(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142868
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/03 20060101AFI20220926BHJP
B60C 11/13 20060101ALI20220926BHJP
B60C 11/12 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B60C11/03 100B
B60C11/13 D
B60C11/13 C
B60C11/12 C
B60C11/12 D
B60C11/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043108
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 剛史
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BC12
3D131BC33
3D131BC34
3D131EB14V
3D131EB14W
3D131EB14X
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3D131EB20W
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3D131EB23W
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3D131EB24V
3D131EB24W
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3D131EB44V
3D131EB44W
3D131EB44X
3D131EB46V
3D131EB46W
3D131EB47V
3D131EB47W
3D131EB83V
3D131EB83W
3D131EB86V
3D131EB86W
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3D131EB91V
3D131EB91W
3D131EB94V
3D131EB94W
3D131EC06W
3D131EC12X
3D131EC14V
3D131EC24V
3D131EC24W
3D131EC24X
(57)【要約】
【課題】トラクション性能及び耐偏摩耗性能を両立する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】センター陸は、タイヤ軸方向の第1側又は第2側のいずれかの陸端に開口するセンターノッチと、タイヤ軸方向の両側の陸端に開口するセンタースリットと、を有し、センター陸の第1側の陸端及び第2側の陸端それぞれにおいてセンターノッチ及びセンタースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、クォーター陸は、タイヤ軸方向の第1側又は第2側のいずれかの陸端に開口するクォーターノッチ及びクォータースリットと、を有し、クォーター陸の第1側の陸端においてクォーターノッチ及びクォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、クォーター陸の第2側の陸端においてクォーターノッチ及びクォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ赤道面に最も近いセンター陸と、タイヤ軸方向の最も外側に配置されるショルダー陸と、前記センター陸と前記ショルダー陸の間に配置されるクォーター陸と、を備え、
前記センター陸は、タイヤ軸方向の第1側の陸端に開口し且つ前記タイヤ軸方向の前記第1側とは反対の第2側の陸端から離れる第1センターノッチと、前記第1側の陸端から離れ且つ前記第2側の陸端に開口する第2センターノッチと、前記タイヤ軸方向の両側の陸端に開口するセンタースリットと、を有し、
前記センター陸の前記第1側の陸端において前記第1センターノッチ及び前記センタースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、前記センター陸の前記第2側の陸端において前記第2センターノッチ及び前記センタースリットがタイヤ周方向に交互に開口しており、
前記クォーター陸は、前記第1側の陸端に開口し且つ前記第2側の陸端から離れる第1クォーターノッチ及び第1クォータースリットと、前記第1側の陸端から離れ且つ前記第2側の陸端に開口する離れる第2クォーターノッチ及び第2クォータースリットと、を有し、
前記クォーター陸の前記第1側の陸端において前記第1クォーターノッチ及び前記第1クォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、前記クォーター陸の前記第2側の陸端において前記第2クォーターノッチ及び前記第2クォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口する、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記センター陸の前記センタースリットは、前記クォーター陸の前記第1クォータースリット及び前記第2クォータースリットのいずれよりも浅い、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ショルダー陸は、タイヤ軸方向の両側の陸端に開口するショルダースリットを有し、前記ショルダースリットは、前記センタースリットよりも浅い、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記センタースリット、前記第1クォータースリット及び前記第2クォータースリットは、それぞれ、タイヤ軸方向に対して傾斜しており、前記センタースリットの傾斜方向は、前記センター陸に隣接する前記クォーター陸の前記第1クォータースリット及び前記第2クォータースリットの傾斜方向と逆方向である、請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記センター陸は、前記第1センターノッチと前記第2センターノッチの両方に開口する第1センターサイプを有し、
前記クォーター陸は、前記第1クォータースリット及び前記第2クォーターノッチの両方に開口する第1クォーターサイプと、前記第1クォーターノッチ及び前記第2クォータースリットの両方に開口する第2クォーターサイプと、を有する、請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記センター陸は、前記センタースリットの底面をタイヤ周方向に分断する第2センターサイプを有する、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第1センターサイプ及び前記第2センターサイプは、タイヤ周方向に交互に配置されている、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記センター陸は、タイヤ新品時において前記センタースリットによってタイヤ周方向に区画された複数のブロック形状であり、摩耗中期において前記センタースリットが消失してタイヤ周方向に連続するリブ形状となり、
タイヤ新品時の前記センタースリットは、前記摩耗中期で前記第1センターノッチ及び前記第2センターノッチに変化し、タイヤ新品時の前記第2センターサイプが前記摩耗中期で前記第1センターサイプに変化する、請求項6又は7に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
第1センターサイプ、第2センターサイプ、第1クォーターサイプ及び第2クォーターサイプは、それぞれ、トレッド面における形状が波形状である、請求項5~8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記ショルダー陸は、サイプを有さない、請求項1~9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤ、特にトラックやバスなどに装着される重荷重用空気入りタイヤには、耐偏摩耗性能及びトラクション性能の両立が求められる。例えば、特許文献1には、耐偏摩耗性能についての言及がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、トラクション性能及び耐偏摩耗性能を両立した空気入りタイヤを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の空気入りタイヤは、タイヤ赤道面に最も近いセンター陸と、タイヤ軸方向の最も外側に配置されるショルダー陸と、前記センター陸と前記ショルダー陸の間に配置されるクォーター陸と、を備え、前記センター陸は、タイヤ軸方向の第1側の陸端に開口し且つ前記タイヤ軸方向の前記第1側とは反対の第2側の陸端から離れる第1センターノッチと、前記第1側の陸端から離れ且つ前記第2側の陸端に開口する第2センターノッチと、前記タイヤ軸方向の両側の陸端に開口するセンタースリットと、を有し、前記センター陸の前記第1側の陸端において前記第1センターノッチ及び前記センタースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、前記センター陸の前記第2側の陸端において前記第2センターノッチ及び前記センタースリットがタイヤ周方向に交互に開口しており、前記クォーター陸は、前記第1側の陸端に開口し且つ前記第2側の陸端から離れる第1クォーターノッチ及び第1クォータースリットと、前記第1側の陸端から離れ且つ前記第2側の陸端に開口する離れる第2クォーターノッチ及び第2クォータースリットと、を有し、前記クォーター陸の前記第1側の陸端において前記第1クォーターノッチ及び前記第1クォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口し、前記クォーター陸の前記第2側の陸端において前記第2クォーターノッチ及び前記第2クォータースリットがタイヤ周方向に交互に開口する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の空気入りタイヤのトレッド面のタイヤ新品時の展開図。
【
図2】
図1に示すセンター陸1、クォーター陸2及びショルダー陸3の一部拡大図。
【
図3】
図1に示すセンター陸1、クォーター陸2及びショルダー陸3の一部拡大斜視図。
【
図4】
図2におけるA1-A1部位、A2-A2部位、A3-A3部位、A4-A4部位及びA5-A5部位を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1は、第1実施形態の空気入りタイヤPT(以下、単に「タイヤPT」ともいう)が備えるトレッド面Trのタイヤ新品時の展開図である。
図2は、
図1に示すセンター陸1、クォーター陸2及びショルダー陸3の一部拡大図である。
図3は、
図1に示すセンター陸1、クォーター陸2及びショルダー陸3の一部拡大斜視図である。
図4は、
図2におけるA1-A1部位、A2-A2部位、A3-A3部位、A4-A4部位及びA5-A5部位を示す断面図である。
図5は、トレッド面Trの摩耗中期の一部拡大図である。
図1~
図3及び
図5の上下方向がタイヤ周方向CDに相当し、
図1~
図3及び
図5の左右方向がタイヤ軸方向ADに相当する。
図1~4は、タイヤ新品時のトレッドの形状を示す。
図5は、摩耗中期のうちのいずれかの時点のトレッドの形状を示す。
図1~3に示すように、空気入りタイヤPTは、タイヤ周方向CDに延びる複数の陸1,2,3を有する。第1実施形態のタイヤPTは、トラックやバスなどに装着される重荷重用タイヤである。
【0009】
タイヤPTのトレッド面Tr(路面に接地する接地面)には、タイヤ周方向CDに連続して延在する6本の主溝61,63,62,62,63,61が設けられている。第1実施形態では、主溝が6本であるが、これに限定されない。第1実施形態のタイヤは、2本のタイヤの代わりとして装着可能な1本のタイヤであり、タイヤ軸方向ADの幅が2本分のタイヤの幅に相当する。そのため、主溝の数が相対的に多く、一つのタイヤの主溝の数は6本以上且つ8本以下にすることが可能である。第1実施形態では、タイヤ軸方向ADの最も外側にあるショルダー主溝61と、ショルダー主溝61のタイヤ軸方向ADの内側に配置され且つタイヤ赤道面TEに最も近い2本のセンター主溝62と、ショルダー主溝61とセンター主溝62の間に配置されるクォーター主溝63と、を有する。また、主溝は、特に限定されないが、例えば、接地端LE,LE間の距離(タイヤ軸方向ADの寸法)の3%以上の溝幅を有している、という構成でもよい。また、主溝は、特に限定されないが、例えば、7.0mm以上の溝幅を有している、という構成でもよい。また、主溝は、特に限定されないが、例えば、タイヤ周方向CDに連続し、トレッド面Tr内で溝深さが一番深い、という構成でもよい。主溝の溝内には、摩耗による使用限界を示すTWI(6a;
図4参照)(トレッドウェアインジケータ)が部分的に設けられている、という構成でもよい。
【0010】
本明細書において、スリットは、主溝よりも幅が狭く、サイプよりも幅が広く、且つタイヤ周方向CDの幅よりもタイヤ軸方向の長さが長い溝を意味する。スリットは、後述するセンタースリット10、第1クォータースリット20,第2クォータースリット22、およびショルダースリット30を含む。サイプは、幅が1.5mm以下の溝を意味する。サイプは、後述する第1センターサイプ13、第2センターサイプ14、第1クォーターサイプ24、25を含む。ノッチは、タイヤ軸方向ADの長さが、タイヤ周方向CDの幅よりも短い溝である。第1実施形態のノッチは、主溝と同じ深さを有する。
【0011】
接地端LEは、トレッド面Tr(接地面)のタイヤ軸方向ADの最も外側の端である。トレッド面Tr(接地面)は、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地する面を意味する。正規リムは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤごとに定めるリムである。JATMAであれば標準リム、TRA、又はETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
【0012】
正規内圧は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤごとに定めている空気圧である。JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。
【0013】
正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤごとに定めている荷重である。JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」である。
【0014】
<センター陸1>
図1~3に示すように、タイヤPTは、一対のショルダー主溝61,61の間に、少なくとも1つのセンター陸1を有する。センター陸1は、タイヤ周方向CDに延びる。センター陸1は、タイヤ赤道面TEに最も近い陸である。第1実施形態のセンター陸1は、タイヤ赤道面TEを通り、一対のセンター主溝62により区画されているが、これに限定されない。センター陸1は、第1センターノッチ11と、第2センターノッチ12と、センタースリット10と、を有する。
【0015】
第1センターノッチ11は、タイヤ軸方向ADの第1側AD1(図中にて左側)の陸端1aに開口し、且つ、タイヤ軸方向ADの第1側AD1とは反対の第2側AD2(図中にて右側)の陸端1bから離れて陸内で終端する。第2センターノッチ12は、第1側AD1の陸端1aから離れて陸内で終端し且つ第2側AD2の陸端1bに開口する。センタースリット10は、タイヤ軸方向ADの両側の陸端1a,1bに開口する。センタースリット10によってタイヤ新品時のセンター陸1のトレッド面は、タイヤ周方向CDに複数のブロックに分断されている。これにより、接地圧の高いセンター陸1においてセンタースリット10がトラクション性能を適切に発揮可能となる。
【0016】
第1センターノッチ11及びセンタースリット10は、センター陸1の第1側AD1の陸端1aにタイヤ周方向CDに交互に開口している。第2センターノッチ12及びセンタースリット10は、センター陸1の第2側AD2の陸端1bにタイヤ周方向CDに交互に開口している。これにより、センター陸1の剛性バランスがよくなり、耐摩耗性能を確保可能となる。また、センタースリット10だけでなく、第1センターノッチ11及び第2センターノッチ12も配置することで、ブロックが小さくなりすぎずに、耐偏摩耗性能の著しい悪化を抑制可能となる。
【0017】
センタースリット10と第1センターノッチ11と第2センターノッチ12とは、平面視(タイヤ径方向RDに見た視線)で直線状に形成され屈曲部を有さない、としてもよい。センタースリット10と第1センターノッチ11は、タイヤ軸方向ADに対して傾斜している。センタースリット10の傾斜方向と、第1センターノッチ11の傾斜方向は同方向である。センタースリット10と第2センターノッチ12は、タイヤ軸方向ADに対して傾斜している。センタースリット10の傾斜方向と、第2センターノッチ12の傾斜方向は同方向である。
【0018】
<クォーター陸2>
図1~3に示すように、第1実施形態では、ショルダー陸3とセンター陸1の間に、2列のクォーター陸2が配置されている。タイヤ軸方向ADの一方に2列のクォーター陸2が配置され、タイヤ軸方向ADの他方に2列のクォーター陸2が配置されている。すなわち、複数対(2対)のクォーター陸2がセンター陸1を挟んでいる。クォーター陸2は、第1クォータースリット20と、第1クォーターノッチ21と、第2クォータースリット22と、第2クォーターノッチ23と、を有する。
【0019】
第1クォータースリット20及び第1クォーターノッチ21は、第1側AD1の陸端2aに開口し且つ第2側AD2の陸端2bから離れて陸内で終端する。第2クォータースリット22及び第2クォーターノッチ23は、第1側AD1の陸端2aから離れて陸内で終端し且つ第2側AD2の陸端2bに開口する。第1クォータースリット20と第2クォーターノッチ23は、後述する第1クォーターサイプ24で接続されており、互いに対応している。第1クォーターノッチ21と第2クォータースリット22は、後述する第2クォーターサイプ25で接続されており、互いに対応している。第1クォータースリット20及び第1クォーターノッチ21は、クォーター陸2の第1側AD1の陸端2aにタイヤ周方向CDに交互に開口している。第2クォータースリット22及び第2クォーターノッチ23は、クォーター陸2の第2側AD2の陸端2bにタイヤ周方向CDに交互に開口している。これにより、クォーター陸2に分断するスリットを設けずにスリットとノッチをタイヤ周方向CDに交互に配置しているので、耐偏摩耗性と、スリット及びノッチによるトラクション性能の確保とを両立可能となる。
【0020】
第1クォータースリット20、第1クォーターノッチ21、第2クォータースリット22及び第2クォーターノッチ23は、平面視(タイヤ径方向RDに見た視線)で直線状に形成されている、としてもよい。第1クォータースリット20、第1クォーターノッチ21、第2クォータースリット22及び第2クォーターノッチ23は、タイヤ軸方向ADに対して傾斜している。
クォータースリット(第1クォータースリット20、第2クォータースリット22)及びクォーターノッチ(第1クォーターノッチ21、第2クォーターノッチ23)は、同一の陸において傾斜方向が同方向である。一方、第1クォーター陸のスリット及びノッチの傾斜方向は、第1クォーター陸に隣接する第2クォーター陸のスリット及びノッチの傾斜方向とは、互いに逆方向である。
また、センター陸1のスリット及びノッチの傾斜方向と、センター陸1に隣接するクォーター陸2のスリット及びノッチの傾斜方向とは、互いに逆方向である。
このように、隣接する各陸のスリットとノッチが互いに逆方向であるので、パターン全体で見て、耐摩耗性能を向上可能となる。
【0021】
<ショルダー陸3>
図1~
図3に示すように、タイヤPTは、トレッド面Trのタイヤ軸方向ADの両端部に、タイヤ周方向CDに延びるショルダー陸3を有する。ショルダー陸3は、ショルダー主溝61と、接地端LEとに区画される。ショルダー陸3は、タイヤ軸方向ADに延びるショルダースリット30を有する。ショルダースリット30は、タイヤ軸方向ADの両側の陸端に開口し、ショルダー主溝61と接地端LEとに開口している。タイヤ新品時において、ショルダー陸3のトレッド面Trは、ショルダースリット30によってタイヤ周方向CDに並ぶ複数のブロックに区画されている。ショルダー陸3は、サイプを有していない。偏摩耗が生じやすいショルダー陸3がサイプを有していないので、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
【0022】
<スリットの深さ>
図2及び
図4に示すように、第1実施形態において第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22のタイヤ径方向RDの深さは同一であるが、これに限定されない。深さとは、タイヤ径方向RDの深さを意味するが、以降、タイヤ径方向RDの表記を省略する場合がある。センター陸1のセンタースリット10の深さD3は、クォーター陸2の第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22の深さD2よりも浅い。センタースリット10は、クォータースリット20,22よりも浅い。これにより、深さD3とD2が同じ場合に比べて、センター陸1の動きを抑制して耐偏摩耗性能を向上可能となる。センター陸1のセンタースリット10の深さD3は、第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22の深さD2の40%以上且つ90%以下であることが好ましい。センター陸1の耐偏摩耗性能を向上させるためである。
センター陸1のセンタースリット10の深さD3は、主溝61,62,63の深さD4よりも浅い。
第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22の深さD2は、主溝61,62,63の深さD4よりも浅い。
【0023】
ショルダー陸3のショルダースリット30の深さD1は、センター陸1のセンタースリット10の深さD3よりも浅い。ショルダースリット30は、センタースリット10よりも浅い。これにより、ショルダー陸3の耐偏摩耗性能を向上可能となる。ショルダースリット30のタイヤ径方向RDの深さD1は、センタースリット10のタイヤ径方向RDの深さD3の10%以上且つ50%以下であることが好ましい。
ショルダースリット30の深さD1は、主溝61,62,63の深さD4よりも浅い。
【0024】
<ノッチの深さ>
第1センターノッチ11、第2センターノッチ12、第1クォーターノッチ21及び第2クォーターノッチ23の深さは、主溝61,62,63の深さD4と同じであるが、これに限定されない。各ノッチ11,12,21,23の深さが、主溝の深さD4よりも浅くてもよい。
【0025】
<サイプ>
図1~4に示すように、センター陸1は、第1センターサイプ13を有する、としてもよい。第1センターサイプ13は、タイヤ軸方向ADに延びて第1センターノッチ11と第2センターノッチ12の両方に開口する。第1センターサイプ13は、路面に接触するトレッド面Trにおける形状が波形状である。これにより、トレッド面Trでの形状が直線状であるサイプに比べて、センター陸1の動きが抑制されるので、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
【0026】
図1~4に示すように、センター陸1は、第2センターサイプ14を有する、としてもよい。第2センターサイプ14は、センタースリット10の底面をタイヤ周方向CDに分断する。第1実施形態のように、第2センターサイプ14は、センタースリット10の底面のタイヤ周方向の中央部に形成されていることが好ましい。第2センターサイプ14は、タイヤ軸方向ADの両側の主溝62,62に開放されている。第2センターサイプ14は、摩耗中期のトレッド面Trにおける形状が波形状である。これにより、センタースリット10を深くする構成に比べて、タイヤ新品時のセンター陸1の偏摩耗性能を向上可能となる。また、摩耗中期で第2センターサイプ14がトレッド面Trに出現するので、摩耗中期のトラクション性能が向上可能となる。
また、センター陸1は、タイヤ軸方向ADの両側の陸端1a,1bのそれぞれにおいてセンタースリット10とセンターノッチ(11,12)がタイヤ周方向CDに交互に配置されており、さらに、第1センターサイプ13と第2センターサイプ14は、タイヤ周方向CDに互いに交互に出現する。これにより、トラクション要素と陸剛性の確保を両立でき、耐偏摩耗性能の向上とトラクション性能の向上とをバランスよく両立可能となる。
【0027】
摩耗中期は、
図4に示すように、主溝のTWI(6a)がトレッド面Trになるときを摩耗率が100%であると定義した場合に、摩耗率が40%以上且つ60%以下のときをいう、としてもよい。または、タイヤ新品時のトレッド面からTWIの頂面までの深さの40%以上且つ60%以下のいずれかまでタイヤが摩耗したときをいう、としてもよい。
センタースリット10は摩耗率40%以上且つ60%以下のいずれかの時点で消滅するのであれば、センタースリット10の深さD3は、摩耗率40%まで摩耗した深さよりも深い、としてもよい。
センタースリット10と第2センターサイプ14を足した深さ(D3+D6)は、第1センターサイプ13の深さD5と同一である、としてもよい。
センタースリット10と第2センターサイプ14を足した深さ(D3+D6)は、摩耗率60%まで摩耗した深さよりも深い、としてもよい。
第1センターサイプ13の深さD5は、センタースリット10の深さD3よりも深い、としてもよい。第1センターサイプ13の深さD5は、摩耗率60%まで摩耗した深さよりも深い、としてもよい。
【0028】
第1センターサイプ13及び第2センターサイプ14は、タイヤ軸方向ADに対して傾斜しており、その傾斜方向は、センタースリット10と同方向である。センサーサイプ(13,14)の傾斜方向は、波形状部分の振幅中心線がタイヤ軸方向ADに対して傾斜している、としてもよい。
【0029】
センター陸1は、第1センターサイプ13とセンタースリット10との中間部に、第3センターサイプ15を有する、としてもよい。第3センターサイプ15は、第1センターサイプ13と同様に、波形状サイプであり、センター陸1のタイヤ軸方向ADの両側の陸端1a,1bに開口する。第3センターサイプ15のタイヤ軸方向ADに対する傾斜方向は、センタースリット10の傾斜方向と同方向である。
【0030】
図1~4に示すように、クォーター陸2は、第1クォーターサイプ24と、第2クォーターサイプ25と、を有する、としてもよい。第1クォーターサイプ24は、タイヤ軸方向ADに延びて第1クォータースリット20と第2クォーターノッチ23の両方に開口する。第2クォーターサイプ25は、タイヤ軸方向ADに延びて第1クォーターノッチ21と第2クォータースリット22の両方に開口する。第1クォーターサイプ24及び第2クォーターサイプ25により、クォーター陸2の陸剛性が低下することを抑制して耐偏摩耗性能を向上可能となる。第1クォーターサイプ24及び第2クォーターサイプ25の深さD5は、第1センターサイプ13の深さD5と同一であるが、これに限定されない。
【0031】
クォーター陸2は、第1クォーターサイプ24と第2クォーターサイプ25との中間部に、第3クォーターサイプ26を有する、としてもよい。第3クォーターサイプ26は、第1クォーターサイプ24と同様に、波形状サイプであり、クォーター陸2のタイヤ軸方向ADの両側の陸端2a,2bに開口する。第3クォーターサイプ26のタイヤ軸方向ADに対する傾斜方向は、同じクォーター陸2のスリット(20,22)やノッチ(21,23)の傾斜方向と同方向である。
【0032】
<各要素のタイヤ軸方向の寸法について>
一つのノッチのタイヤ軸方向ADの寸法は、各々の陸のタイヤ軸方向の寸法の5%以上且つ15%以下であることが好ましい。陸の剛性を確保して耐偏摩耗性能を確保するためである。具体的には、第1センターノッチ11又は第2センターノッチ12のタイヤ軸方向ADの寸法は、センター陸1のタイヤ軸方向の寸法の5%以上且つ15%以下である、としてもよい。第1クォーターノッチ21又は第2クォーターノッチ23のタイヤ軸方向ADの寸法は、クォーター陸2のタイヤ軸方向の寸法の5%以上且つ15%以下である、としてもよい。
【0033】
第1センターサイプ13のタイヤ軸方向ADの長さは、第1センターノッチ11及び第2センターノッチ12のタイヤ軸方向ADの長さの合計値よりも大きい、としてもよい。これにより、ブロック形状で動きやすいセンター陸1の陸剛性を確保して耐偏摩耗性能を向上させ、且つ、トラクション性能も得ることが可能となる。
第1センターサイプ13のタイヤ軸方向ADの長さは、センター陸1のタイヤ軸方向ADの長さの70%以上且つ90%以下であることが好ましい。また、この数値範囲内において、第1センターサイプ13のタイヤ軸方向ADの長さは、第1センターノッチ11と第2センターノッチ12のタイヤ軸方向ADの長さの合計値の2.0倍以上且つ9.0倍以下であることが好ましい。これにより、センター陸1の陸剛性を確保して耐偏摩耗性能を向上させつつトラクション性能を確保可能となる。
【0034】
クォーターサイプ(24,25)のタイヤ軸方向ADの長さは、クォーター陸2のクォータースリット(20,22)とクォーターノッチ(23,21)のタイヤ軸方向ADの長さの合計値とほぼ同じである、としてもよい。これにより、クォーター陸2の陸剛性を確保して耐偏摩耗性能を向上し、且つ、トラクション性能を確保可能となる。
第1クォーターサイプ24又は第2クォーターサイプ25のタイヤ軸方向ADの長さは、クォーター陸2のタイヤ軸方向ADの陸幅の40%以上且つ60%以下である、としてもよい。また、この数値範囲内において、クォーターサイプ(24,25)のタイヤ軸方向ADの長さは、クォーター陸2のクォータースリット(20,22)とクォーターノッチ(23,21)のタイヤ軸方向ADの長さの合計値の0.8倍以上且つ1.2倍以下である、としてもよい。
【0035】
図2に示すように、センター陸1のノッチ(第1センターノッチ11、第2センターノッチ12)の開口は、センター陸1に隣接するクォーター陸2のノッチ及びスリットの開口と、タイヤ周方向CDの位置が異なり、主溝を挟んで対面していない。これにより、センター陸1のノッチと、クォーター陸2のノッチ及びスリットとが、接地面に交互に出現するので、トラクションを発生させやすくなる。
【0036】
<タイヤ新品時と、摩耗中期の比較>
図2に示すように、センター陸1は、タイヤ新品時においてセンタースリット10によってタイヤ周方向CDに区画された複数のブロック形状である。センター陸1は、摩耗中期においてセンタースリット10が消失してタイヤ周方向CDに連続するリブ形状に変化する。タイヤ新品時のセンタースリット10は、摩耗中期に第1センターノッチ11及び第2センターノッチ12に変化する。タイヤ新品時の第2センターサイプ14は、摩耗中期で第1センターサイプ13に変化する。これにより、センター陸1は、新品時において耐摩耗性能よりもトラクション性能を重心した構成となり、摩耗中期においてトラクション性能よりも耐偏摩耗性能を重視した構成となる。
【0037】
図5に示すように、クォーター陸2のパターンは変化しない。クォーター陸2は、タイヤ新品時及び摩耗中期の両方の時期において、トラクション性能と耐偏摩耗性能のバランスが良い構成である。
【0038】
一方、ショルダー陸3は、タイヤ新品時においてショルダースリット30によってタイヤ周方向CDに区画された複数のブロック形状である。ショルダー陸3は、摩耗中期においてショルダースリット30が消失して、一端が接地端LE又はショルダー主溝61に開口し且つ他端が陸内で終端する溝31に変化する。これにより、センター陸1,クォーター陸2,ショルダー陸3を含むタイヤのトレッド面全体の摩耗バランスを向上でき、タイヤの寿命を延長可能となる。
【0039】
[変形例]
(1)第1実施形態では、主溝が6本であるが、これに限定されない。例えば、タイヤPTがタイヤ赤道面TEを通る単一のセンター主溝を有する場合には、単一のセンター主溝のタイヤ軸方向の両側にそれぞれ一対のセンター陸が配置される、としてもよい。例えば、主溝が7本の場合、タイヤ赤道面TEにセンター主溝62が配置され、センター主溝62のタイヤ軸方向ADの両側に一対のセンター陸1が配置される。各々のセンター陸1のタイヤ軸方向ADの外側にそれぞれ二対のクォーター陸2が配置される。
【0040】
(2)第1実施形態では、複数対(2対)のクォーター陸2がセンター陸1を挟んでいるが、一対のクォーター陸2がセンター陸1を挟んでいてもよい。
【0041】
(3)第1実施形態では、サイプは、深さ変化に応じて形状が変化しない非3Dサイプであるが、深さ変化に応じて形状が変化する3Dサイプであってもよい。
【0042】
以上、
図1~5に示す第1実施形態のように、空気入りタイヤは、タイヤ赤道面TEに最も近いセンター陸1と、タイヤ軸方向ADの最も外側に配置されるショルダー陸3と、センター陸1とショルダー陸3の間に配置されるクォーター陸2と、を備え、センター陸1は、タイヤ軸方向ADの第1側AD1の陸端1aに開口し且つタイヤ軸方向ADの第1側AD1とは反対の第2側AD2の陸端1bから離れる第1センターノッチ11と、第1側AD1の陸端1aから離れ且つ第2側AD2の陸端1bに開口する第2センターノッチ12と、タイヤ軸方向ADの両側の陸端1a,1bに開口するセンタースリット10と、を有し、センター陸1の第1側AD1の陸端1aにおいて第1センターノッチ11及びセンタースリット10がタイヤ周方向CDに交互に開口し、センター陸1の第2側AD2の陸端1bにおいて第2センターノッチ12及びセンタースリット10がタイヤ周方向CDに交互に開口しており、クォーター陸2は、第1側AD1の陸端2aに開口し且つ第2側AD2の陸端2bから離れる第1クォーターノッチ21及び第1クォータースリット20と、第1側AD1の陸端2aから離れ且つ第2側AD2の陸端2bに開口する離れる第2クォーターノッチ23及び第2クォータースリット22と、を有し、クォーター陸2の第1側AD1の陸端2aにおいて第1クォーターノッチ21及び第1クォータースリット20がタイヤ周方向CDに交互に開口し、クォーター陸2の第2側AD2の陸端2bにおいて第2クォーターノッチ23及び第2クォータースリット22がタイヤ周方向CDに交互に開口する、としてもよい。
【0043】
この構成によれば、センター陸1及びクォーター陸2においてノッチ(11,12,21,23)とスリット(10,20,22)が各々の陸端1a,1b,2a,2bでタイヤ周方向CDに交互に開口するので、センター陸1及びクォーター陸2それぞれの陸の剛性バランスをとることができ、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
センター陸1は他の陸に比べて接地圧力が高いため、センター陸1がセンタースリット10によってタイヤ周方向CDに複数のブロックに分断されることで、トラクションを効果的に確保する役割を有する。これに対してクォーター陸2は、クォーター陸2を分断するスリットを設けずにスリット(20,22)とノッチ(21,23)をタイヤ周方向に交互に配置することで、耐偏摩耗性能と、スリット及びノッチによるトラクションの確保とを両立している。また、クォーター陸2のピッチとセンター陸1のピッチとを合わせて、センター陸1にセンタースリット10のみを配置すれば、ブロックが小さくなり、耐偏摩耗性能が悪化してしまう。そこで、センター陸1にセンタースリット10とノッチ(11,12)をタイヤ周方向CDに交互に配置することで、耐偏摩耗性能の著しい悪化を抑制している。
したがって、トラクションの確保と、耐偏摩耗性能とを両立可能となる。
【0044】
図1~5に示す第1実施形態のように、センター陸1のセンタースリット10は、クォーター陸2の第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22のいずれよりも浅い、としてもよい。
仮に、センタースリット10とクォータースリット(20,22)が同じ深さであれば、センタースリット10で分断されるセンター陸1の動きがクォーター陸2に比べて大きくなり、偏摩耗を招来する。これに対して、センタースリット10をクォータースリット(20,22)よりも浅くすることで、センター陸1のブロックの動きを抑制して、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
【0045】
図1~5に示す第1実施形態のように、ショルダー陸3は、タイヤ軸方向ADの両側の陸端に開口するショルダースリット30を有し、ショルダースリット30は、センタースリット10よりも浅い、としてもよい。
この構成によれば、ショルダー陸3は他の陸に比べて最も横力が作用しやすいため、偏摩耗が発生しやすい。そこで、ショルダースリット30を他のスリット(10,20,22)に比べて最も浅くすることで、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
【0046】
図1~5に示す第1実施形態のように、センタースリット10、第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22は、それぞれ、タイヤ軸方向ADに対して傾斜しており、センタースリットの傾斜方向は、センター陸1に隣接するクォーター陸2の第1クォータースリット20及び第2クォータースリット22の傾斜方向と逆方向である、としてもよい。
この構成によれば、パターン全体で見て、一方の陸の弱い部分を他方の陸がカバーするので、耐偏摩耗性能が向上可能となる。
【0047】
図1~5に示す第1実施形態のように、センター陸1は、第1センターノッチ11と第2センターノッチ12の両方に開口する第1センターサイプ13を有し、クォーター陸2は、第1クォータースリット20及び第2クォーターノッチ23の両方に開口する第1クォーターサイプ24と、第1クォーターノッチ21及び第2クォータースリット22の両方に開口する第2クォーターサイプ25と、を有する、としてもよい。
この構成によれば、センター陸1の陸剛性が低下することを第1センターサイプ13によって抑制して耐偏摩耗性能を向上させると共に、第1センターサイプ13がトラクションを向上させることが可能となる。同様に、クォーター陸2の陸剛性が低下することをクォーターサイプ(24,25)によって抑制して耐偏摩耗性能を向上させると共に、クォーターサイプ(24,25)がトラクションを向上させることが可能となる。
【0048】
図1~5に示す第1実施形態のように、センター陸1は、センタースリット10の底面をタイヤ周方向CDに分断する第2センターサイプ14を有する、としてもよい。
この構成によれば、新品時及び摩耗初期の偏摩耗を抑制可能となる。摩耗中期において第2センターサイプ14が表面に出現するので、摩耗中期のトラクションが向上可能となる。
【0049】
図1~5に示す第1実施形態のように、第1センターサイプ13及び第2センターサイプ14は、タイヤ周方向CDに交互に配置されている、としてもよい。
この構成によれば、耐偏摩耗性能の向上と、トラクションを向上とをバランスよく両立可能となる。
【0050】
図1~5に示す第1実施形態のように、センター陸1は、タイヤ新品時においてセンタースリット10によってタイヤ周方向CDに区画された複数のブロック形状であり、摩耗中期においてセンタースリット10が消失してタイヤ周方向に連続するリブ形状となり、タイヤ新品時のセンタースリット10は、摩耗中期で第1センターノッチ11及び第2センターノッチ12に変化し、タイヤ新品時の第2センターサイプ14が摩耗中期で第1センターサイプ13に変化する、としてもよい。
この構成によれば、新品時及び摩耗初期において、センター陸1は、ブロック形状となりセンタースリット10によるトラクション性能を重視した構成となる。しかし、その裏目として摩耗が早くなるのでセンター陸1が相対的に摩耗気味になる。そして、摩耗中期では、センタースリット10が消失してトラクション性能よりも耐偏摩耗性能を重視した構成(第1センターノッチ11、第2センターノッチ12、第1センターサイプ13)になる。したがって、摩耗中期においてタイヤ全体の摩耗バランスを向上でき、タイヤの寿命を延長可能となる。
【0051】
図1~5に示す第1実施形態のように、第1センターサイプ13、第2センターサイプ14、第1クォーターサイプ24及び第2クォーターサイプ25は、それぞれ、路面に接触するトレッド面Trにおける形状が波形状である、としてもよい。
この構成によれば、波形状サイプによって陸の動きが抑制されるので、耐偏摩耗性能が向上可能となる。
【0052】
図1~5に示す第1実施形態のように、ショルダー陸3は、サイプを有さない、としてもよい。ショルダー陸3は、偏摩耗しやすい。
この構成によれば、ショルダー陸3にサイプを設けないので、ショルダー陸3の陸剛性を確保し、耐偏摩耗性能を向上可能となる。
【0053】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0054】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0055】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…センター陸、10…センタースリット、11…第1センターノッチ、12…第2センターノッチ、13…第1センターサイプ、14…第2センターサイプ、2…クォーター陸、20…第1クォータースリット、21…第1クォーターノッチ、22…第2クォータースリット、23…第2クォーターノッチ、24…第1クォーターサイプ、25…第2クォーターサイプ、3…ショルダー陸、30…ショルダースリット、AD…タイヤ軸方向、AD1…第1側、AD2…第2側、TE…タイヤ赤道面。