(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022142987
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220926BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043295
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】篠原 清志
(72)【発明者】
【氏名】日置 綾音
(72)【発明者】
【氏名】山口 笙
(72)【発明者】
【氏名】木原 梢
(72)【発明者】
【氏名】本田 知行
(72)【発明者】
【氏名】春口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】水谷 宗隆
(72)【発明者】
【氏名】川崎 賢弥
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施設の混雑状況を予測値と共に直感的に把握し易い態様でユーザに提供する情報提供装置情報提供方法及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】情報提供システム1において、情報提供装置であるユーザ端末30は、現在日の複数の時間帯の各々の店舗10の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得し、現在時点に対応する店舗10の混雑状況を示す現在混雑情報を継続的に取得する受信部33と、複数のブロックを含み時間帯毎の予測混雑情報を表示する予測バーと、複数のブロックを含み現在混雑情報を表示する当日バーとを、同一の時間帯に対応するブロックが並ぶように表示するとともに、各ブロックに、対応する時間帯の予測混雑情報を表示し、現在時間帯に対応するブロックに、現在時点において受信部33により取得済みの最新の現在混雑情報を表示する表示制御部34と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在日と同一の属性を有する過去日の施設の混雑状況の実績に基づく、前記現在日の複数の時間帯の各々の前記施設の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得する第1取得部と、
現在時点に対応する前記施設の混雑状況を示す現在混雑情報を継続的に取得する第2取得部と、
前記時間帯毎の前記予測混雑情報を表示する第1表示領域と前記現在混雑情報を表示する第2表示領域とを含む表示画像を生成及び表示する表示制御部と、
を備え、
前記第1表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第1単位領域を含み、
前記第2表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第2単位領域を含み、
前記表示制御部は、
同一の時間帯に対応する前記第1単位領域及び前記第2単位領域が並ぶように、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を表示し、
各前記第1単位領域に、対応する時間帯の前記予測混雑情報を表示し、
前記現在時点を含む時間帯である現在時間帯に対応する前記第2単位領域に、前記現在時点において前記第2取得部により取得済みの最新の前記現在混雑情報を表示する、情報提供装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記施設の営業時間を示す営業時間情報に基づいて、前記複数の時間帯のうち前記施設の営業時間外の時間帯に対応する前記第1単位領域及び前記第2単位領域を、営業時間外であることを示す態様で表示する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記現在日に適用される前記施設の営業時間を、前記営業時間情報として取得する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記現在時間帯よりも前の時間帯である過去時間帯に対応する前記第2単位領域に、当該過去時間帯における統計的な混雑状況を示す情報を表示する、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯に遷移した場合、遷移後の現在時間帯の1つ前の過去時間帯に対応する前記第2単位領域の表示態様を、前記統計的な混雑状況を示す情報に変更する、請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯に遷移した場合、
遷移時点から所定期間が経過するまでは、遷移直前に現在時間帯であった第1時間帯に対応する前記第2単位領域を、前記第1時間帯に前記第2取得部により取得された最新の前記現在混雑情報が表示された状態のままとし、
前記遷移時点から前記所定期間が経過した後に、前記第1時間帯に対応する前記第2単位領域の表示態様を、前記統計的な混雑状況を示す情報に変更する、請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記所定期間は、前記遷移時点から前記第1時間帯が2つ前の過去時間帯になるまでの期間である、請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
コンピュータにより実行される情報提供方法であって、
現在日と同一の属性を有する過去日の施設の混雑状況の実績に基づく、前記現在日の複数の時間帯の各々の前記施設の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得するステップと、
現在時点に対応する前記施設の混雑状況を示す現在混雑情報を継続的に取得するステップと、
前記時間帯毎の前記予測混雑情報を表示する第1表示領域と前記現在混雑情報を表示する第2表示領域とを含む表示画像を生成及び表示するステップと、
を含み、
前記第1表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第1単位領域を含み、
前記第2表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第2単位領域を含み、
前記表示画像を生成及び表示するステップにおいて、
同一の時間帯に対応する前記第1単位領域及び前記第2単位領域が並ぶように、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を表示し、
各前記第1単位領域に、対応する時間帯の前記予測混雑情報を表示し、
前記現在時点を含む時間帯である現在時間帯に対応する前記第2単位領域に、前記現在時点において取得済みの最新の前記現在混雑情報を表示する、情報提供方法。
【請求項9】
コンピュータを、
現在日と同一の属性を有する過去日の施設の混雑状況の実績に基づく、前記現在日の複数の時間帯の各々の前記施設の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得する第1取得部と、
現在時点に対応する前記施設の混雑状況を示す現在混雑情報を継続的に取得する第2取得部と、
前記時間帯毎の前記予測混雑情報を表示する第1表示領域と前記現在混雑情報を表示する第2表示領域とを含む表示画像を生成及び表示する表示制御部、
として機能させ、
前記第1表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第1単位領域を含み、
前記第2表示領域は、前記複数の時間帯の各々に対応する複数の第2単位領域を含み、
前記表示制御部は、
同一の時間帯に対応する前記第1単位領域及び前記第2単位領域が並ぶように、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を表示し、
各前記第1単位領域に、対応する時間帯の前記予測混雑情報を表示し、
前記現在時点を含む時間帯である現在時間帯に対応する前記第2単位領域に、前記現在時点において前記第2取得部により取得済みの最新の前記現在混雑情報を表示する、情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等の施設の混雑情報をユーザに視覚的に提供する手法が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザ端末の現在位置に応じたエリア内の施設の混雑情報をユーザに提示するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、店舗のリアルタイムの混雑状況を示す情報だけでは、ユーザにとって十分ではない場合がある。例えば、ユーザは、店舗のリアルタイムの混雑状況だけでなく、過去の実績に基づく店舗の混雑の傾向も把握したい場合がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、施設の混雑状況を予測値と共に直感的に把握し易い態様でユーザに提供することができる情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る情報提供装置は、現在日と同一の属性を有する過去日の施設の混雑状況の実績に基づく、現在日の複数の時間帯の各々の施設の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得する第1取得部と、現在時点に対応する施設の混雑状況を示す現在混雑情報を継続的に取得する第2取得部と、時間帯毎の予測混雑情報を表示する第1表示領域と現在混雑情報を表示する第2表示領域とを含む表示画像を生成及び表示する表示制御部と、を備え、第1表示領域は、複数の時間帯の各々に対応する複数の第1単位領域を含み、第2表示領域は、複数の時間帯の各々に対応する複数の第2単位領域を含み、表示制御部は、同一の時間帯に対応する第1単位領域及び第2単位領域が並ぶように、第1表示領域及び第2表示領域を表示し、各第1単位領域に、対応する時間帯の予測混雑情報を表示し、現在時点を含む時間帯である現在時間帯に対応する第2単位領域に、現在時点において第2取得部により取得済みの最新の現在混雑情報を表示する。
【0007】
上記情報提供装置によれば、現在時間帯のリアルタイム(最新)の混雑状況を示す現在混雑情報と共に、現在日と同一の属性を有する過去日の施設の混雑状況の実績に基づく予測値(予測混雑情報)を含む表示画像が生成及び表示される。さらに、現在混雑情報及び予測混雑情報は、時間帯毎に区分された単位領域(第1単位領域及び第2単位領域)に表示される。また、同一の時間帯に対応する第1単位領域及び第2単位領域が並ぶように表示される。これにより、現在混雑情報と混雑予測情報とを比較し易い態様でユーザに提示することができる。従って、上記情報提供装置によれば、店舗等の施設の混雑状況を予測値と共に直感的に把握し易い態様でユーザに提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、施設の混雑状況を予測値と共に直感的に把握し易い態様でユーザに提供することができる情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、情報提供システムに含まれる各装置の機能構成図である。
【
図3】
図3は、ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、店舗情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、混雑情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、混雑情報判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、店舗の混雑情報を取得する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、予測混雑情報生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ユーザ端末による情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、ユーザ端末に表示される店舗情報画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、ユーザ端末に表示される混雑情報画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、当日混雑情報生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図9のフローチャートにおける処理ステップ群SGの変形例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、過去時間帯の表示更新制御の第1例を示す図である。
【
図15】
図15は、過去時間帯の表示更新制御の第1例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、過去時間帯の表示更新制御の第2例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、過去時間帯の表示更新制御の第2例を示す図である。
【
図18】
図18は、予測混雑情報生成処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[システム構成]
図1は、一実施形態に係る情報提供システム1の全体構成を示す図である。
図2は、情報提供システム1に含まれる各装置の機能構成図である。
図1に示されるように、情報提供システム1は、一以上の店舗10(施設)と、管理サーバ20と、ユーザに所持されるユーザ端末30(情報提供装置)と、を含んで構成されている。情報提供システム1は、店舗10を利用する可能性のある潜在顧客であるユーザに対して、ユーザが指定した店舗10の現時点のリアルタイムの混雑状況に関する情報と共に、過去の混雑実績に基づいて導出された予測値に関する情報を提供するためのシステムである。混雑状況とは、人の多さ、席の利用率等を示し、空き状態、空き状況等と言い換えることもできる。店舗10は、店内に案内されたユーザに対して所定のサービスを提供する施設である。一例として、店舗10は飲食店である。ただし、店舗10の種類は上記に限定されず、店舗10は飲食店以外の施設であってもよい。店舗10は、ユーザに対して何らかのサービスを提供する施設であればよい。すなわち、店舗10は、ユーザが金銭を支払って対価としてサービスの提供を受ける施設には限られない。また、上記施設は、カフェ、レストラン等の飲食店の他、スーパーマーケット、薬局等の小売店、自治体、銀行の窓口、図書館、美術館、通り(商店街等)、その他観光施設等、利用者の数によって混雑状況が変化する施設であればよい。
【0012】
各店舗10には、店舗端末12が設置されている。各店舗10の店舗端末12とユーザ端末30とは、それぞれネットワークNを介して管理サーバ20と通信可能に接続されている。ネットワークNは、有線又は無線の任意の通信ネットワークである。ネットワークNは、例えば、インターネット、公衆回線網、専用回線網等である。
【0013】
まず、情報提供システム1の全体処理の概要について説明する。各店舗10の店舗端末12は、各店舗10の混雑状況を示す情報を定期的に管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、各店舗10の店舗端末12から受信した情報を蓄積し、蓄積された情報に基づいて、各店舗10の現時点の混雑状況を示す現在混雑情報と過去の混雑実績に基づく予測値である予測混雑情報とを生成する。そして、管理サーバ20は、ユーザ端末30からの要求に応じて、指定された店舗10の現在混雑情報及び予測混雑情報をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、管理サーバ20から受信した現在混雑情報及び予測混雑情報を含む表示画像(本実施形態では、
図11に示される混雑情報画面SC2)を生成し、ユーザに提示する。
【0014】
次に、
図2及び
図3を参照して、店舗10、管理サーバ20、及びユーザ端末30の詳細について説明する。
図2は、店舗10、管理サーバ20、及びユーザ端末30の機能構成図である。
図3は、ユーザ端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、ユーザ端末30は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ102と、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置103と、ネットワークNと通信を行うための通信インタフェース等の通信装置104と、マウス及びキーボード等の入力装置105と、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置106と、を含むコンピュータシステムとして構成され得る。なお、ユーザ端末30がスマートフォン、タブレット端末等である場合、ユーザ端末30が備えるタッチパネルディスプレイが、上述した入力装置105及び出力装置106の両方として機能する。プロセッサ101が、補助記憶装置103に予め格納されているプログラムP(情報提供プログラム)をメモリ102に読み出して実行することにより、プロセッサ101の制御のもとで各ハードウェアが動作し、メモリ102及び補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、
図2に示されるユーザ端末30の各機能が実現される。なお、店舗端末12及び管理サーバ20のハードウェア構成も、
図3に示されるユーザ端末30のハードウェア構成と同様である。
【0015】
[店舗の構成]
図2に示されるように、店舗10には、カメラ11と店舗端末12とが設けられている。店舗端末12は、例えば、店舗10に設置されるデスクトップPC、ラップトップPC、タブレット端末等である。店舗端末12は、店舗10の管理者によって操作される。店舗端末12は、受信部121と、解析部122と、送信部123と、を有する。
【0016】
カメラ11は、店舗10内に設置され、店舗10内を撮影する。カメラ11は、例えば無線通信等によって店舗端末12と通信可能に構成されている。カメラ11は、店舗10内を撮影し、撮影した画像を店舗端末12に送信する。店舗10におけるカメラ11の設置位置及び設置台数は、特定の構成に限定されない。例えば、店舗10内の各座席(テーブル、座敷、カウンター等)の客の有無を把握するためのカメラ11が、店舗10内のエリア毎に複数台設置されてもよい。
【0017】
受信部121は、カメラ11から店舗10内を撮影した画像(静止画又は動画像)を受信し、店舗端末12が備える図示しない記憶装置に保存する。
【0018】
解析部122は、例えば予め定められた時間間隔(例えば10分)で定期的に上記画像を解析し、上記画像に含まれる人物を検出することにより、店舗10内に存在する人数をカウントする。カメラ11から取得される画像が動画像である場合、解析部122は、例えば、直近の複数の連続するフレーム(例えば5フレーム)のそれぞれについて人数をカウントし、各フレームについてカウントされた人数の平均値をその時点における店舗10内の人数として算出してもよい。なお、店舗10内には、店舗10を利用する客だけでなく店舗10のスタッフ(店員)も存在するが、混雑状況の判定はスタッフ数を除外した客数に基づいて行われることが好ましい。そこで、解析部122は、例えばスタッフの制服等の特徴を示すデータを予め記憶しておき、当該データに基づいてスタッフを検出し、検出されたスタッフを上記カウント対象から除外してもよい。或いは、解析部122は、上記カウント結果から、予め登録されたスタッフ数を減算してもよい。また、解析部122は、店舗10内においてスタッフ以外の利用者(客)によって利用される位置(飲食店の場合には座席等)に基づいて、客数を検出してもよい。例えば、解析部122は、スタッフ以外の利用者が利用する位置として予め設定された位置に存在する人物のみを検出することによって、客数を検出してもよい。このような処理によれば、解析部122は、店舗10内に存在する客数(スタッフを除いた人数)を店舗内人数として算出することができる。
【0019】
送信部123は、解析部122により算出された店舗内人数と共に店舗10を識別する情報(例えば、後述する店舗ID等)及びカウント日時を示す情報を含む人数情報を、管理サーバ20に送信する。送信部123から管理サーバ20への人数情報の送信は、例えば予め定められた時間間隔で定期的に実行される。
【0020】
[管理サーバの構成]
図2に示されるように、管理サーバ20は、受信部21と、管理部22と、混雑判定部23と、混雑予測部24と、送信部25と、店舗情報DB20aと、混雑情報DB20bと、を有する。
【0021】
受信部21は、各店舗10の店舗端末12から人数情報を受信する。また、受信部21は、ユーザ端末30からの要求を受信する。
【0022】
管理部22は、店舗情報DB20a及び混雑情報DB20bを管理する。店舗情報DB20aは、各店舗10の店舗情報を格納する店舗情報テーブルを記憶している。店舗情報は、店舗10の基本的な情報である。
図4は、店舗情報テーブルの一例を示す図である。この例では、1つの店舗情報(すなわち、1レコード)は、店舗10を識別する店舗ID、並びに当該店舗IDにより特定される店舗10の名称、住所、店舗端末ID、電話番号、営業時間、座席数、及び目安金額(1回の食事にかかる費用の目安)等の情報を含んでいる。管理部22は、例えば、各店舗10の管理者が店舗端末12(或いは店舗端末12以外の入力端末)を用いることによって事前に登録(入力)した店舗情報を、店舗情報テーブルに格納する。
【0023】
混雑情報DB20bは、各店舗10の店舗端末12から人数情報が受信される毎に、当該人数情報に対応する混雑情報を記憶及び蓄積する。
図5は、このように蓄積された複数の混雑情報(1レコード)を格納する混雑情報テーブルの一例を示す図である。この例では、1つの混雑情報は、店舗ID、カウント日時、店舗内人数、判定日時、及び判定結果等の情報を含んでいる。混雑情報のうち店舗ID、カウント日時、及び店舗内人数は、店舗端末12から受信した人数情報に含まれている情報である。混雑情報のうち判定日時及び判定結果は、人数情報に基づいて混雑判定部23によって判定された日時及び結果に相当する。すなわち、混雑情報のうち判定日時及び判定結果は、混雑判定部23による判定が行われた後に格納される。なお、判定日時の代わりに、店舗端末12から人数情報が送信された送信日時又は店舗端末12から人数情報を受信した受信日時を用いてもよい。
【0024】
混雑判定部23は、受信部21により受信された店舗10の人数情報に基づいて、当該店舗10の混雑情報を判定する。
図6を参照して、混雑判定部23による混雑情報判定処理の手順の一例について説明する。まず、混雑判定部23は、受信部21により受信された人数情報から、処理対象の店舗10の店舗内人数を取得する(ステップS101)。続いて、混雑判定部23は、第1閾値t1及び第2閾値t2(t1<t2)を取得する(ステップS102)。例えば、第1閾値t1及び第2閾値t2は、店舗10毎に予め設定され得る。第1閾値t1及び第2閾値t2は、例えば、店舗10のキャパシティ(例えば、店舗情報(
図4参照)に含まれる座席数)に応じて設定され得る。例えば、第1閾値t1及び第2閾値t2は、店舗10のキャパシティが大きい程(例えば、座席数が多い程)、大きい値に設定される。店舗内人数が第1閾値t1未満の場合(ステップS103:YES)、混雑判定部23は、「空きあり」を混雑情報に設定する(ステップS104)。店舗内人数が第1閾値t1以上且つ第2閾値t2未満の場合(ステップS103:NO、ステップS105:YES)、混雑判定部23は、「やや混雑」を混雑情報に設定する(ステップS106)。店舗内人数が第2閾値t2以上の場合(ステップS103:NO、ステップS105:NO)、混雑判定部23は、「混雑」を混雑情報に設定する(ステップS107)。このように、本実施形態では一例として、混雑判定部23は、店舗内人数に基づいて、店舗10の混雑情報を3つの分類「空きあり」、「やや混雑」、及び「混雑」のいずれかに設定(判定)する。
【0025】
図7は、ある店舗10の混雑情報が取得されるまでの処理手順の一例を示すシーケンス図である。まず、店舗10に設置されたカメラ11が、店舗10内を撮影する(ステップS201)。撮影された画像は、店舗端末12に送信される(ステップS202)。続いて、店舗端末12の解析部122が、上記画像を解析することにより、店舗内人数をカウントする(ステップS203)。続いて、店舗端末12の送信部123が、解析部122によりカウントされた店舗内人数を含む人数情報を、管理サーバ20に送信する(ステップS204)。続いて、管理サーバ20の混雑判定部23が、
図6に示した処理を実行することにより、店舗10の混雑情報を判定する(ステップS205)。ステップS205における判定の日時及び結果(すなわち、
図5に示される混雑情報テーブルの「判定日時」及び「判定結果」に対応する情報)は、混雑情報DB20bに保存される(ステップS206)。
【0026】
上述した混雑判定部23による判定処理(
図7に示されるステップS205)は、例えば、受信部21が人数情報(すなわち、店舗10のリアルタイムの混雑状況に関連する情報)を受信すると、即時に実行される。これにより、混雑情報DB20bには、各店舗10の混雑情報がほぼリアルタイムに格納される。なお、混雑情報DB20bに記憶される混雑情報テーブル(
図5参照)において、各店舗10の最新の混雑情報以外の混雑情報(すなわち、過去の判定結果)に関するレコードも、一定期間(例えば、3ヶ月間等)削除されずにログとして保存される。このようにログとして保存された過去の混雑情報は、後述する混雑予測部24によって参照される。
【0027】
混雑予測部24は、店舗10毎に、混雑情報DB20bに蓄積された過去の混雑情報(混雑状況の実績)に基づいて、店舗10の混雑状況の予測値である予測混雑情報を導出する。一例として、混雑予測部24は、予め用意された複数の属性のパターン毎に、店舗10の予測混雑情報を導出する。属性としては、例えば、曜日(月、火、水、木、金、土、日)及び祝日の8つの分類が用いられる。例えば、混雑予測部24は、同一の属性を有する過去日(例えば過去3ヶ月間)の店舗10の混雑情報を用いて、当該属性に対応する予測混雑情報を導出する。例えば、混雑予測部24は、祝日ではない水曜日に該当する過去日の混雑情報のみに基づいて、祝日ではない水曜日の予測混雑情報を導出する。なお、属性は、上記に限定されない。例えば、属性として、天候、気温等の別の指標が用いられてもよい。また、混雑予測部24は、1日を複数の時間帯に分け、時間帯毎に予測混雑情報を導出する。本実施形態では一例として、「6:00-翌6:00」を1日の単位として用いる。すなわち、午前6時を1日の区切りの時刻として用いる。1日の区切りの時刻は任意に設定され得る。また、複数の時間帯として、1日を1時間毎に区切った24個の時間帯が用いられる。より具体的には、「6:00-7:00」~「翌5:00-翌6:00」までの24個の時間帯が用いられる。
【0028】
図8は、混雑予測部24による予測混雑情報生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示される処理は、例えば定期的(例えば、1ヶ月毎等)に実行される。また、
図8に示される処理は、1つの店舗10に対する処理である。混雑予測部24は、
図8に示される処理を各店舗10について実施する。これにより、店舗10毎に、192個(=属性数(本実施形態では「8」)×時間帯数(本実施形態では「24」))の予測混雑情報が得られる。混雑予測部24により生成された予測混雑情報は、例えば混雑情報DB20bに保存される。
【0029】
まず、混雑予測部24は、処理対象の属性(本実施形態では、上述した曜日及び祝日の8パターンのうちのいずれか)を選択する(ステップS301)。続いて、混雑予測部24は、選択された属性の過去所定期間分(例えば過去3ヶ月間)の混雑情報を取得する(ステップS302)。続いて、混雑予測部24は、処理対象の時間帯(本実施形態では、「6:00-7:00」~「翌5:00-翌6:00」の24個の時間帯のうちのいずれか)を選択する(ステップS303)。
【0030】
続いて、混雑予測部24は、選択された時間帯の混雑情報に基づいて、当該時間帯の予測混雑情報を決定する(ステップS304)。例えば、混雑予測部24は、選択された時間帯の複数の混雑情報(本実施形態では、「空きあり」、「やや混雑」、及び「混雑」のいずれか)を集計し、最多数の混雑情報を予測混雑情報に決定する。なお、例えば、データの欠損等によって混雑情報が存在しない場合もあり得る。このような場合には、混雑予測部24は、予測混雑情報を「情報なし」に決定してもよい。また、同数の混雑情報がある場合(例えば、「空きあり」の混雑情報の数と「やや混雑」の混雑情報の数とが同一の場合等)には、混雑予測部24は、予め設定された優先順位に基づいて、予測混雑情報を決定してもよい。例えば、混雑予測部24は、混雑度がより大きい混雑情報を優先的に予測混雑情報に設定してもいいし、逆に混雑度がより小さい混雑情報を優先的に予測混雑情報に設定してもよい。或いは、混雑予測部24は、最も混雑度が大きい混雑情報を予測混雑情報としてもよい。例えば、1つでも「混雑」を示す混雑情報が存在する場合には、混雑予測部24は、「混雑」を予測混雑情報に設定してもよい。また、ここでは日にちに関係なく混雑情報を集計したが、複数の過去日が存在する場合には、混雑予測部24は、過去日毎の処理対象の時間帯の混雑情報に基づいて過去日毎の最多数の混雑情報を決定した後に、決定された過去日毎の混雑情報を更に集計することによって予測混雑情報を決定してもよい。
【0031】
続いて、混雑予測部24は、未処理の時間帯があるか否かを判定する(ステップS305)。未処理の時間帯がある場合(ステップS305:YES)、混雑予測部24は、全ての時間帯について処理が完了するまで、ステップS303及びステップS304の処理を繰り返す。全ての時間帯についての処理が完了したら(ステップS305:NO)、混雑予測部24は、未処理の属性があるか否かを判定する(ステップS306)。未処理の属性がある場合(ステップS306:YES)、混雑予測部24は、全ての属性について処理が完了するまで、ステップS301~S305の処理を繰り返す。全ての属性についての処理が完了したら(ステップS306:NO)、混雑予測部24による1つの店舗10に対する予測混雑情報生成処理が完了する。
【0032】
送信部25は、ユーザ端末30からの要求に応じて、指定された店舗10の情報をユーザ端末30に送信する。例えば、送信部25は、店舗情報DB20aに記憶された店舗10の店舗情報(
図4参照)と、混雑情報DB20bに記憶された店舗10の最新の混雑情報(判定結果)である現在混雑情報と、混雑予測部24により生成された現在日と同一の属性に対応する1日分の予測混雑情報(本実施形態では、24個の時間帯の各々の予測混雑情報)と、をユーザ端末30に送信する。
【0033】
[ユーザ端末の構成]
図2に示されるように、ユーザ端末30は、受付部31と、要求部32と、受信部33(第1取得部、第2取得部)と、表示制御部34と、を有する。
【0034】
受付部31は、ユーザからの要求を受け付ける。例えば、ユーザは、入力装置105を用いて所定の入力操作を実行することにより、混雑状況を把握したい店舗10を指定し、当該店舗10の混雑状況を示す画面(後述する混雑情報画面SC2)の表示を要求する。受付部31は、当該入力操作を受け付ける。
【0035】
要求部32は、受付部31が受け付けたユーザの要求に応じて、指定された店舗10の情報を管理サーバ20に要求する。当該要求が管理サーバ20の受信部21によって受信されると、管理サーバ20の送信部25によって、店舗情報、現在混雑情報、及び予測混雑情報がユーザ端末30に送信される。
【0036】
受信部33は、要求部32の要求に応じて管理サーバ20から送信された店舗情報、現在混雑情報、及び予測混雑情報を受信する。すなわち、受信部33は、現在日と同一の属性を有する過去日の店舗10の混雑状況の実績に基づく現在日の複数(本実施形態では24)の時間帯の各々の混雑状況の予測値を示す予測混雑情報を取得する。また、受信部33は、現在時点に対応する店舗10の混雑状況を示す現在混雑情報を取得する。ここで、上述したように、管理サーバ20に蓄積される店舗10の混雑情報は、適宜更新される。このため、受信部33は、現在混雑情報を定期又は不定期に継続的に取得する。例えば、受信部33は、予め定められた時間間隔(例えば10秒)で定期的に、管理サーバ20から現在混雑情報を取得する。
【0037】
表示制御部34は、受信部33により取得された現在日の24時間分の予測混雑情報と最新の現在混雑情報とに基づいて表示画像を生成する。表示制御部34の処理の詳細については、
図9に示されるフローチャートを参照しながら説明する。
【0038】
図9は、ユーザ端末30による情報提供処理(情報提供方法)の手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部31は、処理対象の店舗10の指定を受け付ける(ステップS401)。例えば、ユーザ端末30の付近に存在する店舗10の一覧(ユーザ端末30の位置情報に基づいて検索された店舗10の一覧)を地図画面上に表示するアプリケーションが実行され、ユーザが地図画面上に表示された店舗10のアイコンを選択する操作(例えば、クリック、タップ等)を実行することにより、
図10に示されるような店舗情報画面SC1が表示される。一例として、店舗情報画面SC1は、店舗名(この例では、「店舗A」)を表示する表示領域A1と、店舗10の写真(この例では、3枚の写真A,B,C)を表示する表示領域A2と、店舗10の基本情報(この例では、所要時間、営業時間、金額の目安)を表示する表示領域A3と、後述する混雑情報画面SC2の表示要求を行うためのボタンを表示する表示領域A4と、を含んでいる。例えば、ユーザが地図画面上に表示された店舗10のアイコンを選択すると、要求部32が管理サーバ20に対して、選択された店舗10の店舗情報(
図4参照)のうち表示領域A1,A2,A3に表示するために必要な情報を要求してもよい。そして、管理サーバ20の送信部25が、店舗情報DB20aから当該情報を取得し、当該情報をユーザ端末30に送信してもよい。そして、表示制御部34が、管理サーバ20から受信した情報に基づいて、店舗情報画面SC1を生成してもよい。このような処理により、ユーザ端末30のディスプレイ(出力装置106)上に、店舗情報画面SC1が表示される。ステップS401における店舗10の指定の受付は、店舗情報画面SC1において、表示領域A4に表示されたボタンを選択する操作により行われる。すなわち、表示領域A4に表示されたボタンがユーザによって選択されたことに応じて、受付部31は、店舗情報画面SC1に表示されている店舗10(この例では、「店舗A」)の指定を受け付ける。これにより、要求部32から管理サーバ20に対して、指定された店舗10の情報(混雑情報画面SC2を生成するために必要な情報)が要求される。
【0039】
続いて、受信部33は、管理サーバ20から、指定された店舗10の店舗情報、予測混雑情報(現在日の24時間分の情報)及び現在混雑情報(その時点における最新の情報)を取得する(ステップS402)。店舗情報には、店舗10の営業時間を示す営業時間情報が含まれている(
図4参照)。
【0040】
続いて、ステップS403~S407において、表示制御部34は、
図11に示されるような表示画像(混雑情報画面SC2)を生成する。
図11に示されるように、表示画像は、時間帯毎の予測混雑情報を表示する予測バーR1(第1表示領域)と現在混雑情報を表示する当日バーR2(第2表示領域)とを含んでいる。予測バーR1は、複数の時間帯の各々に対応する複数のブロックB1(第1単位領域)を含んでいる。当日バーR2は、複数の時間帯の各々に対応する複数のブロックB2(第2単位領域)を含んでいる。各ブロックB1,B2は1時間分に対応している。具体的には、予測バーR1及び当日バーR2の各々には、「6:00-7:00」の時間帯から「翌5:00-翌6:00」の時間帯までの24時間分のブロックB1,B2が表示される。予測バーR1及び当日バーR2は、それぞれ横方向に直線状に延びており、上下に並列するように配置される。より具体的には、同一の時間帯に対応するブロックB1,B2同士が上下に並ぶように、予測バーR1及び当日バーR2が表示される。
【0041】
ステップS403において、表示制御部34は、ステップS402で取得された店舗情報に含まれる店舗10の営業時間を示す営業時間情報に基づいて、複数の時間帯のうち店舗10の営業時間外の時間帯に対応するブロックB11,B21を決定する。
図11の例では、営業時間が「13:00-翌2:00」であるため「6:00-13:00」及び「翌2:00-翌6:00」に含まれる11個の時間帯が営業時間外の時間帯に相当する。ここで、営業時間情報は、現在日に適用される店舗10の営業時間を示す情報である。
【0042】
ステップS404において、表示制御部34は、予測バーR1の営業時間内の各ブロックB12(本実施形態では、「13:00-翌2:00」に含まれる13個の各時間帯に対応する各ブロックB1)の表示態様を、各時間帯の予測混雑情報に基づいて決定する。具体的には、表示制御部34は、各ブロックB12の表示態様を、予測混雑情報の種類(本実施形態では、「空きあり」、「やや混雑」、「混雑」、及び「情報なし」の4種類)に応じて決定する。本実施形態では、予測混雑情報が「空きあり」である時間帯のブロックB12は「〇」印で表され、予測混雑情報が「やや混雑」である時間帯のブロックB12は目の粗い細線の斜線ハッチングで表され、予測混雑情報が「混雑」である時間帯のブロックB12は目の細かい太線の斜線ハッチングで表され、予測混雑情報が「情報なし」である時間帯のブロックB12は空白で表される。なお、予測混雑情報の種類毎の表示(装飾)は、ハッチング以外の態様(例えば、色分け表示等)によって実現されてもよい。例えば、「空きあり」に対応するブロックB12を緑色で表示し、「やや混雑」に対応するブロックB12を橙色で表示し、「混雑」に対応するブロックB12を赤色で表示し、「情報なし」に対応するブロックB12を白色で表示してもよい。
【0043】
ステップS405において、表示制御部34は、当日バーR2の現在時点を含む時間帯である現在時間帯のブロックB22の表示態様を、現在混雑情報(すなわち、現時点において受信部33により取得済みの最新の混雑情報)に基づいて決定する。
図11の例では、現在時点が「15:30」であり、現在時間帯は「15:00-16:00」である。当日バーR2のブロックB22の表示態様は、予測バーR1のブロックB12の表示態様と同様に決定される。すなわち、本実施形態では、現在混雑情報が「空きあり」である場合にはブロックB22は「〇」印で表され、現在混雑情報が「やや混雑」である場合にはブロックB22は目の粗い細線の斜線ハッチングで表され、現在混雑情報が「混雑」である場合にはブロックB22は目の細かい太線の斜線ハッチングで表され、現在混雑情報が「情報なし」である場合にはブロックB22は空白で表される。
【0044】
ステップS406において、表示制御部34は、当日バーR2の現在時間帯以外の営業時間内のブロックB23(本実施形態では、「13:00-15:00」及び「16:00-翌2:00」に含まれる12個の各時間帯に対応する各ブロックB2)の表示態様を、「情報なし」に決定する。
【0045】
ステップS407において、表示制御部34は、ステップS403~S406で決定された結果に基づいて、表示画像(混雑情報画面SC2)を生成する。すなわち、表示制御部34は、予測バーR1及び当日バーR2の各ブロックB1,B2をステップS403~S406で決定された表示態様で表した表示画像を生成する。なお、本実施形態では、表示制御部34は、営業時間外に対応するブロックB11,B21を、ドットハッチングで表示する。
【0046】
表示制御部34は、ユーザによる終了操作(例えば、混雑情報画面SC2を閉じる操作)がされた場合(ステップS408:YES)、処理を終了する。一方、ユーザによる終了操作がされずに所定時間(例えば10秒等)が経過すると(ステップS408:NO、ステップS409:YES)、受信部33が管理サーバ20から最新の現在混雑情報を取得し、表示制御部34が最新の現在混雑情報に基づいて当日バーR2の現在時間帯のブロックB22の表示態様を更新する。なお、管理サーバ20に保存された店舗10の現在混雑情報が前回時点から変化していない場合には、現在時間帯のブロックB22の表示態様は変化しない。すなわち、ここでの「更新」とは、管理サーバ20から再取得した最新の現在混雑情報に基づいてブロックB22の表示態様を再決定することを意味し、必ずしもブロックB22の表示態様が変化するとは限らない。
【0047】
[作用効果]
以上説明したユーザ端末30によれば、現在時間帯のリアルタイム(最新)の混雑状況を示す現在混雑情報と共に、現在日と同一の属性を有する過去日の店舗10の混雑状況の実績に基づく混雑状況の予測値(予測混雑情報)を含む表示画像(例えば、
図11に示される混雑情報画面SC2)が生成及び表示される。さらに、現在混雑情報及び予測混雑情報は、時間帯毎に区分された単位領域(ブロックB1,B2)に表示される。また、同一の時間帯に対応するブロックB1,B2同士が並ぶように表示される。これにより、現在混雑情報と混雑予測情報とを比較し易い態様でユーザに提示することができる。従って、ユーザ端末30によれば、店舗10等の施設の混雑状況を予測値と共に直感的に把握し易い態様でユーザに提供することができる。より具体的には、上述したような構成の予測バーR1及び当日バーR2をユーザに提示することにより、「現時点において店舗10の混雑具合がいつも通りであり、この後少し待てば席が空く」、或いは「通常であれば混雑しているはずの店舗10が珍しく空いている(いつ混雑し始めてもおかしくない)」といったことを、ユーザに直感的に把握させることができる。すなわち、現在混雑情報と予測混雑情報との対比結果に基づく知見をユーザに与えることができる。また、同じ時間帯(現在時間帯)に対応する単位領域(ブロックB1,B2)において、現在日と同一の属性を有する複数の過去日の混雑実績に基づいて決定された予測精度の高い予測混雑情報が予測バーR1のブロックB1に表示される一方で、当日バーR2の現在時間帯に対応するブロックB22の表示態様は、なるべくリアルタイムの店舗10の混雑状況が反映されるように、現在時点における最新の(単一の)混雑情報に基づいて決定される。これにより、リアルタイムの混雑状況を把握すると共になるべく精度の高い店舗10の混雑の傾向を把握したいというユーザのニーズを満たすことができる。
【0048】
また、表示制御部34は、店舗10の営業時間を示す営業時間情報を取得し、複数の時間帯のうち店舗10の営業時間外の時間帯に対応する予測バーR1のブロックB11及び当日バーR2のB21を、営業時間外であることを示す態様(本実施形態では「灰色」)で表示する。これにより、営業時間をユーザに視覚的に分かり易く提示することができる。
【0049】
また、表示制御部34は、現在日に適用される店舗10の営業時間を、上記営業時間情報として取得する。例えば、比較的最近の時期に店舗10の営業時間が変更された場合(例えば、現在日の営業時間が過去の営業時間よりも短くなった場合)には、混雑予測部24によって、過去の営業時間内であって現在日の営業時間外である時間帯の予測混雑情報が生成され得る。しかし、現在日の営業時間外の時間帯の予測混雑情報は、ユーザによって不要と考えられる。また、仮に、現在日の営業時間外の時間帯の予測混雑情報が予測バーR1のブロックB1に表示されると、ユーザが営業時間を誤認するおそれもある。そこで、上記のように、現在日に適用される店舗10の営業時間に基づいて営業時間外のブロックB11,B21を設定することにより、ユーザに対する不要な情報の提供を回避できると共に、営業時間に関するユーザの誤認が生じるおそれをなくすことができる。
【0050】
[表示制御の変形例]
図12、
図13、及び
図14の(A)を参照して、表示制御の変形例について説明する。上記実施形態では、当日バーR2において、営業時間内の現在時間帯以外の時間帯に対応するブロックB2は「情報なし」と表示された。これに対して、変形例では、表示制御部34は、現在時間帯よりも前の時間帯である過去時間帯に対応するブロックB2に、当該過去時間帯における統計的な混雑状況を示す情報(以下「当日混雑情報」という。)を表示する。当日混雑情報は、例えば、管理サーバ20の混雑判定部23によって生成される。
【0051】
図12は、当日混雑情報生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。例えば、混雑判定部23は、現在時間帯が次の時間帯に切り替わった場合(ステップS501:YES)に、遷移後の現在時間帯の1つ前の過去時間帯(すなわち、遷移直前に現在時間帯であった時間帯)の混雑情報を抽出する(ステップS502)。例えば、現在時刻が「18:59」から「19:00」になると、現在時間帯が「18:00-19:00」から「19:00-20:00」に遷移する。この場合、混雑判定部23は、遷移後の現在時間帯「19:00-20:00」の1つ前の過去時間帯「18:00-19:00」の混雑情報を抽出する。例えば、本実施形態では、所定時間間隔(10分)毎に、各店舗10の混雑情報が混雑情報DB20bに蓄積される。混雑判定部23は、上記過去時間帯に蓄積された混雑情報を抽出する。続いて、混雑判定部23は、抽出された混雑情報に基づいて、上記過去時間帯の当日混雑情報を決定する(ステップS503)。例えば、混雑判定部23は、蓄積された混雑情報に基づいて、上記過去時間帯において支配的であった混雑情報を特定する。例えば、18:00から18:40までの10分おきのタイミング(18:00、18:10、18:20、18:30、及び18:40)に取得された混雑情報が「やや混雑」であり、18:50及び19:00に取得された混雑情報が「混雑」である場合について考える。この場合、混雑判定部23は、最も多く判定された「やや混雑」を上記過去時間帯の当日混雑情報として決定する。当日混雑情報は、例えば混雑情報DB20b等に記憶され、ユーザ端末30からの要求に応じて、送信部25によってユーザ端末30へと送信される。
【0052】
図13は、
図9のフローチャートの処理ステップ群SGの変形例(表示制御の変形例)を示すフローチャートである。
図13に示されるように、変形例では、受信部33は、管理サーバ20から、指定された店舗10の店舗情報、予測混雑情報(現在日の24時間分の情報)及び現在混雑情報(その時点における最新の情報)と共に、現在時間帯よりも前の過去時間帯の当日混雑情報を取得する(ステップS601)。続いて、表示制御部34は、
図9のステップS403~S405と同様の処理(ステップS602~S604)を実行する。また、表示制御部34は、当日バーR2の現在時間帯より前の営業時間内の過去時間帯のブロックB2の表示態様を、当日混雑情報に基づいて決定する(ステップS605)。また、表示制御部34は、当日バーR2の現在時間帯より後の営業時間内のブロックB2の表示態様を、「情報なし」に決定する(ステップS606)。
【0053】
図14の(A)は、
図9の処理ステップ群SGを
図13のフローチャートに置き換えた場合に、ステップS407において生成される表示画像の一部(予測バーR1及び当日バーR2を含む部分)の例を示している。この例では、現在時間帯は「18:00-19:00」であり、営業時間は「13:00-翌2:00」である。このため、上述したステップS605において、現在時間帯よりも前の営業時間内の過去時間帯(この例では、「13:00-18:00」に含まれる5個の時間帯)の表示態様が、当日混雑情報に基づいて決定されている。
【0054】
以上説明したように、上記変形例では、表示制御部34は、当日バーR2における現在時間帯よりも前の時間帯である過去時間帯に対応するブロックB2(本実施形態では、営業時間内のブロックB2)に、当日の当該過去時間帯における統計的な混雑状況を示す情報(当日混雑情報)を表示する。上記構成によれば、ユーザは、当日の現時点までの混雑の傾向を把握することができる。例えば、店舗10の近くで人の集まるイベントが開催されている場合等には、通常時とは傾向が異なる(例えば混雑しやすい)場合がある。
図14の(A)に示すように、過去時間帯の当日混雑情報を当日バーR2に表示することにより、このような傾向をユーザに把握させることができる。また、過去時間帯(
図14の(A)の例では「13:00-18:00」)において、予測バーR1と当日バーR2とを比較することで、当日において予測通りの混雑傾向を示しているか否かをユーザに把握させることができる。例えば、過去時間帯における予測バーR1の表示内容(予測混雑情報)と当日バーR2の表示(当日混雑情報)とがほぼ一致している場合には、現在時間帯以降においても、予測バーR1に表示されている予測混雑情報を信頼できる可能性が高いと判断できる。一方、過去時間帯における予測バーR1の表示内容(予測混雑情報)と当日バーR2の表示(当日混雑情報)との乖離が大きい場合には、現在時間帯以降においても、予測バーR1に表示されている予測混雑情報があてにならない可能性が高いと判断できる。このように、過去時間帯の当日混雑情報をユーザに提示することにより、当日の混雑状況に関する有用な判断材料をユーザに提供することができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0055】
なお、上記例では、過去時間帯の統計的な混雑状況として、過去時間帯において支配的であった(最も多く判定された)混雑情報を用いたが、統計的な混雑状況は、上記に限られない。例えば、「空きあり」、「やや混雑」、「混雑」のそれぞれを混雑度に応じたスコアに変換し、過去時間帯における当該スコアの平均値を算出し、「空きあり」、「やや混雑」、「混雑」のうち算出された平均値と最も近い混雑状況を、上記統計的な混雑状況としてもよい。
【0056】
(過去時間帯の表示更新制御の第1例)
図14及び
図15を参照して、過去時間帯の表示更新制御の第1例について説明する。具体的には、ユーザ端末30上に表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯に遷移した場合の表示更新制御の例について説明する。ここでは一例として、現在時刻が「18:59」から「19:00」になり、現在時間帯が「18:00-19:00」から「19:00-20:00」に遷移するタイミング(すなわち、
図14の(A)の状態から
図14の(B)の状態に遷移するタイミング)を例に挙げて説明する。この場合、例えば、受信部33及び表示制御部34は、
図15のフローチャートの処理を実行することにより、表示画像を更新してもよい。
【0057】
すなわち、ユーザ端末30に表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯に遷移した場合(ステップS701:YES)、受信部33は、遷移後の現在時間帯(ここでは「19:00-20:00」)の1つ前の過去時間帯(ここでは「18:00-19:00」)の当日混雑情報を管理サーバ20から取得する(ステップS702)。続いて、表示制御部34は、上記過去時間帯に対応するブロックB24(
図14の(B)参照)の表示態様を、ステップS702で取得された当日混雑情報に変更する(ステップS703)。
図14の例では、上記処理によって、現在時間帯が「18:00-19:00」から「19:00-20:00」に遷移した際に、時間帯「18:00-19:00」の表示態様が、それまで表示されていた現在混雑情報(この例では「混雑」)から当日混雑情報(この例では「やや混雑」)に切り替わる。
【0058】
上記表示更新制御の第1例によれば、現在時間帯が次の時間帯に遷移した際に、現在時間帯の直前の過去時間帯の表示態様を当日混雑情報に直ちに切り替えることにより、直近の過去時間帯の混雑の傾向をすぐにユーザに把握させることができる。
【0059】
(過去時間帯の表示更新制御の第2例)
図16及び
図17を参照して、過去時間帯の表示更新制御の第2例について説明する。上記第1例では、現在時間帯が次の時間帯に遷移した直後に、遷移直前まで現在時間帯であった時間帯の表示態様が現在混雑情報から当日混雑情報に直ちに切り替わる。この場合、表示画像を継続して閲覧しているユーザが違和感を持つ可能性もある。そこで、第2例では、表示制御部34は、表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯に遷移した場合、遷移時点から所定期間が経過するまでは、遷移直前に現在時間帯であった第1時間帯に対応するブロックB24を、第1時間帯に受信部33により取得された最新の現在混雑情報が表示された状態のままとする。そして、表示制御部34は、遷移時点から所定期間が経過した後に、第1時間帯に対応するブロックB24の表示態様を、当日混雑情報に変更する。一例として、所定期間は、遷移時点から第1時間帯が2つ前の過去時間帯になるまでの期間である。本実施形態では1つの時間帯は1時間(60分)であるため、所定期間は、1時間(60分)である。ここでは一例として、現在時刻が「18:59」から「19:00」になり、現在時間帯が「18:00-19:00」から「19:00-20:00」に遷移するタイミング(すなわち、
図17の(A)の状態から
図17の(B)の状態に遷移するタイミング)を例に挙げて説明する。この例では、上述した第1時間帯は「18:00-19:00」に相当する。例えば、受信部33及び表示制御部34は、
図16のフローチャートの処理を実行することにより、表示画像を更新してもよい。
【0060】
すなわち、ユーザ端末30に表示画像が表示されている状態で現在時間帯が次の時間帯「19:00-20:00」に遷移した場合(ステップS801:YES)、遷移時点から所定期間が経過するまでは第1時間帯「18:00-19:00」の表示態様を更新しない(ステップS802:NO)。遷移時点から所定期間が経過すると(ステップS802:YES)、受信部33は、第1時間帯「18:00-19:00」の当日混雑情報を管理サーバ20から取得する(ステップS803)。続いて、表示制御部34は、第1時間帯「18:00-19:00」に対応するブロックB24の表示態様を、ステップS803で取得された当日混雑情報に変更する(ステップS804)。
図17の例では、現在時間帯が「18:00-19:00」から「19:00-20:00」に遷移した後、所定期間が経過するまでは、
図17の(B)に示されるように、第1時間帯「18:00-19:00」のブロックB24の表示態様は、それまで表示されていた現在混雑情報(この例では「混雑」)のまま維持される。その後、所定期間が経過すると、
図17の(C)に示されるように、第1時間帯「18:00-19:00」のブロックB24の表示態様は、当日混雑情報(この例では「やや混雑」)に変更される。本実施形態では、第1時間帯「18:00-19:00」が2つ前の過去時間帯になった時点(すなわち、現在時刻が「20:00」になった時点)で、第1時間帯「18:00-19:00」のブロックB24の表示態様が当日混雑情報に変更される。
【0061】
上記表示更新制御の第2例によれば、現在時間帯が次の時間帯に遷移した後、所定期間が経過するまでの間、現在時間帯の直前の過去時間帯(第1時間帯)の表示態様をそれまで表示されていた現在混雑情報に維持することにより、ユーザの違和感を抑制することができる。また、上記第2例は、管理サーバ20において第1時間帯の当日混雑情報を生成する処理に一定の時間がかかる場合にも有効である。すなわち、上記所定期間を設けることによって、管理サーバ20で当日混雑情報を生成する処理を実行するための処理時間を確保することができる。
【0062】
なお、所定期間は1つの時間帯に対応する時間(本実施形態では1時間(60分))よりも短い期間(例えば10分等)でもよいが、仮に第1時間帯のブロックB24が現在時間帯のブロックB22に隣接している状態(すなわち、
図17の(B)に示されるような状態)でブロックB24の表示態様が変更されると、ユーザが違和感を持つ可能性がある。一方、上記第2例のように、所定期間を「遷移時点から第1時間帯が2つ前の過去時間帯になるまでの期間」に設定した場合、第1時間帯のブロックB24が現在時間帯のブロックB22と隣接しない状態になってからブロックB24の表示態様が変更されるため、ユーザの違和感をより一層効果的に抑制することができる。
【0063】
[予測混雑情報生成処理の変形例]
上記実施形態では、同じ属性の過去日の同じ時間帯の混雑情報の判定結果を集計することによって、属性及び時間帯毎の予測混雑情報が生成されたが、混雑予測部24は、混雑情報の判定結果を用いることなく予測混雑情報を生成(導出)してもよい。ここでは一例として、混雑予測部24は、処理対象の時間帯に店舗10内に滞在した人数情報に基づいて過去日毎の混雑傾向を導出した後、1つ以上の過去日の混雑傾向に基づいて混雑予測情報を導出する方法について説明する。
【0064】
図18は、予測混雑情報生成処理の変形例を示すフローチャートである。ステップS901は、
図8のステップS301と同様である。ステップS902において、混雑予測部24は、選択された属性の過去所定期間分の人数情報を取得する。ステップS903において、混雑予測部24は、処理対象の時間帯を選択する。ステップS904において、混雑予測部24は、過去日毎に処理対象の時間帯における人数情報を全て合算し、累計人数を算出する。例えば、処理対象の時間帯が「6:00-7:00」で、所定期間において対象の属性に対応する過去日が5日間ある場合には、5つの過去日のそれぞれの「6:00-7:00」における累計人数を導出する。このように過去日が複数ある場合には、混雑予測部24は、各過去日の累計人数の平均(平均累計人数)を算出する。ステップS905において、混雑予測部24は、平均累計人数に基づいて、処理対象の時間帯の予測混雑情報を決定する。混雑予測部24は、予め設定された第3閾値t3及び第4閾値t4(t3<t4)を用いて、予測混雑情報を決定してもよい。例えば、混雑予測部24は、平均累計人数がt3未満である場合には「空きあり」を予測混雑情報として決定し、平均累計人数がt3以上且つt4未満である場合には「やや混雑」を予測混雑情報として決定し、平均累計人数がt4以上である場合には「混雑」を予測混雑情報として決定する。ステップS906及びS907は、
図8のステップS305及びS306と同様である。
【0065】
このように、予測バーR1のブロックB1に表示させる予測混雑情報と、現在バーR2のブロックB2に表示させる現在混雑情報とで、用いられる混雑情報の判定方法を異ならせてもよい。複数の過去日の混雑情報(または人数情報)から統計的に混雑情報を判定する際には、より統計に適した算出方法を用いることにより、精度の高い予測混雑情報を導出することができる。なお、上述した変形例に係る予測混雑情報の導出方法は、特に、処理対象の施設が観光施設の出入り口や通り等の人の動きが流動的な場所である場合に効果的である。
【0066】
[他の変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、店舗10の混雑状況を示す情報として、カメラ11で撮影した画像を解析することでカウントされた店舗内人数が用いられたが、各店舗10の混雑状況を示す情報は上記店舗内人数に限られない。例えば、店舗10の管理者が、店舗端末12に混雑状況を示す情報(例えば、上述した「空きあり」、「やや混雑」、及び「混雑」のいずれか)を直接入力し、入力された情報が、店舗端末12から管理サーバ20へと送信されてもよい。この場合、店舗端末12に入力された混雑状況を示す情報を、そのまま混雑情報の判定結果(
図5における「判定結果」に対応する情報)として用いることができるため、上述した混雑判定部23の処理を省略することができる。なお、この場合、店舗端末12への混雑状況の入力は、店舗10の混雑状況が変化したタイミングでのみ行われてもよい。上記仕組みによっても、上記実施形態のように、現時点までに取得済みの最新の現在混雑情報に基づいて現在時間帯に対応するブロックB22の表示態様を決定することにより、ブロックB22にリアルタイムの店舗10の混雑状況を反映させることができる。
【0067】
なお、上記のように定期的(例えば10分毎)に店舗10の混雑情報が混雑情報DB20bに蓄積されない場合、上述した予測混雑情報の生成の仕組み(すなわち、ある時間帯において最多数の混雑情報を予測混雑情報として決定する仕組み)に支障を来すおそれがある。そこで、このような場合には、管理サーバ20は、当該店舗10について、定期的に混雑情報の更新があったか否かを判定し、更新がなかった場合には、更新を確認した時刻を前回受信(判定)した混雑情報と対応付けてもよい。これにより、当該混雑情報を、更新を確認した一以上の時刻の各々に取得された混雑情報として扱うことが可能となり、上述した仕組みによって予測混雑情報を生成することが可能となる。
【0068】
また、店舗端末12の解析部122は、店舗10への入店人数及び店舗10からの退店人数をカウントし、カウント結果に基づいて店舗内人数を算出(推定)してもよい。例えば、店舗10の入口付近にステレオカメラ等を設置し、当該ステレオカメラにより撮影された画像に基づいて人の移動方向を解析することにより、入店人数及び退店人数をカウントすることができる。この場合、リアルタイムな混雑情報は、高頻度(例えば1分毎)に店舗内人数(入店者数-退店者数)に基づいて決定されてもよく、予測混雑情報は、各時間帯(1時間)の総入店者数に基づいて決定されてもよい。
【0069】
また、店舗10の混雑状況は、店舗10に設けられた順番待ち管理システムを用いて決定されてもよい。例えば、店舗10の混雑状況は、順番待ちの有無及び順番待ちの客数(グループ数)に基づいて決定されてもよい。また、店舗10の混雑状況は、カメラ以外のセンサ(例えば人感センサ等)を用いて決定されてもよい。例えば、店舗10の混雑状況は、上記センサにより検出された店舗内人数に基づいて決定されてもよい。また、店舗10の混雑状況は、店舗内人数以外の指標(例えば、空席数、空席率等)に基づいて決定されてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、混雑状況は、「空きあり」、「やや混雑」、及び「混雑」の3種類であったが、用意される混雑状況の種類は、2種類(例えば、「空きあり」又は「空きなし(満席)」)でもよい。或いは、混雑度を細分化することで4種類以上の混雑状況が用いられてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、1時間を単位とする時間帯が用いられたが、1時間以外の長さの時間帯(例えば30分単位等)が用いられてもよい。また、予測バーR1及び当日バーR2の表示態様は、上記実施形態のように横方向に延びる形態に限られない。例えば、予測バーR1及び当日バーR2は、縦方向に延び、左右に並列表示されてもよい。或いは、予測バーR1及び当日バーR2は、直線状以外の形状(例えば円弧状、円周状等)で表されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…情報提供システム、10…店舗(施設)、20…管理サーバ、30…ユーザ端末(情報提供装置)、31…受付部、32…要求部、33…受信部(第1取得部、第2取得部)、34…表示制御部、B1,B11,B12…ブロック(第1単位領域)、B2,B21,B22,B23,B24…ブロック(第2単位領域)、R1…予測バー(第1表示領域)、R2…当日バー(第2表示領域)、SC2…混雑情報画面(表示画像)。