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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014287
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】8種の植物を含む食品組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20220112BHJP
   A61K 36/8962 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/31 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/906 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/23 20060101ALI20220112BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220112BHJP
   A23L 35/00 20160101ALI20220112BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20220112BHJP
【FI】
A23L5/00 K
A61K36/8962
A61K36/31
A61K36/484
A61K36/48
A61K36/906
A61K36/23
A61P35/00
A61K9/20
A61K9/16
A61K9/48
A23L35/00
A23L33/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116545
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】520247497
【氏名又は名称】結願株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183461
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】徳村 忠一
(72)【発明者】
【氏名】梶川 万維
(72)【発明者】
【氏名】眞部 康寛
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B036
4C076
4C088
【Fターム(参考)】
4B018MD53
4B018MD54
4B018MD55
4B018MD58
4B018ME08
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF02
4B018MF06
4B035LC16
4B035LE01
4B035LG32
4B035LG33
4B035LP21
4B035LP22
4B035LP24
4B035LP31
4B036LE01
4B036LE03
4B036LH26
4B036LH27
4B036LH29
4B036LH32
4B036LP09
4B036LP14
4B036LP24
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076CC40
4C088AB15
4C088AB40
4C088AB60
4C088AB61
4C088AB81
4C088AB87
4C088CA03
4C088CA11
4C088MA07
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZB26
(57)【要約】
【課題】 本発明は、硬度が高い食品組成物を提供することを目的としている。
【解決手段】 にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物。
【請求項2】
前記植物が、植物の抽出物又は乾燥物である、請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
前記抽出物又は乾燥物が、前記植物全体、種子、葉、根若しくは茎の抽出エキス;又は前記植物全体、種子、葉、根若しくは茎の乾燥粉末である、請求項2に記載の食品組成物。
【請求項4】
前記抽出物又は乾燥物が、にんにくの根、キャベツの葉、甘草の根、大豆の種子、しょうがの根、人参の根、セロリの茎又は葉、及びパースニップの根それぞれの抽出エキス又は乾燥粉末である、請求項2に記載の食品組成物。
【請求項5】
硬度が4.8kg以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項6】
生活習慣病予防用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項7】
前記生活習慣病が、癌である、請求項6に記載の食品組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を配合した、生活習慣病予防用製剤。
【請求項9】
剤形が、錠剤、丸剤、顆粒剤、又はカプセル剤である、請求項8に記載の生活習慣病予防用製剤。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を含む、健康食品。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を含む、サプリメント。
【請求項12】
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物それぞれの乾燥粉末と水とを混練し、丸剤化された固形食品。
【請求項13】
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む、硬度向上剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8種の植物を含む食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日本人の食生活は、第二次世界大戦後、欧米食への急激な変化による過剰なカロリー摂取又は脂肪摂取の結果、大腸癌が急激に増加している。
【0003】
日本よりも早くから癌の死亡率の増加が深刻な問題となっていたアメリカでは、病気を「治療」ではなく、食事又は食習慣の改善で「予防」しようという取り組みがなされ、1990年にアメリカ国立癌研究所(NCI)を中心として「デザイナーフーズ計画(designer foods project」が開始された。この計画は、果物、野菜等に含まれる癌予防に有効な天然の化学物質で強化された食品を作ることを目的として発足され、癌予防に有効性があると考えられる約40種類の植物性食品を公開した(非特許文献1参照)。
【0004】
これらの食品は、効果が期待できる順に上からピラミッド型に並べられており(デザイナーフーズ・ピラミッド)、これらの食品を毎日食べることが好ましいが、デザイナーフーズに含まれる食品の数が多く、しかも、ヒトが1日に摂取する量には限界がある(非特許文献1参照)。
【0005】
そこで、それぞれの食品粉末を、サプリメント等にして摂取しやすくすることも考えられるが、食品粉末を錠剤化する場合、成型性が悪く、錠剤化しにくいという問題があることが分かった(特許文献1参照)。
【0006】
また、たとえ錠剤化できたとしても、錠剤を輸送する際に、錠剤が割れて、又は錠剤の周囲が削れて、錠剤の長期保存又は品質に問題が生じることが分かった。
【0007】
一方、医薬等の錠剤を製造する場合、有効成分以外に、例えば、結合剤、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤等の添加剤を添加して、硬度を高めて、錠剤の長期保存又は品質を維持することは行われている。
【0008】
しかしながら、近年、健康に対する意識が向上していることから、食品サプリメントにおいて、医薬分野で用いられるような添加剤を加えることへの抵抗があり、これら添加剤を使わない、体に優しい食品及びサプリメントが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003-135023号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】大澤俊彦,「がん予防と食品-デザイナーズフーズからファンクションフーズへ-」, 日本食生活学会誌, Vol.20, No.1, 2009, p.11-16
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
かかる状況において、本発明は、硬度が高い食品組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らが、鋭意検討した結果、8種の植物を混合することにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
【0013】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物。
項2.
前記植物が、植物の抽出物又は乾燥物である、上記項1に記載の食品組成物。
項3.
前記抽出物又は乾燥物が、前記植物全体、種子、葉、根若しくは茎の抽出エキス;又は前記植物全体、種子、葉、根若しくは茎の乾燥粉末である、上記項2に記載の食品組成物。
項4.
前記抽出物又は乾燥物が、にんにくの根、キャベツの葉、甘草の根、大豆の種子、しょうがの根、人参の根、セロリの茎又は葉、及びパースニップの根それぞれの抽出エキス又は乾燥粉末である、上記項2に記載の食品組成物。
項5.
硬度が4.8kg以上である、上記項1~4のいずれか一項に記載の食品組成物。
項6.
生活習慣病予防用である、上記項1~5のいずれか一項に記載の食品組成物。
項7.
前記生活習慣病が、癌である、上記項6に記載の食品組成物。
項8.
上記項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を配合した、生活習慣病予防用製剤。
項9.
剤形が、錠剤、丸剤、顆粒剤、又はカプセル剤である、上記項8に記載の生活習慣病予防用製剤。
項10.
上記項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を含む、健康食品。
項11.
上記項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を含む、サプリメント。
項12.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物それぞれの乾燥粉末と水とを混練し、丸剤化された固形食品。
項13.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む、硬度向上剤。
項14.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物を、棒状に伸ばす工程、切断する工程、及び丸める工程を備える丸剤の製造方法。
項15.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物を、棒状に伸ばす工程、切断する工程、及び丸める工程を経て得られた丸剤。
項16.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物を、押圧する工程を備える、食品製剤の製造方法。
項17.
にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む食品組成物を、押圧する工程を経て得られた食品製剤。
【0014】
なお、現時点で、本発明における食品組成物、生活習慣病予防用製剤、健康食品、サプリメント、固形食品、硬度向上剤、丸剤、食品製剤等の一部は、物の構造を完全に特定することが不可能又はおよそ実際的ではない程度に困難であるため、プロダクトバイプロセスクレームによって、それぞれの物の発明を記載している場合もある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、硬度が高い食品組成物、生活習慣病予防用製剤、固形食品等を提供することができる。本発明の食品組成物、生活習慣病予防用製剤、固形食品等は、成形性に優れており、例えば、錠剤化した場合、錠剤が割れたり、又は錠剤の周囲が削れたりすることがなく、錠剤として長期保存又は品質を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の組成物は、にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物を含む。これら8種の植物は、上記デザイナーフーズ計画で提示された食品(デザイナーフーズ)のうち、重要性が高いと判断された食品である。よって、本発明の組成物は、生活習慣病予防効果、特に癌予防効果を発現することができる。
【0017】
本明細書において、「抽出物」には、抽出エキス乾燥物、抽出エキス水、抽出エキス粉末等の抽出エキスが含まれる。これらの中で、効果を向上できる点で、抽出エキス粉末が好ましい。
【0018】
本明細書において、「抽出エキス」とは、所定の植物の全部又は一部から抽出溶媒によって有効成分を抽出したもの(溶媒抽出物)又はその濃縮物をいい、液状物又は固形物であることは問わない。
【0019】
本明細書において、「乾燥物」には、所定の植物の全部又は一部をそのまま乾燥して粉末状にした乾燥粉末等が含まれる。
【0020】
抽出物又は乾燥物としては、抽出エキス又は乾燥粉末、特に、上記の8種の植物それぞれの全体、種子、葉、根又は茎の抽出エキス又は乾燥粉末であることが、効果の向上の点で好ましい。
【0021】
さらに、抽出物又は乾燥物は、にんにくの根、キャベツの葉、甘草の根、大豆の種子、しょうがの根、人参の根、セロリの茎又は葉、及びパースニップの根それぞれの抽出エキス又は乾燥粉末であることが、効果の向上の点で好ましい。
【0022】
本発明の組成物が前記抽出物としての抽出エキスを含む場合、該抽出エキスの抽出方法としては、例えば、植物の全体又は所定の部位(種子、根、葉、茎等)を細切りし、溶媒で抽出する方法等が挙げられる。抽出溶媒としては、水(熱水及び温水を含む)、エタノール単体、又は水とエタノールとの混合物(エタノール濃度50質量%以下、好ましくは10~30質量%)等が挙げられる。抽出溶媒の使用量は、植物の全体又は所定の部位1質量部に対して、通常3~20質量部、好ましくは5~10質量部である。
【0023】
また、抽出エキスは、室温で抽出したものでも、加熱抽出したものでもよい。植物から抽出溶媒により抽出した溶媒抽出物は、濃縮することが好ましく、さらには、スプレードライ方式(溶媒抽出物を高濃度に濃縮した濃縮物を高温の釜の中で、霧状に噴霧し、高温の空気を送り込むことで、残存する溶媒を瞬間的に揮発させ、固形物として堆積させて、粉末等の固形の抽出エキスとする方式)により固形化し、粉末状等の抽出エキスとすることが好ましい。なお、溶媒抽出物は、濃縮せずにそのままの状態でも使用することもできる。
【0024】
また、抽出エキスは、溶媒抽出物から濃縮する場合には、その濃縮によって植物に対する最終的な溶媒量が限りなくゼロになることが好ましい。このようにするには、例えば、濃縮過程において、溶媒抽出物から水分及び抽出溶媒を熱により揮発させ、最終的にエキス粉末にすることが好ましい。なお、抽出エキスを得る際に使用する溶媒が残存する抽出物であっても、組成物中にその抽出エキスの量を多く含有させる等の調整により、エキス粉末を使用した場合と同等の効果を得ることが可能である。
【0025】
本発明の組成物が前記乾燥物を含む場合、該乾燥物は、例えば、植物の全体又は所定の部位(種子、根、茎等)を、60℃以上、好ましくは60~100℃の温度で乾燥し、これをさらに所定の大きさの粉末にすべく、粉砕して微粉末化し、90~100℃で滅菌処理する等の公知の方法により乾燥粉末等にしたものが用いられる。
【0026】
なお、これらの抽出物(特に抽出エキス)又は乾燥物(特に乾燥粉末)は、市販品を使用することもできる。
【0027】
本発明の組成物における8種の植物それぞれの抽出物又は乾燥物の配合量について、特に該植物それぞれの特定部位の抽出エキス又は乾燥粉末を配合する場合を一例として、植物ごとに以下に示す。
【0028】
にんにく(ニンニク、大蒜、ガーリック)は、デザイナーフーズ計画で挙げられた食品の中で最も効果が高いと評価された食品である。にんにくとして、処理していない生にんにく、生にんにくの熱処理加工物等を使用することができる。生にんにくの熱処理加工物は、生にんにくを自己発酵させて製造した黒にんにくである。黒にんにくは、生にんにくを皮付きで30℃~75℃の温度範囲かつ湿度を制御した上で5~40日間温蔵してから取り出し、常温に戻すことにより製造することができる。
にんにくの根の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは3~50質量%、さらに好ましくは5~20質量%、特に好ましくは7~10質量%である。また、にんにくの根の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは3~50質量%、さらに好ましくは5~20質量%、特に好ましくは7~10質量%である。
にんにくの配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは100~300質量部、さらに好ましくは150~250質量部、特に好ましくは180~220質量部である。
なお、にんにくは、ユリ科の植物である。ユリ科の植物としては、にんにく以外にも、例えば、タマネギ、アサツキ、ニラ等が挙げられる。
にんにくには、有効成分として、アリシン等が含まれていることが知られている。アリシン(allicin)は、ニンニク由来の化合物であり、強い抗菌・抗カビ作用を持つ。アリシンは、自生している状態のニンニクには存在しないが、ニンニクを刻んだり傷つけたりしてニンニクの組織を破壊すると、酵素アリナーゼの作用により、化合物アリインから変換される化合物である。
【0029】
キャベツの葉の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。また、キャベツの葉の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
キャベツの配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部、特に好ましくは380~420質量部である。
なお、キャベツは、アブラナ科の植物である。アブラナ科の植物としては、キャベツ以外にも、例えば、ブロッコリ、カリフラワー、ダイコン、カブ、メキャベツ等が挙げられる。
キャベツには、有効成分として、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンU(メチルメチオニンスルホニウムクロリド)等が含まれていることが知られている。
【0030】
甘草(カンゾウ、リコリス)の根の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは1.5~50質量%、さらに好ましくは2~20質量%、特に好ましくは3~5質量%である。また、甘草の根の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは1.5~50質量%、さらに好ましくは2~20質量%、特に好ましくは3~5質量%である。
甘草の配合量としては、にんにく100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは10~100質量部、さらに好ましくは20~80質量部、特に好ましくは40~60質量部である。
なお、甘草(カンゾウ)は、マメ科の植物である。甘草には、有効成分として、グリチルリチン酸又はグリチルリチン酸ジカリウムが含まれていることが知られている。
【0031】
大豆(ダイズ)の種子の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。また、大豆の種子の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
大豆の配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部、特に好ましくは380~420質量部である。
なお、大豆は、マメ科の植物である。大豆には、有効成分として、ダイズサポニン等が含まれていることが知られている。
【0032】
しょうが(ショウガ、生姜)の根の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは3~50質量%、さらに好ましくは5~20質量%、特に好ましくは7~10質量%である。また、しょうがの根の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは3~50質量%、さらに好ましくは5~20質量%、特に好ましくは7~10質量%である。
しょうがの配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは100~300質量部、さらに好ましくは150~250質量部、特に好ましくは180~220質量部である。
なお、ショウガは、ショウガ科の植物である。ショウガには、有効成分として、ジンゲロール(ギンゲロール)等が含まれていることが知られている。
【0033】
人参(ニンジン)の根の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。また、人参の根の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
人参の配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部、特に好ましくは380~420質量部である。
なお、人参は、セリ科の植物である。人参には、有効成分として、β-カロテン等が含まれていることが知られている。
【0034】
セロリの茎又は葉の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。また、セロリの茎又は葉の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
セロリの配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部、特に好ましくは380~420質量部である。
なお、セロリは、セリ科の植物である。セロリには、有効成分として、ブチルフィサリド、ネオセリディライド、フラボノイド等が含まれていることが知られている。
【0035】
パースニップ(アメリカボウフウ、シロニンジン、又はサトウニンジンともいう)の根の抽出エキスの配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
また、パースニップの根の乾燥粉末の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~20質量%、特に好ましくは15~18質量%である。
パースニップの配合量としては、甘草100質量部に対して、通常1~1000質量部、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部、特に好ましくは380~420質量部である。
なお、パースニップは、セリ科の植物である。パースニップには、有効成分として、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等が含まれていることが知られている。
【0036】
本発明の組成物には、にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが、人参、セロリ、及びパースニップからなる8種の植物以外のものを含んでいてもよい。その他の成分として、例えば、デザイナーフーズとして挙げられている上記8種類の植物以外の食品が挙げられる。具体的には、タマネギ、お茶、ウコン(ターメリック)、玄米、全粒小麦、亜麻、柑橘類果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)、ナス科の植物(トマト、ナス、ピーマン)、アブラナ科の植物(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ);マスクメロン、バジル、タラゴン、カラスムギ、ハッカ、オレガノ、キュウリ、タイム、アサツキ、ローズマリー、セージ、ジャガイモ、大麦、ベリー等が挙げられる。
【0037】
本発明の組成物は、健康食品、機能性食品、又はサプリメントとして使用することができるほか、医薬部外品、飲食物等の成分、食品添加物等としても使用することができる。
【0038】
本発明の組成物は、生活習慣病予防用、好ましくは癌予防用で用いることができ、さらには生活習慣病予防用製剤で用いることができる。
【0039】
本発明の生活習慣病予防用製剤の剤形は、特に限定はなく、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等が挙げられる。中でも、剤形は、錠剤、丸剤、顆粒剤、及びカプセル剤が好ましい。なお、適宜、溶剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、結合剤、増粘剤等の添加剤を使用してもよい。
【0040】
本発明の組成物を錠剤として使用する場合には、前記8種の植物のそれぞれの抽出物又は乾燥物に加えて、賦形剤が配合される。この賦形剤は、前記抽出物又は乾燥物とともに配合され、固形化した錠剤としての生活習慣病予防用製剤を形成するものである。
【0041】
賦形剤は、特に制限されるものではない。賦形剤として、例えば、セルロース、乳糖、パインファイバー、デキストリン、パインデックス等が用いられる。これらは、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
賦形剤を用いる場合の配合量は、本発明の組成物中、好ましくは30~70質量%、さらに好ましくは30~50質量%である。
【0043】
本発明の組成物を錠剤とする際の形状は、特に制限されず、薬事法に準拠した範囲内で適宜設定することができる。形状として、例えば、三角形状、球状、顆粒状の複数の粒等が挙げられる。また、この場合、一粒あたりの質量は、使用態様等に応じて所望の質量に適宜決定することができる。
【0044】
本発明の組成物には、前記の各種成分(抽出物又は乾燥物、必要により賦形剤等)以外に、食品に使われる一般的な原料を添加することができ、常法により製造される。例えば、本発明の組成物が錠剤の場合、前記の各種成分(抽出物又は乾燥物)、及び必要に応じ使用される添加剤を配合し、これに水若しくはエタノール、又は水とエタノールとの混合溶液を加えてこれらを練りこみ、十分に混ぜ合わせる。これを50~100℃に加熱し、加えた水等の溶媒を蒸発させ、十分に乾燥する。その後、打錠する等によって、錠剤が製造される。
【0045】
なお、本発明の製剤の例としては、健康食品、機能性食品、サプリメント、一般食品(ジュース、菓子、加工食品等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が含まれ、健康食品、機能性食品、又はサプリメントとすることが好ましい。
【0046】
本発明の健康食品、機能性食品、サプリメント等は、本発明の効果を一層発揮し得る観点から、1日1000~10000mg、好ましくは2500~5000mgを毎日継続して摂取することが好ましい。
【実施例0047】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0048】
使用する原料は、以下のとおりである。
【0049】
・にんにく乾燥粉末(商品名:にんにくパウダー(20g)、製造元:有限会社柏崎青果)、
・キャベツ乾燥粉末(商品名:国産キャベツ粉末100g[野菜パウダー100%]、製造元:e-PICOT)、
・甘草乾燥粉末(商品名:甘草粉末(100g)、製造元:ネイチャーワン)、
・大豆乾燥粉末(商品名:国産発芽大豆粉末100g[野菜パウダー100%]、製造元:e-PICOT)、
・しょうが乾燥粉末(商品名:国産ショウガ粉末100g[野菜パウダー100%]、製造元:e-PICOT)、
・人参乾燥粉末(商品名:国産ニンジン粉末100g[野菜パウダー100%]、製造元:e-PICOT)、
・セロリ乾燥粉末(商品名:国産セロリ粉末50g[野菜パウダー100%]、製造元e-PICOT)、
・パースニップ乾燥粉末(製造元:株式会社TAGC)。
【0050】
実施例1
上記8種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計4000mg)、そこに精製水3200μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0051】
実施例2
上記にんにく乾燥粉末0.32g、キャベツ乾燥粉末0.64g、しょうが乾燥粉末0.32g、大豆乾燥粉末0.64g、パースニップ乾燥粉末0.64g、人参乾燥粉末0.64g、セロリ乾燥粉末0.64g、及び甘草乾燥粉末0.16g(合計4g)を十分に混合することにより、8種の植物粉末組成物を得た。
【0052】
比較例1
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、パースニップを除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0053】
比較例2
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、大豆を除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0054】
比較例3
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、キャベツを除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0055】
比較例4
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、人参を除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0056】
比較例5
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、しょうがを除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0057】
比較例6
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、にんにくを除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0058】
比較例7
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、甘草を除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0059】
比較例8
上記8種の植物の乾燥粉末のうち、セロリを除く7種の植物の乾燥粉末をそれぞれ500mgずつ量り取って乳鉢に入れ(合計3500mg)、そこに精製水2800μLを添加し、乳棒で混合した。混合物を棒状に伸ばし、ナイフで切って丸めて丸剤(直径約4mm)を作製した。
【0060】
<試験例>
硬度
モンサント型錠剤硬度計(富士理化工業株式会社製)により、上記実施例1及び比較例1~8で製造した丸剤の硬度を測定した。
【0061】
崩壊試験
崩壊試験機(富山産業株式会社製、製品名:NT-1)を用いて、上記実施例1及び比較例1~8で製造した丸剤の崩壊時間を測定した。具体的には、ウォーターバスに水を入れ、崩壊試験を行うビーカーに水(Mill-Q(登録商標)水)を1L加え、ビーカー内の水温が37±2℃になったらガラス管1本に上記丸剤1個を投入し、崩壊する(溶ける又は壊れる)までの時間を測定した。試験時間は、最大30分まで行い、30分経過しても丸剤が崩壊しなかった場合は、「30分以上」と評価した。
結果を表1に示す。
【0062】
【表1】