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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142951
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043240
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】加藤 恵
(72)【発明者】
【氏名】菅 拓希
(72)【発明者】
【氏名】松島 詳志
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA50
2C333CA56
2C333CA76
2C333EA10
(57)【要約】
【課題】特定遊技状態において保留情報を先読みし、先読み結果に応じた特別演出を実行できる遊技機を提供する。
【解決手段】小当りラッシュにおいて、サブ制御基板のCPUは、図柄変動ゲームの開始時に、今回の次の変動に係る第二保留球情報を解析し、10秒の変動時間となる小当りの変動パターンであれば(S481:YES)、次回の変動時の報知演出を、通常時のバトル演出と連動する撃破演出に決定する。これにより、小当りラッシュ中の2回の図柄変動ゲームに跨って連動する報知演出を行うことができる。
【選択図】図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過領域への遊技球の通過を契機に乱数情報を取得する取得手段と、
前記乱数情報に基づき当否判定を行う判定手段と、
前記乱数情報に基づき、複数種類ある変動パターンのうちから1つのパターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターンに基づき図柄を変動表示した後に停止表示させ、前記当否判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、
前記当否判定の結果が大当りの場合に入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が小当りの場合に前記大当り遊技よりも入賞口の総開放時間が短い小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
通常遊技状態よりも前記小当りの発生頻度が高くなる特定遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と
を備えた遊技機において、
前記特定遊技状態における前記報知演出の実行中に前記取得手段が取得した前記乱数情報を、前記判定手段による前記当否判定が保留された保留情報として取得順に記憶する保留記憶手段
を備え、
前記報知演出実行手段は、
前記保留記憶手段が1以上の前記保留情報を記憶する場合において、
前記保留情報に対する前記当否判定および前記変動パターンについて解析する解析手段と、
前記解析手段による解析の結果、前記保留情報が、前記小当りの当選と、前記変動パターンが複数種類のうちの特定のパターンである特定変動パターンと対応するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって、前記保留情報が、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンに対応すると判断された場合に、特別な前記報知演出である特別演出を実行するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段によって前記特別演出の実行が決定された場合に、前記特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知する特別演出実行手段と
を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報に対する解析の結果、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第一特定変動パターンに対応すると判断し、
前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出の内容に連動する結末を示す第一特別演出の実行を決定した場合、
前記特別演出実行手段は、次回の前記報知演出において、前記第一特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知すること
を特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報から所定個数分の前記保留情報に対する解析の結果、いずれも、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第二特定変動パターンに対応すると判断し、
前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出とは異なる第二特別演出の実行を決定した場合、
前記特別演出実行手段は、前記所定個数の報知を行いつつ、次回の前記報知演出から、前記判断手段が判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報のそれぞれに対応する前記報知演出まで、前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知すること
を特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特別演出実行手段が、前記報知演出として前記第二特別演出を実行する場合において、
取得順に最も古い前記保留情報が前記小当りに当選し、且つ前記第一特定変動パターンに対応する場合であっても、
前記決定手段は、前記第一特別演出の実行を決定しないこと
を特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報から所定個数分の前記保留情報に対する解析の結果、いずれも、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第二特定変動パターンに対応すると判断し、
前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出とは異なる第二特別演出の実行を決定した場合、
前記特別演出実行手段は、次回の前記報知演出から、前記判断手段が判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報のそれぞれに対応する前記報知演出まで、前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知するとともに、
前記判断手段は、さらに、先に判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報よりも後に前記保留記憶手段が記憶した前記保留情報である後続保留情報に対しても、前記小当りに当選し、且つ前記第二特定変動パターンに対応するか否かを判断し、
前記特別演出実行手段は、前記判断手段による判断の結果、前記後続保留情報が前記小当りに当選し、且つ前記第二特定変動パターンに対応する場合、前記報知演出として前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知すること
を特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記報知演出実行手段は、前記特別演出の決定に係る一連の処理を、前記報知演出において前記変動パターンに基づく図柄の変動表示がなされる場合に行うこと
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
大当り遊技終了後の高確率遊技状態において時間短縮変動を行わず、小当り遊技が頻繁に実行される小当りラッシュ状態に移行可能な遊技機が開示されている。小当りラッシュ中は、小当り遊技の頻繁な実行により遊技球が少しずつ増加していくが、大当り遊技と比べて遊技球が一気に増加しないので、単調な遊技性となりやすい。そこで、例えば特許文献1に記載の遊技機は、小当り遊技中に敵キャラと味方キャラを対峙させ、入賞があれば、次の変動中に味方キャラが敵キャラを攻撃して勝利する演出を行い、入賞がなければ、次の変動中に敵キャラが味方キャラを攻撃して敗北する演出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-25706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、小当りラッシュ中は、通常、右打ちにより遊技球が打ちっぱなしとなり、ほぼ確実に遊技球が大入賞口に入賞するので、引用文献1では、味方キャラが勝利する演出ばかりが発生することとなる。さらに、1回の小当り遊技ごとに勝敗結果が出て、敵キャラとの対決が完結してしまうので、演出が単調になってしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、特定遊技状態において保留情報を先読みし、先読み結果に応じた特別演出を実行できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、通過領域への遊技球の通過を契機に乱数情報を取得する取得手段と、前記乱数情報に基づき当否判定を行う判定手段と、前記乱数情報に基づき、複数種類ある変動パターンのうちから1つのパターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターンに基づき図柄を変動表示した後に停止表示させ、前記当否判定の結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、前記当否判定の結果が大当りの場合に入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、前記当否判定の結果が小当りの場合に前記大当り遊技よりも入賞口の総開放時間が短い小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、通常遊技状態よりも前記小当りの発生頻度が高くなる特定遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とを備えた遊技機において、前記特定遊技状態における前記報知演出の実行中に前記取得手段が取得した前記乱数情報を、前記判定手段による前記当否判定が保留された保留情報として取得順に記憶する保留記憶手段を備え、前記報知演出実行手段は、前記保留記憶手段が1以上の前記保留情報を記憶する場合において、前記保留情報に対する前記当否判定および前記変動パターンについて解析する解析手段と、前記解析手段による解析の結果、前記保留情報が、前記小当りの当選と、前記変動パターンが複数種類のうちの特定のパターンである特定変動パターンと対応するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって、前記保留情報が、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンに対応すると判断された場合に、特別な前記報知演出である特別演出を実行するか否かを決定する決定手段と、前記決定手段によって前記特別演出の実行が決定された場合に、前記特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知する特別演出実行手段とを有することを特徴とする。
【0007】
特定遊技状態中の報知演出において解析手段が保留情報を解析し、判断手段が、保留情報が特定変動パターンに対応していると判断した場合に、決定手段が特別演出をする決定を行うと、特別演出実行手段が特別演出を実行する。よって、特定遊技状態中、ずっと通常の報知演出が続くのではなく、先読み結果に応じて、適宜、特別演出が行われることになるので、演出が単調にならならず、遊技に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0008】
前記遊技機において、前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報に対する解析の結果、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第一特定変動パターンに対応すると判断し、前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出の内容に連動する結末を示す第一特別演出の実行を決定した場合、前記特別演出実行手段は、次回の前記報知演出において、前記第一特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知してもよい。この場合、第一報知演出と第一特別演出は、内容が連動する。故に報知演出実行手段は、特定遊技状態における2回の小当り遊技に跨って、一つのシナリオに沿った演出を行うことができ、遊技に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0009】
前記遊技機において、前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報から所定個数分の前記保留情報に対する解析の結果、いずれも、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第二特定変動パターンに対応すると判断し、前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出とは異なる第二特別演出の実行を決定した場合、前記特別演出実行手段は、前記所定個数の報知を行いつつ、次回の前記報知演出から、前記判断手段が判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報のそれぞれに対応する前記報知演出まで、前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知してもよい。この場合、第二特別演出の実行が決定される保留情報は、小当りに当選している。故に、報知された所定個数分の保留情報に係る報知演出が終了するまでは、確実に特定遊技状態が継続するので、遊技者を安心させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0010】
前記遊技機において、前記特別演出実行手段が、前記報知演出として前記第二特別演出を実行する場合において、取得順に最も古い前記保留情報が前記小当りに当選し、且つ前記第一特定変動パターンに対応する場合であっても、前記決定手段は、前記第一特別演出の実行を決定しなくてもよい。この場合、第二特別演出は、第一特別演出よりも優先して報知演出として決定される。故に、第二特別演出が実行されている限り、確実に特定遊技状態が継続するので、遊技者を安心させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0011】
前記遊技機において、前記判断手段が、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報のうち、取得順に最も古い前記保留情報から所定個数分の前記保留情報に対する解析の結果、いずれも、前記小当りに当選し、且つ前記特定変動パターンの一つである第二特定変動パターンに対応すると判断し、前記決定手段が、前記特別演出の一つであり、実行中の前記報知演出である第一報知演出とは異なる第二特別演出の実行を決定した場合、前記特別演出実行手段は、次回の前記報知演出から、前記判断手段が判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報のそれぞれに対応する前記報知演出まで、前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知するとともに、前記判断手段は、さらに、先に判断対象とした前記所定個数分の前記保留情報よりも後に前記保留記憶手段が記憶した前記保留情報である後続保留情報に対しても、前記小当りに当選し、且つ前記第二特定変動パターンに対応するか否かを判断し、前記特別演出実行手段は、前記判断手段による判断の結果、前記後続保留情報が前記小当りに当選し、且つ前記第二特定変動パターンに対応する場合、前記報知演出として前記第二特別演出を実行して前記当否判定の結果を報知してもよい。この場合、第二特別演出の実行が決定される保留情報は、小当りに当選している。しかしながら、第二特別演出は、いつまで継続して実行されるかわからない。故に遊技者は、第二特別演出が続く限りは確実に特定遊技状態が継続するので安心しつつも、いつ第二特別演出の実行が終了して特定遊技状態の継続に対する保証がなくなるかドキドキすることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0012】
前記遊技機において、前記報知演出実行手段は、前記特別演出の決定に係る一連の処理を、前記報知演出において前記変動パターンに基づく図柄の変動表示がなされる場合に行ってもよい。この場合、前記特別演出の実行の決定に係る一連の処理は、保留情報が保留記憶手段によって記憶されるときに行うのではなく、報知演出による図柄の変動時に行われる。仮に、一連の処理を保留情報の記憶時に行った結果、特別演出の実行が決定された場合、次変動が開始される前で、決定対象の保留情報よりも後に記憶される保留情報に基づく情報が含まれていない状態で、次変動において特別演出が実行されることになる。故に、図柄の変動時に、そのときの保留情報に対して一連の処理を行うことで、次変動での特別演出の実行が決定された場合には、より多くの保留情報に基づく情報を含んだ状態の特別演出を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】遊技盤2の正面図である。
図3】パチンコ機1のセット遊技の流れを説明する説明図である。
図4】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
図5】RAM52の第一大当り関係情報記憶エリアを示す概念図である。
図6】ROM53に記憶される特別図柄決定テーブルの概念図である。
図7】ROM53に記憶される当り遊技定義テーブルを示す概念図である。
図8】ROM53に記憶される第一変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
図9】ROM53に記憶される第二変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
図10】メイン処理のフローチャートである。
図11】第一特別図柄処理のフローチャートである。
図12図11に続くフローチャートである。
図13】第一変動停止処理のフローチャートである。
図14】第二特別図柄処理のフローチャートである。
図15図14に続くフローチャートである。
図16】第二変動停止処理のフローチャートである。
図17】遊技状態移行処理のフローチャートである。
図18】特別電動役物処理のフローチャートである。
図19図18に続くフローチャートである。
図20】サブ制御基板処理のフローチャートである。
図21図20に続くフローチャートである。
図22図21に続くフローチャートである。
図23】第一報知演出実行処理のフローチャートである。
図24】第二報知演出実行処理のフローチャートである。
図25】バトル演出処理のフローチャートである。
図26図25に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。パチンコ機1は、特定の遊技状態において小当り遊技が頻繁に行われる、いわゆる小当りラッシュタイプの遊技仕様の遊技機である。
【0015】
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。前面枠10には、ガラス板を取り囲むように各種の電飾ランプが設けられている。電飾ランプの内部にはLED等を搭載した電飾基板31(図4参照)が設けられており、電飾ランプは、遊技の進行等に応じて点灯または点滅する。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図4参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0016】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側から上側にかけて円弧上に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0017】
センター飾り8は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字、動画等を表示可能である。表示画面28は、第一報知演出および第二報知演出を実行可能である。第一報知演出は、演出用の図柄である第一演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第一大当り判定の結果を示す第一演出図柄の組合せを確定表示させることで、第一大当り判定の結果を遊技者に報知する。第二報知演出は、演出用の図柄である第二演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第二大当り判定の結果を示す第二演出図柄の組合せを確定表示させることで、第二大当り判定の結果を遊技者に報知する。以下では、第一演出図柄と第二演出図柄とを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単に、演出図柄ともいう。
【0018】
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口12が設けられている。本実施形態では、第一始動口12は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。センター飾り8の右方には、遊技球が通過可能なゲート11が設けられている。ゲート11は、後述する普通図柄の作動ゲートである。ゲート11は、後述する役物連続作動装置を作動させるための特定のゲートとしても機能する。ゲート11の下方には、いわゆる特別電動役物(大当り判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口である第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16の右斜め下方には、同じく特別電動役物に係る入賞口である第二大入賞口17が設けられている。また、第二大入賞口17の左下方であり、かつ、第一始動口12の右下方には、いわゆる普通電動役物(普通当り判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口である第二始動口13が設けられている。第二始動口13は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。
【0019】
第二始動口13は、左右方向に長手方向を有して前後方向に延びる略平板状の開閉部材131を備える。開閉部材131は、閉鎖状態において前方に突出して第二始動口13の入口を上側から覆うことで第二始動口13への遊技球の入賞を阻害し、開放状態には後方に退避することで第二始動口13の入口を開放し、第二始動口13への遊技球の入賞を可能にする。第一大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して前後方向に延びる略平板状の開閉部材161を備える。開閉部材161は、閉鎖状態において後方に退避することで第一大入賞口16の入口に遊技球が入賞することを阻害し、開放状態において前方に突出することで第一大入賞口16の入口に遊技球を誘導する。第二大入賞口17は、左右方向に長手方向を有して前後方向に延びる略平板状の開閉部材171を備える。開閉部材171は、閉鎖状態において前方に突出して第二大入賞口17の入口を上側から覆うことで第二大入賞口17への遊技球の入賞を阻害する。また、開閉部材171は、開放状態には後方に退避することで第二大入賞口17の入口を開放し、第二大入賞口17への遊技球の入賞を可能にする。
【0020】
開閉部材131,161,171は第二始動口ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71のそれぞれ(図4参照)によって電気的に開閉される。遊技球は、開閉部材131,161,171が開放状態にある場合にのみ、第二始動口13、第一大入賞口16および第二大入賞口17のそれぞれに入賞することができる。本実施形態では、第二始動口13の開閉部材131は、後述する普通当り遊技において開放される。第一大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当り遊技において開放する。第二大入賞口17の開閉部材171は、後述する小当り遊技において開放する。以下では、第一大入賞口16および第二大入賞口17を総称する場合、単に大入賞口という。
【0021】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口18、各種の電飾部材、その他の入賞口および遊技くぎ等が設けられている。アウト口18は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、大入賞口およびその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口18を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0022】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口12へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口12へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート11、第二始動口13および大入賞口を通過または入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート11、第二始動口13および大入賞口を通過または入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する確変状態および大当り遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0023】
遊技盤2の左下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ複数個のLEDからなり、第一大当り判定の結果を示す第一特別図柄、および第二大当り判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。以下、第一大当り判定および第二大当り判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当り判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当り判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第一保留球の個数を示す第一保留球数を表示する。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第二保留球数の個数を示す第二保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球である普通保留球の個数を示す普通保留球数を表示する。以下では、第一特別図柄および第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0024】
図2図3を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当り遊技、小当り遊技および普通当り遊技が設けられている。大当り遊技について説明する。大当り遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、大入賞口が連続して作動する大当り遊技状態を生起させるための装置である。パチンコ機1において、条件装置は、大当りであることを示す特別図柄が確定表示された場合に作動する。以下、条件装置および役物連続作動装置が作動している状態(大当り遊技が行われている状態)を、大当り遊技状態という。
【0025】
パチンコ機1は、確変状態または非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当り判定において大当りであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当り判定によって大当りであると判定される確率(以下、「大当り確率」という。)が通常の確率である状態である。本実施形態では、非確変状態の大当り確率が約1/200であり、確変状態の大当り確率が約1/20である。非確変状態を、以下では「通常状態」ともいう。
【0026】
パチンコ機1は、通常状態において、左打ちで遊技を進行することを遊技者に推奨する。パチンコ機1は、第一始動口12へ遊技球が入賞することを契機として第一大当り乱数を取得し、第一大当り乱数に基づいて第一大当り判定を行う。したがって、左打ちで遊技が進行する通常状態においては、主に第一大当り判定が繰り返して行われる。第一大当り判定が行われると、図柄表示部24の第一特別図柄表示部において第一特別図柄の変動表示が開始される。第一特別図柄表示部は、第一特別図柄を所定時間変動表示した後に、第一大当り判定の結果を示す第一特別図柄を停止表示する。第一大当り判定では、大当りまたははずれであるかが、第一大当り乱数に基づいて判定される。第一大当り判定において大当りであると判定されると、判定結果が大当りであることを示す第一特別図柄が第一特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。これに伴い、役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態が生起され、第一大入賞口16の開閉部材161が、所定の開放パターンで開放状態にされる大当り遊技が実行される。以下、大当り遊技において第一大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当りラウンド」という。また、1回の大当り遊技を構成する大当りラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。また、以下では、第一大当り判定によって大当りと判定されることを「第一大当り」ということもある。
【0027】
通常状態において大当り判定が行われた結果、大当り遊技が行われることを、以下では、「初当り」という。また、大当り遊技の終了後に確変状態が設定される大当り判定の結果を、以下では、「確変大当り」という。本実施形態では、大当り遊技が行われた場合、原則として大当り遊技の終了後に100%の割合で確変状態が設定される。大当り遊技では第一大入賞口16が開放するので、遊技者は右打ちで遊技を進行する。
【0028】
パチンコ機1は、確変状態において、右打ちで遊技を進行することを遊技者に推奨する。パチンコ機1は、第二始動口13へ遊技球が入賞することを契機として第二大当り乱数を取得し、第一大当り乱数に基づいて第一大当り判定を行う。したがって、右打ちで遊技が進行する確変状態においては、主に第二大当り判定が繰り返して行われる。第二大当り判定が行われると、図柄表示部24の第二特別図柄表示部において第二特別図柄の変動表示が開始される。第二特別図柄表示部は、第二特別図柄を所定時間変動表示した後に、第二大当り判定の結果を示す第二特別図柄を停止表示する。第二大当り判定では、大当り、小当りまたははずれであるかが、第二大当り乱数に基づいて判定される。第二大当り判定において大当りであると判定されると、判定結果が大当りであることを示す第二特別図柄が第二特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。条件装置が作動した状態で所定の有効時間内に遊技球がゲート11を通過することによって、役物連続作動装置が作動する。これに伴い、大当り遊技状態が生起され、大当り遊技が実行される。また、以下では、第二大当り判定によって大当りと判定されることを「第二大当り」ということもある。
【0029】
パチンコ機1は、初当りに係る大当り遊技の終了後に確変状態を設定する。設定された確変状態は、次回に大当り遊技が実行されるまでの間継続する。パチンコ機1は、初当りに係る大当り遊技の終了後に設定された確変状態において行われた第二大当り判定の結果、2回目の大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技の終了後に確変状態を設定する。
【0030】
パチンコ機1は、2回目の大当り遊技の終了後に設定された確変状態において、遊技者に右打ちの遊技を継続させる。パチンコ機1は、初当りから連続して確変大当りとなった回数を計数する。パチンコ機1が計数するこの回数を、以下では「連続大当り回数」という。パチンコ機1は、連続大当り回数が初当りを含めて「3」に達するまでの間、大当り遊技の終了後に確変状態を設定する。このため、遊技者は、初当りした後、連続大当り回数が「3」に達するまでの間、確変状態での遊技を継続できる。また、パチンコ機1は、連続大当り回数が「3」に達すると(3回目の大当り遊技が行われると)、その大当り遊技の終了後に、必ず非確変状態を設定する。パチンコ機1は、確変状態の設定条件をこのようにすることで、初当りを含めて大当り遊技が連続して3回行われることを、遊技者に保障できる。すなわち、3回の大当り遊技を1つのセットとした遊技が実現される。1つのセットが終了し、非確変状態に移行した遊技者は、再び初当りとなり、新たなセットに突入することを目指して遊技を継続できる。このような、初当りを含めた複数回の大当り遊技を1つのセットとした遊技仕様を、以下では「セット遊技」という。
【0031】
連続大当り回数が所定の回数に達した場合に大当り遊技の終了後に確変状態を設定することを終了するパチンコ機1の機能を「リミッタ」という。リミッタ機能が作動する条件である連続大当り回数の上限回数(本実施形態では「3」)を、以下では「リミッタ回数」という。本実施形態では、リミッタ機能が作動しない場合には、大当り遊技の終了後に100%の割合で確変状態が設定されるので、リミッタ回数は、連続大当り回数の上限に相当する。
【0032】
小当り遊技について説明する。本実施形態では、第二大当り判定において小当りであると判定されると、判定結果が小当りであることを示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示される。その後、第二大入賞口17の開閉部材171が所定時間開放状態にされる小当り遊技が実行される。大当り判定によって小当りであると判定される確率(以下、「小当り確率」という。)は、約1/1.16である。小当り確率は、確変状態であるか否かによらず一定である。
【0033】
本実施形態の小当り遊技では、第二大入賞口17の開閉部材171が最大0.8秒間開放される。小当り遊技は、大当りラウンドが繰り返して行われる大当り遊技とは異なり、第一大入賞口16および第二大入賞口17の開閉部材161,171が所定回数繰り返して開放状態にされない。なお、小当り遊技における第二大入賞口17の開閉部材171の1回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。
【0034】
また、第二大当り判定によって小当りであると判定されたことによっては、条件装置が作動しないので、役物連続作動装置も作動しない。小当り遊技の前後において、遊技状態は変化しない。以下では、大当り遊技および小当り遊技を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合に、単に当り遊技ともいう。
【0035】
本実施形態では、第二大当り判定が実行されると、大当り確率に比べて非常に高い確率で小当りであると判定される。このため、第二大当り判定が主に行われる確変状態には、小当り遊技が頻発する、いわゆる「小当りラッシュ」の遊技が進行する。小当り遊技において第二大入賞口17に入賞した遊技球に対して、賞球が払い出される。したがって、確変状態は、大当り確率が,通常状態よりも高くなることに加えて、通常状態よりも払い出される賞球が多くなるので、通常状態よりも有利な遊技状態である。パチンコ機1のセット遊技は、リミッタ回数によって定められる3回の大当り遊技と、3回の大当り遊技の間に設けられる2回の小当りラッシュの遊技とを含む。
【0036】
パチンコ機1では、第一大当り判定と第二大当り判定とが、並行して実行され得る。このため、第一特別図柄の変動表示と、第二特別図柄の変動表示との双方が、並行して行われ得る。第一特別図柄の変動表示は、当り遊技が実行されておらず、且つ、第一保留数が「1」以上である場合において、第一特別図柄が停止表示されているときに開始される。第二特別図柄の変動表示は、当り遊技が実行されておらず、且つ、第二保留数が「1」である場合において、第二特別図柄が停止表示されているときに開始される。
【0037】
普通当り遊技について説明する。本実施形態では、遊技球がゲート11を通過することを契機として普通当り判定が行われる。普通当り判定が行われると、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当り判定によって当りであると判定されると、第二始動口13の開閉部材131が所定時間開放状態にされる普通当り遊技が実行される。普通当り判定において当りであると判定される確率を、以下では「普通当り確率」という。本実施形態では、普通当り確率は確変状態であるか否かによらず一定であり、約1/1.09である。
【0038】
なお、パチンコ機1は、普通当り確率が一定であり、第二始動口13の開放時間の延長および普通図柄の変動時間の短縮を行わないので、いわゆる時短状態を備えない。このため、パチンコ機1は、確変状態と非確変状態の2つの遊技状態を備える。
【0039】
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47および電源基板42を主に備える。
【0040】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56および割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0041】
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。
【0042】
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM(図示略)等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
【0043】
払出制御基板45は、CPU451等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0044】
中継基板47は、第二始動口ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ77、第二大入賞口スイッチ78および図柄表示部24に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当り遊技中に第二始動口13の開閉部材131を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当り遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、小当り遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。ゲートスイッチ75は、ゲート11に設けられており、ゲート11への遊技球の通過を検出する。第一大入賞口スイッチ77は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16への遊技球の入賞を検出する。第二大入賞口スイッチ78は、第二大入賞口17に設けられており、第二大入賞口17への遊技球の入賞を検出する。
【0045】
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に設けられており、第一始動口12への遊技球の入賞を検出する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口13に設けられており、第二始動口13への遊技球の入賞を検出する。
【0046】
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0047】
図5を参照して、RAM52の第一大当り関係情報記憶エリアについて説明する。第一大当り関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一特別図柄柄処理(図11図12参照)において使用される。第一大当り関係情報記憶エリアには、記憶可能な第一保留球数の上限である最大第一保留球数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、最大第一保留球数は「4」である。このため、第一大当り関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞した際に第一保留球数が4未満(0~3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0048】
第一保留球数は、遊技球が第一始動口12へ入賞したことを契機として取得された乱数のうち、第一大当り判定の実行、特別図柄の変動時間を示す変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、第一判定エリア(図示略)にシフトする。第一判定エリアは、第一大当り判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアである。CPU51は、第一判定エリアにシフトされた乱数について第一大当り判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、第一判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が順次第一判定エリアにシフトされて、第一大当り判定等の処理が繰り返される。第一判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、第一大当り判定の結果を報知する第一報知演出の決定、および判定結果に応じて実行される大当り遊技に関する処理が含まれる。なお、第一判定エリアの乱数は、第一大当り判定等の処理が終了した後に消去される。
【0049】
各記憶エリアには、第一大当り乱数欄、第一図柄決定乱数欄および第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一大当り乱数欄には、乱数発生回路56(図4参照)によって発生された第一大当り乱数の値が記憶される。第一図柄決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一図柄決定乱数の値が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一変動パターン決定乱数の値が記憶される。遊技球が第一始動口12へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一大当り乱数は、第一大当り判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。第一大当り乱数と共に取得されて第一大当り関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。また、第一特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。
【0050】
図示しないが、RAM52には、第二大当り関係情報記憶エリアが設けられている。第二大当り関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第二特別図柄処理(図14図15参照)において使用される。本実施形態では、第二大当り関係情報記憶エリアに、最大第二保留球数(本実施形態では、4個)に対応する4つの記憶エリアが設けられている。第二始動口13に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第二大当り関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。記憶エリアには、第二大当り乱数の値が記憶される第二大当り乱数欄、第二図柄決定乱数の値が記憶される第二図柄決定乱数欄、および第二変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0051】
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、第二判定エリア(図示略)にシフトする。第二判定エリアは、第二大当り判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアである。CPU51は、第二判定エリアにシフトされた乱数について第二大当り判定等の各種処理を行う。なお、第二判定エリアの乱数は、第二大当り判定等の処理が終了した後に消去される。第二大当り乱数と共に取得されて第二大当り関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
【0052】
以下の説明では、第一大当り乱数および第二大当り乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当り乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一図柄決定乱数数および第二図柄決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。
【0053】
パチンコ機1において、第一変動時間および第二変動時間は、第一大当り判定および第二大当り判定の結果を遊技者に報知する第一報知演出および第二報知演出の演出時間に等しい。第一報知演出は、第一特別図柄の変動に同期して第一演出図柄を変動表示することによって行われる。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って、第一報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄の変動開始に同期して、第一演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、第一変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一特別図柄の確定表示に同期して、第一演出図柄を確定表示する。
【0054】
第二報知演出は、第二特別図柄の変動に同期して第二演出図柄を変動表示することによって行われる。主基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第二特別図柄の変動開始に同期して、第二演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、第二変動時間が終了すると、変動させていた第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間の間、確定表示させる。以下、第一報知演出と第二報知演出とを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単に報知演出ともいう。サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、電飾部材、スピーカ48等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出を実行する。
【0055】
パチンコ機1は、特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う図柄である識別図柄(図示略)を、表示画面28に表示する。識別図柄は、報知演出において、演出図柄に加えて表示画面28に各種の画像が表示された場合であっても、演出図柄の変動状況を遊技者が判別できるようにするために設けられる。特に、パチンコ機1においては、第一特別図柄の変動表示と、第二特別図柄の変動表示とが、同時に行われうる。このため、識別図柄は、第一特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う第一識別図柄(図示略)と、第二特別図柄と同期して変動表示を行う第二識別図柄(図示略)とを備える。
【0056】
本実施形態では、左打ちで遊技を進行することが推奨される通常状態には、主に第一大当り判定が行われ、第二大当り判定が行われる機会は第一大当り判定が行われる機会よりも少ない。したがって、通常状態には、主に第一特別図柄が変動表示を繰り返して行い、第二特別図柄の変動表示が行われる頻度は低い。また、右打ちで遊技を進行することが推奨される確変状態には、主に第二大当り判定が行われ、第一大当り判定が行われる機会は第二大当り判定が行われる機会よりも少ない。したがって、確変状態には、主に第二特別図柄が変動表示を繰り返して行い、第一特別図柄の変動表示が行われる頻度は低い。このため、パチンコ機1は、通常状態には第一特別図柄の変動表示に同期して第一演出図柄および第一識別図柄の変動表示を行う。パチンコ機1は、通常状態には第二特別図柄の変動表示に同期して第二識別図柄の変動表示を行うが第二演出図柄の変動表示を行わない。また、パチンコ機1は、確変状態には第二特別図柄の変動表示に同期して第二演出図柄および第二識別図柄の変動表示を行う。パチンコ機1は、確変状態には第一特別図柄の変動表示に同期して第一識別図柄の変動表示を行うが第一演出図柄の変動表示を行わない。
【0057】
なお、以下では、特別図柄の変動のうち、大当り判定の結果が大当りであることを示す図柄である大当り図柄で確定表示する変動を、大当り変動という。特別図柄の変動のうち、大当り判定の結果が小当りであることを示す図柄である小当り図柄で確定表示する変動を、小当り変動という。特別図柄の変動のうち、大当り判定の結果がはずれであることを示す図柄であるはずれ図柄で確定表示する変動を、はずれ変動という。また、大当り図柄と小当り図柄とを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合に、単に当り図柄という。また、以下では、第一特別図柄の大当り図柄を第一大当り図柄、第二特別図柄の大当り図柄を第二大当り図柄ともいう。
【0058】
本実施形態では、第一特別図柄がはずれ変動中に第二特別図柄が大当り図柄または小当り図柄で確定表示した場合、第一変動時間の経過を待たずに、その時点で第一特別図柄が強制的に停止表示(強制停止)される。また、第二特別図柄の変動中に第一特別図柄が大当り図柄で確定表示した場合、第二変動時間の経過を待たずに、その時点で第二特別図柄が強制停止される。また、第二特別図柄が大当り変動を終了する場合、第一特別図柄が大当り変動中であれば、第二特別図柄の大当り変動が強制停止される。強制停止される特別図柄は、はずれ図柄で確定表示される。
【0059】
なお、RAM52には、ゲート11を遊技球が通過する時点に取得される普通当り乱数を記憶するための普通当り関係情報記憶エリアが設けられている。普通当り関係情報記憶エリアも、第一大当り関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当り関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留球数は「4」である。記憶エリアには、普通当り乱数の値が記憶される普通当り乱数欄、普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当り乱数は、普通当り判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当り図柄を決定するために用いられる。
【0060】
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当り図柄と、第二大当り図柄および小当り図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。特別図柄決定テーブルでは、当り図柄のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~199)が対応付けられている。なお、大当り判定の結果がはずれの場合には、特別図柄決定テーブルによらず、大当り判定の結果がはずれであることを示す所定のはずれ図柄が決定される。
【0061】
第一大当り図柄は、「3R大当りA」の1種類である。「3R」は、大当り図柄の決定に伴い実行される大当り遊技のラウンド数が3Rであることを示す。確変条件欄が示すように、リミッタ機能が作動しない状態で「3R大当りA」の大当り図柄が決定された場合、大当り遊技の終了後に確変状態が設定される。「3R大当りA」の大当り図柄が決定されたことによりリミッタ機能が作動する場合には、大当り遊技の終了後に確変状態が設定されない。
【0062】
第二大当り図柄は、「3R大当りB」の1種類である。小当り図柄は、「小当りA」の1種類である。「3R大当りB」の確変条件は、「3R大当りA」の確変条件と同様である。なお、小当り遊技の前後において遊技状態は変更しないので、小当り図柄についての確変条件は定義されていない。
【0063】
図7を参照して、ROM53に記憶されている当り遊技定義テーブルについて説明する。当り遊技定義テーブルは、小当り遊技および大当りラウンドにおける第一大入賞口16および第二大入賞口17の開放パターンを定義している。当り種別が大当り種別の場合には、大当り遊技におけるすべての大当りラウンドで第一大入賞口16が最大29秒間の開放を1回行う。なお、大当りラウンドで開放した第一大入賞口16に10個以上の遊技球が入賞した場合には、第一大入賞口16が直ちに閉鎖する。小当り遊技においては、第二大入賞口17が最大0.8秒間の開放を1回行う。なお、小当り遊技で開放した第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞した場合には、第二大入賞口17が直ちに閉鎖する。
【0064】
図8を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一変動パターンが決定される時点における遊技状態(通常状態または確変状態)毎に区分されている。それぞれの区分には、1または複数種類の第一変動パターンが割り当てられており、第一大当り判定による判定結果(大当りまたははずれ)に応じて、各第一変動パターンに第一変動パターン決定乱数の値(0~511)が対応付けられている。第一大当り判定が行われた場合、その時点の遊技状態に応じたテーブル区分が参照され、第一大当り乱数と共に取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが、第一大当り判定の結果に応じて1つ決定される。
【0065】
通常状態における第一大当り判定の判定結果が大当りの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば第一演出図柄の3つの図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当りの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出C」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。なお、「リーチ演出D」および「リーチ演出E」は、第一大当り判定の判定結果が大当りの場合にのみ決定される。したがって、第一大当り判定の結果が大当りとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、本実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、本実施形態では、大当り判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。
【0066】
確変状態においては、第一大当り判定の結果がいずれであっても、一般的な報知演出の変動時間に比較して長時間の変動時間の第一変動パターンが決定される。第一大当り判定の判定結果が大当りの場合には、「特1大当り変動」の第一変動パターンが決定される。「特1大当り変動」の変動時間は、確変状態における第二特別図柄の小当り変動の変動時間よりも長くされており、本実施形態では250秒間である。第一大当り判定の判定結果がはずれの場合には、変動時間が600秒の「特1はずれ変動」の第一変動パターンが決定される。したがって、確変状態に第一特別図柄の変動表示が行われる頻度は、通常状態に比べて非常に低くなる。
【0067】
図9を参照して、ROM53に記憶されている第二変動パターン決定テーブルについて説明する。第二変動パターン決定テーブルは、第二変動パターンが決定される時点における遊技状態が通常状態または確変状態であるかに応じて区分されている。それぞれの区分には、1または複数種類の第二変動パターンが割り当てられており、第二大当り判定による判定結果(大当り、小当りまたははずれ)に応じて、各第二変動パターンに第二変動パターン決定乱数の値(0~511)が対応付けられている。第二大当り判定が行われた場合、その時点の遊技状態に応じたテーブル区分が参照され、第二大当り乱数と共に取得されている第二変動パターン決定乱数の値に対応する第二変動パターンが、第二大当り判定の結果に応じて1つ決定される。
【0068】
通常状態においては、第二大当り判定の結果が小当りまたははずれの場合、一般的な報知演出の変動時間に比較して長時間の変動時間の第二変動パターンが決定される。これにより、通常状態において左打ちされた遊技球が第一始動口12へ入賞することによって第一大当り判定が実行される頻度よりも、右打ちされた遊技球が第二始動口13へ入賞することによって第二大当り判定が実行される頻度が低くなる。すなわち、通常状態は、右打ちよりも左打ちで遊技を進行するのに適した遊技状態とされている。このため、通常状態では、主に、遊技球が第一始動口12に入賞することで第一大当り判定が行われる。なお、通常状態において遊技球を故意に右打ちすることで、通常状態に小当り遊技を発生させて第二大入賞口17へ遊技球を入賞させ出玉を得ようとする推奨されない遊技が行われる可能性がある。パチンコ機1は、第二大当り判定の結果が小当りの場合に、複数通りの変動時間(500秒間、550秒間および600秒)の第二変動パターンを設けることで、通常状態に発生する小当り遊技において第二大入賞口17へ遊技球を入賞させ難くしている。
【0069】
通常状態において、第二大当り判定の結果が大当りの場合には、変動時間が比較的短時間の17秒間である「特2大当り変動A」の第二変動パターンが決定される。例えば、第二保留球が記憶された状態でリミッタ機能の作動によってセット遊技が終了した場合には、通常状態において第二保留球に基づく第二大当り判定が行われる。この第二大当り判定によって大当りの判定結果が導出される場合がある。このような場合の第二特別図柄の大当り変動の変動時間が長時間であると、セット遊技の終了を機に遊技者がパチンコ機1から離席した後に大当り変動の終了に伴い大当り遊技が行われる(遊技者がいない状態で大当り遊技が行われる)事象が生じうる。パチンコ機1は、通常状態の第二特別図柄の大当り変動を比較的短時間で終了することで、このような事象の発生を低減している。なお、本実施形態では、第二大当り判定によって大当りの判定結果が導出された場合、第二特別図柄が大当り図柄で確定表示することによって条件装置が作動した後から所定時間内に、遊技球がゲート11を通過することで役物連続作動装置が作動する。これにより、パチンコ機1は、例えば、セット遊技が終了した後も通常状態において遊技を継続する遊技者が大当り遊技を逃す可能性を低減している。
【0070】
確変状態においては、第二大当り判定の結果がいずれであっても、比較的短時間(本実施形態では、大当り変動は10秒間、小当り変動は5~20秒間、はずれ変動は5秒間)の変動時間の第二変動パターンが決定される。なお、第二大当り判定において小当り変動が決定される場合の振分率は、5秒の変動が50%、10秒の変動が25%、15秒の変動と20秒の変動がそれぞれ12.5%となっている。したがって、確変状態においては、第二大当り判定が比較的高い頻度で繰り返して実行されうる。なお、確変状態における第二変動パターンの変動時間の例は、これに限られない。したがって、リーチ演出を行う等、大当り変動に比較的長時間の第二変動パターンが設けられていてもよい。
【0071】
主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。
【0072】
図10から図19を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図10参照)は、割込信号発生回路57(図4参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0073】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、大当り遊技状態フラグ、小当り遊技状態フラグ、第一特別図柄表示状態フラグ、第二特別図柄表示状態フラグ、条件装置作動フラグ、確変フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される。
【0074】
大当り遊技状態フラグは、大当り遊技中であるかを示すフラグであり、大当り遊技中に「ON」になり、大当り遊技中でない場合に「OFF」になる。なお、大当り遊技状態フラグが「ON」であることは、条件装置および役物連続作動装置が共に作動している状態であることを示す。以下、大当り遊技中である状態を、大当り遊技状態ともいう。小当り遊技状態フラグは、小当り遊技中であるかを示すフラグであり、小当り遊技中に「ON」になり、小当り遊技中でない場合に「OFF」になる。以下、小当り遊技中である状態を、小当り遊技状態ともいう。また、大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれかが生起している状態を、当り遊技状態ともいう。
【0075】
第一特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄が変動している場合(変動中)に「1」、停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。第二特別図柄表示状態フラグは、第二特別図柄が変動している場合(変動中)に「1」、停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。条件装置作動フラグは、第二大当り判定で大当りと判定され、第二特別図柄が大当り図柄で確定表示された場合に「ON」になり、条件装置の作動を契機として実行された大当り遊技の終了後に「OFF」になる。すなわち条件装置作動フラグは、条件装置のみが作動し、役物連続作動装置が作動していない場合に「ON」になる。なお、条件装置作動フラグは、第二特別図柄が大当り図柄で確定表示されたことによって条件装置が作動した場合に所定期間内に遊技球がゲート11を通過しない場合にも「OFF」になる。確変フラグは、確変状態中であるかを示すフラグであり、確変状態中に「ON」になり、非確変状態中に「OFF」になる。
【0076】
パチンコ機1の電源がONにされると、CPU51は、メイン処理を開始する。図10に示すように、まず、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、その他の入賞口に設けられた各スイッチ(図4参照)の検出結果から、遊技球の通過または入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。
【0077】
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、当り遊技の動作を制御するための処理、大当り遊技終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる(図18図19参照)。当り遊技の動作とは、主に、大当り遊技および小当り遊技における第一大入賞口16および第二大入賞口17の開閉部材161,171の開閉動作である。
【0078】
次いで、第一特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一特別図柄処理では、第一大当り判定、第一変動パターンの決定、第一特別図柄の決定および遊技状態の移行処理等が行われる(図11図12参照)。
【0079】
次いで、第二特別図柄処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第二特別図柄処理では、第二大当り判定、第二変動パターンの決定、第二特別図柄の決定および遊技状態の移行処理等が行われる(図14図15参照)。
【0080】
次いで、普通電動役物処理が行われる(S16)。普通電動役物処理では、普通当り遊技の動作(主に第二始動口13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる。
【0081】
次いで、普通図柄処理が行われる(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ75が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当り乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当り判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。
【0082】
次いで、払出処理(S18)、エラーチェック(S19)、情報出力処理(S20)が行われる。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU451は、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
【0083】
図11図12を参照して、第一特別図柄処理(S14、図10参照)の詳細について説明する。図11に示すように、第一特別図柄処理が開始されると、第一始動口12に遊技球が入賞しているかが判断される(S71)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図10参照)において、第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」の場合には、第一始動口12に遊技球が入賞していないと判断されて(S71:NO)、処理はS81の判断へ移行する。
【0084】
このフラグが「ON」の場合には、第一始動口12に遊技球が入賞していると判断されて(S71:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S73)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」である場合(S73:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS81の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S73:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S75)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当り関係情報記憶エリア(図5参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S76)。具体的には、第一大当り乱数欄には第一大当り乱数の値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定乱数の値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の値が、それぞれ記憶される。なお、第一乱数にこれら以外の種類の乱数が含まれていてもよい。
【0085】
次いで、S76で取得された第一保留球に関する情報である第一保留球情報(いわゆる先読み情報)が参照され、参照した情報を通知するための第一保留球情報コマンドが生成され、RAM52のコマンドバッファにセットされる(S79)。第一保留球情報コマンドは、第一乱数(第一大当たり乱数、第一図柄決定乱数および第一変動パターン決定乱数)に関する情報に加えて、第一保留球数を示す情報を含んで生成される。RAM52は、第一保留球数を計数するエリアを備えており、第一保留球数を示す情報は、RAM52に記憶されている第一保留球数に基づく。セットされた第一保留球情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。処理はS81の判断へ移行する。
【0086】
次いで、当り遊技状態であるかが判断される(S81)。大当り遊技状態フラグまたは小当り遊技状態フラグが「ON」である場合、当り遊技状態中であると判断されて(S81:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当り遊技状態フラグおよび小当り遊技状態フラグがいずれも「OFF」である場合、当り遊技状態中でないと判断されて(S81:NO)、第一特別図柄が変動中であるかが判断される(S82)。第一特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、第一特別図柄が変動中でないと判断されて(S82:NO)、処理はS91(図12参照)に移行する。
【0087】
次いで、図12に示すように、第一特別図柄が停止表示中であるかが判断される(S91)。第一特別図柄表示状態フラグが「2」である場合、第一特別図柄が停止表示中であると判断されて(S91:YES)、第一特別図柄停止時間が経過したかが判断される(S92)。この判断は、後述する第一変動停止処理(S85、図11参照)において記憶される第一特別図柄停止時間カウンタの値によって判断される。第一特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、第一特別図柄停止時間がまだ経過していないと判断されて(S92:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には、第一特別図柄停止時間が経過したと判断されて(S92:YES)、第一特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、第一特別図柄表示状態フラグに記憶される(S93)。その後、遊技状態移行処理が行われて(S95)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理の詳細については後述する。
【0088】
一方、第一特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、第一特別図柄が停止表示中でないと判断されて(S91:NO)、第一大当り判定等の処理が行われる。まず、第一大当り関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S101)。第一保留球数が「0」である場合(S101:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一保留球数が「1」以上である場合(S101:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S102)。次いで、第一大当り関係情報記憶エリア(図5参照)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一乱数が、第一判定エリアにシフトされる(S103)。
【0089】
次いで、第一大当り判定が行われる(S105)。図示しないが、ROM53には、大当り判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが記憶されている。第一大当り判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルが、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルが、それぞれ選択される。低確率判定テーブルは、非確変状態中の大当り判定に用いられるテーブルであり、第一大当り判定について「大当り」および「はずれ」に、第二大当り判定について「大当り」、「小当り」および「はずれ」に各々対応する大当り乱数の値を定義している。高確率判定テーブルは、確変状態中の大当り判定に用いられるテーブルであり、第一大当り判定について「大当り」および「はずれ」に、第二大当り判定について「大当り」、「小当り」および「はずれ」に各々対応する大当り乱数の値を定義している。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S103の処理で第一判定エリアにシフトされた第一大当り乱数が、「大当り」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される第一大当り判定が行われる。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当り乱数に基づく第一大当り判定が、第一大当り乱数の記憶された順に行われる。
【0090】
次いで、第一大当り判定の結果が大当りであるかが判断される(S106)。第一大当り判定の結果が大当りの場合(S106:YES)、第一停止図柄として大当り図柄が決定される(S108)。S108の処理では、特別図柄決定テーブル(図6参照)が参照されて、S103で第一判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じて、大当り図柄が決定される。決定された大当り図柄は、RAM52に記憶される。一方、第一大当り判定の結果がはずれである場合(S106:NO)、第一停止図柄として所定のはずれ図柄が決定される(S109)。次いで、第一停止図柄を示す第一停止図柄指定コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S111)。セットされた第一停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0091】
次いで、遊技状態および第一大当り判定による判定結果に応じて、第一変動パターンが決定される(S112)。S112の処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において通常状態および確変状態のうちいずれの遊技状態が設定されているかが特定される。また、第一大当り判定による判定結果が参照される。第一変動パターン決定テーブル(図8参照)のうち、特定された遊技状態に応じたテーブルが参照されて、第一大当り判定による判定結果および第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが決定される。決定された第一変動パターンは、RAM52に記憶される。
【0092】
次いで、決定された第一変動パターンを示す第一変動パターン指定コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S113)。セットされた第一変動パターン指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。中継基板47を介して第一変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部24は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を開始する。第一変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の第一演出図柄および第一識別図柄の変動開始を指示する。
【0093】
次いで、決定された第一変動パターンに対応する第一変動時間が、第一変動時間カウンタに記憶される(S115)。第一特別図柄が変動中であることを示す「1」が第一特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S116)、処理はメイン処理へ戻る。
【0094】
また、図11に示すS82の判断において、第一特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄が変動中であると判断され(S82:YES)、第一変動時間カウンタの値が4ms分減算される(S83)。次いで、第一変動停止処理が実行されて(S85)、処理はメイン処理へ戻る。
【0095】
図13を参照して、第一変動停止処理(S85、図11参照)について詳細に説明する。第一変動停止処理では、第一特別図柄を停止するための各種の処理が実行される。まず、第二特別図柄が停止表示中であるかが判断される(S121)。第二特別図柄が停止表示中であるかは、後述する第二特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されているかによって判断される。第二特別図柄が停止表示中でない場合(S121:NO)、処理はS131の判断へ移行する。一方、第二特別図柄が停止表示中である場合(S121:YES)、第二特別図柄が当り図柄(大当り図柄または小当り図柄)で停止表示されているかが判断される(S123)。この判断は、後述する第二特別図柄処理において第二特別図柄の当り図柄がRAM52に記憶されているかによって行われる。第二特別図柄がはずれ図柄で停止表示されている場合(S123:NO)、処理はS131の判断へ移行する。
【0096】
次いで、第一変動時間が経過したかが判断される(S131)。この判断は、S115(図12参照)で記憶された第一変動時間カウンタの値に応じて行われる。第一変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第一変動時間がまだ経過していないと判断されて(S131:NO)、処理は第一特別図柄処理へ戻る。第一変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第一変動時間が経過したと判断されて(S131:YES)、第一変動停止コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S132)。セットされた第一変動停止コマンドは、中継基板47およびサブ制御基板58に順次送信される。中継基板47を介して第一変動停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を停止する。第一変動停止コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、第一演出図柄および第一識別図柄の変動を停止する。処理はS133に移行する。
【0097】
一方、第二特別図柄が当り図柄で停止表示されている場合(S123:YES)、第一変動停止コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S128)。セットされた第一変動停止コマンドは、中継基板47およびサブ制御基板58に順次送信される。S128では、S108(図12参照)で第一停止図柄として大当り図柄が決定されている場合であっても、第一特別図柄、第一演出図柄および第一識別図柄をはずれ図柄で強制停止させる内容の第一変動停止コマンドが生成される。したがって、中継基板47を介して第一変動停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を、はずれ図柄で強制停止する。第一変動停止コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、第一演出図柄および第一識別図柄の変動を、はずれを示す図柄で強制停止する。処理はS133に移行する。
【0098】
前述のように、パチンコ機1は、第一特別図柄の変動表示と、第二特別図柄の変動表示とが並行して行われ得る、同時変動タイプの遊技仕様を有する。パチンコ機1の備える条件装置の数は1つなので、第一特別図柄と第二特別図柄とで同時に大当り図柄で停止表示されることを回避する必要があるため、S123の判断が実行される。また、パチンコ機1は、第一特別図柄と第二特別図柄とで大当り図柄と小当り図柄とが同時に停止表示され、小当り遊技と大当り遊技とが同時に行われることを回避するため、S123の判断を実行する。
【0099】
次いで、所定の第一特別図柄停止時間(本実施形態では0.8秒)が第一特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S133)。次いで、第一特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が第一特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S135)、処理は第一特別図柄処理へ戻る。
【0100】
図14図15を参照して、第二特別図柄処理(S15、図10参照)の詳細について説明する。まず、第二特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。図14に示すように、第二特別図柄処理が開始されると、第二始動口13に遊技球が入賞しているかが判断される(S141)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検知すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図10参照)において、第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」の場合には、第二始動口13に遊技球が入賞していないと判断されて(S141:NO)、処理はS151の判断へ移行する。処理はS143の判断へ移行する。
【0101】
このフラグが「ON」の場合には、第二始動口13に遊技球が入賞していると判断されて(S141:YES)、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S143)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」である場合(S143:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS151の判断へ移行する。第二保留球数が「4」でない場合(S143:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S145)。次いで、第二乱数が取得され、第二大当り関係情報記憶エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S146)。具体的には、第二大当り乱数欄には第二大当り乱数の値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定乱数の値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定乱数の値が、それぞれ記憶される。なお、第二乱数にこれら以外の種類の乱数が含まれていてもよい。
【0102】
次いで、S146で取得された第二保留球に関する情報である第二保留球情報が参照され、参照した情報を通知するための第二保留球情報コマンド(いわゆる先読み情報)が生成され、RAM52のコマンドバッファにセットされる(S149)。第二保留球情報コマンドは、第二乱数(第二大当たり乱数、第二図柄決定乱数および第二変動パターン決定乱数)に関する情報に加えて、第二保留球数を示す情報を含んで生成される。RAM52は、第二保留球数を計数するエリアを備えており、第二保留球数を示す情報は、RAM52に記憶されている第二保留球数に基づく。セットされた第二保留球情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。処理はS151の判断へ移行する。
【0103】
次いで、当り遊技状態であるかが判断される(S151)。大当り遊技状態フラグまたは小当り遊技状態フラグが「ON」である場合、当り遊技状態中であると判断されて(S151:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当り遊技状態フラグおよび小当り遊技状態フラグがいずれも「OFF」である場合、当り遊技状態中でないと判断されて(S151:NO)、第二特別図柄が変動中であるかが判断される(S152)。第二特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、第二特別図柄が変動中でないと判断されて(S152:NO)、処理はS161(図15参照)に移行する。
【0104】
次いで、図15に示すように、第二特別図柄が停止表示中であるかが判断される(S161)。第二特別図柄表示状態フラグが「2」である場合、第二特別図柄が停止表示中であると判断されて(S161:YES)、第二特別図柄停止時間が経過したかが判断される(S165)。この判断は、後述する第二変動停止処理(S155、図14参照)において記憶される第二特別図柄停止時間カウンタの値によって判断される。第二特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、第二特別図柄停止時間がまだ経過していないと判断されて(S165:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には、第二特別図柄停止時間が経過したと判断されて(S165:YES)、第二特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、第二特別図柄表示状態フラグに記憶される(S166)。その後、遊技状態移行処理が行われて(S168)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理の詳細については後述する。
【0105】
一方、第二特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、第二特別図柄が停止表示中でないと判断されて(S161:NO)、条件装置作動フラグが「ON」であるかが判断される(S162)。条件装置作動フラグが「ON」である場合(S162:YES)、処理はS168へ移行する。条件装置作動フラグが「OFF」である場合(S162:NO)、第二大当り判定等の処理が行われる。
【0106】
まず、第二大当り関係情報記憶エリアに記憶されている第二保留球数が「1」であるかが判断される(S171)。第二保留球数が「0」である場合(S171:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「1」である場合(S171:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S172)。次いで、第二大当り関係情報記憶エリア(図示略)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二乱数が、第二判定エリアにシフトされる(S173)。
【0107】
次いで、第二大当り判定処理が行われる(S175)。第二大当り判定処理では、第一大当り判定処理(S105、図12参照)と同様に、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。確変状態が設定されているかに応じて、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S173の処理で第二判定エリアにシフトされた第二大当り乱数が、「大当り」、「小当り」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当り乱数に基づく第二大当り判定が、第二大当り乱数の記憶された順に行われる。
【0108】
次いで、第二大当り判定の結果が大当りまたは小当りであるかが判断される(S176)。第二大当り判定の結果が大当りまたは小当りの場合(S176:YES)、第二停止図柄として大当り図柄または小当り図柄が決定される(S178)。S178の処理では、特別図柄決定テーブル(図6参照)が参照されて、S173で第一判定エリアにシフトされた第二特別図柄決定乱数の値に応じて、大当り図柄または小当り図柄が決定される。決定された当り図柄は、RAM52に記憶される。一方、第二大当り判定の結果がはずれである場合(S176:NO)、第二停止図柄として所定のはずれ図柄が決定される(S179)。次いで、第二停止図柄を示す第二停止図柄指定コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S181)。セットされた第二停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0109】
次いで、遊技状態および第二大当り判定による判定結果に応じて、第二変動パターンが決定される(S182)。S182の処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において通常状態および確変状態のうちいずれの遊技状態が設定されているかが特定される。また、第二大当り判定による判定結果が参照される。第二変動パターン決定テーブル(図9参照)のうち、特定された遊技状態に応じたテーブルが参照されて、第二大当り判定による判定結果および第二変動パターン決定乱数の値に対応する第二変動パターンが決定される。決定された第二変動パターンは、RAM52に記憶される。
【0110】
次いで、決定された第二変動パターンを示す第二変動パターン指定コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S183)。セットされた第二変動パターン指定コマンドは、中継基板47およびサブ制御基板58に順次送信される。中継基板47を介して第二変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部24は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。第二変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の第二演出図柄および第二識別図柄の変動開始を指示する。
【0111】
次いで、決定された第二変動パターンに対応する第二変動時間が、RAM52の第二変動時間カウンタに記憶される(S185)。第二特別図柄が変動中であることを示す「1」が第二特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S186)、処理はメイン処理へ戻る。
【0112】
また、図14に示すS152の判断において、第二特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第二特別図柄が変動中であると判断され(S152:YES)、第二変動時間カウンタの値が4ms分減算される(S153)。次いで、第二変動停止処理が実行されて(S155)、処理はメイン処理へ戻る。
【0113】
図16を参照して、第二変動停止処理(S155、図14参照)について詳細に説明する。第二変動停止処理では、第二特別図柄を停止するための各種の処理が実行される。まず、第一特別図柄が停止表示中であるかが判断される(S191)。第一特別図柄が停止表示中であるかは、第一特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されているかによって判断される。第一特別図柄が停止表示中である場合(S191:YES)、第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されているかが判断される(S192)。この判断は、第一特別図柄処理において大当り図柄がRAM52に記憶されているかによって行われる。
【0114】
第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されていない場合(S192:NO)、および第一特別図柄が停止表示中でない場合(変動中である場合)(S191:NO)、第二変動時間が経過したかが判断される(S195)。この判断は、S185(図15参照)で記憶された第二変動時間カウンタの値に応じて行われる。第二変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第二変動時間がまだ経過していないと判断されて(S195:NO)、処理は第二特別図柄処理へ戻る。
【0115】
第二変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第二変動時間が経過したと判断されて(S195:YES)、変動を終了する第二特別図柄の変動が大当り変動であるかが判断される(S196)。この判断は、第二特別図柄処理においてRAM52に記憶された第二変動パターンが大当り変動に対応する変動パターンであるかによって行われる。第二特別図柄の大当り変動が終了する場合(S196:YES)、第一特別図柄が大当り変動中であるかが判断される(S198)。この判断は、第一特別図柄表示フラグがONであるか、および第一特別図柄処理においてRAM52に記憶されている第一変動パターンが大当り変動に対応する変動パターンであるかによって行われる。
【0116】
第一特別図柄が大当り変動中でない場合(S198:NO)、および第二特別図柄の大当り変動以外の変動(小当り変動またははずれ変動)が終了する場合(S196:NO)、第二変動停止コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S199)。セットされた第二変動停止コマンドは、中継基板47およびサブ制御基板58に順次送信される。中継基板47を介して第二変動停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を停止する。第二変動停止コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、第二演出図柄および第二識別図柄の変動を停止する。処理はS201に移行する。
【0117】
一方、第二特別図柄の大当り変動が終了する場合において(S196:YES)、第一特別図柄が大当り変動中であるとき(S198:YES)、および第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されている場合(S192:YES)、第二変動停止コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S193)。セットされた第二変動停止コマンドは、中継基板47およびサブ制御基板58に順次送信される。
【0118】
S193では、S178(図15参照)で第二停止図柄として当り図柄が決定されている場合であっても、第二特別図柄、第二演出図柄および第二識別図柄をはずれ図柄で強制停止させる内容の第二変動停止コマンドが生成される。したがって、中継基板47を介して第二変動停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を、はずれ図柄で強制停止する。第二変動停止コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、第二演出図柄および第二識別図柄の変動を、はずれを示す図柄で強制停止する。処理はS201に移行する。
【0119】
次いで、所定の第二特別図柄停止時間(本実施形態では0.8秒)が第二特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S201)。次いで、第二特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が第二特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S202)、処理は第二特別図柄処理へ戻る。
【0120】
図17を参照して、遊技状態移行処理(S95およびS168、図12図15参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当り判定によって大当りまたは小当りであると判定された場合に、遊技を大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるための処理が行われる。
【0121】
遊技状態移行処理が開始されると、まず、条件装置作動フラグが「ON」であるかが判断される(S211)。条件装置作動フラグが「OFF」である場合(S211:NO)、第一特別図柄が大当り図柄で停止表示したか(第一大当り図柄が停止表示したか)が判断される(S212)。第一特別図柄が大当り図柄で停止表示した場合(S212:YES)、処理はS221へ移行する。
【0122】
停止した特別図柄が第二特別図柄である場合または第一特別図柄がはずれ図柄で停止した場合(S212:NO)、第二特別図柄が大当り図柄で停止表示したか(第二大当り図柄が停止表示したか)が判断される(S213)。第二特別図柄が大当り図柄で停止表示した場合(S213:YES)、条件装置作動フラグが「ON」になる(S215)。パチンコ機1は、第二大当り図柄が停止することによって条件装置が作動した後から所定の有効時間内に遊技球がゲート11を通過した場合に、役物連続作動装置を作動する。RAM52は、有効時間を計測する時間カウンタである有効時間カウンタを備える。有効時間が有効時間カウンタに記憶される(S216)。処理は第一特別図柄処理または第二特別図柄処理へ戻る。
【0123】
第二特別図柄が大当り図柄で停止表示していない(第二大当り図柄が停止表示していない)場合(S213:NO)、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示したかが判断される(S231)。第一特別図柄または第二特別図柄がはずれ図柄で停止表示した場合(S231:NO)、処理は第一特別図柄処理または第二特別図柄処理へ戻る。第二特別図柄が小当り図柄で停止表示した場合(S231:YES)、小当り遊技状態フラグが「ON」になる(S233)。次いで、小当り遊技状態開始通知に対応する遊技状態コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S232)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信され、小当り遊技状態開始通知が行われる。処理は第一特別図柄処理または第二特別図柄処理へ戻る。
【0124】
一方、条件装置作動フラグが「ON」である場合(S211:YES)、有効時間内に遊技球がゲート11を通過したかが判断される(S217)。有効時間内に遊技球がゲート11を通過しない場合(S217:NO)、有効時間の経過後に条件装置作動フラグが「OFF」になる(S219)。処理は第一特別図柄処理または第二特別図柄処理へ戻る。
【0125】
有効時間内に遊技球がゲート11を通過した場合(S217:YES)、有効時間カウンタの値がクリアされる(S218)。次いで、大当り図柄に対応するラウンド数(本実施形態では、いずれの大当り図柄の種別においても「3」)が、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられているRカウンタに記憶される(S221)。
【0126】
次いで確変フラグが「ON」であるかが判断される(S222)。確変フラグが「OFF」である場合(S222:NO)、処理はS226へ移行する。確変フラグが「ON」である場合(S222:YES)、確変フラグが「OFF」になる(S223)。次いで、確変状態終了通知に対応する遊技状態コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S225)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。処理はS226へ移行する。つまり、大当り遊技中は、遊技状態が通常状態に設定される。
【0127】
次いで、大当り遊技状態フラグが「ON」になる(S226)。大当り遊技状態開始通知に対応する遊技状態コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S228)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。連続大当り回数を計数するためにRAM52に設けられているリミッタカウンタに「1」が加算される(S229)。処理は第一特別図柄処理または第二特別図柄処理へ戻る。
【0128】
図18図19を参照して、特別電動役物処理(S13、図10参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口16および第二大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグには、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されている場合に「1」、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されている場合に「2」、開閉部材161,171のいずれも開放されていない場合に「0」が記憶される。なお、本実施形態において、第一大入賞口16と第二大入賞口17とが同時に開放することはない。
【0129】
図18に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当り遊技状態であるかが判断される(S241)。この判断は、大当り遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。大当り遊技状態フラグが「ON」の場合には大当り遊技状態であると判断されて(S241:YES)、大当りラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかが判断される(S242)。Rカウンタの値は、後述のS259の処理で、大当りラウンドが1回終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当り遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0130】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S242:NO)、第一大入賞口16が開放中であるかが判断される(S243)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。開放中フラグに「1」が記憶されている場合には第一大入賞口16が開放中であると判断されて(S243:YES)、処理はS251の判断へ移行する。開放中フラグに「1」が記憶されていない場合には第一大入賞口16が開放中でないと判断されて(S243:NO)、第一大入賞口16を開放させるための第一開放コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S245)。セットされた第一開放コマンドは、中継基板47に順次送信される。中継基板47を介して第一開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。また、当り遊技定義テーブル(図7参照)が参照されて、大当り遊技における第一大入賞口16の開放時間である第一開放時間(本実施形態では29秒)が、RAM52の第一開放時間カウンタに記憶される(S246)。また、第一開放コマンドに基づいて第一大入賞口16が開放されることに応じて、開放中フラグに「1」が記憶される(S248)。処理はS251の判断へ移行する。
【0131】
次いで、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかが判断される(S251)。第一大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「OFF」の場合には、第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断され(S251:NO)、処理はS253の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」の場合には第一大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断され(S251:YES)、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が加算される(S252)。処理はS253の判断へ移行する。
【0132】
次いで、第一大入賞口16への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S253)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S253:NO)、第一開放時間が経過したかが、第一開放時間カウンタの値に基づいて判断される(S255)。第一開放時間が経過していない場合(S255:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、大当り遊技状態であり(S241:YES)、Rカウンタの値が「0」でない場合(S242:NO)、第一大入賞口16に10個以上の遊技球が入賞するか、または第一開放時間が経過するまで、S253およびS255の判断が繰り返して実行される。
【0133】
第一大入賞口16へ10個以上の遊技球が入賞するか(S253:YES)、または第一開放時間が経過した場合(S255:YES)、第一閉鎖コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S256)。第一閉鎖コマンドは、開放している第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた第一閉鎖コマンドは、中継基板47に順次送信される。中継基板47を介して第一閉鎖コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。次いで、開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S258)、Rカウンタの値が「1」減算される(S259)。その後処理はメイン処理へ戻る。
【0134】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S242:YES)、大当り遊技が終了するので、大当り遊技状態フラグが「OFF」になる(S261)。また、条件装置作動フラグが「ON」である場合には「OFF」になる(S262)。また、大当り遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S263)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。大当り遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、大当り遊技状態終了通知という。
【0135】
次いで、リミッタカウンタの値がリミッタ回数である「3」であるかが判断される(S265)。リミッタカウンタの値が「3」でない場合(S263:NO)、連続大当り回数がリミッタ回数に到達していないので、大当り遊技の終了後に確変状態が設定される。したがって、確変フラグが「ON」になり(S266)、確変状態開始通知に対応する遊技状態コマンドが生成され,コマンドバッファにセットされる(S265)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。処理はメイン処理へ戻る。
【0136】
一方、リミッタカウンタの値が「3」である場合(S265:YES)、連続大当り回数がリミッタ回数に到達しているので、大当り遊技の終了後に確変状態が設定されない。したがって、確変フラグは「OFF」のままにされる。また、セット遊技が終了するので、リミッタカウンタの値が「0」にクリアされる(S269)処理はメイン処理へ戻る。
【0137】
また、特別電動役物処理が開始された場合に大当り遊技状態でないとき(S241:NO)、図19に示すように小当り遊技状態であるかが判断される(S271)。小当り遊技状態フラグが「OFF」である場合には小当り遊技状態でないと判断され(S271:NO)、処理はメイン処理へ戻る。小当り遊技状態フラグが「ON」の場合には小当り遊技状態であると判断され(S271:YES)、第二大入賞口17が開放中であるかが判断される(S272)。開放中フラグに「2」が記憶されている場合には第二大入賞口17が開放中であると判断され(S272:YES)、処理はS281の判断へ移行する。
【0138】
開放中フラグに「2」が記憶されていなければ第二大入賞口17が開放中でないと判断され(S272:NO)、第二大入賞口17を開放させるための第二開放コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S273)。セットされた第二開放コマンドは、中継基板47に順次送信される。中継基板47を介して第二開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。また、当り遊技定義テーブル(図7参照)が参照されて、小当り遊技における第二大入賞口17の開放時間である第二開放時間(本実施形態では0.8秒)が、RAM52の開放時間カウンタに記憶される(S275)。また、第二開放コマンドに基づいて第二大入賞口17が開放されることに応じて、開放中フラグに「2」が記憶される(S276)。処理はS281の判断へ移行する。
【0139】
次いで、第二大入賞口17へ遊技球が入賞したかが判断される(S281)。第二大入賞口スイッチ78に対応するフラグが「OFF」の場合には、第二大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断され(S281:NO)、処理はS283の判断へ移行する。第二大入賞口スイッチ78に対応するフラグが「ON」の場合には第二大入賞口17へ遊技球が入賞したと判断され(S281:YES)、第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が加算される(S282)。処理はS283の判断へ移行する。
【0140】
次いで、第二大入賞口17への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S283)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S283:NO)、第二開放時間が経過したかが、開放時間カウンタの値に基づいて判断される(S285)。第二開放時間が経過していない場合(S285:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、小当り遊技状態である場合(S271:YES)、第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞するか、または第二開放時間が経過するまで、S283およびS285の判断が繰り返して実行される。
【0141】
第二大入賞口17へ10個以上の遊技球が入賞するか(S283:YES)、または第二開放時間が経過した場合(S285:YES)、第二閉鎖コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S291)。第二閉鎖コマンドは、開放している第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた第二閉鎖コマンドは、中継基板47に順次送信される。中継基板47を介して第二閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。
【0142】
次いで、開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S292)、小当り遊技状態フラグが「OFF」になる(S293)。また、小当り遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S295)。セットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。小当り遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、小当り遊技状態終了通知という。その後、処理はメイン処理へ戻る。
【0143】
図20から図26を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、報知演出の制御が行われる。サブ制御基板58は、所定の周期でクロック信号を出力するクロック回路(図示略)および割込信号発生回路(図示略)を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。CPU581は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎にサブ制御基板処理を実行する。
【0144】
本実施形態のパチンコ機1では、小当りラッシュ中の報知演出(確変状態中の第二報知演出)において、敵キャラクタと味方キャラクタとがバトルを行うバトル演出が行われる。小当りラッシュ中の第二演出図柄の変動中に敵キャラクタと味方キャラクタが攻防を行い、互いの体力(HP)を減らす演出である。そして、所定条件が満たされた場合に味方キャラクタが敵キャラクタを撃破することができ、新たな敵キャラクタの登場によって、新たなバトルが開始される。
【0145】
バトル演出は、小当りラッシュ中に行われる第二大当り判定ごとに行われ、敵キャラクタとの攻防が繰り返される。そして、図柄変動ゲームの変動開始時に、今回の変動時に行われる敵キャラクタへの攻撃の結果として、次の変動時に、敵キャラクタを撃破することができる撃破演出を実行するか否かの抽選が行われる。すなわちバトル演出と撃破演出は、演出内容が連動し、バトル演出の内容を撃破演出が引き継ぐ一連の演出となっている。撃破演出の抽選を行う条件は、次回の変動時の第二特別図柄の変動パターン(変動時間)が、10秒の「特2小当り変動E」(図9参照)であることが、第二保留球情報(先読み情報)に基づいて判断されることである。
【0146】
また、バトル演出の他にも、ゾーンに滞在中は小当りラッシュが確実に継続される継続ゾーン演出や、ストックした回数分、確実に小当り遊技に当選することができるストック演出が、バトル演出と並行して行われる。継続ゾーン演出は、図柄変動ゲームの変動開始時に、第二保留球情報(先読み情報)に基づき、5秒の「特2小当り変動D」の変動パターンが2個以上連続して保留されている場合に、実行の可否が抽選される。そして、次回以降の図柄変動ゲームの変動開始時に、次の変動が5秒または10秒の小当りの変動パターンであれば継続ゾーンへの滞在が継続され、その他の変動パターンであれば終了する。ストック演出は、図柄変動ゲームの変動開始時に、第二保留球情報に基づき、5秒または10秒の小当りの変動パターンが2個以上連続して保留されている場合に、実行の可否が抽選される。そして、4個連続して保留されている場合には、100%実行される。そして、それらの保留がストックとして提示され、図柄変動ゲームが行われるごとに、ストックが消費される。ストックがなくなれば、ストック演出は終了する。これらの演出は、後述する第二報知演出実行処理の実行において制御される。
【0147】
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。サブ制御基板処理では、確変フラグ、第一変動中フラグ、第二変動中フラグ、継続ゾーン中フラグ、ストック開始フラグ、ストック中フラグ、撃破フラグ等が使用される。これらのフラグはRAM582に記憶される。確変フラグは、確変状態中であるかを示すフラグであり、確変状態中に「ON」になり、非確変状態中に「OFF」になる。第一変動中フラグは、第一特別図柄が変動中であるかを示すフラグであり、第一特別図柄の変動中に「ON」になり、非変動中に「OFF」になる。第二変動中フラグは、第二特別図柄が変動中であるかを示すフラグであり、第二特別図柄の変動中に「ON」になり、非変動中に「OFF」になる。
【0148】
継続ゾーン中フラグは、継続ゾーン演出が行われている場合に「ON」になり、終了時に「OFF」になる。ストック開始フラグは、ストック演出が開始される場合に「ON」になり、開始後は「OFF」になる。ストック中フラグは、ストック演出が行われている場合に「ON」になり、終了時に「OFF」になる。撃破フラグは、バトル演出において敵キャラクタの撃破が可能な状態になると「ON」になり、撃破演出が行われる場合に「OFF」になる。
【0149】
図20に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、CPU581は、主基板41から遊技状態コマンドを受信したかを判断する(S301)。遊技状態コマンドを受信していない場合(S301:NO)、処理はS303の判断へ移行する。
【0150】
遊技状態コマンドを受信した場合(S301:YES)、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理が実行される(S302)。遊技状態コマンドによって小当り遊技状態開始通知が行われた場合には、小当り遊技が実行中であることを示す小当り遊技演出の実行が開始され、小当り遊技状態終了通知が行われた場合には、小当り遊技演出の実行が終了される。遊技状態コマンドによって大当り遊技状態開始通知が行われた場合には、大当り遊技が実行中であることを示す大当り遊技演出の実行が開始され、大当り遊技状態終了通知が行われた場合には、大当り遊技演出の実行が終了される。遊技状態コマンドによって確変状態開始通知が行われた場合には、確変フラグが「ON」になり、確変状態終了通知が行われた場合には、確変フラグが「OFF」になる。CPU581は、確変フラグの状態に応じて各種の演出を制御する。
【0151】
次いで、主基板41から第一保留球情報コマンドを受信したかが判断される(S303)。第一保留球情報コマンドを受信していない場合(S303:NO)、処理はS311の判断へ移行する。第一保留球情報コマンドを受信した場合(S303:YES)、RAM582に設けられる第一保留球数を計数する第一保留球数カウンタに「1」が加算される(S305)。次いで、RAM582に第一保留球情報が記憶される(S306)。第一保留球情報は、第一保留球の先読み情報である。先読み情報は、第一報知演出において、先読み情報に基づいて行われる先読み演出等に用いられる。処理はS311の判断へ移行する。
【0152】
次いで、主基板41から第二保留球情報コマンドを受信したかが判断される(S311)。第二保留球情報コマンドを受信していない場合(S311:NO)、処理はS315の判断へ移行する。第二保留球情報コマンドを受信した場合(S311:YES)、RAM582に設けられる第二保留球数を計数する第二保留球数カウンタに「1」が加算される(S312)。次いで、RAM582に第二保留球情報が記憶される(S313)。第二保留球情報は、第二保留球の先読み情報である。先読み情報は、第二報知演出において、先読み情報に基づいて行われる先読み演出等に用いられる。第二報知演出における先読み演出については後述する。処理はS315の判断へ移行する。
【0153】
次いで、主基板41から第一停止図柄指定コマンドを受信したかが判断される(S315)。第一停止図柄指定コマンドを受信していない場合(S315:NO)、処理はS318の判断へ移行する。第一停止図柄指定コマンドを受信した場合(S315:YES)、第一停止図柄指定コマンドの示す第一停止図柄が取得され、取得された第一停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)に応じた第一演出図柄の組合せが決定される(S316)。本実施形態では、大当り図柄が特定された場合、第一演出図柄が変動表示を終了するときに表示される停止図柄(確定図柄)として、第一演出図柄が同じ数字で揃うゾロ目の組合せが決定される。なお、第一識別図柄については、「〇」の確定図柄が決定される。はずれ図柄が特定された場合、確定図柄として、第一演出図柄が異なる数字を含むバラケ目の組合せが決定される。なお、第一識別図柄については、「×」の確定図柄が決定される。決定された第一演出図柄および第一識別図柄の確定図柄はRAM582に記憶される。処理はS318の判断へ移行する。
【0154】
次いで、主基板41から第二停止図柄指定コマンドを受信したかが判断される(S318)。第二停止図柄指定コマンドを受信していない場合(S318:NO)、処理はS321(図21参照)の判断へ移行する。第二停止図柄指定コマンドを受信した場合(S318:YES)、第二停止図柄指定コマンドの示す第二停止図柄が取得され、取得された第二停止図柄(大当り図柄、小当り図柄またははずれ図柄)に応じた第二演出図柄の組合せが決定される(S319)。本実施形態では、大当り図柄が特定された場合、第二演出図柄の確定図柄としてゾロ目の組合せが、はずれ図柄が特定された場合、第二演出図柄の確定図柄としてバラケ目の組合せが、それぞれ決定される。また、小当り図柄が特定された場合、左列の第二演出図柄を「1」、中列の第二演出図柄を「2」、右列の第二演出図柄を「3」とする「1・2・3」の組合せが、確定図柄として決定される。なお、第二識別図柄については、「◇」の確定図柄が決定される。処理はS321の判断へ移行する。
【0155】
図21に示すように、主基板41から第一変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S321)。第一変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S321:NO)、処理はS323の判断へ移行する。第一変動パターン指定コマンドを受信した場合(S321:YES)、第一報知演出実行処理が実行されて(S322)、処理はS323の判断へ移行する。
【0156】
図23を参照して、第一報知演出実行処理(S322、図21参照)の詳細について説明する。第一報知演出実行処理が開始されると、第一変動パターン指定コマンドの示す第一変動パターンが特定され、特定された第一変動パターンが取得される(S361)。そして第一保留球数カウンタの値が「1」減算される(S362)。また、RAM582に記憶された第一保留球情報(先読み情報)に基づく先読み演出が抽選によって行われる場合には、報知演出として先読み演出が設定される(S363)。第一保留球情報は記憶順に使用されるので、現在記憶されている第一保留球情報の中で最も古い、最古の第一保留球情報が、RAM582から消去される。
【0157】
次いで、確変フラグが参照されて、現時点に確変状態が設定されているかが判断される(S371)。確変フラグが「OFF」の場合には確変状態が設定されていない(通常状態が設定されている)と判断されて(S371:NO)、演出制御基板43に対して、第一報知演出の実行開始が指示される(S376)。CPU581は、S361で取得した第一変動パターンに応じた第一報知演出を実行することを指示するコマンドである第一指示コマンドを生成し、生成した第一指示コマンドを演出制御基板43に送信する。第一指示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、第一指示コマンドに対応する第一報知演出の映像データをCGROM(図示略)から読み出し、表示画面28に表示する。処理はS377へ移行する。その後、第一識別図柄の変動表示が開始されて(S377)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0158】
サブ制御基板処理の説明に戻る。次いで、図21に示すように、主基板41から第一変動停止コマンドを受信したかが判断される(S331)。第一変動停止コマンドを受信していない場合(S331:NO)、処理はS351(図22参照)の判断へ移行する。第一変動停止コマンドを受信した場合(S331:YES)、現時点の遊技状態が通常状態であるかが判断される(S332)。確変フラグが「ON」の場合には遊技状態が確変状態である(通常状態でない)と判断されて(S332:NO)、処理はS335へ移行する。確変フラグが「OFF」の場合には遊技状態が通常状態であると判断されて(S332:YES)、第一演出図柄が、S316(図20参照)で決定された確定図柄で停止(確定表示)される(S333)。すなわち、第一報知演出の実行が終了する。処理はS335へ移行する。
【0159】
次いで、第一識別図柄が、S316(図20参照)で決定された確定図柄で停止(確定表示)されることで変動表示が終了される(S335)。処理はS351(図22参照)の判断へ移行する。
【0160】
図22に示すように、主基板41から第二変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S351)。第二変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S351:NO)、処理はS353の判断へ移行する。第二変動パターン指定コマンドを受信した場合(S351:YES)、第二報知演出実行処理が実行されて(S352)、処理はS353の判断へ移行する。
【0161】
図24を参照して、第二報知演出実行処理(S352、図22参照)の詳細について説明する。第二報知演出実行処理では、主に、第二報知演出の実行開始および第二識別図柄の変動表示開始に関する各種の処理が行われる。
【0162】
第二報知演出実行処理が開始されると、第二変動パターン指定コマンドの示す第二変動パターンが特定され、特定された第二変動パターンが取得される(S381)。また、第二保留球数カウンタの値が「1」減算される(S382)。次いで、確変フラグが参照されて、現時点に確変状態が設定されているかが判断される(S383)。確変フラグが「OFF」の場合には確変状態が設定されていない(通常状態が設定されている)と判断されて(S383:NO)、処理はS432へ移行する。
【0163】
確変フラグが「ON」の場合には確変状態が設定されていると判断されて(S383:YES)、サブ変動パターンの抽選が行われる(S385)。サブ変動パターンは、第二変動パターンが示す変動時間で演出可能な様々な態様の演出パターンであり、1つの第二変動パターンに対して複数のサブ変動パターンが用意されている。S381で取得された第二変動パターンに対応する複数のサブ変動パターンのうちから、1つのサブ変動パターンが抽選によって決定される。
【0164】
次に、RAM582に記憶されている第二保留球情報(先読み情報)について解析する処理が行われる(S386)。RAM582には、取得順に最大4個の第二保留球情報が記憶されている。便宜上、最も古い第二保留球情報の記憶を第一保留といい、以降、古い順に、第二保留、第三保留、第四保留という。第二報知演出実行処理において、第一保留、第二保留、第三保留、第四保留は、変動パターン(変動時間)の情報が解析されて、先読み演出に使用される。解析された情報は、RAM582に記憶される。
【0165】
次いで、ストック演出がすでに実行されているか否かが判断される(S391)。この判断は、ストック中フラグの状態によって判断される。ストック演出の実行中は(S391:YES)、新たなストック演出や継続ゾーン演出の抽選が行われないので、処理はS432へ移行する。
【0166】
ストック演出が実行中でない場合(S391:NO)、継続ゾーン演出がすでに実行されているか否かが判断される(S392)。この判断は、継続ゾーン中フラグの状態によって判断される。継続ゾーン演出が行われている場合(S392:YES)、継続ゾーンの滞在の可否が判断される。すなわち、第二保留球情報として記憶されている保留のうち、最も古い保留である第一保留についての解析結果が参照され、5秒または10秒の小当り変動(特2小当り変動DまたはE)であれば(S393:YESまたはS395:YES)、継続ゾーンの滞在が継続される。よってこの場合の処理はS432に移行する。一方、第一保留が5秒または10秒の小当りの変動パターンでない場合(S393:NO,S395:NO)、継続ゾーン中フラグが「OFF」になり(S396)、継続ゾーン演出が終了される。処理はS431に移行する。
【0167】
S392で、継続ゾーン演出が実行中でない場合(S392:NO)、ストック演出および継続ゾーン演出の実行の可否が抽選される(S401)。前述したように、ストック演出は、5秒または10秒の小当りの変動パターンが2個以上連続して保留されている場合に、実行の可否が抽選され、4個保留されている場合には、100%実行される。継続ゾーン演出は、5秒の小当りの変動パターンが2個以上連続して保留されている場合に、実行の可否が抽選される。
【0168】
ここで、撃破フラグが「ON」であり、今回の図柄変動ゲームにおいて、撃破演出が行われる場合には(S402:YES)、当該変動においてストック演出または継続ゾーン演出に当選して実行が開始されないように、処理はS431へ移行する。
【0169】
当該変動が撃破演出の実行対象の変動でなければ(S402:NO)、S401における抽選の結果、ストック演出に当選したか否かが判断される(S426)。そして当選時には(S426:YES)、ストック開始フラグが「ON」になり(S426)、処理はS431へ移行する。また、継続ゾーン演出に当選した場合には(S411:NO,S422:YES)、報知演出として継続ゾーン演出を実行する設定がなされる(S423)。なお、継続ゾーン演出は、後述するバトル演出に重ねて実行することができるが、後述するストック演出は、バトル演出とは同時に実行することはできない。次に継続ゾーン中フラグが「ON」になり(S425)、処理はS431へ移行する。なお、ストック演出または継続ゾーン演出に当選しなかった場合も(S411:NO,S422:NO)、処理はS431へ移行する。次に、バトル演出処理が実行されて(S431)、処理はS432へ移行する。
【0170】
図25図26を参照して、バトル演出処理(S432、図24参照)の詳細について説明する。図25に示すように、バトル演出処理では、今回の図柄変動ゲームにおいて撃破演出が行われるか否かが判断される(S451)。撃破フラグが「ON」であり、撃破演出が行われる場合(S451:YES)、報知演出として撃破演出を実行する設定がなされる(S452)。バトル演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの攻防が行われるが、撃破演出では、敵キャラクタの撃破と、新たな敵キャラクタの登場とが行われる。敵キャラクタと味方キャラクタにはHPが設定されており、新たな敵キャラクタの登場において、敵・味方ともどもHPはFULLに設定される。次いで撃破フラグが「OFF」になり(S453)、処理は第二報知演出実行処理へ戻る。
【0171】
一方、S451で撃破フラグが「OFF」であり、撃破演出が行われない場合(S451:NO)、継続ゾーン演出が実行中か否かが判断される(S461)。バトル演出における敵キャラクタと味方キャラクタの攻防の組合せパターンを抽選する上で、継続ゾーンの演出中であれば(S461:YES)、継続ゾーン滞在時の内容を加味した上での組合せパターンが抽選される(S462)。そして継続ゾーンの演出中でなれば(S461:NO)、継続ゾーン滞在時の内容を加味せずに、組合せパターンが抽選される(S463)。
【0172】
次に、ストック開始フラグの状態に基づいて、ストック演出を開始するか否かが判断される(S465)。ストック開始フラグが「ON」の場合(S465:YES)、報知演出としてストック演出開始時の演出を実行する設定がなされる(S466)。ストック演出に当選したときに抽選された第二保留球情報の個数が、ストック数として提示される。また、ストック開始フラグは「OFF」になり、ストック中フラグが「ON」になる(S467)。処理はS491(図26参照)へ移行する。
【0173】
S465の判断でストック開始フラグが「OFF」であった場合、ストック中フラグの状態に基づいて、ストック演出が実行中であるか否かが判断される(S471)。ストック中フラグが「ON」で、ストック演出がすでに開始されている場合(S471:YES)、報知演出としてストック演出継続時の演出を実行する設定がなされる(S472)。提示されているストックの数は、1減らされる。ここで、ストック数が1以上でストックがまだある場合には(S473:NO)、処理はS491へ移行する。ストック数が0になった場合には(S473:YES)、ストック演出を終了するため、ストック中フラグが「OFF」になる(S475)。処理はS491へ移行する。
【0174】
次に、撃破演出の実行条件を判断するため、第二保留が10秒の小当り変動であるか否かが判断される(S481)。第二保留が10秒の小当り変動でない場合(S481:NO)、処理はS491(図26参照)へ移行する。第二保留が10秒の小当り変動の場合(S481:YES)、敵キャラクタのHPが、規定値以下であるか否かが判断される(S482)。バトル演出の攻防ではキャラクタのHPが減るが、例えば一回の攻撃でHPがFULLから0になると違和感が生ずる。故に、HPが予め設定された規定値以下でない場合(S482:NO)、撃破演出が行われず、処理はS491へ移行する。HPが規定値以下である場合(S482:YES)、撃破フラグが「ON」になり(S483)、S452で撃破演出を設定できるようになる。処理はS491へ移行する。
【0175】
図26に示すように、S462またはS463で抽選した組合せパターンに基づいて、バトル演出で行われる攻撃の強度に応じて、敵キャラクタまたは味方キャラクタのHPの減算量が演算される(S491)。バトル演出の組合せパターンの一例は、敵キャラクタの弱攻撃、味方キャラクタの強攻撃、味方キャラクタの回避行動などである。ここで、撃破演出が実行される場合、条件としてHPが規定値以下となっているので、敵キャラクタのHPが減算後において0でない場合に(S492:NO)、撃破されても違和感はない。よって減算後のHPがそのまま設定される(S493)。また、撃破演出が実行されない場合には、バトル演出が継続されるので、HPは0でないことが好ましい。そして、組合せパターンによっては、味方キャラクタが攻撃される場合もあり、この場合の減算後のHPもS493で設定される。処理はS497へ移行する。
【0176】
S491で演算した減算量で減算した場合に敵キャラクタのHPが0になる場合(S492:YES)、撃破フラグが「ON」であれば(S495:YES)、HP0で撃破されるので問題はない。よって減算後のHPがそのまま設定されて(S493)、S497へ移行する。しかし、減算後の敵キャラクタのHPが0になる場合で(S492:YES)、撃破フラグが「OFF」の場合(S495:NO)、敵キャラクタのHPが0になるものの撃破されないことになる。この場合、減算後の敵キャラクタのHPに1が設定される(S496)。
【0177】
次に、ストック中フラグが「ON」であるか否かが判断される(S497)。ストック演出が行われている場合(S497:YES)、ストックが提示されるため、バトル演出による報知が行われず、処理は第二報知演出実行処理へ戻る。なお、報知演出としては、S466またはS472で設定されたストック演出が実行される。そしてストック中フラグが「OFF」である場合(S497:NO)、S462またはS463で抽選した組合せパターンに応じた内容の攻防を行うバトル演出が、報知演出として実行できるように設定される(S498)。処理は第二報知演出実行処理へ戻る。
【0178】
図24に示すように、第二報知演出実行処理へ戻ると、第一の保留、すなわち最も古い第一保留球情報が、RAM582から消去される(S432)。そして、演出制御基板43に対して、第二報知演出の実行開始が指示される(S433)。CPU581は、S381で取得した第二変動パターンに応じた第二報知演出を、設定された演出内容によって実行することを指示するコマンドである第二指示コマンドを生成し、生成した第二指示コマンドを演出制御基板43に送信する。第二指示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、第二指示コマンドに対応する第二報知演出の映像データをCGROM(図示略)から読み出し、表示画面28に表示する。その後、第二識別図柄の変動表示が開始される(S388,S389)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0179】
図22に示すように、主基板41から第二変動停止コマンドを受信したかが判断される(S353)。第二変動停止コマンドを受信していない場合(S353:NO)、サブ制御基板処理が終了する。第二変動停止コマンドを受信した場合(S353:YES)、現時点の遊技状態が確変状態であるかが判断される(S355)。確変フラグが「ON」の場合には遊技状態が通常状態である(確変状態でない)と判断されて(S355:NO)、処理はS358へ移行する。確変フラグが「ON」である場合には遊技状態が確変状態であると判断されて(S355:YES)、第二識別図柄が、S319(図20参照)で決定された確定図柄で停止(確定表示)される(S356)。すなわち、第二報知演出の実行が終了する。処理はS358へ移行する。
【0180】
次いで、第二識別図柄が、S319(図20参照)で決定された確定図柄で停止(確定表示)されることで変動表示が終了され(S358)、サブ制御基板処理が終了する。
【0181】
以上説明したように、サブ制御基板58のCPU581は、小当りラッシュ中の報知演出において第二保留球情報を解析し、第二保留球情報が5秒または10秒の小当りの変動パターンに対応していると判断した場合に、撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等をする決定を行うことができる。よって、小当りラッシュ中、ずっとバトル演出が続くのではなく、先読み結果に応じて、適宜、撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等が行われることになるので、演出が単調にならならず、遊技に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0182】
バトル演出と撃破演出は、内容が連動する。故にサブ制御基板58のCPU581は、小当りラッシュにおける2回の小当り遊技に跨って、一つのシナリオに沿った演出を行うことができ、遊技に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0183】
ストック演出の実行が決定される第二保留球情報は、小当りに当選している。故に、報知された所定個数分の保留情報に係る報知演出が終了するまでは、確実に小当りラッシュが継続するので、遊技者を安心させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0184】
また、ストック演出は、バトル演出よりも優先して報知演出として決定される。故に、ストック演出が実行されている限り、確実に小当りラッシュが継続するので、遊技者を安心させ、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0185】
連続ゾーン演出の実行が決定される第二保留球情報は、小当りに当選している。しかしながら、連続ゾーン演出は、いつまで継続して実行されるかわからない。故に遊技者は、連続ゾーン演出が続く限りは確実に小当りラッシュが継続するので安心しつつも、いつ連続ゾーン演出の実行が終了して小当りラッシュの継続に対する保証がなくなるかと思うと不安を感じる場合もあり、遊技に対する興趣をより高めることができる。
【0186】
撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等の実行の決定に係る一連の処理は、第二保留球情報がサブ制御基板58のRAM582に記憶されるときに行うのではなく、第二報知演出による図柄の変動時に行われる。仮に、一連の処理を第二保留球情報の記憶時に行った結果、撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等の実行が決定された場合、次変動が開始される前で、決定対象の第二保留球情報よりも後に記憶される第二保留球情報に基づく情報が含まれていない状態で、次変動において撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等が実行されることになる。故に、図柄の変動時に、そのときの第二保留球情報に対して一連の処理を行うことで、次変動での撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等の実行が決定された場合には、より多くの第二保留球情報に基づく情報を含んだ状態の撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出等を実行することができる。
【0187】
上記実施形態において、第一始動口12、第二始動口13が、本発明の「通過領域」として機能する。S76,S146の処理を行うCPU51が、本発明の「取得手段」として機能する。S105,S175の処理を行うCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。S112,S182の処理を行うCPU51が、本発明の「変動パターン決定手段」として機能する。S322,S352の処理を行うCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。第一大入賞口16,第二大入賞口17が、本発明の「入賞口」として機能する。S226の処理を行うCPU51が、本発明の「大当り遊技実行手段」として機能する。S232の処理を行うCPU51が、本発明の「小当り遊技実行手段」として機能する。確変非時短状態が、本発明の「特定遊技状態」に相当する。S268の処理を行うCPU51が、本発明の「遊技状態設定手段」として機能する。S313の処理を行うCPU581が、本発明の「保留記憶手段」として機能する。S386の処理を行うCPU581が、本発明の「解析手段」として機能する。5秒および10秒の小当りの変動パターンが、本発明の「特定変動パターン」に相当する。S401,S481の処理を行うCPU581が、本発明の「判断手段」として機能する。撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出が、本発明の「特別演出」に相当する。S411,S422,S481の処理を行うCPU581が、本発明の「決定手段」として機能する。S433の処理を行うCPU581が、本発明の「特別演出実行手段」として機能する。
【0188】
10秒の小当りの変動パターンが、本発明の「第一特定変動パターン」に相当する。バトル演出が、本発明の「第一報知演出」に相当する。撃破演出が、本発明の「第一特別演出」に相当する。5秒および10秒の小当りの変動パターンが、本発明の請求項3における「第二特定変動パターン」に相当する。ストック演出が、本発明の請求項3における「第二特別演出」に相当する。5秒の小当りの変動パターンが、本発明の請求項5における「第二特定変動パターン」に相当する。継続ゾーン演出が、本発明の請求項5における「第二特別演出」に相当する。
【0189】
本発明は、以上詳述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、パチンコ機1が時短状態を備えてもよい。この場合、パチンコ機1が非確変状態と時短状態との組合せによる非確変時短状態、確変状態と時短状態との組合せによる確変時短状態、確変状態と非時短状態との組合せによる確変非時短状態等、他の遊技状態を備えてもよい。また、大当り遊技の終了後に確変状態が設定される割合が100%未満であってもよい。リミッタ回数は、上記実施形態に限られず、任意の回数であってもよい。
【0190】
撃破演出、ストック演出、継続ゾーン演出の実行の条件は、本実施形態に例示する条件に限られず、適宜設定可能である。また、各演出の実行の可否の抽選を、図柄変動ゲームの開始時に行ったが、例えば、小当り遊技が行われているときに抽選してもよいし、小当り遊技の終了から次の図柄変動ゲームの開始までの待ち時間に抽選してもよい。第二変動パターンについても、図9に示した例に限られず、より短い変動時間のものや、より長い変動時間のものが含まれてもよい。ストック演出では、抽選時の保留の数がストック数となったが、新たに取得する第二保留球情報に対応する変動パターンが所定の条件を満たす場合にストック数を増やしてもよい。継続ゾーン演出では、5秒および10秒の小当りの変動パターンが続く限り継続したが、さらに転落抽選を追加で行ってもよいし、あるいは転落抽選のみで継続ゾーン演出を終了させてもよい。
【0191】
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「図柄変動制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0192】
1 パチンコ機
12 第一始動口
13 第二始動口
16 第一大入賞口
17 第二大入賞口
51,581 CPU
図1
図2
図3
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