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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142979
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】光学系、レンズ装置、撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/12 20060101AFI20220926BHJP
   G02B 13/02 20060101ALI20220926BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20220926BHJP
【FI】
G02B15/12
G02B13/02
G03B5/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043282
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】中原 誠
【テーマコード(参考)】
2H087
2K005
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA02
2H087LA30
2H087MA07
2H087MA09
2H087NA07
2H087PA04
2H087PA14
2H087PA15
2H087PA16
2H087PA20
2H087PB08
2H087PB17
2H087PB18
2H087PB20
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA44
2H087SA88
2K005CA23
(57)【要約】
【課題】 主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることである。
【解決手段】 光学系L0は、開口絞りSPを有する主光学系LMと、主光学系LMの開口絞りSPと像面IPとの間に挿脱される変倍光学系EXTを有する。変倍光学系EXTの挿脱の前後で主光学系LMの最も物体側のレンズ面から像面IPまでの距離は一定である。主光学系LMは複数の正レンズと複数の負レンズを有する。主光学系LMの最も物体側のレンズ面から主光学系LMに含まれる複数の負レンズのうち最も物体側に位置する負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離と、主光学系LMの全長は所定の関係を満足する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口絞りを有する主光学系と、前記開口絞りと像面との間に挿脱される変倍光学系を有し、
前記変倍光学系の挿脱の前後で前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離は一定であり、
前記主光学系は複数の正レンズと複数の負レンズを有し、
前記主光学系の最も物体側のレンズ面から前記複数の負レンズのうち最も物体側に位置する負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離をD1N、前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLDとするとき、
0.20<D1N/LD<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
0.40<LD/f<1.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記変倍光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLe、前記開口絞りから像面までの距離をLpとするとき、
0.40<Le/Lp<0.97
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記変倍光学系の焦点距離をfe、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
-0.80<fe/f<-0.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記主光学系の前記変倍光学系が挿入される位置よりも物体側に配置された部分光学系の焦点距離をfa、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<fa/f<9.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記主光学系の前記変倍光学系が挿入される位置よりも像側に配置された部分光学系の焦点距離をfb、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
0.20<fb/f<0.90
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記主光学系の前記変倍光学系が挿入される位置よりも物体側に配置された部分光学系の焦点距離をfa、前記変倍光学系の焦点距離をfeとするとき、
-18<fa/fe<-2.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記主光学系の前記変倍光学系が挿入される位置よりも像側に配置された部分光学系の焦点距離をfb、前記変倍光学系の焦点距離をfeとするとき、
-3.5<fb/fe<-0.30
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記負レンズG1Nの屈折率をndG1Nとするとき、
1.58<ndG1N<1.89
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記負レンズG1Nのアッベ数をνdG1Nとするとき、
22<νdG1N<55
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記負レンズG1NのシェープファクタをSFG1Nとするとき、
-1.3<SFG1N<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの屈折率をndG1Pとするとき、
1.41<ndG1P<1.69
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pのアッベ数をνdG1Pとするとき、
55<νdG1P<95
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項14】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの屈折率をndG2Pとするとき、
1.40<ndG2P<1.67
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項15】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pのアッベ数をνdG2Pとするとき、
55<νdG2P<99
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項16】
前記負レンズG1Nの焦点距離をfG1N、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
-0.95<fG1N/f<-0.08
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項17】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50<fG1P/f<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項18】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記負レンズG1Nの焦点距離をfG1Nとするとき、
-9.9<fG1P/fG1N<-1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項19】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの焦点距離をfG2Pとするとき、
0.90<fG1P/fG2P<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項20】
前記変倍光学系に2つ以上の負レンズと1つ以上の正レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項21】
前記変倍光学系は、前記主光学系に含まれる2つのレンズの間に挿抜されることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項22】
前記変倍光学系の挿抜に応じて、前記主光学系に含まれるフォーカシングに際して移動するレンズ群は移動することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項23】
前記主光学系は、前記開口絞りより像側に配置された、光軸に対して垂直方向に移動する像振れ補正レンズ群を有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項24】
前記変倍光学系は最も物体側に配置された正の単レンズを有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項25】
前記変倍光学系は少なくとも1つの接合レンズを有することを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項26】
前記変倍光学系は正レンズと該正レンズの像側に配置された負レンズとを接合した接合レンズを有することを特徴とする請求項25に記載の光学系。
【請求項27】
前記変倍光学系は負レンズと該負レンズの像側に配置された正レンズと該正レンズの像側に配置された負レンズとを接合した接合レンズを有することを特徴とする請求項25または26に記載の光学系。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系を保持するレンズ鏡筒とを有することを特徴とするレンズ装置。
【請求項29】
請求項1乃至27のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系等に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置に用いられる光学系の焦点距離を変化させる方式として、光路中に変倍光学系(エクステンダ)を挿入することにより、全系の焦点距離を変化させるコンバータ方式が知られている。
【0003】
特許文献1には、主光学系の開口絞りより像側の所定の位置に挿抜可能な変倍光学系を有する光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-238827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変倍光学系を内蔵する方式を採る場合、変倍光学系を含む全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得るためには、変倍光学系の挿入位置を適切に選択することのみならず、主光学系を適切に構成することも重要である。特許文献1に開示された発明では、軽量化と光学性能の両立の観点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学系は、開口絞りを有する主光学系と、前記開口絞りと像面との間に挿脱される変倍光学系を有し、前記変倍光学系の挿脱の前後で前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離は一定であり、前記主光学系は複数の正レンズと複数の負レンズを有し、
前記主光学系の最も物体側のレンズ面から前記複数の負レンズのうち最も物体側に位置する負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離をD1N、前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLDとするとき、
0.20<D1N/LD<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の主光学系の断面図である。
図2】実施例1の主光学系の収差図である。
図3】変倍光学系が挿入された状態での実施例1の光学系の断面図である。
図4】変倍光学系が挿入された状態での実施例1の光学系の収差図である。
図5】実施例2の主光学系の断面図である。
図6】実施例2の主光学系の収差図である。
図7】変倍光学系が挿入された状態での実施例2の光学系の断面図である。
図8】変倍光学系が挿入された状態での実施例2の光学系の収差図である。
図9】実施例3の主光学系の断面図である。
図10】実施例3の主光学系の収差図である。
図11】変倍光学系が挿入された状態での実施例3の光学系の断面図である。
図12】変倍光学系が挿入された状態での実施例3の光学系の収差図である。
図13】レンズ装置を示す概略図である。
図14】撮像装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の光学系及びそれを有するレンズ装置や撮像装置の実施例について、添付の図面に基づいて説明する。
【0011】
図1、3、5、7、9、11は、それぞれ無限遠合焦時の実施例1から3の光学系L0の断面図である。各実施例の光学系L0は主光学系LMと変倍光学系EXTを有する。図1,5,9は各実施例の光学系L0の主光学系LMの断面図を示している。また、図3,7,11は各実施例の光学系L0において、主光学系LMの光路に変倍光学系EXTが挿入された状態の断面図を示している。各実施例の光学系L0は例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いることができる。
【0012】
各断面図において、左側が物体側で、右側が像側である。SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例の光学系L0をデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ用の撮像光学系として用いる際には該像面IPにCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系L0を銀塩フィルム用カメラ用の撮像光学系として用いる際には像面IPにはフィルムの感光面が配置される。
【0013】
主光学系LMは単独でも撮影に用いることができる光学系であり、複数の正レンズと複数の負レンズを有する。変倍光学系EXTは主光学系LMの光路に対して挿脱可能に構成される。各実施例において変倍光学系EXTは負の屈折力を有し、変換倍率(焦点距離の拡大率)Mは1.4である。すなわち、変倍光学系EXTが主光学系LMの光路に挿入されることで、光学系L0の全系焦点距離が伸長される。各実施例において、変倍光学系EXTは開口絞りSPと像面IPとの間に挿脱される。また、各実施例において変倍光学系EXTの挿脱の前後においてレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面IPまでの距離)は一定である。
【0014】
各実施例の光学系L0では、フォーカシングに際して少なくとも1つのレンズ群が移動する。LF1、LF2、LFはフォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群である。各フォーカスレンズ群の無限遠から近距離へのフォーカシングに際しての移動方向は、各断面図に矢印で示している。各実施例の光学系L0において、フォーカシングに際して移動するレンズ群を1つだけとしても良いし、2以上としても良い。
【0015】
図2図4図6図8図10および図12はそれぞれ、各実施例の光学系の無限遠合焦状態での縦収差図である。このうち、図2,6,10は各実施例の光学系L0の主光学系LMの収差図を示している。また、図4,8,12は各実施例の光学系L0において、主光学系LMの光路に変倍光学系EXTが挿入された状態の収差図を示している。
【0016】
球面収差図においてFNoはFナンバーである。球面収差図では、d線(波長587.6nm)とg線(波長435.8nm)に対する球面収差量をそれぞれ実線と二点鎖線で示している。非点収差図においてΔSはサジタル像面における非点収差量(実線)、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量(破線)を示している。歪曲収差図では、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。なお、ωは半画角(°)である。
【0017】
次に各実施例の光学系L0の特徴的な構成および条件について説明する。
【0018】
主光学系LMが望遠レンズである場合、物体側のレンズほど有効径が大きくなり、レンズ外径も大きくなる。このため、変倍光学系EXTを主光学系LMの比較的物体側の位置に挿入する場合、変倍光学系EXTの小型化が困難となる。さらに、変倍光学系EXTの挿入前後で光学系L0の球面収差やコマ収差の変動が大きくなってしまう場合がある。
【0019】
このため、各実施例の光学系はL0では、変倍が口径EXTを開口絞りSPと像面IPとの間に配置するようにしている。これにより、変倍光学系EXTに入射する光束径を小さくすることができ、結果として変倍光学系EXTの小型化を図っている。さらに、変倍光学系EXTの挿入前後で球面収差やコマ収差の変動を小さくしている。
【0020】
ここで、主光学系の光路中に変倍光学系を挿抜可能とする構成を採る場合、変倍光学系を挿抜するための機構をレンズ装置に設ける必要があるため、レンズ装置全体が高重量化し易い。このため、主光学系を含んだ光学系全体の軽量化が重要となる。
【0021】
光学系の軽量化には、光学系を構成する各レンズの重量を軽量化する必要がある。各レンズを軽量化するには、各レンズの有効径を小径化する必要がある。また、同等の屈折力を持つ正レンズと負レンズを比較すると、負レンズの方が高重量となり易い。
【0022】
このため各実施例の光学系L0では、主光学系LMが有する負レンズのうち最も物体側に配置される負レンズG1Nを適切に像側へ下げて配置するようにしている。これにより、負レンズG1Nの物体側に配置された1以上の正レンズによって十分に収斂された光線を負レンズG1Nに入射させることができるようになり、負レンズG1Nを有効に小径化させることが可能となる。結果として、光学系L0を軽量に構成することが可能となる。
【0023】
具体的には、各実施例の光学系L0は以下の条件式を満足するように構成されている。
0.20<D1N/LD<0.50 (1)
【0024】
ここで、D1Nは光学系L0の最も物体側のレンズ面から負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離である。LDは光学系L0の最も物体側のレンズ面から像面IPまでの距離(レンズ全長)である。
【0025】
条件式(1)は光学系L0を軽量化しつつ、良好な光学性能とするための条件である。D1N/LDの値が条件式(1)の下限値を下回ると、負レンズG1Nが物体側に近づきすぎて、負レンズG1Nの有効径が大きくなりすぎてしまう。このため、負レンズG1Nの質量が増大してしまう。D1N/LDの値が条件式(1)の上限値を上回ると、負レンズG1Nが像側に近づきすぎて、負レンズG1Nに入射する軸上光線の入射高さが低くなりすぎる。この結果、負レンズG1Nによって光学系L0の球面収差を補正することが困難となる。
【0026】
以上の構成により、主光学系に挿抜される変倍光学系を有する光学系において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることが可能となる。
【0027】
なお、条件式(1)の数値範囲の上限値と下限値の少なくとも一方を、以下の条件式(1a)のようにすることがより好ましく、条件式(1b)のようにすることがさらに好ましい。
0.23<D1N/LD<0.47 (1a)
0.25<D1N/LD<0.45 (1b)
【0028】
次に各実施例の光学系L0が満足することが好ましい条件について述べる。各実施例の光学系L0は以下の条件式のうち1つ以上を満足することが好ましい。
0.40<LD/f<1.20 (2)
0.40<Le/Lp<0.97 (3)
-0.80<fe/f<-0.20 (4)
1.0<fa/f<9.0 (5)
0.20<fb/f<0.90 (6)
-18<fa/fe<-2.0 (7)
-3.5<fb/fe<-0.30 (8)
1.58<ndG1N<1.89 (9)
22<νdG1N<55 (10)
-1.3<SFG1N<0.50 (11)
1.41<ndG1P<1.69 (12)
55<νdG1P<95 (13)
1.40<ndG2P<1.67 (14)
55<νdG2P<99 (15)
-0.95<fG1N/f<-0.08 (16)
0.50<fG1P/f<3.0 (17)
-9.9<fG1P/fG1N<-1.5 (18)
0.90<fG1P/fG2P<3.0 (19)
【0029】
条件式(2)はレンズ全長LDと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。すなわちfは主光学系LMの焦点距離である。LD/fの値が条件式(2)の下限値を下回ると、レンズ全長が短くなり、軸上色収差と倍率色収差をバランス良く補正することが困難となる。LD/fの値が条件式(2)の上限値を上回ると、収差補正は容易となるが、光学系L0および光学系L0を保持する鏡筒が大型化してしまう。
【0030】
条件式(3)は変倍光学系EXTの最も物体側のレンズ面から像面IPまでの距離Leと、開口絞りSPから像面IPまでの距離Lpに関する条件を規定している。Le/Lpの値が条件式(3)の下限値を下回ると、変倍光学系EXTの挿脱位置が像面IPと近くなりすぎ、変倍光学系EXTを通過する軸外光線の入射高さが高くなってしまう。その結果、変倍光学系EXTの十分な小型化が困難となる。Le/Lpの値が条件式(3)の上限値を上回ると、変倍光学系EXTの挿脱位置が開口絞りSPと近くなりすぎ、変倍光学系EXTを通過する軸上光線の入射高さが高くなってしまう。この場合も、変倍光学系EXTの十分な小型化が困難となる。
【0031】
条件式(4)は変倍光学系EXTの焦点距離feと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。fe/fの値が条件式(4)の下限値を下回るほどに変倍光学系EXTの焦点距離feが長くなると、倍率変化が小さくなってしまい好ましくない。fe/fの値が条件式(4)の上限値を上回るほどに変倍光学系EXTの焦点距離feが短くなると、変倍光学系EXT挿脱前後の球面収差等の諸収差の変動を十分に抑制することが困難となる。
【0032】
条件式(5)は、主光学系LMの変倍光学系EXTが挿入される位置よりも物体側に配置された部分光学系の合成焦点距離faと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。fa/fの値が条件式(5)の下限値を下回る場合、変倍光学系EXTに入射する光線を十分に収斂させることができる点で変倍光学系EXTの小型化に有利ではあるが、変倍光学系EXTの挿入位置に対する像面位置の敏感度が高くなりすぎる。この結果、製造が困難となるため、好ましくない。fa/fの値が条件式(5)の上限値を上回ると、変倍光学系EXTに入射する光線がアフォーカルに近づき、変倍光学系EXTを通過する軸上光線の入射高さが高くなってしまう。この結果、変倍光学系EXTの十分な小型化が困難となる。
【0033】
条件式(6)は主光学系LMの変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側に配置された部分光学系の合成焦点距離fbと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。fb/fの値が条件式(6)の下限値を下回ると、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側の焦点距離が短くなりすぎ、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側のレンズ群で発生する像面湾曲等の諸収差の十分な補正が困難となる。fb/fの値が条件式(6)の上限値を上回ると、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側の焦点距離が長くなりすぎ、変倍光学系EXTから像面IPまでの距離が長くなってしまう。この結果、光学系L0の十分な小型化が困難となる。
【0034】
条件式(7)は主光学系LMの変倍光学系EXTが挿入される位置よりも物体側の焦点距離faと変倍光学系EXTの焦点距離feに関する条件を規定している。fa/feの値が条件式(7)の下限値を下回ると、変倍光学系EXTに入射する光線がアフォーカルに近づき、変倍光学系EXTを通過する軸上光線の入射高さが高くなってしまう。この結果、変倍光学系EXTの十分な小型化が困難となる。fa/feの値が条件式(7)の上限値を上回ると、変倍光学系EXTに入射する光線を十分に収斂させることができる点で変倍光学系EXTの小型化に有利ではあるが、変倍光学系EXTの挿入位置に対する像面位置の敏感度が高くなりすぎる。この結果、製造が困難となるため、好ましくない。
【0035】
条件式(8)は主光学系LMの変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側の焦点距離fbと変倍光学系EXTの焦点距離feに関する条件を規定している。fb/feの値が条件式(8)の下限値を下回ると、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側の焦点距離が長くなり、変倍光学系EXTから像面IPまでの距離が長くなってしまう。この結果、光学系L0の十分な小型化が困難となる。fb/feの値が条件式(8)の上限値を上回ると、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側の焦点距離が短くなり、変倍光学系EXTが挿入される位置よりも像側のレンズ群で発生する像面湾曲等の諸収差の十分な補正が困難となる。
【0036】
条件式(9)は負レンズG1Nの屈折率ndG1Nに関する条件を規定している。一般的にレンズの材料の屈折率が高くなると、レンズ材料の比重が大きくなる。ndG1Nの値が条件式(9)の下限値を下回ると、負レンズG1Nに所望の屈折力を与えるために付与すべきレンズ面の曲率半径が小さくなりすぎ、球面収差等の諸収差が発生しやすくなる。ndG1Nの値が条件式(9)の上限値を上回ると、負レンズG1Nの比重が大きくなり、十分な軽量化が困難となる。
【0037】
条件式(10)は負レンズG1Nのアッベ数νdG1Nに関する条件を規定している。ここで、ある材料のアッベ数νdはフラウンホーファー線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、次式で表される。
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
【0038】
νdG1Nの値が条件式(10)の下限値を下回る場合、負レンズG1Nとして分散の大きな硝材を使用することになる。この場合、波長ごとの球面収差のばらつきが大きくなり易くなってしまう。また、一般的にレンズの材料のアッベ数が大きくなると、レンズ材料の屈折率が低くなる。νdG1Nの値が条件式(10)の上限値を上回ると、色収差補正のために十分な屈折力を得ようとしたとき、負レンズG1Nの曲率半径が小さくなりすぎてしまう。この結果、コマ収差の十分な補正が難しくなってしまう。
【0039】
条件式(11)は最も物体側に位置する負レンズG1Nのシェープファクタ(形状因子)SFG1Nに関する条件を規定している。ここで、あるレンズのシェープファクタはそのレンズの物体側面の曲率半径をR1、像側面の曲率半径をR2としたとき、次式で定義される。非球面形状の場合は、そのベースR(基準となる2次曲面の半径)を曲率半径として用いる。
SF=(R2+R1)/(R2-R1)
【0040】
SFG1Nの値が条件式(11)の下限値を下回ると、負レンズG1Nの物体側の曲率半径が大きくなり、軸上色収差の抑制とコマ収差の補正の十分な両立が困難となる。SFG1Nの値が条件式(11)の上限値を上回ると、負レンズG1Nの物体側の曲率半径が小さくなり、コマ収差の十分な補正が難しくなる。
【0041】
条件式(12)は光学系L0の最も物体側に位置する正レンズG1Pの屈折率ndG1Pに関する条件を規定している。条件式(12)の下限値を下回ると、レンズの屈折力を得るために面の曲率半径が小さくなり、球面収差等の諸収差が発生するため、好ましくない。条件式(12)の上限値を上回ると、正レンズG1Pの比重が大きくなり、軽量化が困難となるため、好ましくない。
【0042】
条件式(13)は光学系L0の最も物体側に位置する正レンズG1Pのアッベ数νdG1Pに関する条件を規定している。νdG1Pの値が条件式(13)の下限値を下回ると、軸上色収差と倍率色収差の十分な抑制が困難となる。νdG1Pの値が条件式(13)の上限値を上回ると、正レンズG1Pの屈折率が低くなり、球面収差やコマ収差の十分な抑制が困難となる。
【0043】
条件式(14)は正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの屈折率ndG2Pに関する条件を規定している。ndG2Pの値が条件式(14)の下限値を下回ると、正レンズG2Pとして必要な屈折力を得るために付与するべき曲率半径が小さくなり、球面収差等の諸収差が発生し易くなる。ndG2Pの値が条件式(14)の上限値を上回ると、正レンズG2Pの比重が大きくなり、十分な軽量化が困難となる。
【0044】
条件式(15)は正レンズG2Pのアッベ数νdG2Pに関する条件を規定している。νdG2Pの値が条件式(15)の下限値を下回ると、軸上色収差と倍率色収差の十分な抑制が困難となる。νdG2Pの値が条件式(15)の上限値を上回ると、正レンズG2Pの屈折率が低くなりすぎ、球面収差やコマ収差の十分な抑制が困難となる。
【0045】
条件式(16)は負レンズG1Nの焦点距離fG1Nと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。fG1N/fの値が条件式(16)の下限値を下回ると、負レンズG1Nのパワーが弱くなりすぎ、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することが困難となる。fG1N/fの値が条件式(16)の上限値を上回ると、負レンズG1Nのパワーが強くなりすぎ、球面収差等の諸収差を十分に抑制することが困難となる。
【0046】
条件式(17)は最も物体側に位置する正レンズG1Pの焦点距離fG1Pと変倍光学系EXTが挿入されていないときの光学系全系の焦点距離fに関する条件を規定している。fG1P/fの値が条件式(17)の下限値を下回ると、正レンズG1Pのパワーが強くなりすぎ、球面収差等の諸収差を十分に抑制することが困難となる。fG1P/fの値が条件式(17)の上限値を上回ると、正レンズG1Pのパワーが弱くなりすぎ、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することが困難となる。
【0047】
条件式(18)は最も物体側に位置する正レンズG1Pの焦点距離fG1Pと負レンズG1Nの焦点距離fG1Nに関する条件を規定している。fG1P/fG1Nの値が条件式(18)の下限値を下回ると、正レンズG1Pのパワーが弱くなりすぎ、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することが困難となる。fG1P/fG1Nの値が条件式(18)の上限値を上回ると、正レンズG1Pのパワーが強くなりすぎ、球面収差等の諸収差を十分に抑制することが困難となる。また、正レンズG1Pのパワーが強くなると正レンズG1Pの曲率半径が小さくなる結果、正レンズG1Pの体積が大きくなってしまい、十分な軽量化が困難となる。
【0048】
条件式(19)は最も物体側に位置する正レンズG1Pの焦点距離fG1Pと正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの焦点距離fG2Pに関する条件を規定している。fG1P/fG2Pの値が条件式(19)の下限値を下回ると、正レンズG1Pのパワーが強くなりすぎ、球面収差等の諸収差を十分に抑制することが困難となる。また、正レンズG1Pのパワーが強くなると正レンズG1Pの曲率半径が小さくなる結果、正レンズG1Pの体積が大きくなってしまい、十分な軽量化が困難となる。fG1P/fG2Pの値が条件式(19)の上限値を上回ると、正レンズG1Pのパワーが弱くなりすぎ、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することが困難となる。
【0049】
なお、より好ましくは条件式(2)~(19)の上限値または下限値の少なくとも一方を以下の条件式(2a)から(19a)に規定される値とすると良い。
0.50<LD/f<1.15 (2a)
0.45<Le/Lp<0.95 (3a)
-0.75<fe/f<-0.25 (4a)
1.1<fa/f<8.0 (5a)
0.22<fb/f<0.85 (6a)
-16<fa/fe<-2.2 (7a)
-3.3<fb/fe<-0.35 (8a)
1.59<ndG1N<1.87 (9a)
23<νdG1N<53 (10a)
-1.2<SFG1N<0.40 (11a)
1.42<ndG1P<1.67 (12a)
58<νdG1P<85 (13a)
1.41<ndG2P<1.65 (14a)
58<νdG2P<97 (15a)
-0.95<fG1N/f<-0.08 (16a)
0.55<fG1P/f<2.8 (17a)
-9.5<fG1P/fG1N<-1.7 (18a)
0.95<fG1P/fG2P<2.8 (19a)
【0050】
また、さらに好ましくは条件式(2)~(19)の上限値または下限値の少なくとも一方を以下の条件式(2b)から(19b)に規定される値とすると良い。
0.60<LD/f<1.10 (2b)
0.50<Le/Lp<0.90 (3b)
-0.70<fe/f<-0.30 (4b)
1.2<fa/f<7.0 (5b)
0.25<fb/f<0.80 (6b)
-14<fa/fe<-2.5 (7b)
-3.0<fb/fe<-0.40 (8b)
1.60<ndG1N<1.86 (9b)
24<νdG1N<50 (10b)
-1.1<SFG1N<0.30 (11b)
1.43<ndG1P<1.65 (12b)
60<νdG1P<82 (13b)
1.42<ndG2P<1.63 (14b)
60<νdG2P<96 (15b)
-0.90<fG1N/f<-0.10 (16b)
0.60<fG1P/f<2.5 (17b)
-9.0<fG1P/fG1N<-2.0 (18b)
1.0<fG1P/fG2P<2.5 (19b)
【0051】
次に、各実施例の光学系L0において満足することが好ましい構成について述べる。
【0052】
また、変倍光学系EXTは2つ以上の負レンズと1つ以上の正レンズを含む構成とすることが好ましい。これにより、ペッツバール和が過剰に負の値となることを抑制でき、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
【0053】
また、各実施例の光学系L0において、主光学系LMの一部のレンズを光軸に対して垂直方向に駆動させる像振れ補正レンズ群としても良い。この際、開口絞りSPより像側のレンズは有効径が小さくなりやすいため、開口絞りSPより像側の位置に像振れ補正レンズ群を配置すると良い。これにより、像振れ補正レンズ群を保持する保持機構および駆動する駆動機構を簡略化でき、光学系L0を含むレンズ装置を軽量化できる。
【0054】
好ましくは、変倍光学系EXTは主光学系LMに含まれるレンズとレンズの間の位置に挿抜される。すなわち、変倍光学系EXTは主光学系LMの最も像側でない位置に挿抜される。これにより、変倍光学系EXTをより小径化することができる。
【0055】
また、変倍光学系EXTの挿抜に伴い、フォーカシングに際して移動するレンズ群を移動させても良い。変倍光学系EXTの挿抜に伴い合焦位置が変化し得るが、フォーカスレンズ群を適切に移動させることで変倍光学系EXTの挿抜に伴う合焦位置の変化を低減させることが可能となる。
【0056】
好ましくは、変倍光学系EXTは最も物体側に正の単レンズを有する。また、変倍光学系EXTは少なくとも1つの接合レンズを有する。少なくとも1つの接合レンズは、正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、負レンズと正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズの少なくとも1つであり得る。変倍光学系EXTはこれらの接合レンズを全て有していても良い。変倍光学系EXTに少なくとも1つの接合レンズを設けることで、色収差を低減しつつ製造容易性を向上させることができる。
【0057】
実施例1の光学系L0における変倍光学系EXTは、物体側から像側へ順に配置された、正レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、負レンズと正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズから成る。
【0058】
実施例2の光学系L0における変倍光学系EXTは、物体側から像側へ順に配置された、正レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、負レンズと正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズから成る。
【0059】
実施例3の光学系L0における変倍光学系EXTは、物体側から像側へ順に配置された、正レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、負レンズと正レンズと負レンズを接合した接合レンズ、正レンズと負レンズを接合した接合レンズから成る。
【0060】
次に、実施例1から3にそれぞれ対応する数値実施例1から3を示す。
【0061】
各数値実施例において、光学系の各面には物体側からの面番号i(iは自然数)を付している。rは各面の曲率半径(mm)、dは面番号iの面と面番号(i+1)の面との間の光軸上のレンズ厚又は距離(空気間隔)(mm)、ndは各面を有する光学部材の材料のd線に対する屈折率である。νdは各面を有する光学部材の材料のd線に対するアッベ数である。
【0062】
焦点距離(mm)、Fナンバーおよび半画角(°)は光学系が無限遠物体に合焦した状態での値である。レンズ全長は、光学系の最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面(最も像側のレンズ面)までの光軸上の距離にバックフォーカスSKを加えた長さである。バックフォーカスSKは、光学系の最終面から像面IPまでの距離である。
【0063】
数値例1~3における前述した条件式(1)~(19)に対応する値を表1にまとめて示す。
【0064】
各数値実施例において、光学系の各面には物体側からの面番号i(iは自然数)を付している。rは各面の曲率半径(mm)、dは面番号iの面と面番号(i+1)の面との間の光軸上のレンズ厚又は距離(空気間隔)(mm)、ndは各面を有する光学部材の材料のd線に対する屈折率である。νdは各面を有する光学部材の材料のd線に対するアッベ数である。
【0065】
焦点距離(mm)、Fナンバーおよび半画角(°)は光学系が無限遠物体に合焦した状態での値である。レンズ全長は、光学系の最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面(最も像側のレンズ面)までの光軸上の距離にバックフォーカスSKを加えた長さである。バックフォーカスSKは、光学系の最終面から像面IPまでの空気換算距離である。
【0066】
[数値実施例1]
<変倍光学系未挿入状態の光学系(主光学系)>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 443.570 8.20 1.48749 70.2
2 -1502.142 0.10
3 227.620 12.00 1.43387 95.1
4 1755.996 97.18
5 173.310 11.00 1.43387 95.1
6 -251.525 0.11
7 -260.995 2.90 1.67300 38.3
8 261.833 59.16
9 79.404 6.60 1.92286 20.9
10 737.207 0.14
11 585.117 1.70 2.00069 25.5
12 52.050 8.90 1.49700 81.5
13 325.993 (可変)
14 73.892 6.20 1.49700 81.5
15 -10892.169 (可変)
16 742.447 1.80 1.75500 52.3
17 63.613 (可変)
18(絞り) ∞ 7.09
19 250.640 1.80 1.51742 52.4
20 51.522 3.81
21 -330.459 4.07 1.75211 25.0
22 -59.091 1.80 1.49700 81.5
23 55.745 4.60
24 87.576 3.80 1.49700 81.5
25 -198.126 40.26
26 528.989 5.50 1.51742 52.4
27 -57.284 5.00
28 ∞ 1.50 1.51633 64.1
29 ∞ 5.42
30 -351.519 1.50 1.49700 81.5
31 43.426 8.80 1.72916 54.7
32 -141.620 5.35
33 -97.918 1.50 1.96300 24.1
34 212.566 53.83
像面 ∞

各種データ

焦点距離 389.00
Fナンバー 2.91
半画角(°) 3.18
像高 21.64
レンズ全長 406.00
BF 53.83

d13 12.82
d15 2.00
d17 19.58
【0067】
<変倍光学系挿入状態での光学系>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 443.570 8.20 1.48749 70.2
2 -1502.142 0.10
3 227.620 12.00 1.43387 95.1
4 1755.996 97.18
5 173.310 11.00 1.43387 95.1
6 -251.525 0.11
7 -260.995 2.90 1.67300 38.3
8 261.833 59.16
9 79.404 6.60 1.92286 20.9
10 737.207 0.14
11 585.117 1.70 2.00069 25.5
12 52.050 8.90 1.49700 81.5
13 325.993 (可変)
14 73.892 6.20 1.49700 81.5
15 -10892.169 (可変)
16 742.447 1.80 1.75500 52.3
17 63.613 (可変)
18(絞り) ∞ 7.09
19 250.640 1.80 1.51742 52.4
20 51.522 3.81
21 -330.459 4.07 1.75211 25.0
22 -59.091 1.80 1.49700 81.5
23 55.745 4.60
24 87.576 3.80 1.49700 81.5
25 -198.126 2.00
26 30.159 5.00 1.49700 81.5
27 -605.295 0.30
28 120.765 1.82 1.59282 68.6
29 206.372 1.15 1.83400 37.2
30 34.364 9.75
31 -446.680 0.95 1.83481 42.7
32 23.747 8.90 1.71736 29.5
33 -28.370 0.95 1.75500 52.3
34 82.953 1.03
35 63.608 5.36 1.85451 25.2
36 -40.564 1.05 1.95906 17.5
37 1592.914 2.00
38 528.989 5.50 1.51742 52.4
39 -57.284 5.00
40 ∞ 1.50 1.51633 64.1
41 ∞ 5.42
42 -351.519 1.50 1.49700 81.5
43 43.426 8.80 1.72916 54.7
44 -141.620 5.35
45 -97.918 1.50 1.96300 24.1
46 212.566 53.83
像面 ∞

各種データ

焦点距離 544.00
Fナンバー 4.19
画角(°) 2.28
像高 21.64
レンズ全長 406.01
BF 53.83

d13 11.54
d15 8.40
d17 14.46

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 290.40
2 14 147.70
3 16 -92.26
4 18 -169.51
5 26 -199.87
6 38 135.82
【0068】
[数値実施例2]
<変倍光学系未挿入状態での光学系(主光学系)>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 471.114 6.00 1.48749 70.2
2 1760.840 0.10
3 322.972 8.00 1.49700 81.5
4 1400.852 0.10
5 245.037 11.00 1.43387 95.1
6 989.532 89.45
7 174.097 11.00 1.43387 95.1
8 -331.734 0.11
9 -356.387 2.90 1.61340 44.3
10 134.086 71.24
11 130.092 5.40 1.86966 20.0
12 317.855 0.14
13 214.727 1.70 2.00069 25.5
14 79.631 8.90 1.49700 81.5
15 631.283 (可変)
16 95.682 6.20 1.49700 81.5
17 -5591.123 (可変)
18 -1600.590 1.80 1.72916 54.7
19 96.670 (可変)
20(絞り) ∞ 7.09
21 111.583 1.80 1.75500 52.3
22 46.851 3.81
23 -213.812 4.06 1.77047 29.7
24 -49.407 1.80 1.49700 81.5
25 75.645 4.60
26 55.135 3.80 1.80810 22.8
27 108.917 40.26
28 58.249 5.50 1.51633 64.1
29 -95.700 5.00
30 ∞ 1.50 1.51633 64.1
31 ∞ 2.65
32 -2507.527 1.50 1.59522 67.7
33 29.558 8.80 1.51633 64.1
34 -57.500 1.51
35 -45.670 1.50 1.77830 23.9
36 996.155 81.91
像面 ∞

各種データ

焦点距離 582.00
Fナンバー 4.12
画角(°) 2.13
像高 21.64
レンズ全長 486.10
BF 81.91

d15 19.60
d17 2.00
d19 63.39
【0069】
<変倍光学系挿入状態での光学系>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 471.114 6.00 1.48749 70.2
2 1760.840 0.10
3 322.972 8.00 1.49700 81.5
4 1400.852 0.10
5 245.037 11.00 1.43387 95.1
6 989.532 89.45
7 174.097 11.00 1.43387 95.1
8 -331.734 0.11
9 -356.387 2.90 1.61340 44.3
10 134.086 71.24
11 130.092 5.40 1.86966 20.0
12 317.855 0.14
13 214.727 1.70 2.00069 25.5
14 79.631 8.90 1.49700 81.5
15 631.283 (可変)
16 95.682 6.20 1.49700 81.5
17 -5591.123 (可変)
18 -1600.590 1.80 1.72916 54.7
19 96.670 (可変)
20(絞り) ∞ 7.09
21 111.583 1.80 1.75500 52.3
22 46.851 3.81
23 -213.812 4.06 1.77047 29.7
24 -49.407 1.80 1.49700 81.5
25 75.645 4.60
26 55.135 3.80 1.80810 22.8
27 108.917 2.00
28 28.202 8.05 1.49700 81.5
29 -218.478 0.30
30 224.895 4.82 1.63930 44.9
31 -44.418 1.15 1.72916 54.7
32 28.436 7.01
33 -558.701 0.95 1.83481 42.7
34 23.736 6.71 1.63980 34.5
35 -37.643 0.95 1.59522 67.7
36 108.150 1.24
37 53.148 4.03 1.72825 28.5
38 -47.560 1.05 1.95906 17.5
39 -731.126 2.00
40 58.249 5.50 1.51633 64.1
41 -95.700 5.00
42 ∞ 1.50 1.51633 64.1
43 ∞ 2.65
44 -2507.527 1.50 1.59522 67.7
45 29.558 8.80 1.51633 64.1
46 -57.500 1.51
47 -45.670 1.50 1.77830 23.9
48 996.155 81.91
像面 ∞

各種データ

焦点距離 814.80
Fナンバー 5.88
画角(°) 1.52
像高 21.64
レンズ全長 486.10
BF 81.91

d15 17.65
d17 6.73
d19 60.60
【0070】
[数値実施例3]
<変倍光学系未挿入状態での光学系(主光学系)>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 141.008 11.19 1.59349 67.0
2 1282.754 97.18
3 77.593 8.14 1.49700 81.5
4 -987.708 0.67
5 -476.470 1.80 1.85451 25.2
6 70.845 0.15
7 55.636 8.74 1.43387 95.1
8 -4252.064 2.00
9 59.636 5.45 1.92286 20.9
10 209.603 1.04
11 461.866 1.70 1.75500 52.3
12 33.933 8.90 1.43875 94.7
13 323.847 3.31
14(絞り) ∞ (可変)
15 -985.903 1.30 1.59349 67.0
16 58.442 (可変)
17 1420.368 1.20 1.95906 17.5
18 93.617 3.81
19 -90.465 3.00 1.51633 64.1
20 -56.920 1.20 1.51742 52.4
21 1426.553 4.60
22 233.160 3.80 1.77830 23.9
23 -79.655 49.56
24 136.777 5.50 1.53172 48.8
25 -79.822 2.00
26 ∞ 1.50 1.51633 64.1
27 ∞ 4.85
28 -113.057 1.50 1.49700 81.5
29 43.851 6.20 1.75500 52.3
30 -1059.672 3.13
31 -137.877 1.50 1.77830 23.9
32 231.852 49.68
像面 ∞

各種データ

焦点距離 300.00
Fナンバー 2.91
画角(°) 4.12
像高 21.64
レンズ全長 320.00
BF 49.68

d14 2.00
d16 23.40
d23 49.56
【0071】
<倍率変換光学系挿入状態での光学系>
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 141.008 11.19 1.59349 67.0
2 1282.754 97.18
3 77.593 8.14 1.49700 81.5
4 -987.708 0.67
5 -476.470 1.80 1.85451 25.2
6 70.845 0.15
7 55.636 8.74 1.43387 95.1
8 -4252.064 2.00
9 59.636 5.45 1.92286 20.9
10 209.603 1.04
11 461.866 1.70 1.75500 52.3
12 33.933 8.90 1.43875 94.7
13 323.847 3.31
14(絞り) ∞ (可変)
15 -985.903 1.30 1.59349 67.0
16 58.442 (可変)
17 1420.368 1.20 1.95906 17.5
18 93.617 3.81
19 -90.465 3.00 1.51633 64.1
20 -56.920 1.20 1.51742 52.4
21 1426.553 4.60
22 233.160 3.80 1.77830 23.9
23 -79.655 2.00
24 35.477 5.01 1.49700 81.5
25 1767.349 0.30
26 100.332 2.14 1.51742 52.4
27 228.702 1.15 1.75500 52.3
28 43.892 22.29
29 -331.482 0.95 1.91082 35.3
30 25.138 7.45 1.66565 35.6
31 -24.346 0.95 1.72916 54.7
32 50.780 0.14
33 46.762 4.13 1.85478 24.8
34 -52.455 1.05 1.95906 17.5
35 -524.464 2.00
36 136.777 5.50 1.53172 48.8
37 -79.822 2.00
38 ∞ 1.50 1.51633 64.1
39 ∞ 4.85
40 -113.057 1.50 1.49700 81.5
41 43.851 6.20 1.75500 52.3
42 -1059.672 3.13
43 -137.877 1.50 1.77830 23.9
44 231.852 49.68
像面 ∞

各種データ

焦点距離 420.00
Fナンバー 4.12
画角(°) 2.95
像高 21.64
レンズ全長 320.00
BF 49.68

d14 6.00
d16 19.41
【0072】
以下の表に各実施例における種々の値を示す。
【0073】
【表1】
【0074】
[レンズ装置]
次に本発明の光学系を用いたレンズ装置100の実施例について図13を用いて説明する。レンズ装置100は、レンズ交換式カメラシステムにおける交換レンズである。
【0075】
レンズ装置100は、主光学系102と、変倍光学系103と、主光学系102および変倍光学系103を保持するレンズ鏡筒101と、カメラ本体と結合するためのマウント部105を有する。主光学系102と変倍光学系103は実施例1乃至3で説明した特徴を有し、少なくとも条件式(1)を満足する。
【0076】
本実施例のレンズ装置100に含まれる主光学系102および変倍光学系103は、上述した実施例1乃至3のいずれかと同様な特徴を有するため、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることが可能である。
【0077】
レンズ鏡筒101は、変倍光学系103を主光学系102の光路から退避させるための退避スペースを構成する退避部104を有する。なお、レンズ鏡筒101は不図示の複数のレンズ保持部材や、フォーカスレズの移動機構や、種々の操作ボタンや、操作リング等を含み得る。退避部104は周囲の部分よりも盛り上がって構成されていても良い。この場合、レンズ装置100を小型化に構成することができる。
【0078】
また、レンズ鏡筒101は変倍光学系103を主光学系102の光路に挿抜するための操作部106を有する。ユーザーは操作部106を操作することで変倍光学系103を主光学系102の光路に挿入したり、抜去したりすることができる。操作部106は例えばレバー状の部材によって構成される。操作部106は退避部104よりも光軸方向にマウント部105に近い位置に配置されることが好ましい。これにより、ユーザーによるレンズ装置100の操作性を向上させることができる。
【0079】
[撮像装置]
次に、本発明の光学系を用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について図14を用いて説明する。図14において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至3で説明したいずれかの光学系L0を含むレンズ装置である。レンズ11には、光学系L0の変倍光学系EXTを主光学系LMの光路から退避させるためのスペースや、変倍光学系EXTを主光学系LMに挿抜するための操作部材(レバーなど)が設けられる。
【0080】
12はカメラ本体に内蔵され、レンズ装置11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0081】
このように、本発明の光学系L0をデジタルスチルカメラなどの撮像装置に適用することにより、変倍光学系を挿抜可能な構成において、全系の軽量化を図りつつ良好な光学性能を得ることができる。
【0082】
以上、本発明に好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
L0 光学系
LM 主光学系
SP 開口絞り
EXT 変倍光学系
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口絞りを有する主光学系と、前記開口絞りと像面との間に挿脱される変倍光学系を有する光学系であって
前記変倍光学系は、前記主光学系に含まれる2つのレンズの間に挿脱され、
前記変倍光学系の挿脱の前後で前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離は一定であり、
前記主光学系は複数の正レンズと複数の負レンズを有し、
前記主光学系の最も物体側のレンズ面から前記複数の負レンズのうち最も物体側に位置する負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離をD1N、前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLDとするとき、
0.20<D1N/LD<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
0.40<LD/f<1.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記変倍光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLe、前記開口絞りから像面までの距離をLpとするとき、
0.40<Le/Lp<0.97
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記変倍光学系の焦点距離をfe、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
-0.80<fe/f<-0.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記主光学系の前記変倍光学系が挿入される位置よりも物体側に配置された部分光学系の焦点距離をfa、前記変倍光学系の焦点距離をfeとするとき、
-18<fa/fe<-2.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記負レンズG1Nの屈折率をndG1Nとするとき、
1.58<ndG1N<1.89
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記負レンズG1Nのアッベ数をνdG1Nとするとき、
22<νdG1N<55
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記負レンズG1NのシェープファクタをSFG1Nとするとき、
-1.3<SFG1N<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの屈折率をndG1Pとするとき、
1.41<ndG1P<1.69
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pのアッベ数をνdG1Pとするとき、
55<νdG1P<95
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの屈折率をndG2Pとするとき、
1.40<ndG2P<1.67
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pのアッベ数をνdG2Pとするとき、
55<νdG2P<99
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記負レンズG1Nの焦点距離をfG1N、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
-0.95<fG1N/f<-0.08
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項14】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記主光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50<fG1P/f<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項15】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記負レンズG1Nの焦点距離をfG1Nとするとき、
-9.9<fG1P/fG1N<-1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項16】
前記主光学系の最も物体側に配置された正レンズG1Pの焦点距離をfG1P、前記正レンズG1Pの像側に配置された正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG2Pの焦点距離をfG2Pとするとき、
0.90<fG1P/fG2P<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項17】
前記変倍光学系に2つ以上の負レンズと1つ以上の正レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項18】
前記変倍光学系の挿脱に応じて、前記主光学系に含まれるフォーカシングに際して移動するレンズ群は移動することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項19】
前記主光学系は、前記開口絞りより像側に配置された、光軸に対して垂直方向に移動する像振れ補正レンズ群を有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項20】
前記変倍光学系は最も物体側に配置された正の単レンズを有することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項21】
前記変倍光学系は少なくとも1つの接合レンズを有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項22】
前記変倍光学系は正レンズと該正レンズの像側に配置された負レンズとを接合した接合レンズを有することを特徴とする請求項21に記載の光学系。
【請求項23】
前記変倍光学系は負レンズと該負レンズの像側に配置された正レンズと該正レンズの像側に配置された負レンズとを接合した接合レンズを有することを特徴とする請求項21または22に記載の光学系。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系を保持するレンズ鏡筒とを有することを特徴とするレンズ装置。
【請求項25】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の光学系は、開口絞りを有する主光学系と、前記開口絞りと像面との間に挿脱される変倍光学系を有する光学系であって前記変倍光学系は、前記主光学系に含まれる2つのレンズの間に挿脱され、前記変倍光学系の挿脱の前後で前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離は一定であり、前記主光学系は複数の正レンズと複数の負レンズを有し、
前記主光学系の最も物体側のレンズ面から前記複数の負レンズのうち最も物体側に位置する負レンズG1Nの物体側のレンズ面までの距離をD1N、前記主光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの距離をLDとするとき、
0.20<D1N/LD<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
【表1】