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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014293
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ロードサービス手配システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220112BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20220112BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/123 A
G01C21/34
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116558
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】502176052
【氏名又は名称】株式会社プレステージ・インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉上 進一
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD27
2F129DD62
2F129DD63
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE59
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE83
2F129EE84
2F129FF02
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF43
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF67
2F129FF68
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF33
5H181MA45
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】要請者のもとに適切なロードサービスのスタッフを手配する。
【解決手段】ロードサービス手配システムは、ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末10と、サーバ70とを備える。要請者端末10は、要請位置とトラブルの内容とを含む要請情報をサーバ70に送信し、サーバ70は、複数のロードサービスのスタッフの中から要請位置の周辺にいるトラブルの内容に応じた候補スタッフとして抽出し、候補スタッフの情報を要請者端末10に送信する。要請者端末10は、取得した候補スタッフ情報に基づいて候補スタッフの情報を表示し、候補スタッフの中から選択された選択スタッフの情報をサーバ70に送信する。サーバ70は、選択スタッフのスタッフ端末に依頼を送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末と、
サーバと
を備えるロードサービス手配システムであって、
前記要請者端末が、要請位置とトラブルの内容とを含む要請情報を、前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記要請者端末から前記要請情報を受信したら、複数のロードサービスのスタッフの中から前記要請位置の周辺にいる前記トラブルの内容に応じたスタッフの候補を候補スタッフとして抽出し、前記候補スタッフの位置の情報を少なくとも含む候補スタッフ情報を前記要請者端末に送信し、
前記要請者端末が、前記サーバから前記候補スタッフ情報を取得し、前記候補スタッフ情報に基づいて前記候補スタッフの情報を表示し、前記候補スタッフの中から選択された一のスタッフである選択スタッフに関する入力を取得し、前記選択スタッフの情報を前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記要請者端末から前記選択スタッフの情報を取得したら、前記選択スタッフのスタッフ端末に依頼を送信する、
ロードサービス手配システム。
【請求項2】
ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末に、
要請位置とトラブルの内容とを含む要請情報を、ロードサービス手配システムのサーバに送信することと、
前記要請情報に基づいて抽出されたロードサービスのスタッフである候補スタッフの、位置の情報を少なくとも含む候補スタッフ情報を前記サーバから取得することと、
前記候補スタッフ情報に基づいて、前記候補スタッフの情報を表示することと、
前記候補スタッフの中から選択された一のスタッフである選択スタッフに関する入力を取得することと、
前記選択スタッフの情報を前記サーバに送信することと
を実行させるためのプログラム。
【請求項3】
前記候補スタッフ情報は、各候補スタッフについての、
前記トラブルに応じた作業の種別に関係する評価と、
前記トラブルを起こした乗物の種別に関係する評価と
のうち少なくとも何れか一つを含む評価情報を含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記候補スタッフ情報は、各候補スタッフの隊員個人についての、
所属会社名、名前、性別、顔写真、似顔絵、経験を示す値のうち少なくとも何れか一つと、
得意作業、得意車両種別、有する資格、コメントのうち少なくとも何れか一つと
を含むプロフィールの情報を含む、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記候補スタッフ情報は、
前記要請者に関する保険契約と、
前記候補スタッフと前記ロードサービス手配システムの運営者との間で関係する契約と
のうち少なくとも何れか一つを含む契約関係に基づく情報を含む、
請求項2~4の何れかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記候補スタッフ情報は、各候補スタッフについての、
現在位置と、
前記現在位置から前記要請位置までの経路と、
前記経路に関する渋滞情報を用いて算出された、前記要請位置に到達するまでの到達時間と
を含む、
請求項2~5の何れかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記候補スタッフ情報は、各候補スタッフについての、前記要請情報の送信の後に前記候補スタッフによって更新された情報を含む、
請求項2~6の何れかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記選択スタッフの情報を前記サーバに送信した後に、前記要請者端末に、
前記選択スタッフの、現在位置と、前記現在位置から前記要請位置までの経路と、前記経路の渋滞情報を用いて算出された、前記要請位置に到達するまでの到達時間とを含む、道程情報を取得することと、
前記道程情報に基づいて、前記選択スタッフの情報を表示することと
をさらに実行させるための請求項2~7の何れかに記載のプログラム。
【請求項9】
ロードサービス手配システムのサーバに、
ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末から要請位置とトラブルの内容とを含む要請情報を受信したら、複数のロードサービスのスタッフの中から前記要請位置の周辺にいる前記トラブルの内容に応じたスタッフの候補を候補スタッフとして抽出することと、
前記候補スタッフの位置の情報を少なくとも含む候補スタッフ情報を前記要請者端末に送信することと、
前記候補スタッフの中から前記要請者端末を用いて選択された一のスタッフである選択スタッフの情報を前記要請者端末から取得したら、前記選択スタッフのスタッフ端末に依頼を送信することと
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記サーバに、
前記要請者端末による前記選択スタッフの選択を含む情報に基づいて、各スタッフについての、前記トラブルに応じた作業の種別に関係する評価と、前記トラブルを起こした乗物に関係する評価とのうち少なくとも何れか一つを含む評価情報を決定することをさらに実行させ、
前記候補スタッフ情報は、前記評価情報を含む、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記サーバに、
渋滞情報を取得することと、
前記候補スタッフの前記スタッフ端末から現在位置を取得することと、
前記現在位置と前記渋滞情報とを用いて、前記現在位置から前記要請位置までの経路と、前記要請位置に到達するまでの到達時間とを決定することと
をさらに実行させ、
前記候補スタッフ情報は、前記現在位置と、前記経路と、前記到達時間とを含む、
請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記サーバに、
前記候補スタッフの前記スタッフ端末に、前記候補スタッフとして抽出されたことを送信することと、
前記候補スタッフから更新情報を受信することと、
前記要請者端末に前記更新情報を含む前記候補スタッフ情報を送信することと
をさらに実行させるための、請求項9~11の何れかに記載のプログラム。
【請求項13】
前記サーバに、
前記選択スタッフのスタッフ端末に前記依頼を送信した後に、
渋滞情報を取得することと、
前記選択スタッフの前記スタッフ端末から現在位置を取得することと、
前記現在位置と前記渋滞情報とを用いて、前記要請位置に到達するまでの到達時間を決定することと、
前記現在位置と、前記現在位置から前記要請位置までの経路と、前記到達時間とを含む道程情報を、前記要請者端末に送信することと
をさらに実行させるための、請求項9~12の何れかに記載のプログラム。
【請求項14】
ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末に、請求項2~8の何れかに記載のプログラムを提供することと、
前記サーバに、請求項9~13の何れかに記載のプログラムを提供することと
を含む、ロードサービス手配システムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードサービス手配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転中にタイヤがパンクをしたり側溝に脱輪したりするなどトラブルが発生したときに、ロードサービスを要請することが行われる。ロードサービスの要請は、例えば、ロードサービス運営会社のコールセンターに電話をし、オペレータにスタッフの出動を要請することで行われる。あるいは、スマートフォンなどを用いて、ロードサービスの要請が行われることもある。例えば特許文献1には、スマートフォンを用いて入力されたトラブルの内容とGPSにより取得された位置情報とがシステム運営者に送信され、システム運営者がそれら情報に基づいてレッカー業者に出動を依頼することに関する技術が開示されている。この技術では、レッカー車の現在位置が、運転者のスマートフォンの画面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-167209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、要請者のもとに適切なロードサービスのスタッフを手配することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、ロードサービス手配システムは、ロードサービスの要請者が用いる情報端末である要請者端末と、サーバとを備える。前記要請者端末は、要請位置とトラブルの内容とを含む要請情報を、前記サーバに送信する。前記サーバは、前記要請者端末から前記要請情報を受信したら、複数のロードサービスのスタッフの中から前記要請位置の周辺にいる前記トラブルの内容に応じたスタッフの候補を候補スタッフとして抽出し、前記候補スタッフの位置の情報を少なくとも含む候補スタッフ情報を前記要請者端末に送信する。前記要請者端末は、前記サーバから前記候補スタッフ情報を取得し、前記候補スタッフ情報に基づいて前記候補スタッフの情報を表示し、前記候補スタッフの中から選択された一のスタッフである選択スタッフに関する入力を取得し、前記選択スタッフの情報を前記サーバに送信する。前記サーバは、前記要請者端末から前記選択スタッフの情報を取得したら、前記選択スタッフのスタッフ端末に依頼を送信する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、要請者のもとに適切なロードサービスのスタッフを手配できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係るロードサービス手配システムの構成例の概略を示す図である。
図2A図2Aは、一実施形態に係る要請者端末の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
図2B図2Bは、一実施形態に係る要請者端末の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
図3A図3Aは、一実施形態に係る要請者端末の表示装置に表示される画面とその遷移の一例の概略を示す図である。
図3B図3Bは、一実施形態に係る要請者端末の表示装置に表示される画面とその遷移の一例の概略を示す図である。
図3C図3Cは、一実施形態に係る要請者端末の表示装置に表示される画面とその遷移の一例の概略を示す図である。
図4A図4Aは、一実施形態に係るスタッフ端末の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
図4B図4Bは、一実施形態に係るスタッフ端末の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
図5図5は、一実施形態に係るサーバで行われるスタッフ情報更新処理の一例の概略を示すフローチャートである。
図6A図6Aは、一実施形態に係るサーバで行われる派遣処理の一例の概略を示すフローチャートである。
図6B図6Bは、一実施形態に係るサーバで行われる派遣処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、自動車等の乗物の事故、故障などのトラブルが生じたときに、運転者等の要請に応じて、当該トラブルに対応するロードサービスの隊員が当該運転者のもとに駆け付けてトラブル解決にあたるロードサービスの手配のためのシステムに関する。本実施形態のシステムでは、特に、運転者等が、近くにいる候補となるロードサービススタッフの中から自分でスタッフを選択して依頼することができる。本実施形態で言うスタッフとは、隊員個人を意味することもあるし、隊員が所属する部隊、拠点、工場、会社などの組織、又は組織とそこに所属する複数の隊員とを意味することもある。
【0009】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るロードサービス手配システム1の構成例の概略を示す図である。本実施形態のロードサービス手配システム1では、例えばインターネットといったネットワーク90を介して、互いに接続されたコンピュータを用いてサービスが提供される。ロードサービス手配システム1では、このサービスを提供する基幹システムとしての機能を発揮するサーバ70がネットワークに接続されている。
【0010】
このサービスの提供を受けるエンドユーザである運転者等は、例えばスマートフォンといった情報端末を有している。自動車等の事故、故障などのトラブルが生じたときに、運転者等は、この情報端末を用いて、ロードサービスを要請する。運転者等が有する情報端末を、要請者端末10と称することにする。ロードサービス手配システム1では、多数の要請者端末10が、ネットワークに接続されており、必要に応じてロードサービスを要請する。
【0011】
運転者等の要請に応じて出動するスタッフは、例えばタブレット型の情報端末を有している。スタッフは、この情報端末を用いて、ロードサービスの依頼を受け、受け取った情報に基づいて運転者等のもとに駆け付ける。スタッフが有する情報端末を、スタッフ端末40と称することにする。ロードサービス手配システム1では、多数のスタッフ端末40が、ネットワークに接続されており、要請に応じて選択されたスタッフが要請者のもとに出動する。ロードサービスの隊員の一人一人がスタッフ端末40を携帯していてもよいし、隊員が所属する部隊、拠点、工場、会社などの組織がいくつかのスタッフ端末40を所有し、複数の隊員がスタッフ端末40を共同で使用してもよい。
【0012】
要請者端末10は、スマートフォン、タブレット型情報端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)などの携帯できる各種の電子情報端末の何れかである。要請者端末10は、例えば、中央演算処理装置(CPU)21、ランダムアクセスメモリ(RAM)22、読出し専用メモリ(ROM)23、ストレージ24、通信ユニット25、入力装置31、表示装置32、マイク33、スピーカ34、測位ユニット35、カメラ36などを備える。
【0013】
CPU21は、各種信号処理等を行う。RAM22は、CPU21の主記憶装置として機能する。RAM22には、例えば、Dynamic RAM(DRAM)、Static RAM(SRAM)等が用いられ得る。ROM23は、例えば起動プログラム等を記録している。ストレージ24には、CPU21で用いられるプログラム、パラメータ、データ等各種情報が記録されている。ストレージ24には、例えば、Solid State Drive(SSD)、Embedded Multi Media Card(eMMC)、Universal Flash Storage(UFS)等が用いられる。通信ユニット25は、要請者端末10をネットワーク90に接続するためのユニットである。通信ユニット25は、携帯電話回線を用いるためのユニットや、Wi-Fi(登録商標)といった無線LANを用いるためのユニットなどを含む。
【0014】
入力装置31は、例えば、タッチパネル、ボタンスイッチなどを含む。要請者端末10は、入力装置31を用いて、ユーザによる入力を取得する。表示装置32は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを含む。要請者端末10は、表示装置32を用いて、各種画像などを表示する。マイク33及びスピーカ34は、例えば、音声通話や音声入力に用いられる。測位ユニット35は、例えばGPSといった衛星測位システムを用いて、要請者端末10の位置を特定するためのユニットである。要請者端末10は、測位ユニット35を用いて現在位置情報を取得する。要請者端末10は、カメラ36を用いて撮影により得られた画像を利用してもよい。
【0015】
要請者端末10には、例えばサーバ70から提供され、ストレージ24に保存される、アプリケーションソフトウェア(アプリ)がインストールされる。このアプリは、ロードサービス手配システム1を活用して、エンドユーザである要請者がトラブル発生時にロードサービスを要請するのに適した機能を発揮するように構成されている。CPU21は、このアプリによって、通信ユニット25及びネットワーク90を介してサーバ70と通信しながら、必要な情報を表示装置32に表示させ、ユーザの入力を入力装置31から取得し、情報端末を要請者端末10として動作させる。
【0016】
また、要請者端末10で動作するアプリケーションソフトウェアは、サーバ70上で動作し、要請者端末10のウェブブラウザで表示や操作をする、ウェブアプリケーションであってもよい。ネイティブアプリであっても、ウェブアプリであっても、同様の機能が提供される。すなわち、要請者の情報端末を要請者端末10として機能させるプログラムは、要請者端末10にあってもよいし、サーバ70にあってもよい。
【0017】
スタッフ端末40も、タブレット型情報端末、スマートフォン、PC、携帯電話などの携帯できる各種の電子情報端末の何れかである。スタッフ端末40も、要請者端末10と同様の構成を有する。すなわち、スタッフ端末40は、CPU51、RAM52、ROM53、ストレージ54、通信ユニット55、入力装置61、表示装置62、マイク63、スピーカ64、測位ユニット65、カメラ66などを備える。
【0018】
スタッフ端末40には、サーバ70から提供され、ストレージ54に保存される、アプリケーションソフトウェア(アプリ)がインストールされる。このアプリは、ロードサービス手配システム1を活用して、ロードサービススタッフが、運転者等の要請に基づく依頼を受け、運転者等の情報を取得するのに適した機能を発揮するように構成されている。CPU51は、このアプリによって、通信ユニット55及びネットワーク90を介してサーバ70と通信しながら、必要な情報を表示装置62に表示させ、スタッフの入力を入力装置61から取得し、端末をスタッフ端末40として動作させる。このアプリは、スタッフの情報を登録したり、登録した情報を更新したり、要請者に対する宣伝を行ったりする機能も有している。要請者端末10の場合と同様に、このアプリは、ネイティブアプリに代えて、ウェブアプリであってもよい。すなわち、スタッフの端末をスタッフ端末40として機能させるプログラムは、スタッフ端末40にあってもよいし、サーバ70にあってもよい。
【0019】
サーバ70は、サーバ用のコンピュータである。サーバ70は、処理能力の高いCPU81、RAM82、ROM83、ハードディスク又はSSDといったストレージ84、有線による通信ユニット85、キーボードといった入力装置86、表示装置87などを備える。
【0020】
サーバ70は、要請者端末10及びスタッフ端末40からの要求に応じて各種情報処理を行い、要請者端末10及びスタッフ端末40に各種情報を提供する。ストレージ84には、ロードサービス手配システム1に必要な各種のデータベース(DB)が設けられている。データベースには、要請者のID、氏名、住所、電話番号、運転する乗物の情報、保険会社との契約やロードサービス手配システム1の運営会社との契約などの契約情報などを含む、要請者に関する情報が含まれる。要請者が自動車のメンテナンスをいつも依頼している工場など、要請者のお気に入りのロードサービススタッフが登録されてもよい。また、データベースには、スタッフとしての隊員個人の、ID、所属会社や拠点名、プロフィール、対応可能なトラブルの種類、使用できる装備品、保有設備、現在いる位置、待機しているかトラブルに対応中であるか現場に向かっている途中かなどの現況を示す情報、隊員に関する評価情報などを含む、隊員のスタッフとしての情報が含まれる。また、データベースには、スタッフとしての会社や拠点などの組織の、ID、所在地、所属隊員に関する情報、プロフィール、対応可能なトラブルの種類、装備品、保有設備、待機隊員、保険会社との契約やロードサービス手配システム1の運営者との契約などの契約情報、組織の評価情報などを含む、組織のスタッフとしての情報が含まれる。会社や拠点は、ロードサービス手配システム1の運営会社の直営の場合、フランチャイズ契約がある場合、指定協力会社である場合、推奨会社である場合などがあるが、このような情報も、隊員や組織などスタッフに関する情報に含まれ、ロードサービス手配システム1の運営者との契約情報に含まれる。評価情報には、自己評価に関する情報も、客観的評価に関する情報も含まれる。
【0021】
本実施形態に係るロードサービス手配システム1は、要請者端末10、スタッフ端末40、サーバ70の各々に、該当するプログラムが提供されてインストールされることで、各々の端末、コンピュータなどが、要請者端末10、スタッフ端末40、サーバ70として機能するようになり出来上がる。
【0022】
[システムの動作]
ロードサービス手配システム1の動作について説明する。要請者端末10、スタッフ端末40、サーバ70の各々の動作について説明する。複数いる要請者の各々は、要請者端末10を所持している。各々の要請者端末10は、互いに同様に動作する。複数いるロードサービスのスタッフの各々は、スタッフ端末40を有している。各々のスタッフ端末40は、互いに同様に動作する。
【0023】
〈要請者端末の動作〉
要請者端末10の動作について説明する。図2A及び図2Bは、一実施形態に係る要請者端末10の動作の概略を示すフローチャートである。また、図3A乃至図3Cは、要請者端末10の表示装置32に表示される画面とその遷移の一例を示す図である。
【0024】
本実施形態に係るアプリが起動したとき、ステップS101において、要請者端末10は、初期設定が済んでいるか否かを判定する。この初期設定は、ユーザである要請者が利用規約に同意して、要請者に関する必要情報を登録する処理である。初期設定が済んでいると判定されたとき、処理はステップS103に進む。一方、初期設定が済んでいないと判定されたとき、処理はステップS102に進む。
【0025】
ステップS102において、要請者端末10は、初期設定処理を行う。初期設定処理では、要請者端末10の表示装置32に例えば図3A(a)のような画面710が表示される。ユーザが入力装置31を用いて「サービス利用規約」のボタン711を選択したとき、CPU21は、ストレージ24に保存されているサービス利用規約、又は、サーバ70から取得したサービス利用規約を、表示装置32に表示させる。ユーザが規約を確認するなどして規約の表示画面を閉じる操作を行ったとき、表示装置32には、再び図3A(a)のような画面710が表示される。ユーザが規約に同意してチェックボックス712を選択したことが検出されたとき、CPU21は、チェックボックス712にチェックマークを表示させる。
【0026】
チェックボックス712にチェックが入った状態でユーザが「お客様情報入力へ進む」のボタン713を選択したことが検出されたとき、CPU21は、規約に同意した旨の処理を行う。続いて、CPU21は、表示装置32に情報入力画面を表示させ、入力装置31を用いた情報入力を受け付ける。CPU21は、入力された情報をアプリの保存し、ストレージ24に記録しつつ、通信ユニット25を介してサーバ70に送信する。サーバ70は、要請者端末10から取得したユーザ情報をデータベースに登録する。ユーザ情報には、要請者のID、氏名、住所、電話番号、運転する乗物の情報、保険会社との契約やロードサービス手配システム1の運営会社との契約などの契約情報などを含む、要請者に関する情報が含まれる。ユーザによって必要な情報が入力されたら、要請者端末10は、初期設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
【0027】
ステップS103において、要請者端末10は、ロードサービスの要請をするか否かを判定する。例えば、ステップS103に進むとき、表示装置32には、例えば図3A(b)に示すような、サービス要請のための画面720が表示される。この画面720には、「ロードサービス要請へ」のボタン721が表示されている。ユーザによってこのボタン721が選択されたとき、ロードサービスの要請をすると判定される。例えば所定時間「ロードサービス要請へ」のボタン721が選択されないなど、ロードサービスの要請を行わないと判定されたとき、この要請者端末10の処理は終了する。一方、ロードサービスの要請を行うと判定されたとき、処理はステップS104に進む。
【0028】
ステップS104において、要請者端末10は、トラブルの内容を取得する。すなわち、要請者端末10は、表示装置32に、例えば図3A(c)に示すような、トラブル情報の入力のための画面730を表示する。この画面730には、トラブルの内容を示す複数のボタン731が含まれる。ユーザは、これら複数のボタンの何れかを選択することで、トラブルの内容を入力することができる。これらのボタンが選択された後、さらに詳細な情報が入力されるように構成されてもよい。トラブル内容をより詳細に伝えるため、ユーザは、カメラ36を用いてトラブルの状況を撮影し、撮影した写真を情報として添えることもできる。ユーザによってトラブルの内容が入力されたとき、要請者端末10は、入力されたトラブルの内容を取得する。トラブル内容の取得の後、処理はステップS105に進む。
【0029】
ステップS105において、要請者端末10は、ロードサービススタッフに来るように依頼する場所である要請位置を決定する。すなわち、要請者端末10は、表示装置32に、例えば図3B(d)に示すような、スタッフ派遣の要請位置を決定するための画面740を表示する。このとき、要請者端末10は、測位ユニット35を用いて要請者端末10の現在の位置を取得し、この現在位置の情報をサーバ70に送信する。サーバ70は、要請者端末10から取得した現在位置の情報に基づいて、要請者端末10の現在位置を中心とした地図の情報を要請者端末10に送信する。要請者端末10は、サーバ70から取得した地図の情報に基づいて、例えば図3B(d)に示すように、地図741を表示する。地図741の中心には、要請位置を示すアイコン742が表示されている。ユーザは、地図を移動させるように入力装置31を操作することができる。要請者端末10は、ユーザの操作に応じて地図表示を更新する。ユーザは、スタッフを呼びたい場所と要請位置を示すアイコン742とが一致したとき、「ここに呼ぶ」ボタン743を選択する。要請者端末10は、ユーザによるこのような操作によって、要請位置の情報を取得することができる。要請位置の情報を取得したら、処理はステップS106に進む。
【0030】
ステップS106において、要請者端末10は、ステップS104で取得したトラブルの内容と、ステップS105で取得した要請位置とを含む要請情報を、サーバ70に送信する。サーバ70は、要請者端末10から受け取った要請情報に基づいて、トラブルの内容に応じて当該トラブルに対応可能であり、かつ、要請位置の周辺で現在待機しているスタッフを抽出する。ここでサーバ70によって抽出されたスタッフを候補スタッフと称することにする。サーバ70は、候補スタッフに関する情報であって、要請者に提示する一連の情報である、候補スタッフ情報を要請者端末10に送信する。
【0031】
ステップS107において、要請者端末10は、サーバ70から送られた候補スタッフ情報を取得する。ステップS108において、要請者端末10は、取得した候補スタッフ情報に基づいて、表示装置32に候補スタッフを表示する。表示装置32には、例えば図3B(e)に示すような画面750が表示される。この画面750には、地図751上に要請位置を示すアイコン752が示され、さらに候補スタッフを示す複数のアイコンが示されている。この例では、3者の候補スタッフが抽出されており、第1の候補スタッフを示すアイコン753aと、第2の候補スタッフを示すアイコン753bと、第3の候補スタッフを示すアイコン753cとが表示されている。また、アイコンの近傍には、当該候補スタッフの評価や、要請位置に到着するまでの予想所要時間が示されている。すなわち、第1の候補スタッフを示すアイコン753aの近傍には、第1の候補スタッフの評価が「A」であり、予想所要時間が約30分であることが表示されている。第2の候補スタッフを示すアイコン753bの近傍には、第2の候補スタッフの評価が「B」であり、予想所要時間が約25分であることが表示されている。第3の候補スタッフを示すアイコン753cの近傍には、第3の候補スタッフが、要請者が契約している保険契約に関する業者であることを示す星マークと、予想所要時間が約40分であることが表示されている。
【0032】
ステップS109において、要請者端末10は、ユーザによって候補スタッフのさらに詳細な情報の参照が希望されたか否かを判定する。例えば、候補スタッフを示すアイコンが選択されたとき、当該候補スタッフについての詳細情報の参照が希望されたと判定される。詳細情報の参照が希望されていないとき、処理はステップS107に戻る。すなわち、候補スタッフ情報は、サーバ70によって所定の時間間隔で更新されている。要請者端末10は、所定の時間間隔で、サーバ70から候補スタッフ情報を取得し、取得した情報に基づいて候補スタッフの情報を更新して表示する。
【0033】
ステップS109において候補スタッフの詳細情報の参照が希望されたと判定されたとき、処理はステップS110に進む。ステップS110において、要請者端末10は、選択された候補スタッフの詳細情報を表示する。要請者端末10は、表示装置32に、例えば、図3B(f)に示すような画面760を表示する。この画面760では、地図761の上に、フロート表示762がされる。このフロート表示762は、当該候補スタッフの詳細情報の表示763を含む。
【0034】
詳細情報の表示763には、当該スタッフとしての隊員の所属会社名、氏名、ロードサービスの経験年数、顔写真が含まれる。また、当該隊員の車両の種類に応じた得意度が星の数で表示されている。また、当該隊員又は所属組織のスタッフとしてのコメントが表示されている。詳細情報はこれに限らず、例えば、顔写真に代えて似顔絵が表示されてもよい。名前は、氏名に限らず、ニックネームなどであってもよい。また、性別が表示されてもよい。また、経験年数に限らず、経験を示す値、例えば出動回数などが表示されてもよい。また、得意作業、得意車両種別、有する資格などが表示されてもよい。また、要請者の保険契約に適合するものであるか、ロードサービス手配システム1の運営者と候補スタッフとの間の契約関係などが表示されてもよい。これら契約関係からは、例えば、費用が自己負担であるか、保険で賄われるか、ロードサービス手配システム1の運営者から支払われるかといったことを知ることができたり、スタッフの技能等がロードサービス手配システム1の運営者が設定した基準を満たしているかなどを知ることができたりする。ここでは、詳細情報として、隊員個人の情報を例に示したが、詳細情報は、隊員が所属する組織などの情報であってもよいし、組織に所属する複数の隊員の情報であってもよい。
【0035】
フロート表示762には、「決定」ボタン764が含まれる。ユーザは、表示されている候補スタッフに今回のトラブルの対応を依頼するときは、「決定」ボタン764を選択する。他の候補スタッフの情報を参照するなど、フロート表示762を消して前画面に戻るときには、地図761を選択する。
【0036】
ステップS111において、要請者端末10は、「決定」ボタン764がタップされて依頼するスタッフが決定されたか、地図761が選択されて前画面に戻ることが選択されたかを判定する。前画面に戻ることが選択されたと判定されたとき、処理はステップS112に進む。
【0037】
ステップS112において、要請者端末10は、候補スタッフの詳細情報を表示するフロート表示762を非表示にする。その後、処理はステップS107に戻る。すなわち、再びサーバ70から候補スタッフ情報を取得して、図3B(e)の画面を表示する。
【0038】
ステップS111において、依頼するスタッフが決定されたと判定されてたとき、処理はステップS113に進む。ステップS113において、要請者端末10は、決定するとされた候補スタッフを選択スタッフとして設定する。要請者端末10は、選択スタッフの情報をサーバ70に送信する。要請者端末10から選択スタッフの情報を取得したサーバ70は、選択スタッフに出動の依頼を送信し、選択スタッフから当該依頼を受諾するか否かの返信を待つ。サーバ70は、選択スタッフからの返信を要請者端末10に送信する。
【0039】
要請者が選択に迷うときなどに備えて、サーバ70が所定の基準に基づいて最も適する推薦スタッフを決定してもよい。推薦スタッフは、要請者に提示されてもよい。また、要請者の指示に基づいて、推薦スタッフが選択スタッフに設定されてもよい。
【0040】
ステップS114において、要請者端末10は、選択スタッフが当該依頼を受諾するか否かの返信を待つ。返信が届いたとき、ステップS115において要請者端末10は、選択スタッフが依頼を受諾したか否かを判定する。選択スタッフによって依頼が受諾されずに拒否されたとき、処理はステップS116に進む。
【0041】
ステップS116において、要請者端末10は、選択スタッフに依頼が拒否された旨を表示装置32に表示する。その後、処理はステップS107に戻る。すなわち、当該選択スタッフを候補スタッフから削除して、再び、図3B(e)のような表示を行う。
【0042】
ステップS115において、依頼が受諾されたと判定されたとき、処理はステップS117に進む。ステップS117において、要請者端末10は、表示装置32に、例えば、図3C(g)に示すような、受付完了の画面770を表示する。要請者は、受付が完了したことを把握して、選択スタッフの到着や、選択スタッフからの連絡を待つことになる。受付完了の画面770には、選択スタッフの現在の位置を表示するためのボタン771と、選択スタッフ会社名等の選択スタッフの詳細を表示したり、選択スタッフに緊急連絡をしたりするためのボタン772とが含まれる。
【0043】
ステップS118において、要請者端末10は、選択スタッフの現在位置を表示するためのボタン771が選択されたか否かを判定する。現在位置表示が選択されていないとき、処理はステップS119に進む。
【0044】
ステップS119において、要請者端末10は、選択スタッフの詳細を表示するためのボタン772が選択されたか否かを判定する。選択スタッフの詳細表示が選択されていないとき、処理はステップS117に戻る。すなわち、図3C(g)の画面770の表示が継続する。一方、選択スタッフの詳細表示のボタン772が選択されたとき、処理はステップS120に進む。
【0045】
ステップS120において、要請者端末10は、表示装置32に、例えば図3C(h)に示すような選択スタッフの詳細を表示する画面780を表示する。この画面780は、選択スタッフの詳細情報の表示781と、選択スタッフに緊急連絡をするためのボタン782とを含む。
【0046】
ステップS121において、要請者端末10は、緊急連絡のボタン782が選択されたか、所定時間が経過したり、キャンセルボタンが選択されたりして前画面に戻ることが選択されたかを判定する。戻ることが選択されたとき、処理はステップS117に戻る。すなわち、図3C(g)に示すような受付完了の画面770が再び表示される。
【0047】
ステップS121において、緊急連絡が選択されたと判定されたとき、処理はステップS122に進む。ステップS122において、要請者端末10は、緊急連絡用に、選択スタッフとの音声通話の接続を行う。選択スタッフが応答することで、要請者は選択スタッフと直接会話することができる。通話後、処理はステップS117に戻る。
【0048】
ステップS118において、選択スタッフの現在位置を表示するボタン771が選択されたと判定されたとき、処理はステップS123に進む。ステップS123において、要請者端末10は、サーバ70から、選択スタッフの現在位置等を含む道程情報を取得する。この道程情報は、選択スタッフの現在位置と、選択スタッフの現在位置から要請位置までの経路と、要請位置に到達するまでの到達時間とを含む。
【0049】
ステップS124において、要請者端末10は、取得した道程情報に基づいて、表示装置32に選択スタッフの現在位置等を表示する。例えば、図3C(i)に示す現在位置確認の画面790のような画面が表示される。この画面には、地図791と、要請位置793と、選択スタッフの現在位置792と、要請位置793までの到達時間と、現在位置792から要請位置793までの経路とを示す情報が含まれる。また、到達時間に基づいて、到着予定時刻794が表示されている。また、この画面790には、スタッフが到着したときに選択されるボタン795が含まれる。
【0050】
ステップS125において、要請者端末10は、前画面に戻ることが選択されたか否かを判定する。前画面に戻ることが選択されたとき、処理はステップS117に戻る。すなわち、図3C(g)の画面770が再び表示される。戻ることが選択されていないとき、処理はステップS126に進む。
【0051】
ステップS126において、要請者端末10は、スタッフが到着したか否かを判定する。スタッフが到着していないとき、処理はステップS123に戻る。すなわち、サーバ70は所定の時間間隔で道程情報を更新しており、要請者端末10は、所定の時間間隔で道程情報を取得し、選択スタッフの現在位置等を示す画面790を更新する。
【0052】
選択スタッフが要請位置に到着し、ステップS126でスタッフ到着のボタン795が選択されたと判定されたとき、処理はステップS127に進む。ステップS127において、要請者端末10は、サーバ70に選択スタッフが到着した旨の情報を送信する。以上で、この要請者端末10の一連の処理は終了する。
【0053】
〈スタッフ端末の動作〉
スタッフ端末40の動作について説明する。ロードサービスのスタッフの各々は、スタッフ端末40を用いて出動要請を受ける。また、スタッフの各々は、スタッフ端末40を用いて、サーバ70のデータベースに登録しておく自己の情報を入力することができる。図4A及び図4Bは、一実施形態に係るスタッフ端末40の動作の概略を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS201において、スタッフ端末40は、プロフィール等の更新を行うか否かを判定する。プロフィール等の更新を行わないとき、処理はステップS203に進む。例えば、スタッフによってプロフィールの更新が指示されたときなど、プロフィール等の更新を行うとき、処理はステップS202に進む。
【0055】
ステップS202において、スタッフ端末40は、プロフィール等の更新の処理を行う。スタッフ端末40は、表示装置62に所定の入力フォームを表示する。スタッフは、入力装置61を用いて、この入力フォームに必要事項を入力することで、自己のプロフィール等の情報を登録したり更新したりすることができる。スタッフ端末40は、スタッフによって入力された情報を、サーバ70に送信する。サーバ70は、受け取った情報に基づいて、当該スタッフに関する情報について、データベースを更新する。また、スタッフの隊員が、工場や事務所などの登録している拠点ではなく、他の場所で待機しているとき、当該隊員が所持するスタッフ端末40は、測位ユニット65を用いて取得した現在位置情報をサーバ70に送信する。このとき、サーバ70は、当該スタッフ端末40の現在位置の情報を更新する。プロフィール等の更新の処理の後、処理はステップS203に進む。
【0056】
ステップS203において、スタッフ端末40は、スタッフが現在、待機中であるか、依頼を受けて要請位置に向かっている途中であるか、顧客対応中であるか、営業時間外であるかなどの状況を示す現況情報を更新するか否かを判定する。現況情報を更新しないとき、処理はステップS205に進む。現況情報を更新するとき、処理はステップS204に進む。
【0057】
ステップS204において、スタッフ端末40は、現況情報の更新を行う。すなわち、スタッフ端末40は、表示装置62に現況の選択肢を表示する。スタッフは、表示された選択肢から現況に当てはまるものを選択する。スタッフ端末40は、選択された現況情報をサーバ70に送信する。サーバ70は、受け取った情報に基づいて、当該スタッフの現況について、データベースを更新する。現況情報更新の処理の後、処理はステップS205に進む。
【0058】
ステップS205において、スタッフ端末40は、当該スタッフが要請者による要請に対する候補スタッフとして選択されたか否かを判定する。候補スタッフとして選択されていないとき、処理はステップS209に進む。候補スタッフとして選択されたとき、処理はステップS206に進む。
【0059】
ステップS206において、スタッフ端末40は、サーバ70から要請情報を取得し、当該情報を表示装置62に表示する。この表示によって、スタッフは、どこでどのようなトラブルが発生しているかを把握することができる。本実施形態では、要請者端末10から要請情報を受信したサーバ70は、データベースに予め登録されている情報に基づいて候補スタッフを抽出し、それを要請者端末10に提示する。本実施形態では、予め登録されている情報のみならず、スタッフが要請情報を参照した後に更新された情報が、候補スタッフ情報として要請者端末10に提供されるように構成されている。スタッフ端末40に要請情報が表示されることで、スタッフは、自身が当該トラブルの対応に好適か不適かといったことを判断することができる。スタッフは、この判断に基づいてスタッフ情報を更新するための追加の情報を、スタッフ端末40を用いてサーバ70に送信することで、要請者により適した情報を提供することができる。例えば、スタッフは、当該トラブルの解決の経験件数や、解決に必要な特徴的なスキルを有していることなどを、候補スタッフ情報として追加することができる。あるいは、当該トラブルに対応できないと考える場合には、候補スタッフとして選択されたことを辞退することもできる。
【0060】
ステップS207において、スタッフ端末40は、要請情報を参照したスタッフが候補スタッフ情報を更新することにしたか否かを判定する。更新しないとき、処理はステップS209に進む。更新するとき、処理はステップS208に進む。ステップS208において、スタッフ端末40は、更新する情報を、入力装置61を用いてスタッフから取得し、当該情報をサーバ70に送信する。その後、処理はステップS209に進む。
【0061】
ステップS209において、スタッフ端末40は、要請者が選択スタッフとして決定したときにサーバ70からスタッフ端末40に送信される出動依頼を受けたか否かを判定する。依頼を受けていないとき、処理はステップS201に戻り、上述の処理が繰り返される。例えば、候補スタッフに選択されたときには、要請情報が表示されるし、候補スタッフに選択されていないときには待機状態となる。ステップS209において依頼を受けたと判定されたとき、処理はステップS210に進む。
【0062】
ステップS210において、スタッフ端末40は、表示装置62に依頼を受けた旨を表示する。さらに、スタッフ端末40は、当該依頼を受諾するか否かの選択画面を表示装置62に表示する。スタッフは、依頼を確認し、この画面を用いて当該依頼を受諾するか否かを入力する。
【0063】
ステップS211において、スタッフ端末40は、受諾の入力がなされたか否かを判定する。受諾の入力がなされず、依頼を拒否するとき、処理はステップS212に進む。ステップS212において、スタッフ端末40は、依頼を拒否する旨をサーバ70に送信する。サーバ70は、選択スタッフが依頼を拒否した旨を要請者端末10に送信する。ステップS212の処理の後、処理はステップS201に戻る。
【0064】
ステップS211において、依頼が受諾されたと判定されたとき、処理はステップS213に進む。ステップS213において、スタッフ端末40は、依頼を受諾する旨をサーバ70に送信する。サーバ70は、選択スタッフが依頼を受諾した旨を要請者端末10に送信する。スタッフの隊員は、トラブル解決のために要請位置に向けて出動する。当該スタッフの現況は、待機状態から要請位置に向けて移動中なので、ステップS214において、スタッフ端末40は、現況情報を更新する旨をサーバ70に送信する。
【0065】
ステップS215において、スタッフ端末40は、要請位置に向けて移動中に緊急連絡を受信したか否かを判定する。緊急連絡を受信したとき、処理はステップS216に進む。ステップS216において、スタッフ端末40は、緊急連絡を受けた旨を表示装置62及びスピーカ64を用いてスタッフに通知する。スタッフ端末40は、スタッフが緊急連絡の通話を行うなど、緊急連絡の応答の処理を行う。緊急連絡への応答が完了したら、処理はステップS215に戻る。
【0066】
ステップS215において、緊急連絡を受信していないと判定されたとき、処理はステップS217に進む。ステップS217において、スタッフ端末40は、移動中である現在の位置情報をサーバ70に送信する。サーバ70は、この位置情報に基づいて、道程情報を作成する。サーバ70は、道程情報を要請者端末10に送信し、要請者端末10にスタッフの位置情報の表示を更新させる。
【0067】
ステップS218において、スタッフ端末40は、要請位置に到着したか否かを判定する。到着していないとき、処理はステップS215に戻り、ステップS215乃至ステップS218の処理が繰り返される。要請位置に到着したとき、処理はステップS219に進む。
【0068】
ステップS219において、スタッフ端末40は、現況が移動中から顧客対応中に変わるので、その旨をサーバ70に送信する。スタッフは、要請位置において、トラブルの解決にあたることになる。
【0069】
ステップS220において、スタッフ端末40は、トラブル対応が完了したか否かを判定する。トラブル対応を行っている間、処理は待機する。トラブル対応が完了したとき、処理はステップS201に戻り、上述の処理が繰り返されることになる。
【0070】
〈サーバの動作〉
サーバ70の動作について説明する。サーバ70は、様々な処理を並列で行っている。サーバ70は、例えば、要請者との契約などに応じてデータベースに要請者を追加したり、要請者端末10から受信した情報に基づいてデータベースの要請者の情報を更新したりする。同様に、サーバ70は、データベースのスタッフの情報を追加したり、更新したりする。また、サーバ70は、要請者端末10からの要請に基づいて、適切なスタッフを候補スタッフとして抽出して要請者端末10に提示したり、選択されたスタッフに出動依頼を行ったりするなど、スタッフの手配を行ったりする。
【0071】
データベースにおけるスタッフの情報を更新する処理について説明する。図5は、スタッフ情報更新処理の概略を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS301において、サーバ70は、登録情報を更新するか否かを判定する。登録情報を更新しないとき、処理はステップS303に進む。登録情報を更新するとき、処理はステップS302に進む。例えば、新たなスタッフが登録されるとき、処理はステップS302に進む。ステップS302において、サーバ70は、必要な情報に基づいて、例えば新たに追加されたスタッフを登録するなど、スタッフの登録情報を更新する。その後、処理はステップS303に進む。
【0073】
ステップS303において、サーバ70は、スタッフのプロフィールを更新するか否かを判定する。プロフィールを更新しないとき、処理はステップS305に進む。プロフィールを更新するとき、処理はステップS304に進む。例えば、図4Aを参照したステップS202の処理でスタッフ端末40がプロフィールの更新情報をサーバ70に送ってきたとき、当該プロフィールは更新される。ステップS304において、サーバ70は、スタッフ端末40などから取得した情報に基づいて、データベースに登録されているスタッフのプロフィールの情報を更新する。その後、処理はステップS305に進む。
【0074】
ステップS305において、サーバ70は、スタッフの現況情報を更新するか否かを判定する。現況情報を更新しないとき、処理はステップS307に進む。現況情報を更新するとき、処理はステップS306に進む。例えば、図4A及び図4Bを参照して説明したステップS204、ステップS214又はステップS219の処理でスタッフ端末40が現況の更新情報をサーバ70に送ってきたとき、当該現況情報は更新される。ステップS306において、サーバ70は、スタッフ端末40などから取得した現況情報に基づいて、データベースに登録されているスタッフの現況情報を更新する。その後、処理はステップS307に進む。
【0075】
ステップS307において、サーバ70は、要請者によってスタッフが選択されたか否かを判定する。例えば、図2Aを参照して説明したステップS113の処理で、要請者端末10がスタッフを選択した旨をサーバ70に送ってきたとき、スタッフが選択されたと判定される。スタッフが選択されていないとき処理はステップS309に進む。スタッフが選択されたとき、処理はステップS308に進む。ステップS308において、サーバ70は、選択されたスタッフの評価を上げるように、スタッフの情報を更新する。複数の候補スタッフの中から、要請者が選択したスタッフであるので、評価を上げる理由があると認められるためである。その後、処理はステップS309に進む。
【0076】
ステップS309において、サーバ70は、例えばスタッフによるトラブル対応の後に要請者により入力された担当スタッフに関する評価を含むアンケート結果を受信したか否かを判定する。アンケート結果を受信していないとき、処理はステップS311に進む。アンケート結果を受信したとき、処理はステップS310に進む。ステップS310において、サーバ70は、受信したアンケート結果に基づいて、当該スタッフの評価を更新する。その後、処理はステップS311に進む。
【0077】
ステップS311において、サーバ70は、スタッフによる要請者への対応が完了したか否かを判定する。要請者への対応が完了したときでなければ、処理はステップS301に戻り、上述の処理が繰り返される。要請者への対応が完了したとき、処理はステップS312に進む。ステップS312において、サーバ70は、対応が完了したスタッフについて、対応内容に基づいて、当該スタッフの評価を更新する。例えば、出動までの準備時間が短く、予定の到着時刻までに要請位置に到着しているとき、評価は上がる。出動までに長時間を要しているとき、評価は下がる。また、移動中の速度違反などが確認できたとき、評価は下がる。トラブルの解決までに必要な標準的な時間よりも作業時間が短いとき、評価は上がる。理由なくトラブル解決までに長時間を要しているとき、評価は下がる。その他、所定の規則に従い、評価の更新が行われる。このような評価は、トラブルに応じた作業の種別ごとの評価であってもよいし、トラブルを起こした乗物の種別ごとの評価であってもよい。評価の更新の後、処理はステップS301に戻り、上述の処理が繰り返される。
【0078】
以上のようにして、サーバ70は、データベースに含まれるスタッフに関する情報を適時に更新する。本実施形態によれば、スタッフ情報が常に適切に更新されるので、サーバ70は、適切に候補スタッフを抽出して、候補スタッフに関する適切な情報を要請者に提供することができる。
【0079】
次に、要請者端末10から要請情報を受信したときに、サーバ70で行われる派遣処理について説明する。図6A及び図6Bは、本実施形態に係る派遣処理の概略を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS401において、サーバ70は、要請者端末10から要請情報を取得する。この要請情報は、図2Aを参照して説明したステップS106で要請者端末10から送信された要請情報である。
【0081】
ステップS402において、サーバ70は、要請情報に基づいて、データベースに登録されている多数のスタッフの中から、要請者端末10に提示する候補スタッフを抽出する。候補スタッフの抽出では、少なくとも要請情報に含まれる要請位置とトラブル内容との情報が用いられる。要請位置に基づいて、要請位置から所定の距離内で待機しているスタッフが候補スタッフとして抽出される。ここで考慮される距離は、要請位置からの直線距離であってもよいし、要請位置までの最短経路などを決定して当該経路に沿った距離であってもよいし、道路の種類や混雑状況を利用して決定された到着までの時間が考慮された距離であってもよい。また、要請者端末10から報告されたトラブルに対応できると登録されているスタッフが候補スタッフとして抽出される。
【0082】
ステップS403において、サーバ70は、抽出した各候補スタッフについて、候補スタッフの待機位置から要請位置までの経路の選択と所要時間の算出とを行う。ここで、所要時間の算出では、渋滞の有無といった道路の混雑状況などが考慮される。このため、サーバ70は、渋滞情報を取得し、この渋滞情報を用いて、要請位置に到達するまでの到達時間を算出する。経路は、スタッフの現在位置から要請位置までの最短経路であってもよいし、算出される到達時間が最短となる経路であってもよい。
【0083】
ステップS404において、サーバ70は、候補スタッフの情報が更新されたか否かを判定する。候補スタッフの情報が更新されていないとき、処理はステップS406に進む。候補スタッフの情報が更新されたとき、処理はステップS405に進む。本実施形態では、図5を参照して説明したように、スタッフの入力によって随時スタッフ情報が更新されるし、スタッフが移動することによってスタッフの現在位置も更新される。また、図4Aを参照して説明したステップS208の処理のように、候補スタッフに選択されたスタッフは、要請情報に応じてスタッフ情報を更新することができる。ステップS405において、サーバ70は、更新された情報に基づいて、候補スタッフのスタッフ情報を更新する。その後、処理はステップS406に進む。
【0084】
ステップS406において、サーバ70は、最新の候補スタッフのスタッフ情報を要請者端末10に送信する。このスタッフ情報は、図2Aを参照して説明したステップS107の処理において、要請者端末10によって取得される。サーバ70は、候補スタッフの中から一のスタッフが選択されたときに要請者端末10から届く選択スタッフの情報を待つ。
【0085】
ステップS407において、サーバ70は、要請者端末10によって選択スタッフが決定されたか否かを判定する。図2Aを参照して説明したステップS113で要請者端末10からサーバ70に選択スタッフの情報が送信されたとき、選択スタッフが決定されたと判定される。選択スタッフが決定していないとき、処理はステップS402に戻る。すなわち、例えば数十秒といった所定時間間隔ごとに、上述のようにして候補スタッフの選択と最新の候補スタッフ情報とがサーバ70から要請者端末10に送信される。例えばスタッフ端末40が移動すればその情報が反映されるし、スタッフ端末40によってプロフィールが更新されたらその情報が反映される。このようにして図2Aを参照して説明したステップS108やステップS110で行われる要請者端末10の表示装置32に表示される候補スタッフの情報は最新の状態に更新される。
【0086】
ステップS407において、選択スタッフが決定されたと判定されたとき、処理はステップS408に進む。ステップS408において、サーバ70は、選択スタッフのスタッフ端末40に出動依頼を送信する。この出動依頼に基づいて、図4Aを参照して説明したステップS210の処理により、選択スタッフのスタッフ端末40の表示装置62に依頼受け表示がされる。この表示に応じて、スタッフ端末40からサーバ70に依頼の受諾又は拒否の情報が送信される。
【0087】
ステップS409において、サーバ70は、スタッフ端末40からの返信が受諾であるか否かを判定する。受諾でなくて拒否であるとき、処理はステップS410に進む。ステップS410において、サーバ70は、要請者の要請者端末10に拒否の旨の情報を送信する。この情報を受信した要請者端末10では、図2Aを参照して説明したステップS116の処理により、拒否表示がなされる。ステップS410の拒否送信の後、処理はステップS402に戻る。すなわち、サーバ70は、引き続き、候補スタッフ情報を更新しながら送信し、要請者端末10から届く新たな選択スタッフの決定を待つ。
【0088】
ステップS409において、選択スタッフからの返信が受諾であると判定されたとき、処理はステップS411に進む。ステップS411において、サーバ70は、要請者端末10に、受諾の旨を送信する。この受諾の情報を受信した要請者端末10は、図2Bを参照して説明したステップS117で受付完了表示を行う。
【0089】
ステップS412において、サーバ70は、要請者のもとへ向かっている選択スタッフから、現在位置の情報などを取得する。スタッフ端末40から、現在位置から要請位置までの予定経路の情報を取得してもよい。これらの情報は、図4Bを参照して説明したステップS217の処理によってスタッフ端末40からサーバ70に送信された情報である。ステップS413において、サーバ70は、渋滞情報等を用いて、現在位置から要請位置までの所要時間を算出する。ステップS414において、サーバ70は、要請者端末10に、選択スタッフの現在位置、要請位置までの経路、算出した所要時間などの情報を含む道程情報を送信する。図2Bを参照して説明したステップS123の処理でこの道程情報を受信した要請者端末10は、ステップS124の処理でその表示を行う。
【0090】
ステップS415において、サーバ70は、選択スタッフが要請位置に到着したか否かを判定する。到着したとき、図2Bを参照して説明したステップS127の処理によって要請者端末10から到着の旨の情報が届き、また、図4Bを参照して説明したステップS219の処理によってスタッフ端末40から到着した旨の情報が届くので、サーバ70は到着したか否かを判定できる。到着していないとき、処理はステップS412に戻る。すなわち、選択スタッフの現在位置に基づく道程情報が繰り返し要請者端末10に送信される。選択スタッフが要請位置に到着したと判定されたとき、この派遣処理は終了する。
【0091】
[ロードサービス手配システムの機能]
本実施形態によれば、ロードサービスを要請した要請者は、要請者端末10に提示された複数の候補スタッフの中から、最も好みのスタッフを選択することができる。要請者がスタッフの選択に関与することで、要請者の満足度は高くなる。
【0092】
本実施形態によるスタッフの要請では、スタッフが要請位置に到着するまで、要請者は、スタッフの選定や出動の要請など、スタッフの手配の状況を把握できるので不安になることが少ない。例えば、要請者がコールセンターのオペレータと電話で話し、オペレータがスタッフの手配をする場合、要請者からは、どのようなプロセスでスタッフが選定されているのか、スタッフは今どこにいて現場に到着するのはいつなのかなどが分かりにくい。ロードサービスを要請するときは、要請者が何かしらのトラブルにあっているときであるので、要請者は特に不安を感じやすい。これに対して、本実施形態によれば、要請者は、担当するロードサービススタッフが決まる前から自分の周囲にどのようなスタッフがいるのかを把握でき、選択スタッフの決定、選択スタッフへの依頼、選択スタッフからの依頼の諾否など、担当するスタッフが決定するまでのプロセスも見ることができる。このため、要請者の安心感は高まり、いつスタッフが来るのかわからないといった要請者の不満も低減する。さらに、担当スタッフが決定した後も、担当スタッフが今どこにいるのか、どちらの方向から現場に来るのか、いつ到着するのかといったことがリアルタイムでわかるので、要請者は、状況がわからずに待つときに生じるような不安を感じないですむ。
【0093】
また、スタッフの選択においては、要請者が土地勘を有しているときなどには、周囲の近道なども熟知しており、土地勘がないオペレータやコンピュータによる機械的なスタッフの選択よりも、要請者によるスタッフの選択の方が適切な場合もある。要請者自身がスタッフを選択することで、要請者が普段利用している業者や、現場からは離れているが自宅に近い業者など、要請位置のみならず、その後の要請者の都合も考慮され、最適なスタッフの選択が行われる可能性がある。
【0094】
要請者にとって、要請位置までの所要時間はスタッフを選択する上での重要な要素となる可能性が高い。そこで本実施形態では、要請位置までの経路や渋滞情報を考慮して、できるだけ正確な到達時間が算出され、これが要請者に提示される。
【0095】
要請者がスタッフを選択することで、要請者と相性がよいスタッフが選択されやすい。要請情報に基づいて候補スタッフ情報が追加されることで、さらに要請者に合うスタッフが選択される可能性が高まる。本実施形態では、要請者端末10にスタッフの隊員個人の情報が表示されるので、要請者は、会社などの組織の情報のみならず担当者個人の情報を参照しながらスタッフを選択することができる。例えば、要請者は、隊員の性別や人柄なども選択する際の要素として取り入れることができる。
【0096】
渋滞情報なども考慮されて各スタッフの要請位置までの到達時間が算出される。この到達時間は、要請者に提示されるのみならず、スタッフからも確認することができる。このため、スタッフが到達時間を守って要請位置に向かうなど、サービスの向上も期待される。同様に、スタッフの振る舞いがシステムにおける各スタッフの評価として反映されるので、スタッフによるサービスの向上も期待される。
【0097】
以上のように、本実施形態によれば、要請者のもとに適切なロードサービスのスタッフが手配されることが期待される。
【0098】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。例えば、処理の一部は省略されてもよいし、他の処理が追加されてもよいし、不都合が生じなければ処理の順序が変更されてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…ロードサービス手配システム
10…要請者端末
21…中央演算処理装置(CPU)、22…ランダムアクセスメモリ(RAM)、
23…読出し専用メモリ(ROM)、24…ストレージ、25…通信ユニット、
31…入力装置、32…表示装置、33…マイク、34…スピーカ、
35…測位ユニット、36…カメラ
40…スタッフ端末
51…CPU、52…RAM、53…ROM、54…ストレージ、
55…通信ユニット、61…入力装置、62…表示装置、63…マイク、
64…スピーカ、65…測位ユニット、66…カメラ
70…サーバ
81…CPU、82…RAM、83…ROM、84…ストレージ、
85…通信ユニット、86…入力装置、87…表示装置
90…ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B