IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジット株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図1
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図2
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図3
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図4
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図5
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図6
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図7
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図8
  • 特開-チューブ状部材の挿通孔付きマスク 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142905
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】チューブ状部材の挿通孔付きマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043170
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】503401614
【氏名又は名称】ジット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 公夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、胃カメラ等のチューブ状部材を挿通する挿通孔を容易に形成することができるチューブ状部材の挿通孔付きマスクを提供する。
【解決手段】1)マスク本体の適所に、簡単に切り取ることができる切込み線が形成され、前記切込み線を切り取ることにより容易に挿通孔を形成する。2)マスク本体の適所に、マスク本体の布地を熱溶着、圧着または熱圧着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されている。3)前記切込み線が十字状、放射線状形状、円形状、楕円形状、四角形状、多角形状、流線形状のいずれかの形状に形成されている。4)前記挿通孔にマウスピースを取り付けた。5)前記マスク本体の適所に、排気可能な空気弁を備えてなる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体の適所に、簡単に切り取ることができる切込み線が形成され、前記切込み線を切り取ることにより挿通孔が形成されるようにしたことを特徴とするチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項2】
マスク本体の適所に、マスク本体の布地を熱溶着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることを特徴とする請求項1にチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項3】
マスク本体の適所に、マスク本体の布地を圧着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることを特徴とする請求項1にチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項4】
マスク本体の適所に、マスク本体の布地を熱圧着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることを特徴とする請求項1にチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項5】
前記切込み線が十字状、放射線状形状、円形状、楕円形状、四角形状、多角形状、流線形状のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項6】
前記挿通孔に、チューブ状部材を挿通可能なマウスピースが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のチューブ状部材の挿通孔付きマスク。
【請求項7】
前記マスク本体の適所に、排気可能な空気弁を備えてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のチューブ状部材の挿通孔付きマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に胃カメラ等の医療用チューブ状部材を挿入するチューブ状部材の挿通孔付きマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し込む際には、当然のごとく口を開き、あるいは所定のマウスピースを咥えてからチューブ状部材を口腔内に差し込むといった方法が採られてきた。しかしながら、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、口腔内に胃カメラ等の医療用チューブ状部材を差し込む際に患者が口唇を開け続けることや、患者の嘔吐反射によるえずきにより、ウイルスの飛沫感染の危険性が指摘されてるようになってきている。
【0003】
従来、マスクを着用しながら、チューブ状部材を挿通可能なマスクとして、例えば、ストローを使用して飲料を吸引することのできるマスクが提案されている。
特許第3228849号公報(特許文献1参照)では、少なくとも表面層、中間層、顔面層の3層からなる不織布の立体的なプリーツ式のマスクにおいて、着用者の顔面対象部位を覆うマスク本体と、該マスク本体の左右に設けられた耳掛け紐と、前記マスク本体の左右側縁の縦方向の略中央に形成された切り込みと、前記マスク本体の左右側縁に設けられ前記切り込みよりも上側、及び下側に位置する粘着テープと、前記マスク本体の裏面の上縁部に設けた粘着テープとを設けた接着テープ付きマスクが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3228849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のマスクにおいては、マスクの口に対応する部分を貫通してストローが中まで入る開閉式のストロースポットを設けてあり、具体例として開け閉め可能な粘着力のあるテープの扉が開示されているだけであって、容易かつ簡単に胃カメラ等の医療用チューブ状部材を挿入することができるものではなかった。
【0006】
以上のように、従来のマスクでは、上記特許文献1のようにマスク部分の口に対応する部分にストロースポット(ストローを挿通することができる孔)を設けたり、マスク部分を2枚一組として上下に配して一つのマスクを形成してあり、上部マスクと下部マスクの間からストロー等を差し込むことにより、マスクを着用したままチューブ状部材を口腔内に差し込むことができるマスクも存在している。
しかしながら、そのようなマスクのいずれも、ストロー等を口腔内に差し込むための貫通孔を容易に開口させることが困難であったり、前段階からマスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能が著しく低下してしまっているという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、マスク本体の適所に、簡単に切り取ることができる切込み線が形成され、前記切込み線を切り取ることにより挿通孔が形成されるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、マスク本体の適所に、マスク本体の布地を熱溶着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることをも特徴とするものである。
【0009】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、マスク本体の適所に、マスク本体の布地を圧着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることをも特徴とするものである。
【0010】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、マスク本体の適所に、マスク本体の布地を熱圧着して簡単に切り取ることができる切込み線が形成されていることをも特徴とするものである。
【0011】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、前記切込み線が十字状、放射線状形状、円形状、楕円形状、四角形状、多角形状、流線形状のいずれかの形状に形成されていることをも特徴とするものである。
【0012】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、前記挿通孔に、チューブ状部材を挿通可能なマウスピースが取り付けられていることをも特徴とするものである。
【0013】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、前記マスク本体の適所に、排気可能な空気弁を備えてなることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、上述のとおり、マスクの所定箇所に簡単に切り取ることができる切込み線を形成してあるので、例えば前記切込み線の両側を両手でつまんで引っ張ることにより、容易に挿通孔を形成することができる。したがって、前記切込み線の両側を手で摘まんで引っ張る等の簡単な操作で、労せず容易にマスクに挿通孔を形成して、胃カメラ等を口腔内に差し込むことができるのである。また、前記挿通孔の未形成時はもちろんのこと、前記挿通孔の形成時であっても、前記挿通孔の径を挿通するチューブ状部材と同径またはやや小径とすることにより、マスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能を損なわれることなく、安心してマスクを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの第1実施例の概略正面図である。
図2】その、マスク部分に形成した切込み線を両手で引っ張り、胃カメラ等の差込孔を形成しようとする状態を示す概略正面図である。
図3】その、マスク部分に形成した切込み線を両手で引っ張り、胃カメラ等の差込孔を形成した状態を示す概略正面図である。
図4】本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの第2実施例の概略正面図である。
図5】その、マスク部分に形成した切込み線を両手で引っ張り、胃カメラ等の差込孔を形成しようとする状態を示す概略正面図である。
図6】その、マスク部分に形成した切込み線を両手で引っ張り、胃カメラ等の差込孔を形成した状態を示す概略正面図である。
図7】本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの、切込み線の形状のその他の実施例を示す概略正面図である。
図8】本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの、マスク本体の適所に空気弁を設けた実施例を示す概略正面図である。
図9】本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの、切込み線を切り取ることにより形成される挿通孔にマウスピースを取り付けた状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスクの実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスクの第1実施例を示すものである。
図において、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスク11は、マスク本体12と、該マスク本体12の両側端部に使用者の耳に掛けるための伸縮部材13から構成されている。前記マスク本体12は、ガーゼや複層構造の不織布からなり、可撓性を備えた医療用マスクまたは家庭用マスクであればよく、複層構造の不織布を好適に用いることができる。
【0017】
そして、前記マスク本体12の口に対応する部分には、十字状に切り取ることができる切込み線12aを形成してある。この切込み線12aは、破線からなるミシン目状とすることができる。もちろん、前記切込み線12aは、ミシン目状と同等の効果を奏する形態であればミシン目状に限られるものではない。
そして、図2に示すように、前記切込み線12aの両側近傍を手で摘んで引っ張るだけで、図3に示すように容易に十字状の切込みからなる胃カメラ等の医療用チューブ状部材の挿通孔14を形成することができるようにしてある。
この挿通孔14の径は、該挿通孔14を挿通する胃カメラ等の医療用チューブ状部材よりやや小径または略同径としておくとよい。
【0018】
また、前記切込み線12aは、上述のようにミシン目状に形成するほか、熱溶着器を用いて熱溶着させて形成することもできる。また、プレス機等を用いて圧着または熱圧着させて形成することもできる。前記切込み線12aを熱溶着形成、圧着形成または熱圧着形成した場合であっても、上述のミシン目状に形成した場合と同様、使用者が手で摘まんで引っ張るだけで前記十字状の切込みからなる挿通孔14を形成することができる。
【0019】
このように、前記十字状の切込みからなる挿通孔14を極めて容易に形成することができるので、胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し込む際に、前記十字状の切込みからなる挿通孔14を形成して、直接またはマウスピースを介して胃カメラ等のチューブ状部材を口腔内に差し込むことができるのである。
【0020】
なお、前記切込み線12aは、上述のとおり、ミシン目状や熱溶着形成、圧着形成、熱圧着形成により形成されるものであるが、前記十字状の切込みからなる挿通孔14が形成される前は、当然にマスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能を損なうことなく、通常のマスクとして使用することができることはいうまでもない。
また、前記十字状の切込みからなる挿通孔14が形成された際も、前記十字状の切込みからなる挿通孔14の径を、前記挿通孔14に挿通するチューブ状部材の径よりやや小径または略同径としておくことにより、前記挿通孔14に胃カメラ等の医療用チューブ状部材が差し込まれている状態においても、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスク全体としてマスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能を損なうことなく、マスクを着用したまま安心して使用することができるのである。
【0021】
図4ないし図6は、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスクの第2実施例を示すものである。
図において、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスク21は、マスク本体22と、該マスク本体22の両側端部に使用者の耳に掛けるための伸縮部材23から構成されている。前記マスク本体22は、ガーゼや複層構造の不織布からなり、該マスク本体22の所定の箇所に複数の折り目からなるプリーツ加工25が施されており、可撓性を備えた医療用マスクまたは家庭用マスクであればよく、複層構造の不織布を好適に用いることができる。
そして、前記マスク本体22の口に対応する部分には、十字状に切り取ることができる切込み線22aを形成してある。もちろん、前記切込み線22aは、ミシン目状と同等の効果を奏する形態であればミシン目状に限られるものではない。この切込み線22aは、破線からなるミシン目状とすることができる。そして、図5に示すように、前記切込み線22aの両側近傍を手で摘んで引っ張るだけで、図6に示すように容易に十字状の切込みからなる挿通孔24を形成することができるようにしてある。
この挿通孔24の径は、該挿通孔24を挿通する胃カメラ等の医療用チューブ状部材よりやや小径または略同径としておくこととよい。
【0022】
また、前記切込み線22aは、上述のようにミシン目状に形成するほか、熱溶着機等を用いて熱溶着させて形成することもできる。また、プレス機等を用いて圧着、熱圧着させて形成することもできる。前記切込み線22aを熱溶着形成、圧着形成または熱圧着形成した場合であっても、上述のミシン目状に形成した場合と同様、使用者が手で摘まんで引っ張るだけで前記十字状の切込みからなる挿通孔24を形成することができる。
【0023】
このように、前記十字状の切込みからなる挿通孔24を極めて容易に形成することができるので、胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し込む際に、前記十字状の切込みからなる挿通孔24を形成して、胃カメラ等を口腔内に差し込むことができる。
なお、前記切込み線22aは、上述のとおり、ミシン目状や熱溶着形成、圧着形成、熱圧着形成により形成されるものであるが、前記十字状の切込みからなる挿通孔24が形成される前は、当然にマスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能を損なうことなく、通常のマスクとして使用することができることはいうまでもない。
【0024】
また、前記十字状の切込みからなる挿通孔24が形成された際も、前記十字状の切込みからなる挿通孔24の径を、前記挿通孔24に挿通するチューブ状部材の径よりやや小径または略同径としておくことにより、前記挿通孔24に胃カメラ等の医療用チューブ状部材が差し込まれている状態においても、本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスク全体としてマスクに本来期待される機能である飛沫防止や防塵機能を損なうことがないので、マスクを着用したまま安心して使用することができるのである。
【0025】
図7は、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、マスク本体の適所に形成される切込み線の形状のその他の実施例を示す概略正面図である。
図7(a)ないし(f)に示すとおり、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクのマスク本体に形成される切込み線は、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクが使用される医療現場、医療行為、その他の要請、事情に応じて、放射線状形状、円形状、楕円形状、四角形状、多角形状、流線形状とすることができる。
例えば、図7(a)に示すように、切込み線32aを放射線状形状とすることにより、前記切込み線12a,22aよりも更にチューブ状部材の断面形状の外周に密に接触させることができるので、ウイルスの飛沫感染を十分に防止することができる。
また、図7(b)ないし(f)に示すように、切込み線32aをチューブ状部材の断面形状に応じて適宜円形状、楕円形状、四角形状、多角形状、流線形状としておくこともできる。
さらに、図7(g)または(h)に示すように、前記切込み線32aを小サイズから大サイズまで複数のサイズを内から外に大きくなるよう配置することにより、一つのマスクで大小あらゆるチューブ状部材に対応することもできる。
なお、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、前記切込み線32aは、図7(a)ないし(h)にあらわされた形状に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0026】
また、図8に示すように、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクにおいて、マスク本体の適所に空気弁41を設けることもできる。
前記空気弁41としては、ウイルスの感染防止用のフィルター等を搭載した排気用の空気弁を好適に用いることができ、胃カメラ等のチューブ状部材を挿通している際の嘔吐反射からなるえずきや過剰な呼吸に対して、ウイルスが除去された息のみがマスク外へ排気されるようにすることができるので、安心してマスクを使用することができるのである。
【0027】
なお、上述の実施例においては、主として前記挿通孔14,24または前記切込み線32aから形成される挿通孔に、直接チューブ状部材を挿通する例について説明したものであるが、もちろん、図9に示すように、あらかじめ前記挿通孔14,24または前記切込み線32aから形成される挿通孔34に、チューブ状部材を挿通することができるマウスピース51を取り付けておき、胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れる際に、事前に当該マウスピース51付きの本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクを着用するようにしてもよい。
このとき、前記マウスピース51とチューブ状部材との当接部分51aにおいて、前記が密着するようにしておくことで、ウイルスの飛沫感染を十分に防止することもできる。
【0028】
本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの奏する作用効果として、例えば次のものが挙げられる。
a)胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れる際には、事前に本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクを着用しておき、チューブ状部材を差し入れる直前に、前記マスクの適所に形成した切込み線に沿って、手等で摘まんで引っ張るだけで容易に挿通孔を形成することができる。したがって、前記マスクの適所に挿通孔を形成してから、該挿通孔にチューブ状部材を挿通して口腔内に差し入れるまでの時間を極めて短時間に短縮することができ、ウイルスの飛沫感染を防止し、安心して胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れることができる。
b)また、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの適所に設けた切込み線を、口腔内に差し入れるチューブ状部材の断面形状に応じた形状としておくことができるので、前記切込み線を手等で摘まんで引っ張ることにより形成される挿通孔とチューブ状部材との当接部分が十分に密着した状態を保持することができるので、ウイルスの飛沫感染を防止し、安心して胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れることができる。
c)さらに、本発明に係るチューブ状部材の挿通孔付きマスクの挿通孔に、事前にチューブ状部材を挿通することができるマウスピース等を取り付けておくこともできる。したがって、胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れる前には、前記マウスピース付きのマスクを着用し、チューブ状部材を前記マウスピースに挿通するようにすれば、ウイルスの飛沫感染を防止し、安心して胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し入れることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のチューブ状部材の挿通孔付きマスクは、上述のとおり、通常のマスクとして使用することができるだけでなく、必要に応じてチューブ状部材を挿通することができる挿通孔を容易に形成することができ、マスクを着用したまま胃カメラ等の医療用チューブ状部材を口腔内に差し込むことができるので、胃カメラ等の医療用チューブ状部材のみならず、ストロー等のその他のチューブ状部材もマスクを着用したまま口に差し込むことができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0030】
11 チューブ状部材の挿通孔付きマスク
12 マスク本体
12a 切込み線
13 伸縮部材
14 挿通孔
21 チューブ状部材の挿通孔付きマスク
22 マスク本体
22a 切込み線
23 伸縮部材
24 挿通孔
25 プリーツ加工
32a 切込み線
34 挿通孔
41 空気弁
51 マウスピース
51a 当接部分

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9