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特開2022-143036体調管理装置、体調管理システム、車載器、体調管理方法、及び体調管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143036
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】体調管理装置、体調管理システム、車載器、体調管理方法、及び体調管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043361
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大竹 茉希
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB05
5H181BB12
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL20
5H181MC03
(57)【要約】
【課題】乗務員の体調を適切に管理することができる体調管理装置を提供する。
【解決手段】体調管理装置100は、運行情報取得部111と、乗務員情報取得部112と、健康状態判定部113と、警報情報生成部114と、通知部115とを備える。運行情報取得部111は、車両20に搭載されたセンサにより収集した車両20の運行情報を取得する。乗務員情報取得部112は、車両20に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する。健康状態判定部113は、あらかじめ記憶部120に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する。警報情報生成部114は、健康状態判定部113で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成する。通知部115は、警報情報を外部に通知する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたセンサにより収集した前記車両の運行情報を取得する運行情報取得部と、
前記車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、前記車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する乗務員情報取得部と、
あらかじめ記憶部に記憶された前記乗務員の管理情報と、前記検知情報に基づいて前記乗務員の健康状態を判定する健康状態判定部と、
前記健康状態判定部で判定された判定結果と、前記運行情報とに基づいて、警報情報を生成する警報情報生成部と、
前記警報情報を外部に通知する通知部と、を備える体調管理装置。
【請求項2】
前記警報情報生成部は、所定の間隔で前記警報情報を生成する、
請求項1に記載の体調管理装置。
【請求項3】
前記管理情報は、前記乗務員に対する体温の閾値情報を含む、
請求項1又は2に記載の体調管理装置。
【請求項4】
前記管理情報は、前記乗務員の前記検知情報と、前記乗務員の前記健康状態との関係をあらかじめ機械学習により学習させた学習済モデルである、
請求項1又は2に記載の体調管理装置。
【請求項5】
前記車両に搭載された車載器と、前記車載器と通信可能なサーバとを備える体調管理システムであって、
前記車載器は、
前記車両の前記運行情報を取得するセンサと、
前記車両に搭乗した前記乗務員に関する前記検知情報を検知する前記検知部と、を有し、
前記サーバは、請求項1~4のいずれか一項に記載の体調管理装置を有する、
体調管理システム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の体調管理装置を備える車載器。
【請求項7】
コンピュータによって実行される体調管理方法であって、
車両に搭載されたセンサにより収集した前記車両の運行情報を取得し、
前記車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、前記車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得し、
あらかじめ記憶部に記憶された前記乗務員の管理情報と、前記検知情報に基づいて前記乗務員の健康状態を判定し、
前記健康状態の判定結果と、前記運行情報とに基づいて、警報情報を生成し、
前記警報情報を外部に通知する体調管理方法。
【請求項8】
車両に搭載されたセンサにより収集した前記車両の運行情報を取得するステップと、
前記車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、前記車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得するステップと、
あらかじめ記憶部に記憶された前記乗務員の管理情報と、前記検知情報に基づいて前記乗務員の健康状態を判定するステップと、
前記健康状態の判定結果と、前記運行情報とに基づいて、警報情報を生成するステップと、
前記警報情報を外部に通知するステップと、
をコンピュータに実行させるための体調管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体調管理装置、体調管理システム、車載器、体調管理方法、及び体調管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運送業務等においては、乗務員の体調を管理及び安全な運転を行うために、車両の運行前後にドライバーの点呼及び車両の点検が行われる。特許文献1には、運行管理者及びドライバーの点呼及び点検を支援するための点呼・点検支援装置が開示されている。特許文献1に開示された点呼・点検支援装置は、管理対象車両を車庫内等の所定の点呼・点検場所に停車させ、ドライバーに関する情報の取得、及び点呼が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-61498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の運送業務等においては、点呼の時点で体調に問題がなかった乗務員が、業務の途中で体調を崩す場合がある。特許文献1に開示された点呼・点検支援装置においては、車両の運行前後にドライバーの状態取得及び点呼が行われるため、車両の運行中などの業務途中で乗務員が体調を崩した場合等に、乗務員の体調を適切に管理することができない。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、乗務員の体調を適切に管理することができる体調管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る体調管理装置は、車両に搭載されたセンサにより収集した車両の運行情報を取得する運行情報取得部と、車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する乗務員情報取得部と、あらかじめ記憶部に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する健康状態判定部と、健康状態判定部で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成する警報情報生成部と、警報情報を外部に通知する通知部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係る体調管理装置の警報情報生成部は、所定の間隔で警報情報を生成することが好ましい。
【0008】
本発明の他の態様に係る体調管理装置の管理情報は、乗務員に対する体温の閾値情報を含むことが好ましい。
【0009】
本発明の他の態様に係る体調管理装置の管理情報は、乗務員の検知情報と、乗務員の健康状態との関係をあらかじめ機械学習により学習させた学習済モデルであることが好ましい。
【0010】
本発明の他の態様に係る体調管理システムは、車両に搭載された車載器と、車載器と通信可能なサーバとを備える体調管理システムであって、車載器は、車両の運行情報を取得するセンサと、車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を検知する検知部と、を有し、サーバは、上述の体調管理装置を有する。
【0011】
本発明の他の態様に係る車載器は、上述の体調管理装置を備える。
【0012】
本発明の他の態様に係る体調管理方法は、コンピュータによって実行される体調管理方法であって、車両に搭載されたセンサにより収集した車両の運行情報を取得し、車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得し、あらかじめ記憶部に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定し、健康状態の判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成し、警報情報を外部に通知する。
【0013】
本発明の他の態様に係る体調管理プログラムは、車両に搭載されたセンサにより収集した車両の運行情報を取得するステップと、車両に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得するステップと、あらかじめ記憶部に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定するステップと、健康状態の判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成するステップと、警報情報を外部に通知するステップとを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、乗務員の体調を適切に管理することができる体調管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る体調管理システムの一例を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係る車載器の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る体調管理装置の構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態に係る体調管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態に係る運行情報、乗務員情報、及び警報情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る管理情報の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る体調管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る車載器の機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本実施形態に係る体調管理システム1について詳細に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
(体調管理システム1の概略構成)
図1は、サーバ10と、車両20と、端末30(30a、30b)と、ネットワーク40と、無線基地局50を備える体調管理システム1の概略図である。体調管理システム1は、サーバ10と、車両20と、端末30とが、ネットワーク40を介して相互に通信可能な形態で構成される。
【0018】
体調管理システム1は、サーバ10が車両20の乗務員に関する情報を取得し、あらかじめ記憶された乗務員の管理情報に基づいて、乗務員の健康状態を判定する。サーバ10により判定された乗務員の健康状態は、車両20及び/又は端末30に通知される。あるいは、乗務員の健康状態の判定結果は、サーバ10内に格納され、ユーザが後で確認することも可能とする。
【0019】
(第1の実施形態)
第1の実施形態において車両20は、運行情報を収集する各種センサを搭載し、センサにより収集された情報を、アンテナ250を介してサーバ10に送信する。また、車両20は、車両20に搭載されたカメラ260によって車両20に搭乗した乗務員の体温情報を検知し、検知した体温情報(以下、検知情報と称する)を、アンテナ250を介してサーバ10に送信する。
【0020】
端末30は、ユーザが使用する端末であり、例えば、PC(Personal Computer)としての端末30a、及びモバイル用の端末30bを含む。以降、端末30として、PCとしての30aとモバイル用の端末30bとをそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「端末30」と表記する。
【0021】
(車両20の説明)
車両20には、車載器200、アンテナ250、及びカメラ260が搭載されている。第1の実施形態において、カメラ260は、赤外線サーモカメラであり、乗務員から放射される赤外線情報を測定することにより体温を測定する。なお、カメラ260は、検知部に相当する。
【0022】
(車載器200の構成)
次に、車載器200の構成について説明する。図2に示すように、車載器200は、マイクロコンピュータ210(CPU)、速度信号IF231(IF:Interface)、エンジン信号IF232、GPSIF233、アナログ信号IF234、外部入力IF235、及びカメラ入力IF236を備える。また、車載器200は、広域無線通信モジュール251、不揮発性メモリ225、揮発性メモリ226、及びSDカード227を備える。さらに、車載器200は、スイッチ入力部237(SW入力部、SW:Switch)、液晶表示部IF238(LCD:Liquid Crystal Display)、及びスピーカIF239を備える。
【0023】
マイクロコンピュータ210は、あらかじめ組み込まれたプログラムを実行することにより、車載器200に必要とされる様々な機能を実現する。マイクロコンピュータ210の主要な動作については後述する。
【0024】
速度信号IF231は、車両側から出力される所定の車速信号をマイクロコンピュータ210の入力処理に適した信号に変換する。マイクロコンピュータ210は、車速信号のパルス数や信号の周期を監視することにより、車両20の走行速度や走行距離を把握できる。
【0025】
エンジン信号IF232は、車両側から出力される所定のエンジン回転信号をマイクロコンピュータ210の入力処理に適した信号に変換する。マイクロコンピュータ210は、エンジン回転信号のパルス数や信号の周期を監視することにより、エンジンの回転数(rpm)を把握できる。
【0026】
GPSIF233は、図示しないGPS受信機からの信号をマイクロコンピュータ210に入力するために利用される。GPS受信機は複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、受信地点である車両20の現在位置を算出できる。マイクロコンピュータ210は、現在位置の情報を、GPSIF233を経由してGPS受信機から取得できる。
【0027】
アナログ信号IF234は、例えば車両20の運転室や荷物室の特定部位における温度などを表すアナログ信号をデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ210に与えることができる。
【0028】
外部入力IF235は、所定の外部信号をマイクロコンピュータ210の入力処理に適した信号に変換する。所定の外部信号は、例えば、イグニッションSW(図示せず)のON/OFF信号、ブレーキSW(図示せず)のON/OFF信号、ウインカSW(図示せず)のON/OFF信号、ギア段の位置を示す信号などが入力される。また、車両20に加わった加速度の大きさを表す信号を外部信号として外部入力IF235に入力することができる。
【0029】
カメラ入力IF236は、車両20に設けられたカメラ260において取得された検知情報をマイクロコンピュータ210に入力するために利用される。
【0030】
広域無線通信モジュール251は、例えば移動体通信事業者などが提供する無線基地局50などとの間で無線通信回線を確保し、広域の無線通信を可能にするための機能を有している。広域無線通信モジュール251は、アンテナ250を介して無線基地局50と通信することができる。
【0031】
不揮発性メモリ225は、マイクロコンピュータ210のアクセスにより、データの読み出し及び保持しているデータの書き換えが可能なフラッシュメモリのような電子デバイスである。不揮発性メモリ225は、車載器200が使用する様々なパラメータ、定数データ、プログラムなどのデータを保持するために利用される。
【0032】
揮発性メモリ226は、マイクロコンピュータ210のアクセスにより、データの読み出し及び書き込みが自在な半導体メモリデバイスである。揮発性メモリ226は、マイクロコンピュータ210が扱う様々なデータを一時的に保持するために利用される。
【0033】
SDカード227は、図示しない所定のカードインタフェースを利用して、着脱自在な状態で車載器200に接続される。マイクロコンピュータ210は、装着されたSDカード227にカードインタフェースを経由してアクセスし、データの読み出し及び書き込みを行うことができる。SDカード227は、例えば車両20の運行データのように、車載器200が記録すべき様々なデータを保存するために利用される。
【0034】
また、本実施形態においては、車載器200に接続可能なSDカード227は、車両20を管理している企業内で各々の乗務員に個別に割り当てられた媒体を用いてもよい。例えば、それぞれのSDカード227の中には、乗務員情報として、所有者(運転者IDに相当)を表す固有の乗務員番号が事前に書き込まれていてもよい。各乗務員は、各車両20の運行を開始する出庫の際に、例えば自分のSDカード227を車載器200に装着することにより、出庫の手続きを行うことが可能になる。勿論、他の方法で出庫の手続きを行うことも可能である。
【0035】
スイッチ入力部237は、車両20の運転者などの入力操作を受け付けるための、複数のボタンの操作状態を表す信号を生成するスイッチを備えている。各ボタンの操作状態の信号は、スイッチ入力部237からマイクロコンピュータ210に入力される。
【0036】
液晶表示部IF238は、車載器200の筐体前面の運転者から見やすい位置に配置された液晶表示部(図示なし)とのインタフェースである。液晶表示部IF238は、マイクロコンピュータ210の制御により、液晶表示部に、車載器200の動作状態を表示したり、ユーザの入力操作の際に必要な情報を表示したりするために利用される。
【0037】
スピーカIF239は、車両20に設けられたスピーカ(図示なし)とのインタフェースである。スピーカIF239は、マイクロコンピュータ210の制御により、スピーカに警報の音や疑似音声を出力することができる。
【0038】
本実施形態において、マイクロコンピュータ210は、速度信号IF231、及びエンジン信号IF232を介して受信した車両20の走行速度、エンジン始動時刻及びエンジン回転数を運行情報として、アンテナ250を介して、サーバ10に送信する。また、マイクロコンピュータ210は、外部入力IF215、及びカメラ入力IF216を介して受信した、加速度情報、及び乗務員の検知情報を、アンテナ250を介して、サーバ10に送信する。なお、マイクロコンピュータ210がサーバ10に送信する情報は、上記の運行情報に限定されるものではなく、運行情報を取得した時間情報、GPSIF233で取得した車両20の位置情報等を含んでもよい。
【0039】
(体調管理装置100の機能的構成)
次に、サーバ10に備えられた体調管理装置100の機能的構成について説明する。図3に、サーバ10の構成を示す。図3に示す通り、体調管理装置100は、制御部110と、記憶部120と、入出力IF130と、ネットワークIF140とを備える。制御部110については後述する。
【0040】
記憶部120は、図4に示すように、管理情報DB121(DB:Database)と、乗務員情報DB122と、運行情報DB123と、警報情報DB124とに含まれる情報をデータとして格納する。なお、これらの各データを格納する記憶部120は、1つであっても複数であっても良い。例えば、1つの記憶部120に対し、領域を分けて記憶する構成としてもよい。あるいは、物理的に離れた場所に設置された複数の記憶装置に、データが分散して格納されていても良い。
【0041】
入出力IF130は、例えば、ユーザがサーバ10との間においてデータをやり取りするための構成要素(インタフェース)である。入出力IF130は、入力部と、出力部とを備える(図示なし)。
【0042】
入出力IF130における入力部は、ユーザによるさまざまな情報を入力するためのインタフェース機能を有し、サーバ10の外部より情報が入力される。入力部には、サーバ10と接続された、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボール、及び、音声認識デバイス等を通じてユーザによって情報が入力される。また、入力部は、外部記憶装置(図示なし)等からデータを入力するためのデータ入力端子として、情報を入力することができる。
【0043】
入出力IF130における出力部は、サーバ10に接続された表示装置(図示なし)に、作業状況等を表示させる。表示装置は、例えば、ディスプレイ装置、プロジェクター装置などである。なお、乗務員の健康状態等が表示される表示装置は、車載器200の液晶表示部IF238や端末30とすることも可能であり、その場合、ネットワークIF140を介して、乗務員の健康状態や警報情報が、車載器200や端末30に送られる。
【0044】
ネットワークIF140は、ネットワーク40を介して、体調管理装置100と、車載器200及び端末30との相互の通信を可能にするためのインタフェースである。
【0045】
次に、制御部110において実施される各機能について説明する。図4は、体調管理装置100の機能を説明するためのブロック図である。制御部110は、運行情報取得部111と、乗務員情報取得部112と、健康状態判定部113と、警報情報生成部114と、通知部115とを機能として備える。また、制御部110は、例えば、オペレーションシステムを動作させて、サーバ10全体を制御する。さらに、制御部110は、記憶部120に格納されたプログラムに基づいて動作し、運行情報取得部111と、乗務員情報取得部112と、健康状態判定部113と、警報情報生成部114と、通知部115とに備える各機能を実行する。なお、プログラムは、記憶部120に格納される形態に限定されず、例えば、体調管理装置100内の、ROM(Read Only Memorry)等(図示なし)に記憶された構成としてもよい。
【0046】
運行情報取得部111は、車両20に設けられた車載器200で収集された車両20の運行情報を、ネットワーク40を介して取得し、運行情報DB123に格納する。運行情報は、例えば、エンジンの始動時刻、運転室内の温度に関する情報である。
【0047】
図5に運行情報DB123に格納された運行情報の一例を示す。図5に示す運行情報は、車両番号、エンジン始動時刻、運転室の温度を示す温度情報、及び車両20の運行状態が格納されている。なお、運行情報DB123に格納される運行情報には、上述の内容に限定されず、車載器200から送信される車両20の速度情報、エンジン回転数、位置情報といった情報を含んでもよい。
【0048】
乗務員情報取得部112は、車両20の車載器200で検知された乗務員の検知情報を、ネットワーク40を介して取得し、乗務員情報DB122に格納する。本実施形態において、乗務員の検知情報は、乗務員の体温に関する情報である。また、検知情報には、乗務員の体温の測定時刻、及び乗務員番号を含まれる。さらに、検知情報には、乗務員の乗車時間、降車時間、及び/又は作業内容を含んでもよい。
【0049】
図5に乗務員情報DB122に格納された乗務員情報の一例を示す。図5に示す乗務員情報には、体温測定時刻、乗務員番号、乗車時間、降車時間、作業内容、及び体温情報が格納されている。
【0050】
健康状態判定部113は、あらかじめ記憶部120の管理情報DB121に記憶された乗務員の管理情報と、乗務員情報DB122に格納された検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定し、乗務員情報DB122に格納する。
【0051】
図6に、管理情報DB121に格納された乗務員の管理情報の一例を示す。本実施形態において、管理情報には、乗務員番号と、平熱範囲と、判定閾値とが格納されている。
【0052】
乗務員番号は、乗務員ごとに付与された番号であって、乗務員を識別するための番号である。平熱範囲は、乗務員ごとに設定された体温の範囲であって、平熱であることを示す体温の範囲である。
【0053】
平熱範囲は、デフォルト値として、例えば、36.0℃~37.0℃が定められる。また、平熱範囲は、過去に測定された乗務員の体温情報に基づいて、デフォルト値から調整される。例えば、平熱が乗務員の平均値より高い乗務員の平熱範囲は、高いほうに範囲が広がる。
【0054】
判定閾値は、乗務員の健康状態を判定するために用いる閾値情報であり、平熱範囲に基づいて調整される。例えば、判定閾値は、デフォルトとして37.4℃が定められ平熱範囲が、デフォルトの平熱範囲の上限値又は平均値より低い場合には、判定閾値もデフォルトの値である37.4℃より下がる。一方で、判定閾値は、デフォルトとして37.4℃が定められ平熱範囲が、デフォルトの平熱範囲の上限値又は平均値より高い場合には、判定閾値もデフォルトの値である37.4℃より上がる。
【0055】
健康状態判定部113は、乗務員情報DB122に格納された乗務員情報の体温と、管理情報DB121に格納された管理情報のうち、乗務員番号が一致する乗務員の判定閾値とを比較する。また、健康状態判定部113は、乗務員の体温が、判定閾値以上であると判定された場合には、乗務員情報DB122の健康状態の欄に、健康状態に異常がある旨の情報を格納する。図5に示す例においては、乗務員情報DB122の健康状態の欄には、「異常あり」という情報が格納されている。
【0056】
警報情報生成部114は、健康状態判定部113で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成し警報情報DB124に格納する。具体的には、乗務員情報DB122の健康状態に「異常あり」という情報が格納されたもののうち、運行情報DB123の報知モードが有効(図5の報知モードに「○」で示された状態)である場合に、警報情報DB124に警報情報が格納される。
【0057】
また、警報情報生成部114は、警報情報DB124に警報情報を格納する際に、「アナウンスフラグ」を有効にする。図5に示す例においては、「アナウンスフラグ」が有効な場合には、警報情報DB124の「アナウンスフラグ」の欄に「○」が示されている。本実施形態において「アナウンスフラグ」は、乗務員の健康状態に異常があると判定された場合に有効となり、車両20に次の乗務員が搭乗し車載器200を起動した際に、クリアされる。「アナウンスフラグ」は、前回の乗務員に発熱等の形跡があった場合に、次の搭乗員に車両20内部の消毒の推奨をアナウンスするためのフラグとして用いられる。この「アナウンスフラグ」を用いた消毒の推奨を行うことにより、運送業務等の乗務員が交代する業務形態において、感染拡大防止を図ることが可能となる。
【0058】
本実施形態において、報知モードは、乗務員の健康状態が異常であると判定された場合に、適切に警報情報を通知するためのタイミングを示す情報である。すなわち、本実施形態において、乗務員の健康状態に異常がある場合であって、報知モードが有効である場合に、警報情報が通知される。
【0059】
また、報知モードは、車両20の運行情報に基づいて定められ、例えば、エンジンの始動時刻や、走行中の所定の間隔で有効となる。エンジン始動時刻には、乗務員の乗車時の健康状態を検知することができる。さらに、走行中の所定の間隔においては、例えば、乗務員が走行途中で体温が上がるなど健康状態に異常が発生した場合に検知することができる。例えば、本実施形態において走行中の所定の時間は、10分とし、走行中の車両20に対して、10分間隔で報知モードが有効になる。この所定の時間は、ユーザによって設定可能であるものとし、10分より短い又は10分より長い時間を設定することができる。
【0060】
なお、走行中の所定の間隔が短すぎる場合には、乗務員の健康状態に異常が発生した場合に、頻繁に警報情報が通知され、乗務員は煩わしさを感じるため好ましくない。また、頻繁に警報情報が通知される場合には、乗務員が警報情報に慣れてしまい、警報に対する意識が軽減される恐れがある。
【0061】
一方で、警報情報が通知される間隔が長すぎる場合には、乗務員や運行管理者が、乗務員の健康状態が悪化していることを知る機会が低減する。そのため、所定の間隔は、乗務員が適切に警報を意識することができる間隔であることが好ましい。
【0062】
通知部115は、警報情報DB124に格納された警報情報に基づいて、車両20及び/又は端末30に対して、乗務員の健康状態に関する警報の通知を行う。具体的には、通知部115は、車両20の車載器200に乗務員の健康状態に関する警報を通知する。車載器200は、乗務員の健康状態に関する警報を受け取ると、液晶表示部IF238及び/又はスピーカIF239を介して、ドライバーの健康状態に異常がある旨を通知する。さらに車載器200は、「アナウンスフラグ」の関する情報を含む警報情報を不揮発性メモリ225に格納し、次回乗務員が車載器200を起動した際に、液晶表示部IF238及び/又はスピーカIF239を介して、消毒を推奨する旨のアナウンスを行う。
【0063】
また、運行管理者は、端末30を介して警報情報を受け取ることにより、乗務中の乗務員の体調を事務所等で確認することが可能となる。これにより、運行管理者は、乗務員の体調の変化による乗務交代などの対応を迅速に行うことが可能となり、適切に車両20の運行を管理することが可能となる。
【0064】
(体調管理システムの処理フローの概略)
図7に示すフローチャートを用いて体調管理システム1における体調管理の流れを示す。図7に示すフローチャートは、体調管理装置100に係る処理(体調管理方法)についてのフローチャートである。図7のフローチャートに示す体調管理装置100の一連の動作は、体調管理装置100が起動されると開始され、作業終了により処理を終了する。また、図7に示すフローチャートは、電源オフや処理終了の割り込みによっても処理は終了する。また、以下のフローチャートの説明において、上述の体調管理装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0065】
ステップS701において、運行情報取得部111は、車両20に設けられた車載器200で収集された車両20の運行情報を取得し、運行情報DB123に格納する。運行情報は、例えば、エンジンの始動時刻、運転室内の温度に関する情報である。
【0066】
ステップS702において、制御部110は、車両20が運行中であるか否かを判定する。本実施形態において、車両20が運行中であるのは、車両20のイグニッションSWがオンとなり、エンジンが動作している状態を示す。ステップS702において、制御部110は、車両20が運行中であると判定した場合(ステップS702:YES)には、ステップS703に進む。一方で、ステップS702において、制御部110は、車両20が運行中でないと判定した場合(ステップS702:NO)には、体調管理装置100における体調管理の処理を終了する。
【0067】
ステップS703において、乗務員情報取得部112は、車両20の車載器200で検知された乗務員の検知情報を取得し、乗務員情報DB122に格納する。本実施形態において、乗務員の検知情報は、乗務員の体温に関する情報である。
【0068】
ステップS704において、健康状態判定部113は、あらかじめ記憶部120の管理情報DB121に記憶された乗務員の管理情報と、乗務員情報DB122に格納された検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する。具体的には、健康状態判定部113は、乗務員情報DB122に格納された乗務員情報の体温と、管理情報DB121に格納された管理情報の判定閾値とを比較する。
【0069】
ステップS704において、健康状態判定部113は、乗務員の健康状態に異常があると判定した場合(ステップS704:YES)には、ステップS705に進む。一方で、ステップS704において、健康状態判定部113は、乗務員の健康状態に異常がないと判定した場合(ステップS704:NO)には、ステップS701に戻り、ステップS701からの処理を繰り返し実行する。
【0070】
ステップS705において、健康状態判定部113は、乗務員の健康状態を判定した結果を、乗務員情報DB122に格納する。
【0071】
ステップS706において、警報情報生成部214は、車両20の運行情報において報知モードが有効であるか否かを判定する。具体的には、警報情報生成部214は、乗務員情報DB122の健康状態に「異常あり」という情報が格納されたもののうち、運行情報DB123の報知モードが有効(図5の報知モードに「○」で示された状態)であるか否かを判定する。ステップS706において、警報情報生成部214は、車両20の運行情報において報知モードが有効であると判定した場合(ステップS706:YES)には、ステップS707に進む。一方で、ステップS706において、警報情報生成部214は、車両20の運行情報において報知モードが有効でないと判定した場合(ステップS706:NO)には、ステップS701に戻り、ステップS701からの処理を繰り返し実行する。
【0072】
ステップS707において、警報情報生成部114は、健康状態判定部113で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成し警報情報DB124に格納する。具体的には、乗務員情報DB122の健康状態に「異常あり」という情報が格納されたもののうち、運行情報DB123の報知モードが有効(図5の報知モードに「○」で示された状態)である場合に、警報情報DB124に警報情報が格納される。
【0073】
ステップS708において、通知部115は、警報情報DB124に格納された警報情報に基づいて、車両20及び/又は端末30に対して、乗務員の健康状態に関する警報の通知を行う。
【0074】
上述の通り、第1の実施形態に係る体調管理装置100は、運行情報取得部111と、乗務員情報取得部112と、健康状態判定部113と、警報情報生成部114と、通知部115とを備える。運行情報取得部111は、車両20に搭載されたセンサにより収集した車両20の運行情報を取得する。乗務員情報取得部112は、車両20に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する。健康状態判定部113は、あらかじめ記憶部120に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する。警報情報生成部114は、健康状態判定部113で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成する。通知部115は、警報情報を外部に通知する。これにより、体調管理装置100は、車両20の運行情報、及び乗務員の検知情報並びに管理情報に基づいて乗務員の健康状態を判定することで、例えば、車両20の運行中等においても乗務員の体調を適切に管理することが可能となる。
【0075】
また、上述の通り、第1の実施形態に係る体調管理装置100の警報情報生成部114は、所定の間隔で警報情報を生成する。これにより、乗務員は、適切なタイミングで健康状態に関する警報を意識することが可能となる。
【0076】
また、体調管理装置100は、各乗務員に対する体温の閾値情報を含む管理情報DB121を備え、健康状態判定部113は、管理情報に基づいて、乗務員の健康状態を判定する。これにより、例えば、各乗務員で異なる平熱の範囲や体温の閾値を用いることで、より適切に乗務員の健康状態の判定が可能となる。
【0077】
(第2の実施形態)
上述の通り、具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示であって実施形態の構成を限定するものではない。例えば、上述の実施形態では、車両20に設けられた車載器200から取得した運行情報及び検知情報に基づいて、サーバ10に設けられた体調管理装置100が乗務員の健康状態を判定する形態を例示した。ここではさらに、車両20に設けられた車載器200が体調管理装置100を備える形態について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0078】
図8は、第2の実施形態のおける車載器200の機能的構成を説明するためのブロック図である。図8に示すように、マイクロコンピュータ210(CPU)は、運行情報取得部211と、乗務員情報取得部212と、健康状態判定部213と、警報情報生成部214と、通知部215とを機能として備える。
【0079】
また、図8に示すように、記憶部は、管理情報DB221と、乗務員情報DB222と、運行情報DB223と、警報情報DB224とに含まれる情報をデータとして格納する。第2の実施形態において、管理情報DB221、乗務員情報DB222、運行情報DB223、及び警報情報DB224は、記憶部として車載器200の揮発性メモリ226に格納させる。なお、管理情報DB221、乗務員情報DB222、運行情報DB223、及び警報情報DB224は、揮発性メモリ226に格納される構成に限定されず、不揮発性メモリ225及び/又はSDカード227に格納される構成としてもよい。
【0080】
また、図8に示すように、マイクロコンピュータ210は、入出力IF230を介して、情報の入出力を行う。入出力IF230の入力部は、例えば、図8に示す各種IF230a及びカメラ入力IF236を介して、情報を取得する。なお、各種IF230aは、図2に示す速度信号IF231、エンジン信号IF232、GPSIF233、アナログ信号IF234、及び外部入力IF235が該当する。
【0081】
また、入出力IF230の出力部は、例えば、液晶表示部IF238、スピーカIF239が該当する。なお、通知部215は、広域無線通信モジュール251を介して、サーバ10及び/又は端末30に警報情報を送信する構成としてもよい。
【0082】
上述の通り、第2の実施形態に係る車載器200のマイクロコンピュータ210は、運行情報取得部211と、乗務員情報取得部212と、健康状態判定部213と、警報情報生成部214と、通知部215とを機能として備える。これにより、車載器200は、車両20の外部との情報のやり取りを行わずに、取得した運行情報及び検知情報に基づいて、乗務員の健康状態の判定、警報情報の生成、及び警報情報の通知を行うことが可能となる。すなわち、車載器200と、サーバ10との間で情報(データ)をやり取りする時間が短縮され、より迅速に乗務員の健康状態の異常に対して警報を通知することが可能となる。
【0083】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0084】
上述の実施形態において、乗務員の健康状態を検知する検知部は、赤外線サーモカメラである例を示したが、実施の形態はこの構成に限定されない。例えば、検知部は、乗務員の血圧、脈拍、瞳孔、顔色、呼気を検知する形態としてもよい。さらに検知部は、乗務員の開眼度合、口角や眉毛、目じりの角度等をカメラにより取得し、健康状態を判定する情報として用いる構成としてもよい。
【0085】
また、上述の実施形態において、健康状態判定部113は、各乗務員の検知情報と、健康状態とを機械学習により学習させた学習済モデルを管理情報として用いて、乗務員の健康状態を判定する形態としてもよい。例えば、乗務員の日常の体温及び体調の関係を示す情報を学習させた学習済モデルを管理情報として用い、検知情報を学習済モデルに入力することにより、健康状態の判定結果を出力する構成としてもよい。さらには、乗務員の血圧、脈拍、瞳孔、顔色、呼気、開眼度合、口角や眉毛、及び/又は目じりの角度と、体調との関係を学習させた学習済モデルを管理情報として乗務員の健康状態を判定する形態としてもよい。これにより、各乗務員の健康状態をより正確に判定することが可能となる。さらには、体温だけでは判定することが困難な、各種疾病を正確に判定することが可能となり、乗務員の体調をより適切に管理することが可能となる。
【0086】
また、上述の実施形態において、乗務員は車両20の運転者(ドライバー)に限定されない。例えば、乗務員は車両20に搭載された荷物の積み降ろしを行う同乗者であってもよい。例えば、同乗者が車両20の助手席に搭乗する場合には、助手席に搭乗した乗務員に関する情報を検知するカメラ260を別途設ける構成としてもよい。これにより、健康状態の判定が運転者のみに限定されず、車両20に搭乗する乗務員に対して行うことで、例えば、運転者以外の乗務員の健康状態の異常発生時における感染の拡大を防ぐことが可能となる。
【0087】
また、上述した体調管理装置100における処理(体調管理方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0088】
以下に、本実施形態の体調管理装置100、体調管理システム1、車載器200、体調管理方法、及び体調管理プログラムの特徴について記載する。
【0089】
第1の態様に係る体調管理装置100は、車両20に搭載されたセンサにより収集した車両20の運行情報を取得する運行情報取得部111を備える。また、体調管理装置100は、車両20に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する乗務員情報取得部112を備える。さらに、体調管理装置100は、あらかじめ記憶部120に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する健康状態判定部113を備える。また、体調管理装置100は、健康状態判定部113で判定された判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成する警報情報生成部114と、警報情報を外部に通知する通知部115と、を備える。
【0090】
上記構成によれば、体調管理装置100は、車両20の運行情報、及び乗務員の検知情報並びに管理情報に基づいて乗務員の健康状態を判定することで、例えば、車両20の運行中等においても乗務員の体調を適切に管理することが可能となる。
【0091】
第2の態様に係る体調管理装置100は、警報情報生成部114は、所定の間隔で警報情報を生成することが好ましい。
【0092】
上記構成によれば、乗務員は、適切に健康状態に関する警報を意識することが可能となる。
【0093】
第3の態様に係る体調管理装置100の管理情報は、乗務員に対する体温の閾値情報を含むことが好ましい。
【0094】
上記構成によれば、例えば、各乗務員で異なる平熱の範囲や体温の閾値を用いることで、より適切に乗務員の健康状態の判定が可能となる。
【0095】
第4の態様に係る体調管理装置100の管理情報は、乗務員の検知情報と、乗務員の健康状態との関係をあらかじめ機械学習により学習させた学習済モデルであることが好ましい。
【0096】
上記構成によれば、各乗務員の健康状態をより正確に判定することが可能となる。さらには、体温だけでは判定することが困難な、各種疾病を正確に判定することが可能となり、乗務員の体調をより適切に管理することが可能となる。
【0097】
第5の態様に係る体調管理システム1は、車両20に搭載された車載器200と、車載器200と通信可能なサーバ10とを備える体調管理システム1である。車載器200は、車両20の運行情報を取得するセンサと、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を検知する検知部と、を有する。また、サーバ10は、上述の体調管理装置100を有する。
【0098】
上記構成によれば、体調管理システム1は、車両20の運行情報、及び乗務員の検知情報並びに管理情報に基づいて乗務員の健康状態を判定することで、例えば、車両20の運行中等においても乗務員の体調を適切に管理することが可能となる。
【0099】
第6の態様に係る車載器200は、上述の体調管理装置100を備えることが好ましい。
【0100】
上記構成によれば、車載器200は、車両20の外部との情報のやり取りを行わずに、取得した運行情報及び検知情報に基づいて、乗務員の健康状態の判定、警報情報の生成、及び警報情報の通知を行うことが可能となる。すなわち、車載器200と、サーバ10との間で情報(データ)をやり取りする時間が短縮され、より迅速に乗務員の健康状態の異常に対して警報を通知することが可能となる。
【0101】
第7の態様に係る体調管理方法は、コンピュータによって実行される体調管理方法であって、車両20に搭載されたセンサにより収集した車両20の運行情報を取得する処理を含む。また、体調管理方法は、車両20に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得する処理を含む。さらに、体調管理方法は、あらかじめ記憶部120に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定する処理と、健康状態の判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成する処理と、警報情報を外部に通知する処理とを含む。
【0102】
上記構成によれば、体調管理方法により、車両20の運行情報、及び乗務員の検知情報並びに管理情報に基づいて乗務員の健康状態を判定することで、例えば、車両20の運行中等においても乗務員の体調を適切に管理することが可能となる。
【0103】
第8の態様に係る体調管理プログラムは、コンピュータに実行させるための体調管理プログラムであって、車両20に搭載されたセンサにより収集した車両20の運行情報を取得するステップを含む。また、体調管理プログラムは、車両20に搭載された検知部によって検知される情報であって、車両20に搭乗した乗務員に関する検知情報を取得するステップを含む。さらに、体調管理プログラムは、あらかじめ記憶部120に記憶された乗務員の管理情報と、検知情報に基づいて乗務員の健康状態を判定するステップと、健康状態の判定結果と、運行情報とに基づいて、警報情報を生成するステップと、を含む。さらに、体調管理プログラムは、警報情報を外部に通知するステップを含む。
【0104】
上記構成によれば、体調管理プログラムにより、車両20の運行情報、及び乗務員の検知情報並びに管理情報に基づいて乗務員の健康状態を判定することで、例えば、車両20の運行中等においても乗務員の体調を適切に管理することが可能となる。
【符号の説明】
【0105】
1 体調管理システム
10 サーバ
20 車両
30、30a、30b 端末
40 ネットワーク
50 無線基地局
100 体調管理装置
110 制御部
111、211 運行情報取得部
112、212 乗務員情報取得部
113、213 健康状態判定部
114、214 警報情報生成部
115、215 通知部
120 記憶部
121、221 管理情報DB
122、222 乗務員情報DB
123、223 運行情報DB
124、224 警報情報DB
130、230 入出力IF
140 ネットワークIF
200 車載器
210 マイクロコンピュータ
250 アンテナ
260 カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8