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  • 特開-建物の空調システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142985
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】建物の空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/044 20060101AFI20220926BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20220926BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20220926BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
F24F3/044
F24F5/00 K
F24F7/10 101E
F24F7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043292
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】村松 朋哉
【テーマコード(参考)】
3L053
3L058
【Fターム(参考)】
3L053BB10
3L058BE08
3L058BG02
(57)【要約】
【課題】廊下の天井高を十分に確保することができる空調システムを提供する。
【解決手段】建物の空調システム1は、建物2の同一階2aに複数の居室22~24が廊下21に隣接して配置された同一階2aに設置される空調システムであって、廊下21以外且つ居住者が常時滞在する空間以外の非滞在空間25の上部に設けられた空調機器空間3と、空調機器空間3の内部に設置された空調機器4と、廊下21の上部に設けられた送風空間5と、空調機器空間3と送風空間5とを接続する連通路6と、送風空間5と複数の居室22~24とを接続する送風路7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の同一階に複数の居室が廊下に隣接して配置された前記同一階に設置される空調システムであって、
前記廊下以外且つ居住者が常時滞在する空間以外の非滞在空間の上部に設けられた空調機器空間と、
該空調機器空間の内部に設置された空調機器と、
前記廊下の上部に設けられた送風空間と、
前記空調機器空間と前記送風空間とを接続する連通路と、
前記送風空間と前記複数の居室とを接続する送風路と、を備える、建物の空調システム。
【請求項2】
前記送風空間の外周部には、断熱材が設けられている、請求項1に記載の建物の空調システム。
【請求項3】
前記空調機器空間は、前記非滞在空間の他の部分と断熱材で区画されている、請求項1または2に記載の建物の空調システム。
【請求項4】
前記非滞在空間は、物品を収容可能な収納部である、請求項1から3のいずれか一項に記載の建物の空調システム。
【請求項5】
前記収納部の水平面に沿う第一方向の長さは1220mmであり、且つ水平面に沿い前記第一方向と直交する第二方向の長さは610mmである、請求項4に記載の建物の空調システム。
【請求項6】
前記送風路には、送風ファンが設置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の建物の空調システム。
【請求項7】
前記居室と前記廊下とを区画する壁部の下部には、空気の流通が可能な隙間が形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の建物の空調システム。
【請求項8】
前記複数の居室のうち主居室には、前記空調機器のIoTリモコンが設置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の建物の空調システム。
【請求項9】
前記建物の外皮平均熱還流率Ua値が0.6以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の建物の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅の空調計画では、各部屋にエアコンを設置して個別に空調していた。各部屋にエアコンを設置する必要があるため、初期投資が多額となり、且つエアコン消費エネルギーが増大している状況であった。
【0003】
また、近年の住宅の断熱性能の飛躍的な向上により、容量の小さいルームエアコン1台でも十分に階全体を空調できることが明らかになってきている。しかし、部屋間に設置された建具を閉じて生活をする場合、廊下まで十分に暖房及び冷房することは難しく、居住者の快適性、健康リスクに課題があり、断熱性能を活かしきれていない状態であった。
【0004】
廊下まで十分に暖房及び冷房することができないという問題は、昨今の全館空調システムと呼ばれる空調システムを用いれば解決するが、全館空調システムは非常に高価、且つ設備スペースが1坪程度必要となるため、経済性及び省スペース性に難点があり、採用されにくい。また、全館空調システムは熱源機やダクトなどの設計的制約が多く、納まりも複雑であり、運用が難しい。
【0005】
上記問題点を解決する手法として、下記の特許文献1に記載の空調システムが提案されている。この空調システムでは、廊下の上部に中空構造体を形成し、中空構造体の内部に空調機器が設置されている。廊下に面した壁の上部には、吹出口が設けられている。空調機器で処理された空気は、中空構造体を経由して、吹出口から各部屋へ供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-325508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の空調システムでは、中空構造体は内部に空調機器を設置できるだけの高さが必要になるため、廊下自体の天井高が低くなってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、廊下の天井高を十分に確保することができる建物の空調システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建物の空調システムは、建物の同一階に複数の居室が廊下に隣接して配置された前記同一階に設置される空調システムであって、前記廊下以外且つ居住者が常時滞在する空間以外の非滞在空間の上部に設けられた空調機器空間と、該空調機器空間の内部に設置された空調機器と、前記廊下の上部に設けられた送風空間と、前記空調機器空間と前記送風空間とを接続する連通路と、前記送風空間と前記複数の居室とを接続する送風路と、を備える。
【0010】
このように構成された建物の空調システムでは、空調機器で処理された空気は、空調機器空間の内部から連通路を経由して送風空間に流れていく。この空気は送風空間から送風路を経由して、各居室に流れていく。よって、1台の空調機器で、同一階における複数の居室の暖房及び冷房を行うことができる。
また、廊下には空調機器空間が設けられていないため、廊下の天井高を十分に確保することができる。
【0011】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記送風空間の外周部には、断熱材が設けられていてもよい。
【0012】
このように構成された建物の空調システムでは、送風空間の外周部には断熱材が設けられているため、送風空間の断熱性を高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記空調機器空間は、前記非滞在空間の他の部分と断熱材で区画されていてもよい。
【0014】
このように構成された建物の空調システムでは、空調機器空間は非滞在空間の他の部分と断熱材で区画されているため、空調機器空間の断熱性を高めることができる。
【0015】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記非滞在空間は、物品を収容可能な収納部であってもよい。
【0016】
このように構成された建物の空調システムでは、空調機器空間は物品を収容可能な収納部に設けられているため、日常生活の中で居住者にとって空調機器空間が支障となることがない。
【0017】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記収納部の水平面に沿う第一方向の長さは1220mmであり、且つ水平面に沿い前記第一方向と直交する第二方向の長さは610mmであってもよい。
【0018】
このように構成された建物の空調システムでは、収納部の水平面に沿う第一方向の長さは1220mmであり、且つ第二方向の長さは610mmである。よって、空調機器空間の第一方向に沿って空調機器を設置しても、空調機器の前方に十分な空間を確保することができる。
【0019】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記送風路には、送風ファンが設置されていてもよい。
【0020】
このように構成された建物の空調システムでは、送風路には送風ファンが設置されているため、送風空間から複数の居室への空気の流れを確実に形成することができる。
【0021】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記居室と前記廊下とを区画する壁部の下部には、空気の流通が可能な隙間が形成されていてもよい。
【0022】
このように構成された建物の空調システムでは、居室と廊下とを区画する壁部の下部には空気の流通が可能な隙間が形成されているため、居室の空気が隙間を経由して廊下に戻ってくる。この空気を空調機器空間に戻すことで、空気を循環させることができる。
【0023】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記複数の居室のうち主居室には、前記空調機器のIoTリモコンが設置されていてもよい。
【0024】
このように構成された建物の空調システムでは、主居室には空調機器のIoTリモコンが設置されているため、空調機器の周辺ではなく、居住者周辺の温度を基準として空調機器の制御をすることができる。
【0025】
また、本発明に係る建物の空調システムでは、前記建物の外皮平均熱還流率Ua値が0.6以下であってもよい。
【0026】
このように構成された建物の空調システムでは、建物の外皮平均熱還流率Ua値は、0.6以下である。よって、居室内の温度むらが解消され、より快適な空間を実現することができる。また、求められる空調機器の容量が抑えられ、イニシャルコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る建物の空調システムによれば、廊下の天井高を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る建物の空調システムを模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態に係る建物の空調システムの住戸について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建物の空調システムを模式的に示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る建物の空調システム1が設置される建物は、2階建ての住宅(建物)2である。建物の空調システム1は、2階部分2aに設置されている。なお、建物の空調システム1は、同一階に設置されていればよく、2階建て住宅の1階部分2bに設置されていてもよく、3階建て住宅の任意の階に設置されていてもよく、あるいは集合住宅の一の住戸に設置されていてもよい。
【0030】
住宅2の2階部分2aには、廊下21及び複数の居室22~24が配置されている。各居室22~24は、廊下21に隣接して配置されている。廊下21と居室22~24との間は、間仕切壁(壁部)22a~24aで区画されている。なお、本実施形態では、3つの居室22~24が廊下21に隣接して配置されているが、廊下21に隣接して2以上の居室が配置されていればよい。
【0031】
居室24には、収納部25が設けられている。収納部25の内部には、衣類等の物品を収納することができる。収納部25は、居室24と間仕切壁26a,26bで仕切られていている。間仕切壁26a,26bのいずれか一方には、収納部25へのアクセスが可能な開口が設けられている。
【0032】
本実施形態では、収納部25の水平面に沿う第一方向(間仕切壁26aに沿う方向)の長さL1は、壁の芯々で1220mmである。収納部25の水平面に沿い第一方向と直交する第二方向(間仕切壁26bに沿う方向)の長さL2は、610mmである。
【0033】
建物の空調システム1は、エアコンチャンバー(空調機器空間)3と、エアコン(空調機器)4と、送風チャンバー(送風空間)5と、連通路6と、送風路7と、戻り流路8と、を備えている。
【0034】
エアコンチャンバー3は、居室24の収納部(非滞在空間)25の上部に設けられている。収納部25の内部は、水平面に沿う仕切板27で上下に区画されている。仕切板27よりも上方の空間が、エアコンチャンバー3である。仕切板27よりも下方の空間が、物品の収納が可能な空間とされている。仕切板27には、不図示の開口である点検口が設けられ、点検口は常時蓋で閉塞されている。
【0035】
エアコンチャンバー3の高さは、例えば約250mmである。2階部分2aの各居室の天井高さが約2400mmの場合、収納部25におけるエアコンチャンバー3よりも下側の高さは2150mmとなる。
【0036】
なお、エアコンチャンバー3が設置されるのは、収納部25に限らず、廊下21以外、且つ居住者が常時滞在する居室22~24等の空間以外に設置されていればよい。例えば、エアコンチャンバー3は、トイレや洗面所に設置されていてもよい。トイレでは便器の上方や、洗面所では洗濯機の上方に設置すれば、エアコンチャンバー3の高さ分天井(仕切板27)が低くなるが、トイレや洗面所の利用時に支障となることがない。
【0037】
エアコンチャンバー3の仕切板27及び間仕切壁26a,26bの少なくとも一部は、周知の発泡プラスチック系等の断熱材が設けられた板材で構成されている。これによって、エアコンチャンバー3と収納部25の他の部分(エアコンチャンバー3よりも下方の部分)、及びエアコンチャンバー3と居室24とは断熱材で区画され、エアコンチャンバー3及び収納部25の断熱性を高めることができる。
【0038】
エアコン4は、エアコンチャンバー3の内部に1台設置されている。エアコン4は、例えばヒートポンプ型の空調機等周知の空調機器である。本実施形態では、エアコン4は間仕切壁26bに固定されている。エアコン4の前側が後述する連通路6の設けられた間仕切壁24a側を向くように、エアコン4は配置されている。エアコン4で処理された空気は、前方且つ下方に向かって吹き出される。長さL2は芯々で610mmであるため、エアコン4の奥行長さが約300mmならば、エアコン4の前方に約250~300mmの空間がある。
【0039】
送風チャンバー5(図にドットで示す部分)は、廊下21の上部に設けられている。廊下21は、水平面に沿う仕切板28で上下に区画されている。仕切板28よりも上方の空間が、送風チャンバー5である。仕切板28よりも下方の空間が、居住者の通行が可能な空間とされている。
【0040】
送風チャンバー5の外周部には断熱材が設けられている。換言すると、送風チャンバー5の仕切板28及び間仕切壁22a~24aの少なくとも一部は、周知の発泡プラスチック系等の断熱材が設けられた板材で構成されている。これによって、送風チャンバー5と廊下21の他の部分(送風チャンバー5よりも下方の部分)、及び送風チャンバー5と居室22~24とは断熱材で区画され、送風チャンバー5の断熱性を高めることができる。
【0041】
エアコンチャンバー3と送風チャンバー5とは、間仕切壁24a内に設けられた連通路6で連通されている。連通路6は、断熱材で筒状に形成してもよいし、ダクトパイプで構成してもよい。断熱材で形成すれば、連通路6の内部の断熱性が高められる。ダクトパイプであれば、施工性が良い。
【0042】
送風チャンバー5と居室22~24とは、間仕切壁22a~24aに設けられた送風路7で接続されている。送風路7は、断熱材で筒状に形成してもよいし、ダクトパイプで構成してもよい。断熱材で形成すれば、送風路7の内部の断熱性が高められる。ダクトパイプであれば、施工性が良い。
【0043】
送風路7には、送風ファン7aが設置されている。送風ファン7aには、集塵フィルター(不図示)が設けられている。送風チャンバー5の内部の空気は、集塵フィルターを経由して清浄され、送風ファン7aによって居室22~24に送風される。送風ファン7aの操作が可能なファンスイッチ31は、廊下21に設置されている。
【0044】
間仕切壁22a~24aの下部には、空気の流通が可能な隙間(アンダーカット)22b~24bが形成されている。間仕切壁22a~24aの内部の空気は、隙間22b~24bを経由して、廊下21に流れる。
【0045】
廊下21と居室24とは、間仕切壁24aに設けられた戻り流路8で接続されている。戻り流路8は、断熱材で筒状に形成してもよいし、ダクトパイプで構成してもよい。断熱材で形成すれば、戻り流路8の内部の断熱性が高められる。ダクトパイプであれば、施工性が良い。
【0046】
居室22~居室24のうち、主寝室等の主居室を居室22とする。居室22には、エアコン4のIoT(Internet of Things)リモコン32が設置されている。IoTリモコン32によって、エアコン4の周辺ではなく、居住者周辺の温度を基準としてエアコン4の制御をすることが可能である。
【0047】
住宅2の建物の外皮平均熱還流率Ua値は、0.6以下であることが好ましい。
【0048】
上記の空調システム1における空気の流れを説明する。エアコン4で処理された空気は、エアコンチャンバー3の内部から連通路6を経由して送風チャンバー5に流れていく。この空気は送風チャンバー5から送風路7を経由して、居室22~24に流れていく。居室22~24の内部の空気は、隙間22b~24bを通過して廊下21に流れ、戻り流路8を経由してエアコンチャンバー3の内部に戻っていく。このように、空気は2階部分2aの全体を循環する。
【0049】
このように構成された建物の空調システム1では、エアコン4で処理された空気は、エアコンチャンバー3の内部から連通路6を経由して送風チャンバー5に流れていく。この空気は送風チャンバー5から送風路7を経由して、居室22~24に流れていく。よって、1台のエアコン4で、同一階における複数の居室22~24の暖房及び冷房を行うことができる。
【0050】
また、廊下21にはエアコンチャンバー3が設けられていないため、廊下21の天井高を十分に確保することができる。また、エアコン4が収納部25の内部にあるため、居住者がメンテナンスをしやすい。
【0051】
また、送風チャンバー5の外周部には断熱材が設けられているため、送風チャンバー5の断熱性を高めることができる。
【0052】
また、エアコンチャンバー3は収納部25の下部と断熱材で区画されているため、エアコンチャンバー3の断熱性を高めることができる。
【0053】
また、エアコンチャンバー3は収納部25に設けられているため、日常生活の中で居住者にとってエアコンチャンバー3が支障となることがない。
【0054】
また、収納部25の長さL1は1220mmであり、且つ長さL2は610mmである。よって、エアコンチャンバー3の長さL1に沿ってエアコン4を設置しても、エアコン4の前方に十分な空間を確保することができる。
【0055】
また、送風路7には送風ファン7aが設置されているため、送風チャンバー5から居室22~24への空気の流れを確実に形成することができる。
【0056】
また、居室22~24と廊下21とを区画する壁部22a~24aの下部には空気の流通が可能な隙間22b~24bが形成されているため、居室22~24の空気が隙間22b~24bを経由して廊下21に流れ、戻り流路8を経由してエアコンチャンバー3に戻っていき、空気を2階部分2aの全体に循環させることができる。また、廊下21が空気の循環経路となるため、居室22~24だけではなく廊下21まで暖房及び冷房をでき、当該階2a全体を暖房及び冷房することができる。一般的な全館空調システムに比べ、非常に安価且つ省スペースで実現することができる。
【0057】
また、居室22にはエアコン4のIoTリモコン32が設置されているため、エアコン4の周辺ではなく、居住者周辺の温度を基準としてエアコン4の制御をすることができる。
【0058】
また、住宅2の外皮平均熱還流率Ua値は、0.6以下である。よって、居室22~24内の温度むらが解消され、より快適な空間を実現することができる。また、求められるエアコン4の容量が抑えられ、イニシャルコストを削減することができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0060】
例えば、上記に示す実施形態では、エアコン4の前側が連通路6の設けられた間仕切壁24a側を向くように、エアコン4は配置されているが、本発明はこれに限られない。エアコン4の前方に十分な空間を確保できるように、エアコン4の設置向きは適宜選択すればよい。
【符号の説明】
【0061】
1 空調システム
2 住宅(建物)
3 エアコンチャンバー(空調機器空間)
4 エアコン(空調機器)
5 送風空間
6 連通路
7 送風路
7a 送風ファン
21 廊下
22,23,24 居室
22a,23a,24a 壁部(間仕切壁)
22b,23b,24b 隙間(アンダーカット)
25 収納部(非滞在空間)
32 IoTリモコン
図1