記第2面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第2凹凸構造をさらに備える、(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記画素は、光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された転送トランジスタと、前記転送トランジスタを介して前記光電変換素子から出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンとを備え、
前記画素トランジスタは、前記フローティングディフュージョンに保持された電荷に応じた電圧信号を前記画素信号として生成する増幅トランジスタと、前記増幅トランジスタからの前記画素信号の出力タイミングを制御する選択トランジスタとを備える、(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記第1半導体基板において隣接する前記画素間に設けられた素子分離構造をさらに備える、(1)から(3)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(5)
前記光の入射方向から見た平面視において、前記転送トランジスタは、前記複数の画素のそれぞれにおいてほぼ同じ位置に配置されている、(3)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記転送トランジスタは、前記第1半導体基板内に埋め込まれた埋込みゲート電極を有する、(3)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記埋込みゲート電極の側面の一部に設けられた第1絶縁膜は、該ゲート電極の側面の他の部分に設けられた第2絶縁膜よりも膜厚において薄い、(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記画素トランジスタの少なくとも一部は、前記素子分離構造の下方に設けられている、(4)に記載の固体撮像装置。
(9)
前記光の入射方向から見た平面視において、前記画素トランジスタの少なくとも一部は、前記素子分離構造に重複している、(4)に記載の固体撮像装置。
(10)
前記光の入射方向から見た平面視において、前記第2基板の第1配線層は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1配線を含む、(1)から(9)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(11)
前記第1面に対する垂直断面において、前記第1または第2凹凸構造は、略三角形、略台形または略長方形の形状を有する、(2)に記載の固体撮像装置。
(12)
前記第1または第2凹凸構造は、略四角錘、略円錐台、略角錐台、略円柱または略角柱の形状を有する、(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
前記光の入射方向から見た平面視において、複数の前記第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向にマトリクス状に配列されている、(2)に記載の固体撮像装置。
(14)
前記光の入射方向から見た平面視において、複数の前記第1または第2凹凸構造は、第1方向に延伸し、該第1方向に直交する第2方向に配列され、ストライプ状に構成されている、(2)に記載の固体撮像装置。
(15)
前記光の入射方向から見た平面視において、前記第1または第2凹凸構造は、第1方向および該第1方向に直交する第2方向に延伸する十字形を有する、(2)に記載の固体撮像装置。
(16)
前記第1凹凸構造と前記第2基板との間に設けられた反射部材をさらに備える、(1)から(15)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(17)
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた電極プラグをさらに備えている、(1)から(16)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(18)
前記第1基板と前記第2基板との貼合によって、前記第1基板の配線と前記第2基板の配線とが接合されている、(1)から(16)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(19)
前記第2基板に貼合され、前記画素信号を処理するロジック回路を有する第3基板をさらに備えてる、(1)から(16)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(20)
第1面および該第1面に対して反対側にあり光を入射する第2面を有する第1半導体基板と、該第1半導体基板内に設けられ光電変換を行う複数の画素と、前記第1半導体基板の前記第1面側に設けられ該第1半導体基板とは異なる材料からなる第1凹凸構造とを備える第1基板、および、
前記第1面側において前記第1基板に貼合され、前記複数の画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する画素トランジスタを備える第2基板、を備える固体撮像装置を有する電子機器。
【0182】
尚、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0183】
1 撮像装置、10 第1基板、20 第2基板、30 第3基板、11,21,31 半導体基板、12 画素、22 読出し回路、32 ロジック回路、41 PD、43 素子分離部、55,65 配線層、58,68 パッド電極、TR 転送トランジスタ、FD フローティングディフュージョン、101 第1凹凸構造、102 第2凹凸構造
図1
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